JP5553354B2 - エステラーゼの調製 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、エステラーゼ活性があるタンパク質を調製する方法であって、そのようなタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌(Escherichia coli(E.coli))株中で発現するステップを含んでなる方法に関する。
ブタ肝臓エステラーゼ活性があるタンパク質の高レベルの発現は、容易に実現されない。Langeら(2001)[1]による報告は、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)中におけるブタ肝臓エステラーゼγ−イソ酵素(γ−rPLE)の低くはあるが検出可能な生成を示唆する。より最近では、Boettcherら(2007)[2]が方法について述べている。これらの著者らは、大腸菌(E.coli)株中でのブタ肝臓エステラーゼのγ−イソ酵素(γ−rPLE)の発現が、簡単な過程でないことを示した。追加的手段が取られなければ、このような発現は完全に失敗した。これらの手段は、適切な大腸菌(E.coli)株の選択だけでなく、シャペロンタンパク質の同時発現もまた暗示する。特に機能性γ−rPLEの調製は、GroELおよびGroESと称されるかなりの量のシャペロンタンパク質を同時発現する大腸菌(E.coli)株オリガミ(Origami)中でのみ可能であると判明した。
少なくともγ−rPLEの適切な発現で遭遇する問題の一部は、タンパク質中の複数ジスルフィド結合の存在に関する。
非常に意外にも、そしてBoettcherら(2007)[1]によって報告された教示に反して、ブタ肝臓エステラーゼ(PLE)活性があるタンパク質の機能発現は、Boettcherら(2007)[1]によって開示される大規模な追加的手段なしに、そして特に追加的遺伝子の同時発現なしに、本発明に従って達成できることが発見された。
したがって本発明は、エステラーゼ活性があるタンパク質を調製する方法であって、そのようなタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌(E.coli)株中で発現するステップを含んでなる方法に関し、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子が、配列番号11、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42または配列番号44のポリヌクレオチドと、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有して、それぞれ配列番号12、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43または配列番号45と、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられる。プラスミドからGroELおよび/またはGroESを同時発現する必要なしに、正確に折りたたまれたエステラーゼが得られることは本発明の利点である。好ましい実施態様では、発現はプラスミドからのGroELおよび/またはGroESの同時発現なしに起きる。
本発明のフレームワークでは、同一性は以下の標準パラメーターを使用して、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/bl2seq/wblast2.cgiで、Tatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden(1999),“Blast 2 sequences−a new tool for comparing protein and nucleotide sequences”,FEMS Microbiol Lett.174:247〜250で述べられているようにして計算される。
タンパク質配列:
Matrix:BLOSUM62
Open gap:5
extension gap:2
Penalties gap x_dropoff: 11
Expected:10
word size:11
ヌクレオチド配列:
Reward for match:1
Penalty for mismatch:−2
Open gap:11
extension gap:1
Penalties gap x_dropoff:50
Expected:10
word size:3
より好ましくは、本発明は、エステラーゼ活性があるタンパク質を調製する方法であって、そのようなタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌(E.coli)株中で発現するステップを含んでなる方法に関し、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子が、配列番号11のポリヌクレオチドと、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有して、配列番号12と少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられる。
さらなる実施態様によれば、本発明は、エステラーゼ活性があるタンパク質を調製する方法であって、そのようなタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌(E.coli)株中で発現させるステップを含んでなる方法に関し、遺伝子が、配列番号12と少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられる。配列番号12は、APLEのアミノ酸配列を表す。
別の実施態様によれば、本発明はエステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株に関し、生物が、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子を含有し、この遺伝子が、配列番号11、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42または配列番号44のポリヌクレオチドと、少なくとも70%の同一性、好ましくは80%の同一性、より好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有して、それぞれ配列番号12、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43または配列番号45と、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられる。好ましい実施態様では、組み換え大腸菌(E.coli)株は、GroELおよび/またはGroESの同時発現のためのプラスミドを含まず、エステラーゼ活性があるタンパク質を生成できる。
特に本発明は、上述の方法に従った、エステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株に関し、生物はエステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子を含有し、遺伝子は配列番号11のポリヌクレオチドと少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、好ましくは98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有して、配列番号12と少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする。
特に本発明はまた、上述の方法に従ったエステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株にも関し、生物は、配列番号12と少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする遺伝子を含有する。
さらなる実施態様によれば、本発明は、エステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株に関し、グルタチオン還元酵素および/またはチオレドキシン還元酵素の発現が、例えば突然変異によって消滅することで特徴づけられる。
本発明のさらなる実施態様によれば、組み換え大腸菌(E.coli)株のグルタチオン還元酵素およびチオレドキシン還元酵素の双方の発現が消滅する。
Prinzら(1997)[3]は、還元酵素活性が消滅した株中でこのタンパク質が生成されれば、大腸菌(E.coli)中で発現されるジスルフィド架橋を含有するタンパク質(特にアルカリホスファターゼ)の活性が、より高くなることを教示した。また双方の還元酵素が消滅していれば、好気性条件下で成長できるようにする自然突然変異が起きることも示された。Beckwithら(2005)[4]は、生物が好気性条件下で成長する能力を復元する予想される自然突然変異を同定した。彼らは、AhpC遺伝子のコドン36〜39周辺における、TCT三つ組みに富んだ領域中への3個のヌクレオチドの挿入を含んでなるこの遺伝子中の突然変異が、この効果を提供すると主張した。
Bessetteら(1999)[5]は、Prinzら(1997)によって述べられた発現系をさらに詳しく分析し、ヘルパータンパク質DsbC(ジスルフィド結合イソメラーゼ)の同時発現が、活性組織プラスミノーゲン活性化因子および活性アルカリホスファターゼの発現を増強することを示した。さらに切断型DsbCの細胞内発現が、機能性ジスルフィド結合イソメラーゼタンパク質をもたらすことが開示された。
本発明のさらなる実施態様によれば、組み換え大腸菌(E.coli)は、ジスルフィド結合を要するタンパク質の適切な折りたたみのためのジスルフィド結合を導入でき、または不適切なジスルフィド結合によって引き起こされる誤った折りたたみを修正できる、低分子量ヘルパータンパク質を生成するように、さらに改変された。
上で言及される適切な低分子量ヘルパータンパク質は、ジスルフィドイソメラーゼである。特に好ましい実施態様ではヘルパータンパク質は、大腸菌(E.coli)のDsbCと表示されるタンパク質である(Bessetteら(1999))。
本発明に従って適切に使用できる大腸菌(E.coli)株は、野生型大腸菌(E.coli)株よりも還元性がより低い細胞内環境の特質を有する。このような大腸菌(E.coli)株の特定例は、グルタチオン還元酵素遺伝子およびチオレドキシン還元酵素遺伝子中に突然変異を有する大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)株である(Terpe(2006)[6])。機能性に発現されると、これらの遺伝子は細胞質中のジスルフィド結合形成と対抗する。したがってジスルフィド結合を含有するタンパク質の異種性発現は、今まで、それぞれグルタチオンおよびチオレドキシン還元酵素の活性排除を要すると見なされた
しかしPLE活性があるタンパク質の機能発現の増大には、突然変異の1つのみで十分であることが発見された。
意外にも適切なエステラーゼをコードする遺伝子は、エステラーゼタンパク質をコードして、ピチア(Pichia)に適応したコドン使用頻度を有するポリヌクレオチドである。
特に本発明は、機能性エステラーゼタンパク質をコードして、配列番号11のポリヌクレオチドと比較して、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%、少なくとも95%の同一性があるヌクレオチド配列を有し、配列番号12と少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする遺伝子に関する。
本発明の実施態様では、本発明は、配列番号11、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、または配列番号44のポリヌクレオチドと、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性のヌクレオチド配列を有し、それぞれ配列番号12、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43または配列番号45と、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする、エステラーゼ活性がある機能性タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
大量のタンパク質の生成は、とりわけ大規模発酵生産を受け入れやすい細菌や酵母のような微生物宿主中における、関心のあるタンパク質をコードする遺伝子の発現によって達成できる。細菌タンパク質発現系は、Terpe(2006)によって最近レビューされている。
本発明によれば、関心のあるタンパク質をコードするこのような遺伝子が、形質転換された大腸菌(E.coli)株中で発現される。異種の遺伝子による大腸菌(E.coli)の形質転換は、電気穿孔、熱ショック形質転換、または化学形質転換などのあらゆる適切な方法によって達成できる。
大腸菌(E.coli)の形質転換のためには、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子は、プラスミド、バクテリオファージまたはファージミドなどのベクターの一部であることができる。
本発明はまた、配列番号11、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、または配列番号44のポリヌクレオチドと、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性があるヌクレオチド配列を有して、それぞれ配列番号12、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43または配列番号45と、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも98%の同一性、より好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する、大腸菌(E.coli)中での複製および発現に適したベクターにも関する。
ベクターは、例えば所望の遺伝子配列の選択、複製、遺伝子制御転写(開始および終結)およびクローニングに適した、必要な機能要素を含有すべきである。
本発明に従った使用に適した、大腸菌(E.coli)株、ベクター、ベクター要素、形質移入法、形質移入生物の培養法、および所望ポリペプチドの収集および単離法の選択は、当業者には明らかであろう。
ブタ肝臓の抽出によって動物原料から得られる市販のブタ肝臓エステラーゼ(PLE)調製品は、合成有機化学において広く使用されている。
市販の酵素製剤は、おそらく異なる基質特異性がある、少なくともいくつかのPLEイソ酵素からなることが示されている。
市販のPLEは、エステル加水分解の幅広い基質特異性およびエナンチオ選択性を活用する、多様な生触媒の反応において使用される。
例えば国際公開第01/09079号パンフレットは、(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルの(R)−鏡像異性体を選択的に加水分解するための動物由来PLEの使用について述べている。
医薬品製造では、特にウィルスおよびプリオンによって引き起こされる感染疾患に対する懸念のために、非動物由来原料のみを使用することへの関心が高まっており、組み換えDNA技術を使用したエステラーゼの微生物生産は、この問題の解決策を提供できる。
PLEの主要(γ−)イソ酵素の同定および発現に関する利用できる情報(マツシマら(1991)[7]、Langeら(2001))に基づいて、ブタ肝臓からcDNAを調製しPLEγ−イソ酵素関連配列についてスクリーンした。この目的のために、PLEγ−イソ酵素関連タンパク質をコードするcDNA断片を認識するPCRプライマーがデザインされた。これらのいくつかのγ−PLE関連cDNA断片をDNA配列決定することで、予期されたように既知のγ−PLEをコードするDNA配列が検索されたが、それに加えて548個のアミノ酸の内21個で、成熟γ−PLEタンパク質とは異なる第2のPLEイソ酵素が同定された。この新しいPLEイソ酵素はAPLE(代替えブタ肝臓エステラーゼ:Alternative Pig Liver Esterase)と称された。
基質特異性に関するγ−PLEおよびAPLEイソ酵素双方の機能特性解析のために、Langeらによって述べられたのと同様のピチア・パストリス(Pichia pastoris)中での分泌タンパク質生成のためにデザインされた発現カセット中に、γ−PLEおよびAPLEの双方をコードするDNA配列を挿入した。後者の出版物とは対照的に、コードされるタンパク質中にC−末端アミノ酸配列HAELが存在する場合でさえ、双方のタンパク質の成功裏の発現が達成された。エステラーゼ活性は、α−ナフチル酢酸を使用した一般エステラーゼアッセイを使用して、活性判定によって同定された。
意外にもアミノ酸配列に95%を超える同一性を有しながら、5−ハロゲン−2−アルキルペント−4−エン酸エステルの加水分解に関して、γ−PLEおよびAPLE間で明白な差異が観察された。APLEはラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを非常に効率的に加水分解できたのに対し、γ−PLEはこの化合物を全く加水分解しなかった。さらにラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルの加水分解はR−鏡像異性体のみの選択的加水分解によることが示され、APLEは(2S,4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルに対して反応性を示さなかった。国際公開第01/09079号パンフレットで述べられているような動物由来PLEによる既知の5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルのエナンチオ選択的加水分解は、市販のブタ肝臓抽出物中に存在するマイナーなイソ酵素であるAPLEに起因できると結論づけることができた。
5−ハロゲン−2−アルキルペント−4−エン酸エステルをエナンチオ選択的に加水分解できる非動物由来エステラーゼ製剤の大規模生産のためには、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)ベースのAPLE発現レベルでは不十分である。したがって経済的生産のためには、工業規模の迅速で信頼できる生産が必要とされることを考慮して、代案のタンパク質生産システムが考察された。
PLEイソ酵素は構造的に非常に深く関連しており、タンパク質はその構造的な完全性および活性を保つために、分子内ジスルフィド結合を必要とすることが知られている。多数の魅力的な微生物タンパク質発現系は、本質的にピチア・パストリス(Pichia pastoris)について上述したように、タンパク質が細胞外環境を標的とする場合にジスルフィド結合のみを形成させる。ほとんどの細菌、とりわけ大腸菌(Escherichia coli)は、細胞内に還元性環境を保つが、細胞質中で発現されるタンパク質中でジスルフィド結合が形成ができる大腸菌(E.coli)の変異体について述べられており(Prinzら(1997))、様々な株が市販されている(大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)、ノバジェン(Novagen))。
Boettcherらはこのような大腸菌(大腸菌(E.coli))株を活用して、熱ショックタンパク質の過剰発現によるγ−PLEタンパク質の適切な折りたたみを確実にするために、追加的手段が取られるという条件で、γ−PLEを成功裏に生成できることを示した。これらの熱ショックタンパク質またはシャペロンは、折りたたみまたは再折りたたみヘルパーとして機能し、タンパク質がそれらの自然な高次構造を獲得するのを助ける。Boettcherら(2007)は、大量のシャペロンタンパク質の不在下では、活性γ−PLEの発現は観察されないと報告する。
意外にも大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)株中で、シャペロンタンパク質の同時の過剰発現を必要とせず、γ−PLEと比較すると548個のアミノ酸の内21個のみが異なるAPLEが、活性エステラーゼ酵素として生成でき、様々な過剰発現シャペロンの存在下においてさえ、APLE活性レベルへの影響は気付かれなかった。
さらにより意外には、(ブタ肝臓cDNAから単離されたままの)天然APLE遺伝子のコドン使用頻度を変更することで、大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)株中におけるAPLE発現に対する追加的増進が提供された。なおさらに意外には、特にピチア・パストリス(Pichia pastoris)遺伝子のセットと類似するようにコドン使用頻度を変更することが、大腸菌(E.coli)向けの「コドン最適化」を実施するよりも効率的であることが分かった(コドン表についてはhttp://www.kazusa.or.jp/を参照されたい)。この結果は、最適コドンが翻訳効率およびタンパク質生成レベルの増大を誘導するのでなく、むしろDNAおよび誘導されたメッセンジャーRNA配列が、活性APLEタンパク質を生じる折りたたみ効率に対して直接的効果を有することを示唆する。
活性APLE酵素生成のさらなる改善は、大腸菌(E.coli)内在性ジスルフィド結合イソメラーゼ(DsbC)を過剰発現することで達成された。Bessetteら(1999)によって既に示されたように、切断型のDsbCタンパク質を構築でき、このタンパク質の細胞内局在化がもたらされる。このような切断型DsbCタンパク質の発現を組み合わせることで、様々な組み換え大腸菌(E.coli)宿主によって発現されるAPLE活性にかなりの増大がもたらされる。
APLEの機能発現は、trxBおよびgor遺伝子双方の破壊によって引き起こされる大腸菌(E.coli)細胞中の完全な非還元性環境を絶対的に必要としなかった。活性APLEの発現は、大腸菌(E.coli)BL21 Star(完全な還元性環境!)中、およびその中で遺伝子trxBまたはgorの1つのみが不活性化された大腸菌(E.coli)株中において可能である。
最適APLE遺伝子であるC8Pの遺伝子構造が使用されて、様々なエステラーゼイソ型が構築され、単純で規模が拡大縮小できる工業的大腸菌(E.coli)発酵工程中におけるそれらの高レベル生成を可能にする。
A.ラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを基質として使用した、APLEまたはγ−PLE発現カセットで形質転換されたP.パストリス(Pichia pastoris)X−33株のプレートアッセイ。B.(2S,4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを基質として使用した、APLEまたはγ−PLE発現カセットで形質転換されたP.パストリス(Pichia pastoris)X33株のプレートアッセイ。 A.発現プラスミドpMS470_C8Pの機能マップ。B.発現プラスミドpMS470_dsbC_C8Pの機能マップ。 ラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを基質として、大腸菌(E.coli)BL21 Star株の無細胞抽出物をAPLE原料として使用したプレートアッセイ。 A:ラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを基質として使用したプレートアッセイ。シャペロンをコードするプラスミドpTf12の存在下における1.0.1mM IPTGで誘導された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8E]2.0.5mM IPTGで誘導された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8E]3.0.1mM IPTGで誘導された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8E]シャペロンをコードするプラスミドpTf12の存在下における4.0.1mM IPTGで誘導された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]3.0.1mM IPTGで誘導された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]B.ラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを基質として使用したプレートアッセイ。左側にはホールセル懸濁液の2μlのサンプルをプレートに塗布し、各サンプルの右側には1μlの1Mリン酸カリウム緩衝液(pH 8.0)を添加して、最も効率的な加水分解をハイライトした。英数字で番号付けされたドットは、次の意味を有する。A.大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)非形質転換株B.4℃で1ヶ月間保存された大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]C.大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]D.大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_dsbC_C8P]E.技術的PLE(市販のブタ肝臓エステラーゼ、Boehringer) A.クーマシー染色されたSDS−PAGE1=技術的PLE2=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)非形質転換株3=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]4=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_dsbC_C8P]5=PageRuler着色タンパク質標準B.PLEに対するポリクローナル抗体を使用したウエスタンブロット1=技術的PLE2=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)非形質転換株3=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_C8P]4=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)[pMS470_dsbC_C8P] メチルコハク酸ジメチルを基質として使用した様々なエステラーゼ遺伝子コンストラクトの定性的プレートアッセイ(γ−PLEおよびAPLEの双方がこの基質に対して反応性である)1=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_γ−PLE](天然γ−PLE)2=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE](天然APLE)3=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE−C8A](APLE C8A遺伝子)4=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE−C8CpO](APLE C8CpO遺伝子)5=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE−C8P](APLE C8P遺伝子)6=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE−C8E2](APLE C8E2遺伝子)7=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_γ−PLE−C8P](γ−PLE C8A遺伝子)8=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_APLE−C8E](APLE C8E遺伝子)9=大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)B[pMS470_dsbC_BosTaurus](ウシγ−PLE様遺伝子)10=負の対照
[実施例]
[実施例1]
[mRNA単離およびcDNA合成;代替えブタ肝臓エステラーゼ(APLE)同定]
地元の屠殺場から得た0.7gの新鮮なブタ肝臓を液体窒素中で凍結し、乳鉢と乳棒を使用して均質化した。米国カールズバッドのインビトロジェン(Invitrogen(Carlsbad,USA))からのファストトラック(Fast Track)(登録商標)2.0 mRNA単離キットを使用して、製造業者の使用説明書に従ってホモジェネートからmRNAを抽出した。抽出プロトコルから13μgのmRNAが生じた。米国カールズバッドのインビトロジェンからのRT−PCR用スーパースクリプト(SuperScript)TMIII ファーストストランド合成システム(First−Strand Synthesis System)を使用し、製造業者の使用説明書に従ったcDNA合成のためのテンプレートとして0.26μgのmRNAを使用した。
マツシマらによって述べられている遺伝子(Genbank登録番号X63323;配列番号1)と関係しているブタ肝臓エステラーゼ/アミダーゼ配列を増幅するようにデザインされた、特異的プライマーfw−PLEおよびrv−PLEを使用したPCR反応におけるテンプレートとして、得られたcDNAを使用した。クローニング目的のために、


にEcoRI制限部位(Italics)を導入した。既知のブタ肝臓エステラーゼ/アミダーゼ配列と相同的な配列に下線を引いた。
フィンランド国エスポー(Espoo,Finland)のFinnzymesからの1UのPhusion DNAポリメラーゼを使用し、テンプレートとして500ngのcDNA、各20μmolの順方向および逆方向プライマーを用いて、Phusion High−Fidelity DNAポリメラーゼマニュアル(Finnzymes)に従って増幅を実施した。PCR条件:98℃で30秒間の変性と、それに続く増幅のための30サイクル(98℃で10秒間、68℃で20秒間、72℃で1分間)、および全長増幅産物を確実にする72℃で8分間の最終インキュベーション。
得られた1.7kbpのDNA断片をドイツ国ヒルデンのキアゲン(QIAGEN(Hilden,Germany))からのQIAquickゲル抽出キットを使用して浄化し、EcoRI制限エンドヌクレアーゼを使用して消化し、米国カールズバッドのインビトロジェンからのプラスミドベクターpHILZおよびpHIL−D2中に挿入し、エレクトロコンピテント大腸菌(E.coli)TOP10細胞に形質転換した。
無作為に選択された形質転換体からのプラスミドDNAのDNA配列決定からは、2つの異なるDNA断片が明らかにされ、その1つはマツシマらによって述べられている遺伝子と完全に同じであり、それはまた後にBoettcherらによってγ−PLEをコードする遺伝子と同定された。第2の断片は配列番号5のヌクレオチド配列を有し、成熟タンパク質配列の548個のアミノ酸の内21個がγ−PLEとは異なるタンパク質(APLE;配列番号6)をコードした。
[実施例2]
[APLEの機能発現およびAPLE活性の特性決定]
米国カールズバッドのインビトロジェンからのベクターpPICZα中に存在するα−接合因子分泌シグナル配列との融合によって、γ−PLEおよびAPLE遺伝子の双方をピチア・パストリス(Pichia pastoris)中での分泌発現に適応させた。
α−接合因子分泌シグナル配列およびγ−PLEおよびAPLE遺伝子を最初に別々に増幅した。
プライマー、


を使用したPCR1:α−接合因子分泌シグナル配列。
プライマー、


を使用したPCR2(γ−PLE)およびPCR3(APLE)。
クローニングのためのEcoRI制限部位をイタリックで表す一方、テンプレートと相同的な配列に下線を引いた。
全反応のPCR条件:2ngのテンプレートDNA、各0.5μMのプライマー、0.2mMのdNTP、1×Phusion HF緩衝液、および1UのPhusion DNA−ポリメラーゼが入った50μlの反応混合物、Phusion High−Fidelity DNAポリメラーゼマニュアル(Finnzymes)に準拠、85℃で3分間の変性、30サイクル(95℃で30秒間、57℃で30秒間、72℃で15秒間)中の増幅、および72℃で7分間の最終インキュベーション。
α−接合因子分泌シグナル増幅(PCR1)のためのテンプレートはプラスミドpPICZαであり、γ−PLEおよびAPLE遺伝子増幅のためのテンプレート(それぞれPCR2およびPCR3)は、実施例1で述べられているpHILZベクター中のcDNAであった。
引き続いて、得られた別々の断片をα−接合因子断片と各ブタ肝臓エステラーゼ遺伝子間の融合反応中で、次のように組み合わせた:α−接合因子断片(PCR1)+γ−PLE断片(PCR2);α−接合因子断片(PCR1)+APLE断片(PCR3)。
それぞれPCR1およびPCR2またはPCR3から各3μl、0.2mMのdNTPs、1×Phusion HF緩衝液、および1UのPhusion DNA−ポリメラーゼが入った総容積45μl中で反応を開始させた。95℃で3分間と、それに続いて95℃で30秒間および72℃で45秒間を10サイクル。引き続いてプライマーfw−αおよびrv−PLEを0.5μMの最終濃度に添加して、95℃で3分間の変性、30サイクル(95℃で30秒間、57℃で30秒間、72℃で15秒間)中での増幅、および72℃で7分間の最終インキュベーションによって全長産物増幅を達成した。
得られた断片をドイツ国ヒルデンのキアゲンからのQIAquick PCR精製キットを使用して精製し、米国カールズバッドのインビトロジェンからのベクターpGAPZA中に挿入されたEcoRIでの消化後にプラスミドpGAPZA_γ−PLEおよびpGAPZA_APLEを得た。
プラスミドpGAPZA_γ−PLEおよびpGAPZA_APLEのDNAは、米国カールズバッドのインビトロジェンからのピチア(Pichia)発現キットマニュアルに従って直線化し、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)X−33に導入した。形質転換体は100mg/lのゼオシンを含有するYPD−寒天上で選択された。
pGAPZA_γ−PLEおよびpGAPZA_APLEを保有するピチア・パストリス(Pichia pastoris)形質転換体を100mg/lセオジンを添加したYPD寒天上に画線培養して、30℃で48時間成育させた。次に細胞物質を英国マディソンのワットマン・インターナショナル(Whatman International Ltd.(Maidstone,Great Britain))からのワットマン(Whatman)グレード541無灰硬質70mm径濾紙に載せて乾燥させた。次に濾紙をシグマ(Sigma)からの6mgのα−ナフチル酢酸(500μlのアセトンに溶解させた)、シグマからの2.5mgのファストブルーBN塩(Fast Blue Salt BN)(125μlの水に溶解させた)、および5mlの0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)の混合物に浸してインキュベートし、着色産物をもたらすα−ナフチル酢酸の加水分解によってエステラーゼ活性を可視化した。γ−PLEおよびAPLE発現カセットで形質転換された全てのピチア・パストリス(Pichia pastoris)株は、非形質転換ピチア・パストリス(Pichia pastoris)X−33親株と比較するとエステラーゼ活性の増大を示した。
一般エステラーゼアッセイについて述べられているのと類似した構成を開発して、5−ハロゲン−2−アルキルペント−4−エン酸エステルに対するγ−PLEおよびAPLEの活性を判定した。ここでは濾紙を14mMリン酸カリウム緩衝液(pH 8.0)、オーストリア国リンツのDSM Fine Chemicals Austria Nfg GmbH & Co KGからの10%(v/v)ラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステル、日本国東京の花王からの1%(v/v)エマルゲン(Emulgen)913洗剤、2mg/mlのフェノールレッドからなるアッセイ混合物に浸した。酵素活性は、(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルの加水分解および付随する酸性基の遊離によって引き起こされる、赤色(塩基性および中性pH)から黄色(酸性pH)への変色によって表示された。
図1Aに示すように、APLEのみが陽性シグナルを与え、この酵素がラセミ(4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを加水分解できることが示唆され、γ−PLEはこの基質を検出可能な程度には加水分解しなかった。より重要なことには、APLE酵素は(2R,4E)−5−クロロ−2−イソプロピルペント−4−エン酸メチルエステルを選択的に加水分解すると結論できる。基質のS−鏡像異性体のみが濾紙に塗布されたプレートアッセイでは、S−形態の加水分解は検出できなかった(図1B)。
[実施例3]
[合成APLE遺伝子のデザイン]
APLEをコードする遺伝子(配列番号5)に由来する成熟APLE(配列番号6)のアミノ酸配列に基づいて、コドン使用頻度の改変があり天然の分泌シグナル配列を欠く合成遺伝子をデザインして、化学的に合成した(供給元:米国メンロパークのDNA2.0)。合成APLE遺伝子変異型C8P(配列番号11)、C8A(配列番号13)、C8CpO(配列番号14)、およびC8E(配列番号15)は全て、必要とされる翻訳開始コドンとして追加的N−末端メチオニンがある成熟APLEタンパク質をコードする(配列番号12)。
大腸菌(E.coli)中での発現研究のために、プラスミドpMS470中に合成APLE遺伝子を挿入した(Balzerら(1992)[8])。PCR増幅(条件については実施例1を参照されたい)を使用して、以下のプライマーを使用してNdeI制限部位(ATG開始コドンを含む)を5’末端に、HindIII制限部位を3’末端にそれぞれ付加した。
遺伝子APLE C8Pのためには、以下のPCRプライマーがデザインされた。


遺伝子APLE C8Aのためには、以下のPCRプライマーがデザインされた。


遺伝子APLEC8CpOのためには、以下のPCRプライマーがデザインされた。


遺伝子APLEC8Eのためには、以下のPCRプライマーがデザインされた。


クローニングのためのNdeIおよびHindIII制限部位は斜体で表し、遺伝子テンプレートと相同的な配列には下線を引いた。
得られた断片をNdeI/HindIII消化pMS470中に挿入し、プラスミドpMS470_C8P、pMS470_C8A、pMS470_C8CpO、およびpMS470_C8Eを作り出した。プラスミドpMS470_C8Pのマップを図2Aに示す。
APLEおよびγ−PLEの天然配列は、実施例1で述べられているようにしてブタ肝臓からcDNAとして得た。以下のプライマーを使用してこれらの天然遺伝子を増幅し、大腸菌(E.coli)発現ベクターに導入した。


クローニングのためのNdeIおよびHindIII制限部位は斜体で表し、遺伝子テンプレートと相同的な配列には下線を引いた。
これらの天然遺伝子は内部HindIII制限部位を有するので、二段階ライゲーションが必要であり、最初にNdeIおよびHindIIIがあるより長い断片をpMS470中に挿入し、引き続いて3’HindIII断片を付加することで各遺伝子を完成させ、最終発現ベクターpMS470_γ−PLEおよびpMS470_APLEをそれぞれ得た。
[実施例4]
[APLE発現ベクターの適切な大腸菌(E.coli)宿主への形質転換:大腸菌(E.coli)中におけるAPLEの機能発現]
大腸菌(E.coli)中でのエステラーゼ発現を分析するため、活性分析用細胞の培養および調製のために以下の手順を使用した。
プレートアッセイでは、100μg/ml l アンピシリンおよび0.1mM IPTGを含有するLB−寒天プレート上に、様々な発現プラスミドを保有する大腸菌(E.coli)株を画線培養して37℃で16時間インキュベートした。
液体培養アッセイのため、それぞれの発現プラスミドを保有する大腸菌(E.coli)株を100μg/mlのアンピシリンを添加した5mlのルリア・ベルターニ(LB)ブロスに接種して、絶え間なく振盪しながら28℃で16時間インキュベートした。次にこの培養物を使用し、1L邪魔板付き振盪フラスコ内で100μg/mlのアンピシリンを添加した250mlのLBブロスに接種した。培養物が600nmで0.6〜0.8の光学濃度に達したら、0.1mMの最終濃度にIPTGを添加して遺伝子発現を誘導した。28℃で16〜20時間のインキュベーション後に細胞を収集した。
プレートアッセイ:寒天プレート上で成育させた細胞のアッセイについては、様々なエステラーゼ基質を用いて実施例2で述べられている。
液体大腸菌(E.coli)培養物の活性分析:5mMのp−ニトロフェニル酢酸を基質として用いて、MOPS緩衝液(100mM)中の細胞懸濁液のエステラーゼ活性を定量的に判定した。放出されたp−ニトロフェノールの量を分光光度法によって405nmで判定した。1単位(U)のエステラーゼ活性は、試験条件(pH7.5、37℃)下で1分あたり1ミクロモルのp−ニトロフェノールを遊離させる酵素量と定義される。
異なるAPLEをコードする遺伝子のための発現カセットを様々な大腸菌(E.coli)株に形質転換した。大腸菌(E.coli)BL21株のような普通遺伝子発現株、および正確な折りたたみと酵素活性のために分子内ジスルフィド結合を要するタンパク質の機能性細胞内発現を可能にする特異的に改変された大腸菌(E.coli)株(Prinzら、Bessetteら)の双方を発現宿主株として使用した。この目的で、特に、ノバジェンから市販されるオリガミ(Origami)ファミリーの大腸菌(E.coli)株である、オリガミ(Origami)1、オリガミ(Origami)2、およびオリガミ(Origami)Bを使用した。
APLE(配列番号12)の機能発現が標準発現株大腸菌(E.coli)BL21 Star(図3)中で観察されたが、活性は大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)株の使用によって得られた活性をはるかに下回った。
大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)株をそれぞれの発現ベクターで形質転換し、選択された形質転換体を引き続いて、基質特異的アッセイプレート上への播種または振盪フラスコ培養のどちらかによって、エステラーゼ発現について評価した。
いくつかのAPLE遺伝子変異型の発現レベルを図4Aおよび表1に要約する。遺伝子C8Eは天然PLE遺伝子と比較してマイナーな変化のみを有する。図4AはC8EおよびC8Pの発現の差をそれ自体として、およびシャペロンpTf16の存在下で示す。プレートでの結果は、表1に示す振盪フラスコでの結果によって確認される。

一連の実験を実施して、様々な熱ショックシャペロンの同時発現がAPLE発現に貢献するかどうかを評価した。結果(表2に要約される)は、熱ショックタンパク質/シャペロン発現がAPLE生成に顕著に影響しないことを示す。

[実施例5]
[DsbCの添加を通じたAPLE発現の増大]
同時発現される熱ショックタンパク質の影響が観察されないということで、大腸菌(E.coli)内在性ジスルフィド−イソメラーゼ遺伝子dsbCの過剰発現(Bessetteら)のようなその他の補助因子が、大腸菌(E.coli)中におけるAPLE発現に影響するかどうかを調査した。
フィンランド国エスポーのFinnzymesからのPhusionTMHigh−Fidelity DNAポリメラーゼを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、Phusion HF−緩衝液および以下の条件を使用して、大腸菌(E.coli)Top10F’染色体DNAをテンプレートとして使用して、大腸菌(E.coli)dsbC遺伝子の切断型を増幅した(天然DsbCタンパク質はぺリプラズムに分泌され、切断型DsbCタンパク質は細胞内区画に留まった)。95℃で5分間の変性、30サイクル(98℃で10秒間、66℃で30秒間、72℃で30秒間)中での増幅、および72℃で8分間の最終インキュベーション。使用されたプライマーは、切断型DsbCコード配列の前にシャイン・ダルガノ配列を含むようにデザインされた。

PCR産物をBamHIで消化し、APLE発現プラスミドpMS470_C8PのBamHI制限部位中に挿入した。DsbCおよびC8Pは、49bpによって隔てられる。コンストラクトを配列決定により確認した。コンストラクトはpMS470_dsbC_C8Pと命名され、APLEの発現を大幅に改善した(プレートアッセイについては図4および表3を参照されたい)。プラスミドpMS470_dsbC_C8Pの機能マップは図2Bに示される。

観察されたエステラーゼ活性が、APLEをコードする遺伝子の機能発現に実際に起因することを確認するために、ウエスタンブロット実験を実施した。発酵後に、大腸菌(E.coli)細胞を5.000gで10分間遠心分離した。得られたペレットを4容積の20mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に再懸濁し、2〜2.5μlの細胞懸濁液を17.5〜18μlのSDS装入緩衝液と合わせ、95℃で10〜15分間加熱した12.5%SDS−PAGEゲルにロードした。APLEは、英国ケンブリッジのabcamからの抗ブタ肝臓エステラーゼーウサギポリクローナル抗体を一次抗体として、米国セントルイスのLeinco Technologies Inc.からのアルカリホスファターゼに抱合されたヤギ−抗ウサギポリクローナル抗体を二次抗体として使用して、ウエスタンブロット分析によって検出された。ウエスタンブロット検出は、G:Box HR(英国ケンブリッジのSyngene)中のLumi−PhosTMWB Chemiluminescent Substrate(AP)(米国ロックフォードのPierce)および化学発光検出によって、または米国ラホーヤのCALBIOCHEMからのBCIP/NBT検出溶液およびスウェーデン国ウプサラからのアマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences(Uppsala,Sweden))からのニトロセルロース膜(Hybond−ECLTM)の直接染色によって行われた。
図5はクーマシー染色されたSDS−PAGEゲル(図5A)およびウエスタンブロット実験の結果(図5B)を示し、タンパク質発現レベルが活性の差に対応することが示唆される。図5Aはまた、切断型DsbCが非常に良好に発現されることも示す。
[実施例6]
[新しい大腸菌(E.coli)宿主株の調製およびこれらの宿主のAPLE産生特性の分析]
大腸菌(E.coli)株RV308(ATCC31608)から出発して、大腸菌(Escherichia coli)K12株RV308 ΔtrxB;Δgorを構築した。Prinzらによって述べられているのと同様に、細胞内ジスルフィド還元に関与する2つの遺伝子を不活性化した。それぞれチオレドキシン還元酵素およびグルタチオンオキシド還元酵素をコードするこれらの2つの遺伝子trxBおよびgorは、Datsenkoら(2000)[9]で述べられている手順に従って、部位特異的遺伝子組み換えを使用した欠失を通じて不活性化された。
この改変の最初の結果は、大腸菌(E.coli)株が還元剤の存在下を除いてもはや好気的に成長できないことであるが、還元剤不在下における好気性成長を復元するサプレッサー突然変異は容易に選択される。これらの特性および表現型変化については異なるアプローチを使用して、その中で遺伝子trxBおよびgorが不活性化された大腸菌(E.coli)株中で、以前に述べられている。
詳細:欠失カセットは、以下のプライマーおよびプラスミドpKD3をテンプレートとして使用してPCRによって得られた。
この反応への


の適用は、遺伝子trxBの欠失カセットをもたらす。
この反応への


の適用は、遺伝子gorの欠失カセットをもたらす。
プラスミドpKD46を既に含有する大腸菌(E.coli)RV308株にtrxBおよびgor欠失カセットを別々に形質転換し、抗生物質クロラムフェニコールに対するそれらの獲得抵抗性に基づいて、成功した形質転換体を選択した。trxB遺伝子またはgor遺伝子のそれぞれの欠失カセットによる正確な交換は、PCR対照およびサザンブロット法によって確認された。引き続いてFLPリコンビナーゼ酵素をコードするプラスミドpCP20での形質転換によって、クロラムフェニコール抵抗性遺伝子を除去した[参考文献6]。PCRおよびサザンブロット法を使用して、得られた大腸菌(E.coli)株RV308 ΔtrxBをtrxBの完全欠失について再度チェックした。同様に大腸菌(E.coli)株RV308中のgor遺伝子の完全欠失を確認した。
株大腸菌(E.coli)株RV308 ΔtrxBから出発して、全く同じセットの反応を実行して、遺伝子gorの完全欠失を実施した。この2回目の修正の最初の結果は、Prinzらによって述べられているように、trxBおよびgorの双方を欠失しているこの大腸菌(E.coli)RV308株が還元剤の存在下を除いてもはや好気的に成長できないことであるので、gor欠失も有すると想定される大腸菌(E.coli)株の成育は還元剤DTTの存在下で行った。最後に、好気性成長のためにDTTの存在にもはや依存しない自発性RV308ΔtrxB;Δgor突然変異体を選択できた。
大腸菌(E.coli)株RV308 ΔtrxB;Δgorおよび単一還元酵素欠失のみによる間性株の形質転換を選択されたAPLE発現プラスミドによって形質転換し、APLE産生について振盪フラスコ内で評価した(表4)。

[実施例7]
ブタ肝臓エステラーゼタンパク質の様々な天然のイソ型をコードする追加的合成遺伝子を化学的に合成した。新しいエステラーゼタンパク質生成のために、ウシγ−PLE様遺伝子を合成した。
既知のPLEエステラーゼsγ−PLEおよびPICEをコードするその他の新しい遺伝子;またAPLEとγ−PLEイソ型の間のハイブリッドがデザインされた。後者のセットの一般的な特徴は、全てがAPLEC8Pテンプレートをベースとすることである。APLE C8Pから出発して、イソ型またはハイブリッドタンパク質を得るために必要なコドンのみが変更された。
遺伝子はそれらがコードするタンパク質と共に、次によって表される。天然イソ型:新規仮説的ウシγ−PLE様遺伝子(配列番号32)、C8Pがコードする天然エステラーゼ:C8P−γ−PLE(配列番号34)およびC8P−PICE(配列番号36)。C8Pがコードするハイブリッドエステラーゼ:C8P−H1(配列番号38)、C8P−H2(配列番号40)、C8P−H3(配列番号42)、およびC8P−H4(配列番号44)。
全ての配列を図2B(pMS470_dsbC_APLE)の大腸菌(E.coli)発現ベクター中に挿入して、C8P遺伝子を効果的に置き換えた。
メチルコハク酸ジメチルを基質として使用した定性的プレートアッセイ(実施例2参照)の結果、デザインされた各遺伝子が活性エステラーゼをコードすることが確認される(図6)。しかしメチルコハク酸ジメチルに対する酵素変異型の比活性は未知であるため、このプレートアッセイから定量的な結論づけはできない。
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Claims (7)

  1. エステラーゼ活性があるタンパク質を調製する方法であって、そのようなタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌(E.coli)株中で発現するステップを含んでなり、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする前記遺伝子が、配列番号11のポリヌクレオチドと、少なくとも90%の同一性を有して、配列番号12と、少なくとも98%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられ、発現がプラスミドからのGroELおよび/またはGroESの同時発現なしに起きる、方法。
  2. 遺伝子が、配列番号12と少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする、請求項1に記載の方法。
  3. エステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株であって、前記組み換え大腸菌(E.coli)株が、エステラーゼ活性があるタンパク質をコードする遺伝子を含有し、前記遺伝子が、配列番号11のポリヌクレオチドと、少なくとも90%の同一性を有して、配列番号12と、少なくとも98%の同一性を有するタンパク質をコードすることで特徴づけられ、発現がプラスミドからのGroELおよび/またはGroESの同時発現なしに起きる、組み換え大腸菌(E.coli)株。
  4. グルタチオン還元酵素および/またはチオレドキシン還元酵素を発現できないことで特徴づけられる、請求項3に記載のエステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株。
  5. グルタチオン還元酵素およびチオレドキシン還元酵素の双方を発現できないことで特徴づけられる、請求項3に記載のエステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株。
  6. グルタチオン還元酵素および/またはチオレドキシン還元酵素発現が突然変異によって消滅されることで特徴づけられる、請求項3に記載のエステラーゼ活性があるタンパク質の調製に適した組み換え大腸菌(E.coli)株。
  7. 大腸菌(E.coli)オリガミ(Origami)1、オリガミ(Origami)2またはオリガミ(Origami)B株から得られる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の組み換え大腸菌(E.coli)株。
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