JP5556945B1 - カテキン結合用組成物 - Google Patents

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【課題】カテキンの細胞への結合の促進に有効なカテキン結合用組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のカテキン結合用組成物は、麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌を含有する。本発明のカテキン結合用組成物は、カテキン受容体蛋白質である67LRをコードする遺伝子の発現量を増加させることによって、カテキンの細胞への結合を有効に促進しうる。特に、本発明のカテキン結合用組成物は小腸上皮細胞において、67LRをコードする遺伝子の発現量を増加させることにより、カテキンの細胞へのシグナル伝達の促進に有効でありうる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カテキン結合用組成物に関する。
茶は古来より薬として用いられて来た古い歴史があり、近代よりその効能と成分の関係が解析されてきた。緑茶には、フラバン−3−オール構造を持つカテキン類が含まれることが知られている。
緑茶葉1gの熱湯抽出で250〜350mgの抽出物が得られるが、そのうち30〜40%(乾燥重量)がカテキン類である。茶に含まれるカテキン類の半量を占めるのがエピガロカテキンガレート(以下「EGCG」と称することもある)であり、他にエピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン(以下それぞれ、「EGC」、「ECG」、「EC」と称することもある)等が含まれる。
カテキン類には、抗酸化、抗癌、血漿コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、血小板凝集抑制、血糖上昇抑制、痴呆予防、抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー、抗菌・抗虫歯、抗ウイルス、解毒、腸内フローラ改善、消臭等の生理作用を有することがこれまで報告されている。特に、分子内に水酸基を8個有するEGCGは、カテキン類の中でも抗酸化作用が強く、広範囲な生理作用を有することが知られる。従って、このようなカテキン類を積極的に摂取することが好ましいという認識が広がっている。しかしながら、カテキン類は、ヒトにおける吸収量が少ないことで知られており、例えばEGCGでは、経口摂取した量のうち、血液中に移行する割合は1〜2%と見積もられている。
ここで、これらのカテキン類、特にEGCGは、67kDaラミニン・レセプター(以下、「67LR」と称することもある。)という細胞膜タンパク質に特異的に結合することが知られている。67LRは、295個のアミノ酸をコードするmRNAから翻訳された37kDa前駆体蛋白質が、細胞内で脂肪酸等によるアシル化重合反応を受けてホモ二量体またはヘテロ二量体化により67kDaとなった蛋白質であり、それがインテグリン類とともに細胞膜表面へ移行してはじめてラミニン・レセプターとして機能する。この67LRは、EGCG等の緑茶カテキンのレセプターでもあり、EGCGはシグナル分子として67LRに結合することでその生理機能を発揮することが報告されている(非特許文献1)。
従って、細胞膜における67LRの発現を増加させることにより、カテキンの67LRへの結合を促進し、細胞へのカテキンシグナルの伝達を促進し、カテキンによる生理機能を増強させることが可能である。特に、小腸上皮細胞膜において、このような67LRの発現を増加させて小腸上皮細胞の67LRへのカテキンの結合を促進させ、それにより、カテキンシグナルの伝達を促進させることが可能でありうる。
一方、大麦の葉は、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維等に富む健康食品の素材として知られている。例えば、特許文献1には、大麦若葉の粉末(大麦若葉末)と、水溶性食物繊維とオリゴ糖と乳酸菌を含み、血液浄化作用を有する食品が記載されている。また、特許文献2には、大麦若葉末と水溶性食物繊維とオリゴ糖と乳酸菌を含む、むくみ改善用組成物が記載されている。
しかしながら、これらの文献には、麦の葉を、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌と組み合わせることによって、カテキンの細胞への結合を促進させることについて、何らの記載も示唆もない。
特開2000−232864号公報 特許5185465号公報
"緑茶カテキン受容体67LRを介したカテキンの機能性発現機構"、立花宏文、日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)132.145-149(2008)
従って、本発明の課題は、カテキンの細胞への結合の促進に有効なカテキン結合用組成物を提供することにある。
本発明者らは、大麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌を含有し、乳酸菌がストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalisである組成物であって、
小腸上皮細胞におけるエピガロカテキンガレート受容体へのエピガロカテキンガレートの結合の促進に用いられる、エピガロカテキンガレートと受容体との結合促進用組成物を提供するものである。
本発明のカテキン結合用組成物は、カテキンの細胞への結合の促進、及び、それに伴うカテキンシグナル伝達の増強に有効でありうる。
図1は、実施例及び比較例における、67LRをコードする蛋白質の遺伝子発現量を示すグラフである。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のカテキン結合用組成物は、麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌の4成分を含有することを特徴の一つとしている。以下、これらの成分についてそれぞれ説明する。
麦の葉とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などの麦類の葉をいう。本発明のカテキン結合用組成物は、これらの麦類の葉に加えて、これらの麦類の茎(以下、麦の茎ともいう)を用いてもよい。これらの麦類は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では、麦類として、大麦を含む少なくとも1種を用いることが好ましい。大麦を用いる場合には、分けつ開始期から出穂開始前期の、背丈が20〜60cm程度の時期に収穫されたものを用いることが好ましい。また、大麦の葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましく、処理までに時間を要する場合、大麦の葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
麦の葉としては、麦の葉から得られる各種の加工物を用いることができる。そのような加工物としては、麦の葉の乾燥粉末、麦の葉の細片化物及びその乾燥粉末、麦の葉の搾汁及びその乾燥粉末、麦の葉のエキス及びその乾燥粉末等が挙げられる。
例えば、麦の葉を乾燥粉末化するには従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、例えば、麦の葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法が挙げられる(特開2004−000210号公報を参照)。また例えば、麦の葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで揉捻し、その後、乾燥し、粉砕する方法(特開2002−065204号公報を参照)も挙げられる。また例えば、麦の葉を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、更に微粉砕する方法(特開2003−033151号公報を参照)も挙げられる。
麦の葉を細片化する方法としては、スライス、細断等、当業者が植物体を細片化する際に通常使用する方法を用いることができる。細片化の一例として、スラリー化してもよい。スラリー化は、麦の葉をミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダーなどにかけ、麦の葉をどろどろした粥状(液体と固体の懸濁液)にすることにより行う。
麦の葉を搾汁する方法としては、麦の葉又はその細片化物を圧搾するか、又は、麦の葉の細片化物を遠心又はろ過する方法を挙げることができる。
また、麦の葉のエキスを得る方法としては、麦の葉又はその細片化物に、エタノール、水、含水エタノールなどの当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出する方法を挙げることができる。抽出物は、必要に応じて濃縮してもよい。
本発明においては、前記の麦の葉の加工物のうち、特に、麦の葉の乾燥粉末を用いることが好ましい。
また、本発明のカテキン結合用組成物が麦の茎の加工物を含む場合、麦の茎の加工物としては、上記で挙げた各種の麦の葉の加工物を得るために用いられる加工処理と同様の加工処理が麦の茎に施された加工物を用いることができる。この場合、カテキン結合用組成物に含まれる麦の葉の加工物と麦の茎の加工物とは、同一の加工処理によって得られたものであってもよく、異なる加工処理によって得られたものであってもよい。
本発明のカテキン結合用組成物における麦の葉の含有量は、カテキン結合用組成物全体の量に対し、好ましくは0.002質量%以上95質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上90質量%以下である。ここでいう麦の葉の含有量は乾燥質量であり、また、本発明のカテキン結合用組成物が麦の茎を含む場合、麦の茎及び麦の葉の合計の乾燥質量である。
水溶性食物繊維としては特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。そのような水溶性食物繊維の例としては、アルギン酸、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、グアガム、グアガム加水分解物、グルコマンナン、ペクチン、ポリデキストロース及びカラギーナン等が挙げられる。これらの水溶性食物繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、水溶性食物繊維は、粉末、細粒、顆粒などの形態で市販されており、いずれの形態でも使用可能である。本発明においては水溶性食物繊維として、難消化デキストリンを含む少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明のカテキン結合用組成物における水溶性食物繊維の含有量は、カテキン結合用組成物全体の量に対し、好ましくは1質量%以上50質量%以下、更に好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
オリゴ糖としては従来公知のものを用いることができる。そのようなオリゴ糖としては、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、スタキオース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリン等が挙げられる。これらのオリゴ糖は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、オリゴ糖として、イソマルトオリゴ糖を含む少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明のカテキン結合用組成物におけるオリゴ糖の含有量は、カテキン結合用組成物全体の量に対し、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
乳酸菌としては従来公知のものを用いることができる。そのような乳酸菌としては、Bifidobacterium bifidum 、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Streptococcus faecalis(Enterococcus faecalisと称されることもある)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある)、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosus、Tetragenococcus halophilus、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericus等が用いられる。これらの乳酸菌は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記乳酸菌の性質としては、本発明の組成物の剤型や求められるカテキン結合促進効果のレベル等に応じて適宜選択することができ、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性、有胞子性などが挙げられる。前記乳酸菌の入手方法としては、特に制限はなく、例えばヨーグルトや野菜等の食品から単離された乳酸菌や市販品を用いてもよい。
本発明のカテキン結合用組成物における乳酸菌の含有量は、カテキン結合用組成物全体の量に対し、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上5質量%以下である。ここでいう乳酸菌の含有量は乾燥質量である。
本発明のカテキン結合用組成物は、67LRへのカテキンの結合の促進効果を一層高める点、又はカテキン結合の促進効果に加えて他の効果も発現させる点から、上述した成分以外のその他の成分を1又は2以上含んでいてもよい。前記のその他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、特に制限はなく、カテキン結合用組成物の剤型や求められるカテキン結合を促進する効果のレベル等に応じて適宜選択することができ、例えば、機能性成分、甘味料、調味料、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料などが挙げられる。前記のその他の成分の使用量は、本発明の組成物のカテキン結合促進の効果が十分に発現するように適宜調整される。
本発明のカテキン結合用組成物の剤型としては、例えばハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル剤、液剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、飴状等が挙げられる。本発明のカテキン結合用組成物は、その剤型に応じて、そのまま経口摂取してもよいし、水等に溶解して経口摂取してもよい。
本発明のカテキン結合促進効果は、本発明の組成物を経口摂取して、消化器官内、特に小腸上皮におけるカテキン受容体である67LR(「RPSA:ribosomal protein SA」と称されることもある)を増加させることによって、得ることができる。より具体的には、本発明のカテキン結合促進効果は、本発明の組成物を経口摂取して、ヒトの消化器官内、特にヒトの小腸上皮において、67LRをコードする遺伝子(以下では、単に67LR遺伝子ともいう)の発現量を増加させることによって得られる。本発明において、67LR遺伝子とは、GenbankのGeneID:3921の遺伝子であり、この遺伝子から発現したmRNAは、例えば、GenbankのアクセッションNo.NM_002295の配列を有する。特に、本発明の組成物は、小腸上皮細胞において67LR遺伝子の発現量を増加させることにより、小腸上皮細胞におけるカテキン受容体へのカテキンの結合を促進させて、カテキンシグナルの細胞への伝達を高めることが可能でありうる。また、本発明の組成物は、カテキン受容体へのカテキンの結合を促進させて、カテキン受容体へのカテキンの取り込みを増強させることができ、経口摂取したカテキンの利用効率の向上を図ることが可能でありうる。これらの作用により、本発明のカテキン結合用組成物は、カテキンの生理活性の強化等、摂取したカテキンの機能強化を図ることができる。カテキンの生理活性の強化の例としては、体内におけるカテキンの種々の作用の増強、具体的には、抗酸化、抗癌、血漿コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、血小板凝集抑制、血糖上昇抑制、痴呆予防、抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー、解毒等の作用を増強することが可能でありうる。特に、本発明のカテキン結合用組成物は、カテキンの中でも、67LRと特異的に結合するEGCGの細胞膜に存在する67LRへの結合を促進させ、EGCGによる生理作用、例えば、がん細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導等の抗がん作用及びヒスタミンの放出抑制やIgE受容体の発現抑制等の抗アレルギー作用等を増強しうる。
また、本発明は、防臭や美容等を目的として、麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維、乳酸菌を含む組成物を摂取することにより、消化器官内、特に小腸上皮細胞において、67LR遺伝子の発現量を増加する方法、67LR蛋白質量を増加させる方法、67LRへのカテキンの結合を促進させる方法、細胞へのカテキンシグナル伝達を高める方法を含む。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に限定されない。
〔実施例1、比較例1ないし3〕
大麦茎葉粉末、オリゴ糖、水溶性食物繊維、乳酸菌をそれぞれ、下記の<遺伝子発現解析試験>で説明する通りに用いた。
ここで、大麦茎葉粉末は、以下の方法で製造した。オリゴ糖として、イソマルトオリゴ糖を用いた。水溶性食物繊維として、難消化性デキストリンを用いた。乳酸菌として、Streptococcus faecalisの乾燥粉末を用いた。
(大麦茎葉粉末の調製方法)
原料として、背丈が約30cmで刈り取った二条大麦の茎及び葉(以下、茎葉という)を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した大麦茎葉を、送帯型蒸機を用いて、ブランチング槽で90〜100℃にて90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた大麦茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜50分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した大麦茎葉を約5mmの大きさに切断し、殺菌処理した。得られた大麦茎葉を、200メッシュ区分を90%以上が通過するように気流式粉砕機(ジェットミル)を用いて粉砕処理し、大麦茎葉粉末を得た。
<遺伝子発現解析試験>
ウシ胎児血清を10質量%含有するDulbecco's modified Eagle's 培地(以下10%FBS/DMEMと略す)を用意した。この10%FBS/DMEMに、大麦茎葉粉末、オリゴ糖、難消化性デキストリン、乳酸菌をそれぞれ、800μg/mlになるように溶解し、4成分それぞれの溶液(サンプル溶液)を調製した。
小腸上皮細胞のモデルとして、ヒト結腸腺癌由来細胞Caco2(DSファーマバイオメディカル社)を用いた。10%FBS/DMEM培地が入ったT75フラスコに、このCaco2を播種し、37℃、5%CO2インキュベーター内で4日間培養した。培養後のCaco2を、Phosphate Buffered Saline(以下PBSと略す)で洗浄後、トリプシン処理により浮遊させた。浮遊細胞を、5X104 cells/mlになるように、10%FBS/DMEM中に懸濁させて、細胞懸濁液を得た。この細胞懸濁液を6ウェル培養プレートに1.5ml/ウェル入れ、37℃、5%CO2インキュベーター内で一晩培養した。
ウェル中の培地を除去し、その代わりに、上記で調製した各サンプル溶液と、10%FBS/DMEMとを、大麦茎葉粉末、オリゴ糖、難消化性デキストリン、乳酸菌それぞれの最終濃度が下記の表1の記載の通りになるように、合計で1.6ml/ウェル入れた。サンプル入り培地を添加後、Caco2を、37℃、5%CO2インキュベーターで24hr培養した。培養後、各ウェル中の細胞Caco2から、それぞれ下記の方法でRNAを得た。得られたRNAを下記のDNAマイクロアレイに供することにより、Caco2における67LR遺伝子の発現量を測定した。サンプル入り培地を添加した実施例1、比較例1及び2のそれぞれにおける遺伝子の発現量を、未処理培地を添加した比較例3における遺伝子の発現量に対する比として、図1に示す。
Figure 0005556945
(RNAの調製方法)
ウェル中の培地を除去し、各ウェルに0.8mlのIsogen(ニッポンジーン社製)を加え、細胞を溶解したのち、1.5mlチューブへ移した。このチューブをボルテックスした後、0.16mlのクロロホルムを加え、再度ボルテックスした後、15000rpmで15分間遠心した。その後、上清を新しい1.5mlチューブへ移した。これに上清の0.8倍量のイソプロパノールを加え、転倒混和した後、15000rpmで15分間遠心した。次いで、上清を捨て、1mlの70%エタノールを加えた。更に15000rpmで15分間遠心した後、上清を捨て、チューブのフタを開けたまましばらく放置して乾燥させた。得られた乾燥物を30μlの水に溶解しOD260を測定してRNA濃度を算定した。算定した濃度に基づき、得られたRNAの濃度を水で100ng/mlに調整した。
(DNAマイクロアレイ)
DNAマイクロアレイはAgilent社製のキット「Whole Human Genome DNAマイクロアレイ4×44キットv2」を用いて行った。プローブとしては、このキットに含まれる同社製のもの(遺伝子の種類:19596種、プローブ長さ:60mer)を用いた。このプローブのうち、RPSAに対応するプローブについての発現量の結果を、67LR遺伝子の発現量とした。実験方法は、同社の取扱説明書に従った。
図1に示す結果から明らかなとおり、実施例1において、麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌をすべて添加したCaco2では、陰性コントロールに対して67LRをコードする遺伝子の発現量が約2.7倍も増加した。一方、比較例1における、麦の葉のみを添加したCaco2では、この遺伝子の発現量が陰性コントロール(比較例3)の1.3倍にとどまり、比較例2における、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌のみを添加したCaco2でも、陰性コントロールの約1.9倍にすぎなかった。
したがって、本発明のカテキン結合用組成物が、麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌による相乗効果により、小腸上皮細胞において67LRの量を増加しうること、それにより小腸上皮細胞におけるカテキンの結合を促進しうることが示された。

Claims (3)

  1. 大麦の葉、オリゴ糖、水溶性食物繊維及び乳酸菌を含有し、乳酸菌がストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalisである組成物であって、
    小腸上皮細胞におけるエピガロカテキンガレート受容体へのエピガロカテキンガレートの結合の促進に用いられる、エピガロカテキンガレートと受容体との結合促進用組成物。
  2. 水溶性食物繊維が難消化性デキストリン、アルギン酸、グアガム加水分解物、グアガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、ペクチン、ポリデキストロース、及びカラギーナンから選ばれる一種又は二種以上である請求項1に記載のエピガロカテキンガレートと受容体との結合促進用組成物。
  3. オリゴ糖がイソマルトオリゴ糖、ラクチュロース、パラチノース、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、スタキオース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンから選ばれる一種又は二種以上である請求項1又は2に記載のエピガロカテキンガレートと受容体との結合促進用組成物。
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