JP2012024933A - バリア性フィルム、バリア性フィルムの製造方法及び有機電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂基材上に、少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成しているバリア性フィルムであって、該2層以上の無機層は各々酸化珪素あるいは酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいことを特徴とするバリア性フィルム。
【選択図】なし
Description
0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1
3.前記構成層として3層以上の無機層を有し、該3層以上の無機層の最下層に設けられた無機層Bと最上層の無機層Aとの間に設けられている無機中間層のラジカル密度が、下記の不等式(2)を満たすことを特徴とする前記1または2に記載のバリア性フィルム。
無機中間層のラジカル密度>ラジカル密度A(最上層)>ラジカル密度B(最下層)
4.前記構成層として、最下層の無機層Bと最上層の無機層Aとの間に、複数の無機中間層を有し、該無機層Bに近接している無機中間層〜該無機層Aに近接している無機中間層にかけて、ラジカル密度が順に小さくなるように調整されていることを特徴とする前記3に記載のバリア性フィルム。
該最上層の無機層Aが、ポリシラザン化合物の塗布により塗膜形成される工程を有し、次いで、該塗膜形成後に180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射により酸化処理される工程を有することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。
本発明のバリア性フィルムについて説明する。
本発明に係る無機層について説明する。
本発明に係る無機層、無機中間層のラジカル密度の測定に適用されるESR(Electron Spin Resonance;電子スピン共鳴)法は、分光法の一種で、ESR活性種(具体的には、対を成さない不対電子や、フリーラジカル等)の検出に用いられる。
本発明に係る無機層(酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有する)のラジカル密度は、無機層(無機薄膜ともいう)を形成したバリア性フィルムを3cm×3cmに切り取って筒状に測定管に挿入し、日本電子(株)製ESR JES−FA300によりPbセンターのラジカルの吸収スペクトルを測定し、日本電子(株)製のスピンラベル剤、TEMPOLにより測定された吸収スペクトルとの換算により無機層(無機薄膜)担体あたりのラジカル密度(spins/cm3)を定量した。
無機層(無機薄膜)が酸化珪素と酸化珪素以外の金属成分とからなる場合、無機層(無機薄膜)中の珪素量はX線光電子分光装置((株)島津製作所製、ESCA 850型)を使用し無機薄膜の元素組成比率を求め、薄膜を剥離させて密度勾配管法により求めた比重と電子線顕微鏡により求めた厚さから、無機層(無機薄膜)中の珪素量を求めた。
無機層(無機薄膜)中の珪素量と、ESR法測定により求めたラジカル密度より、珪素1mol当たりのPbセンターのラジカル濃度 spins/molを算出した。
本発明に係る無機層、無機中間層のESR法によるPbセンターのラジカル密度(spins/cm3)の測定の具体的な工程(各層のESR法による測定を示す)については、まずフィルムの断面を作成し、TEM等により各層の膜厚を測定し、1層ずつウェットエッチング法(弗酸を利用)により削った後に、上記のESR測定装置、測定条件により測定した。各層のラジカル密度については、例えば3層構成フィルムであれば、3層のラジカル密度から剥離した2層のラジカル密度を差引きすることにより各層のラジカル密度を計算した。
本発明に係るバリア性フィルムの好ましい態様及びバリア性フィルムの構成層である無機層、無機中間層のラジカル密度の好ましい態様について説明する。
上記のバリア性フィルムの好ましい態様1の中でも、好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様2について説明する。
0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1
(バリア性フィルムの好ましい態様3)
上記バリア性フィルムの好ましい態様2の中でも、更に好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様3について説明する。
無機中間層のラジカル密度>ラジカル密度A(最上層)>ラジカル密度B(最下層)
(バリア性フィルムの好ましい態様3)
上記のバリア性フィルムの好ましい態様2の中でも、更に好ましい態様である、本発明のバリア性フィルムの好ましい態様3について説明する。
ここで、本発明に係る無機層または無機中間層のラジカル密度の調整方法であるが、成膜条件(例えば、蒸着あるいはスパッタ条件の調整または成膜後の後処理を行うことにより、所望のラジカル密度を示すように、適宜、調整することができる。
本発明に係る無機層、無機中間層の成膜方法について説明する。
本発明に係る最上層の無機層の成膜方法としては、無機層のとして緻密な膜を作製し、且つ、バリア性(ガスバリア性)を向上させる観点からは、特に、ポリシラザンを塗布して得られた塗膜を後述する酸化処理を経て得られた無機層が最上層の無機層として好ましく用いられる。
ポリシラザンの酸化処理としては、水蒸気酸化及び/又は加熱処理(乾燥処理を含む)、紫外線照射による処理等が知られている。その中でもよりフォトンエネルギーが大きい180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射によって処理することが好ましい。エネルギーが小さいとポリシラザンの効果が不十分となりバリア性が低くなる為である。
本発明において、好ましい方法として、真空紫外線照射による処理が挙げられる。真空紫外線照射による処理は、化合物内の原子間結合力より大きい100nm〜200nmの光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で、膜の形成をおこなう方法である。
e+Xe→Xe*
Xe*+2Xe→Xe2 *+Xe
Xe2 *→Xe+Xe+hν(172nm)
となり、励起されたエキシマ分子であるXe2 *が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。
本発明に係る樹脂基材は、有機層と無機層からなるバリア層を保持することができる有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
本発明に係る有機層(有機化合物層ともいう)は、バリアフィルムの曲げに対する応力を緩和する目的のほかに、突起等が存在する透明樹脂基材の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂基材に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。
本発明の有機電子デバイスとしては、例えば、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ、有機TFT等ともいう)、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子ともいう)等が挙げられる。
本発明の有機電子デバイスに、本発明のバリア性フィルムを適用する具体的な例を、本発明の有機電子デバイスの一態様である有機エレクトロルミネッセンス素子を例にとって説明する。
《バリア性フィルム1の作製》
(樹脂基材)
樹脂基材として、両面に易接着加工された125μmの厚さのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンO3)の基板を、170℃で30分アニール加熱処理したものを用いた。
上記樹脂基材上に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の(平均)膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm2で硬化を行い、有機層として平滑層を形成した。
次いで、上記の平滑層の上に、下記の無機層の下層、上層を順に設けた。
特開2002−192646号公報の実施例3−3に準じて作製した。
特開2002−192646号公報の実施例3−1に準じて作製した。
バリア性フィルム1の作製において、無機層1、2の作製を下記に記載に変更した以外は同様にして、バリア性フィルム2を作製した。
無機層1(無機層の最下層)の作製
特許第4398265号明細書記載の実施例7に準じて作製した。
特許第4398265号明細書記載の実施例2に準じて作製した。
バリア性フィルム2の作製において、無機層2の作製を下記に変更した以外は同様にして、バリア性フィルム3を作製した。
触媒を含有しないポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が150nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、下記の真空紫外線処理装置及び条件を用いて処理を行った。
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置、波長172nm、ランプ封入ガスXe 稼動ステージ上に固定した試料を以下の条件で酸化処理(改質処理)を行った。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 1.6%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム4の作製》
バリア性フィルム3の作製において、無機層1の作製を下記に変更した以外は同様にしてバリア性フィルム4を作製した。
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が200nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、上記真空紫外線処理装置を用いて酸化処理を施した。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.3%
エキシマ照射時間 20秒
《バリア性フィルム5の作製》
バリア性フィルム4の作製において、無機層2(150nm)を最上層とし、最下層の無機層1(150nm)と無機層2との間に、無機中間層2を下記のように作製した以外は同様にしてバリア性フィルム5を作製した。
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が90nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布した後、上記真空紫外線処理装置を用いて酸化処理(改質処理ともいう)を施した。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.3%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム6の作製》
バリア性フィルム5の作製において、無機層1、無機中間層2、無機層3の作製を下記に記載の作製方法に変更した以外は同様にしてバリ汗フィルム6を作製した。
アミン触媒を含有するペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が150nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 室温(23℃〜25℃)
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 5秒
(無機中間層2の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が90nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.2%
エキシマ照射時間 30秒
(無機層2(バリア性フィルム6の最上層)の作製)
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ)を乾燥後の膜厚が60nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、真空紫外線処理を施した。
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 3mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.2%
エキシマ照射時間 10秒
《バリア性フィルム7の作製》(比較例)
バリア性フィルム1の作製において、無機層1(最下層の無機層)のみを平滑層の上に作製した以外は同様にしてバリア性フィルム7を作製した。
バリア性フィルム2の作製において、無機層1(最下層の無機層)のみを平滑層の上に作製した以外は同様にしてバリア性フィルム8を作製した。
バリア性フィルム4の作製において、無機層2(バリア性フィルム9の最上層)の作製を特開2009−95989号公報の段落(0070)に記載の第二無機層2aの作製に準じて、蒸着膜(膜密度3.1)を作製した以外は同様にしてバリア性フィルム9を作製した。
以下の測定方法により評価した。
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気透過度(水蒸気バリア性)の評価用セルの作製)
バリア性フィルム1〜9の各試料のガスバリア層である無機層の表面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、バリアフィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。
5:1×10−4g/(m2・24h)未満
4:1×10−4g/(m2・24h)以上、5×10−4g/(m2・24h)未満
3:5×10−4g/(m2・24h)以上、1×10−3g/(m2・24h)未満
2:1×10−3g/(m2・24h)以上、1×10−2g/(m2・24h)未満
1:1×10−2g/(m2・24h)以上
ランク評価において、実用上に耐えうるのはランク3以上である。尚、表1に記載中、ランクに0.5単位が入っている水準は、バラつきの範囲が、上記ランク基準をまたがったことを意味する。
表面粗さRaは、AFM(原子間力顕微鏡;Digital Instruments社製DI3100)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さから求めた。
○:2nm以上5nm未満
△:5nm以上10nm未満
×:10nm以上
本発明に係る平滑性評価において、実用に耐えうるのは△以上の場合である。
半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回の屈曲を繰り返した試料の水蒸気透過率の評価を行い、屈曲をしなかった試料からの劣化度合いを評価した。
5:90%以上
4:80%以上90%未満
3:70%以上80%未満
2:60%以上70%未満
1:60%未満
本発明に係る折り曲げ後の水蒸気バリア性の評価において、実技上問題ないのは2以上である。
本発明の有機電子デバイスの一態様である有機EL素子101の作製を下記に示す。
(第1電極層の形成)〉
実施例1で作製したバリア性フィルム1の無機層2上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。尚、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
第1電極層が形成されたバリア性フィルム1の第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し正孔輸送層を形成した。正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
塗布工程は大気中、25℃相対湿度50%の環境で行った。
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m//秒、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
引き続き、正孔輸送層迄を形成したバリア性フィルム1の正孔輸送層の上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
ホスト材のH−Aを1.0gと、ドーパント材D−Aを100mg、ドーパント材D−Bを0.2mg、ドーパント材D−Cを0.2mg、100gのトルエンに溶解し白色発光層形成用塗布液として準備した。
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/分で行った。
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/秒、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
引き続き、発光層迄を形成したのち、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
塗布工程は窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/分で行った。
電子輸送層はE−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m//秒、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理部で温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
引き続き、形成された電子輸送層の上に電子注入層を形成した。まず、基板を減圧チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバーにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
引き続き、形成された電子注入層の上に第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極が形成され、且つ、発光面積が50mm平方になるように、蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
第2電極まで形成したバリア性フィルム1を、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに裁断し、有機EL素子を作製した。
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子101を製作した。
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件、圧着ロール温度120℃、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/分で密着封止した。
有機EL素子101の作製において、バリア性フィルム1の代わりにバリア性フィルム2〜8を用いた以外は同様にして、有機EL素子102〜108を各々作製した。
得られた有機EL素子101〜109を、60℃90%RHに300時間保管した後、保管前の状態と比較を行った。
試料に1mA/cm2の電流を印加し発光させ、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、目視で観察を行い、黒点の状況を調べ、下記のようにランク評価した。
B:0時間から300時間まで、わずかに劣化が認められる
C:0時間から300時間まで、劣化が認められるが実技上問題ないレベル
D:0時間から300時間まで、大きく劣化が認められ実技上問題のあるレベル
尚、実技上問題がないのは、A〜Cランクである。
各有機EL素子を、60℃、相対湿度90%の環境下に250時間の保存を行った後、各有機EL素子に2.5mA/cm2の一定電流で駆動させた時の発光輝度の変化の測定を行い、未処理の各有機EL素子の各特性と比較し、下記のように高温高湿保存性をランク評価した。
B:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が5%以上、10%未満である
C:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が10%以上である
尚、実技上問題がないのは、A、Bランクである。
本発明の有機電子デバイスの一態様である有機太陽電池201の作製を下記に示す。
実施例1で作製した本発明のバリア性フィルム6に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗10Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィー技術と湿式エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし第1の電極を形成した。
窒素ガス(不活性ガス)によりパージされた環境下で、バリアフィルム6の二枚を用い、無機層(ガスバリア層である)を設けた面に、シール材としてエポキシ系光硬化型接着剤を塗布した。
有機太陽電池201の作製において、本発明のバリア性フィルム6の代わりに、比較のバリア性フィルム9を用いた以外は同様にして比較の有機太陽電池202を作製した。
上記で作製した有機太陽電池201、202について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cm2の強度の光を照射し、有効面積を4.0mm2にしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFF(%)を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、下記式1に従って求めたエネルギー変換効率PCE(%)の4点平均値を見積もり、初期電池特性としてのエネルギー変換効率を各々測定した。
PCE(%)=〔Jsc(mA/cm2)×Voc(V)×FF(%)〕/100mW/cm2
次いで、有機太陽電池201、202を各々加速試験環境(温度60℃、湿度90%RH)で1000時間保存した後、初期電池特性の測定と同様にして、加速試験後のエネルギー変換効率を求め、初期電池特性としてのエネルギー変換効率との比を求め、有機太陽電池201、202の耐久性を下記の5段階のランク評価を行った。
5:90%以上
4:70%以上、90%未満
3:40%以上、70%未満
2:20%以上、40%未満
1:20%未満
上記の耐久性評価において、本発明の有機太陽電池201の耐久性はランク5を示し、比較の有機太陽電池202の耐久性はランク3であった。
11 第1電極
12 第2電極
13 有機機能層
14 第一の導電性層
21 第二の導電層
22 補助電極
23 補助電極
Claims (11)
- 樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成しているバリア性フィルムであって、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機中間層または前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいことを特徴とするバリア性フィルム。
- 前記ラジカル密度Aが、1×1017spins/cm3〜1×1019spins/cm3の範囲であり、且つ、下記の不等式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のバリア性フィルム。
不等式(1)
0.1<ラジカル密度A/ラジカル密度B<1 - 前記構成層として3層以上の無機層を有し、該3層以上の無機層の最下層に設けられた無機層Bと最上層の無機層Aとの間に設けられている無機中間層のラジカル密度が、下記の不等式(2)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のバリア性フィルム。
不等式(2)
無機中間層のラジカル密度>ラジカル密度A(最上層)>ラジカル密度B(最下層) - 前記構成層として、最下層の無機層Bと最上層の無機層Aとの間に、複数の無機中間層を有し、該無機層Bに近接している無機中間層〜該無機層Aに近接している無機中間層にかけて、ラジカル密度が順に小さくなるように調整されていることを特徴とする請求項3に記載のバリア性フィルム。
- 前記最上層の無機層Aが塗布によって形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性フィルム。
- 前記最上層の無機層Aがポリシラザン化合物を塗布する工程により塗膜形成されたものであり、次いで、該塗膜形成後に酸化処理される工程を経て形成されたことを特徴とする請求項5に記載のバリア性フィルム。
- 前記酸化処理が、180nm以下の波長成分を有する真空紫外線を照射する処理であることを特徴とする請求項6に記載のバリア性フィルム。
- 前記真空紫外線を照射する処理が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われる処理であることを特徴とする請求項7に記載のバリア性フィルム。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリア性フィルムを用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
- 樹脂基材上に、構成層として少なくとも有機層及び2層以上の無機層が積層され、該無機層の少なくとも1層が最上層を形成し、該2層以上の無機層は各々酸化珪素または酸窒化珪素を少なくとも含有し、且つ、最上層に設けられている無機層AのESR法によるPbセンターのラジカル密度Aが、該無機層Aに隣接する下層の無機中間層または前記2層以上の無機層の最下層の無機層Bのラジカル密度Bよりも小さいバリア性フィルムの製造方法において、
該最上層の無機層Aが、ポリシラザン化合物の塗布により塗膜形成される工程を有し、次いで、該塗膜形成後に180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射により酸化処理される工程を有することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。 - 前記真空紫外線照射により酸価処理される工程が、酸素濃度0.001%〜5%の雰囲気下で行われることを特徴とする請求項10に記載のバリア性フィルムの製造方法。
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