JP5550427B2 - 可動式グロメットおよびこれへの電線束の固定方法 - Google Patents

可動式グロメットおよびこれへの電線束の固定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤハーネスに外嵌したグロメットに関し、特に、止水処理済みの電線を車体パネルに嵌合したときのハーネス全体のコンパクト化に寄与する可動式グロメットに関するものである。
〈従来のグロメット〉
従来、自動車に配索するワイヤハーネスを、例えば、エンジンルーム等の室外側から室内側へ車体パネルの嵌合孔を通して配索する箇所には、ゴムあるいはエラストマー等の弾性体からなるグロメットをワイヤハーネスに外嵌している。グロメットの大径筒部の外周方向表面に係止溝を備え、この車体係止溝の側壁の一方の側壁にシールリップを形成して車体パネルに密着させることにより、防水、防音機能を持たせるようにしている。
ワイヤハーネスを自動車に配索するときは、室内側から室外側にワイヤハーネスを通し、グロメットは室外側からワイヤハーネスに密着させた電線固定部を引っ張って係止溝を車体パネルの嵌合孔の周縁に密着させている。
このようにして車体パネルに嵌合されたグロメットの場合、電線が止水されている電線固定部はグロメット本体から突出して設けられている。そして止水性能を満足するために、電線固定部から一定の距離の間は、電線を曲げたり、分岐したりする形状にはしない方が理想とされている。
〈従来のグロメットの形状〉
図5は、従来のグロメットを説明する縦断面図である。
図5において、50は従来のグロメットで、このグロメット50はワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えた電線固定部50Wと、外周方向表面に係止溝50Mを備えた環状の車体パネル嵌合部50Pと、電線固定部50Wと車体パネル嵌合部50Pとを繋ぐ半径方向に延びる肉厚の複数(図では5個)のリブ50Lと、これらの部位の間を隙間なく繋ぐ薄肉部50Sとをゴムまたはエラストマー等の弾性体で一体に成形されて成るものである。
〈車体パネルに嵌合された従来のグロメット〉
図3はグロメットを車体パネルに嵌合させた状態のハーネス全体のコンパクト化を比較するための縦断面図で、(A)は本発明に係るグロメット、(B)は従来のグロメットである。
図3(B)において、グロメット50の電線固定部50Wに電線束Wを挿入し、電線固定部50Wを車体パネル90の嵌合孔に図3(B)の右側から左側に通して電線固定部50Wを左側(車体パネル90から遠ざかる方向)に引っ張ると、リブ50L(図5)が車体パネル90の嵌合孔の内面に摺(す)れることで、リブ50Lは外側に反り返るような動きをしながら、最終的に環状の車体パネル嵌合部50P(図5)の外周方向表面の係止溝50M(図5)に車体パネル90の嵌合孔の周縁が係止して密着することで、グロメット50は車体パネル90に嵌合される。
グロメット本体から突出して設けられている電線固定部50Wではハッチングで示す部分(止水処理部)20Wに電線束Wが止水処理されているので、この止水性能を満足するために、電線固定部50Wから一定の距離Bの間は、電線束Wを曲げたり、分岐したりする形状にはしない方が理想とされている。
〈従来のグロメットの問題点〉
このように電線束Wが止水されている電線固定部50Wはグロメット本体から突出して設けられており、止水性能を満足するために電線固定部50Wから一定の距離Bの間は電線束Wを曲げたり、分岐したりしないため、結果的に、電線束Wを曲げたり分岐させたりできる部位(すなわち、電線分岐部50B)が車体パネル90から距離A’と遠く離れてしまい、ハーネスとして小型化できない、という欠点があった。
〈上記問題点を解決する特許文献1および2〉
上記問題点を解決するものとして、特許文献1および2記載の発明が存在する。
特許文献1および2記載の発明よれば、電線固定部を伸縮可能とし、搭載状態で電線固定部がグロメット本体内方へ収納される状態とすることにより、電線を加工(曲げ・分岐)できる部位(電線分岐部)を車体パネルに近づけることができ、ハーネス全体としてコンパクトにできる、というものである。
特開2002−10451号公報 実開昭55−49431号公報
〈特許文献1および2記載の発明の問題点〉
しかしながら、特許文献1および2記載の発明には、(1)電線固定部をグロメット本体に収納した状態のままでグロメットを車体パネルに嵌合することができないという問題点や、(2)電線固定部を持って引っ張るため電線固定部が把持できるだけの長さを備えていなければならないので、電線固定部を短くできないという問題点があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、電線を加工(曲げ・分岐)できる部位(電線分岐部)を車体パネルに近づけることができ、電線固定部が手で把持できるだけの長さを備える必要がなく、したがってハーネス全体としてコンパクトにできると共に、電線固定部をグロメット本体に収納した状態のままでグロメットを車体パネルに嵌合することができるグロメットを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本願第1発明は可動式グロメットに係り、ワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えた電線固定部と、グロメット本体とから成るグロメットであって、前記グロメット本体は、外周方向表面に係止溝を備えた環状の車体パネル嵌合部と、前記電線固定部と前記車体パネル嵌合部とを繋ぐ半径方向に延びる複数のリブと、およびこれらの部位の間を繋ぐ薄肉部とを弾性体で一体に成形されて成るグロメットにおいて、
前記リブ間に位置する前記薄肉部の前記電線固定部寄りで前記電線固定部とは一定距離離れた位置にテープ止めベラを設け、
前記テープ止めベラの付け根およびその近傍と前記電線固定部の外周とを連結する連結部が、前記テープ止めベラの付け根を中心にして軸方向に折り返されることで前記電線固定部が前記グロメット本体から引き出されたり、軸方向に直線状に延びることで前記グロメット本体へ押し込まれたりすることを特徴とするものである。
本願第2発明は、第1発明の可動式グロメットにおいて、前記テープ止めベラの付け根から前記リブに沿って前記グロメット外側に向かって肉厚の補強部を設けたことを特徴とするものである。
本願第3発明は、第2発明の可動式グロメットにおいて、前記補強部と前記リブとの間にスリットを設けたことを特徴とするものである。
本願第4発明は、電線の可動式グロメットへの固定方法に係り、ワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えた電線固定部と、グロメット本体とから成るグロメットであって、前記グロメット本体は、外周方向表面に係止溝を備えた環状の車体パネル嵌合部と、前記電線固定部と前記車体パネル嵌合部とを繋ぐ半径方向に延びる複数のリブと、およびこれらの部位の間を繋ぐ薄肉部とを弾性体で一体に成形されて成るグロメットにおいて、前記リブ間に位置する前記薄肉部の前記電線固定部寄りで前記電線固定部とは一定距離離れた位置にテープ止めベラを前記グロメット本体と一体に設け、前記テープ止めベラの付け根およびその近傍と前記電線固定部の外周とを連結する連結部が、前記テープ止めベラの付け根を中心にして軸方向に折り返されることで前記電線固定部が前記グロメット本体から引き出されたり、軸方向に直線状に延びることで前記グロメット本体へ押し込まれたりすることができる長さとした可動式グロメットに対して電線束を固定する可動式グロメットへの電線束の固定方法において、
前記電線束を次の(1)〜(5)の手順で固定することを特徴とするものである。
(1)各電線に止水処理を施こした電線束を作る。
(2)前記テープ止めベラを前記電線固定部から退避させる。
(3)止水処理された前記電線束を前記グロメットの前記電線固定部に挿通し、電線固定部をグロメット本体から引っ張り出してテープ巻きをする。
(4)テープ巻きされた前記電線固定部を前記グロメット本体内に押し込む。
(5)退避していた前記テープ止めベラを元の位置に戻し、前記電線束の上に沿わせて、この部分にテープ巻きをして前記電線束と前記グロメット同士を固定する。
上記のようにすることで、次のような効果が得られる。
(1)電線固定部を伸縮可能とし、搭載状態で電線固定部がグロメット本体内方へ収納される状態とすることにより、電線を加工(曲げ・分岐)できる部位(電線分岐部)を車体パネルに近づけることができ、ハーネス全体としてコンパクトにできる。
(2)テープ止めベラを設けることにより、電線固定部をグロメット本体内に収納したまま、グロメットを車体パネルへ嵌合できるので、作業が簡単かつ迅速に捗(はかど)るようになる。
図1は本発明に係るグロメットの模式的縦断面図で、(A)は電線固定部を前方へ突出させた状態、(B)は電線固定部をグロメット本体に押し込んだ状態のそれぞれ縦断面図である。 図2は本発明に係るグロメットの斜視図である。 図3はグロメットを車体パネルに嵌合させた状態のハーネス全体のコンパクト化を比較するための縦断面図で、(A)は本発明に係るグロメット(図1)の場合、(B)は従来のグロメット(図5)の場合のそれぞれの縦断面図である。 図4は、電線固定部を可動式にした本発明に係るグロメットに電線束を固定する固定作業手順を説明する縦断面図で、(A)は止水処理された電線束をグロメットに通す前、(B)は電線束をグロメットに通した後、(C)は電線リップ部をグロメット内に押し込んだ状態、(D)電線束とグロメットを固定した状態をそれぞれ示す縦断面図である。 図5は従来のグロメットの縦断面図である。
以下に、電線を加工(曲げ・分岐)できる部位(電線分岐部)を車体パネルに近づけることができ、電線固定部が手で把持できるだけの長さを備える必要がなく、したがってハーネス全体としてコンパクトにできると共に、電線固定部をグロメット本体に収納した状態のままでグロメットを車体パネルに嵌合することができる本発明に係るグロメットについて図1〜図4を用いて説明する。
<本発明に係るグロメット>
図1および図2において、本発明に係る可動式グロメット10は、ワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えさらにグロメット本体側に押し込み可能でかつグロメット本体側から引き出し可能に形成された電線固定部10Wと、外周方向表面に係止溝10Mを備えた環状の車体パネル嵌合部10Pと、電線固定部10Wと車体パネル嵌合部10Pとを繋ぐ半径方向に延びる肉厚の複数(図では4個)のリブ10L(図2)と、ホースやワイヤ等を内部に貫通させる筒部をリブ10L間に備えた筒形状部10C(図2)と、およびこれらの部位の間を隙間なく繋ぐ薄肉部10Sとをゴムまたはエラストマー等の弾性体で一体に成形されている。さらに、本発明によりテープ止めベラ11が次のように形成されている。
《本発明によるテープ止めベラ11の形成》
テープ止めベラ11は、リブ10L(図2)間に位置する薄肉部10Sの電線固定部10W寄りで電線固定部10Wとは一定距離離れた位置に設けられている。
テープ止めベラ11は横断面が弧状または長方形をしており、電線固定部10Wの丈よりも長くした長尺状をして手で引っ張り易くしており、かつ材料による弾力性を有している。このテープ止めベラ11は図で電線固定部10Wの外周側のリブ10L間に複数個(実施例1では全部で4個)設けている。
《本発明による連結部10Rの形成》
電線固定部10W(図1)の外周とテープ止めベラ11の付け根11Tおよびその近傍との間を連結する連結部10Rは、テープ止めベラ11の付け根11Tを中心にして電線固定部10Wがグロメット本体から引き出されたり(図1(A))、グロメット本体へ押し込まれたりする(図1(B))ことができる長さとしているのが特徴である。
連結部10Rをこのような長さとすることで、電線固定部10Wはテープ止めベラ11の付け根11Tを中心に引き出されたり、押し込まれたりすることができるので、グロメットを車体パネルへ嵌合する際に電線固定部10Wをグロメット本体内に押し込んだ状態で嵌合させることができるため、全体をコンパクト化することができる。
一方、従来グロメットの連結部50R(図5)は、リブ10Lの付け根50Tと電線固定部50Wの外周50Eとを最短距離で連結しているので連結部50Rに余裕はなく、押し込むことは難しい。
〈本発明による肉厚の補強部12の形成〉
さらに、図2において、本発明では、テープ止めベラ11の付け根からリブ10Lに沿ってグロメット外側に向かって肉厚の補強部12を設けている。補強部12はテープ止めベラ11からグロメット外側に向かって肉厚の補強部12が形成されており、これによってテープ止めベラ11を引っ張ることにより、嵌合時に車体パネル嵌合部10Pの付近にも力を加えることができるようになる。
〈本発明によるスリット13の形成〉
さらに、図2において、本発明では、補強部12とリブ10Lとの間にスリット13を設けている。スリット13によってテープ止めベラ11とリブ10Lとはそれぞれ独立して動くことができ、テープ止めベラ11を引っ張ったときリブ10Lの反り返る動きは邪魔されることなく、嵌合し易くなる。
以上のように、本発明に係るグロメットによれば、電線固定部がグロメット本体中に押し込まれている場合でも車体パネルへの嵌合ができ、車体パネル嵌合部およびその付近に直接力を加えることができるようになる。
〈本発明に係るグロメット(図1)に電線束を固定する固定作業手順〉
図4は、電線固定部を本発明に係るグロメット本体内に押し込んで固定する作業手順を説明する縦断面図で、(A)は止水処理された電線束をグロメットに通す前、(B)は電線束をグロメットに通した後、(C)は電線リップ部をグロメット内に押し込んだ状態、(D)電線束とグロメットを固定した状態をそれぞれ示す縦断面図である。
図4(A)において、本発明に係るグロメット10はグロメット本体の中に電線固定部10Wが押し込まれた状態になっており、テープ止めベラ11が電線固定部10Wと平行に反グロメット方向に立設している。このグロメット10の電線固定部10Wの筒の中に通されるべき電線束Wはその止水処理部20Wの部位に止水処理がなされている。ここで止水処理の一例を説明しておく。
《止水処理》
止水処理は、まず、ワイヤハーネスである電線束Wを構成する1本ごとの電線の外周にテープ状の止水材(例えばゴム状弾性体を基材とし、その片面または両面に接着剤を塗布したもの)を巻き付け、そして各電線の外周のテープ巻付部を一致させて複数の電線を集束し、テープ巻付部において止水材を相互に接着または融着させることで、外形がほぼ円形の止水処理部が完成する。このようにして、止水処理部において各電線間の隙間が止水材で密充填された電線束Wが得られる。
図4に戻って、このように作製した電線束Wは、図4(B)に示すように、その止水処理部20Wをグロメット10の電線固定部10Wの中央にある筒部内に挿通し、電線リップ部をグロメット本体から引っ張り出してテープ巻き部10Tを形成する。このとき本発明により設けたテープ止めベラ11は作業の邪魔にならないように、機械側に設けたベラ退避機構(図示省略)や手作業で電線リップ部(テープ巻き部10T)から退避させておくのがよい。
次ぎに、図4(C)に示すように、テープ巻きされた電線リップ部はグロメット本体内に押し込まれる。そして、作業の邪魔にならないように退避していたテープ止めベラ11はこの後、元の位置に戻される。
そして、図4(D)では、テープ止めベラ11を電線束Wの上に沿わせて、この部分にテープ巻き部10TTを形成することで、電線束Wとグロメット10の固定が完成する。
このようにして可動式グロメットに電線束Wが固定されているので、この後、電線束Wを押しても、引っ張っても電線束Wおよび電線固定部10Wが移動することがなく、必ずグロメット10と一体で移動するようになる。
《本発明のグロメットの効果1:作業性が良い》
したがってテープ巻きされた電線リップ部がグロメット本体内に押し込まれた状態(図4(D))で電線固定部10Wを車体パネルの嵌合孔に挿通させ、テープ止めベラ11のテープ巻き部分10TTを引っ張ることで、グロメット10を車体パネルの嵌合孔に容易に嵌合させることができる。また、電線リップ部がグロメット本体内に押し込まれた状態であるので、ハーネス全体としてコンパクトになる。
《特許文献1および2のグロメットは作業性が悪い》
これに対して、本発明に係るテープ止めベラ11がない特許文献1および2のグロメットだと、電線固定部10Wが可動なので電線固定部10Wの出し入れは電線固定部10Wを引っ張ることになる。そこで、電線固定部10Wがグロメット本体内に押し込まれた状態(図4(D))で電線固定部10Wを車体パネルの嵌合孔に挿通させて、車体パネルの反対側から電線固定部10Wを引っ張っると、電線固定部10Wだけが引き出されることとなってしまい、したがって電線固定部10Wをグロメット本体に収納した状態のままでグロメットを車体パネルに嵌合することができず、作業性が悪い。
〈本発明のグロメットの効果2:コンパクト化〉
従来のグロメットと本発明のグロメットのコンパクト化を図3を用いて説明する。
《従来のグロメットの距離A’》
従来のグロメット(図5)の場合は、電線固定部50Wが非可動なので電線固定部50Wが引き出された状態でグロメットを車体パネルに嵌合することとなる。
したがって、図3において、グロメット本体から突出して設けられている電線固定部の止水処理部の止水性能を満足するために、電線固定部の先端から電線分岐部50Bまでの距離Bの間は、電線束Wを曲げたり、分岐したりする形状にはしないので、従来のグロメットである図3(B)においては、車体パネル90から電線分岐部50Bまでの距離A’は、次のようになる。
距離A’≒電線固定部50Wの全長+距離B
距離A’が長くなり、ハーネス全体としてコンパクト化できなかった。
《本発明に係るグロメットの距離A》
これに対して、本発明に係るグロメットである図3(A)においては、電線固定部10Wの先端から電線分岐部10Bまでの距離Bは図3(B)と同じであるが、電線固定部10Wは距離Cだけグロメット本体内に押し込まれているので、車体パネル90から電線分岐部10Bまでの距離Aは、次のようになる。
距離A≒電線固定部10Wの全長−距離C+距離B
すなわち、グロメット本体内に押し込んだ距離Cだけ短くなっている。
このように電線固定部10Wをグロメット本体内に押し込んだ距離Cだけ距離Aは短くなっているので、本発明によりハーネス全体としてコンパクトにできるようになる。
〈まとめ〉
以上のように、本発明によれば、電線固定部を可動式にすることでグロメット本体内に押し込み、電線を加工(曲げ・分岐)できる部位(電線分岐部)を車体パネルに近づけることができ、ハーネス全体としてコンパクトにできると共に省スペース化でき、さらにテープ止めベラを設けることによりこれで電線とグロメットを固定し、止水処理がなされた電線を挿通した電線固定部をグロメット本体に収納した状態のまま車体パネルの嵌合孔に通してテープ止めベラを引っ張ることで容易にグロメットを車体パネルに嵌合することができるので作業性が向上する。
10 本発明に係るグロメット
10B 電線分岐部
10C 筒形状部
10E 電線固定部の端部
10L リブ
10M 係止溝
10P 車体パネル嵌合部
10R 連結部
10S 薄肉部
10T、10TT テープ巻き部
10W 電線固定部
11 テープ止めベラ
11T テープ止めベラの付け根
12 補強部
13 スリット
20W 止水処理部
90 車体パネル
A 車体パネルから電線分岐部までの距離
B 電線固定部の先端から電線分岐部までの距離
C 電線固定部がグロメット本体内に押し込まれる距離
W 電線束

Claims (4)

  1. ワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えた電線固定部と、グロメット本体とから成るグロメットであって、
    前記グロメット本体は、外周方向表面に係止溝を備えた環状の車体パネル嵌合部と、前記電線固定部と前記車体パネル嵌合部とを繋ぐ半径方向に延びる複数のリブと、およびこれらの部位の間を繋ぐ薄肉部とを弾性体で一体に成形されて成るグロメットにおいて、
    前記リブ間に位置する前記薄肉部の前記電線固定部寄りで前記電線固定部とは一定距離離れた位置にテープ止めベラを設け、
    前記テープ止めベラの付け根およびその近傍と前記電線固定部の外周とを連結する連結部が、前記テープ止めベラの付け根を中心にして軸方向に折り返されることで前記電線固定部が前記グロメット本体から引き出されたり、軸方向に直線状に延びることで前記グロメット本体へ押し込まれたりすることを特徴とする可動式グロメット。
  2. 前記テープ止めベラの付け根から前記リブに沿って前記グロメット外側に向かって肉厚の補強部を設けたことを特徴とする請求項1記載の可動式グロメット。
  3. 前記補強部と前記リブとの間にスリットを設けたことを特徴とする請求項2記載の可動式グロメット。
  4. ワイヤハーネスを内部に貫通させる筒部を中央に備えた電線固定部と、グロメット本体とから成るグロメットであって、前記グロメット本体は、外周方向表面に係止溝を備えた環状の車体パネル嵌合部と、前記電線固定部と前記車体パネル嵌合部とを繋ぐ半径方向に延びる複数のリブと、およびこれらの部位の間を繋ぐ薄肉部とを弾性体で一体に成形されて成るグロメットにおいて、前記リブ間に位置する前記薄肉部の前記電線固定部寄りで前記電線固定部とは一定距離離れた位置にテープ止めベラを前記グロメット本体と一体に設け、前記テープ止めベラの付け根およびその近傍と前記電線固定部の外周とを連結する連結部が、前記テープ止めベラの付け根を中心にして軸方向に折り返されることで前記電線固定部が前記グロメット本体から引き出されたり、軸方向に直線状に延びることで前記グロメット本体へ押し込まれたりすることができる長さとした可動式グロメットに対して電線束を固定する可動式グロメットへの電線束の固定方法において、
    前記電線束を次の(1)〜(5)の手順で固定することを特徴とする可動式グロメットへの電線束の固定方法。
    (1)各電線に止水処理を施こした電線束を作る。
    (2)前記テープ止めベラを前記電線固定部から退避させる。
    (3)止水処理された前記電線束を前記グロメットの前記電線固定部に挿通し、電線固定部をグロメット本体から引っ張り出してテープ巻きをする。
    (4)テープ巻きされた前記電線固定部を前記グロメット本体内に押し込む。
    (5)退避していた前記テープ止めベラを元の位置に戻し、前記電線束の上に沿わせて、この部分にテープ巻きをして前記電線束と前記グロメット同士を固定する。
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