JP2020119842A - 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents

有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して封止性を向上する。【解決手段】基板100x上に配された樹脂材料を含む平坦化層118と、平坦化層上方に配され、複数の有機EL素子100からなる有機EL素子アレイ100arと、平坦化層上において、平面視において有機EL素子アレイが存在する領域の外方に延在し、複数の開口140opが開設された電極板140と、電極板の複数の開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる複数の封止部材141と、有機EL素子アレイを覆い、基板の外縁近傍まで延在する無機材料からなる封止層126とを備え、複数の有機EL素子における共通電極125は、平面視において電極板の上面において電極板の外縁近傍まで延在している。【選択図】図5

Description

本開示は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)表示パネルに関し、特に、各画素を構成する有機EL表示素子が配された画像表示領域を囲繞する周辺領域の封止性を向上する有機EL表示パネル及びその製造方法に関する。
従来、有機EL素子を複数含む有機EL表示パネルが知られている。有機EL素子は、各種材料の薄膜を積層した多層構造を有し、平坦化絶縁層に覆われたTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)基板上に、少なくとも、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた有機発光層とを備える。画素電極と有機発光層の間、または、共通電極と有機発光層の間には、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などが設けられる。これらの層は、水分と反応すると発光特性が劣化する材料を含むことがある。有機EL表示パネルの表示品質の経時的な劣化を抑制するために、外部環境に存在する水分の浸入を抑制するための封止技術が重要となる。
有機EL素子は、画素電極と共通電極との間に電圧を印加し、発光層に注入されるホールと電子との再結合に伴って発光する。トップエミッション型の有機EL素子は、発光層からの光は、光反射性材料からなる画素電極にて反射されるとともに、光透光性材料からなる共通電極から上方に出射される。共通電極は、基板全面にわたって成膜することが多く、画像表示領域以外の周辺領域に設けられた電極板を介して有機EL素子に電流を供給するための給電部と電気的に接続されている。電極板は、必要な電極面積を確保するために連続膜として形成されることが多く、平坦化絶縁層に含まれる水分を除去するための開口(スリット)を設けて、有機EL素子の製造工程において、有機物から水分を除去するためにベーク処理を行う際に、設けた開口から平坦化絶縁膜内の水分を外部に排出する技術が提案されていた(例えば、特許文献1〜3)
国際公開第2011/045911号 国際公開第2010/055496号 特開2005−266667号公報
ところが、有機EL表示パネルの製造工程において、電極板に設けた開口(スリット)の内壁近傍において共通電極に段切れが生じ、さらに封止層を成膜する際に段切れ部分を被覆できずに、開口の内壁近傍にシーム(不連続部)が生じることがあった。このような場合、完成した有機EL表示パネルにおいて十分な封止性が確保されない場合があり有機EL素子の劣化の可能性があった。特に、画素電極と同一階層に形成される電極板を多層構造とした場合には、開口を設ける際に、エッチングレートの違いによりサイドエッジが入る可能性があり、共通電極の段切れが顕著となる結果、封止層にシームが入りやすい傾向があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機EL表示パネルの画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して、封止性を向上する有機EL表示パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る有機EL表示パネルは、基板と、前記基板上に配された樹脂材料を含む平坦化層と、前記平坦化層上方に配され、複数の有機EL素子からなる有機EL素子アレイと、前記平坦化層上において、平面視において前記有機EL素子アレイが存在する領域の外方に延在し、複数の開口が開設された電極板と、前記電極板の前記複数の開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる複数の封止部材と、前記有機EL素子アレイを覆い、前記基板の外縁近傍まで延在する無機材料からなる封止層とを備え、前記複数の有機EL素子における共通電極は、平面視において前記電極板の上面において前記電極板の外縁近傍まで延在し、前記電極板の前記開口の内部では前記封止部材又は前記平坦化層上面に連続して配され、前記封止層は、前記電極板の前記開口の内部では前記共通電極上面に沿って連続して配されていることを特徴とする。
本開示の一態様に係る表示パネル、表示パネルの製造方法によると、有機EL表示パネルの画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して封止性を向上することができる。
実施の形態1に係る有機EL表示パネル10の平面図である。 図1におけるA部の模式平面図である。 図1におけるB部の模式平面図である。 図2におけるX1−X1で切断した模式断面図である。 図4におけるX2−X2で切断した模式断面図である。 (a)は、図3におけるC部の拡大図、(b)は、図5におけるD部の拡大図である。 有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2におけるX1−X1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3におけるX2−X2と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2におけるX1−X1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3におけるX2−X2と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2におけるX1−X1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3におけるX2−X2と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(b)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3におけるX2−X2と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(b)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2におけるX1−X1と同じ位置で切断した模式断面図である。 比較例に係る表示パネルの図1のB部と同じ位置における模式平面図である。 (a)は、比較例に係る表示パネルの図13におけるX3−X3で切断した模式断面図、(b)は、(a)におけるE部の拡大図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置に用いる有機EL表示パネル10の各副画素100seにおける回路構成を示す模式回路図である。 (a)〜(c)は、変形例1〜3に係る表示パネルの図1のB部と同じ位置における模式平面図である。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示の実施の形態に係る表示パネルは、基板と、前記基板上に配された樹脂材料を含む平坦化層と、前記平坦化層上方に配され、複数の有機EL素子からなる有機EL素子アレイと、前記平坦化層上において、平面視において前記有機EL素子アレイが存在する領域の外方に延在し、複数の開口が開設された電極板と、前記電極板の前記複数の開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる複数の封止部材と、前記有機EL素子アレイを覆い、前記基板の外縁近傍まで延在する無機材料からなる封止層とを備え、前記複数の有機EL素子における共通電極は、平面視において前記電極板の上面において前記電極板の外縁近傍まで延在し、前記電極板の前記開口の内部では前記封止部材又は前記平坦化層上面に連続して配され、前記封止層は、前記電極板の前記開口の内部では前記共通電極上面に沿って連続して配されていることを特徴とする。
係る構成により、有機EL表示パネルの画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して封止性を向上することができる。すなわち、封止層は開口の内壁部分の近傍においてシームや空洞といった膜欠陥を発生することがなく封止層の気密性は確保される。その結果、封止膜は有機EL素子アレイを外部の水分やガス等から保護するためのバリアとして機能し、表示パネルの製造過程及び完成後において有機EL素子アレイへの水分等の侵入を遮断し、有機EL素子アレイの劣化を十分に抑制することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記封止部材は、平面視において孔が開設されている構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記封止部材は、前記孔の最小幅は10μm以上である構成としてもよい。
係る構成により、製造工程において、ホール注入層、ホール輸送層、列バンク、発光層の成膜後の焼成時に、平坦化層から除去される水分が電極板の開口及び封止部材の孔を通って上方に排出させることができる。ベーク処理に伴う孔からの水分の排出を十分に行うことで、平坦化層等、封止層内方に含まれる残留水分を十分に除去して、表示パネルの完成後においても発光層を含む機能層の劣化を抑制することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記電極板は、金属又は当該金属を含む合金からなる下層と、前記下層の上面に積層された金属酸化物からなる上層を含む構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記電極板の前記開口の内壁では、前記上層は前記下層よりも前記開口の内方に向けて突出している構成としてもよい。
これに対し、実施の形態に係る表示パネルは、電極板の少なくとも複数の開口の内壁部分をそれぞれ覆う有機材料からなる複数の封止部材を備えた構成を採る。封止部材141が有機材料で構成されることにより、電極板の開口の内壁部分において、金属酸化物層が金属層よりも孔内方に突出している場合でも、封止部材に所定の肉厚を持たせることができるので、金属酸化物層の突出部分を囲い込み、封止部材を開口140opの内壁部分に密着させて形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記孔の孔幅は上方が拡幅したテーパ形状である構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記封止部材は、前記電極板の前記開口の内壁の上縁部に、前記電極板の上面に乗り上げ上方が縮幅するフランジ部を有する構成としてもよい。
係る構成により、表示パネルでは、共通電極は、電極板の開口の内部では封止部材又は平坦化層上面に連続して配され、さらに、封止層は、電極板の開口の内部では共通電極の上面に沿って連続して配される構成を実現できる。すなわち、表示パネル10では、封止層は開口の内壁部分の近傍においてシームや空洞といった膜欠陥を発生することがなく封止層の気密性は確保される。その結果、封止膜は有機EL素子アレイを外部の水分やガス等から保護するためのバリアとして機能し、表示パネルの製造過程及び完成後において有機EL素子アレイへの水分等の侵入を遮断し、有機EL素子アレイの劣化を防止することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記下層は、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金からなる構成としてもよい。
係る構成により、製造工程において電極板の金属層と画素電極とを同時に形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記上層は、ITO又はIZOからなる構成としてもよい。
係る構成により、製造工程において、画素電極上にITO又はIZOを設けたときに、電極板の金属酸化物層とを同時に形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記金属酸化物の金属は、W、Ag、Mo、Cr、V、Ni、Irのいずれかを含む構成としてもよい。
係る構成により、製造工程において、電極板の金属酸化物層とホール注入層とを同時に形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記有機EL素子アレイは、前記平坦化層上面に前記有機EL素子に対応して行列状に配された複数の画素電極を含み、列方向に隣接する前記画素電極の間隙に行方向に延伸して配された行バンクとを備え、前記封止部材は、前記行バンクと同一の材料からなる構成としてもよい。
係る構成により、有機材料からなる封止部材を行バンクと同時に形成することができる。行バンクと封止部材とは構成材料、高さ及び階層が等価であり、製造過程において同時に形成することで必要な特性を確保したうえで製造効率を向上できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記有機EL素子アレイは、前記平坦化層上面に前記有機EL素子に対応して行列状に配された複数の画素電極を含み、行方向に隣接する前記画素電極の間隙に列方向に延伸して配された列バンクとを備え、前記封止部材は、前記列バンクと同一の材料からなる構成としてもよい。
係る構成により、有機材料からなる封止部材を列バンクと同時に形成することができる。
また、本実施の形態に係る有機EL表示パネルの製造方法は、画素が行列状に複数配された表示素子アレイを含む有機EL表示パネルの製造方法であって、基板を準備する工程と、前記基板の上面に平坦化層を形成する工程と、前記平坦化層の上面に行列状に複数の画素電極と、平面視において前記複数の画素電極の外方に複数の開口が開設された電極板とを形成する工程と、前記電極板の前記開口内の前記平坦化層の上面に、前記電極板の前記開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる封止部材を形成する工程と、前記画素電極の上方に発光層を含む機能層を形成する工程と、前記発光層の上方及び前記電極板上に共通電極を形成する工程と、前記共通電極の上方に封止層を形成する工程とを有することを特徴とする。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記共通電極は、前記電極板の前記開口の内部では前記封止部材又は前記平坦化層上面に連続し形成し、前記封止層は、前記電極板の前記開口の内部では前記共通電極上面に沿って連続して形成する構成としてもよい。
係る構成により、有機EL表示パネルの画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して封止性を向上する有機EL表示パネルを製造することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記封止部材の形成では、平面視において孔が開設されている構成としてもよい。
係る構成により、有機EL表示パネルの製造工程において、ホール注入層、ホール輸送層、列バンク、発光層の成膜後の焼成時に、平坦化層から除去される水分が電極板の開口及び封止部材の孔を通って上方に排出させることができる。ベーク処理に伴う孔からの水分の排出を十分に行うことで、平坦化層等、封止層内方に含まれる残留水分を十分に除去して、表示パネルの完成後においても発光層を含む機能層の劣化を抑制することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記封止部材を形成する工程では、前記平坦化層の上面に、前記封止部材と同一の有機材料からなる、前記画素電極の列方向の間に行方向に延伸した複数の行バンク、又は前記画素電極の行方向の間に列方向に延伸した複数の列バンクを形成する構成としてもよい。
係る構成により、有機材料からなる封止部材を行又は列バンクと同時に形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記電極板を形成する工程では、前記平坦化層の上面に金属又は当該金属を含む合金を含む下層と、前記下層の上面に金属酸化物の前駆体を含む上層を成膜した後パターニングし、その後、エッチングにより金属又は当該金属を含む合金からなる下層と、前記下層の上面に積層された金属酸化物からなる上層を含む前記電極板を形成する構成としてもよい。
これに対し、実施の形態に係る表示パネルは、電極板の少なくとも複数の開口の内壁部分をそれぞれ覆う有機材料からなる複数の封止部材を備えた構成を採る。封止部材141が有機材料で構成されることにより、電極板の開口の内壁部分において、サイドエッチにより下層を構成する金属酸化物層が金属層よりも孔内方に突出している場合でも、封止部材に所定の肉厚を持たせることができるので、金属酸化物層の突出部分を囲い込み、封止部材を開口の内壁部分に密着させて形成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記機能層を形成する工程では、前記画素電極の上方に有機機能材料を含むインクを塗布した後、焼成して前記機能層を形成する構成としてもよい。
係る構成により、ホール注入層、ホール輸送層、発光層等の機能層の成膜後のベーク処理に伴う孔からの水分の排出を十分に行うことで、平坦化層等、封止層内方に含まれる残留水分を十分に除去して、電極板の開口及び封止部材の孔を通って上方に排出させることができる。これより、表示パネルの完成後においても発光層を含む機能層の劣化を抑制することができる。
≪実施の形態≫
本実施の形態に係る有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)について、図面を用いて説明する。なお、図面は模式図であって、その縮尺は実際とは異なる場合がある。
<表示パネル10の全体構成>
図1は、実施の形態1に係る表示パネル10の平面図である。図2は、図1におけるA部の拡大図である。図3は、図1におけるB部の拡大図である。表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルであって、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。同図に示すように表示パネル10は、平面視したとき、画像表示領域10aと、画像表示領域10aの基板外方に位置する周辺領域10bとを有する。
<表示パネル10の画像表示領域10aの構成>
画像表示領域10aには、複数の単位画素100eがマトリクス状に配列されている。それぞれの単位画素100eは発光色の異なる複数の副画素100seを含み、1つの副画素100seが1つの有機EL素子100から構成されている。これらの複数の有機EL素子100が表示パネル10の画像表示領域10aにマトリクス状に配列され有機EL素子アレイ100arを構成している。図3に示すように、表示パネル10の画像表示領域10aには、それぞれが画素電極119を有し、R、G、Bの副画素100seを備えた単位画素100eが行列状に配され有機EL素子アレイ100arを構成している。
図2は、表示パネル10の画像表示領域10a内の一部を示す模式平面図であって、後述する発光層123、電子輸送層124、共通電極125、封止層126、前面板131を取り除いた状態を示した図である。
表示パネル10は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された基板100x(TFT基板)に、各々が画素を構成する複数の有機EL素子100が行列状に配され、上面より光を発するトップエミッション型の構成を有する。ここで、本明細書では、図2におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、列方向、厚み方向とする。
図2に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列バンク522Yと行バンク122X(総称して「バンク122」とする)とが配された画像表示領域10aから構成されている。表示パネル10の画像表示領域10aには、有機EL素子100に対応する副画素100seが行列状に配され、各副画素100seは、赤色に発光する100aR、緑色に発光する100aG、青色に発光する100aB(区別しない場合は「100a」とする)の3種類の自己発光領域100aの何れかが形成され、行方向に並んだ自己発光領域100aR、100aG、100aBに対応する3つの副画素100seから単位画素100eが構成される。
また、図2に示すように、表示パネル10には、複数の画素電極119が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態でマトリックス状に配されている。画素電極119は、平面視において矩形形状であり、光反射材料からなり、自己発光領域100aに対応する。
表示パネル10では、バンク122の形状は、いわゆるライン状のバンク形式を採用し、行方向に隣接する2つの画素電極119の間には、各条が列方向(図2のY方向)に延伸する列バンク522Yが複数行方向に並設されている。
一方、列方向に隣接する2つの画素電極119の間には、各条が行方向(図2のX方向)に延伸する行バンク122Xが複数列方向に並設されており、行バンク122Xが形成される領域は、発光層123において有機電界発光が生じないために非自己発光領域100bとなる。非自己発光領域100bには、画素電極119とTFTのソースS1とを接続する接続凹部(コンタクトホール、不図示)が設けられている。
<表示パネル10の周辺領域10bの構成>
図3は、画像表示領域10aと周辺領域10b内の一部を示す模式平面図であって、バンク122、発光層123、電子輸送層124、共通電極125、封止層126、前面板131を取り除いた状態を示した図である。
表示パネル10の周辺領域10bには、平坦化層118上において、平面視において有機EL素子アレイ100arが存在する画像表示領域10aの外方に延在する電極板140が配されている。電極板140は周辺領域10bの外縁付近まで連続して配され給電部に接続される。
電極板140には、電子輸送層124に被覆されない範囲に、複数の開口(スリット)140op(以後、「開口」とする)が開設され、電極板140の開口140opからは平坦化層118が露出している。複数の開口140opは、電極板140の行(X)及び列(Y)方向ともに、開口している部分の長さの占める比率が50%以下となるように、開口のXY方向の長さが設定されている。具体的には、図3において、有機EL素子アレイ100arの下方に位置する行(X)方向に延伸する電極板140の部分と、有機EL素子アレイ100arの右方に位置する列(Y)方向に延伸する電極板140の部分との両方において、開口している部分の長さの占める比率が行(X)及び列(Y)方向ともに50%以下となるように、開口のXY方向の長さが設定されている。
これより、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140opを通って上方に排出されるとともに、共通電極125の表示パネル10内の電気抵抗を低減することができる。
また、図3において、図示されない電子輸送層124は、周辺領域10bにおける電極板140の開口140opの内方まで、共通電極125は周辺領域10bにおける電極板140の外縁付近まで形成される。後述するように電子輸送層124は有機物を含むことから、開口140opの上方に電子輸送層124を形成した場合には、製造工程及び表示パネル完成後に平坦化層118から排出される水分が開口140opを通って電子輸送層124に触れ、電子輸送層124が開口140op上の部分から劣化する可能性がある。そのため、電子輸送層124は開口140opの上方には形成されないことが好ましい。
<画像表示領域10aにおける各部の構成>
表示パネル10における有機EL素子100の構成について、図4を用いて説明する。図4は、図2におけるX1−X1で切断した模式断面図である。
図4に示すように、表示パネル10においては、Z軸方向下方に薄膜トランジスタが形成された基板100x(TFT基板)が構成され、その上に有機EL素子部、前面板131が積層されている。有機EL素子部は、その主な構成として、平坦化層118、画素電極119、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、有機発光層123、電子輸送層124、共通電極125、封止層126の各層から構成される。
(基板100x)
基板100xは表示パネル10の支持部材であり、基材(不図示)と、基材上に形成されたTFT層(不図示)とを有する。
基材は、表示パネル10の支持部材であり平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド材料、アルミナ等の絶縁性材料のいずれかで形成することができる。
TFT層は、基材の表面に副画素毎に設けられており、各々には薄膜トランジスタ素子を含む副画素回路が形成されている。TFT層は、基材上面に形成された電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。
[平坦化層118]
基材上及びTFT層の上面には平坦化層118が設けられている。基板100xの上面に位置する平坦化層118は、TFT層と画素電極119との間の電気的絶縁性を確保すると共に、TFT層の上面に段差が存在してもそれを平坦化して、画素電極119を形成する下地面への影響を抑える機能を持つ。平坦化層118の材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂等の有機絶縁材料、SiO(酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)等の無機絶縁材料を用いることができる。平坦化層118には、画素電極119と対応するTFTの副画素回路のソースS1とを接続するためにのコンタクトホール(不図示)が開設されている。
(有機EL素子部)
[画素電極119]
基板100xにおける画像表示領域10aの上面に位置する平坦化層118上には、副画素100seに対応して画素電極119が設けられている。
画素電極119は、発光層123へキャリアを供給するためのものであり、例えば陽極として機能した場合は、発光層123へホールを供給する。金属層としては、シート抵抗が小さく、高い光反射性を有する材料として、例えば、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)等からなる。画素電極119の厚みは、例えば、200nm以上400nm以下としてもよい。
画素電極119の形状は、例えば、概矩形形状をした平板状である。平坦化層118のコンタクトホール118a上には、画素電極119の一部を基板100x方向に凹入された画素電極119の接続電極117(図5参照)が形成されており、接続凹部の底で画素電極119と対応する画素のソースS1 に接続される配線とが接続される。
なお、画素電極119の表面にさらに公知の透明導電膜を設けてもよい。透明導電膜の材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)を用いることができる。
[ホール注入層120]
画素電極119上には、ホール注入層120が積層されている。ホール注入層120は、画素電極119から注入されたホールをホール輸送層121へ輸送する機能を有する。
ホール注入層120は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。ホール注入層120の厚みは、例えば、数nm〜数十nmとしてもよい。
[バンク122]
画素電極119、ホール注入層120の端縁を被覆するように絶縁物からなるバンクが形成されている。バンクには、列バンク522Yと行バンク122Xとが格子状に形成されている。列バンク522Y同士の間には、列バンク522Yによって区画された間隙522zが形成され、各間隙522zの底部には、複数の画素電極119がY方向に列設され、その上に機能層としてのホール注入層120、ホール輸送層121、有機発光層123、電子輸送層124が形成されている。列バンク522Yの形状は、列方向に延伸する線状であり、行方向に平行に切った断面は、上方を先細りとする順テーパー台形状である。列バンク522Yは、発光層123をウェット法で形成するときに、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの行方向への流動を堰き止めて塗布されたインクがあふれ出ないようにする構造物としても機能する。また、列バンク522Yは、行方向の基部により行方向における各副画素100seの発光領域100aの外縁を規定する。
行バンク122Xは、各間隙522zにおいてY方向に隣接する画素電極119と画素電極119との間に形成され、Y方向に隣接する副画素100seどうしを区画している。そのため、行バンク122Xと列バンク522Yとにより、自己発光領域100aに対応する開口が形成されている。行バンク122Xの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。行バンク122Xは、各々が列バンク522Yの上面522Ybよりも低い位置に上面を有する。
バンク122は、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)、あるいは、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの無機材料からなる。
[ホール輸送層121]
間隙522zR、522zG、522zB内におけるホール注入層120上には、ホール輸送層121が積層される。ホール輸送層121は、ホール注入層120から注入されたホールを発光層123へ輸送する機能を有する。ホール輸送層121は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはアミン系有機高分子であるポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物、あるいは、TFB(poly(9、9-di-n-octylfluorene-alt-(1、4-phenylene-((4-sec-butylphenyl)imino)-1、4-phenylene))などを用いることができる。
[発光層123]
ホール輸送層121上には、発光層123が積層されている。発光層123は、有機化合物からなる層であり、内部でホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。列バンク522Yにより規定された間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、発光層123は、列方向に延伸するように線状に設けられている。赤色間隙522zR、緑色間隙522zG、青色間隙522zBには、それぞれ各色に発光する発光層123R、123G、123Bが形成されている。
表示パネル10では、発光層123の材料には、湿式印刷法を用い成膜できる発光性の有機材料を用いる。具体的には、例えば、特許公開公報(日本国・特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
[電子輸送層124]
列バンク522Y及び列バンク522Yにより規定された間隙522z内の発光層123上を被覆するように電子輸送層124が積層して形成されている。電子輸送層124は、共通電極125からの電子を発光層123へ輸送するとともに、発光層123への電子の注入を制限する機能を有する。表示パネル10では、少なくとも表示領域全体に連続した状態で形成されている。
電子輸送層124に用いる電子輸送性が高い有機材料として、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。フッ化ナトリウムで形成された層を含んでいてもよい。また、アルカリ金属、又は、アルカリ土類金属から選択されるドープ金属がドープされて形成された層を含んでいてもよい。
[共通電極125]
電子輸送層124上に、共通電極125が形成されている。共通電極125は、画素電極119と対になって発光層123を挟むことで通電経路を作る。共通電極125は、発光層123へキャリアを供給し、例えば陰極として機能した場合は、発光層123へ電子を供給する。表示パネル10では、共通電極125は各発光層123に共通の電極となっている。共通電極125は、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)などを薄膜化した電極を用い形成される。また、金属層に加え、あるいは単独で酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)など光透過性を有する導電材料が用いてもよい。
[封止層126]
共通電極125を被覆するように、封止層126が積層形成されている。封止層126は、ホール注入層120、ホール輸送層121、発光層123、電子輸送層124、共通電極125が水分や空気などに触れて劣化することを抑制するためのものである。封止層126は、共通電極125の上面を覆うように設けられている。また、トップエミッション型の場合においては、ディスプレイとして良好な光取り出し性を確保するために高い透光性を有する、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性無機材料を用い形成される。また、透光性無機材料の層の上に、アクリル樹脂、シリコン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
[接合層127]
封止層126の上方には、上部基板130の下側の主面にカラーフィルタ層132が形成された前面板131が配されており、接合層127により接合されている。接合層127は、基板100xと前面板131とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。接合層127の材料は、例えば、樹脂接着剤等からなり、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの透光性材料樹脂材料を採用することができる。
(前面板131の各部構成)
[上部基板130]
接合層127の上に、上部基板130にカラーフィルタ層132が形成された前面板131が設置・接合されている。上部基板130には、トップエミッション型では、例えば、カバーガラス、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。また、上部基板130により、表示パネル10の剛性向上、水分や空気などの侵入防止などを図ることができる。
[カラーフィルタ層132]
上部基板130には画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層132が形成されている。カラーフィルタ層132は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、その色度を矯正する機能を有する。例えば、本例では、赤色間隙522zR内の発光領域100aR、緑色間隙522zG内の発光領域100aG、青色間隙522zB内の発光領域100aBの上方に、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層132R、132G、132Bが各々形成されている。カラーフィルタ層132としては、公知の樹脂材料(例えば市販製品として、JSR株式会社製カラーレジスト)等を採用することができる。
[遮光層133]
上部基板130には、各画素の発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層133が形成されている。遮光層133は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させないために設けられる黒色樹脂層であって、例えば光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料を含む樹脂材料からなる。例えば、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに、例えば、カーボンブラック顔料、チタンブラック顔料、金属酸化顔料、有機顔料など遮光性材料の黒色顔料を添加してなる樹脂材料からなる。
<表示パネル10の周辺領域10bの構成>
以下、表示パネル10の周辺領域10bの構造について説明する。図5は、図4におけるX2−X2で切断した模式断面図である。
[基板100x]
図5に示すように、表示パネル10においては、絶縁材料である基材101pのZ軸方向上方にTFT層(不図示)とを含む基板100x(TFT基板)の上面には配線が敷設されている。また、周辺領域10bには、外部のドライブ回路に電気的に接続するための給電部101spが配設される。
[平坦化層118]
基板100xの上面には平坦化層118が積層され、平坦化層118は、周辺領域10bにおいては、平坦化層118の外周縁に沿うようにして周縁溝118glが形成され(図1参照)、周縁溝118glによって外方部分118plに分離されている。
[電極板140]
表示パネル10の周辺領域10bにおける平坦化層118上には電極板140が積層されている。電極板140は、基板の外方において平坦化層118の周縁溝118glまで延伸され、周縁溝118glの内部において給電部101spに接続されている。本実施の形態では、電極板140は、下層に金属層1401と上層に金属酸化物層1201とが積層された2層構成を採る。しかしながら、電極板140は少なくとも金属層1401を含む構成であればよく、単層あるいは3層以上であってもよい。
金属層1401には、シート抵抗が小さい材料として、例えば、アルミニウム(Al)を主成分として含む金属層、合金層から構成することが好適である。金属層1401の厚みは、例えば、200nm以上400nm以下としてもよい。また、金属層1401は、画素電極119と同一材料により同層に形成してもよい。金属酸化物層1201の金属は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの何れかを含む構成としてもよく、ホール注入層120と同一材料により同層に形成してもよい。あるいは、金属酸化物層1201には、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いることができる。金属酸化物層1201の厚みは、例えば、数nm〜数十nmとしてもよい。
図6(a)は、図3におけるC部の拡大図、(b)は、図5におけるD部の拡大図である。図5及び図6(a)(b)に示すように、電極板140及びホール注入層120には開口140opが開設されている。
電極板140の開口140opの内壁部分において、金属酸化物層1201が金属層1401よりも孔内方に突出した構成を採ってもよい。例えば、金属酸化物層1201の金属層1401に対する突出量は、例えば、約200nmとしてもよい。
[封止部材141]
電極板140の少なくとも複数の開口140opの内壁部分をそれぞれ覆う有機材料からなる複数の封止部材141が配設されている。封止部材141は、電極板140に乗り上げたフランジ部分141tpと孔141opを有する。封止部材141の形状は、行バンク122Xの形状と同様に、行及び列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。本実施の形態では、一例として、図6(a)に示すように、封止部材141の幅は、電極板140の開口140opの内壁を基準として、電極板140上で5μm以上、開口140op内で5μm以上としてもよい。また、封止部材141のフランジ部141tpの厚みは500nm以上、封止部材141の孔141opの開口の最小幅は10μm以上としてもよい。
これより、電極板140には複数の開口140opが開設され、封止部材141には孔141opが開設され、孔141opからは平坦化層118が露出して形成される。これより、製造工程において、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140op及び封止部材141の孔141opを通って上方に排出させることができる。
封止部材141は、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)からなる。また、封止部材141は、行バンク122X又は列バンク522Yと同一材料により同層に形成してもよい。
また、封止部材141に有機材料を用いることにより、電極板140の開口140opの内壁部分に密着して形成することができる。本実施の形態では、上述のとおり、電極板140の開口140opの内壁部分において、金属酸化物層1201が金属層1401よりも孔内方に突出している。封止部材141に有機材料を用いることにより、封止部材141が金属酸化物層1201の突出部分を囲い込み、封止部材141が電極板140の開口140opの内壁部分に密着して形成することができる。さらに、封止部材141に有機材料を用いることにより、バンク122の断面形状と同様に、電極板140に乗り上げた封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状とすることができる。
[共通電極125]
平面視において電極板140の上面に複数の有機EL素子100における共通電極125が、電極板140の外縁付近まで延在され電極板140に積層されている。共通電極125は、電極板140の上面において、電極板140と電気的に接続される。
また、共通電極125は、電極板140の開口140opの内部では封止部材141又は平坦化層118上面に連続して配されている。封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状とすることにより、例えば、スパッタリング法、又は真空蒸着法等を用いて、共通電極125を開口140opの内部において連続して配することができる。
[封止層126]
画像表示領域10aにおいて有機EL素子アレイ100arを覆う封止層126は、基板100xの外縁付近まで延在する。封止層126は、電極板140の開口140opの内部では共通電極125の上面に沿って連続して配されている。ここでも、封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状とすることにより、例えば、スパッタリング法、又はCVD法等を用いて、封止層126を開口140opの内部において共通電極125の上面に沿って連続して配することができる。
[その他]
封止層126の上方には、画像表示領域10aと同様に、上部基板130が配されており、接合層127により接合されている。
また、接合層127の基板外方の端面を被覆すると共に封止層126の上面に密着した保護構造体134を有する。保護構造体134は、接合層127の端縁を保護しつつ密閉性を向上させるものであって、平面視においては、封止層126上であって保護構造体134は平坦化層118の周縁溝118glを含む範囲に枠状に形成される。保護構造体134は、反応性イオンエッチングに対して耐性を有する樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂など材料が選択される。
<表示パネル10の製造方法>
表示パネル10の製造方法について、図7〜16を用いて説明する。図7は、有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。図8、10、12、14、15における各図は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2(画像表示領域10a)におけるX1−X1と同じ位置で切断した模式断面図である。図9、11、13、16における各図は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3(周辺領域10b)におけるX2−X2と同じ位置で切断した模式断面図である。
[基板100xの作成]
複数のTFTや配線(TFT層)を基板100xに形成する(図7におけるステップS1、図8(a)、図9(a))。
[平坦化層118の形成]
基板100xを被覆するように、上述の平坦化層118の構成材料(感光性の樹脂材料)をフォトレジストとして塗布し、表面を平坦化することにより平坦化層118を形成する(図7:ステップS2、図8(b)、図9(b))。具体的には、一定の流動性を有する樹脂材料を、例えば、ダイコート法により、基板100xの上面に沿って、TFT層による基板100x1上の凹凸を埋めるように塗布したのち焼成する。
平坦化層118における、TFT素子の例えばソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール(不図示)を形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するようにパターニングなどを用いて形成される。
また、周辺領域10bでは、平坦化層118の外周縁に沿うようにして周縁溝118gl、周縁溝118glによって分離された外方部分118plが形成される。これより、周縁溝118glの底部に基板100x上面に端子101spが露出する。
[画素電極119、ホール注入層120、電極板140の形成]
次に、画素電極119、ホール注入層120の形成を行う。
先ず、平坦化層118を形成した後、平坦化層118の表面にドライエッチング処理を行い成膜前洗浄を行う。
次に、平坦化層118の表面に成膜前洗浄を行った後、画像表示領域10aでは画素電極119を形成するための画素電極用の金属膜119x、周辺領域10bでは電極板140を形成するための金属膜1401´をスパッタリング法、真空蒸着法などの気相成長法により平坦化層118の表面に成膜する(図7:ステップS3、図8(c)、図9(c))。本例では、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなる膜をスパッタリング法により成膜する。成膜した後に焼成を行ってもよい。
さらに、金属膜119xの表面に成膜前洗浄を行った後、引き続き真空雰囲気下で、画像表示領域10aではホール注入層120を形成するためのホール注入層120用の金属膜120’を、周辺領域10bでは電極板140の金属酸化物層1201を形成するための金属膜1201´を気相成長法により金属膜119xの表面に成膜する(図7:ステップS4、図8(d)、図9(d))。本例では、タングステンをスパッタリング法により成膜する。成膜した後に焼成を行ってもよい。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FRを塗布したのち、所定の開口部が施されたフォトマスクPMを載置し、その上から紫外線照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する(図10(a)、図11(a))。次に、フォトレジスト層FRを現像によってパターニングする。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FRを介して、画像表示領域10aでは、金属膜120’にドライエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層120を形成する。また、周辺領域10bでは、金属膜1201’にドライエッチング処理を施してパターニングを行い、金属酸化物層1201を形成する。
続けて、パターニングされたフォトレジスト層FR及びホール注入層120を介して、画像表示領域10aでは、金属膜119xにウエットエッチング処理を施ししてパターニングを行い、画素電極119を形成する。また、周辺領域10bでは、金属膜1401´にウエットエッチング処理を施ししてパターニングを行い、金属層1401を形成する。このとき、金属層1401同士のショートを防止するとともに、残渣を確実に除去するために、金属層1401はオーバーエッチングになる傾向がある。
最後に、フォトレジスト層FRを剥離して、画像表示領域10aでは、同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120の積層体を形成する。また、周辺領域10bでは、同一形状に開口140opがパターニングされた金属層1401及び金属酸化物層1201の積層体からなる電極板140を形成する(図7:ステップS5、図10(b)、図11(b))。これより、電極板140は、平坦化層118の周縁溝118glの底部に露出している端子101spに接続された状態になる。
[バンク122、封止部材141の形成]
画像表示領域10aでは、ホール注入層120を形成した後、ホール注入層120を覆うようにバンク122を形成する。バンク122の形成では、先ず、ホール注入層120上に、スピンコート法などを用い、バンク122Xの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行バンク122Xを形成する(図7:ステップS6、図10(c))。
周辺領域10bでは、電極板140の開口140opの内壁部分を少なくとも覆うように封止部材141を形成する。封止部材141の形成では、先ず、金属酸化物層1201上に、スピンコート法などを用い、封止部材141の構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして孔141opを有する封止部材141を形成する(図7:ステップS6、図11(c))。
このとき、封止部材141は有機材料を用いて電極板140の開口140opの内壁部分に密着して形成する。また、図6(b)に示すように、封止部材141の形状は、行バンク122Xの形状と同様に、行及び列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。具体的には、電極板140に乗り上げた封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状とする。
画像表示領域10aにおけるバンク122Xの形成と、周辺領域10bにおける封止部材141の形成は同一材料を用いて同時に行い、パターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程をすることによりなされる。このとき、電極板140には、複数の開口140opが開設され、電極板140の開口140opからは平坦化層118が露出している。これより、バンク122Xの焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140opを通って上方に排出される。
次に、列バンク522Yの形成工程では、ホール注入層120上及び行バンク122X上に、スピンコート法などを用い、列バンク522Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することにより、樹脂膜をパターニングして間隙522zを開設して列バンク522Yを形成する(図7:ステップS7、図10(c))。このとき、行バンク122X、列バンク522Yに対する焼成工程において、金属が酸化されホール注入層120として完成する。また、電極板140には複数の開口140opが開設され、封止部材141には孔141opが開設され、孔141opからは平坦化層118が露出している。これより、バンク522Yの焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140op及び封止部材141の孔141opを通って上方に排出される。
[有機機能層の形成]
行バンク122X上を含む列バンク522Yにより規定される間隙522z内に形成されたホール注入層120上に対して、ホール輸送層121、発光層123を順に積層形成する。
ホール輸送層121は、インクジェット法やグラビア印刷法によるウェットプロセスを用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる、あるいは、焼成することによりなされる(図7:ステップS8、図10(d))。RGBの各副画素に形成されるホール輸送層121は、RGBの各副画素によって膜厚が異なって形成されてもよい。
発光層123の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、焼成することによりなされる図7:ステップS9、図12(a))。
具体的には、基板100xは、列バンク522YがY方向に沿った状態で液滴吐出装置の動作テーブル上に載置され、Y方向に沿って複数のノズル孔がライン状に配置されたインクジェットヘッド301をX方向に基板100xに対し相対的に移動しながら、各ノズル孔から列バンク522Y同士の間隙522z内に設定された着弾目標を狙ってインク18の液滴を着弾させることによって行う。この工程では、副画素形成領域となる間隙522zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインク18をそれぞれ充填し、充填したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層123R、123G、123Bを形成する。
このとき、本実施の形態では、上述のとおり、電極板140には複数の開口140opが開設され、封止部材141には孔141opが開設され、孔141opからは平坦化層118が露出している。これより、発光層123の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140op及び封止部材141の孔141opを通って上方に排出させることができる。そして、このベーク処理を十分行うことで、平坦化層118等、封止層126内方に含まれる残留水分を十分に除去して、表示パネルの完成後においても発光層123を含む機能層の劣化を抑制することができる。
基板100xに対して赤色、緑色、青色発光層の何れかを形成するためのインクの塗布が終わると、その基板に別の色のインクを塗布し、次にその基板に3色目のインクを塗布する工程が繰り返し行われ、3色のインクを順次塗布する。これにより、基板100x上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図の紙面横方向に繰り返して並んで形成される。
なお、ホール注入層120のホール輸送層121、発光層123の形成方法は上記の方法には限定されず、例えばディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等の公知の方法によりインクを滴下・塗布してもよい。
なお、ホール輸送層121を形成する前に、インクジェット法を用い、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を含むインクを間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去、あるいは焼成してもよい。
[電子輸送層成膜前の焼成]
真空環境下にて電子輸送層成膜前のベークを行う(図7:ステップS10)。これより、平坦化層内の残留水分を除去した後に、平坦化層が再度水分を吸収することを抑止できる。
[電子輸送層124の形成]
発光層123を形成した後、表示パネル10の発光エリア全面(画像表示領域10a及び周辺領域10bの一部)にわたって、真空蒸着法などにより電子輸送層124を形成する(図7:ステップS11、図12(b)、図13(a))。本例では、周辺領域10bでは、電子輸送層124は開口140opに届かない位置まで形成される。その理由は、電子輸送層124は有機物を含むことから、開口140opの上方に電子輸送層124を形成した場合には、製造工程及び表示パネル完成後に、平坦化層118から開口140opを通って排出される水分により電子輸送層124が劣化する可能性があるからである。
真空蒸着法を用いる理由は有機膜である発光層123に損傷を与えないためである。電子輸送層124は、発光層123の上に、金属酸化物又はフッ化物を真空蒸着法などにより成膜する。あるいは、有機材料と金属材料との共蒸着法により成膜する。なお、電子輸送層124の膜厚は、光学的な光取り出しとして最も有利となる適切な膜厚とする。
[共通電極125の形成]
電子輸送層124を形成した後、画像表示領域10aでは電子輸送層124を被覆するように、周辺領域10bでは、同時に、電極板140及び封止部材141を被覆するように共通電極125を形成する(図7:ステップS12、図12(c)、図13(b))。共通電極125は、金属、金属酸化物を主成分とする膜を、下地層を被覆するように、スパッタリング法、又は真空蒸着法により形成する。
このとき、周辺領域10bにおいて、封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状としたことにより、共通電極125は、電極板140の開口140opの内部では封止部材141又は平坦化層118上面に連続して配される。
[封止層126の形成]
画像表示領域10aでは共通電極125を被覆するように、周辺領域10bでは、共通電極125から基板100xの平坦化層118の外方部分118plまで被覆するように封止層126を形成する(図7:ステップS13、図12(d)、図13(c))。封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
ここでも、周辺領域10bにおいて、封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパ形状としたことにより、封止層126は、電極板140の開口140opの内部では共通電極125上面に連続して配される。
[前面板131と背面パネルとの貼り合わせ]
次に、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層127の材料を塗布する。さらに、接合層127の端面を被覆すると共に封止層126の上面であって、平坦化層118の周縁溝118glを含む範囲に枠状に保護構造体134を塗布する(図14(a)、図15(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルと前面板131との相対的位置関係を合せた状態で両基板を貼り合わせる。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図7:ステップS14、図14(b)、図15(b))。
<効 果>
以下、表示パネル10の効果について説明する。
表示パネル10は、電極板140の少なくとも複数の開口140opの内壁部分をそれぞれ覆う有機材料からなる複数の封止部材141を備えた構成を採る。
発明者は、表示パネル10と比較するために、電極板140Xの複数の開口140Xopに、有機材料からなる封止部材を設けず、電極板140Xの上面に共通電極125、さらに、封止層126を積層した構成の比較例に係る表示パネル10Xを作成した。
図16は、比較例に係る表示パネル10Xの図1のB部と同じ位置における模式平面図である。図17(a)は、比較例に係る表示パネルの図13におけるX3−X3で切断した模式断面図、(b)は、(a)におけるE部の拡大図である。
比較例に係る表示パネル10Xは封止部材を備えない点、封止部材を備えないために電極板140Xにおいて開口140Xopの開口面積が表示パネル10と比べて小さい点、電極板140Xにおいて開口140Xopが電子輸送層124に覆われる範囲にも開設されている点で、表示パネル10と相違する。表示パネル10Xの他の構成は表示パネル10の各構成と同じである。
図17(b)に示すように、表示パネル10Xでは、表示パネル10と同様に、電極板140の開口140Xopの内壁部分において、金属酸化物層1201が金属層1401Xよりも孔内方に突出した構成を採る。しかしながら、表示パネル10と異なり開口140Xopの内壁部分を覆う封止部材が存在しないために、電極板140Xの開口140Xop内では、金属酸化物層1201の上面に共通電極125が積層される。その結果、図17(b)に示すように、共通電極125は開口140Xopの内部で段切れが生じている。さらに、段切れした共通電極125の上面に封止層126が積層されることから、成膜された封止層126は開口140Xopの内壁部分の近傍においてシームSeや空洞Caといった膜欠陥を伴い、いびつな膜形状となる。封止膜126は有機EL素子アレイ100arを外部の水分やガス等から保護するためのバリアであるが、これらの膜欠陥は封止膜126の気密性を低下させ、表示パネルの製造過程及び完成後において有機EL素子アレイ100arへの水分等の侵入を許容し、有機EL素子アレイ100arの劣化を促進する可能性がある。
これに対し、実施の形態に係る表示パネル10は、電極板140の少なくとも複数の開口140opの内壁部分をそれぞれ覆う有機材料からなる複数の封止部材141を備えた構成を採る。封止部材141が有機材料で構成されることにより、電極板140の開口140opの内壁部分において、金属酸化物層1201が金属層1401よりも孔内方に突出している場合でも、封止部材141に所定の肉厚を持たせることができるので、金属酸化物層1201の突出部分を囲い込み、封止部材141を開口140opの内壁部分に密着させて形成することができる。
また、封止部材141は有機材料から構成されているので、図6(b)に示したように、電極板140に乗り上げた封止部材141のフランジ部分141tpの上面、及び、封止部材141の中心の開口の内壁部分を上方に向けた順テーパとした断面形状とすることができる。そのため、表示パネル10では、共通電極125は、電極板140の開口140opの内部では封止部材141又は平坦化層118上面に連続して配され、さらに、封止層126は、電極板140の開口140opの内部では共通電極125の上面に沿って連続して配される構成を実現できる。すなわち、表示パネル10では、図6(b)に示したように、封止層126は開口140Xopの内壁部分の近傍においてシームSeや空洞Caといった膜欠陥を発生することがなく封止層126の気密性は確保される。その結果、封止膜126は有機EL素子アレイ100arを外部の水分やガス等から保護するためのバリアとして機能し、表示パネル10の製造過程及び完成後において有機EL素子アレイ100arへの水分等の侵入を遮断し、有機EL素子アレイ100arの劣化を防止することができる。
また、表示パネル10では、電極板140には、複数の開口140opが開設され、電極板140の開口140opからは平坦化層118が露出した構成を採る。係る構成により、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140opを通って上方に排出させることができる具体的には、例えば、製造工程において、バンク122Xの焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140opを通って上方に排出される。
さらに、表示パネル10では、封止部材141には孔141opが開設され、孔141opからは平坦化層118が露出した構成を採る。係る構成により、製造工程において、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク522Y、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140op及び封止部材141の孔141opを通って上方に排出させることができる。具体的には、例えば、製造工程において、バンク522Yの焼成時に、平坦化層118から除去される水分が電極板140の開口140op及び封止部材141の孔141opを通って上方に排出されることができる。ベーク処理に伴う孔141opからの水分の排出を十分に行うことで、平坦化層118等、封止層126内方に含まれる残留水分を十分に除去して、表示パネルの完成後においても発光層123を含む機能層の劣化を抑制することができる。
<回路構成>
以下では、実施の形態に係る有機EL表示装置1の回路構成について説明する。図18に示すように、有機EL表示装置1は、表示パネル10と、これに接続された駆動制御回路部20とを有して構成されている。駆動制御回路部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とにより構成されている。
表示パネル10においては、複数の画素100eが行列状に配されて表示領域を構成している。各画素100eは、3個の各色有機EL素子100R、100B、100G、つまり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に発行する3個の副画素100seから構成される。各副画素100seの回路構成について説明する。図19は、表示パネル10の各副画素100seに対応する各色有機EL素子100R、100B、100Gにおける回路構成を示す回路図である。本実施の形態に係る表示パネル10では、各副画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つのキャパシタC、及び発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1は、有機EL素子部ELの画素電極(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける共通電極(カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、キャパシタCの第1端は、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2及び駆動トランジスタTr1のゲートG1と接続され、キャパシタCの第2端は、電源ラインVaと接続されている。
表示パネル10においては、各副画素100seのゲートG2からゲートラインが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各副画素100seのソースS2からソースラインが各々引き出され表示パネル10の外部から接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各副画素100seの電源ラインVa及び各副画素100seの接地ラインVcatは集約されて、有機EL表示装置1の電源ライン及び接地ラインに接続されている。
<まとめ>
以上のとおり、実施の形態に係る有機EL表示パネルは、基板100x上に配された樹脂材料を含む平坦化層118と、平坦化層上方に配され、複数の有機EL素子100からなる有機EL素子アレイ100arと、平坦化層上において、平面視において有機EL素子アレイが存在する領域の外方に延在し、複数の開口140opが開設された電極板140と、電極板の複数の開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる複数の封止部材141と、複数の有機EL素子における共通電極125に接続され、平面視において電極板の上面において電極板の外縁近傍まで延在する共通電極125と、有機EL素子アレイを覆い、基板の外縁近傍まで延在する無機材料からなる封止層126とを備えた構成を採る。
係る構成により、共通電極125は、電極板140の開口140opの内部では封止部材141又は平坦化層118上面に連続して配され、封止層126は、電極板140の開口140opの内部では共通電極125上面に沿って連続して配されている構成を採ることができる。
その結果、有機EL表示パネルの画像表示領域以外の連続膜部分に開口を設けた電極構造において、開口を被覆する封止層にシームが入ることを抑制して封止性を向上することができる。すなわち、封止層126は開口140opの内壁部分の近傍においてシームSeや空洞Caといった膜欠陥を発生することがなく封止層126の気密性は確保される。その結果、封止膜は有機EL素子アレイ100arを外部の水分やガス等から保護するためのバリアとして機能し、表示パネル10の製造過程及び完成後において有機EL素子アレイ100arへの水分等の侵入を遮断し、有機EL素子アレイ100arの劣化を十分に抑制することができる。
<変形例>
実施の形態に係る表示パネル10を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、表示パネル10の変形例を説明する。
変形例に係る表示パネル10Aについて説明する。図20(a)〜(c)は、変形例1〜3に係る表示パネルの図1のB部と同じ位置における模式平面図である。
(変形例1)
実施の形態に係る表示パネル10では、電極板140には、電子輸送層124に被覆されない範囲に、複数の開口140opが開設されている構成とした。これに対し、変形例1に係る表示パネル10Aでは、図20(a)に示すように、電極板140Aには、電子輸送層124に被覆されていない範囲に開設された複数の開口140Aop以外に、電子輸送層124に被覆された範囲にも複数の開口140Aop2が開設されている構成とした点で表示パネル10と相違する。係る構成により、表示パネル10Aでは、電極板140Aの開口面積の総和を増加し、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が排出を促進することができる。
(変形例2)
実施の形態に係る表示パネル10では、電極板140には、複数の開口140opは、電極板140の行(X)及び列(Y)方向ともに、開口している部分の長さの占める比率が50%以下となるように、開口のXY方向の長さが設定されている構成とした。これに対し、変形例2に係る表示パネル10Bでは、図20(b)に示すように、有機EL素子アレイ100arの右方に位置する列(Y)方向に延伸する電極板140Bの部分に開設された開口140Bop2において、列(Y)方向において開口している部分の長さの占める比率を増加し、開口している部分の長さの占める比率が50%を超えるように開口のY方向の長さを設定している点で表示パネル10と相違する。
なお、有機EL素子アレイ100arの下方に位置する行(X)方向に延伸する電極板140Bの部分に開設された開口140Bop2と、有機EL素子アレイ100arの右方に位置する列(Y)方向に延伸する電極板140Bの部分に開設された開口140Bop2における行(X)方向に関しては、開口している部分の長さの占める比率は行(X)及び列(Y)方向ともに50%以下であり、表示パネル10と同じである。
係る構成により、電極板140Bの開口面積の総和を増加し、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が排出を促進することができる。
(変形例3)
実施の形態に係る表示パネル10では、有機EL素子アレイ100arの下方に位置し行(X)方向に延伸する電極板140の部分と、有機EL素子アレイ100arの右方に位置し列(Y)方向に延伸する電極板140の部分のそれぞれにおいて、開口140opは行列状に配置されている構成とした。これに対し、変形例3に係る表示パネル10Cでは、図20(c)に示すように、有機EL素子アレイ100arの下方に位置し行(X)方向に延伸する電極板140Cの部分と、有機EL素子アレイ100arの右方に位置し列(Y)方向に延伸する電極板140Cの部分のそれぞれにおいて、開口140Copは千鳥状に配置されている構成している点で表示パネル10と相違する。
係る構成により、電極板140Cの開口面積の総和を表示パネル10と同等にして、ホール注入層120、ホール輸送層121、バンク122、発光層123の成膜後の焼成時に、平坦化層118から除去される水分が排出を促進することができる。
(その他の変形例)
実施の形態1に係る表示パネル10では、発光層123は、行バンク上を列方向に連続して延伸している構成としている。しかしながら、上記構成において、発光層123は、行バンク上において画素ごとに断続している構成としてもよい。
表示パネル10では、行方向に隣接する列バンク522Y間の間隙522zに配された副画素100seの発光層123が発する光の色は互いに異なる構成とし、列方向に隣接する行バンク122X間の間隙に配された副画素100seの発光層123が発する光の色は同じである構成とした。しかしながら、上記構成において、行方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色は同じであり、列方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。また、行列方向の両方において隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。
実施の形態に係る表示パネル10では、画素100eには、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限られない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、黄色に発光する4種類であってもよい。
また、上記実施の形態では、画素100eが、マトリクス状に並んだ構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、画素領域の間隔を1ピッチとするとき、隣り合う間隙同士で画素領域が列方向に半ピッチずれている構成に対しても効果を有する。高精細化が進む表示パネルにおいて、多少の列方向のずれは視認上判別が難しく、ある程度の幅を持った直線状(あるいは千鳥状)に膜厚むらが並んでも、視認上は帯状となる。したがって、このような場合も輝度むらが上記直線状に並ぶことを抑制することで、表示パネルの表示品質を向上できる。
また、上記実施の形態では、画素電極119と共通電極125の間に、ホール注入層120、ホール輸送層121、発光層123及び電子輸送層124が存在する構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、ホール注入層120、ホール輸送層121及び電子輸送層124を用いずに、画素電極119と共通電極125との間に発光層123のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべて有機化合物からなる必要はなく、無機物などで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光層123の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
上記の形態では、EL素子部の下部にアノードである画素電極119が配され、TFTのソース電極に接続された配線110に画素電極119を接続する構成を採用したが、EL素子部の下部に共通電極、上部にアノードが配された構成を採用することもできる。この場合には、TFTにおけるドレインに対して、下部に配されたカソードを接続することになる。
また、上記実施の形態では、一つの副画素100seに対して2つのトランジスタTr1、Tr2が設けられてなる構成を採用したが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、一つのサブピクセルに対して一つのトランジスタを備える構成でもよいし、三つ以上のトランジスタを備える構成でもよい。
さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。また、コロイド状量子ドット(Quantum Dot)を用いた量子ドットディスプレイ装置などに適用することもできる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの装置、又はその他表示パネルを有する様々な電子機器に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10、10A、10B、10C、10D 有機EL表示パネル
10a 画像表示領域
10b 周辺領域
100 有機EL素子
100ar 有機EL素子アレイ
100e 画素
100R、100B、100G 各色有機EL素子
100se 副画素
100a 自己発光領域
100b 非自己発光領域
100x 基板(TFT基板)
100p 基材
118 平坦化層
119 画素電極(反射電極)
120 ホール注入層
121 ホール輸送層
122 バンク
122X 行バンク(行絶縁層)
522Y 列バンク(列絶縁層)
522z(522zR、522zG、522zB) 間隙
123(123R、123G、123B) 発光層
124 電子輸送層
125 共通電極
126 封止層
127 接合層
130 上部基板
131 前面板
132 カラーフィルタ層
133 遮光層
134 保護構造体
140 電極板
1401 金属層(周辺領域10b)
1201 金属酸化物層(周辺領域10b)
141 封止部材(周辺領域10b)

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板上に配された樹脂材料を含む平坦化層と、
    前記平坦化層上方に配され、複数の有機EL素子からなる有機EL素子アレイと、
    前記平坦化層上において、平面視において前記有機EL素子アレイが存在する領域の外方に延在し、複数の開口が開設された電極板と、
    前記電極板の前記複数の開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる複数の封止部材と、
    前記有機EL素子アレイを覆い、前記基板の外縁近傍まで延在する無機材料からなる封止層とを備え、
    前記複数の有機EL素子における共通電極は、平面視において前記電極板の上面において前記電極板の外縁近傍まで延在し、前記電極板の前記開口の内部では前記封止部材又は前記平坦化層上面に連続して配され、
    前記封止層は、前記電極板の前記開口の内部では前記共通電極上面に沿って連続して配されている
    有機EL表示パネル。
  2. 前記封止部材は、平面視において孔が開設されている
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記電極板は、金属又は当該金属を含む合金からなる下層と、前記下層の上面に積層された金属酸化物からなる上層を含む、
    請求項1又は2に記載の有機EL表示パネル。
  4. 前記電極板の前記開口の内壁では、前記上層は前記下層よりも前記開口の内方に向けて突出している
    請求項1から3の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  5. 前記孔の孔幅は上方が拡幅したテーパ形状である
    請求項2に記載の有機EL表示パネル。
  6. 前記封止部材は、前記電極板の前記開口の内壁の上縁部に、前記電極板の上面に乗り上げ上方が縮幅するフランジ部を有する
    請求項1又は2に記載の有機EL表示パネル。
  7. 前記封止部材は、前記孔の最小幅は10μm以上である
    請求項5又は6に記載の有機EL表示パネル。
  8. 前記下層は、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金からなる
    請求項3に記載の有機EL表示パネル。
  9. 前記上層は、ITO又はIZOからなる
    請求項3に記載の有機EL表示パネル。
  10. 前記金属酸化物の金属は、W、Ag、Mo、Cr、V、Ni、Irのいずれかを含む
    請求項3に記載の有機EL表示パネル。
  11. 前記有機EL素子アレイは、前記平坦化層上面に前記有機EL素子に対応して行列状に配された複数の画素電極を含み、
    列方向に隣接する前記画素電極の間隙に行方向に延伸して配された行バンクとを備え、
    前記封止部材は、前記行バンクと同一の材料からなる
    請求項1から4の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  12. 前記有機EL素子アレイは、前記平坦化層上面に前記有機EL素子に対応して行列状に配された複数の画素電極を含み、
    行方向に隣接する前記画素電極の間隙に列方向に延伸して配された列バンクとを備え、
    前記封止部材は、前記列バンクと同一の材料からなる
    請求項1から4の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  13. 画素が行列状に複数配された表示素子アレイを含む表示パネルの製造方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板の上面に平坦化層を形成する工程と、
    前記平坦化層の上面に行列状に複数の画素電極と、平面視において前記複数の画素電極の外方に複数の開口が開設された電極板とを形成する工程と、
    前記電極板の前記開口内の前記平坦化層の上面に、前記電極板の前記開口の少なくとも内壁部分を覆う有機材料からなる封止部材を形成する工程と、
    前記画素電極の上方に発光層を含む機能層を形成する工程と、
    前記発光層の上方及び前記電極板上に共通電極を形成する工程と、
    前記上方に共通電極の上方に封止層を形成する工程とを有する
    有機EL表示パネルの製造方法。
  14. 前記共通電極は、前記電極板の前記開口の内部では前記封止部材又は前記平坦化層上面に連続し形成し、
    前記封止層は、前記電極板の前記開口の内部では前記共通電極上面に沿って連続して形成する
    請求項13に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  15. 前記封止部材の形成では、平面視において孔が開設されている
    請求項13又は14に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  16. 前記封止部材を形成する工程では、前記平坦化層の上面に、前記封止部材と同一の有機材料からなる、前記画素電極の列方向の間に行方向に延伸した複数の行バンク、又は前記画素電極の行方向の間に列方向に延伸した複数の列バンクを形成する
    請求項13又は14に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  17. 前記電極板を形成する工程では、
    前記平坦化層の上面に金属又は当該金属を含む合金を含む下層と、前記下層の上面に金属酸化物の前駆体を含む上層を成膜した後パターニングし、
    その後、エッチングにより金属又は当該金属を含む合金からなる下層と、前記下層の上面に積層された金属酸化物からなる上層を含む前記電極板を形成する
    請求項13から15の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  18. 前記機能層を形成する工程では、前記画素電極の上方に有機機能材料を含むインクを塗布した後、焼成して前記機能層を形成する
    請求項13から15の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
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