JP4805800B2 - 離型フィルム - Google Patents
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Description
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
(上記式中、Rは非置換または置換のアルキル基およびアリール基から選択される1種あるいは2種類以上の基、R1は脂肪族不飽和二重結合含有基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2もしくは3のアシル基、または炭素数3〜5のアルコキシアルキル基を表し、k、mおよびnは以下の関係式を同時に満足する数である:0≦k<1.5、0.01≦m≦1、0.5≦k+m≦1.8、0.01≦n≦2.5、1≦k+m+n≦3)
本発明における離型フィルムを構成する離型層とは、離型性を有する層のことを指し、具体的にはアクリル系粘着テープと離型層との剥離力(F)が5〜500mN/cmであるのが、本発明の用途上、好ましい。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。また、大粒子側から積算して重量分率25%の点の直径と重量分率75%の点の直径の比d25/d75値を粒度分布値とした。
試料フィルムの幅方向において、中心となる位置より、幅方向に両端に向かって、500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、それぞれ王子計測器社製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)を用いてフィルム幅方向500mm毎の配向角の変動を求めた。なお、最両端の位置を含む配向角の変動を算出する際、サンプル位置間が500mmに満たない場合は、比例計算にて500mm毎の配向角の変動幅を算出する。続いてフィルム長手方向について、3m長を切り出し、フィルム幅方向に対して中心となる位置から長手方向に500mm毎(含両端)、計7箇所の位置より、サンプルを切り出し、配向角を求めた。このようにして幅方向、長手方向での500mm毎の配向角の変動幅を求め、最大の変動値をそれぞれフィルムの配向角の変動幅とした。また、測定の際にはすべてのサンプルにおいて配向角の基準軸を同一とすることが重要であり、基準軸については任意に決定できる。
試料フィルムの幅方向において、中心位置より、幅方向に両端に向かって500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、アタゴ光学(株)製Abbe屈折計を用いてフィルム面内の主配向軸に対して直角方向の屈折率を各位置について測定し、平均値を求めて、nβとした。
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
予め、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできる だけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とする。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
試料フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して試料フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とし、密着させた試料フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、得られた離型フィルムの端部からフィルム幅方向に、フィルム幅に対して、10、50、90%の位置に相当する箇所よりそれぞれA4サイズのサンプルを切り出して実施した。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ◎>○>△>×>×× (検査性不良)
上記判定基準中、△以上のものが、実使用が可能なレベルである。
試料フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、公知のアクリル系粘着剤を介して試料フィルムを偏光フィルムに密着させ、離型フィルム付き偏光板を作成した。ここで上記偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/m2となるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記分類にて評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3箇所のフィルムを用いて評価し、目視検査性が最も良好であった箇所の結果を持って、そのフィルムの異物認知性とした。
<異物認知性 分類基準>
(異物認知性良好) ◎>○>△>× (異物認知性不良)
上記判定基準中、○以上のものが、実使用が可能なレベルである。
試料フィルムを恒温恒湿槽中、60℃、70%RH雰囲気下、48時間放置した後に試料フィルムを取り出した。その後、試料フィルムの離型面を触手により5回擦り、離型層の脱落程度を下記判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:塗膜の脱落が見られない(実用可能なレベル)
△:塗膜が白くなるが脱落はしていない(実用可能なレベル〉
×:塗膜の脱落が確認された(実用困難なレベル)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。
一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μm、粒径分布値1.6の合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.5μm、粒径分布値1.7の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.4μm、粒径分布値1.9の合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径2.5μm、粒径分布値1.3のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.6重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.8μm、粒径分布値2.5の天然炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル(F)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径0.12μm、粒径分布値2.0のシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.3重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(G)を得た。得られたポリエステル(G)は極限粘度0.63であった。
<フィルムの製造>
上記ポリエステル(A)チップと、ポリエステル(B)チップとを、下記表2に示す割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)チップ100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、縦延伸倍率、縦延伸温度、横延伸倍率、横延伸温度および、熱処理温度(主結晶温度)を、下記表2に示す条件で、幅3000mmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは40μm、各ポリエステル層の層厚みは4μm/32μm/4μm(A/B/A)であった。次にオフラインにて下記塗布剤組成から構成される塗布層を塗布量(乾燥後)が0.05g/m2になるようにリバースグラビアコート方式により塗布した後、120℃、10秒間熱処理した。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ジルコニウム元素を有する有機化合物(A1):ジルコニウムテトラアセチルアセトネート
・チタン元素を有する有機化合物(A2):チタンテトラアセチルアセトネート
・アルミニウム元素を有する有機化合物(A3):アルミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)
・アルコキシシランオリゴマー(B1):X−41−1056(信越化学製)
・アルコキシシランオリゴマー(B2):X−40−2652B(信越化学製)
・架橋剤(C):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・粒子(D):シリカゾル(平均粒径60nm)
ジルコニウム元素を有する有機化合物(A1):20重量%
アルコキシシランオリゴマー(B1):80重量%
上記塗布剤をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1)にて希釈し、4重量%とした。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):99重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈し、濃度2重量%の塗布液を作成した。
実施例1において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルムを構成する原料或いは塗布層の組成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性は表2、表3に示す。
実施例1において、ポリエステル原料を変更し、ポリエステル(A)および(G)チップをフィルム表層に用いたポリエステルフィルムは、表面形状が極端に平坦になり、滑り性が悪化したため、延伸、熱処理後のポリエステルフィルムをロール状に巻き取る際に、うまく巻き取ることができず、また、フィルム全面にキズが発生し、製品とはなり得ないものであった。得られた離型フィルムの特性は表3に示す。
実施例1において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルムを構成する原料或いは塗布層の組成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性は表3に示す。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの片面に、アルミニウム、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種または2種以上の金属元素を含む有機化合物を含有する塗布層と、離型層とが順次設けられた離型フィルムであり、180℃で10分間熱処理後、離型層表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるオリゴマー量が2.2mg/m2以下であり、前記ポリエステルフィルム中に含有する粒子の平均粒径が0.2〜1.5μmの範囲であり、粒径分布値(d25/d75)が1.0〜2.0の範囲であることを特徴とする離型フィルム。
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