JP5549448B2 - バリア性フィルム、バリア性フィルムの製造方法及び有機電子デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、バリア性フィルム、バリア性フィルムの製造方法とそれを用いた有機電子デバイスに関する。より詳しくは、優れた水蒸気バリア性能を有するバリア性フィルムを用いた有機電子デバイス(例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子や有機太陽電池等)に関する。
従来から、プラスチック基板やフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリアフィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
また、包装用途以外にも液晶表示素子、光電変換素子(太陽電池)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)基板等で使用されている。
この様な分野での包装材料としてアルミ箔等が広く用いられているが、使用後の廃棄処理が問題となっているほか、基本的には不透明であり、外から内容物を確認することができないという課題を抱えており、更に、太陽電池用材料では透明性が求められており、適用することができない。
特に、液晶表示素子、有機EL素子、光電変換素子などへの応用が進んでいる透明基板には、近年、軽量化、大型化という要求に加え、ロール・トゥ・ロールでの生産が可能であること、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等のフィルム基板が採用され始めている。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基板はガラスに対しガスバリア性が劣るという問題がある。例えば、有機光電変換素子用の材料として用いた場合、ガスバリア性が劣る基板を用いると、水蒸気や空気が浸透して有機膜が劣化し、光電変換効率あるいは耐久性等を損なう要因となる。
また、電子デバイス用基板として高分子基板を用いた場合には、酸素や水分子が高分子基板を透過して電子デバイス内に浸透、拡散し、デバイスを劣化させてしまうことや、電子デバイス内で求められる真空度を維持できないといった問題を引き起こす。
この様な問題を解決するためにフィルム基板上に金属酸化物薄膜を蒸着してガスバリアフィルム基板とすることが知られている。最近では有機EL素子等の水分に弱い有機物のバリア性フィルムとしては、水蒸気透過率が1×10−3g/(m・24h)を下回るようなバリア性能が求められている。
一方、真空プロセスが必要な蒸着法ではなく、簡便な塗布プロセスで成膜が可能な方法として、ポリシラザン等の珪素化合物の塗布液を基板上に塗布した膜に転化処理を施すことで、転化したシリカ膜からなるガスバリア層を形成する方法もいくつか知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献2では、ポリシラザン塗布膜を大気圧下における酸素プラズマ放電処理によりシリカ膜に転化するプロセスの開示があり、真空プロセスを必要とせずにガスバリア層の形成が可能である。
これらの塗布法による成膜は表面平滑性が非常に高い膜が形成できることが知られており、真空系の原子堆積法の根本的問題であるパーティクルによる平滑性の劣化が回避可能である。
しかしながら、得られた膜の水蒸気透過率は、0.35g/(m・24h)と、前述したような有機電子デバイスに適用が可能なガスバリア層とはとても言えない。
しかし、前記特許文献に書かれた方法では、二酸化珪素の単一膜が形成されるものの、昨今求められているガスバリア性を実現するためには、ガスバリア層の膜厚を厚くしなければならないという問題点があり、更に、塗膜の改質処理によりバリア性膜を形成する場合には、非常に大きな膜収縮を伴うため、塗膜膜厚を厚くしすぎるとバリア性膜への改質時にクラックが生じるという問題点があった。
そのため、クラックが生じない程度の薄膜を積層することで所望のガスバリア性を達成している。しかしながら、単に積層するだけでは前述したレベルのガスバリア性を実現するには不十分であった。
また、得られた酸化珪素膜の常磁性欠陥については電子スピン共鳴法(ESR法)を用いて測定できることが知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。
しかしながら、有機電子デバイス用としては水蒸気透過率が不十分であった。
特開平10−279362号公報 特開2008−159824号公報 特許第4398265号 特開2002−192646号公報
本発明の目的は、極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性(フレキシブル性)、透明性及び平滑性に優れるバリア性フィルムを提供することであり、且つ、該バリア性フィルムを用いた有機電子デバイスを提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成により達成された。
1.樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成しているバリア性フィルムであって、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいことを特徴とするバリア性フィルム。
2.前記ラジカル密度Aが、1×1017spins/cm〜1×1019spins/cmの範囲であり、且つ、下記の不等式(1)を満たすことを特徴とする前記1に記載のバリア性フィルム。
不等式(1)
0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1
3.前記構成層として3層以上の無機層を有し、該3層以上の無機層の最下層に設けられた無機層Bと最上層の無機層Aとの間に設けられている無機中間層のラジカル密度が、下記の不等式(2)を満たすことを特徴とする前記1または2に記載のバリア性フィルム。
不等式(2)
ジカル密度A(最上層)<無機中間層のラジカル密度<ラジカル密度B(最下層)
4.前記構成層として、最下層の無機層Bと最上層の無機層Aとの間に、複数の無機中間層を有し、該無機層Bに近接している無機中間層〜該無機層Aに近接している無機中間層にかけて、ラジカル密度が順に小さくなるように調整されていることを特徴とする前記3に記載のバリア性フィルム。
5.前記最上層の無機層Aが塗布によって形成されたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のバリア性フィルム。
6.前記最上層の無機層Aがポリシラザン化合物を塗布する工程により塗膜形成されたものであり、次いで、該塗膜形成後に酸化処理される工程を経て形成されたことを特徴とする前記5に記載のバリア性フィルム。
7.前記酸化処理が、180nm以下の波長成分を有する真空紫外線を照射する処理であることを特徴とする前記6に記載のバリア性フィルム。
8.前記真空紫外線を照射する処理が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われる処理であることを特徴とする前記7に記載のバリア性フィルム。
9.前記1〜8のいずれか1項に記載のバリア性フィルムを用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
10.樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成し、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機中間層または前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいバリア性フィルムの製造方法において、
該最上層の無機層Aが、ポリシラザン化合物の塗布により塗膜形成される工程を有し、次いで、該塗膜形成後に180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射により酸化処理される工程を有することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。
11.前記真空紫外線照射により酸価処理される工程が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われることを特徴とする前記10に記載のバリア性フィルムの製造方法。
本発明により、極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性(フレキシブル性)、透明性及び平滑性に優れるバリア性フィルムを提供し、且つ、該バリア性フィルムを用いた有機電子デバイスを提供することができた。
本発明の有機電子デバイスの一例である有機エレクトロルミネッセンス素子の断面を示す模式図である。
本発明のバリア性フィルムは、請求項1〜8のいずれか1項に記載される構成より、極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性、透明性及び平滑性に優れるバリア性フィルムを提供することができた。併せて、本発明のバリア性フィルムを有する有機電子デバイスを提供することができた。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
《バリア性フィルム》
本発明のバリア性フィルムについて説明する。
本発明のバリア性フィルムは、前記1に記載のように、樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成しているバリア性フィルムである。
《無機層》
本発明に係る無機層について説明する。
本発明に係る2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機中間層または前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいことにより、有機電子デバイス(特に有機EL素子)に適用できるレベルの極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性、透明性及び平滑性に優れるバリア性フィルムを提供するものである。
《ESR法によるPbセンターのラジカル密度測定》
本発明に係る無機層、無機中間層のラジカル密度の測定に適用されるESR(Electron Spin Resonance;電子スピン共鳴)法は、分光法の一種で、ESR活性種(具体的には、対を成さない不対電子や、フリーラジカル等)の検出に用いられる。
本来、バルクシリカガラス中にはESR活性種はほとんど存在しないが、放射線や紫外線といった高エネルギー光子の照射、イオン注入、試料の摩砕、破断等によってESR中心が発生する。
安定な不対電子については常温で検出することができるが、ライフタイムの短い不対電子の検出には液体窒素(77K)、液体ヘリウム(4.2K)等を用いて試料を冷却して測定することが有効である。
(無機層担体あたりのラジカル密度(spins/cm))
本発明に係る無機層(酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有する)のラジカル密度は、無機層(無機薄膜ともいう)を形成したバリア性フィルムを3cm×3cmに切り取って筒状に測定管に挿入し、日本電子(株)製ESR JES−FA300によりPbセンターのラジカルの吸収スペクトルを測定し、日本電子(株)製のスピンラベル剤、TEMPOLにより測定された吸収スペクトルとの換算により無機層(無機薄膜)担体あたりのラジカル密度(spins/cm)を定量した。
また、無機層中の珪素量の算出、珪素1モル当たりのPbセンターのラジカル濃度については、下記に記載のようにして各々算出することが出来る。
(無機層中の珪素量の算出)
無機層(無機薄膜)が酸化珪素と酸化珪素以外の金属成分とからなる場合、無機層(無機薄膜)中の珪素量はX線光電子分光装置((株)島津製作所製、ESCA 850型)を使用し無機薄膜の元素組成比率を求め、薄膜を剥離させて密度勾配管法により求めた比重と電子線顕微鏡により求めた厚さから、無機層(無機薄膜)中の珪素量を求めた。
(珪素1モル当たりのPbセンターのラジカル濃度(spins/モル))
無機層(無機薄膜)中の珪素量と、ESR法測定により求めたラジカル密度より、珪素1mol当たりのPbセンターのラジカル濃度 spins/molを算出した。
(無機層、無機中間層のESR測定)
本発明に係る無機層、無機中間層のESR法によるPbセンターのラジカル密度(spins/cm)の測定の具体的な工程(各層のESR法による測定を示す)については、まずフィルムの断面を作成し、TEM等により各層の膜厚を測定し、1層ずつウェットエッチング法(弗酸を利用)により削った後に、上記のESR測定装置、測定条件により測定した。各層のラジカル密度については、例えば3層構成フィルムであれば、3層のラジカル密度から剥離した2層のラジカル密度を差引きすることにより各層のラジカル密度を計算した。
(バリア性フィルムの好ましい態様1)
本発明に係るバリア性フィルムの好ましい態様及びバリア性フィルムの構成層である無機層、無機中間層のラジカル密度の好ましい態様について説明する。
本発明に係る無機層の中で、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aは、無機層Aが緻密な構造を有してバリア性を向上させ、且つ、フリーラジカル(Pbセンター:無機層中の欠陥)が過剰になるのを調整してバリア性の劣化を抑制する観点から、1×1017spins/cm〜1×1019spins/cmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、2×1018spins/cm〜9×1018spins/cmの範囲である。
(バリア性フィルムの好ましい態様2)
上記のバリア性フィルムの好ましい態様1の中でも、好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様2について説明する。
また、該無機層Aに隣接している下層の無機中間層または該無機層の最下層に設けられている無機層Bのラジカル密度が不等式(1)を満たすことが好ましい。
不等式(1)
0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1
(バリア性フィルムの好ましい態様3)
上記バリア性フィルムの好ましい態様2の中でも、更に好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様3について説明する。
また、本発明のバリア性フィルムの更に好ましい態様としては、構成層として3層以上の無機層を有し、該3層以上の無機層の最下層に設けられた無機層Bと最上層の無機層Aとの間に設けられている無機中間層のラジカル密度が、下記の不等式(2)を満たしている態様が挙げられる。
不等式(2)
無機中間層のラジカル密度>ラジカル密度A(最上層)>ラジカル密度B(最下層)
(バリア性フィルムの好ましい態様3)
上記のバリア性フィルムの好ましい態様2の中でも、更に好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様3について説明する。
前記構成層として、最下層の無機層Bと最上層の無機層Aとの間に、複数の無機中間層を有し、該無機層Bに近接している無機中間層〜該無機層Aに近接している無機中間層にかけて、ラジカル密度が順に小さくなるように調整されていることを特徴とする前記3に記載のバリア性フィルム。
本発明のバリア性フィルムが、前記1に記載の構成、好ましい態様であるバリア性フィルムの好ましい態様1、更に好ましい態様であるバリア性フィルムの好ましい態様2のような構成をとることにより、本発明の効果(水蒸気透過率の低下、折り曲げ御のバリア性の向上)を示すことについては、詳細な理由は定かではないが、本発明者等は下記のように推定している。
即ち、本発明のバリア性フィルムに係る無機層、無機中間層においては、有機層からのガス(水蒸気)が抜けるように、該有機層に隣接する層(無機層の最下層である無機層B)はラジカル密度(フリーラジカルの密度)が少ない方が他の層(無機中間層または無機層の最上層である無機層A等)を成膜する際に安定な膜ができるので好ましい。
また、最下層の無機層Bに隣接または近接する無機中間層(但し、無機層の積層が2層構成の場合は、無機中間層ではなく、無機層の最上層である無機層Aになる)のラジカル密度が多い方が樹脂基材及び有機層等からくる水分、ガスを効果的に遮断することができる。
(無機層、無機中間層のラジカル密度の調整方法)
ここで、本発明に係る無機層または無機中間層のラジカル密度の調整方法であるが、成膜条件(例えば、蒸着あるいはスパッタ条件の調整または成膜後の後処理を行うことにより、所望のラジカル密度を示すように、適宜、調整することができる。
本発明に係る無機層、無機中間層の成膜方法としては、本発明では特に塗布膜を熱処理または紫外線(特に真空紫外線)処理することによりラジカル密度を調整可能である。
(無機層、無機中間層の成膜方法)
本発明に係る無機層、無機中間層の成膜方法について説明する。
無機層の成膜方法としては、蒸着法、スパッタリング法もしくはイオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等を用いることができるが生産性及び平滑性向上の観点から塗布方式であることが好ましい。
塗布方法は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、グラビアコート法、スライドコート法などの一般的な塗布方法を用いることが可能である。
本発明においては、最上層の無機層の平滑性向上の観点から、ドライプロセスよりは塗布を用いた成膜が好ましい。
最上層の無機層を塗布方式で作製することで下層の最下層の無機層や無機中間層をドライプロセスで作製した場合においても、バリア性フィルムの表面の平滑性及び折り曲げ耐性の高いフィルムを作製することができる。
(ポリシラザン膜の作製)
本発明に係る最上層の無機層の成膜方法としては、無機層のとして緻密な膜を作製し、且つ、バリア性(ガスバリア性)を向上させる観点からは、特に、ポリシラザンを塗布して得られた塗膜を後述する酸化処理を経て得られた無機層が最上層の無機層として好ましく用いられる。
また、最上層以外の無機層(具体的には、無機中間層や最下層の無機層を示す)に関しても、ポリシラザン化合物を塗布後、酸化処理をすることにより作製することにより、本発明のバリア性フィルムの平滑性を更に向上させ、バリア性(ガスバリア性ともいう)を更に向上させることができる。
ポリシラザン化合物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
最上層の無機層の乾燥後の塗布膜厚としては、30nm〜1μmであることが好ましい。
最下層の無機層の乾燥後の塗布膜厚としては、後処理(酸化処理)時のひび割れの発生を防止し、且つ、酸化処理後のバリア性(具体的には、隣接または近接する有機層からの水分を十分に吸収する)という観点から、50nm〜500nmの範囲の膜厚に調整することが好ましい。
無機中間層(最上層の無機層と最下層の無機層の間に設けられる無機層)が設けられる場合には、バリア性向上の観点から、最下層の無機層に隣接または近接している上層の無機中間層は、最下層の無機層より薄いことが好ましく、塗布膜厚としては、30nm〜300nmの範囲が好ましく、更に好ましくは50nm〜200nmの範囲である。
本発明で用いられる「ポリシラザン」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
Figure 0005549448
式中、R、R、及びRのそれぞれは、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などを表す。
本発明では、得られるバリア膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは直鎖構造と6及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、上記化1のポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザンを含有する液体を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは好ましくない。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリコロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度、等目的にあわせて選択し、複数の溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン含有塗布液中のポリシラザン濃度は目的とするシリカ膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
有機ポリシラザンは、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換された誘導体であってもよい。アルキル基、特にもっとも分子量の少ないメチル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいシリカ膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる。
酸化珪素化合物への転化を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
しかしながら、緻密な膜を作成しようとする場合には無触媒でR、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが最も好ましい。
(ポリシラザン膜(ポリシラザン含有膜)の酸化処理)
ポリシラザンの酸化処理としては、水蒸気酸化及び/又は加熱処理(乾燥処理を含む)、紫外線照射による処理等が知られている。その中でもよりフォトンエネルギーが大きい180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射によって処理することが好ましい。エネルギーが小さいとポリシラザンの効果が不十分となりバリア性が低くなる為である。
(180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射による処理)
本発明において、好ましい方法として、真空紫外線照射による処理が挙げられる。真空紫外線照射による処理は、化合物内の原子間結合力より大きい100nm〜200nmの光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で、膜の形成をおこなう方法である。
これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
1.エキシマ発光とは、Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電などによりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→Xe
Xe+2Xe→Xe +Xe
Xe →Xe+Xe+hν(172nm)
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。
Xeエキシマランプは波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。
したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板などへの照射を可能としている。
本発明者らの検討によれば、エキシマ照射処理時の環境としては、改質処理(酸化処理)の効率アップ、また、改質処理工程の生産性向上の観点から、酸素濃度が0.001%〜5%の範囲が好ましく、更に好ましくは0.01%〜3%の範囲であり、前記の範囲に酸素濃度を調整することにより得られる改質処理後の膜の安定性が向上する。
また、ステージ温度については熱をかけるとより反応が進み好ましい。その場合の温度は50℃以上、基材のTg以下の温度が基材を痛めずに反応性が良好になるために好ましい。
(樹脂基材)
本発明に係る樹脂基材は、有機層と無機層からなるバリア層を保持することができる有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂基材、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記プラスチックを2層以上積層して成る樹脂基材等を挙げることができる。
コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられ、また、光学的透明性、耐熱性、無機層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いることができる。
本発明に係る樹脂基材の厚みは5μm〜500μm程度が好ましく、更に好ましくは25μm〜250μmである。本発明のバリア性フィルムは発光素子として使用する場合も鑑みて、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であることが好ましい。また、熱収縮率も低いことが好ましい。
更に、本発明に係る樹脂基材は透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なバリアフィルムとすることが可能となるため、太陽電池や有機EL素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
ここで、『透明』とは、可視光(400nm〜700nm)の光透過率が80%以上であることを意味する。
また、上記に挙げたプラスチック等を用いた樹脂基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる樹脂基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となるプラスチックを押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。
また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。
この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2倍〜10倍が好ましい。
また、本発明に係る樹脂基材においては、有機層を形成する前にコロナ処理を施してもよい。
(有機層(有機化合物層ともいう))
本発明に係る有機層(有機化合物層ともいう)は、バリアフィルムの曲げに対する応力を緩和する目的のほかに、突起等が存在する透明樹脂基材の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂基材に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。
このような有機層は、たとえば感光性樹脂を含有する組成物を塗布乾燥後、硬化させて形成されることが好ましい態様である。
有機層を構成する成分の基本骨格は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄等からなるものであり、珪素やチタン、アルミニウム、ジルコニウム等の無機原子を基本骨格にした場合は上述のような効果が得られにくい。
有機層の感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
感光性樹脂の組成物は光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
有機層の形成方法は特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法により形成することが好ましい。有機層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、有機層の積層位置に関係なく、いずれの有機層においても、製膜性向上及び膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
感光性樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いて有機層を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−またはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
有機層の平滑性は、JIS B 0601で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、30nm以下であることが好ましい。この範囲よりも大きい場合には、無機化合物を塗布した後の、凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。
本発明における有機層の厚みとしては、1μm〜10μm、好ましくは2μm〜7μmであることが望ましい。
1μm以上にすることにより、有機層を有するフィルムとしての平滑性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなる。
(有機電子デバイスの構成)
本発明の有機電子デバイスとしては、例えば、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ、有機TFT等ともいう)、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子ともいう)等が挙げられる。
ここで、本発明の有機電子デバイスの基本的構成の態様例を、図1((a)〜(d))に示す本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて説明する。
図1は、本発明の有機電子デバイスの一例である有機エレクトロルミネッセンス素子の断面を示す模式図である。
図1(a)においては、本発明の有機電子デバイスの一例である有機エレクトロルミネッセンス素子の基本的構成要素として、基板(10)上に対向する第1電極(11)と第2電極(12)を有し、第1電極(11)と第2電極(12)電極間に少なくとも1層の有機機能層(13)を有する構成が示されている。
図1(a)では、第一電極(11)として、第二の導電層(21)が単層で設けられている。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に係る有機機能層(13)としては、例えば、正孔注入層(陽極バッファー層)、電子阻止層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、陰極バッファー層等を挙げることができる。
また、本発明の有機電子デバイスの一態様である有機太陽電池の場合には、上記の有機機能層(13)としては、有機光電変換層が挙げられ、更に、本発明の有機電子デバイスのその他の一例である有機トランジスタの場合には、有機機能層として有機半導体層を挙げることができる。
本発明のバリア性フィルムは、種々の有機電子デバイスに適用できるが、中でも、有機機能層(13)が、薄膜でかつ電流駆動系のデバイスである有機発光層である有機EL素子、有機光電変換層である有機太陽電池である場合において、特に有効である。
更には、有機電子デバイスの中でも、最もガスバリア性が求められる有機発光層を用いた有機EL素子に最も好ましく用いることができる。
図1(b)は、図1(a)の第一電極(11)が、第一の導電層(14)、第二の導電層(21)の二層構成の例を示し、図1(c)は、図1(b)の第一電極(11)として、第二の導電層(21)中に補助電極(22)を併用する例を示し、図1(d)は、図1(c)の補助電極(22)の代わりに、補助電極(23)を併用する例を示している。
(封止)
本発明の有機電子デバイスに、本発明のバリア性フィルムを適用する具体的な例を、本発明の有機電子デバイスの一態様である有機エレクトロルミネッセンス素子を例にとって説明する。
まず、本発明のバリア性フィルムの最上層の無機層の上に、陽極層/(正孔注入層(正孔輸送層ともいう)/発光層/電子輸送層(電子注入層を別途設けても良い)/陰極層等、各種の有機化合物からなる有機機能層を作製する。
次いで、得られた有機EL素子の全体を封止するか、少なくとも有機機能層が周囲の水分や空気等に接触しないように、本発明のバリア性フィルムを用いて封止処理を行う。
封止処理に用いる本発明のバリア性フィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3ml/(m・24hr・MPa)以下、水蒸気透過度が、10−5g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、実施例に用いられる化合物の構造を以下に示す。
Figure 0005549448
Figure 0005549448
実施例1
《バリア性フィルム1の作製》
(樹脂基材)
樹脂基材として、両面に易接着加工された125μmの厚さのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンO3)の基板を、170℃で30分アニール加熱処理したものを用いた。
(平滑層の作製):本発明に係る有機層の一例
上記樹脂基材上に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の(平均)膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cmで硬化を行い、有機層として平滑層を形成した。
得られた平滑層の表面粗さRt(p)(最大断面高さ)は16nmであった。
尚、平滑層の表面粗さRt(p)は、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さを示す。
(無機層の作製)
次いで、上記の平滑層の上に、下記の無機層の下層、上層を順に設けた。
無機層1(無機層の最下層)の作製
特開2002−192646号公報の実施例3−3に準じて作製した。
無機層2(バリア性フィルムの最上層)の作製
特開2002−192646号公報の実施例3−1に準じて作製した。
尚、無機層1、無機層2ともプラズマ処理を用いて酸化処理を行った。
《バリア性フィルム2の作製》
バリア性フィルム1の作製において、無機層1、2の作製を下記に記載に変更した以外は同様にして、バリア性フィルム2を作製した。
(無機層の作製)
無機層1(無機層の最下層)の作製
特許第4398265号明細書記載の実施例7に準じて作製した。
無機層2(バリア性フィルム2の最上層)の作製
特許第4398265号明細書記載の実施例2に準じて作製した。
尚、無機層1、無機層2とも層の表面に希塩酸を塗布・乾燥後、オーブン(120℃、24時間)内にて加熱することにより酸化処理を行った。
《バリア性フィルム3の作製》
バリア性フィルム2の作製において、無機層2の作製を下記に変更した以外は同様にして、バリア性フィルム3を作製した。
(無機層2(バリア性フィルム3の最上層)の作製)
触媒を含有しないポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が150nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、下記の真空紫外線処理装置及び条件を用いて処理を行った。
(真空紫外線処理装置)
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置、波長172nm、ランプ封入ガスXe 稼動ステージ上に固定した試料を以下の条件で酸化処理(改質処理)を行った。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 1.6%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム4の作製》
バリア性フィルム3の作製において、無機層1の作製を下記に変更した以外は同様にしてバリア性フィルム4を作製した。
(無機層1(無機層の最下層)の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が200nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、上記真空紫外線処理装置を用いて酸化処理を施した。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.3%
エキシマ照射時間 20秒
《バリア性フィルム5の作製》
バリア性フィルム4の作製において、無機層2(150nm)を最上層とし、最下層の無機層1(150nm)と無機層2との間に、無機中間層2を下記のように作製した以外は同様にしてバリア性フィルム5を作製した。
(無機中間層2の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が90nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布した後、上記真空紫外線処理装置を用いて酸化処理(改質処理ともいう)を施した。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.3%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム6の作製》
バリア性フィルム5の作製において、無機層1、無機中間層2、無機層3の作製を下記に記載の作製方法に変更した以外は同様にしてバリ汗フィルム6を作製した。
(無機層1(無機層の最下層)の作製)
アミン触媒を含有するペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が150nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 室温(23℃〜25℃)
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 5秒
(無機中間層2の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が90nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.2%
エキシマ照射時間 30秒
(無機層2(バリア性フィルム6の最上層)の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が60nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
(酸化処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.2%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム7の作製》(比較例)
バリア性フィルム1の作製において、無機層1(最下層の無機層)のみを平滑層の上に作製した以外は同様にしてバリア性フィルム7を作製した。
《バリア性フィルム8の作製》(比較例)
バリア性フィルム2の作製において、無機層1(最下層の無機層)のみを平滑層の上に作製した以外は同様にしてバリア性フィルム8を作製した。
《バリア性フィルム9の作製》(比較例)
バリア性フィルム4の作製において、無機層2(バリア性フィルム9の最上層)の作製を特開2009−95989号公報の段落(0070)に記載の第二無機層2aの作製に準じて、蒸着膜(膜密度3.1)を作製した以外は同様にしてバリア性フィルム9を作製した。
得られたバリア性フィルム1〜9については、下記のように水蒸気透過度、折り曲げ後のバリア性、平滑性を評価した。
《水蒸気透過度の評価》
以下の測定方法により評価した。
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気透過度(水蒸気バリア性)の評価用セルの作製)
バリア性フィルム1〜9の各試料のガスバリア層である無機層の表面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、バリアフィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。
アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
また、屈曲前後の水蒸気バリア性の変化を確認するために、上記屈曲の処理を行わなかったバリアフィルムについても同様に、水蒸気バリア性評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。
尚、バリアフィルム面から以外の水蒸気の透過が無いことを確認するために、比較試料としてバリアフィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な60℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
得られた水分量から以下の5段階のランク評価を行った。
(ランク評価)
5:1×10−4g/(m・24h)未満
4:1×10−4g/(m・24h)以上、5×10−4g/(m・24h)未満
3:5×10−4g/(m・24h)以上、1×10−3g/(m・24h)未満
2:1×10−3g/(m・24h)以上、1×10−2g/(m・24h)未満
1:1×10−2g/(m・24h)以上
ランク評価において、実用上に耐えうるのはランク3以上である。尚、表1に記載中、ランクに0.5単位が入っている水準は、バラつきの範囲が、上記ランク基準をまたがったことを意味する。
例えば、ランク3.5の場合、n=5で作製した試料の水蒸気透過率(WVTR)がランク3の試料とランク4の試料が混在していることを意味する。
《平滑性(表面粗さ)》
表面粗さRaは、AFM(原子間力顕微鏡;Digital Instruments社製DI3100)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さから求めた。
◎:2nm未満
○:2nm以上5nm未満
△:5nm以上10nm未満
×:10nm以上
本発明に係る平滑性評価において、実用に耐えうるのは△以上の場合である。
《折り曲げ後のバリア性(フレキシブル性)》
半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回の屈曲を繰り返した試料の水蒸気透過率の評価を行い、屈曲をしなかった試料からの劣化度合いを評価した。
屈曲試験後の水蒸気透過度/屈曲なしの水蒸気透過度(%)
5:90%以上
4:80%以上90%未満
3:70%以上80%未満
2:60%以上70%未満
1:60%未満
本発明に係る折り曲げ後の水蒸気バリア性の評価において、実技上問題ないのは2以上である。
得られた結果を下記の表1に示す。
Figure 0005549448
表1より、比較のバリア性フィルム7〜9に比べて、本発明のバリア性フィルム1〜6は、水蒸気バリア性に優れ(水蒸気透過度が低い)、折り曲げ後のバリア性(フレキシビリティ)が高久、且つ、平滑性にも優れていることが分かる。
詳細には、有機層(平滑層)と無機層が2層以上積層され、且つ、最上層の無機層のESR法によるPbセンターのラジカル密度が、隣接する下層の無機層よりも小さくなるように調整されたバリア性フィルムは、そうではない従来公知のバリア性フィルムに比べて、上記のように全ての特性が向上していることが分かる。
実施例2
本発明の有機電子デバイスの一態様である有機EL素子101の作製を下記に示す。
《有機EL素子101の作製》
(第1電極層の形成)〉
実施例1で作製したバリア性フィルム1の無機層2上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。尚、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
(正孔輸送層の形成)
第1電極層が形成されたバリア性フィルム1の第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し正孔輸送層を形成した。正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、バリア性フィルム1の洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
(塗布条件)
塗布工程は大気中、25℃相対湿度50%の環境で行った。
(正孔輸送層形成用塗布液の準備)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m//秒、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
引き続き、正孔輸送層迄を形成したバリア性フィルム1の正孔輸送層の上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
(白色発光層形成用塗布液)
ホスト材のH−Aを1.0gと、ドーパント材D−Aを100mg、ドーパント材D−Bを0.2mg、ドーパント材D−Cを0.2mg、100gのトルエンに溶解し白色発光層形成用塗布液として準備した。
(塗布条件)
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/分で行った。
(乾燥及び加熱処理条件)
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/秒、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
引き続き、発光層迄を形成したのち、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
(塗布条件)
塗布工程は窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/分で行った。
(電子輸送層形成用塗布液)
電子輸送層はE−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
(乾燥及び加熱処理条件)
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m//秒、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理部で温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
引き続き、形成された電子輸送層の上に電子注入層を形成した。まず、基板を減圧チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバーにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
引き続き、形成された電子注入層の上に第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極が形成され、且つ、発光面積が50mm平方になるように、蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成したバリア性フィルム1を、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに裁断し、有機EL素子を作製した。
(電極リード接続)
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
圧着条件:温度170℃(別途熱伝対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒で圧着を行った。
(封止)
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子101を製作した。
なお、封止部材として、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いラミネートした(接着剤層の厚み1.5μm)ものを用いた。
アルミニウム面に熱硬化性接着剤を、ディスペンサを使用してアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。
熱硬化接着剤としては以下のエポキシ系接着剤を用いた。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件、圧着ロール温度120℃、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/分で密着封止した。
《有機EL素子102〜109の作製》
有機EL素子101の作製において、バリア性フィルム1の代わりにバリア性フィルム2〜8を用いた以外は同様にして、有機EL素子102〜108を各々作製した。
《有機EL素子の評価》
得られた有機EL素子101〜109を、60℃90%RHに300時間保管した後、保管前の状態と比較を行った。
(黒点の評価方法)
試料に1mA/cmの電流を印加し発光させ、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、目視で観察を行い、黒点の状況を調べ、下記のようにランク評価した。
A:0時間から300時間まで、劣化が認められない
B:0時間から300時間まで、わずかに劣化が認められる
C:0時間から300時間まで、劣化が認められるが実技上問題ないレベル
D:0時間から300時間まで、大きく劣化が認められ実技上問題のあるレベル
尚、実技上問題がないのは、A〜Cランクである。
(高温高湿保存性)
各有機EL素子を、60℃、相対湿度90%の環境下に250時間の保存を行った後、各有機EL素子に2.5mA/cmの一定電流で駆動させた時の発光輝度の変化の測定を行い、未処理の各有機EL素子の各特性と比較し、下記のように高温高湿保存性をランク評価した。
測定には、駆動電源として株式会社エーディーシー製電圧/電流発生・測定器R6243、輝度測定器としてコニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−2000を用いた。
A:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が5%未満である
B:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が5%以上、10%未満である
C:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が10%以上である
尚、実技上問題がないのは、A、Bランクである。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0005549448
表2から、本発明のバリア性フィルムを用いて作製した本発明の有機EL素子101〜106は、比較のバリア性フィルムを用いて作製した比較の有機EL素子107〜109に比べて、黒点評価に優れ、且つ、輝度変化(輝度変動ともいう)が少ないことが明らかである。
実施例3
本発明の有機電子デバイスの一態様である有機太陽電池201の作製を下記に示す。
《有機太陽電池201の作製》
実施例1で作製した本発明のバリア性フィルム6に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗10Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィー技術と湿式エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし第1の電極を形成した。
パターン形成した第1の電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を(平均)膜厚が30nmになるように塗布乾燥した後、150℃で30分間熱処理させ正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、第1の電極、正孔輸送層を設けたバリア性フィルム6を窒素チャンバー中に持ち込み、窒素雰囲気下で下記に示す工程を行った。
まず、窒素雰囲気下で上記第1の電極、正孔輸送層を設けたバリア性フィルム6を150℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタで濾過しながら(平均)膜厚が100nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、150℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。
次に、上記一連の機能層(第1の電極、正孔輸送層、光電変換層)を設けたバリア性フィルム6を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、1×10−4Pa以下まで真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、2mm幅のシャドウマスクを通して(受光部が2×2mmに成るように直行させて蒸着)、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを100nm積層することで第2の電極を形成し、封止前の有機太陽電池201を作製した。
次いで、窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて下記に記載のように封止を行って、受光部が2×2mmサイズの有機太陽電池201を作製した。
(封止)
窒素ガス(不活性ガス)によりパージされた環境下で、バリアフィルム6の二枚を用い、無機層(ガスバリア層である)を設けた面に、シール材としてエポキシ系光硬化型接着剤を塗布した。
上記接着剤を塗布した二枚のバリア性フィルム6の接着剤塗布面の間に、封止前の有機太陽電池201を挟み込んで密着させた後、片側のバリア性フィルム6の側からUV光を照射して硬化させ、封止処理された有機太陽電池201を得た。
《比較の有機太陽電池202の作製》
有機太陽電池201の作製において、本発明のバリア性フィルム6の代わりに、比較のバリア性フィルム9を用いた以外は同様にして比較の有機太陽電池202を作製した。
封止処理後の有機太陽電池201、202を用いて下記の評価を行った。
《有機太陽電池の耐久性》
上記で作製した有機太陽電池201、202について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFF(%)を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、下記式1に従って求めたエネルギー変換効率PCE(%)の4点平均値を見積もり、初期電池特性としてのエネルギー変換効率を各々測定した。
(式1)
PCE(%)=〔Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF(%)〕/100mW/cm
次いで、有機太陽電池201、202を各々加速試験環境(温度60℃、湿度90%RH)で1000時間保存した後、初期電池特性の測定と同様にして、加速試験後のエネルギー変換効率を求め、初期電池特性としてのエネルギー変換効率との比を求め、有機太陽電池201、202の耐久性を下記の5段階のランク評価を行った。
耐久性=(加速試験後のエネルギー変換効率/初期のエネルギー変換効率)×100(%)
5:90%以上
4:70%以上、90%未満
3:40%以上、70%未満
2:20%以上、40%未満
1:20%未満
上記の耐久性評価において、本発明の有機太陽電池201の耐久性はランク5を示し、比較の有機太陽電池202の耐久性はランク3であった。
このことから、本発明のバリア性フィルムを用いて作製した有機太陽電池201は、比較のバリア性フィルム9を用いて作製した有機太陽電池202に比べて、著しく耐久性が向上していることがわかった。
10 基板
11 第1電極
12 第2電極
13 有機機能層
14 第一の導電性層
21 第二の導電層
22 補助電極
23 補助電極

Claims (11)

  1. 樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成しているバリア性フィルムであって、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいことを特徴とするバリア性フィルム。
  2. 前記ラジカル密度Aが、1×1017spins/cm〜1×1019spins/cmの範囲であり、且つ、下記の不等式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のバリア性フィルム。
    不等式(1)
    0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1
  3. 前記構成層として3層以上の無機層を有し、該3層以上の無機層の最下層に設けられた無機層Bと最上層の無機層Aとの間に設けられている無機中間層のラジカル密度が、下記の不等式(2)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のバリア性フィルム。
    不等式(2)
    ジカル密度A(最上層)<無機中間層のラジカル密度<ラジカル密度B(最下層)
  4. 前記構成層として、最下層の無機層Bと最上層の無機層Aとの間に、複数の無機中間層を有し、該無機層Bに近接している無機中間層〜該無機層Aに近接している無機中間層にかけて、ラジカル密度が順に小さくなるように調整されていることを特徴とする請求項3に記載のバリア性フィルム。
  5. 前記最上層の無機層Aが塗布によって形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性フィルム。
  6. 前記最上層の無機層Aがポリシラザン化合物を塗布する工程により塗膜形成されたものであり、次いで、該塗膜形成後に酸化処理される工程を経て形成されたことを特徴とする請求項5に記載のバリア性フィルム。
  7. 前記酸化処理が、180nm以下の波長成分を有する真空紫外線を照射する処理であることを特徴とする請求項6に記載のバリア性フィルム。
  8. 前記真空紫外線を照射する処理が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われる処理であることを特徴とする請求項7に記載のバリア性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性フィルムを用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
  10. 樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成し、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機中間層または前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいバリア性フィルムの製造方法において、
    該最上層の無機層Aが、ポリシラザン化合物の塗布により塗膜形成される工程を有し、次いで、該塗膜形成後に180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射により酸化処理される工程を有することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。
  11. 前記真空紫外線照射により酸価処理される工程が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われることを特徴とする請求項10に記載のバリア性フィルムの製造方法。
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