この出願は、2012年8月22日に出願された国際特許出願PCT/JP2012/071231を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るレンタカー管理システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るレンタカー管理システムの全体構成を示す概念図である。なお、本実施形態では、本システムの顧客のうち、現在利用している顧客U1が使用している車両Cを、その返却後に別の顧客U2が借用する場合を例に説明する。なお、本実施形態において時刻という場合には、その中に年、月、日、時に関する情報が含まれるものとする。
図1に示すように、レンタカー管理システムは、レンタカーサービスに係る車両の運用を管理するシステムである。このレンタカー管理システムは、レンタカーの運用に関する情報を蓄積し、通信ネットワーク3を通じて利用状況に関する情報を閲覧可能に提供するレンタカー管理サーバ2と、顧客U1及び次にその車両を利用する顧客U2が携帯する移動端末M1及び移動端末M2と、店舗S側に設置される情報処理端末である店舗端末M3から概略構成される。
レンタカー管理サーバ2は、車両の貸渡しに関する情報を蓄積したデータベースサーバや、この貸渡しに関する情報を配信するWebサーバなど、複数のサーバ群から構成される。各サーバ装置の機能は、各種情報処理を実行するサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアで実現される。
ここで、Webサーバとしては、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの貸渡しに関する情報を蓄積しておき、移動端末M1、M2及び店舗端末M3からの要求に応じて、通信ネットワーク3を通じて、レンタカーに関する情報を送信する。
移動端末M1、M2は、例えば、スマートフォンや携帯電話機、モバイルのように、無線通信を利用した、携帯可能な電話機であり、基地局等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、3G方式や、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAのほか、PHS(Personal Handyphone System)方式、公衆無線LAN方式等が挙げられる。また、この移動端末M1は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載され、携帯情報端末としての機能も果たす。
店舗Sは、例えば、車両を管理するレンタカー会社の営業所や、レンタカー会社と駐車スペースの利用契約を結んだ駐車場又はコンビニエンスストア等であり、店舗毎に所定数の駐車スペースが確保されている。なお、この店舗Sは、駐車スペースが確保されていればよく、空き地等であってもよい。そして、この店舗Sには店舗端末M3が設けられ、この店舗端末M3に読取装置8が接続されている。
店舗端末M3は、例えば、コンビニエンスストア等の店舗Sに設置され、CPUによる演算処理機能、及び通信インターフェースによる通信処理機能を備えた情報処理端末であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置(例えば、POS装置等)により実現することができ、移動端末M1及びM2と同様なモバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機等も含まれる。
読取装置8は、顧客の識別情報を読み取るリーダライタ装置である。この読取装置8としては、接触式、又は非接触式の装置であり、接触式の装置には、ICチップ等が搭載されたカードや磁気カードなどをスロットに挿入する挿入式の装置や、スリットの上から下へ通すスライド式の装置などがあり、非接触式の装置には、ICチップ搭載のカードの内部にアンテナを持ち、外部のリーダライタ装置が発信する弱い電波を利用してデータを送受信する装置などがある。
なお、本実施形態においては、読取装置8は店舗端末M3と外部接続された構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、顧客の識別情報を読み取ることができればよく、例えば、店舗端末M3に読取装置8が内蔵された構成としてもよい。
通信ネットワーク3は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(FTTHなどの光回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、このIP網には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
無線基地局4は、中継装置5を通じて通信ネットワーク3に接続され、移動端末M1との間で無線通信接続を確立し、移動端末M1による通話やデータ通信を提供する装置である。中継装置5は、通信ネットワーク3に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置であり、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局4と、通信ネットワーク3との間における中継処理を行う。
なお車両Cは、レンタカー会社が所有及び管理する乗用車であり、ワゴンやセダンなど各種の車両や、二輪車や作業車等の車両一般が含まれ、複数の車両Cが各店舗に配置されている。この車両Cには、車載端末6が搭載されている。この車載端末6は、車両の現在位置及びその変位を測定し、電子的に車両の走行時に現在位置や目的地への経路案内を表示する機能を有する電子機器である。また、車両C内部には、車両の鍵を内部に保管するキーボックスが設置されている。なお、ここでは車両Cを例に説明するが、本発明は、いわゆる乗用車に限らず、二輪車や自転車の他、船舶などあらゆる乗り物や移動手段に適用することができる。
(各装置の機能モジュール)
次いで、各装置の内部構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る移動端末M1及びM2の内部構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係る車載端末の内部構成を示すブロック図である。また、図4は、本実施形態に係るレンタカー管理サーバ2の内部構成を示すブロック図であり、図5は、実施形態に係るデータベースのデータ構造を模式的に示す説明図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)移動端末M1及びM2
移動端末M1及びM2は、図2に示すように、ユーザーインターフェース系のモジュールとして入力インターフェース12と、出力インターフェース13とを備えている。入力インターフェース12は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザー操作を入力するデバイスである。出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどの表示部13aが含まれている。
また、移動端末M1及びM2は、通信系のモジュールとして無線インターフェース11を備えている。無線インターフェース11は、通話やデータ通信が可能な無線通信インターフェースであり、無線データ通信によるパケットデータの送受信を行うことができる。また、無線インターフェース11には、ブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、赤外線などによる近距離無線通信を行うためのデバイスである近距離無線通信部11aも備えている。本実施形態の移動端末M1及びM2は、当該近距離無線通信部11aを用いて、店舗端末M3及び車載端末6に対して移動端末M1及びM2固有の識別子である顧客IDを送信するようになっている。
この顧客IDは、本システムの顧客を識別するための情報であり、本実施形態においては、移動端末に非接触型のICチップ(例えば、FeliCa(登録商標))を有している場合には、このICチップに記憶されたシリアルナンバーを顧客IDとしている。なお、移動端末が非接触型のICチップを搭載していない場合には、例えば、電話番号を顧客IDとしてもよいし、非接触型のICチップが搭載された会員カードを別途発行して、顧客に携帯させてもよい。
また、移動端末M1及びM2は、位置情報取得部14及びメモリ15を備えている。位置情報取得部14は、自機の現在位置を測定するモジュールであり、例えば、衛星7からのGPS信号に基づいて、現在位置の座標を演算したり、通信相手である基地局の基地局識別子や、この基地局からの信号強度などの電波状況から、移動端末M1及びM2自身で自機の位置情報を取得することが可能となっている。
メモリ15は、各種データを蓄積するための記憶装置であり、このメモリ15には、各部を制御するための制御プログラムや各種の初期設定値、フォントデータ、本実施形態に係るレンタカー管理プログラム、移動端末M1及びM2の顧客IDが含まれている。
さらに、移動端末M1及びM2は、アプリケーション実行系のモジュールとして、アプリケーション実行部17と、利用情報送信部16とを備えている。アプリケーション実行部17は、一般のOSやブラウザソフト、レンタル管理アプリケーションなどの各種のアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。移動端末M1、M2の制御部であるアプリケーション実行部17がレンタカー用のアプリケーションを実行することにより、移動端末M1、M2がレンタカーの顧客用の移動端末として動作する。
このアプリケーション実行部17は、UI制御部17aと、予約設定部17bと、到着情報通知部17cとを備えている。UI制御部17aは、レンタカー管理アプリケーションを実行することによって構築され、Webページを閲覧するためのモジュールであり、レンタカー管理サーバ2にアクセスして、インターネットからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。特に、本実施形態において、UI制御部17aは、レンタカーに関する情報として、レンタカーの予約画面や、返却先を設定する画面をWebページとして表示部13aに表示させて閲覧可能とする。
具体的に、UI制御部17aは、U2の予約開始の操作信号を取得すると、位置情報取得部14、又は車載端末6のGPS受信機65bが取得した位置情報を取得し、顧客の現在地に近い店舗Sの中から、現在待機している車両、及びその店舗Sを返却先として設定された車両の情報を予約画面に表示するようになっている。この際、UI制御部17aは、レンタカー管理サーバ2を通じて、車両Cが入庫されている店舗情報及び車種情報を待機中の車両情報として取得し、現在利用している車両Cの到着予定時刻及び設定された返却先に関する情報を到着情報として取得して表示する。さらに、UI制御部17aは、返却先の設定画面を表示する際、各店舗の利用状況に関する情報を取得し、空きスペースの有無についても表示するようになっている。
予約設定部17bは、ユーザー操作に応じて、車両の貸渡しの予約を設定するモジュールであり、レンタカー管理サーバ2から取得した、待機中の車両情報、及び返却中の車両に関する到着情報に基づいて、車両の貸渡しの予約を設定するようになっている。具体的には、表示部13aに表示された予約画面から貸渡可能な車両と、利用時刻を選択することで、その選択情報が予約情報としてレンタカー管理サーバ2へ送信され、予約が設定される。
また、予約設定部17bは、到着情報を取得する前に、次の顧客U2の操作に基づいて車両Cの貸渡し希望地点を指定した、希望地点における車両Cの貸渡しについての予約の要求を、貸出予約要求処理として、事前に受け付ける機能を備えている。この貸出予約要求処理は、例えば、次の顧客U2の操作によって選択された店舗又はエリア等に貸出可能な車両(返却予定の車両も含む)がない場合や、予約時刻が現在時刻よりも先である場合に実行される。本実施形態では、表示部13aに表示された予約画面から、所定の店舗、又は複数の店舗を含む所定エリアを選択するとともに、利用時刻を入力することで、その選択情報が貸出予約要求情報として設定され、レンタカー管理サーバ2へ送信される。
到着情報通知部17cは、顧客の操作に基づいて車両の目的地を返却先として設定するモジュールである。この際、到着情報通知部17cは、位置情報取得部14、又は車載端末6のGPS受信機65bによる測定結果(位置情報)に応じて、返却先への到着予定時刻を算出し、算出された到着予定時刻及び設定された返却先に関する情報を到着情報としてレンタカー管理サーバ2に通知する機能も備えている。具体的に、到着情報通知部17cは、現在の位置情報と、目的地の位置情報とから走行距離を算出するとともに、道路の規制速度に基づいて到着予定時刻を算出する。なお、この際、道路の交通状況に関する情報を取得して到着予定時刻を変動させることもできる。
また、到着情報通知部17cは、返却先を設定する際、検索条件を受け付け、目的地を絞り込む機能も備えている。この検索条件としては、各種設定可能であり、例えば、所定エリアで検索することもできる、また、レンタカー運営会社の営業所や、コンビニエンスストアなど店舗種別で検索も可能であり、さらに同系列の店舗内のみの検索も可能である。
さらに、本実施形態において、到着情報通知部17cは、顧客U1が目的地を設定する際、地図情報を参照して、顧客U2による貸出予約要求で指定された希望地点を候補地として選択可能に表示する機能を備えている。この貸出予約要求の情報は、目的地設定操作時にレンタカー管理サーバ2から随時、受信されるようになっている。
なお、アプリケーション実行部17には、メール機能も備えており、レンタカー管理サーバ2から、予約完了の確認メールを受信するようになっている。また、アプリケーション実行部17は、レンタカー管理プログラムを本端末にインストールした際、初期設定画面を表示させて、顧客の氏名、住所、生年月日等の個人情報の入力を受け付ける。そして、これらの個人情報に加え、メモリ15内から当該端末の電話番号及びICチップ等のシリアルナンバーを抽出して、レンタカー管理サーバ2へ送信するようになっている。
利用情報送信部16は、入力インターフェース12の操作信号をレンタカー管理サーバ2に送信するモジュールであり、例えば、ユーザーの操作に応じて、予約・返却画面の閲覧要求や、予約情報、到着情報等を送信する。この際、利用情報送信部16は、操作信号とともに、現在の位置情報や顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信するようになっている。
(2)店舗端末M3及び読取装置8
読取装置8は、店舗端末M3と、有線又は無線によって接続された装置であり、図3に示すように、識別情報取得部81と、出力インターフェース82とを備えている。識別情報取得部81は、移動端末M1及びM2から顧客識別情報を読み取り、取得するモジュールであり、ICカードや情報端末装置から情報を読み取る、接触式、非接触式の装置などを用いることができる。
出力インターフェース82は、識別情報取得部81が取得した識別情報を店舗端末M3へ出力するモジュールである。本実施形態において、読取装置8と、店舗端末M3との接続方法としては、例えば、USBケーブルを介した接続や、ブルートゥースなどの無線通信を用いてもよい。また、読取機能を備えたマイクロSD等の記憶カードを読取装置8として、直接、店舗端末M3に内蔵した形態としてもよい。
一方、店舗端末M3は、図3に示すように、入力インターフェース32と、出力インターフェース33と、通信インターフェース31と、メモリ35と、アプリケーション実行部37とを備えている。
入力インターフェース32は、マウスや、キーボード等のユーザー操作を入力するデバイスである。出力インターフェース33は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース33には、液晶ディスプレイなどの表示部33aが含まれている。
通信インターフェース31は、通話やデータ通信が可能な通信インターフェースであり、通信ネットワーク3を介してパケットデータの送受信を行うことができる。また、通信インターフェース31には、ブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、赤外線などによる近距離無線通信を行うためのデバイスである近距離無線通信部31aも備えている。本実施形態の店舗端末M3は、当該近距離無線通信部31aを用いて、移動端末M1及びM2から顧客IDを受信するようになっている。
メモリ35は、各種データを蓄積するための記憶装置であり、このメモリ35には、各部を制御するための制御プログラムや各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、本実施形態に係るレンタカー管理プログラム、店舗端末M3固有の識別子である店舗IDが含まれている。
カメラ34は、静止画、又は動画を撮影する撮像装置であって、図示しないレンズと、CCDである固定撮像素子から構成され、入射された被写体像を表す光がCCDの受光面に結像され、カメラ信号処理回路及びA/D変換器等を介して、メモリ35に画像データを送信する。
アプリケーション実行部37は、一般のOSやブラウザソフト、レンタル管理アプリケーションなどの各種のアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。なお、このアプリケーション実行部37は、UI制御部37aを備えている。UI制御部37aは、レンタカー管理アプリケーションを実行することによって構築され、Webページを閲覧するためのモジュールであり、レンタカー管理サーバ2にアクセスして、インターネットからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。そして、UI制御部37aは、貸渡手続、及び返却手続に関するWebページを表示させ、閲覧可能とする。
また、UI制御部37aは、レンタル管理アプリケーションが実行されることで、所定の角度から車両Cを撮影するためのフレームを画面上に表示させ、店員U3に対し、表示させたフレーム内に車両Cを撮影させるようになっている。また、なお、次の顧客U2が初回利用時である場合には、次の顧客U2の免許証を店舗端末M3のカメラ34によって撮影し、その画像データをレンタカー管理サーバ2へ送信するようになっている。
利用情報送信部36は、入力インターフェース12の操作信号等をレンタカー管理サーバ2に送信するモジュールである。本実施形態において、利用情報送信部36は、店員の操作に応じて、貸渡手続及び返却手続に関する操作信号や、撮像した車両Cの画像データ、読み取った顧客IDを送信する。なお、この際、利用情報送信部16は、各種のデータとともに店舗IDをレンタカー管理サーバ2に送信するようになっている。
(3)車載端末6
次いで、車載端末6の内部構成について説明する。図4は、車載端末6の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、車載端末6には、無線インターフェース61と、入力インターフェース62と、出力インターフェース63と、制御部64と、位置検出部65と、メモリ66と、近距離無線通信部67とを備えている。
無線インターフェース61は、データ通信が可能な無線通信インターフェースであり、無線データ通信によるパケットデータの送受信を行うことができる。また、無線インターフェース61には、FM多重放送や道路上の発信機から送信されているVICS(登録商標)信号を受信することにより、例えば渋滞や交通規制、駐車場の混雑状況等の交通情報や道路情報をリアルタイムに取得する機能も備えている。近距離無線通信部67は、運転席側のサイドガラスやフロントガラスに設けられた、ブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、赤外線などによる近距離無線通信を行うためのデバイスであり、接近した移動端末M1及びM2から顧客IDを読み取るようになっている。
入力インターフェース62は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザー操作を入力するデバイスである。出力インターフェース63は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース63には、液晶ディスプレイなどの表示部63aが含まれている。
位置検出部65は、車両の位置、進行方向、速度等を検出するモジュール群であり、ジャイロセンサ65aと、GPS受信機65bと、加速度センサ65cとを備えている。ジャイロセンサ65aは、車両Cの姿勢や動きを検出するための2軸又は3軸のジャイロセンサを備えており、当該ジャイロセンサの検出信号は制御部64へ送られる。この時の制御部64は、ジャイロセンサ65aの検出信号に基づいて、車両Cの移動方向、移動量等を算出する。
加速度センサ65cは、本実施形態の携帯電話端末が動かされた際の加速度を検出し、当該加速度センサ65cの検出信号は制御部64へ送られる。この時の制御部64は、上記加速度センサ65cの検出信号に基づいて、車両Cの移動時における加速度を算出する。
GPS受信機65bは、GPSにおける測地衛星の発信する電波を受信し、現在位置を測定する装置である。具体的に、GPS受信機65bは、GPSアンテナの電波受信に基づいて、自端末の現在位置の緯度及び経度を求める。そしてGPSデータ(緯度,経度を表すデータ)は、制御部64へ送られる。
メモリ66は、各種データ又はプログラムを蓄積するための記憶装置であり、制御部64が各部を制御するための制御プログラムや各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、ナビゲーション機能を実行するためのナビゲーションプログラム、本実施形態に係るレンタカー管理プログラム、当該車両Cを識別する車両IDなどを記憶している。また、メモリ66には、レンタカー管理サーバ2から現在の顧客及び予約者の利用状況に関する情報(顧客ID及び利用時刻等)を受信して蓄積している。
制御部64は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。特に本実施形態の場合、制御部64は、メモリ15のナビゲーションプログラムによって一般的な道案内機能を実行し、また、レンタカー管理プログラムによって、レンタカー返却機能等を実行する。
具体的に、制御部64は、ナビ制御部64cと、ドア施錠制御部64bと、エンジン制御部64aとを備えている。ナビ制御部64cは、位置検出部65から得られる現在位置情報等と、顧客の手作業等により入力された目的地や経由地の情報と、地図情報とを用いて、出発地或いは現在位置から目的地に至るまでの行程(経路、ルート)を地図上に表示等するような、一般的な道案内機能を実行するモジュールである。
ドア施錠制御部64bは、車両Cのドアの施錠又は解錠を制御するモジュールであり、本実施形態では、近距離無線通信部67を介して、移動端末M1及びM2から顧客IDを取得して、当該顧客IDが予約された顧客IDと一致するか否かを判断する。また、ドア施錠制御部64bは、現在時刻が予約された時刻内か否かについても判断する。そして、ドア施錠制御部64bは、顧客ID及び時刻情報が一致する場合にはドアロックを解除し、予約された顧客IDと相違する場合や、現在時刻が予約時間と異なる場合は、ドアの施錠状態を維持する。
エンジン制御部64aは、車両のエンジンを制御するモジュールであり、本実施形態では、近距離無線通信部67によって取得された移動端末M1又はM2の顧客IDを取得して、当該顧客IDが予約された顧客IDと一致するか否か、を判断することで、例えば、鍵穴に差し込んだ鍵を回転不能とするなど、エンジンの点火装置を駆動制御する。また、エンジン制御部64aは、現在時刻が予約された時刻内か否かについても判断する。ここで、エンジン制御部64aは、ドア施錠制御部64bと連動されており、ドアの開閉時に取得した顧客IDに基づいて制御する。なお、ドアロックが解除された後、再度、近距離無線通信部67に移動端末M1及びM2を近づけて顧客IDを読み取らせてもよい。
また、本実施形態では、近距離無線通信部67を介して、顧客IDを受信することでドアの開閉を制御したが、例えば、GPS機能に応じて、移動端末M1又はM2の位置情報と、車両Cの位置情報とを比較して、移動端末M1又はM2と、車両Cとが近い場合にドアのロックを解錠可能とする構成であってもよい。
なお、本実施形態において、制御部64は、所定時間毎に位置情報を取得して、車両の軌跡を収集する機能も備えている。そして、これらの情報は、レンタカー管理サーバ2へ送信され、記憶装置等に記録される。この情報は、例えば、事故や事件が生じた場合に、公的機関の要請があった場合に限定して開示してもよい。
(4)レンタカー管理サーバ2
図5は、レンタカー管理サーバ2の内部構成を示すブロック図である。このレンタカー管理サーバ2は、記憶領域を提供するストレージサーバとしての機能と、レンタカー情報の配信や管理を行うWebサーバとしての機能を併せ持っており、単一のサーバ装置、或いは複数のサーバ群で構成することができ、これらサーバ装置上で実行されるサーバ管理アプリケーションにより、各種の機能モジュールが構築される。具体的には、図4に示すように、レンタカー管理サーバ2は、通信インターフェース21と、制御部22と、各種の記憶装置23(231〜235)とを備えている。
記憶装置23は、地図情報を蓄積する地図情報蓄積部231と、顧客に関する情報を蓄積する顧客情報データベース232と、店舗に関する情報を蓄積する店舗データベース233と、レンタカーの申込情報や利用状況を蓄積する利用状況データベース234と、車両Cに関する情報を蓄積する車両データベース235とが含まれている。これらは、図6に示すように、複数のテーブルデータとリレーションを相互に形成したリレーショナルデータベースであり、各データベースに蓄積された顧客情報、店舗情報、利用状況情報、車両情報が相互に関連付けられて、車両ID、顧客ID、及び店舗IDに基づいて管理可能となっている。
具体的に、顧客データベース232は、レンタカー管理サービスを利用する顧客に関するテーブルデータであり、このテーブルデータには、顧客を識別する顧客IDが付与され、この顧客IDをインデックスとして、使用する携帯電話番号、氏名、住所や、付与されるポイント数等が記録されている。
店舗データベース233は、車両Cを貸し出す店舗Sに関する情報を蓄積するテーブルデータであり、このテーブルデータには、店舗Sを識別する店舗IDが付与され、この店舗IDをインデックスとして、店舗Sの位置情報、営業時間、設置可能台数、現在の空きスペース等の情報が記憶されている。
車両データベース235は、車両Cに関する情報に関するテーブルデータであり、このテーブルデータには、例えば、車両登録番号などの車両Cを識別する車両IDと、この車両IDをインデックスとして、車種に関する情報、利用状況、待機している店舗ID、及びレンタル料金等が含まれている。
利用状況データベース234は、レンタカーの予約情報を含んだ利用状況に関するテーブルデータであり、利用の申し込みを受け付けた際に付与される予約IDをインデックスとして、貸渡予定時刻、貸渡店舗を識別する店舗ID、予定返却時刻、返却予定の店舗ID、顧客ID、車両ID等が含まれている。
地図情報蓄積部231は、所定地域の地理的情報を蓄積する地図情報を蓄積する記憶装置であり、本実施形態では、車両の貸渡しや返却となる目的地の候補地(店舗等)が、緯度及び経度の座標上にベクトルデータ等で蓄積されている。また、この地図情報は、例えば、都道府県、市区町村毎や、駅の西口、東口など、複数の店舗が点在するエリアを所定エリアとして区画しており、隣接するエリア同士は重複する部分があり、その重複部分には単数又は複数の店舗が配置されている。なお、この地図情報は、移動端末M1及びM2、車載端末6に送信され、それぞれのメモリ内にも蓄積されている。
通信インターフェース21は、通信ネットワーク3を通じて移動端末M1及びM2、店舗端末M3、又は車載端末6との間でデータの送受信を行うインターフェースである。この通信インターフェース21を通じて、例えば、レンタカーの申込に関するデータが送信され、そのレンタカーに関する予約情報等が受信される。
制御部22は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。
本実施形態において、制御部22は、レンタカーに関する登録及び申込に関するモジュール群として、認証部221と、操作信号取得部222と、情報提供部225と、会員登録部224と、レンタル管理部223とを備えている。
認証部221は、認証情報を用いて認証処理を実行するモジュールである。具体的に認証部221は、アクセス者の正当性を検証するコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、通信ネットワーク3を通じて、顧客ID、及び店舗IDを取得し、顧客データベース232及び店舗データベース233を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。なお、認証方法としては、例えば、Webページ上においてID及びパスワードを入力させ、そのID及びパスワードに基づいて認証する構成としてもよい。また、定期的に変更されるパスワードを移動端末M1及びM2に配信させ、認証時にパスワードを入力することで認証を行うワンタイムパスワードを用いて、認証処理してもよい。
操作信号取得部222は、移動端末M1及びM2からのユーザー操作を取得するモジュールである。本実施形態において、操作信号取得部222は、その操作信号が会員登録に関する操作であれば、その情報を会員登録部224へ送信し、車両の予約や返却に関する操作である場合には、レンタル管理部223へ送信する。
情報提供部225は、通信ネットワーク3を通じて、各種のWebデータを配信するモジュールである。具体的に、情報提供部225は、レンタル管理部223からの制御信号に応じて、予約設定や返却先設定のWebデータを移動端末M1及びM2に配信する。また、情報提供部225は、会員登録部224の制御によって、顧客の会員登録に関する会員登録用のWebデータを移動端末M1及びM2に配信する機能も備えている。
会員登録部224は、会員登録用のWebデータに対する入力操作に基づいて、顧客に対する会員登録を受け付けるモジュールであり、顧客の氏名、住所、電話番号、決済情報等を取得する。そして、会員登録部224で受け付けた情報は、顧客データベース232に蓄積される。
レンタル管理部223は、車両Cの貸渡及び返却を管理するモジュールであり、本実施形態では、予約受付部223aと、返却受付部223bとを備えている。
返却受付部223bは、車両Cの返却に関する到着情報を受け付けるモジュールである。本実施形態において、返却受付部223bは、移動端末M1から返却先の設定を行うための操作信号を取得すると、同時に取得した位置情報に基づいて、所定エリアから空きスペースのある店舗を選択する。そして、返却受付部223bは、情報提供部225を制御して、この店舗の店舗IDを移動端末M1に送信させる。このとき、返却受付部223bは、移動端末M2から貸出予約要求情報を取得している場合には、貸渡し希望地点の情報についても送信させる。
この返却受付部223bは、顧客が設定した到着情報を移動端末M1から取得すると、その到着情報に含まれる返却先の店舗ID及び到着予定時刻を利用状況データベース234に記録する。この際、返却受付部223bは、取得した到着情報が貸出予約要求として指定された希望地点である場合には、その情報を予約受付部223aに通知する。なお、返却受付部223bは、現在時刻と到着予定時刻との時間差が大きい場合には、利用状況データベース234に記録せず、到着予定時刻との時間差が所定の範囲内となった場合に反映させてもよい。この場合には、予定変更などによって次の顧客が利用できないことを未然に防止することができる。
さらに、返却受付部223bは、返却先としての目的地の設定を行う顧客U1に対して、所定の店舗へ返却先を変更するように依頼する機能も備えている。この返却先の依頼機能は、移動端末M1から送信された目的地が、貸出予約要求情報に含まれたエリアに隣接するエリアの店舗である場合に実行される。具体的に、返却受付部223bは、隣接するエリアの重複している店舗に返却先を変更して欲しい旨のメッセージを移動端末M1に通知する。その後、返却先の変更に対する承諾情報を返却受付部223bが取得すると返却先の変更を確定させる。
予約受付部223aは、車両Cの貸渡しについての予約を受け付けるモジュールである。本実施形態において、予約受付部223aは、移動端末M2から申し込みに関する操作信号を取得すると、同時に取得した移動端末M2の位置情報に基づいて、顧客が滞在している場所に近い店舗を店舗データベース233から選択し、その店舗から待機中及び返却予定の車両を選択する。
この車両Cの選択は、選択した店舗IDに基づいて、車両データベース235を参照して、待機店舗の欄に選択された店舗IDが含まれている車両を選択するとともに、利用状況データベース234を参照して、返却店舗の欄に選択された店舗IDが含まれている車両を選択するようになっている。そして、予約受付部223aは、情報提供部225を制御し、貸渡可能な車両の情報(待機中及び返却予定の車両)及びその店舗情報を移動端末M2に対して送信する。なお、返却予定の車両情報については、予定返却時刻情報についても合わせて送信する。
その後、予約受付部223aは、移動端末M2から車両の貸渡を希望する予約情報を取得すると、新たな予約IDを付加して、予約情報に含まれる車両ID及び利用時刻情報等を関連付けて利用状況データベース234に記録する。また、予約受付部223aは、移動端末M2から貸出予約要求の情報を取得すると、利用状況データベース234に、貸渡し希望地点である店舗又は所定エリア内の店舗の店舗IDと、利用予定時刻情報を記録する。
また、予約受付部223aは、貸出予約要求の希望地点と、返却予定者の目的地とのマッチングを行う機能も備えている。具体的には、次の顧客U2から貸出予約要求情報を受け付けており、その後、顧客U1の移動端末M1から返却先として希望地点が選択されると、時間等の条件が一致していることを条件に、その車両Cの予約を要求した次の顧客U2に貸し渡すように突き合わせを行う。なお、予約受付部223aは、貸出予約要求情報が希望エリアを選択している場合は、選択された目的地がこの希望エリアに含まれている否かを判断して突き合わせを行う。
さらに、予約受付部223aは、予約の設定を行う顧客に対して、所定の店舗で車両を貸渡しするように依頼する機能も備えている。この貸渡先依頼機能は、例えば、貸出予約を行う顧客が所定のエリアにおいて車両Cの貸渡を希望したが、その店舗又はエリアに車両がない場合に、他の店舗、又はエリアを返却先としている車両Cを検索し、発見した場合には、顧客U1の移動端末M2に対して、貸渡し店舗の変更依頼に関するメッセージを送信するものである。
なお、レンタル管理部223には、メール機能も備えており、予約受付部223a及び返却受付部223bが、車両Cの予約及び返却の設定を受け付けた場合には、その受付が完了した旨の確認メールを移動端末M1及びM2に送信するようになっている。
制御部22は、店舗側の手続、及び利用終了後の管理に関するモジュール群として、店舗側情報取得部226と、照合部228と、決済処理部227と、ポイント管理部229と、計時部24とを備えている。
店舗側情報取得部226は、店舗端末M3から送信された貸渡手続の操作信号及び返却手続の操作信号を、顧客ID及び店舗IDとともに取得するモジュールであり、これらの情報を照合部228へ送信する。
計時部24は、現在時刻を取得するモジュールであり、本実施形態においては、店舗端末M3から送信された貸渡手続の操作信号、又は返却手続の操作信号が取得された際の時刻を利用開始時刻又は利用終了時刻として取得して、その時刻情報を照合部228へ送信する。
照合部228は、店舗端末M3から取得した貸渡手続、又は返却手続に関する情報と、予約情報とを照合するモジュールである。具体的に、照合部228は、貸渡手続の操作信号を取得した場合、同時に取得した顧客IDに基づいて、利用状況データベース234から当該顧客IDに該当する予約情報を取得する。そして、照合部228は、取得した店舗IDと、予約情報に含まれた店舗IDとを照合し、店舗IDが一致するか否かを判断する。また、照合部228は、予約情報の利用時刻情報と、計時部24が取得した時刻情報を比較し、予定時刻内か否かを判断する。
そして、店舗IDが一致し、利用時刻情報内である場合には、予約した車両が貸渡可能である旨の情報をWebデータ又は電子メールにて店舗端末M3に送信する。一方、いずれかの照合が一致しない場合には、車両の貸渡しはできない旨の情報をWebデータ又は電子メールにて店舗端末M3に送信する。また、照合部228は、貸渡しを許可した場合、その車両IDに基づいて、車両データベースの「利用状況」の項目を貸渡中に変換する機能も備えている。
一方、返却手続の操作信号を取得した場合も、照合部228は、取得した顧客IDに基づいて、利用状況データベース234から当該顧客IDに該当する予約情報を取得する。そして、照合部228は、取得し店舗IDと、予約情報に含まれた店舗IDとを照合し、店舗IDが一致するか否かを判断する。
店舗IDが一致しない場合には、返却予定の店舗とは異なる店舗であるため、返却不可である旨の情報をWebデータ又は電子メールにて店舗端末M3に送信する。一方、店舗IDが一致した場合には、返却可能である旨の情報をWebデータ又は電子メールにて店舗端末M3に送信する。返却を許可した後、照合部228は、車両データベースの「利用状況」の項目を待機中に変換する。なお、本実施形態において、返却時に店舗IDが一致しない場合には、返却不可であると判断するようにしたが、例えば、次の予約が設定されていない場合には、店舗IDが異なる場合であっても、返却を許可するように判断してもよい。
また、照合部228は、返却手続時において送信された車両Cの画像データから、車体に傷や汚れがあるか否かを判断する機能も備えている。具体的に、照合部228は、前回撮影された車両の画像データを記憶しておき、今回取得した画像データと撮影方向毎に比較し、車体の表面に新たな傷や汚れ等があるか否かを判断するようになっている。なお、車体の傷や汚れの有無の判断については、サーバ側の運営者が手動で行ってもよく、また、画像認識処理によって自動で行ってもよい。
ポイント管理部229は、利用状況データベース234を参照して、顧客の利用状況に応じて、インセンティブとなるポイントを付与するモジュールであり、本実施形態においては料金に応じてポイントを付加する。さらに、ポイント管理部229は、予定通りの返却場所や、予定返却時刻内に返却した場合や、返却受付部223b又は予約受付部223aの変更依頼に応じて返却先又は予約先を変更した場合にも、追加ポイントを付加する。さらに、顧客U1が目的地を設定する際、候補地として表示された貸渡し希望地点を選択した場合についても追加ポイントを付与する。
決済処理部227は、利用状況データベース234に蓄積された情報に基づいて、決済処理を実行するモジュールである。具体的には、利用状況データベースに蓄積された利用状況に関する情報を参照し、顧客データベース232の決済情報に基づいて顧客U1に対して課金処理を行う。この課金処理としては、例えば、車両返却の受付を許可するデータを店舗端末M3に送信する際に合わせて通知して、店舗側において顧客から直接料金を徴収してもよいし、予め登録したクレジットカード等によって決済処理してもよい。
(レンタカー管理方法)
以上の構成を有するレンタカー管理システムを動作させることによって、本発明のレンタカー管理方法を実施することができる。図7は、本実施形態に係る返却先設定時の動作を示すシーケンス図であり、図8は、本実施形態に係る予約設定時の動作を示すシーケンス図であり、図12は、本実施形態に係る貸出予約要求処理における動作を示すシーケンス図である。また、図9は、本実施形態に係る貸渡時における動作を示すフローチャート図であり、図10は、本実施形態に係る返却時における動作を示すフローチャート図である。なお、ここでは顧客が予め、レンタカー管理サーバ2に対して会員登録がされているものとし、顧客U1が現在利用している車両Cを、次の顧客U2が借用する場合を例に説明する。
(1)返却先設定時の動作
初めに、予約設定時の動作について説明する。図7に示すように、現在、車両Cを利用している顧客U1が、レンタカー管理アプリケーションを起動させ、返却先を設定するための返却設定開始ボタン等を押下するなど、移動端末M1を操作すると(S101)、利用情報送信部16は、この返却先設定開始の操作信号を顧客IDとともに、レンタカー管理サーバ2に送信する(S102)。
レンタカー管理サーバ2では、移動端末M1から返却先設定開始の操作信号を取得すると(S103)、認証部221において、顧客ID、又は車両IDで認証処理が行われる。認証されると、返却受付部223bでは、各店舗内における最新の空きスペースに関する情報を抽出し、空きスペースのある店舗を選択して、店舗IDを車載端末6に送信する(S104)。そしてUI制御部17aは、この店舗IDに基づいて、画面上に返却可能な店舗情報を表示する(S105)。なお、この際、貸出予約要求の情報がレンタカー管理サーバ2から受信していた場合には、到着情報通知部17cは、地図情報に基づいて、指定された希望地点を候補地として選択可能に表示する。
その後、顧客U1の操作によって、返却先の店舗が選択されると(S106)、到着情報通知部17cは、GPS受信機65bから位置情報を取得して(S107)、返却先への到着予定時刻を算出し(S108)、到着予定時刻及び返却先の店舗に関する情報を到着情報としてレンタカー管理サーバ2に通知する(S109)。返却受付部223bは、この到着情報を取得し(S110)、この返却先の店舗ID及び到着予定時刻を利用状況データベース234に記録する(S111)。
(2)貸渡し予約時の動作
次いで、貸渡し予約時の動作について説明する。先ず、図8に示すように、次の顧客U2の移動端末M2において、レンタカー管理アプリケーションを起動させ(S201)、店舗検索ボタン等を押下するなど申し込みに関する操作信号を行うと(S202)、位置情報取得部14によって現在位置情報が取得されるとともに、利用情報送信部16によって、店舗検索の操作信号と位置情報とがレンタカー管理サーバ2へ送信される(S203)。
予約受付部223aは、移動端末M2から申し込みに関する操作信号を取得すると(S204)、同時に取得した移動端末M2の位置情報に基づいて、顧客が滞在している場所から所定のエリアを設定し、そのエリアにおいて、移動端末M2の位置に近い店舗を店舗データベース233から選択する(S205)。
予約受付部223aは、移動端末M2から申し込みに関する操作信号を取得すると(S204)、同時に取得した移動端末M2の位置情報に基づいて、顧客が滞在している場所から所定のエリアを設定し、そのエリアにおいて、移動端末M2の位置に近い店舗を店舗データベース233から選択する(S205)。なお、ここでは、次の顧客U2がGPS機能に基づいて、現在位置から近い店舗を検索する場合を例に説明したが、次の顧客U2の操作により、所定エリアを選択してそのエリアから店舗を選択する構成であってもよい。
その後、予約受付部223aは、選択した店舗の店舗IDに基づいて、貸渡可能な車両があるか否かを判断する(S206)。具体的に、予約受付部223aは、車両データベース235を参照して、待機店舗IDの欄に、この店舗IDがあるか否かを判断し、選択された店舗において待機中の車両があるか否かを確認する。また、予約受付部223aは、利用状況データベース234についても参照して、返却予定店舗IDの欄に、この店舗IDがあるか否かを判断し、選択された店舗において、返却予定の車両があるか否かを確認する。
ここで、選択された店舗に、待機中の車両及び返却予定の車両がない場合には(S206における“N”)、貸出予約要求処理のステップに移行する(S207)。一方、選択された店舗に、待機中の車両及び返却予定の車両がある場合には(S206における“Y”)、返却受付部223bは、情報提供部225を制御し、貸渡可能な車両情報(返却予定な車両情報を含む)及びその店舗情報を移動端末M2に対して送信する(S208)。なお、返却予定の車両情報については、予定返却時刻についても合わせて送信する。
UI制御部17aでは、貸渡可能な車両情報及び店舗情報を取得すると表示部13aに表示させる。その後、入力インターフェース12を介して、次の顧客U2が任意の車両Cが選択されるとともに利用時刻が入力され、車両の貸渡しについての予約が設定されると(S209)、予約設定部17bは、選択された車両ID及び利用時刻を予約情報として、通信ネットワーク3を介してレンタカー管理サーバ2へ送信する(S210)。
予約受付部223aでは、予約情報を取得して、利用状況データベース234に記録して予約の設定処理を行う(S211)。この際、予約受付部223aでは、予約された車両Cの車両IDに基づいて、利用状況データベース234を参照して、当該車両Cが現在貸出中であるか否かを判断する(S212)。
予約された車両Cが貸出中でない場合には(S212における“N”)、そのまま処理を終了する。一方、予約された車両Cが貸出中である場合(S212における“Y”)、予約受付部223aでは、利用状況データベース234から、顧客U1の移動端末M1又は車載端末6に対して、次の予約確定を知らせる予約情報を送信する(S213)。移動端末M2のUI制御部17aでは、この予約情報を受信し、画面上に表示する(S214)。
(3)貸出予約要求処理の動作
次いで、ステップ207の貸出予約要求処理について説明する。図12は、貸出予約要求処理の動作を示すシーケンスである。なお、本実施形態では、貸出予約要求として、所定エリアの店舗において、車両の貸渡しを希望する場合を例に説明する。
先ず、レンタカー管理サーバ2の予約受付部223aでは、次の顧客U2が希望した付近において、現在貸出可能な車両がない旨を移動端末M2へ通知する(S501)。
UI制御部17aは、この情報を受信すると、画面上に表示するとともに、貸出予約要求処理を開始するためのアイコン等を表示させる(S502)。そして、予約設定部17bは、貸出予約要求の処理がされたか否かを判断する(S503)。ここで、貸出予約要求処理の操作が行われない場合には(S503における“N”)、そのまま処理を終了する。一方、貸出予約要求処理の操作が行われた場合には(S503における“Y”)、貸出を希望する所定エリア及び利用予定時刻情報を入力して、レンタカー管理サーバ2へ送信する(S504)。
予約受付部223aでは、この貸出予約要求情報を取得し(S505)、利用状況データベース234に、これらの情報を貸出予約要求として登録する(S506)。そして、顧客U1の返却先に関する情報を取得するまで待機する。
その後、返却受付部223bは、移動端末M1から返却先としての店舗情報、及び到着予定時刻を含む到着情報を取得すると(S507)、店舗IDに基づいて、その店舗が貸出予約の要求された所定エリアの店舗か否かを判断する(S508)。その店舗が貸出予約要求で設定されたエリアにおける店舗である場合には(S508における“Y”)、その店舗情報と貸出可能時刻等を貸出予約要求した次の顧客U2の移動端末M2へ送信する(S509)。
UI制御部17aは、車両の返却先の店舗情報及び時刻情報を画面上に表示させる(S515)。そして、次の顧客U2がその店舗での貸出を確定する操作を行うと、予約設定部17bは、その確定情報をレンタカー管理サーバ2へ送信する(S516)。その後、予約受付部223aは、この予約情報を取得し、貸出予約要求情報を更新して予約を確定させる(S517)。
一方、返却先として選択された店舗が貸出予約要求で設定されたエリアにおける店舗でない場合には(S508における“N”)、さらに、隣接するエリアの店舗か否かを判断する(S510)。隣接するエリアの店舗でない場合には(S510における“N”)、貸出予約要求の時刻情報を経過するまでステップS507〜ステップS510の処理を繰り替えし、貸出予約要求の時刻情報を経過したのちは、移動端末M2に対して貸出可能な店舗はない旨を通知して処理を終了する。一方、隣接するエリアの店舗である場合には(S510における“Y”)、利用中の移動端末M1に対して返却先を変更して欲しい旨のメッセージを送信する(S511)。
移動端末M1のUI制御部17aでは、画面上に変更依頼の情報を表示させ、ユーザーの操作を受け付ける。その後、レンタカー管理サーバ2の返却受付部223bは、返答情報を受信すると(S512)、その返答情報が承諾を示した信号か否かを判断する(S513)。返答情報が承諾を示した情報でない場合には(S513における“N”)、貸出予約要求の時刻情報を経過するまでステップS507〜ステップS513の処理を繰り替えし、貸出予約要求の時刻情報を経過したのちは、移動端末M2に対して貸出可能な店舗はない旨を通知して処理を終了する。
一方、返答情報が承諾を示した情報である場合には(S513における“Y”)、予約受付部223aは、その店舗情報と貸出可能時刻等を貸出予約要求した次の顧客U2の移動端末M2へ送信する(S514)。
UI制御部17aは、車両の返却先の店舗情報及び時刻情報を画面上に表示させる(S515)。そして、次の顧客U2がその店舗での貸出を決定する操作を行うと、予約設定部17bは、その予約の確定する情報として、レンタカー管理サーバ2へ送信する(S516。)その後、予約受付部223aは、この確定情報を取得し、貸出予約要求情報を更新して、予約を確定させる(S517)。なお、この際、返却受付部223bは、移動端末M1の返却先が変更された情報に基づいて、到着情報を更新する。
なお、ここでは、顧客U1が、移動端末M1から返却設定開始を要求し、車載端末6から返却予約を行う例を示したが、本発明の実施形態がこれに限定されることはなく、様々な変形が可能である。例えば、返却予約は、移動端末M1、車載端末6の何れから行うことにしてもよい。返却予約に関する具体例については後述する。
(4)車両の貸渡時における動作
次いで、車両の貸渡時における動作について説明する。先ず、車載端末6は、レンタカー管理サーバ2から、次の顧客U2の顧客IDと利用時刻情報を取得し、メモリ66内に蓄積しておく。その後、図9に示すように、次の顧客U2が店舗Sに来店し、次の顧客U2が車両Cの近距離無線通信部67に移動端末M2を近づかせると、近距離無線通信部67は、移動端末M2から顧客IDを読み取り(S301)、制御部64では、その顧客IDとメモリ66に蓄積された顧客IDとを比較する(S302)。ここで、メモリ内に蓄積された顧客IDと一致しない場合には(S302における“N”)、ドアを施錠した状態を維持し待機状態となる(S304)。
一方、メモリ内に蓄積された顧客IDと一致する場合には(S302における“Y”)、次に、現在時刻が予約時刻内か否かを判断する(S303)。ここで、現在時刻が予約時刻内でない場合には(S303における“N”)、ドアを施錠した状態を維持し、待機状態となる(S304)。一方、現在時刻が予約時刻内である場合には(S303における“Y”)、ドア施錠制御部64bによってドアロックを解除するとともに(S305)、エンジン制御部64aによってエンジン点火装置のロックを解除する(S306)。その後、次の顧客U2が車の鍵をキーボックスから取出して、車両を運転開始する。
(5)車両の返却時における動作
次いで、車両の返却時における動作について説明する。図10に示すように、顧客U1が車両Cを返却するために来店すると、先ず、顧客U1は、鍵をキーボックスに返却し(S401)、顧客U1が車両Cの近距離無線通信部67に移動端末M1を近づかせると、近距離無線通信部67は、移動端末M1から顧客IDを読み取る(S402)。制御部64では、その顧客IDとメモリ66に蓄積された顧客IDとを比較する(S403)。ここで、メモリ内に蓄積された顧客IDと一致しない場合には(S403における“N”)、ドアを施錠せず、待機状態となる。
一方、メモリ内に蓄積された顧客IDと一致する場合には(S403における“Y”)、ドア施錠制御部64bによってドアを施錠する(S404)。その後、その返却先の店員は、読取装置8を用いて、移動端末M2のメモリ15から顧客IDを読み取るとともに、レンタカー管理アプリケーションを起動させた状態で、車両Cをカメラ34によって撮影する(S405)。この際、店員は表示部13aに表示された、車両のフレームに合致するように、車両Cを所定の方向から複数枚撮影するようになっている。
そして、店員が、例えば、表示部33aに表示された返却手続開始ボタンを押下すると、返却手続の操作信号と、読み取った顧客IDと、店舗IDと、複数の画像データとをレンタカー管理サーバ2へ送信する(S406)。
レンタカー管理サーバ2の照合部228では、返却手続の操作信号を取得すると、同時に取得した顧客IDに基づいて、利用状況データベース234から当該顧客IDに該当する利用状況情報を参照し、その予約情報に含まれた店舗IDと、取得された店舗IDが一致するか否かを判断する(S407)。
店舗IDが一致しない場合には(S407における“N”)、この店舗での返却でない旨などの情報を店舗端末M3へ通知する(S412)。一方、店舗IDが一致する場合には(S407における“Y”)、決済処理部227において、利用時間に応じた料金額を算出し(S408)、その料金情報を店舗端末M3に送信する(S409)。この際、決済処理部227は、顧客データベース232を参照して、ポイントがある場合には、ポイントに応じて料金額を減算してもよい。また、照合部228は、取得した画像データに対して、画像認識処理によって車体の傷や汚れの有無を判断し、傷がある場合には、料金を加算する。
店舗端末M3では、この料金情報を取得して、精算処理を行う(S410)。この際、精算情報は、レンタカー管理サーバ2へ送信され、ポイント管理部229は、今回の利用状況に応じたポイントを算出し、顧客データベースに蓄積する(S411)。この際、例えば、レンタカー管理サーバ2の依頼によって、予約先や返却先を変更した場合や、顧客U1が目的地を設定する際、候補地として表示された貸渡し希望地点を選択した場合には、追加ポイントを付加し、予定返却時刻よりも遅れた場合には、ペナルティとしてポイントを少なくするなどの処理が行われる。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、顧客の操作に基づいて車両の返却場所を設定すると、目的地までの到着予定時刻が算出され、この目的地及び到着予定時刻に基づいて、車両の次の貸渡しについての予約を設定することができるので、車両が到着後、即時に次の顧客に対して貸渡すことが可能となり、レンタカーの利用効率を向上させることができるとともに、顧客の利便性を向上させることもできる。
また、本実施形態によれば、予約設定部17bは、到着情報を取得する前に、次の顧客の操作に基づいて希望地点を指定した、希望地点における車両の貸渡しについての予約の要求を貸出予約要求処理として事前に受け付け可能であるので、現在利用されている車両に対する申込期間を長くして、車両の利用効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、到着情報通知部17cは、顧客U1が目的地を設定する際、地図情報を参照して、貸出予約要求の希望地点を候補地として選択可能に表示するので、顧客U1に対して、希望地点を返却先として設定することを促すことができ、車両の利用効率をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ポイント管理部229は、顧客U1が目的地を設定する際、貸出予約要求の希望地点を目的地として選択した場合に追加ポイントを付加するので、顧客U1に対して、希望地点を返却先として設定するインセンティブを喚起させることができ、車両の利用効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、車載端末6の近距離無線通信部67が取得した顧客IDに基づいて、車両のドアを施錠又は解錠させるとともに、車両のエンジンを駆動制御するので、予約した顧客のみが車両を運転可能とし、他の者に利用されることを防止することができる。
(レンタカー管理プログラム)
上述した本実施形態係るレンタカー管理システム及びレンタカー管理方法は、所定の言語で記述されたレンタカー管理プログラムをコンピュータ171〜174上で実行することにより実現することができる。すなわち、図11に示すように、このプログラムを携帯情報端末(PDA)に携帯電話・通信機能を統合した携帯端末機171、クライアント側が使用するパーソナルコンピュータ172、ネットワーク上に配置されてクライアント側にデータや機能を提供するサーバ装置173、又はゲーム装置などの専用装置174、又はICチップ186にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを容易に構築することができる。このプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。
そして、このようなプログラムは、パーソナルコンピュータで読み取り可能な記録媒体181〜85に記録することができる。具体的には、図11に示すような、フレキシブルディスク183やカセットテープ182等の磁気記録媒体、若しくはCD−ROMやDVD−ROM等の光ディスク181の他、USBメモリ185やメモリカード184など、種々の記録媒体に記録することができる。
(変更例)
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。例えば、上述した実施形態では、返却先の設定を行う場合、移動端末M1を用いたが車載端末6を用いて実行してもよい。この場合、車載端末6のGPS受信機65bから位置情報を取得するとともに、予約設定部17b及び到着情報通知部17cの機能モジュールが制御部64上に構築される。
そして、顧客が返却先の店舗を検索する操作を行うことで、位置情報及びメモリ66内の顧客IDがレンタカー管理サーバ2に送信され、その位置情報に基づいて、返却受付部223bは、返却可能な複数の店舗が選択して車載端末6に送信する。
そして、車載端末6のナビ制御部64cは、表示部63aに返却可能な店舗情報を表示する。その後、顧客の操作に応じて、返却先の店舗が選択されると、ナビ制御部64cは、現在位置情報を取得して、返却先への到着予定時刻を算出し、到着予定時刻及び返却先の店舗に関する情報を到着情報としてレンタカー管理サーバ2に通知するようになっている。
また、上述した実施形態では、到着情報通知部17cにおいて、到着予定時刻を算出して、レンタカー管理サーバ2へ送信したが、例えば、レンタカー管理サーバ2において、到着予定時刻を算出してもよい。
具体的に、到着情報通知部17cは、位置情報及び目的地である返却先の店舗IDを送信し、レンタカー管理サーバ2の返却受付部223bにおいて、当該車両の目的地、及び車載端末6によって測定された位置情報に応じて、目的地への到着予定時刻を算出し、算出された到着予定時刻及び設定された目的地に関する情報を到着情報として取得する。そして、取得された到着情報に含まれる目的地及び到着予定時刻に基づいて、車両の貸渡しについての予約を設定する。
また、上述した実施形態では、返却時において店員が店舗端末M3を用いて、車両の車体を撮影したが、本発明は、これに限定するものではなく、例えば、駐車スペースに配置されたカメラを用いて、車両Cが入庫した際、自動で車両を撮影して画像データをレンタカー管理サーバ2へ送信する構成であってもよい。この際、車両を撮影するカメラは、上述した店舗端末M3のカメラ34と同様な機能を有しており、所定のフレーム内に合致するように、複数方向から車両の車体を撮影する。そして、カメラは、有線又は無線通信によって、レンタカー管理サーバ2へ画像データを送信する。
なお、駐車場に設置されたカメラは、駐車スペースの各方向にそれぞれ配置してもよいし、駐車スペースの床部分を回動可能とし、一台のカメラで車体を各方向から撮影する構成であってもよい。この場合には、自動で車両を撮影するので、車両Cを貸し出す店員の作業の負担を軽減させるとともに、店舗を無人化することもでき、システム全体のコストを軽減させることができる。
また、上述した実施形態では、車内のキーボックスに鍵を保管する構成としたが、例えば、店舗Sの店員が、車の鍵を保管、管理して顧客に鍵を貸し渡したり、回収したりする構成であってもよい。
このような構成の場合、車両の貸渡し時においては、図13に示すように、次の顧客U2が店舗Sに来店すると、店員は、読取装置8を用いて、移動端末M2のメモリ15から顧客IDを読み取る(S601)。その後、店員が店舗端末M3を用いて、例えば、表示部33aに表示された貸渡手続開始ボタンを押下すると、貸渡手続の操作信号、取得した顧客ID、及び店舗IDとがレンタカー管理サーバ2へ送信される(S602)。
レンタカー管理サーバ2の照合部228では、貸渡手続の操作信号を取得すると、同時に取得した顧客IDに基づいて、利用状況データベース234から当該顧客IDに該当する予約情報があるか否かを判断する(S603)。予約情報がない場合には(S603における“N”)、貸渡不可である旨の情報を店舗端末M3に通知する(S608)。一方、予約情報がある場合には(S603における“Y”)、次に、取得した店舗IDと、予約情報に含まれた店舗IDとを照合し、店舗IDが一致するか否かを判断する(S604)。ここで、店舗IDが一致しない場合には(S604における“N”)、当該店舗における貸渡はないとする旨の情報を店舗端末M3に通知する(S608)
一方、店舗IDが一致する場合には(S604における“Y”)、照合部228は、予約情報の利用時刻情報と、計時部24が取得した時刻情報を比較し、利用予定時刻内か否かを判断する(S605)。ここで、現在時刻が利用予定時刻内でない場合には(S605における“N”)、貸渡可能時間ではない旨の情報を店舗端末M3に通知する(S608)。
一方、現在時刻が利用予定時刻内である場合には、予約した車両が貸渡可能である旨の情報を店舗端末M3に通知する(S606)。この際、照合部228は、その車両IDに基づいて、車両データベースの「利用状況」を貸出中に変換する。その後、店舗端末M3の表示部33aには、貸渡の許可の表示画面が表示され、店員は、車両Cの鍵を次の顧客U2に手渡して店頭での処理を終了する(S607)。
また、車両の返却時では、図14に示すように、顧客U1が車両Cを返却するために来店すると、先ず、店員は、読取装置8を用いて、移動端末M1のメモリ15から顧客IDを読み取るとともに(S701)、店舗端末M3において、レンタカー管理アプリケーションを起動させた状態で、車両Cを店舗端末M3のカメラ34によって撮影する(S702)。この際、店員は表示部13aに表示された、車両のフレームに合致するように、車両Cを所定の方向から複数枚撮影するようになっている。
そして、店員が店舗端末M3を用いて、例えば、表示部33aに表示された返却手続開始ボタンを押下すると、返却手続の操作信号と、読み取った顧客IDと、店舗IDと、複数の画像データとをレンタカー管理サーバ2へ送信する(S703)。
レンタカー管理サーバ2の照合部228では、返却手続の操作信号を取得すると、同時に取得した顧客IDに基づいて、利用状況データベース234から当該顧客IDに該当する利用状況情報を参照し、その予約情報に含まれた店舗IDと、取得された店舗IDが一致するか否かを判断する(S704)。
店舗IDが一致しない場合には(S704における“N”)、この店舗での返却でない旨などの情報を店舗端末M3へ通知する(S709)。一方、店舗IDが一致する場合には(S704における“Y”)、決済処理部227において、利用時間に応じた料金額を算出し(S705)、その料金情報を店舗端末M3に送信する(S706)。この際、決済処理部227は、顧客データベース232を参照して、ポイントがある場合には、ポイントに応じて料金額を減算してもよい。また、照合部228は、取得した画像データに対して、画像認識処理によって車体の傷や汚れの有無を判断する。
店舗端末M3では、この料金情報を取得して、精算処理を行うとともに、車両Cの鍵の回収を行う(S707)。この際、精算情報は、レンタカー管理サーバ2へ送信され、ポイント管理部229は、今回の利用状況に応じたポイントを算出し、顧客データベースに蓄積する(S708)。
このような本変更例によれば、鍵を店舗にて保管するので、鍵の返却がされたことを確認することができるとともに、鍵の紛失等を防止することができる。また、自動者のレンタルに際して、必ず店舗にて認証処理を行うので、異なる店舗に返却されることなどを防止することができる。
また、上述した実施形態では、車載端末6には、ナビゲーション機能を搭載したが、本発明は、ナビゲーション機能は無くして、GPS受信機による位置情報取得機能、及び近距離無線通信部67、ドア施錠制御部64b、及びエンジン制御部64aを用いたドアロック制御機能のみ実行可能であればよい。この場合には、車載される装置の部品点数を減らし、システム全体のコストを軽減させることができる。
<<返却予約に関する具体例>>
以下に、上述した返却予約の処理の具体例とその変形例について説明する。
<データベース>
ここでは返却予約その他の処理に利用される記憶装置23内のデータベース構造の変形例について説明する。以下に説明する返却予約の具体例は、ここに示すデータベースを処理に用いる。
<1> 駐車場と車両の状況を管理するためのデータベース構成
図15は、記憶装置23のデータベース構造の変形例の要部構成を示す図である。図15において、店舗データベース233には、店舗マスター233Aと駐車場マスター233Bとが含まれている。利用状況データベース234には、契約管理データ234Aと、駐車状況データ234Bと、車両状況データ234Cとが含まれている。車両状況データ234Cには、車両運行データ234C1と、車両位置データ234C2とが含まれている。車両データベース235には、車両マスター235Aが含まれている。
店舗マスター233Aは、店舗を識別する店舗IDと、その店舗にある駐車場(駐車区画)の個数(駐車区画数)と、その店舗の属性を示す各種属性#1、#2とが互いに関連づけられている。ここで店舗の属性として例えば店舗名あるいは店舗の位置などが考えられる。駐車場マスター233Bは、駐車区画を識別する区画IDと、その駐車区画が属する店舗の店舗IDと、その駐車区画の属性とが互いに関連付けられている。属性は例えば駐車区画の位置である。
契約管理データ234Aには、車両の貸出、返却の予約の設定、又は貸出、返却の実行に関するデータ、すなわち、どの顧客に対するどの車両のどの店舗での貸出または返却が予約され又は実行はされたかを示すデータが登録される。契約管理データ234Aは、新たな貸出しの予約が発生すると発生し、その後、貸出しの実行、返却の予約、返却の実行がされると更新される。契約管理データ234Aに登録されたデータに基づいて、駐車状況データ234B、車両状況データ234Cが更新される。
予約管理データ234Aにおいては、貸出し予約がされた車両の車両IDと、貸出し予約を行った顧客の顧客IDとが関連づけられる。その顧客IDと車両IDとの組み合わせに対して、貸出データと返却データを登録することができる。貸出データは、貸出予約および貸出実行に関するデータであり、返却データは、返却予約および返却実行に関するデータである。
貸出データには、顧客IDと車両IDとの組み合わせに対して、貸出店舗IDと貸出時刻と予定/実行区分とを関連づけて登録することができる。予定/実行区分は貸出しが実行されたか否か、すなわち、実際に貸出が行われたデータなのか貸出が予約されたデータなのかが示される。貸出店舗IDとして、貸出が行われる予定あるいは貸出が行われた店舗(貸出店舗)の店舗IDが登録される。貸出時刻として、貸出が行われる予定あるいは貸出が行われた時刻が登録される。
返却データには、顧客IDと車両IDとの組み合わせに対して、返却店舗IDと返却時刻と予定/実行区分とを関連付けて登録することができる。予定/実行区分は返却が実行されたか否か、すなわち、実際に返却が行われたデータなのか返却が予約されたデータなのかが示される。返却店舗IDとして、返却が行われる予定あるいは返却が行われた店舗(返却店舗)の店舗IDが登録される。返却時刻として、返却が行われる予定あるいは返却が行われた時刻が登録される。なお、ここで、返却時刻が予定返却時刻である場合、その時刻そのものの他、何日から何時間というように、時刻と期間を組み合わせることで、実質的に予定返却時刻が定まるような設定も含む。
駐車状況データ234Bは、区画IDとその駐車区画の駐車スケジュールが登録される。駐車スケジュールは、その駐車区画が、どの時刻に利用可能か、すなわち、車両を返却可能かに関するデータである。
車両状況データ234Cは、車両運行データ234C1と、車両位置データ234C2とを含む。車両運行データ234C1は、各車両の運行スケジュールを示し、車両位置データ234C2は各車両の現在位置を示す。運行スケジュールは、各車両が、どの時刻に利用可能か、すなわち貸出可能かに関わるデータである。運行スケジュールは、車両の貸出、返却の予約の設定、又は貸出、返却の実行に応じて、更新される。
車両位置データ234C2の車両の現在位置の情報は、車両の現在地が測定されると、更新される。
車両マスター235Aは、各車両の車両IDと属性#1、#2とが関連づけられている。属性の例としては車両のクラスや車種などである。
図16A、16Bは、駐車状況データ234Bの登録例を示す図である。
駐車状況データ234Bには、各駐車区画が将来のどの時刻に「利用可能」であるか否かを判定することを可能にする情報が、各駐車区画の区画IDに関連付けて記録されている。ここで利用可能とは、その駐車区画に車両を返却可能である状態をいう。利用可能であるか否かを判定することを可能にする情報は、例えば予定された駐車スケジュールであり、何時にどの車両が入庫又は出庫するかといった予定を表す情報である。なお、ここに図示した例では、これからの駐車スケジュールだけでなく、実行された過去の駐車スケジュールも含まれている。予定/実行区分が「実行」となっているのは過去の駐車スケジュールである。この駐車状況データ234Bは、予約管理データ234Aに基づいて作成することができる。例えば、貸出および返却のそれぞれについて、予約と実行を契約管理データ234Aに登録し、その契約管理データ234Aに基づいて、駐車状況データ234Bの予定/実行区分が登録される。
駐車状況データ234Bから、将来の任意の時刻に、その駐車区画が「利用可能」であるか否かが判定できる。例えば、現時点が8月1日12時のとき、ある駐車区画の駐車スケジュールが図16Aのようになっているならば、8月1日の18時以降は、その駐車区画は「利用可能」と判定できる。このように、ある時刻以降は入庫の予定がまだ入ってない駐車区画がその店舗に存在すれば、その店舗は返却予約の対象とすることができる。
その後、新たな入庫予定(返却予定)が入って図16Bのようになると、その駐車区画は8月1日18時〜8月2日9時の時間帯であれば「利用可能」であると判定できる。このような期限付の時間帯で利用可能な駐車区画がその店舗に存在する場合、その店舗を返却予約の対象とすることができるか否かの判断は、時間帯の長さ、同店舗の他の駐車場の状況、あるいは、業務方針などに応じて変えることができる。
図17A、17Bは、車両運行データ234C1の登録例を示す図である。
車両運行データ234C1には、各車両が将来のどの時刻に何処(どの駐車区画)で「利用可能」(その車を貸し出せる状態)であるかを判断することを可能にする情報が、各車両の車両IDに関連付けて記録されている。例えば、どの時刻に、どの駐車区画で、どの顧客に貸出され又はどの顧客から返却される予定かといった、予定された運行スケジュールが、各車両の車両IDに関連付けて記録されていれば、その判断が可能となる。このような車両運行データ234C1は、契約管理データ234Aに基づいて作成することができる。例えば、貸出および返却のそれぞれについて、予約と実行を契約管理データ234Aに登録し、その契約管理データ234Aに基づいて車両運行データ234C1の予定/実行区分が登録される。
図17A、17Bの例では、車両IDに関連づけられて、顧客ID、店舗ID、区画ID、時刻、貸出/返却区分、予定/実行区分、および利用可能性が登録される。なお、この例では、車両運行データ234C1には、運行スケジュールが時系列に登録されており、実行された過去の運行スケジュールも含まれている。
顧客IDは、その車両を利用する予定の、あるいは利用した顧客の顧客IDである。店舗IDおよび区画IDは、その車両の貸出あるいは返却が行われる予定、あるいは行われた店舗の店舗IDおよびその駐車区画の区画IDである。時刻は、その車両の貸出または返却が行われる予定の、あるいは行われた時刻である。貸出/返却区分は、行われる予定、あるいは行われたのは、その車両の貸出なのか返却なのかを示す。予定/実行区分は、返却または貸出が行われる予定なのか、実際に行われたのかを示す。利用可能性は、その時刻から、その車両が利用可能であるか否かを示す。
車両運行データ234C1から、将来の任意の時刻に、その車両がどの駐車区画から貸し出せるかが判定できる。例えば、現時点が8月1日12時のとき、ある車両の利用スケジュールが図17Aのようになっているならば、8月2日の10時以降は、その車両は利用可能(貸出可能)と判定できる。しかし、新たな貸出予定(出庫予定)が入って図17Bのようになると、その車両は、新たに返却予約が入らない限り、利用不可と判定できる。なお、図17Bの8月2日10時から12時の時間帯のような、車両が貸出されていない時間帯に、その車両を「利用可能」とするか否かの判断は、時間帯の長さや営業方針などによって変えることができる。
図18は、車両位置データ234C2の登録例を示す図である。
車両位置データ234C2には、各車両の現在地測定を行った各時刻と、その時刻において測定された位置(現在位置)とが、各車両の車両IDに関連付けて記録されている。現在地測定及びその記録は、少なくとも各車両の貸出中に行われる。図18の例では、車両が駐車区画に待機しているときの位置も記録されている。その場合、その位置の表現は座標値でも、駐車区画の区画IDでも良い。車両の現在地の測定は、定期的、又は、後述するように返却予約を受け付けるときなどの必要時に行うことができる。車両の位置は、例えば緯度経度の座標値で表現される。
なお、図15に示した利用状況データベース234の構成は一例であり、様々な変形が可能である。例えば、図15では、貸出および返却のそれぞれについて、予約と実行とを予約/実行区分によって区別しつつ、同じフィールドで管理していた。しかし、予約と実行とを別個のフィールドにそれぞれ登録し、管理することにしてもよい。
図19は、利用状況データベースの変形例を説明するための図である。図19の変形例では、契約管理データ234Aにおいて、顧客IDと車両IDとの組み合わせに対して、貸出予約データ、返却予約データ、貸出実行データ、および返却実行データが登録可能である。
貸出予約データには、貸出の予約について、貸出を行う予定の店舗の店舗IDと、貸出を行う予定の時刻とが記録される。返却予約データには、返却の予約について、返却が行われる予定の店舗の店舗IDと、返却が行われる予定の時刻とが記録される。貸出実行データには、実際に実行された貸出について、貸出が行われた店舗の店舗IDと、貸出が行われた時刻とが記録される。返却実行データには、実際に実行された返却について、返却が行われた店舗の店舗IDと、返却が行われた時刻とが記録される。
貸出あるいは返却の予約と、その実際の実行とを別個に管理するので、図15にあったような予定/実行区分のフィールドは不要となっている。
また、例えば、図15では、貸出および返却のそれぞれについて、予約と実行を契約管理データ234Aに登録し、その契約管理データ234Aに基づいて、駐車状況データ234Bおよび車両運行データ234C1の予定/実行区分を登録していた。しかし、予約と実行を、駐車状況データ234Bおよび車両運行データ234C1に直接登録することにしてもよい。
図20は、利用状況データベースの他の変形例を説明するための図である。図20の変形例では、貸出予約、返却予約、貸出実行、返却実行が発生すると、契約管理データ234Aを介さず、駐車状況データ234Bあるいは車両運行データ234C1に、予約と実行の区分が直接登録される。
<返却予約の全体プロセス>
これ以降のプロセスの説明において、移動端末または車載端末のことを顧客端末と呼ぶことがある。返却予約に用いられる移動端末は、現在車両を借りている顧客U1の移動端末M1である。
<返却予約全体プロセス第1例>
図21は、返却予約の全体プロセスの第1例を示すフローチャートである。第1例には、返却時刻を優先しつつ、返却時刻と返却店舗を同時に設定するプロセスが示されている。
ステップ1は、希望返却時刻および希望返却地域を入力するステップである。ステップ1にて、車両を借りている顧客の操作により、顧客端末が、希望返却時刻と希望返却地域を入力する。
予定返却時刻と予定返却地域の入力方法としは、顧客が自由に指定する。あるいは、予定返却時刻と予定返却地域のうちいずれかの一方と車両の現在地とに基づいて、顧客端末又はレンタカー管理サーバ2が他方を計算してもよい。このことは後述する返却予約全体プロセスの他の例でも同様である。
後者の入力方法の場合、予定返却時刻が指定されると、現在時刻から予定返却時刻までに現在地から到達できる距離範囲が地図データに基づいて予測され、その距離範囲の中から顧客が予定返却地域を選ぶようにしてもよい。または、予定返却地域が指定されると、現在地から予定返却地域に到達できる時刻が予測され、その時刻以降の時間範囲から顧客が予定返却時刻を選ぶようにしてよい。
予定返却地域の指定は、地域を直接的に指定するだけでなく、施設や番地や店舗などの代表地点を指定することで、間接的にその代表地点の周辺地域を指定するようになっていてもよい。また、代表地点は、顧客が指定するだけでなく、端末がGPSなどで計測した現在地を代表地点とすることができるようになっていてもよい。予定返却地域は、希望の1又は2以上の店舗を具体的に特定するものであってもよい。これらのことは後述する返却予約全体プロセスの他の例でも同様である。
ステップ2は、利用可能店舗を検索するステップである。ステップ2にて、レンタカー管理サーバ2が、希望返却地域に位置し、希望返却時刻に利用可能な店舗を検索し、顧客端末に通知する。例えば、利用状況データベース234の駐車状況データ234Bを検索すればよい。
このとき、レンタカー管理サーバ2が、全自動で検索をしてもよいし、レンタカー運用業者側のオペレータによる操作に従って、レンタカー管理サーバ2が検索をしても良い。またレンタカー管理サーバ2に代えて、顧客端末が、レンタカー管理サーバ2から店舗状況に関するデータを取得して検索を行っても良い。これらのことは、後述する返却予約全体プロセスの他の例における各検索でも同様である。
このとき、検索の結果として出力する店舗を、現在地から予定返却時刻までに到達できる位置にある店舗だけに制限しても良い。このことは次に説明する返却予約全体プロセスの例における利用可能店舗の検索でも同様である。
ステップ3は、利用返却時刻と添付を登録するステップである。ステップ3はステップ3−1〜3−4を含んでいる。
ステップ3−1にて、顧客端末が利用可能店舗を表示する。次に、ステップ3−2にて、顧客端末が、顧客の操作に従って、利用可能店舗の中から希望返却店舗を選択する。次に、ステップ3−3にて、レンタカー管理サーバ2が、希望返却時刻と希望返却店舗IDを、該当する顧客と車両IDに関する返却予約データとして、予約返却時刻および予約返却店舗を契約管理データ234Aに登録する。予約返却時刻および予約返却店舗を登録するというのは、契約管理データ234Aに返却時刻と返却店舗IDを記録し、予定/実行区分を予定に設定することである。
ステップ3−1の後、顧客が機能返却店舗を選択する操作をせず、再入力を要求する操作をした場合、顧客端末はステップ1に戻る。
<返却予約全体プロセス第2例>
図22は、返却予約の全体プロセスの第2例を示すフローチャートである。第2例には、返却時刻を優先して先に設定するプロセスが示されている。
ステップ11は、予定返却時刻の入力と登録を行うステップである。ステップ11は、ステップ11−1、11−2を含んでいる。ステップ11−1にて、まずは、顧客端末が、車両を借りている顧客の操作に従って、予定返却時刻だけを入力する。入力された予定返却時刻の情報は、レンタカー管理サーバ2に通知される。ステップ11−2にて、レンタカー管理サーバ2が、その予定返却時刻を返却予約データとして契約管理データ234Aに登録する。
ステップ12は、返却可能店舗を検索するステップである。ステップ12は、ステップ12−1、12−2を含んでいる。ステップ12−1にて、顧客端末が、ステップ11とは別の後のタイミングにおける顧客の操作に従って、予定返却地域を入力する。入力された予定返却地域は、レンタカー管理サーバ2に通知される。次に、ステップ12−2にて、レンタカー管理サーバ2が、希望返却地域に位置し、予定返却時刻に返却可能な店舗(利用可能店舗)を検索する。検索で得られた利用可能店舗の情報は顧客端末に通知される。
ステップ13は、返却予約を登録するステップである。ステップ13は、ステップ13−1〜13−4を含んでいる。ステップ13−1にて、顧客端末が利用可能店舗を表示する。次に、ステップ13−2にて、顧客端末が、顧客の操作に従って、利用可能店舗の中から予定返却店舗を選択する。ステップ13−3にて、予定返却店舗の情報である予定返却店舗IDは、レンタカー管理サーバ2が、該当の顧客と車両に関する契約管理データ234Aに登録する。一方、ステップ13−1の後、顧客が、予定返却店舗の選択を行わず、時刻または地域の変更を希望した場合、ステップ1またはステップ12−1に戻る。このとき、顧客が時刻の変更を希望したのであればステップ1に戻ればよく、顧客が地域の変更を希望したのであればステップ12−1に戻ればよい。
<返却予約全体プロセス第3例>
図23は、返却予約の全体プロセスの第3例を示すフローチャートである。第3例には、返却店舗を優先しつつ、返却時刻と返却店舗を同時に設定するプロセスが示されている。
ステップ21は、予定返却店舗を入力するステップである。ステップ21は、ステップ21−1〜21−5を含んでいる。ステップ21−1にて、まず、顧客端末が、車両を借りている顧客の操作に従って、予定返却地域を入力する。入力された予定返却地域の情報はレンタカー管理サーバ2に通知される。ステップ21−2にて、レンタカー管理サーバ2は、予定返却地域に位置する店舗を検索する。検索で得られた店舗の情報は顧客端末に通知される。ステップ21−3にて、顧客端末が、レンタカー管理サーバ2による検索で得られた店舗を表示する。ステップ21−4にて、その表示を見た顧客による操作に従って、顧客端末が、表示した店舗の中から、予定返却店舗を選択する。一方、ステップ21−5のように、顧客がどの店舗も選択しなければ、ステップ21−1に戻る。なお、ステップ21−1にて、予定返却地域として、一店舗を具体的に特定した場合は、ステップ21−2〜21−4は不要である。
ステップ22は、返却可能時刻を検索するステップである。ステップ22では、レンタカー管理サーバ2が、予定返却店舗へ車両を返却可能な時刻(返却可能時刻)を検索し、顧客端末に通知する。ここでは、一例として、利用状況データベース234の駐車状況データ234Bを検索するものとする。返却可能時刻は、例えば、その時刻以降に駐車場所が満杯になることが予定されてないことで判断できる。なお、このとき返却可能時刻とする時刻を、現在地から予定返却店舗に到達できる時間範囲(何時以降)の時刻だけに制限しても良い。このことは次に説明する変形例についても同様である。
ステップ23は、予定返却店舗と予定返却時刻を登録するステップである。ステップ23は、ステップ23−1〜21−4を含んでいる。ステップ23−1にて、顧客端末が予定返却店舗の返却可能時刻を表示する。次に、表示を見た顧客の操作に従って、顧客端末が返却可能時刻の中から予定返却時刻を選択する。選択結果はレンタカー管理サーバ2に通知される。次に、ステップ23−3にて、レンタカー管理サーバ2が、予定返却店舗の店舗IDと予定返却時刻を、該当の顧客と車両に関する契約管理データ234Aに返却予約として登録する。一方、ステップ23−1の後、ステップ23−4のように、顧客が予定返却時刻を選択せず、再入力を要求した場合、顧客の要求に応じてステップ23−1またはステップ21−1に戻る。
<返却予約全体プロセス第4例>
図24は、返却予約の全体プロセスの第4例を示すフローチャートである。第4例には、返却店舗を優先して先に設定するプロセスが示されている。
ステップ31は、予定返却店舗を入力し、登録するステップである。ステップ31は、ステップ31−1〜21−6を含んでいる。ステップ31−1にて、まず、車両を借りている顧客の操作に従って、顧客端末が予定返却地域を入力する。入力された予定返却地域の情報はレンタカー管理サーバ2に通知される。ステップ31−2にて、レンタカー管理サーバ2が、予定返却地域に位置する店舗を検索し、得られた店舗の情報を顧客端末に通知する。ステップ31−3にて、顧客端末が、通知された店舗を表示する。次に、ステップ31−4にて、顧客端末が、顧客の操作に従って、表示された店舗の中から予定返却店舗を選択する。選択された予定返却店舗の情報は、レンタカー管理サーバ2に通知される。ステップ31−5にて、レンタカー管理サーバ2は、予定返却店舗を返却予約データとして、契約管理データ234Aに登録する。一方、ステップ31−3の後、顧客が予定返却店舗を選択せず、再入力を要求したら、ステップ31−6のように、ステップ31−1に戻る。
ステップ32は、返却可能時刻を検索するステップである。ステップ32は、ステップ32−1、31−2を含んでいる。ステップ32−1にて、顧客端末が、ステップ31とは別の後のタイミングにおける顧客の操作に従って、予定返却時刻の設定をレンタカー管理サーバ2に要求する。ステップ32−2にて、レンタカー管理サーバ2が、予定返却店舗に車両を返却可能な時刻(返却可能時刻)を検索する。例えば、その時刻以降、駐車場所が満杯になることが予定されていない時刻を返却可能時刻とすればよい。検索で得られた返却可能時刻の情報は顧客端末に通知される。
ステップ33は返却予約を登録するステップである。ステップ33は、ステップ33−1〜33−4を含んでいる。ステップ33−1にて、顧客端末が返却可能時刻を表示する。次に、ステップ33−2にて、顧客端末が、表示を見た顧客の操作に従って、返却可能時刻の中から予定返却時刻を選択する。選択された予定返却時刻はレンタカー管理サーバ2に通知される。レンタカー管理サーバ2は、通知された予定返却時刻を、該当の顧客と車両に関する契約管理データ234Aに、予定返却時刻として登録する。一方、ステップ33−1の後、顧客が予定返却時刻を選択せず、再入力を要求した場合、顧客の要求に応じてステップ32−1またはステップ21−1に戻る。
<<返却予約せずに実返却する場合の具体例>>
車両返却の方法として、上述したような返却予約を行うことなく、返却したいときに空いている店舗の駐車区画に直接車両を実返却することがある。これを直接返却と呼ぶことにする。
直接返却では、顧客が、空いている駐車区画のある店舗を現実に発見し、その駐車区画へ車両を入れる。その際、顧客と車両の両方または少なくとも一方が、駐車場所に来ているという事実をレンタカー管理サーバ2にて確認するための処理が行われる。
確認処理の第1態様について説明する。
店舗に設置された店舗端末M3に、顧客が携帯している移動端末M1(又は車両に設置された車載端末6)を接続(近接無線通信)することで、一方の端末のIDを他方の端末へ渡す。他方の端末から、レンタカー管理サーバ2へ両端末のIDの対と一緒に、実返却を行う旨の通知を送る。このときに送られる情報を、第1の情報と呼ぶことにする。
要するに、店舗端末M3(または駐車場所端末)と移動端末M1(または車載端末6)とが近接したという事実により、顧客と車両が駐車場所に居るという事実(実返却の事実)を、レンタカー管理サーバ2にて、営業上実質的に問題ない程度の確からしさで推定できる。
確認処理の第2態様について説明する。
移動端末M1又は車載端末6からレンタカー管理サーバ2へ、実返却を行う旨を通知するとき、その端末の(例えばGPSにより測定した)現在位置をレンタカー管理サーバ2に通知する。この時通知される情報を第2の情報と呼ぶことにする。通知された位置が、どこかの店舗の駐車区画(駐車場所)であれば、その駐車場所へ車両が実返却された事実を、レンタカー管理サーバ2にて、営業上実質的に問題ない程度の確からしさで推定できる。
なお、第1の情報または第2の情報をレンタカー管理サーバ2に送るのは、移動端末M1、車載端末6、店舗端末(駐車場所端末)M3の何れであってもよい。
レンタカー管理サーバ2は、第1か第2の情報を受信すると、その情報から、実返却の事実を確認するとともに、データベースを参照して、実返却場所がどの駐車場所か、返却した顧客がどの顧客か、返却された車両がどの車両かを特定する。また、通知の時刻から、返却時刻を特定する。そして、レンタカー管理サーバ2は、特定した情報を、実返却データとして、契約状況データ234Aに登録する。
なお、ここで、店舗端末M3は、店員のいる一般的なレンタカー店舗に設けられた端末だけに限られず、各駐車区画又は複数の駐車区画からなる各駐車施設に設置された、例えば無人の駐車場所端末であってもいい。店舗IDは、店舗のIDに限らず、駐車区画又は駐車区画のIDであってもいい。このことは後述する全体プロセスの第1〜4例でも同様である。
<直接返却全体プロセス第1例>
図25は、直接返却の全体プロセスの第1例を説明するための図である。第1例には、店舗端末M3と移動端末M1との近接通信を用いるプロセスが示されている。これは上記確認処理の第1態様の具体例である。
1) まず、顧客の移動端末M1と店舗端末M3との近接通信により、移動端末M1から店舗端末M3に顧客IDを送る。これにより、移動端末M1と店舗端末M3が同一店舗(あるいは駐車区画)にあることが担保される。例えば、店員が店舗端末M3を顧客の移動端末M1に近接させる、あるいは顧客が移動端末M1を店舗端末M3にかざすなどにより非接触で近接通信を行う。なお、車載端末6と移動端末M1および/または店舗端末M3との近接通信を用い、あるいはその他の方法で、更に車両IDも店舗顛末M3へ送ることにしてもよい。
2) 次に、店舗端末M3からレンタカー管理サーバ2へ、店舗IDと顧客IDを含んだ実返却通知が送信される。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、店舗IDと顧客IDを含む実返却通知を店舗端末M3から受信したことで、該当の店舗にて返却が実行されたという事実を認識するとともに、返却の時刻を特定する。例えば、店舗端末M3との通信を行った時刻、あるいは、店舗端末M3から通知される返却時刻などにより、返却の時刻を特定できる。
4) 次に、レンタカー管理サーバ2は、受信した顧客IDから、返却した顧客を特定する。
5) 次に、レンタカー管理サーバ2は、利用状況データベース234の車両運行データ234C1に基づいて、その顧客へ貸し出されている車両を特定する。その特定した車両を、返却された車両として認識する。なお、上述したように、車両IDも一緒に受信された場合には、その車両IDを使って、返却された車両を特定しても良い。
なお、正確を期すために、次のような追加の確認処理を行って、最終的に返却された車両を決定しても良い。
・ レンタカー管理サーバ2が特定した車両の特徴(登録番号など)を店舗顛末M3又は移動端末M1へ送って、その車両が正しいことを、店員又は顧客に確認させる。
・ レンタカー管理サーバ2が特定した車両の車載端末6と通信して、その現在位置を取得し、その現在位置が、上記受信した店舗IDの店舗(又は駐車区画又は駐車施設)の位置と一致するか否か確認する。
なお、上述した例では、店舗端末M3が実返却通知をレンタカー管理サーバ2に送っているが、実返却通知をレンタカー管理サーバ2へ送る端末は、必ずしも店舗端末M3に限られるわけではなく、移動端末M1又は車載端末6であってもよい。このことは後述する第2〜4例でも同様である。
<直接返却全体プロセス第2例>
図26は、直接返却の全体プロセスの第2例を説明するための図である。第2例には、店舗端末M3と移動端末M1との近接通信を用いるプロセスが示されている。これは上記確認処理の第1態様の他の具体例である。
1) まず、車両の車載端末6と店舗端末M3との近接通信により、車載端末6から店舗端末M3に車両IDを送る。これにより、車載端末6と店舗端末M3が同一店舗(駐車区画)にあることが担保される。例えば、車両が店舗に入ると、店舗端末M3が近距離無線通信により、車載端末6から車両IDを取得する。なお、移動端末M1と車載端末6および/または店舗端末M3との近接通信を用い、あるいはその他の方法で、更に移顧客IDも店舗顛末M3へ送ることにしてもよい。
2) 次に、店舗端末M3からレンタカー管理サーバ2へ、店舗IDと車両IDを含んだ実返却通知が送信される。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、店舗IDと車両IDを含んだ実返却通知を店舗端末M3から受信したことで、該当の店舗にて返却が実行されたという事実を認識するとともに、返却の時刻を特定する。例えば、店舗端末M3との通信を行った時刻、あるいは、店舗端末M3から通知される返却時刻などにより、返却の時刻を特定できる。
4) 次に、レンタカー管理サーバ2は、受信した車両IDから、返却された車両を特定する。
5) 次に、レンタカー管理サーバ2は、利用状況データベース234の車両運行データ234C1に基づいて、その車両を借り受けている顧客を特定する。その特定した顧客を、返却を行った顧客として認識する。なお、上述したように、顧客IDも一緒に受信された場合には、その顧客IDを使って、返却を行った顧客を特定しても良い。
なお、正確を期すために、次のような追加の確認処理を行って、最終的に返却を行った顧客を決定しても良い。
・ レンタカー管理サーバ2が特定した顧客の特徴(氏名など)を店舗顛末M3又は移動端末M1へ送って、その顧客が正しいことを、店員又は顧客に確認させる。
・ レンタカー管理サーバ2が、特定した顧客の移動端末M1と通信して、その現在位置を取得し、その現在位置が、上記受信した店舗IDの店舗(又は駐車区画又は駐車施設)の位置と一致するか否か確認する。
<直接返却全体プロセス第3例>
図27は、直接返却の全体プロセスの第3例を説明するための図である。第3例には、移動端末又は車載端末の現在位置を使うプロセスが示されている。これは上記確認処理の第2態様の具体例である。
1) 顧客の移動端末M1からレンタカー管理サーバ2へ、顧客IDと、(GPSなどで)測定した顧客(移動端末M1)の現在位置とを含んだ実返却通知が送信される。なお、このとき、移動端末M1は、車載端末6との近接通信で車両ID及び/又は車両の現在位置を取得して、及び/又は、店舗端末M3との近接通信で店舗IDを取得して、その情報も実返却通知に含ませてレンタカー管理サーバ2へ送ってもよい。また、このとき、移動端末M1からレンタカー管理サーバ2へ直接的に実返却通知を送る代わりに、移動端末M1から車載端末6又は店舗端末M3を経由してレンタカー管理サーバ2へ実返却通知を送ってもよい。
2) 次に、レンタカー管理サーバ2は、実返却通知に含まれる現在位置に基づいて、店舗マスター233A又は駐車場マスター233Bを参照して、その現在位置がどの店舗の位置に該当するかを調べる、あるいは、その現在位置がどの駐車区画、又は複数の駐車区画を持った駐車施設の位置に該当するかを調べる。
その結果、移動端末M1がいずれかの店舗の位置に存在することが確認されれば、レンタカー管理サーバ2は、実返却が実行されたという事実を認識するとともに、返却の時刻を特定する。例えば、移動端末M1との通信を行った時刻、あるいは、移動端末M1から通知される返却時刻などにより、返却の時刻を特定できる。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、受信した顧客IDから、返却した顧客を特定する。
4) 次に、レンタカー管理サーバ2は、利用状況データベース234の車両運行データ234C1に基づいて、その顧客へ貸し出されている車両を特定する。その特定した車両を、返却された車両として認識する。なお、上述したように、車両IDも一緒に受信された場合には、その車両IDを使って、返却された車両を特定しても良い。
なお、正確を期すために、第1、2例に前述したような追加の確認処理を行って、最終的に返却された車両を決定しても良い。
<直接返却全体プロセス第4例>
図28は、直接返却の全体プロセスの第4例を説明するための図である。第4例には、移動端末又は車載端末の現在位置を使うプロセスが示されている。これは上記確認処理の第2態様の他の具体例である。
1) 車両の車載端末6からレンタカー管理サーバ2へ、車両IDと、(GPSなどで)測定した車両の現在位置とを含んだ実返却通知が送信される。なお、このとき、車載端末6は、移動端末M1との近接通信で顧客ID及び/又は顧客の現在位置を取得して、及び/又は、店舗端末M3との近接通信で店舗IDを取得して、その情報も実返却通知に含ませてレンタカー管理サーバ2へ送ってもよい。また、このとき、車載端末6からレンタカー管理サーバ2へ直接的に実返却通知を送る代わりに、車載端末6から移動端末M1又は店舗端末M3を経由してレンタカー管理サーバ2へ実返却通知を送ってもよい。
2) 次に、レンタカー管理サーバ2は、実返却通知に含まれる現在位置に基づいて、店舗マスター233A又は駐車場マスター233Bを参照して、その現在位置がどの店舗の位置に該当するかを調べる、あるいは、その現在位置がどの駐車区画、又は複数の駐車区画を持った駐車施設の位置に該当するかを調べる。
その結果、車載端末6がいずれかの店舗の位置に存在することが確認されれば、レンタカー管理サーバ2は、実返却が実行されたという事実を認識するとともに、返却の時刻を特定する。例えば、車載端末6との通信を行った時刻、あるいは、車載端末6から通知される返却時刻などにより、返却の時刻を特定できる。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、受信した車両IDから、返却された車両を特定する。
4) 次に、レンタカー管理サーバ2は、利用状況データベース234の車両運行データ234C1に基づいて、その車両を借り受けている顧客を特定する。その特定した顧客を、返却を行った顧客として認識する。なお、上述したように、顧客IDも一緒に受信された場合には、その顧客IDを使って、返却を行った顧客を特定しても良い。
なお、正確を期すために、第1、2例に前述したような追加の確認処理を行って、最終的に返却を行った顧客を決定しても良い。
<<返却予約又は直接返却に関わる顧客と車両を特定する方法>>
前述した返却予約プロセス又は直接返却プロセスには、返却予約または直接返却を行う顧客と、返却予約または直接返却される車両とを特定する処理が含まれる。ここでは、その返却予約又は直接返却に関わる顧客と車両を特定する方法の具体例について説明する。
上述したように、返却予約または直接返却のプロセスでは、レンタカー管理サーバ2が最初に移動端末M1と通信を行う場合と、最初に車載端末6と通信を行う場合とがある。そのため、顧客と車両を特定する基本処理の態様がそれぞれ毎にある。
顧客および車両の特定処理の第1態様では、レンタカー管理サーバ2が最初に移動端末M1と通信する場合、レンタカー管理サーバ2は、最初に通信した移動端末M1からの信号で顧客を特定する。そして例えば、その顧客の顧客IDをキーとして利用状況データベース234を参照し、その顧客へ貸出中の車両を特定する。
顧客および車両の特定処理の第2態様では、レンタカー管理サーバ2が最初に車載端末6と通信する場合、レンタカー管理サーバ2は、最初に通信した車載端末からの信号で車両を特定する。そして例えば、その車両の車両IDをキーとして利用状況データベース234を参照し、その車両を借受中の顧客を特定する。
また、第1、第2態様による顧客と車両を特定する方法において精度を上げるために追加の確認処理行ってもよい。追加の確認処理を以下に例示する。
・ 移動端末M1の現在位置と車載端末6の現在位置とを比較する。
・ レンタカー管理サーバ2が最初に通信した端末へ特定結果を送って、顧客に特定結果が正しいかどうか確認させる。
・ レンタカー管理サーバ2が最初に通信した端末と通信し、その端末の相手の端末が、後で特定した方の端末で正しいか否か確認する。
・ レンタカー管理サーバ2が後で特定した方の端末と通信し、その端末の相手の端末が、最初に通信した方の端末で正しいか否か確認する。
上述した基本処理に確認処理を追加した処理、その変形例、その他の処理など、各種、顧客車両特定処理について以下に具体例を示す。第1例〜第8例は、レンタカー管理サーバ2が最初に移動端末M1と通信する場合の例であり、第9例〜第16例は、レンタカー管理サーバ2が最初に車載端末6と通信する場合の例である。
<顧客車両特定処理の第1例>
図29は、顧客および車両の特定処理の第1例を説明するための図である。第1例は、移動端末M1からの情報に基づいて、対象の顧客と車両を特定する基本方法である。
1) まず、移動端末M1が顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1からその端末を使用する顧客の顧客IDを受信する。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、利用状況データベース234を参照して、受信した顧客IDの顧客に貸出中の車両IDを特定する。ここで参照するのは、特に、どの顧客にどの車両が貸し出されているかを示すデータ(車両状況データ234Cの車両運行データ234C1)である。
以上で顧客と車両が特定される。このとき、間違いを減らすために、4)に示す追加の確認処理を行って良い。
4) 例えば、レンタカー管理サーバ2が、移動端末M1と、該当の車両IDの車載端末6からそれぞれ現在位置を受信し、両方の現在位置が実質的に一致することを確認しても良い。
<顧客車両特定処理の第2例>
第2例では、第1例の1)〜3)と同じプロセスにより顧客と車両を特定するが、追加の確認処理が第1例の4)とは異なる。
1) 移動端末M1は、顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1から顧客IDを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した顧客IDの顧客に貸出中の車両の車両IDを特定する。
ここまでは第1例と同じである。
4) レンタカー管理サーバ2が、車両マスター235Aを参照して、特定された車両IDに対応した車両のある属性を取得し、その属性を移動端末M1に送信して、顧客に属性を通知し、その車両が正しい車両かを顧客に確認させる。顧客に確認させる車両の属性は、例えば登録番号、車種などである。このとき、特定された車両IDが複数あった場合、それらを移動端末M1に送り、顧客にいずれか一つの車両を選択させてもよい。
5) 移動端末M1が、通知された属性を表示し、顧客が移動端末M1に手動により確認結果を入力する。このとき、複数の車両IDが表示されていれば、顧客はそのいずれか一つを選択する。顧客による確認結果または選択結果は移動端末M1からレンタカー管理サーバ2に通知される。
6) レンタカー管理サーバ2は、顧客が確認した車両ID、または選択した車両の車両IDを、返却予約または実返却の対象となる車両の車両IDとして、利用状況データベース234の契約管理データ234Aに登録する。
<顧客車両特定方法の第3例>
第3例では、第1例の1)〜3)と同様に、移動端末M1からの顧客IDで顧客を特定し、利用状況データベース234を参照して車両を特定するが、その際に車載端末6が確認処理を行う。
1) 移動端末M1は、顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1から顧客IDを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した顧客IDの顧客に貸出中の車両の車両IDを特定する。
ここまでは第1例と同じである。
4)レンタカー管理サーバ2は、特定した車両IDを持つ車載端末6へ、移動端末M1から受信した顧客IDを送信して、その顧客IDが正しいかどうか問い合わせる。
5) 車載端末6は、レンタカー管理サーバ2から受信した顧客IDを移動端末M1へ送り、その顧客IDが正しいかどうか問い合わせる。
6) 移動端末M1は、車載端末6から問い合わせがあった顧客IDと、その移動端末M1を所持している顧客の顧客IDとが一致するか否かチェックし、チェック結果を車載端末6に返す。
7) レンタカー管理サーバ2は、チェック結果が一致であれば、特定した車両IDを、返却予約の対象となる車両の車両IDとして用いる。
<顧客車両特定方法の第4例>
第4例では、第1例の1)〜3)と同様に、移動端末M1からの顧客IDで顧客を特定し、利用状況データベース234を参照して車両を特定するが、その際に第1例と異なる方法でレンタカー管理サーバ2が確認処理を行う。
1) 移動端末M1は、顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1から顧客IDを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した顧客IDの顧客に貸出中の車両の車両IDを特定する。
ここまでは第1例と同じである。
4) レンタカー管理サーバ2は、特定した車両IDを持つ車両に搭載された車載端末へ、ID確認要求を送信する。
5) 車載端末6は、レンタカー管理サーバ2から受信したID確認要求を移動端末M1へ送る。
6) 移動端末M1は、顧客IDと共に、ID確認要求に対するID確認応答をレンタカー管理サーバ2に送る。
7) 車載端末6は、ID確認要求に対するID確認応答をレンタカー管理サーバ2に送る。このID確認応答には、車載端末6の車両IDが含まれていても良い。
8) レンタカー管理サーバ2は、ID確認応答を送ってきた移動端末M1の顧客IDが、返却予約をした移動端末の顧客IDと一致であれば、特定した車両ID(又はID確認応答に含まれていた車両ID)を、返却予約の対象となる車両の車両IDとして用いる。
<顧客車両特定処理の第5例>
第5例では、移動端末M1から通知された顧客IDと車両IDにより顧客と車両を特定し、確認処理も行う。
1) まず移動端末M1は顧客が借りている車両の車両IDを予め取得しておく。車両IDの取得方法としては、車載端末6又は店舗端末M3から通信により取得する方法と、手動入力により取得する方法がある。例えば、乗車中に、車載端末6から移動端末M1へ車両IDを送信することにしてもよい。また例えば、貸出手続きの際に貸出店舗の店舗端末M3からの設定により移動端末M1に通知することにしてもよい。また例えば、貸出手続きの際に貸出店舗の店員が、貸出した時に移動端末M1に車両IDを設定することにしてもよい。
2) 移動端末M1は、取得した車両IDをレンタカー管理サーバ2へ顧客IDと共に送る。
3) レンタカー管理サーバ2は、受信した顧客IDに基づき顧客を特定し、受信した車両IDに基づき車両を特定する。
ここで、間違いをなくすため追加確認処理を行う。
4) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cの車両運行データ234C1を参照し、受信した車両IDの車両が、受信した顧客IDの顧客に貸出中であることを確認してもよい。
<顧客車両特定方法の第6例>
第6例では、移動端末M1から通知された顧客IDにより顧客を特定し、車載端末6から通知された車載IDにより車両を特定し、確認処理も行う。
1) まず移動端末M1が顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1からの顧客IDを受信し、車両を借りている顧客を特定する。
3) 移動端末M1は、車載端末6に顧客IDを通知する。例えば、乗車中に移動端末M1が車載端末6に顧客IDを通知することにしてもよい。
4) 車載端末6は、レンタカー管理サーバ2に顧客IDと車両IDを送信する。車載端末6がレンタカー管理サーバ2に顧客IDと車両IDを送信するタイミングは特に限定されないが、好ましくは返却予約または実返却がなされる以前である。
5) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6から顧客IDと車両IDを受信し、移動端末M1から受信した顧客IDと、車載端末6から受信した顧客IDが一致するか否かチェックする。チェックの結果が一致であれば、車載端末6から受信した車両IDを、返却予約の対象となる車両の車両IDとして特定する。
6) ここで間違いをなくすため、レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、その車両がその顧客に貸出中であることを確認して良い。
<顧客車両特定方法の第7例>
第7例では、移動端末M1からの顧客IDで顧客を特定し、車載端末6からの車両IDで車両を特定し、その際に車載端末6にて確認処理を行う。
1) まず移動端末M1が顧客IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) 移動端末M1は、車載端末6に、車両を借りている顧客の顧客IDを通知する。
3) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1から顧客IDを受信し、車両状況データ234Cを参照して、その顧客に貸出中の車両を特定する。
4) レンタカー管理サーバ2は、特定した車両IDの車両に搭載された車載端末6との通信により、移動端末M1から受信した顧客IDを車載端末6に送信し、その顧客IDが正しいかどうか問い合わせる。
5) 車載端末6が、レンタカー管理サーバ2から受信した顧客IDが、移動端末M1から通知された顧客IDと一致するか否かチェックし、チェック結果をレンタカー管理サーバ2へ返送する。
6) レンタカー管理サーバ2は、チェックの結果が一致であれば、特定した車両IDを、返却予約の対象となる車両の車両IDとして用いる。
<顧客車両特定方法の第8例>
第8例では、移動端末M1の現在位置と車両(車載端末6)の現在位置を用いて、顧客および車を特定する。
1) 貸出中の車両の車載端末6からレンタカー管理サーバ2へ継続的に現在位置を送信する。レンタカー管理サーバ2は、受信した車両の現在位置を、該当の車両IDに関連付けられた車両位置データ234C2に登録する。その際、望ましくは、実質的にリアルタイムで各車両の現在位置を管理できることである。
2) 車両を借りている顧客の移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2に顧客IDと現在位置を送信する。この現在位置の測定は移動端末M1または車載端末6が行う。
3) レンタカー管理サーバ2は移動端末M1から顧客IDと現在位置を受信する。
4) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、次のA)B)両条件に合う車両を特定する。
A) 車両位置データ234C2によると、移動端末M1の現在位置の近くに位置する車両であること。
B) 車両運行データ234C1によると、移動端末M1の顧客IDに現在貸出中、すなわち貸出されたが返却されてない車両であること。
5) レンタカー管理サーバ2は、特定された車両の車両IDを、返却予約の対象となる車両の車両IDとして用いる。
なお、このとき間違いを減らすための確認処理として、レンタカー管理サーバ2が該当の車両IDの車載端末6と通信して、その車載端末6から現在位置を取得し、その現在位置が移動端末M1の現在位置と実質的に一致することを確認しても良い。また、その現在位置は、その車両IDの車両位置データ234C2に登録する。
<顧客車両特定方法の第9例>
図30は、顧客および車両の特定処理の第9例を説明するための図である。第9例は、車載端末6からの情報に基づいて、対象の顧客と車両を特定する基本方法である。
1) まず、車載端末6が車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6からの車両IDを受信し、返却予約または実返却の対象となる車両を特定する。
3) 次に、レンタカー管理サーバ2は、車両運行データ234C1を参照して、受信した車両IDの車両を現在借受中、すなわち、その顧客へその車両が貸し出されているが返却がされていない顧客の顧客IDを特定する。そして、その顧客IDを、返却予約をする顧客の顧客IDとして使う。
以上で顧客と車両が特定される。このとき、間違いを減らすために、第1例と同じ追加の確認処理4)行って良い。
4) 例えば、レンタカー管理サーバ2が、移動端末M1と、該当の車両IDの車載端末6からそれぞれ現在位置を受信し、両方の現在位置が実質的に一致することを確認しても良い。
<顧客車両特定方法の第10例>
第10例では、第9例の1)〜3)と同じプロセスにより顧客と車両を特定するが、追加の確認処理が第9例の4)とは異なる。
1) 車載端末6は、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6から車両Dを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した車両IDの車両を借受中の顧客の顧客IDを特定する。
ここまでは第9例と同じである。
4) レンタカー管理サーバ2は顧客マスターデータを参照する。顧客マスターデータには、顧客の氏名、携帯番号、又はニックネームなど各種属性が記録されている。レンタカー管理サーバ2は、特定した顧客IDの顧客の所定の属性を顧客マスターデータから取得して車載端末6に送信し、その属性がその顧客の正しい属性であることお確認することを要求する。このとき、特定した顧客IDが複数あった場合、レンタカー管理サーバ2は、その複数の顧客の属性を車載端末6へ送って表示させ、顧客に正しい顧客を選択するよう要求する。
5) 車載端末6は、顧客の手動入力の操作に従って、属性が正しいものであったか、または、どの属性の顧客が正しい顧客であるかの情報をレンタカー管理サーバ2に送信する。
6) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6にて正しい属性とされた顧客の顧客ID、または、車載端末6にて選択され通知された顧客の顧客IDを、返却予約または実返却をする顧客の顧客IDとして使用する。
<顧客車両特定方法の第11例>
第11例は、第9例の1)〜3)と同じプロセスにより顧客と車両を特定するが、追加の確認処理が第9例の4)とは異なる。
1) 車載端末6は、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6から車両Dを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した車両IDの車両を借受中の顧客の顧客IDを特定する。
ここまでは第9例と同じである。
4) 車載端末6は、1)にて、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信するのと実質的に同時期またはそれ以降に移動端末M1に車両IDを送信する。
5) レンタカー管理サーバ2は、3)にて特定した顧客IDの移動端末M1と交信し、移動端末M1に車載端末6から受信した車両IDを送信し、その車両IDが正しいか問い合わせる。
6) 移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2から受信した車両IDが、車載端末6から通知された車両IDと一致するか否かチェックする。そして、そのチェック結果をレンタカー管理サーバ2へ返す。
7) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1からのチェック結果が一致であれば、特定した顧客IDを、返却予約または実返却をする顧客の顧客IDとして使用する。
<顧客車両特定方法の第12例>
第12例は、第9例の1)〜3)と同じプロセスにより顧客と車両を特定するが、追加の確認処理が第9例の4)とは異なる。
1) 車載端末6は、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6から車両IDを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した車両IDの車両を借受中の顧客の顧客IDを特定する。
ここまでは第9例と同じである。
4) レンタカー管理サーバ2は、特定した顧客IDを持つ移動端末M1へ、車載端末6から受信した車両IDを送信して、それが正しいかどうか問い合わせる。
5) 移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2から受信した車両IDを車載端末6へ送り、それが正しいかどうか問い合わせる。
6) 車載端末6は、移動端末M1から受信した車両IDが、該当車両を正しく示す車両IDであるかどうかチェックし、チェック結果を移動端末M1に送信する。
7) 移動端末M1は、車載端末6から受信したチェック結果をレンタカー管理サーバ2へ送信する。
8) レンタカー管理サーバ2は、チェック結果が一致であれば、特定した車両IDを、その顧客に貸し出された車両の車両IDとして使用する。
<顧客車両特定方法の第13例>
第13例は、第9例の1)〜3)と同じプロセスにより顧客と車両を特定するが、追加の確認処理が第9例の4)とは異なる。
1) 車載端末6は、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6から車両IDを受信する。
3) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、受信した車両IDの車両を借受中の顧客の顧客IDを特定する。
ここまでは第9例と同じである。
4) レンタカー管理サーバ2は、特定した顧客IDを持つ移動端末M1へ、ID確認要求を送信する。
5) 移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2から受信したID確認要求を車載端末6へ送る。
6) 車載端末6は、受信したID確認要求に対するID確認応答として、車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
7) 移動端末M1は、ID確認要求に対するID確認応答をレンタカー管理サーバ2へ返す。ID確認応答には、移動端末M1の顧客IDが含まれていても良い。
8) レンタカー管理サーバ2は、ID確認応答を送ってきた車載端末の車両IDが、返却予約または実返却をした車載端末の車両IDと一致であれば、特定した顧客ID(又は確認応答に含まれていた顧客ID)を、返却予約または実返却をする顧客の顧客IDとして使用する。
<顧客車両特定方法の第14例>
第14例では、車載端末6から通知された顧客IDと車両IDにより顧客と車両を特定し、確認処理も行う。
1) まず車載端末6は車両を借りている顧客の顧客IDを予め取得しておく。顧客IDの取得方法としては、移動端末M1又は店舗端末M3から通信により取得する方法と、手動入力により取得する方法がある。例えば、乗車中に、移動端末M1から車載端末6へ顧客IDを送信することにしてもよい。また例えば、貸出手続きの際に貸出店舗の店舗端末M3からの設定により車載端末6に通知することにしてもよい。また例えば、貸出手続きの際に貸出店舗の店員が、貸出した時に車載端末6に顧客IDを設定することにしてもよい。
2) 車載端末6は、取得した顧客IDをレンタカー管理サーバ2へ車載IDと共に送る。
3) レンタカー管理サーバ2は、受信した顧客IDに基づき顧客を特定し、受信した車両IDに基づき車両を特定する。
ここで、間違いをなくすため追加確認処理を行う。
4) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cの車両運行データ234C1を参照し、受信した車両IDの車両が、受信した顧客IDの顧客に貸出中であることを確認してもよい。
<顧客車両特定方法の第15例>
第15例では、移動端末M1から通知された顧客IDにより顧客を特定し、車載端末6から通知された車載IDにより車両を特定し、確認処理も行う。
1) まず車載端末6が車両IDをレンタカー管理サーバ2に送信する。
2) レンタカー管理サーバ2は、車載端末6からの車両IDを受信し、顧客が借りている車両を特定する。
3) 車載端末6は、移動端末M1に車両IDを通知する。例えば、乗車中に車載端末6が移動端末M1に車両IDを通知することにしてもよい。
4) 移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2に顧客IDと車両IDを送信する。移動端末M1がレンタカー管理サーバ2に顧客IDと車両IDを送信するタイミングは特に限定されないが、好ましくは返却予約または実返却がなされる以前である。
5) レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1から顧客IDと車両IDを受信し、車載端末6から受信した車載IDと、移動端末M1から受信した車両IDが一致するか否かチェックする。チェックの結果が一致であれば、移動端末M1から受信した顧客IDを、返却予約または実返却の対象となる顧客の顧客IDとして特定する。
6) ここで間違いをなくすため、レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、その車両がその顧客に貸出中であることを確認して良い。
<顧客車両特定方法の第16例>
第16例では、移動端末M1の現在位置と車両(車載端末6)の現在位置を用いて、顧客および車を特定する。
1) 貸出中の車両の車載端末6からレンタカー管理サーバ2へ継続的に現在位置を送信する。レンタカー管理サーバ2は、受信した車両の現在位置を、該当の車両IDに関連付けられた車両位置データ234C2に登録する。その際、望ましくは、実質的にリアルタイムで各車両の現在位置を管理できることである。
2) 車両を借りている顧客の移動端末M1は、レンタカー管理サーバ2に顧客IDと現在位置を送信する。この現在位置の測定は移動端末M1または車載端末6が行う。
3) レンタカー管理サーバ2は移動端末M1から顧客IDと現在位置を受信する。
4) レンタカー管理サーバ2は、車両状況データ234Cを参照して、次のA)B)両条件に合う車両を特定する。
A) 車両位置データ234C2によると、移動端末M1の現在位置の近くに位置する車両であること。
B) 車両運行データ234C1によると、移動端末M1の顧客IDに現在貸出中、すなわち貸出されたが返却されてない車両であること。
5) レンタカー管理サーバ2は、特定された車両の車両IDを、返却予約の対象となる車両の車両IDとして用いる。
なお、このとき間違いを減らすための確認処理として、レンタカー管理サーバ2が該当の顧客IDの移動端末M1と通信して、その移動端末M1から現在位置を取得し、その現在位置が車載端末6の現在位置と実質的に一致することを確認しても良い。
<<作用・効果>>
本実施形態によれば、レンタカー管理サーバ2の利用状況データベース234(データベース)は、複数の店舗あるいは駐車区画(駐車場所)のそれぞれが、どの将来時刻に車両返却に利用可能であるかに関する情報を表した利用状況データ(例えば、いずれかの車両による利用スケジュール(何時、入庫又は出庫するか)、又は利用可能か否かのスケジュール)を有する。制御部22(制御システム)は、移動端末M1及び/又は車載端末6の中の第1の端末から受信された新たな返却予約の要求に応答して、利用状況データベース234を参照して、複数の駐車場所のうちのどの駐車場所がどの将来時刻に利用可能であるかを把握することにより、新たな返却予約に関わる予約返却場所及び予約返却時刻を特定し、返却予約を設定する。
それ故、制御部22は、利用状況データベース234を参照することにより、どの時刻にどの駐車場所に車両を返却することが可能かを把握することができ、新たな返却予約の要求を受けたとき、車両返却可能な駐車場所と駐車時刻を特定して、その条件での新たな返却予約を受け付けることができる。その結果、顧客は、車両の貸出またはその予約と返却の予約とを同時に行う必要が無くなり、貸出の予約をした後又は車両を実際に借りた後に、それと別に返却の予約をすることが可能である。
また、本実施形態によれば、記憶装置23の利用状況データベース234は、設定された1以上の貸出予約の各々に関わる予約貸出場所及び予約貸出時刻を表した貸出予約データと、実行された1以上の実貸出の各々に関わる実貸出場所及び実貸出時刻を表した実貸出データと、設定された1以上の返却予約の各々に関わる予約返却場所及び予約返却時刻を表した返却予約データと、実行された1以上の実返却の各々に関わる実返却場所及び実返却時刻を表した実返却データとを含む。制御部22は、貸出予約データと実貸出データと返却予約データと実返却データに基づいて、複数の駐車場所のうちのどの駐車場所がどの将来時刻に利用可能であるかを把握する。
このように、利用状況データベース234が、貸出予約データ、実貸出データ、返却予約データ及び実返却データを含むので、制御部22は、それぞれの駐車場所が現時点で利用可能か否かだけでなく、それぞれの車両がどの時刻にどの駐車場所にて貸し出され又は返却される予定か、又は実際に貸し出され又は返却されたのかという、車両レンタル業務の時間経過に伴う状況を把握することが可能である。これにより、どの駐車場所がどの将来時刻に利用可能であるか把握でき、車両の返却予約を容易に正確に設定できる。
また、本実施形態によれば、返却予約に用いられる顧客端末(第1の端末)が移動端末の場合、顧客端末からの信号に基づいて、顧客端末を使用する顧客を特定し、利用状況データベース234を参照して、特定された顧客に貸し出されている車両を特定し、特定された顧客と車両に基づいて、新たな返却予約に関わる予約返却顧客と予約返却車両を特定する。返却予約に用いられる顧客端末が車載端末の場合、顧客端末からの信号に基づいて、顧客端末が設けられた車両を特定し、利用状況データベース234を参照して、特定された車両を借り受けている顧客を特定し、特定された顧客と車両に基づいて、新たな返却予約に関わる予約返却顧客と予約返却車両を特定する。それゆえ、どの顧客にどの車両が貸し出され、返却されたかまで、管理することができる。
また、本実施形態によれば、記憶装置23には、どの顧客にどの車両がどの時刻から貸し出されているか関する情報を表した利用状況データベース234と、複数の駐車場所のそれぞれの位置又は場所端末の情報を表した店舗データベース233(駐車場所データ)と、が記録されている。制御部22は、移動端末M1、車載端末6、及び/又は店舗端末M3(場所端末)の中の第2の端末から、実返却の通知を受け、実返却の通知と店舗データベース233のデータとに基づいて、通知された実返却の実行の事実を確認し、実返却の通知と利用状況データベース234のデータに基づいて、通知された実返却を実行した実返却顧客を特定し、実返却の通知に基づいて、通知された実返却が実行された実返却時刻を特定する。
それ故、顧客が、車両を借り受けた後、返却予約をすることなく、任意の返却に利用可能な店舗あるいは駐車区画を見つけてそこに車両を返却した場合、その顧客の移動端末M1、その車両の車載端末6、又はその店舗端末M3から実返却の通知を受け、その通知に基づいて、実返却の事実を確認するとともに、その実返却を行った顧客と時刻を実質的にリアルタイムで把握することができる。言い換えれば、顧客は、車両を借り受けた後に、返却予約をすることなしに、任意の時刻に任意の利用可能な店舗あるいは駐車区画に車両を返却することができる。
また、本実施形態によれば、実返却の通知は、次の2つの情報の少なくとも一方を含む。
第1情報:いずれかの場所端末といずれかの移動端末とが、又はいずれかの場所端末といずれかの車載端末とが、前記実返却の通知の時刻又はその直前の時刻(例えば、3分以内のように、車両を駐車場所に止めてから実返却手続きを行うために設定された時間)に相互間で近接した事実を示す情報(例えば、両端末間の近接通信で一方から他方へ端末IDを渡すことで得られる、両端末のIDの対)
第2情報:実返却の通知の時刻又はその直前の時刻における、いずれかの移動端末又はいずれかの車載端末の現在位置を示す情報(例えば、その端末のGPSデバイスで測定されたその時点での現在位置)
そして、制御部22は、実返却の通知に含まれる第1情報と駐車場所データに表された複数の駐車場所の店舗端末M3の情報とに基づいて、又は、実返却の通知に含まれる第2情報と駐車場所データに表された複数の駐車場所の位置の情報とに基づいて、実返却の実行の事実を確認する。
それ故、実返却の事実を正確に確認することができる。
以上、実施形態を具体的に説明したが、上記開示に限定されるものでなく、趣旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、レンタカー管理サーバ2は、移動端末M2から貸出予約要求情報を取得している場合に、返却予約の要求を送信してきた移動端末M1に、空きスペースのある店舗の店舗IDを返却可能な店舗の店舗IDとして送信するとともに、移動端末M2からの貸出予約要求情報における貸渡し希望地点となっている店舗の店舗IDを、返却予約に推奨する店舗の店舗IDとして送信してもよいものとなっている。しかし、レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1に対して返却予約に推奨する店舗の店舗IDを、移動端末M2からの貸出予約要求情報と関係なく選択してもよい。すなわち、レンタカー管理サーバ2は、移動端末M1からの新たな返却予約の要求に応答して、移動端末M1に、どの駐車場所及び/又はどの将来時刻が返却予約の車両返却に利用可能であるかに関する情報を送信するとともに、その中で車両返却に推奨する駐車場所及び/又は将来時刻を任意の条件で選択して、その駐車場所及び/又は将来時刻に関する情報を送信してもよい。