JP2000103909A - エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents

エラストマー組成物の製造方法

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JP2000103909A
JP2000103909A JP10275592A JP27559298A JP2000103909A JP 2000103909 A JP2000103909 A JP 2000103909A JP 10275592 A JP10275592 A JP 10275592A JP 27559298 A JP27559298 A JP 27559298A JP 2000103909 A JP2000103909 A JP 2000103909A
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Japan
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elastomer composition
melt
temperature
elastomer
producing
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English (en)
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Hajime Nishihara
一 西原
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的特性を有するオレフィン系エラ
ストマー組成物の製造方法の提供。 【解決手段】 (A)架橋性エラストマー、(B)熱可
塑性樹脂、及び(C)ラジカル開始剤とからなる部分的
または完全に動的架橋されたエラストマー組成物の製造
方法において、以下に定義する溶融温度T2(℃)で、
まず溶融混練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練
することを特徴とするエラストマー組成物の製造方法。 T1:(C)の1分間半減期温度(℃) T1ー100<T2<T1+40 T2+1<T3<T2+200

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー組成
物の製造方法に関するものである。更に詳しくは、機械
的強度に優れたエラストマー組成物の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性エラストマーとPP等の
ラジカル架橋性のない樹脂とをラジカル開始剤の存在
下、押出機中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる
動的架橋による熱可塑性エラストマー組成物は、既に公
知の技術であり、自動車部品等の用途に広く使用されて
いる。
【0003】このようなエラストマーとして、エチレン
−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)またはメタロセ
ン触媒により製造されたオレフィン系エラストマー(特
開平8−120127号公報、特開平9−137001
号公報)が知られている。しかしながら、上記組成物は
機械的強度が必ずしも充分でなく、実用的使用に耐える
エラストマー組成物の製造方法の開発が求められてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち機械的特
性に優れたエラストマー組成物の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は機械的強度
に優れたエラストマー組成物の製造方法を鋭意検討した
結果、特定のラジカル開始剤を用いて特定の温度勾配で
溶融混練することにより、驚くべきことに機械的強度が
飛躍的に向上する事を見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、(A)架橋性エラストマ
ー、(B)熱可塑性樹脂、及び(C)ラジカル開始剤と
からなる部分的または完全に動的架橋されたエラストマ
ー組成物の製造方法において、以下に定義する溶融温度
2(℃)で、まず溶融混練し、次いで溶融温度T
3(℃)で溶融混練することを特徴とするエラストマー
組成物の製造方法を提供するものである。
【0007】T1:(C)の1分間半減期温度(℃) T1ー100<T2<T1+40 T2+1<T3<T2+200 以下、本発明に関して詳しく述べる。本発明の組成物の
製造方法は、(A)架橋性エラストマー、(B)熱可塑
性樹脂、及び(C)ラジカル開始剤を用いて、特定の温
度勾配で溶融混練することにより得られるエラストマー
組成物の製造方法である。
【0008】ここで、まず(C)の1分間半減期温度T
1を用いて、T1ー100<T2<T1+40を満足するT
2で溶融混練することが重要である。T2がT1+40以
上では(C)が初期に多量に分解するために架橋反応が
継続されず、一方、T2がT1ー100以下では(C)の
分解速度が低下し、架橋反応が進行しない。 次いで、
2+1<T3<T2+200を満足するT3で溶融混練す
ることが必須である。T3がT2+200以上ではエラス
トマーが分解し機械的強度が低下し、一方、T 3がT2
1以下では架橋反応が完結しないために同様に機械的強
度が低下する。
【0009】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において、(A)架橋性エラストマーは、
例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエス
テル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、
ポリ塩化ビニル系等であり、特にポリオレフィン系熱可
塑性エラストマ−が好ましい。
【0010】前記(A)ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマ−の中でも特にエチレン・αーオレフィン共重合
体ゴムが好ましく、例えばエチレンおよび炭素数が3〜
20のα−オレフィンからなるエチレン・αーオレフィ
ン共重合体ゴムが挙げられる。上記炭素数3〜20のα
−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテンー
1、ペンテンー1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられ
る。中でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オ
クテン−1が好ましく、特に好ましくはオクテン−1で
ある。オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、
得られた共重合体は機械的強度に優れている。
【0011】本発明にて好適に用いられるポリオレフィ
ン系エラストマーは、公知のメタロセン系触媒またはチ
ーグラー系触媒により製造することが好ましく、特にメ
タロセン系触媒により製造することが更に好ましい。一
般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等の
IV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒から
なり、重合触媒として高活性であるだけでなく、チーグ
ラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が
狭く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜20の
α−オレフィンの分布が均一である。その為にメタロセ
ン系触媒法で得られた重合体の方が架橋が均一であり、
優れたゴム弾性を示す。
【0012】本発明にて好適に用いられる(A)ポリオ
レフィン系エラストマーは、α−オレフィンの共重合比
率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好まし
くは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量
%である。α−オレフィンの共重合比率が50重量%を
越えると、組成物の硬度、引張強度等の低下が大きく、
一方1重量%未満では組成物の硬度が高く、機械的強度
が低下傾向にある。
【0013】(A)の密度は、0.8〜0.9g/cm
3 の範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有す
るポリオレフィン系エラストマーを用いることにより、
柔軟性に優れ、硬度の低い熱可塑性エラストマー組成物
を得ることができる。本発明にて用いられるポリオレフ
ィン系エラストマーは、長鎖分岐を有していることが望
ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落と
さずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重量
%)に比して、密度をより小さくすることが可能とな
り、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ること
ができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマー
としては、USP5278272等に記載されている。
【0014】また、ポリオレフィン系エラストマーは、
室温以上にDSCの融点ピークを有することが望まし
い。この融点ピークを有するとき、融点以下の温度範囲
では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツキも
少ない。また、本発明にて用いられるポリオレフィン系
エラストマーのメルトインデックスは、0.01〜10
0g/10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲の
ものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜20
g/10分である。100g/10分を越えると、熱可
塑性エラストマー組成物の架橋性が不十分であり、また
0.01g/10分より小さいと流動性が悪く、加工性
が低下して望ましくない。
【0015】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明において(B)熱可塑性樹脂は、(A)と相溶もし
くは均一分散し得るものであればとくに制限はない。た
とえば、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、
ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、
ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカ
ーボネート系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは
二種以上を混合したものを使用することができる。特に
熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹脂等のオレフィン系
樹脂が好ましい。
【0016】本発明で最も好適に使用されるプロピレン
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。これらの樹脂から選ばれる少なく
とも1種以上の(B)熱可塑性樹脂が、(A)と(B)
の合計100重量部中、1〜99重量部の組成比で用い
られる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは2
0〜80重量部、最も好ましくは20〜70重量部であ
る。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下
し、99重量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であ
り、望ましくない。
【0017】また、本発明にて用いられるプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10
分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ま
しく用いられる。100g/10分を越えると、熱可塑
性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不十分で
あり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪
く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0018】本発明において、(C)ラジカル開始剤
は、(A)の動的架橋を行うためのラジカル発生剤であ
り、例えば有機過酸化物または有機アゾ化合物等が好ま
しい。これにより耐摩耗性や機械的強度、耐熱性等を向
上させることが可能となる。ここで、好ましく使用され
る上記有機過酸化物は、1分間半減期温度T1が100
〜250℃であることが好ましく、150〜200℃で
あることがより好ましい。またペンタデカン分子中の水
素引き抜き能から算出される架橋効率εが20〜60で
あることが好ましく、30〜50であることがより好ま
しい。
【0019】このような有機過酸化物の具体的な例とし
て、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−
ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール
類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−
ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベン
ゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソ
プロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオ
イルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t
−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパ
ーオキシエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドお
よび1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイ
ド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることができ
る。
【0020】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましい。
【0021】これらのラジカル開始剤は、(A)と
(B)からなる組成物100重量部に対し好ましくは
0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜2重量
部の量で用いられる。本発明において、更に架橋効率を
向上させるために(D)架橋助剤を用いることができ
る。例えば架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダ
イアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシ
ム、P,P'−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニ
ルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N'−m−
フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テト
ラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好
ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併
用して用いてもよい。
【0022】これらの架橋助剤は、(A)と(B)から
なる組成物100重量部に対し好ましくは0.01〜5
重量部、より好ましくは0.5〜2重量部の量で用いら
れる。本発明において、加工性の向上のために必要に応
じて、(E)軟化剤を配合することができる。
【0023】上記(E)は、パラフィン系、ナフテン系
などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の硬
度、柔軟性の調整用に、(A)と(B)からなる組成物
100重量部に対し好ましくは5〜500重量部、より
好ましくは10〜150重量部用いる。5重量部未満で
は柔軟性、加工性が不足傾向にあり、500重量部を越
えるとオイルのブリードが顕著となり望ましくない。
【0024】また、本発明において、その特徴を損ねな
い程度に他の樹脂、エラストマー、無機フィラーおよび
可塑剤を含有することが可能である。ここで用いる無機
フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊維、酸
化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、可塑剤
としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジオクチ
ルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル等が挙げ
られる。また、その他の添加剤、例えば、有機・無機顔
料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡
剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0025】本発明の製造方法は、通常の樹脂組成物、
エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリーミキ
サー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の一般的
な方法を採用することが可能である。とりわけ効率的に
動的架橋を達成するためには2軸押出機が好ましく用い
られる。2軸押出機は、オレフィン系エラストマーとプ
ロピレン系樹脂とを均一かつ微細に分散させ、さらに他
の成分を添加させて、架橋反応を生じせしめ、本発明の
組成物を連続的に製造するのに、より適している。
【0026】本発明の製造方法は、具体例として、次の
ような加工工程を経由する。すなわち、(A)オレフィ
ン系エラストマーと(B)プロピレン系樹脂とをよく混
合し、押出機のホッパーに投入する。ラジカル開始剤、
架橋助剤は、オレフィン系エラストマーとプロピレン系
樹脂とともに当初から添加してもよいし、押出機の途中
から添加してもよい。またオイルは押出機の途中から添
加してもよいし、当初と途中とに分けて添加してもよ
い。オレフィン系エラストマーとプロピレン系樹脂は一
部を押出機の途中から添加してもよい。押出機内で加熱
溶融し混練される際に、前記エラストマーとラジカル開
始剤および架橋助剤とが架橋反応し、さらにオイル等を
添加して溶融混練することにより架橋反応と混練分散と
を充分させたのち押出機から取り出す。この際に上記に
定義する溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練し、次い
で溶融温度T3(℃)で溶融混練する。そして、ペレタ
イズして本発明の熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを得ることができる。その際に本発明の要件の溶融温
度で製造することが重要である。
【0027】特に好ましい製造法としては、原料添加口
を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL/Dが5
から100(但しDはバレル直径)である二軸押出機を
用いる場合であり、まず二軸押出機の前段、即ち、原料
添加口から0.1L〜0.5Lの長さの押出機ゾーンを溶
融温度T2(℃)で溶融混練し、次いでその後の押出機
ゾーンを溶融温度T3(℃)で溶融混練することが好ま
しい。その際にT1またはT2は均一温度であっても良い
し、または温度勾配を有していても良い。
【0028】こうして得られたオレフィン系エラストマ
ー組成物は任意の成形方法で各種成型品の製造が可能で
ある。射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カ
レンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これら実施例および比較例にお
いて、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りであ
る。 (1)1分間半減期温度 有機過酸化物の1分間半減期温度は、有機過酸化物が分
解して、1分間でその活性酸素量が1/2になる温度で
ある。具体的には0.1mol/l濃度の有機過酸化物ベンゼ
ン溶液を調整し、窒素置換を行ったガラス管中に密封し
た後に、所定温度に設定された恒温槽で熱分解試験を行
う。次いで、所定温度を変化させて温度と時間のアレニ
ウスプロットを行い、通常の解析手法に従って1分間半
減期温度を算出する。 (2)架橋効率ε nーペンタデカン中に一定量の有機過酸化物を加熱下に
加えると、ラジカルが発生し、これがペンタデカン分子
中の水素を引き抜き、ペンタデシルラジカルとなる。次
いで、このペンタデシルラジカルが再結合(架橋反応)
し、2量体となる。このようにして得られた2量体の量
から初期の有機過酸化物1モルに対する2量体量を算出
し、架橋効率εを得る。
【0030】具体的には、nーペンタデカン100リッター
に対して有機過酸化物を0.07〜0.11モルをアンプ
ルに注入しヘリウムガスで置換密閉する。次いで、有機
過酸化物の半減期温度が900秒になる温度で150分
間加熱し、完全に分解させる。そして室温まで冷却し、
ガスクロマトグラフィでnーペンタデカン2量体を定量
することにより架橋効率εを求める。 (3)架橋度 組成物の重量W0を、オルトジクロロベンゼン200m
l中で20時間リフラックスさせ、溶液をフィルターで
濾過し、100℃で真空乾燥後、重量(W1)を測定す
る。このようにして、架橋度は以下のように算出され
る。
【0031】架橋度=W1/W0 (4)引張破断強度[kgf/cm2] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (5)引張破断伸度[%] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (6)圧縮永久歪み(C−Set)[%] 成形品を圧縮成形してシートを作製し、JIS K63
01に準じ、70℃×22時間にて、耐久性の指標とし
て評価した。数値が小さいほど耐久性に優れる。
【0032】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)エチレン・αーオレフィン共重合体 エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−1) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテンー1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPEー1と称する) エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテンー1の組成比は、72/2
8(重量比)である。(TPEー2と称する) エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体(TPE−3) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である。(TPEー3と称する) (ロ)オレフィン系樹脂 ポリプロピレン 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する) (ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する) (ニ)ラジカル開始剤 日本油脂(株)製、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ
25B)(POXー1と称する) 日本油脂(株)製、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシンー3(商品名パーヘ
キシン25B)(POXー2と称する) (ホ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)
【0033】
【実施例1】押出機として、バレル中央部に注入口を有
した二軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用い
た。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した
2条スクリューを用いた。 (A)〔TPE−1またはー2、ー3〕/PP/(C)
〔POXー1またはー2〕/DVB/MO=65/35
/0.5/1.0/45(重量部)からなる組成物におい
て、MO以外の成分をまず2軸押出機に導入し、引き続
き、押出機の中央部にある注入口よりMO全量をポンプ
により注入し、表1記載の溶融条件で溶融押出を行っ
た。ここで、二軸押出機の溶融温度は2ゾーンからな
り、前段、即ち、原料添加口から0.5Lの長さの押出
機ゾーンを溶融温度T2(℃)で溶融混練し、次いでそ
の後の押出機ゾーンを溶融温度T3(℃)で溶融混練す
る。
【0034】このようにして得られたエラストマー組成
物から200℃にて圧縮成形により2mm厚のシートを
作成し、各機械的特性を評価した。その結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1によると、本願の要件の溶融条件で製
造することにより、ラジカル開始剤が有効に活用される
ために、架橋度が向上し、卓越した機械的特性が発現す
ることが分かる。また、特に(A)として、メタロセン
系触媒を用いて製造された、エチレンとオクテン−1と
の共重合体は卓越した機械的強度を付与する事が分か
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られたオレフィン
系エラストマー組成物は、優れた機械的物性を有し、自
動車用部品、自動車用内装材、エアバッグカバー、機械
部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑
貨、日用品、建材、シート、フィルム等を始めとする用
途に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA13 AA15 AA16 AA18 AA22 AA32 AA47 AA50 AA52 AA53 AA54 AA58 AC45 AC56 AE08 GA05 GA07 GA08 GB02 GB10 4F207 AA03 AA11 AA13 AA15 AA29 AB03 AB04 AG01 AH17 AH33 AH46 AH71 KA01 KA17 KF01 KK13 KL15 4J002 BB00X BB05W BB13X BB14X BB15W BC02X BD03X BG05X CF00X CG00X CH07X CL00X CN01X EK006 EK016 EK026 EK036 EK046 EK056 FD156 GC00 GL00 GM00 GM01 GN00 GQ00 GQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性エラストマー、(B)熱可
    塑性樹脂、及び(C)ラジカル開始剤とからなる部分的
    または完全に動的架橋されたエラストマー組成物の製造
    方法において、以下に定義する溶融温度T2(℃)で、
    まず溶融混練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練
    することを特徴とするエラストマー組成物の製造方法。 T1:(C)の1分間半減期温度(℃) T1ー100<T2<T1+40 T2+1<T3<T2+200
  2. 【請求項2】 原料添加口を基点としてダイ方向に長さ
    Lを有する溶融押出機において、原料添加口から0.1
    L〜0.5Lの長さの押出機ゾーンを溶融温度T2(℃)
    で、まず溶融混練し、次いでその後の押出機ゾーンを溶
    融温度T3(℃)で溶融混練することを特徴とする請求
    項1記載のエラストマー組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)がエチレンと炭素数3〜20のα
    −オレフィンからなるエチレン・αーオレフィン共重合
    体であり、(B)がオレフィン系樹脂である請求項1ま
    たは2記載のエラストマー組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 (C)のT1が150〜250℃であ
    り、架橋効率εが20〜60である請求項1〜3のいず
    れか記載のエラストマー組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310963A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Nitto Denko Corp Epdmゴム系混和物およびその発泡体
JP2011021146A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP4758588B2 (ja) * 2000-02-28 2011-08-31 旭化成ケミカルズ株式会社 架橋オレフィン系ゴム組成物
JP2015101062A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 古河電気工業株式会社 ゴム成形品の製造方法、該製造方法で得られてなるゴム成形品および電力ケーブルの接続部品

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