JP5543440B2 - 有機発光素子用インク、有機発光素子の製造方法、有機表示パネル、有機表示装置、有機発光装置、インク、機能層の形成方法、および有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子用インク、有機発光素子の製造方法、有機表示パネル、有機表示装置、有機発光装置、インク、機能層の形成方法、および有機発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、有機発光素子用インク、有機発光素子の製造方法、有機表示パネル、有機表示装置、有機発光装置、インク、機能層の形成方法、および有機発光素子に関する。
近年、研究・開発が進んでいる有機発光素子は、機能性材料の電界発光現象を利用した発光素子であって、陽極と陰極との間に機能性材料で構成された機能層が介挿された構造を有する。このような有機発光素子の製造プロセスでは、マスクを用いた蒸着方式により基板上に機能性材料を蒸着させて機能層を形成することが行われている。
また、上記した蒸着方式とは別の方式として、機能性材料を溶媒に溶かしてインクとし、そのインクをインクジェット装置から吐出させることで基板上にインクを塗布し、塗布後はインクから溶媒を揮発させて機能層を形成する塗布方式が提案されている(特許文献1)。
特開2009−267299号公報
ところで、上記インク塗布方式において、発光特性の良好な有機発光素子を得るためには、均一な膜厚の機能層を形成することが望まれる。そのため、各画素領域に均等量のインクを充填することが好ましく、インクジェット装置から高い着弾精度でインクを吐出可能な吐出性の良いインクが求められている。また、均等量のインクを充填できたとしても、機能層の上面が平坦でなければ均一な膜厚は得られづらいため、平坦性の良いインクも求められている。
しかしながら、インクの吐出性と平坦性とは相反する特性であり、吐出性を良くするためにはインクとして低粘度が求められる一方で、平坦性を良くするためにはインクとして高粘度が求められる。現在のところ、吐出性と平坦性の両方が良好なインクは実現化に至ってはいない。
本発明は、上記の課題に鑑み、吐出性と平坦性の両方が良好な有機発光素子用インクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、有機発光素子の機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒とを含む、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、所定の粘度を有する第2溶媒と、第2溶媒を低粘度化させる作用を有する第3溶媒とを含む構成であって、第3溶媒が蒸発する迄は当該第3溶媒によって第2溶媒が所定の粘度よりも低粘度化されているためインクは低粘度を維持しているが、第3溶媒が蒸発した後は第2溶媒が本来の粘度に戻るためインクは高粘度になる。したがって、例えば、インクがインクジェット装置から吐出される迄は、第3溶媒の蒸発を抑えてインクを低粘度に維持し吐出性を良くすることができ、インクがインクジェット装置から吐出された後は、第3溶媒を蒸発させインクの高粘度にして平坦性を良くすることができる。
インクの粘度と吐出角度θとの関係を示す図である。 インクの粘度が吐出角度θに及ぼす影響を説明するための図である。 インクの粘度と機能層上面の平坦率との関係を示す図である。 平坦率の算出方法を説明するための図である。 インクの粘度が平坦率に及ぼす影響を説明するための図である。 インク粘度が吐出性および平坦性に及ぼす影響をまとめた図である。 本発明の一態様に係るインクの組成を示す概念図である。 溶媒の粘度を示す図である。 ジエステル骨格を有する溶媒の粘度について説明するための図である。 溶媒の混合率が粘度に与える影響を示す図である。 溶媒の沸点が吐出性および平坦性に及ぼす影響をまとめた図である。 インクの組成の好ましい条件を説明するための図である。 機能性材料の濃度と機能層の膜厚との関係を示す図である。 機能性材料の濃度とインク粘度との関係を示す図である。 本発明の一態様に係る有機表示パネルの各層の積層状態を示す模式図である。 本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の一態様に係る表示装置の全体構成を示す図である。 本発明の一態様に係る表示装置を用いたテレビシステムを示す斜視図である。 本発明の一態様に係る有機発光装置を示す図である。
以下、本発明の一態様に係る有機発光素子用インク、有機発光素子の製造方法、有機表示パネル、有機表示装置、有機発光装置、インク、機能層の形成方法、および有機発光素子について、図面を参照しながら説明する。
[本発明の一態様の概要]
本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、有機発光素子の機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒とを含む、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、雰囲気環境に応じ、前記第1溶媒、前記第2溶媒および前記第3溶媒を含む第1状態から、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒および第2溶媒を含む第2状態となり、前記第3溶媒に引き続き前記第2溶媒が蒸発し、前記第1溶媒を含む第3状態となる。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上13mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、20mPa・s以上200mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、30mPa・s以上200mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する前記第2溶媒の混合率は30mol%以上70mol%以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒は、フェノキシトルエンであり、前記第2溶媒は、ジメチルフタレートであり、前記第3溶媒は、1−ノナノールであり、前記機能性材料は、F8−F6である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒の沸点は、260℃以上350℃以下であり、前記第2溶媒の沸点は、280℃以上350℃以下であり、前記第3溶媒の沸点は、80℃以上250℃以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、有機発光素子の機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを含む、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、第2溶媒を構成する分子の一部は水素結合可能であって、第3溶媒を構成する分子が、前記第2溶媒の構成分子の一部に対し優先的に水素結合を形成していることにより、前記第2溶媒の水素結合が解離し、前記第2溶媒の粘度が低下した状態である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第2溶媒はジエステル骨格を有し、前記第3溶媒は脂肪族アルコールである。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、雰囲気環境に応じ、前記第1溶媒、前記第2溶媒および前記第3溶媒を含む第1状態から、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒および第2溶媒を含む第2状態となり、前記第3溶媒に引き続き前記第2溶媒が蒸発し、前記第1溶媒を含む第3状態となる。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上13mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、20mPa・s以上200mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、30mPa・s以上200mPa・s以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する前記第2溶媒の混合率は30mol%以上70mol%以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒は、フェノキシトルエンであり、前記第2溶媒は、ジメチルフタレートであり、前記第3溶媒は、1−ノナノールであり、前記機能性材料は、F8−F6である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記第1溶媒の沸点は、260℃以上350℃以下であり、前記第2溶媒の沸点は、280℃以上350℃以下であり、前記第3溶媒の沸点は、80℃以上250℃以下である。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクの特定の局面では、前記機能性材料の濃度が0.1重量%以上4重量%未満である。
本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法は、有機発光素子の機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒と、を混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、第1電極を含む下地層を有する基板を準備する第2工程と、前記下地層に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記下地層に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、前記インク液滴膜を乾燥させ、有機発光層を含む機能層を形成する第5工程と、前記機能層の上方に、前記第1電極と異なる極性を有する第2電極を形成する第6工程と、を有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法は、有機発光素子の機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、第1電極を含む下地層を有する基板を準備する第2工程と、前記下地層に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記下地層に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、前記インク液滴膜を乾燥させ、有機発光層を含む機能層を形成する第5工程と、前記機能層の上方に、前記第1電極と異なる極性を有する第2電極を形成する第6工程と、を有する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法の特定の局面では、前記第3工程は、吐出させた前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法の特定の局面では、前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法の特定の局面では、前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法の特定の局面では、前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法の特定の局面では、前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒および前記第1溶媒をこの順に蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする。
本発明の一態様に係る有機表示パネルは、上記のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機表示装置は、上記のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光装置は、上記のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係るインクは、機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、
前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒とを含む、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係るインクは、機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを含む、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクの特定の局面では、前記第3溶媒が蒸発することにより、3mPa・s以上20mPa・s以下であった粘度が30mPa・s以上200mPa・s以下になる。
また、本発明の一態様に係るインクの特定の局面では、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である。
また、本発明の一態様に係るインクの特定の局面では、前記機能性材料の濃度が0.1重量%以上4重量%未満である。
本発明の一態様に係る機能層の形成方法は、機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、機能層を形成するための基板を準備する第2工程と、前記基板に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記基板に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、前記インク液滴膜を乾燥させ、機能層を形成する第5工程と、
を有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る機能層の形成方法は、機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、機能層を形成するための基板を準備する第2工程と、前記基板に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記基板に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、前記インク液滴膜を乾燥させ、機能層を形成する第5工程と、を有する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る機能層の形成方法の特定の局面では、前記第3工程は、吐出させた前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る機能層の形成方法の特定の局面では、前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る機能層の形成方法の特定の局面では、前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする。
また、本発明の一態様に係る機能層の形成方法の特定の局面では、前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする。
また、本発明の一態様に係る機能層の形成方法の特定の局面では、前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒および前記第1溶媒をこの順に蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする。
本発明の一態様に係る有機発光素子は、上記のいずれかに記載された機能層の形成方法により形成された機能層を備えた、ことを特徴とする有機発光素子。
本発明の一態様に係る有機表示パネルは、上記の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機表示装置は、上記の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光装置は、上記の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする。
[本発明に至った経緯]
吐出性および平坦性の両方が良好なインクを得るに至った経緯を以下に説明する。
本発明者は、まず、インクの粘度がインクの吐出性にどのような影響を与えるのかを調べた。
図1は、インクの粘度と吐出角度θとの関係を示す図である。図1において、破線で囲った部分は従来例のインクの粘度領域(II)を示しており、当該粘度領域(II)の左側が従来例のインクより低粘度のインクの粘度領域(I)を示しており、前記粘度領域(II)の右側が従来例のインクより高粘度のインクの粘度領域(III)を示している。図1に示すように、インクの粘度が高くなるほど吐出角度θが大きくなる(着弾精度が低くなる)傾向がみられた。すなわち、インクの粘度が高くなるほど吐出性が悪くなった。なお、吐出角度θは、標準偏差6σで評価した。
図2は、インクの粘度が吐出角度θに及ぼす影響を説明するための図である。図において、実線の矢印A1はインク液滴の実際の吐出方向を示し、一点鎖線の矢印A2は理想的な吐出方向を示し、それら方向がなす角度が吐出角度θである。インクの粘度が高くなるほど吐出角度θが大きくなるのは、粘度が高くなるほどインク液滴のリガメント長さが長くなるからだと考えられる。すなわち、図2(a)に示すように、リガメント長さが長いと、インクジェット装置のノズルからインク液滴が離れるときの反動によって吐出方向がずれ易く、図2(b)に示すように、吐出角度θが大きくなり易いと考えられる。また、リガメント長さが長いと、インク液滴が気流の影響を受けて流され易く、これによっても吐出角度θが大きくなり易いと考えられる。
次に、本発明者は、インクの粘度がインクの平坦性にどのような影響を与えるのかを調べた。
図3は、インクの粘度と機能層上面の平坦率との関係を示す図である。図において、破線で囲った部分は従来例のインクの粘度領域(II)を示しており、当該粘度領域(II)の左側が従来例のインクより低粘度のインクの粘度領域(I)を示しており、前記粘度領域(II)の右側が従来例のインクより高粘度のインクの粘度領域(III)を示している。図3に示すように、インクの粘度が高くなるほど機能層上面の平坦率が低くなる傾向がみられた。
図4は、平坦率の算出方法を説明するための図である。図4に示すように、平坦率は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて機能層の膜厚分布を測定し、その結果に基づき、機能層における有効画素範囲の最大膜厚値、最小膜厚値および平均膜厚値を求めて、それらを下記(数1)に代入することで算出した。
平坦率=(最大膜厚値−最小膜厚値)÷2÷平均膜厚値×100・・・(数1)
なお、有効画素範囲は、有機発光素子の駆動時において電圧がかかる箇所であり、機能層の膜厚が200nmの位置P1から画素中央側に7.5μm離れた位置P2間の範囲である。
図5は、インクの粘度が平坦率に及ぼす影響を説明するための図である。図5に示すように、画素中央領域上は、バンク近傍領域上よりも溶媒の蒸気濃度が高い。なぜなら、画素中央領域は、溶媒蒸気が発生するバンク近傍領域に両サイドを囲まれているため、当該画素中央領域で発生した溶媒蒸気は上方にしか拡散できないのに対して、バンク近傍領域は、片側のバンク5が存在する領域からは溶媒蒸気が発生しておらず、バンク5上には溶媒蒸気圧の低い空間が広がっているため、バンク近傍領域で発生した溶媒蒸気が上方だけでなくバンク5側にも拡散するからである。
蒸気濃度が高い画素中央領域上では矢印S1で示すように蒸発速度が小さく、蒸気濃度が低いバンク近傍領域上では矢印S2で示すように蒸発速度が大きい。このように蒸発速度に差が生じると、インク7aの液溜まりの中で、蒸発速度の小さい画素中央領域から蒸発速度の大きいバンク近傍領域へとインク7aの流れが生じ、流れ込んだインク7aからは溶媒だけが蒸発していくので、バンク近傍領域に機能性材料7bが堆積する。
インク7aの粘度が低いと、インク7aが流れ易いため、バンク近傍領域では機能性材料7bの堆積量が多くなり、そのぶん膜厚が厚くなる。一方、インク7aの粘度が高いと、インク7aの流れを抑制する制動力が強くなるため、そのぶん膜厚は厚くならず、平坦率は低くなると考えられる。
図6は、インク粘度が吐出性および平坦性に及ぼす影響をまとめた図である。インクの粘度とインクの吐出性との関係、および、インクの粘度とインクの平坦性との関係をまとめると、図6に示すような結果になる。すなわち、従来のインクの粘度の場合は、吐出性は良いが「○」、平坦性は良いとは言えず「△」、それより低粘度の場合は、吐出性は非常に良いが「◎」、平坦性は悪く「×」、それより高粘度の場合は、平坦性は良いが「○」、吐出性は悪い「×」。このように、インクをどのような粘度にしたとしても、吐出性と平坦性の両方が良好なインクを得ることは困難であった。なお、後述するが、実施例のインクは、吐出性および平坦性の両方が良好「○」である。
以上のように、インクの吐出性と平坦性とは必ずしも相容れない特性であり、吐出性を良くするためにはインクを低粘度にするのが好ましいのに対し、平坦性を良くするためにはインクを高粘度にするのが好ましいと考えられる。そこで、本発明者は、良好な吐出性が求められるのは通常,インクをインクジェット装置から吐出させる迄であり、吐出させた後は良好な吐出性が求められないこと、および、良好な平坦性が求められるのは通常,吐出させた後であり、吐出させる迄は良好な平坦性は必ずしも求められないことに着目した。すなわち、経時的に粘度が変化する構成、具体的には、吐出させる迄は低粘度であり吐出させた後は高粘度になる構成であれば、吐出性と平坦性の両方が良好であるとの考えに至った。
図7は、本発明の一態様に係るインクの組成を示す概念図である。図7に示すように、本発明の一態様に係るインクは、機能性材料、第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒とからなる。第1溶媒は、機能性材料を溶解させインク化するための溶媒であり、第2溶媒は、インクを増粘させるための溶媒であり、第3溶媒は、インクジェット装置から吐出させる迄の間第2溶媒を低粘度化しておくための溶媒である。この構成により、インクは、吐出させる迄は、良好な吐出性を確保するために低粘度となっており、吐出させた後は、良好な平坦性を確保するために高粘度となる。
より詳細には、インクは、雰囲気環境に応じ、第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒を含む第1状態から、第3溶媒が蒸発し、第1溶媒および第2溶媒のみを含む第2状態となり、第3溶媒に引き続き第2溶媒が蒸発し、第1溶媒のみを含む第3状態となる。そして、インクをインクジェット装置から吐出させる迄は第3溶媒が含まれる第1状態を維持しているが、吐出させた後は第3溶媒が速やかに蒸発し第2状態となる。第3溶媒が蒸発することによって、すなわち、第1状態から第2状態に変化することによって、インクは低粘度から高粘度に変化する。
以下に、第3溶媒が蒸発することによって、粘度が変化する理由について説明する。
図8は、溶媒の粘度を示す図である。図8に示すように、ジエステル骨格を有する溶媒は、モノエステル骨格を有する溶媒と比べると、多量体効果により格段に高粘度である。このように高粘度であるため、ジエステル骨格を有する溶媒は、インクを増粘させるための第2溶媒として好ましい。
図9は、ジエステル骨格を有する溶媒の粘度について説明するための図である。ジエステル骨格を有する溶媒がモノエステル骨格を有する溶媒と比較して高粘度になる理由として、図9(a)に示すように、モノエステル骨格を有する溶媒の場合は、エステル結合が一分子に1つだけであり、そのエステル結合の箇所で分子間の水素結合が生じたとしても2量体が構成されるだけである。したがって、溶媒の粘度はそれほど高くはならない。
一方、図9(b)に示すように、ジエステル骨格を有する溶媒の場合は、エステル結合は一分子に2つあり、それらエステル結合の箇所で分子間の水素結合が生じると多量体が構成される。したがって、多量体効果により溶媒の粘度は高くなる。このように、ジエステル骨格を有する溶媒は、単独時において高粘度である。したがって、高い増粘効果を有し、ジエステル骨格を有する溶媒を加えることでインクは高粘度になる。
ところが、図9(c)に示すように、脂肪族アルコールの分子は、優先してジエステル骨格を有する溶媒の分子と水素結合する。これにより、ジエステル骨格を有する溶媒の分子間の水素結合は解離し、多量体が単量体になるため、ジエステル骨格を有する溶媒は低粘度になる。ジエステル骨格を有する溶媒一分子に対して、脂肪族アルコールは二分子水素結合する。したがって、ジエステル骨格を有する溶媒1molに対して脂肪族アルコールが2mol以上存在すれば、ジエステル骨格を有する溶媒の分子間の水素結合は理論上すべて解離されるため、ジエステル骨格を有する溶媒は最低粘度になる。
このように、脂肪族アルコールは、ジエステル骨格を有する溶媒の分子間の水素結合を解離させる作用を有するため第3溶媒として好ましい。しかも、ジエステル骨格を有する溶媒と脂肪族アルコールとの混合溶媒から脂肪族アルコールだけを蒸発させると、ジエステル骨格を有する溶媒の分子間で再び水素結合が生じるため、ジエステル骨格を有する溶媒は再び高粘度になる。
以上のように、ジエステル骨格を有する溶媒に脂肪族アルコールを混ぜると、ジエステル骨格を有する溶媒自体の粘度が低くなる。これは、単に、高粘度溶媒に低粘度溶媒を加えることによって高粘度溶媒を希釈し、粘度を低下させるのとは全く異なる作用効果である。これについて以下に説明する。
図10は、溶媒の混合率が粘度に与える影響を示す図である。図10において、溶媒Aはジエステル骨格を有する溶媒であり、溶媒Bはジエステル骨格を有する溶媒よりも低い粘度を有する溶媒である。図10に示すように、溶媒Aと溶媒Bとの混合溶液を種々作製し、それら混合溶液の粘度を測定して粘度勾配を確かめたところ、溶媒Bとしてアルコール系の溶媒を用いた場合は、溶媒Bとしてアルコール系以外の溶媒(エーテル系の溶媒、ケトン系の溶媒、アルキルベンゼン系の溶媒)を用いた場合と比べて、粘度勾配に異なる傾向が見られた。
アルコール系以外の溶媒の場合、溶媒Aの混合率が100mol%のときは溶媒A自体の粘度であり、溶媒Aの混合率が0mol%のときは溶媒B自体の粘度である。そして、溶媒Aの混合率が0mol%を超え100mol%未満のときは、混合溶媒の粘度は溶媒Aと溶媒Bとの中間の粘度であって、溶媒Aの混合率が低くなるほど混合溶媒の粘度も低くなる傾向が見られる。このような傾向が見られるのは、溶媒Aと溶媒Bとを混合することによって、溶媒Aが単に希釈され、混合溶媒の粘度が低下するからである。
一方、アルコール系の溶媒の場合、溶媒Aの混合率が100mol%のときは溶媒A自体の粘度であり、溶媒Aの混合率が0mol%のときは溶媒B自体の粘度であり、この点においては、アルコール系以外の溶媒の場合と同じである。しかしながら、溶媒Aの混合率が0mol%を超え100mol%未満のときは、混合溶媒の粘度は必ずしも溶媒Aと溶媒Bとの中間の粘度ではなく、特定範囲の混合率においては溶媒B自体の粘度よりも低粘度になる。すなわち、ある混合率を境にして、溶媒Aの混合率が低くなっていくほど混合溶媒の粘度も低くなる現象と、溶媒Aの混合率が低くなっていくほど混合溶媒の粘度が高くなる現象とが生じる傾向が見られた。このような傾向が見られるのは、前述したように、溶媒Aが単に希釈されるだけではなく、溶媒Bが溶媒Aの分子間の水素結合を解離させることによって、溶媒A自体の粘度が低下するからである。
以上のように、第3溶媒は、第2溶媒の粘度を低下させる作用効果を有する溶媒である。第2溶媒に第3溶媒を混ぜると、第2溶媒の分子間の化学結合が一部解離して第2溶媒の粘度が低下する。
次に、溶媒の沸点について説明する。インクをインクジェット装置から吐出させた後に高粘度化させるためには、第3溶媒を第2溶媒よりも先に蒸発させる必要がある。また、第1溶媒が第2溶媒よりも先に蒸発してしまうと、第1溶媒に溶解していた機能性材料が析出する可能性があるため、第1溶媒よりも第2溶媒を先に蒸発させる必要がある。したがって、まず第3溶媒だけが蒸発し、次に第2溶媒だけが蒸発し、最後に第1溶媒が蒸発するように、各溶媒の沸点が設定されていることが好ましい。すなわち、各溶媒の沸点の関係は、第1溶媒>第2溶媒>第3溶媒、であることが好ましい。
図11は、溶媒の沸点が吐出性および平坦性に及ぼす影響をまとめた図である。各溶媒の沸点の関係は、第1溶媒>第2溶媒>第3溶媒の関係であることが好ましいが、この関係に限定されるものではない。図11に示すように、各溶媒の沸点の関係が、第1溶媒≒第2溶媒>第3溶媒の場合(「第1溶媒≒第2溶媒」の具体例として、図11には、第2溶媒の沸点が第1溶媒の沸点よりも20℃高い場合を示している)でも、良好な平坦性が得られた。
一方、各溶媒の沸点の関係が、第2溶媒>第1溶媒>第3溶媒の場合(「第2溶媒>第1溶媒」の具体例として、図11には、第2溶媒の沸点が第1溶媒の沸点よりも50℃高い場合を示している)は、インクが乾燥する迄の間に機能性材料の析出が生じた。その結果、機能層上面の画素中央領域とバンク近傍領域との間に大きな膜厚差は生じなかったものの、機能層上面が全体に亘って平坦でなくなる現象が生じた。第2溶媒の沸点が第1溶媒の沸点よりも高くても、その沸点差が20℃以下であれば、共沸により第2溶媒と第1溶媒とが同時に蒸発し得るため、機能性材料が析出し難いが、その沸点差が50℃以上になると先により多くの第1溶媒が蒸発し過ぎて機能性材料が析出すると考えられる。特に、機能性材料が第2溶媒に不要である場合に、このような現象が生じると考えられる。
また、各溶媒の沸点の関係が、第1溶媒>第2溶媒≒第3溶媒の場合は、第3溶媒と共に第2溶媒も蒸発するため、第2溶媒による増粘効果が十分に得られず、良好な平坦性は得られなかった。
以上のことから、各溶媒の沸点の関係が適正でなければ、吐出性および平坦性の両方が良好なインクは得られないことが分かる。各溶媒の沸点の関係は、第1溶媒と第2溶媒との関係において、第2溶媒の沸点は、第1溶媒の沸点以下、または、第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下であることが好ましい。また、第3溶媒の沸点は、第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低いことが好ましい。
図12は、インクの組成の好ましい条件を説明するための図である。図12に示すように、各溶媒の具体的な好ましい沸点は、第1溶媒が260〜350℃、第2溶媒が280〜350℃、第3溶媒が80〜250℃である。このような沸点の関係であれば、適度な揮発性を有する成膜性の良いインクジェット法に適したインクを得ることができる。なお、第2溶媒と第3溶媒との沸点差の好ましい範囲は、80〜180℃である。第2溶媒と第3溶媒との沸点差がこの範囲であれば、インクをインクジェット装置から吐出させた後、速やかにインクの粘度を高くすることができ、より平坦な機能層を形成することができる。
次に、溶媒の粘度について説明する。図12に示すように、各溶媒の単独での粘度は特に問わないが、第3溶媒が蒸発する前の粘度、すなわち、インクに第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒が含まれている第1状態の粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、3mPa・s以上13mPa・s以下がさらに好ましい。これにより、インクジェット法に適した好ましい吐出性を得ることができる。また、第3溶媒が蒸発した後の粘度、すなわち、インクに第1溶媒および第2溶媒が含まれており、第3溶媒が含まれていない第2状態の粘度は、20mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以上200mPa・s以下がさらに好ましい。これにより、好ましい平坦性を得ることができる。
次に、インク中における機能性材料の濃度は、0.1重量%以上4重量%未満であることが好ましい。
図13は、機能性材料の濃度と機能層の膜厚との関係を示す図である。なお、図13において「Over spill」とはバンクから液滴があふれ出すことを意味し、「Dewet」とはバンク内に見濡れ領域が発生していること を意味する。機能性材料の濃度が0.1重量%以上であることが好ましい理由として、図13に示すように、機能性材料の濃度が0.1重量%未満であると、機能層の最小膜厚値が実用範囲である5nmを下回るおそれがあるからである。
図14は、機能性材料の濃度とインク粘度との関係を示す図である。インクにおける機能性材料の濃度が4重量%未満であることが好ましい理由として、図14に示すように、機能性材料の濃度が4重量%以上であると、インクの粘度がインクジェット装置のノズルにつまる粘度(300mPa・s)に達するからである。
[有機発光素子用インク]
本発明の一態様に係るインクは、機能性材料、第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒を含む。
<機能性材料>
機能性材料は、例えば有機発光素子の発光層を構成する材料であって、具体的には、F8−F6(F8(ポリジオクチルフルオレン)とF6(ポリジヘキシルフルオレン)との共重合体)が好ましい。F8−F6以外には、F8、F6等のF8−F6以外のフルオレン化合物、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属錯体、希土類錯体、等が挙げられる(特開平5−163488号公報参照)。これら化合物や錯体は、単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。
<第1溶媒>
第1溶媒は、機能性材料を溶解する溶媒であって、具体的には、フェノキシトルエンが好ましい。フェノキシトルエン以外には、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、デカハイドロナフタレン、メチルベンゾエート、アセトフェノン、フェニルベンゼン、ベンジルアルコール、テトラハイドロナフタレン、イソフォロン、n−ドデカン、ジシクロヘキシル、p−キシレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。
<第2溶媒>
第2溶媒は、増粘作用を有する溶媒であって、具体的には、ジメチルフタレートが好ましい。ジメチルフタレート以外には、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート等ジエステル骨格を有する溶媒が好ましい。また、ジエステル骨格を有する溶媒以外であっても良い。なお、ジエステル骨格を有する溶媒に位置異性体が存在し得る場合において、置換基はオルト、メタ、パラのいずれの位置関係であっても良い。
第2溶媒は、構成分子の一部が化学結合可能であって、第3溶媒を構成する分子が、前記構成分子の一部に対し優先的に化学結合を形成することにより、前記第2溶媒の化学結合が解離し、前記第2溶媒の粘度が低下した状態になる溶媒であることが好ましい。ジエステル骨格を有する溶媒の場合は、構成分子の一部が水素結合可能であって、アルコール系の溶媒と混ぜ合わせることによって、当該アルコール系の溶媒の分子が前記構成分子の一部に対し優先的に水素結合を形成することにより、ジエステル骨格を有する溶媒の水素結合が解離し、ジエステル骨格を有する溶媒の粘度が低下した状態になる。なお、化学結合は水素結合に限定されない。
<第3溶媒>
第3溶媒は、第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する溶媒であって、具体的には、1−ノナノールが好ましい。1−ノナノール以外には、2−エチルヘキサノール、デカノール、2−ノナノール、2−メチル−2−ノナノール等の脂肪族アルコールや、ベンジルアルコール等の芳香族アルコールなど、アルコール系の溶媒が好ましい。特に、脂肪族アルコールは分子が嵩高くないためジエステル骨格を有する溶媒とより優先的に水素結合し易いため好ましい。
[有機発光素子および有機表示パネル]
図15は、本発明の一態様に係る有機表示パネルの各層の積層状態を示す模式図である。図15に示すように、本発明の一態様に係る有機表示パネル110は、本発明の一態様に係る有機発光素子111上にシール材112を介してカラーフィルター基板113を貼り合わせた構成を有する。
有機発光素子111は、RGBの各ピクセルがマトリックス状またはライン状に配置されてなるトップエミッション型の有機発光素子であり、各ピクセルはTFT基板1上に各層を積層した積層構造となっている。
TFT基板1上には、第1電極を構成する第1アノード電極2および第2アノード電極3がマトリックス状またはライン状に形成されており、それらアノード電極2,3上にホール注入層4が積層されている。ホール注入層4上には、ピクセルを規定するバンク5が形成されており、バンク5で規定された領域内にホール輸送層6および有機発光層7がこの順で積層されている。さらに、有機発光層7の上には、電子輸送層8、第2電極であるカソード電極9、および封止層10が、それぞれバンク5で規定された領域を超えて隣のピクセルのものと連続するように形成されている。
バンク5で規定された領域は、ホール注入層4、ホール輸送層6、有機発光層7および電子輸送層8がその順で積層された多層積層構造となっており、それらの積層構造で機能層が構成されている。なお、機能層には電子注入層等の他の層が含まれていても良い。
機能層の代表的な構成としては、(1)ホール注入層/有機発光層、(2)ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層、(3)ホール注入層/有機発光層/電子注入層、(4)ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層/電子注入層、(5)ホール注入層/有機発光層/ホール阻止層/電子注入層、(6)ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層/ホール阻止層/電子注入層、(7)有機発光層/ホール阻止層/電子注入層、(8)有機発光層/電子注入層等の素子構成が挙げられる。
TFT基板1は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料からなるベース基板上に、アモルファスTFT(EL素子ドライブ回路)が形成されたものである。
第1アノード電極2は、例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、またはNiCr(ニッケルとクロムの合金)等で形成されている。トップエミッション型の有機発光素子の場合は、光反射性の材料で形成されていることが好ましい。
第2アノード電極3は、第1アノード電極2およびホール注入層4の間に介在し、各層間の接合性を良好にする機能を有する。
ホール注入層4は、例えば、金属酸化物、金属窒化物、または金属酸窒化物等の金属化合物で形成されていることが好ましい。ホール注入層4が金属酸化物で形成されている場合は、ホールの注入が容易になるため、有機発光層7内で電子が有効に発光に寄与し良好な発光特性を得ることができる。金属酸化物としては、例えば、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、Th(トリウム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Ru(ルテニウム)、Os(オスミウム)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)、Pb(鉛)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、およびLa(ランタン)からLu(ルテチウム)までのいわゆる希土類元素等の酸化物が挙げられる。なかでも、Al23(酸化アルミニウム)、CuO(酸化銅)、およびSiO(酸化シリコン)は、特に長寿命化に有効である。
バンク5は、例えば、樹脂等の有機材料またはガラス等の無機材料で形成されていることが好ましい。有機材料の例には、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられ、無機材料の例には、SiO2(シリコンオキサイド)、Si34(シリコンナイトライド)等が挙げられる。バンク5は、有機溶剤耐性を有することが好ましく、また可視光をある適度透過させることが好ましく、さらに絶縁性を有することが好ましく、加えてエッチング処理やベーク処理等がされることがあるので、それらの処理に対する耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
なお、バンク5は、ピクセルバンクであっても、ラインバンクであっても良い。ピクセルバンクの場合、ピクセルごと有機発光層7の全周を囲繞するようにバンク5が形成される。一方、ラインバンクの場合、複数のピクセルを列ごとまたは行ごとに区切るようにバンク5が形成され、バンク5は有機発光層7の行方向両側または列方向両側だけに存在し、有機発光層7は同列または同行のものが連続した構成となる。
ホール輸送層6は、アノード電極2,3から注入されたホールを有機発光層7へ輸送する機能を有し、例えば、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)や、その誘導体(共重合体など)で形成されていることが好ましい。
有機発光層7は、電界発光現象を利用して発光する機能を有し、例えば、本発明の一態様に係るインクに含まれる機能性材料で構成されていることが好ましい。
電子輸送層8は、カソード電極9から注入された電子を有機発光層7へ輸送する機能を有し、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、またはこれらの混合物等で形成されていることが好ましい。
カソード電極9は、例えば、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)等で形成される。トップエミッション型の有機発光素子の場合は、光透過性の材料で形成されることが好ましい。
封止層10は、有機発光層7等が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の材料で形成される。トップエミッション型の有機発光素子の場合は、光透過性の材料で形成されることが好ましい。
以上の構成からなる有機発光素子111および有機表示パネル110は、吐出性および平坦性の良いインクを用いて有機発光層7が形成されているため、発光特性が良好である。
[有機発光素子の製造方法]
図16および図17に基づいて、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法を説明する。図16および図17は、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法を説明するための工程図である。
まず、図16(a)に示すような上面が保護レジストで保護されたTFT基板1を準備する。
次に、図16(b)に示すように、TFT基板1を覆っている保護レジストを剥離し、TFT基板1上に、有機樹脂をスピンコートし、PR/PE(フォトレジスト/フォトエッチングでパターニングすることによって、図16(c)に示すように、平坦化膜1a(例えば厚さ4μm)を形成する。
次に、図16(d)に示すように、平坦化膜1a上に第1アノード電極2を形成する。第1アノード電極2は、例えば、スパッタリングによりAPCで薄膜を形成し、当該薄膜をPR/PEでマトリックス状にパターニングすることによって形成する(例えば厚さ150nm)。なお、第1アノード電極2は真空蒸着等で形成しても良い。
次に、図16(e)に示すように、第2アノード電極3をマトリックス状に形成する。第2アノード電極3は、例えばプラズマ蒸着法でITO薄膜を形成し、当該ITO薄膜をPR/PEによりパターニングすることにより形成する(例えば厚さ110nm)。
次に、図16(f)に示すように、第2アノード電極3の上からホール注入層4を形成する。ホール注入層4は、ホール注入機能を果たす材料をスパッタリングし、PR/PEによりパターニングすることで形成する(例えば厚さ40nm)。なお、ホール注入層4は、アノード電極3上だけでなく、TFT基板1の上面全体に亘って形成する。
次に、図16(g)に示すように、ホール注入層4上にバンク5を形成する。ホール注入層4上においてバンク5を形成する領域は、隣り合う発光層形成予定領域どうしの境界に相当する領域である。バンク5は、ホール注入層4上の全体を覆うようにバンク材料層を形成し、形成したバンク材料層の一部をPR/PEで除去することによって形成する(例えば厚さ1μm)。なお、バンク5は、縦方向にだけ伸長するストライプ状のラインバンクであっても良いし、縦と横に伸長し平面形状が井桁状のピクセルバンクであっても良い。
次に、図17(a)に示すように、バンク5間の凹部に、ホール輸送層の材料を含むインクを充填し、乾燥させることによって、ホール輸送層6を形成する(例えば厚さ20nm)。
次に、図17(b)に示すように、TFT基板1上の全体に亘って、バンク5間の凹部にインクジェット法(液滴吐出法)で本発明の一態様に係る有機発光素子用インクを充填し、充填したインクを減圧下で乾燥し、ベークすることによって、有機発光層7を形成する(例えば厚さ60〜90nm)。なお、インクをバンク5間に充填する方法は、インクジェット法に限定されず、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等であっても良い。
有機発光層7は、具体的には、以下の第1〜第5工程を順次経ることにより形成される。
第1工程では、インクを準備し、インク吐出用のノズルを有するインクジェット装置に充填する。
第2工程では、第1電極を含む下地層を有する基板を準備する。本実施の形態では、第1アノード電極2、第2アノード電極3、ホール注入層4、バンク5およびホール輸送層6が形成されたTFT基板1がこれに該当する。
第3工程では、ホール輸送層6に対し、インクジェット装置からインクの液滴を吐出させる。その際、吐出させたインク液滴から第3溶媒を蒸発させ、インクの粘度を大きくする。
第4工程では、第3工程により吐出させたインク液滴をホール輸送層6に塗布し、インク液滴膜を形成する。その際、インク液滴から第3溶媒に引き続き、第2溶媒を蒸発させ、インクの粘度をさらに大きくする。
第5工程では、インク液滴膜を乾燥させ、有機発光層7を形成する。
なお、第3溶媒は、第3工程ではなく第4工程で蒸発させても良い。具体的には、第4工程において、ホール輸送層6に塗布したインク液滴から第3溶媒を蒸発させてインクの粘度を大きくしても良い。
また、第3溶媒は、第3工程ではなく第5工程で蒸発させても良い。具体的には、第5工程において、インク液滴膜を乾燥させ、インク液滴膜から第3溶媒を蒸発させてインクの粘度を大きくしても良い。さらに、第5工程では、インク液滴膜を乾燥させ、インク液滴から第3溶媒に引き続き、第2溶媒および前記第1溶媒をこの順に蒸発させ、インクの粘度をさらに大きくしても良い。
第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒を蒸発させるタイミングは、雰囲気環境によって制御可能である。
次に、図17(c)に示すように、バンク5および有機発光層7を覆うように、ETL蒸着で電子輸送層8を形成する(厚さ20nm)。
次に、図17(d)に示すように、機能層の上方に第1電極と異なる極性を有する第2電極を形成する(第6工程)。具体的には、光透過性の材料をプラズマ蒸着することによって、電子輸送層8の上からカソード電極9を形成する(厚さ100nm)。
次に、図17(e)に示すように、カソード電極9の上からCVDで封止層10を形成する(厚さ1μm)。
以上で、トップエミッション型の有機発光素子が作製される。
[有機表示装置]
図18および図19に基づいて、本発明の一態様に係る有機表示装置について説明する。図18は、本発明の一態様に係る表示装置の全体構成を示す図である。図19は、本発明の一態様に係る表示装置を用いたテレビシステムを示す斜視図である。
図18に示すように、有機表示装置100は、本発明の一態様に係る有機表示パネル110と、これに接続された駆動制御部120とを備える。駆動制御部120は、4つの駆動回路121〜124と制御回路125とから構成されている。なお、実際の有機表示装置100では、有機表示パネル110に対する駆動制御部120の配置や接続関係については、これに限られない。
以上の構成からなる有機表示装置100は、発光特性が良好な有機発光素子を用いているため画質が優れている。
[有機発光装置]
図20は、本発明の一態様に係る有機発光装置を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。図20に示すように、有機発光装置200は、本発明の一態様に係る複数の有機発光素子210と、それら有機発光素子210が上面に実装されたベース220と、当該ベース220にそれら有機発光素子210を挟むようにして取り付けられた一対の反射部材230と、から構成されている。各有機発光素子210は、ベース220上に形成された導電パターン(不図示)に電気的に接続されており、前記導電パターンにより供給された駆動電力によって発光する。各有機発光素子210から出射された光の一部は、反射部材230によって配光が制御される。
以上の構成からなる有機発光装置200は、発光特性が良好な有機発光素子を用いているため画質が優れている。
[変形例]
以上、本発明の一態様に係る有機発光素子用インク、有機発光素子の製造方法、有機表示パネル、有機表示装置、有機発光装置、インク、機能層の形成方法、および有機発光素子を具体的に説明してきたが、上記実施の形態は、本発明の構成および作用・効果を分かり易く説明するために用いた例であって、本発明の内容は、上記の実施の形態に限定されない。
例えば、本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、有機発光層を形成するためのインクに限定されず、ホール輸送層、電子輸送層、ホール注入層、電子注入層、ブロッキング層など有機発光層以外の機能層を形成するためのインクであっても良い。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子は、トップエミッション型に限定されず、ボトムエミッション型であっても良い。
また、本発明の一態様に係る有機表示パネルについて、上記実施の形態では、有機発光層の発光色については言及しなかったが、単色表示に限らず、フルカラー表示にも適用できる。フルカラー表示の有機表示パネルにおいては、有機発光素子が、RGB各色のサブピクセルに相当し、隣り合うRGBのサブピクセルが合わさって一画素が形成され、この画素がマトリックス状に配列されて画像表示領域が形成される。
また、本発明の一態様に係るインクは、有機発光素子用に限定されず、無機発光素子用であっても良い。
本発明の一態様に係る有機発光素子用インクは、ウエットプロセスによる有機発光素子の製造プロセスに広く利用できる。また、本発明の一態様に係る有機発光素子は、例えばパッシブマトリクス型或いはアクティブマトリクス型の有機表示装置および有機発光装置の分野全般などで広く利用できる。
1 基板
2,3 第1電極
7 有機発光層
7a インク
7b 機能性材料
9 第2電極
100 有機発光装置
110 有機表示パネル
111 有機発光素子
200 有機表示装置

Claims (49)

  1. 有機発光素子の機能層を構成する機能性材料と、
    前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒と
    を含む、ことを特徴とする有機発光素子用インク。
  2. 雰囲気環境に応じ、
    前記第1溶媒、前記第2溶媒および前記第3溶媒を含む第1状態から、
    前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒および第2溶媒を含む第2状態となり、
    前記第3溶媒に引き続き前記第2溶媒が蒸発し、前記第1溶媒を含む第3状態となる、請求項1記載の有機発光素子用インク。
  3. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下である、請求項1記載の有機発光素子用インク。
  4. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上13mPa・s以下である、請求項3記載の有機発光素子用インク。
  5. 前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、20mPa・s以上200mPa・s以下である、請求項1記載の有機発光素子用インク。
  6. 前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、30mPa・s以上200mPa・s以下である、請求項5記載の有機発光素子用インク。
  7. 前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する前記第2溶媒の混合率は30mol%以上70mol%以下である、請求項1記載の有機発光素子用インク。
  8. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である、請求項1記載の有機発光素子用インク。
  9. 前記第1溶媒は、フェノキシトルエンであり、
    前記第2溶媒は、ジメチルフタレートであり、
    前記第3溶媒は、1−ノナノールであり、
    前記機能性材料は、F8−F6である、
    請求項1記載の有機発光素子用インク。
  10. 前記第1溶媒の沸点は、260℃以上350℃以下であり、
    前記第2溶媒の沸点は、280℃以上350℃以下であり、
    前記第3溶媒の沸点は、80℃以上250℃以下である、
    請求項1記載の有機発光素子用インク。
  11. 有機発光素子の機能層を構成する機能性材料と、
    前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒と
    を含む、ことを特徴とする有機発光素子用インク。
  12. 第2溶媒を構成する分子の一部は水素結合可能であって、第3溶媒を構成する分子が、前記第2溶媒の構成分子の一部に対し優先的に水素結合を形成していることにより、前記第2溶媒の水素結合が解離し、前記第2溶媒の粘度が低下した状態である、
    請求項11記載の有機発光素子用インク。
  13. 前記第2溶媒はジエステル骨格を有し、前記第3溶媒は脂肪族アルコールである、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  14. 雰囲気環境に応じ、
    前記第1溶媒、前記第2溶媒および前記第3溶媒を含む第1状態から、
    前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒および第2溶媒を含む第2状態となり、
    前記第3溶媒に引き続き前記第2溶媒が蒸発し、前記第1溶媒を含む第3状態となる、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  15. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下である、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  16. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒とを含む状態の粘度は、3mPa・s以上13mPa・s以下である、請求項15記載の有機発光素子用インク。
  17. 前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、20mPa・s以上200mPa・s以下である、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  18. 前記第3溶媒が蒸発し、前記第1溶媒と前記第2溶媒とを含む状態の粘度は、30mPa・s以上200mPa・s以下である、請求項17記載の有機発光素子用インク。
  19. 前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する前記第2溶媒の混合率は30mol%以上70mol%以下である、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  20. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である、請求項11記載の有機発光素子用インク。
  21. 前記第1溶媒は、フェノキシトルエンであり、
    前記第2溶媒は、ジメチルフタレートであり、
    前記第3溶媒は、1−ノナノールであり、
    前記機能性材料は、F8−F6である、
    請求項11記載の有機発光素子用インク。
  22. 前記第1溶媒の沸点は、260℃以上350℃以下であり、
    前記第2溶媒の沸点は、280℃以上350℃以下であり、
    前記第3溶媒の沸点は、80℃以上250℃以下である、
    請求項11記載の有機発光素子用インク。
  23. 前記機能性材料の濃度が0.1重量%以上4重量%未満である、請求項1または11記載の有機発光素子用インク。
  24. 有機発光素子の機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、
    機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒と、を混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、
    第1電極を含む下地層を有する基板を準備する第2工程と、
    前記下地層に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、
    前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記下地層に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、
    前記インク液滴膜を乾燥させ、有機発光層を含む機能層を形成する第5工程と、
    前記機能層の上方に、前記第1電極と異なる極性を有する第2電極を形成する第6工程と、を有する、
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  25. 有機発光素子の機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、
    機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、
    第1電極を含む下地層を有する基板を準備する第2工程と、
    前記下地層に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、
    前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記下地層に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、
    前記インク液滴膜を乾燥させ、有機発光層を含む機能層を形成する第5工程と、
    前記機能層の上方に、前記第1電極と異なる極性を有する第2電極を形成する第6工程と、
    を有する、ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  26. 前記第3工程は、吐出させた前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項24または25記載の有機発光素子の製造方法。
  27. 前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項24または25記載の有機発光素子の製造方法。
  28. 前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする、
    請求項27記載の有機発光素子の製造方法。
  29. 前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項24または25記載の有機発光素子の製造方法。
  30. 前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒および前記第1溶媒をこの順に蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする、請求項29記載の有機発光素子の製造方法。
  31. 請求項24〜30のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機表示パネル。
  32. 請求項24〜30のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機表示装置。
  33. 請求項24〜30のいずれかに記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機発光装置。
  34. 機能性材料と、
    前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒と
    を含む、
    ことを特徴とするインク。
  35. 機能性材料と、
    前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、
    前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒と
    を含む、ことを特徴とするインク。
  36. 前記第3溶媒が蒸発することにより、3mPa・s以上20mPa・s以下であった粘度が30mPa・s以上200mPa・s以下になる、請求項34または35記載のインク。
  37. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和に対する、前記第2溶媒と前記第3溶媒との総和の混合率は3mol%以上20mol%以下である、請求項34または35記載のインク。
  38. 前記機能性材料の濃度が0.1重量%以上4重量%未満である、請求項34または35記載のインク。
  39. 機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、
    機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ、ジエステル骨格を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し、かつ、脂肪族アルコールである第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、
    機能層を形成するための基板を準備する第2工程と、
    前記基板に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、
    前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記基板に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、
    前記インク液滴膜を乾燥させ、機能層を形成する第5工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする機能層の形成方法。
  40. 機能層を形成するためのインクを準備する第1工程であって、
    機能層を構成する機能性材料と、前記機能性材料を溶解する第1溶媒と、前記第1溶媒の沸点以下である沸点、または、前記第1溶媒の沸点よりも高く、第1溶媒との沸点との差が20℃以下である沸点を有し、かつ前記第1溶媒の粘度よりも高い粘度を有する第2溶媒と、前記第1溶媒の沸点および第2溶媒の沸点よりも低い沸点を有し かつ、前記第2溶媒を構成する分子間における化学結合の一部を解離し、前記第2溶媒の粘度を低下させる作用を有する第3溶媒とを混合させたインクを準備し、インク吐出ノズルを有するインクジェット装置に充填する第1工程と、
    機能層を形成するための基板を準備する第2工程と、
    前記基板に対し、前記インクジェット装置から前記インクの液滴を吐出させる第3工程と、
    前記第3工程により吐出させた前記インク液滴を前記基板に塗布し、インク液滴膜を形成する第4工程と、
    前記インク液滴膜を乾燥させ、機能層を形成する第5工程と、
    を有する、ことを特徴とする機能層の形成方法。
  41. 前記第3工程は、吐出させた前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項39または40記載の機能層の形成方法。
  42. 前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項39または40記載の機能層の形成方法。
  43. 前記第4工程は、塗布した前記インク液滴から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする、
    請求項42記載の機能層の形成方法。
  44. 前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒を蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりも大きくする、
    請求項39または40記載の機能層の形成方法。
  45. 前記第5工程は、前記インク液滴膜を乾燥させ、前記インク液滴膜から前記第3溶媒に引き続き、前記第2溶媒および前記第1溶媒をこの順に蒸発させ、前記インクの粘度を、前記第1工程よりもさらに大きくする、請求項44記載の機能層の形成方法。
  46. 請求項39〜45のいずれかに記載された機能層の形成方法により形成された機能層を備えた、ことを特徴とする有機発光素子。
  47. 請求項46記載の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機表示パネル。
  48. 請求項46記載の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機表示装置。
  49. 請求項46記載の有機発光素子を用いた、ことを特徴とする有機発光装置。
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