JP5544703B2 - 難燃性材料及び成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂を含む難燃性材料及びその難燃性材料からなる成形体に関するものである。
従来、射出成形機等で成形されて用いられる樹脂材料に難燃性をもたせる方法としては、ハロゲン化合物、りん化合物、金属水酸化物等の難燃剤を樹脂材料に配合する方法が採られている。しかし、この方法でポリプロピレン樹脂等のような可燃性が高い樹脂材料を難燃性にしようとすると、樹脂材料は20〜60質量%の難燃剤を含有する必要があり、例えば、特許文献1では、金属水酸化物を20〜45質量%含有している。このため、このような樹脂材料は、物性が低下すると共に単価が高くなる問題があった。
なお、難燃性材料ではないものの、特許文献2には、ポリプロピレン系樹脂100質量部とポリエチレン系樹脂1〜16質量部とからなる樹脂を有機過酸化物で低分子化したものに炭酸カルシウム等の無機フィラーを36〜72質量部配合した材料が記載されている。特許文献3には、タルクに有機過酸化物を含ませたマスターバッチを用いてポリプロピレン樹脂を低分子化した材料が記載されている。特許文献4には、重量平均分子量12万のポリプロピレン樹脂80質量%とタルク20質量%とからなる材料が記載されている。特許文献3の材料は、ポリプロピレン樹脂の具体的な配合量の記載がないことから、可燃性であるか否かについては不明であるが、特許文献2、4に記載の材料は、可燃性となっている(表2の比較例6〜10参照)。
特開平10−330556号公報 特開平10−45967号公報 特開平8−3362号公報 特開平11−349779号公報
そこで、射出成形機で成形でき、且つ物性が低下しない難燃性材料及びその難燃性材料からなる成形体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、ポリプロピレン樹脂等の可燃性の樹脂を含む材料を難燃化するためには、燃焼時に継続的に行われるポリプロピレン樹脂等の燃焼・酸化反応を抑える、すなわち、ポリプロピレン樹脂等の燃焼サイクルを遮断することになる。
ここで、ポリプロピレン樹脂等の燃焼サイクルについて説明すると、燃焼サイクルは、a)引火により燃焼する、b)その燃焼から生じた燃焼熱(酸化熱)が輻射、伝熱することにより、その周囲等のポリプロピレン樹脂等を溶融する、c)溶融したポリプロピレン樹脂等が、さらに燃焼熱によって加熱されることにより、熱分解物を生成する、d)その熱分解物が、ガス化して拡散する、e)ガス化して拡散した熱分解物のうち可燃性のガスが、燃焼熱により引火する、このa)〜e)の過程を循環している。
そこで、この燃焼サイクルを抑えるため、可燃性ガスの燃焼・酸化反応を抑制する第一方策と、ポリプロピレン樹脂等の燃焼・酸化反応が起きている燃焼場の温度を低下させる第二方策との二つの方策を併用することにより、難燃化を行う。具体的には、第一方策は、無機フィラーを配合することにより、可燃性ガスの拡散速度の低減及び発生量の低減を図る。第二方策は、有機過酸化物との溶融混練によりポリプロピレン樹脂等の分子量を小さくすることで、融解しやすくして固相から液相への相転移に伴う潜熱により温度低下を図ると共に、燃焼に伴う発熱量の低減を図る。また、無機フィラーを配合することにより、無機フィラーの断熱効果を用いる。
そのため、本発明の難燃性材料は、有機過酸化物と共にブロックポリプロピレン樹脂を溶融混練することにより該ブロックポリプロピレン樹脂を分解して分子量を小さくした分解ポリプロピレン樹脂と、無機フィラーとからなり、前記分解ポリプロピレン樹脂以外のポリマー成分は実質的に含まないものであり、前記分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が10万〜19万であり、前記ブロックポリプロピレン樹脂と前記無機フィラーとの配合割合が質量比(ポリプロピレン樹脂/無機フィラー)で95/5〜10/90であり、JIS D1201のMVSS燃焼試験に準拠して測定した燃焼速度が0mm/分であることを特徴としている。
そのため、本発明の成形体は、上記難燃性材料を成形してなっている。
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
1.分解ポリプロピレン樹脂
分解ポリプロピレン樹脂は、重量平均分子量(Mw)が5万〜20万であると、成形等を良好に行うことができ、且つ難燃性を確保することができる。5万未満では、成形が困難になると共に、成形体が脱型時に割れてしまうおそれがある。一方、20万を超えると難燃性がなくなる。好ましい範囲として、本発明では10万〜19万とした
分解ポリプロピレン樹脂を用いることにより材料が難燃化するのは、次の三つの作用による。1)分解ポリプロピレン樹脂は、有機過酸化物による分解作用により、ポリプロピレン分子の分子鎖がランダムに切断されることから、重合により生成された同じ平均分子量のポリプロピレン樹脂より、分子量の分布が広くなっており、分子量の小さい(重合度が小さい)分子を多く含むものとなっている。そのため、重合により生成された同じ平均分子量のポリプロピレン樹脂より、燃焼時の熱量が小さくなる。また、2)分解ポリプロピレン樹脂は、有機過酸化物による分解作用の副産物等として生じる、ケトン類、カルボニル類、アルコール類、炭酸ガス等の酸化物を含んでいる。そのため、それらの酸化物が、ポリプロピレン分子の燃焼による酸化反応を阻害する。さらに、3)分解ポリプロピレン樹脂は、未反応の有機過酸化物等のように、加熱等によりラジカルを生成するものも含んでいる。そのため、燃焼時の熱によってラジカルが生成され、ポリプロピレン分子の低分子化が促進される。
2.ポリプロピレン樹脂
ポリプロピレン樹脂としてはブロックポリプロピレンを用いる。
重量平均分子量としては、特に限定はされないが、20万〜60万であることが好ましい。
3.無機フィラー
無機フィラーとしては、特に限定はされないが、炭酸カルシウム、タルク、ワラストナイト、マイカ、クレー、シリカ等が例示でき、配合することにより剛性等の物性が向上することから、炭酸カルシウム、タルク、ワラストナイト、マイカ等が好ましい。
無機フィラーの大きさとしては、特に限定はされないが、混練等の加工がしやすく、且つ成形体の表面状態も良好になることから、平均粒径で1〜500μmであることが好ましい。
4.有機過酸化物
有機過酸化物としては、特に限定はされないが、ポリプロピレン樹脂を分解してその分子量を小さくすることができるものが挙げられ、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が例示できる。
有機過酸化物の配合割合としては、特に限定はされないが、ポリプロピレン樹脂と無機フィラーとの合計量100質量部に対し、0.2〜2質量部であることが好ましく、より好ましくは、0.4〜1.2質量部である。有機過酸化物の配合割合をポリプロピレン樹脂と無機フィラーとの合計量に対する割合で規定するのは、無機フィラーは有機過酸化物によるポリプロピレン樹脂の分解反応の阻害因子として働くため、無機フィラーの存在下で有機過酸化物によるポリプロピレン樹脂の分解を行うと、無機フィラーの配合量により分解ポリプロピレン樹脂の分子量も変化することによる。また、有機過酸化物は、タルク、クレイ等の無機フィラーやゴム等で希釈されていてもよい。
5.配合割合
ポリプロピレン樹脂と無機フィラーとの配合割合が、質量比(ポリプロピレン樹脂/無機フィラー)で、95/5〜10/90であると、成形等を良好に行うことができ、且つ難燃性を確保することができる。95/5より無機フィラーの割合が小さいと、難燃性がなくなる。一方、10/90より無機フィラーの割合が大きいと、成形を良好に行うことができなくなる。好ましくは、90/10〜20/80である。
6.溶融混練
ポリプロピレン樹脂を有機過酸化物と共に溶融混練する方法としては、特に限定はされないが、バンバリーミキサーや加圧式ニーダ−等を用いるバッチ式でもよいし、二軸押出機等を用いる連続式でもよい。また、溶融混練するときの槽内を加熱する温度としては、特に限定はされないが、200〜240℃であることが好ましい。また、溶融混練は、分解ポリプロピレン樹脂と無機フィラーとの混練を一緒に行う、すなわち、ポリプロピレン樹脂、有機過酸化物及び無機フィラーを混練機に入れ、溶融混練してもよいし、無機フィラーを除くポリプロピレン樹脂と有機過酸化物とを混練機に入れ、溶融混練してもよい。
7.他の配合剤
着色剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、有機繊維、充填剤、強化剤、核剤等の他の配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
8.成形
成形体を成形する方法としては、特に限定はされないが、射出成形、プレス成形、押出成形、ブロー成形等の樹脂材料の成形に用いられる方法が例示できる。
9.用途
成形体の用途としては、特に限定はされないが、コンソールボックス、インストゥルメントパネル等の自動車の内装品、電子機器のバッテリーケース等が例示できる。また、樹脂製品の表面を難燃性にするため、二色成形等により、樹脂製品の表面層として用いてもよいし、樹脂製品の燃焼熱量を低減させるため、樹脂製品のコア層として用いてもよい。
本発明によれば、射出成形機で成形でき、且つ物性が低下しない難燃性材料及びその難燃性材料からなる成形体を提供することができる。
有機過酸化物と共にブロックポリプロピレン樹脂を溶融混練することによりブロックポリプロピレン樹脂を分解して分子量を小さくした分解ポリプロピレン樹脂と、炭酸カルシウム、タルク、ワラストナイト又はマイカの無機フィラーとからなり、分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が9万〜15万であり、ブロックポリプロピレン樹脂と無機フィラーとの配合割合が質量比(ポリプロピレン樹脂/無機フィラー)で90/10〜20/80であることを特徴とする難燃性材料を射出成形により成形した成形体。
本発明の難燃性材料は、図1に示すように、分解ポリプロピレン樹脂10と無機フィラー11とが混練されたものとなっている。
そこで、本発明の実施例として配合を変更した10種類のものを作成し、それぞれについて、燃焼速度、分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量、成形体の表面外観及び射出成形性を測定又は評価し、その結果を表1に示す。また、比較例として配合を変更した10種類のものを作成し、それらについても実施例と同じように、燃焼速度、分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量、成形体の表面外観及び射出成形性を測定又は評価し、その結果を表2に示す。
Figure 0005544703
Figure 0005544703
各試料は、次のようにして作成した。
実施例1は、表1の配合内容の欄に示すように、重量平均分子量(Mw)が45万のブロックポリプロピレンであるPP樹脂2を90質量部と、平均粒径が7.4μmの炭酸カルシウムを10質量部と、有効成分であるジクミルパーオキサイドの含有率が40質量%になるように希釈されている有機過酸化物を2質量部とを混合したものを、設定温度を230℃にした二軸押出機を用いて溶融混練して、作成した。
実施例2は、表1の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2を80質量部に変更し、炭酸カルシウムを20質量部に変更した以外は実施例1と同じ配合で、実施例1と同じようにして作成した。
実施例3、4、5も、PP樹脂2及び炭酸カルシウムの配合量を表1の配合内容の欄に示すように変更した以外は実施例1と同じ配合で、実施例1と同じようにして作成した。
実施例6、7、8は、表1の配合内容の欄に示すように、炭酸カルシウムを、平均粒径が6.0μmのタルク1、平均粒径が15μmのワラストナイト又は平均粒径が180μmのマイカに変更した以外は実施例2と同じ配合で、実施例1と同じようにして作成した。
実施例9、10は、表1の配合内容の欄に示すように、有機過酸化物の配合量を1質量部又は3質量部に変更した以外は実施例2と同じ配合で、実施例1と同じようにして作成した。
比較例1は、表2の配合内容の欄に示すように、重量平均分子量(Mw)が0.7万のポリプロピレンであるPP樹脂1を90質量部と、炭酸カルシウムを10質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例2は、表2の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2を80質量部と、タルク1を20質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例3は、表2の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2そのものであった。
比較例4は、表2の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2を100質量部と、有機過酸化物2質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例5は、表2の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2を5質量部と、炭酸カルシウムを95質量部と、有機過酸化物0.2質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例6、7は、表2の配合内容の欄に示すように、重量平均分子量(Mw)が13万のポリプロピレンであるPP樹脂3を80質量部と、タルク1又は平均粒径が2.7μmのタルク2を20質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例8、9は、表2の配合内容の欄に示すように、PP樹脂2を75質量部と、メルトフローレート(MFR)が1g/10分の高密度PE樹脂(高密度ポリエチレン樹脂)又はEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)を5質量部と、炭酸カルシウム12.5質量部と、繊維状マグネシウムオキシサルフェート12.5質量部と、有機過酸化物1.7質量部とを混合したものを、実施例1と同じようにして作成した。
比較例10は、表2の配合内容の欄に示すように、比較例9から有機過酸化物を除いたものを、実施例1と同じようにして作成した。
本発明の実施例及び比較例の測定又は評価は、以下のようにして行った。
(1)燃焼速度
燃焼速度の測定は、JIS D1201のMVSS燃焼試験に準拠して行った。
測定用の試験片は、シリンダー設定温度230℃、金型温度40℃の成形条件で、80t射出成形機を用いて成形した。
(2)分解PP樹脂の重量平均分子量
分解PP樹脂(分解ポリプロピレン樹脂)の重量平均分子量の測定は、高温GPCシステム(日本ウォーターズ社製)を用い、ポリスチレン換算の値を求めた。但し、比較例8、9については、分解PP樹脂と、分解された、高密度PE樹脂又はEPDMとが渾然一体となっており、分離できないことから、分離しない状態、すなわち、分解PP樹脂と、分解された、高密度PE樹脂又はEPDMとの混合物の重量平均分子量を測定した。
(3)成形体の表面外観
上記燃焼速度測定用の試験片を作成するのと同じ成形条件で、80t射出成形機を用いて、70mm四方の平板(厚さ2mm)の成形体を成形し、その表面の状態を目視にて官能評価した。
表面外観が良好なものは○とし、表面外観が不良なものは×と評価した。
(4)射出成形性
上記のようにして射出成形したときの良否を評価した。
滞留安定性、流動性等の問題がなく成形できた場合は○とし、流動不足、計量不良等の問題が成形時にあった場合は×と評価した。
以上の結果より、全ての実施例は、燃焼速度が0mm/分であり、難燃性となっている。また、問題なく射出成形で成形体を成形することができ、且つ成形体の外観も良好であった。さらに、無機フィラーが配合されていることから、剛性等の物性がポリプロピレン樹脂より向上している。なお、実施例1〜8について、ポリプロピレン樹脂の配合量が変化することで、ポリプロピレン樹脂に対する有機過酸化物の割合が変化しても、分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量の値が変化しないのは、ポリプロピレン樹脂と無機フィラーと有機過酸化物とを一緒に溶融混練しているため、無機フィラーが有機過酸化物によるポリプロピレン樹脂の分解反応の阻害因子として働くことによる。従って、ポリプロピレン樹脂に対する有機過酸化物の割合が変化しても、無機フィラーの配合量も変化するため、ポリプロピレン樹脂に対する有機過酸化物の割合が変化することによる影響を、無機フィラーの配合量が変化することによる影響で相殺していることによるものと発明者は推考している。
一方、低分子量(0.7万)のポリプロピレン樹脂と炭酸カルシウムとからなる比較例1は、射出成形により成形体を成形することができなかった。
有機過酸化物を配合しなかったことで、実施例に用いたポリプロピレン樹脂を分解ポリプロピレン樹脂にしなかった比較例2、3は、無機フィラーの配合の有無には関係なく、燃焼しており、難燃性にはならなかった。
有機過酸化物との溶融混練により、ポリプロピレン樹脂を重量平均分子量が14万の分解ポリプロピレン樹脂にした比較例4は、無機フィラーが配合されていないことから、燃焼しており、難燃性にはならなかった。
無機フィラーを多く(95質量部)配合した比較例5は、射出成形時に問題があり、且つ成形体の外観も良好ではなかった。
重量平均分子量が13万ではあるものの、樹脂が分解ポリプロピレン樹脂ではない比較例6、7は、燃焼しており、難燃性にはならなかった。
有機過酸化物との溶融混練により、ポリプロピレン樹脂を重量平均分子量が17万の分解ポリプロピレン樹脂にしたにもかかわらず比較例8、9は、ポリプロピレンよりも燃焼しやすい、高密度PE樹脂又はEPDMの分解物を含んでいることから、燃焼しており、難燃性にはならなかった。
ポリプロピレンよりも燃焼しやすいEPDMが配合されている比較例10は、燃焼しており、難燃性にはならなかった。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明の難燃性材料の模式図である。
符号の説明
10 分解ポリプロピレン樹脂
11 無機フィラー

Claims (3)

  1. 有機過酸化物と共にブロックポリプロピレン樹脂を溶融混練することにより該ブロックポリプロピレン樹脂を分解して分子量を小さくした分解ポリプロピレン樹脂と、無機フィラーとからなり、前記分解ポリプロピレン樹脂以外のポリマー成分は実質的に含まないものであり、
    前記分解ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が10万〜19万であり、
    前記ブロックポリプロピレン樹脂と前記無機フィラーとの配合割合が質量比(ポリプロピレン樹脂/無機フィラー)で95/5〜10/90であり、
    JIS D1201のMVSS燃焼試験に準拠して測定した燃焼速度が0mm/分であることを特徴とする難燃性材料。
  2. 前記無機フィラーが、炭酸カルシウム、タルク、ワラストナイト又はマイカである請求項1記載の難燃性材料。
  3. 請求項1又は2記載の難燃性材料を成形してなる成形体。
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