JP2016015292A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL表示装置において、バンクに欠陥が生じた場合に表示不良が発生するのを低減できる有機EL表示装置を提供する。【解決手段】バンク113においては、1対のY方向に伸長する第1サブバンク113a及び第2サブバンク113bが併設され、両者の間のY方向に伸長する間隙126は、仕切部113cによって仕切られて、Y方向に複数の溝部126aが列設されている。各溝部126aの長さは1サブピクセルの長さに相当している。溝部126aのインク保持量は、1サブピクセルに対して塗布されるインク量の1/6以下となるように設定する。【選択図】図7

Description

本発明は、基板の主面に沿ってラインバンクが複数本配列され、ラインバンクによって区画された各溝空間に発光層が形成された有機EL表示装置に関する。
近年、発光型の表示装置として、基板上に複数の有機EL素子をマトリックス状に配列した有機EL表示装置が実用化されている。この有機EL表示装置は、各有機EL素子が自己発光を行うので視認性が高く、完全固体素子であるため耐衝撃性に優れる。
有機EL表示装置において、各有機EL素子は、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発生する電流駆動型の発光素子である。
このような有機EL表示装置において、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子の発光層とは、絶縁材料からなるバンクで仕切られている。このバンクとして、基板の主面に沿った一方向に伸長するラインバンクが複数本並列に配列されたものが多用されている。そして、複数のラインバンクによって区画された各溝空間には発光層が形成されている。
また、陽極と発光層との間には、ホール注入層、ホール輸送層、ホール注入兼輸送層といった有機層が必要に応じて介挿され、陰極と発光層との間にも、必要に応じて電子注入層、電子輸送層または電子注入兼輸送層が介挿されている。
フルカラー表示の有機EL表示パネルにおいては、このような有機EL素子が、赤(R)、緑(G)、青(B)各色のサブピクセルを形成し、隣り合うRGBのサブピクセルが合わさって一画素が形成されている。
このような有機EL表示装置を製造する上で、基板上にバンクを形成しておいて、バンクで区画された各領域に発光層などを形成する工程がある。発光層の形成には、特許文献1に示されるように、高分子材料や薄膜形成性の良い低分子を含む発光層形成用のインクを、インクジェット法等で塗布するウェット方式が多く用いられている。このウェット方式によれば、大型のパネルにおいても有機層や発光層を比較的容易に形成することができる。
WO2010/013654号公報
上記のような有機EL表示装置において、製造過程においてバンクに部分的な決壊が生じたり、異物が付着したりして欠陥が発生すると、発光層を形成するときに、その欠陥部が存在するバンクを挟んで形成される異なる色のインク層のインク同士が混合されて混色が生じることがある。
その混色が生じたパネルを用いて製造した有機EL表示装置においては、混色が生じた範囲で本来の発光色とは異なった発光がなされて、表示不良になることもある。
そこで、バンクに欠陥が生じた場合においても、表示パネルにおける表示不良が発生するのを抑えることのできる技術が求められる。
本発明は、上記課題に鑑み、有機EL表示装置において、バンクに欠陥が生じた場合に表示不良が発生するのを抑えることのできる有機EL表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様にかかる有機EL表示装置は、基板と、各々が基板の主面に沿った一方向に伸長し互いに並列に配列された複数本のバンクと、複数本のバンクによって区画された各領域に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置において、複数本のバンクから選択された少なくとも1本には、一方向に伸長する溝部が、当該バンクの幅方向中央部に位置する状態で、一方向に複数列設された構成である。
上記態様の有機EL表示装置において、上記複数の溝部が形成されたバンクに欠陥部が生じた場合に、発光層をウェット法で形成するために各領域に塗布したインクの一部が、その欠陥部を介して溝部に流れ出たとしても、その溝部と隣の溝領域とはバンクで仕切られているので、溝部に流れたインクと、隣の領域に塗布されたインクとの混色は生じにくい。
実施の形態に係る有機EL表示装置1の概略構成を示す模式ブロック図である。 表示パネル10における模式平面図である。 図2のA−A断面を示す模式断面図である。 表示パネル10の製造工程を示す工程図である。 各溝領域125R〜125Bにインクを塗布する様子を示す図である。 (a)〜(c)は、発光層117R,117G,117Bの形成工程を示す図である。 (a),(b)は、表示パネル10の効果を説明する図である。 インク層のインクが流出する許容量を調べる実験結果を示すグラフである。 溝部126aにインクが保持された状態を模式的に示す平面図及び断面図である。 実施の形態2にかかる表示パネル20の平面図である。
<発明に到った経緯>
上記のような、ラインバンクの欠陥や異物に起因するインクの混色を抑えるためには、上記特許文献1に示されるように、バンクにおいて欠陥が生じた箇所を検出し、欠陥部を補修することも有効であるが、バンクの欠陥部を補修するには手間がかかる。
そこで、バンクに欠陥部が生じた場合に、その欠陥部を補修しなくても、インクの混色を抑えることができる方法を検討した。検討の結果、発光層同士を仕切るラインバンクの構造を、溝を挟んで1対のサブバンクを並行に設けた構造とすることによって、いずれかのサブバンクに欠陥部が生じた場合に、欠陥部に隣接するインク層のインクが欠陥部を介して溝に流れることがあっても、混色は防止される効果があることを見出した。
しかし、この場合、欠陥部を介してその溝にたくさんのインクが流れ込むと、インク層同士のインクの混色を防止する効果はあっても、インクがたくさん流れ出た発光層においては、発光特性が損なわれる可能性がある。
本発明者は、さらにその点も考慮して、インク層の混色による発光色の不良を抑えるとともに、発光層における発光特性の低下も抑えることのできる方法を検討し、本発明に至った。
<発明の態様>
本発明の一態様にかかる有機EL表示装置は、基板と、各々が基板の主面に沿った一方向に伸長し互いに並列に配列された複数本のバンクと、複数本のバンクによって区画された各領域に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置において、複数本のバンクから選択された少なくとも1本には、一方向に伸長する溝部が、当該バンクの幅方向中央部に位置する状態で、一方向に複数列設された構成とした。
上記有機EL表示装置によれば、複数の溝部が列設されたバンクに欠陥部が生じた場合に、発光層をウェット法で形成するために各領域に塗布したインクの一部が、その欠陥部を介して溝部に流れ出たとしても、その溝部と隣の溝領域とがバンクで仕切られているので、溝部に流れたインクと、隣の領域に塗布されたインクとの混色は生じにくい。
また、このバンクの中央部に、溝部が存在することによって、発光層の形成工程において、インクが着弾ずれして溝部に着弾した場合、その着弾ずれしたインクを比較的容易に検出することができる。
従って、インクの着弾ずれを検出しやすいという効果も奏する。
上記態様の有機EL表示装置において、以下のようにしてもよい。
基板上には、一画素単位に相当する複数の異なる発光色の発光層が、繰り返して配列され、その繰り返し単位ごとに、一方向に列設された複数の溝部を有するバンクを配設する。
この場合、一方向に列設された複数の溝部を有する各バンクを挟んで隣接する2つの発光層どうしの間で混色を避けることができる。例えば、下記実施の形態1で示すように、赤色の発光層と青色の発光層との間に、複数の溝部を有するバンクを配設することによって、赤色の発光層と青色の発光層との混色を避けることができる。
また複数本のバンクの各々に、一方向に列設された複数の溝部を設けてもよい。
この場合、下記実施の形態2で示すように、いずれの発光色の発光層においても、それと隣り合う発光層との間に、複数の溝部を有するバンクが配設されるので、いずれの発光色と隣接する発光層との混色を避けることができる。
さらに、基板と発光層との間に介挿された複数の画素電極と、発光層を挟んで複数の画素電極と対向する対向電極とを備えることによって、バンクによって区画された各領域に、一方向に配列された複数のサブピクセルが形成されている場合、各溝部における一方向の長さを、複数の各電極の一方向の長さと同等とすることが好ましい。
各溝部の容積は、発光層を形成する1サブピクセル分のインクに換算して1/6以下とする。これによって、発光層を形成するためのインクが欠陥部を介して溝部に流出しても、その流出量は低く抑えられるので、発光層における発光特性低下も抑えられる。
基板上における一方向に列設された複数の溝部と重なる領域に、一方向に伸長するバスバーを設け、対向電極を、各溝部の内面に沿って凹入するように延伸し、バスバーと電気接続された構成とする。このようにバスバーを設けることによって、対向電極の電気抵抗を下げることができる。
<実施の形態>
以下、実施の形態に係る有機EL装置の構成及び製法について説明する。
[実施の形態1]
1.装置の概略構成
図1および図2を参照しながら、有機EL表示装置1の概略構成を説明する。
図1に示すように、有機EL表示装置1は、表示パネル10と、これに接続された駆動・制御回路部2とを備えている。表示パネル10は、有機発光デバイスの一種であって、有機材料の電界発光現象を利用した有機ELパネルである。
図2は、表示パネル10の平面図である。
図2に示すように、表示パネル10においては、複数の発光素子11R,11G,11BがX方向およびY方向に二次元配置されている。この表示パネル10では、発光素子11Rは赤色光(R)を出射し、発光素子11Gは緑色光(G)を出射し、発光素子11Bは青色光(B)を出射する。
そして、各発光素子11R,11G,11Bは、赤色サブピクセル,緑色サブピクセル、青色サブピクセルに相当し、X方向に隣接する3つの発光素子11R,11G,11Bで1つの画素が構成されている。各サブピクセルのY方向長さは例えば300μmである。
図1に示すように、有機EL表示装置1における駆動・制御回路部2は、4つの駆動回路21〜24と1つの制御回路25とから構成されている。
2.表示パネル10の構成
図2に示すように表示パネル10において、Y方向に延伸する複数のバンク112、113によって区画された3色の溝領域125R,125G,125Bが形成され、この3色の溝領域125R,125G,125Bは、順に繰り返してX方向に配列されている。
そして、赤色用の溝領域125Rには赤色発光層を有する発光素子11RがY方向に列設され、緑色用の溝領域125Gには緑色発光層を有する発光素子11GがY方向に列設され、青色用の溝領域125Bには青色発光層を有する発光素子11GがY方向に列設されている。
溝領域125Rと溝領域125Gとの間のバンク112、及び溝領域125Gと溝領域125Bとの間のバンク112は、通常のライン状のバンクである。一方、溝領域125Bと溝領域125Rとの間のバンク113には、その幅方向(X方向)中央部には、Y方向に伸長する複数の溝部126aがY方向に沿って列設されている。
具体的に、表示パネル10においては、赤色、緑色、青色の発光層が繰り返して並べられ、その繰り返し単位ごとに、バンク113が設けられている。そして、このバンク113においては、1対のY方向に伸長する第1サブバンク113a及び第2サブバンク113bが併設され、両者の間のY方向に伸長する間隙126が仕切部113cによって仕切られて、Y方向に複数の溝部126aが列設されている。
そして、複数の仕切部113cは、Y方向に1画素長(1つのサブピクセルのY方向の長さ)に相当する間隔で設けられ、各溝部126aの長さがこの1画素長に相当している。
図3は、図2のA−A断面を示す模式断面図である。
表示パネル10は、基板100上にTFT層101が形成されてなるTFT基板をベースとしている。TFT層101は、詳細な図示は省略しているが、ゲート、ソース、ドレインの3電極と、半導体層、パッシベーション膜などで構成されている。
TFT基板の上に層間絶縁層102が積層されて下地基板110が形成されている。層間絶縁層102の上面が略平坦に形成され、その上に発光素子11R〜11Bが形成されている。
発光素子11R〜11Bは、基本構成が共通であって、層間絶縁層102の上に順に積層形成された画素電極103及びホール注入層104、ホール輸送層116、発光層117、電子輸送層118、カソード119によって構成されている。
バンク112は、層間絶縁層102の上において、ホール注入層104のX方向両縁を覆うように形成されている。
そして、ホール輸送層116、発光層117、電子輸送層118は、各溝領域125R,125G,125B内に積層形成されている。
なお、これらホール輸送層116、発光層117、電子輸送層118は、Y方向に連続して形成されている。
そして、電子輸送層118の上及びバンク112,113の側面及び頂面の上を全体的に覆うように、カソード119および封止層120が順に形成されている。
封止層120は、発光層117などの有機層が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を持つ。
封止層120の上には、樹脂層121を介して、ブラックマトリクス層122及びカラーフィルタ層123を有する基板124が貼り合せられている。
以上の構成を有する表示パネル10は、トップエミッション型であってZ方向に光を出射する。
画素電極103は、層間絶縁層102上において、各発光素子11R,11G,11Bごとに独立して設けられた電極であって、下地基板110と発光層117との間に介在している。そして、各溝領域125R,125G,125Bには、複数の画素電極103がY方向に列設されている。
各画素電極103は、層間絶縁層102に設けられたコンタクトホール(不図示)を介して、TFT層101の上部電極(ソースまたはドレインに接続された電極)に接続されている。そして、各画素電極103と、発光層117を挟んで対向する対向電極であるカソード119との間に電圧が印加されることによって、各発光素子11R,11G,11Bは発光するようになっている。
Y方向に隣接する画素電極103同士の間には、図2に示すように、絶縁層106がX方向に伸長して設けられている。各絶縁層106は、画素電極103の端部を覆うように形成され、Y方向に隣接する画素同士を区画している。各絶縁層106の高さはバンク112,113の高さよりも低く設定されている。なお、上記バンク113の仕切部113cは、この絶縁層106の位置に合わせて設けられている。
また、下地基板110上において、溝部126aと重なる領域に、図3に示すようにバスバー105が配設されている。
バスバー105は、Y方向に伸長し、層間絶縁層102の上面に画素電極103と同じ材料で同層に形成されている。
そして、カソード119は、画素電極103と対向する領域だけでなく下地基板110の全体に広がって形成されており、各溝部126aの内面に沿って凹入し、バスバー105の上面側は、ホール注入層104を介してカソード119と電気接続されている。
ここでカソード119とバスバー105の電気接触は、Y方向に連続してなされている。
このようにカソード119は、バスバー105とY方向に沿って電気接続されることにより、Y方向の電気抵抗が低減される。
3.表示パネル10の各部構成材料
基板100:
基板100は、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を用い形成されている。
プラスチック基板としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。
層間絶縁層102:
表示パネル10の製造工程において、エッチング処理、ベーク処理等が施されることがあるので、層間絶縁層102は、それらの処理に対して耐久性を有する材料で形成することが望ましい。層間絶縁層102は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル系樹脂などの有機化合物で形成される。
画素電極103:
表示パネル10はトップエミッション型なので、画素電極103の表面は高い反射性を有することが好ましい。画素電極103は、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)を含む金属材料で構成される。
画素電極103は、金属材料からなる単層構造だけではなく、金属層と透明導電層との積層体とすることもできる。透明導電層の材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)が挙げられる。
ホール注入層104:
ホール注入層104は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる。
バンク112:
バンク112は、感光性の有機材料で形成する。有機材料の具体例として、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。
ホール輸送層116や発光層117等をウェット法で形成するインクに対する撥液性を有することが好ましいので、フッ素系の樹脂を用いることが好ましい。
バンク112の構造は、一層構造だけでなく、二層以上の多層構造を採用することもでき、多層構造の場合には、層毎に上記材料を組み合わせて用いることができる。
ホール輸送層116:
ホール輸送層116は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物を用いて形成することができる。
発光層117:
発光層117の材料としては、リパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質等が挙げられる。
電子輸送層118:
電子輸送層118は、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などで形成される。
カソード119:
表示パネル10はトップエミッション型なので、カソード119は光透過性の材料で形成する。具体的な材料は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などである。
封止層120:
封止層120も、光透過性の材料で形成される。
封止層120の材料は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などである。また、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成された層の上に、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
樹脂層121:
樹脂層121は、透明樹脂材料、例えば、エポキシ系樹脂材料から形成される。ただし、これ以外にもシリコーン系樹脂などを用いることもできる。
ブラックマトリクス層122:
ブラックマトリクス層122は、光吸収性および遮光性に優れる黒色顔料を含む紫外線硬化樹脂材料で形成されている。紫外線硬化樹脂としては、アクリル系の紫外線硬化樹脂材料が挙げられる。
カラーフィルタ層123:
カラーフィルタ層123は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の波長域の可視光を選択的に透過する材料、例えば公知のアクリル樹脂をベースにした材料で形成される。
基板124:
基板124は、上記基板100と同様に、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を用いることができる。
4.表示パネル10の製造方法
表示パネル10の製造方法について、図4の工程図を参照しながら説明する。
表示パネル10の製造においては、先ず、TFT基板を準備する(ステップS1)。このTFT基板は、基板100の上面にTFT層101を形成したものであり、公知の技術で作製される。
次に、TFT基板上に有機材料を塗布して層間絶縁層102を形成する(ステップS2)。
このように作製した下地基板110の層間絶縁層102上に、画素電極103およびホール注入層104を順に積層形成する(ステップS3、S4)。
画素電極103の形成は、例えば、スパッタリング法若しくは真空蒸着法を用いて金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法でパターニングすることによってなされる。また、画素電極103を形成する工程において、バスバー105も同時に形成する。
ホール注入層104の形成は、例えば、スパッタリング法を用いて酸化金属(例えば、酸化タングステン)からなる膜を形成した後、フォトグラフィ法およびエッチング法を用いてパターニングすることでなされる。
次に、バンク112、113を形成することによってバンク付基板150を作製する(ステップS5)。
このバンク112、113の形成時には、バンク材料(ネガ型感光性樹脂組成物を)を基板上に一様に塗布する。塗布したバンク材料層上に、バンク112、113のパターンに合わせた開口を有するフォトマスクを重ねて、フォトマスクの上から露光する。その後余分なバンク材料をアルカリ現像液で洗い出すことによって、バンク材料をパターニングして形成する。
図5に示されるように、バンク付基板150の上面側に、Y方向に伸長する複数のバンク112、113によって区画された溝領域125R,125G,125Bが形成されている。
バンク112及びバンク113の高さは、例えば1μmである。バンク112、第1サブバンク113a,第2サブバンク113bの各幅は例えば30μmである。
次に、複数のバンク112、113で区画された各溝領域125に、ホール輸送層116を形成する(ステップS6)。このホール輸送層116の形成は、ウェット法を用い、ホール輸送層116の構成用材料を含むインクを隣り合うバンク112、113間の各溝領域に塗布した後、乾燥することによってなされる。
同様に、複数のバンク112、113で区画された溝領域125に、発光層117を積層形成する(ステップS7)。
発光層117の形成については、後で詳しく説明するが、発光層117の材料を含むインクを塗布した後、乾燥することでなされる。
次に、発光層117及びバンク112、113の頂面を覆うように、電子輸送層118、カソード119および封止層120を順に積層し形成する(ステップS8,S9,S10)。電子輸送層118,カソード119および封止層120は、例えば、スパッタリング法を用いて形成することができる。
その後、基板124にカラーフィルタ層123およびブラックマトリクス層122が形成されたカラーフィルタ基板を貼り合わせることによって、表示パネル10が完成する(ステップS11)。
5.発光層117の形成工程
図5は、ノズルヘッド200R,200G,200Bを用いて各溝領域125R,125G,125Bにインクを塗布するインクを塗布する様子を示す図である。図6(a)〜(c)は、発光層117R,117G,117Bを形成する工程を示す図である。
ノズルヘッド200Rは赤色インク吐出用、ノズルヘッド200Gは緑色インク吐出用、
ノズルヘッド200Bは青色インク吐出用である。各ノズルヘッド200R,200G,200Bの下面側には、複数のノズル(不図示)がY方向に列設されている。
ノズルヘッド200R,200G,200Bをバンク付基板150の上を走査させながら、各ノズルからインクを吐出することによって、図6(a)に示すように、各溝領域125R,125G,125BのY方向全体にわたって、赤色、緑色、青色のインクを塗布する。
各色のインクは、各色の発光層117R、117G、117Bの材料を、所定の溶剤に溶解した溶液である。
インクの溶剤としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)の他に、ジエチルベンゼン、デカハイドロナフタレン、メチルベンゾエート、アセトフェノン、フェニルベンゼン、ベンジルアルコール、テトラハイドロナフタレン、イソフォロン、n−ドデカン、ジシクロヘキシル、p−キシレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
これら溶剤は、単独で用いてもよいし、複数の溶剤を混合したもの、あるいは低沸点溶剤と混合して用いてもよい。
図6(b)に示すように、溝領域125Rには赤色のインク層117a(R)、溝領域125Gには緑色のインク層117a(G)、溝領域125Bには青色のインク層117a(B)が形成される。
そして、このインク層117a(R),117a(G),117a(B)を乾燥することによって、図6(c)に示すように、溝領域125R,125G,125Bに、発光層117R,117G,117Bが形成される。
6.表示パネル10による効果
(混色防止効果)
表示パネル10は、溝領域125Gと溝領域125Rとの間のバンク113が、上記のように1対の第1サブバンク113a及び第2サブバンク113bと、その間の間隙126を仕切る仕切部113cとで構成されているので、バンク113に異物や決壊などの欠陥が生じても、発光層117をウェット法で形成する工程において、インク層117a(B)とインク層117a(R)との間で混色が生じにくい。
従って、表示パネル10は、各発光層117R,117Bにおいて、混色による発光色不良が生じにくい。
この効果について、図7(a),(b)を参照しながら説明する。
図7(a),(b)は、実施形態の表示パネル10及び比較例の表示パネルにおいて、発光層117を形成する工程で、青色インク層117a(B)と赤色インク層117a(R)との間のバンクに欠陥部が存在する場合を示している。
この欠陥部は、バンクを横切ってインクが流通できるようになった部分であって、バンクを形成する過程でバンクの一部が決壊して生じたり、バンクに異物が付着することによって形成される。例えば、バンクに異物が付着すると、異物とバンクとの間がインクの流通路となったり、異物が繊維片の場合はインクを吸収するので、異物自体がインクの流通路となる。
図7(a)に示す実施形態においては、青色インク層117a(B)と赤色インク層117a(R)との間はバンク113で仕切られ、そのバンク113を構成する2本サブバンクの一方(第1サブバンク113a)に欠陥部が存在している。
この場合、図7(a)に示すように、青色インク層117a(B)のインクの一部が、第1サブバンク113aの欠陥部を介して、欠陥部に隣接する溝部126aに流出することがある。
しかし、この溝部126aと溝領域125Rとの間は第2サブバンク113aで仕切られているので、溝部126aに流出したインクと、隣接する赤色インク層117a(R)とのインクが混色することはない。
いいかえると、溝部126aが流出したインクを蓄えるバッファ画素として機能する。
また、溝部126aと、Y方向に隣接する溝部126aとは、仕切部113cで仕切られているので、溝部126aに流出したインクが、隣接する溝部126aに流れることもない。
なお、本実施形態では、各溝部126aのY方向の長さが1画素長、すなわち画素電極103の長さに相当する長さを有しているので、第1サブバンク113aあるいは第2サブバンク113bにおいて欠陥部がY方向のいずれの位置に生じても、欠陥部を介して流れ出るインクは溝部126aに閉じ込められて、混色が防止される。
一方、図7(b)に示す比較例においては、青色インク層117a(B)と赤色インク層117a(R)との間は1本のバンク112で仕切られているので、
発光層117を形成する工程で、青色インク層117a(B)と赤色インク層117a(R)との間のバンク112に欠陥部が存在している。
この場合、青色インク層117a(B)のインクと、赤色インク層117a(R)のインクとが、欠陥部を介して混ざり合うことによって、図7(b)に示すように溝領域125Bと溝領域125Rに混色領域が形成されることがある。
このように発光層に混色領域が生じた表示パネルにおいて、混色領域が、本来の発光色と異なった発光色で発光する。一般に、異なる発光色のインクが混合された場合、波長の長い発光色が優勢になる。例えば赤色インクと青色インクが混合されて生じた混色領域は、赤色発光することになる。従って、本来、青色発光すべき領域の中で、混色領域となった領域は赤色で発光するので、混色領域が広がると発光色不良の原因となる。
(着弾ずれ検出)
溝領域125Gと溝領域125Rとの間のバンク113に溝部126aが存在することによって、発光層117の形成工程においてインクの着弾ずれを検出しやすいという効果も奏する。
例えば、発光層117の形成工程において、溝領域125Bに青色インクを塗布する際に、第1サブバンク113aを越えてX方向に着弾位置のずれ(着弾ずれ)が生じた場合、図7(a)に示すように、溝部126aにインクが着弾する。その場合、発光層117の形成工程後に、基板の表面にUV光を照射して、基板の上に付着した発光層材料を光らせて検査する)をすれば、溝部126aに付着したインクを比較的容易に検出することができる。
一方、図7(b)に示す比較例においては、発光層117の形成工程において、溝領域125Bに青色インクを塗布する際に、X方向に着弾ずれが生じて、バンク112を越えて溝領域125Rに着弾した場合、青色インク液滴は赤色インク層117a(R)の中に混在するので、基板の表面を検査しても、そのインクを検出することは難しい。
このように、表示パネル10は、バンク113を有することによって、比較例と比べて、発光層を形成するインクの着弾ずれが生じたときにそれを検出しやすく、特に青色インクにおいてはその効果が大きい。
7.溝部126aのサイズに関する考察及び実験
溝部126aのY方向の長さは、上記混色防止効果を得る上で、1画素相当(1つの画素電極103相当)程度の長さ、もしくはそれ以上の長さを有することが好ましい。
一方、溝部126aのサイズが大きいと、上記のようにバンクの欠陥部が生じたときに、溝部126aに流出するインクの量が多くなり、欠陥部からインクが流出する量が多くなり過ぎると、欠陥部に隣接するサブピクセルにおいて発光不良が生じる原因となるので、溝部126aは、その容量を、1サブピクセルに対して塗布されるインク量に換算して1/6以下となるように設定することが好ましい。
この数値は、下記の実験を行った結果、流出するインク量が、1サブピクセルに対して塗布されるインク量の1/6以下であれば、発光層が発光不良にはならないことがわかったことに基づく。
(実験)
インク層のインクがバンクの欠陥部から流出するときに、どの程度の流出量まで許容されるかを調べるために、基板上の中央部にある1つのサブピクセルについてだけ、意図的にインクの塗布量を減らすとともに、その減らす量も変えて、発光層の形成を行い、輝度の低下度合を調べた。
実験に使用した表示パネル10は、バンク112,113の高さは1μm、溝領域125R,125G,125Bの溝幅は60μmである。また、絶縁層106の幅は60μm、高さは400〜500nmである。
ここでは、青色発光層117について実験を行った。
青色発光層用インク液滴1滴の液滴体積は5〜6μLとした。各サブピクセル1つあたりの標準的な塗布量は12滴であるが、1つのサブピクセルに対しては、塗布するインク液滴数を、0滴、1滴、2滴、3滴、4滴、5滴削減して、12滴、11滴,10滴,9滴、8滴,7滴の各値に設定した。
このように作製した各表示パネルを駆動して、インク塗布量を減らした画素の輝度、及びそれに隣接する画素の輝度を測定した。
そして、インク塗布量を減らしたサブピクセルの輝度が、それに隣接するサブピクセルの輝度を基準にして、何%減少しているかを求めた。その結果を図8に示す。
図8に示すように、削減した液滴数が2滴以下(すなわち12滴を基準にして1/6以下)のものは、輝度の減少率が1%以下であり、削減した液滴数が3滴以上のものは輝度の減少率が1%を越えている。ここで輝度の減少率が1%以下であれば、製品として許容されると判断することができる。
この結果から、溝領域125Bに塗布したインク層のインクの一部が、バンクの欠陥部から流出したとしても、そのインク流出量が、1サブピクセルを形成するのに必要なインク量の1/6以下であれば、輝度低下率を許容範囲内に収めることができることがわかる。
なお、このように、インク層からインクの一部が流出しても、そのサブピクセルにおける輝度の低下がわずかであるのは、インク層のレベリング作用によって、隣接するサブピクセルからインクが補われるためと考えられる。
以上より、バンク113における溝部126aのインク保持量は、それに隣接する溝領域125Rあるいは溝領域125Bにおいて発光層を形成するインクの1サブピクセルあたりの塗布量の1/6以下となるように設定することが好ましい。
(バンクのサイズ設定)
以下、この条件を満たすために、バンク113における各部のサイズをどう設定すればよいかについて考察する。
溝部126aにおける保持インクの量(溝部126aに蓄えられるインク保持量)は、以下のように、溝部分開口寸法W、インクのバンクに対する接触角θ°,バンクの高さH、開口幅W、溝部分の長さLから、近似的に計算することができる。
図9は、第1サブバンク113aと第2サブバンク113bの間の溝部126aにインクが保持された状態を模式的に示す平面図及び断面図である。
第1サブバンク113aと第2サブバンク113bの間の溝部分に保持されるインク保液量(V)は、保持インクの断面積(C1+C2)に、溝部分の長さLをかけた値なので、V=(C1+C2)× L…(1)で表される。
図8の断面図に示すように、保持インクの断面は、開口幅Wとほぼ同等長さの弦と保持インク表面の円弧とで囲まれた半円部(面積C1)と、上記弦とサブバンク113a、113bの側辺と溝部分の底辺とで囲まれる長方形部(面積C2)とに分けられ、保持インクの断面積は(C1+C2)で表される。
C1、C2の中、まず、長方形部の面積C2は、サブバンク113a,113bの高さをHとすると、C2=W ×H…(2)で表される。
一方、半円部の面積C1は、以下のように求めることができる。
図8からわかるように、上記円弧と2本の半径(R)とで囲まれる扇形部分は、上記半円部と、上記弦と2本の半径(R)とで囲まれる三角形部分とに分けられるので、扇形部分の面積C1oは、半円部の面積C1と、三角形部分の面積C1sとの和で表される。
C1o=C1+C1s…(3)
図8からわかるように、上記半径Rと、保持されたインク表面のバンク頂面に対する接触角θ(上記円弧がサブバンク113a,113bと接触する箇所において水平面に対してなす角度、ここでは45°〜50°)と、開口幅Wとの間には、R=W/2sinθ…(4)の関係がある。
また、上記扇形部分の中心角は上記接触角θの2倍なので、扇形部分の面積(C1o)は、C1o=πR2×(2θ/360)…(5)で表される。
三角形部分の面積(C1s)は、C1s=(W×Rcosθ)/2…(6)で表される。
従って、式(3)〜(6)から、半円部の面積C1は、
C1=C1o−C1s=πR2×(θ/180)−(W×Rcosθ)/2
=(W/2sinθ)2×θ−W2cosθ/4sinθ…(7)となる。
式(1),(2),(7)から、溝部126aの保液量Vは、
V =[ (W/2sinθ)2×θ−W2cosθ/4sinθ+W ×H]×L…(8)で表される。
この式(8)において、接触角θはほぼ一定とみなせるので、バンク高さH、開口幅W及び長さLを決めれば、保液量Vが定まることがわかる。
従って、バンク113の高さH、溝部126aの開口幅W及び長さLは、溝部126aの保液量Vが、1サブピクセル当たりのインク塗付量(液滴数×液滴体積によって決まる)の1/6以下となるように設定すればよいことがわかる。
[実施の形態2]
上記実施の形態1の表示パネル10においては、画素を形成する3色の発光層が繰り返される単位ごと(すなわち、青色溝領域125Bと赤色溝領域125Rとの間だけ)に、溝部126aを有するバンク113が設けられていたが、本実施の形態にかかる表示パネル20においては、互いに隣接する溝領域同士の間のすべてのバンク113に、溝部126aが列設されている。
図10は、表示パネル20の平面図である。
当図に示すように、青色溝領域125Bと赤色溝領域125Rの間だけでなく、赤色溝領域125Rと緑色溝領域125Gとの間、及び緑色溝領域125Gと青色溝領域125Bとの間にも、複数の溝部126aを有するバンク113が形成されている。
各バンク113は、1対の第1サブバンク113a及び第2サブバンク113bと、その間の間隙126を仕切る仕切部113cとで構成されている。
この表示パネル20によれば、本実施形態にかかる表示パネル20においては、すべての発光層117R,117G,117Bにおいて、隣接する発光層との間で混色による発光色不良が生じにくい効果が得られる。
すなわち、溝領域125Gと溝領域125Rとの間、赤色溝領域125Rと緑色溝領域125Gとの間、緑色溝領域125Gと青色溝領域125Bとの間の各バンク113に、異物や決壊などの欠陥が生じても、発光層117をウェット法で形成する工程において、隣接する発光層との間で混色が生じにくい。
また、この表示パネル20によれば、着弾ずれ検出効果に関しても、溝領域125Rと溝領域125Gとの間、溝領域125Gと溝領域Bとの間、溝領域125Bと溝領域Rと間にそれぞれバンク113の溝部126aが存在するので、3色いずれの発光層117R,117G,117Bを形成する工程においても、インクの着弾ずれを検出しやすい効果が得られる。
[変形例]
1.上記実施の形態1,2の表示パネル10,20においては、バンク113における溝部126aにバスバー105と重ねて設けているが、バスバー105は必ずしも設けなくてもよく、その場合も上記実施の形態1,2で説明した混色防止効果及び着弾ずれ検出効果を得ることができる。
2.上記実施の形態1,2の表示パネル10,20においては、仕切部113cがY方向に1画素長間隔で設けられていたが、1画素長より短い間隔(例えば1画素長の0.5倍間隔)で設けてもよいし、1画素長より長い(例えば、2画素長あるは3画素長間隔)で設けてもよい。ただし、上記溝部126aのインク保持量を、1サブピクセル当たりのインク塗付量の1/6以下となるように設定する上で、仕切部113cの間隔はあまり長くしないことが好ましい。一方、仕切部113cのY方向間隔を短くし過ぎると、欠陥部を介して流れ出るインクを、溝部126aに確実に閉じ込めにくくなるので、仕切部113cの間隔(溝部126aの長さ)は、1画素長程度に設定することが好ましい。
本発明は、基板の主面に沿ってラインバンクが複数本配列され、ラインバンクによって区画された各溝空間に発光層が形成された有機EL表示装置に適用できる。
1 有機EL表示装置
10 表示パネル
11R 赤色発光素子
11G 緑色発光素子
11B 青色発光素子
20 表示パネル
100 基板
101 TFT層
102 層間絶縁層
103 画素電極
104 ホール注入層
105 バスバー
106 絶縁層
110 下地基板
112 バンク
113 バンク
113a 第1サブバンク
113b 第2サブバンク
113c 仕切部
116 ホール輸送層
117a インク層
117R,117G,117B 発光層
118 電子輸送層
119 カソード
120 封止層
125R 赤色溝領域
125G 緑色溝領域
125B 青色溝領域
126 間隙
126a 溝部
150 バンク付基板
200R,200G,200B ノズルヘッド

Claims (6)

  1. 基板と、各々が前記基板の主面に沿った一方向に伸長し互いに並列に配列された複数本のバンクと、前記複数本のバンクによって区画された各領域に形成された発光層と、を有する有機EL表示装置において、
    前記複数本のバンクから選択された少なくとも1本には、
    前記一方向に伸長する溝部が、当該バンクの幅方向中央部に位置する状態で、前記一方向に複数列設されている、
    有機EL表示装置。
  2. 前記基板上には、一画素単位に相当する複数の異なる発光色の発光層が、繰り返して配列され、
    その繰り返し単位ごとに、
    前記一方向に列設された複数の溝部を有するバンクが配設されている、
    請求項1記載の有機EL表示装置。
  3. 前記複数本のバンクは、その各々が、
    前記一方向に列設された複数の溝部を有している、
    請求項1記載の有機EL表示装置。
  4. さらに、前記基板と前記発光層との間に介挿された複数の画素電極と、前記発光層を挟んで前記複数の画素電極と対向する対向電極とを備えることによって、前記バンクによって区画された各領域に、前記一方向に配列された複数のサブピクセルが形成され、
    前記各溝部における前記一方向の長さが、
    前記各画素電極の前記一方向の長さと同等である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL表示装置。
  5. さらに、前記基板と前記発光層との間に介挿された複数の画素電極と、前記発光層を挟んで前記複数の画素電極と対向する対向電極とを備えることによって、前記バンクによって区画された各領域に、前記一方向に配列された複数のサブピクセルが形成され、
    前記各溝部の容積は、
    前記発光層を形成する1サブピクセル分のインクに換算して1/6以下である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL表示装置。
  6. さらに、前記基板と前記発光層との間に介挿された複数の画素電極と、前記発光層を挟んで前記複数の画素電極と対向する対向電極とを備えることによって、前記バンクによって区画された各領域に、前記一方向に配列された複数のサブピクセルが形成され、
    前記基板上における前記一方向に列設された複数の溝部と重なる領域に、前記一方向に伸長するバスバーが設けられ、
    前記対向電極は、
    前記各溝部の内面に沿って凹入するように延伸されて、前記バスバーと電気接続されている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL表示装置。
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