JP5123823B2 - 光学用積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置の光学部材のベースフィルムとして用いられる、光学用積層フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、液晶表示装置の光学部材であるプリズムレンズシート等のベースフィルムとして用いられている。
近年、液晶表示装置の薄型化が進んでおり、液晶表示措置を構成する光学部材には薄膜化と枚数の削減が求められている。このなか、ベースフィルムとしてそれ自体が光拡散性を備えるポリエステルフィルムが提案されている。
例えば特開2001−272508号公報や特開2001−272511号公報では、フィルムの内部に光拡散成分を含有させることで、ベースフィルム自体に光拡散性を付与している。また、特開2002−178472号公報では、フィルムの内部に球状または凸レンズ状の粒子を含有させることで、ベースフィルム自体に光拡散性を付与している。
フィルムの生産において、フィルムの製膜の製膜工程で発生する端材を原料として再利用することが原料の有効利用の観点から望ましい。フィルムは、両端をクリップで把持され延伸されるため、端の部分は延伸時にかかる張力に耐えられるように厚くしてあり、この部分は製品の巻取りの段階でスリッタによって切り落とされる。この切り落とされた部分や、製品とならなかったフィルムを粉砕等して再度原料として使用するのであるが、この再度使用される原料がいわゆる「R材」である。光学用積層フィルムの製造においてR材を用いるときには、R材の配合量の多少によってフィルムの色相が微妙に変わるため、R材の配合量を厳密に一定に保つ必要があり、発生するR材を使い残すことがあり、資源の有効利用の点で改良の余地がある。
特開2001−272508号公報 特開2001−272511号公報 特開2002−178472号公報
液晶表示装置の光学部材は、液晶表示装置に組み込んで用いられる。しかし、従来の技術によるベースフィルムでは、他の部材との摩擦が大きいため、液晶表示装置のバックライトの中に組み込むときに、他の部材と貼り付いてしまい、光学部材を組み込むときのハンドリング性が著しく低い。また、液晶表示装置の使用環境における熱や湿度によって光学部材の寸法が大きく変化し、光学部材が撓み、その結果光拡散フィルムとして用いたときに液晶表示装置に輝度斑を発生させることがある。
本発明は、光拡散フィルムとして用いたときに輝度斑が少なく、かつ、バックライトの輝線を隠蔽することができる、優れた光拡散性を備え、しかも、バックライトユニットに組み込まれたときに隣接する部材とのブロッキングが抑制された光学用積層フィルムであって、フィルムの生産時にいわゆるR材をフィルム原料の一部として使用したときに、R材の配合量の多少によるフィルムのカラーシフトが少なく、すなわちR材の配合割合が変動しても得られるフィルムのカラーの変動が小さい、光拡散フィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、光拡散層およびそのうえに設けられた密着防止層からなる光学用積層フィルムであって、密着防止層はポリエステルおよび無機フィラーからなる二軸配向した層であり実質的にボイドを含有せずその表面粗さRzが400〜5000nmであり、密着防止層の無機フィラーの含有量が、密着防止層の重量を基準として0.05〜10重量%であり、光拡散層は密着防止層のポリエステルより融点が5〜50℃低いポリエステルおよび光拡散成分からなり、該光拡散成分は密着防止層の無機フィラーと実質的に同じ屈折率の物質であることを特徴とする、光学用積層フィルムである。
本発明によれば、光拡散フィルムとして用いたときに輝度斑が少なく、かつ、バックライトの輝線を隠蔽することができる、優れた光拡散性を備え、しかも、バックライトユニットに組み込まれたときに隣接する部材とのブロッキングが抑制された、光学用積層フィルムであって、フィルムの生産時にいわゆるR材をフィルム原料の一部として使用したときに、R材の配合量の多少によるフィルムのカラーシフトが少なく、すなわちR材の配合割合が変動しても得られるフィルムのカラーの変動が少ない、光拡散フィルムを提供することができる。
本発明の光学用積層フィルムは、光拡散層およびそのうえに設けられた密着防止層からなる。以下、密着防止層から説明する。
[密着防止層]
密着防止層は、ポリエステルおよび無機フィラーからなる二軸配向した層である。二軸配向した層でないと熱収縮率が高くなり、液晶表示装置のバックライトユニットの光源からの熱によって、フィルムが変形したり、バックライトユニットの輝度斑が発生することがある。
密着防止層は、実質的にボイドを含有しない。本発明において実質的にボイドを含有しないとは、ボイドを含有しないか、または密着防止層の全光線透過率を低下させない程度のボイドを含有することをいい、例えば、密着防止層をフィルム面に垂直に切断したときのボイドの断面積がフィラーの断面積の好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下であることをいう。密着防止層がボイドを含有すると、ボイド界面での光の反射が多くなり、フィルムの全光線透過率が低下して、輝度が劣ることになる。密着防止層がボイドを含有しないことは、フィルムの断面を走査型顕微鏡(SEM)または透過型顕微鏡(TEM)で500倍〜20000倍の倍率で観察することによって確認することができる。
密着防止層の表面粗さRzは、400〜5000nm、好ましくは1500〜4500nmである。Rzが400nm未満であると粗さが不足し、液晶表示装置への組み込み工程で他の部材と密着することがあり、密着防止の機能が不足する。他方、Rzが5000nmを超えるとフィルム表面が粗すぎて、フィルム全体の全光線透過率が低下する。
密着防止層に用いるポリエステルは、芳香族飽和ポリエステルである。これは、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とからなるポリエステルである。このポリエステルとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを例示することができる。これらは共重合ポリマーであってもよいが、ホモポリマーであることが好ましい。最も好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーである。
高い光拡散性を得るために、密着防止層は無機フィラーを含有する。無機フィラーは、無機物質からなるフィラーであり、例えば、シリカ粒子、硫酸バリウム粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を用いることができる。
密着防止層の無機フィラーの含有量は、密着防止層の重量を基準として、好ましくは0.05〜10重量%である。この範囲で含有することにより、他の部材との密着を防止する表面粗さを備えるとともに、特に優れた光線透過性を得ることができる。
フィラーの平均粒径は、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1〜8μmである。この範囲の平均粒径であることによって、延伸時にフィラーの周辺でのボイドの発生を抑制しながら、光拡散層を支持する強度を得ることができる。
本発明では、密着防止層のポリエステルと無機フィラーとの界面にボイドを形成させないことが好ましく、無機フィラーとして塊状無機粒子を用いることが好ましい。塊状無機粒子を用いると、フィルムの延伸時に延伸応力によって塊状無機粒子が崩壊し、界面での剥離が抑制されてボイドを含まない密着防止層を得ることができ、高い透明性を備えたフィルムを得ることができる。
塊状無機粒子のBET比表面積は、好ましくは200〜800m/gである。この範囲のBET比表面積のものを用いることで、フィルムの延伸時にフィラーが適度に崩れやすくボイドの発生を抑制することができ、同時に高い光拡散効果を得ることができる。
塊状無機粒子としては、例えば、塊状シリカ粒子、硫酸バリウム粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を挙げることができ、塊状シリカ粒子が特に好ましい。
本発明においては、密着防止層の無機フィラーとして平均粒径1〜10μmの塊状シリカ粒子が特に好ましい。
[光拡散層]
光拡散層は、ポリエステルと光拡散成分とからなる。光拡散層のポリエステルとして、密着防止層のポリエステルより融点が5〜50℃低いポリエステルを用いる。本発明においては、フィルムの延伸により発生した光拡散層のボイドを、フィルムを熱処理することで消滅させて、ボイドのない光拡散層を得る。融点差が5℃未満であるとフィルムの機械的強度を保ったまま光拡散層のポリエステルを再融解させることができず、延伸時に光拡散成分の周辺に発生するボイドをフィルムの熱処理によっても十分に消滅させることができず、融点差が50℃を超えると耐熱性が不足する。
光拡散層に用いる融点の低いポリエステルとして、共重合ポリエステルを用いることができる。例えば、密着防止層のポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、光拡散層のポリエステルとして、共重合ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。共重合成分として、ジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を例示することができる。ジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールを例示することができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
例えば、密着防止層のポリエステルとして、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いる場合には、光拡散層のポリエステルとして、共重合ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いることが好ましい。共重合成分として、ジカルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を例示することができる。ジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールを挙げることができる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
光拡散層の光拡散成分として、密着防止層の無機フィラーと実質的に同じ屈折率の物質を用いる。本発明において実質的に同じ屈折率とは、屈折率の大きい方の物質の屈折率を基準の100としたときに、他方の物質の屈折率が98〜100であることをいい、好ましくは99〜100であることをいう。例えば、屈折率1.50の物質に対して屈折率1.49の物質は、本発明において実質的に同じ屈折率である。
密着防止層の無機フィラーの屈折率と光拡散層の光拡散成分の屈折率が異なると、フィルムの生産時にR材をフィルム原料の一部として使用したときに、R材の配合量の多少によりフィルムのカラーがずれ、カラーシフトが起こる。すなわち、R材の配合割合が変動するとフィルムのカラーが変動する。なお、R材とは、フィルムの製膜から巻取りの工程で切り落とされたフィルムの端の部分や、製品とならなかったフィルムを粉砕等して再度原料としたものである。本発明では、R材を再利用するときに、R材の配合量を厳密に制御する必要が無く、R材の配合量の自由度が広がり、高い生産性でフィルムを生産することができる。
光拡散層の光拡散成分の平均粒径は、好ましくは0.5〜30μm、さらに好ましくは1〜20μmである。この範囲の平均粒径であることで、十分な光拡散性と全光線透過率を得ることができ、また、延伸によって発生するボイドを小さく消滅しやすいものとすることができる。光拡散成分は、無機粒子であることが好ましい。
光拡散層における光拡散成分の含有量は、光拡散層の全重量を基準として好ましくは5〜40重量%である。この範囲で含有することにより、高い光拡散性を示し、輝度斑がなく、全光線透過率の高いフィルムを得ることができる。
高い光拡散性と高い全光線透過率を得るために、光拡散層における無機粒子の濃度は、密着防止層における無機粒子の濃度より高いことが好ましい。本発明において、特に好ましい構成は、密着防止層の無機フィラーと光拡散層の光拡散成分がいずれも塊状シリカ粒子であり、かつ密着防止層の塊状シリカ粒子の濃度が、光拡散層の塊状シリカ粒子の濃度より低い構成である。
光拡散層の無機粒子の屈折率と光拡散層のポリエステルとの屈折率の差と、光拡散成分の平均粒径との積(屈折率差×平均粒径(μm))は0.1〜0.5[μm]であることが好ましい。この範囲であると、とても良好な光拡散性を得ることができる。
光拡散層は二軸延伸後に、光拡散層のポリエステルの融点より高い温度で熱処理されることによって、配向が緩和もしくは配向が無くされていることが好ましい。光拡散層に配向が残っていると光拡散粒子との界面で延伸時に発生するボイドを十分に消失させることができず、光線透過率の低下を招くことになる。
[層構成]
本発明の光学用積層フィルムは、光拡散層およびそのうえに設けられた密着防止層からなる。光拡散層と密着防止層との厚み比率は、光拡散層の厚み1に対して、密着防止層の厚みが好ましくは0.2〜5.0、さらに好ましくは0.2〜4.0である。この範囲の厚み比率であることによって、機械的強度を維持しながら、優れた光拡散性を得ることができる。本発明において好ましい構成は、光拡散層の両側に密着防止層を備える構成である。
本発明の光学用積層フィルムの総厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜400μmである。この範囲の総厚みであることによって、光拡散性と密着防止性を備えるとともに、延伸性が良好であり、生産性のよい光学用積層フィルムを得ることができる。
本発明の光学用積層フィルムの表面には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、プライマー層を塗設したり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などを施してもよい。これらの処理は、フィルムの製造後に施しても、フィルム製造工程内で施してもよい。
[製造方法]
以下、融点をTm、ガラス転移温度をTgと表記する。また、「Tg(密着防止層)」は密着防止層のポリエステルのTg、「Tg(光拡散層)」は光拡散層のポリエステルのTg、「Tm(密着防止層)」は密着防止層のポリエステルのTm、「Tm(光拡散層)」は光拡散層のポリエステルのTmを意味する。
密着防止層や光拡散層への塊状フィラーの添加は、ポリエステルの重合段階で行ってもよく、ポリエステルを重合した後で溶融混練する際に添加してもよい。
例えば、塊状フィラーを粉体の状態で供給する場合、原料であるポリエステル用の押出機と当該押出機に定量的に粉体供給できる供給装置を兼ね備える溶融混錬押出機を用意し、これにポリエステルと塊状フィラーとを供給して溶融混錬し、押出し、冷却すればよい。
押出機は、均一な混錬が可能で粒子の分散に効果的な二軸タイプが好ましく、例えばニーディングディスクおよび逆ねじの混錬用エレメントを配したスクリュー構成を有するベント式二軸混錬押出機を用いることができる。
本発明において、光拡散層と密着防止層は、共押出法により積層される。本発明の光学用積層フィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、光拡散層を構成するポリエステル組成物と、密着防止層を構成するポリエステル組成物とを、両方のポリエステルが溶融した状態で、例えばTm〜(Tm+70)℃の温度で、両者が接するようにダイから押出して未延伸積層フィルムとする。未延伸積層フィルムを、一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg(密着防止層)−10)〜(Tg(密着防止層)+70)℃の温度で3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg(密着防止層)〜(Tg(密着防止層)+70)℃の温度で3倍以上の倍率で延伸する。延伸により得られた二軸配向フィルムを、光拡散層のポリエステルが非晶性である場合には、(Tg(密着防止層)+70)℃〜(Tm(密着防止層)−10)℃の温度範囲で、光拡散層のポリエステルが結晶性である場合には、(Tm(光拡散層)+5)℃〜(Tm(密着防止層)−10)℃の温度範囲で熱固定する。この熱固定工程によって、二軸延伸による光拡散層のポリエステルの配向が解消し、光拡散成分とポリエステルとの界面に発生していたボイドを消滅させることができる。
逐次二軸延伸法にかえて、同時二軸延伸法で延伸してもよい。同時二軸延伸法で延伸すると、延伸が二軸方向に同時に行われるためボイドが発生しにくく好ましい。
以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、物性は以下の方法で測定、評価した。
(1)平均粒径
フィルムをヘキサフルオロイソプロパノールで溶解して粒子を分離し、得られた粒子を測定に用いた。平均粒径の測定は島津製作所製「CP−50型Centrifugal Particle Size Analyzer」を用いて行った。この測定器によって得られる遠心沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulative曲線から、50mass percentに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした(参照「粒度測定技術」、242〜247頁、日刊工業新聞社、1975年発行)
(2)比表面積(BET比表面積)
JIS R 1626に準じて、粒子の比表面積を測定し、BET比表面積を得た。
(3)屈折率
・光拡散層のポリエステル
溶融押出しする前のポリエステルを板状に成型して、アッベ屈折率計(D線589nm)で測定した。
・光拡散成分(粒子)
光拡散成分の粒子を、屈折率の異なる種々の25℃の液に懸濁させ、懸濁液が最も透明に見える液の屈折率をアッベの屈折率計(D線589nm)によって測定した。
(4)ボイド
フィルムを厚み方向にミクロトームで切断し、切断面を(株)日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて観察し、非相溶樹脂ドメインの断面積に対するボイド断面積の割合を計算した。少なくとも10点について、非相溶樹脂ドメインの断面積に対するボイド断面積の割合を算出して、その平均により下記の評価基準でボイドを評価した。
○: ボイド断面積が30%以下
△: ボイド断面積が30%超、50%以下
×: ボイド断面積が50%超
(5)融点・ガラス転移温度
各層をそれぞれ分離して得たサンプル10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、融点を測定し、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度、示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させて、ガラス転移温度を測定した。
(6)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
(7)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(8)表面粗さ
小坂研究所社製の表面粗さ測定器SE−3FATを用い、JIS B0601の測定法により、フィルム表面の十点平均粗さRzを求めた。
(9)全光線透過率
JIS K7361に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムの全光線透過率を測定した。
(10)ヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。
(11)光拡散性
DIN5036に準じ、(株)村上色彩技術研究所製 自動変角計GP−200を使用し、受光角度5度、20度および70度での輝度値を測定し、下記式より光拡散率を算出して、光拡散性の評価とした。
光拡散率(%)
=(20度での輝度値+70度での輝度値)×100/(5度での輝度値×2)
(12)輝度斑
ソニー(株)製液晶テレビKDL−32V2500からバックライトユニットを取出して、光拡散ボード上に評価対象のフィルムを載せ、大塚電子(株)製輝度計MC−940で、中心点左右にある蛍光管上(a)と、さらに隣接する蛍光管の間の上(b)をそれぞれ3箇所ずつについて輝度(cd/m)を測定した。輝度相対値を下記式で算出して、輝度斑の評価とした。なお、蛍光管同士の間隔が23mmであった。
輝度相対値=輝度(a)/輝度(b)
○: 相対輝度値が1.1以下
△: 相対輝度値が1.1を超え1.2以下
×: 相対輝度値が1.2を超え1.3以下
(13)密着防止性
ソニー(株)製液晶テレビKDL−32V2500からバックライトユニットを取出して、光拡散ボード上に評価対象のフィルムを載せ、輝点の発生度合に着目して密着度合を観察して、密着防止性の評価とした。
○: どの角度から観察しても、輝点がまったく発生しない。
△: フィルムを斜めから観察して、輝点が一箇所以上発生する。
×: フィルムを正面から観察して、輝点が一箇所以上発生する。
(14)R材の配合割合が変動したときのフィルムカラーの変動
フィルムの色相をJIS Z8729準じて測定し、R材含有率0%のときのカラーを基準として、R材含有率を30%、50%、80%としたときのフィルムカラーの変動ΔEabを下記式で算出し、下記基準で評価した。
ΔEab=〔(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL:R材を含有する原料を用いたフィルムのL値とR材0%のフィルムのL値の差
Δa:R材を含有する原料を用いたフィルムのL値とR材0%のフィルムのa値の差
Δb:R材を含有する原料を用いたフィルムのL値とR材0%のフィルムのb値の差
○:ΔEabが5未満
△:ΔEabが5以上、15未満
×:ΔEabが15以上
[実施例1]
層構成は、密着防止層/光拡散層/密着防止層とした。
密着防止層の組成物として、平均粒径3.0μmの塊状シリカ粒子を、密着防止層の合計重量を基準に、それぞれ0.08重量%となるように、ポリエチレンテレフタレートに配合し溶融し、光拡散層の組成物として、平均粒径4.0μmの塊状シリカ粒子をイソフタル酸12モル%が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートに、光拡散層の合計重量を基準に2重量%になるように配合して溶融し、これらを共押出法によって、ダイから押し出してキャスティングドラム上で急冷し、シートを得た。その後75℃で余熱し、延伸温度110℃で縦方向に3.3倍に延伸した。その後、110℃で余熱し、延伸温度130℃にて横方向に3.6倍に延伸した。その後、結晶化ゾーンにて235℃にて熱処理した。なお、熱処理する際に、縦方向1.5%および横方向2.0%に弛緩を入れて、熱収縮率を調整した。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
密着防止層および光拡散層について、ポリエステル、フィラーの種類とその添加量、光拡散成分の種類とその平均粒子径および添加量を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様に製膜して光学用積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
密着防止層を設けない他は実施例1同様に製膜してフィルムを得た。密着防止層がないため、光拡散層のボイドを消滅させるのに十分な熱処理(温度235℃での熱処理)をするとフィルムが破断するため安定した製膜ができず、やむを得ず熱処理温度を220℃に下げてフィルムを得た。熱処理が不十分であり、光拡散層にボイドが多く存在し、全光線透過率が劣るフィルムとなった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
密着防止層にフィラーを添加しない他は実施例1同様に製膜してフィルムを得た。密着防止層にフィラーを添加しなかったために表面が平坦すぎ、バックライトユニットに組み込んだ際、他の光学部材と密着した。不均一に密着したため、輝度斑が目立った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
光拡散層のフィラーを真球状フィラーに変更した以外は実施例1同様にして積層フィルムを得た。密着防止層のフィラー量が少なすぎて表面粗さ不足でバックライトユニットに組み込んだ際、他の光学フィルムと密着してしまった。また、光拡散層にボイドも生じていたため拡散度不足で輝度斑が目立った上、全体的に輝度不足だった。
[比較例4]
光拡散層のフィラーとして比表面積が少ない塊状シリカフィラーを用いる他は実施例1同様にして積層フィルムを得た。フィラーが崩れなかったため、密着防止層中の塊状フィラー周辺にボイドが多数発生し、全光線透過率が劣るフィルムであった。
[実施例5]
実施例1において、光拡散層の原料として表2記載の割合でR材を用いる他は実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、実施例1で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[実施例6]
実施例2において、光拡散層の原料として表2記載の割合でR材を用いる他は実施例2と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、実施例2で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[実施例7]
実施例3において、光拡散層の原料として表2記載の割合でR材を用いる他は実施例3と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、実施例3で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[実施例8]
実施例4において、光拡散層の原料として表2記載の割合でR材を用いる他は実施例4と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、実施例4で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[比較例5]
比較例1において、光拡散層の原料として表3記載の割合でR材を用いる他は比較例1と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、比較例1で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[比較例6]
比較例2において、光拡散層の原料として表3記載の割合でR材を用いる他は比較例2と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、比較例2で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[比較例7]
比較例3において、光拡散層の原料として表3記載の割合でR材を用いる他は比較例3と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、比較例3で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
[比較例8]
比較例4において、光拡散層の原料として表3記載の割合でR材を用いる他は比較例4と同様にしてフィルムを製膜した。このR材としては、比較例4で得たフィルムを粉砕してペレット状にしたものを用いた。
Figure 0005123823
表中、「PET」はポリエチレンテレフタレートを、「IA8PET」は、イソフタル酸を8モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA10PET」は、イソフタル酸を10モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA12PET」は、イソフタル酸を12モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを、「IA18PET」は、イソフタル酸を18モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを意味する。
Figure 0005123823
Figure 0005123823
本発明の光学用積層フィルムは、液晶表示装置の光学部材のベースフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 光拡散層およびそのうえに設けられた密着防止層からなる光学用積層フィルムであって、密着防止層はポリエステルおよび無機フィラーからなる二軸配向した層であり実質的にボイドを含有せずその表面粗さRzが400〜5000nmであり、密着防止層の無機フィラーの含有量が、密着防止層の重量を基準として0.05〜10重量%であり、光拡散層は密着防止層のポリエステルより融点が5〜50℃低いポリエステルおよび光拡散成分からなり、該光拡散成分は密着防止層の無機フィラーと実質的に同じ屈折率の物質であることを特徴とする、光学用積層フィルム。
  2. 密着防止層の無機フィラーおよび光拡散層における光拡散成分が平均粒径1〜10μmの塊状シリカ粒子である、請求項1記載の光学用積層フィルム。
  3. 密着防止層における塊状シリカ粒子の濃度が、光拡散層における塊状シリカ粒子の濃度よりも低い、請求項記載の光学用積層フィルム。
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