JP2023544408A - 操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体酵素 - Google Patents

操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体酵素 Download PDF

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ジョヴァナ ネイザー,
ナンディタ スブラマニアン,
オスカー アルビゾ,
アンナ フリシュコフスカ,
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Abstract

本発明は、操作されたガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)酵素、GOアーゼ活性を有するポリペプチド、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含むベクターおよび宿主細胞を提供する。GOアーゼ酵素を産生する方法も提供される。本発明は、GOアーゼ酵素を含む組成物、および操作されたGOアーゼ酵素を使用する方法を、さらに提供する。本発明は、医薬化合物および他の化合物の産生に特に使用される。

Description

本願は、2020年10月6日に出願された米国仮特許出願第63/087,971号に基づく優先権を主張するものであり、前記仮出願は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、操作されたガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)酵素、GOアーゼ活性を有するポリペプチド、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含むベクターおよび宿主細胞を提供する。GOアーゼ酵素を産生する方法も提供される。本発明は、GOアーゼ酵素を含む組成物、および操作されたGOアーゼ酵素を使用する方法を、さらに提供する。本発明は、医薬化合物および他の化合物の産生に特に使用される。
配列表、表またはコンピュータプログラムへの言及
配列表の公式コピーは、ファイル名が「CX2-208WO1_ST25.txt」であり、作成日が2021年9月30日であり、サイズが1.26MBである、ASCII形式のテキストファイルとして、本明細書と同時にEFS-Webを経由で提出されている。EFS-Web経由で出願したこの配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
アルコールのアルデヒドへの酸化は、合成有機化学で必要とされる肝要な変換である。このタイプの反応を行うことができるいくつかの化学試薬があるが、これらの方法の使用にはいくつかの欠点が伴う。化学的酸化経路は、使用の際に非標的反応基の保護を必要とする非化学選択的方法である。これらの酸化方法は、一部の化学試薬が標的アルコールを過度に酸化し得るので、酸化状態に関して制御することが難しい。加えて、酸化条件下で実行される反応は、爆発、職員への深刻な身体的危害および資産への深刻な物理的損害を招くこともある、危険な状態をもたらす。酸化試薬は、環境に有害である反応性種、およびそれらの副産物である。したがって、選択的酸化化学を遂行することができ、その上、これらの深刻な欠点を低減させるまたは排除することができる、制御された薬剤の生産が、当技術分野において依然として必要とされている。
発明の要旨
本発明は、操作されたガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)酵素、対応するアルデヒドを生じさせる結果となるエナンチオ選択的様式での第一級アルコールに対する穏やかな酸化活性を有するポリペプチド、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含むベクターおよび宿主細胞を提供する。GOアーゼ酵素を産生する方法も提供される。本発明は、GOアーゼ酵素を含む組成物、および操作されたGOアーゼ酵素を使用する方法を、さらに提供する。本発明は、医薬化合物および他の化合物の産生に特に使用される。
本発明は、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列またはその機能的断片を含む操作されたガラクトースオキシダーゼを提供する。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、ポリペプチド配列に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262を基準にして番号が付けられている。操作されたガラクトースオキシダーゼについての一部の追加の実施形態では、ポリペプチド配列は、配列番号4に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、19/547/564、47、111、196、196/327、196/408/462、196/442、196/442/462/583、218、292、329、407、408、および442から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号4を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、19F/547N/564G、47T、111E、196Q、196R、196R/327L、196R/408N/462A、196R/442Y、196R/442Y/462A/583S、218T、218V、292R、329W、407G、408N、および442Yから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号4を基準にして番号が付けられている。一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、C19F/I547N/W564G、N47T、T111E、E196Q、E196R、E196R/R327L、E196R/D408N/G462A、E196R/F442Y、E196R/F442Y/G462A/T583S、R218T、R218V、S292R、L329W、Q407G、D408N、およびF442Yから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号4を基準にして番号が付けられている。
一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号6に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、291、407、437、および437/486から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号6を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、291F、407E、407S、437N、および437N/486Vから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号6を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、Y291F、Q407E、Q407S、L437N、およびL437N/K486Vから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号6を基準にして番号が付けられている。
一部のさらなる実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号38に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、8/29/192/196/274/295, 8/63/224/274/291/295/296、8/173/192/224/291/295/296、8/274/291/295、29/56/192/197/219/224/291/295/296、43/192/274/291/296、56/274/291、56/274/295、63/173/192/274、63/192/295、63/291/295、111/462、173/291、197/220/426、220/295、220/375/426、220/426/567、243/274/291/295/637、291、291/408/437、291/408/462、291/429、291/437、291/437/462、291/462、297/462、408/462、437/462、438、および462から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号38を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、8S/29N/192N/196E/274Q/295V、8S/63T/224K/274Q/291F/295V/296F、8S/173A/192N/224K/291F/295V/296F、8S/274Q/291F/295V、29N/56Y/192N/197R/219V/224K/291F/295V/296F、43F/192N/274Q/291F/296F、56Y/274Q/291F、56Y/274Q/295V、63T/173A/192N/274Q、63T/192N/295V、63T/291F/295V、111S/462A、173A/291F、197G/220V/426L、220V/295R、220V/375N/426L、220V/426L/567S、243T/274Q/291F/295V/637R、291F、291F/408N/437N、291F/408N/462A、291F/429I、291F/437N、291F/437N/462A、291F/462A、297L/462A、408N/462A、437N/462A、438A、および462Aから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号38を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、V8S/I29N/Q192N/R196E/N274Q/Q295V、V8S/V63T/G224K/N274Q/Y291F/Q295V/V296F、V8S/S173A/Q192N/G224K/Y291F/Q295V/V296F、V8S/N274Q/Y291F/Q295V、I29N/I56Y/Q192N/D197R/T219V/G224K/Y291F/Q295V/V296F、Q43F/Q192N/N274Q/Y291F/V296F、I56Y/N274Q/Y291F、I56Y/N274Q/Q295V、V63T/S173A/Q192N/N274Q、V63T/Q192N/Q295V、V63T/Y291F/Q295V、T111S/G462A、S173A/Y291F、D197G/S220V/S426L、S220V/Q295R、S220V/D375N/S426L、S220V/S426L/M567S、S243T/N274Q/Y291F/Q295V/N637R、Y291F、Y291F/D408N/L437N、Y291F/D408N/G462A、Y291F/T429I、Y291F/L437N、Y291F/L437N/G462A、Y291F/G462A、E297L/G462A、D408N/G462A、L437N/G462A、F438A、およびG462Aから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号38を基準にして番号が付けられている。
さらに一部のさらなる実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号50に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、24/52/311/550、46/158/192/217/297/556、46/158/192/367/375/556、46/192、46/192/217/274/556、46/192/274/304/367/637、46/192/274/437/556、46/192/304/367、46/192/367/408、46/192/367/556、46/192/375/437、46/274/367/375/437/637、46/297/304/367/437/637、158/192/217/556、158/192/274/304、158/192/274/437/556、158/192/274/556、158/192/304/408/556/637、158/192/367/375、158/192/367/556、158/192/408/556、158/637、192、192/217/295/297/367/556、192/217/367/375/556、192/217/556、192/274、192/274/304/426、192/274/367/556、192/274/367/637、192/274/375、192/295、192/295/304、192/295/367/375、192/297/367/644、192/297/437、192/304、192/304/365/437、192/304/367、192/304/637、192/367、192/367/375/556、192/367/408/426/437/556、192/437/556、192/637、217/304/437、274/304/367/426/556、304/426/556、311/343/550、367、367/556、375、426、437、および550から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号50を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、24E/52L/311A/550V、46A/158E/192N/217E/297L/556K、46A/158E/192N/367L/375N/556K、46A/192N、46A/192N/217E/274Q/556K、46A/192N/304E/367L、46A/192N/367L/556K、46A/274Q/367L/375N/437N/637R、46A/297L/304E/367L/437N/637R、46T/192N、46T/192N/274Q/304E/367L/637R、46T/192N/274Q/437N/556K、46T/192N/274Q/437Y/556K、46T/192N/367L/408N、46T/192N/375N/437N、158E/192N/217E/556K、158E/192N/274Q/304E、158E/192N/274Q/437N/556K、158E/192N/274Q/556K、158E/192N/304E/408N/556K/637R、158E/192N/367L/375N、158E/192N/367L/556K、158E/192N/408N/556K、158E/637R、192N、192N/217E/295V/297L/367L/556K、192N/217E/367L/375N/556K、192N/217E/556K、192N/274Q、192N/274Q/304E/426L、192N/274Q/367L/556K、192N/274Q/367L/637R、192N/274Q/375N、192N/295V、192N/295V/304E、192N/295V/367L/375N、192N/297L/367L/644S、192N/297L/437N、192N/304E、192N/304E/365G/437N、192N/304E/367L、192N/304E/637R、192N/367L、192N/367L/375N/556K、192N/367L/408N/426L/437Y/556K、192N/437N/556K、192N/637R、217E/304E/437N、274Q/304E/367L/426L/556K、304E/426L/556K、311A/343E/550L、367L、367L/556K、375N、426L、437Y、および550Lから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号50を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、S24E/P52L/T311A/T550V、V46A/G158E/Q192N/D217E/E297L/V556K、V46A/G158E/Q192N/K367L/D375N/V556K、V46A/Q192N、V46A/Q192N/D217E/N274Q/V556K、V46A/Q192N/S304E/K367L、V46A/Q192N/K367L/V556K、V46A/N274Q/K367L/D375N/L437N/N637R、V46A/E297L/S304E/K367L/L437N/N637R、V46T/Q192N、V46T/Q192N/N274Q/S304E/K367L/N637R、V46T/Q192N/N274Q/L437N/V556K、V46T/Q192N/N274Q/L437Y/V556K、V46T/Q192N/K367L/D408N、V46T/Q192N/D375N/L437N、G158E/Q192N/D217E/V556K、G158E/Q192N/N274Q/S304E、G158E/Q192N/N274Q/L437N/V556K、G158E/Q192N/N274Q/V556K、G158E/Q192N/S304E/D408N/V556K/N637R、G158E/Q192N/K367L/D375N、G158E/Q192N/K367L/V556K、G158E/Q192N/D408N/V556K、G158E/N637R、Q192N、Q192N/D217E/Q295V/E297L/K367L/V556K、Q192N/D217E/K367L/D375N/V556K、Q192N/D217E/V556K、Q192N/N274Q、Q192N/N274Q/S304E/S426L、Q192N/N274Q/K367L/V556K、Q192N/N274Q/K367L/N637R、Q192N/N274Q/D375N、Q192N/Q295V、Q192N/Q295V/S304E、Q192N/Q295V/K367L/D375N、Q192N/E297L/K367L/G644S、Q192N/E297L/L437N、Q192N/S304E、Q192N/S304E/D365G/L437N、Q192N/S304E/K367L、Q192N/S304E/N637R、Q192N/K367L、Q192N/K367L/D375N/V556K、Q192N/K367L/D408N/S426L/L437Y/V556K、Q192N/L437N/V556K、Q192N/N637R、D217E/S304E/L437N、N274Q/S304E/K367L/S426L/V556K、S304E/S426L/V556K、T311A/K343E/T550L、K367L、K367L/V556K、D375N、S426L、L437Y、およびT550Lから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号50を基準にして番号が付けられている。
一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号114に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、161/564、221、263、296、308、361、373、481/597、518、537、553、564、570、および596から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号114を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、161C/564S、221E、221S、263E、263V、296A、308G、361T、373R、481R/597S、518T、537V、553S、553T、564R、570R、596R、および596Vから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号114を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、R161C/W564S、T221E、T221S、P263E、P263V、V296A、K308G、S361T、Q373R、Q481R/N597S、D518T、S537V、Q553S、Q553T、W564R、S570R、T596R、およびT596Vから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号114を基準にして番号が付けられている。
一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号226に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、24/47/382/408/570、24/79/308/367、24/250/308/596、24/250/408/568/570、24/308/309、24/309/408/570、24/367/408/596、24/367/570、24/596、69、250、250/570、309、443、および570から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号226を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、24D/47G/382S/408E/570T、24D/79T/308G/367L、24D/250V/308G/596V、24D/250V/408E/568Q/570T、24D/308G/309M、24D/309M/408E/570T、24D/367L/408E/596V、24D/367L/570T、24D/596V、69I、250V、250V/570T、309M、443S、および570Tから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号226を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、S24D/N47G/A382S/D408E/S570T、S24D/Q79T/K308G/K367L、S24D/K250V/K308G/T596V、S24D/K250V/D408E/S568Q/S570T、S24D/K308G/T309M、S24D/T309M/D408E/S570T、S24D/K367L/D408E/T596V、S24D/K367L/S570T、S24D/T596V、L69I、K250V、K250V/S570T、T309M、H443S、およびS570Tから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号226を基準にして番号が付けられている。
一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、239/408、318、335/408、338、および408から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、239M/408D、318I、335P/408D、338A、および408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、Q239M/E408D、V318I、H335P/E408D、L338A、およびE408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。
一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、335/408、338、および408から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、335P/408D、338A、および408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、H335P/E408D、L338A、およびE408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。
一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼは、28/239、28/239/274/408、28/239/291/408、28/239/371/408、28/371、239、239/274/291/359/513、239/274/291/408、239/291/408、239/408、239/408/523、291、291/408、318、335/408、338、および408から選択されるポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、28G/239M、28G/239M/274N/408D、28G/239M/291Y/408D、28G/239M/371I/408D、28G/371I、239L/274H/291Y/408D、239L/408D、239M、239M/274N/291Y/359F/513R、239M/291Y/408D、239M/408D、239M/408D/523P、291Y、291Y/408D、318I、335P/408D、338A、および408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、C28G/Q239M、C28G/Q239M/Q274N/E408D、C28G/Q239M/F291Y/E408D、C28G/Q239M/K371I/E408D、C28G/K371I、Q239L/Q274H/F291Y/E408D、Q239L/E408D、Q239M、Q239M/Q274N/F291Y/Y359F/G513R、Q239M/F291Y/E408D、Q239M/E408D、Q239M/E408D/H523P、F291Y、F291Y/E408D、V318I、H335P/E408D、L338A、およびE408Dから選択される少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号262を基準にして番号が付けられている。
さらに一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、表2.1、3.1、4.1、5.1、6.1、7.1、8.1、8.2および/または8.3で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む。さらに一部のさらなる実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む。一部の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262で示される改変体の操作されたポリペプチドである。一部のさらなる実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号4~334のうちの偶数番号の配列で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む。さらに一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、配列番号4~334のうちの偶数番号の配列で示されるポリペプチド配列を含む。一部のさらなる実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、野生型F.gramineariumガラクトースオキシダーゼと比較して少なくとも1つの改善された特性を含む。一部の実施形態では、改善された特性は、基質に対する改善された活性を含む。一部の追加の実施形態では、基質は、第一級アルコールを含む。一部のさらなる実施形態では、基質は、1つまたは複数の追加の官能基を有するアルコール含有基質を含む。一部のさらなる実施形態では、基質は、アルコールを含有するリン酸化された基質を含む。さらに一部のさらなる実施形態では、改善された特性は、改善された立体選択性を含む。さらに一部の追加の実施形態では、操作されたガラクトースオキシダーゼは、精製されている。
本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを含む組成物も提供する。一部の実施形態では、組成物は、本明細書で提供される1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを含む。
本発明は、本明細書で提供される操作されたガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド配列も提供する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、本明細書で提供される操作されたガラクトースオキシダーゼのうちの1つより多くをコードする。本発明は、少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド配列であって、配列番号3、5、37、49、113、225および/または261に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含み、操作されたガラクトースオキシダーゼのポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換を含む、ポリヌクレオチド配列も提供する。一部の追加の実施形態では、少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号3、5、37、49、113、225および/もしくは261またはその機能的断片に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含む。一部のさらなる実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、制御配列に作動可能に連結している。一部の追加の実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、コドン最適化されている。さらに一部のさらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号1~333のうちの奇数番号の配列を含む。本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つのガラクトースオキシダーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターも提供する。本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つの発現ベクターを含む宿主細胞も提供する。本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つのガラクトースオキシダーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞も提供する。
本発明は、宿主細胞において操作されたガラクトースオキシダーゼを産生する方法であって、宿主細胞を、本明細書で提供される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼが産生されるような好適な条件下で培養するステップを含む方法も提供する。一部の実施形態では、方法は、培養物および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを回収するステップをさらに含む。一部の追加の実施形態では、方法は、本明細書で提供される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを精製するステップをさらに含む。
発明の説明
本発明は、操作されたガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)酵素、第一級アルコール(例えば、2-エチニルグリセロール)に対する、およびアルコールを含有するリン酸化された基質(例えば、2-エチニルグリセロールリン酸)を含む、追加の官能基を有するアルコール含有基質に対する、選択的酸化活性を有するポリペプチド、ならびにこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含むベクターおよび宿主細胞を提供する。これらのGOアーゼ改変体は、選択的様式で作用し、これにより、非標的アルコールに対する官能基保護操作の必要性が最小限となり、所望のアルデヒド立体異性体(例えば、R-エナンチオマー)が得られる。GOアーゼ酵素を産生するための方法も提供される。本発明は、GOアーゼ酵素を含む組成物、および操作されたGOアーゼ酵素を使用する方法を、さらに提供する。本発明は、医薬化合物および他の化合物の産生に特に使用される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を一般に有する。一般に、本明細書で使用される命名法、ならびに下記の細胞培養、分子遺伝学、微生物学、有機化学、分析化学および核酸化学の実験手順は、当技術分野において周知かつ一般に利用されているものである。そのような技術は、周知であり、当業者に周知の非常に多くの教科書および参考文献に記載されている。標準的な技術またはそれらの改良形態が、化学合成および化学分析に使用される。本明細書において上記および下記両方で言及される全ての特許、特許出願、論文および刊行物は、これにより参照により本明細書に明確に組み込まれる。
本明細書に記載のものと同様または同等の任意の好適な方法および材料が本発明の実施の際に使用されるが、一部の方法および材料が本明細書に記載される。本発明が、記載される特定の方法論、プロトコールおよび試薬に限定されないことは、これらの方法論、プロトコールおよび試薬はそれらが当業者によって使用される状況に依存して変わり得るので、理解されるはずである。したがって、直ぐ下で定義される用語は、本発明に総じて言及することによりさらに十分に説明される。
上述の概要および下記の詳細な説明の両方が、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本発明を制限するものでないことを、理解されたい。本明細書で使用される節の見出しは、構成を目的としたものに過ぎず、記載される主題を限定するものと見なすべきでない。数値範囲は、範囲を規定する数を含む。したがって、本明細書で開示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのごとく包含するように意図されている。本明細書で開示されるあらゆる最大(または最小)数値限度は、あらゆる数値下(上)限を、そのような数値下(上)限が本明細書に明確に記載されているかのごとく含むことも、意図されている。
略号
遺伝子にコードされるアミノ酸について使用される略号は、従来通りであり、以下の通りである:アラニン(AlaまたはA)、アルギニン(AreまたはR)、アスパラギン(AsnまたはN)、アスパラギン酸(AspまたはD)、システイン(CysまたはC)、グルタミン酸(GluまたはE)、グルタミン(GlnまたはQ)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、リシン(LysまたはK)、メチオニン(MetまたはM)、フェニルアラニン(PheまたはF)、プロリン(ProまたはP)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、トリプトファン(TrpまたはW)、チロシン(TyrまたはY)、およびバリン(ValまたはV)。
3文字略号が使用されるとき、特に、「L」もしくは「D」が先行する場合または略号が使用される文脈から明らかである場合を除き、アミノ酸は、α炭素(Cα)についてL立体配置であってもよく、またはD立体配置であってもよい。例えば、「Ala」は、α炭素についての立体配置の指定のないアラニンを示すが、「D-Ala」および「L-Ala」は、それぞれ、D-アラニンおよびL-アラニンを示す。1文字略号が使用されるとき、大文字は、α炭素についてL-立体配置のアミノ酸を示し、小文字は、α炭素についてD-立体配置のアミノ酸を示す。例えば「A」は、L-アラニンを示し、「a」は、D-アラニンを示す。ポリペプチド配列が一連の1文字または3文字略号(またはその混合形)として提示されるとき、配列は、一般的な慣習に従ってアミノ(N)からカルボキシ(C)への方向で提示される。
遺伝子コードされるヌクレオシドについて使用される略号は、従来通りであり、次の通りである:アデノシン(A)、グアノシン(G)、シチジン((C)、チミジン(T)、およびウリジン(U)。詳しい説明が特にない場合は、略記されたヌクレオシドは、リボヌクレオシドであることもあり、または2’-デオキシリボヌクレオシドであることもある。ヌクレオシドは、個別にまたは集合的に、リボヌクレオシドまたは2’-デオキシリボヌクレオシドのどちらかであると指定されることがある。核酸配列が、一連の1文字略号として提示されるとき、配列は、一般的な慣例に従って5’から3’方向に提示され、リン酸は示されない。
定義
本発明に関して、本明細書での説明に使用される専門および科学用語は、別段の特別な定義がない限り、当業者によって一般に理解されている意味を有することとする。したがって、以下の用語は、以下の意味を有するように意図されている。
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、別段の文脈による明確な指示がない限り、複数の言及対象を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」は、1つより多くのポリペプチドを含む。
同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」および「含む(including)」は、置き換え可能であり、限定することを意図したものではない。したがって、本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」およびその同語源語は、それらの包括的な意味で使用される(すなわち、用語「含む(including)」およびその対応する同語源語と同等である)。
様々な実施形態の説明が用語「含む(comprising)」を使用する場合、一部の具体的な事例では、実施形態が、その代わりに「から本質的になる」または「からなる」という言葉を使用して説明されることがあることは、当業者に理解されるであろう。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、特定の値についての許容される誤差を意味する。一部の事例では、「約」は、所与の値範囲の0.05%、0.5%、1.0%または2.0%以内を意味する。一部の事例では、「約」は、所与の値の1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差または4標準偏差以内を意味する。
本明細書で使用される場合、「EC」番号は、国際生化学・分子生物学連合の命名法委員会(the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(NC-IUBMB)の酵素命名法をいう。IUBMB生化学分類は、酵素についての、それらが触媒する化学反応に基づく、数値分類体系である。
本明細書で使用される場合、「ATCC」は、米国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)を指し、そのバイオレポジトリーコレクションは、遺伝子および株を含む。
本明細書で使用される場合、「NCBI」は、米国国立生物学情報センター(National Center for Biological Information)およびそこで提供されている配列データベースを指す。
本明細書で使用される場合、「ガラクトースオキシダーゼ」(「GOアーゼ」;EC1.1.3.9)酵素は、ニ分子酸素の存在下で、第一級アルコールの、および追加の官能基を有するアルコール含有基質、例えば、アルコールを含有するリン酸化された基質の、対応するアルデヒドまたはリン酸アルデヒドへの酸化を触媒する、銅依存性酵素である。それらは、位置特異的様式およびエナンチオ特異的様式の両方で選択的に作用し、それ故、官能基保護をほとんどまたは全く必要とせずに所望の立体異性体を生じさせる合成手法をもたらす。この酸化様式は、穏やかで制御されたものであり、したがって、活性がアルコールのその対応するカルボン酸への過度の酸化を招かない。用語「ガラクトースオキシダーゼ」は、天然に存在する酵素と操作された酵素の両方を含み、触媒特性が変更されたポリペプチドを含むことがあり、この変更には、天然に存在するまたは操作された参照ポリペプチドと比較して、比活性、基質特異性などの変化が含まれる。
本明細書で使用される場合、「ホースラディッシュペルオキシダーゼ」(HRP、EC1.11.1.7)酵素は、正常なGOアーゼ触媒サイクリング中に生じる活性部位の不活性レドックス状態を酸化することによりGOアーゼ触媒活性を活性化し、維持する、鉄依存性酵素である。I型HRPは、本明細書に含まれる実施例では特に触媒的に利用されるが、これは、この役割に関して排他的であることを意図したものではない。この役割を果たすことができるこの酵素クラスの他の異性体および化学試薬があるからである。
本明細書で使用される場合、「カタラーゼ」は、過酸化水素に対して作用する鉄依存性酵素(EC1.11.1.6)を指し、過酸化水素は、GOアーゼ酸化の副産物であり、ある特定の過酸化水素レベルを超えるとGOアーゼを不活性にし得る。カタラーゼは、本明細書における実施例では特に触媒維持酵素として利用されるが、一部の実施形態では、それを過酸化水素の電気化学的分解などの他の方法によって置き換えることができるだろう。
「アミノ酸」は、本明細書では、それらの一般に公知の3文字記号、またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会により推奨される1文字記号のどちらかによって言及される。ヌクレオチドは、同様に、それらの一般に受け入れられている1文字コードによって言及され得る。
本明細書で使用される場合、「親水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergらの正規化コンセンサス疎水性尺度(Eisenberg et al., J. Mol. Biol., 179:125-142 [1984])に従ってゼロ未満の疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる親水性アミノ酸としては、L-Thr(T)、L-Ser(S)、L-His(H)、L-Glu(E)、L-Asn(N)、L-Gln(Q)、L-Asp(D)、L-Lys(K)およびL-Arg(R)を含む。
本明細書で使用される場合、「酸性アミノ酸または残基」は、アミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれているときに約6未満のpKa値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。酸性アミノ酸は、典型的には、水素イオンの喪失に起因して生理pHで負荷電側鎖を有する。遺伝子コードされる酸性アミノ酸としては、L-Glu(E)およびL-Asp(D)を含む。
本明細書で使用される場合、「塩基性アミノ酸または残基」は、アミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれているときに約6より大きいpKa値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。塩基性アミノ酸は、典型的には、ヒドロニウムイオンとの会合に起因して生理pHで正荷電側鎖を有する。遺伝子コードされる塩基性アミノ酸としては、L-Arg(R)およびL-Lys(K)を含む。
本明細書で使用される場合、「極性アミノ酸または残基」は、生理pHで非荷電である側鎖を有するが、この側鎖が、2個の原子によって一般に共有される電子対がこれらの原子の一方により接近して保持されている少なくとも1つの結合を有する、親水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる極性アミノ酸としては、L-Asn(N)、L-Gln(Q)、L-Ser(S)およびL-Thr(T)を含む。
本明細書で使用される場合、「疎水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergらの正規化コンセンサス疎水性尺度(Eisenberg et al., J. Mol. Biol., 179:125-142 [1984])に従ってゼロより大きい疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる疎水性アミノ酸としては、L-Pro(P)、L-Ile(I)、L-Phe(F)、L-Val(V)、L-Leu(L)、L-Trp(W)、L-Met(M)、L-Ala(A)およびL-Tyr(Y)を含む。
本明細書で使用される場合、「芳香族アミノ酸または残基」は、少なくとも1つの芳香族またはヘテロ芳香族環を含む側鎖を有する親水性または疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる芳香族アミノ酸としては、L-Phe(F)、L-Tyr(Y)およびL-Trp(W)を含む。そのヘテロ芳香族窒素原子のpKaのせいで、L-His(H)、それは、塩基性残基として分類されることもあり、またはその側鎖がヘテロ芳香族環を含むので芳香族残基として分類されることもあるが、本明細書では、ヒスチジンは、親水性残基として、または「拘束残基」(下記参照)として分類される。
本明細書で使用される場合、「拘束アミノ酸または残基」は、拘束された幾何形状を有するアミノ酸または残基を指す。本明細書では、拘束残基としては、L-Pro(P)およびL-His(H)を含む。ヒスチジンは、比較的小さいイミダゾール環を有するので、拘束された幾何形状を有する。プロリンは、これもまた5員環を有するので、拘束された幾何形状を有する。
本明細書で使用される場合、「非極性アミノ酸または残基」は、生理pHで非荷電である側鎖を有し、この側鎖が、2個の原子によって一般に共有される電子対がこれら2個の原子の各々によって一般に均等に保持されている結合を有する(すなわち、側鎖が極性でない)、疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる非極性アミン酸としては、L-Gly(G)、L-Leu(L)、L-Val(V)、L-Ile(I)、L-Met(M)およびL-Ala(A)を含む。
本明細書で使用される場合、「脂肪族アミノ酸または残基」は、脂肪族炭化水素側鎖を有する疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子コードされる脂肪族アミノ酸としては、L-Ala(A)、L-Val(V)、L-Leu(L)およびL-Ile(I)を含む。システイン(または「L-Cys」または「[C]」)は、他のL-Cys(C)アミノ酸または他のスルファニル含有もしくはスルフヒドリル含有アミノ酸とジスルフィド架橋を形成することができる点で稀であることに留意されたい。「システイン様残基」は、ジスルフィド架橋の形成に利用可能であるスルフヒドリル部分を含有する、システインおよび他のアミノ酸を含む。L-Cys(C)(および-SH含有側鎖を有する他のアミノ酸)が、ペプチド中に、還元された遊離-SH形態または酸化されたジスルフィド架橋形態のどちらかで存在できることは、L-Cys(C)が、ペプチドに対する正味の疎水性に寄与するのか、または正味の親水性に寄与するのかに影響を与える。L-Cys(C)は、Eisenbergの正規化コンセンサス尺度(Eisenberg et al., 1984、上掲)に従って0.29の疎水性を示すが、本開示の目的では、L-Cys(C)がそれ自体の固有の群に大別されることを理解されたい。
本明細書で使用される場合、「小さいアミノ酸または残基」は、合計3個またはそれ未満の炭素および/またはヘテロ原子(α炭素および水素を除く)で構成されている側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。小さいアミノ酸または残基を、上記定義に従って、脂肪族、非極性、極性または酸性の小さいアミノ酸または残基としてさらに大別することができる。遺伝子コードされる小さいアミノ酸としては、L-Ala(A)、L-Val(V)、L-Cys(C)、L-Asn(N)、L-Ser(S)、L-Thr(T)およびL-Asp(D)を含む。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル含有アミノ酸または残基」は、ヒドロキシル(-OH)部分を含有するアミノ酸を指す。遺伝子コードされるヒドロキシル含有アミノ酸としては、L-Ser(S) L-Thr(T)およびL-Tyr(Y)を含む。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、共有結合で互いに連結されている2つまたはそれより多くのヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、完全にリボヌクレオチド(すなわち、RNA)から構成されることもあり、完全に2’デオキシリボヌクレオチド(すなわち、DNA)から構成されることもあり、またはリボヌクレオチドと2’デオキシリボヌクレオチドの混合物から構成されることもある。ヌクレオシドは、典型的には、標準的なホスホジエステル連結によって互いに連結されているが、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数の非標準的連結を含むこともある。ポリヌクレオチドは、一本鎖状もしくは二本鎖状であることもあり、または一本鎖領域と二本鎖領域両方を含むこともある。さらに、ポリヌクレオチドは、典型的には、天然に存在するコード核酸塩基(すなわち、アデニン、グアニン、ウラシル、チミンおよびシトシン)で構成されているが、例えばイノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなどのような、1つまたは複数の修飾および/または合成核酸塩基を含むこともある。一部の実施形態では、そのような修飾または合成核酸塩基は、アミノ酸配列をコードする核酸塩基である。
本明細書で使用される場合、「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)のその部分を指す。
本明細書で使用される場合、用語「生体触媒作用」、「生体触媒(の)」、「生体内変換」および「生合成」は、有機化合物に対する化学反応を行うための酵素の使用を指す。
本明細書で使用される場合、「野生型」および「天然に存在する」は、自然界に見られる形態を指す。例えば、野生型ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、生物に存在する配列であって、自然界の供給源から単離することができ、ヒトによる操作によって意図的に修飾されていない、配列である。
本明細書で使用される場合、細胞、核酸またはポリペプチドに関して使用されるときの「組換え」、「操作された」、「改変体」および「天然に存在しない」は、そうしなければ自然界に存在しない様式で修飾されている物質またはこの物質の天然もしくはネイティブ形態に対応する物質を指す。一部の実施形態では、細胞、核酸またはポリペプチドは、天然に存在する細胞、核酸またはポリペプチドと同一であるが、合成物質からおよび/または組換え技術を使用する操作により産生または誘導される。非限定的な例としては、数ある中でも特に、ネイティブ(非組換え)形態の細胞内に見られない遺伝子を発現する、またはそうしなければ異なるレベルで発現されるネイティブ遺伝子を発現する、組換え細胞が挙げられる。
用語「配列同一性パーセント(%)」は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の比較を指すために本明細書で使用され、比較ウィンドウにわたって2つの最適にアラインメントされた配列を比較することにより決定され、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、これら2つの配列の最適なアラインメントのために参照配列と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことがある。パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に出現する位置の数を決定してマッチした位置の数を得、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性パーセンテージを得ることによって計算することができる。あるいは、パーセンテージは、同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基のいずれかが両方の配列に出現する位置の数または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップを用いてアラインメントされる位置の数を決定してマッチした位置の数を得、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性パーセンテージを得ることによって計算することができる。2配列のアラインメントに利用可能な多数の確立されたアルゴリズムがあることは、当業者には理解される。比較のための配列の最適なアラインメントは、当技術分野において公知であるように、SmithおよびWatermanの局所相同性アルゴリズム(Smith and Waterman, Adv. Appl. Math., 2:482 [1981])を含むがこれに限定されない、任意の好適な方法により、NeedlemanおよびWunschの相同性アラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol., 48:443 [1970])により、PearsonおよびLipmanの類似性検索方法(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 [1988])により、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(例えば、GCG Wisconsin Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)により、または目視検査により、行うことができる。配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントの決定に好適であるアルゴリズムの例としては、これらに限定されないが、Altschulらによって記載されているBLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムが挙げられる(それぞれ、Altschul et al., J. Mol. Biol., 215: 403-410 [1990];およびAltschul et al., Nucl. Acids Res., 3389-3402 [1977]を参照されたい)。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)のウェブサイトを通して公的に入手できる。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントしたときにマッチするか何らか正の値の閾スコアTを満たす、問い合わせ配列中の長さWの短いワードを特定することによって、高スコアの配列対(HSP)を先ず特定することを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschul et al.、上掲を参照されたい)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとしての役割を果す。次いで、ワードヒットが、累積アラインメントスコアを増加することができる限り、各配列に沿って両方向に拡大される。累積スコアは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(マッチする残基対についての報酬スコア、常に>0)およびN(ミスマッチの残基についてのペナルティスコア、常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、累積スコアを計算するためにスコア行列が使用される。各方向のワードヒットの拡大は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ低下すると、停止され;累積スコアが、1つもしくは複数の負のスコアの残基アラインメントの累積に起因してゼロもしくはそれ未満になると、停止され;またはどちらかの配列の末端に達すると停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=-4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列についてのBLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコア行列を使用する(Henikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 [1989]を参照されたい)。配列アラインメントおよび配列同一性%の例示的決定は、提供されているデフォルトパラメーターを使用して、GCG Wisconsin Software package(Accelrys、Madison WI)のBESTFITまたはGAPプログラムを利用することができる。
本明細書で使用される場合、「参照配列」は、配列および/または活性比較の基準として使用される定義された配列を指す。参照配列は、より大きい配列のサブセット、例えば、完全長遺伝子またはポリペプチド配列のセグメントであることもある。一般に、参照配列は、核酸またはポリペプチドの長さ少なくとも20ヌクレオチドまたはアミノ酸残基、長さ少なくとも25残基、長さ少なくとも50残基、長さ少なくとも100残基または完全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、各々、(1)2配列間で類似している配列(すなわち、完全配列の一部分)を含むことがあり、かつ(2)2配列間で相違する配列をさらに含むことがあるので、2つの(またはそれより多くの)ポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の配列比較は、配列類似性の局所領域を同定し、比較するために、「比較ウィンドウ」にわたって2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を比較することによって典型的に行われる。一部の実施形態では、「参照配列」は、一次アミノ酸配列に基づくことがあり、この場合、参照配列は、一次配列の1つまたは複数の変化を有し得る配列である。
本明細書で使用される場合、「比較ウィンドウ」は、少なくとも約20の連続するヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念上のセグメントであって、少なくとも20個の連続するヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と配列を比較することができ、比較ウィンドウ内のその配列の部分が、2配列の最適なアラインメントのために参照配列(付加も欠失も含まない)と比較して20パーセントまたはそれ未満の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る、セグメントを指す。比較ウィンドウは、20個の連続する残基より長いこともあり、必要に応じて30、40、50、100またはそれより長いウィンドウを含む。
本明細書で使用される場合、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けの文脈で使用されるときの「~に対応する」、「~に対して」および「~と比較して」は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較されるときの指定参照配列の残基の番号付けを指す。言い換えると、所与のポリマーの残基番号または残基位置は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の番号の位置によるのではなく、参照配列に対して示される。例えば、所与のアミノ酸配列、例えば、操作されたガラクトースオキシダーゼのアミノ酸配列は、2配列間の残基マッチを最適化するためにギャップを導入することによって参照配列とアラインメントすることができる。これらの場合、ギャップが存在するが、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列中の残基の番号付けは、それがアラインメントされた参照配列に対して行われる。
本明細書で使用される場合、「実質的同一性」は、少なくとも20残基位置の比較ウィンドウにわたって、多くの場合、少なくとも30~50残基のウィンドウにわたって、参照配列と比較して少なくとも80パーセントの配列同一性、少なくとも85パーセントの同一性、少なくとも89~95パーセントの間の配列同一性、またはより通常は少なくとも99パーセントの配列同一性を有する、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指し、この配列同一性パーセンテージは、合計で参照配列の20パーセントまたはそれ未満となる欠失または付加を含む配列と参照配列を比較ウィンドウにわたって比較することによって計算される。ポリペプチドに適用される一部の具体的な実施形態では、用語「実質的同一性」は、2つのポリペプチド配列が、最適にアラインメントされたとき、例えば、デフォルトギャップ重みを使用してプログラムGAPまたはBESTFITにより最適にアラインメントされたとき、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは、少なくとも89パーセントの配列同一性、少なくとも95パーセントの配列同一性またはそれより高い配列同一性(例えば、99パーセントの配列同一性)を共有することを意味する。一部の実施形態では、比較される配列中の同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換が異なる。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸相違」および「残基相違」は、参照配列中の対応する位置におけるアミノ酸残基と比較した、ポリペプチド配列の位置におけるアミノ酸残基の相違を指す。一部の場合には、参照配列は、ヒスチジンタグを有するが、番号付けは、ヒスチジンタグのない同等の参照配列と比較して維持される。アミノ酸相違の位置は、本明細書では一般に「Xn」と呼ばれ、この場合のnは、残基相違の基準となる参照配列中の対応する位置を指す。例えば、「配列番号4と比較してX93位における残基相違」は、配列番号4の93位に対応するポリペプチド位置におけるアミノ酸残基の相違を指す。したがって、配列番号4の参照ポリペプチドが93位にセリンを有する場合には、「配列番号4と比較してX93位における残基相違」は、配列番号4の93位に対応するポリペプチドの位置におけるセリン以外の任意の残基のアミノ酸置換。本明細書におけるほとんどの事例では、ある位置における特定のアミノ酸残基相違は、「XnY」として示され、この場合、「Xn」は、上記の通り対応する位置を指定し、「Y」は、操作されたポリペプチドに見られるアミノ酸(すなわち、参照ポリペプチド中のものとは異なる残基)の1文字識別子である。一部の事例では(例えば、実施例で提示される表において)、本発明は、従来表記「AnB」により示される特定のアミノ酸相違も提供し、この場合、Aは、参照配列中の残基の1文字識別子であり、「n」は、参照配列中の残基位置の番号であり、Bは、操作されたポリペプチドの配列中の残基置換の1文字識別子である。一部の事例では、本発明のポリペプチドは、参照配列と比較して1つまたは複数のアミノ酸残基相違を含み、これは、参照配列と比較して残基相違が存在する特定の位置のリストにより示される。一部の実施形態では、1個より多くのアミノ酸をポリペプチドの特定の残基位置に使用することができる場合、使用することができる様々なアミノ酸残基は、「/」によって隔てられている(例えば、X307H/X307PまたはX307H/P)。スラッシュは、所与の改変体内の複数の置換(すなわち、1つより多くの置換が所与の配列に、例えば組合せ改変体に、存在すること)を示すためにも使用され得る。一部の実施形態では、本発明は、保存的または非保存的アミノ酸置換を含む1つまたは複数のアミノ酸相違を含む操作されたポリペプチド配列を含む。一部の追加の実施形態では、本発明は、保存的アミノ酸置換と非保存的アミノ酸置換の両方を含む操作されたポリペプチド配列を提供する。
本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」は、類似の側鎖を有する異なる残基での残基の置換を指し、したがって、アミノ酸の同じまたは類似の定義されたクラス内のアミノ酸でのポリペプチド中のアミノ酸の置換を典型的には含む。例として、限定ではなく、一部の実施形態では、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)で置換され;ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、セリンおよびトレオニン)で置換され;芳香族側鎖を有するアミノ酸は、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびヒスチジン)で置換され;塩基性側鎖を有するアミノ酸は、塩基性側鎖(basis side chain)を有する別のアミノ酸(例えば、リシンおよびアルギニン)で置換され;酸性側鎖を有するアミノ酸は、酸性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)で置換され;および/または疎水性もしくは親水性アミノ酸は、それぞれ、別の疎水性もしくは親水性アミノ酸で置き換えられる。
本明細書で使用される場合、「非保存的置換」は、有意に異なる側鎖特性を有するアミノ酸でのポリペプチド中のアミノ酸の置換を指す。非保存的置換は、定義された群内ではなく定義された群間のアミノ酸を使用することがあり、(a)置換(例えば、プロリンでのグリシンの置換)の領域内のペプチド骨格の構造、(b)電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の嵩に影響を与える。例として、限定ではなく、例示的非保存的置換は、塩基性または脂肪族アミノ酸で置換された酸性アミノ酸;小さいアミノ酸で置換された芳香族アミノ酸;および疎水性アミノ酸で置換された親水性アミノ酸であり得る。
本明細書で使用される場合、「欠失」は、参照ポリペプチドからの1個または複数のアミノ酸の除去によるポリペプチドの修飾を指す。欠失は、操作されたガラクトースオキシダーゼ酵素の酵素活性を保持しながら、および/または改善された特性を保持しながら、参照酵素を構成する1個もしくはそれより多くのアミノ酸、2個もしくはそれより多くのアミノ酸、5個もしくはそれより多くのアミノ酸、10個もしくはそれより多くのアミノ酸、15個もしくはそれより多くのアミノ酸、または20個もしくはそれより多くのアミノ酸、アミノ酸の総数の最大10%、またはアミノ酸の総数の最大20%の欠失を含むことができる。欠失は、ポリペプチドの内部部分および/または末端部分に関することがある。様々な実施形態では、欠失は、連続するセグメントを含むこともあり、または不連続であることもある。欠失は、典型的には、アミノ酸配列の中で「-」によって示される。
本明細書で使用される場合、「挿入」は、参照ポリペプチドからの1個または複数のアミノ酸の付加によるポリペプチドの修飾を指す。挿入は、ポリペプチドの内部部分におけるものであることもあり、またはカルボキシもしくはアミノ末端へのものであることもある。本明細書で使用される場合の挿入は、当技術分野において公知であるような融合タンパク質を含む。挿入は、天然に存在するポリペプチド中のアミノ酸の連続したセグメントであることもあり、またはアミノ酸の1個もしくは複数によって隔てられていることもある。
用語「アミノ酸置換のセット」または「置換のセット」は、参照配列と比較して、ポリペプチド配列中のアミノ酸置換の群を指す。置換のセットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれより多くのアミノ酸置換を有することがある。一部の実施形態では、置換のセットは、実施例で提供される表に収載される改変体ガラクトースオキシダーゼのいずれかに存在するアミノ酸置換のセットを指す。
「機能的断片」および「生物活性断片」は、アミノ末端および/もしくはカルボキシ末端欠失ならびに/または内部欠失を有するが、残りのアミノ酸配列は、それが比較される配列(例えば、本発明の完全長操作されたガラクトースオキシダーゼ)中の対応する位置と同一である、ポリペプチドであって、完全長ポリペプチドの活性の実質的に全てを保持するポリペプチドを指すために、本明細書では同義的に使用される。
本明細書で使用される場合、「単離されたポリペプチド」は、天然にそれに付随する他の夾雑物(例えば、タンパク質、脂質およびポリヌクレオチド)から実質的に分離されているポリペプチドを指す。この用語は、それらの天然に存在する環境または発現系から除去または精製された(例えば、宿主細胞内のまたはin vitro合成による)ポリペプチドを包含する。組換えガラクトースオキシダーゼポリペプチドは、細胞内に存在することもあり、細胞培地に存在することもあり、または溶解物もしくは単離された調製物などの様々な形態で調製されることもある。したがって、一部の実施形態では、組換えガラクトースオキシダーゼポリペプチドは、単離されたポリペプチドであることがある。
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋なポリペプチド」または「精製されたタンパク質」は、ポリペプチド種が、存在する優勢種である(すなわち、モル濃度または重量ベースで、それが組成物中のいずれの他の個々の高分子種より存在量が多い)組成物を指し、一般に、目的種が、存在する高分子種のモルまたは重量%で少なくとも約50パーセントを構成する場合には実質的に精製された組成物である。しかし、一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼを含む組成物は、50%未満純粋(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%)であるガラクトースオキシダーゼを含む。一般に、実質的に純粋なガラクトースオキシダーゼ組成物は、組成物中に存在する全高分子種のモルまたは重量%で約60%またはそれより高い%、約70%またはそれより高い%、約80%またはそれより高い%、約90%またはそれより高い%、約95%またはそれより高い%、および約98%またはそれより高い%を構成する。一部の実施形態では、目的種は、組成物が単一の高分子種から本質的になる本質的均質まで精製されている(すなわち、従来の検出法により夾雑種を組成物中で検出することができない)。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、および元素イオン種は、高分子種と見なされない。一部の実施形態では、単離された組換えガラクトースオキシダーゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
本明細書で使用される場合、「改善された酵素特性」は、酵素の少なくとも1つの改善された特性を指す。一部の実施形態では、本発明は、参照ガラクトースオキシダーゼポリペプチドおよび/または野生型ガラクトースオキシダーゼポリペプチドおよび/または別の操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドと比較して任意の酵素特性の改善を示す、操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドを提供する。したがって、「改善」のレベルは、野生型はもちろん操作されたガラクトースオキシダーゼも含む、様々なガラクトースオキシダーゼポリペプチド間で、決定および比較され得る。改善された特性は、これらに限定されないが、タンパク質発現の増加、熱活性の増加、熱安定性の増大、pH活性の増加、安定性の増大、酵素活性の増加、基質特異性のまたは親和性の増大、比活性の増加、基質または最終産物阻害に対する耐性の増大、化学的安定性の増大、化学選択性の改善、溶媒安定性の改善、酸性pHに対する耐性の増大、タンパク質分解活性に対する耐性の増大(すなわち、タンパク質分解に対する感受性の低下)、凝集の低減、溶解度の増加、および温度プロファイルの変更のような特性を含む。追加の実施形態では、この用語は、ガラクトースオキシダーゼ酵素の少なくとも1つの改善された特性に関して使用される。一部の実施形態では、本発明は、参照ガラクトースオキシダーゼポリペプチドおよび/または野生型ガラクトースオキシダーゼポリペプチドおよび/または別の操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドと比較して任意の酵素特性の改善を示す、操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドを提供する。したがって、「改善」のレベルは、野生型はもちろん操作されたガラクトースオキシダーゼも含む、様々なガラクトースオキシダーゼポリペプチド間で、決定および比較され得る。
本明細書で使用される場合、「酵素活性の増加」および「触媒活性の増強」は、参照酵素と比較して比活性(例えば、産生される産物/時間/タンパク質重量)の増加または基質の産物への変換パーセント(例えば、指定量の酵素を使用する指定期間内の出発量の基質の産物への変換パーセント)の上昇によって表され得る、操作されたポリペプチドの改善された特性を指す。一部の実施形態では、これらの用語は、参照ガラクトースオキシダーゼ酵素と比較して比活性(例えば、産生される産物/時間/タンパク質重量)の増加または基質の産物への変換パーセント(例えば、指定量のガラクトースオキシダーゼを使用する指定期間内の出発量の基質の産物への変換パーセント)の上昇によって表され得る、本明細書で提供される操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドの改善された特性を指す。一部の実施形態では、これらの用語は、本明細書で提供される改善されたガラクトースオキシダーゼ酵素に関して使用される。本発明の操作されたガラクトースオキシダーゼの酵素活性を決定するための例示的方法は、実施例で提供される。K、Vmaxまたはkcat(これらの変化は酵素活性の増加につながり得る)の古典的酵素特性を含む、酵素活性に関係する任意の特性が、影響を受け得る。例えば、酵素活性の改善は、対応する野生型酵素の酵素活性の約1.1倍から、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドが誘導された天然に存在するガラクトースオキシダーゼまたは別の操作されたガラクトースオキシダーゼの2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、150倍、200倍ほどものまたはそれよりも高い酵素活性までであり得る。
本明細書で使用される場合、「変換」は、基質の対応する産物への酵素的変換(または生体内変換)を指す。「変換パーセント」は、指定条件下で期間内に産物に変換される基質のパーセントを指す。したがって、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、特定の期間内の産物への基質の「変換パーセント」として表すことができる。
「ゼネラリスト(generalist)特性」を有する酵素(または「ゼネラリスト酵素」)は、親配列と比較して、広範な基質に対して改善された活性を示す酵素を指す。ゼネラリスト酵素は、あらゆる可能な基質に対して改善された活性を必ずしも実証しない。一部の実施形態では、本発明は、広範な立体的および電子的に多様な基質に対して親遺伝子と比較して同様のまたは改善された活性を実証することからゼネラリスト特性を有する、ガラクトースオキシダーゼ改変体を提供する。加えて、本明細書で提供されるゼネラリスト酵素は、代謝物/産物の生成を増加させるために広範な多様な分子にわたって改善されるように操作された。
用語「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、核酸ハイブリッドが安定している条件を指すために本明細書では使用される。当業者には公知であるように、ハイブリッドの安定性は、ハイブリッドの融解温度(T)に反映される。一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン強度、温度、G/C含量、およびカオトロピック剤の存在の関数である。ポリヌクレオチドのT値は、融解温度を予測するための公知の方法を使用して計算することができる(例えば、Baldino et al., Meth. Enzymol., 168:761-777 [1989];Bolton et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:1390 [1962];Bresslauer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8893-8897 [1986];Freier et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:9373-9377 [1986];Kierzek et al., Biochem., 25:7840-7846 [1986];Rychlik et al., Nucl. Acids Res., 18:6409-6412 [1990] (誤植、Nucl. Acids Res., 19:698 [1991]);Sambrook et al.、上掲);Suggs et al., 1981, in Developmental Biology Using Purified Genes, Brown et al. [eds.], pp. 683-693, Academic Press, Cambridge, MA [1981];およびWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227-259 [1991]を参照されたい)。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書で開示されるポリペプチドをコードし、中等度にストリンジェントまたは高度にストリンジェントな条件などの定義された条件下で、本発明の操作されたガラクトースオキシダーゼ酵素をコードする配列の相補配列とハイブリダイズする。
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションの際の、洗浄条件などの、ハイブリダイゼーション条件を指す。一般に、ハイブリダイゼーション反応は、より低度のストリンジェンシーの条件下で行われ、これに様々な、しかしより高度な、ストリンジェンシーの洗浄が続く。用語「中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、標的DNAが、標的DNAに対して約60%の同一性、好ましくは、約75%の同一性、約85%の同一性とともに標的ポリヌクレオチドに対して約90%より高い同一性を有する相補的核酸に結合することを可能にする条件を指す。例示的な中等度にストリンジェントな条件は、50%ホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%SDS中、42℃でのハイブリダイゼーション、続いて0.2×SSPE、0.2%SDS中、42℃での洗浄に相当する条件である。「高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション」は、定義されたポリヌクレオチド配列についての溶液条件下で決定された熱融解温度Tから約10℃またはそれ未満である条件を一般に指す。一部の実施形態では、高ストリンジェンシー条件は、0.018M NaCl中、65℃で安定したハイブリッドを形成する核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件を指す(すなわち、ハイブリッドが、0.018M NaCl中、65℃で、安定しない場合、それは、本明細書で企図されるような高ストリンジェンシー条件下で安定しないことになる)。高ストリンジェンシー条件は、例えば、0.1×SSPE、および0.1%SDS中、65℃での洗浄が続く、42℃で50%ホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%SDSに相当する条件でのハイブリダイゼーションによって、提供され得る。別の高ストリンジェンシー条件は、0.1%(w/v)SDSを含有する5×SSC中、65℃でのハイブリダイゼーションおよび0.1%SDSを含有する0.1×SSC中、65℃での洗浄に相当する条件でのハイブリダイゼーションである。他の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、および中等度にストリンジェントな条件は、上記の参考文献に記載されている。
本明細書で使用される場合、「コドン最適化された」は、コードされたタンパク質が目的の生物において効率的に発現されるような、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンの、その特定の生物において優先的に使用されるコドンへの変化を指す。遺伝コードは、大部分のアミノ酸が、「シノニム」または「同義」コドンと呼ばれるいくつかのコドンによって表されることから縮重しているが、特定の生物によるコドン使用頻度がランダムでなく、特定のコドントリプレットに偏っていることは、周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所与の遺伝子、共通の機能または祖先起源の遺伝子、低コピー数タンパク質に対して高度に発現されるタンパク質、および生物のゲノムの凝集タンパク質コード領域に関して、より高度であり得る。一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現に選択された宿主生物における最適な産生のためにコドン最適化され得る。
本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて使用されるときの、「好ましい」コドン、「最適な」コドンおよび「高度のコドン使用頻度の偏り」コドンは、同義語として、同じアミノ酸をコードする他のコドンより高頻度でタンパク質コード領域において使用されるコドンを指す。好ましいコドンは、単一の遺伝子、共通の機能または起源の遺伝子のセット、高度に発現される遺伝子におけるコドン使用頻度に関して決定されることもあり、生物全体の凝集タンパク質コード領域におけるコドン頻度に関して決定されることもあり、関連生物の凝集タンパク質コード領域におけるコドン頻度に関して決定されることもあり、またはこれらの組合せに関して決定されることもある。頻度が遺伝子発現レベルに伴って増加するコドンは、典型的には発現に最適なコドンである。例えば、クラスター解析または対応解析を使用する、多変量解析を含む、特定の生物におけるコドン頻度(例えば、コドン使用頻度、相対同義コドン使用頻度)およびコドン選好を決定するための様々な方法、ならびに遺伝子において使用されるコドンの有効数を決定するための様々な方法が、公知である(例えば、GCG CodonPreference, Genetics Computer Group Wisconsin Package; CodonW, Peden, University of Nottingham; McInerney, Bioinform., 14:372-73 [1998];Stenico et al., Nucl. Acids Res., 222437-46 [1994];およびWright, Gene 87:23-29 [1990]を参照されたい)。多くの異なる生物についてのコドン使用頻度表が入手可能である(例えば、Wada et al., Nucl. Acids Res., 20:2111-2118 [1992];Nakamura et al., Nucl. Acids Res., 28:292 [2000];Duret, et al., 上掲;Henaut and Danchin, in Escherichia coli and Salmonella, Neidhardt, et al.(eds.), ASM Press, Washington D.C., p. 2047-2066 [1996]を参照されたい)。コドン使用頻度を得るためのデータ源は、タンパク質をコードすることができる任意の利用可能なヌクレオチド配列に依拠す得る。これらのデータセットは、発現されるタンパク質(例えば、完全タンパク質コード配列-CDS)をコードすること、発現される配列タグ(ESTS)をコードすること、またはゲノム配列の予測コード領域をコードすることが実際に公知である核酸配列を含む(例えば、Mount, Bioinformatics: Sequence and Genome Analysis, Chapter 8, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. [2001];Uberbacher, Meth. Enzymol., 266:259-281 [1996];およびTiwari et al., Comput. Appl. Biosci., 13:263-270 [1997]を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「制御配列」は、本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要または有利である全ての成分を含む。各制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列にとってネイティブのものであってもよいし、または外来のものであってもよい。そのような制御配列としては、これらに限定されないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター配列、シグナルペプチド配列、開始配列および転写ターミネーターを含む。少なくとも、制御配列は、プロモーター、ならびに転写および翻訳停止シグナルを含む。制御配列は、制御配列とポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域とのライゲーションを助長する特異的制限部位を導入するためにリンカーを備えていることもある。
「作動可能に連結した」は、本明細書では、制御配列が、目的のポリヌクレオチドに対して相対的な位置に、制御配列が目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指令または調節するように適切に(すなわち、機能的関係で)配置されている構成と定義される。
「プロモーター配列」は、目的のポリヌクレオチドの発現について宿主細胞により認識される核酸配列、例えばコード配列を指す。プロモーター配列は、目的のポリヌクレオチドの発現を媒介する転写制御配列を含有する。プロモーターは、変異体、切断型およびハイブリッドプロモーターを含む、選ばれる宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であり得、プロモーターを、宿主細胞にとって同種または異種のどちらかの細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
「好適な反応条件」という句は、本発明のガラクトースオキシダーゼポリペプチドが所望の産物化合物に基質を変換することができる、酵素的変換反応溶液における条件(例えば、酵素負荷量、基質負荷量、温度、pH、緩衝剤、共溶媒などの範囲)を指す。一部の例示的な「好適な反応条件」が本明細書で提供される。
本明細書で使用される場合、「化合物負荷量」または「酵素負荷量」などにおける「負荷量」は、反応開始時の反応混合物中の成分の濃度または量を指す。
本明細書で使用される場合、酵素的変換反応プロセスの文脈での「基質」は、本明細書で提供される操作された酵素(例えば、操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチド)による作用を受ける化合物または分子を指す。
本明細書で使用される場合、反応からの産物(例えば、3-エチニルグリセルアルデヒドリン酸のR-エナンチオマー)の収量の「増加」は、反応中に存在する特定の成分(例えば、ガラクトースオキシダーゼ酵素)が、目的の成分の非存在下だが同じ基質および他の置換基を用いて同じ条件下で行われた反応と比較して、より多くの産物を産生させる場合に起こる。
反応は、反応を触媒することに関与する他の酵素と比較して特定の酵素の量が約2%、約1%または約0.1%(wt/wt)未満であった場合、特定の酵素が「実質的にない」と言われる。
本明細書で使用される場合、液体(例えば、培養ブロス)を「分画すること」は、所望のタンパク質が初期液体産物中より溶液中でのほうが全タンパク質に対して高いパーセンテージを構成する溶液を得るために分離プロセス(例えば、塩析、カラムクロマトグラフィー、サイズ排除、濾過)またはそのようなプロセスの組合せを適用することを意味する。
本明細書で使用される場合、「出発組成物」は、少なくとも1つの基質を含む任意の組成物を指す。一部の実施形態では、出発組成物は、任意の好適な基質を含む。
本明細書で使用される場合、酵素的変換プロセスの文脈での「産物」は、基質に対する酵素ポリペプチドの作用の結果として生じる化合物または分子を指す。
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される場合の「平衡」は、立体異性体の相互変換を含む、化学または酵素反応(例えば、2つの種AおよびBの相互変換)において、化学または酵素反応の順方向速度定数および逆方向速度定数により決定して、化学種の定常状態濃度に至るプロセスを指す。
「補因子」は、本明細書で使用される場合、反応を触媒する際に酵素と一緒に動作する非タンパク質化合物を指す。
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、直鎖状または分岐状どちらかの、炭素原子数1~18(両端の値を含む)、より好ましくは炭素原子数1~8(両端の値を含む)、最も好ましくは炭素原子数1~6(両端の値を含む)の、飽和炭化水素基を指す。指定数の炭素原子を有するアルキルは、カッコ内に示される(例えば、(C~C)アルキルは、炭素原子数1~4のアルキルを指す)。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含有するが、必要に応じて1つより多くの二重結合を含有する、直鎖または分岐状どちらかの、炭素原子数2~12(両端の値を含む)の基を指す。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含有するが、必要に応じて1つより多くの三重結合を含有し、加えて必要に応じて1つまたは複数の二重結合部分を含有する、直鎖または分岐状どちらかの、炭素原子数2~12(両端の値を含む)の基を指す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、炭素原子のうちの1個または複数が、各々独立して、同じまたは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子基で置き換えられている、本明細書で定義される通りのアルキル、アルケニルおよびアルキニルを指す。炭素原子を置き換えることができるヘテロ原子および/またはヘテロ原子基としては、これらに限定されないが、-O-、-S-、-S-O-、-NRα-、-PH-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)NRα-、-S(O)NRα-などが、これらの組合せを含めて挙げられ、ここでの各Rαは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、基-ORβ(式中のRβは、上で定義された通りのアルキル基であり、このアルキル基は、同じく本明細書で定義される通りの、必要に応じて置換されているアルキル基を含む)を指す。
本明細書で使用される場合、「アリール」は、単一の環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルもしくはアントリル)を有する、炭素原子数6~12(両端の値を含む)の不飽和芳香族炭素環式基を指す。例示的なアリールとしては、フェニル、ピリジル、ナフチルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミノ」は、基-NHを指す。置換アミノは、基-NHRδ、NRδδおよびNRδδδ(式中の各Rδは、独立して、置換または非置換アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アシル、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル、スルホニルなどから選択される)を指す。典型的なアミノ基としては、これらに限定されないが、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルファミノなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「オキソ」は、=Oを指す。
本明細書で使用される場合、「オキシ」は、二価の基-O-を指し、この基は、エーテルおよびエステルを含む異なるオキシ基を形成するために、様々な置換基を有することがある。
本明細書で使用される場合、「カルボキシ」は、-COOHを指す。
本明細書で使用される場合、「カルボニル」は、-C(O)-を指し、これは、酸、酸ハロゲン化物、アルデヒド、アミド、エステルおよびケトンを含む異なるカルボニル基を形成するために、様々な置換基を有することがある。
本明細書で使用される場合、「アルコキシカルボニル」は、-C(O)ORε(式中、Rεは、必要に応じて置換されていることがある、本明細書で定義される通りのアルキル基である)を指す。
本明細書で使用される場合、「アミノカルボニル」は、-C(O)NHを指す。置換アミノカルボニルは、-C(O)NRδδ(式中のアミノ基NRδδは、本明細書で定義される通りである)を指す。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」および「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」は、-OHを指す。
本明細書で使用される場合、「シアノ」は、-CNを指す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、炭素原子数が1~10(両端の値を含む)であり、環内の酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子の数が1~4(両端の値を含む)である、芳香族ヘテロ環式基を指す。そのようなヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジルもしくはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルもしくはベンゾチエニル)を有することがある。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」は、好ましくは、アルキル部分に1~6個(両端の値を含む)の炭素原子を有し、ヘテロアリール部分に5~12個(両端の値を含む)の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されているアルキル(すなわち、ヘテロアリール-アルキル基)を指す。そのようなヘテロアリールアルキル基は、ピリジルメチルなどによって例示される。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルケニル」は、好ましくは、アルケニル部分に2~6個(両端の値を含む)の炭素原子を有し、ヘテロアリール部分に5~12個(両端の値を含む)の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されているアルケニル(すなわち、ヘテロアリール-アルケニル基)を指す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキニル」は、好ましくは、アルキニル部分に2~6個(両端の値を含む)の炭素原子を有し、ヘテロアリール部分に5~12個(両端の値を含む)の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されているアルキニル(すなわち、ヘテロアリール-アルキニル基)を指す。
本明細書で使用される場合、「複素環」、「複素環式」、および同義的に「ヘテロシクロアルキル」は、炭素環原子数が2~10(両端の値を含む)であり、環内の窒素、硫黄または酸素から選択されるヘテロ環原子の数が1~4(両端の値を含む)である、単一の環または複数の縮合環を有する飽和または不飽和基を指す。そのような複素環式基は、単一の環(例えば、ピペリジニルもしくはテトラヒドロフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリニル、ジヒドロベンゾフランもしくはキヌクリジニル)を有することがある。複素環の例としては、これらに限定されないが、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、インドリンなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「員環」は、任意の環状構造体を包含することを意図したものである。用語「員」の前の数は、環を構成する骨格原子の数を示す。したがって、例えば、シクロへキシル、ピリジン、ピランおよびチオピランは、6員環であり、シクロペンチル、ピロール、フランおよびチオフェンは、5員環である。
別段の指定がない限り、上述の基の中の水素により占有される位置は、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ハロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、置換カルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ、ヒドロキサモイル、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、複素環、(複素環)オキシ、および(複素環)アルキルによって例示されるがこれらに限定されない置換基で、さらに置換されていることがあり、好ましいヘテロ原子は、酸素、窒素および硫黄である。自由原子価がこれらの置換基上に存在する場合、それらの置換基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび/または複素環基でさらに置換され得ること、これらの自由原子価が炭素上に存在する場合、それらの炭素が、ハロゲンにより、および酸素結合置換基、窒素結合置換基または硫黄結合置換基により、さらに置換され得ること、ならびに複数のそのような自由原子価が存在する場合、これらの基が、結合の直接形成または新しいヘテロ原子、好ましくは酸素、窒素もしくは硫黄への結合の形成のどちらかにより環を形成するように接続され得ることが、理解される。水素の置換基での置き換えが、本発明の分子に対して許容し難い不安定性を導入しないこと、および他の点で化学的に妥当であることを条件に、上記置換を行うことができることが、さらに理解される。
本明細書で使用される場合、用語「培養すること」は、任意の好適な条件下で(例えば、液体、ゲルまたは固体培地を使用して)微生物細胞の集団を増殖させることを指す。
組換えポリペプチドは、当技術分野において公知の任意の好適な方法を使用して産生することができる。目的の野生型ポリペプチドをコードする遺伝子をプラスミドなどのベクター内にクローニングし、E.coliなどの所望の宿主に発現させることができる。組換えポリペプチドの改変体を当技術分野において公知の様々な方法により生成することができる。実際、当業者に周知の多種多様な異なる変異誘発技術がある。加えて、変異誘発キットも、多くの商業的分子生物学供給業者から入手することができる。定義されたアミノ酸における特異的置換(部位指向性)、遺伝子の局所領域における特異的もしくはランダム変異(位置特異的)、または遺伝子全体にわたってのランダム変異誘発(例えば、飽和変異誘発)を行う方法を利用することができる。PCRを使用する一本鎖DNAもしくは二本鎖DNAの部位指向性変異誘発、カセット変異誘発、遺伝子合成、エラープローンPCR、シャフリング、および化学的飽和変異誘発、または当技術分野において公知の任意の他の好適な方法を含むがこれらに限定されない、酵素改変体を生成するための非常に多数の好適な方法が、当業者に公知である。発現させること、スクリーニングすることおよびアッセイすることができる改変体ライブラリーを生成するために、酵素をコードするポリヌクレオチドに変異誘発および定向進化方法を容易に適用することができる。任意の好適な変異誘発および定向進化方法が本発明において使用され、当技術分野において周知である(例えば、米国特許第5,605,793、5,811,238、5,830,721、5,834,252、5,837,458、5,928,905、6,096,548、6,117,679、6,132,970、6,165,793、6,180,406、6,251,674、6,265,201、6,277,638、6,287,861、6,287,862、6,291,242、6,297,053、6,303,344、6,309,883、6,319,713、6,319,714、6,323,030、6,326,204、6,335,160、6,335,198、6,344,356、6,352,859、6,355,484、6,358,740、6,358,742、6,365,377、6,365,408、6,368,861、6,372,497、6,337,186、6,376,246、6,379,964、6,387,702、6,391,552、6,391,640、6,395,547、6,406,855、6,406,910、6,413,745、6,413,774、6,420,175、6,423,542、6,426,224、6,436,675、6,444,468、6,455,253、6,479,652、6,482,647、6,483,011、6,484,105、6,489,146、6,500,617、6,500,639、6,506,602、6,506,603、6,518,065、6,519,065、6,521,453、6,528,311、6,537,746、6,573,098、6,576,467、6,579,678、6,586,182、6,602,986、6,605,430、6,613,514、6,653,072、6,686,515、6,703,240、6,716,631、6,825,001、6,902,922、6,917,882、6,946,296、6,961,664、6,995,017、7,024,312、7,058,515、7,105,297、7,148,054、7,220,566、7,288,375、7,384,387、7,421,347、7,430,477、7,462,469、7,534,564、7,620,500、7,620,502、7,629,170、7,702,464、7,747,391、7,747,393、7,751,986、7,776,598、7,783,428、7,795,030、7,853,410、7,868,138、7,783,428、7,873,477、7,873,499、7,904,249、7,957,912、7,981,614、8,014,961、8,029,988、8,048,674、8,058,001、8,076,138、8,108,150、8,170,806、8,224,580、8,377,681、8,383,346、8,457,903、8,504,498、8,589,085、8,762,066、8,768,871、9,593,326,および全ての関連米国特許、ならびにPCTおよび非米国対応特許;Ling et al., Anal. Biochem., 254(2):157-78 [1997];Dale et al., Meth. Mol. Biol., 57:369-74 [1996];Smith, Ann. Rev. Genet., 19:423-462 [1985];Botstein et al., Science, 229:1193-1201 [1985];Carter, Biochem. J., 237:1-7 [1986];Kramer et al., Cell, 38:879-887 [1984];Wells et al., Gene, 34:315-323 [1985];Minshull et al., Curr. Op. Chem. Biol., 3:284-290 [1999];Christians et al., Nat. Biotechnol., 17:259-264 [1999];Crameri et al., Nature, 391:288-291 [1998];Crameri, et al., Nat. Biotechnol., 15:436-438 [1997];Zhang et al., Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A., 94:4504-4509 [1997];Crameri et al., Nat. Biotechnol., 14:315-319 [1996];Stemmer, Nature, 370:389-391 [1994];Stemmer, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 91:10747-10751 [1994];WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767;およびWO2009/152336を参照されたく、これらの全てが、参照により本明細書に組み込まれる)。
一部の実施形態では、変異誘発処理後に得られる酵素クローンは、酵素調製物を既定の温度(または他のアッセイ条件)に付すこと、および熱処理または他の好適なアッセイ条件後に残存する酵素活性の量を測定することによって、スクリーニングされる。次いで、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するクローンは、遺伝子から単離され、ヌクレオチド配列変化(もしあれば)を同定するためにシークエンシングされ、宿主細胞において酵素を発現させるために使用される。発現ライブラリーからの酵素活性の測定は、当技術分野において公知の任意の好適な方法(例えば、HPLC分析などの標準的な生化学技術)を使用して行うことができる。
改変体が産生された後、それらを任意の所望の特性(例えば、高い活性もしくは活性の増加、または低い活性もしくは活性の低下、熱活性の増加、熱安定性の増大、および/または酸性pH安定性など)についてスクリーニングすることができる。一部の実施形態では、「組換えガラクトースオキシダーゼポリペプチド」(本明細書では「操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチド」、「改変体ガラクトースオキシダーゼ酵素」、「ガラクトースオキシダーゼ改変体」、および「ガラクトースオキシダーゼ組合せ改変体」とも呼ばれる)が使用される。一部の実施形態では、「組換えガラクトースオキシダーゼポリペプチド」(「操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチド」、「改変体ガラクトースオキシダーゼ酵素」、「ガラクトースオキシダーゼ改変体」、および「ガラクトースオキシダーゼ組合せ改変体」とも呼ばれる)が使用される。
本明細書で使用される場合、「ベクター」は、DNA配列を細胞に導入するためのDNA構築物である。一部の実施形態では、ベクターは、DNA配列にコードされたポリペプチドの好適な宿主における発現を果たすことができる好適な制御配列に作動可能に連結した発現ベクターである。一部の実施形態では、「発現ベクター」は、宿主細胞における発現を駆動するためのDNA配列(例えば、導入遺伝子)に作動可能に連結したプロモーター配列を有し、一部の実施形態では、転写ターミネーター配列も含む。
本明細書では、用語「発現」は、転写、転写後修飾、翻訳、および翻訳後修飾を含むがこれらに限定されない、ポリペプチドの産生に関与する任意のステップを含む。一部の実施形態では、この用語は、細胞からのポリペプチドの分泌も包含する。
本明細書で使用される場合、用語「産生する」は、細胞によるタンパク質および/または他の化合物の産生を指す。この用語は、転写、転写後修飾、翻訳、および翻訳後修飾を含むがこれらに限定されない、ポリペプチドの産生に関与する任意のステップを包含することが意図されている。一部の実施形態では、この用語は、細胞からのポリペプチドの分泌も包含する。
本明細書で使用される場合、アミノ酸またはヌクレオチド配列(例えば、プロモーター配列、シグナルペプチド、ターミネーター配列など)は、この配列が作動可能に連結した別の配列にとって、それら2つの配列が天然に会合していない場合、「異種」である。例えば、「異種ポリヌクレオチド」は、実験技術により宿主細胞に導入される任意のポリヌクレオチドであり、宿主細胞から除去され、実験操作に付され、そしてその後、宿主細胞に再導入されるポリヌクレオチドを含む。
本明細書で使用される場合、用語「宿主細胞」および「宿主株」は、本明細書で提供されるDNA(例えば、ガラクトースオキシダーゼ改変体をコードするポリヌクレオチド)を含む発現ベクターのための好適な宿主を指す。一部の実施形態では、宿主細胞は、当技術分野において公知の組換えDNA技術を使用して構築されたベクターで形質転換またはトランスフェクトされた真核または原核細胞である。
用語「類似体」は、参照ポリペプチドと70%より高い配列同一性、しかし100%未満の配列同一性(例えば、75%、78%、80%、83%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を超える配列同一性)を有する、ポリペプチドを意味する。一部の実施形態では、類似体は、天然に存在するアミノ酸ばかりでなく、ホモアルギニン、オルニチンおよびノルバリンを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の天然に存在しないアミノ酸も含有する、ポリペプチドを意味する。一部の実施形態では、類似体はまた、1つまたは複数のD-アミノ酸残基、および2つまたはそれより多くのアミノ酸残基間の非ペプチド連結を含む。
用語「有効量」は、所望の結果を生じさせるのに十分な量を意味する。当業者は、日常的な実験を使用することにより何が有効量を決定することができる。
用語「単離された」および「精製された」は、それが天然に会合している少なくとも1つの他の成分から除去されている分子(例えば、単離された核酸、ポリペプチドなど)または他の成分を指すために使用される。用語「精製された」は、絶対純度を必要とせず、むしろ、相対的定義として意図されている。
本明細書で使用される場合、「立体選択性」は、化学または酵素反応における1つの立体異性体の別の立体異性体に対する優先的形成を指す。立体選択性は、1つの立体異性体が他の立体異性体より選好される場合、部分的であり得、または1つの立体異性体のみが形成される場合、完全であり得る。立体異性体がエナンチオマーである場合、立体選択性は、エナンチオ選択性と呼ばれ、これは、両方のエナンチオマーの和における一方のエナンチオマーの分率(典型的にはパーセンテージとして報告される)である。これは、一般に、当技術分野ではその代わりに、そこから式[主エナンチオマー-副エナンチオマー]/[主エナンチオマー+副エナンチオマー]に従って計算されるエナンチオマー過剰率(「e.e.」)として(典型的にはパーセンテージとして)報告される。立体異性体がジアステレオ異性体である場合、立体選択性は、ジアステレオ選択性と呼ばれ、これは、2つのジアステレオマーの混合物中の一方のジアステレオマーの分率(典型的にはパーセンテージとして報告される)であり、一般に、その代わりに、ジアステレオマー過剰率(「d.e.」)として報告される。エナンチオマー過剰率およびジアステレオマー過剰率は、立体異性体過剰率の種類である。
本明細書で使用される場合、「位置選択性」および「位置選択的反応」は、結合生成または切断の1つの方向が、全ての他の可能な方向より優先的に起こる反応を指す。反応は、識別が完全であり、実質的に位置選択的(少なくとも75%)である場合、完全(100%)位置選択的であり得、または1つの部位での反応の産物が他の部位での反応の産物より優勢である場合、部分的位置選択的(x%、この場合のパーセンテージは、目的の反応に依存して設定される)であり得る。
本明細書で使用される場合、「化学選択性」は、化学または酵素反応における1つの産物の別の産物に対する優先的形成を指す。
本明細書で使用される場合、「pH安定性の」は、ある期間(例えば、0.5~24時間)の高または低pH(例えば、4.5~6または8~12)への曝露後に、未処理酵素と比較して同様の活性(例えば、60%~80%より高い)を維持する、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「熱安定性の」は、ある期間(例えば、0.5~24時間)の高温(例えば、40~80℃)への曝露後に、同じ高温に曝露された野生型酵素と比較して同様の活性(例えば、60%~80%より高い)を維持する、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「溶媒安定性の」は、ある期間(例えば、0.5~24時間)の様々な濃度(例えば、5~99%)の溶媒(エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド[DMSO]、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert-ブチルエーテルなど)への曝露後に、同じ濃度の同じ溶媒に曝露された野生型酵素と比較して同様の活性(例えば、60%~80%より高い)を維持する、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「熱および溶媒安定性の」は、熱安定性でもあり、溶媒安定性でもある、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「必要に応じた」および「必要に応じて」は、その後に記載される事象または状況が、起こることもありまたは起こらないこともあること、およびその記載が、事象または状況が起こる事例と、それが起こらない事例とを含むことを意味する。1つまたは複数の必要に応じた置換基を含有すると記載される任意の分子に関して、立体的に現実的なおよび/または合成により実現可能な化合物のみが含まれるように意図されていることが、当業者には理解されるであろう。
本明細書で使用される場合、「必要に応じて置換されている」は、化学基という用語または一連の化学基における全ての後続の修飾語句を指す。例えば、用語「必要に応じて置換されているアリールアルキル」では、分子の「アルキル」部分および「アリール」部分は、置換されていることもあり、または置換されていないこともあり、一連の「必要に応じて置換されているアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール」については、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、互いに独立して、置換されていることもあり、または置換されていないこともある。
本明細書で使用される場合、「保護基」は、分子中の反応性官能基に結合されたときに官能基の反応性を隠蔽、低減または防止する原子の群を指す。典型的には、保護基は、合成過程で、所望に応じて選択的に除去され得る。保護基の例は、当技術分野において周知である。保護基を有することができる官能基としては、これらに限定されないが、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシ基が挙げられる。代表的なアミノ保護基としては、これらに限定されないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「SES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられる。代表的なヒドロキシル保護基としては、これらに限定されないが、ヒドロキシル基をアシル化するもの(例えば、メチルおよびエチルエステル、酢酸もしくはプロピオン酸基またはグリコールエステル)またはアルキル化するもの、例えばベンジルおよびトリチルエーテルのいずれか、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMSまたはTIPPS基)およびアリルエーテルが挙げられる。他の保護基は、本明細書で述べられる参考文献において見つけることができる。
発明の詳細な説明
本発明は、操作されたガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)酵素、GOアーゼ活性を有するポリペプチド、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含むベクターおよび宿主細胞を提供する。GOアーゼ酵素を産生するための方法も提供される。本発明は、GOアーゼ酵素を含む組成物、および操作されたGOアーゼ酵素を使用する方法を、さらに提供する。本発明は、医薬化合物および他の化合物の産生に特に使用される。
F.gramineariumからのガラクトースオキシダーゼ(GOアーゼ)は、穏やかな反応条件下で第一級アルコール含有基質に対する酸化を行うことができる、天然に存在する銅依存性酵素である。銅に加えて、この酵素は、結合している銅および酸素分子によって媒介される活性部位残基チロシンおよびシステインの架橋の結果である、翻訳後に形成される補因子に依拠する。したがって、酵素は、活性となり、酸素を還元することにより第一級アルコールの酸化を触媒することができ、ラジカル機構によってアルデヒドおよび過酸化水素を生じさせることができる。
スキーム1:ガラクトースオキシダーゼによる第一級アルコールの酸化
Figure 2023544408000001
対応するアルデヒドを生成するために3-エチニルグリセロール(EGO)に対する改善された選択性および活性を有するGOアーゼ改変体を進化させることに重点を置いた、以前の定向進化への取り組みを行った。R-エナンチオマーの形成を選好するエナンチオ選択性を有する改変体を産生した(スキーム2を参照されたい)。
スキーム2:ガラクトースオキシダーゼによる3-エチニルグリセロールの酸化
Figure 2023544408000002
工業プロセス条件は、スキーム1および2の第一級アルコールと比較して、アルコールを含有するリン酸化された基質、例えばエチニルグリセロールリン酸(EGP)の酸化を選好し得る。それ故、対応するリン酸化アルデヒド(化合物P)を生成するためにEGPに対する改善された活性を有するGOアーゼ改変体を進化させることに重点を置いた、さらなる定向進化への取り組みを行った(スキーム3を参照されたい)。
スキーム3:ガラクトースオキシダーゼによるエチニルグリセロールリン酸の酸化
Figure 2023544408000003
したがって、本開示の操作されたGOアーゼポリペプチドは、工業プロセスおよび多酵素系において有用であり得る、リン酸化された基質を含む、アルコール含有基質に対する改善されたオキシダーゼ活性を有する。
操作されたGOアーゼポリペプチド
本発明は、操作されたGOアーゼポリペプチド、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ポリペプチドを調製する方法、およびポリペプチドを使用する方法を提供する。説明がポリペプチドに関する場合、その説明がポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも説明することを理解されたい。一部の実施形態では、本発明は、野生型GOアーゼ酵素と比較して改善された特性を有する、操作された、天然に存在しないGOアーゼ酵素を提供する。任意の好適な反応条件が本発明において使用される。一部の実施形態では、方法は、酸化反応を行うための操作されたポリペプチドの改善された特性を分析するために使用される。一部の実施形態では、反応条件は、下記でおよび実施例でさらに説明されるように、操作されたGOアーゼの濃度もしくは量、基質、緩衝剤、溶媒、補因子、pH、温度および反応時間を含む条件、ならびに/または固体支持体上に固定化された操作されたGOアーゼポリペプチドに伴う条件に関して改良される。
一部の実施形態では、反応条件を補足するために追加の反応成分または追加の技術が利用される。一部の実施形態では、これらは、酵素を安定化するまたは酵素の不活性化を防止するための手段、産物阻害を低減させるための手段、反応の平衡を所望の産物形成にシフトさせるための手段を講じることを含む。
一部のさらなる実施形態では、基質化合物の産物化合物への変換のための上記のいずれのプロセスも、産物化合物の抽出、単離、精製、結晶化、濾過および/または凍結乾燥から選択される1つまたは複数のステップをさらに含むことがある。本明細書で提供されるプロセスにより産生される生体触媒反応混合物から産物を抽出、単離、精製および/または結晶化するための方法、技術およびプロトコールは、当業者に公知であり、および/または日常的な実験によって入手される。加えて、例示的な方法が、下記の実施例で提供される。
操作されたガラクトースオキシダーゼ酵素を使用する方法
一部の実施形態では、本明細書に記載のGOアーゼ酵素は、エチニルグリセロールリン酸を化合物Pに変換するためのプロセスにおいて使用される。一般に、酸化反応を行うためのプロセスは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)および/またはカタラーゼなどの1つまたは複数の補酵素の存在下で基質化合物を接触させるまたはインキュベートすることを含む。
本明細書で提供されるおよび本実施例で例証される実施形態では、プロセスにおいて使用され得る様々な範囲の好適な反応条件は、これらに限定されないが、基質負荷量、補助基質負荷量、還元剤、二価遷移金属、pH、温度、緩衝剤、溶媒系、ポリペプチド負荷量、および反応時間を含む。本明細書に記載の操作されたGOアーゼポリペプチドを使用して基質化合物から産物化合物への生体触媒変換プロセスを行うために好適なさらなる反応条件を、本明細書で提供されるガイダンスを勘案して日常的な実験によって容易に最適化することができ、そのような実験は、これらに限定されないが、操作されたGOアーゼポリペプチドと基質化合物を濃度、pH、温度および溶媒条件についての実験反応条件下で接触させること、ならびに産物化合物を検出することを含む。
反応混合物中の基質化合物を、例えば、産物化合物の所望の量、酵素活性に対する基質濃度の効果、反応条件下での酵素の安定性、および基質の産物への変換パーセントを考慮して、変えることができる。一部の実施形態では、好適な反応条件は、少なくとも約0.5~約200g/L、1~約200g/L、5~約150g/L、約10~約100g/L、20~約100g/Lまたは約50~約100g/Lの基質化合物負荷量を含む。一部の実施形態では、好適な反応条件は、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約75g/L、少なくとも約100g/L、少なくとも約150g/Lもしくは少なくとも約200g/Lの、またはそれよりさらに高い基質化合物負荷量を含む。本明細書で提供される基質負荷量の値は、2-エチニルグリセロールリン酸の分子量に基づくが、等モル量の様々なアルコールまたはリン酸アルコール類似体もプロセスにおいて使用することができることも企図される。
本明細書に記載のGOアーゼ媒介プロセスを行う際、操作されたポリペプチドを、反応混合物に、精製された酵素、部分的に精製された酵素、酵素をコードする遺伝子で形質転換された全細胞の形態で、細胞抽出物および/もしくはそのような細胞の溶解物として、ならびに/または固体支持体上に固定化された酵素として、添加することができる。操作されたGOアーゼ酵素をコードする遺伝子で形質転換された全細胞または細胞抽出物、その溶解物、および単離された酵素を、固体(例えば、凍結乾燥されたもの、噴霧乾燥されたものなど)または半固体(例えば、粗ペースト)をはじめとする様々な異なる形態で利用することができる。細胞抽出物または細胞溶解物を、沈殿(硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、熱処理など)、続いて、凍結乾燥前の脱塩手順(例えば、限外濾過、透析など)により、部分的に精製することができる。酵素調製物(全細胞調製物を含む)のいずれかを、例えばグルタルアルデヒドなどの公知の架橋剤を使用する架橋、または固相(例えば、Eupergit Cなど)への固定化によって、安定化してもよい。
操作されたGOアーゼポリペプチドをコードする遺伝子を宿主細胞に別々に形質転換することができ、または一緒に同じ宿主細胞に形質転換することができる。例えば、一部の実施形態では、宿主細胞1セットを、1つの操作されたGOアーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換することができ、別のセットを、別の操作されたGOアーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換することができる。形質転換された細胞の両方のセットを一緒に、全細胞の形態で、またはそこから得られる溶解物もしくは抽出物の形態で、反応混合物に利用することができる。他の実施形態では、宿主細胞を、複数の操作されたGOアーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換することができる。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドを、分泌ポリペプチドの形態で発現させることができ、分泌ポリペプチドを含有する培養培地をGOアーゼ反応に使用することができる。
一部の実施形態では、本明細書で開示される操作されたGOアーゼポリペプチドの改善された活性および/または選択性は、操作されたポリペプチドのより低い濃度でより高い変換パーセンテージを獲得することができるプロセスをもたらす。プロセスの一部の実施形態では、好適な反応条件は、基質化合物負荷量の約0.03%(w/w)、0.05%(w/w)、0.1%(w/w)、0.15%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、5%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)のまたはそれより多い操作されたポリペプチド量を含む。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、約0.01g/L~約15g/L、約0.05g/L~約15g/L、約0.1g/L~約10g/L、約1g/L~約8g/L、約0.5g/L~約10g/L、約1g/L~約10g/L、約0.1g/L~約5g/L、約0.5g/L~約5g/L、または約0.1g/L~約2g/Lで存在する。一部の実施形態では、GOアーゼポリペプチドは、約0.15g/L、0.2g/L、0.5g/L、1g/L、2g/L、5g/L、10g/L、または12.5g/Lで存在する。
一部の実施形態では、反応条件は、反応において補因子としての機能を果たすことができる金属も含む。一般に、金属補因子は、硫酸銅(すなわち、CuSO)である。マグネシウムイオンが様々な形態で提供されることもある。銅イオンは、操作された酵素において効率的に機能するが、補因子として作用できる他の金属をプロセスにおいて使用することができることを理解されたい。一部の実施形態では、反応条件は、金属補因子、特にCuSOを、約0.1mM~1mM、1mM~1M、1mM~100mM、1mM~約50mM、25mM~約35mM、約30mM~約60mM、または約55mM~約65mMの濃度で含み得る。一部の実施形態では、反応条件は、約0.1mM、1mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、または100mMの金属補因子濃度を含む。
反応過程で、反応混合物のpHは変化し得る。反応混合物のpHを、所望のpHでまたは所望のpH範囲内に維持することができる。これを、反応前のおよび/または反応過程での酸または塩基の添加により行うことができる。あるいは、緩衝剤を使用することによりpHを制御することができる。したがって、一部の実施形態では、反応条件は、緩衝剤を含む。所望のpH範囲を維持するために好適な緩衝剤は、当技術分野において公知であり、例として、限定ではなく、ホウ酸塩、リン酸塩、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、酢酸塩、トリエタノールアミン、および2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール(Tris)などを含む。一部の実施形態では、緩衝剤は、trisである。一部の実施形態では、緩衝剤は、bis-trisメタン(BIS-TRIS)である。プロセスの一部の実施形態では、好適な反応条件は、約0.01~約0.4M、0.05~約0.4M、0.1~約0.3M、または約0.1~約0.2Mの緩衝剤(例えば、BIS-TRIS)濃度を含む。一部の実施形態では、反応条件は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.07、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.3、または0.4Mの緩衝剤(例えば、tris)濃度を含む。
プロセスの実施形態では、反応条件は、好適なpHを含み得る。所望のpHまたは所望のpH範囲を、酸もしくは塩基、適切な緩衝剤、または緩衝と酸もしくは塩基添加の組合せの使用により、維持することができる。反応混合物のpHを反応前におよび/または反応過程で制御することができる。一部の実施形態では、好適な反応条件は、約4~約10の溶液pH、約5~約10のpH、約5~約9のpH、約6~約9のpH、約6~約8のpHを含む。一部の実施形態では、反応条件は、約4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10の溶液pHを含む。
本明細書におけるプロセスの実施形態では、例えば、より高い温度での反応速度の上昇、および反応期間中の酵素の活性を考慮して、反応条件に好適な温度を使用することができる。したがって、一部の実施形態では、好適な反応条件は、約10℃~約60℃、約10℃~約55℃、約15℃~約60℃、約20℃~約60℃、約20℃~約55℃、約25℃~約55℃、または約30℃~約50℃の温度を含む。一部の実施形態では、好適な反応条件は、約10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、または60℃の温度を含む。一部の実施形態では、酵素反応中の温度を、反応過程を通して特定の温度で維持することができる。一部の実施形態では、酵素反応中の温度を、反応過程での温度プロファイルによって調整することができる。
一部の実施形態では、反応条件は、反応を安定化または増進するための界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および/または両親媒性界面活性剤を含み得る。例示的な界面活性剤としては、例として、限定ではなく、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール(NP40)、Triton(登録商標) X-100、ポリオキシエチレン-ステアリルアミン、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、オレイルアミド硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン-ソルビタンモノステアラート、ヘキサデシルジメチルアミンなどが挙げられる。反応を安定化または増進し得る任意の界面活性剤を利用することができる。反応に利用される界面活性剤の濃度は、一般に0.1~50mg/ml、特に1~20mg/mlであり得る。
一部の実施形態では、反応条件は、反応溶液における、例えば反応溶液を混合またはスパージした際の、泡の形成の低減または防止に役立つ、消泡剤を含み得る。消泡剤としては、非極性油(例えば、鉱物、シリコーンなど)、極性油(例えば、脂肪酸、アルキルアミン、アルキルアミド、アルキル硫酸塩など)、および疎水性(例えば、処理シリカ、ポリプロピレンなど)が挙げられ、これらの一部は、界面活性剤としても機能する。例示的な消泡剤としては、Y-30(登録商標)(Dow Corning)、ポリグリコールコポリマー、オキシ/エトキシ化アルコール、およびポリジメチルシロキサンが挙げられる。一部の実施形態では、消泡剤は、約0.001%(v/v)~約5%(v/v)、約0.01%(v/v)~約5%(v/v)、約0.1%(v/v)~約5%(v/v)、または約0.1%(v/v)~約2%(v/v)で存在し得る。一部の実施形態では、消泡剤は、反応を促進するために望ましいように、約0.001%(v/v)、約0.01%(v/v)、約0.1%(v/v)、約0.5%(v/v)、約1%(v/v)、約2%(v/v)、約3%(v/v)、約4%(v/v)、もしくは約5%(v/v)で、またはそれより高度に存在し得る。
オキシダーゼ反応に使用される反応物の量は、一般に、所望の産物の量によって変わることになり、付随して、利用されるGOアーゼ基質の量によって変わることになる。これらの量を所望の生産性レベルおよび生産規模に合わせるために変える方法は、当業者には容易に理解されるであろう。
一部の実施形態では、反応物の添加の順序は、重要ではない。反応物を、一緒に、同時に、溶媒(例えば、単一相溶媒、二相水性共溶媒系など)に添加してもよく、またはその代わりに、反応物の一部を別々に添加し、一部を一緒に異なる時点で添加してもよい。例えば、補因子、補助基質、GOアーゼ酵素、および基質を、先ず溶媒に添加してもよい。
固体反応物(例えば、酵素、塩など)を、粉末(例えば、凍結乾燥されたもの、噴霧乾燥されたものなど)、溶液、油乳剤、懸濁液などをはじめとする様々な異なる形態で、反応に供給することができる。当業者に公知である方法および機器を使用して、反応物を容易に凍結乾燥または噴霧乾燥することができる。例えば、タンパク質溶液を-80℃で少量ずつ凍結させ、次いで、予冷された凍結乾燥チャンバーに添加し、続いて真空を適用することができる。
水性共溶媒系を使用する場合、混合効率改善のために、GOアーゼ酵素および補因子を先ず水性相に添加して混合することができる。次いで、有機相をそれに添加して混合し、続いて、GOアーゼ酵素基質および補酵素を添加することができる。あるいは、GOアーゼ酵素基質を、水性相への添加の前に有機相に予混することができる。
酸化プロセスを、一般に、基質の産物へのさらなる変換が反応時間とともに有意に変化しなくなる(例えば、基質の10%未満が変換される、または基質の5%未満が変換される)まで進行させる。一部の実施形態では、基質が産物に完全にまたはほぼ完全に変換されるまで、反応を進行させる。誘導体化を伴うまたは伴わない、基質および/または産物の検出による公知の方法を使用して、基質の産物への変換をモニターすることができる。好適な分析法としては、ガスクロマトグラフィー、HPLC、MSなどが挙げられる。
プロセスの一部の実施形態では、好適な反応条件は、少なくとも約5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、60g/Lの基質負荷量を含み、この方法は、約48時間もしくはそれ未満で、約36時間もしくはそれ未満で、約24時間もしくはそれ未満で、または約3時間もしくはそれ未満で、基質化合物の産物化合物への少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%のまたはそれを超える変換をもたらす。
操作されたGOアーゼポリペプチドを使用して基質化合物を産物化合物に変換するためのプロセスのさらなる実施形態では、好適な反応条件は、反応溶液への初期基質負荷量を含み、その結果、それにポリペプチドが接触する。次いで、この反応溶液に、追加の基質化合物が連続または回分式添加として経時的に、少なくとも約1g/L/h、少なくとも約2g/L/h、少なくとも約4g/L/h、少なくとも約6g/L/hの、またはそれより高い速度でさらに補充される。したがって、これらの好適な反応条件によると、ポリペプチドは、少なくとも約20g/L、30g/L、または40g/Lの初期基質負荷量を有する溶液に添加される。次いで、ポリペプチドのこの添加に続いて、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/L、150g/L、200g/Lのまたはそれを超えるはるかに高い最終基質負荷量に達するまで、さらなる基質が溶液に約2g/L/h、4g/L/hまたは6g/L/hの速度で連続的に添加される。したがって、プロセスの一部の実施形態では、好適な反応条件は、少なくとも約20g/L、30g/L、または40g/Lの初期基質負荷量を有する溶液へのポリペプチドの添加、続いて、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/Lのまたはそれを超える最終基質負荷量に達するまでの、さらなる基質の溶液への約2g/L/h、4g/L/hまたは6g/L/hの速度での添加を含む。この基質補充反応条件によって、基質の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%のまたはそれを超える変換という基質の産物への高い変換率を維持しながら、より高い基質負荷量を達成することが可能になる。
一部の実施形態では、カタラーゼは、過酸化水素(H)を酸素分子(O)に再循環させる。一部の実施形態では、GOアーゼを活性化するためにホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)が使用される。
プロセスの一部の実施形態では、操作されたGOアーゼポリペプチドを使用する反応は、以下の好適な反応条件を含み得る:(a)約50g/Lの基質負荷量、(b)約0.15g/Lの操作されたポリペプチド、(c)約1g/LのHRP、(d)約0.2g/Lのカタラーゼ、(e)約100μMのCuSO、(f)約50mMのBis-Tris、(g)約7.5のpH、(h)約30℃の温度、および(i)約18~20時間の反応時間。
一部の実施形態では、反応条件を補足するために追加の反応成分または追加の技術が行われる。これらは、酵素を安定化するまたは酵素の不活性化を防止するための手段、産物阻害を低減させるための手段、反応の平衡を産物形成にシフトさせるための手段を講じることを含み得る。
さらなる実施形態では、基質化合物の産物化合物への変換のための上記のいずれのプロセスも、産物化合物の抽出、単離、精製および結晶化から選択される1つまたは複数のステップをさらに含むことがある。上記開示プロセスにより産生される生体触媒反応混合物から産物を抽出、単離、精製および/または結晶化するための方法、技術およびプロトコールは、当業者に公知であり、および/または日常的な実験によって入手される。加えて、例示的な方法が、下記の実施例で提供される。
説明に役立つことを意図したものであり、限定を意図したものではない、以下の代表的な例で、本発明の様々な特徴および実施形態が例証される。
操作されたポリペプチドをコードする操作されたGOアーゼポリヌクレオチド、発現ベクターおよび宿主細胞
本発明は、本明細書に記載の操作された酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現させることができる組換えポリヌクレオチドを作出するために遺伝子発現を制御する1つまたは複数の異種調節配列に動作可能に連結している。一部の実施形態では、操作された酵素ポリペプチドをコードする少なくとも1つの異種ポリヌクレオチドを含有する発現構築物は、対応する酵素ポリペプチドを発現させるために適切な宿主細胞に導入される。
当業者には明らかであるように、タンパク質配列と様々なアミノ酸に対応するコドンについての知識とが得られることによって、対象ポリペプチドをコードすることができる全てのポリヌクレオチドについての説明が得られる。同じアミノ酸が代替または同義コドンによりコードされる遺伝コードの縮重は、全てが操作された酵素(例えば、GOアーゼ)ポリペプチドをコードするものである極めて多数の核酸を作製することを可能にする。したがって、本発明は、可能なコドン選択肢に基づいて組合せを選択することによって本明細書に記載の酵素ポリペプチドをコードするものにされ得る酵素ポリヌクレオチドのありとあらゆる可能なバリエーションの産生のための方法および組成物を提供し、全てのそのようなバリエーションは、実施例で(例えば、様々な表で)提示されるアミノ酸配列を含む本明細書に記載の任意のポリペプチドについて考えられ、具体的に開示されることになる。
一部の実施形態では、コドンは、好ましくは、タンパク質産生のための選択された宿主細胞による利用のために最適化される。例えば、細菌において使用される好ましいコドンは、細菌における発現のために典型的に使用される。それ故、操作された酵素ポリペプチドをコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、完全長コード領域中のコトン位置の約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%より多くに好ましいコドンを含有する。
一部の実施形態では、酵素ポリヌクレオチドは、酵素活性と本明細書で開示される特性とを有する操作されたポリペプチドであって、本明細書で提供される配列番号から選択される参照配列に対して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列、または任意の改変体(例えば、実施例で提供されるもの)のアミノ酸配列と、参照ポリヌクレオチドまたは実施例で開示される任意の改変体のアミノ酸配列と比較して1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10カ所またはそれより多くのアミノ酸残基位置)の残基相違とを含む、操作されたポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、参照ポリペプチド配列は、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262から選択される。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書で提供される任意のポリヌクレオチド配列から選択される参照ポリヌクレオチド配列、もしくはその相補配列、または本明細書で提供される改変体酵素ポリペプチドのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列と、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる。一部の実施形態では、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、参照配列と比較して1つまたは複数の残基相違を有するアミノ酸配列を含む酵素ポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、本明細書における操作された酵素ポリペプチドのいずれかをコードする単離されたポリヌクレオチドは、酵素ポリペプチドの発現を助長するように様々な方法で操作される。一部の実施形態では、酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、1つまたは複数の制御配列が、酵素ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を調節するために存在する、発現ベクターを含む。ベクターへのその挿入の前の単離されたポリヌクレオチドの操作は、利用される発現ベクターに依存して望ましいまたは必要であることがある。組換えDNA法を利用してポリヌクレオチドおよび核酸配列を修飾する技術は、当技術分野において周知である。一部の実施形態では、制御配列は、数ある中でも特に、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターを含む。一部の実施形態では、好適なプロモーターは、宿主細胞選択に基づいて選択される。細菌宿主細胞について、本開示の核酸構築物の転写を指令するのに好適なプロモーターとしては、これらに限定されないが、E.coli lacオペロン、Streptomyces coelicolorアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus licheniformisアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus stearothermophilusマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bacillus amyloliquefaciensアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus licheniformisペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilis xylAおよびxylB遺伝子、ならびに原核生物ベータ-ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(例えば、Villa-Kamaroff et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 75: 3727-3731 [1978]を参照されたい)、ならびにtacプロモーター(例えば、DeBoer et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 80: 21-25 [1983]を参照されたい)が挙げられる。糸状真菌宿主細胞についての例示的プロモーターとしては、これらに限定されないが、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus niger中性アルファ-アミラーゼ、Aspergillus niger酸安定性アルファ-アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamoriグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiリパーゼ、Aspergillus oryzaeアルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼ、Aspergillus nidulansアセトアミダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られるプロモーター(例えば、WO96/00787を参照されたい)、ならびにNA2-tpiプロモーター(Aspergillus niger中性アルファ-アミラーゼの遺伝子からのプロモーターとAspergillus oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)、ならびにこれらの変異体、切断型およびハイブリッドプロモーターが挙げられる。例示的な酵母細胞プロモーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO-1)、Saccharomyces cerevisiaeガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、およびSaccharomyces cerevisiae3-ホスホグリセリン酸キナーゼの遺伝子に由来し得る遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞についての他の有用なプロモーターは、当技術分野において公知である(例えば、Romanos et al., Yeast 8:423-488 [1992]を参照されたい)。
一部の実施形態では、制御配列は、好適な転写ターミネーター配列(すなわち、転写を終結させるために宿主細胞により認識される配列)でもある。一部の実施形態では、ターミネーター配列は、酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結している。選ばれる宿主細胞において機能性である任意の好適なターミネーターが、本発明において使用される。糸状真菌宿主細胞についての例示的な転写ターミネーターは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニル酸シンターゼ、Aspergillus nigerアルファ-グルコシダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞についての例示的なターミネーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ、Saccharomyces cerevisiaeシトクロムC(CYC1)、およびSaccharomyces cerevisiaeグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞についての他の有用なターミネーターは、当技術分野において公知である(例えば、Romanos et al.、上掲を参照されたい)。
一部の実施形態では、制御配列は、好適なリーダー配列(すなわち、宿主細胞による翻訳にとって重要であるmRNAの非翻訳領域)でもある。一部の実施形態では、リーダー配列は、酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結している。選ばれる宿主細胞において機能性である任意の好適なリーダー配列が、本発明において使用される。糸状真菌宿主細胞についての例示的リーダーは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、およびAspergillus nidulansトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞に好適なリーダーは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO-1)、Saccharomyces cerevisiae3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、Saccharomyces cerevisiaeアルファ因子、およびSaccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)の遺伝子から得られる。
一部の実施形態では、制御配列は、ポリアデニル化配列(すなわち、核酸配列の3’末端に作動可能に連結した配列であって、転写されたとき、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加させるためのシグナルとして宿主細胞により認識される配列)でもある。選ばれる宿主細胞において機能性である任意の好適なポリアデニル化配列が、本発明において使用される。糸状真菌宿主細胞についての例示的なポリアデニル化配列としては、これらに限定されないが、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニル酸シンターゼ、Fusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、およびAspergillus nigerアルファ-グルコシダーゼの遺伝子が挙げられる。酵母宿主細胞についての有用なポリアデニル化配列は公知である(例えば、Guo and Sherman, Mol. Cell. Biol., 15:5983-5990 [1995]を参照されたい)。
一部の実施形態では、制御配列は、シグナルペプチド(すなわち、ポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に方向付ける、コード領域)でもある。一部の実施形態では、核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳リーディングフレーム内で天然で連結されるシグナルペプチドコード領域を本質的に含有する。あるいは、一部の実施形態では、コード配列の5’末端は、コード配列にとって外来のシグナルペプチドコード領域を含有する。発現されたポリペプチドを選ばれる宿主細胞の分泌経路に方向付ける任意の好適なシグナルペプチドコード領域が、操作されたポリペプチドの発現に使用される。細菌宿主細胞についての有効なシグナルペプチドコード領域は、Bacillus NCIB 11837マルトース生成アミラーゼ、Bacillus stearothermophilusアルファ-アミラーゼ、Bacillus licheniformisサブチリシン、Bacillus licheniformisベータ-ラクタマーゼ、Bacillus stearothermophilus中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)、およびBacillus subtilis prsAの遺伝子からのものを含むがこれらに限定されない、シグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、当技術分野において公知である(例えば、Simonen and Palva, Microbiol. Rev., 57:109-137 [1993]を参照されたい)。一部の実施形態では、糸状真菌宿主細胞についての有効なシグナルペプチドコード領域としては、これらに限定されないが、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger中性アミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensセルラーゼ、およびHumicola lanuginosaリパーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域が挙げられる。酵母宿主細胞についての有用なシグナルペプチドとしては、これらに限定されないが、Saccharomyces cerevisiaeアルファ因子およびSaccharomyces cerevisiaeインベルターゼの遺伝子からのものが挙げられる。
一部の実施形態では、制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域でもある。結果として得られるポリペプチドは、「プロ酵素」、「プロポリペプチド」または「チモーゲン」と呼ばれる。プロポリペプチドは、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的または自己触媒的切断によって成熟活性ポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード領域は、Bacillus subtilisアルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilis中性プロテアーゼ(nprT)、Saccharomyces cerevisiaeアルファ因子、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、およびMyceliophthora thermophilaラクターゼの遺伝子を含むがこれらに限定されない、任意の好適な供給源から得ることができる(例えば、WO95/33836を参照されたい)。シグナルペプチド領域とプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の隣に位置し、シグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の隣に位置する。
一部の実施形態では、調節配列も利用される。これらの配列は、宿主細胞の増殖に関連してポリペプチドの発現の調節を助長する。調節系の例は、調節化合物の存在を含む、化学的または物理的刺激に応答して遺伝子発現をオンまたはオフにさせるものである。原核生物宿主細胞において、好適な調節配列としては、これらに限定されないが、lac、tacおよびtrpオペレータ系が挙げられる。酵母宿主細胞において、好適な調節配列としては、これらに限定されないが、ADH2系またはGAL1系が挙げられる。糸状真菌において、好適な調節配列としては、これらに限定されないが、TAKAアルファ-アミラーゼプロモーター、Aspergillus nigerグルコアミラーゼプロモーター、およびAspergillus oryzaeグルコアミラーゼプロモーターが挙げられる。
別の態様では、本発明は、操作された酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、導入されることになる宿主の種類に依存して、プロモーターおよびターミネーター、複製起点などのような1つまたは複数の発現調節領域とを含む、組換え発現ベクターに関する。一部の実施形態では、本明細書に記載の様々な核酸および制御配列は、1つまたは複数の便利な制限部位を、そのような部位での酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にするために含む、組換え発現ベクターを生じさせるために一緒に連結される。あるいは、一部の実施形態では、本発明の核酸配列は、核酸配列またはその配列を含む核酸構築物を発現のための適切なベクターに挿入することによって発現される。発現ベクターの作出を含む一部の実施形態では、コード配列は、ベクター内に、コード配列が発現のための適切な制御配列と作動可能に連結するように位置する。
組換え発現ベクターは、便利に組換えDNA手順に付すことができ、酵素ポリヌクレオチド配列の発現を生じさせることができる、任意の好適なベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は、ベクターとベクターが導入されることになる宿主細胞との適合性に典型的に依存する。ベクターは、直鎖状プラスミドであってもよく、または閉環状プラスミドであってもよい。
一部の実施形態では、発現ベクターは、自己複製ベクター(すなわち、染色体外実体として存在し、その複製が染色体複製に依存しないベクター、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体)である。ベクターは、自己複製を確実にするための任意の手段を含有し得る。一部の代替実施形態では、ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体とともに複製されるものであり得る。さらに、一部の実施形態では、単一のベクターもしくはプラスミド、または宿主細胞のゲノムにおよび/もしくはトランスポゾンに導入されることになる全DNAを一緒に含有する2つもしくはそれより多くのベクターもしくはプラスミドが、利用される。
一部の実施形態では、発現ベクターは、形質転換細胞の容易な選択を可能にする、1つまたは複数の選択可能なマーカーを含有する。「選択可能なマーカー」は、その産物が、殺生物剤またはウイルス抵抗性を、重金属に対する耐性を、栄養要求株に原栄養性を、およびこれらに類するものをもたらす、遺伝子である。細菌の選択可能なマーカーの例としては、これらに限定されないが、Bacillus subtilisもしくはBacillus licheniformisからのdal遺伝子、またはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を付与するマーカーが挙げられる。酵母宿主細胞についての好適なマーカーとしては、これらに限定されないが、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3が挙げられる。糸状真菌宿主細胞において使用するための選択可能なマーカーとしては、これらに限定されないが、amdS(アセトアミダーゼ;例えば、A.nidulansまたはA.orzyaeからのもの)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ;例えば、S.hygroscopicusからのもの)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン-5’-リン酸デカルボキシラーゼ;例えば、A.nidulansまたはA.orzyaeからのもの)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにこれらの等価物が挙げられる。
別の態様では、本発明は、本発明の少なくとも1つの操作された酵素ポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ポリヌクレオチドが、宿主細胞における操作された酵素(単数/複数)の発現のために1つまたは複数の制御配列に動作可能に連結している、宿主細胞を提供する。本発明の発現ベクターによりコードされるポリペプチドを発現させる際の使用に好適な宿主細胞は、当技術分野において周知であり、これらに限定されないが、細菌細胞、例えば、E.coli、Vibrio fluvialis、StreptomycesおよびSalmonella typhimurium細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC受託番号201178));昆虫細胞、例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO、COS、BHK、293およびBowes黒色腫細胞;ならびに植物細胞を含む。例示的な宿主細胞は、様々なEscherichia coli株(例えば、W3110(ΔfhuA)およびBL21)も含む。細菌の選択可能なマーカーの例としては、これらに限定されないが、Bacillus subtilisもしくはBacillus licheniformisからのdal遺伝子、またはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールおよび/もしくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を付与するマーカーが挙げられる。
一部の実施形態では、本発明の発現ベクターは、宿主細胞のゲノムへのベクターの組み込みを可能にする、またはゲノムに依存しない細胞におけるベクターの自己複製を可能にする、エレメントを含有する。宿主細胞ゲノムへの組み込みを含む一部の実施形態では、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列、または相同もしくは非相同組換えによるゲノムへのベクターの組み込みのためのベクターの任意の他のエレメントに依拠する。
一部の代替実施形態では、発現ベクターは、相同組換えによる宿主細胞のゲノムへの組み込みを指令するための追加の核酸配列を含有する。追加の核酸配列は、宿主細胞ゲノムの染色体内の正確な位置にベクターを組み込むことを可能にする。正確な位置への組み込みの尤度を増加させるために、組み込みエレメントは、好ましくは、相同組換えの確率を向上させるために対応する標的配列と高度に相同である十分な数のヌクレオチド、例えば、100~10,000塩基対、好ましくは400~10,000塩基対、最も好ましくは800~10,000塩基対のヌクレオチドを含有する。組み込みエレメントは、宿主細胞のゲノム内の標的配列と相同である任意の配列であり得る。さらに、組み込みエレメントは、非コード核酸配列であってもよく、またはコード核酸配列であってもよい。その一方で、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノムに組み込まれることもある。
自己複製のために、ベクターは、問題の宿主細胞におけるベクターの自己複製を可能にする複製起点をさらに含み得る。細菌の複製起点の例は、P15A ori、またはE.coliにおける複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177(このプラスミドは、P15A oriを有する)もしくはpACYC184、およびBacillusにおける複製を可能にするpUB110、pE194またはpTA1060の複製起点である。酵母宿主細胞において使用するための複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3の組合せ、およびARS4とCEN6の組合せである。複製起点は、宿主細胞におけるその機能を温度感受性にする変異を有するものであることもある(例えば、Ehrlich, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1433 [1978]を参照されたい)。
一部の実施形態では、本発明の核酸配列の1つより多くのコピーが、遺伝子産物の産生を増加させるために宿主細胞に挿入される。核酸配列のコピー数の増加は、宿主細胞ゲノムに配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって達成されることがあり、または核酸配列を有する増幅可能な選択可能なマーカー遺伝子を含めることによって達成されることもあり、この場合、選択可能なマーカー遺伝子の増幅されたコピーを含有し、かつそれによって核酸配列の追加のコピーを含有する細胞が、これらの細胞を適切な選択可能な薬剤の存在下で培養することによって選択され得る。
本発明において使用するための発現ベクターの多くが市販されている。好適な市販の発現ベクターとしては、これに限定されないが、CMVプロモーター、および哺乳動物宿主細胞における発現のためのhGHポリアデニル化部位、およびpBR322複製起点、およびE.coliにおける増幅のためのアンピシリン耐性マーカーを含む、p3xFLAGTM(商標)発現ベクター(Sigma-Aldrich Chemicals)が挙げられる。他の好適なベクターとしては、これらに限定されないが、pBluescriptII SK(-)およびpBK-CMV(Stratagene)、およびpBR322に由来するプラスミド(Gibco BRL)、pUCに由来するプラスミド(Gibco BRL)、pREP4に由来するプラスミド、pCEP4に由来するプラスミド(Invitrogen)またはpPolyに由来するプラスミド(例えば、Lathe et al., Gene 57:193-201 [1987]を参照されたい)が挙げられる。
したがって、一部の実施形態では、少なくとも1つの改変体ガラクトースオキシダーゼをコードする配列を含むベクターが、ベクターの伝播および改変体ガラクトースオキシダーゼの発現を可能にするために宿主細胞に形質転換される。一部の実施形態では、改変体ガラクトースオキシダーゼは、シグナルペプチドを除去するように翻訳後修飾され、一部の場合には分泌後に切断され得る。一部の実施形態では、上記の形質転換された宿主細胞は、改変体ガラクトースオキシダーゼの発現を可能にする条件下、好適な栄養培地で培養される。宿主細胞の培養に有用な任意の好適な培地が本明細書で使用され、そのような培地には、これらに限定されないが、適切なサプリメントを含有する最少または複合培地が含まれる。一部の実施形態では、宿主細胞は、HTP培地で増殖される。好適な培地は、様々な商業的供給業者から入手することができ、または公開レシピ(例えば、米国培養細胞系統保存機関のカタログにおけるもの)に従って調製することができる。
別の態様では、本発明は、本明細書で提供される改善されたガラクトースオキシダーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ポリヌクレオチドが、宿主細胞におけるガラクトースオキシダーゼ酵素の発現のために1つまたは複数の制御配列に動作可能に連結している、宿主細胞を提供する。本発明の発現ベクターによりコードされるガラクトースオキシダーゼポリペプチドを発現させる際に使用するための宿主細胞は、当技術分野において周知であり、これらに限定されないが、細菌細胞、例えば、E.coli、Bacillus megaterium、Lactobacillus kefir、StreptomycesおよびSalmonella typhimurium細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC受託番号201178));昆虫細胞、例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO、COS、BHK、293およびBowes黒色腫細胞;ならびに植物細胞を含む。上記宿主細胞についての適切な培養培地および増殖条件は、当技術分野において周知である。
ガラクトースオキシダーゼの発現のためのポリヌクレオチドを当技術分野において公知の様々な方法により細胞に導入することができる。技術は、数ある中でも特に、電気穿孔、微粒子銃による粒子衝突(biolistic particle bombardment)、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合を含む。細胞にポリヌクレオチドを導入するための様々な方法が当業者に公知である。
一部の実施形態では、宿主細胞は、真核細胞である。好適な真核宿主細胞としては、これらに限定されないが、真菌細胞、藻類細胞、昆虫細胞および植物細胞が挙げられる。好適な真菌宿主細胞としては、これらに限定されないが、Ascomycota、Basidiomycota、Deuteromycota、Zygomycota、Fungi imperfectiが挙げられる。一部の実施形態では、真菌宿主細胞は、酵母細胞および糸状真菌細胞である。本発明の糸状真菌宿主細胞は、EumycotinaおよびOomycota亜門の全ての糸状体を含む。糸状真菌は、キチン、セルロースおよび他の複合多糖で構成されている細胞壁を有する栄養菌糸体により特徴付けられる。本発明の糸状真菌宿主細胞は、形態学的に酵母とは明確に異なる。
本発明の一部の実施形態では、糸状真菌宿主細胞は、Achlya、Acremonium、Aspergillus、Aureobasidium、Bjerkandera、Ceriporiopsis、Cephalosporium、Chrysosporium、Cochliobolus、Corynascus、Cryphonectria、Cryptococcus、Coprinus、Coriolus、Diplodia、Endothis、Fusarium、Gibberella、Gliocladium、Humicola、Hypocrea、Myceliophthora、Mucor、Neurospora、Penicillium、Podospora、Phlebia、Piromyces、Pyricularia、Rhizomucor、Rhizopus、Schizophyllum、Scytalidium、Sporotrichum、Talaromyces、Thermoascus、Thielavia、Trametes、Tolypocladium、Trichoderma、Verticillium、および/もしくはVolvariella、ならびに/またはこれらの有性世代もしくは無性世代、および異名、バシオニム(basionym)、もしくは分類学的同等物を含むがこれらに限定されない、任意の好適な属および種のものである。
本発明の一部の実施形態では、宿主細胞は、Candida、Hansenula、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Pichia、KluyveromycesまたはYarrowia種の細胞を含むがこれらに限定されない、酵母細胞である。本発明の一部の実施形態では、酵母細胞は、Hansenula polymorpha、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces diastaticus、Saccharomyces norbensis、Saccharomyces kluyveri、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia kodamae、Pichia membranaefaciens、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia quercuum、Pichia pijperi、Pichia stipitis、Pichia methanolica、Pichia angusta、Kluyveromyces lactis、Candida albicans、またはYarrowia lipolyticaである。
本発明の一部の実施形態では、宿主細胞は、Chlamydomonas(例えば、C.reinhardtii)およびPhormidium(P.sp.ATCC29409)などの、藻類細胞である。
一部の他の実施形態では、宿主細胞は、原核細胞である。好適な原核細胞としては、これらに限定されないが、グラム陽性菌細胞、グラム陰性菌細胞およびグラム不定性菌細胞が挙げられる。Agrobacterium、Alicyclobacillus、Anabaena、Anacystis、Acinetobacter、Acidothermus、Arthrobacter、Azobacter、Bacillus、Bifidobacterium、Brevibacterium、Butyrivibrio、Buchnera、Campestris、Camplyobacter、Clostridium、Corynebacterium、Chromatium、Coprococcus、Escherichia、Enterococcus、Enterobacter、Erwinia、Fusobacterium、Faecalibacterium、Francisella、Flavobacterium、Geobacillus、Haemophilus、Helicobacter、Klebsiella、Lactobacillus、Lactococcus、Ilyobacter、Micrococcus、Microbacterium、Mesorhizobium、Methylobacterium、Methylobacterium、Mycobacterium、Neisseria、Pantoea、Pseudomonas、Prochlorococcus、Rhodobacter、Rhodopseudomonas、Rhodopseudomonas、Roseburia、Rhodospirillum、Rhodococcus、Scenedesmus、Streptomyces、Streptococcus、Synecoccus、Saccharomonospora、Staphylococcus、Serratia、Salmonella、Shigella、Thermoanaerobacterium、Tropheryma、Tularensis、Temecula、Thermosynechococcus、Thermococcus、Ureaplasma、Xanthomonas、Xylella、YersiniaおよびZymomonasを含むがこれらに限定されない、任意の好適な細菌生物が、本明細書で使用される。一部の実施形態では、宿主細胞は、Agrobacterium、Acinetobacter、Azobacter、Bacillus、Bifidobacterium、Buchnera、Geobacillus、Campylobacter、Clostridium、Corynebacterium、Escherichia、Enterococcus、Erwinia、Flavobacterium、Lactobacillus、Lactococcus、Pantoea、Pseudomonas、Staphylococcus、Salmonella、Streptococcus、Streptomyces、またはZymomonasの種である。一部の実施形態では、細菌宿主株は、ヒトに対して非病原性である。一部の実施形態では、細菌宿主株は、工業用株である。非常に多くの細菌工業用株が公知であり、本発明において好適である。本発明の一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Agrobacterium種(例えば、A.radiobacter、A.rhizogenes、およびA.rubi)である。本発明の一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Arthrobacter種(例えば、A.aurescens、A.citreus、A.globiformis、A.hydrocarboglutamicus、A.mysorens、A.nicotianae、A.paraffineus、A.protophonniae、A.roseoparqffinus、A.sulfureus、およびA.ureafaciens)である。本発明の一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Bacillus種(例えば、B.thuringensis、B.anthracis、B.megaterium、B.subtilis、B.lentus、B.circulans、B.pumilus、B.lautus、B.coagulans、B.brevis、B.firmus、B.alkaophius、B.licheniformis、B.clausii、B.stearothermophilus、B.halodurans、およびB.amyloliquefaciens)である。一部の実施形態では、宿主細胞は、B.subtilis、B.pumilus、B.licheniformis、B.megaterium、B.clausii、B.stearothermophilus、またはB.amyloliquefaciensを含むがこれらに限定されない、工業用Bacillus株である。一部の実施形態では、Bacillus宿主細胞は、B.subtilis、B.licheniformis、B.megaterium、B.stearothermophilus、および/またはB.amyloliquefaciensである。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Clostridium種(例えば、C.acetobutylicum、C.tetani E88、C.lituseburense、C.saccharobutylicum、C.perfringens、およびC.beijerinckii)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Corynebacterium種(例えば、C.glutamicumおよびC.acetoacidophilum)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Escherichia種(例えば、E.coli)である。一部の実施形態では、宿主細胞は、Escherichia coli W3110である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Erwinia種(例えば、E.uredovora、E.carotovora、E.ananas、E.herbicola、E.punctata、およびE.terreus)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Pantoea種(例えば、P.citrea、およびP.agglomerans)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Pseudomonas種(例えば、P.putida、P.aeruginosa、P.mevalonii、およびP.sp.D-01 10)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Streptococcus種(例えば、S.equisimiles、S.pyogenes、およびS.uberis)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Streptomyces種(例えば、S.ambofaciens、S.achromogenes、S.avermitilis、S.coelicolor、S.aureofaciens、S.aureus、S.fungicidicus、S.griseus、およびS.lividans)である。一部の実施形態では、細菌宿主細胞は、Zymomonas種(例えば、Z.mobilis、およびZ.lipolytica)である。
本発明において使用される多くの原核生物および真核生物株は、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)、有限会社ドイツ微生物細胞培養コレクション(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)(DSM)、オランダ微生物株保存センター(Centraalbureau Voor Schimmelcultures)(CBS)、および米国農業研究局特許培養株保存機関(Agricultural Research Service Patent Culture Collection)、北部研究センター(Northern Regional Research Center)(NRRL)などの、いくつかの培養物コレクションから公共に対して容易に入手できる。
一部の実施形態では、宿主細胞は、タンパク質分泌、タンパク質安定性、ならびに/またはタンパク質の発現および/もしくは分泌に望ましい他の特性を改善する特徴を有するように遺伝的に修飾されている。遺伝的修飾は、遺伝子操作技術および/または古典的な微生物学的技術(例えば、化学的またはUV変異誘発およびその後の選択)によって達成することができる。実際、一部の実施形態では、宿主細胞を産生するために、組換え修飾技術と古典的選択技術の組合せが使用される。組換え技術を使用して、宿主細胞内および/または培養培地中のガラクトースオキシダーゼ改変体の収量の増加をもたらす様式で、核酸分子を導入、欠失、阻害または修飾することができる。例えば、Alp1機能のノックアウトは、プロテアーゼが欠損している細胞をもたらし、pyr5機能のノックアウトは、ピリミジン欠損表現型を有する細胞をもたらす。1つの遺伝子操作手法では、相同組換えは、コードされたタンパク質の発現を抑制するために、in vivoで遺伝子を特異的に標的化することにより標的化された遺伝子修飾を誘導するために使用される。代替手法では、siRNA、アンチセンスおよび/またはリボザイム技術が遺伝子発現の阻害に使用される。タンパク質をコードする遺伝子の全てまたは一部の欠失、および遺伝子産物の発現または活性を妨げるための部位特異的変異誘発を含むがこれらに限定されない、細胞におけるタンパク質の発現を低減させるための様々な方法が、当技術分野において公知である。(例えば、Chaveroche et al., Nucl. Acids Res., 28:22 e97 [2000];Cho et al., Molec. Plant Microbe Interact., 19:7-15 [2006];Maruyama and Kitamoto, Biotechnol Lett., 30:1811-1817 [2008];Takahashi et al., Mol. Gen. Genom., 272: 344-352 [2004];およびYou et al., Arch. Microbiol., 191:615-622 [2009]を参照されたく、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる)。ランダム変異誘発、続いての所望の変異についてのスクリーニングも使用される(例えば、Combier et al., FEMS Microbiol. Lett., 220:141-8 [2003];およびFiron et al., Eukary. Cell 2:247-55 [2003]を参照されたく、これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる)。
宿主細胞へのベクターまたはDNA構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、PEG媒介性形質転換、電気穿孔、または当技術分野において公知の他の一般的な技術を含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知の任意の好適な方法を使用して果たすことができる。一部の実施形態では、Escherichia coli発現ベクターpCK100900i(これにより参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,714,437号を参照されたい)が使用される。
一部の実施形態では、本発明の操作された宿主細胞(すなわち、「組換え宿主細胞」)は、プロモーターを活性化するために、形質転換体を選択するために、またはガラクトースオキシダーゼポリヌクレオチドを増幅するために適宜修飾された、従来の栄養培地で培養される。温度、pHなどのような培養条件は、発現のために選択される宿主細胞に関して以前に使用されたものであり、当業者に周知である。述べたような多くの標準的参考文献および教科書が、細菌、植物、動物(特に、哺乳動物)および古細菌起源の細胞を含む、多くの細胞の培養および産生のために利用可能である。
一部の実施形態では、本発明の改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを発現する細胞は、回分または連続発酵条件下で増殖される。古典的な「回分発酵」は、培地の組成が発酵の開始時に設定され、発酵中に人工的変更を受けない、閉鎖系である。回分系の変形形態が「流加発酵」であり、これもまた本発明で使用される。この変形形態では、基質は、発酵が進行するにつれて徐々に添加される。流加系は、異化抑制が細胞の代謝を阻害する可能性が高いとき、および培地中に限られた量の基質を有することが望ましい場合、有用である。回分および流加発酵は、当技術分野において一般的かつ周知である。「連続発酵」は、既定発酵培地がバイオリアクターに連続的に添加され、同時に同量の馴化培地が処理のために除去される、開放系である。連続発酵は、一般に、培養物を一定した高密度で維持し、この場合、細胞は主として対数増殖期にある。連続発酵系は、定常状態増殖条件を維持することを目指す。連続発酵プロセスのための栄養素および増殖因子をモジュレートする方法、ならびに産物形成速度を最大にする技術は、工業微生物学の技術分野において周知である。
本発明の一部の実施形態では、無細胞転写/翻訳系が、改変体ガラクトースオキシダーゼの産生に使用される。いくつかの系が市販されており、方法は、当業者に周知である。
本発明は、改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドまたはその生物活性断片を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、配列番号4、6、38、50、114、226および/または262に対して、少なくとも約70%(または少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%)の配列同一性を含むアミノ酸配列をコードし、本明細書で提供されるような少なくとも1つの変異を含むポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞を提供するステップ;形質転換された宿主細胞を、培養培地において、コードされた改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを宿主細胞が発現する条件下で培養するステップ;ならびに必要に応じて、発現された改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを回収もしくは単離するステップ、および/または発現された改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを含有する培養培地を回収もしくは単離するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、必要に応じて、コードされたガラクトースオキシダーゼポリペプチドを発現した後の形質転換された宿主細胞を溶解するステップ、ならびに必要に応じて、発現された改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを細胞溶解物から回収および/または単離するステップを、さらに提供する。本発明は、改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを作製する方法であって、改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドで形質転換された宿主細胞を改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドの産生に好適な条件下で培養するステップ、および改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを回収するステップを含む方法を、さらに提供する。典型的に、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドの回収または単離は、本明細書に記載のものを含む、当技術分野において周知であるタンパク質回収技術を使用して、宿主細胞培養培地、宿主細胞、または両方からである。一部の実施形態では、宿主細胞は、遠心分離により収集され、物理的または化学的手段により破壊され、得られた粗抽出物がさらなる精製のために保持される。タンパク質の発現に利用される微生物細胞は、凍結融解サイクリング、超音波処理、機械的破壊、および/または細胞溶解剤の使用を含むがこれらに限定されない、任意の簡便な方法、ならびに当業者に周知の多くの他の好適な方法によって破壊することができる。
宿主細胞に発現された操作されたガラクトースオキシダーゼ酵素は、数ある中でも特に、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心分離およびクロマトグラフィーを含む、タンパク質精製のための当技術分野において公知の技術のいずれか1つまたは複数を使用して、細胞および/または培養培地から回収することができる。溶解、およびE.coliなどの細菌からのタンパク質の高効率抽出に好適な溶液は、商品名CelLytic B(商標)(Sigma-Aldrich)で市販されている。したがって、一部の実施形態では、得られたポリペプチドは、当技術分野において公知のいくつかの方法のうちのいずれかによって、回収/単離され、必要に応じて精製される。例えば、一部の実施形態では、ポリペプチドは、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性相互作用、等電点電気泳動、およびサイズ排除)、または沈殿を含むがこれらに限定されない、従来の手順によって、栄養培地から単離される。一部の実施形態では、成熟タンパク質の構造を完成する際に、所望に応じて、タンパク質リフォールディングステップが使用される。加えて、一部の実施形態では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が最終精製ステップで利用される。例えば、一部の実施形態では、当技術分野において公知の方法が本発明に使用される(例えば、Parry et al., Biochem. J., 353:117 [2001];およびHong et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 73:1331 [2007]を参照されたく、これらの両方が、参照により本明細書に組み込まれる)。実際、当技術分野において公知の任意の好適な精製方法が本発明で使用される。
ガラクトースオキシダーゼポリペプチドの単離のためのクロマトグラフィー技術としては、これらに限定されないが、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および親和性クロマトグラフィーが挙げられる。正味電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形状などのような因子に一部は依存することになる、特定の酵素を精製するための条件は、当業者に公知である。
一部の実施形態では、親和性技術が、改善されたガラクトースオキシダーゼ酵素の単離に使用される。親和性クロマトグラフィー精製には、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドに特異的に結合する任意の抗体を使用することができる。抗体の産生のために、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない様々な宿主動物を、ガラクトースオキシダーゼの注射によって免疫することができる。ガラクトースオキシダーゼポリペプチドは、側鎖官能基によって、または側鎖官能基に結合しているリンカーによって、BSAなどの好適な担体に結合させることができる。免疫応答を増大させるために、フロイント(完全および不完全)、ミネラルゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えばリゾレシチン、プルロニック(登録商標)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびに潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(カルメットゲラン桿菌)およびCorynebacterium parvumを含むがこれらに限定されない様々なアジュバントを、宿主種に依存して使用することができる。
一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼ改変体は、酵素を発現する細胞の形態で、粗抽出物として、または単離もしくは精製された調製物として、調製され、使用される。一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼ改変体は、凍結乾燥物として、粉末形態(例えば、アセトン粉末)で調製されるか、または酵素溶液として調製される。一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼ改変体は、実質的に純粋な調製物の形態である。
一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼポリペプチドは、任意の好適な固体基材に結合される。固体基材は、これらに限定されないが、固相、表面、および/または膜を含む。固体支持体は、これらに限定されないが、有機ポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシ、およびポリアクリルアミド、ならびにこれらのコポリマーおよびグラフトを含む。固体支持体は、無機のもの、例えば、ガラス、シリカ、細孔制御ガラス(CPG)、逆相シリカまたは金属、例えば金もしくは白金であることもある。基材の構成は、ビーズ、球体、粒子、顆粒、ゲル、膜または表面の形であることがある。表面は、平面、略平面または非平面であることがある。固体支持体は、多孔質または非多孔質であることがあり、膨潤特徴または非膨潤特徴を有することがある。固体支持体は、ウェル、くぼみ、または他の入れ物、容器、特徴または位置の形で構成されることもある。複数の支持体が、試薬のロボットによる送達に対応可能な様々な位置のアレイ上に構成されることもあり、または検出方法および/もしくは計器によって構成されることもある。
一部の実施形態では、ガラクトースオキシダーゼ改変体を精製するために免疫学的方法が使用される。1つの手法では、従来の方法を使用して改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドに対して(例えば、配列番号4、6、38、50、114、226および/もしくは262のいずれかを含むポリペプチド、ならびに/またはその免疫原性断片に対して)生じた抗体が、ビーズ上に固定化され、改変体ガラクトースオキシダーゼが結合される条件下で細胞培養培地と混合され、沈殿させる。関連手法では、免疫クロマトグラフィーが使用される。
一部の実施形態では、改変体ガラクトースオキシダーゼは、非酵素部分を含む融合タンパク質として発現される。一部の実施形態では、改変体ガラクトースオキシダーゼ配列は、精製助長ドメインに融合される。本明細書で使用される場合、用語「精製助長ドメイン」は、それが融合されたポリペプチドの精製を媒介するドメインを指す。好適な精製ドメインは、これらに限定されないが、金属キレートペプチド、固定化された金属での精製を可能にするヒスチジン-トリプトファンモジュール、グルタチオンに結合する配列(例えば、GST)、ヘマグルチニン(HA)タグ(インフルエンザヘマグルチニンタンパク質に由来するエピトープに相当する;例えば、Wilson et al., Cell 37:767 [1984]を参照されたい)、マルトース結合タンパク質配列、FLAGS伸長/親和性精製システム(例えば、Immunex Corpから入手可能なシステム)において利用されるFLAGエピトープなどを含む。本明細書に記載の組成物および方法における使用が企図される1つの発現ベクターは、エンテロキナーゼ切断部位によって分離されたポリヒスチジン領域に融合されている本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質の発現をもたらす。ヒスチジン残基は、IMIAC(固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー;例えば、Porath et al., Prot. Exp. Purif., 3:263-281 [1992]を参照されたい)での精製を助長し、その一方で、エンテロキナーゼ切断部位は、改変体ガラクトースオキシダーゼポリペプチドを融合タンパク質から分離するための手段を提供する。pGEXベクター(Promega)を使用して、外来ポリペプチドをグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させることもできる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、それらを、リガンド-アガロースビーズ(例えば、GST融合体の場合はグルタチオン-アガロース)への吸着、続いて、遊離リガンドの存在下での溶出によって、溶解細胞から容易に精製することができる。
したがって、別の態様では、本発明は、操作された酵素ポリペプチドを産生する方法であって、操作された酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を、ポリペプチドの発現に好適な条件下で培養するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載されるような、酵素ポリペプチドを単離および/または精製するステップを、さらに含む。
宿主細胞についての適切な培養培地および増殖条件は、当技術分野において周知である。酵素ポリペプチドの発現のためにポリヌクレオチドを細胞に導入するための任意の好適な方法が本発明で使用されることが、企図される。好適な技術としては、これらに限定されないが、電気穿孔、微粒子銃による粒子衝突、リポソーム媒介性トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合が挙げられる。
説明に役立つことを意図したものであり、限定を意図したものではない、以下の代表的実施例で、本発明の様々な特徴および実施形態が例証される。
実験
遂行した実験および結果を含む以下の実施例は、説明に役立つことを目的として提供するものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈すべきでない。実際、下記の試薬および機器の多くには様々な好適な供給元がある。本発明をいずれかの試薬または機器物品についていずれかの特定の供給元に限定することを意図していない。
以下の実験の開示では、以下の略語が適用される:M(モル濃度);mM(ミリモル濃度)、uMおよびμΜ(マイクロモル濃度);nM(ナノモル濃度);mol(モル);gmおよびg(グラム);mg(ミリグラム);ugおよびμg(マイクログラム);Lおよびl(リットル);mlおよびmL(ミリリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);umおよびμm(マイクロメートル);sec.(秒);min(分);hおよびhr(時);U(単位);MW(分子量);rpm(毎分回転数);psiおよびPSI(ポンド毎平方インチ);℃(摂氏度);RTおよびrt(室温);RH(相対湿度);CV(変動係数);CAMおよびcam(クロラムフェニコール);PMBS(ポリミキシンB硫酸塩);IPTG(イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド);LB(ルリアブロス);TB(テリフィックブロス);SFP(振盪フラスコ粉末);CDS(コード配列);DNA(デオキシリボ核酸);RNA(リボ核酸);nt(ヌクレオチド;ポリヌクレオチド);aa(アミノ酸;ポリペプチド);E.coli W3110(Coli Genetic Stock Center[CGSC]、New Haven、CTから入手可能な、一般に使用されている実験室E.coli株);HTP(ハイスループット);HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);HPLC-UV(HPLC-紫外可視検出器);1H NMR(プロトン核磁気共鳴分光法);FIOPC(陽性対照に対する改善倍率);SigmaおよびSigma-Aldrich(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO);Difco(Difco Laboratories、BD Diagnostic Systems、Detroit、MI);Microfluidics(Microfluidics、Westwood、MA);Life Technologies(Life Technologies、Fisher Scientificの一部、Waltham、MA);Amresco(Amresco,LLC、Solon、OH);Carbosynth(Carbosynth,Ltd.、Berkshire、UK);Varian(Varian Medical Systems、Palo Alto、CA);Agilent(Agilent Technologies,Inc.、Santa Clara、CA);Infors(Infors USA Inc.、Annapolis Junction、MD);ならびにThermotron(Thermotron,Inc.、Holland、MI)。
(実施例1)
pCK110900における操作されたポリペプチドの産生
C末端に6ヒスチジンタグが付加されておりガラクトースオキシダーゼ活性を有するFusarium gramenearumからのポリペプチド(配列番号4)をコードする、ポリヌクレオチド(配列番号3)を、pCK110900ベクター系(これによりその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,714,437号を参照されたい)にクローニングした。その後、ポリヌクレオチドを、lacプロモーターの制御下でE.coli W3110fhuAに発現させた。
96ウェル形式で、単一コロニーを採取し、1%グルコースと30μg/mLのクロラムフェニコール(CAM)とを含有する190μLのLBにおいて30℃、200rpmおよび85%相対湿度で増殖させた。一晩増殖させた後、20μLの増殖培養物を、30μg/mLのCAMを有する380μLのTBを含有するディープウェルプレートに移した。培養物を30℃、250rpmで、85%相対湿度でおおよそ2.25時間、増殖させた。培養物の光学密度(OD600)が0.4~0.6に達したら、最終濃度1mMまでIPTGを添加することによってガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発現を誘導した。誘導後、18~20時間、30℃、250rpmで、85%相対湿度で増殖させ続けた。4℃で10~20分間の4000rpmでの遠心分離によって細胞を収集し、培地を廃棄した。細胞ペレットを使用の準備が整うまで-80℃で保管した。アッセイを行う前に、1g/Lのリゾチームおよび0.5g/LのPMBSとともに25mMのBis-Tris、pH7.5を含有する200μLの溶解緩衝液に、細胞ペレットを再懸濁させた。一部の実施形態では、1g/Lのリゾチームおよび0.5g/LのPMBSとともに、25mMのBis-Tris、pH7.5、0.5mMのCuSOを含有する200μLの溶解緩衝液に、細胞ペレットを再懸濁させた。プレートを、マイクロタイタープレートシェーカーを用いて室温で2時間、中程度の速度の振盪で撹拌した。次いで、プレートを4000rpmで15~20分間、4℃で遠心分離し、清澄化上清を下で説明するHTPアッセイ反応に使用した。
振盪フラスコ手順を使用して、二次スクリーニングアッセイに有用である、および/または本明細書に記載の生体触媒プロセスにおける使用に有用である、操作されたガラクトースオキシダーゼポリペプチド振盪フラスコ粉末を生成することができる。酵素の振盪フラスコ粉末(SFP)調製によって、HTPアッセイで使用される細胞溶解物と比較して操作された酵素のより精製された調製物(例えば、総タンパク質の30%まで)が得られ、より高濃度の酵素溶液の使用も可能になる。培養を開始するために、目的の操作されたポリペプチドをコードするプラスミドで形質転換されたE.coliの単一コロニーを、30μg/mLのCAMと1%グルコースとを有する6mLのLBに接種した。培養物を30℃のインキュベーターにおいて250rpmで振盪しながら一晩(少なくとも16時間)増殖させた。一晩増殖させた後、5mLの培養物を、1L振盪フラスコ内の30μg/mLのCAMを有する250mLのTBに接種した。250mLの培養物を、OD600が0.6~0.8に達するまで2~3時間、30℃で、250rpmで増殖させた。1mMの最終濃度までIPTGを添加することにより、ガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発現を誘導した。さらに18~20時間、30℃、250rpmで、増殖させ続けた。事前に秤量した遠心分離ボトルに培養物を移すことにより細胞を収集し、次いで、7,000rpmで10分間、4℃で遠心分離した。上清を廃棄した。残存細胞ペレットを秤量した。一部の実施形態では、細胞を使用の準備が整うまで-80℃で保管した。溶解のために、細胞ペレットを、30mLの冷25mM Bis-Tris、pH7.5に再懸濁させた。110L MICROFLUIDIZER(登録商標)プロセッサーシステム(Microfluidics)を使用して再懸濁細胞を溶解した。10,000rpmで60分間、4℃での遠心分離により、細胞デブリを除去した。清澄化溶解物を回収し、-80℃で凍結させ、次いで、当技術分野において公知の標準的な方法を使用して凍結乾燥させた。凍結された清澄化溶解物の凍結乾燥によって、粗製の操作されたポリペプチドを含む乾燥振盪フラスコ粉末が得られる。
(実施例2)
配列番号4から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の産生に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号4のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号3)を使用して、表2-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の産生)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号4の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2で示す分析法を使用して同定した。
配列番号3で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、下のHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。5%(v/v)HTP溶解物、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、10g/Lのエチニルグリセロールリン酸、0.2mMのCuSO、50mMのPIPES、pH7.0を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)12.5g/Lのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、62.5mMのPIPES、PH7.0、0.25mMのCuSOを含有する、80μLのマスターミックス溶液(溶液のpHを6.5に調整した)、および2.)20μLの25%HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で3時間、600rpmで振盪する。
3時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SFPの活性を、0.06~8g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、10g/Lのエチニルグリセロールリン酸、0.2mMのCuSO、および50mMのPIPES、pH7.0で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000004
Figure 2023544408000005
(実施例3)
配列番号6から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の産生に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号6のガラクトースオキシダーゼを有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号5)を使用して、表3-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の産生)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号6の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号5で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、下のHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。1.25%(v/v)HTP溶解物、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、10g/Lのエチニルグリセロールリン酸(51.3mM)、0.2mMのCuSO、50mMのBis-Tris、pH6.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)13.3g/Lのエチニルグリセロールリン酸、1.3g/LのHRP、0.27g/Lのカタラーゼ、66.7mMのBis-Tris、pH6.5、0.27mMのCuSOを含有する、75μLのマスターミックス溶液(溶液のpHを6.5に調整した)、および2.)25μLの5%HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で3時間、600rpmで振盪した。
3時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SFPの活性を、0.06~8g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、10g/Lのエチニルグリセロールリン酸、0.2mMのCuSO、および50mMのBis-Tris、pH6.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000006
(実施例4)
配列番号38から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号38のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号37)を使用して、表4-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号38の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号37で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、下のHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。1%(v/v)HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、0.2mMのCuSO、50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)333.3mMのエチニルグリセロールリン酸、1.3g/LのHRP、0.27g/Lのカタラーゼ、66.7mMのBis-Tris、pH7.5、0.27mMのCuSOを含有する、75μLのマスターミックス溶液(溶液のpHを7.5に調整した)、および2.)25μLの4%HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪した。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SFPの活性を、0.16~5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、0.2mMのCuSO、および50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000007
Figure 2023544408000008
(実施例5)
配列番号50から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号50のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号49)を使用して、表5-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号50の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号49で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、示した通りHTPアッセイおよび分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。1g/Lのリゾチーム、0.5g/LのPMBS、および0.5mMのCuSOを有する、50mMのBis-Tris、pH7.5を用いて、細胞ペレットを溶解した。清澄化溶解物を25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。1%(v/v)HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、溶解緩衝液からの5μMのCuSO残留物、および50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)333.3mMのエチニルグリセロールリン酸、1.3g/LのHRP、0.27g/Lのカタラーゼ、66.7mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、75μLのマスターミックス溶液、および2.)25μLの4%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪した。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSOに、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、および50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000009
Figure 2023544408000010
(実施例6)
配列番号114から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号114のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号113)を使用して、表5-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号114の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号113で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、示した通りHTPアッセイおよび分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。1g/Lのリゾチーム、0.5g/LのPMBS、0.5mMのCuSOを有する、50mMのBis-Tris、pH7.5を用いて、細胞ペレットを溶解した。清澄化溶解物を、アッセイの前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。0.5%(v/v)HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、溶解緩衝液からの4μMのCuSO残留物、および50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)312.5mMのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、62.5mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、80μLのマスターミックス溶液、および2.)20μLの2.5%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪した。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSOに、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000011
(実施例7)
配列番号226から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号226のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号225)を使用して、表5-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号226の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号225で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、示した通りHTPアッセイおよび分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。1g/Lのリゾチーム、0.5g/LのPMBS、および0.25mMのCuSOを有する、50mMのBis-Tris、pH7.5を用いて、細胞ペレットを溶解した。清澄化溶解物を、アッセイの前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。1%(v/v)HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、および溶解緩衝液からの2.5μMのCuSO残留物、50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)312.5mMのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、62.5mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、80μLのマスターミックス溶液、および2.)20μLの5%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪する。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSOに、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、および50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000012
(実施例8)
配列番号262から誘導した操作されたポリペプチドの進化およびエチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成に対する改善されたガラクトースオキシダーゼ活性についてのスクリーニング
配列番号262のガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする操作されたポリヌクレオチド(配列番号261)を使用して、表5-1の操作されたポリペプチドを生成した。これらのポリペプチドは、出発ポリペプチドと比較して、所望の条件下で改善されたガラクトースオキシダーゼ活性(例えば、エチニルグリセルアルデヒドリン酸の形成)を示した。偶数番号の配列識別子のアミノ酸配列を有する操作されたポリペプチドを、説明した通り配列番号262の「骨格」アミノ酸配列から生成し、下で説明するHTPアッセイおよび表2-2に記載の分析法を使用して同定した。
配列番号261で示されるポリヌクレオチドを用いて定向進化を開始した。様々な周知の技術(例えば、飽和変異誘発、以前に同定された有益なアミノ酸相違の組換え)を使用して、操作されたポリペプチドのライブラリーを生成し、示した通りHTPアッセイおよび分析法を使用してスクリーニングした。
酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。改変体を3つの異なる条件下で試験した。第1の条件については、1g/Lのリゾチームおよび0.5g/LのPMBSを有する、50mMのBis-Tris、pH7.5を用いて、細胞ペレットを溶解した。清澄化溶解物を、アッセイの前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。1%(v/v)HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、20μMのCuSO、および50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)312.5mMのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、25μMのCuSO、62.5mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、80μLのマスターミックス溶液、および2.)20μLの5%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪する。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSOに、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、および50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000013
改変体を熱安定性についても試験した。酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。細胞ペレットを振盪しながら室温で2時間、25mMのBis-Tris、pH7.5、1g/Lのリゾチーム、および0.5g/LのPMBSで溶解した。清澄化後、溶解物をBioRad PCRプレートに移し、封止し、アッセイの前にサーモサイクラーにおいて33℃で1.5時間、インキュベートした。2.5%(v/v)の加熱HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、20μMのCuSO4、および50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)312.5mMのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、25μMのCuSO4、62.5mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、80μLのマスターミックス溶液、および2.)20μLの12.5%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪する。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSOに、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、および50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000014
Figure 2023544408000015
CuSOの存在下での改変体の熱安定性も評価した。酵素アッセイを96ウェルディープウェル(2mL)プレートにおいて100μL総体積/ウェルで行った。細胞ペレットを振盪しながら室温で2時間、25mMのBis-Tris、pH7.5、20μMのCuSO、1g/Lのリゾチーム、および0.5g/LのPMBSで溶解した。清澄化後、溶解物をBioRad PCRプレートに移し、封止し、アッセイの前にサーモサイクラーにおいて40℃で1.5時間、インキュベートした。5%(v/v)の加熱HTP溶解物、250mMのエチニルグリセロールリン酸、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、20μMのCuSO、50mMのBis-Tris、pH7.5を使用して、反応を行った。次のものを添加することにより、反応を生じさせた:1.)312.5mMのエチニルグリセロールリン酸、1.25g/LのHRP、0.25g/Lのカタラーゼ、25μMのCuSO、62.5mMのBis-Tris、pH7.5を含有する、80μLのマスターミックス溶液、および2.)20μLの25%の希釈HTP溶解物。反応プレートをヒートシールし、短時間、遠心分離した。次いで、プレートを30℃で18~20時間、600rpmで振盪する。
18~20時間のインキュベーション後、200μLの50mMリン酸カリウム、pH7.5を各ウェルに添加し、プレートを再封止し、10分間、室温で振盪した。新しいプレートにおいて、希釈した反応物50μLを、メタノールに溶解した150μLの10g/LのO-ベンジルヒドロキシルアミンに混ぜ入れた。プレートを封止し、室温で20~30分間、振盪した。試料をUPLC分析の前に水で2倍希釈した。
ヒットした改変体を250mL振盪フラスコ内で増殖させ、振盪フラスコ粉末を生成した。SF粉末を、50mMのBis-Tris、pH7.5および0.5mMのCuSO4に、穏やかに振盪しながら1.5時間、室温で再懸濁させた。再懸濁したSF粉末を、活性決定前に25mMのBis-Tris、pH7.5で希釈した。SF粉末の活性を、0.16~12.5g/LのSF粉末、1g/Lのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、0.2g/Lのカタラーゼ、250mMのエチニルグリセロールリン酸、50mMのBis-Tris、pH7.5で評価した。上で説明したのと同様の手順を使用して、反応を生じさせた。
Figure 2023544408000016
Figure 2023544408000017
本願に引用する全ての刊行物、特許、特許出願および他の文献は、個々の刊行物、特許、特許出願または他の文献の各々があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれると個々に示されている場合と同程度に、あらゆる目的でそれら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
様々な具体的な実施形態を例証し、説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく様々な変化を加えることができることが理解されるであろう。

Claims (33)

  1. 配列番号114、4、6、38、50、226および/または262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列またはその機能的断片を含む、操作されたガラクトースオキシダーゼであって、前記ポリペプチド配列に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号114、4、6、38、50、226および/または262を基準にして番号が付けられている、操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  2. 前記ポリペプチド配列が、配列番号4に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、196/158、19/547/564、47、111、196、196/327、196/408/462、196/442、196/442/462/583、218、292、329、407、408、および442から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号4を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  3. 前記ポリペプチド配列が、配列番号6に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、291、407、437、および437/486から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号6を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  4. 前記ポリペプチド配列が、配列番号38に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、8/29/192/196/274/295、8/63/224/274/291/295/296、8/173/192/224/291/295/296、8/274/291/295、29/56/192/197/219/224/291/295/296、43/192/274/291/296、56/274/291、56/274/295、63/173/192/274、63/192/295、63/291/295、111/462、173/291、197/220/426、220/295、220/375/426、220/426/567、243/274/291/295/637、291、291/408/437、291/408/462、291/429、291/437、291/437/462、291/462、297/462、408/462、437/462、438、および462から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号38を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  5. 前記ポリペプチド配列が、配列番号50に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、24/52/311/550、46/158/192/217/297/556、46/158/192/367/375/556、46/192、46/192/217/274/556、46/192/274/304/367/637、46/192/274/437/556、46/192/304/367、46/192/367/408、46/192/367/556、46/192/375/437、46/274/367/375/437/637、46/297/304/367/437/637、158/192/217/556、158/192/274/304、158/192/274/437/556、158/192/274/556、158/192/304/408/556/637、158/192/367/375、158/192/367/556、158/192/408/556、158/637、192、192/217/295/297/367/556、192/217/367/375/556、192/217/556、192/274、192/274/304/426、192/274/367/556、192/274/367/637、192/274/375、192/295、192/295/304、192/295/367/375、192/297/367/644、192/297/437、192/304、192/304/365/437、192/304/367、192/304/637、192/367、192/367/375/556、192/367/408/426/437/556、192/437/556、192/637、217/304/437、274/304/367/426/556、304/426/556、311/343/550、367、367/556、375、426、437、および550から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号50を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  6. 前記ポリペプチド配列が、配列番号114に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、161/564、221、263、296、308、361、373、481/597、518、537、553、564、570、および596から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号114を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  7. 前記ポリペプチド配列が、配列番号226に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、24/47/382/408/570、24/79/308/367、24/250/308/596、24/250/408/568/570、24/308/309、24/309/408/570、24/367/408/596、24/367/570、24/596、69、250、250/570、309、443、および570から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号226を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  8. 前記ポリペプチド配列が、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、239/408、318、335/408、338、および408から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号262を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  9. 前記ポリペプチド配列が、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、335/408、338、および408から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号262を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  10. 前記ポリペプチド配列が、配列番号262に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有し、前記操作されたガラクトースオキシダーゼが、28/239、28/239/274/408、28/239/291/408、28/239/371/408、28/371、239、239/274/291/359/513、239/274/291/408、239/291/408、239/408、239/408/523、291、291/408、318、335/408、338、および408から選択される前記ポリペプチド配列の1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換または置換のセットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号262を基準にして番号が付けられている、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  11. 表2.1、3.1、4.1、5.1、6.1、7.1、8.1、8.2および/または8.3で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  12. 配列番号4、6、38、50、114、226および/または262で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  13. 配列番号4、6、38、50、114、226および/または262で示される改変体の操作されたポリペプチドである、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  14. 配列番号4~334のうちの偶数番号の配列で示される少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼ改変体の配列と、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高度に同一であるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  15. 配列番号6~334のうちの偶数番号の配列で示されるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  16. 野生型F.gramineariumガラクトースオキシダーゼと比較して少なくとも1つの改善された特性を含む、請求項1から15のいずれかに記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  17. 前記改善された特性が、基質に対する改善された活性を含む、請求項16に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  18. 前記基質が、リン酸アルコールを含む、請求項17に記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  19. 野生型F.gramineariumガラクトースオキシダーゼと比較して改善された立体選択性を有するポリペプチドを含む、請求項1から18のいずれかに記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  20. 精製されている、請求項1から19のいずれかに記載の操作されたガラクトースオキシダーゼ。
  21. 請求項1から20のいずれかに記載の少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを含む組成物。
  22. 請求項1から20のいずれかに記載の少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド配列。
  23. 少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド配列であって、配列番号3、5、37、49、113、225および/または261に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含み、前記操作されたガラクトースオキシダーゼの前記ポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の位置に少なくとも1つの置換を含む、ポリヌクレオチド配列。
  24. 配列番号3、5、37、49、113、225および/または261に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含む少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼまたはその機能的断片をコードする、ポリヌクレオチド配列。
  25. 制御配列に作動可能に連結している、請求項22から24のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  26. コドン最適化されている、請求項22から25のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  27. 配列番号5~333のうちの奇数番号の配列を含む、請求項22から26のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  28. 請求項22から27のいずれかに記載の少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
  29. 請求項28に記載の少なくとも1つの発現ベクターを含む宿主細胞。
  30. 請求項22から27のいずれかに記載の少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
  31. 宿主細胞において操作されたガラクトースオキシダーゼを産生する方法であって、請求項29および/または30に記載の宿主細胞を、少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼが産生されるような好適な条件下で培養するステップを含む方法。
  32. 前記培養物および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを回収するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記少なくとも1つの操作されたガラクトースオキシダーゼを精製するステップをさらに含む、請求項31および/または32に記載の方法。
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