JP5556155B2 - 光学部材変形装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法 - Google Patents

光学部材変形装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材の形状を変形させる光学部材変形装置、該光学部材変形装置を備える光学系、該光学系を備える露光装置、及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体素子、液晶表示素子等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、レチクル、フォトマスク等のマスクに形成された所定のパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハやガラスプレート等の基板上に転写する露光装置が用いられている。こうした露光装置では、投影光学系を構成する少なくとも一部の光学部材に対して不均一な熱膨張が加わった場合に光学部材が局所的に変形することがあり得る。そして、そのように光学部材が変形した場合には、投影光学系の光学特性が変化してしまい、基板に対するパターン像の投影不良が発生する虞があった。そこで、従来の露光装置には、投影光学系の光学特性を調整するために、光学部材の形状を積極的に変形させるための機構が設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、上記露光装置には、投影光学系を構成する光学部材のうち、凹面鏡(光学部材)の形状を変形させるための微小量変形機構が設けられている。微小量変形機構は、略U字型の先端部材を備えており、先端部材は、凹面鏡の側面に設けられた凸部を凹面鏡の光軸方向の両側から挟む態様で設けられている。また、微小量変形機構には、先端部材から凹面鏡に対して印加される荷重を検出するための荷重センサが設けられている。荷重センサは、凹面鏡の光軸方向に平行に延びる態様で先端部材に連結されるプローブと、該プローブに対して凹面鏡の光軸方向に印加される荷重を検出するためのセンサ部とを含んで構成されている。
そして、この露光装置では、微小量変形機構が先端部材を凹面鏡の凸部に当接させた状態でプローブを凹面鏡の光軸方向に変位させると、先端部材から凹面鏡の凸部に荷重が印加されて凹面鏡の形状の少なくとも一部が変形するようになっている。この際、プローブには、先端部材から凹面鏡の凸部に付与される荷重の大きさに相当する凹面鏡の凸部からの反力が先端部材を介して付与される。そして、こうしたプローブに印加される反力をセンサ部によって検出することにより、凹面鏡の変形量を計測するようになっている。
特開2007−266511号公報
ところで、上記露光装置では、凹面鏡を微細に変形する場合、先端部材から凹面鏡の凸部に対して付与する荷重の大きさが微調整される。そのため、凹面鏡の凸部から先端部材を介してプローブに印加される反力の変化量もまた少ない。すると、凹面鏡の変形を大まかに調整する場合に比して、先端部材から凹面鏡の凸部に対して印加される荷重をセンサ部が検出する際の検出精度が低下する可能性があり、ひいては凹面鏡を精度良く変形することが困難となるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学部材の光学特性を精度よく調整することができる光学部材変形装置、光学系、露光装置、及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、実施形態に示す図1〜図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の光学部材変形装置は、光学部材(41)の形状を変形させる光学部材変形装置(53)において、前記光学部材(41)に対して当接する当接部材(70)と、前記当接部材(70)に連結され、前記当接部材(70)を介して前記光学部材(41)の形状を変形させる変位部材(65)と、駆動源(61)からの駆動力に基づき変位する連結部材(57,63)を有し、該連結部材(57,63)の変位量を拡大して前記変位部材(65)に伝達する変位拡大機構(73)と、拡大した前記変位部材(65)の変位量を計測する計測部材(67)と、前記当接部材(70)と前記変位部材(65)との間に設けられ、前記変位部材(65)の変位量を縮小して前記当接部材(70)に伝達する縮小機構(69)と、前記計測部材(67)の計測結果に基づき、前記変位部材(65)の変位量を制御する制御機構(68)とを備えることを要旨とする。
上記構成によれば、変位拡大機構では、駆動源からの駆動力によって変位する連結部材の変位量が拡大されて変位部材に伝達される。また、変位部材の変位量は、縮小機構によって縮小された状態で当接部材に伝達される。そのため、縮小機構を設けない場合に比して、当接部材から光学部材に対して過大な力が作用することを回避できる。
また、本発明では、変位部材の変位量は、該変位部材の変位量を計測する計測部材での計測結果に基づき調整される。すなわち、当接部材よりも変位量の多い変位部材の変位量に基づいて、当接部材から光学部材に作用する力が調整される。そのため、光学部材の変形量を精度よく調整することができるため、光学部材の光学特性を精度良く調整することができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、光学部材の光学特性を精度よく調整することができる。
第1の実施形態の露光装置の概略断面図。 (a)は図1の2a−2a線矢視断面図、(b)は第1の実施形態のミラー変形装置の断面図。 (a)は初期状態のミラー変形装置の断面図、(b)は図3(a)よりもアクチュエータが収縮した状態を示す断面図、(c)は図3(a)よりもアクチュエータが伸長した状態を示す断面図。 (a)はミラー変形装置が凹面鏡を変形させる前の状態を示す模式図、(b)はミラー変形装置が凹面鏡を+Y方向側に歪み変形させた状態を示す模式図、(c)はミラー変形装置が凹面鏡を−Y方向側に歪み変形させた状態を示す模式図。 第2の実施形態のミラー変形装置の断面図。 (a)は荷重印加機構が凹面鏡に対して予圧を印加している状態を示す断面図、(b)は荷重印加機構が凹面鏡に対する予圧の印加を解除した状態を示す断面図。 (a)は荷重印加機構及び当接部材の双方が凹面鏡から離間した状態を示す模式図、(b)は荷重印加機構が凹面鏡に対して予圧を印加している状態を示す模式図。 (a)は当接部材が凹面鏡に対して当接した直後の状態を示す模式図、(b)は凹面鏡の変形量がほぼゼロとなる状態を示す模式図、(c)は凹面鏡が−Y方向側に歪み変形している状態を示す模式図。 アクチュエータの伸長量と凹面鏡の収差との相関関係を示す相関図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図4に基づき説明する。なお、本実施形態では、図1において、後述する投影光学系15を構成する反射屈折光学系の第1光軸AX1に平行にZ軸を、第1光軸AX1に垂直な面内において図1の紙面に平行にY軸を、紙面に垂直にX軸を、それぞれ設定している。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、所定の回路パターンが形成された透過型のレチクルRを露光光ELで照明することにより、露光面Wa(+Z方向側の面であって、図1では上面)にレジストなどの感光性材料が塗布された感光性基板としてのウエハWに回路パターンを形成するための装置である。そして、こうした露光装置11は、光源装置12から射出された露光光ELをレチクルRの被照射面Ra(+Z方向側の面)に導く照明光学系13と、レチクルRを保持するレチクルステージ14と、レチクルRを透過した露光光ELをウエハWの露光面Waに導く投影光学系15と、ウエハWを保持するウエハステージ16とを備えている。なお、本実施形態の光源装置12は、193nmの波長の光を出力するArFエキシマレーザ光源を有し、該ArFエキシマレーザ光源から出力される光が露光光ELとして露光装置11内に導かれる。
光源装置12と照明光学系13との間には、ビームマッチングユニット17が連結されている。ビームマッチングユニット17は、光源装置12と露光装置11とを光学的に接続しており、光源装置12から射出された露光光ELを露光装置11内に導くようになっている。なお、光源装置12から照明光学系13における最もレチクルR側の光学部材までの空間域は、露光光ELの吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されている。
照明光学系13の下方には、架台18が設けられている。架台18は、定盤19上に立設される下部架台20と、該下部架台20上に支持される上部架台21とによって構成されている。また、上部架台21の上面にはレチクルステージ14が載置されている。レチクルステージ14は、レチクルRを保持する保持面14aをXY平面に対して平行とするように配置されている。また、レチクルステージ14は、レチクルステージ駆動部(図示略)の駆動によって、Y軸方向に所定ストロークで移動可能である。また、レチクルステージ駆動部は、レチクルステージ14をX軸方向、Z軸方向及びZ軸周りの回転方向にも微小量移動させるように構成されている。そして、照明光学系13から射出される露光光ELは、レチクルRを透過した後、上部架台21の上壁部の略中央に形成された透過口22を介して架台18内に収容される投影光学系15に導かれるようになっている。なお、レチクルRが露光光ELで照明される場合、該レチクルRの被照射面Raの一部には、X軸方向に延びる略矩形状の照明領域が形成されるようになっている。
投影光学系15は、該投影光学系15の第1光軸AX1を中心とする略円筒状の上部鏡筒23と、第1光軸AX1と直交する第2光軸AX2を中心とする略円筒状の横鏡筒24と、上部鏡筒23よりもウエハW側に配置され且つ第1光軸AX1を中心とする略円筒状の下部鏡筒25とを備えている。下部鏡筒25は、下部架台20の上壁部の略中央に形成された開口部26を上下方向に挿通している。そして、これらの各鏡筒23,24,25は結合部材27を介して互いに結合されている。なお、結合部材27は、下部架台20における開口部26の口縁近傍に取り付けられている。
上部鏡筒23の上端部(+Z方向側の端部)には、該上部鏡筒23の開口を閉塞するカバーガラス31が設けられている。そして、投影光学系15に導かれる露光光ELは、カバーガラス31を透過して上部鏡筒23の内部に入射するようになっている。また、上部鏡筒23の下端部(−Z方向側の端部)は結合部材27に挿入されている。
なお、上部鏡筒23によって保持される複数(図1では1つのみ図示)の光学部材32は第1結像光学系33を構成している。そして、第1結像光学系33は、上部鏡筒23の内部にレチクルRの回路パターンの第1中間像を形成するようになっている。
横鏡筒24は、有底筒状をなしており、その底部35が結合部材27の側面に形成された開口部36を介して結合部材27に挿入されている。また、横鏡筒24の上側壁(即ち、上部鏡筒23側の側壁)には、第1光軸AX1を略中心とする開口部47が貫通形成されており、横鏡筒24内には、上部鏡筒23側から開口部47を介して露光光ELが入射するようになっている。また、横鏡筒24の下側壁(即ち、下部鏡筒25側の側壁)には、第1光軸AX1を略中心とする開口部48が貫通形成されており、横鏡筒24からは、開口部48を介して下部鏡筒25側に露光光ELが射出されるようになっている。こうした横鏡筒24は、結合部材27に挿入される底部35によって直角反射鏡38を保持している。
また、横鏡筒24は、横鏡筒24の内壁に固定された保持部材(図示略)を介して負レンズ39及び凹面鏡41を保持している。この凹面鏡41の側面には略円環状をなす被保持部41a(図2(b)参照)が形成されており、横鏡筒24の保持部材はこの被保持部41aを介して凹面鏡41を保持している。一例として、横鏡筒24の保持部材は、第2光軸AX2を中心とする周方向に沿って等間隔に複数(例えば3つ)配置されており、凹面鏡41は、保持部材によって複数点(例えば3点)で保持されている。
また、横鏡筒24内の右端側には、該横鏡筒24の内径とほぼ同一の径を有する円板状のリアクションプレート42が横鏡筒24の開口を閉塞するように設けられている。また、横鏡筒24の右側には、有底略円筒状をなす封止部材43が横鏡筒24の外側からリアクションプレート42を覆うように設けられている。なお、リアクションプレート42と封止部材43の底壁(図1では右側の壁部)との間には、所定の空間Sが形成されている。
横鏡筒24に保持される直角反射鏡38には、第1光路折り曲げ鏡44及び第2光路折り曲げ鏡45が形成されている。第1光路折り曲げ鏡44は、第1結像光学系33が形成する第1中間像の近傍位置に配置され、第1結像光学系33から開口部47を介して横鏡筒24内に入射する露光光ELをほぼ直角に反射して負レンズ39に導くようになっている。また、第2光路折り曲げ鏡45は、負レンズ39を通過して凹面鏡41で反射された露光光ELを、負レンズ39を再度通過させた後にほぼ直角に反射して開口部48を介してウエハW側に射出するようになっている。すなわち、本実施形態では、横鏡筒24によって保持される直角反射鏡38、負レンズ39、及び凹面鏡41によって第2結像光学系46が構成されている。こうした第2結像光学系46は、第1中間像の形成位置の近傍となる第2光路折り曲げ鏡45の近傍にレチクルRの回路パターンの第2中間像を形成するようになっている。なお、第2中間像は、第1中間像とほぼ等倍であり、レチクルRの回路パターンの二次像となっている。
下部鏡筒25の上端側は結合部材27に挿入されている。また、下部鏡筒25の下端側には、該下部鏡筒25の開口を閉塞するカバーガラス50が設けられている。そして、投影光学系15の内部を通過した露光光ELは、カバーガラス50を透過して投影光学系15から射出されるようになっている。
こうした下部鏡筒25内には、複数(図1では3つのみ図示)の光学部材51が第1光軸AX1に沿って保持されており、各光学部材51によって第3結像光学系52が構成されている。そして、第3結像光学系52は、第2結像光学系46によって形成される第2中間像からの光束に基づいて、レチクルRの回路パターンの縮小像(第2中間像の像であって回路パターンの最終像)をウエハWの露光面Waに形成するようになっている。また、投影光学系15の内部は、上記のカバーガラス31、リアクションプレート42、及びカバーガラス50によって気密化された状態で、露光光ELの吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されている。
投影光学系15の下方には、ウエハステージ16が定盤19上に設けられている。ウエハステージ16は、ウエハWを保持する保持面16aをXY平面に対して平行とするように配置されている。また、ウエハステージ16は、ウエハステージ駆動部(図示略)によって、Y軸方向に移動可能である。また、ウエハステージ駆動部は、ウエハステージ16をX軸方向、Z軸方向及びZ軸周りの回転方向にも微小量移動させるように構成されている。
そして、本実施形態の露光装置11を用いてウエハWの一つのショット領域にレチクルRの回路パターンを形成する場合、照明光学系13によって照明領域をレチクルRに形成した状態で、レチクルステージ駆動部の駆動によって、レチクルステージ14に保持されるレチクルRをY軸方向(例えば、+Y方向側から−Y方向側)に所定ストローク毎に移動させる。また同時に、ウエハステージ駆動部の駆動によって、ウエハステージ16に保持されるウエハWをレチクルRのY軸方向に沿った移動に対して投影光学系15の縮小倍率に応じた速度比でY軸方向(例えば、−Y方向側から+Y方向側)に同期して移動させる。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
本実施形態の露光装置11では、横鏡筒24に保持される凹面鏡41の形状を意図的に変形させて、投影光学系15の光学特性が調整されるようになっている。そこで次に、凹面鏡41の形状を変形させるためのミラー変形装置53について説明する。
図2(a)(b)に示すように、リアクションプレート42には、複数(本実施形態では8つ、図2(b)において1つのみ図示)の挿入部54がリアクションプレート42の厚み方向(Y軸方向)に貫通するように形成されている。こうした各挿入部54は、第2光軸AX2を中心とする径方向において凹面鏡41の被保持部41aとほぼ同一径方向位置であって、且つ第2光軸AX2を中心とする周方向においてほぼ等間隔にそれぞれ配置されている。そして、本実施形態では、複数(本実施形態では8つ)のミラー変形装置53がリアクションプレート42の各挿入部54に個別に挿入されている。なお、各ミラー変形装置53及び各挿入部54は、横鏡筒24の保持部材とは周方向において異なる位置にそれぞれ配置されている。なお、各ミラー変形装置53は、それぞれ同じ構成を有しているため、明細書の説明理解の便宜上、これらのミラー変形装置53のうち最も−Y方向側に配置されるミラー変形装置53のみを以下説明し、他のミラー変形装置53については説明を省略する。
図2(b)に示すように、ミラー変形装置53は、リアクションプレート42から投影光学系15の第2光軸AX2に沿って立設される支持部材55を備えており、該支持部材55は、所定の空間S内において挿入部54よりも径方向内側に位置している。こうした支持部材55の基端側(図2(b)では上端側)は、ボルト56によってリアクションプレート42に連結されている。また、支持部材55は、先端側(図2(b)では下端側)から直角に屈曲してリアクションプレート42の径方向外側に向けて延設される第1延設部55aと、基端側と先端側の略中央位置からリアクションプレート42の径方向外側に向けて延設される第2延設部55bとを有している。
支持部材55の第1延設部55aには第1連結部材57が弾性材料からなる弾性ヒンジ58を介して連結されている。第1連結部材57は、断面略L字状をなしており、支持部材55の第1延設部55aの延設方向と略平行に延びる底部57aと、該底部57aの一端側(図2(b)では左端側)から略垂直に屈曲して支持部材55の立設方向と略平行に延びる側部57bとを備えている。第1連結部材57の底部57aの他端側(図2(b)では右端側)は、第1延設部55aの一方側(図2(b)において上側)に位置していると共に、弾性ヒンジ58を介して第1延設部55aの一端側(径方向外側であって、図2(b)では左端側)に連結されている。そして、第1連結部材57は、弾性ヒンジ58の弾性変形に伴って支持部材55の第1延設部55aに対して相対変位するようになっている。また、第1連結部材57の底部57aの一方の面は、弾性ヒンジ58との連結部よりも一端側(径方向内側であって、図2(b)では右端側)において、コイルスプリング59を介して支持部材55の第1延設部55aに接続されている。このコイルスプリング59は、第1連結部材57の底部57aを−Y方向側に押圧している。
また、第1連結部材57の底部57aの他方の面は、一方の面において径方向において弾性ヒンジ58とコイルスプリング59との間となる位置で、アクチュエータ(例えば、圧電素子)61を介して支持部材55の第2延設部55bに接続されている。このアクチュエータ61は、第2光軸AX2とほぼ平行な方向(Y軸方向)に沿って伸縮可能に構成されている。また、このアクチュエータ61は、その基端が第2延設部55bに連結されると共に、その先端が第1連結部材57の底部57aに連結されている。そして、第1連結部材57の底部57aには、アクチュエータ61の伸長駆動に伴ってアクチュエータ61から力が作用し、結果として、第1連結部材57は、弾性ヒンジ58の弾性変形に伴って該弾性ヒンジ58を支点としてX軸周りに揺動するようになっている。また、第1連結部材57の側部57bの一端側(図2(b)では上端側)には、弾性材料からなる弾性ヒンジ62を介して第2連結部材63に連結されている。すなわち、第1連結部材57において第2連結部材63に連結される側部57bの連結部は、アクチュエータ61に連結される底部57aの連結部よりも、揺動支点となる弾性ヒンジ58から大きく離間している。
第2連結部材63は、第1連結部材57よりもY軸方向においてリアクションプレート42に近接する位置に配置されると共に、径方向における長さがY軸方向における長さよりも長くなるように形成されている。そして、弾性ヒンジ62は、第2連結部材63において径方向における中心よりも径方向外側の部位であって、且つY軸方向における中心よりも+Y方向側の部位に接続されている。こうした第2連結部材63は、弾性ヒンジ62の弾性変形に伴って第1連結部材57に対して相対変位するようになっている。また、第2連結部材63には、弾性材料からなる弾性ヒンジ64を介して変位部材65が連結されている。なお、弾性ヒンジ64は、第2連結部材63において径方向における中心よりも径方向内側の部位であって、且つY軸方向における中心よりも−Y方向側の部位に接続されている。
変位部材65は、Y軸方向において第2連結部材63を挟んで第1連結部材57とは反対側となる位置であって、且つ、第2連結部材63よりもY軸方向においてリアクションプレート42に近接する位置に配置されている。そして、変位部材65は、弾性ヒンジ64の弾性変形に伴って第2連結部材63に対して相対変位するようになっている。
また、変位部材65と支持部材55との間には、変位部材65に対してY軸方向で略同一の位置に、第2光軸AX2を中心とする径方向(図2(b)では左右方向)に延びる可撓性部材66が介設されている。可撓性部材66は、第2光軸AX2に沿ったY軸方向とは異なるZ軸方向及びX軸方向には高い剛性を有する一方で、支持部材55の立設方向でもあるY軸方向には低い剛性を有している。そのため、変位部材65は、可撓性部材66がY軸方向に容易に撓み変形するため、投影光学系15の第2光軸AX2に沿うY軸方向への変位が可撓性部材66によって自在に許容されるようになっている。一方、変位部材65は、可撓性部材66がX軸方向及びZ軸方向にはほとんど変形(伸長)しないため、Y軸方向と直交するXZ平面内での変位が可撓性部材66によって規制されるようになっている。
また、変位部材65に対して該変位部材65の変位方向(Y軸方向)と直交するX軸方向で対向する位置には、変位部材65の変位量(より具体的には、変位部材65のY軸方向への変位量)を計測する変位センサ67が設けられている。変位センサ67は、変位部材65に固着された図示しないスケールの位置情報を検出することにより変位部材65の変位量を計測し、その計測結果を制御機構68に送信する。そして、制御機構68は、変位センサ67から受信した計測結果に基づき、アクチュエータ61の伸長量を駆動制御するようになっている。
また、変位部材65において挿入部54と同一径方向位置には、コイルスプリング69が連結されている。コイルスプリング69は、投影光学系15の第2光軸AX2に沿う方向に伸縮自在に構成されている。また、コイルスプリング69は、リアクションプレート42に形成された挿入部54を介して横鏡筒24の内部に挿入されている。そして、コイルスプリング69は、横鏡筒24の内部に収容された当接部材70に対して連結されている。なお、リアクションプレート42に形成された挿入部54の口縁とコイルスプリング69との間には、横鏡筒24の内部を気密状に封止する封止部材71が配置されている。封止部材71は、薄板状の弾性材料から構成されており、コイルスプリング69の伸縮動作に連動してY軸方向に容易に撓み変形することにより、コイルスプリング69の伸縮動作を阻害することがないようになっている。
当接部材70は、凹部72を有しており、第2光軸AX2と中心とする径方向内側が開口している。こうした当接部材の凹部72内には、開口を介して凹面鏡41の被保持部41aの一部が収容されるようになっている。また、凹部72の開口端部の近傍には、一対の凸部72a,72bが凹部72の内壁面からY軸方向において互いに対向するように突設されている。そして、当接部材70の各凸部72a,72bは、凹面鏡41の被保持部41aに対してY軸方向の両側から当接可能となるように配置されている。なお、当接部材70は、ミラー変形装置53の保守交換の際に凹面鏡41から容易に取り外すことができるように、当接部材70の凸部72a,72bと凹面鏡41の被保持部41aとの間にY軸方向に若干の隙間が確保されるように設計されている。また、凹面鏡41の被保持部41aを凹溝又はV字形状に形成し、当接部材70を凸形状に形成し、当接部材70の凸形状を被保持部41aの凹溝又はV字形状に当接させてもよい。
次に、上記のように構成されたミラー変形装置53のうち最も−Z方向側に配置されたミラー変形装置53を一例として、ミラー変形装置53がアクチュエータ61の伸長駆動に伴って変位部材65を変位させる際の作用について以下説明する。なお、図3(a)は、アクチュエータ61がY軸方向に所定量だけ伸長した初期状態を示している。
さて、こうした初期状態では、図3(a)に示すように、第1連結部材57の底部57aが支持部材55の第1延設部55aの延設方向と略平行に延びると共に、第1連結部材57の側部57bが支持部材55の立設方向と略平行に延びるように配置される。なお、支持部材55の第1延設部55aと第1連結部材57の底部57aとを連結する弾性ヒンジ58、第1連結部材57の側部57bと第2連結部材63とを連結する弾性ヒンジ62、及び第2連結部材63と変位部材65とを連結する弾性ヒンジ64は各々の変形量がほぼゼロとなっている。また、変位部材65と支持部材55との間に介設される可撓性部材66は、Z軸方向に略平行に延びるように配置されており、その変形量がほぼゼロとなっている。
ここで、図3(b)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向の伸長量が減少したとする。この場合、アクチュエータ61は、その基端が支持部材55の第2延設部55bに固定されているため、その先端が−Y方向側に変位する。また、第1連結部材57の底部57aの一端側は、支持部材55の第1延設部55aとの間に介設されたコイルスプリング59の付勢力に従って−Y方向側に押圧される。
すると、第1連結部材57は、支持部材55の第1延設部55aとの間に介在する弾性ヒンジ58によって固定されているため、第1連結部材57には、弾性ヒンジ58を支点として第1連結部材57を+X方向側から見て反時計周り方向に回動させるようにコイルスプリング59から押圧力が作用する。そのため、この弾性ヒンジ58は、該弾性ヒンジ58から見てコイルスプリング59とは反対側となる−Z方向側にしなるように弾性変形する。
この場合、第1連結部材57は、その第2連結部材63に対する連結部が弾性ヒンジ58を軸中心とする円弧状の軌道を描きながら+Y方向側に向けて回動する。その結果、第1連結部材57は、第1連結部材57と第2連結部材63との間に介在する弾性ヒンジ62を介して−Z方向側であって且つ+Y方向側となる方向(図3(b)では左斜め下方)に向けて第2連結部材63を引っ張るようになる。また、第2連結部材63は、第2連結部材63と変位部材65との間に介在する弾性ヒンジ64を介して変位部材65を−Z方向側であって且つ+Y方向側となる方向に引っ張るようになる。すなわち、変位部材65は、支持部材55から離間する方向であって且つリアクションプレート42から離間する方向、即ち図3(b)における左斜め下方に第2連結部材63によって引っ張られることとなる。
なお、可撓性部材66は、変位部材65と支持部材55とが互いに対向するZ軸方向にはほとんど変形しない構造となっている。そのため、変位部材65が第2連結部材63によって−Z方向側に引っ張られたとしても、可撓性部材66が−Z方向側に変形(伸長)することはほとんどなく、変位部材65の−Z方向側への変位が規制され、変位部材65はY方向側へ変位する。その結果、第1連結部材57が支持部材55に対して−Z方向側に相対変位する一方で、変位部材65が支持部材55に対してZ軸方向に変位することはほとんどない。すなわち、第1連結部材57は、変位部材65に対してZ軸方向に離間するように相対変位する。
すると、第1連結部材57と第2連結部材63との間に介設される弾性ヒンジ62が+Z方向側にしなるように弾性変形する。その結果、第2連結部材63は、第1連結部材57に対して+Z方向側に相対変位する。また同時に、第2連結部材63と変位部材65との間に介設される弾性ヒンジ64も同様に+Z方向側にしなるように弾性変形する。さらに、第2連結部材63は、両弾性ヒンジ62,64の弾性復帰力に従って、第1連結部材57に連動するように+X方向側から見て反時計周り方向に回動する。このように変位部材65と各連結部材57,63とのZ軸方向における位置関係が変化したとしても、各連結部材57,63及び変位部材65の連結状態は、両弾性ヒンジ62,64の弾性変形及び第2連結部材63の回動によって維持される。
一方、変位部材65と支持部材55との間に介設される可撓性部材66は、変位部材65とリアクションプレート42とが互いに対向するY軸方向には容易に撓み変形する構造となっている。そのため、変位部材65が第2連結部材63によって+Y方向側に引っ張られると、可撓性部材66が+Y方向側にしなるように撓み変形することにより、変位部材65の+Y方向側への変位が許容される。
また、図3(c)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向の伸長量が初期状態から増大したとする。この場合、アクチュエータ61は、その基端が支持部材55の第2延設部55bに固定されているため、その先端が+Y方向側に変位する。そして、アクチュエータ61は、第1連結部材57の底部57aの一端側をコイルスプリング59の付勢力に抗して+Y方向側に押圧するようになる。
すると、第1連結部材57は、支持部材55の第1延設部55aとの間に介在する弾性ヒンジ58によって固定されているため、第1連結部材57には、弾性ヒンジ58を支点として第1連結部材57を+X方向側から見て時計周り方向に回動させるようにアクチュエータ61から押圧力が作用する。そのため、この弾性ヒンジ58は、該弾性ヒンジ58から見てアクチュエータ61側となる+Z方向側にしなるように弾性変形する。
この場合、第1連結部材57は、その第2連結部材63に対する連結部が弾性ヒンジ58を軸中心とする円弧状の軌道を描きながら−Y方向側に向けて回動する。その結果、第1連結部材57は、第1連結部材57と第2連結部材63との間に介在する弾性ヒンジ58を介して+Z方向側であって且つ−Y方向側となる方向(右斜め上方)に向けて第2連結部材63を押圧するようになる。また、第2連結部材63は、第2連結部材63と変位部材65との間に介在する弾性ヒンジ64を介して変位部材65を+Z方向側であって且つ−Y方向側となる方向に押圧するようになる。すなわち、変位部材65は、支持部材55に接近する方向であって且つリアクションプレート42に接近する方向に第2連結部材63によって押圧されることとなる。
このとき、第1連結部材57は、アクチュエータ61の伸長量の増大に伴って支持部材55に対して+Z方向側に相対変位すると共に、第1連結部材57に弾性ヒンジ62を介して連結される第2連結部材63もまた支持部材55に対して+Z方向側に相対変位する。一方、変位部材65は、可撓性部材66によって、+Z方向側への変位が規制される。すなわち、変位部材65に対する各連結部材57,63のZ軸方向における相対的な位置関係は変化する。こうした状況であっても、各弾性ヒンジ62,64が−Z方向側にしなるようにそれぞれ弾性変形すると共に、第2連結部材63が第1連結部材57に連動して回動するため、各連結部材57,63及び変位部材65の連結状態は維持される。
その一方で、変位部材65は、第2連結部材63から−Y方向側に押圧されると、可撓性部材66が−Y方向側にしなるように撓み変形することにより、変位部材65の−Y方向側への変位が許容される。
なお、第1連結部材57において、第2連結部材63に対する連結部は、アクチュエータ61に対する連結部よりも支点となる弾性ヒンジ58に対して大きく離間している。そのため、第1連結部材57に連結される第2連結部材63及び該第2連結部材63に連結される変位部材65には、弾性ヒンジ58を支点とする梃子の原理に基づき、アクチュエータ61からの駆動力が増大されてそれぞれ伝達される。すなわち、第2連結部材63及び変位部材65のY軸方向における各変位量は、アクチュエータ61の伸長量よりも拡大される。したがって、本実施形態では、支持部材55、弾性ヒンジ58,62,64、第1連結部材57、及び、第2連結部材63によって、アクチュエータ61の伸長量を拡大して変位部材65に伝達する変位拡大機構73が構成されている。
次に、アクチュエータ61の伸長駆動に伴って凹面鏡41の形状を変形させる際の作用について以下説明する。なお、図4(a)は、ミラー変形装置53においてアクチュエータ61がY軸方向に所定量だけ伸長した初期状態を示している。また、各ミラー変形装置53が初期状態である場合、凹面鏡41の光軸(中心軸)と投影光学系15の第2光軸AX2とがほぼ一致しているものとする。この場合、各当接部材70は、それらの一対の凸部72a,72bが凹面鏡41の被保持部41aに対してY軸方向に若干の隙間を介在させて離間するようにそれぞれ配置されている。
さて、図4(b)に示すように、ミラー変形装置53においてアクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向の伸長量が初期状態から減少したとする。すると、アクチュエータ61の伸長量の減少量は変位拡大機構73によって拡大されて変位部材65に伝達されるため、変位部材65の+Y方向側への変位量は、アクチュエータ61の先端の−Y方向側への変位量よりも多くなる。また、当接部材70は、コイルスプリング69を介して変位部材65に接続されているため、変位部材65と連動して+Y方向側に変位する。すると、当接部材70の一対の凸部72a,72bのうち反射面側の凸部72aは、変位部材65側からコイルスプリング69を介して伝達される力に基づいて、凹面鏡41の被保持部41aを+Y方向側に押圧する。その結果、凹面鏡41の一部分(+Y方向側に押圧された部分)が変形する。
このとき、凸部72aを介して凹面鏡41の被保持部41aに当接する当接部材70は、変位部材65側から伝達された力をコイルスプリング69によって減衰している。すなわち、当接部材70の+Y方向側への変位量は、コイルスプリング69によって、変位部材65の+Y軸方向への変位量よりも縮小される。
また、図4(c)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向の伸長量が初期状態から増大したとする。すると、アクチュエータ61の伸長量の増大量は変位拡大機構73によって拡大されて変位部材65に伝達されるため、変位部材65の−Y方向側への変位量は、アクチュエータ61の先端の+Y方向側への変位量よりも多くなる。また、当接部材70は、コイルスプリング69を介して変位部材65に接続されているため、変位部材65と連動して−Y方向側に変位する。すると、当接部材70の一対の凸部72a,72bのうちリアクションプレート42側の凸部72bは、変位部材65側からコイルスプリング69を介して伝達される力に基づいて、凹面鏡41の被保持部41aを−Y方向側に押圧する。その結果、凹面鏡41の一部分(−Y方向側に押圧された部分)が変形する。
このとき、凸部72bを介して凹面鏡41の被保持部41aに当接する当接部材70は、変位部材65側から伝達された力をコイルスプリング69によって減衰している。すなわち、当接部材70の−Y方向側への変位量は、コイルスプリング69によって、変位部材65の−Y方向側への変位量よりも縮小される。
本実施形態では、変位部材65と当接部材70とを直結させる場合に比較して、変位部材65と当接部材70との間にコイルスプリング69を介設させる分、当接部材70から凹面鏡41の被保持部41aに作用される押圧力が小さくなる。そのため、凹面鏡41の形状は、アクチュエータ61の伸縮に伴い、少しずつ変形することになる。換言すると、凹面鏡41の光学特性、即ち投影光学系15の光学特性は、アクチュエータ61の伸縮に伴って少しずつ変更される。
また、本実施形態のミラー変形装置53では、アクチュエータ61の伸長駆動時において、変位部材65の変位量は変位拡大機構73によって拡大される。すなわち、ミラー変形装置53を構成する各部材においてY軸方向への変位量が最も多い変位部材65の変位量が変位センサ67によって計測される。そして、制御機構68では、変位センサ67によって計測される変位部材65のY軸方向への変位量に基づいてアクチュエータ61をフィードバック制御することにより、当接部材70から凹面鏡41に作用する押圧力の大きさが制御機構68によって推定される。そのため、変位拡大機構73を設けることなくアクチュエータ61の伸長量を計測する場合、及び当接部材70に変位センサ67を設ける場合などと比較して、凹面鏡41の変形度合い、即ち凹面鏡41の光学特性が制御機構68によって高精度に調整される。
また、本実施形態のミラー変形装置53では、変位拡大機構73側から凹面鏡41側に伝達される力の大きさは、コイルスプリング69の減衰作用によって小さくなる。そのため、変位部材65側から当接部材70を介して凹面鏡41側に過大な力が伝達されることが抑制される。したがって、凹面鏡41の形状を変形させる際に、当接部材70から凹面鏡41に対して過大な歪み応力が加わることはなく、凹面鏡41の変形量が微細に調整される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)凹面鏡41の変形量は微小であるため、凹面鏡41に対して当接する当接部材70の変位量を変位センサ67によって直接計測することが困難となっている。この点、本実施形態では、変位センサ67は、変位拡大機構73によって拡大された変位部材65の変位量を計測し、計測された変位部材65の変位量に基づいて当接部材70の変位量を推定するため、当接部材70の変位量を高精度に計測することが可能となっている。そして、この変位センサ67の計測結果に基づいて、アクチュエータ61の伸長度合いが制御されるため、当接部材70から凹面鏡41に作用する押圧力の大きさを高精度に調整することができる。したがって、凹面鏡41の形状を精密に調整でき、ひいては投影光学系15の光学特性を精密に調整できるため、ウエハWに形成される回路パターンの正確性を向上することができる。
(2)変位部材65と当接部材70の間にはコイルスプリング69が介設されている。そして、変位部材65の変位に基づく力は、コイルスプリング69によって減衰された状態で当接部材70に伝達される。そのため、変位拡大機構73によって変位部材65の変位量を拡大させる場合であっても、当接部材70から凹面鏡41に対して過大な歪み応力が作用することを回避できる。
(3)支持部材55は、第1連結部材57を弾性ヒンジ58を中心として揺動可能に支持している。ここで、第1連結部材57は、第2連結部材63に対する連結部の方がアクチュエータ61に対する連結部よりも弾性ヒンジ58に対して大きく離間した構成となっている。そして、第1連結部材57が弾性ヒンジ58を中心として揺動すると、アクチュエータ61の伸長量の変化量は、梃子の原理に基づいて変位量が拡大された状態で第1連結部材57及び第2連結部材63を介して変位部材65に伝達される。したがって、アクチュエータ61の伸長量の変化量を第1連結部材57及び第2連結部材63を介して拡大させた状態で変位部材65に伝達する構成を簡便に実現することができる。
(4)可撓性部材66は、変位部材65の変位方向を凹面鏡41の光軸に沿う一方向(Y軸方向)に規定している。そのため、当接部材70から凹面鏡41に対して作用する歪み応力の方向が一方向に規定される。したがって、当接部材70から凹面鏡41に作用する歪み応力に基づく凹面鏡41の変形量がより細密に調整されるため、凹面鏡41の光学特性を高精度に調整することができる。
(5)変位拡大機構73がアクチュエータ61から受ける反力はリアクションプレート42によって受容される。そのため、変位拡大機構73は、リアクションプレート42によって安定に支持されつつ、アクチュエータ61の伸長量の変化量を拡大して変位部材65に伝達することができる。
(6)リアクションプレート42には、ミラー変形装置53の一部を横鏡筒24の内部に挿入可能とする挿入部54が設けられており、アクチュエータ61は横鏡筒24の外部に設けられている。そのため、アクチュエータ61と凹面鏡41とがリアクションプレート42を介在させて互いに隔離された配置構成となり、アクチュエータ61の伸長駆動に伴ってアクチュエータ61から生じる振動が凹面鏡41に対して伝播することを抑制できる。
(7)リアクションプレート42に形成された挿入部54には、挿入部54の口縁とミラー変形装置53との間の空間域を閉塞するように封止部材71が設けられている。そのため、横鏡筒24の外部の気体がリアクションプレート42の挿入部54を介して横鏡筒24の内部に進入することが回避される。また同様に、横鏡筒24の外部に設けられたアクチュエータ61やアクチュエータ61に接続される電線(図示略)からアウトガスが生じた場合であっても、このアウトガスがリアクションプレート42の挿入部54を介して横鏡筒24の内部に進入することが回避される。したがって、これらのアウトガスが凹面鏡41の反射面上で光化学反応によって曇りを生じることはなく、凹面鏡41の光学特性を信頼性よく調整することができる。
(8)横鏡筒24には、封止部材43がリアクションプレート42を横鏡筒24の外側から覆うように設けられている。そのため、露光装置11外の気体(即ち、大気)がリアクションプレート42の挿入部54を介して横鏡筒24の内部に進入することを回避できる。なお、アクチュエータ61に接続される電線(不図示)からのアウトガスの発生量がゼロであるか若しくは許容範囲内であれば、封止部材43を省略することも可能である。また、封止部材71及び封止部材43の両方を併用することによって、露光装置11外の気体が横鏡筒24の内部に進入することをより確実に回避できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図9に従って説明する。なお、第2の実施形態は、凹面鏡41の被保持部41aに対して予圧を印加するための荷重印加機構74を更に備える点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図5に示すように、本実施形態のミラー変形装置53は、平板状をなす当接部材70が凹面鏡41の被保持部41aにおける+Y方向側の端面に対して接離可能に当接している。すなわち、本実施形態の当接部材70は、凹面鏡41の被保持部41aに対して−Y方向側への押圧力を作用させることが可能である一方、+Y方向側への押圧力を作用させることが不能である。また、凹面鏡41の被保持部41aを挟んで当接部材70と対向する位置には、凹面鏡41の被保持部41aに対して予圧を印加するための荷重印加機構74が配設されている。すなわち、本実施形態では、挿入部54と同数(本実施形態では8つ)の荷重印加機構74が第2光軸AX2を中心とした周方向に沿って等間隔に配置されている。
荷重印加機構74は、剛性体からなるベース部材75を備え、ベース部材75は、リアクションプレート42における挿入部54よりも外縁側の近傍にコイルスプリング76を介して連結されている。そして、ベース部材75は、コイルスプリング76の伸縮に伴って、リアクションプレート42に対して相対変位するようになっている。また、ベース部材75は、平板状の弾性体からなる板ばね77を支持している。板ばね77は、基端側がベース部材75に埋設されると共に、先端側がベース部材75の+Z方向側の端面から凹面鏡41側に延出している。また、板ばね77の先端側には凸部78が形成されており、この凸部78は凹面鏡41の被保持部41aにおける−Y方向側の端面に対して当接するようになっている。
また、荷重印加機構74は、ベース部材75をリアクションプレート42に接近させる方向に押圧する押圧部材79を備えている。押圧部材79は、断面略L字状をなしており、凹面鏡41の光軸と直交するX軸方向に延びる軸線80を中心に回動自在に設けられている。そして、押圧部材79は、軸線80を中心に回動することにより、ベース部材75側への突出量が変化するようになっている。
ここで、図6(a)に示すように、押圧部材79がベース部材75側への突出量を最大にする場合、押圧部材79は、ベース部材75をコイルスプリング76の付勢力に抗してリアクションプレート42に接近させるように押圧する。すると、板ばね77は、ベース部材75に埋設される基端側が凹面鏡41の被保持部41aにおける−Y方向側の端面よりもリアクションプレート42側に接近する。そして、板ばね77の凸部78は、凹面鏡41の被保持部41aに当接した状態で凹面鏡41からの反力を受ける。そのため、板ばね77は、凸部78の形成された先端側が−Y方向側にしなるように弾性変形する。その結果、板ばね77は、凹面鏡41の被保持部41aに対して+Y方向側への予圧を付与するようになっている。
一方、図6(b)に示すように、押圧部材79がベース部材75側への突出量を最小にする場合、押圧部材79は、ベース部材75から離間してベース部材75に対する押圧力を解消する。そして、ベース部材75は、コイルスプリング76の付勢力に従ってリアクションプレート42から離間するように変位する。すると、板ばね77は、ベース部材75に埋設される基端側が凹面鏡41の被保持部41aにおける−Y方向側の端面よりもリアクションプレート42から離間する。そして、板ばね77の凸部78は、凹面鏡41の被保持部41aから離間するようになり、凹面鏡41の被保持部41aに対する予圧が解消されるようになっている。
次に、上記のように構成されたミラー変形装置53において、アクチュエータ61の伸長駆動に伴って凹面鏡41の形状を変形させる際の作用について以下説明する。図7(a)は、アクチュエータ61の伸縮量がゼロであり、当接部材70が凹面鏡41の被保持部41aから離間するように配置された初期状態を示している。このとき、荷重印加機構74は、押圧部材79がベース部材75側への突出量を最小にするように軸線80周りに回動して固定されているものとする。
さて、図7(a)に示すように、当接部材70及び板ばね77の双方が、凹面鏡41の被保持部41aから離間するように配置されると、凹面鏡41の被保持部41aに対して押圧力が作用することがないため、凹面鏡41の変形量はゼロ若しくはゼロに近い状態となる。
ここで、図7(b)に示すように、荷重印加機構74において、押圧部材79がベース部材75側への突出量を最大にするように軸線80周りに回動したとする。この場合、板ばね77の凸部78は、保持部材によって固定された状態にある凹面鏡41の被保持部41aに対して+Y方向側への予圧を印加する。その結果、凹面鏡41において荷重印加機構74によって予圧が印加される位置の近傍は+Y方向側に歪み変形する。
続いて、図8(a)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向に伸長したとする。すると、アクチュエータ61の伸長量は変位拡大機構73によって拡大されて変位部材65に伝達されるため、変位部材65は−Y方向側に大きく変位する。この場合、当接部材70は、コイルスプリング69を介して変位部材65に接続されているため、変位部材65と連動して−Y方向側に変位して、凹面鏡41の被保持部41aに対して当接するようになる。
また、図8(b)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向に更に大きく伸長したとする。すると、変位部材65は−Y方向側に更に大きく変位し、当接部材70は、変位部材65と連動して−Y方向側に更に大きく変位する。そして、当接部材70は、凹面鏡41の被保持部41aに当接した状態で、板ばね77の付勢力に抗して凹面鏡41の被保持部41aを−Y方向側に押圧する。その結果、凹面鏡41において当接部材70及び荷重印加機構74からの押圧力が付与される位置の近傍は、当接部材70から作用する押圧力と板ばね77から作用する押圧力とが互いに相殺されるため、凹面鏡41の変形量はゼロ若しくはゼロに近い状態となる。
なお、当接部材70が凹面鏡41の被保持部41aを−Y方向側に押圧すると、当接部材70は凹面鏡41の被保持部41aから+Y方向側への反力を受ける。すると、当接部材70と変位部材65との間に介設されるコイルスプリング69は、当接部材70によって+Y方向側に押圧されて収縮する。そして、コイルスプリング69に接続された当接部材70は、コイルスプリング69の収縮に伴って凹面鏡41に対する相対変位量が減衰される。
さらに、図8(c)に示すように、アクチュエータ61が制御機構68からの制御指令に基づいてY軸方向に更に大きく伸長したとする。すると、変位部材65は−Y方向側に更に大きく変位し、当接部材70は変位部材65と連動して−Y方向側に更に大きく変位する。そして、当接部材70は、凹面鏡41の被保持部41aに当接した状態で、板ばね77の付勢力に抗して凹面鏡41の被保持部41aを−Y方向側により強く押圧する。その結果、凹面鏡41において当接部材70及び荷重印加機構74からの押圧力が付与される位置の近傍では、当接部材70から作用する押圧力が、板ばね77から作用する押圧力を上回るようになる。したがって、当接部材70は、凹面鏡41の被保持部41aを図8(b)の状態からさらに−Y方向側に変位することにより、凹面鏡41において当接部材70及び荷重印加機構74からの押圧力が付与される位置の近傍を−Y方向側に歪み変形させるようになる。
ところで、本実施形態のミラー変形装置53では、凹面鏡41において当接部材70及び荷重印加機構74からの押圧力が付与される位置の近傍は、当接部材70から作用する押圧力の方が板ばね77から作用する押圧力よりも大きい場合には−Y方向側に歪み変形する。一方、凹面鏡41において当接部材70及び荷重印加機構74からの押圧力が付与される位置の近傍は、板ばね77から作用する押圧力の方が当接部材70から作用する押圧力よりも大きい場合には+Y方向側に歪み変形する。すなわち、本実施形態のミラー変形装置53では、凹面鏡41に作用する歪み応力の大きさは、当接部材70から凹面鏡41に作用する押圧力と板ばね77から凹面鏡41に作用する押圧力との差分に従って変化する。
したがって、図9に示すように、制御機構68は、アクチュエータ61を伸長駆動させて当接部材70を凹面鏡41の被保持部41aに対して当接させるまでの間は、凹面鏡41には荷重印加機構74から一定の予圧が印加されるため、凹面鏡41の収差は変化しない。一方、制御機構68は、当接部材70を凹面鏡41の被保持部41aに対して当接させた状態で、当接部材70から凹面鏡41に作用する押圧力を変化させるようにアクチュエータ61を伸長駆動することにより、凹面鏡41の収差を連続的に変化させることが可能となる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(8)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(9)荷重印加機構74は、凹面鏡41を挟んでミラー変形装置53と対向するように配置され、凹面鏡41の被保持部41aに対して予圧を印加するようになっている。そして、凹面鏡41の変形量は、荷重印加機構74から印加される予圧とミラー変形装置53から作用する押圧力との差分に従って変化する。そのため、ミラー変形装置53は、凹面鏡41に作用させる押圧力を調整することにより、凹面鏡41の収差を連続的に制御することができる。
(10)荷重印加機構74は、押圧部材79の回動操作によって凹面鏡41に対する当接状態を解除させる。また、ミラー変形装置53は、アクチュエータ61の伸長駆動に伴って当接部材70を凹面鏡41に当接させる当接位置と凹面鏡41から離間させる離間位置との間で変位させる。そのため、荷重印加機構74及びミラー変形装置53の双方を凹面鏡41から離間させることにより、凹面鏡41の保守交換を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記各実施形態において、アクチュエータ61として、直動型のMEMS(Micro Electro Mechanical System)や直動型のモータを採用してもよい。
・上記各実施形態において、ミラー変形装置53は、第2光軸AX2を中心とする径方向において凹面鏡41の被保持部41aとほぼ同一径方向位置に配置されるのであれば、任意の配置態様を採用することができる。
・上記各実施形態において、少なくとも封止部材71又は封止部材43の一方を、ミラー変形装置53を横鏡筒24の外部から覆うようにリアクションプレート42に固定して設けてもよい。
・上記第2の実施形態において、各荷重印加機構74を、各挿入部54とは周方向において異なる位置にそれぞれ配置してもよい。この場合、各荷重印加機構74は、横鏡筒24の保持部材とは周方向において異なる位置に配置してもよい。
・上記第2の実施形態において、荷重印加機構74は、凹面鏡41に印可する荷重の大きさを連続的に調整できる構成であってもよい。例えば、押圧部材79の回動位置によって、該押圧部材79からベース部材75に付与される押圧力を調整するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態において、凹面鏡41の被保持部41aを挟んでミラー変形装置53と対向する位置に、該ミラー変形装置53と同一構成のミラー変形装置を設ける構成としてもよい。
・上記各実施形態において、ミラー変形装置53は、横鏡筒24の内部に収容される構成としてもよい。
・上記各実施形態において、変位拡大機構73は、投影光学系15を内部に収容する架台18に固定して設けられる構成としてもよい。
・上記各実施形態において、凹面鏡41を保持するための保持機構としてパラレルリンク機構を採用し、このパラレルリンク機構を横鏡筒24又はリアクションプレート42に固定して配置する構成としてもよい。
・上記各実施形態において、凹面鏡41を保持するための保持部材を省略し、複数のミラー変形装置53によって凹面鏡41を保持する構成としてもよい。
・上記各実施形態において、ミラー変形装置53によって形状が変形される対象は凹面鏡41に限定されず、投影光学系15を構成する他の光学部材を対象としてもよい。また、照明光学系13を構成する各種の光学部材、更には、レチクルR及びウエハWを対象としてもよい。
・上記各実施形態において、光源装置12は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157nm)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(126nm)等を供給可能な光源であってもよい。また、光源装置12は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を供給可能な光源であってもよい。また、光源装置12は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet)光を供給可能な光源であってもよい。
・上記各実施形態において、露光装置11を、カバーガラス50とウエハWとの間の所定空間に1.1よりも大きな屈折率を有する任意の液体(例えば純水)を供給した状態で露光を行なう所謂液浸型の露光装置であってもよい。
・上記各実施形態において、露光装置11を、ステップ・アンド・リピート方式の装置に具体化してもよい。
・上記各実施形態において、可変パターン生成器(例えば、DMD(Digital Mirror Device 又はDigital Micro-mirror Device ))を用いたマスクレス露光装置に具体化してもよい。
・上記各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図10は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図11は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)においては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…露光装置、15…光学系としての投影光学系、24…横鏡筒、41…光学部材としての凹面鏡、42…反力受容部材としてのリアクションプレート、43…封止部材、53…光学部材変形装置としてのミラー変形装置、54…挿入部、55…支持部材、57…第1連結部材、58…支持部としての弾性ヒンジ、61…駆動源としてのアクチュエータ、63…第2連結部材、65…変位部材、67…計測部材としての変位センサ、68…制御機構、69…縮小機構としてのコイルスプリング、70…当接部材、71…封止部材、73…変位拡大機構、74…荷重印加機構、EL…放射ビームとしての露光光、W…被照射体としてのウエハ。

Claims (17)

  1. 光学部材の形状を変形させる光学部材変形装置において、
    前記光学部材に対して当接する当接部材と、
    前記当接部材に連結され、前記当接部材を介して前記光学部材の形状を変形させる変位部材と、
    駆動源からの駆動力に基づき変位する連結部材を有し、該連結部材の変位量を拡大して前記変位部材に伝達する変位拡大機構と、
    拡大した前記変位部材の変位量を計測する計測部材と、
    前記当接部材と前記変位部材との間に設けられ、前記変位部材の変位量を縮小して前記当接部材に伝達する縮小機構と、
    前記計測部材の計測結果に基づき、前記変位部材の変位量を制御する制御機構と
    を備えることを特徴とする光学部材変形装置。
  2. 請求項に記載の光学部材変形装置において、
    前記変位拡大機構は、
    前記連結部材を支持部を介して支持する支持部材を含んで構成され、
    前記連結部材は、前記駆動源に連結部を介して連結されると共に、該駆動源からの駆動力に基づいて前記支持部を中心に揺動することを特徴とする光学部材変形装置。
  3. 請求項に記載の光学部材変形装置において、
    前記支持部材は、前記連結部材における前記変位部材に対する連結部と前記支持部との距離が、前記連結部材における前記駆動源に対する連結部と前記支持部との距離よりも大きくなるように前記連結部材を支持することを特徴とする光学部材変形装置。
  4. 請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の光学部材変形装置において、
    前記光学部材を挟んで前記当接部材と対向するように配置され、前記光学部材に対して荷重を印加する荷重印加機構を更に備え
    前記荷重印加機構により前記光学部材に対して荷重が印加された状態で、前記変位部材の変位量が前記当接部材に伝達されることを特徴とする光学部材変形装置。
  5. 請求項に記載の光学部材変形装置において、
    前記荷重印加機構は、前記光学部材に対して当接する当接位置と前記光学部材から離間する離間位置との間で変位可能に構成されていることを特徴とする光学部材変形装置。
  6. 請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の光学部材変形装置において、
    前記変位部材は、前記変位拡大機構を介して前記駆動源からの駆動力が伝達される場合に、前記当接部材を前記光学部材に対して当接させる当接位置と前記光学部材から離間させる離間位置との間で変位させるように構成されていることを特徴とする光学部材変形装置。
  7. 請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の光学部材変形装置において、
    前記当接部材は、前記光学部材の周縁部に当接していることを特徴とする光学部材変形装置。
  8. 被照射体に光を導くための複数の光学部材を備える光学系において、
    前記光学部材を保持する鏡筒と、
    前記鏡筒に設けられ、前記光学部材の形状の少なくとも一部を変形させる請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の光学部材変形装置と
    を備えることを特徴とする光学系。
  9. 請求項に記載の光学系において、
    前記変位拡大機構に連結され、該変位拡大機構を介して伝達される前記駆動源からの反力を受容する反力受容部材を更に備えることを特徴とする光学系。
  10. 請求項に記載の光学系において、
    前記反力受容部材は、前記鏡筒の内外を仕切る壁面の少なくとも一部を構成しており、
    前記反力受容部材には、前記光学部材変形装置を前記鏡筒の内側に挿入可能とする挿入部が設けられていることを特徴とする光学系。
  11. 請求項10に記載の光学系において、
    前記駆動源は、前記鏡筒の外側に設けられていることを特徴とする光学系。
  12. 請求項11に記載の光学系において、
    前記鏡筒の内側を気密化する封止部材を更に備えることを特徴とする光学系。
  13. 請求項12に記載の光学系において、
    前記封止部材は、前記鏡筒に固定して設けられることを特徴とする光学系。
  14. 請求項12に記載の光学系において、
    前記封止部材は、前記反力受容部材に固定して設けられることを特徴とする光学系。
  15. 請求項12〜請求項14のうち何れか一項に記載の光学系において、
    前記封止部材は、前記挿入部の口縁と前記光学部材変形装置との間の空間域を閉塞するように設けられることを特徴とする光学系。
  16. 請求項〜請求項15のうち何れか一項に記載の光学系を備え、
    前記鏡筒に保持される光学部材を介して放射ビームを被照射体に照射し、該被照射体に所定のパターンを形成することを特徴とする露光装置。
  17. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程は請求項16に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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