JP5556167B2 - マッド材用樹脂組成物及びマッド材 - Google Patents

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Description

本発明は、マッド材のバインダに用いられるマッド材用樹脂組成物、及びこれを含むマッド材に関する。
高炉の操業を例に挙げて、マッド材の使用形態を説明する。マッド材は出銑終了後の出銑孔に充填されてこれを閉塞する。次回の出銑時期が到来すると、それまでの期間に炉熱で焼成されたマッド材をドリルで掘削して湯道を開ける。この湯道を通じて炉内の溶銑滓が炉外に排出される。
従来、マッド材としては、バインダにタールを用いたタール系マッド材が広く用いられてきたが、タールは著しい発煙及び臭気を発生させることがあるため、多量に使用しないことが望まれる。そこで、近年は、作業環境の悪化を防止するために、バインダに樹脂を用いた樹脂系マッド材も多用されつつある。
特許文献1〜4等に開示されるように、現状、樹脂系マッド材のバインダには、フェノール樹脂等の樹脂を、多価アルコール等の溶剤で溶いた樹脂組成物が用いられている。
特開昭54−132617号公報 特開平4−280878号公報 特開平10−36178号公報 特開平8−169773号公報
近年、高炉の大型化及び高圧操業に伴って、マッド材の使用条件が過酷になってきており、マッド材に要求される品質は、より高いものとなってきている。マッド材に要求される特性として、特に、孔切れ等の亀裂を生じないことが求められる。
この点、樹脂系マッド材は、タール系マッド材に比べて、焼成時に亀裂を生じやすく、使用条件の苛酷化に見合う充分な耐久性を得ることが難しい。本願発明者らの研究によると、樹脂系マッド材に亀裂が生じるメカニズムは以下の通りと推測される。
即ち、樹脂系マッド材は、タール系マッド材に比べて、受熱による固化が速く、出銑孔に充填した際に、出銑孔の内面と接する表層部のみが先行して固化する現象が生じやすい。マッド材の固化は組織の緻密化を伴うため、上記現象が生じた場合、マッド材の内部で発生する揮発ガスの逸散が、既に固化した表層部の存在によって妨げられる。このため、マッド材の内部に揮発ガスが留まる結果、充填体の内部組織が粗雑化しやすい。
また、樹脂系マッド材は、タール系マッド材に比べて、受熱時における揮発ガスの放出の仕方が急激である。これは、タールが種々の沸点をもつ物質の複合物であるため、ブロードな揮発特性を示すのに対し、従来のマッド材用樹脂組成物は、溶剤の沸点に相当する特定の温度付近で急激に揮発が起こることによる。かかる急激な揮発特性も、充填体の内部組織の粗雑化をもたらす要因の一つと考えられる。
特許文献4は、フェノール樹脂の溶剤に、種々の沸点をもつものを用いることができると説明しており、溶剤として、ナフタレン化合物やフルフリルアルコールを例示している(特許文献4の段落0015参照)。しかし、溶剤にそれらの組み合わせを用いても、ナフタレン化合物の沸点及びフルフリルアルコールの沸点において、急な揮発が起こることは変わりなく、充填体の内部組織の粗雑化を防止できるとは言いがたい。
充填体の内部組織が粗雑化した場合、ドリルによる掘削時の衝撃で、焼成されたマッド材に横穴と呼ばれる亀裂が生じやすく、マッド材をドリルで掘り抜く前に溶銑滓が噴き出す現象が生じやすい。また、湯道を開けることができたとしても、マッド材が充分な耐用性を発揮しないため、湯道の口径の拡大の進行が早く、長時間の安定した出銑を達成することができない。
本発明の目的は、焼成時におけるマッド材の内部組織の粗雑化を防止することができるマッド材用樹脂組成物、及びこれを含むマッド材を提供することである。
本発明の一観点によれば、耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物において、植物オイルを含むことを特徴とするマッド材用樹脂組成物が提供される。
本発明の他の観点によれば、耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物において、当該マッド材用樹脂組成物中の樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した後、50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が、加熱前の当該マッド材用樹脂組成物と前記ヘキサミンとの合計量の25質量%以下であることを特徴とするマッド材用樹脂組成物が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、上記いずれかのマッド材用樹脂組成物を含むマッド材が提供される。
マッド材表層部の固化時点を、マッド材内部の揮発分の逸散が完了した時点に近づけることができ、マッド材の内部に留まる揮発ガスの量を従来よりも低減できるため、内部組織の粗雑化を防止することができる。
マッド材の揮発特性を表すグラフである。 実施例によるマッド材の焼成後の断面を示す写真である。 比較例によるマッド材の焼成後の断面を示す写真である。 マッド材用樹脂組成物の揮発特性を示すグラフである。 植物オイルの揮発特性を示すグラフである。
以下の説明中、「部」は全て「質量部」、「%」は全て「質量%」を示すものとする。
本発明のマッド材樹脂組成物は、耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物であり、植物オイルを含むことを特徴とする。
また、本発明のマッド材樹脂組成物は、耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物であり、当該マッド材用樹脂組成物に対し、当該マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した後、50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が、加熱前の当該マッド材用樹脂組成物と前記ヘキサミンとの合計質量の25%以下であることを特徴とする。
上記マッド材用樹脂組成物に用いる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、及びエポキシ樹脂等から選択される1種以上を用いることができる。樹脂は、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。また、樹脂は、変性されていない未変性樹脂であってもよいし、変性された変性樹脂であってもよいし、未変性樹脂と変性樹脂との組み合わせであってもよい。
マッド材用樹脂組成物中の樹脂の含有量はマッド材の流動性の観点から、35質量%以上であることが好ましい。
樹脂としては、作業性や残炭率の観点から、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、及びオイル変性フェノール樹脂から選択される1種以上を用いることができる。保存安定性も考慮すると、ノボラック型フェノール樹脂やオイル変性フェノール樹脂が好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で重縮合反応させることで得ることができる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、及び他のアルキルフェノール類から選択される1種以上を用いることができる。中でも、フェノール、クレゾールが炭化率が高いため好ましい。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、これらアルデヒドの発生源となる物質、及びこれらアルデヒド類の溶液から選択される1種以上を用いることができる。中でもフェノール樹脂合成時の反応性が高いことから、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸等の有機酸から選択される1種以上を用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類(P1)とアルデヒド類(F1)とを、モル比(F1/P1)=0.3〜0.7で仕込み、酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて得ることができる。このモル比で反応させることで、マッド材用樹脂組成物に適した分子量を得ることができる。反応モル比0.3以上の条件で反応を行うことで、歩留まりの低下を防止し、得られるノボラック樹脂の分子量を高めることができる。反応モル比0.7以下の条件で反応を行うことで、ノボラック樹脂の分子量が高くなりすぎて多量の溶剤が必要になることを防止できる。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類をアルカリ性触媒の存在下で反応させて得ることができる。アルカリ性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア水、トリエチルアミン等の第3級アミン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等アルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミン等のアルカリ性物質等から選択される1種以上を用いることができる。アルカリ性触媒の使用量は、フェノール類1モルに対して、0.01〜0.1モルが好ましい。
オイル変性フェノール樹脂は、例えば、フェノール類、アルデヒド類、及びオイルを酸性触媒下で反応させて得られる。
変性に用いるオイルとしては、例えば、植物オイル、特に、カシューオイル、アマニオイル、桐オイル、ヒマシオイル、及び、トールオイルから選ばれる1種以上が好ましいが、植物オイルでなくてもよい。保存安定性を考慮すると、カシューオイル変性フェノール樹脂が好ましく、カシューオイル変性ノボラック型フェノール樹脂がより好ましい。
カシュー変性ノボラック型フェノール樹脂の場合、カシューオイルとフェノールを反応させる為、硫酸や、パラトルエンスルホン酸等の酸化性を有する酸性触媒が好ましい。
樹脂は、それに含まれる固定炭素が熱間でカーボンボンドを形成することで、マッド材の組織を緻密化し、マッド材に耐侵食性を付与する。マッド材の残炭率を高め、耐侵食性を特に良好にするために、マッド材用樹脂組成物に占める樹脂の割合は、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。
本実施形態のマッド材用樹脂組成物は、植物オイルを含むことを最大の特徴とする。
植物オイルとしては、例えば、カシューオイル、ヒマシオイル、トールオイル、ウルシオール、アマニオイル、エノオイル、桐オイル、ゴマオイル、ココナッツオイル、コーンオイル、オリーブオイル、パームオイル、ピーナッツオイル、菜種オイル、ヒマワリオイル、松の実オイル、綿実オイル、大豆オイル、紅花オイル、及びパームオイル等から選択される一種以上を用いることができる。
植物オイルの使用量は、マッド材用樹脂組成物に占める割合で5〜50%が好ましい。5%以上使用することで、マッド材の内部組織の粗雑化を防止する効果を高めることができる。20%以上とすることで、マッド材を出銑孔へ充填する際の作業性の低下も防止できる。50%以下、より好ましくは40%以下とすることで、樹脂の割合の低下を防止し、マッド材に適切な残炭率を確保することができる。
植物オイルは、耐火性粉体に可塑性を付与するための液体としての機能ももつ。一般に、植物オイルは樹脂と混ざり合いにくいが、両者をマッド材において組み合わせる場合は、耐火性粉体の存在によって両者の混合が促進され、植物オイルが樹脂の混合媒体として機能することができる。
植物オイルと樹脂との馴染みを特に良好にしたい場合は、以下の(1)及び(2)の少なくともいずれか一方の措置をとることができる。
(1)樹脂として、予め植物オイルで変性した変性樹脂を用いること。植物オイル変性樹脂の製法は公知であるため、詳細な説明は省略する(例えば、特開2002−212250号公報や特開2004−115727号公報等参照)。
なお、マッド材に変性樹脂を適用しうることは公知であるが(特開昭60−208406号公報、及び特公平1−48217号公報参照)、変性樹脂とは別に、変性剤に用いた植物オイルをさらに配合したマッド材は知られていない。マッド材への植物オイルの適用による上記効果は、従来の樹脂系マッド材において、未変性樹脂に代えて植物オイルで変性した変性樹脂を用いるだけでは得られず、仮に変性樹脂を用いる場合であっても、別途に植物オイルを配合して初めて得られる。
但し、変性によって樹脂の残炭率が低下する。マッド材においては、樹脂の残炭率が高い程、溶銑滓に対する耐侵食性が高くなるため、マッド材の混練容易性よりも、耐侵食性を重視する場合は、樹脂として未変性樹脂を用いることが好ましい場合がある。
(2)樹脂を溶くための溶剤を併用すること。樹脂に溶剤を併用することで、植物オイルとの馴染みが改善される。
溶剤としては、例えば、多価アルコール、フルフリルアルコール、低級アルコール等のアルコール類;酢酸エチルや脂肪族カルボン酸エステル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン化合物;ナフタレン化合物;セロソルブ類;カルビトール類;及びインデン核化合物から選択される一種以上を用いることができる。これらの中でも、多価アルコールが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びグリセリン等から選択される一種以上を用いることができる。
但し、溶剤の添加量が多すぎると、植物オイルの使用による上記効果が希釈される懸念がある。このため、溶剤の添加量は、樹脂に対する外かけで、200%以下が好ましく、150%以下がより好ましく、100%以下がより好ましい。
なお、マッド材用樹脂組成物は、樹脂、植物オイル、及び溶剤以外に、他の物質、例えば、タール、ピッチ、アスファルト等の瀝青を含んでもよい。瀝青を含める場合は、溶剤として、ケトン化合物及び/又はエステルを用いることが好ましい。これらは、樹脂と瀝青とに相溶性を示すため、マッド材の組織の均一化に貢献する。但し、作業環境の悪化を防止するために、瀝青の使用量は、マッド材用樹脂組成物に占める割合で10%未満が好ましく、0%が最も好ましい。
以上説明したマッド材用樹脂組成物をバインダとして用い、このバインダによって耐火性粉体を練り込むことでマッド材が得られる。マッド材は、マッド材用樹脂組成物以外にオイルや溶剤を含まない。
但し、バインダとしては、マッド材用樹脂組成物と共に樹脂の硬化剤を含んでもよい。本明細書において、マッド材用樹脂組成物とは、ヘキサミン等、樹脂の硬化を促進する硬化剤は含まない概念とする。
硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(以下、ヘキサミンという。)が挙げられる。その添加量は、樹脂100%に対する外かけで、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
バインダの添加量は、特に限定されない。マッド材に可塑性と耐侵食性とを付与する観点から自ずと定まり、例えば、耐火性粉体100%に対する外かけで、5〜30%が好ましく、15〜25%がより好ましい。
耐火性粉体としては、例えば、蝋石、ムライト、カオリン、粘土、シャモット、セリサイト、シリマナイト、アンダルサイト等のアルミナ‐シリカ質原料;ボーキサイト、ダイアスポア、ばん土頁岩、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナ等のアルミナ質原料;珪石、シリカフラワー等のシリカ質原料;天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、コークス等の炭素質原料;炭化珪素質原料等の炭化物;窒化珪素鉄等の窒化珪素質原料;スピネル質原料;マグネシア質原料;ドロマイト質原料;カルシア質原料;ジルコニア質原料;フェロシリコン;金属アルミニウムや金属シリコン等の金属粉から選択される1種以上を用いることができる。
耐火性粉体は、密充填組織が得られるようにすること、及びマッド材に良好な可塑性を付与すること等を目的として、粒径1mm以上の粗粒、粒径75μm以上1mm未満の中粒、及び粒径75μm未満の微粒を有するように粒度調整される。耐火性粉体は、粗粒:10〜40%、微粒:40〜70%、及び中粒:残部よりなるように粒度調整することが好ましい。
本明細書において、粒子の粒径がd以上とは、その粒子がJIS‐Z8801に規定する目開きdの標準篩上に残ることを意味し、粒子の粒径がd未満とは、その粒子が目開きdの同標準篩を通過することを意味する。
耐火性粉体は、分散剤や繊維等の添加剤を含んでもよい。分散剤としては、例えば、βナフタレンスルホン酸、アニオン系アルキル・アリルスルホン酸塩、アニオン系変性リグニンスルホン酸塩等のアニオン系スルホン酸塩が好ましい。繊維としては、有機繊維や無機繊維が挙げられる。
以下、第1の実験について説明する。
実施例1〜3として、次の手順でマッド材用樹脂組成物を得た。
冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部と蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン431部を2時間かけて逐添した。その後、1時間還流反応を行い、減圧下で脱水及び脱フェノールを行ってノボラック型フェノール樹脂を得、得られたノボラック型フェノール樹脂に、植物オイルと溶剤とを添加し、マッド材用樹脂組成物を得た。実施例1〜3間で、使用する上記植物オイルを異ならせた。
また、比較例1及び2として、上記各実施例と同じ条件で得たノボラック型フェノール樹脂に溶剤のみを添加してマッド材用樹脂組成物を得た。比較例1及び2間で、使用する上記溶剤を異ならせた。
表1に、上記各実施例及び比較例によるマッド材用樹脂組成物の構成を示す。
表1で、カシューオイルには、東北化工株式会社製の商品名「カシューオイル」を用いた。ヒマシオイルには、KFトレ−ディング株式会社製の商品名「工業用ひまし油」を用いた。トールオイルには、ハリマ化成工業株式会社製の商品名「ハートールSR30」を用いた。
Figure 0005556167
さらに、表1に示す各マッド材用樹脂組成物に対し、ヘキサミンを外かけ1%添加したものをバインダとし、かかるバインダで共通の耐火性粉体を練り込んでマッド材を作製した。バインダの添加量は、耐火性粉体100%に対する外かけ20%とした。
共通の耐火性粉体には、蝋石10%、炭化珪素質原料20%、電融アルミナ30%、コークス10%、及び窒化珪素鉄30%よりなり、かつ粗粒20%、中粒30%、及び微粒50%よりなるように粒度調整したものを用いた。
図1に、それら作製した各マッド材の熱天秤による質量変化の測定結果を示す。
以下、図1のグラフの測定条件を説明する。各マッド材を、成形圧力6MPaで直径50mm高さ50mmの円柱状に加圧成形した試料を、300℃に保持したN雰囲気に暴露した。横軸は暴露時間[分]を示し、縦軸は単位時間あたりの試料の質量変化[g/分]を示す。縦軸の値は、示差熱熱質量同時測定装置を用いて測定したTGデータを時間差分したもの(以下、DTGデータという。)である。
横軸と交差する矢印A〜Dは、試料の表層部が固化した時点を示す。即ち、DTGデータの測定とは別途、同一の試料を同様に300℃に保持したN雰囲気に暴露し、暴露時間に対する試料の圧縮強度の変化を測定した。試料の圧縮強さが1MPa以上となった時点を、試料の表層部が固化した時点と推定する。
曲線Aは、比較例1のマッド材のDTGデータであり、約5分経過時に、急峻なピークを示す。これは溶剤に用いたエチレングリコールの揮発による。このような急激な揮発は、マッド材の内部組織の粗雑化を招きやすい。
矢印Aは、比較例1のマッド材の表層部が固化した時点を示す。早期に表層部が固化しており、表層部の固化時点で全揮発量の約40%程度の揮発しか完了していない。残り60%程度の揮発分は、表層部の存在によって逸散が妨げられるため、マッド材の内部に留まりやすく、このことがマッド材の内部組織の粗雑化の原因となる。
曲線Bは、比較例2のマッド材のDTGデータであり、曲線Aとほぼ同様の変化を示した。たとえ沸点の異なるフルフリルアルコールとナフタレン化合物とを組み合わせても、急激な揮発の防止にはあまり効果がみられないことが分かる。
矢印Bは、比較例2のマッド材の表層部が固化した時点を示す。比較例1に比べると、表層部の固化は遅れているものの、表層部の固化時点において全揮発量の約70%程度の揮発しか完了していない。残り30%程度の揮発分はマッド材の内部に留まりやすく、このことがマッド材の内部組織の粗雑化の原因となる。
曲線C〜Eは、それぞれ実施例1〜3のマッド材のDTGデータである。いずれもマッド材用樹脂組成物に植物オイルを用いることで、曲線A及びBに比べて、ピークの位置が右側にシフトし、かつピークの立ち方がブロードになっている。即ち、揮発が緩やかに起こることで、マッド材の内部組織の粗雑化が防止される。
矢印C、Dは、それぞれ実施例1、2のマッド材の表層部が固化した時点を示す。矢印A及びBに比べると右側にシフトしており、表層部の固化時点において全揮発量の殆ど、具体的には95%程度以上の揮発が完了している。このため、マッド材の内部に留まる揮発ガスの量が少なく、内部組織の粗雑化を防止することができる。
マッド材の固化に要する時間が長いと、その分、マッド材が炉の内面方向に広くかつ奥方向に深く展開できるため、炉壁保護効果も高まる。
なお、実施例3のマッド材の表層部が固化した時点は、45分以降であるため、図1には、実施例3のマッド材の表層部が固化した時点を表す矢印は記載していない。
図2及び3は、焼成後のマッド材の断面を示す写真である。
以下、図2及び3に示すマッド材の焼成条件を説明する。実施例1及び比較例2のマッド材を、それぞれ予め1200℃に加熱した内径100mm、長さ1000mmの中空円筒に圧入し、空気中、同円筒内で15分間焼成し、焼成体を得た。図2及び3は、その焼成体の断面を示す。なお、円筒とマッド材との反応を抑制するために、円筒の素材として、アルミナ−グラファイト質れんがを使用した。
図2は、カシューオイルを含む実施例1のマッド材の断面である。内部組織に空隙部や亀裂は生じておらず、均一な組織が得られた。図示しないが、トールオイルを含む実施例2、及びヒマシオイルを含む実施例3のマッド材も、図2と同様、緻密な断面組織を有することが確認された。
図3は、比較例2のマッド材の断面である。内部組織が粗雑になっている。これは、図1を参照して説明したように、溶剤であるフルフリルアルコールの急激な揮発と、揮発ガスのマッド材内部への残留に起因すると考えられる。図示しないが、比較例1のマッド材も、図3と同様に、粗雑な断面組織を示すことが確認された。
以下、第1の実験の結果について考察する。
植物オイルは、樹脂の硬化を遅らせる作用をもつためか理由は定かでないが、植物オイルを樹脂と併用すると、マッド材の受熱による固化が遅れる。このため、マッド材の表層部の固化時点を、マッド材の内部の揮発分の逸散が完了した時点に近づけることができ、マッド材の内部に留まる揮発ガスの量を従来よりも低減できるため、内部組織の粗雑化を防止し、マッド材の亀裂発生を抑制することができる。
植物オイルはまた、タールと同様、種々の沸点をもつ物質の複合物であるためか理由は定かでないが、植物オイルを樹脂と併用すると、焼成時の揮発ガスの発生の仕方がブロードになる傾向をもつことが判った。このため、揮発ガスの急激な発生に起因する内部組織の粗雑化を防止することができる。
次に、第2の実験について説明する。
上述した第1の実験の結果によると、焼成時におけるマッド材組織の粗雑化を防止する効果を得るには、マッド材用樹脂組成物の難揮発性が特に重要と考えられる。そこで、マッド材としての亀裂の発生度合いを確認したうえで、マッド材用樹脂組成物の揮発特性に影響を及ぼす因子、具体的には、加熱減量、不揮発性分量、粘度、未反応フェール量、固定炭素率等を測定した。
表2に、マッド材用樹脂組成物の構成とその評価結果とを示す。
Figure 0005556167
実施例4、7、8のマッド材用樹脂組成物は次の要領で得た。冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部と蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン431部を2時間かけて逐添する。その後、1時間還流反応を行い、所望の水分量と、所望の未反応フェノール量になるよう減圧下で脱水及び脱フェノールを行ってノボラック型フェノール樹脂を得る。得られたノボラック型フェノール樹脂に植物オイルを添加してマッド材用樹脂組成物と成す。
実施例5、6のマッド材用樹脂組成物は次の要領で得た。冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部、カシューオイル(東北化工株式会社製の商品名「カシューオイル」、水酸基価203)200部及び硫酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン388部を2時間かけて逐添する。この後、1時間還流反応を行い、所望の水分量と、所望の未反応フェノール量になるまで減圧下で脱水、脱フェノールを行ってカシューオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を得る。実施例5のマッド材用樹脂組成物は、上記カシューオイル変性ノボラック型フェノール樹脂に植物オイルを添加したものであり、実施例6のマッド材用樹脂組成物は、上記カシューオイル変性ノボラック型フェノール樹脂に植物オイルとエチレングリコールとを添加したものである。
比較例3のマッド材用樹脂組成物は、実施例4の場合と同じ条件で得たノボラック型フェノール樹脂に、エチレングリコールを添加したものである。
なお、表2で、カシューオイルには、東北化工株式会社製の商品名「カシューオイル」(水酸基価203)を用いた。ヒマシオイルには、KFトレ−ディング株式会社製の商品名「工業用ひまし油」(水酸基価160)を用いた。エチレングリコールには、三菱化学株式会社製の商品名「エチレングリコール」を用いた。表2のいずれの実施例及び比較例においてもマッド材用樹脂組成物中の樹脂に占める水分量は1%以下であった。
(a)亀裂試験について
表2で、亀裂試験は次の要領で行った。実験用万能混練機に、焼結アルミナ25部、蝋石25部、炭化珪素20部、微粉コークス10部、及びマッド材用樹脂組成物20部をそれぞれ投入し、60℃で60分間混錬した。次に、混練物を室温まで冷却後、120gを高さ15mm×幅25mm×長さ100mmの金型に取り、9.8×10Paの圧力で成形し、試験片を得た。得られた試験片を予め1000℃に加熱した炉で5分間焼成し、試験片を長さ方向に切断し、内部の亀裂の発生度合いを目視観察により評価した。
実施例4〜8は、いずれも亀裂が少なく、実用性に優れると考えられる。特に、実施例4、7、8は、亀裂が非常に少ない。このような効果は植物オイルの使用によってもたらされたものと考えられる。
一方、比較例3では、亀裂が非常に多く発生した。これは、第1の実験においても説明したように、溶剤に用いたエチレングリコールの急激な揮発に原因すると考えられる。
(b)加熱減量について
表2で、加熱減量は次の要領で測定した。各例のマッド材用樹脂組成物に、マッド材用樹脂組成物中のフェノール樹脂100部に対して3部の量のヘキサミンを添加したものを測定対象とする。
ここで、ヘキサミンを用いたのは、特に樹脂としてフェノール樹脂を用いる場合、マッド材用樹脂組成物にヘキサミンを加えてバインダを構成することが多く、ヘキサミンがマッド材用樹脂組成物の揮発特性に影響を及ぼすため、バインダとしての揮発特性を適切に評価するためである。
測定装置には、セイコーインスツルメンツ株式会社製の熱分析レオロジーシステムEXSTAR6000を用い、窒素雰囲気下で測定対象を昇温速度10℃/minで加熱し、50℃から600℃まで加熱した際の測定対象の揮発量を測定する。揮発量を、加熱前の質量、即ち50℃での測定対象の質量に対する百分率で表した値が加熱減量である。
図4に、加熱減量の測定結果を示す。横軸は温度を示し、縦軸が加熱減量を示す。図4には、50℃〜400℃の範囲のデータのみを示す。図4から、植物オイルはエチレングリコールよりも加熱減量が小さいことが分かる。加熱減量が小さい程、マッド材用樹脂組成物に急激な揮発が生じにくいため、亀裂の発生を抑制する効果が高い。
表2には、図4のグラフから読み取れる200℃における加熱減量の値を記載した。表2の結果によると、200℃における加熱減量は、25%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。
また、本結果によると、植物オイルを使用することが好ましいが必ずしも植物オイルの使用によらずとも、マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した場合に、200℃における加熱減量が25%以下となるような難揮発性を有するマッド材用樹脂組成物であれば、マッド材の亀裂を防止する効果が得られると考えられる。
なお、ヘキサミンの添加量をマッド材用樹脂組成物中の樹脂100部に対して3部としたのは、あくまでもマッド材用樹脂組成物の難揮発性を評価するためであり、マッド材のバインダとしてマッド材用樹脂組成物と共に硬化剤を併用する場合、硬化剤の添加量は必ずしもマッド材用樹脂組成物中の樹脂100部に対して3部でなくてもよいし、硬化剤は必ずしもヘキサミンでなくてもよい。
(c)粘度について
表2で、粘度は次の要領で測定した。JISK6910に準拠し、25℃における粘度を測定した。測定装置には東機産業株式会社製のE型粘度計を用いた。粘度が5.0Pa・s未満の場合、E型粘度計EHD型に、角度1゜34’半径24mmのコーンを使用し、回転数5rpmで測定した。粘度が10Pa・s以上の場合、E型粘度計EHD型に、角度1゜34’半径24mmのコーンを使用し、回転数2.5rpmで測定した。粘度が5.0Pa・s以上、10Pa・s未満の場合は、上記2条件で測定し、その平均値とした。
一般に、粘度が高い程、マッド材用樹脂組成物に急激な揮発が生じにくいため、亀裂の発生を抑制する効果が高いと考えられる。表2から、本発明において、マッド材用樹脂組成物の25℃における粘度は、少なくとも比較例3よりは大きな値、例えば5Pa・s以上が好ましいと考えられる。
また、必ずしも植物オイルの使用によらずとも、要は、25℃における粘度が5Pa・s以上であるような難揮発性を有するマッド材用樹脂組成物であれば、マッド材の亀裂を防止する効果がさらに確実に得られると考えられる。
但し、マッド材用樹脂組成物の粘度が高すぎると、マッド材の出銑孔への圧入作業が困難化する懸念がある。圧入作業の容易化の観点からは、マッド材用樹脂組成物の粘度は、45Pa・s以下が好ましく、15Pa・s以下がより好ましい。
(d)未反応フェノール量について
表2で、未反応フェノール量は、JISK6910に準拠し、ガスクロマトグラフィー法を用い、2,5−キシレノールを内部標準物質として内部標準法で測定した。
未反応フェノール類は、高温での反応性が高く、揮発する際にフェノール類が2個以上結合し高分子量となって揮発すると考えられる。このことが亀裂を起こしやすくなる原因と考えられる。このため、未反応フェノールの含有量は少ない方が好ましい。
表2の結果によると、本発明において、フェノール樹脂に占める未反応フェノール類の含有量は12%以下であることが好ましい。また、実施例において亀裂試験の結果が特に良好であったことから、フェノール樹脂に占める未反応フェノールの含有量は1%以下がより好ましいと考えられる。なお、未反応フェノール類の含有量は小さい程好ましいと考えられるが、現実的には未反応フェノールの下限値は0.1%程度である。
(e)固定炭素について
表2で、固定炭素は、次の要領で測定した。JISK6910に準拠し、マッド材用樹脂組成物に、これに含まれるフェノール樹脂組成物100部に対して3部の量のヘキサミンを添加した組成物を坩堝に入れ、135℃で1時間加熱し、430℃で30分間加熱した後、坩堝に蓋をしてコークス中で、800℃で30分間加熱した。加熱後のサンプル質量の、坩堝に投入した組成物の質量に対する百分率である炭化率を表2に示した。
マッド材用樹脂組成物の固定炭素量が少ないことは、その分、揮発分量が多いことを意味する。即ち、固定炭素量が少ないと、受熱時に充分なカーボンボンドを形成できず、組織が疎となって充分な耐用が得られにくい。
表2の結果から、本発明において、マッド材用樹脂組成物の固定炭素量は概ね20%以上が好ましいと考えられる。但し、固定炭素量が多すぎると、マッド材の受熱による収縮が大きくなり、かえって亀裂が生じやすくなる懸念がある。そこで、マッド材用樹脂組成物の固定炭素量は40%以下であることが好ましい。
(f)不揮発分量について
表2で、不揮発分量は次の要領で測定した。マッド材用樹脂組成物1.5gを精秤して容器に取り、180℃に保持した乾燥機内に1時間放置する。1時間後サンプルを取り出し、室温になるまで約1時間放置した後、総質量から容器の質量を減じて、加熱後のサンプル質量を求めた。加熱後のサンプル質量の、加熱前のサンプル質量に対する割合が不揮発性分量である。
なお、不揮発分量の測定温度を180℃としたのは、180℃がフェノール樹脂の硬化反応が最も促進され、網目構造が形成される温度と考えられるからである。
180℃における不揮発分量がある程度多いことで、硬化により形成される網目に揮発分がからみあい、マッド材の亀裂が抑制されると推測される。表2の結果から、本発明において、マッド材用樹脂組成物の180℃での不揮発性分量は概ね70%以上が好ましいと考えられる。但し、取り扱い性の観点からは、90%以下が好ましいと考えられる。
次に、第3の実験について説明する。
上述した第2の実験では、マッド材用樹脂組成物としての難揮発性に関る物性を評価したが、植物オイルそのものの難揮発性に関る物性も重要と考えられる。
そこで、植物オイルとして、カシューオイル、ヒマシオイル、桐オイル、アマニオイル、トールオイルを用い、これらの揮発特性を評価した。また、比較のために、エチレングリコール、トリエチレングリコールの揮発特性も評価した。
カシューオイルには東北化工株式会社製の商品名「カシューオイル」を用いた。ヒマシオイルにはKFトレ−ディング株式会社製の商品名「工業用ひまし油」を用いた。桐オイルにはIndustrial Oil Products社製の商品名「桐油」を用いた。アマニオイルには吉原製油株式会社製の商品名「アマニ油」を用いた。トールオイルにはハリマ化成工業株式会社製の商品名「ハートールSR30」を用いた。エチレングリコールには三菱化学株式会社製の商品名「エチレングリコール」を用いた。トリエチレングリコールには三菱化学株式会社製の商品名「トリエチレングリコール」を用いた。
揮発特性は、次の要領で評価した。セイコーインスツルメンツ株式会社製の熱分析レオロジーシステムEXSTAR6000を用い、測定対象液を昇温速度10℃/minで50℃から200℃まで加熱した際の測定対象液の揮発量を計測する。測定雰囲気は窒素雰囲気下とする。50℃から200℃まで加熱した際の累積揮発量の、加熱前の質量、即ち50℃における測定対象液の重量に対する百分率(以下、加熱減量という。)でもって揮発特性を評価した。
図5に、加熱減量の計測結果を示す。横軸は温度を示し、縦軸が加熱減量を示す。樹脂の溶剤として使用されるエチレングリコールやトリエチレングリコールは、加熱減量がほぼ100%である。これに対し、植物オイルのうち少なくとも本実験で用いたものは、加熱減量10%以下と優れた難揮発性を示した。中でもアマニオイル、ヒマシオイル、桐オイルは、3%以下、具体的には0.1%程度と小さな加熱減量を示した。
以上の結果から、マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した場合に、200℃における加熱減量が25%以下となるような難揮発性を有するマッド材用樹脂組成物において、50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が加熱前の質量の10%以下となるオイルを使用することが好ましいことがわかる。
次に、第4の実験について説明する。
植物オイルそのものの難揮発性に関る物性として粘度を評価した。
表3に、各種植物オイルの粘度を示す。なお、各オイルは、第3の実験で用いたものと同じ製品とした。
Figure 0005556167
粘度は、JISK6910に準拠し、25℃における値を測定した。測定装置には東機産業株式会社製のE型粘度計を用いた。粘度が128〜1280mPa・sの場合(ヒマシオイル、カシューオイル、キリオイル)、E型粘度計EMD型に、角度1゜34’半径24mmのコーンを使用し、回転数10rpmで測定する。粘度が12.8〜128mPa・sの場合(トールオイル、アマニオイル)、E型粘度計EMD型に、角度1゜34’半径24mmのコーンを使用し、回転数100rpmで測定する。
粘度が高い程、難揮発性に優れる。表3に示すように、植物オイルの中でも、桐オイル、カシューオイル、ヒマシオイルは、25℃における粘度が250mPa・s以上と高いため、好ましいと言える。
本実験の結果から、必ずしも植物オイルでなくとも、25℃における粘度が250mPa・s以上であるような難揮発性をもつオイルであれば、マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した場合に、200℃における加熱減量が25%以下となるような難揮発性を有するマッド材用樹脂組成物に用いて好適であると考えられる。
なお、作業性の観点からは、マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した場合に、200℃における加熱減量が25%以下となるような難揮発性を有するマッド材用樹脂組成物において、25℃における粘度が、1500mPa・s以下、特には1000mPa・s以下のオイルを含むことが好ましい。
以上、第1〜第4の実験について説明した。以下、本発明に使用される植物オイルの好ましい組成について述べる。
植物オイルの粘度は高い方が難揮発性の点で好ましいが、粘度が高すぎると樹脂との相溶性に劣るので、植物オイルは以下の組成を備えることが好ましい。
特に樹脂としてフェノール樹脂を使用する場合は、フェノール樹脂に対する相溶性の観点から水酸基を有する脂肪酸を主成分として含んだ植物オイルが好ましい。具体的には、カシューオイル、ヒマシオイルが好ましい。
また、水酸基を2以上含んだ脂肪酸エステルを主成分とするヒマシオイルがフェノール樹脂に対する相溶性の観点からより好ましい。即ち、ヒマシオイルは、表3に示したように粘度が高いが、水酸基を2以上含んだ脂肪酸エステルを主成分としているため、樹脂との相溶性に難点が生じにくい。
植物オイルはまた、水酸基を含む化合物を含むことが好ましく、植物オイルの水酸基価は、120以上、400以下が好ましい。水酸基価が120以上であることで、マッド材用樹脂組成物として用いた場合の保存性安定性が高まる。水酸基価が400以下であることで、保管時の吸湿量を抑制し、マッド材として使用した場合の水蒸気による亀裂の発生を抑制できる。
ここで、水酸基価とは、試料1gに含まれる遊離の水酸基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するに必要な水酸化カリウムのmg数である。
水酸基価の評価方法は次の通りである。予め精秤した試料をフラスコに取る。次に、予め精秤した無水酢酸(試薬特級)を、所定量のピリジンに加え調製したアセチル化試液をビュレットを用いて添加する。冷却菅をフラスコに取り付け、95〜100℃に加熱する。1時間後、フラスコを加熱浴から取り出し冷却し、冷却菅上部より水を加える。この時白濁を生じるならば少量のピリジンを加えて、再び透明にする。混合物中で無水酢酸が酢酸に完全に変える為に、フラスコをもう一度加熱浴に入れ、再加熱する。再び常温まで冷却し、冷却菅をはずし、フラスコの中の内容物にフェノールフタレイン指示薬を数滴加え、ビュレットを用いて、0.5mol/Lに調製した水酸化カリウム・エタノ−ル標準液で滴定する。なお、本試験と並行して試料を加えず行う空試験を行う。また、試料の酸価は別に求めておく。試料が遊離アミンを含んでいる場合、同様に遊離アミン価を別に求めておく。
水酸基価は次式により算出する。
水酸基価=(D× (A―B) × F)/C + 酸価− 遊離アミン価
A:空試験の0.5mol/L水酸化カリウム・エタノ−ル標準液使用量(mL)
B:本試験の0.5mol/L水酸化カリウム・エタノ−ル標準液使用量(mL)
C:試料採取量(g)
D:0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール標準液の水酸化カリウムの濃度(g/L)
F:0.5mol/L水酸化カリウム・エタノ−ル標準液のファクター)
既述したように、植物オイルは、粘度及び揮発温度が高いことが好ましい。粘度及び揮発温度の観点から、植物オイルは、分子量が250以上、2000以下の脂肪酸、脂肪酸の重合物、脂肪酸と多価アルコールとを反応させたエステル化合物、及びアルケニル基を有するフェノール化合物の少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。これらを含む植物オイルは、粘度が高く、揮発温度も高い。
脂肪酸としては、例えば、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、16-ヒドロキシ-6-ヘキサデセン酸、s9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸、9,12-ジヒドロキシオクタデカン酸、9,l0,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸(アレウリチン酸)、9,10,12-トリヒドロキシオクタデカン酸、ヘキサヒドロキシオクタデカン酸、オクタヒドロキシオクタデカン酸等が挙げられる。中でも、保存性の観点から、水酸基を少なくとも1つ有する脂肪酸が好ましく、水酸基価が120以上の脂肪酸がより好ましい。このような脂肪酸としては、例えば、リシノール酸、16-ヒドロキシ-6-ヘキサデセン酸、9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸、9,12-ジヒドロキシオクタデカン酸、9,l0,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸(アレウリチン酸)、9,10,12-トリヒドロキシオクタデカン酸、ヘキサヒドロキシオクタデカン酸、オクタヒドロキシオクタデカン酸等が挙げられる。
脂肪酸の重合物とは、脂肪酸を加熱重合、又は脱水縮合して得られるものである。分子量は、公知の方法で制御することができ、2000以下にしたものを好適に用いることができる。脂肪酸の重合物は水酸基を有することが好ましい。水酸基を有する脂肪酸の重合物は、水酸基を有する脂肪酸を重合する際に、反応時間を制御する等公知の方法で得ることができる。脂肪酸の重合物の水酸基価は、保存性の観点から120以上が好ましい。脂肪酸の重合物の水酸基価の上限値は400以下であることが好ましい。
脂肪酸と多価アルコールとを反応させたエステル化合物は、脂肪酸と多価アルコールとを硫酸等の脱水剤の存在下で加熱する等の公知のエステル化反応により得ることができる。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、グルコース、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、キシロース等が挙げられる。脂肪酸と多価アルコールとを反応させたエステル化合物は、ヒマシオイル、桐オイル、アマニオイル、トールオイル等の天然オイルにも含まれる。エステル化合物は、フェノール樹脂との相溶性及び保存性の観点から、水酸基を有することが好ましい。水酸基は、脂肪酸と多価アルコールとの反応時間を制御する等公知の方法で制御できる。エステル化合物の水酸基価は、保存性の観点から120以上が好ましい。エステル化合物の水酸基価の上限値は400以下であることが好ましい。このようなエステル化合物は、脂肪酸と多価アルコールとの反応を制御することにより得られる他、天然オイルとしてはヒマシオイルに含まれる。
アルケニル基を有するフェノール化合物のアルケニル基としては、エテニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、sec−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−オクテニル基、1−ノネル基、1−デセニル基、3−ウンデセニル基、2−ドデセニル基、4−トリデセニル基、5−テトラデセニル基、1−ペンタデセニル基等の炭素数2〜15の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。フェノール化合物は、更にカルボキシル基、及び水酸基を有することが好ましい。アルケニル基を有するフェノール化合物としては、カルドール、カルダノール、カルド酸があげられ、天然のカシューオイルにはこれらが含まれる。
カシューオイルは、長鎖のアルケニル基を有するフェノール化合物であるカルダノール、カルドール、アナカルド酸(水酸基とカルボキシル基を含む脂肪酸)を含む。カシューオイルはアナカルド酸を主成分とする。ヒマシオイルは、リシノール酸(水酸基とカルボキシル基を含む脂肪酸)のトリグリセリドを主成分とするものであり、例えば、リシノール酸のトリグリセリドを90%以上含む。桐オイルは、エレオステアリン酸を主成分とする。アマニオイルは、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸を含む。トールオイルは、オレイン酸、リノール酸を含む。
なお、上述した第2の実験により得られたマッド材用樹脂組成物の好ましい粘度条件、好ましい未反応フェノール量、第3の実験により得られた特定の加熱減量を示すオイル、オイルの好ましい粘度条件のいずれかを適宜組み合わせて本発明のマッド材用樹脂組成物を構成できることはいうまでもない。
以下、参考形態の例を付記する。
<1>
耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物において、植物オイルを含むことを特徴とするマッド材用樹脂組成物。
<2>
植物オイルが、カシューオイル、桐オイル、アマニオイル、トールオイル、ヒマシオイルから選択される1種類以上である<1>に記載のマッド材用樹脂組成物。
<3>
耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物において、当該マッド材用樹脂組成物に対し、当該マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した後、50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が、加熱前の当該マッド材用樹脂組成物と前記ヘキサミンとの合計質量の25%以下であることを特徴とするマッド材用樹脂組成物。
<4>
樹脂の含有量が35質量%以上、タールその他の瀝青の含有量が10質量%未満(0質量%を含む)である<3>に記載のマッド材用樹脂組成物。
<5>
50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が加熱前の質量の10%以下であるオイルを含む<3>又は<4>に記載のマッド材用樹脂組成物。
<6>
25℃における粘度が250mPa・s以上であるオイルを含む<3>〜<5>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物。
<7>
前記オイルが、脂肪酸、脂肪酸の重合物、脂肪酸と多価アルコールとを反応させたエステル化合物、アルケニル基を有するフェノール化合物から選択される1種以上を含む<5>又は<6>に記載のマッド材用樹脂組成物。
<8>
前記オイルの水酸基価が120以上である<5>〜<7>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物。
<9>
当該マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂が、未反応フェノール類の含有量が12質量%以下のフェノール樹脂である<1>〜<8>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物。
<10>
当該マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂の少なくとも一部にオイル変性フェノール樹脂を用いた<1>〜<9>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物。
<11>
前記オイル変性フェノール樹脂が、カシューオイル変性フェノール樹脂である<10>に記載のマッド材用樹脂組成物。
<12>
当該マッド材用樹脂組成物の25℃における粘度が、5Pa・s以上である<1>〜<11>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物。
<13>
<1>〜<12>のいずれかに記載のマッド材用樹脂組成物を含むマッド材。

Claims (9)

  1. 耐火性粉体をバインダで練り込んでなるマッド材の前記バインダに用いられるマッド材用樹脂組成物において、当該マッド材用樹脂組成物は、カシューオイル、桐オイル、アマニオイル、トールオイル、又はヒマシオイルから選択される1種類以上の植物オイルを含み、当該マッド材用樹脂組成物に対し、当該マッド材用樹脂組成物に含まれる樹脂100部に対して3部のヘキサミンを添加した後、50℃から200℃まで加熱した際の揮発量が、加熱前の当該マッド材用樹脂組成物と前記ヘキサミンとの合計質量の25%以下であることを特徴とするマッド材用樹脂組成物。
  2. 樹脂の含有量が35質量%以上、タールその他の瀝青の含有量が10質量%未満(0質量%を含む)である請求項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  3. 前記植物オイルの25℃における粘度が250mPa・s以上である請求項1または2に記載のマッド材用樹脂組成物。
  4. 前記植物オイルの水酸基価が120以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  5. 当該マッド材用樹脂組成物に含まれる前記樹脂が、未反応フェノール類の含有量が12質量%以下のフェノール樹脂である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  6. 当該マッド材用樹脂組成物に含まれる前記樹脂の少なくとも一部にオイル変性フェノール樹脂を用いた請求項1ないし5のいずれか1項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  7. 前記オイル変性フェノール樹脂が、カシューオイル変性フェノール樹脂である請求項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  8. 当該マッド材用樹脂組成物の25℃における粘度が、5Pa・s以上である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマッド材用樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のマッド材用樹脂組成物を含むマッド材。
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