JP4645072B2 - エンプラ系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

エンプラ系熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エンプラ系熱可塑性エラストマーと水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体とからなる、相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーおよびポリアミド系熱可塑性エラストマーは、耐摩耗性、機械的強度、耐油性に優れるため、エンプラ系熱可塑性エラストマーとして分類され(非特許文献1参照)、ホース・チューブ、シート・フィルム、自動車・工業部品、スポーツ・レジャー用品などの幅広い分野で使用されている。しかしながら、これらエンプラ系熱可塑性エラストマーは、加水分解を受け易い結合を有しており、耐水性に劣るという欠点があり、その改良が求められている。また、比重が大きいために、軽量化が望まれている。
種々検討されてきた中の一つにオレフィン系重合体の添加による改質技術がある。
例えば、エチレン−プロピレン共重合体やエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体に代表されるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、比重が小さく、良好なゴム的性質を有し、耐水性にも優れることから、それらをエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合してエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物を得、軽量化とともにエンプラ系熱可塑性エラストマーの耐水性などの物性を改善しようとすることが検討されている。
しかし、エンプラ系熱可塑性エラストマーに対し極性の低いエチレン−α−オレフィン系共重合体を単に配合しても、相溶性が悪いため、エンプラ系熱可塑性エラストマーの耐水性において改良効果が小さいとともに、耐摩耗性などの物性が大きく低下する欠点があった。
上記欠点を解決するために、極性官能基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンプラ系熱可塑性エラストマーに配合する方法が提案された。
例えば、無水マレイン酸のような酸無水物基やグリシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−プロピレン系共重合体を配合する方法(例えば、特許文献1参照)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような水酸基を有するビニル単量体を用いてグラフト変性したエチレン−プロピレン系共重合体を配合する方法(例えば、特許文献2参照)が開示された。
しかしながら、前述の極性官能基を有するビニル単量体を使用してグラフト変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合する方法により得られるエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物は、従来の未変性のエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合したエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物に比べ、耐水性において改良効果が認められるが、まだ相溶性のレベルは低く、改良効果は十分とはいえなかった。
また、前記グラフト変性がラジカル反応を利用して行われるので、架橋反応、減成反応、ビニル単量体の単独重合などの副反応を伴ったり、未反応のビニル単量体が残存し易い。そのため、変性時にエチレン−α−オレフィン系共重合体の物性が損なわれたりする。したがって、再現性がよく物性が一定の範囲にあるグラフト変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を工業的に生産するのは難しく、安定な供給源として根本的な問題があった。
実用プラスチック事典(実用プラスチック事典編集委員会編集)、1993年、183頁 特開平3−231963号公報(第4〜7頁) 特開平9−255868号公報(第6〜7頁)
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。
本発明の目的は、エンプラ系熱可塑性エラストマーと水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体とからなる、相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ビニル単量体を使用することなく、特定の過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合することにより、相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、第1の発明は、エンプラ系熱可塑性エラストマー(A)50〜99重量%と、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)1〜50重量%とからなるエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物である。
第2の発明は、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対してヒドロペルオキシ基含有過酸化物を0.1〜20重量部の割合で用いて、該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度から1分間半減期温度の間で加熱して得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系重合体である第1の発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物である。
第3の発明は、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対してヒドロペルオキシ基含有過酸化物を0.1〜20重量部の割合で用い、さらにラジカル発生官能基の基準で該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対して該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物より低い10時間半減期温度を有するラジカル発生剤を0.001〜1モルの範囲で用いて、該ラジカル発生剤の10時間半減期温度から該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度の間で加熱して得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系重合体である第1の発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物である。
第4の発明は、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が1kgあたり0.001〜1モルの水酸基を有し、かつそのムーニー粘度(ML1+4、100℃)が10〜250である第1〜3の発明のいずれかのエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物である。
第1の発明は、特定の過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。そのため、ホース・チューブ、シート・フィルム、自動車・工業部品、スポーツ・レジャー用品など様々な分野で使用可能であり、本発明の工業的な利用価値は極めて大きい。
第2の発明は、第1の発明において、特定の過酸化物を特定量使用して、特定の温度条件で加熱して変性された水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、より相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
第3の発明は、第1の発明において、特定の過酸化物と特定のラジカル発生剤を特定量使用して、特定の温度条件で加熱して変性された水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が配合されるため、より相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、特定範囲の水酸基価とムーニー粘度を有する水酸基変性エチレン−α−系重合体が配合されるため、より相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
以下に、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物は、A成分のエンプラ系熱可塑性エラストマー50〜99重量%、好ましくは55〜95重量%とB成分の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%からなる。
エンプラ系熱可塑性エラストマー組成物中のエンプラ系熱可塑性エラストマーの割合が50重量量%未満の場合、すなわち水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の配合量が50重量%を超える場合、エンプラ系熱可塑性エラストマーの耐摩耗性や機械的強度などが損なわれるおそれがある。一方、エンプラ系熱可塑性エラストマーの割合が99重量%を越える場合、つまり水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の配合量が1重量%未満の場合、エンプラ系熱可塑性エラストマーの相溶性、耐水性が十分に改良されないおそれがある。
本発明において使用される(A)成分のエンプラ系熱可塑性エラストマーとしては、硬質相(ハードセグメント)と軟質相(ソフトセグメント)を有するポリウレタン系熱可塑性エラストマー 、ポリエステル系熱可塑性エラストマー 、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用することもできる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとは、ウレタン結合部分をハードセグメントとし、ポリエステルまたはポリエーテル部分をソフトセグメントとしたエラストマーである。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などをハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルやポリカプロラクトンのようなポリエステル部分をソフトセグメントしたエラストマーである。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などをハードセグメントとし、ポリエーテルやポリエステル部分をソフトセグメントとしたエラストマーである。
これらエンプラ系熱可塑性エラストマーの中で、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体との相溶性改良効果が大きくなるので好ましい。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー は、一般に、ポリオール、ポリイソシアネート、および鎖延長剤から調製される。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールが挙げられる。
上記のポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体と低分子ポリオールとの縮合物;ε−カプロラクトンなどのラクトンモノマーの開環重合物などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタンジメタノール、ジメチルシクロオクタンジメタノールなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β―ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族二価アルコールなどが挙げられる。これらの低分子ポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルをそれぞれ単独重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。また、前記環状エーテルを共重合させて得られるコポリエーテルを使用することもできる。これらのポリエーテルポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示した低分子ポリオールとカーボネート化合物との反応物が挙げられる。カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。また、ポリカーボネートポリオールとしては、前記ポリカーボネートポリオールにラクトンを開環付加重合して得られるポリオールなども含まれる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDIと略記)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと略記)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDIと略記)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDIと略記)、トリジンジイソシネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIと略記)、イソホロンジイソシアネート(IPDIと略記)、キシリレンジイソシアネート(XDIと略記)、水添XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDIと略記)、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。
上記鎖延長剤としては、低分子量ポリオールが使用され、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリンなどの脂肪族ポリオール;1,4−ジメチロールベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物などの芳香族グリコールなどが挙げられる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの代表例として、市販されている商品としては(株)クラレ製のクラミロンU、協和発酵工業(株)製のエステン、大日精化工業(株)製のレザミン、大日本インキ化学工業(株)製のパンデックス、ダウ・ケミカル日本(株)製のペレセン、BASFジャパン(株)製のエラストラン、日本ポリウレタン工業(株)製のミラクトランなどが挙げられる。
本発明の(B)成分は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物単独、またはヒドロペルオキシ基含有過酸化物とヒドロペルオキシ基含有過酸化物より低い10時間半減期温度を有するラジカル発生剤とを組み合わせ用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体である。
本発明において使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、エチレンとα−オレフィンとを含む単量体混合物を共重合して得られる共重合体で、エチレン−α−オレフィンの二元共重合体およびエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンの三元共重合体が好ましい。
α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ジメチルオクテン−1、トリメチルヘプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエチルヘプテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコサン−1などの、炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらは単独または2種以上の組み合わせで使用される。α−オレフィンの中で、好ましいのはプロピレンである。
プロピレンを含む単量体混合物を共重合したエチレン−α−オレフィン系共重合体からは水酸基を効率よく導入した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が得られ、これを配合したエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物において、相溶性、耐水性の改良効果が高まる。
また、非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、2−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
これら非共役ジエンの中で好ましいのは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,9−デカジエンであり、特に好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
本発明において、エチレン−α−オレフィン系共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体が適している。これらのエチレン−α−オレフィン系共重合体を使用すると水酸基が効率よく導入された水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体が得られ、これを配合したエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物において、相溶性、耐水性の改良効果が高まる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン系共重合体中の各成分の使用割合は、特に限定されないが、各成分の重量分率(エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンの順に表示)が、0.2〜0.8/0.2〜0.8/0〜0.2であるエチレン−α−オレフィン系共重合体を使用すると、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いて変性する際に架橋反応や減成反応が起る割合が小さくなるので好ましい。非共役ジエンの割合が0.2を超える場合には、エチレン−α−オレフィン系共重合体における活性点が多くなり過ぎて架橋反応などの副反応が起き易くなる。またこの非共役ジエンの割合が0.2を越える組成の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンプラ系熱可塑性エラストマーに配合しても、相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる傾向にある。
本発明において使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、10〜250が好ましく、15〜200がより好ましい。ムーニー粘度が10未満の場合には、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を得る際、水酸基の導入効率が低下するおそれがあり、一方、250を超える場合には、架橋反応や減成反応が起り易くなる。何れの場合にも、得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を、エンプラ系熱可塑性エラストマーに配合しても相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる傾向にある。
エチレン−α−オレフィン系共重合体の代表例として、市販されている商品としては、JSR(株)製のJSR−EP、三井化学(株)製の三井EPT、住友化学工業(株)製のエスプレン、(株)デュポン・ダウ・エラストマーズ製のノーデルなどが挙げられる。
本発明において使用されるヒドロペルオキシ基含有過酸化物は化学構造式で表すと、分子中に−OOH基を有する過酸化物であり、例えば、過酸化水素;メチルエチルケトンペルオキシド(109℃、171℃)、シクロヘキサノンペルオキシド(97℃、174℃)、メチルシクロヘキサノンペルオキシドなどのケトンペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド(167℃、261℃)、t−アミルヒドロペルオキシド(164℃、258℃)、t−ヘキシルヒドロペルオキシド(160℃、251℃)、t−オクチルヒドロペルオキシド(153℃、247℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロペルオキシヘキサン(154℃、248℃)、クメンヒドロペルオキシド(158℃、254℃)、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド(145℃、233℃)、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド(154℃、253℃)、パラメンタンヒドロペルオキシド(128℃、200℃)、ピナンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド;過安息香酸、メタクロロ過安息香酸などの有機過酸などが挙げられる。
上記( )中に記載された2つの温度は、前者が10時間半減期温度で、後者が1分間半減期温度である。10時間半減期温度、1分間半減期温度は、それぞれ10時間、1分間で過酸化物初期濃度の半分の濃度になる温度であり、ベンゼンなどの希薄溶液中で実験し求めることができる。これら過酸化物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用される。
これらのヒドロペルオキシ基含有過酸化物の中で、ヒドロペルオキシドが好ましく、特にt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドは、エチレン−α−オレフィン系共重合体に対して分散ないし溶解し易く、水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を得る際、水酸基の導入効率が高くなる。この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合すると相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
本発明において、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量は、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量が0.1重量部未満の場合には、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体において水酸基の導入量が少なくなり、エンプラ系熱可塑性エラストマーへこれを配合したとき、相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる。一方、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の使用量が20重量部を超える場合には、エチレン−α−オレフィン系共重合体の架橋反応や減成反応が起こり、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合しても相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる。
上述のヒドロペルオキシ基含有過酸化物は、純品形態の他にトルエン、クメン、水などの溶媒や、シリカなどの不活性固体で希釈した状態で使用することができる。
本発明において、上述のヒドロペルオキシ基含有過酸化物と、そのヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度以下の10時間半減期温度を有するラジカル発生剤とを併用すると、変性する際の加熱温度を低く設定でき、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体の水酸基の導入効率を高くできる。この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合すると相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
このラジカル発生剤としては、好ましいのは10時間半減期温度が135℃以下および1分間半減期温度が195℃以下のラジカル発生剤、より好ましくは10時間半減期温度が30〜130℃および1分間半減期温度が90〜190℃のラジカル発生剤である。
10時間半減期温度が135℃以下および1分間半減期温度が195℃以下のラジカル発生剤の具体例としては、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド(124℃、186℃)、ジ−t−ヘキシルペルオキシド(116℃、177℃)、t−ブチルクミルペルオキシド(120℃、173℃)、ジクミルペルオキシド(116℃、175℃)、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(119℃、175℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(118℃、180℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(128℃、194℃)などのジアルキルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート(105℃、173℃)、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン(103℃、160℃)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(91℃、154℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(87℃、149℃)、1,1−ビス(t-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90℃、149℃)、1,1−ビス(t-ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(87℃、147℃)などのペルオキシケタール;t−ブチルペルオキシベンゾエート(104℃、167℃)、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート(99℃、160℃)、t−ブチルペルオキシアセテート(102℃、160℃)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トリルペルオキシ)ヘキサン(99℃、156℃)、t−ブチルペルオキシラウレート(98℃、159℃)、t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート(97℃、166℃)、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド(96℃、168℃)、t−ブチルペルオキシイソブチレート(77℃、136℃)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(72℃、134℃)、t−ブチルペルオキシピバレート(55℃、110℃)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(46℃、104℃)、クミルペルオキシネオデカノエート(37℃、94℃)などのペルオキシエステル;t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(99℃、161℃)、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(99℃、159℃)、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(95℃、155℃)などのペルオキシモノカーボネート;ベンゾイルペルオキシド(74℃、130℃)、4−メチルベンゾイルペルオキシド(71℃、128℃)、ラウロイルペルオキシド(62℃、116℃)、3,3,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド(59℃、113℃)などのジアシルペルオキシド;ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート(44℃、91℃)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(41℃、92℃)、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート(41℃、92℃)、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(41℃、88℃)などのペルオキシジカーボネート;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(64℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(52℃)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカーボニトリル)(88℃)、2−(t−ブチルアゾ)−2−メチルブタンニトリル(82℃)などのアゾ化合物が挙げられる。
上記( )内に記載された2つの温度は、前者が10時間半減期温度で、後者が1分間半減期温度である。但し、アゾ化合物については、10時間半減期温度のみ記載した。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用される。
これらラジカル発生剤の中では有機過酸化物が好ましく、特にラジカル発生効率(ラジカル中の有効に作用するラジカルの割合)が高く、かつ水素引抜き能の高い有機過酸化物がより好ましい。
好ましい有機過酸化物としては、例えばジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、4−メチルベンゾイルペルオキシド、ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートが挙げられる。
また、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物とラジカル発生剤との組合せの具体例として、t−ブチルヒドロペルオキシド/ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド/ジクミルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド/2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルヒドロペルオキシド/1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルヒドロペルオキシド/t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルヒドロペルオキシド/t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルヒドロペルオキシド/ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド/ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド/ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド/2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、クメンヒドロペルオキシド/1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、クメンヒドロペルオキシド/t−ブチルペルオキシベンゾエート、クメンヒドロペルオキシド/t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、クメンヒドロペルオキシド/ベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。
上述のラジカル発生剤の使用量は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対してラジカル発生官能基の基準で0.001〜1モルであり、好ましくは0.01〜0.8である。0.001モル未満の場合には、ラジカル発生剤を併用する効果が小さくなるおそれがある。一方、1モルを超えると、エチレン−α−オレフィン系共重合体の架橋反応や減成反応が起り、得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合しても相溶性、耐水性の改良効果が小さくなるおそれがある。
なお、ここでラジカル発生官能基とは、例えば、ラジカル発生剤が有機過酸化物の場合にはペルオキシ結合を示し、またアゾ化合物の場合にはアゾ結合を示す。
本発明において、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性する方法は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物が分解してラジカルを発生するような条件で行われ、加熱処理する方法、紫外線などの活性エネルギー線を照射する方法、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元剤を作用させる方法が挙げられる。
これらの中で、加熱処理する方法が好ましい。特に、エチレン−α−オレフィン系共重合体にヒドロペルオキシ基含有過酸化物、またはヒドロペルオキシ基含有過酸化物および該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度以下の10時間半減期温度を有するラジカル発生剤を組合せ添加し、加熱処理する方法は、エチレン−α−オレフィン系共重合体への水酸基の導入効率が高くなり、この水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合すると相溶性、耐水性に優れたエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物が得られるので好ましい。
各成分を添加する方法は、特に限定されず、公知の全ての手段を適用できる。その具体例としては、例えば、ヘンシェルミキサーのような物理的に混合する装置を使用する手段や、溶媒、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロメタン、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素を使用して溶液状態にする手段や、一軸あるいは二軸押出機、ロール、ニーダー、ニーダールーダー、バンバリーミキサーなどを用いて混練する手段が挙げられる。
これらの中では、経済性、均一混合性、および溶媒への水酸基導入反応などの溶媒が関与する副反応を回避できる点から、混練して混合物を調製する方法が好ましい。
加熱する手段は特に限定されないが、例えば、加熱プレスを利用する手段が挙げられる。
また、混練装置を利用する場合には、混練する手段と加熱する手段とを組み合わせることもできる。なお、その際、加熱する時期としては混練と加熱を同時に行なう場合や、混練後に加熱する場合など、適宜行うことが可能である。また、混練時に十分なせん断熱が発生する場合は、その熱を加熱手段として利用することもできる。
ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を単独使用する場合における加熱時の温度範囲は、使用するヒドロペルオキシ基含有過酸化物の種類に依存し、通常ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度からヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度の間である。ただし、300℃を越えるとエチレン−α−オレフィン系共重合体の分解が起こる可能性があるので加熱時の温度は300℃以下が好ましく、より好ましい温度範囲は、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物が効率よく分解し、かつエチレン−α−オレフィン系共重合体の流動性が高まり、水酸基導入反応が効率よく進行する140〜250℃の温度範囲である。
加熱時の温度がヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度より低い場合には、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の分解速度が遅いため、水酸基の導入効率が低くなるおそれがあり、一方、加熱時の温度がヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度を越える場合にはヒドロペルオキシ基含有過酸化物が急激に分解するため、同様に水酸基の導入効率が低くなるおそれがある。
何れの場合にも、得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合しても相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる。
また、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物と前記ラジカル発生剤とを併用する場合における加熱時の温度範囲は、使用するヒドロペルオキシ基含有過酸化物およびラジカル発生剤の種類に依存し、通常ラジカル発生剤の10時間半減期温度からヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度の間である。
好ましい温度範囲は、ラジカル発生剤の10時間半減期温度からヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度よりも10℃低い温度の間である。
加熱時の温度が、ラジカル発生剤の10時間半減期温度より低いときにはラジカル発生剤のラジカル発生速度が遅いため、エチレン−α−オレフィン系共重合体への水酸基の導入効率が低くなるおそれがあり、また、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度を越える場合にはラジカル発生剤が急激に分解するため、同様に水酸基の導入効率が低くなるおそれがある。何れの場合にも、得られた水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体をエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物に配合しても相溶性、耐水性の改良効果が小さくなる。
本発明の水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体は、1kgあたり、0.001〜1モルの水酸基を有するものが好ましく、0.005〜1モルがより好ましく、特に0.01〜0.5モルを有するものがエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合したとき、相溶性、耐水性の改良効果が高くなるので好ましい。また、粘度はムーニー粘度(ML1+4、100℃)で10〜250が好ましく、15〜200がより好ましく、特に20〜100がエンプラ系熱可塑性エラストマーに配合したとき、相溶性、耐水性の改良効果が高くなるので好ましい。
本発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物の製造は、上記A成分とB成分からなるが、例えば、温度100〜350℃、好ましくは120〜300℃でA成分及びB成分を溶融・混合することによって行われる。上記温度が100℃未満の場合、溶融が不完全であったり、また溶融粘度が高いため、混合が不充分となって成形物に相分離や層状剥離が現れるため好ましくない。また350℃を超えると、混合される成分の分解もしくはゲル化が起こり易い。
溶融・混合する方法としては、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの通常用いられる混練機により行うことができる。
なお、本発明においては、エンプラ系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、150重量部未満の無機充填剤を配合してもかまわない。
上記無機充填剤としては、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状、中空状、繊維状などのいずれの充填剤も使用できる。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉粒状充填剤;雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレーク、黒鉛などの平板状もしくは鱗板状充填剤;シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石などの中空状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコーンカーバイト繊維、アスベスト、ウオストナイトなどの繊維状充填剤などの例を挙げることができる。
この無機充填剤の配合量が150重量部を越えると柔軟性が低下するので好ましくない。また、該無機充填剤の表面は、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸またはそれらの金属塩;パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物;有機シラン;有機ボラン;有機チタネ−トなどを使用して表面処理を施してもよい。
更に本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種エラストマーや熱可塑性樹脂、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃化剤、有機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、核剤、発泡剤からなる群から選択される少なくとも1種以上を含有させることができる。
エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;前述のエチレン−α−オレフィン系共重合体;スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエンゴム;ポリイソブチレンゴムなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などのポリオレフィン系樹脂;AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂などのスチレン系樹脂;MMA樹脂を初めとするアクリル系樹脂;塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂;ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸エステル;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル;リン酸トリブチルなどのリン酸エステル;パラフィン系オイル、芳香族系オイル、ナフテン系オイルなどのプロセスオイルなどが挙げられる。
滑剤としては、流動パラフィンなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤;ステアリン酸ブチルなどのエステル系滑剤;ステアリルアルコールなどのアルコール系滑剤、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸系滑剤などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系酸化防止剤;フェニルβ−ナフチルアミン−α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、フェニルサリチラートなどのサリチル酸系安定剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系安定剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系安定剤などが挙げられる。
難燃剤としては、塩素化パラフィン、テトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン系難燃剤、およびそれらと三酸化アンチモンの併用;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤などが挙げられる。
有機充填剤としては木粉などが挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。
帯電防止剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレートなどのエステル類;硫酸ラウリルソーダ、クロロスルホン酸ラウリルなどの硫酸化物;リン酸モノオレイル、リン酸ジオレイルなどのリン酸化物;N,N−ジメチル−酢酸ソーダオレイン酸アミドなどのアミド類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩;ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシベタイン、ラウリルジメチルスルホベタインなどのベタイン類;ポリエチレングリコール型非イオン帯電防止剤などが挙げられる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸塩などを挙げることができる。
核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩;メチレンビス(2,4−ジ−t-ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩;タルク、フタロシニン誘導体などが挙げられる。
発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
このような無機充填剤、各種エラストマー、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃化剤、有機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、核剤、発泡剤などは、本発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物の混練時に同時に配合することができる。
本発明のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、カレンダー成形などにより、ホース・チューブ、シート・フィルム、自動車・工業部品、スポーツ・レジャー用品などの実用上有用な成形品に加工することができる。
次に、実施例および比較例を挙げて、この発明をさらに具体的に説明する。なお、各例中の部、%は特に断らない限り重量部および重量%を示す。また、各例中の略号は以下の化合物を示す。
CHP:クメンヒドロペルオキシド(日本油脂(株)製、商品名:パークミルH−80、純度:80%、10時間半減期温度:158℃、1分間半減期温度:254℃)
TBHP:t−ブチルヒドロペルオキシド(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルH−69、純度:69%、10時間半減期温度:167℃、1分間半減期温度:261℃)
HC:1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキサC、純度:70%、10時間半減期温度:91℃、1分間半減期温度:154℃)
EPDM:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(JSR(株)製、商品名:JSR EP21、ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38)
TPU:ポリウレタン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製、商品名:クラミロンU9180)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
また、物性評価は次の方法で行った。
(1)ムーニー粘度:JIS K 6300−1によりムーニー粘度(ML1+4、100℃)を求めた。
(2)水酸基導入量:加熱フラスコ中にキシレン20ミリリットル、測定対象ポリマー0.5g、無水酢酸0.4g、ジメチルアミノピリジン0.2gを入れた後、攪拌下、約30分間、加熱還流させることによりサンプルの溶解およびアセチル化処理を行った。
次に、そのキシレン溶液を多量のメタノール中に入れてポリマーを再沈殿させた。再沈殿したポリマーを再び熱キシレン中に溶解後、多量のメタノール中に投じて再沈殿させた。再沈殿ポリマーを乾燥した後、フィルム化して、赤外吸収スペクトル(IR)を測定した。水酸基がエステル化されたことに由来する1740cm−1の吸収強度を定量することにより、ポリマーに対する水酸基導入量(mol/kg)を求めた。
(3)分散粒子径:走査型電子顕微鏡(JEOL JSM T300、日本電子(株)製)により、シクロヘキサンにてエッチング処理を行ってから観察し、分散粒子径(μm)を求めた。なお、数値が小さいほど組成物の相溶性が優れることを示す。
(4)引張強度:JIS K6251に準拠して、3号ダンベル状の試験片を作成して測定し、引張強度(MPa)を求めた。なお、数値が大きいほど強度に優れることを示す。
(5)引張強度保持率:上記引張強度測定用の試験片を80℃の温水に7日間浸漬した後、上記方法に準拠して引張強度を測定し、式(引張強度保持率(%)=(温水浸漬後の引張強度/温水浸漬前の引張強度)×100)から引張強度保持率(%)を求めた。なお、ここで数値が大きいほど耐水性に優れることを示す。
参考例1(変性EPDM−1の製造)
200℃に予熱した加圧型ニーダー(モリヤマ(株)、容量3.5リットル)にEPDM100部を入れた後、混練しながらCHP3.8部を添加し、樹脂温度が180℃に達するまで混練を継続した。次いで、混練物をシリンダー温度180℃に設定された押出機に供給した。押出物を水で冷却しペレット化した後、乾燥することにより水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−1と略記)を製造した。
次に、上記変性EPDM−1について、ムーニー粘度および水酸基導入量を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0004645072
参考例2(変性EPDM−2の製造)
参考例1においてCHP3.8部の代わりにTBHP2.6部を使用した他は、参考例1に準じて実施し、水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−2と略記)を製造し、ムーニー粘度および水酸基導入量を測定した。その結果を表1に示す。
参考例3(変性EPDM−3の製造)
参考例1においてCHP3.8部の代わりにCHP1.9部を使用した他は、参考例1に準じて実施し、水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−3と略記)を製造し、ムーニー粘度および水酸基導入量を測定した。その結果を表1に示す。
参考例4(変性EPDM−4の製造)
150℃に予熱した加圧型ニーダー(モリヤマ(株)、容量3.5リットル)にEPDM100部を入れた後、混練しながらCHP3.8部とHC0.5部(CHPに対するHCの添加モル比はラジカル発生官能基基準で0.13)を添加し、樹脂温度が150℃に達するまで混練を継続した。次いで、混練物をシリンダー温度180℃に設定された押出機に供給した。押出物を水で冷却しペレット化した後、乾燥することにより水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−4と略記)を製造し、ムーニー粘度および水酸基導入量を測定した。その結果を表1に示す。
参考例5(変性EPDM−Cの製造)
参考例4においてCHP3.8部の代わりに水酸基を有するビニル系単量体であるHEMAをCHPと同じ添加モルに相当する2.6部使用した他は参考例4に準じて実施し、水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(以下、変性EPDM−Cと略記)を製造し、ムーニー粘度および水酸基導入量を測定した。その結果を表1に示す。
なお、水酸基導入量は、アセチル化処理工程は省略し、HEMAグラフトに由来する1725cm−1(IR)の吸収強度を定量することにより求めた。
表1の結果より、ビニル単量体(HEMA)を使用する方法は、架橋反応などの副反応が起こるため、ムーニー粘度が上昇し、水酸基の導入効率が低いことが明らかとなった。
実施例1
TPU70部および参考例1で得た変性EPDM−1(30部)をバンバリーミキサーを用いて、回転数100rpm、170℃の条件で10分間混練した。混練物を180℃でプレス成形して平板状の試験片(2mm厚)を作成し、分散粒子径、引張強度および引張強度保持率に関する物性評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004645072
実施例2〜6
実施例1において水酸基変性エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の種類と配合量を表2の通りに代えた他は、実施例1に準じて実施し、分散粒子径、引張強度および引張強度保持率に関する物性評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において変性EPDM−1の代わりに未変性のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(EPDM)を使用した他は、実施例1に準じて実施し、分散粒子径、引張強度および引張強度保持率に関する物性評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
実施例1において変性EPDM−1の代わりに参考例5で得た変性EPDM−Cを使用した他は、実施例1に準じて実施し、分散粒子径、引張強度および引張強度保持率に関する物性評価を行った。その結果を表2に示す。
表2の結果より、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いて変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した本発明の組成物(実施例1〜6)は、未変性のエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した組成物(比較例1)やビニル単量体を使用して変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体を配合した組成物(比較例2)との比較から明らかなように、本発明の組成物は分散粒子径がより小さくなり、そして相溶性に優れることがわかった。また、引張強度保持率が高い値を示しており、耐水性に優れることがわかった。
表1に示したように、本発明の組成物に配合される水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体は、変性に使用した原料のエチレン−α−オレフィン系共重合体とムーニー粘度がほとんど変わらないことがわかる。すなわち、原料のエチレン−α−オレフィン系共重合体の物性を保持した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体である。
一方、比較例2の組成物に配合されるビニル単量体を使用して変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体は、原料のエチレン−α−オレフィン系共重合体に比べムーニー粘度が著しく上昇していることがわかる。すなわち、架橋反応により原料のエチレン−α−オレフィン系共重合体の物性が損なわれていることがわかる。従って、表2に示した実施例5と比較例2との比較から明らかなように、水酸基導入量が同じである水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体を同量配合しても、本発明の組成物の方が相溶性、耐水性が優れることがわかった。

Claims (4)

  1. エンプラ系熱可塑性エラストマー(A)50〜99重量%と、ヒドロペルオキシ基含有過酸化物を用いてエチレン−α−オレフィン系共重合体を変性した水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)1〜50重量%とからなるエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対してヒドロペルオキシ基含有過酸化物を0.1〜20重量部の割合で用いて、該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の10時間半減期温度から1分間半減期温度の間で加熱して得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系重合体である請求項1に記載のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が、エチレン−α−オレフィン系共重合体100重量部に対してヒドロペルオキシ基含有過酸化物を0.1〜20重量部の割合で用い、さらにラジカル発生官能基の基準で該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物のヒドロペルオキシ基1モルに対して該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物より低い10時間半減期温度を有するラジカル発生剤を0.001〜1モルの範囲で用いて、該ラジカル発生剤の10時間半減期温度から該ヒドロペルオキシ基含有過酸化物の1分間半減期温度の間で加熱して得られる水酸基変性エチレン−α−オレフィン系重合体である請求項1に記載のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 水酸基変性エチレン−α−オレフィン系共重合体(B)が1kgあたり0.001〜1モルの水酸基を有し、かつそのムーニー粘度(ML1+4、100℃)が10〜250である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンプラ系熱可塑性エラストマー組成物。
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