JP5561211B2 - 車両用計器 - Google Patents

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Description

本発明は、指針の回転中心にボスキャップを被せ、指針を光源からの光により発光させると共に、デザインのためにボスキャップに設けたスリットを、光源からの光により発光させる車両用計器に関するものである。
車両用計器において、表示板に印刷された指標部を指し示す指針(ポインタとも呼ばれる)はポリカーボネイト等の着色された透光性のある樹脂で成型されている。指針は、表示板上を移動する針状部と指針基部とボスキャップとを備える。この針状部の付け根の指針基部には、ボスキャップが被せられる。指針は、昼間において樹脂材料の色調のみで運転者に視認され、夜間において表示板の裏にある光源(LED)からの光で発光する。
ボスキャップは、不透光性の樹脂性のキャップからなる。このボスキャップの表面にスリットが設けられ、昼間は樹脂材料の色調のみでスリットの形状を運転者に視認させ、夜間はスリットから漏れる光を運転者に視認させて、美感を向上させるものが、特許文献1にて知られている。
この特許文献1は、立体感の有る表示意匠を視認させることが可能な計器用指針を提供することを課題としている。そのために、長手状に伸びる指針の針状部と、指針の回転中心部を覆う例えば黒色の遮光性合成樹脂よりなるボスキャップとを備えている。ボスキャップには、指針の回転中心部の真上に位置して開口形成された丸い貫通孔を有する。
この貫通孔を塞ぐように、ボスキャップの基部に嵌められる被覆部材(プラスチックシート)を備える。この被覆部材は、ポリカーボネイト等の光透過性の基板と、該基板の裏面に印刷された地色部とを有する。この地色部は、ボスキャップの前方側から入射する光によってボスキャップの基部と略同一色をなすように視認される。
また、被覆部材の表面に環状に隆起した隆起部を有する。隆起部の表側には筋目模様(ヘアライン模様)が形成されている。隆起部の裏側には、地色部の形成されない抜き部を有する。この抜き部には、ボスキャップの前方側から入射する光を反射する半透過反射部を有する。
これにより、半透過反射部は、自然光を運転者側に反射し、表示板裏側の光源からの光を透過する。また、被覆部材は、環状の隆起部を持つ立体形状であり、ボスキャップの立体感を強調している。
特開2008−39620号公報
このように、ボスキャップに貫通孔、C字状スリット、およびコ字状のスリット等を形成して、デザイン上の工夫を行うことにより美感が向上するが、反面、ボスキャップの剛性が弱まる。
例えば、C字状スリットを設けて、このスリットから光源の光が漏れるようにして美感を向上させると、ボスキャップの中央部とボスキャップの外周との連結部分が減ることになり、ボスキャップの剛性が低下する。
この剛性の低下により、ボスキャップが変形しやすくなり、指針回転に伴い、ボスキャップから異音が発生する懸念があったため、今まで、スリットの形成は実施されてこなかった。また、特許文献1のように立体形状の別部品で被覆部材(プラスチックシート)を取り付けることはコストアップを招く。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、指針の回転中心に設けられたボスキャップにスリットを形成したにも関わらず、剛性が高く、ボスキャップが変形し難く、指針回転に伴いボスキャップから、異音が発生することのない車両用計器を提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、指針の回転中心にボスキャップを有し、ボスキャップに、ボスキャップの一部を囲むように形成されたスリットを有する車両用計器であって、表示板と、表示板上の指標部を指示するために回転する透光性の指針と、指針を回転駆動する指針駆動軸と、表示板の裏側に配置され指針に光を導入する光源と、を備え、指針は、該指針の回転中心に位置する指針基部と、該指針基部から突出した針状部と、指針基部を覆う不透光性のボスキャップとを備え、ボスキャップは、スリットが形成された前壁部と、該前壁部から後方に延在する側壁部と、を有し、指針基部は、該指針基部と一体に形成されてスリット内に挿入された挿入突起部と、光源からの光が入射する入光部と、ボスキャップの側壁部に対向する基部側壁部と、挿入突起部の先端部に形成されて光を放射する光放射部とを有し、更に、スリットに隣接した位置において指針基部に向けて前壁部から突出し、スリットに囲まれて剛性が低下した前壁部と指針基部との間に圧縮状態で挟持されている位置決め突起部を備えている
この発明によれば、ボスキャップと、指針基部との組付け状態において、位置決め突起部が指針基部に当接して、位置決め突起部が押圧されて、ボスキャップの前壁部が変形して組付けがなされるから、位置決め突起部の周辺のボスキャップの剛性を高めることができ、スリットを形成したことによるボスキャップの剛性の低下に起因する異音の発生を抑止することができる。
請求項2に記載の発明では、位置決め突起部は、前壁部と一体に形成され、指針基部の前壁部に対向する基部平面部に対して突出していることを特徴としている。
この発明によれば、位置決め突起部をボスキャップの前壁部と一体に形成することで、成形が容易になる。また、指針基部内に入光した光が、指針基部とボスキャップの一部である位置決め突起部との境界面を通るため、直接的に位置決め突起部に入ることがないから、位置決め突起部の発光により、スリット内の挿入突起部の光放射部の周辺の輝度に影響を与え、輝度むらを生じさせることが抑止できる。
請求項3に記載の発明では、挿入突起部の付け根に、基部平面部を有し、該基部平面部にシボが形成されておおり、このシボに位置決め突起部が当接していることを特徴としている。
この発明によれば、基部平面部にシボが形成されており、このシボに位置決め突起部が当接しているから、シボと位置決め突起部とを介して、指針基部に対するボスキャップの高さを調整し易い。つまり、シボは微細な凹凸からなるから、圧力で位置決め突起部と共に変形し、上記高さを調整しやすい。
請求項4に記載の発明では、光放射部にシボが形成されており、該光放射部のシボの表面が、ボスキャップの表面よりも窪んでボスキャップと指針基部とが組付けられていることを特徴としている。
この発明によれば、光放射部のシボの表面がボスキャップの表面よりも窪んでいるから、挿入突起部の光放射部から外部に放射される光の輝度を確実に緩和することができる。つまり、挿入突起部の周壁部から直接的に光が外部に放射されるのを防止でき、所定の輝度とすることができる。
請求項5に記載の発明では、ボスキャップの側壁部に対向する基部側壁部は、指針駆動軸の軸方向と直交する側壁平面部を持ち、該側壁平面部に係止される係止爪をボスキャップの側壁部に有し、指針基部の表面と前壁部との間において、位置決め突起部の押圧した状態が維持されている状態で、側壁平面部と係止爪との係合により、ボスキャップと指針基部とが結合されていることを特徴としている。
この発明によれば、指針基部側の側壁平面部と、ボスキャップ側の係止爪との係合により、ボスキャップと指針基部を強固に結合することができる。また、位置決め突起部の押圧状態を維持することができる。
請求項6に記載の発明では、スリットはC字形に形成され、位置決め突起部は、スリットの内周側に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、位置決め突起部は、C字形のスリットの内周側に形成されているから、スリット内周側の剛性の低いボスキャップ部分を位置決め突起部で支持して補強することができる。
請求項7に記載の発明では、位置決め突起部は、指針基部に点接触する半球状に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、位置決め突起部は、半球状であるから、位置決め突起部が指針基部に点接触するため、指針基部の表面とボスキャップの前壁部の表面との間の寸法が調整し易く、かつ調整後の寸法を維持し易い。
本発明の第1実施形態を示す車両用計器の表示板上における指針の斜視図である。 図1の指針の分解斜視図である。 図1の矢印Z3−Z3線に沿う車両用計器の内部構造を示す断面図である。 上記実施形態におけるボスキャップと指針基部との結合構造を示す、図3の領域R4の拡大断面図である。 上記実施形態におけるボスキャップと、指針基部との寸法関係を説明する、図3の領域R4相当部分の仮想拡大断面図である。 上記実施形態におけるボスキャップと、指針基部との実際の組付け状態を説明する、図3の領域R4の拡大断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図6を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示す車両用計器の表示板上における指針の斜視図である。図2は、図1の指針の分解斜視図である。図3は、図1の矢印Z3−Z3線に沿う車両用計器の内部構造を示す断面図である。
図1において、指針(ポインタとも呼ばれる)1の材質は着色剤が混入された透光性のある合成樹脂(ポリカーボネイト)である。指針1は、表示板11上の図示しない指標部を指し示す針状部2と、指針1の回転中心に結合されたボスキャップ3と指針基部5とを有する。
よって、昼間においては、指針1の材料の色調のみを指針1の色として運転者に視認させる。一方、夜間においては、後述する光源の発光ダイオード(LED)8a、8b(図3)の光と、指針1の材料を透過した色を指針1の発光色としている。
ボスキャップ3には、C字形のスリット(筋状の切れ目)4が形成されている。スリット4内には、指針基部5(図2)の一部となる挿入突起部6が嵌入されている。そのため、昼間は、ボスキャップ3の材料の色調と、挿入突起部6の色調のみで、C字形のスリット4およびボスキャップ3を視認させ、夜間は光源8a、8bのからの光を、挿入突起部6を経由してスリット4から漏らすことによりC字形のスリット4が発光することにより視認させている。
図2は、指針1の分解斜視図である。指針1は、針状部2と同じ透光性の合成樹脂材料で連続して一体に成型された指針基部5を持っている。指針基部5は、指針駆動軸9(図3)が挿入される軸部10と、ボスキャップ3のスリット4内に挿入されるC字形の挿入突起部6を一体に有する。
図3において、表示板11は透光性のある合成樹脂からなり、この表示板11に印刷された図示しない複数の目盛と数字からなる指標部を指針1の針状部2の先端が指示する。断面が逆U字形のボスキャップ3が、指針1の回転中心に嵌入されている。ボスキャップ3は、光を遮蔽する合成樹脂からなる成型品である。
ボスキャップ3には、指針基部5と一体の挿入突起部6が挿入されるスリット4がC字形に形成されている。指針1の針状部2と指針基部5と挿入突起部6と軸部10は、透光性のある合成樹脂で連続して一体に射出成形されている。
C字形のスリット4内に隙間なく挿入されるように挿入突起部6もC字形に形成されている。ボスキャップ3の前壁部3aからは、指針基部5の穴部5a内に挿入された嵌入凸部3bが設けられている。この嵌入凸部3bは、指針基部5の穴部5a内に遊嵌されているが、圧入することも変形例として可能である。
指針基部5は、軸部10を一体に有し、軸部10内には指針駆動軸9が取り付けられている。指針駆動軸9は、ステップモータ等から成る駆動部12から突出している。回路基板13は、表示板11と平行に延在している。回路基板13の表側には光源8a、8bとなるLEDが設けられている。
車両用計器の骨格部を成すメータケース15に表示板11および回路基板13が取り付けられている。メータケース15の一部は表示板11の裏側に延在する遮光壁16および軸部10を中空の空間部を介して取り囲む軸部周辺部17を一体に有する。
図4は、上記第1実施形態におけるボスキャップ3と指針基部との結合構造を示す図3の領域R4の拡大断面図である。ボスキャップ3は、側壁部3cに針状部2が導出される出口部3dを有し、前壁部3aには前述のように、指針基部5の穴部5a内に挿入された嵌入凸部3bが設けられている。
また、C字形のスリット4がボスキャップ3の内外を貫通している。このスリット4の内周側に半球上の位置決め突起部3eが形成されている。この位置決め突起部3eは、図4では一個のみ図示しているが、C字形のスリット4の内周側に沿って複数設けられている。
指針1と一体の指針基部5は、軸部10と、嵌入凸部3bが嵌入される穴部5aと、スリット4内に嵌入される挿入突起部6を有する。挿入突起部6と対向する指針基部5の部分には、入光部18を有し、この入光部18の傾斜面は、指針基部5に光源8a、8bからの光を導入する入光面となっている。
また、ボスキャップ3の右側壁部3c1に対向する基部側壁部5bと、挿入突起部6の先端部に形成された光放射部19とを有する。この光放射部19は、ボスキャップ3の表面から0.1mm程度の段差量(オフセット量)B4を形成して配置されている。換言すれば、挿入突起部6の先端部の光放射部19は、ボスキャップ3の表面から0.1mm窪んだ位置に設けられている。
入光部18は、指針駆動軸9(図3)の軸方向と交差する傾斜面を持ち、傾斜面には光源からの光を散乱させる第1シボT1が形成されている。また、ボスキャップ3の右側側壁部3c1に対向する基部側壁部5bには、第2シボT2が形成されている。
この第2シボT2が形成された基部側壁部5bには段差部5b1が設けられ、段差部5b1に側壁平面部を有している。この段差部5b1の側壁平面部は、指針駆動軸9(図3)の軸方向と直交する平面を持っている。
後述するように、段差部5b1の側壁平面部に、ボスキャップ3の側壁部3c、3c1から突出した図示しない三角形断面の係止爪が係止されることで、ボスキャップ3と指針基部5とが結合される。なお、図4では、見えない位置に、上記係止爪が相対向して複数設けられている。
更に、挿入突起部6の根元(挿入突起部6の付け根に位置する基部平面部)に第3シボ(基部片面シボとも言う)T31、T32が形成されている。第4シボT4が、挿入突起部6の周壁部に形成されている。また、第5シボ(光放射シボとも言う)T5は、挿入突起部6の光放射部19に形成されている。
これらのシボT1、T2、T31、T32、T4、T5の全てが必須ではない。これらのシボからなる凹凸部の深さは10μから50μが好ましく、この実施形態では20μとしている。入光部18は、指針駆動軸9の軸方向と25度から65度の範囲で交差する傾斜面を持つ。この傾斜面が前述したように入光面を形成している。
次に、上記構成からなる第1実施形態の作用効果について説明する。図4の入光部18は、軸部10または指針駆動軸9の軸方向と交差し第1シボT1が形成された傾斜面を持つ。また、挿入突起部6の先端部の光放射部19には、光源8a、8bからの光を散乱させる第5シボ(光放射シボ)T5が形成されている。
よって、光源8a、8bからの光が、指針駆動軸9の軸方向に進んで、指針基部5内に導入されるとき、入光部18の傾斜角度と第1シボT1によって光の強さを調整することができる。例えば入光部18の傾斜角度を小さくして図4の左右方向の平面方向に近づければ、より多くの光源8a、8bからの光が指針基部5内に導入され、スリット4の輝きが増す。
指針1の輝度には、光源8a、8bから指針基部5を経由して、針状部2内で反射して外部に放射される光による針状部2(図1)の輝度がある。また、図4の入光部18の傾斜角度と、第1シボT1等によって光の強さが調整されて、スリット4内の挿入突起部6から放射される光によるスリット4の輝度がある。
これらの針状部2の輝度と、スリット4の輝度とを、入光部18の傾斜角度等でバランスのとれた状態に調整することができる。また、入光部18の傾斜面に施した第1シボT1で入光量を抑制し、更に、入光部18に入った後の光の方向を変えて、スリット4から光源8a、8bに直射光が出ないようにすることができる。
次に、基部側壁部5bには、第2シボT2が形成されているから、光源8a、8bから放射されて、指針基部5内に導入された光が、基部側壁部5bの第2シボT2によって散乱する。これによって、より直接的に光源8a、8bからスリット4に至る光が減少するから、スリット4の輝度を緩和することができる。
また、挿入突起部6の先端部の光放射部19に、光放射シボをなす第5シボT5が形成され、この第5シボT5の表面がボスキャップ3の表面よりも窪んでいる。これにより、挿入突起部6から外部に放射される光の輝度を緩和することができる。この場合、公差範囲の最悪寸法で製品が完成したときにおいても、挿入突起部6が、ボスキャップ3表面から外部に飛び出さないようにして、挿入突起部6の周壁部からボスキャップ3の外部へ光が直接漏れないようにしている。
次に、指針基部5の段差部5b1の側壁平面部と、ボスキャップ3側の係止爪との係合により、ボスキャップ3と指針基部5とを強固に結合することができる。また、段差部5b1の側壁平面部は、入光部18の傾斜面と共に、指針基部5内に導入される光の量を調整することに寄与する。
この第1実施形態では、C字形のスリット4がボスキャップ3に設けられているため、ボスキャップ3の剛性が低下する。このため、組付け構造によっては、剛性が低下したボスキャップ3の部分が振動して異音が発生したり、耐久性が悪化したりするという問題がある。以下、この対策について説明する。
図5は、第1実施形態におけるボスキャップ3と、指針基部5との寸法関係を説明する、図3の領域R4の仮想拡大断面図である。図5においては、実際には、半球状の位置決め突起部3eが第3シボT31の面に干渉して、このような形には組付けができない寸法関係に部品寸法が設定されていることを図示している。つまり、半球状の位置決め突起部3eが意図的に指針基部5の上端面(第3シボT31の面)に干渉するように設計している。
また、ボスキャップ3の側壁部3c1に対向する基部側壁部5bは、軸部10の軸方向と直交する側壁平面部を有する段差部5b1を持ち、この側壁平面部に係止される係止爪をボスキャップ3の側壁部3c1に有する。この係止爪を、図5において仮想的に係止爪3fとして図示している。なお、実際の係止爪3fは、この位置ではなく、図1のP1、P2の位置に相対向して複数設けられている。
図6は、第1実施形態におけるボスキャップ3と、指針基部5との実際の組付け状態を説明する、図3の領域R4の拡大断面図である。実際には、領域R81のように、位置決め突起部3eが第3シボT31の面に当接して、位置決め突起部3eが押し上げられて、ボスキャップ3の前壁部3aおよび位置決め突起部3eが変形して、組付けがなされる。
また、領域R82の周辺でも、指針基部5がボスキャップ3の凸部に当接して、領域R82周辺でボスキャップ3が変形し、ボスキャップ3の剛性が高まるようにされている。そして、このボスキャップ3が変形し、ボスキャップ3の剛性が高まった状態において、図4の挿入突起部6の先端部に形成された光放射部19が、ボスキャップ3の表面から0.1mm程度窪むように段差量(オフセット量)B4が形成されている。
このボスキャップ3の変形により、ボスキャップ3の剛性が高まり、車両振動時または指針回転時に、C字状のスリット4に囲まれたボスキャップ3の前壁部3aが振動しないように(バタつかないように)されている。これにより、ボスキャップ3が異音を発生することがなくなり、また、図4の段差量(オフセット量)B4の寸法が安定し、スリット4内の挿入突起部6の輝度も安定する。
以上のように、図6において、指針基部5の表面とボスキャップ3の前壁部3aの表面との間に、位置決め突起部3eが干渉するように設けられている。このため、ボスキャップ3と、指針基部5との組付け状態において、位置決め突起部3eが指針基部5に当接して、位置決め突起部3eが押圧される(圧縮される)。
これにより、ボスキャップ3の前壁部3aが変形して組付けがなされるから、位置決め突起部3eの周辺(特に、スリット4の内周側)のボスキャップ3の剛性を高めることができ、スリット4を形成したことによるボスキャップ3の剛性の低下に起因する異音の発生を抑止することができる。
次に、位置決め突起部3eをボスキャップ3の前壁部3aと一体に形成することで、成型が一度にでき、成型が容易になる。また、指針基部5と位置決め突起部3eが別部材から構成されるから、指針基部5内に入光した光が、直接的に位置決め突起部3eに入ることがない。また、ボスキャップ3と同様に、位置決め突起部3eを不透光性の樹脂で成型できる。よって、位置決め突起部3eが発光しないため、スリット4内の挿入突起部6の光放射部19の周辺の輝度に影響を与えることがなくなり、輝度むらを生じさせることがない。
また、突起部3eの付け根に、指針基部5の基部平面部を有し、該基部平面部に、基部平面シボとなる第3シボT31(図4)が形成されており、この第3シボT31に位置決め突起部3eが当接している。第3シボT31は、微細な凹凸からなり圧力で変形するから、位置決め突起部3eに加わる押圧力を調整することで、指針基部5に対するボスキャップ3の高さを調整し易い。
また、図5に示したように、段差部5b1の側壁平面部と係止爪3fとの係合により、ボスキャップ3内に指針基部5が結合され、指針基部5の表面とボスキャップ3の前壁部3aの表面との間における位置決め突起部3eの押圧(圧縮)状態が維持されている。
従って、この構成によれば、指針基部5側の段差部5bの側壁平面部と、ボスキャップ3側の係止爪3fとの係合により、ボスキャップ3と指針基部5を強固に結合することができる。
次に、スリット4は、C字形に形成され、位置決め突起部3eは、スリット4の内周側に形成されている。これによれば、位置決め突起部3eは、C字形のスリット4の内周側の剛性の低いボスキャップ3部分を補強して、剛性を高めることができる。また、位置決め突起部3eは、半球状の形状であるから、押圧力で適度に位置決め突起部3eが圧縮されて、指針基部5の表面とボスキャップ3の前壁部3aの表面との間の寸法が調整し易い。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、C字形のスリットを形成したが、これは、T字形、M字形、H字形、Σ字形等、任意のデザインを施すことができる。
また、第1実施形態では、ボスキャップ3の嵌入凸部3bを指針基部5の穴部5a内に隙間を介して挿入したが、嵌入凸部3bを穴部5a内に圧入しても良い。
また、穴部5aは貫通孔でなくてもよく、有底穴であっても良い。そして、この有底穴の底に、嵌入凸部3bの先端が当接するようにしても良い。この場合は、嵌入凸部3bが、本発明の位置決め突起部(3e)を兼ねることになる。
1指針
2 針状部
3 ボスキャップ
3a ボスキャップの前壁部
3b 嵌入凸部
3c ボスキャップの側壁部
3c1 ボスキャップの右側壁部
3e 位置決め突起部
3f 係止爪
4 スリット
5 指針基部
5a 指針基部の穴部
5b 基部側壁部
5b1 段差部
6 挿入突起部
8a、8b 光源
9 指針駆動軸
10 軸部
11 表示板
17 軸部周辺部
18 入光部
19 光放射部
B4 段差量(オフセット量)
T1 第1シボ
T2 第2シボ
T31、T32 第3シボ(基部平面シボ)
T4 第4シボ
T5 第5シボ(光放射シボ)

Claims (7)

  1. 指針の回転中心にボスキャップを有し、ボスキャップに、前記ボスキャップの一部を囲むように形成されたスリットを有する車両用計器であって、
    表示板と、
    前記表示板上の指標部を指示するために回転する透光性の前記指針と、
    前記指針を回転駆動する指針駆動軸と、
    前記表示板の裏側に配置され前記指針に光を導入する光源と、を備え、
    前記指針は、該指針の回転中心に位置する指針基部と、該指針基部から突出した針状部と、前記指針基部を覆う不透光性の前記ボスキャップと、を備え、
    前記ボスキャップは、前記スリットが形成された前壁部と、該前壁部から後方に延在する側壁部とを有し、
    前記指針基部は、該指針基部と一体に形成されて前記スリット内に挿入された挿入突起部と、前記光源からの光が入射する入光部と、前記ボスキャップの前記側壁部に対向する基部側壁部と、前記挿入突起部の先端部に形成されて光を放射する光放射部とを有し、
    更に、前記スリットに隣接した位置において前記指針基部に向けて前記前壁部から突出し、前記スリットに囲まれて剛性が低下した前記前壁部と前記指針基部との間に圧縮状態で挟持されている位置決め突起部を備えていることを特徴とする車両用計器。
  2. 前記位置決め突起部は、前記前壁部と一体に形成され、前記指針基部の前記前壁部に対向する基部平面部に対して突出していることを特徴とする請求項1に記載の車両用計器。
  3. 前記挿入突起部の付け根に、前記基部平面部を有し、該基部平面部に基部平面シボが形成されており、前記基部平面シボに前記位置決め突起部が当接していることを特徴とする請求項2に記載の車両用計器。
  4. 前記光放射部に光放射シボが形成されており、該光放射シボの表面が、前記ボスキャップの表面よりも窪んで、前記ボスキャップと前記指針基部とが組付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の車両用計器。
  5. 前記ボスキャップの前記側壁部に対向する前記基部側壁部は、前記指針駆動軸の軸方向と直交する側壁平面部を持ち、該側壁平面部に係止される係止爪を前記ボスキャップの前記側壁部に有し、
    前記指針基部の表面と前記前壁部との間において、前記位置決め突起部の前記圧縮状態が維持されている状態で、前記側壁平面部と前記係止爪との係合により、前記ボスキャップと前記指針基部とが結合されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車両用計器。
  6. 前記スリットはC字形に形成され、前記位置決め突起部は、前記スリットの内周側に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の車両用計器。
  7. 前記位置決め突起部は、前記指針基部に点接触する半球状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の車両用計器。
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