JP5541298B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents
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Description
ここで、理想的衝突とは、衝突面に対する衝突物の入射角と反射角とが略一致する衝突態様であり(図11(a)参照。)、例えば、衝突物の形状が球状に近似するほど、衝突態様は理想的衝突に近付いていくものと考えられている。
したがって、ダスト衝突に伴うセンサ傷付きの防止に対する信頼性を高めるには、非理想的衝突を考慮して更なる改善策を採用する必要がある。
請求項1の手段によれば、空気流量測定装置は、空気が流れるダクト内に突出するように配置され、ダクト内を流れる空気の一部を取り込む筐体と、筐体内に収容され、取り込んだ空気との伝熱によりダクト内の空気の流量に応じた電気信号を発生するセンサとを備える。また、筐体は、ダクト内から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気をダクト内に放出する第1流路と、第1流路から分岐し、第1流路から空気を取り込んで第1流路とは別にダクト内に空気を放出するとともに、センサを収容する第2流路とを有する。さらに、第1流路は、第2流路の分岐位置よりも下流側で絞りをなし、空気を絞りながらダクト内に放出する。
これにより、絞り壁面において入射角と反射角との差分の絶対値が20°以下となる非理想的衝突をするダストの内、再進入を生じるダストの割合を大幅に低減することができる。
請求項2の手段によれば、筐体には、絞りの流路軸を挟んで第2流路の分岐口の反対側で、絞りをダクト内に開放する開口が設けられている。
これにより、特定範囲に衝突したダストを分岐口の反対側でダクト内に放出しやすくなるので、ダスト衝突に伴うセンサ傷付きの防止に対する信頼性を、さらに高めることができる。
請求項3、4の手段によれば、分岐位置において第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを基準ベクトルと定義する。
これにより、請求項3、4の手段はそれぞれ請求項1、2の手段と同様の作用効果を得ることができる。
請求項5の手段によれば、特定範囲では、法線ベクトルと基準ベクトルとのなす角度が110°以上であり、かつ、筐体には、絞りの流路軸を挟んで第2流路の分岐口の反対側で、絞りをダクト内に開放する開口が設けられている。
これにより、請求項1、3および請求項2、4の両方の作用効果を得ることができる。
請求項6の手段によれば、ダクトには、筐体をダクト内に挿入して突出させるための挿入穴が設けられ、筐体は、第1流路の空気の取込口がダクトの流路軸と交差するように、挿入穴から直線的に挿入されてダクトに固定される。そして、基準ベクトルは筐体をダクト内に直線的に挿入する方向と平行である。
これにより、ダクト内における筐体の配置および特定範囲の設定が容易になる。
なお、実施形態1の空気流量測定装置によれば、分岐位置において第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを基準ベクトルと定義してもよい。
さらに、特定範囲では、法線ベクトルと基準ベクトルとのなす角度を110°以上にしてもよい。
実施形態2の空気流量測定装置によれば、筐体には、絞りの流路軸を挟んで第2流路の分岐口の反対側で、絞りをダクト内に開放する開口が設けられている。
実施例1の空気流量測定装置1の構成を、図1および図2を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、空気との伝熱を利用して空気の流量を測定するものであり、例えば、内燃機関(図示せず)への吸気路2をなすダクト3内に配置され、ダクト3内の吸気量を測定するために利用されている。
実施例1の空気流量測定装置1の特徴を、図1〜図4を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、絞り壁面16において、絞り壁面16上の各点における法線ベクトル19と、以下に定義する第1、第2基準ベクトル20、21との間に特有の関係を有する特定範囲22が存在する。なお、法線ベクトル19は、絞り壁面16上の各点から絞り15の内側に向かう方向に定義されるものである。
第2基準ベクトル21は、第1基準ベクトル20を基準切断面23に垂直投影して得られる投影ベクトルとして定義されるものである。
そして、絞り壁面16には、以下のような特有の関係を有する特定範囲22が存在し、特定範囲22は、絞り壁面16において、第2流路10の分岐口24の口縁と第1放出口12の口縁とを接続するように連続性を有して広がっている。
さらに、特定範囲22における法線ベクトル19は、幅方向のベクトル成分以外に、吸気路2の流路軸と平行で上流側に向かう方向、および第2基準ベクトル21と逆の方向にそれぞれベクトル成分を有する。すなわち、特定範囲22における法線ベクトル19は、幅方向、吸気路2の流路軸と平行で上流側に向かう方向、および第2基準ベクトル21と逆の方向の3方向に分解することができる。
実施例1の空気流量測定装置1によれば、絞り壁面16の特定範囲22では、法線ベクトル19が幅方向にベクトル成分を有し、かつ、角度θ1、θ2がそれぞれ90°<θ1<180°、90°<θ2<180°の範囲にある。
これにより、絞り15に進んだダストの内、特定範囲22に衝突したものは、理想的衝突または非理想的衝突に係わらず再進入を生じにくくなる。このため、一旦、絞り15に進んだダストの内、再進入を生じるダストの割合を低減することができるので、空気流量測定装置1において、ダストの再進入を抑制して、ダスト衝突に伴うセンサ5の傷付き防止に対する信頼性を高めることができる。
また、第2基準ベクトル21は挿入方向と平行なので、吸気路2における筐体4の配置および特定範囲22の設定が容易になる。
実施例2の空気流量測定装置1によれば、図6に示すように、筐体4には、絞り15の流路軸を挟んで分岐口24の反対側で、絞り15を吸気路2に開放する開口27が設けられている。また、開口27は、絞り壁面16をなす部分の内、分岐口24の反対側にある部分が第1放出口12の口縁から上流側に向かって欠落することで形成されている。
これにより、特定範囲22に衝突したダストを分岐口24の反対側で吸気路2に放出しやすくなるので、ダスト衝突に伴うセンサ5の傷付き防止に対する信頼性を、さらに高めることができる。
なお、実施例2の特定範囲22では、角度θ1、θ2がそれぞれ90°<θ1<180°、90°<θ2<180°の範囲にある。
実施例3の空気流量測定装置1を、図7〜図10を用いて説明する。
まず、第1流路9は、曲線弧をなすように湾曲しており、第2流路10は、曲線弧の外周側へ向かうように分岐している。また、特定範囲22は、絞り壁面16において、第1放出口12の口縁から上流側に向かって、第2流路10の分岐口24の口縁に達することなく連続的に広がっている。
なお、実施例3の特定範囲22では、角度θ1、θ2がそれぞれ90°<θ1<180°、90°<θ2<180°の範囲にある。
空気流量測定装置1の態様は、実施例1〜3に限定されず様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例1の空気流量測定装置1によれば、特定範囲22では、角度θ1、θ2が両方とも110°<θ1<180°、110°<θ2<180°の範囲にあったが、角度θ1、θ2のいずれか一方が110°よりも大きく、かつ、180°よりも小さくなるように特定範囲22を設けてもよい。また、実施例2、3の空気流量測定装置1によれば、特定範囲22では、角度θ1、θ2が両方とも90°<θ1<180°、90°<θ2<180°の範囲にあったが、角度θ1、θ2のいずれか一方が90°よりも大きく、かつ、180°よりも小さくなるように特定範囲22を設けてもよい。
Claims (6)
- 空気が流れるダクト内に突出するように配置され、前記ダクト内を流れる空気の一部を取り込む筐体と、
この筐体内に収容され、取り込んだ空気との伝熱により前記ダクト内の空気の流量に応じた電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体は、
前記ダクト内から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を前記ダクト内に放出する第1流路と、
この第1流路から分岐し、前記第1流路から空気を取り込んで前記第1流路とは別に前記ダクト内に空気を放出するとともに、前記センサを収容する第2流路とを有し、
前記第1流路は、前記第2流路の分岐位置よりも下流側で絞りをなし、空気を絞りながら前記ダクト内に放出し、
前記絞りを形成する絞り壁面上の各点における法線ベクトルを、前記絞りの内側に向かう方向に定義し、
前記分岐位置において前記第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを、前記ダクトの流路軸に垂直な切断面の1つであって前記分岐位置を面内に含む基準切断面に垂直投影して得られる投影ベクトルを基準ベクトルと定義し、
さらに、前記絞りに空気が流入する方向および前記基準ベクトルの両方に平行な平面に垂直な方向を幅方向と定義すれば、
前記絞り壁面には、前記法線ベクトルが前記幅方向にベクトル成分を有し、かつ、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度θが90°<θ<180°の範囲にある特定範囲が存在し、
前記特定範囲では、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度が110°以上であることを特徴とする空気流量測定装置。 - 空気が流れるダクト内に突出するように配置され、前記ダクト内を流れる空気の一部を取り込む筐体と、
この筐体内に収容され、取り込んだ空気との伝熱により前記ダクト内の空気の流量に応じた電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体は、
前記ダクト内から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を前記ダクト内に放出する第1流路と、
この第1流路から分岐し、前記第1流路から空気を取り込んで前記第1流路とは別に前記ダクト内に空気を放出するとともに、前記センサを収容する第2流路とを有し、
前記第1流路は、前記第2流路の分岐位置よりも下流側で絞りをなし、空気を絞りながら前記ダクト内に放出し、
前記絞りを形成する絞り壁面上の各点における法線ベクトルを、前記絞りの内側に向かう方向に定義し、
前記分岐位置において前記第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを、前記ダクトの流路軸に垂直な切断面の1つであって前記分岐位置を面内に含む基準切断面に垂直投影して得られる投影ベクトルを基準ベクトルと定義し、
さらに、前記絞りに空気が流入する方向および前記基準ベクトルの両方に平行な平面に垂直な方向を幅方向と定義すれば、
前記絞り壁面には、前記法線ベクトルが前記幅方向にベクトル成分を有し、かつ、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度θが90°<θ<180°の範囲にある特定範囲が存在し、
前記筐体には、前記絞りの流路軸を挟んで前記第2流路の分岐口の反対側で、前記絞りを前記ダクト内に開放する開口が設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 空気が流れるダクト内に突出するように配置され、前記ダクト内を流れる空気の一部を取り込む筐体と、
この筐体内に収容され、取り込んだ空気との伝熱により前記ダクト内の空気の流量に応じた電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体は、
前記ダクト内から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を前記ダクト内に放出する第1流路と、
この第1流路から分岐し、前記第1流路から空気を取り込んで前記第1流路とは別に前記ダクト内に空気を放出するとともに、前記センサを収容する第2流路とを有し、
前記第1流路は、前記第2流路の分岐位置よりも下流側で絞りをなし、空気を絞りながら前記ダクト内に放出し、
前記絞りを形成する絞り壁面上の各点における法線ベクトルを、前記絞りの内側に向かう方向に定義し、
前記分岐位置において前記第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを基準ベクトルと定義し、
さらに、前記絞りに空気が流入する方向および前記基準ベクトルの両方に平行な平面に垂直な方向を幅方向と定義すれば、
前記絞り壁面には、前記法線ベクトルが前記幅方向にベクトル成分を有し、かつ、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度θが90°<θ<180°の範囲にある特定範囲が存在し、
前記特定範囲では、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度が110°以上であることを特徴とする空気流量測定装置。 - 空気が流れるダクト内に突出するように配置され、前記ダクト内を流れる空気の一部を取り込む筐体と、
この筐体内に収容され、取り込んだ空気との伝熱により前記ダクト内の空気の流量に応じた電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体は、
前記ダクト内から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を前記ダクト内に放出する第1流路と、
この第1流路から分岐し、前記第1流路から空気を取り込んで前記第1流路とは別に前記ダクト内に空気を放出するとともに、前記センサを収容する第2流路とを有し、
前記第1流路は、前記第2流路の分岐位置よりも下流側で絞りをなし、空気を絞りながら前記ダクト内に放出し、
前記絞りを形成する絞り壁面上の各点における法線ベクトルを、前記絞りの内側に向かう方向に定義し、
前記分岐位置において前記第2流路に向かう空気の流れ方向のベクトルを基準ベクトルと定義し、
さらに、前記絞りに空気が流入する方向および前記基準ベクトルの両方に平行な平面に垂直な方向を幅方向と定義すれば、
前記絞り壁面には、前記法線ベクトルが前記幅方向にベクトル成分を有し、かつ、前記法線ベクトルと前記基準ベクトルとのなす角度θが90°<θ<180°の範囲にある特定範囲が存在し、
前記筐体には、前記絞りの流路軸を挟んで前記第2流路の分岐口の反対側で、前記絞りを前記ダクト内に開放する開口が設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1または請求項3に記載の空気流量測定装置において、
前記筐体には、前記絞りの流路軸を挟んで前記第2流路の分岐口の反対側で、前記絞りを前記ダクト内に開放する開口が設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1ないし請求項5に記載の空気流量測定装置において、
前記ダクトには、前記筐体を前記ダクト内に挿入して突出させるための挿入穴が設けられ、
前記筐体は、前記第1流路の空気の取込口が前記ダクトの流路軸と交差するように、前記挿入穴から直線的に挿入されて前記ダクトに固定され、
前記基準ベクトルは前記筐体を前記ダクト内に直線的に挿入する方向と平行であることを特徴とする空気流量測定装置。
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