JP5242900B2 - 離型フィルム用ポリエテルフィルム - Google Patents
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Description
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。また、大粒子側から積算して重量分率25%の点の直径と重量分率75%の点の直径の比d25/d75値を粒度分布値とした。
ポリエステルフィルムの幅方向において、中心となる位置より、幅方向に両端に向かって、500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、それぞれ王子計測器社製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)を用いてフィルム幅方向500mm毎の配向角の変動を求めた。なお、最両端の位置を含む配向角の変動を算出する際、サンプル位置間が500mmに満たない場合は、比例計算にて500mm毎の配向角の変動を算出する。続いてフィルム長手方向について、3m長を切り出し、フィルム幅方向に対して中心となる位置から長手方向に500mm毎(含両端)、計7箇所の位置より、サンプルを切り出し、配向角を求めた。このようにして幅方向、長手方向での500mm毎の配向角の変動を求め、最大の変動値をそれぞれフィルムの配向角の変動とした。また、測定の際にはすべてのサンプルにおいて配向角の基準軸を同一とすることが重要であり、基準軸については任意に決定できる。
ポリエステルフィルムの幅方向において、中心となる位置より、幅方向に両端に向かって500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、アタゴ光学(株)製Abbe屈折計を用いてフィルム面内の主配向軸に対して直角方向の屈折率を各位置について測定し、平均値を求めて、nβとした。
ポリエステルフィルムの片面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い、離型フィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とし、密着させた離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、得られたポリエステルフィルムの端部からフィルム幅方向に、フィルム幅に対して10、50、90%の位置に相当する箇所よりそれぞれA4サイズのサンプルを切り出して実施した。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ◎>○>△>×>×× (検査性不良)
上記判定基準中、△以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるようにポリエステルの片面に塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い、離型フィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、公知のアクリル系粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ離型フィルム付きの偏光板を作成した。ここで上記偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/m2となるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記分類にて評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3箇所のフィルムを用いて評価し、目視検査性が最も良好であった箇所の結果を持って、そのフィルムの異物認知性とした。
<異物認知性 分類基準>
(異物認知性良好) ◎>○>△>× (異物認知性不良)
上記判定基準中、○以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
<ポリエステル(A)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μm、粒径分布値1.6の合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.5μm、粒径分布値1.7の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.4μm、粒径分布値1.9の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径2.5μm、粒径分布値1.3のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.6重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.8μm、粒径分布値2.5の天然炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル(F)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.12μm、粒径分布値2.0のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.3重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(G)を得た。得られたポリエステル(G)は極限粘度0.63であった。
上記ポリエステル(A)チップと、ポリエステル(B)、(C)、(D)、(E)、(F)チップとを、表1および2に示すとおりの割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)チップ100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、縦延伸倍率、縦延伸温度、横延伸倍率、横延伸温度および、熱処理温度(主結晶温度)を、表1および2に示すとおりの条件で、幅3000mmのポリエステルフィルムを各々得た。得られたフィルムの全厚みは40μm、それぞれの層厚みは4μm/32μm/4μm(A/B/A)であった。なお、比較例3においてポリエステル(A)および(G)チップをフィルム表層に用いたフィルムは、表面形状が極端に平坦になり、滑り性が悪化したため、延伸、熱処理後のフィルムをロール状に巻き取る際に、うまく巻き取ることができず、また、フィルム全面にキズが発生し、製品とはなり得ないものであった。
Claims (2)
- 平均粒径が0.2〜1.5μmの範囲であり、粒径分布値(d25/d75)が1.0〜2.0の範囲である粒子を含有することを特徴とする偏光板用離型フィルム用ポリエステルフィルム。
- フィルム面内方向において、主配向軸に対して直角方向の屈折率(nβ)が1.6400以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用離型フィルム用ポリエステルフィルム。
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