JP2015202620A - ガスバリア性フィルムの製造方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ガスバリア性フィルムの製造方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子デバイスに用いられうる、保護フィルムを有するガスバリア性フィルムにおいて、良好なガスバリア性を発揮させうる手段を提供する。【解決手段】基材上に、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行い、ガスバリア層を形成する第一工程と、保護フィルムを、粘着層を介して前記ガスバリア層上に貼り合わせ、ガスバリア性フィルムを形成すると共にロール状に巻き取る第二工程と、を備え、前記第二工程において、ロール状に巻き取られる際の前記ガスバリア性フィルムにかかる面圧が、0.05MPa以上1.5MPa以下であることを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムの製造方法および電子デバイスの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、保護フィルムを有するガスバリア性フィルムの製造方法および前記保護フィルムを剥離した前記ガスバリア性フィルムを用いた電子デバイスの製造方法に関する。
従来、食品、包装材料、医薬品などの分野で、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐため、樹脂基材の表面に金属や金属酸化物の蒸着膜等の無機膜を設けた比較的簡易な構造を有するガスバリア性フィルムが用いられてきた。
近年、このような水蒸気や酸素等ガスの透過を防ぐガスバリア性フィルムが、液晶表示素子(LCD)、太陽電池(PV)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)などの電子デバイスの分野にも利用されつつある。このような電子デバイスに、フレキシブル性と軽くて割れにくいという性質を付与するためには、硬くて割れ易いガラス基板ではなく、高いガスバリア性を有するガスバリア性フィルムが必要となってくる。
電子デバイスに適用可能なガスバリア性フィルムを得るための方策としては、プラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法、化学蒸着法)によってフィルムなどの基材上にガスバリア層を形成する方法や、ポリシラザンを主成分とする塗布液を基材上に塗布した後、表面処理(改質処理)を施してガスバリア層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。
一方、高度のガスバリア性が要求されるガスバリア性フィルムの製造過程において、ロール・トゥー・ロール方式により、形成後のガスバリア層付きの基材を連続搬送して巻き取ることも行われているが、この際、ロール(ローラー)によってガスバリア層にスリ傷が発生したり、ガスバリア層に異物が付着したりするなどの問題が知られている。
かような問題に対して、例えば特許文献3には、ガスバリア層における傷の発生やガスバリア層への異物の混入を低減するため、離型性を有する樹脂材料として、保護フィルムを粘着層を介してラミネートする技術が開示されている。
特開2009−255040号公報 特開2012−148416号公報 国際公開第2007/138837号
しかしながら、特許文献3に開示されているような離型性を有する樹脂材料(保護フィルムおよび粘着層)がラミネートされたガスバリア性フィルムでは、特に高度なガスバリア性が要求される電子デバイス等に使用される場合に、良好なガスバリア性を発揮できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電子デバイスに用いられうる、保護フィルムを有するガスバリア性フィルムにおいて、良好なガスバリア性を発揮させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その過程で、保護フィルムを有するガスバリア性フィルムにおいて、ガスバリア性が低下する原因を探索した。その結果、ガスバリア層に保護フィルムを貼合させるための粘着層に含まれる粘着剤が、当該保護フィルムの剥離後にもガスバリア層の表面に残存していることがガスバリア性の低下の1つの原因となっていることを見出した。また、ガスバリア層に保護フィルムを貼合させてロール状に巻き取る際に巻きずれが生じると、これによってもガスバリア性が低下してしまうことも見出した。
そして、本発明者は、これらの知見に基づき鋭意検討を進めた結果、ガスバリア層に保護フィルムを貼合させてロール状に巻き取る際にガスバリア性フィルムにかかる面圧を特定の範囲内の値に制御することで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
基材上に、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行い、ガスバリア層を形成する第一工程と、
保護フィルムを、粘着層を介して前記ガスバリア層上に貼り合わせ、ガスバリア性フィルムを形成すると共にロール状に巻き取る第二工程と、
を備え、
前記第二工程において、ロール状に巻き取られる際の前記ガスバリア性フィルムにかかる面圧が、0.05MPa以上1.5MPa以下であることを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法。
本発明によれば、電子デバイスに用いられうる、保護フィルムを有するガスバリア性フィルムにおいて、良好なガスバリア性を発揮させることができる。
真空紫外線照射装置の一例を示す断面模式図である。 ガスバリア性フィルムを製造する際に用いる装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
{ガスバリア性フィルムの製造方法}
本発明の第一の形態によれば、基材上に、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行い、ガスバリア層を形成する第一工程と、保護フィルムを、粘着層を介して前記ガスバリア層上に貼り合わせ、ガスバリア性フィルムを形成すると共にロール状に巻き取る第二工程と、を備え、前記第二工程において、ロール状に巻き取られる際の前記ガスバリア性フィルムにかかる面圧が、0.05MPa以上1.5MPa以下であることを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法が提供される。
従来、上記特許文献3に記載のように、ガスバリア層における傷の発生やガスバリア層への異物の混入を低減するため、離型性を有する樹脂材料(保護フィルムおよび粘着層)をラミネートする技術が知られている。特に、ポリシラザン化合物を含有する溶液を塗布し、得られた塗膜に対して改質処理を行うと、当該塗膜が改質されてガスバリア層が形成される。そして、このようにして形成された直後のガスバリア層の表面は非常に活性であることから、形成後のガスバリア層付きの基材を連続搬送する際のロール(ローラー)とガスバリア層表面とが接触したり、大気中の異物がガスバリア層に付着したりすることを防ぐために、形成された直後のガスバリア層の表面に粘着層を介して保護フィルムを貼り合わせて、ガスバリア層の表面を保護する必要がある。
しかしながら、このような保護フィルムをガスバリア層表面から離型させた後にガスバリア層上に粘着剤が残存することや、かような残存粘着剤がガスバリア性に悪影響を及ぼすことについては、従来知られていなかったことである。上述したように、本発明者が検討したところ、保護フィルムの剥離(離型)後にガスバリア層上に粘着剤が残存すると、良好なガスバリア性を発揮できなくなることが判明した。特に、高度なガスバリア性が要求される電子デバイス等に使用される場合には、粘着剤が僅かに残存するのみであっても、十分なガスバリア性が得られなくなってしまうことが判明したのである。
さらに、本発明者は上記と異なる視点からガスバリア性の低下の課題について検討を進めたところ、ガスバリア性フィルムを製造し、これをロール状に巻き取る際に生じる巻きずれが、やはりガスバリア性フィルムのガスバリア性を大きく低下させることを見出した。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、ロール・トゥー・ロール方式にてガスバリア性フィルムを製造する場合に、ガスバリア性フィルムを形成すると共にこれをロール状に巻き取る際に前記ガスバリア性フィルムにかかる面圧を0.05MPa以上1.5MPa以下に制御することで、上述した粘着剤の残存および巻きずれの発生を同時に抑制することができ、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性を飛躍的に向上させることができることを見出したのである。
ここで、本発明の構成によって上記課題が解決されるメカニズムについて考察すると、ガスバリア層表面に粘着剤が残存する場合、この粘着剤はガスバリア性の全くない有機成分であることから、いわばガスバリア性のない膜が不均一にガスバリア層の表面に積層されることになる。当該ガスバリア性のない膜の存在に起因して、ガスバリア層のサイドから水分や酸素が侵入し、結果としてガスバリア性が大きく劣化するものと考えられる。
また、有機EL素子や有機光電変換素子などの電子デバイスを製造するには、nmオーダーの有機薄膜を精密に積層していく必要があるが、ガスバリア層の表面に粘着剤が残存すると、nmオーダーの有機薄膜を精密に積層していくことが困難となり、結果的に電子デバイスではダークスポットと呼ばれる非発光部(DSと呼ぶ)が発生することも考えられる。
この点に関し、本発明者の検討によれば、ガスバリア性フィルムをロール状に巻き取る際のガスバリア性フィルムにかかる面圧が1.5MPa超であると、保護フィルムを剥離して使用する際にガスバリア層表面に粘着剤が残存してしまい、ガスバリア性の低下がもたらされることが明らかとなったのである。
また、ガスバリア性フィルムを形成後、これをロール状に巻き取る際の巻きずれがガスバリア性の低下をもたらすことについては、かような巻きずれが基材のずれや基材の破損を引き起こし、これらの不具合がガスバリア層の表面に傷やクラックを生じさせるものと考えられる。
この点に関しても本発明者は検討を行ったところ、ガスバリア性フィルムをロール状に巻き取る際のガスバリア性フィルムにかかる面圧が0.05MPa未満であると巻きずれに起因する上記不具合によってガスバリア性の低下がもたらされることが明らかとなったのである。
以下、本発明のガスバリア性フィルムの製造方法に係る各工程について、詳細に説明する。
≪第一工程≫
本工程では、基材上に、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行い、ガスバリア層を形成する。ここで、前記「基材上にガスバリア層を形成する」とは、基材上にガスバリア層を直接形成する形態のみならず、基材に他の層が形成された後に、該他の層上にガスバリア層を形成する形態も含む。また、この「他の層」は、本発明に係る必須の構成としてのガスバリア層とは異なる「他のガスバリア層」であってもよい。
<基材>
本発明に用いられる基材としては、ガスバリア層などの層を保持することができるものであれば、特に限定されない。
例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の各樹脂フィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、さらには前記樹脂を2層以上積層して成る樹脂フィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、等が好ましく用いられ、特に、低リタデーションの観点からシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーおよびポリカーボネート(PC)が特に好ましい。また、光学的透明性、耐熱性、第1のバリア層、ガスバリア層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いることができる。その他にも、耐熱基材としてポリイミド等を用いることも好ましい。これは、耐熱基材(ex.Tg>200℃)を用いることにより、デバイス作製工程で200℃以上の温度での加熱が可能となり、デバイスの大面積化やデバイスの動作効率向上のために必要な透明導電層若しくは金属ナノ粒子によるパターン層の低抵抗化が達成可能となる。すなわちデバイスの初期特性が大幅に改善することが可能となるからである。
基材の厚さは、特に限定されないが、5〜500μmであることが好ましく、15〜250μmであることがより好ましい。
本発明において、基材は、透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なガスバリア性フィルムとすることが可能となるため、有機EL素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、本発明に用いられる基材として、市販品でも好適に採用されうる。また、市販品の中で、片面または両面に易接着加工されたものであってもよく、片面または両面にクリアハードコート層を施したものであってもよい。
また、本発明に係る基材においては、ガスバリア層を形成する前にコロナ処理してもよい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層とは、本発明のガスバリア性フィルムが全体としてガスバリア性を発現するに貢献できるレベルの無機薄膜を意味する。
[ガスバリア層の形成方法]
上述したように、本発明に係るガスバリア層は、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行う方法(以下、単に「塗布法」とも称する)によって形成される。これにより、本発明に係るガスバリア層は、原料であるポリシラザン化合物が改質され、酸化ケイ素、窒化珪素、および/または酸窒化珪素等を含むポリシラザン化合物由来のセラミック膜の構成を有している。
(ポリシラザン化合物)
本発明に用いられる「ポリシラザン化合物」とは、構造内にケイ素−窒素結合を持つポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
上述したフィルム基材を損なわないように、ポリシラザン化合物からガスバリア層を形成するためには、特開平8−112879号公報に記載されているように、比較的低温で酸化ケイ素、窒化珪素、および/または酸窒化珪素に変性するポリシラザン化合物が好ましい。
かようなポリシラザン化合物としては、下記の構造を有するものが好ましく用いられる。
式中、R、R、Rは、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表す。
本発明では、得られるガスバリア層の、膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより、下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミク膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。
用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
なお、パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6及び/又は8員環を中心とする環構造とが共存した構造を有していると推定されている。
ポリシラザン化合物の分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。
これらのポリシラザン化合物は有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン化合物含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザン化合物の他の例としては、上記ポリシラザン化合物にケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
(ポリシラザン化合物を含有する塗布液)
ポリシラザン化合物を含有する塗布液を調製する有機溶媒としては、ポリシラザン化合物と容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは避けることが好ましい。
かような有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等、目的にあわせて選択し、複数の有機溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液におけるポリシラザン化合物の濃度は、目的とするガスバリア層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度であることが好ましい。
また、ポリシラザン化合物を含有する塗布液には、酸化ケイ素、窒化珪素、および/または酸窒化珪素への変性を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。例えば、市販品としてのAZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のNAX120−20、NN120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140のような触媒が含まれるポリシラザン化合物溶液を用いることができる。また、これらの市販品は単独で使用されてもよく、2種以上混合して使用されてもよい。
なお、ポリシラザン化合物を含有する塗布液中において、触媒の添加量は、触媒による過剰なシラノール形成、及び膜密度の低下、膜欠陥の増大のなどを避けるため、ポリシラザン化合物に対して2質量%以下に調整することが好ましい。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液には、ポリシラザン化合物以外にも無機前駆体化合物を含有させることができる。ポリシラザン化合物以外の無機前駆体化合物としては、塗布液の調製が可能であれば特に限定はされない。例えば、特開2011−143577号公報の段落「0110」〜「0114」に記載のポリシラザン化合物以外の化合物が適宜採用されうる。
(塗布方法)
本発明において、上述したポリシラザン化合物を含有する塗布液の塗布方法としては、任意の公知な適切な方法が採用されうる。
例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、ダイコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。これらのうち、生産効率が高く、安定して塗膜形成できることから、特にダイコート法が好ましい。
塗布厚さとしては、特に限定されず、ガスバリア性フィルムの使用目的に応じて、乾燥膜厚に合わせて適宜調整されうる。また、乾燥膜厚としては、例えば、0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.6μm以下であることがより好ましく、0.04μm以上0.4μm以下であることがさらに好ましい。乾燥膜厚が0.01μm以上であれば、十分なガスバリア性を得ることができ、また1μm以下であれば、ガスバリア層形成時に安定した塗布液を得ることができる観点から好ましい。
また、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布した後に、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存させていてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適なガスバリア膜が得られうる。なお、残存する溶媒は後に除去されうる。
乾燥温度は、適用する基材によっても異なるが、50〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることがより好ましい。例えば、ガラス転移温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定されうる。乾燥時間は、短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以内に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
また、上述したポリシラザン結合を含有する塗布液を塗布し、形成された塗膜(以下、「改質前のガスバリア層」とも称する)は、後述する改質処理の前または改質処理中に水分を除去する工程をさらに含んでいてもよい。
(改質処理)
本発明において、改質処理とは、ポリシラザン化合物の一部または一部または全部が、酸化珪素または酸化窒化珪素への転化する反応(セラミックス化)を指し、また本発明のガスバリア性フィルムが全体としてガスバリア性を発現するに貢献できるレベルの無機薄膜(すなわち、ガスバリア層)を形成する処理をいう。
かような改質処理は、ポリシラザン化合物の転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。例えば、プラズマ処理、活性エネルギー線照射処理等が挙げられる。中でも、低温で改質可能であり基材種の選択の自由度が高いという観点から、活性エネルギー線照射による処理が好ましい。
・プラズマ処理
本発明において、改質処理として用いることのできるプラズマ処理は、公知の方法を用いることができるが、好ましくは大気圧プラズマ処理等を挙げることが出来る。大気圧近傍でのプラズマCVD処理を行う大気圧プラズマCVD法は、真空下のプラズマCVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高いだけでなく、プラズマ密度が高密度であるために成膜速度が速く、更には通常のCVD法の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて均質の膜が得られる。
大気圧プラズマ処理の場合は、放電ガスとしては窒素ガスまたは長周期型周期表の第18族原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
・活性エネルギー線照射処理
活性エネルギー線としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が使用可能であるが、電子線または紫外線が好ましく、紫外線がより好ましい。紫外線(「紫外光」または「VUV」と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性とを有するガスバリア層を形成することが可能である。
この紫外線照射により、セラミックス化に寄与するOとHOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン化合物自身が励起、活性化される。そして、励起したポリシラザン化合物のセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜(すなわち、ガスバリア層)が緻密になる。紫外線照射は、上述した塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
なお、本発明でいう紫外線とは、一般には、10〜400nmの波長を有する電磁波をいうが、後述する真空紫外線(10〜200nm)処理以外の紫外線照射処理の場合は、好ましくは210〜375nmの紫外線を用いる。
紫外線照射処理においては、通常使用されているいずれの紫外線発生装置を使用することも可能である。
紫外線の照射は、照射される改質前のガスバリア層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
紫外線の照射は、照射される改質前のガスバリア層の塗膜を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。基材としてのプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cm、好ましくは50〜200mW/cmになるように、基材−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、基材が変形したり、その強度が劣化したりする等、基材の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムや、金属等の基板の場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、基材の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射処理の雰囲気は特に制限されない。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ(172nm、222nm、308nmの単一波長、例えば、ウシオ電機株式会社製や株式会社エム・ディ・コム製)、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を改質前のガスバリア層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから改質前のガスバリア層に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する基材の形状によって適宜選定することができる。例えば、バッチ処理の場合には、改質前のガスバリア層を表面に有する積層体を上記のような紫外線発生源を具備した紫外線焼成炉で処理することができる。紫外線焼成炉自体は一般に知られており、例えば、アイグラフィクス株式会社製の紫外線焼成炉を使用することができる。また、改質前のガスバリア層を表面に有する積層体が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する基材や改質前のガスバリア層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
・真空紫外線照射による改質処理
本発明において、上述した改質処理として、真空紫外線を照射することにより行われることが最も好ましい。これは、ポリシラザン化合物の転化する反応がより効率的に行われるからである。
真空紫外線照射による改質処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光のエネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で酸化珪素膜の形成を行う方法である。これに必要な真空紫外線源としては、Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
なお、Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→e+Xe
Xe+Xe+Xe→Xe +Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光(真空紫外光)を発光する。
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。また、余分な光が放射されないので、対象物の温度を低く保つことができる。さらには始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
真空紫外線を照射する際の、酸素濃度は300〜10000体積ppm(1体積%)とすることが好ましく、500〜5000体積ppmとすることがより好ましい。このような酸素濃度の範囲に調整することにより、酸素過多のガスバリア層の生成を防止してバリア性の劣化を防止することができる。
真空紫外線を照射する際に、酸素以外のガスとしては乾燥不活性ガスを用いることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。また、酸素濃度の調整は照射装置チャンバー内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
真空紫外線を照射する際に、照射される改質前のガスバリア層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度または照射時間もしくは照射エネルギー量を調整することが好ましい。
本発明において、改質前のガスバリア層の塗膜面が受ける真空紫外線の照度は、1mW/cm〜10W/cmであると好ましく、30mW/cm〜200mW/cmであることがより好ましく、50mW/cm〜160mW/cmであるとさらに好ましい。1mW/cm以上であれば、改質効率を確保することができ、また10W/cm以下であれば、基材のダメージの心配がないからである。
改質前のガスバリア層の塗膜面における真空紫外線の照射エネルギー量は、10〜30000mJ/cmが好ましく、100〜15000mJ/cmであるとより好ましく、200〜12000mJ/cmであるとさらに好ましい。10mJ/cm以上であれば、十分に改質することができ、また30000mJ/cm以下であれば、過剰改質によるクラック発生や基材の熱変形の心配がないからである。
エキシマ発光を得るには、誘電体バリア放電を用いる方法が知られている。誘電体バリア放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じる雷に似た非常に細いmicro dischargeと呼ばれる放電である。
また、効率よくエキシマ発光を得る方法としては、誘電体バリア放電以外には無電極電界放電も知られている。無電極電界放電とは、容量性結合による放電であり、別名RF放電とも呼ばれる。ランプと電極及びその配置は、基本的には誘電体バリア放電と同じでよいが、両極間に印加される高周波は数MHzで点灯される。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られる。
そして、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。従って、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板、樹脂フィルム等への照射を可能としている。
また、エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で単一波長のエネルギーを照射するため、照射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を有する。このため、熱の影響を受けやすいとされるポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを基材とするガスバリア性フィルムへの照射に適している。
本発明での真空紫外光照射処理には、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することが可能である。例えば、図1で示す装置を使用することができる。
図1は、真空紫外線照射装置の一例を示す断面模式図である。装置チャンバー10の中には、172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプ12と、外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダー13と、試料ステージ14と、遮光板16と、を備えている。また、装置チャンバー10の中には、図示しないガス供給口から内部に窒素と酸素とを適量供給し、図示しないガス排出口から排気することで、チャンバー内部から実質的に水蒸気を除去し、酸素濃度を所定の濃度に維持することができる。
試料ステージ14は、図示しない移動手段により装置チャンバー10内を水平に所定の速度で往復移動することができる。また、試料ステージ14は図示しない加熱手段により、所定の温度に維持することができる。15は改質前のガスバリア層が形成された試料である。試料ステージが水平移動する際、試料の塗布層表面と、エキシマランプ管面との最短距離が3mmとなるように試料ステージの高さが調整されている。遮光板16は、Xeエキシマランプ12のエージング中に試料の塗布層に真空紫外光が照射されないようにしている。
改質前のガスバリア層の塗膜面における真空紫外線の照射エネルギーは、例えば浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025 UV POWER METERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定できる。測定に際しては、Xeエキシマランプ管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ14中央に設置し、かつ、装置チャンバー10内の雰囲気が、真空紫外線照射工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージ14を0.1〜50m/minの速度で移動させて測定を行うことができる。また測定に先立ち、Xeエキシマランプ12の照度を安定させるため、Xeエキシマランプ点灯後にエージング時間を設け、その後試料ステージを移動させて測定を開始することが好ましい。
上記の測定で得られた照射エネルギーを元に、試料ステージ14の移動速度を調整することにより所望の照射エネルギーとなるように調整することができる。なお、真空紫外線照射に際しては、照射エネルギー測定時と同様に、エージング後に行うことが好ましい。
本発明に係るガスバリア層の厚さは、特に限定されず、ガスバリア性フィルムの目的に応じて適宜に設定することができる。
本発明において、ガスバリア性フィルムは、単一層のガスバリア層を有していてもよく、2層以上の同様なガスバリア層または異なるガスバリア層を積層して有していてもよい。なお、2層以上のガスバリア層を積層する場合には、基材から最も離れる最表層のガスバリア層(すなわち、保護フィルムの保護相手となるガスバリア層)が上述した塗布法によって形成されていれば、他のガスバリア層は、任意の公知ガスバリア層材料から任意の公知方法によって形成されてもよい。勿論、当該他のガスバリア層は、上述した塗布法によって形成されてもよい。以下では、他のガスバリア層について簡単に説明する。
<他のガスバリア層>
本発明で用いられる他のガスバリア層の材料としては、特に制限されず、様々な無機バリア材料を使用することができる。無機バリア材料の例としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、銅(Cu)、セリウム(Ce)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも1種の金属の単体、上記金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物または酸化炭化物などの金属化合物が挙げられる。
前記金属化合物のさらに具体的な例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、アルミニウムシリケート(SiAlO)、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ケイ素、酸素含有炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、酸窒化ホウ素、酸化ホウ化ジルコニウム、酸化ホウ化チタン、およびこれらの複合体などの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸化ホウ化物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、ならびにこれらの組み合わせなどの無機バリア材料が挙げられる。酸化インジウムスズ(ITO)、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート(SiAlO)、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素およびこれらの組み合わせは、特に好ましい無機バリア材料である。ITOは、それぞれの元素成分を適切に選択することによって導電性になり得るセラミック材料の特殊部材の一例である。
また、他のガスバリア層は、有機ポリマーを含む有機層を含んでいてもよい。すなわち、前記他のガスバリア層は、上記無機バリア材料を含む無機層と有機層との積層体であってもよい。
[他のガスバリア層の形成方法]
本発明において、他のガスバリア層の形成方法は、特に限定されないが蒸着法、または上述した塗布法等が好ましく用いられる。
〔蒸着法〕
蒸着法としては、特に限定されず、既存の薄膜堆積技術を利用する事が出来る。例えば、反応性蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、化学気相堆積法などが挙げられる。
(反応性蒸着法)
反応性蒸着法とは、真空容器内に反応性ガスを導入し、蒸発源から蒸発した原子・分子を反応させて堆積させる方法であり、反応を促進させるためにプラズマ等の励起源を導入する事もできる。代表的な原料として、蒸着源としては、珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素など、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素などが用いられる。
(スパッタ法)
スパッタ法とは、電界加速した高エネルギーイオンをターゲットに入射させターゲットの構成原子をたたきだすスパッタリング現象を利用し、スパッタされたターゲットの構成原子を基材に堆積させる方法である。
(反応性スパッタ法)
反応性スパッタ法とは、真空容器内に反応性ガスを導入し、スパッタされたターゲットの構成原子とを反応させて基材に堆積させる方法である。代表的な原料として、ターゲット材には、珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素など、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素などが用いられる。
(化学気相堆積法)
化学気相堆積法とは、真空容器内に膜の構成元素を含む材料ガスを導入し、特定の励起源により材料ガスを励起する事で、化学反応により励起種を形成し、基材に堆積させる方法である。代表的な原料として、モノシラン、ヘキサメチルジシラザン、アンモニア、窒素、水素、酸素などが用いられる。
化学気相堆積法は、高速製膜が可能であり、スパッタ法等に比べ基材に対する被覆性が良好である事からより有望な手法である。特に、非常に高温の触媒体を励起源とした触媒化学気相堆積(Cat−CVD)法や、プラズマを励起源としたプラズマ化学気相堆積(PECVD)法が好ましい方法である。
<他の層>
上述の基材およびガスバリア層間または表面には、本発明の効果を損なわない範囲で以下のような他の層を設けてもよい。
[中間層]
本発明に係るガスバリア層が2層以上積層している場合の各ガスバリア層の間、またはガスバリア層と基材との間に、中間層を形成してもよい。中間層の構成材料、形成方法等は、特開2014−046272号公報の段落「0161」〜「0185」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
[アンカーコート層]
本発明に係る基材の表面には、接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。アンカーコート層の構成材料、形成方法等は、特開2013−52561号公報の段落「0229」〜「0232」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
[平滑層]
ガスバリア性フィルムは、基材のガスバリア層を有する面、好ましくは基材とガスバリア層との間に平滑層を有していてもよい。平滑層は突起等が存在する基材の粗面を平坦化するために、あるいは、基材に存在する突起により、ガスバリア層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。平滑層の構成材料、形成方法、表面粗さ、膜厚等は、特開2013−52561号公報の段落「0233」〜「0248」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
[ブリードアウト防止層]
ガスバリア性フィルムは、ガスバリア層が設ける面と反対側の基材面にブリードアウト防止層をさらに有することができる。ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルムを加熱した際に、基材中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、接触する面を汚染する現象を抑制する目的で、平滑層を有する基材の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に平滑層と同じ構成をとっても構わない。ブリードアウト防止層の構成材料、形成方法、膜厚等は、特開2013−52561号公報の段落「0249」〜「0262」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
≪第二工程≫
本工程では、保護フィルムを、粘着層を介して前記ガスバリア層(塗布法によって形成された層)の表面上に貼り合わせることにより、ガスバリア性フィルムが得られる。但し、本発明の効果を発揮するために、ロール状に巻き取られる際のガスバリア性フィルムにかかる面圧は、0.05MPa以上1.5MPa以下である。面圧が0.05MPa未満であると、ガスバリア性フィルムをロール状に巻き取る際に巻きずれが発生し、また面圧が1.5MPa超であると、ガスバリア性フィルムをロール状に巻き取った後に、保護フィルムを剥離して使用する際に、ガスバリア層表面に粘着剤が残存するからである。これらのいずれの場合でも、ガスバリア性フィルムのガスバリア性は低下してしまう。さらに、本発明者の鋭意研究により、本発明の効果をより発揮できる観点から、前記面圧は、0.1MPa以上1.2MPa以下であることが好ましく、0.2MPa以上0.8MPa以下であることより好ましい。
本発明において、ロール状に巻き取られる際のガスバリア性フィルムにかかる面圧は、使用する製造装置の駆動条件から、引っ張るテンション(張力)の値を変えることによって、制御することができる。
なお、面圧と引っ張るテンションとは多少の比例関係にあるが、フィルムの材料、フィルムの幅、またはロール径等によって、同じ引っ張るテンションでも得られる面圧の値は異なる可能性がある。このため、ロール状に巻き取られる際のガスバリア性フィルムにかかる面圧を測定しながら、引っ張るテンションの値を調整することが好ましい。面圧は、例えば、プレスケール(富士フイルム株式会社製の圧力測定フィルム)によって測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法で測定する。
なお、本発明において、ある幅とある長さでガスバリア性フィルムを巻き取っているので、ロール状に巻き取られる際のガスバリア性フィルムにかかる面圧は、場所によって、多少差も生じ得るが、一ヶ所でも0.05MPa以上1.5MPa以下の範囲内であれば、本発明の技術的範囲内である。
<保護フィルム>
上述した第二工程を経て、ガスバリア層上に粘着層を介して保護フィルムを貼り合わせることにより、上述した形成後のガスバリア層付きの基材を連続搬送する際のロール(ローラー)とガスバリア層表面との接触、および大気中の装置内の異物がガスバリア層に付着することを防ぐことができる。
ここで、「粘着層を介して」は、ガスバリア層を形成した後フィルムとして巻き取る前に、ガスバリア層の表面に粘着層を形成してから、保護フィルムと貼り合わせる態様、およびガスバリア層を形成した後フィルムとして巻き取る前に、粘着層付きの保護フィルムと貼り合わせる態様の両方を含むが、製造工程の便宜上から後者の態様がより好ましい。
保護フィルムとしては、特に限定されないが、樹脂材料からなるフィルムが挙げられる。保護フィルムは、ガスバリア層と貼り合わせる前に、ロール状に巻かれたものであってもよく、粘着層を有する側の保護フィルムの表面に離型層を有していてもよく、離型層を入り合わせた状態でロール状に巻かれたものであってもよい。
保護フィルムに用いられる樹脂材料(樹脂フィルム)としては、特に制限はないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム・ヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド系フィルム;ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリフルオロエチレン等の含ハロゲン系フィルム;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ピニル共重合体等の酢酸ビニル及びその誘導体フィルム等のプラスチックフィルムが、紙とは異なり微細塵を発生しないことから好ましい。
[粘着層]
粘着層は、粘着剤が主成分として構成された層です。粘着剤の種類としては特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)系粘着剤などを挙げることができるが、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤及びゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または他の共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。更に、これらの共重合体を構成するモノマーもしくは共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。主要成分のモノマーとしては、通常、ホモポリマーのガラス転移点が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルが使用される。
アクリル系粘着剤の硬化剤としては、例えば、イソシアネート系、エポキシ系、アリジリン系硬化剤が利用できる。イソシアネート系硬化剤では、長期保存後も安定した粘着力を得ることと、より硬い粘着層とする目的で、トルイレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系のタイプを好ましく用いることができる。更に、この粘着剤には、添加剤として、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤を含有させることもできる。
また、再剥離性を付与させるため、あるいは粘着力を低く安定に維持するために、それらの成分が相手基材に移行しない程度に、ワックス等の有機樹脂、シリコン、フッ素等の低表面エネルギーを有する成分を添加しても良い。例えば、ワックス等の有機樹脂では、高級脂肪酸エステルや低分子のフタル酸エステルを用いても良い。
ゴム系粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴムとこれらの混合物、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したものが用いられる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、更にはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等が挙げられる。
中でも、ブロックゴム系粘着剤は、一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体や一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、Aはスチレン系重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、またはそれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックであり、以下、スチレン系熱可塑性エラストマーという)を主体に、粘着付与樹脂、軟化剤などが配合された組成物が挙げられる。
シリコン系粘着剤としては付加反応硬化型シリコン粘着剤と縮重合硬化型シリコン粘着剤があるが、本発明ではどちらも制限なく使用出来る。
粘着層には、種々の添加剤が添加されていても良い。例えば、架橋剤、触媒、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、充填剤、粘着付与剤、界面活性剤等を添加してもよい。
粘着層の形成方法として、特に限定されず、公知の方法が用いられうる。例えば、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター、コンマコータ一等により所定の基材(例えば、保護フィルム、またはガスバリア層等)上に行われ、必要によりスムージングや、乾燥、加熱、紫外線等電子線露光工程等を経て、粘着層が形成される。
本発明において、粘着層付きの保護フィルムとして、保護フィルム上に粘着層を形成して形成されたものを採用してもよく、粘着層付きの保護フィルムの市販品を採用してもよい。製造工程の便宜上から後者を採用する態様がより好ましい。粘着層付きの保護フィルムの市販品として、特に限定されず、例えば、東レフィルム加工株式会社製のトレテック7332、7412、7531;フタムラ化学株式会社製のFSA−010M、020M、050M;株式会社サンエー化研社製のPAC−3−30、PAC−2−50TH等が使用されうる。
[保護フィルムを粘着層を介してガスバリア層上に貼り合わせる方法]
保護フィルムを粘着層を介してガスバリア層上に貼り合わせる(以下、単に「貼合する」とも称する)方法としては、特に限定されず、例えばニップロール等によって、ガスバリア層の形成と連続して保護フィルムを貼合するオンライン方式で行うことができる。
以下では、粘着層付きの保護フィルムを貼合する方法を例として説明する。前述するように、保護フィルムは、主として基材および基材上に粘着剤を含む粘着層から構成され、更にその上に離型剤を含む離型層を有している。保護フィルムは、好ましくは、離型層を内側にしてロール状に巻いた状態で用意される。次いで、離型性を有する樹脂材料は、ロールから繰り出され、離型層を分離して粘着層を露出させ、分離された離型層は巻き取りロールに巻き取られる。一方、ガスバリア層を有するガスバリア性フィルムは、ガスバリア層形成工程から水平方向に、下流側に配置された保護フィルムの位置まで搬送される。そして、ガスバリア性フィルム表面に保護フィルムの粘着層を1対のニップロール等によって貼り合せ、貼合する。この際、ニップロール間の線圧は、特に限定されず、例えば0.5〜40N/cmであることが好ましい。なお、当該線圧は、基材搬送速度、ニップロールの材質や硬度等によって制御することができる。
ここで、貼合する際の搬送速度は、特に限定されず、例えば0.5〜30m/minであることが好ましい。
また、貼合する際の温度は、使用される粘着層付きの保護フィルムの種類によって適宜調整することができるが、一般的に室温(20〜25℃)で実施することが好ましい。
本発明の一実施形態においては、ガスバリア層形成工程終了後、ガスバリア性フィルム表面に保護フィルムの粘着層を貼り合せるまでの時間を一定時間以上とする。保護フィルムを貼合したガスバリア性フィルムは、巻き取り軸に取り付けられた巻き芯に、ロール状に巻き取られる。この際、保護フィルムがガスバリア性フィルムの表面を保護するため、ロール状に巻き取る際の、ガスバリア性フィルムの裏面に付着する異物のガスバリア層への付着や、搬送の際の擦り傷発生等を効果的に防止し得る。
{ガスバリア性フィルムの包装形態}
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法によって製造されたガスバリア性フィルムは、連続生産しロール形に巻き取ること(いわゆるロール・トゥー・ロール生産)ができる長尺なフィルムである。その際、ガスバリア層を形成した面に保護フィルムを貼合して巻き取る。特に、本発明のガスバリア性フィルムを有機薄膜デバイスの封止材として用いる場合、表面に付着したゴミ(例えば、パーティクル)が原因で欠陥となる場合が多く、クリーン度の高い場所で保護シートを貼合してゴミの付着を防止することは非常に有効である。併せて、巻取り時に入るガスバリア層表面への傷の防止に有効である。また、本明細書でいう「長尺」とは、ロール状に巻き取られて保管または運搬される程度の長さを有するものという。
{ガスバリア性フィルムの用途}
上記したような本発明の保護フィルムを有するガスバリア性フィルムは、保護フィルムを剥離する際に残存される粘着剤によるガスバリア性の劣化を防止することできる。このため、本発明のガスバリア性フィルムは、電子デバイス等のパッケージ、光電変換素子(太陽電池素子)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子、液晶表示素子(LCD)、電子ペーパー、薄膜トランジスタ、タッチパネル等の電子デバイス本体を有する電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムおよびこれを用いた電子デバイスなど、様々な用途に使用することができる。また、本発明のガスバリア性フィルムは、食品関係や医療関係にも適用することができる。
{電子デバイスの製造方法}
本発明の他の形態によれば、本発明のガスバリア性フィルムの製造方法によって製造されたガスバリア性フィルムの、前記保護フィルムを剥離速度0.5cm/sec以上60cm/sec以下で剥離する工程と、電子デバイス本体を前記保護フィルムが剥離された後のガスバリア性フィルム上に配置する工程と、を有することを特徴とする、電子デバイスの製造方法が提供される。なお、本発明において、剥離速度は、JIS Z 0237:2009の180度剥離方法に準拠したものである。
以下、本発明の電子デバイスの製造方法に係る各工程について、詳細に説明する。
≪保護フィルムを剥離する工程≫
本発明に係るガスバリア性フィルムは、電子デバイスの封止フィルムとして使用する際には、保護フィルムをガスバリア層から剥離した後で使用する。
保護フィルムをガスバリア性フィルムのガスバリア層から剥離する方法としては、特に制限されないが、保護フィルムを貼合したガスバリア性フィルムを、巻き取ったロールから繰り出しながら保護フィルムを剥離することが好ましい。剥離した保護フィルムは、別のロールに巻き取ることにより回収することができる。
保護フィルムを剥離したガスバリア性フィルムは、ガスバリア層が再び露出する。用途により許容しうる残存粘着剤の量は異なるが、本発明者は、保護フィルムの剥離速度が遅すぎても速すぎても粘着剤がガスバリア層に残されやすい現象を本発明により初めて見出した。この理由について、以下のように推測されるが、下記に限定されるものではない。
すなわち、保護フィルムの剥離速度が速すぎると、その剥離速度が粘着剤成分の分子エネルギーに変換され粘着剤成分が不均一に剥離することが生じてガスバリア層上に多く残存されると推定する。一方、保護フィルムの剥離速度が遅すぎても、粘着剤成分の分子エネルギーに変換されないことで、結果的に粘着剤成分が不均一に剥離することが生じてガスバリア層上に多く残存されると推定する。
そこで、本発明者の鋭意研究により、保護フィルムの剥離速度は、好ましくは0.5cm/sec以上60cm/sec以下であり、より好ましくは1cm/sec以上40cm/sec以下であることが見出された。保護フィルムの剥離速度は前記範囲内であれば、保護フィルム剥離後のガスバリア層上に残存される粘着剤の量をより低減または抑制することができるからである。
≪電子デバイス本体を配置する工程≫
本工程では、上述した保護フィルムが剥離された後のガスバリア性フィルム上に電子デバイス本体を配置する。
<電子デバイス本体>
電子デバイス本体としては、光電変換素子(太陽電池素子)、有機EL素子、液晶表示素子、LCD、電子ペーパー、薄膜トランジスタ、タッチパネルなどが挙げられる。本発明の効果がより発現できる観点から、電子デバイス本体は、有機EL素子または太陽電池であることが好ましい。これらの電子デバイス本体の構成について、特に制限はなく、従来公知の構成を有し得る。
以下、具体的な電子デバイス本体の構成の一例として、有機EL素子を説明する。通常、上述した保護フィルムが剥離された後のガスバリア性フィルムのガスバリア層を有する面に、電子デバイス本体を構成する層、例えば、第1電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、第2電極層等を順に積層させることにより形成される。これらの形成方法は特に制限されず、公知の手法を適宜参照して製造されうる。
(第1電極:陽極)
第1電極(陽極)としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
(正孔注入層:陽極バッファ層)
第1電極(陽極)と発光層または正孔輸送層の間に、正孔注入層(陽極バッファ層)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層である。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることが出来る。
(発光層)
発光層とは、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、また各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層である。
(電子注入層:陰極バッファ層)
電子注入層形成工程で形成される電子注入層(陰極バッファ層)とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層である。
(第2電極:陰極)
第2電極(陰極)としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
≪その他の工程≫
本発明の電子デバイスの製造方法には、必要に応じて以下の他の工程を含むことができる。
<保護層を形成する工程>
電子デバイスは、必要に応じて、電子デバイス本体上に保護層を有してもよい。保護層は、水分や酸素等の電子素子本体の劣化を促進するものが素子内に侵入することを防止する機能、基材上に配置された電子素子本体等を絶縁性とする機能、または電子デバイス本体による段差を解消する機能を有する。保護層は、1層でもよいし、複数の層を積層してもよい。本発明では、保護層によって、封止剤組成物と電子デバイスとが絶縁されていることが好ましい。
または、保護層として、本発明のガスバリア性フィルムを用いることもできる。
<封止する工程>
本工程では、前記基材および前記電子デバイス本体の上部を覆うように、封止部材を配置する。封止部材としては、特に限定されず公知のものが適宜に採用されうる。また、封止部材として、本発明のガスバリア性フィルムを用いることもできる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。
≪実施例1≫
<ガスバリア性フィルム1の製造>
図2に示すスバリア性フィルム製造装置20を用いて、ガスバリア性フィルム1を製造した。図2は、ガスバリア性フィルムを製造する際に用いる装置の一例を示す概略図であり、いわゆるロール・トゥー・ロール方式の装置であり、送り出しローラー22aと、搬送ローラー23a〜23hと、塗布手段24と、乾燥手段25と、改質処理手段28と、ニップロール23iおよび23jと、送り出しローラー22cと、タッチローラー23kと、巻き取りローラー22bと、を備えている。
〔第一工程〕
送り出しローラー22aから両面ハードコート層(中間層)付きの透明樹脂基材21(きもと社製のクリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ125μm、CHCの厚さ6μm)を、塗布手段24に搬送した。下記で調製したポリシラザン化合物を含有する塗布液をスロットダイコーターにて、乾燥膜厚200nmになるように塗布し、次に、乾燥手段25にて80度加熱処理を行い、ポリシラザン塗膜を形成した。
(ポリシラザン化合物を含有する塗布液の調製)
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NN120−20)と、アミン触媒を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NAX120−20)とを、4:1(質量比)の割合で混合し、さらにジブチルエーテル溶媒を用いて、塗布液の固形分濃度が10質量%になるように希釈調整した。
上記で形成したポリシラザン塗膜は、改質処理手段28に搬送され、下記の改質方法に従い、真空紫外線照射(エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量6500mJ/cm、酸素濃度0.1%)を施して、ガスバリア層を形成した。
(真空紫外線照射による改質方法)
真空紫外線照射は、改質処理手段28として、図1の断面模式図で示した装置を用いて行った。
図1の装置チャンバー10の内部に水蒸気を除去し、酸素濃度を0.1%に維持した。ポリシラザン塗膜が形成された基材試料15が試料ステージ14に搬送され、試料ステージ14を100℃に維持しながら、所望の照射エネルギーに合わせて一定の速度で水平移動させた。この際、ポリシラザン塗膜を上に向かせ、かつポリシラザン塗膜の表面とエキシマランプ12の管面との最短距離が3mmとなるように試料ステージ14の高さを調整した。
真空紫外線照射の際のポリシラザン塗膜表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025 UV POWER METERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定した。測定に際しては、Xeエキシマランプ12管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ14中央に設置し、かつ、装置チャンバー10内の雰囲気が、真空紫外線照射工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージ14を0.5m/minの速度で移動させて測定を行った。また、測定に先立ち、Xeエキシマランプ12の照度を安定させるため、Xeエキシマランプ点灯後に10分間のエージング時間を設け、その後試料ステージ14を移動させて測定を開始した。
上記測定で得られた照射エネルギーを元に、試料ステージ14の移動速度を調整することで6500mJ/cmの照射エネルギーとなるように調整した。なお、真空紫外線照射に際しては、照射エネルギー測定時と同様に、10分間のエージング後に行った。
〔第二工程〕
続いて、真空紫外線による改質処理後、ガスバリア層が形成された基材はニップロール23iおよび23jに搬送された。それと同時に送り出しローラー22cから保護フィルム27として東レフィルム加工株式会社製トレテック7332をニップロール23iおよび23jに搬送され、23℃で20N/cmの線圧で速度2m/minで、上記で形成されたガスバリア層上に貼り合わせ、タッチローラー23kと接触させ、面圧が0.6MPaとなるように200mロール状に巻き取り、ガスバリア性フィルム1(サンプルNo.1)を作製した。
なお、ロール状に巻き取られる際のガスバリア性フィルムにかかる面圧は、以下の方法によって確認できた。他の実施例または比較例においても同様である。
すなわち、図2の23K通過直前にシート状の感圧紙プレスケールを挿入し、23K通過後にシート状のプレスケールを回収し、感圧紙の発色度合いにより、面圧を測定した。
プレスケールとしては、富士フィルム(株)製の品名 微圧用(4LW)、品番PRESCALE 4LWR310 3M 1を用いた。
また、面圧が違う場合の測定は、プレスケールのグレード違いで、富士フィルム(株)製の品名 超低圧用(LLW)、品番PRESCALE LLW R270 5M 1を用いて同様の方法にて実施した。
≪評価≫
上記で作製したガスバリア性フィルム1(サンプルNo.1)に対して、以下の各評価を行った。なお、巻きずれは、ガスバリア性フィルムがロール巻を形成した後の巻きずれの様子であり、その他の評価(顕微鏡観察、接触角、全光線透過率、ヘーズ、および水蒸気バリア性の評価)は全て、保護フィルムを剥離速度30cm/secで剥離した後に行ったものであるそれぞれの評価結果は、表1に示される。
〔巻きずれ〕
上記で作製したガスバリア性フィルム1のロール状に巻き取った後の、巻きずれの様子を目視で観察し、下記ランクにて評価した。
5:巻きずれがまったく観察されなかった
4:巻きずれが若干観察されたが問題はないレベルであった
3:巻きずれが発生し、バリアフィルムの折れやズレが発生する可能性がある
2:巻きずれが発生し、バリアフィルムの折れやズレが発生してバリア性能が低下した
1:巻きずれが発生し、バリアフィルムの折れやズレ発生して巻き取れなかった
〔顕微鏡観察〕
株式会社ニコンのECLIPSE E600を用いて、反射500倍にてガスバリア層の表面における粘着剤の残存レベルを観察し、下記ランクにて評価した。
5:粘着剤の残存はまったく観察されなかった
4:粘着剤の残存は若干観察されたが問題はないレベルであった
3:粘着剤の残存が観察され、ガスバリア性が低下する可能性がある
2:粘着剤の残存が観察され、ガスバリア性が低下した
1:粘着剤の残存が多発し、ガスバリア性も大幅に低下した
〔接触角〕
株式会社ニックのTBU−100を用いて、純水でガスバリア層の表面の濡れ性として接触角を評価した。なお、接触角が大きいほど、濡れ性が悪く、すなわち残存粘着剤が多いことを意味する。
〔全光線透過率、およびヘーズ〕
日本電色工業株式会社のNDH7000を用いて、全光線透過率およびヘーズ(曇り度)を測定した。なお、全光線透過率の値が高いほど、透明で良好な性能を有するサンプルであり、ヘーズの値が小さいほど濁度が少なく良好なサンプルであることを意味する。
〔バリア性テスト:水蒸気バリア性の評価〕
水蒸気バリア性の評価は、ガスバリア層の上に80nm厚の金属カルシウムを蒸着製膜し、ガスバリア性フィルムを高温高湿下に置いたときに製膜したカルシウムの面積が50%になるまでの時間を「50%面積時間」として評価することで行った(下記参照)。
(金属カルシウム製膜装置)
蒸着装置:日本電子株式会社製、真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
(原材料)
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価試料の作製)
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、作製したガスバリア性フィルムの最外層のガスバリア層の表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。この際、蒸着膜厚は80nmとなるようにした。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
得られた試料を、85℃95%RHの高温高湿下で保存し、保存時間に対して金属カルシウムが腐食して行く様子を観察した。観察は、12mm×12mmの金属カルシウム蒸着面積に対する金属カルシウムが腐食した面積が50%になる時間を観察結果から直線で内挿して求めた。
<有機薄膜電子デバイスの製造>
上記で作製したガスバリア性フィルム1の、保護フィルムが剥離速度30cm/secで剥離された後のガスバリア層の上に、以下の手順に従い、有機薄膜電子デバイスである有機EL素子1を作製した。
〔有機EL素子1の作製〕
(第1電極層の形成)
ガスバリア性フィルムのガスバリア層上に、厚さ150nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。なお、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
(正孔輸送層の形成)
第1電極層が形成されたガスバリア性フィルムの第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し、正孔輸送層を形成した。この際、正孔輸送層形成用塗布液は、乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
また、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、ガスバリア性フィルムの洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用した。
〈塗布条件〉
塗布工程は大気中、25℃、相対湿度50%RHの環境で行った。
〈正孔輸送層形成用塗布液の準備〉
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Baytron P AI 4083)を純水で65%、次にメタノールで5%希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
〈乾燥および加熱処理条件〉
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
引き続き、正孔輸送層まで形成したガスバリア性フィルムの正孔輸送層上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
〈白色発光層形成用塗布液〉
ホスト材の下記H−Aを1.0gと、ドーパント材の下記D−Aを100mgと、ドーパント材の下記D−Bを0.2mgと、ドーパント材の下記D−Cを0.2mgと、を100gのトルエンに溶解し白色発光層形成用塗布液として準備した。
〈塗布条件〉
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈乾燥および加熱処理条件〉
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
次に、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
〈塗布条件〉
塗布工程は、窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈電子輸送層形成用塗布液〉
電子輸送層は、下記E−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
〈乾燥および加熱処理条件〉
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、加熱処理部で、温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
次に、形成された電子輸送層上に電子注入層を形成した。まず、基板を減圧チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバーにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極を有するように蒸着法で、発光面積が50mm平方になるようにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成したガスバリア性フィルムを、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに、紫外線レーザーを用いて裁断した。
(電極リード接続)
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製の異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm、圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
圧着条件:温度170℃(別途熱電対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒で圧着を行った。
(封止)
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子を製作した。
なお、封止部材としては、ドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いて、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をラミネートしたもの(接着剤層の厚み1.5μm)を用いた。
ディスペンサを使用して、アルミニウム面に熱硬化性接着剤をアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。
熱硬化接着剤としては以下のエポキシ系接着剤を用いた。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤。
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件:圧着ロール温度120度、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止した。
≪評価≫
上記で作製した有機EL素子1について、下記の方法に従って、耐久性の評価を行った。
〔耐久性の評価:有機EL素子における黒点評価〕
(加速劣化処理)
上記で作製した有機EL素子1を、85℃、95%RHの環境下で100時間の加速劣化処理を施した後のものと、加速劣化処理を施していない有機EL素子1と共に、下記の黒点に関する評価を行った。
(黒点の評価)
加速劣化処理を施した有機EL素子1および加速劣化処理を施していない有機EL素子1に対し、それぞれ1mA/cmの電流を印加し、24時間連続発光させた後、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、黒点の発生面積比率を求め、下式に従って素子劣化耐性率を算出し、下記の基準に従って耐久性を評価した。なお、該評価ランクが、○であれば、実用上好ましい特性であると判定した。
素子劣化耐性率=(加速劣化処理を施していない素子で発生した黒点の面積/加速劣化処理を施した素子で発生した黒点の面積)×100(%)
◎:素子劣化耐性率が、98%以上である
○:素子劣化耐性率が、90%以上98%未満である
○△:素子劣化耐性率が、60%以上90%未満である
△:素子劣化耐性率が、20%以上60%未満である
×:素子劣化耐性率が、20%未満である
≪実施例2≫
実施例1におけるサンプルNo.1の、保護フィルムを剥離速度58cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.2として、上記の各評価を行った。
≪実施例3≫
実施例1におけるサンプルNo.1の、保護フィルムを剥離速度10cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.3として、上記の各評価を行った。
≪実施例4≫
実施例1におけるサンプルNo.1の、保護フィルムを剥離速度0.8cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.4として、上記の各評価を行った。
≪実施例5≫
実施例1におけるサンプルNo.1の、保護フィルムを剥離速度62cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.5として、上記の各評価を行った。
≪実施例6≫
実施例1におけるサンプルNo.1の、保護フィルムを剥離速度0.4cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.6として、上記の各評価を行った。
≪実施例7≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.07MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.7として、上記の各評価を行った。
≪実施例8≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.3MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.8として、上記の各評価を行った。
≪実施例9≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が1.0MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.9として、上記の各評価を行った。
≪実施例10≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が1.4MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.10として、上記の各評価を行った。
≪実施例11≫
実施例1におけるサンプルNo.1を12ヶ月保存(保存環境:30℃50%RH;以下も同様である。)したこと以外同様にして、サンプルNo.11として、上記の各評価方法と同様に評価を行った。
≪実施例12≫
実施例2におけるサンプルNo.2を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.12として、上記の各評価を行った。
≪実施例13≫
実施例3におけるサンプルNo.3を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.13として、上記の各評価を行った。
≪実施例14≫
実施例4におけるサンプルNo.4を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.14として、上記の各評価を行った。
≪実施例15≫
実施例5におけるサンプルNo.5を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.15として、上記の各評価を行った。
≪実施例16≫
実施例6におけるサンプルNo.6を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.16として、上記の各評価を行った。
≪実施例17≫
実施例7におけるサンプルNo.7を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.17として、上記の各評価を行った。
≪実施例18≫
実施例8におけるサンプルNo.8を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.18として、上記の各評価を行った。
≪実施例19≫
実施例9におけるサンプルNo.9を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.19として、上記の各評価を行った。
≪実施例20≫
実施例10におけるサンプルNo.10を12ヶ月保存したこと以外は同様にして、サンプルNo.20として、上記の各評価を行った。
≪実施例21≫
実施例1におけるサンプルNo.1の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.21として、上記の各評価を行った。
≪実施例22≫
実施例2におけるサンプルNo.2の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.22として、上記の各評価を行った。
≪実施例23≫
実施例3におけるサンプルNo.3の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.23として、上記の各評価を行った。
≪実施例24≫
実施例4におけるサンプルNo.4の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.24として、上記の各評価を行った。
≪実施例25≫
実施例5におけるサンプルNo.5の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.25として、上記の各評価を行った。
≪実施例26≫
実施例6におけるサンプルNo.6の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.26として、上記の各評価を行った。
≪実施例27≫
実施例7におけるサンプルNo.7の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.27として、上記の各評価を行った。
≪実施例28≫
実施例8におけるサンプルNo.8の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.28として、上記の各評価を行った。
≪実施例29≫
実施例9におけるサンプルNo.9の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.29として、上記の各評価を行った。
≪実施例30≫
実施例10におけるサンプルNo.10の保護フィルムを、フタムラ化学株式会社製のFSA−010Mに変更したこと以外は同様にして、サンプルNo.30として、上記の各評価を行った。
≪実施例31≫
実施例21におけるサンプルNo.21を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.31として、上記の各評価を行った。
≪実施例32≫
実施例22におけるサンプルNo.22を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.32として、上記の各評価を行った。
≪実施例33≫
実施例23におけるサンプルNo.23を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.33として、上記の各評価を行った。
≪実施例34≫
実施例24におけるサンプルNo.24を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.34として、上記の各評価を行った。
≪実施例35≫
実施例25におけるサンプルNo.25を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.35として、上記の各評価を行った。
≪実施例36≫
実施例26におけるサンプルNo.26を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.36として、上記の各評価を行った。
≪実施例37≫
実施例27におけるサンプルNo.27を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.37として、上記の各評価を行った。
≪実施例38≫
実施例28におけるサンプルNo.28を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.38として、上記の各評価を行った。
≪実施例39≫
実施例29におけるサンプルNo.29を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.39として、上記の各評価を行った。
≪実施例40≫
実施例30におけるサンプルNo.30を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.40として、上記の各評価を行った。
≪比較例1≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.005MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.41として、上記の各評価を行った。
≪比較例2≫
比較例1におけるサンプルNo.41を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.42として、上記の各評価を行った。
≪比較例3≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.03MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.43として、上記の各評価を行った。
≪比較例4≫
比較例3におけるサンプルNo.43を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.44として、上記の各評価を行った。
≪比較例5≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が1.7MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.45として、上記の各評価を行った。
≪比較例6≫
比較例5におけるサンプルNo.45を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.46として、上記の各評価を行った。
≪比較例7≫
実施例1におけるサンプルNo.1としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が3.0MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.47として、上記の各評価を行った。
≪比較例8≫
比較例7におけるサンプルNo.47を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.48として、上記の各評価を行った。
≪比較例9≫
比較例7におけるサンプルNo.47の、保護フィルムを剥離速度0.8cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.49として、上記の各評価を行った。
≪比較例10≫
比較例7におけるサンプルNo.47の、保護フィルムを剥離速度62cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.50として、上記の各評価を行った。
≪比較例11≫
実施例21におけるサンプルNo.21としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.005MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.51として、上記の各評価を行った。
≪比較例12≫
比較例11におけるサンプルNo.51を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.52として、上記の各評価を行った。
≪比較例13≫
実施例21におけるサンプルNo.21としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が0.03MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.53として、上記の各評価を行った。
≪比較例14≫
比較例13におけるサンプルNo.53を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.54として、上記の各評価を行った。
≪比較例15≫
実施例21におけるサンプルNo.21としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が1.7MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.55として、上記の各評価を行った。
≪比較例16≫
比較例15におけるサンプルNo.55を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.56として、上記の各評価を行った。
≪比較例17≫
実施例21におけるサンプルNo.21としてのガスバリア性フィルム1をロール状に巻き取る際に、面圧が3.0MPaとなるように200mロール状に巻き取ったこと以外は同様にして、サンプルNo.57として、上記の各評価を行った。
≪比較例18≫
比較例17におけるサンプルNo.57を12ヶ月保存したこと以外同様にして、サンプルNo.58として、上記の各評価を行った。
≪比較例19≫
比較例17におけるサンプルNo.57の、保護フィルムを剥離速度0.8cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.59として、上記の各評価を行った。
≪比較例20≫
比較例17におけるサンプルNo.57の、保護フィルムを剥離速度62cm/secで剥離したこと以外は同様にして、サンプルNo.60として、上記の各評価を行った。
表1に示す結果から、本発明の製造方法によって製造されたガスバリア性フィルムは、良好なガスバリア性を発揮することができたことが分かった。さらに、本発明の製造方法によって製造されたガスバリア性フィルムは、12ヶ月の長期間保管後においても、ガスバリア性が高く、すなわち安定性の高いガスバリア性フィルムであることが分かった。
1 ガスバリア性フィルム、
10 装置チャンバー、
12 Xeエキシマランプ、
13 外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダー、
14 試料ステージ、
15 ポリシラザン塗膜が形成された基材試料、
16 遮光板、
20 ガスバリア性フィルム製造装置、
21 基材、
22a、22c 送り出しローラー、
22b 巻き取りローラー、
23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h 搬送ローラー、
23i、23j ニップロール、
23k タッチローラー、
24 塗布手段、
25 乾燥手段、
27 保護フィルム、
28 改質処理手段。

Claims (5)

  1. 基材上に、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、改質処理を行い、ガスバリア層を形成する第一工程と、
    保護フィルムを、粘着層を介して前記ガスバリア層上に貼り合わせ、ガスバリア性フィルムを形成すると共にロール状に巻き取る第二工程と、
    を備え、
    前記第二工程において、ロール状に巻き取られる際の前記ガスバリア性フィルムにかかる面圧が、0.05MPa以上1.5MPa以下であることを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法。
  2. 前記面圧が、0.1MPa以上1.2MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  3. 前記面圧が、0.2MPa以上0.8MPa以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 前記改質処理が、真空紫外線を照射することにより行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法によって製造されたガスバリア性フィルムの、前記保護フィルムを剥離速度0.5cm/sec以上60cm/sec以下で剥離する工程と、
    電子デバイス本体を前記保護フィルムが剥離された後のガスバリア性フィルム上に配置する工程と、
    を有することを特徴とする、電子デバイスの製造方法。
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