JP4461879B2 - エンジニアリングプラスチック組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジニアリングプラスチックの耐衝撃性を改良したエンジニアリングプラスチック組成物に関する。
ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂などのエンジニアリングプラスチックは、耐熱性、機械的物性に優れるため自動車部品、電気・電子部品、機械部品など様々な分野で広く使用されている。しかしながら、これらのエンジニアリングプラスチックは耐衝撃性が十分ではなく、その改良が求められている。また、比重が大きいために、軽量化が望まれている。
種々検討されてきた中の一つにゴム系ポリマーの添加による改質技術がある。
例えば、エチレン−プロピレン共重合体やエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体に代表されるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、比重が小さく、良好なゴム的性質を有し、耐熱性や耐候性にも優れることから、それらをエンジニアリングプラスチックに配合してエンジニアリングプラスチック組成物を得、軽量化とともにエンジニアリングプラスチックの耐衝撃性などの物性を改善することが検討されている。
しかし、エンジニアリングプラスチックに対し極性の低いエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合しても、相溶性が悪いため、エンジニアリングプラスチックの耐衝撃性において改良効果が小さいともに、剛性が大きく低下する欠点があった。
上記欠点を解決するために、極性官能基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックに配合する方法が提案された。
例えば、無水マレイン酸のような酸無水物基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−プロピレン系共重合体を配合する方法(例えば、特許文献1と2参照)、グリシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−プロピレン系共重合体を配合する方法(例えば、特許文献3参照)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような水酸基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−プロピレン系共重合体を配合する方法(例えば、特許文献4参照)が開示された。
しかしながら、前述の極性官能基を有するビニル単量体を使用してグラフト変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合する方法により得られるエンジニアリングプラスチック組成物は、従来の未変性のエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合したエンジニアリングプラスチック組成物に比べ、耐衝撃性において改良効果が認められるが、その改良効果は小さいとともに、依然として剛性が大きく低下するという問題は解消できていない。
また、グラフト変性はビニル単量体を介したラジカル反応により行われるので、架橋反応、減成反応、ビニル単量体の単独重合などの副反応を伴ったり、未反応のビニル単量体が残存したりする。このため、変性時にエチレン−α−オレフィン系共重合体の物性が損なわれたりする。したがって、再現性がよく物性が一定の範囲にあるグラフト変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を工業的に生産するのは難しく、安定な供給源として根本的な問題があった。
特開昭55−21430号公報(第1〜2頁) 特開昭55−9662号公報(第1〜2頁) 特開平2−160813号公報(第1〜3頁) 特開平8−59970号公報(第5〜7頁)
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。
本発明の目的は、エンジニアリングプラスチックの耐衝撃性を改良したエンジニアリングプラスチック組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ビニル単量体を使用することなく、特定の過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンジニアリングプラスチックに配合することにより、耐衝撃性に優れ、良好な剛性を有するエンジニアリングプラスチック組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、第1の発明は、ポリエステル系樹脂(A)50〜99重量%と、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物を用いて、ムーニー粘度(ML 1+4 、100℃)が10〜250であるエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)1〜50重量%とからなるエンジニアリングプラスチック組成物であって、
水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物をエチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で添加し、前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物の10時間半減期温度以上でかつ1分間半減期温度以下の温度に達するまで加熱して変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体であるエンジニアリングプラスチック組成物である。
の発明は、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物をエチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で添加し、さらに前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物より低い10時間半減期温度を有するラジカル発生剤(ただし、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物の場合を除く。)をラジカル発生官能基の基準で前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対して0.001から1モルの範囲で添加し、前記ラジカル発生剤の10時間半減期温度以上でかつ220℃以下の温度に達するまで加熱して変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体である第1の発明のエンジニアリングプラスチック組成物である。
の発明は、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が1kgあたり0.001〜1モルの水酸基を有し、かつそのムーニー粘度(ML1+4、100℃)が10〜250である第1または第2の発明のエンジニアリングプラスチック組成物である。
第1の発明は、特定の過酸化物を用いて、特定の温度条件で加熱して変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、耐衝撃性に優れ、良好な剛性を有するエンジニアリングプラスチック組成物が得られる。そのため、自動車部品、電気・電子部品、機械部品など様々な分野で使用可能であり、本発明の工業的な利用価値は極めて大きい。
の発明は、第1の発明において、特定の過酸化物と特定のラジカル発生剤を特定量使用して、特定の温度条件で加熱して変性された水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、より耐衝撃性に優れ、良好な剛性を有するエンジニアリングプラスチック組成物が得られる。
の発明は、第1または第2の発明において、特定範囲の水酸基価とムーニー粘度を有する水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、エンジニアリングプラスチックとの相溶性が高まり、より耐衝撃性に優れ、良好な剛性を有するエンジニアリングプラスチック組成物が得られる。
以下に、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明のエンジニアリングプラスチック組成物は、エンジニアリングプラスチック(A)と、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)とから得られる。
本発明において使用される(A)成分のエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、シンジオタクチックポリスチレンなどが挙げられる。これらの樹脂は1種のみならず2種以上を混合して使用することもできる。
好ましいエンジニアリングプラスチックは、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂であり、特に、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂は、本発明のエンジニアリングプラスチック組成物としたとき耐衝撃性の改良効果が大きくなるので好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸あるいはそれを出発原料とするエステル形成可能な誘導体と、ジオールあるいはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないし共重合体、あるいはラクトンの開環重合体などが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、あるいはこれらを出発原料とするエステル形成可能な誘導体などが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
前記ジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオールなどのC〜C10の脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量400〜6000の長鎖グリコールが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。ポリエステル系樹脂の代表例として、ポリプラスチックス(株)製のジュラネックス2002、宇部興産(株)製のUBE PBT1000、大日本インキ化学工業(株)製のプラナックBT−1000、東レ(株)製のルミコン1401X06、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のノバドール5010等のポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
ポリアセタール系樹脂は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ポリアセタール系樹脂としては、公知のポリオキシメチレンホモポリマー、または構成単位にオキシメチレン基と他の構成単位(例えばオキシエチレン基(−CH2CH2O−)など)を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーが挙げられる。
ポリアセタール系樹脂は、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよいし、その末端も特に限定されない。そしてその重合度、分岐、架橋度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するものであれば本発明に使用できる。ポリアセタール系樹脂の代表例として、ポリプラスチックス(株)製のジュラコンM90S、旭化成工業(株)製のテナック5010、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のユピタールF20、デュポン(株)製のデルリン500P等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)などの脂環族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸との重縮合によって得られるポリアミド;ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸などのアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド;ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムから得られるポリアミドあるいは2種以上のラクタムから形成される共重合ポリアミド及びこれらの混合物などが挙げられる。
ポリアミド系樹脂の具体例としては、例えば具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11などの市販品が挙げられる。ポリアミド系樹脂の代表例として、宇部興産(株)製のUBEナイロン2020B、旭化成工業(株)製のレオナ1300S、ユニチカ(株)製のマラニールA125J等のナイロン66;東レ(株)製のアミランCM1017、宇部興産(株)製のUBEナイロン1013B、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のノバミッド1013等のナイロン6が挙げられる。
本発明の(B)成分は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体である。
本発明において使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、エチレンとα−オレフィンとを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。例えば、エチレンとα−オレフィンが共重合したエチレン−α−オレフィン二元共重合体、エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンが共重合したエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンの三元共重合体が挙げられる。
α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ジメチルオクテン−1、トリメチルヘプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエチルヘプテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコサン−1などの、炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらは単独または2種以上の組み合わせで使用される。α−オレフィンの中で、好ましいのはプロピレンである。プロピレンを含む単量体混合物を共重合したエチレン−α−オレフィン系共重合体からは水酸基を効率よく導入した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が得られ、これを配合したエンジニアリングプラスチック組成物において耐衝撃性の改良効果が高まる。
非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2,2’−ジシクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、2−メチル1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。これら非共役ジエンの中で好ましいのは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,9−デカジエンであり、特に好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
本発明において、エチレン−α−オレフィン系共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体が適している。これらのエチレン−α−オレフィン系共重合体を使用すると水酸基が効率よく導入された水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が得られ、これを配合したエンジニアリングプラスチック組成物において、耐衝撃性の改良効果が高まる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン系共重合体中の各成分の割合は特に限定されないが、各成分の重量分率(エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンの順に表示、単位:重量%)が、0.2〜0.8/0.2〜0.8/0〜0.2であるエチレン−α−オレフィン系共重合体を使用すると、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いて変性する際に架橋反応や減成反応が起る割合が小さくなるので好ましい。非共役ジエンの割合が0.2を超える場合には、エチレン−α−オレフィン系共重合体における活性点が多くなり過ぎて架橋反応などの副反応が起き易くなる。この非共役ジエンの割合が0.2を超える組成の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックに配合しても耐衝撃性の改良効果が小さく好ましくない。
本発明において使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、10〜250が好ましく、15〜200がより好ましい。ムーニー粘度が10未満の場合には、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を得る際、水酸基の導入効率が低下するおそれがあり、一方、250を超える場合には、架橋反応や減成反応が起り易くなる。何れの場合も、得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックに配合しても耐衝撃性の改良効果が小さく好ましくはない。
エチレン−α−オレフィン系共重合体の具体例としては、JSR(株)製のJSR−EP、三井化学(株)製の三井EPT、住友化学工業(株)製のエスプレン、(株)デュポン・ダウ・エラストマーズ製のノーデル等が挙げられる。
本発明において使用されるヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物は化学構造式で表すと、分子中に−OOH基を有する過酸化物であり、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシドなどのケトンペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド(167℃、261℃)、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド(153℃、247℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロペルオキシヘキサン、クメンヒドロペルオキシド(158℃、254℃)、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド(145℃、233℃)、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド(128℃、200℃)、ピナンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシドが挙げられる。これらのヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
ここで、前記( )中に記載された2つの温度は、前者が10時間半減期温度で、後者が1分間半減期温度である。10時間半減期温度、1分間半減期温度は、それぞれ10時間および1分間で過酸化物初期濃度の半分の濃度になる温度であり、ベンゼンなどの希薄溶液中で実験し求めることができる。
これらのヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物中で、ヒドロペルオキシドである有機過酸化物が好ましい。特にt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドは、エチレン−α−オレフィン系共重合体に対して溶融または溶解し易く、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を得る際、水酸基の導入効率が高くなる。この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックへの配合すると耐衝撃性、剛性に優れたエンジニアリングプラスチック組成物が得られる。
本発明において、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量は、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量が0.1重量部未満の場合には、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体において水酸基の導入量が少なくなり、エンジニアリングプラスチックへこれを配合したとき、耐衝撃性の改良効果が小さくなる。一方、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量が20重量部を超える場合には、エチレン−α−オレフィン系共重合体の架橋反応や減成反応が起こり、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンジニアリングプラスチックへの配合しても耐衝撃性の改良効果が小さくなる。
上述のヒドロペルオキシ基含有過酸化物は、純品形態の他にトルエン、クメン、水などの溶媒や、シリカなどの不活性固体で希釈した状態で使用することができる。
本発明において、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物と、そのヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度以下の10時間半減期温度を有するヒドロペルオキシ基含有過酸化物以外のラジカル発生剤とを併用すると、変性する際の加熱温度を低く設定でき、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の水酸基の導入効率を高くできる。この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンジニアリングプラスチックに配合すると耐衝撃性、剛性により優れたエンジニアリングプラスチック組成物が得られる。
このラジカル発生剤としては、好ましいのは1分間半減期温度が195℃以下のラジカル発生剤、より好ましくは90〜190℃のラジカル発生剤である。
1分間半減期温度が195℃以下のヒドロペルオキシ基含有過酸化物以外のラジカル発生剤の具体例としては、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド(124℃、186℃)、ジ−t−ヘキシルペルオキシド(116℃、177℃)、t−ブチルクミルペルオキシド(120℃、173℃)、ジクミルペルオキシド(116℃、175℃)、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(119℃、175℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(118℃、180℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(128℃、194℃)などのジアルキルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート(105℃、173℃)、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン(103℃、160℃)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(91℃、154℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(87℃、149℃)、1,1−ビス(t-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90℃、149℃)、1,1−ビス(t-ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(87℃、147℃)、などのペルオキシケタール;t-ブチルペルオキシベンゾエート(104℃、167℃)、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート(99℃、160℃)、t−ブチルペルオキシアセテート(102℃、160℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トリルペルオキシ)ヘキサン(99℃、156℃)、t−ブチルペルオキシラウレート(98℃、159℃)、t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート(97℃、166℃)、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド(96℃、168℃)、t−ブチルペルオキシイソブチレート(77℃、136℃)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(72℃、134℃)、t−ブチルペルオキシピバレート(55℃、110℃)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(46℃、104℃)、クミルペルオキシネオデカノエート(37℃、94℃)などのペルオキシエステル;t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(99℃、161℃)、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(99℃、159℃)、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(95℃、155℃)などのペルオキシモノカーボネート;ベンゾイルペルオキシド(74℃、130℃)、4−メチルベンゾイルペルオキシド(71℃、128℃)、ラウロイルペルオキシド(62℃、116℃)、3,3,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド(59℃、113℃)などのジアシルペルオキシド;ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート(44℃、91℃)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(41℃、92℃)、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート(41℃、92℃)、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(41℃、88℃)などのペルオキシジカーボネート;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(64℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(52℃)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカーボニトリル)(88℃)、2−(t−ブチルアゾ)−2−メチルブタンニトリル(82℃)などのアゾ化合物が挙げられる。
ここで、前記( )内に記載された2つの温度は、前者が10時間半減期温度で、後者が1分間半減期温度である。但し、アゾ化合物については、10時間半減期温度のみ記載した。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用される。
これらラジカル発生剤の中では有機過酸化物が好ましく、特にラジカル発生効率(ラジカル中の有効に作用するラジカルの割合)が高く、かつ水素引抜き能の高い有機過酸化物がより好ましい。
例えば、好ましい有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、4−メチルベンゾイルペルオキシド、ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートが挙げられる。
前記ラジカル発生剤の使用量は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対してラジカル発生官能基の基準で0.001〜1モルであり、好ましくは0.01〜0.8である。0.001モル未満の場合には、ラジカル発生剤を併用する効果が小さくなるおそれがある。一方、1モルを超えると、エチレン−α−オレフィン系共重合体の架橋反応や減成反応が起り、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンジニアリングプラスチックへの配合しても耐衝撃性の改良効果が小さくなるおそれがある。
なお、ここでラジカル発生官能基とは、例えば、ラジカル発生剤が有機過酸化物の場合にはペルオキシ結合を示し、またアゾ化合物の場合にはアゾ結合を示す。
本発明において、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性する方法は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物が分解してラジカルを発生するような条件で行われ、加熱する方法、紫外線等の活性エネルギー線を照射する方法、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の還元剤を作用する方法が挙げられる。
これらの中で、加熱する方法が好ましい。特に、エチレン−α−オレフィン系共重合体とヒドロペルオキシ基含有過酸化物、またはエチレン−α−オレフィン系共重合体とヒドロペルオキシ基含有過酸化物および該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度以下の10時間半減期温度を有するラジカル発生剤を添加して加熱する方法は、エチレン−α−オレフィン系共重合体への水酸基の導入効率が高くなり、この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックへの配合すると耐衝撃性、剛性に優れたエンジニアリングプラスチック組成物が得られるので好ましい。
各成分を添加する手段は、特に限定されず、公知の全ての手段を適用できる。その具体例としては、例えば、ヘンシェルミキサーのような物理的に混合する装置を使用する手段や、溶媒、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロメタン、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素を使用して溶液状態にする手段や、一軸あるいは二軸押出機、ロール、ニーダー、ニーダールーダー、バンバリーミキサーなどを用いて混練する手段が挙げられる。
これらの中では、経済性、均一混合性、および溶媒への水酸基導入反応などの溶媒が関与する副反応を回避できる点から、混練して混合物を調製する方法が好ましい。
加熱する手段は特に限定されないが、例えば、加熱プレスを利用する手段が挙げられる。
また、混練装置を利用する場合には、混練する手段と加熱する手段とを組み合わせることもできる。なお、その際、加熱する時期としては混練と加熱を同時に行なう場合や、混練後に加熱する場合など、適宜行うことが可能である。また、混練時に十分なせん断熱が発生する場合は、その熱を加熱手段として利用することもできる。
加熱時の温度は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を単独使用する場合には、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度以上でかつ1分間半減期温度以下の温度であり、加熱はこの温度に達するまで行われる。加熱時の温度は、好ましくは、140〜250℃である。加熱時の温度が10時間半減期温度より低いときには、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の分解速度が遅いため、エチレン−α−オレフィン系共重合体への水酸基の導入効率が低くなるおそれがあり、一方、加熱時の温度が1分間半減期温度より高いときエチレン−α−オレフィン系共重合体が分解するおそれがある。何れの場合も得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックに配合しても耐衝撃性の改良効果が小さくなる。
また、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物と前記のラジカル発生剤を併用する場合、加熱時の温度はラジカル発生剤の10時間半減期温度以上でかつ220℃以下の温度であり、加熱はこの温度に達するまで行われる。加熱時の温度は、好ましくは50〜200℃である。加熱時の温度が、ラジカル発生剤の10時間半減期温度より低いときにはラジカル発生剤のラジカル発生速度が遅いため、エチレン−α−オレフィン系共重合体への水酸基の導入効率が低くなるおそれがあり、また、220℃より高い場合はラジカル発生剤が急激に分解するため、同様に水酸基の導入効率が低くなるおそれがある。何れの場合も得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンジニアリングプラスチックに配合しても耐衝撃性の改良効果が小さくなる。
本発明の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体は、1kgあたり、0.001〜1モルの水酸基を有するものが好ましく、0.005〜1モルがより好ましく、特に0.01〜0.5モルを有するものがエンジニアリングプラスチックに配合したとき、耐衝撃性の改良効果が高くなるので好ましい。また、粘度はムーニー粘度(ML1+4、100℃)で10〜250が好ましく、15〜200がより好ましく、特に20〜100がエンジニアリングプラスチックに配合したとき、耐衝撃性の改良効果が高くなるので好ましい。
本発明のエンジニアリングプラスチック組成物は、A成分のエンジニアリングプラスチック50〜99重量%とB成分の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体1〜50重量%からなる。エンジニアリングプラスチック組成物中のエンジニアリングプラスチックの割合が50重量%未満の場合、すなわち水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の配合量が50重量%を超える場合、エンジニアリングプラスチックの耐熱性、剛性などが大きく損なわれるおそれがある。一方、エンジニアリングプラスチックの割合が99重量%を超える場合、つまり水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の配合量が1重量%未満の場合、エンジニアリングプラスチックの耐衝撃性が十分に改良されないおそれがある。
本発明のエンジニアリングプラスチック組成物は、上記A成分とB成分からなるが、例えば、温度120〜350℃、好ましくは150〜330℃でA成分及びB成分を溶融・混合することによって製造される。上記温度が120℃未満の場合、溶融が不完全であったり、また溶融粘度が高く、混合が不充分となり、成形時に相分離や層状剥離が現れるため好ましくない。また350℃を超えると、混合される成分の分解もしくはゲル化が起こり好ましくない。
溶融・混合する方法としては、バンバリ−ミキサ−、加圧ニ−ダ−、混練押出機、二軸押出機、ロ−ルなどの通常用いられる混練機により行うことができる。
なお、本発明において、エンジニアリングプラスチック組成物100重量部に対して、150重量部未満の無機充填剤を配合してもかまわない。
無機充填剤としては、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状または中空状および繊維状などのいずれのものも使用できる。具体的には、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉粒状充填材;雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状もしくは鱗板状充填材;シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石などの中空状充填材;ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコーンカーバイト繊維、アスベスト、ウオストナイトなどの鉱物繊維などを挙げることができる。
この無機充填剤の配合量が150重量部を超えると成形時において流動性が低下するので好ましくない。また、無機充填剤の表面は、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸またはそれらの金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネ−トなどを使用して表面処理を施すことが好ましい。
更に本発明の要旨を逸脱しない範囲において、エンジニアリングプラスチック組成物に各種エラストマー、汎用熱可塑性樹脂、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃化剤、有機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、核剤からなる群から選択される少なくとも1種以上を配合させてもかまわない。
エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、二トリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエンゴム、ポリイソブチレンゴムなどが挙げられる。
汎用熱可塑性樹脂としては、例えばAS樹脂、ABS樹脂、HIPS樹脂などのスチレン系樹脂、MMA樹脂をはじめとするアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系樹脂が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸エステル;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル;リン酸トリブチルなどのリン酸エステル;パラフィン系オイル、芳香族系オイル、ナフテン系オイルなどのプロセスオイルなどが挙げられる。
滑剤としては、流動パラフィンなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤;ステアリン酸ブチルなどのエステル系滑剤;ステアリルアルコールなどのアルコール系滑剤、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸系滑剤などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系酸化防止剤;フェニルβ−ナフチルアミン−α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、フェニルサリチラートなどのサリチル酸系安定剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系安定剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系安定剤などが挙げられる。
難燃剤としては、塩素化パラフィン、テトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン系難燃剤、およびそれらと三酸化アンチモンの併用;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤などが挙げられる。
有機充填剤としては木粉などが挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。
帯電防止剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレートなどのエステル類;硫酸ラウリルソーダ、クロロスルホン酸ラウリルなどの硫酸化物;リン酸モノオレイル、リン酸ジオレイルなどのリン酸化物;N,N−ジメチル−酢酸ソーダオレイン酸アミドなどのアミド類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩;ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシベタイン、ラウリルジメチルスルホベタインなどのベタイン類;ポリエチレングリコール型非イオン帯電防止剤などが挙げられる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸塩などを挙げることができる。
核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩;メチレンビス(2,4−ジ−t-ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩;タルク、フタロシニン誘導体などが挙げられる。
無機充填剤、各種エラストマー、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃化剤、有機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、核剤等は、本発明のエンジニアリングプラスチック組成物の混練時に同時に配合することができる。
次に、実施例および比較例を挙げて、この発明をさらに具体的に説明する。なお、各例中の部、%は特に断らない限り重量部および重量%を示す。また、各例中の略号は以下の化合物を示す。
CHP:クメンヒドロペルオキシド(日本油脂(株)製、商品名:パークミルH−80、純度:80%、10時間半減期温度:158℃、1分間半減期温度:254℃)
TBHP:t−ブチルヒドロペルオキシド(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルH−69、純度:69%、10時間半減期温度:167℃、1分間半減期温度:261℃)
HC:1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキサC、純度:70%、10時間半減期温度:91℃、1分間半減期温度:154℃)
EPDM:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(JSR(株)製、商品名:JSR EP21、ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38)
EPDM−P:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体((株)デュポン・ダウ・エラストマーズ製、商品名:ノーデルIP4725P)
PBT:ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス(株)製、商品名:ジュラネックス2002)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
参考例1(変性EPDM−1の製造)
200℃に予熱した加圧型ニーダー(モリヤマ(株)、容量3.5リットル)にEPDM100部を入れた後、混練しながらCHP3.8部を添加し、樹脂温度が180℃に達するまで混練を継続した。次いで、混練物をシリンダー温度180℃に設定された押出機に供給した。押出物を水で冷却しペレット化した後、乾燥することにより水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−1と略記)を製造した。
次に、変性EPDM−1について、100℃でムーニー粘度を測定した。また下記手順で水酸基導入量を求めた。結果を表1に示す。
水酸基導入量の測定方法:加熱フラスコにキシレン20ミリリットル、ポリマーサンプル0.5g、無水酢酸0.4g、ジメチルアミノピリジン0.2gを入れた後、攪拌下、約30分間、加熱還流させて、サンプルの溶解およびアセチル化処理をした。
次に、そのキシレン溶液を多量のメタノール中に入れてポリマーを再沈殿させた。再沈殿したポリマーを再び熱キシレンに溶解後、メタノール中に投じて再沈殿させた。再沈殿ポリマーを乾燥した後、フィルム化して、赤外吸収スペクトル(IR)を測定した。水酸基がエステル化されたことに由来する1740cm−1の吸収強度を定量することにより、ポリマーへの水酸基導入量を求めた。
参考例2(変性EPDM−2の製造)
参考例1においてCHP3.8部の代わりにTBHP2.6部を使用した他は、参考例1に準じて実施し、水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−2と略記)を製造した。その結果を表1に示す。
参考例3(変性EPDM−3の製造)
150℃に予熱した加圧型ニーダー(モリヤマ(株)、容量3.5リットル)にEPDM100部を入れた後、混練しながらCHP3.8部とHC0.5部(CHPに対するHCの添加モル比はラジカル発生官能基基準で0.13)を添加し、樹脂温度が150℃に達するまで混練を継続した。次いで、混練物をシリンダー温度180℃に設定された押出機に供給した。押出物を水で冷却しペレット化した後、乾燥することにより水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−3と略記)を製造した。
次に、変性EPDM−3について、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)を測定した。また前記した手順で水酸基導入量を求めた。結果を表1に示す。
参考例4(変性EPDM−Cの製造)
参考例3においてCHP3.8部の代わりに水酸基を有するビニル系単量体であるHEMAを2.6部使用した他は参考例3に準じて実施し、水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−Cと略記)を製造した。その結果を表1に示す。
なお、水酸基導入量は、アセチル化処理工程は省略し、HEMAグラフトに由来する1725cm−1(IR)の吸収強度を定量することにより求めた。
表1の結果より、ビニル単量体(HEMA)を使用する方法は、架橋反応のような副反応が起こるため、ムーニー粘度が上昇し、水酸基の導入効率が低いことが明らかとなった。
Figure 0004461879
注)添加量はエチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対する重量部を示す。
実施例1
PBT90部および参考例1で得た変性EPDM−1(10部)をドライブレンドした。 その後、シリンダー温度240℃に設定されたスクリュウ径30mmの同軸方向二軸押出機に供給し、押出後造粒した。造粒した樹脂を乾燥後、射出成形(235℃)によって試験片を作成し、下記の試験法に準拠して物性評価を行った。結果を表2に示す。
(1)アイゾット衝撃強度(ノッチ付き):ISO 180
(2)曲げ強度・曲げ弾性率:JIS K7171
なお、アイゾット衝撃強度は、数値が大きいほど耐衝撃性に優れることを示す。また、曲げ強度および曲げ弾性率は、数値が大きいほど剛性に優れることを示す。
実施例2〜4
実施例1において水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の種類と配合量を表2の通りに代えた他は、実施例1に準じて実施した。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において変性EPDM−1の代わりにペレット状のエチレン−α−オレフィン系共重合体(EPDM−P)を使用した他は、実施例1に準じて実施した。結果を表2に示す。なお、EPDMとEPDM−Pは、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体である点では一致しており、その物性もほぼ同じだが、EPDM−Pはペレット状であり、加工時に使用しやすいことから本発明の比較例1において使用した。
比較例2
実施例1において変性EPDM−1の代わりに参考例4で得た変性EPDM−Cを使用した他は、実施例1に準じて実施した。結果を表2に示す。
比較例3
実施例1においてPBTを単独使用した他は、実施例1に準じて実施した。結果を表2に示す。
Figure 0004461879
表2の結果より、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した本発明の組成物は、PBT単独(比較例3)よりもアイゾット衝撃強度の値が大きくなっており、エンジニアリングプラスチックの耐衝撃性が著しく改良された組成物であることがわかった。
また、同じ配合割合で本発明の組成物(実施例1、3、4)と、未変性のエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した組成物(比較例1)やビニル単量体をグラフト変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した組成物(比較例2)との比較から明らかなように、本発明の組成物の方が衝撃強度、曲げ強度、曲げ弾性率の値が大きくなっており、従来の組成物よりも耐衝撃性および剛性の両方の物性に優れることがわかった。

Claims (3)

  1. ポリエステル系樹脂(A)50〜99重量%と、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物を用いて、ムーニー粘度(ML 1+4 、100℃)が10〜250であるエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)1〜50重量%とからなるエンジニアリングプラスチック組成物であって、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物をエチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で添加し、前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物の10時間半減期温度以上でかつ1分間半減期温度以下の温度に達するまで加熱して変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体であるエンジニアリングプラスチック組成物。
  2. 水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物をエチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で添加し、さらに前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物より低い10時間半減期温度を有するラジカル発生剤(ただし、ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物の場合を除く。)をラジカル発生官能基の基準で前記ヒドロペルオキシ基含有有機過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対して0.001から1モルの範囲で添加し、前記ラジカル発生剤の10時間半減期温度以上でかつ220℃以下の温度に達するまで加熱して変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体である請求項1に記載のエンジニアリングプラスチック組成物。
  3. 水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が1kgあたり0.001〜1モルの水酸基を有し、かつそのムーニー粘度(ML1+4、100℃)が10〜250である請求項1または請求項2に記載のエンジニアリングプラスチック組成物。
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