JP5546509B2 - 油圧配管の振動防止装置及び振動防止方法 - Google Patents
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Description
このような問題に対し幾つかの解決策が提案されている。
特に、特許文献2では、2種類の硬度を持つゴムで油圧配管を支持することで広い周波数にわたって振動低減することを提案している。しかし、この方法でも、より振動低減効果を高めるには、基本的には支持剛性を小さくする必要があり、支持剛性の低下に伴い配管の安定性や圧力により作用する力や外部からの力により、支持部が破損する虞が否めない。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、作業機械や建設機械などの駆動系に設けられた油圧配管や油圧ホースなどにおける振動伝達を低減乃至は防止する技術を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る油圧配管の振動防止装置は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を駆動部に送る油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構に備えられた振動防止装置であって、前記油圧配管の湾曲部に取り付けられた重錘からなる振動防止手段を有することを特徴とする。
好ましくは、前記振動防止手段の重錘は、油圧配管の湾曲部を支持する支持部近傍に取り付けられているとよい。
好ましくは、前記振動防止手段は、前記油圧駆動機構が設けられた構造体に前記重錘を連結する介在部材を有しており、前記介在部材が、油圧配管を支持する支持体より剛性の低い弾性体乃至は粘弾性体で構成されているとよい。
また、本発明に係る油圧配管の振動防止方法は、油圧ポンプと、この油圧ポンプからの圧油を駆動部に圧送する油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構にて、前記油圧配管の湾曲部に対し重錘からなる振動防止手段を取り付けることで、油圧配管に発生する振動を抑制する乃至は油圧配管から伝播する振動を抑制することを特徴とする。
なお、本発明に係る油圧配管の振動防止装置の最も好ましい形態は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を駆動部に送る油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構に備えられた振動防止装置であって、前記油圧配管の湾曲部に取り付けられた重錘からなる振動防止手段を有し、前記重錘は、介在部材を介して前記油圧駆動機構が設けられた構造体に支持されており、前記介在部材が、油圧配管を支持する支持体より剛性の低い弾性体乃至は粘弾性体で構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る油圧配管の振動防止方法の最も好ましい形態は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を駆動部に圧送する油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構にて、前記油圧配管の湾曲部に対し重錘からなる振動防止手段を取り付けておき、前記重錘を、介在部材を介して前記油圧駆動機構が設けられた構造体に支持するようにしておき、前記介在部材を、油圧配管を支持する支持体より剛性の低い弾性体乃至は粘弾性体で構成しておくことで、油圧配管に発生する振動を抑制する乃至は油圧配管から伝播する振動を抑制することを特徴とする。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1(a)は、本発明が適用可能な油圧ショベル1(作業機械)を示している。この油圧ショベル1では、クローラ式の下部走行体2の上に旋回可能な上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3は、下部走行体2の上に旋回可能に設けられたフレーム体4を有している。このフレーム体4の前部にはアタッチメント5(作業装置)が取り付けられ、フレーム体4の中央部から後部にかけて、キャビン6、機械室7、カウンタウエイト8などが配置されている。
機械室7の内部には、エンジンと、このエンジンで駆動される油圧ポンプとが配設されており、コントロールバルブも設けられている。油圧ポンプで加圧された圧油は、コントロールバルブを経由しブーム9及びアーム10の内部や側方に沿うように配備された油圧配管20を通じて、例えば、バケット11を動かす油圧シリンダ21へと送られる。油圧配管20はブーム9やアーム10などの構造体30に配管サポートなどの支持部22を介して取り付けられている。
以下、本発明に係る油圧配管20の振動防止装置及び振動防止方法について、詳細に説明する。
通常、油圧配管20内に圧力脈動が発生している場合、このような湾曲部Rや断面積が変化する配管部分に変動力が作用し、振動を発生することになる。発生した振動は、当該配管を支持する支持部22(ブラケット、配管サポート)などを通じて、作業機械や建設機械の本体側に伝わり、騒音を発生させたり、乗り心地の悪化、操作レバー振動による不快感などの問題を発生する。
CASE3、CASE4ともに、200Hz以上でCASE1の場合よりも振動伝達率は大きく低減している。特に、CASE4では、500Hz以上の広い周波数域において振動伝達率が10dB近く低減している。このことから、重錘23が端部の支持部22に近い位置であって支持部22に接しない状況で取り付けられるほど広い周波数域において振動低減効果が得られることがわかる。油圧音として問題になるのは300Hz以上であることが多いことから、本構成により油圧音低減効果も得られることがわかる。
以上の検証結果を基に、実際の作業機械に振動低減手段24を配備した状況について説明する。
そこで、本実形態では、円弧状の管端部に設置された管継手32に重錘23を取り付けるようにしている。これは、図3でのCASE4に対応する。なお、可撓性を有する配管に重錘23を取り付ける場合、柔軟な可撓部に取り付けるよりは、継手部近傍或いは支持部近傍に取り付けたほうが取り付けやすさ及び慣性力による振動力吸収効率の観点から望ましい。すなわち、振動低減手段24の重錘23は、湾曲状となっている油圧配管20を支持する支持部22近傍に取り付けられるとよい。このとき、重錘23を支持部22に接触させると振動低減効果は生じないため、重錘23は支持部22に接しない状況で取り付ける方が望ましい。
図5は、図4に記した振動低減手段24の変形例である。
このような構造とすることで、アタッチメント5の動きや油圧配管20(特にゴムホース)の動きに従って重錘23が振れ回るなどの不都合を防ぐことができるようになる。
とはいえ、この介在部材33からも油圧配管20に生じた変動力が構造体30に伝わるため、当該介在部材33はできるだけ剛性が低いほうが望ましく、概ね重錘23の自重に耐えうる程度の剛性、大きくとも支持部22材の剛性よりも小さくする必要がある。介在部材33の材質については、低剛性であれば何でも良いが簡易性から防振ゴムなどが望ましい。介在部材33がシリコンゴムなどの粘弾性体で形成されていてもよい。
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 フレーム体
5 アタッチメント
6 キャビン
7 機械室
8 カウンタウエイト
9 ブーム
10 アーム
11 バケット
12 大型クレーン機
20 油圧配管
21 油圧シリンダ
22 支持部
23 重錘
24 振動低減手段
30 構造体
31 金属配管
32 管継手
33 介在部材
R 湾曲部
Claims (5)
- 油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を駆動部に送る油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構に備えられた振動防止装置であって、
前記油圧配管の湾曲部に取り付けられた重錘からなる振動防止手段を有し、
前記重錘は、介在部材を介して前記油圧駆動機構が設けられた構造体に支持されており、前記介在部材が、油圧配管を支持する支持体より剛性の低い弾性体乃至は粘弾性体で構成されている
ことを特徴とする油圧配管の振動防止装置。 - 前記振動防止手段の重錘は、油圧配管の湾曲部の端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧配管の振動防止装置。
- 前記振動防止手段の重錘は、油圧配管の湾曲部を支持する支持部近傍に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧配管の振動防止装置。
- 前記油圧配管が弾性体で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油圧配管の振動防止装置。
- 油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を駆動部に圧送する油圧配管と、前記油圧ポンプ及び油圧配管を支持する支持部とを有する油圧駆動機構にて、前記油圧配管の湾曲部に対し重錘からなる振動防止手段を取り付けておき、前記重錘を、介在部材を介して前記油圧駆動機構が設けられた構造体に支持するようにしておき、前記介在部材を油圧配管を支持する支持体より剛性の低い弾性体乃至は粘弾性体で構成しておくことで、油圧配管に発生する振動を抑制する乃至は油圧配管から伝播する振動を抑制することを特徴とする油圧配管の振動防止方法。
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