JP2019192838A - 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents

有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透光性金属酸化物層パターンの侵食を抑止し光取り出し効率を向上する。【解決手段】基板上100xの赤色副画素の領域に、第1画素電極119、第1ホール注入下部層120A1R、第1ホール注入層120A2R、赤色有機発光層123Rと、基板上の緑色副画素の領域に、第2画素電極119、第2ホール注入下部層120A1G、第2ホール注入層120A2G、緑色有機発光層123Gと、基板上の青色副画素の領域に、第3画素電極119、第3ホール注入下部層120A1B、第3ホール注入層120A2B、青色有機発光層123Bと、上方に対向電極125とを備え、第1ホール注入下部層上に周囲と上面とを第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターン128Rと、第2ホール注入下部層上に周囲と上面とを第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターン128Gとを備えた。【選択図】図2

Description

本開示は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子、及び有機EL素子の製造方法に関し、特に、有機EL素子の反射電極からホール注入層までの積層構造に関する。
近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、基板上に有機EL素子をマトリックス状に複数配列した有機EL表示パネルが実用化されている。
有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子とは絶縁材料からなる絶縁層で仕切られており、カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、有機EL素子がRGB各色に発光する副画素を形成し、隣り合うRGBの副画素が組合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。有機EL素子は、一対の電極の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、発光層に注入されるホールと電子との再結合に伴って発光する。
トップエミッション型の有機EL素子では、基板上に光反射性材料からなる画素電極(反射電極)、有機層(発光層を含む)、及び光透光性材料からなる対向電極が順に設けられた素子構造を有する。発光層からの光は、反射電極にて反射されて対向電極から出射される反射光と、発光層から直接出射される直接光とが重畳されて外部に出射されることにより高い光取り出し効率を実現することができる。このとき、RGB各色に発光する副画素ごとに陽極−陰極間の距離を異ならせて波長に対応した光路長を設けた光共振器構造が採ることにより、副画素ごとに光取り出し効率を向上して、出射光の色純度を向上し出射輝度を高める技術が提案されている。例えば、特許文献1では、反射電極上に透光性金属酸化物からなる透明電極を設け、赤色副画素及び緑色副画素における透明電極の厚みを等価とし、青色副画素における透明電極の厚みを赤色副画素及び緑色副画素よりも薄く構成した有機EL素子が開示されている。
特開2010−251156号公報
ところが、特許文献1に記載される有機EL素子構造では、反射電極上に設けた透光性金属酸化物層の光透過性が低く、光取り出し効率が十分でないという課題があった。
また、有機EL素子の製造工程において、反射電極をエッチングによりパターニングする際に上層に位置する透光性金属酸化物層パターン(透明電極)がサイドエッチングされることによる積層構造の欠陥が生じる場合がある。そのため、反射電極を透光性金属酸化物層パターンより前に別にパターンニングする必要があり、生産効率の改善が図れないとう課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、青色副画素の領域における光取り出し効率を改善するとともに、製造時の透光性金属酸化物層パターンのサイドエッチングによる侵食を抑止して生産効率を改善できる有機EL表示パネル、及び有機EL表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る有機ELパネルは、青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルであって、基板と、前記基板上の前記赤色副画素の領域に、前記基板側から順に、第1画素電極、第1ホール注入下部層、第1ホール注入層、赤色有機発光層と、前記基板上の前記緑色副画素の領域に、前記基板側から順に、第2画素電極、第2ホール注入下部層、第2ホール注入層、緑色有機発光層と、前記基板上の前記青色副画素の領域に、前記基板側から順に、第3画素電極、第3ホール注入下部層、第3ホール注入層、青色有機発光層と、前記赤色有機発光層、前記緑色有機発光層及び前記青色有機発光層の上方に対向電極とを備え、さらに、前記第1ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターンと、前記第2ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターンとを備えたことを特徴とする。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示パネル及び有機EL表示パネルの製造方法は、青色副画素の領域における光取り出し効率を改善するとともに、光共振器構造により高い光取り出し効率を維持しつつ、製造時の透光性金属酸化物層パターンのサイドエッチングによる侵食を抑止して生産効率を改善する有機EL表示パネルを実現できる。
実施の形態に係る有機EL表示パネル10の一部を拡大した模式平面図である。 図1におけるA1−A1で切断した模式断面図である。 有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。 図3における画素電極、ホール注入層形成工程(ステップS3)の詳細を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(e)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(g)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(b)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 実施例に係る有機EL表示パネル10のRGB副画素における分光反射率の測定結果である。 有機EL表示パネル10の光共振器構造における光の干渉を説明する模式図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置1の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置1に用いる有機EL表示パネル10の各副画素100seにおける回路構成を示す模式回路図である。 変形例1に係る有機EL表示パネル10Aを図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 変形例1に係る有機EL表示パネル10Aの製造工程における画素電極、ホール注入層形成工程の詳細を示すフローチャートである。 変形例2に係る有機EL表示パネル10Bを図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示の実施の形態に係る有機EL表示パネルは、青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルであって、基板と、前記基板上の前記赤色副画素の領域に、前記基板側から順に、第1画素電極、第1ホール注入下部層、第1ホール注入層、赤色有機発光層と、前記基板上の前記緑色副画素の領域に、前記基板側から順に、第2画素電極、第2ホール注入下部層、第2ホール注入層、緑色有機発光層と、前記基板上の前記青色副画素の領域に、前記基板側から順に、第3画素電極、第3ホール注入下部層、第3ホール注入層、青色有機発光層と、前記赤色有機発光層、前記緑色有機発光層及び前記青色有機発光層の上方に対向電極とを備え、さらに、前記第1ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターンと、前記第2ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターンとを備えたことを特徴とする。
係る構成により、青色副画素の領域における光取り出し効率を改善するとともに、光共振器構造により高い光取り出し効率を維持しつつ、製造時の透光性金属酸化物層パターンのサイドエッチングによる侵食を抑止して生産効率を改善することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1ホール注入下部層、前記第2ホール注入下部層、前記第3ホール注入下部層は、同じ材料から構成され、当該材料は、ホール注入性のある遷移金属酸化物を主成分として含む構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1ホール注入層、前記第2ホール注入層及び前記第3ホール注入層は、同じ材料から構成され、当該材料は、ホール注入性のある遷移金属酸化物を主成分として含む構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1ホール注入下部層と前記第1ホール注入層、前記第2ホール注入下部層と前記第2ホール注入層、前記第3ホール注入下部層と及び前記第3ホール注入層とは、同じ材料から構成される構成としてもよい。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記遷移金属はタングステンである構成としてもよい。
係る構成により、第1ホール注入下部層と第1ホール注入層、第2ホール注入下部層と第2ホール注入層、第3ホール注入下部層と及び第2ホール注入層をホール注入性のある遷移金属酸化物から構成することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1透光性金属酸化物層パターンの外周は、前記第1ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周よりも平面視において内方に位置し、前記第2透光性金属酸化物層パターンの外周は、前記第2ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周よりも平面視において内方に位置する構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周は、前記第1画素電極の外周と、前記第2ホール注入下部層及び前記第2ホール注入層の外周は、前記第2画素電極の外周と、前記第3ホール注入下部層及び前記第3ホール注入層の外周は、前記第3画素電極の外周と、それぞれ平面視において同じ位置にある構成としてもよい。
係る構成により、基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域内には、ホール注入下部層上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層に覆われた透光性金属酸化物層パターンを備えた構成を実現できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第1透光性金属酸化物層パターン及び前記第2透光性金属酸化物層は、ITO又はIZOを主成分として含む構成としてもよい。
係る構成により、ホール注入下部層とホール注入層との間に透光性に優れた光学調整層を設けることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、さらに、前記赤色副画素の領域内の前記第1ホール注入層と前記赤色有機発光層との間に、有機物からなる第1ホール注入上部層と、前記緑色副画素の領域内の前記第2ホール注入層と前記緑色有機発光層との間に、前記有機物からなる第2ホール注入上部層と、前記青色副画素の領域内の前記第3ホール注入層と前記青色有機発光層との間に、前記有機物からなる第3ホール注入上部層とを備えた構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記有機物は、ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物を含む構成としてもよい。
係る構成により、RGB各色副画素ごとに陽極−陰極間の距離を異ならせて波長に対応した光路長を設けた光共振器構造を容易に形成することができ、副画素ごとに光取り出し効率を向上して、出射光の色純度を向上し出射輝度を高めることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの有機EL表示パネルと駆動回路とを備えた有機EL表示装置としてもよい。
係る構成により、上記有機EL表示パネルによる表示装置を提供できる。
本開示の実施の形態に係る有機EL表示パネルの製造方法は、青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルの製造方法であって、基板を準備し、前記基板上の金属層を形成し、前記金属層上に第1の金属酸化物層を形成し、前記金属酸化物層上に透光性金属酸化物からなる連続膜を形成し、前記連続膜に第1のパターンニングをして前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに透光性金属酸化物層パターンを形成し、前記第1の金属酸化物層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターン上に第2の金属酸化物層を形成し、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層に第2のパターンニングをして、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに前記基板側から順に、画素電極、ホール注入下部層、ホール注入層を形成し、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおけるホール注入層上方に、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を、当該順に形成し、前記基板、及び前記青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層上方に対向電極を形成し、前記第2のパターニングでは、前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおいて、前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に存在する、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層を残すようにパターンニングして、前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成することを特徴とする。
係る構成により、青色副画素の領域における光取り出し効率を改善するとともに、光共振器構造により高い光取り出し効率を維持しつつ、製造時の透光性金属酸化物層パターンのサイドエッチングによる侵食を抑止して生産効率を改善する有機EL表示パネルを提供ことができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第2のパターニングでは、前記基板の平面視において、前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記透光性金属酸化物層パターンは、前記ホール注入下部層上にあり、周囲と上面とを前記ホール注入層に覆われている構成としてもよい。
係る構成により、基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域内には、ホール注入下部層上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層に覆われた透光性金属酸化物層パターンを備えた有機EL表示パネルを提供することができる。
本開示の別の実施の形態に係る有機EL表示パネルは、青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルであって、基板と、前記基板上の前記赤色副画素の領域に、前記基板側から順に、第1画素電極、第1ホール注入下部層、第1ホール注入層、赤色有機発光層と、前記基板上の前記緑色副画素の領域に、前記基板側から順に、第2画素電極、第2ホール注入下部層、第2ホール注入層、緑色有機発光層と、前記基板上の前記青色副画素の領域に、前記基板側から順に、第3画素電極、第3ホール注入下部層、第3ホール注入層、青色有機発光層と、前記赤色有機発光層、前記緑色有機発光層及び前記青色有機発光層の上方に対向電極とを備え、さらに、前記第1ホール注入下部層上に周囲を前記第1ホール注入層に覆われた第1の中間金属層パターンと、前記第1の中間金属層パターン上に周囲と上面とを前記第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターンと、前記第2ホール注入下部層上に周囲を前記第2ホール注入層に覆われた第2の中間金属層パターンと、前記第2の中間金属層パターン上に周囲と上面とを前記第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターンとを備えたことを特徴とする。
係る構成により、これより、緑色副画素及び赤色副画素において、中間金属層パターン下方のホール注入下部層における光の吸収の影響を排除して光取り出し効率を向上し、出射光の色純度を向上し出射輝度を高めることができる。
本開示の別の実施の形態に係る有機EL表示パネルの製造方法は、青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルの製造方法であって、基板を準備し、前記基板上の金属層を形成し、前記金属層上に第1の金属酸化物層を形成し、前記第1の金属酸化物層上に中間金属層を形成し、前記中間金属層上に透光性金属酸化物からなる連続膜を形成し、前記中間金属層及び前記連続膜に第1のパターンニングをして前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに、中間金属層パターン及び透光性金属酸化物層パターンを当該順に形成し、前記第1の金属酸化物層及び前記透光性金属酸化物層パターン上に第2の金属酸化物層を形成し、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層に第2のパターンニングをして、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに前記基板側から順に、画素電極、ホール注入下部層、ホール注入層を形成し、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおけるホール注入層上方に、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を、当該順に形成し、前記基板、及び前記青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層上方に対向電極を形成し、前記第2のパターニングでは、前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおいて、前記中間金属層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に存在する、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層を残すようにパターンニングして、前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成することを特徴とする。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記第2のパターニングでは、前記基板の平面視において、前記中間金属層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する構成としてもよい。
係る構成により、緑色副画素及び赤色副画素において、光取り出し効率をさらに向上し、出射光の色純度を向上し出射輝度を高めた有機EL表示パネルを提供できる。
以下では、実施の形態に係る有機EL表示パネル10、有機EL素子100、及び有機EL表示装置1について、図面を用い説明する。
≪実施の形態≫
1.有機EL表示パネル10の構成
本実施の形態に係る有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)について、図面を用いて説明する。なお、図面は模式図であって、その縮尺は実際とは異なる場合がある。図1は、表示パネル10の一部を拡大した模式平面図である。
表示パネル10は、有機化合物の電界発光現象を利用した有機EL表示パネルであり、複数の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が配された基板100x(TFT基板)に、各々が画素を構成する複数、例えば、後述する行列方向にそれぞれ4000個×2000個の有機EL素子100がマトリックス状に配され、上面より光を発するトップエミッション型の構成を有する。ここで、本明細書では、図1におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、列方向、厚み方向とする。
図1に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列バンク522Yと行バンク122Xとが配された区画領域10eから構成されている。本明細書では、列バンク522Yと行バンク122Xとを総称して「バンク122」とする。区画領域10eでは、列バンク522Yと行バンク122Xにより規制される各区画に有機EL素子100が形成されている。
表示パネル10の区画領域10e(以後、「領域10e」とする)には、有機EL素子100に対応する単位画素100eが行列状に配されている。各単位画素100eには、有機化合物により光を発する領域である、赤色に発光する100aR、緑色に発光する100aG、青色に発光する100aB(以後、100aR、100aG、100aBを区別しない場合は、「100a」と略称する)の3種類の自己発光領域100aが形成されている。すなわち、図1に示すように行方向に並んだ自己発光領域100aR、100aG、100aBのそれぞれに対応する3つの副画素100seが1組となりカラー表示における単位画素100eを構成している。
また、図1に示すように、表示パネル10には、複数の画素電極119が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態でマトリックス状に配されている。画素電極119は、平面視において矩形形状であり、光反射材料からなる。行列状に配された画素電極119は、行方向に順に並んだ3つの自己発光領域100aR、G、Bに対応する。
表示パネル10では、バンク122の形状は、いわゆるライン状のバンク形式を採用し、行方向に隣接する2つの画素電極119の間には、各条が列方向(図1のY方向)に延伸する列バンク522Yが複数行方向に並設されている。
一方、列方向に隣接する2つの画素電極119の間には、各条が行方向(図1のX方向)に延伸する行バンク122Xが複数列方向に並設されている。行バンク122Xが形成される領域は、発光層123において有機電界発光が生じないために非自己発光領域100bとなる。
隣り合う列バンク522Y間を間隙522zと定義し、自己発光領域100aRに対応する間隙を赤色間隙522zR、自己発光領域100aGに対応する間隙を緑色間隙522zG、自己発光領域100aBに対応する間隙を青色間隙522zB(以後、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zBを区別しない場合は「間隙522z」)とする。
また、図1に示すように、表示パネル10では、複数の自己発光領域100aと非自己発光領域100bとが、間隙522zに沿って列方向に交互に並んで配され、非自己発光領域100bには、画素電極119とTFTのソースS1とを接続する接続凹部(コンタクトホール、不図示)が設けられている。
2 有機EL素子100の構成
表示パネル10における有機EL素子100の構成について、図2を用いて説明する。図2は、図1における表示パネル10をA1−A1で切断した模式断面図である。
本実施の形態に係る表示パネル10においては、Z軸方向下方に薄膜トランジスタが形成された基板(TFT基板)が構成され、その上に有機EL素子部が構成されている。
2.1 基板100x
基板100xは表示パネル10の支持部材であり、基材(不図示)と、基材上に形成された薄膜トランジスタ層(不図示)とを有する。
基材は、表示パネル10の支持部材であり、平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、ガラス材料、樹脂材料、半導体材料、絶縁層をコーティングした金属材料などを用いることができる。
TFT回路は、有機EL素子100の外部回路からの駆動信号に応じ、自身に対応する画素電極119と外部電源とを電気的に接続するものであり、TFT層は、基材上面に形成された電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。本実施の形態では、TFT層は、基材上面に形成された複数のTFT及び配線からなる。配線は、TFTのソースS1 と対応する画素電極119、外部電源、外部回路などを電気的に接続している。
2.2 有機EL素子部
(1)平坦化層118
基材上及びTFT層の上面には平坦化層118が設けられている。基板100xの上面に位置する平坦化層118は、TFT層によって凹凸が存在する基板100xの上面を平坦化するとともに、配線及びTFTの間を埋め、配線及びTFTの間を電気的に絶縁している。
平坦化層118には、画素電極119と対応する画素のソースS1 に接続される配線とを接続するために、画素電極119に対応して、当該配線の上方の一部にコンタクト孔(不図示)が開設されている。
(2)画素電極119
基板100xにおける領域10eの上面に位置する平坦化層118上には、図2に示すように、副画素100se単位で画素電極119が設けられている。
画素電極119は、発光層123へキャリアを供給するためのものであり、例えば陽極として機能した場合は、発光層123へホールを供給する。表示パネル10はトップエミッション型であるため、画素電極119は光反射性を有する。画素電極119の形状は、例えば、概矩形形状をした平板状である。画素電極119は、膜厚が50nm以上400nm以下(ここでは一例として200nm)の金属を主成分として含む金属層である。平坦化層118のコンタクト孔(不図示)上には、画素電極119の一部を基板100x方向に凹入された画素電極119の接続凹部(不図示)が形成されており、接続凹部の底で画素電極119と対応する画素のソースS1 に接続される配線とが接続される。
(3)ホール注入層120
画素電極119及上には、図2に示すように、ホール注入層120が積層されている。ホール注入層120は、画素電極119から注入されたホールをホール輸送層121へ輸送する機能を有する。
ホール注入層120は、前記基板側から順に、画素電極119上に形成された金属酸化物からなる下部層120A1と、少なくともホール注入下部層120A1上に積層されたホール注入下部層120A1と同じ材料からなるホール注入層120A2とを含む。
ホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2は、酸化タングステン(組成式WOxにおいて、xは概ね2<x<3の範囲における実数)を含んでなる。また、ホール注入下部層120A1及びホール注入層120A2は、膜厚が2nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上20nm以下(ここでは一例として15nm)のホール注入性のある遷移金属酸化物を主成分として含む金属酸化物層として構成される。
図2に示すように、青色副画素100seB、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に設けられたホール注入下部層120A1を、それぞれ120A1B、120A1G及び120A1Rとしたとき、120A1B、120A1G及び120A1Rの膜厚は等価に構成されている。同様に、青色副画素100seB、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に設けられたホール注層120A2を、それぞれ120A2B、120A2G及び120A2Rとしたとき、120A2B、120A2G及び120A2Rの膜厚は等価に構成されている。青色副画素100seB、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に設けられたホール注入下部層120A1とホール注層120A2との膜厚は等価であってもよく、異なる態様であってもよい。
ホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2は、酸化タングステンから構成されることが望ましいが、通常混入し得る程度の極微量の不純物が含まれていてもよい。膜厚は2nm以上あると、均一な成膜を行いやすく、また、以下に示す画素電極119とホール注入層120との間のショットキーオーミック接続を形成しやすいので好ましい。ショットキーオーミック接続は酸化タングステンの膜厚が2nm以上で安定して形成されるため、これ以上の膜厚でホール注入層120を形成すれば、ショットキーオーミック接続を利用して、画素電極119からホール注入層120への安定したホール注入効率を期待できる。「ショットキーオーミック接続」とは、画素電極119のフェルミレベルと、前述したホール注入層120のフェルミ面近傍の占有準位で最も低い結合エネルギーとの差が所定値以下に収まっている接続を言う。
ホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2の膜密度は5.8g/cm3以上6.0g/cm3以下の範囲となるように設定されている。特定の成膜条件で成膜されていることにより、膜中にタングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合してなる酸素欠陥構造を有し、電子状態において、価電子帯の上端、すなわち価電子帯で最も低い結合エネルギーよりも、1.8〜3.6eV低い結合エネルギー領域内に占有準位が存在している。この占有準位がホール注入層120の最高占有準位であり、その結合エネルギー範囲はホール注入層120のフェルミレベル(フェルミ面)に最も近い。
(4)透光性金属酸化物層パターン128
緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内には、ホール注入下部層120A1上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層120A2に覆われた透光性金属酸化物層パターン128が設けられている。透光性金属酸化物層パターン128は、膜厚が5nm以上60nm以下(ここでは一例として15nm)の透光性の金属酸化物を主成分として含む金属酸化物層である。
本実施の形態では、緑色副画素100seGに設けられた透光性金属酸化物層パターン128Gと、赤色副画素100seRに設けられた透光性金属酸化物層パターン128Rとの厚みは等価である。透光性金属酸化物層パターン128は、赤色副画素及び緑色副画素と、青色副画素との間で、陽極−陰極間の距離を異ならせて、赤色副画素及び緑色副画素と、青色副画素との間で光路長が異なる光共振器構造を採るために設けられた光学調整層である。
緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に透光性金属酸化物層パターン128を設けることにより、投入電力当りの輝度が低いために相対的に寿命が短い青色副画素において、青色光の波長に適した陽極−陰極間の光路長を確保するとともに、相対的に寿命が長い赤及び緑色副画素において、赤色光と緑色光の平均的な波長に対応した陽極−陰極間の光路長を採ることができる。これにより、青色副画素の寿命を補い発光素子全体として寿命の向上を図ることができる。
また、上述のとおり、透光性金属酸化物層パターン128は、ホール注入下部層120A1とホール注入層120A2との間にあり、XYZ方向の全周囲をホール注入下部層120A1とホール注入層120A2とに覆われている。これにより、製造工程において、画素電極119をエッチングによりパターニングする際に上層に位置する透光性金属酸化物層パターン128がサイドエッチングされることによる積層構造の欠陥が生じることを抑止でき、画素電極119の同時パターンニングを可能として生産効率を改善できる。
(5)バンク122
図2に示すように、画素電極119、ホール注入層120の端縁を被覆するように絶縁物からなるバンクが形成されている。バンクには、列方向に延伸して行方向に複数並設されている列バンク522Yと、行方向に延伸して列方向に複数並設されている行バンク122Xとがある(以後、行バンク122X、列バンク522Yを区別しない場合は「バンク122」と称する)。
列バンク522Yの形状は、列方向に延伸する線状であり、行方向に平行に切った断面は、上方を先細りとする順テーパー台形状である。列バンク522Yは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの行方向への流動を堰き止めて形成される発光層123の行方向外縁を規定するものである。また、列バンク522Yは、行方向の基部により行方向における各副画素100seの発光領域100aの外縁を規定する。
行バンク122Xの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。行バンク122Xは、各列バンク522Yを貫通するようにして行方向に設けられており、各々が列バンク522Yの上面522Ybよりも低い位置に上面を有する。そのため、行バンク122Xと列バンク522Yとにより、自己発光領域100aに対応する開口が形成されている。
(6)ホール輸送層121
図2に示すように、間隙522zR、522zG、522zB内におけるホール注入層120上には、ホール輸送層121が積層される。また、行バンク122Xにおけるホール注入層120上にも、ホール輸送層121が積層される(不図示)。ホール輸送層121は、ホール注入層120Bに接触している。ホール輸送層121は、ホール注入層120から注入されたホールを発光層123へ輸送する機能を有する。
本実施の形態では、後述する間隙522z内では、ホール輸送層121は、ホール注入層120Bと同様、列方向に延伸するように線状に設けられている構成を採る。
(7)発光層123
図2に示すように、ホール輸送層121上には、発光層123が積層されている。発光層123は、有機化合物からなる層であり、内部でホールと電子が再結合することで光を発する機能を有する。列バンク522Yにより規定された間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、発光層123は、列方向に延伸するように線状に設けられている。赤色間隙522zR、緑色間隙522zG、青色間隙522zBには、それぞれ各色に発光する発光層123R、123G、123Bが形成されている。
各色の副画素100seにおいて、画素電極119と対向電極125との間に各色の発光層123が存在し、発光層123からの光を共振させて対向電極125側から出射させる光共振器構造が形成され、発光層123R、123G、123Bそれぞれから出射させる光の波長に応じて、発光層123上面と画素電極119上面との間の光学距離が設定され、各色に対応する光成分が強め合うように光共振器構造が形成されている。
発光層123は、画素電極119からキャリアが供給される部分のみが発光するので、層間に絶縁物である行バンク122Xが存在する範囲では、有機化合物の電界発光現象が生じない。そのため、発光層123は、行バンク122Xがない部分が自己発光領域100aとなり、行バンク122Xの側面及び上面の上方にある部分は非自己発光領域となる。
(8)電子輸送層124
図2に示すように、列バンク522Y及び列バンク522Yにより規定された間隙522z内の発光層123上を被覆するように電子輸送層124が積層して形成されている。電子輸送層124は、表示パネル10の少なくとも表示領域全体に連続した状態で形成されている。電子輸送層124は、対向電極125からの電子を発光層123へ輸送するとともに、発光層123への電子の注入を制限する機能を有する。電子輸送層124は、基板100x側から順に金属酸化物又はフッ化物等からなる電子輸送層124Aと、電子輸送層124A上に積層された有機物を主成分とする電子輸送層124Bとを含む(以後において、電子輸送層124A、124Bを総称する場合は「電子輸送層124」と表記する)。
(9)対向電極125
図2に示すように、電子輸送層124上に、対向電極125が形成されている。対向電極125は、各発光層123に共通の電極となっている。対向電極125Aは、画素電極119と対になって発光層123を挟むことで通電経路を作る。対向電極125は、発光層123へキャリアを供給し、例えば陰極として機能した場合は、発光層123へ電子を供給する。
対向電極125は、基板100x側から順に金属を主成分とする対向電極125Aと、対向電極125A上に積層された金属酸化物からなる対向電極125Bとを含む(以後において、対向電極125A、125Bを総称する場合は「対向電極125」と表記する)。
(10)封止層126
対向電極125を被覆するように、封止層126が積層形成されている。封止層126は、発光層123が水分や空気などに触れて劣化することを抑制するためのものである。封止層126は、対向電極125の上面を覆うように設けられている。また、ディスプレイとして良好な光取り出し性を確保するために高い透光性を有することが必要である。
2.3 発光素子部の構成材料
発光素子部の各部の構成材料について、一例を示す。
(1)基板100x(TFT基板)
基材100pとしては、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
TFT層は、基材100pに形成されたTFT回路と、TFT回路上に形成された無機絶縁層(不図示)、平坦化層118とを有する。TFT回路は、基材上面に形成された電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。
TFTを構成するゲート電極、ゲート絶縁層、チャネル層、チャネル保護層、ソース電極、ドレイン電極などには公知の材料を用いることができる。
基板100xの上面に位置する平坦化層118の材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などの有機化合物を用いることができる。
(2)画素電極119
画素電極119は、金属材料から構成されている。トップエミッション型の本実施の形態に係る表示パネル10の場合には、厚みを最適に設定して光共振器構造を採用することにより出射される光の色度を調整し輝度を高めているため、画素電極119の表面部が高い反射性を有する。本実施の形態に係る表示パネル10では、画素電極119は、金属層、合金層、透明導電膜の中から選択される複数の膜を積層させた構造であってもよい。金属層としては、シート抵抗が小さく、高い光反射性を有する材料として、例えば、アルミニウム(Al)を含む金属材料から構成することができる。アルミニウム(Al)合金では、反射率が80〜95%と高く、電気抵抗率が、2.82×10-8(10 nΩm)と小さく、画素電極119の材料として好適である。さらに、コスト面からアルミニウムを主成分として含む金属層、合金層を用いることが好ましい。
金属層としては、アルミニウム合金などの金属層の他、高反射率の観点から、例えば、銀や銀を含む合金等を用いることができる。
(3)ホール注入層120
ホール注入下部層120A1及びホール注入層120A1は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などのホール注入性のある金属酸化物を主成分として含む層である。ホール注入層120Aを遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
また、ホール注入下部層120A1及びホール注入層120A1は、同じ材料から構成される構成としてもよく、また、異なる材料から構成されてもよい。
(4)透光性金属酸化物層パターン
透光性金属酸化物層パターン128は、光透過性を有する導電材料が用いられる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用い形成される。
(5)バンク122
バンク122は、樹脂等の有機材料を用い形成されており絶縁性を有する。バンク122の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等があげられる。バンク122は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。より好ましくは、アクリル系樹脂を用いることが望ましい。屈折率が低くリフレクターとして好適であるからである。
又は、バンク122は、無機材料を用いる場合には、屈折率の観点から、例えば、酸化シリコン(SiO)を用いることが好ましい。あるいは、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの無機材料を用い形成される。
さらに、バンク122は、製造工程中において、エッチング処理、ベーク処理など施されることがあるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などをしないような耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
また、表面に撥水性をもたせるために、表面をフッ素処理することもできる。また、バンク122の形成にフッ素を含有した材料を用いてもよい。また、バンク122の表面に撥水性を低くするために、バンク122に紫外線照射を行う、低温でベーク処理を行ってもよい。
(6)ホール輸送層121
ホール輸送層121は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはアミン系有機高分子であるポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物、あるいは、TFB(poly(9、9−di−n−octylfluorene−alt−(1、4−phenylene−((4−sec−butylphenyl)imino)−1、4−phenylene))などを用いることができる。
(7)発光層123
発光層123は、上述のように、ホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。発光層123の形成に用いる材料は、湿式印刷法を用い製膜できる発光性の有機材料を用いることが必要である。
具体的には、例えば、特許公開公報(日本国・特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
(8)電子輸送層124
電子輸送層124には、電子輸送性が高い有機材料が用いられる。電子輸送層124Aは、フッ化ナトリウムで形成された層を含んでいてもよい。電子輸送層124Bに用いられる有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
また、電子輸送層124Bは、電子輸送性が高い有機材料に、アルカリ金属、又は、アルカリ土類金属から選択されるドープ金属がドープされて形成された層を含んでいてもよい。
(9)対向電極125
対向電極125Aは、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)などを薄膜化した電極を用い形成される。
対向電極125Bは、光透過性を有する導電材料が用いられる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用い形成される。
(10)封止層126
封止層126は、トップエミッション型の場合においては、光透過性の材料で形成される。例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性材料を用い形成される。また、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成された層の上に、アクリル樹脂、シリコン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
2.4 CF基板の各部構成
(1)上部基板130
接合層127の上に、上部基板130にカラーフィルタ層132が形成されたカラーフィルタ基板131が設置・接合されている。上部基板130には、表示パネル10がトップエミッション型であるため、例えば、カバーガラス、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。また、上部基板130により、表示パネル10、剛性向上、水分や空気などの侵入防止などを図ることができる。上部基板130としては、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等に透光性材料を採用することができる。
(2)カラーフィルタ層132
上部基板130には画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層132が形成されている。カラーフィルタ層132は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、その色度を矯正する機能を有する。例えば、本例では、赤色間隙522zR内の自己発光領域100aR、緑色間隙522zG内の自己発光領域100aG、青色間隙522zB内の自己発光領域100aBの上方に、赤色、緑色、青色のフィルタ層132R、132G、132Bが各々形成されている。カラーフィルタ層132としては、公知の樹脂材料(例えば市販製品として、JSR株式会社製カラーレジスト)等を採用することができる。
(3)遮光層133
上部基板130には、各画素の発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層133が形成されている。遮光層133は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させないために設けられる黒色樹脂層であって、例えば光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料を含む樹脂材料からなる。例えば、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに、例えば、カーボンブラック顔料、チタンブラック顔料、金属酸化顔料、有機顔料など遮光性材料の黒色顔料を添加してなる樹脂材料からなる。
(4)接合層127
封止層126のZ軸方向上方には、上部基板130のZ軸方向下側の主面にカラーフィルタ層132が形成されたカラーフィルタ基板131が配されており、接合層127により接合されている。接合層127は、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルとカラーフィルタ基板131とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。接合層127の材料は、例えば、樹脂接着剤等からなる。接合層127は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの透光性材料樹脂材料を採用することができる。
3 表示パネル10の製造方法
表示パネル10の製造方法について、図3〜11を用いて説明する。図3は、有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。図5〜11における各図は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。
(1)基板100xの準備
複数のTFTや配線が形成された基板100xを準備する。基板100xは、公知のTFTの製造方法により製造することができる(図3におけるステップS1、図5(a))。
(2)平坦化層118の形成
基板100xを被覆するように、上述の平坦化層118の構成材料(感光性の樹脂材料)をフォトレジストとして塗布し、表面を平坦化することにより平坦化層118を形成する(図3:ステップS2、図5(b))。具体的には、一定の流動性を有する樹脂材料を、例えば、ダイコート法により、基板100x1の上面に沿って、TFT層による基板100x1上の凹凸を埋めるように塗布する。これにより、平坦化層118の上面は平坦化した形状となる。
平坦化層118における、TFT素子の例えばソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール(不図示)を形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するようにパターニングなどを用いて形成される。
次に、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極層を形成する。接続電極層の上部は、その一部が平坦化層118上に配される。接続電極層の形成は、例えば、スパッタリング法を用いることができ、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウエットエッチング法を用いてパターニングすればよい。
(3)、画素電極119、ホール注入下部層120A1、透光性金属酸化物層パターン128、ホール注入層120A2の形成
次に、画素電極119、ホール注入下部層120A1、透光性金属酸化物層パターン128、ホール注入層120A2の形成を行う(図3:ステップS3)。図4は、図3における画素電極、ホール注入層形成工程(ステップS3)の詳細を示すフローチャートである。
先ず、形成した平坦化層118の表面にドライエッチング処理を行い製膜前洗浄を行う。
次に、平坦化層118の表面に製膜前洗浄を行った後、画素電極119を形成するための画素電極用の金属膜119xをスパッタリング法、真空蒸着法などの気相成長法により平坦化層118の表面に製膜する(図4:ステップS31、図5(c))。本例では、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなる膜をスパッタリング法により製膜する。金属膜119xは、平坦化層118のコンタクト孔の側面で段切れしないように、ステップカバレッジの優れた成膜方法(例えば、スパッタリング法やCVD法)により形成することが好ましい。また、ステップカバレッジの優れた成膜方法によっても画素電極層3119の膜厚が過度に薄いと、段切れが発生する可能性があるため、膜厚は、70nm以上で形成することが好ましい。
次に、金属膜119xの表面に製膜前洗浄を行った後、引き続き真空雰囲気下でホール注入下部層120A1を形成するためのホール注入下部層120A1用の金属膜120A1x’を気相成長法により金属膜119xの表面に製膜する(図4:ステップS32、図5(d))。本例では、タングステンをスパッタリング法により製膜する。
次に、金属膜120A1x’を所定条件で焼成することにより、酸素欠陥構造を持つ酸化タングステンを含む酸化タングステン膜からなるホール注入下部層120A1xを成膜して占有準位を形成する構成としている(図4:ステップS32、図5(e))。
次に、ホール注入下部層120A1xの表面に製膜前洗浄を行った後、引き続き真空雰囲気下で透光性金属酸化物層パターン128を形成するための金属酸化物膜128xを気相成長法によりホール注入下部層120A1xの表面に製膜する(図4:ステップS34、図6(a))。本例では、例えば、酸化インジウム亜鉛(IZO)をスパッタリング法により製膜する。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FR1を塗布したのち、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域以外の部分に所定の開口部が施されたフォトマスクを載置し、その上から紫外線照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。次に、フォトレジスト層FR1を現像によってパターニングする(図6(b))。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FR1を介して、金属酸化物膜128xにウエットエッチング処理を施してパターニングを行い(図6(c))、フォトレジスト層FR1を除去して、基板100x上の緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域に透光性金属酸化物層パターン128を形成する(図4:ステップS35、図6(d))。
次に、表面に製膜前洗浄を行った後、引き続き真空雰囲気下でホール注入層120A2を形成するためのホール注入層120A2用の金属膜120A2x’を気相成長法によりホール注入下部層120A1x及び透光性金属酸化物層パターン128の表面に製膜する(図4:ステップS36、図6(e))。本例では、タングステンをスパッタリング法により製膜する。
次に、金属膜120A2x’を所定条件で焼成することにより、酸素欠陥構造を持つ酸化タングステンを含む酸化タングステン膜からなるホール注入層120A2xを成膜して占有準位を形成する構成としている(図4:ステップS36、図7(a))。
ここで、ホール注入層120A1、A2の成膜では、各製膜工程の後に焼成工程を行い、製膜工程と焼成工程とを複数回繰り返す構成としている。これにより、膜密度を高め、溶解耐性を付与する。すなわち、ホール注入層120A1及びA2を、酸化タングステン成膜後に所定条件の焼成工程(加熱温度200℃以上230℃以内、加熱時間15分以上90分以内の条件で大気焼成する工程)で焼き締めを図り、膜密度を、5.8g/cm3以上6.0g/cm3以下の範囲まで増加させる。このように膜密度を増大させることで、製造時のバンク形成工程で用いるエッチング液や洗浄液に対する溶解耐性を付与し膜減りを抑制している。上記焼成条件に基づけば、焼成工程を経ても膜中の酸素欠陥構造は維持されるため、占有準位は温存され、ホール注入特性が低下することはない。このようにして良好なホール注入特性と溶解耐性の両立を高度に両立させる工程を使用したが、タングステン膜を2nm程度の膜厚でスパッタ成膜し、その後、加熱温度200℃以上230℃以内大気焼成するという酸化タングステン膜の形成工程を複数回実施し、所望の膜厚の酸化タングステン膜のプロセスを適用しても構わない。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FR2を塗布したのち、フォトレジスト層FR1よりも狭い開口部が形成されるような所定の開口部が施されたフォトマスクを載置し、その上から紫外線照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。次に、フォトレジスト層FR2を現像によってパターニングする(図7(b))。このとき、フォトマスクの開口の大きさに基づき、フォトレジスト層FR2にはフォトレジスト層FR1よりも狭い開口部が形成される。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FR2を介して、ホール注入層120A2xにドライエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層120A2を形成する(図4:ステップS37、図7(c))。
このとき、上述のとおり、フォトレジスト層FR2にはフォトレジスト層FR1よりも狭い開口部が形成されているので、ホール注入層120A2のパターン幅は、透光性金属酸化物層パターン128のパターン幅よりも広く形成される。その結果、基板100x上の緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域内には、ホール注入下部層120A1上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層120A2に覆われた透光性金属酸化物層パターン128が形成される。
続けて、パターニングされたフォトレジスト層FR2及びホール注入層120A2を介して、金属膜119xにウエットエッチング処理を施してパターニングを行う(図4:ステップS38、図7(d))。
ホール注入層120A2の形成において、ドライエッチング処理を行う理由は、例えば、酸化タングステン膜からなる金属膜120A2xと、例えば、アルミ系合金からなる金属膜119xとはウェットエッチングレートに大きな差があるため一括に処理することが困難であるためである。そのため、酸化タングステンからなるホール注入層120A2xのパターニングにはアルゴンガス等でのドライエッチングを使用し、アルミ合金からなる金属膜119xのパターニングにはウェットエッチングを使用する構成とした。
最後に、フォトレジスト層FR2を剥離して、同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120Aの積層体を形成する(図8(a))。
(4)バンク122の形成
ホール注入層120のホール注入層120Aを形成した後、ホール注入層120Aを覆うようにバンク122を形成する。バンク122の形成では、先ず行バンク122Xを形成し、その後、間隙522zを形成するように列バンク522Yを形成する(図3:ステップS4、図8(b))。
先ず、行バンク122の形成は、先ず、ホール注入層120A上に、スピンコート法などを用い、バンク122Xの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行バンク122Xを形成する。
行バンク122Xのパターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程(約230℃、約60分)をすることによりなされる。
次に、列バンク522Yの形成工程では、ホール注入層120A上及び行バンク122X上に、スピンコート法などを用い、列バンク522Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、間隙522zの形成は、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することにより、樹脂膜をパターニングして間隙522zを開設して列バンク522Yを形成する。
具体的には、列バンク522Yの形成工程では、先ず、有機系の感光性樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等からなる感光性樹脂膜を形成した後、乾燥し、溶媒をある程度揮発させてから、所定の開口部が施されたフォトマスクを重ね、その上から紫外線照射を行い感光性樹脂等からなるフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。
次に、感光性樹脂を現像、によって列バンク522Yをパターニングした絶縁層を、焼成(約230℃、約60分)することにより形成する。
ここで、ホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2は、上述のとおり、スパッタリング法あるいは真空蒸着法などの気相成長法を用い金属(例えば、タングステン)からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用い各画素単位にパターニングされるが、行バンク122X、列バンク522Yに対する焼成工程において、金属が酸化されホール注入層120Aとして完成する。
(5)有機機能層の形成
行バンク122X上を含む列バンク522Yにより規定される間隙522z内に形成されたホール注入層120A上に対して、ホール輸送層121、発光層123を順に積層形成する。
ホール輸送層121は、インクジェット法やグラビア印刷法によるウェットプロセスを用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる、あるいは、焼成することによりなされる(図3:ステップS5、図8(c))。ホール輸送層121のインクを間隙522z内に塗布する方法は、上述したホール注入層120Bにおける方法と同じである。
発光層123の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、焼成することによりなされる(図8(a))。具体的には、基板100xは、列バンク522YがY方向に沿った状態で液滴吐出装置の動作テーブル上に載置され、Y方向に沿って複数のノズル孔がライン状に配置されたインクジェットヘッド301をX方向に基板100xに対し相対的に移動しながら、各ノズル孔から列バンク522Y同士の間隙522z内に設定された着弾目標を狙ってインクの液滴18を着弾させることによって行う(図3:ステップS6、図8(d))。
また、この工程では、副画素形成領域となる間隙522zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインク123RI、123GI、123BIをそれぞれ充填し、充填したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層123R、123G、123Bを形成する。このとき、発光層123のインクの塗布では、先ず、液滴吐出装置を用いて発光層123の形成するための溶液の塗布を行う。
基板100xに対して赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の何れかを形成するためのインクの塗布が終わると、次に、その基板に別の色のインクを塗布し、次にその基板に3色目のインクを塗布する工程が繰り返し行われ、3色のインクを順次塗布する。これにより、基板100x上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図の紙面横方向に繰り返して並んで形成される。
なお、ホール注入層120のホール注入層120B、ホール輸送層121、発光層123の形成方法は上記の方法には限定されず、インクジェット法やグラビア印刷法以外の方法、例えばディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等の公知の方法によりインクを滴下・塗布してもよい。
(6)電子輸送層124の形成
発光層123を形成した後、表示パネル10の発光エリア(表示領域)全面にわたって、真空蒸着法などにより電子輸送層124を形成する(図3:ステップS7、図9(a))。真空蒸着法を用いる理由は有機膜である発光層123に損傷を与えないためと、高真空化で行う真空蒸着法は成膜対象の分子が基板に向かって垂直方向に直進的に成膜される。電子輸送層124Aは、発光層123の上に、金属酸化物又はフッ化物を真空蒸着法などにより成膜する。電子輸送層124Aの上に、有機材料と金属材料との共蒸着法により、電子輸送層124Bを成膜する。なお、電子輸送層124A、124Bの膜厚は、光学的な光取り出しとして最も有利となる適切な膜厚とする。
(7)対向電極125の形成
電子輸送層124を形成した後、電子輸送層124を被覆するように、対向電極125を形成する(図3:ステップS8、図9(b))。対向電極125は、基板100x側から順に金属を主成分とする対向電極125Aと、対向電極125A上に積層された金属酸化物からなる対向電極125Bとを含む。
このうち、先ず、対向電極125Aは、電子輸送層124を被覆するように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、又は真空蒸着法により形成する。本例では、対向電極125Aを真空蒸着法により銀を堆積することにより形成する構成としている。
次に、対向電極125Bは、対向電極125A上にスパッタリング法などにより形成する。本例では、対向電極125Bはスパッタリング法を用いてITO又はIZOなどの透明導電層を形成する構成としている。
(8)封止層126の形成
保護層128を被覆するように、封止層126を形成する(図3:ステップS9、図9(c))。封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
(9)カラーフィルタ基板131の形成
次に、カラーフィルタ基板131の製造工程を例示する。
透明な上部基板130を準備し、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる遮光層の材料(133X)を透明な上部基板130の一方の面に塗布する(図10(a))。
塗布した遮光層の材料の膜133´の上面に所定の開口部が施されたパターンマスクPMを重ね、その上から紫外線照射を行う(図10(b))。
その後、パターンマスクPM及び未硬化の遮光層133を除去して現像し、キュアすると、例えば、概矩形状の断面形状の遮光層133が完成する(図10(c))。
次に、遮光層133を形成した上部基板130表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ層132(例えば、G)の材料132Gを塗布し(図10(d))、所定のパターンマスクPMを載置し、紫外線照射を行う(図10(e))。
その後はキュアを行い、パターンマスクPM及び未硬化のペースト132Gを除去して現像すると、カラーフィルタ層132Gが形成される(図10(f))。
この工程を各色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ層132R、132Bを形成する(図10(g))。以上でカラーフィルタ基板131が形成される。
(10)カラーフィルタ基板131と背面パネルとの貼り合わせ
次に、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層127の材料を塗布する(図11(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルとカラーフィルタ基板131との相対的位置関係を合わせた状態で両基板を貼り合わせる。このとき、両者の間にガスが入らないように注意する。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図11(b))。
4.効 果
実施の形態に係る表示パネル10について効果について説明する。
4.1 反射率測定
実施の形態に係る表示パネル10について分光反射率測定を行った。以下、その結果について説明する。反射率試験は、基板100x上の赤色副画素100seR、緑色副画素100seGとされるべき領域に、画素電極119(アルミニウム合金、200nm)、ホール注入下部層120A1(酸化タングステン:15nm)、透光性金属酸化物層(IZO:15nm)、ホール注入層(酸化タングステン:10nm)を積層し、青色副画素100seBとされるべき領域に、画素電極119(アルミニウム合金、200nm)、ホール注入下部層120A1(酸化タングステン:15nm)、ホール注入層(酸化タングステン:10nm)を積層したサンプルを用いて、ホール注入層上方から画素電極119における分光反射率を測定することにより行った。
図12は、実施例に係る表示パネル10のRGB副画素における分光反射率の測定結果である。図12に示すように、表示パネル10では、青色副画素では、赤色副画素、緑色副画素に比べて、可視光範囲全域において反射率が向上する。特に、青色光波長領域(400〜500nm)において、青色副画素の反射率は色副画素、緑色副画素に比べて、約35ポイント反射率が向上する。
従来の表示パネルでは、青色副画素では、赤色副画素、緑色副画素に比べて、特に、青色光波長領域(400〜500nm)において光取り出し効率が低かったが、表示パネル10では、上記反射率の向上に伴い青色副画素における光取り出し効率を改善することができる。
4.2 光共振器構造の実現
有機EL表示パネルでは、光取り出し効率を調整するため、共振器構造が採用されている。
図13は、本実施形態にかかる表示パネル10の光共振器構造における光の干渉を説明する図である。当図では1つの副画素100seに相当する素子部分について説明する。
この有機EL素子100の副画素100seの光共振器構造において、発光層123からはホール輸送層121との界面近傍から光が出射されて各層を透過していく。この各層界面において光の一部が反射されることによって光の干渉が生じる。
(1)発光層123から出射され対向電極125側に進行した光の一部が、対向電極125を透過して発光素子の外部に出射される第1光路C1と、発光層123から、画素電極119側に進行した光の一部が、画素電極119で反射された後、発光層123および対向電極125を透過して発光素子の外部に出射される第2光路C2とが形成される。そして、この直接光と反射光との干渉が生じる。図13に示す光学膜厚L1は、第1光路C1と第2光路C2との光学距離の差に対応している。この光学膜厚L1は、発光層123と画素電極119との間に挟まれたホール注入層120A1、A2、透光性金属酸化物層パターン128、ホール輸送層121の合計の光学距離である。
(2)発光層123から対向電極125側に進行した光の一部が、対向電極125で反射されて、さらに画素電極119で反射された後、発光素子の外部に出射される第3光路C3も形成される。そして、この第3光路C3を経由する光と、上記第1光路C1を経由する光との干渉が生じる。第2光路C2と第3光路C3との光学距離の差は図13に示す光学膜厚L2に対応する。この光学膜厚L2は、発光層123、電子輸送層124の合計の光学距離である。
(3)第3光路C3を経由する光と、上記第1光路C1を経由する光との干渉も生じる。第1光路C1と第3光路C3との光学距離の差は、図13に示す光学膜厚L3に対応する。光学膜厚L3は、上記光学膜厚L1と光学膜厚L2の和である(L3=L1+L2)。光学膜厚L3は、画素電極119と対向電極125との間に挟まれたホール注入層120A1、A2、透光性金属酸化物層パターン128、ホール輸送層121、発光層123、電子輸送層124の合計の光学距離である。
上記のうち、(1)に示した第1光路C1を経由する直接光と第2光路C2を経由する反射光との干渉が最も出射光に対し支配的である。そのため、先ず、光学膜厚L1の調整のために決定したホール注入層120A1、A2、透光性金属酸化物層パターン128、の膜厚を決定し、その結果を踏まえて、光学膜厚L2と光学膜厚L3の両方の調整のために発光層123膜厚を調整することができる。
第1光路C1と第2光路C2との光学距離の差に対応する光学膜厚L1の調整において、各色の発光波長の違いにより、光学的な最適電極間距離は赤色副画素が最も長く、青色副画素が最も短い構成となる。仮に、ホール輸送層121の膜厚を、適宜設定して光取り出し効率を調整した場合、所定の電流密度を得るために必要とされる駆動電圧が、膜厚が厚くなるにつれて増加する。表示パネル10では、ホール注入層120A1及びA2は、スパッタリング法により、青色副画素、赤色副画素、緑色副画素に対して同時に成膜されるために、各色副画素における膜厚は等価となる。そのため、表示パネル10では、光学膜厚L1の調整は、青色副画素、赤色副画素、緑色副画素における、透光性金属酸化物層パターン128の膜厚を適宜設定することにより行う。
具体的には、表示パネル10では、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内には、ホール注入下部層120A1上に、透光性金属酸化物層パターン128が設けられており、その厚みは等価である。緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に同じ厚みの透光性金属酸化物層パターン128を設けることにより、赤色光と緑色光の平均的な波長に対応した陽極−陰極間の光路長を採ることができる。これにより、青色副画素に比べて相対的に寿命が長い赤及び緑色副画素の両方において、必要な副画素の寿命を確報することができる。なお、緑色副画素100seGと赤色副画素100seR内に異なる厚みの透光性金属酸化物層パターン128を設けることにより、赤色光と緑色光のそれぞれの波長に応した陽極−陰極間の光路長を、緑色副画素と赤色副画素それぞれにおいて設定する構成としてもよい。
一方、青色副画素では、投入電力当りの輝度が低いために相対的に寿命が短い。そのため、表示パネル10では、青色光の波長に適した陽極−陰極間の光路長を確保する。係る構成により、青色副画素では、共振器構造において、ホール注入層120のうち上部層120Bの膜厚を光学膜厚L1が光取り出し効率が極大値を示す光学膜厚に調整され光取り出し効率が向上する。そして、光取り出し効率の向上により、青色副画素への印加電圧を低減し青色副画素への負荷を低減し寿命の向上を図ることができる。
以上のとおり、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内にのみ透光性金属酸化物層パターン128を設けることにより、青色副画素の寿命を補い発光素子全体として光取り出し効率を向上するとともに、寿命の向上を図ることができる。
4.3 生産効率の向上
表示パネル10の製造工程では、上記したように、ホール注入下部層120A1xの表面に、例えば、IZOからなる金属酸化物膜128xを気相成長法によりホール注入下部層120A1xの表面に製膜し(図4:ステップS34)、フォトレジスト層FR1を介して、金属酸化物膜128xにウエットエッチング処理を施してパターニングを行い、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域に透光性金属酸化物層パターン128を形成する(図4:ステップS35)。
その後、ホール注入層120A2用の、例えば、酸化タングステンからなる金属膜120A2x’を気相成長法により製膜し(図4:ステップS36)、フォトレジスト層FR2を介して、ホール注入層120A2xにアルゴンガス等でのドライエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層120A2を形成する(図4:ステップS37)。
さらに、引き続き、パターニングされたフォトレジスト層FR2及びホール注入層120A2を介して、アルミ合金からなる金属膜119xにウエットエッチング処理を施してパターニングを行い(図4:ステップS38)、同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120Aの積層体を形成する。
酸化タングステンからなるホール注入層120A2xのパターニングにはドライエッチングを使用し、アルミ合金からなる金属膜119xのパターニングにはウェットエッチングを使用する理由は、酸化タングステン膜と、アルミ系合金からなる金属膜とはウェットエッチングレートに大きな差があり一括処理することが困難であるためである。
例えば、国際公開WO2009/125519に開示されるような従来の表示パネルでは、画素電極上方にITOを含む機能層を設けた積層膜のパターニングを行う場合には、金属膜119xに対するウエットエッチング処理において、上層に位置する透光性金属酸化物層パターン128がサイドエッチングされることにより層内方向に侵食されて積層構造の欠陥が生じる場合があった。透光性金属酸化物層パターン128が浸食された場合には、下層のホール注入下部層120A1と上層であるホール注入層120A2との間に空洞が生じ、ホール注入層120A2に欠損が入る可能性があった。
これに対し、表示パネル10の製造工程では、上述のとおり、露光に用いるフォトマスクの開口の大きさの違いによりフォトレジスト層FR2にはフォトレジスト層FR1よりも狭い開口部が形成されているので、ホール注入層120A2のパターン幅は、透光性金属酸化物層パターン128のパターン幅よりも広く形成される。その結果、基板100x上の緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域内には、ホール注入下部層120A1上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層120A2に覆われた透光性金属酸化物層パターン128が設けられる。言い換えると、この透光性金属酸化物層パターン128は、ホール注入下部層120A1とホール注入層120A2との間にあり、XYZ方向の全周囲をホール注入下部層120A1とホール注入層120A2とに覆われる。
これにより、画素電極119を形成するための金属膜119xに対するウエットエッチングする際に、上層に位置する透光性金属酸化物層パターン128がエンチャントに直接触れることを防止し、透光性金属酸化物層パターン128がサイドエッチングされることを抑止することができる。その結果、積層構造の欠陥が生じることを抑止して画素電極119の同時パターンニングを可能とし生産効率を改善できる。
5.有機EL表示装置1の回路構成
以下では、実施の形態1に係る表示パネル10を用いた有機EL表示装置1(以後、「表示装置1」と称する)の回路構成について、図14を用い説明する。
図14に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、これに接続された駆動制御回路部20とを有して構成されている。
表示パネル10は、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。駆動制御回路部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とにより構成されている。
表示パネル10においては、複数の単位画素100eが行列状に配されて表示領域を構成している。各単位画素100eは、3個の有機EL素子、つまり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に発行する3個の副画素100seから構成される。各副画素100seの回路構成について、図15を用い説明する。
図15は、表示装置1に用いる表示パネル10の各副画素100seに対応する有機EL素子100における回路構成を示す回路図である。
図15に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、各副画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つのキャパシタC、及び発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2 は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2 のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1 は、有機EL素子部ELの画素電極(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける対向電極(カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、キャパシタCの第1端は、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2及び駆動トランジスタTr1のゲートG1と接続され、キャパシタCの第2端は、電源ラインVaと接続されている。
表示パネル10においては、隣接する複数の副画素100se(例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の発光色の3つの副画素100se)を組み合わせて1つの単位画素100eを構成し、各単位画素100eが分布するように配されて画素領域を構成している。そして、各副画素100seのゲートG2からゲートラインが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各副画素100seのソースS2からソースラインが各々引き出され表示パネル10の外部から接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各副画素100seの電源ラインVa及び各副画素100seの接地ラインVcatは集約されて、表示装置1の電源ライン及び接地ラインに接続されている。
6.まとめ
以上のとおり、本開示の実施の形態に係る表示パネル10は、基板上100xの赤色副画素の領域に、第1画素電極119、第1ホール注入下部層120A1R、第1ホール注入層120A2R、赤色有機発光層123Rと、基板上の緑色副画素の領域に、第2画素電極119、第2ホール注入下部層120A1G、第2ホール注入層120A2G、緑色有機発光層123Gと、基板上の青色副画素の領域に、第3画素電極119、第3ホール注入下部層120A1B、第3ホール注入層120A2B、青色有機発光層123Bと、上方に対向電極125とを備え、第1ホール注入下部層上に周囲と上面とを第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターン128Rと、第2ホール注入下部層上に周囲と上面とを第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターン128Gとを備えたことを特徴とする。
係る構成により、青色副画素の領域における光取り出し効率を改善するとともに、光共振器構造により高い光取り出し効率を維持しつつ、製造時の透光性金属酸化物層パターンのサイドエッチングによる侵食を抑止して生産効率を改善することができる。
具体的には、従来の表示パネルでは、青色副画素では、赤色副画素、緑色副画素に比べて、特に、青色光波長領域(400〜500nm)において光取り出し効率が低かったが、表示パネル10では、上記反射率の向上に伴い青色副画素における光取り出し効率を改善することができる。
また、緑色副画素及び赤色副画素内にのみ透光性金属酸化物層パターンを設けることにより、青色副画素に比べて相対的に寿命が長い赤及び緑色副画素の両方において必要な副画素の寿命を確報するとともに、投入電力当りの輝度が低いために相対的に寿命が短い青色副画素に対し青色光の波長に適した陽極−陰極間の光路長を確保して青色副画素の光取り出し効率を向上する。これにより、青色副画素の寿命を補い発光素子全体として光取り出し効率を向上するとともに、寿命の向上を図ることができる。
また、緑色副画素及び赤色副画素内にのみ透光性金属酸化物層パターンを設けた素子構造を製造するために透光性金属酸化物層パターンと画素電極とのパターニングを行う工程において、画素電極を形成するための金属膜に対するウエットエッチングする際に、上層に位置する透光性金属酸化物層パターンがエンチャントに直接触れることを防止し、透光性金属酸化物層パターンがサイドエッチングされることを抑止することができる。その結果、積層構造の欠陥が生じることを抑止して画素電極の同時パターンニングを可能とし生産効率を改善できる。
7.変形例
実施の形態に係る有機EL素子100、表示パネル10を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、有機EL素子100、表示パネル10の変形例を説明する。
(1)変形例1
次に、変形例1に係る有機EL表示パネル10Aについて説明する。図16は、変形例1に係る有機EL表示パネル10Aを図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。実施の形態に係る表示パネル10では、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内には、ホール注入下部層120A1上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層120A2に覆われた透光性金属酸化物層パターン128が設けられた構成とした。変形例2に係る表示パネル10Aでは、図16に示すように、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内には、ホール注入下部層120A1上に、基板平面視における周囲(X−Y方向)と上方(Z方向)とをホール注入層120A2に覆われた透光性金属酸化物層パターン128の直下に中間金属層パターン128Aを備えた構成とした点で実施の形態と相違する。中間金属層パターン128Aは、シート抵抗が小さく、高い光反射性を有する材料として、例えば、銀や銀を含む合金、アルミニウムやアルミニウム合金等を用いることができる。中間金属層パターン128Aの厚みは、光反射性を確保するために10nm以上20nm以下であることが好ましい。
中間金属層パターン128Aの製造方法には、材料をスパッタリング法により製膜したのち、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法を用いることができる。図17は、変形例1に係る有機EL表示パネル10Aの製造工程における画素電極、ホール注入層形成工程の詳細を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、実施の形態における画素電極、ホール注入層形成工程(図4のフローチャート)と比較して、ステップS33A、S35Aが相違するので、ステップS33A、S35Aについて説明する。
先ず、ステップS33Aでは、ステップS32において酸化タングステン膜からなるホール注入下部層120A1用の金属膜を形成した後に、真空雰囲気下で中間金属層パターン128Aを形成するための中間金属層を気相成長法によりホール注入下部層120A1xの表面に製膜する。ステップS35Aでは、ステップS34にて形成された金属酸化物膜128用の金属酸化物膜とともに、ウエットエッチング処理を施してパターニングを行い、基板100x上の緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRとなるべき領域に中間金属層パターン128Aと透光性金属酸化物層パターン128との積層体を形成する。
その他の工程は図4のフローチャートに示す各工程と同じであるので説明を省略する。
以上の構成からなる変形例1に係る表示パネル10Aでは、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRにおいては、中間金属層パターン128Aと対向電極125との間の距離を異ならせて波長に対応した光路長を設けた光共振器構造が採ることができ、中間金属層パターン128A下方のホール注入下部層120A1における光の吸収の影響を排除できる。これより、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seRにおいて、光取り出し効率を向上して、出射光の色純度を向上し出射輝度を高めることができる。
(2)変形例2
次に、変形例2に係る有機EL表示パネル10Bについて説明する。図18は、変形例2に係る有機EL表示パネル10Bを図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。実施の形態に係る表示パネル10では、ホール注入層120は、基板100x側から順に、画素電極119上に金属酸化物からなるホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2が形成された構成とした。変形例2に係る表示パネル10Bでは、図18に示すように、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内のホール注入層120A2の上それぞれに積層された有機物からなるホール注入上部層120Bとを含み、ホール注入上部層120Bはホール注入層120A2に接触している。変形例2では、ホール注入上部層120Bは間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内に沿って列方向に延伸するように線状に設けられている。しかしながら、ホール注入上部層120Bは間隙522z内では列方向に断続して設けられている構成としてもよい。ホール注入上部層120Bの材料には、例えば、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料の有機高分子溶液からなる塗布膜を用いることができる。
また、青色副画素100seB、緑色副画素100seG及び赤色副画素100seR内に設けられたホール注入上部層120Bを、それぞれ120BB、120BG及び120BRとしたとき、120BRの厚みは、120BBの厚み及び120BGの厚みよりも大きく構成してもよい。RGB各色副画素ごとに陽極−陰極間の距離を異ならせて波長に対応した光路長を設けた光共振器構造が採ることができる。これより、副画素ごとに光取り出し効率を向上して、出射光の色純度を向上し出射輝度を高めることができる。
ホール注入上部層120Bの製造方法は、インクジェット法を用い、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる。あるいは、焼成することによりなされる。その後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法を用い各画素単位にパターニングしてもよい。ホール注入上部層120Bをインクジェット法等の塗布方式を用いて形成することにより、塗布方式は、ノズルから吐出するインクの量を変化させることにより同一の基板に対して成膜する場合でも成膜箇所によって膜厚の制御が比較的容易に行うことができる。
(3)変形例3
本実施の形態係る表示パネル10では、ホール注入層120Aの形成において、図4のステップS32において、タングステンからなる金属膜120A1x’を成膜した後、所定条件で焼成することにより酸化タングステン膜からなるホール注入下部層120A1xを形成し、タングステンからなる金属膜120A2x’ を成膜した後、所定条件で焼成することにより酸化タングステン膜からなるホール注入層120A2xを形成する構成とした。しかしながら、金属膜120A1x’を成膜した後、さらに、金属膜120A2x’ を成膜し、その後に行バンク122に対する焼成工程において、金属膜120A1x’と金属膜120A2x’とを所定条件で同時に焼成することにより、酸素欠陥構造を持つ酸化タングステンを含む酸化タングステン膜からなるホール注入下部層120A1とホール注入層120A2を形成する構成としてもよい。
(4)変形例4
本実施の形態係る表示パネル10では、ホール注入層120Aの形成はタングステンをスパッタリングにより製膜した後、焼成することにより、酸素欠陥構造を持つ酸化タングステンを含む酸化タングステン膜からなるホール注入層120を成膜して上述の占有準位を形成する構成としている。
しかしながら、反応性スパッタ法により酸化タングステンからなる膜を成膜する構成としてもよい。成膜ムラの発生が抑制されるからである。具体的には、ターゲットを金属タングステンにして反応性スパッタ法を実施する。スパッタガスとしてアルゴンガス、反応性ガスとして酸素ガスをチャンバー内に導入する。この状態で高電圧によりアルゴンをイオン化し、ターゲットに衝突させる。このとき、スパッタリング現象により放出された金属タングステンが酸素ガスと反応して酸化タングステンとなり成膜される。なお、このときの成膜条件は、いわゆる低レート条件に設定することが好ましい。
(5)その他の変形例
実施の形態に係る有機EL素子100では、画素電極119と対向電極125の間に、ホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2、ホール輸送層121、発光層123及び電子輸送層124A,124Bが存在する構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、ホール輸送層121及び電子輸送層124を用いずに、画素電極119と対向電極125との間にホール注入下部層120A1、ホール注入層120A2、発光層123のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべて有機化合物からなる必要はなく、無機物などで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光層123の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
実施の形態に係る表示パネル10では、行方向に隣接する列バンク522Y間の間隙522zに配された副画素100seの発光層123が発する光の色は互いに異なる構成とし、列方向に隣接する行バンク122X間の間隙に配された副画素100seの発光層123が発する光の色は同じである構成とした。しかしながら、上記構成において、行方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色は同じであり、列方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。
表示パネル10では、画素100eには、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限られない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、白色などに発光する4種類であってもよい。
また、上記実施の形態では、単位画素100eが、マトリクス状に並んだ構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、画素領域の間隔を1ピッチとするとき、隣り合う間隙同士で画素領域が列方向に半ピッチずれている構成に対しても効果を有する。高精細化が進む表示パネルにおいて、多少の列方向のずれは視認上判別が難しく、ある程度の幅を持った直線上(あるいは千鳥状)に膜厚むらが並んでも、視認上は帯状となる。したがって、このような場合も輝度むらが上記千鳥状に並ぶことを抑制することで、表示パネルの表示品質を向上できる。
また、上記の形態では、EL素子部の下部にアノードである画素電極119が配され、TFTのソース電極に接続された配線110に画素電極119を接続する構成を採用したが、EL素子部の下部に対向電極、上部にアノードが配された構成を採用することもできる。この場合には、TFTにおけるドレインに対して、下部に配されたカソードを接続することになる。
また、上記実施の形態では、一つの副画素100seに対して2つのトランジスタTr1、Tr2が設けられてなる構成を採用したが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、一つのサブピクセルに対して一つのトランジスタを備える構成でもよいし、三つ以上のトランジスタを備える構成でもよい。
さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの装置、又はその他表示パネルを有する様々な電子機器に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10 有機EL表示パネル
10e 区画領域(表示用領域)
100 有機EL素子
100e 単位画素
100se 副画素
100a 自己発光領域
100b 非自己発光領域
100x 基板(TFT基板)
118 平坦化層
119 画素電極(反射電極)
120、120A1、120A2、120B ホール注入層
121 ホール輸送層
122 バンク
122X 行バンク(行絶縁層)
522Y 列バンク(列絶縁層)
522z(522zR、522zG、522zB) 間隙
123(123R、123G、123B) 発光層
124、124A、124B 電子輸送層
125、125A、125B 対向電極
126 封止層
127 接合層
128 透光性金属酸化物層パターン
128A 中間金属層パターン
130 上部基板
131 カラーフィルタ基板
132 カラーフィルタ層
133 遮光層

Claims (17)

  1. 青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルであって、
    基板と、
    前記基板上の前記赤色副画素の領域に、前記基板側から順に、第1画素電極、第1ホール注入下部層、第1ホール注入層、赤色有機発光層と、
    前記基板上の前記緑色副画素の領域に、前記基板側から順に、第2画素電極、第2ホール注入下部層、第2ホール注入層、緑色有機発光層と、
    前記基板上の前記青色副画素の領域に、前記基板側から順に、第3画素電極、第3ホール注入下部層、第3ホール注入層、青色有機発光層と、
    前記赤色有機発光層、前記緑色有機発光層及び前記青色有機発光層の上方に対向電極とを備え、
    さらに、前記第1ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターンと、
    前記第2ホール注入下部層上に周囲と上面とを前記第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターンとを備えた
    有機EL表示パネル。
  2. 前記第1ホール注入下部層、前記第2ホール注入下部層、前記第3ホール注入下部層は、同じ材料から構成され、当該材料は、ホール注入性のある遷移金属酸化物を主成分として含む
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記第1ホール注入層、前記第2ホール注入層及び前記第3ホール注入層は、同じ材料から構成され、当該材料は、ホール注入性のある遷移金属酸化物を主成分として含む
    請求項1又は2に記載の有機EL表示パネル。
  4. 前記第1ホール注入下部層と前記第1ホール注入層、前記第2ホール注入下部層と前記第2ホール注入層、前記第3ホール注入下部層と及び前記第3ホール注入層とは、同じ材料から構成される
    請求項2に記載の有機EL表示パネル。
  5. 前記第1透光性金属酸化物層パターンの外周は、前記第1ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周よりも平面視において内方に位置し、
    前記第2透光性金属酸化物層パターンの外周は、前記第2ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周よりも平面視において内方に位置する
    請求項1から4の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  6. 前記第1透光性金属酸化物層パターン及び前記第2透光性金属酸化物層は、ITO又はIZOを主成分として含む
    請求項1から5の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  7. 前記遷移金属はタングステンである
    請求項2、3、4の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  8. 前記第1ホール注入下部層及び前記第1ホール注入層の外周は、前記第1画素電極の外周と、
    前記第2ホール注入下部層及び前記第2ホール注入層の外周は、前記第2画素電極の外周と、
    前記第3ホール注入下部層及び前記第3ホール注入層の外周は、前記第3画素電極の外周と、それぞれ平面視において同じ位置にある
    請求項1から7の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  9. さらに、前記赤色副画素の領域内の前記第1ホール注入層と前記赤色有機発光層との間に、有機物からなる第1ホール注入上部層と、
    前記緑色副画素の領域内の前記第2ホール注入層と前記緑色有機発光層との間に、前記有機物からなる第2ホール注入上部層と、
    前記青色副画素の領域内の前記第3ホール注入層と前記青色有機発光層との間に、前記有機物からなる第3ホール注入上部層とを備えた
    請求項1から8の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  10. 前記有機物は、ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物を含む
    請求項9に記載の有機EL表示パネル。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の有機EL表示パネルと駆動回路とを備えた
    有機EL表示装置。
  12. 青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルの製造方法であって、
    基板を準備し、
    前記基板上の金属層を形成し、
    前記金属層上に第1の金属酸化物層を形成し、
    前記金属酸化物層上に透光性金属酸化物からなる連続膜を形成し、
    前記連続膜に第1のパターンニングをして前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに透光性金属酸化物層パターンを形成し、
    前記第1の金属酸化物層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターン上に第2の金属酸化物層を形成し、
    前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層に第2のパターンニングをして、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに前記基板側から順に、画素電極、ホール注入下部層、ホール注入層を形成し、
    前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおけるホール注入層上方に、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を、当該順に形成し、
    前記基板、及び前記青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層上方に対向電極を形成し、
    前記第2のパターニングでは、前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおいて、前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に存在する、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層を残すようにパターンニングして、前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する
    有機ELパネルの製造方法。
  13. 前記第2のパターニングでは、前記基板の平面視において、前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する
    請求項12に記載の有機ELパネルの製造方法。
  14. 前記透光性金属酸化物層パターンは、前記ホール注入下部層上にあり、周囲と上面とを前記ホール注入層に覆われている
    請求項12又は13に記載の有機ELパネルの製造方法。
  15. 青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルであって、
    基板と、
    前記基板上の前記赤色副画素の領域に、前記基板側から順に、第1画素電極、第1ホール注入下部層、第1ホール注入層、赤色有機発光層と、
    前記基板上の前記緑色副画素の領域に、前記基板側から順に、第2画素電極、第2ホール注入下部層、第2ホール注入層、緑色有機発光層と、
    前記基板上の前記青色副画素の領域に、前記基板側から順に、第3画素電極、第3ホール注入下部層、第3ホール注入層、青色有機発光層と、
    前記赤色有機発光層、前記緑色有機発光層及び前記青色有機発光層の上方に対向電極とを備え、
    さらに、前記第1ホール注入下部層上に周囲を前記第1ホール注入層に覆われた第1の中間金属層パターンと、前記第1の中間金属層パターン上に周囲と上面とを前記第1ホール注入層に覆われた第1透光性金属酸化物層パターンと、
    前記第2ホール注入下部層上に周囲を前記第2ホール注入層に覆われた第2の中間金属層パターンと、前記第2の中間金属層パターン上に周囲と上面とを前記第2ホール注入層に覆われた第2透光性金属酸化物層パターンとを備えた
    有機EL表示パネル。
  16. 青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素を含む画素を複数有する有機EL表示パネルの製造方法であって、
    基板を準備し、
    前記基板上の金属層を形成し、
    前記金属層上に第1の金属酸化物層を形成し、
    前記第1の金属酸化物層上に中間金属層を形成し、
    前記中間金属層上に透光性金属酸化物からなる連続膜を形成し、
    前記中間金属層及び前記連続膜に第1のパターンニングをして前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに、中間金属層パターン及び透光性金属酸化物層パターンを当該順に形成し、
    前記第1の金属酸化物層及び前記透光性金属酸化物層パターン上に第2の金属酸化物層を形成し、
    前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層に第2のパターンニングをして、前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれに前記基板側から順に、画素電極、ホール注入下部層、ホール注入層を形成し、
    前記基板上の青色副画素、緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおけるホール注入層上方に、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を、当該順に形成し、
    前記基板、及び前記青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層上方に対向電極を形成し、
    前記第2のパターニングでは、前記基板上の緑色副画素及び赤色副画素となるべき領域それぞれにおいて、前記中間金属層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に存在する、前記金属層、前記第1の金属酸化物層、前記第2の金属酸化物層を残すようにパターンニングして、前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する
    有機ELパネルの製造方法。
  17. 前記第2のパターニングでは、前記基板の平面視において、前記中間金属層パターン及び前記透光性金属酸化物層パターンを含む領域に前記画素電極、前記ホール注入下部層、前記ホール注入層を形成する
    請求項16に記載の有機ELパネルの製造方法。
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