JP5541878B2 - プリズムシート用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置の光学部材であるプリズムシートのベースフィルムとして用いられるプリズムシート用積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、高い輝度を得ることができるプリズムシート用積層ポリエステルフィルムに関する。
プリズムシートは、液晶表示装置に組み込まれている光学部材であるが、そのベースフィルムとして、高透明なポリエステルフィルムが用いられてきた。
高透明なフィルムをベースフィルムとして用いたプリズムシートは、構造的に入射光の約50%の光を反射し、その反射された光がバックライトの背後に設置された反射シートで反射して再びプリズムシートに入射する。この反射シートでの反射の際に、光量の5〜10%程度は失われてしまう。
この光量の損失を少なくすることができればより高い輝度を得ることができる。そこで、プリズムシートのベースフィルムとして、延伸可能なポリマーに不活性粒子を添加した組成物を延伸してフィルムにして、光散乱効果を向上することが検討されている。しかし、従来のものでは未だ十分な輝度が得られていない。
特開平11−271503号公報 特開2007−156287号公報 特開2005−181648号公報
本発明は、プリズムシートの基材として用いたときに、高い輝度を得ることができ、輝度斑が少なく、かつ、バックライトの輝線を隠蔽することができる、プリズムシート用積層ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
すなわち、光拡散層およびそのうえに共押出法で積層された支持層からなるプリズムシート用積層ポリエステルフィルムであり、光拡散層はポリエステルおよび0.005〜0.02wt%の光拡散成分からなる層であり、支持層は二軸配向したポリエステルの層であり、フィルムのヘーズが0.1〜15%であることを特徴とする、プリズムシート用積層ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、プリズムシートの基材として用いたときに、高い輝度を得ることができ、輝度斑が少なく、かつ、バックライトの輝線を隠蔽することができる、プリズムシート用積層ポリエステルフィルムを提供することができる。
実施例および比較例で作成したプリズムシートにおけるプリズムの形状の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプリズムシート用積層ポリエステルフィルムは、光拡散層およびそのうえに共押出し法で積層された支持層からなる。以下、支持層から説明する。
[支持層]
支持層は、ポリエステルからなる二軸配向した層である。二軸配向した層でないと熱収縮率が高くなり、液晶表示装置のバックライトユニットの光源からの熱によって、フィルムが変形したり、バックライトユニットの輝度斑が発生することがある。
支持層に用いるポリエステルは、芳香族飽和ポリエステルである。これは、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とからなるポリエステルである。このポリエステルとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを例示することができる。これらは共重合ポリマーであってもよいが、ホモポリマーであることが好ましい。最も好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーである。
本発明では、表面の滑り性を付与するために、支持層にフィラーを含有させることが好ましいが、その場合、支持層のポリエステルとフィラーとの界面にボイドを形成させないことが好ましい。このため、支持層のフィラーとして塊状粒子を用いることが好ましい。塊状粒子を用いると、フィルムの延伸時に延伸応力によって塊状粒子が崩壊し、界面での剥離が抑制されてボイドを含まない支持層を得ることができ、高い透明性を備えたフィルムを得ることができる。塊状粒子としては、例えば、塊状シリカ粒子、硫酸バリウム粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を挙げることができ、塊状シリカ粒子が特に好ましい。
支持層の二軸配向したポリエステルの層におけるフィラーの含有量は、支持層の重量を基準として好ましくは0.005〜0.1重量%、さらに好ましくは0.001〜0.1重量%である。この範囲の含有量であることによってハンドリング性が良好となる。
フィラーの平均粒径は好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1〜8μmである。平均粒径がこの範囲であることによって十分な表面粗さを備えたフィルムを得ることができ、ハンドリング性を得ることができ、また、延伸時にフィラーの周囲に発生するボイドを少なく、小さくすることができる。
フィラーとして塊状粒子を用いる場合、塊状粒子のBET比表面積は、好ましくは200〜800m/gである。この範囲であることによって、延伸時に塊状フィラーがポリエステルの延伸に追随して移動し、塊状粒子が適度に崩れることでボイドの発生を抑制する。
支持層は、フィラーを含有する場合も含有しない場合も実質的にボイドを含有しないことが好ましい。本発明において実質的にボイドを含有しないとは、ボイドを含有しないか、または支持層の全光線透過率を低下させない程度のボイドを含有することをいい、例えば、支持層をフィルム面に垂直に切断したときのボイドの断面積がボイド形成性の粒子、例えばフィラーの断面積の好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下であることをいう。支持層が実質的にボイドを含有しないことで、ボイド界面での光の反射を無くし、フィルムの全光線透過率を高く維持し、特に高い輝度を得ることができる。支持層がボイドを含有しないことは、フィルムの断面を走査型顕微鏡(SEM)または透過型顕微鏡(TEM)で500倍〜20000倍の倍率で観察することによって確認することができる。
支持層の表面粗さRzは、好ましくは400〜5000nm、さらに好ましくは1500〜4500nmである。Rzが400nm未満であると粗さが不足し、ハンドリングに難がある。他方、Rzが5000nmを超えるとフィルム表面が粗らくなりすぎる。
[光拡散層]
光拡散層は、ポリエステルと光拡散成分とからなる。光拡散層のポリエステルとして、好ましくは支持層のポリエステルより融点が5〜50℃低い共重合ポリエステルを用いる。本発明においては、フィルムの延伸により発生した光拡散層のボイドを、フィルムを熱処理することで消滅させて、ボイドのない光拡散層を得る。融点差が5〜50℃であることで、フィルムの機械的強度を保ったまま光拡散層のポリエステルを再融解させることができ、延伸時に光拡散成分の周辺に発生するボイドをフィルムの熱処理によって十分に消滅させることができる。
光拡散層に用いる融点の低いポリエステルとして、共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
例えば、支持層のポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、光拡散層のポリエステルとして、共重合ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。共重合成分として、ジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を例示することができる。ジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールを例示することができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
支持層のポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートを用いる場合、光拡散層のポリエステルとして特に好ましいものは、イソフタル酸成分を3〜20モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートであり、これを用いると耐熱性と製膜性に特に優れたフィルムを得ることができる。共重合成分のイソフタル酸成分の量が3モル%未満であると製膜性が低く好ましくなく、20モル%を超えると、耐熱性が低く好ましくない。
例えば、支持層のポリエステルとして、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いる場合には、光拡散層のポリエステルとして、共重合ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いることが好ましい。共重合成分として、ジカルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を例示することができる。ジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールを例示することができる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
光拡散層の光拡散成分は、好ましくは光拡散成分の粒子の形態で用い、さらに好ましくは光拡散成分の球状粒子の形態で用いる。球状粒子は真球度の高いものほど好ましく、アスペクト比が1.1以下のものが特に好ましい。球状粒子の平均粒径は、好ましくは0.5〜30μm、さらに好ましくは1〜20μmである。平均粒径が0.5μm未満であると光拡散性が不足し、他方、平均粒径が30μmを超えると光拡散性は十分だが、全光線透過率が不足して輝度が劣るうえ、光拡散成分の粒子の粒径が大きいために粒子の界面で発生するボイドが大きくなり、熱処理によってボイドを消滅させることが困難となり好ましくない。なお、球状粒子は、無色透明な粒子であることが好ましい。
光拡散成分として、例えば、シリカ、アクリル、ポリスチレン、シリコーンを用いることができる。光拡散成分の屈折率と光拡散層のポリエステルとの屈折率の差と、光拡散成分の粒子の平均粒径との積(屈折率差×平均粒径(μm))は0.1〜0.5[μm]であることが好ましい。この範囲であると、とても良好な光拡散性を得ることができる。
光拡散層は二軸延伸後に、光拡散層のポリエステルの融点より高い温度で熱処理されることによって、ボイドを縮小化もしくは消滅されていることが好ましい。光拡散層に多数のボイドがあると、光線透過率の低下を招くことになる。
[層構成]
本発明のプリズムシート用積層ポリエステルフィルムは、光拡散層およびそのうえに設けられた支持層からなる。光拡散層と支持層との厚み比率は、光拡散層の合計厚み1に対して、支持層の合計厚みが好ましくは0.2〜5.0、さらに好ましくは0.2〜4.0である。この範囲の厚み比率であることによって、機械的強度を維持しながら、プリズムシートにしたときに優れた輝度向上効果を得ることができる。本発明において好ましい構成は、光拡散層の両側に支持層を備える構成である。
本発明の光学用積層フィルムの総厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜400μmである。この範囲の総厚みであることによって、光拡散性と支持性を備えるとともに、延伸性が良好であり、生産性のよいプリズムシート用積層ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明のプリズムシート用積層ポリエステルフィルムの表面には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、プライマー層を塗設したり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などを施してもよい。これらの処理は、フィルムの製造後に施しても、フィルム製造工程内で施してもよい。
[光学特性]
本発明のプリズムシート用積層ポリエステルフィルムは、ヘーズが0.1〜60%、好ましくは0.1〜25%、さらに好ましくは0.1〜15%である。ヘーズが0.1%未満であると光を十分前方に散乱することができず、他方、60%を超えると、複数の光拡散成分で多重に散乱され、輝度向上効果が発現しない。
[製造方法]
以下、融点をTm、ガラス転移温度をTgと表記する。また、「Tg(支持層)」は支持層のポリエステルのTg、「Tg(光拡散層)」は光拡散層のポリエステルのTg、「Tm(支持層)」は支持層のポリエステルのTm、「Tm(光拡散層)」は光拡散層のポリエステルのTmを意味する。
本発明において、光拡散層と支持層は、共押出法により積層される。本発明の光学用積層フィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、光拡散層を構成するポリエステル組成物と、支持層を構成するポリエステル組成物とを、両方のポリエステルが溶融した状態で、例えばTm〜(Tm+70)℃の温度で、両者が接するようにダイから押出して未延伸積層フィルムとする。未延伸積層フィルムを、一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg(支持層)−10)〜(Tg(支持層)+70)℃の温度で3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg(支持層)〜(Tg(支持層)+70)℃の温度で3倍以上の倍率で延伸する。延伸により得られた二軸配向フィルムを、光拡散層のポリエステルが非晶性である場合には、(Tg(支持層)+70)℃〜(Tm(支持層)−10)℃の温度範囲で、光拡散層のポリエステルが結晶性である場合には、(Tm(光拡散層)+5)℃〜(Tm(支持層)−10)℃の温度範囲で熱固定する。この熱固定工程によって、光拡散成分とポリエステルとの界面に発生していたボイドを消滅させることができる。
必要があれば、未延伸フィルムまたは縦延伸後の一軸延伸フィルムに表面処理剤を塗布してもよい。塗布する場合、片面に行ってもよく、両面に行ってもよい。
逐次二軸延伸法にかえて、同時二軸延伸法で延伸してもよい。同時二軸延伸法で延伸すると、延伸が二軸方向に同時に行われるためボイドが発生しにくく好ましい。
以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、物性は以下の方法で測定、評価した。
(1)平均粒径
フィルムをヘキサフルオロイソプロパノールで溶解して粒子を分離し、得られた粒子を測定に用いた。平均粒径の測定は島津製作所製「CP−50型Centrifugal Particle Size Analyzer」を用いて行った。この測定器によって得られる遠心沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulative曲線から、50mass percentに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした(参照「粒度測定技術」、242〜247頁、日刊工業新聞社、1975年発行)。
(2)屈折率
・光拡散層のポリエステルの屈折率
溶融押出しする前のポリエステルを板状に成型して、アッベ屈折率計(D線589nm)で測定した。
・光拡散成分(粒子)の屈折率
光拡散成分の粒子を、屈折率の異なる種々の25℃の液に懸濁させ、懸濁液が最も透明に見える液の屈折率をアッベの屈折率計(D線589nm)によって測定した。
(3)アスペクト比
フィルムを走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッタリング装置(JIS−1100型イオンスパッタリング装置)を用いてシート表面に、1×10−3torrの真空下で、0.25kV、1.25mAの条件でイオンエッチング処理を10分間施した。(株)日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて、100個の粒子について長径と短径を測定してアスペクト比を算出し、その平均値をアスペクト比とした。
(4)ボイド
フィルムを厚み方向にミクロトームで切断し、切断面を(株)日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて観察し、粒子もしくはフィラーの断面積に対するボイド断面積の割合を計算した。少なくとも10点について粒子もしくはフィラーの断面積に対するボイド断面積の割合を算出してその平均により、下記の評価基準でボイドを評価した。
○: ボイド断面積が30%以下
△: ボイド断面積が30%超、50%以下
×: ボイド断面積が50%超
(5)融点・ガラス転移温度
各層をそれぞれ分離して得たサンプル10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、融点を測定し、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度、示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させて、ガラス転移温度を測定した。
(6)表面粗さ
小坂研究所社製の表面粗さ測定器SE−3FATを用い、JIS B0601の測定法により、フィルム表面の十点平均粗さRzを求めた。
(7)全光線透過率
JIS K7361に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムの全光線透過率を測定した。
(8)ヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。
(9)輝度
比較例4のとおりにクリアフィルムを製膜して、このクリアフィルムのうえに(14)のプリズムシートの作成方法に従ってプリズムを形成し、プリズムシートを作成した。このプリズムシートを輝度評価の基準として用いた。このプリズムシートを、「基準プリズムシート」という。
まず、基準プリズムシートの中心が、バックライトの対角線中心と重なるようにバックライトユニット(反射板/CCFL/拡散板/光拡散シート)上に配置し、プリズムシート表面から輝度計が50cmになるように配置し、正面輝度を大塚電子(株)製輝度計MC−940で測定した。このときの輝度値を「基準輝度」とした。
つぎに、評価対象のフィルムのうえに(14)のプリズムシートの作成方法に従ってプリズムを形成し、プリズムシートを作成した。このプリズムシートの中心が、バックライトの対角線中心と重なるようにバックライトユニット(反射板/CCFL/拡散板/光拡散シート)上に配置し、プリズムシート表面から輝度計が50cmになるように配置し、正面輝度を大塚電子(株)製輝度計MC−940で測定した。このときの輝度値を測定し、「基準輝度」100%に対する相対値として評価対象のフィルムの相対輝度(%)を求め、下記の基準にて評価した。
○: 相対輝度100%超 ・・・良好
△: 相対輝度98〜100% ・・・やや良好
×: 相対輝度98%未満 ・・・不良
この測定では、バックライトユニットには、エッジライト型バックライトとして下記のSharp製AQOUSを用い、直下型バックライトとして、松下電器産業製液晶テレビVIERAを用いた。
(イ)エッジライト型バックライト
バックライトユニット:
Sharp製AQOUS LC−15S4(15インチ)
バックライトユニット構成:
反射板/CCFL/導光板/光拡散シート
なお、反射板、CCFL、導光板、拡散シートについては、Sharp製AQOUS LC−15S4に使用されているものを使用した。
(ロ)直下型バックライト
バックライトユニット:
松下電器産業製液晶テレビVIERA TH−LX80(32インチ)
バックライトユニット構成:
反射板/CCFL/拡散板/光拡散シート
なお、反射板、CCFL、拡散板、拡散シートについては、松下電器産業製液晶テレビVIERA TH−LX80(32インチ)に使用されているものを使用した。
(10)輝線隠蔽
松下電器産業製液晶テレビVIERA TH−LX80(32インチ)からバックライトユニットを取出して、拡散板上に評価対象のフィルムを載せ、大塚電子(株)製輝度計MC−940で、中心点左右にある蛍光管上(a)と、さらに隣接する蛍光管の間の上(b)をそれぞれ3箇所ずつについて輝度(cd/m)を測定した。輝度相対値を下記式で算出して、輝度斑の評価とした。なお、蛍光管同士の間隔が23mmであった。
輝度相対値=輝度(a)/輝度(b)
○: 相対輝度値が1.1以下
△: 相対輝度値が1.1を超え1.2以下
×: 相対輝度値が1.2を超え1.3以下
(11)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
(12)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルム厚みとした。
(13)プリズムシート作成方法
得られたフィルムの支持層に、UV硬化樹脂(Microsharp製MCL555、屈折率=1.58)を塗布し、その塗布面にプリズムシートの形状を掘り込んだ版を重ね、メタルハライドランプにより300mJ/cmの照射条件でUV光を照射し、プリズムが密にフィルムの表面に配置されたプリズムシートを形成した。プリズムの形状は次のとおりであり、図1に概略図を示す。
・断面の形状: 頂角90°、底角45°二等辺三角形
・高さ: 25μm
・頂角と頂角との間隔:50μm
[実施例1]
層構成は支持層/光拡散層/支持層とした。支持層として、平均粒径1.7μmの塊状シリカ粒子をポリエチレンテレフタレートに0.008重量%になるように配合し、光拡散層として、平均粒径2.5μmの球状シリカ粒子をイソフタル酸6モル%が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートに、0.005重量%になるように配合し、溶融し、ダイから押しだしてキャスティングドラム上で急冷しシートを得た。その後75℃で余熱し、下記塗剤を製膜後、フィルム上で50〜200nmの厚みになるように塗布後、延伸温度110℃で縦方向に3.3倍に延伸した。その後、110℃で余熱し、延伸温度130℃にて横方向に3.6倍に延伸した。その後、結晶化ゾーンにて235℃にて熱処理してプリズム用積層ポリエステルフィルムを得た。なお、熱処理する際に、縦方向1.5%および横方向2.0%に弛緩を入れて、熱収縮率を調整した。
(塗剤)
(A)共重合ポリエステル(Tg=68℃) 60重量%
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸(90モル%)
イソフタル酸(6モル%)
5−スルホイソフタル酸カリウム(4モル%)
ジオール成分:
エチレングリコール(95モル%)
ネオぺンチレングリコール(5モル%)
(B)N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド 5重量%
(C)アクリル共重合体(数平均分子量:248000) 20重量%
組成:
メチルアクリレート(65モル%)
エチルアクリレート(28モル%)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2モル%)
N−メチロールメタクリルアミド(5モル%)
(D)アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm) 10重量%
(E)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5重量%
評価結果を表1に示す。
[実施例2]
成分および条件を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、プリズム用積層ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
成分および条件を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、プリズム用積層ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
成分および条件を表1に記載のとおりに変更し、さらに層構成を2層(支持層/光拡散層)とした以外は実施例1と同様にして、プリズム用積層ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
支持層を設けない以外は実施例1同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。このフィルムは、支持層がないため、光拡散層のボイドを消失させるのに十分な熱処理(235℃)をするとフィルムが破断して安定した製膜ができず、熱処理温度を220℃に下げてフィルムを取得した。熱処理が不十分であるため、光拡散層にボイドが多く存在し、全光線透過率が劣るフィルムとなった。
[比較例2]
支持層の組成物にフィラーを添加せず、成分および条件を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。得られたフィルムは支持層にフィラーを含まないため、表面粗さが不足し、バックライトユニットに組み込んだ際、他の光学フィルムと密着してしまい、不均一に密着したため、輝度斑が目立った。
[比較例3]
光拡散層の組成物にBET比表面積が150m/gの塊状シリカフィラーを添加し、成分および条件を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。フィラーが崩れなかったため、支持層中の塊状フィラー周辺にボイドが多数発生し、全光線透過率が劣りプリズムシート用のフィルムとして不適合であった。
[比較例4]
光拡散層を光拡散成分を含有しないポリエチレンテレフタレートの中間層に置き換えた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。輝線の隠蔽性がなく、輝度斑の大きなフィルムであった。
Figure 0005541878
表中、「PET」はポリエチレンテレフタレートを、「PEN」はポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを、「IA3PET」は、イソフタル酸を3モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA6PET」は、イソフタル酸を6モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA9PET」は、イソフタル酸を9モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA12PET」は、イソフタル酸を12モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、意味する。
本発明のプリズムシート用積層ポリエステルフィルムは、液晶表示装置の光学部材であるプリズムシートのベースフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 光拡散層およびそのうえに共押出法で積層された支持層からなるプリズムシート用積層ポリエステルフィルムであり、光拡散層はポリエステルおよび0.005〜0.02wt%の光拡散成分からなる層であり、支持層は二軸配向したポリエステルの層であり、フィルムのヘーズが0.1〜15%であることを特徴とする、プリズムシート用積層ポリエステルフィルム。
  2. 光拡散層のポリエステルが、共重合成分としてイソフタル酸成分を3〜20モル%含む共重合ポリエチレンテレフタレートである、請求項1記載のプリズムシート用積層ポリエステルフィルム。
  3. 支持層の二軸配向したポリエステルの層が、平均粒径1〜10μm、BET比表面積200〜800m /gの塊状粒子を0.001〜0.1重量%含有する、請求項1記載のプリズムシート用積層ポリエステルフィルム。
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