JP2002020562A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2002020562A
JP2002020562A JP2000208673A JP2000208673A JP2002020562A JP 2002020562 A JP2002020562 A JP 2002020562A JP 2000208673 A JP2000208673 A JP 2000208673A JP 2000208673 A JP2000208673 A JP 2000208673A JP 2002020562 A JP2002020562 A JP 2002020562A
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methyl
rubber
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JP2000208673A
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Takashi Nakahara
原 隆 中
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】150℃以上の高温下でも反発弾性および引張
特性に優れ、しかも柔軟性および成形性に優れ、かつ金
属などとの接着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
を提供すること。 【解決手段】熱可塑性エラストマー組成物は、不飽和カ
ルボン酸および/または無水カルボン酸で変性された変
性4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含むマトリッ
クス中に、架橋ゴム(B)からなり平均粒径が100μ
m以下である粒子が分散している組成物であって、前記
マトリックスを20〜95重量%、前記粒子を5〜80
重量%の割合で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4-メチル-1-ペン
テン重合体を含むマトリックス中に架橋ゴム粒子が分散
している熱性熱可塑性エラストマー組成物に関し、さら
に詳しくは、優れた耐熱性を有し、かつ柔軟性、接着性
に優れた熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】架橋ゴムは優れた柔軟性と耐熱性
とを備えており、金属などとの接着性にも優れている。
しかし、例えば射出成形により架橋ゴムからなる成形体
を製造する場合、ゴムに添加剤を配合し、混練し、金型
内に供給した後、架橋する必要があるため、特殊な成形
機を必要とし、成形サイクル時間が長くなり、しかも製
造工程が煩雑であるという問題がある。また押出成形に
おいても同様な問題があり、架橋ゴム製品を大量生産す
る上での問題となっている。また架橋ゴムはいったん成
形、架橋した後は、加熱しても溶融しないため、融着し
て接合するなどの後加工ができないという問題点もあ
る。
【0003】そこで、架橋することなく成形でき、かつ
架橋ゴム類似の性能を有する素材によるゴム代替品の検
討がされてきた。このような性能を有する素材の中で軟
質塩化ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低
密度ポリエチレンなどの軟質プラスチックは成形性が良
好であり、かつ柔軟性に富んでいるが、反発弾性が劣
り、また軟化剤などの添加剤がブリードアウトしたり、
130℃以上の高温下では溶融したりしてしまうなどの
欠点がある。そこで、架橋ゴムと軟質プラスチックの両
者の長所を有する素材である熱可塑性エラストマーの開
発が進められてきた。
【0004】このような熱可塑性エラストマーの例とし
ては、特公昭56−15741号に(a)ペルオキシド
架橋型オレフィン系共重合体ゴム90〜40重量部、
(b)ペルオキシド分解型オレフィン系プラスチック1
0〜60重量部(ここで(a)+(b)は100重量部
になるように選ぶ)、ならびに(c)ペルオキシド非架
橋型炭化水素系ゴム状物質および/または(d)鉱油系
軟化剤5〜100重量部からなる混合物を、有機ペルオ
キシドの存在下で動的に熱処理して得られる部分的に架
橋された熱可塑性エラストマー組成物が記載されてい
る。
【0005】しかし、上記熱可塑性エラストマー組成物
は150℃以下では柔軟性、反発弾性、引張特性に優
れ、良好な成形性も備えているが、150℃を超える高
温下では溶融するため、高温下では使用できないなど、
耐熱性に問題がある。そこで、柔軟でかつ150℃以上
の高温下で使用可能であり、しかも熱可塑性樹脂のよう
に熱融着可能で、さらに軟化剤などの添加剤のブリード
アウトの無い熱可塑性エラストマーの開発が進められ
た。
【0006】このような高耐熱性の熱可塑性エラストマ
ーとして、特開平11−269330号公報には、4-メ
チル-1-ペンテン重合体中に架橋ゴムの粒子が分散して
いる高耐熱熱可塑性エラストマー組成物が記載されてい
る。しかし、この高耐熱熱可塑性エラストマー組成物は
金属などとの接着性が必ずしも十分ではなかった。上記
のような状況のもと、本発明者らは耐熱性および金属な
どとの接着性に優れた熱可塑性エラストマーを得るため
鋭意検討した結果、不飽和カルボン酸などで変性した変
性4-メチル-1-ペンテン重合体を含むマトリックス中に
特定粒径の架橋ゴム粒子を特定量分散させてなる熱可塑
性エラストマー組成物は、150℃以上の高温下で使用
可能な優れた耐熱性と柔軟性と接着性とを併せ持つこと
を見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、150℃以上の高温下でも反
発弾性および引張特性に優れ、しかも柔軟性および成形
性に優れ、かつ金属などとの接着性に優れた熱可塑性エ
ラストマー組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成
物は、不飽和カルボン酸および/または無水カルボン酸
で変性された変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を
含むマトリックス中に、架橋ゴム(B)からなり平均粒
径が100μm以下である粒子が分散している組成物で
あって、前記マトリックスを20〜95重量%、前記粒
子を5〜80重量%の割合で含有することを特徴として
いる。
【0009】本発明では前記マトリックスが、(A)不
飽和カルボン酸および/または無水カルボン酸で変性さ
れた変性4-メチル-1-ペンテン重合体と、必要に応じて
(C)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体、(D)未変
性α-オレフィン重合体、および(E)不飽和カルボン
酸および/または無水カルボン酸で変性された変性α-
オレフィン重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体
とからなり、変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を
1〜100重量%、未変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(C)を0〜99重量%、未変性α-オレフィン重合体
(D)を0〜50重量%、変性α-オレフィン重合体
(E)を0〜50重量%の割合(但し、(A)+(C)
+(D)+(E)=100重量%、(D)+(E)=5
0重量%以下である。)で含有し、かつ(A)、
(C)、(D)および(E)の合計重量に対する不飽和
カルボン酸および無水カルボン酸のグラフト変性量が
0.1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
【0010】前記変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)は、例えば4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰
返し単位を80〜100重量%の割合で含有し、炭素原
子数2〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位
を0〜20重量%の割合で含有する4-メチル-1-ペンテ
ン(共)重合体の不飽和カルボン酸および/または無水
カルボン酸でグラフト変性した変性物であって、グラフ
ト変性量が0.1〜20重量%の範囲にある。
【0011】前記未変性の4-メチル-1-ペンテン重合体
(C)は、例えば4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰
返し単位を80〜100重量%の割合で含有し、炭素原
子数2〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位
を0〜20重量%の割合で含有する4-メチル-1-ペンテ
ン(共)重合体である。前記未変性α-オレフィン重合
体(D)は、例えば炭素原子数2〜20のα-オレフィ
ンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンの
(共)重合体である。
【0012】前記変性α-オレフィン重合体(E)は、
例えば炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれ
る少なくとも1種のα-オレフィンの(共)重合体の不
飽和カルボン酸および/または無水カルボン酸でグラフ
ト変性した変性物であって、グラフト変性量が0.1〜
20重量%の範囲にある。前記架橋ゴム(B)は、例え
ばエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレン
ゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、
フッ素ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴムおよびウレタ
ンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムの
架橋物である。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る熱可塑性エラ
ストマー組成物について具体的に説明する。本発明に係
る熱可塑性エラストマー組成物は、不飽和カルボン酸お
よび/または無水カルボン酸で変性された変性4-メチル
-1-ペンテン重合体(A)を含むマトリックス中に、架
橋ゴム(B)からなり平均粒径が100μm以下である
粒子が分散されている。
【0014】(A)変性4-メチル-1-ペンテン重合体 本発明で用いられる変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)は、4-メチル-1-ペンテン重合体が不飽和カルボ
ン酸および/または無水カルボン酸でグラフト変性され
たものである。4-メチル-1-ペンテン重合体は、4-メチ
ル-1-ペンテンの単独重合体、または4-メチル-1-ペンテ
ンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(4-メチル-
1-ペンテンを除く、以下「他のα-オレフィン」とい
う。)とのランダム共重合体であって、4-メチル-1-ペ
ンテンから導かれる繰返し単位を80〜100重量%の
割合で含有し、他のα-オレフィンから導かれる繰返し
単位を0〜20重量%の割合で含有している。
【0015】他のα-オレフィンとしては、例えばエチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れ、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセンまたは1-エイコセンなどの炭素
原子数10〜20のα-オレフィンが好ましいものとし
て挙げられる。これらの他のα-オレフィンは、1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】4-メチル-1-ペンテン重合体が共重合体で
ある場合、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単
位を80〜99.9重量%、好ましくは90〜99.9
重量%、他のα-オレフィンから導かれる繰返し単位を
0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の
割合で含有する共重合体であることが好ましい。他のα
-オレフィンから導かれる繰返し単位の含有量が上記範
囲にある場合、より耐熱性に優れた組成物が得られる。
【0017】4-メチル-1-ペンテン重合体としては4-メ
チル-1-ペンテンと他のα-オレフィンとのランダム共重
合体が好ましい。4-メチル-1-ペンテン重合体は、AS
TM D 1238に準じ荷重:5.0kg、温度:26
0℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が
0.1〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10
分の範囲にあることが望ましい。
【0018】上記のような要件を満たす4-メチル-1-ペ
ンテン重合体としては、TPX MX001、TPX
MX002、TPX MX004、TPX MX02
1、TPX MX321、TPX RT18、TPX
DX845(いずれも商標、三井化学(株)製)などが
市販されている。変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)は、上記のような4-メチル-1-ペンテン重合体を
不飽和カルボン酸および/または無水カルボン酸で変性
することにより製造することができ、変性法として溶液
法、溶融混練法等、公知のグラフト重合法が挙げられ
る。
【0019】以下、グラフト変性法について溶液法を例
に挙げて説明するが、溶融混練法もそれ自体よく知られ
ている方法であるので、溶液法の説明を参照すれば、当
業者が溶融混練法によって本発明に用いられる変性4-メ
チル-1-ペンテン重合体を製造することは容易なことで
ある。溶液法によるグラフト変性法は、概略的には、変
性前の4-メチル-1-ペンテン重合体を溶剤に溶解して溶
液状態とし、これに不飽和カルボン酸および/または無
水カルボン酸と、ラジカル開始剤とを添加し、加熱する
ことによって行われる。
【0020】グラフト変性に使用する溶剤としては、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テト
ラデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シク
ロオクタン、シクロドデカンなどの脂環族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメ
ン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、シメン、ジ
イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、o-ジクロロベンゼン、四塩化
炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエタン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化
炭化水素などを例示することができる。これらの中では
アルキル芳香族炭化水素が好適である。
【0021】不飽和カルボン酸および無水カルボン酸と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカル
ボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカル
ボン酸などの不飽和カルボン酸およびこれらの酸無水物
が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化マレ
ニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸無水
物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレ
イン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチ
ル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメ
チル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボ
ン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチル
およびメタクリル酸アミノプロピルなどが挙げられる。
【0022】これらの中では、(メタ)アクリル酸、無
水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。グラフト変性に使用するラジカル開
始剤として代表的なものは、有機過酸化物であり、さら
に具体的にはアルキルペルオキシド、アリールペルオキ
シド、アシルペルオキシド、アロイルペルオキシド、ケ
トンペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキ
シカルボキシレート、ヒドロペルオキシドなどが挙げら
れる。
【0023】上記アルキルペルオキシドとしては、ジイ
ソプロピルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシ
ド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘキ
シン-3などが挙げられ、アリールペルオキシドとしては
ジクミルペルオキシドなどが挙げられ、アシルペルオキ
シドとしてはジラウロイルペルオキシドなどが挙げら
れ、アシロイルペルオキシドとしてはジベンゾイルペル
オキシドなどが挙げられ、ケトンペルオキシドとしては
メチルエチルケトンヒドロペルオキシド、シクロヘキサ
ノンペルオキシドなどが挙げられ、ヒドロペルオキシド
としてはtert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒド
ロペルオキシドなどが挙げられる。
【0024】これらの中では、ジ-tert-ブチルペルオキ
シド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘ
キシン-3、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオ
キシドなどが好ましい。不飽和カルボン酸および/また
は不飽和カルボン酸無水物の使用割合は、変性前の4-メ
チル-1-ペンテン重合体100重量部に対して、通常1
〜500重量部、好ましくは2〜100重量部である。
【0025】ラジカル開始剤の使用割合は、変性前の4-
メチル-1-ペンテン重合体100重量部に対して、好ま
しくは0.1〜100重量部、より好ましくは1〜50
重量部である。溶媒の使用割合は、変性前の4-メチル-1
-ペンテン重合体100重量部に対して、好ましくは1
00〜100000重量部、より好ましくは200〜1
0000重量部である。
【0026】反応温度は、好ましくは100〜250
℃、より好ましくは110〜200℃であり、反応時間
は、好ましくは15〜600分、より好ましくは30〜
360分である。溶液法によるグラフト変性終了後、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
などの不活性極性溶媒により洗浄して未反応モノマーお
よび開始剤などの不純物を除去した後、乾燥することに
より変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を得ること
ができる。
【0027】得られた変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)のグラフト変性量は、通常0.1〜20重量%で
あり、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。グラフト変性量の制御は、既
に述べたグラフト変性条件を適宜に選択することによ
り、容易に行うことができる。このような4-メチル-1-
ペンテン重合体(A)は、1種単独でまたは2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0028】(B)架橋ゴム 本発明で用いられる架橋ゴム(B)は平均粒径が100
μm以下、好ましくは0.1〜100μm、より好まし
くは0.1〜50μmの架橋されたゴムである。架橋ゴ
ム(B)として具体的には、エチレン・プロピレン・非
共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレンゴ
ム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロ
ニトリル・ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、
クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、
多硫化ゴム、ウレタンゴムからなる群より選ばれる少な
くとも1種のゴムなどの架橋物が挙げられる。これらの
中ではエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体
ゴムまたはシリコーンゴムの架橋物が好ましい。
【0029】本発明で用いられる架橋ゴム(B)は、上
述したような未加硫のゴムを加硫などの方法により架橋
した架橋ゴムである。架橋するために用いる架橋剤とし
ては公知の加硫剤が使用でき、例えばイオウ、有機ペル
オキシド、ポリアミン、ポリオール、シラン化合物、金
属酸化物などが挙げられる。架橋剤の使用量は未加硫の
ゴム100gに対して通常0.001〜1モル程度であ
るが、架橋ゴムの柔軟性および耐熱性からは0.005
〜0.5モル程度が好ましい。
【0030】架橋に際しては架橋速度を上げるため、あ
るいは架橋の効率を上げるために架橋助剤、架橋促進剤
を使用することもできる。架橋助剤、架橋促進剤の例と
しては、ジフェニルグアニジンなどのアミン類;メルカ
プトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミドなどのイオウ系化合物;トリアリルイソシアヌ
レートなどの多官能モノマーなどが挙げられる。
【0031】本発明で用いられる架橋ゴム(B)には通
常ゴムに添加されるカーボンブラック、シリカ、クレ
ー、タルクなどの補強剤または充填剤を配合しても良
い。補強剤または充填剤の配合量は、ゴム100重量部
に対して通常0〜500重量部程度であるが、柔軟性の
点から300重量部以下が好ましい。また本発明で用い
られる架橋ゴム(B)には、通常ゴムに添加される鉱
油、エステル系可塑剤、ワックス、植物油、合成油など
の軟化剤を配合してもよい。軟化剤の配合量はゴム10
0重量部に対して通常0〜300重量部程度であるが、
耐熱性の点から200重量部以下、さらに好ましくは1
00重量部以下が望ましい。
【0032】また本発明で用いられる架橋ゴム(B)に
は通常ゴムに添加される老化防止剤、抗酸化剤を配合し
てもよい。さらにポリプロピレンなどのポリオレフィン
を配合してもよい。このような架橋ゴム(B)は、1種
単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0033】(C)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体 本発明で用いられる未変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(C)は、上述した変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)の調製に用いられる変性前の4-メチル-1-ペンテ
ン重合体である。4-メチル-1-ペンテン重合体(C)と
しては、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単位
の含有量が80〜99.9重量%、好ましくは90〜9
9.9重量%、他のα-オレフィンから導かれる繰返し
単位の含有量が0.1〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%である共重合体が好ましい。
【0034】このような未変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(C)は、1種単独で使用することもできるし、2
種以上を組み合せて使用することもできる。(D)未変性α-オレフィン重合体 未変性α-オレフィン重合体(D)は、炭素原子数2〜
20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-
オレフィンの単独重合体または共重合体である(但し、
上記未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(C)を除
く。)。
【0035】炭素原子数が2〜20のα-オレフィンと
しては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペン
テン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-
メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジ
メチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1
-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テ
トラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイ
コセンなどが挙げられる。
【0036】未変性α-オレフィン重合体(D)は、ジ
エン化合物から誘導される成分単位などのα-オレフィ
ンから誘導される成分単位以外の成分単位を含んでいて
もよい。このようなα-オレフィンから誘導される成分
単位以外の成分単位としては、例えば1,4-ヘキサジエ
ン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6
-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1、6-オクタジエ
ンなどの鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシ
クロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビ
ニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-
メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノル
ボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボ
ルネンなどの環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデ
ン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン
-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン
などのジエン化合物から誘導される成分単位が挙げられ
る。ジエン成分は、1種単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いることができる。また、ジエン成分の含有量
は、通常は0〜1モル%、好ましくは0〜0.5モル%
である。
【0037】未変性α-オレフィン重合体(D)として
は、例えばエチレン単独重合体またはエチレンと炭素原
子数3〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも
1種のα-オレフィンとの共重合体であって、190
℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが
0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50
g/10分の範囲にあり、密度が0.950g/cm3
上、好ましくは0.950〜0.970g/cm3 の範
囲にあり、エチレンとα-オレフィンとのモル比(エチ
レン/α-オレフィン)が、100/0〜80/20、
好ましくは100/0〜90/10の範囲にあるエチレ
ン(共)重合体、プロピレン単独重合体、またはプロピ
レンとエチレンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレ
フィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共
重合体であって、230℃、2.16kg荷重で測定し
たメルトフローレートが0.1〜100g/10分、好ま
しくは0.5〜50g/10分の範囲にあり、密度が0.
900g/cm3 以上、好ましくは0.900〜0.9
20g/cm3 の範囲にあり、プロピレン(Pr)と、
エチレンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレフィン
(Or)とのモル比(Pr/Or)が、100/0〜8
0/20、好ましくは100/0〜90/10の範囲に
あるプロピレン(共)重合体、炭素原子数4〜20のα
-オレフィンの共重合体であって、230℃、2.16
kg荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜10
0g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分の範囲に
あり、密度が0.900g/cm3 以上、好ましくは
0.900〜0.920g/cm3 の範囲にあり、炭素
原子数4〜20のα-オレフィンから選ばれる1種のα-
オレフィン(Or-1)と、炭素原子数が4〜20のα-オ
レフィンから選ばれる他のα-オレフィン(Or-2)との
モル比((Or-1)/(Or-2))が100/0〜80/2
0、好ましくは100/0〜90/10の範囲にあるα
-オレフィン(共)重合体が挙げられる。
【0038】このような未変性α-オレフィン重合体
(D)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。(E)変性α-オレフィン重合体 本発明で用いられる変性α-オレフィン重合体は、上記
未変性α-オレフィン重合体(D)が不飽和カルボン酸
および/または無水カルボン酸でグラフト変性されたも
のである。
【0039】変性α-オレフィン重合体(E)の調製
は、上記変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)の場合
と同様にして行うことができる。変性α-オレフィン重
合体(E)のグラフト変性量は、0.1〜20重量%で
あり、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。グラフト変性量の制御は、既
に述べたグラフト変性条件を適宜に選択することによ
り、容易に行うことができる。
【0040】このような変性α-オレフィン重合体
(E)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。熱可塑性エラストマー組成物 本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、上記のよ
うな変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を含むマト
リックスと架橋ゴム(B)からなる粒子とからなり、マ
トリックスの含有量は20〜95重量%、好ましくは5
0〜90重量%の範囲にあり、粒子の含有量は5〜80
重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲にある。
【0041】マトリックスは、(A)変性4-メチル-1-
ペンテン重合体と、必要に応じて、(C)未変性4-メチ
ル-1-ペンテン重合体、(D)未変性α-オレフィン重合
体、および(E)変性α-オレフィン重合体から選ばれ
る少なくとも1種の重合体とからなる。
【0042】このマトリックスは、変性4-メチル-1-ペ
ンテン重合体(A)を1〜100重量%、好ましくは5
〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、未変
性4-メチル-1-ペンテン重合体(C)を0〜99重量
%、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは20
〜80重量%、未変性α-オレフィン重合体(D)を0
〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好まし
くは10〜30重量%、変性α-オレフィン重合体
(E)を0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、
より好ましくは10〜30重量%の割合(但し、(A)
+(C)+(D)+(E)=100重量%、(D)+
(E)=50重量%以下である。)で含有することが望
ましい。
【0043】また、マトリックスは、変性4-メチル-1-
ペンテン重合体(A)、未変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(C)、未変性α-オレフィン重合体(D)および
変性α-オレフィン重合体(E)の合計重量に対する不
飽和カルボン酸および無水カルボン酸のグラフト変性量
が0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%
の範囲にあることが望ましい。
【0044】マトリックスを形成する組成物としては、
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を10〜90重
量%、未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(C)を10
〜90重量%の割合(但し、(A)+(C)=100重
量%)で含む組成物、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)を10〜60重量%、未変性4-メチル-1-ペンテ
ン重合体(C)を10〜60重量%、未変性α-オレフ
ィン重合体(D)を5〜30重量%の割合(但し、
(A)+(C)+(D)=100重量%)で含む組成
物、変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を10〜6
0重量%、(C)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体を
10〜60重量%と、(E)変性α-オレフィン重合体
を5〜30重量%の割合(但し、(A)+(C)+
(E)=100重量%)で含む組成物が好ましい。
【0045】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、軟化
剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔
料、染料、補強剤、充填剤、老化防止剤、抗酸化剤な
ど、通常ポリオレフィンまたはゴムに添加して使用され
る各種配合剤を添加してもよい。本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物は、マトリックス中に前記架橋ゴム
(B)の粒子を均一に分散させることにより製造するこ
とができる。
【0046】熱可塑性エラストマー組成物を製造する方
法としては、例えば予め架橋した架橋ゴム(B)を調
製して平均粒径が100μm以下となるように粉砕した
後、この粒子と、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)と、必要に応じて未変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(C)、未変性α-オレフィン重合体(D)、変性
α-オレフィン重合体(E)とを二軸押出機、バンバリ
ーミキサーなどにより混練する方法;変性4-メチル-1
-ペンテン重合体(A)と、未架橋のゴムと、架橋剤
と、その他の配合剤と、必要に応じて未変性4-メチル-1
-ペンテン重合体(C)、未変性α-オレフィン重合体
(D)、変性α-オレフィン重合体(E)とをブレンド
した後、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより高
温でゴムを動的架橋するとともに平均粒径が100μm
以下となるように混練する方法などが挙げられる。な
お、この場合、変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)
と、未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(C)、未変性
α-オレフィン重合体(D)および変性α-オレフィン重
合体(E)から選ばれる少なくとも1種の重合体とを混
練し組成物を調製した後、該組成物と架橋ゴム(B)ま
たは未架橋のゴム等と混練してもよい。
【0047】また、予め架橋ゴム(B)の粒子が重合体
中に高濃度で分散したマスターバッチを作製した後、こ
のマスターバッチと変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)と、必要に応じて未変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(C)、未変性α-オレフィン重合体(D)、変性
α-オレフィン重合体(E)とを二軸押出機、バンバリ
ーミキサーなどにより混練して熱可塑性エラストマー組
成物を製造することもできる。この場合も、変性4-メチ
ル-1-ペンテン重合体(A)と、未変性4-メチル-1-ペン
テン重合体(C)、未変性α-オレフィン重合体(D)
および変性α-オレフィン重合体(E)から選ばれる少
なくとも1種の重合体とを混練し組成物を調製した後、
該組成物とマスターバッチと混練してもよい。
【0048】マスターバッチを製造する方法としてより
具体的には、例えば未変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(C)または未変性α-オレフィン重合体(D)と、未
架橋のゴムと、架橋剤と、その他の配合剤とをブレンド
した後、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより高
温でゴムを動的架橋するとともに平均粒径が100μm
以下となるように混練する方法などが挙げられる。
【0049】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
前記変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を含むマト
リックス中に前記架橋ゴム(B)の粒子が均一に分散し
ている組成物である。このため本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物は、柔軟性に優れるとともに高い耐熱性を
有しており、150℃以上の高温下でも反発弾性および
引張特性に優れ、しかも柔軟性に優れている。変性4-メ
チル-1-ペンテン重合体組成物(A)と前記架橋ゴム
(B)とが相溶している組成物では、このような特性は
得られない。
【0050】また本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、金属、ポリアミドなどとの接着も可能である。この
ため、このような特性を必要とするエラストマー素材と
して広範な分野に利用することができる。例えば、自動
車エンジンルーム内に設置するゴム部品、防振ゴムなど
の素材として有用である。本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物からなる防振ゴムは、柔軟性に優れていると共
に150〜180℃の高温に曝されても変形しない。さ
らに射出成形法により容易に成形可能で、防振ゴムに要
求される金属との接着も容易である。
【0051】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、変性4-メチル-1-ペンテン重合体を含むマトリック
ス中に特定の平均粒径を有する架橋ゴムの粒子が特定量
分散しているので、150℃以上の高温下でも反発弾性
および引張特性に優れ、しかも柔軟性および成形性に優
れ、かつ金属、ポリアミドとの接着も可能である。
【0052】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお実施例で使用した熱可塑性エラストマ
ー組成物は下記の条件で作製した。また実施例に示した
物性の測定方法および条件は下記の通りである。
【0053】熱可塑性エラストマー組成物中の架橋ゴム
の粒径測定 電子顕微鏡により、熱可塑性エラストマー組成物の断面
を5000倍に拡大した写真を撮影し、画像解析によ
り、分散した架橋ゴム成分の平均粒径を測定した。曲げ弾性率の測定 ASTM D790に準拠して、熱可塑性エラストマー
組成物からなる厚さ2mmのシートの曲げ弾性率を測定
した。
【0054】たわみ量(熱たわみ試験) 図1に示すように、厚さ2mm、長さ120mm、幅2
0mmの試験片1の一方の端部2を、固定台3とクラン
プ4とで狭持し、170℃で5時間保持した後、試験片
1の他方の端部5のたわみ量D(mm)を測定した。接着強度の測定 熱可塑性エラストマー組成物と金属との接着強度は、熱
可塑性エラストマー組成物からなる厚さ1mmのシート
と、鉄板とを重ね、温度280℃、圧力20kg/cm2
で20分加熱プレスしたのち、23℃での鉄板からのシ
ートの剥離強度を測定することにより評価した。
【0055】熱可塑性エラストマー組成物と他の樹脂と
の接着強度は、熱可塑性エラストマー組成物からなる厚
さ1mmのシートと、ポリアミド−6(トーレ社製 C
M1021XF)の厚さ1mmのシートとを温度280
℃、圧力20kg/cm2で20分加熱プレスしたのち、
23℃での剥離強度を測定することにより評価した。圧縮永久歪み(熱クリープ試験) 直径20mm、厚さ15mmの円筒状の試験片を射出成
形により作製し、170℃、10kg荷重で5時間圧縮
した時の歪み率(歪み/15mm×100%)を測定し
た。
【0056】
【製造例1】変性4-メチル-1-ペンテン重合体の製造 4-メチル-1-ペンテン重合体(商品名:RT−18、三
井化学(株)製)と、無水マレイン酸と、有機過酸化物
(2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、商品名:パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)と
を下記表1の重量比率でヘンシェルミキサーにより混合
した後、温度280℃で二軸押出機で混練することによ
り、グラフト変性を行い、変性4-メチル-1-ペンテン重
合体、を製造した。変性物、のグラフト率と物
性を、表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【製造例2】マスターバッチ(1)の作製 エチレン含有率70モル%、ヨウ素価15、ムーニー粘
度〔ML1+4(100℃)〕60のエチレン・プロピレ
ン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(以下、EP
DMと略す)60重量部、メルトフローレート(AST
M−D−1238−65T、230℃)13g/10分、
密度0.91g/cm3のポリプロピレン30重量部お
よびナフテン系プロセスオイル10重量部を、バンバリ
ーミキサーにより、窒素雰囲気中、180℃で5分間混
練した後、ロールを通し、シートカッターにより未加硫
ゴムのペレットを製造した。
【0059】次にこのペレットと、1,3-ビス(tert-ブ
チルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量部をジビ
ニルベンゼン0.5重量部に溶解させた溶液とをタンブ
ラーブレンダーにより混合して、前記溶液をペレット表
面に均一に付着させた。次いで、このペレットを押出機
で窒素雰囲気下において210℃で押し出すことによ
り、ポリプロピレンを基質として、その中にEPDMが
架橋した架橋ゴムが分散した組成物のペレット(以下、
「マスターバッチ(1)」という。)を得た。
【0060】
【製造例3】マスターバッチ(2)の作製 製造例2で用いたものと同様のEPDM60重量部、4-
メチル-1-ペンテンと、炭素原子数16、18のα-オレ
フィンの混合物(商品名:ダイヤレンD−168)とか
ら得られる4-メチル-1-ペンテン共重合体(4-メチル-1-
ペンテン含有量:93重量%、炭素原子数16、18の
α-オレフィン含有量:7重量%、メルトフローレート
(ASTM D 1238に準じ荷重5.0kg、260
℃)13g/10分、密度0.83g/cm3)30重量
部およびナフテン系プロセスオイル10重量部をバンバ
リーミキサーにより、窒素雰囲気中、180℃で5分間
混練したのちロールを通し、シートカッターにより未加
硫ゴムのペレットを製造した。
【0061】次にこのペレットと、1,3-ビス(tert-ブ
チルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量部をジビ
ニルベンゼン0.5重量部に溶解させた溶液とをタンブ
ラーブレンダーにより混合して、前記溶液をペレット表
面に均一に付着させた。次いで、このペレットを押出機
で窒素雰囲気下において260℃で押し出すことによ
り、4-メチル-1-ペンテン重合体を基質として、その中
に、EPDMが架橋した架橋ゴムが分散した組成物のペ
レット(以下、「マスターバッチ(2)」という。)を
得た。
【0062】
【実施例1】4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数16
と18のα-オレフィンの混合物(商品名:ダイヤレン
D−168)とから得られる4-メチル-1-ペンテン共重
合体(ASTM D 1238に準じ荷重5.0kg、温
度260℃の条件で測定したMFR:23g/10分、4-
メチル-1-ペンテン含有量:93重量%、炭素原子数1
6と18のα-オレフィン含有量:7重量%)50重量
部と、製造例1で製造した変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(変性物No)50重量部とをブレンドし、変性4-
メチル-1-ペンテン重合体組成物(無水マレイン酸グラ
フト率:1.4重量%、MFR:140g/10分)を得
た。
【0063】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物80重量部と、製造例2で作製したマスターバッチ
(1)20重量部とをブレンドし、二軸押出機により2
60℃で溶融混練して押し出すことにより、平均粒径2
0μmのEPDM架橋ゴム13重量%が変性4-メチル-1
-ペンテン重合体組成物中に平均粒径19μmで分散す
る熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0064】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mmおよび1mmのシー
トを作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、金属、ポリアミドとの接着試験を行
った。結果を表2に示す。
【0065】
【実施例2】配合比を、変性4-メチル-1-ペンテン重合
体組成物60重量部、マスターバッチ(1)40重量部
に変更したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を
表2に示す。なお得られた熱可塑性エラストマー組成物
ペレット中の架橋ゴム含有量は27重量%、平均粒径は
19μmであった。
【0066】
【実施例3】配合比を、変性4-メチル-1-ペンテン重合
体組成物40重量部、マスターバッチ(1)60重量部
に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2
に示す。なお得られた熱可塑性エラストマー組成物ペレ
ット中の架橋ゴム含有量は40重量%、平均粒径は20
μmであった。
【0067】
【実施例4】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体75重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)25重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:0.7重量%、M
FR:75g/10分)を得た。
【0068】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、製造例2で作製したマスターバッチ
(1)40重量部とをブレンドし、二軸押出機により2
60℃で溶融混練して押し出すことにより、平均粒径1
8μmの架橋ゴム27重量%が4-メチル-1-ペンテン重
合体組成物中に分散する熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを得た。
【0069】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mmおよび1mmのシー
トを作製した。また射出成形法により、圧縮永久ひずみ
測定用の試験片を作製した。得られたシートおよび試験
片を用いて曲げ弾性率の測定、熱たわみ試験、圧縮永久
歪み試験、金属、ポリアミドとの接着試験を行った。結
果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【実施例5】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体25重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)75重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:0.7重量%、M
FR:100g/10分)を得た。
【0072】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、製造例2で作製したマスターバッチ
(1)40重量部とをブレンドし、二軸押出機により2
60℃で溶融混練して押し出すことにより、平均粒径1
9μmの架橋ゴム27重量%が4-メチル-1-ペンテン重
合体中に分散する熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを得た。
【0073】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、圧縮永久ひずみ試験、金属、ポリア
ミドとの接着試験を行った。結果を表3に示す。
【0074】
【実施例6】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体50重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)50重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:1.5重量%、M
FR:140g/10分)を得た。
【0075】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物40重量部と、製造例3で作製したマスターバッチ
(2)60重量部とをブレンドし、二軸押出機により2
60℃で溶融混練して押し出すことにより、平均粒径1
9μmの架橋ゴム40重量%が4-メチル-1-ペンテン重
合体中に分散する熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを得た。
【0076】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、金属、ポリアミドとの接着試験を行
った。結果を表3に示す。
【0077】
【実施例7】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体50重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)50重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:0.5重量%、M
FR:75g/10分)を得た。
【0078】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、変性エチレン・プロピレン共重合体
(エチレン含量:80重量%、無水マレイン酸グラフト
率:1.0重量%、MFR:0.5g/10分)20重量
部とを製造例3で作製したマスターバッチ(2)20重
量部とブレンドし、二軸押出機により260℃で溶融混
練して押し出すことにより、平均粒径19μmの架橋ゴ
ム13重量%が変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成物
中に分散する目的とする熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを得た。
【0079】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、圧縮永久ひずみ試験、金属、ポリア
ミドとの接着試験を行った。結果を表3に示す。
【0080】
【実施例8】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体50重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)50重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:1.5重量%、M
FR:140g/10分)を得た。
【0081】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、無水マレイン酸変性エチレン-α-オレ
フィン重合体(エチレン含量80重量%、無水マレイン
酸グラフト率:1.0重量%、MFR:0.5g/10
分)20重量部と、製造例3で作製したマスターバッチ
(2)20重量部とブレンドし、二軸押出機により26
0℃で溶融混練して押し出すことにより、平均粒径18
μmの架橋ゴム13重量%が4-メチル-1-ペンテン重合
体組成物中に分散する熱可塑性エラストマー組成物のペ
レットを得た。
【0082】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、圧縮永久ひずみ試験、金属、ポリア
ミドとの接着試験を行った。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
【実施例9】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体50重量部と、製造例1で製造した
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)50重
量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物(無水マレイン酸グラフト率:1.5重量%、M
FR:140g/10分)を得た。
【0085】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、無変性エチレン-プロピレン共重合体
(エチレン含量:80重量%、MFR:5g/10分)2
0重量部とを製造例3で作製したマスターバッチ(2)
20重量部とブレンドし、二軸押出機により260℃で
溶融混練して押し出すことにより、平均粒径19μmの
架橋ゴム13重量%が変性4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物中に分散する熱可塑性エラストマー組成物のペレ
ットを得た。
【0086】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、圧縮永久ひずみ試験、金属、ポリア
ミドとの接着試験を行った。結果を表4に示す。
【0087】
【実施例10】実施例1で用いたものと同様の4-メチル
-1-ペンテン共重合体50重量部と、製造例1で製造し
た変性4-メチル-1-ペンテン重合体(変性物No)50
重量部とをブレンドし、変性4-メチル-1-ペンテン重合
体組成物(無水マレイン酸グラフト率:1.5重量%、
MFR:140g/分)を得た。
【0088】この変性4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物60重量部と、粉末状架橋シリコーンゴム(商品名:
トレフィルR−900、平均粒径20μm、トーレシリ
コーン社製)40重量部とをブレンドし、二軸押出機に
より260℃で溶融混練して押し出すことにより、変性
4-メチル-1-ペンテン重合体組成物中に平均粒径19μ
mの粉末状架橋シリコーンゴム40重量%が分散する熱
可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0089】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、圧縮永久歪み試験、金属、ポリアミ
ドとの接着試験を行った。結果を表4に示す。
【0090】
【実施例11】実施例10において、トレフィルR−9
00に代えて、粉末状架橋シリコーンゴム(商品名:ト
レフィルE−850、平均粒径70μm、トーレシリコ
ーン社製)を用いたこと以外は実施例10と同様に行っ
た。結果を表4に示す。なお得られた熱可塑性エラスト
マー組成物ペレット中の架橋ゴム含有量は40重量%、
平均粒径は65μmであった。
【0091】
【表4】
【0092】
【比較例1】実施例1で用いたものと同様の4-メチル-1
-ペンテン共重合体80重量部と、製造例2で作製した
マスターバッチ(1)20重量部とをブレンドし、二軸
押出機により260℃で溶融混練して押し出すことによ
り、平均粒径17μmの架橋ゴム13重量%が4-メチル
-1-ペンテン重合体中に分散する熱可塑性エラストマー
組成物のペレットを得た。
【0093】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mmおよび1mmのシー
トを作製した。得られたシートおよび試験片を用いて曲
げ弾性率の測定、熱たわみ試験、金属、ポリアミドとの
接着性試験を行った。結果を表5に示す。
【0094】
【比較例2】比較例1において、配合比を4-メチル-1-
ペンテン共重合体60重量部、マスターバッチ(1)4
0重量部に変更したこと以外は比較例1と同様に行っ
た。結果を表5に示す。なお得られた熱可塑性エラスト
マー組成物ペレット中の架橋ゴム含有量は27重量%、
平均粒径は19μmであった。
【0095】
【比較例3】比較例1において、配合比を4-メチル-1-
ペンテン共重合体40重量部、マスターバッチ(1)6
0重量部に変更したこと以外は比較例1と同様に行っ
た。結果を表5に示す。なお得られた熱可塑性エラスト
マー組成物ペレット中の架橋ゴム含有量は42重量%、
平均粒径は20μmであった。
【0096】
【比較例4】メルトフローレート(ASTM−D−12
38−65T、230℃)13g/10分、密度0.91
g/cm3のポリプロピレン50重量部と、無水マレイ
ン酸変性エチレン-α-オレフィン重合体(エチレン含
量:80重量%、無水マレイン酸グラフト率:3.0重
量%、MFR:0.5g/10分)30重量部と、製造例
2で作製したマスターバッチ(1)20重量部とブレン
ドし、二軸押出機により260℃で溶融混練して押し出
すことにより平均粒径18μmの架橋ゴム14重量%が
ポリプロピレン中に分散する熱可塑性エラストマー組成
物のペレットを得た。
【0097】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mm及び1mmのシート
を作製した。得られたシートを用いて曲げ弾性率の測
定、熱たわみ試験、金属、ポリアミドとの接着試験を行
った。結果を表5に示す。
【0098】
【表5】
【0099】表2〜5の結果から明らかなように、各実
施例の熱可塑性エラストマー組成物は柔軟性と耐熱性も
優れるとともに金属、ポリアミドに対して高い接着性を
有している。したがって、自動車部品、防振ゴムなどに
適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた熱たわみ試験用のたわみ
試験装置の一部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 …試験片 2、5 …端部 3 …固定台 4 …クランプ D …たわみ量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 21/00 C08L 21/00 23/02 23/02 23/20 23/20 //(C08F 210/14 (C08F 210/14 210:00) 210:00) Fターム(参考) 4J002 AC03X AC06X AC07X AC08X AC09X BB02Y BB11Y BB15X BB16Y BB17Y BB18X BB20W BB20Y BB21W BB21Y BB24X BB27X BD12X BG04X BN05W BN05Y CH04X CK02X CP03X GN00 GR00 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA15Q AA16Q AA17P AA19Q AA21Q BA16H BC55H CA01 CA04 CA31 HA61 HC29 HC30 HC36 HE14 HE17 JA24 JA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸および/または無水カ
    ルボン酸で変性された変性4-メチル-1-ペンテン重合体
    (A)を含むマトリックス中に、架橋ゴム(B)からな
    り平均粒径が100μm以下である粒子が分散している
    組成物であって、前記マトリックスを20〜95重量
    %、前記粒子を5〜80重量%の割合で含有することを
    特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記マトリックスが、(A)不飽和カル
    ボン酸および/または無水カルボン酸で変性された変性
    4-メチル-1-ペンテン重合体と、必要に応じて(C)未
    変性4-メチル-1-ペンテン重合体、(D)未変性α-オレ
    フィン重合体、および(E)不飽和カルボン酸および/
    または無水カルボン酸で変性された変性α-オレフィン
    重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体とからな
    り、 変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)を1〜100重
    量%、 未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(C)を0〜99重
    量%、 未変性α-オレフィン重合体(D)を0〜50重量%、 変性α-オレフィン重合体(E)を0〜50重量%の割
    合(但し、(A)+(C)+(D)+(E)=100重
    量%、(D)+(E)=50重量%以下である。)で含
    有し、かつ(A)、(C)、(D)および(E)の合計
    重量に対する不飽和カルボン酸および無水カルボン酸の
    グラフト変性量が0.1〜20重量%の範囲にある請求
    項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】前記変性4-メチル-1-ペンテン重合体
    (A)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単
    位を80〜100重量%の割合で含有し、炭素原子数2
    〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位を0〜
    20重量%の割合で含有する4-メチル-1-ペンテン
    (共)重合体の不飽和カルボン酸および/または無水カ
    ルボン酸でグラフト変性した変性物であって、グラフト
    変性量が0.1〜20重量%の範囲にある請求項1また
    は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】前記未変性4-メチル-1-ペンテン重合体
    (C)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単
    位を80〜100重量%の割合で含有し、炭素原子数2
    〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位を0〜
    20重量%の割合で含有する4-メチル-1-ペンテン
    (共)重合体である請求項2または3に記載の熱可塑性
    エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】前記未変性α-オレフィン重合体(D)
    が、炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる
    少なくとも1種のα-オレフィンの(共)重合体である
    請求項2ないし4のいずれかに記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  6. 【請求項6】前記変性α-オレフィン重合体(E)が、
    炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少な
    くとも1種のα-オレフィンの(共)重合体を不飽和カ
    ルボン酸および/または無水カルボン酸でグラフト変性
    した変性物であって、グラフト変性量が0.1〜20重
    量%の範囲にある請求項2ないし5のいずれかに記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】前記架橋ゴム(B)がエチレン・プロピレ
    ン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレ
    ンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、
    ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アク
    リロニトリル・ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴ
    ム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴ
    ム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーン
    ゴム、多硫化ゴムおよびウレタンゴムからなる群より選
    ばれる少なくとも1種のゴムの架橋物である請求項1な
    いし6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
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JP2008088336A (ja) * 2006-10-04 2008-04-17 Aron Kasei Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
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