JP5557398B2 - 自動車用フードのシール材及び該シール材の設置方法 - Google Patents
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叙上した従来技術の例によれば、フードインナパネル1aにシールラバー2を固定し、エンジンルーム3から熱気の吹き返しを防止する目的を有するが、該シールラバー2は全体の断面形状が略L字型であって比較的硬質の樹脂材料で成形され、フード1を閉止した際、該シールラバー2の先端が相手側部材4に完全に密閉状態にすることができず、自動車の外部からエンジンルーム3内に暖気を導入することとなりエンジンの燃焼効率が劣化するという問題点があった。加えて、フードインナパネル1aの形状が定形以外の例えば絞り成形による凹状部等のような形状変化部を有しなければ機能しないことからスポンジ状のシール材2cを備え、これが部品点数を増大し該シールラバー2を フードインナパネル1aに固定する工数が増大するという問題点があった。また、フード1の閉止・開放動作の長期の繰返しにより該シールラバー2のシールリップ2bが切損又は変形したままの状態となり機能しなくなるという問題点も発生した。
本発明が解決しようとする課題は、背景技術で述べた問題点を解決することにある。
前記シールリップ片の山形突部の先端は円弧状又は半球状に構成すると共に前記シールリップ片の先端の前後幅長(厚さ)t6>シールリップ片の幅長(厚さ)t3の関係である
ことを特徴とする。
このような構成としたので、自動車のフードを閉止した際、該シール材が自動車のフードの重さに潰れ易くすると共に走行風がエンジン内のインタークーラーの開口部に流れ易くし自動車の空力性能の向上を図り加えてエンジンの燃焼効率やエンジンの冷却効果を高め外気又は冷気を円滑に開口部へ規制・導入しインタークーラーを高効率に作動させ、併せて自動車のフードを閉止した際、異音を吸収し、その異音発生を防止できるという効果がある。また、作業者は工具等を把持して係止爪を内方に圧縮して係止部を嵌入孔内に係入しクリップの係入作業が完了すれば、係止爪は復元し、係止爪先端が前記嵌入孔の縁部に接合し、一旦係止した係止部はフードインナパネルから離脱することは全くなく前記クリップの取付けが迅速かつ容易であると共に常に安定してシール材をフードインナパネルに固着することができるという効果がある。
このような構成としたので、請求項1に記載の発明の効果に加えて、シールリップ片の山形突部の先端の外面が常にエンジンパネルに接触するので自動車のフードを閉止したとき、該シールリップ片の山形突部がエンジンパネルに押圧してもエンジンパネルとの密着度が確保され外気がエンジンルームに直接に流入することがなく、本発明によるシール材はエンジンパネルとのシール性を高め外気又は冷却風をエンジンのインタークーラに適切に流送できるという効果がある。
このような構成としたので、自動車のフードを閉止した際該シール材が自動車のフードの重さに潰れ易くすると共に走行風がエンジン内のインタークーラーの開口部に流れ易くし自動車の空力性能の向上を図り加えてエンジンの燃焼効率やエンジンの冷却効果を高め外気又は冷気を円滑に開口部へ規制・導入しインタークーラーを高効率に作動させ、併せて自動車のフードを閉止した際、異音を吸収し、その異音発生を防止できるという効果があり、耐用年数の経過等によりシール材を自動車のフードインナパネルから取外す場合は、作業者は工具等を使用して係止爪を内方に圧縮してフードインナパネルから迅速かつ容易に該クリップを前記シール材から取外すことができるという効果がある。
5は自動車用フードのシール材であって、本体6とこれと結合しかつ前方に拡張したシールリップ片6Cとでなる。該自動車用フードのシール材5は例えば長さL1が980ないし1100(mm)、幅長Wが25ないし27(mm)程度の定尺状又は長尺状に形成されている。そして図2に示すように図1の平面図の矢視A−A方向を拡大した断面図から明らかなように本体6は第1中空部6aを長さ方向に貫通形成した略扇筒形状の第1外殻6Aと、該第1外殻6Aの下方に一体形成しかつ側面形状が略半円形の第2中空部6bを長さ方向に貫通形成した略半円筒状の第2外殻6Bとを備えている。前記第1外殻6Aの幅長S1は15ないし16(mm)程度に設定し、前記第2外殻6Bの幅長S5は12ないし13(mm)に設定する。前記第1及び第2外殻6A、6Bの厚さt1、t5及びt4はそれぞれ1.5ないし2(mm)程度に設定してある。
自動車のフードを閉止したとき、第1外殻6Aの厚さt1>挟角θ4の部分の厚さt7との関係から先ず第1外殻6Aの上半分が両方の挟角θ4、θ4部分の厚さt7の部分を支点として円滑に折曲し、該第1外殻6Aの上部分の自動車のフードの重さ等の圧縮力により該第1外殻6Aは扁平状となり、次に第2外殻6Bの前後外面とで形成した挟角θ3、θ3の両方が折曲する。この際、第2外殻6Bが略半円形の第2中空部6bを有すること及び該第2外殻6Bの前後外面に生ずる反力D1、D2(矢印で示す)により、第2外殻6Bの底壁6cが変形せず潰れることなく挟角θ3、θ3の両方の部分が円滑に押し潰される。自動車用フードのシール材5の全体は例えば、EPDM製スポンジの柔軟性材料であって、比重Sgが0.5ないし0.7の範囲に設定したので自動車のフードを閉止したとき速やかに押し潰される。そしてこのときの反力D1、D2は0ないし10N/100(mm)の反力値であり、シール材5は完全に押し潰され、該自動車のフードが浮き上がることはない。一方、シールリップ片6Cの山形突部6fが破線で示すように反転する。そして、先端6hの前後幅長t6>シールリップ片6Cの幅長t3、の関係が成立し、シールリップ片6Cの山形突部6fの先端6hの外面が常にエンジンパネル9に接触するので自動車のフードを閉止したとき、該シールリップ片6Cの山形突部6fがエンジンパネル9に押圧してもエンジンパネル9との密着度が確保され外気がエンジンルームに直接に流入することがない。加えて、フードインナパネル7の表面は自動車のフードを補強する部材やその内部に機能部品を装着することから一部が多数の凹凸状7a〜7fが突出形成されこの部分間に前記シールリップ片6Cの谷部6gを嵌入させてシール材5のフードインナパネル7への密着度を高める。よって、本発明に係るシール材5はエンジンパネル9とのシール性を高め外気又は冷却風をエンジンのインタークーラに適切に流送できる。
自動車用フードのシール材5を実際の自動車や車両に適用する場合は、図5に示すようにクリップ8を前記シール材5に係止すると共に該クリップ8をフードインナパネル7に固定する。
工場等で製作された自動車用フードのシール材5に於いて、予め自動車用フードのシール材5の第2外殻6Bの底壁6cは図2、図3に示すようにその厚さt4が1.5ないし2(mm)であって、長さ方向つまり、自動車のフードインナパネル7の幅方向に所定間隔L4が例えば100ないし130(mm)毎に短径の小孔6dを貫通形成する。
そこで、前記シール材5の全部に設定した例えば9個の小孔6d・・・に対して、クリップ8を係入する。具体的には作業者は該クリップ8を把持し頭部8Aのいずれか一方の羽根8dを底壁6cの小孔6d内へ外方から差込む。この際、該小孔6d部分は変形自在であり、該羽根8dは容易に底壁6cの上面に這込む。そして、クリップ8の頭部8Aの下面8gが底壁6cの上面に密着する。この際、軸部8Bの係止用傘片8eが底壁6cを挟着する。又、一方クリップ8は前記シール材5の特定部分等では底壁6cの内方から小孔6dに係入してもよい。この際は、図3に示すように、第2外殻6Bの上壁(第1外殻6Aの底壁)6kに於いて該クリップ8の頭部8Aの前後又は左右幅長W1の広さ、つまり垂直ラインh1、h2間を削除した部分から該クリップ8を挿入することもできる。
5A 略U字形曲面
6 本体
6A 第1外殻
6B 第2外殻
6C シールリップ片
6a 第1中空部
6b 第2中空部
6c 底壁
6d 小孔
6e 小突条
6f 山形突部
6g 谷部
6h 先端
6i 下端
6j 凹陥
6k 第2外殻の上壁
7 フードインナパネル
7a〜7f 凹凸状
8 クリップ
8A 頭部
8B 軸部
8C 係止部
8a 係止爪
8b 係止爪
8c 中央表面
8d 羽根
8e 係止用傘片
8f 係止用傘片の上面
8g 頭部の下面
8h 切溝
8i 切溝
8j 係止爪先端
8k 係止爪先端
8m 段差面
8n 段差面
9 エンジンパネル
10 嵌入孔
Claims (3)
- 定尺状又は長尺状に形成されてあって、本体が第1中空部を長さ方向に貫通形成した略扇筒形状の第1外殻と、該第1外殻の下方に一体形成しかつ側面形状が略半円形の第2中空部を長さ方向に貫通形成した略半円筒状の第2外殻とを備え、前記第2外殻の底壁に長さ方向に所定間隔毎に短径の小孔を貫通形成し、前記第2外殻の裾部分から前方方向に一体に拡張すると共に側面が円弧状に形成されてあって山形突部と谷部とを有し、長さ方向に所定間隔毎に前記谷部の次に前記山形突部を一連に突設させてなるシールリップ片とでなる自動車用フードのシール材に於いて、全体形状が略羽根板形状で形成された頭部、略円柱状の軸部及び係止部で構成され該頭部の中央表面が略矩形状でありかつ、該中央表面から緩やかに板厚を薄くしてその先端部分を先鋭化させた左・右又は前・後の羽根を形成してなり、前記軸部の周縁には係止用傘片を形成し、該係止用傘片の上面と前記頭部の下面との間は空間を設定し、前記係止部は前記軸部に一体形成されかつ左・右又は前・後にフードインナパネルに係合する係止爪を弾出形成してなり、該係止爪は係止爪先端の段差面を形成すると共に前記係止部の基部と前記軸部の下端との結合点に形成した切溝を有してなるクリップを前記自動車用フードのシール材の底壁に係止したことを特徴とする自動車用フードのシール材。
- 前記シールリップ片の山形突部の先端は円弧状又は半球状に構成すると共に前記シールリップ片の先端の前後幅長(厚さ)t6>シールリップ片の幅長(厚さ)t3の関係である
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用フードのシール材。 - 定尺状又は長尺状に形成されてあって、本体が第1中空部を長さ方向に貫通形成した略扇筒形状の第1外殻と、該第1外殻の下方に一体形成しかつ側面形状が略半円形の第2中空部を長さ方向に貫通形成した略半円筒状の第2外殻とを備え、前記第2外殻の底壁に長さ方向に所定間隔毎に短径の小孔を貫通形成し、前記第2外殻の裾部分から前方方向に一体に拡張すると共に側面が円弧状に形成されてあって山形突部と谷部とを有し、長さ方向に所定間隔毎に前記谷部の次に前記山形突部を一連に突設させてなるシールリップ片とでなる自動車用フードのシール材及び全体形状が略羽根板形状で形成された頭部、略円柱状の軸部及び係止部で構成され該頭部の中央表面が略矩形状でありかつ、該中央表面から緩やかに板厚を薄くしてその先端部分を先鋭化させた左・右又は前・後の羽根を形成してなり、前記軸部の周縁には係止用傘片を形成し、該係止用傘片の上面と前記頭部の下面との間は空間を設定し、前記係止部は前記軸部に一体形成されかつ左・右又は前・後にフードインナパネルに係合する係止爪を弾出形成してなり、該係止爪は係止爪先端の段差面を形成すると共に前記係止部の基部と前記軸部の下端との結合点に形成した切溝を有してなるクリップを備え、該クリップを前記シール材の底壁に係止した後に自動車のフードインナパネルの幅方向に一連に穿孔した嵌入孔に前記クリップの係止爪先端の段差面に前記自動車のフードインナパネルを係合・設置することを特徴とする自動車用フードのシール材の設置方法。
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