JP5527350B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の構成は、渦流の発生を抑制することができても、吸気量の小側への変動に伴うプラス側誤差の発生に対応できるものではない。
請求項1の手段によれば、空気流量測定装置は、内燃機関に吸入される吸入空気が流れる吸気路に配置され、吸気路を流れる吸入空気の一部を取り込んで吸気路における吸入空気の流量に応じた電気信号を発生する。また、空気流量測定装置は、取り込んだ吸入空気を通すバイパス流路を形成する筐体と、バイパス流路に収容されて取り込んだ吸入空気との伝熱により電気信号を発生するセンサとを備える。
請求項2の手段によれば、内側表面は、上流縁により吸気路における流れの上流側で画され、少なくとも上流縁を含む領域が吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に絞りの側に膨らんでいる。
これにより、内側表面に沿う吸気の流れが内側表面から剥離するのを抑制することができる。このため、空気流量測定装置の偏流特性をさらに高めることができるとともに、吸気路における吸気の圧力損失をさらに低減することができる。
請求項3の手段によれば、空気流量測定装置は、内燃機関に吸入される吸入空気が流れる吸気路に配置され、吸気路を流れる吸入空気の一部を取り込んで吸気路における吸入空気の流量に応じた電気信号を発生する。また、空気流量測定装置は、取り込んだ吸入空気を通すバイパス流路を形成する筐体と、バイパス流路に収容されて取り込んだ吸入空気との伝熱により電気信号を発生するセンサとを備える。
蓋の周縁の一部は、外側表面を吸気路における流れの上流側で画する上流縁を有し、外側表面には、吸気路における流れに非直角となる複数本の外側リブが設けられている。そして、複数本の外側リブの稜線および上流縁は、絞りの外側に膨らむ1つの仮想の凸曲面に含まれるように設けられ、仮想の凸曲面は、少なくとも上流縁を含む領域が吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に外側に膨らんでいる。
請求項4の手段によれば、内側表面には、吸気路における流れに非直角となる複数本の内側リブが設けられている。そして、複数本の内側リブの稜線および上流縁は、絞りの側に膨らむ別の仮想の凸曲面に含まれるように設けられ、別の仮想の凸曲面は、少なくとも上流縁を含む領域が吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に絞りの側に膨らんでいる。
請求項5の手段によれば、蓋は、筐体の外壁面の内、2つの隆起の根元により挟まれる狭隘範囲の全範囲に対向せず、部分的に対向している。
これにより、狭隘範囲の全範囲に対向しない態様で、蓋の形状を変化させることができる。このため、絞りにおける絞り方を自在に変化させることができるので、吸気量の小側使用値が誤差解消可能範囲からどのように小側に変動しても、第2調整量を調整してプラス側誤差の発生を抑制することができる。
請求項6の手段によれば、蓋は、蓋の上流側を画する上流縁の少なくとも一部が2つの隆起の稜線の上流端同士を結ぶ線分から下流側に前進している。
これにより、狭隘範囲の内、上流端から下流側に続く少なくとも一部の範囲が蓋により覆われなくなるので、絞りに流入した空気の流れの一部は、さほど絞られていない状態で絞りの外に向かう。そして、絞りの外に向かう流れと、引き続き絞りを通過する流れとの比率は、上流縁の前進態様により定まる。このため、上流縁の前進態様を変更することで絞りにおける絞り方を容易に調整することができるので、第2調整量の調節を簡便に行うことができる。
請求項7の手段によれば、蓋は、蓋の下流側を画する下流縁の少なくとも一部が2つの隆起の稜線の下流端同士を結ぶ線分から上流側に後退している。
これにより、上流縁を前進させずに下流縁を後退させたり、または、上流縁を前進させ、かつ、下流縁を後退させたりすることで、絞りにおける絞り方を調整して第2調整量を調節することができる。このため、同一の第2調整量を得るのに必要な蓋の形状に関して選択肢を増やすことができる。
請求項8の手段によれば、2つの隆起の内、一方の隆起は他方の隆起よりも鉛直方向下側に設けられている。そして、蓋は、一方の隆起の稜線に部分的に架からない。
これにより、絞りから水分を抜き出すことができる態様で、第2調整量を設定することができる。
請求項9の手段によれば、蓋は、蓋を貫通する穴を有する。
これにより、蓋と隆起の稜線との接合長さを短縮することなく、第2調整量を設定することができる。このため、蓋が隆起から剥がれ落ちる虞を低減することができる。
実施形態5の空気流量測定装置によれば、蓋は、2つの隆起の間で蓋の下流側を画する下流縁の少なくとも一部が上流側に後退している。
実施例1の空気流量測定装置1の構成を、図1および図2を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、空気との伝熱を利用して空気流量を測定するものであり、例えば、内燃機関(図示せず)への吸気路2に配置され、内燃機関に吸入される吸気の流量(吸気量)を測定するために利用されている。
なお、センサチップ6で発生した電気信号は、所定の処理が施されて空気流量測定装置1の外部の電子制御装置(図示せず)に出力され、例えば、燃料噴射制御等の各種の制御処理に利用される。
また、センサチップ6は、周回路11の最も奥側であって直進路10から最も遠い位置に突出している。そして、周回路11は下流側で2つに分岐しており、出口9は2つ設けられている。なお、周回路11においてセンサチップ6が配置される位置では、空気の流が、直進路10における流れや吸気路2における吸気主流の流れとは逆向きである。
実施例1の空気流量測定装置1の特徴を、図1および図2を用いて説明する。
空気流量測定装置1によれば、筐体5の外壁面には、バイパス流路4を通るとともにセンサチップ6を通過して出口9から流出するバイパス通過流と、バイパス流路4を通らず筐体5の外壁面に沿って吸気主流の方向に流れる外側通過流とを合流させて絞りながら吸気主流の下流側に導く絞り15が設けられている。
ここで、2つの隆起17は、出口9よりも吸気主流の上流側の部分が直線状かつ吸気主流に平行に設けられている。また、出口9よりも吸気主流の下流側の部分は、絞り15の外側に凸状に膨らみながら湾曲して下流側ほど互いに接近している。
実施例1の空気流量測定装置1によれば、バイパス流路4を通るとともにセンサチップ6を通過して出口9から流出するバイパス通過流と、バイパス流路4を通らず筐体5の外壁面に沿って吸気主流の方向に流れる外側通過流とを合流させて絞りながら吸気主流の下流側に導く絞り15が設けられている。
これにより、蓋19の外側表面21に沿う吸気の流れが外側表面21から剥離するのを抑制することができる。このため、空気流量測定装置1の偏流特性を高めることができるとともに、吸気主流の圧力損失を低減することができる。
実施例2の空気流量測定装置1によれば、図3に示すように、蓋19の内側、外側表面20、21は、両方とも、上流縁24により吸気主流の流れの上流側で画されている。また、外側表面21は凸曲面状に外側に膨らんでおり、内側表面20は凸曲面状に絞り15の側に膨らんでいる。
これにより、蓋19の内側、外側表面20、21の両方に沿う吸気の流れがそれぞれの表面から剥離するのを抑制することができる。つまり、蓋19の外側表面21に沿う吸気の流ればかりでなく、外側通過流の内、蓋19の内側表面20に沿う吸気の流れに関しても内側表面20から剥離するのを抑制することができる。このため、空気流量測定装置1の偏流特性をさらに高めることができるとともに、吸気主流の圧力損失をさらに低減することができる。
実施例3の空気流量測定装置1によれば、図4に示すように、蓋19の外側表面21には、吸気主流に略平行となる複数本の外側リブ27が設けられている。そして、複数本の外側リブ27の稜線および上流縁24は、絞り15の外側に膨らむ1つの仮想の凸曲面28に含まれるように設けられ、凸曲面28は凸曲面状に外側に膨らんでいる。
実施例4の空気流量測定装置1によれば、図5に示すように、蓋19は、筐体5の外壁面に形成される狭隘範囲32の全範囲に対向せず、部分的に対向して狭隘範囲32の中に対向範囲33を形成する。ここで、狭隘範囲32とは、筐体5の外壁面の内、2つの隆起17の根元により挟まれる領域であり、右下がり斜線のハッチングで示されている。また、対向範囲33とは、狭隘範囲32の内、蓋19により外側から対向されて覆われている領域であり、右下がり斜線のハッチングと左下がり斜線のハッチングとが重なる領域として示されている。
実施例4の空気流量測定装置1によれば、蓋19は、狭隘範囲32の全範囲に対向せず、部分的に対向して対向範囲33を形成している。
これにより、狭隘範囲32の全範囲に対向しない態様で、蓋19の形状を変化させることができる。このため、絞り15における絞り方を自在に変化させることができるので、吸気量の小側使用値が誤差解消可能範囲からどのように小側に変動しても、第2調整量を調整してプラス側誤差の発生を抑制することができる。
これにより、絞り15に流入した空気の流れの一部は、さほど絞られていない状態で絞り15の外に向かう。そして、絞り15の外に向かう流れと、引き続き絞り15を通過する流れとの比率は、上流縁24の前進幅により定まる。このため、上流縁24の前進幅を変更することで絞り15における絞り方を容易に調整することができるので、第2調整量の調節を簡便に行うことができる。
実施例5の空気流量測定装置1によれば、蓋19は、図6に示すように、下流縁25を上流側に前進させることで、狭隘範囲32の全範囲に対向せず、狭隘範囲32の内、上流側に偏った部分に対向して対向範囲33を形成している。
これにより、上流縁24を前進させずに下流縁25を後退させることで、絞り15における絞り方を調整して第2調整量を調節することができる。このため、同一の第2調整量を得るのに必要な蓋19の形状に関して選択肢を増やすことができる。
なお、下流縁25は、吸気主流に垂直に設けられており、側面視によれば、2つの隆起17により区画される線分として見ることができる。
実施例6の空気流量測定装置1によれば、蓋19は、図7に示すように、上流縁24を下流側に後退させ、かつ、下流縁25を上流側に後退させることで、狭隘範囲32の全範囲に対向せず、狭隘範囲32の内、中間の領域に対向して対向範囲33を形成している。また、蓋19は、2つの隆起17の稜線の内、上流端と下流端との間の中間に当接している。
なお、上、下流縁24、25は、吸気主流に垂直に設けられており、側面視によれば、2つの隆起17により区画される線分として見ることができる。
実施例7の空気流量測定装置1の構成を、図8を用いて説明する。
ここで、2つの隆起17の内、センサチップ6が存在する側の隆起17を隆起17aとし、センサチップ6が存在する側と反対側の隆起17を隆起17bとする。
図8によれば、上流縁24は、側面視で吸気主流に垂直であって下流側に後退している垂直部24a、および、隆起17bの稜線の上流端と垂直部24aとを接続する非垂直部24bとからなり、垂直部24aは、隆起17aによりセンサチップ6の側を区画されている。
これにより、同一の第2調整量を得るのに必要な蓋19の形状に関して、さらに選択肢を増やすことができる。
空気流量測定装置1の態様は、実施例1〜7に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例1の空気流量測定装置1によれば、外側表面21の内、上流縁24を含む一部の領域αが外側に凸曲面状に膨らんでおり、実施例2の空気流量測定装置1によれば、内側、外側表面20、21は両方とも全面が凸曲面状に膨らんでいたが、実施例1の空気流量測定装置1において、外側表面21の全面を凸曲面状に膨らませたり、実施例2の空気流量測定装置1において、内側、外側表面20、21の一方、または両方の内、上流縁24を含む一部の領域を凸曲面状に膨らませてもよい。
さらに、実施例1〜3の空気流量測定装置1は、吸気量を検出するためのセンサをセンサチップ6により構成していたが、センサチップ6に替えて、例えば、白金線を巻回したボビンによりセンサを構成してもよい。
また、図10に示すように、蓋19を貫通する穴35を設けることにより、対向範囲33を設定してもよい。この場合、蓋19と隆起17との接合長さを短縮することなく、第2調整量を設定することができるので、蓋19が隆起17から剥がれ落ちる虞を低減することができる。
2 吸気路
4 バイパス流路
5 筐体
6 センサチップ(センサ)
9 出口
15 絞り
17 隆起
19 蓋
20 内側表面
21 外側表面
24 上流縁
27 外側リブ
28 凸曲面(仮想の凸曲面)
29 内側リブ
30 凸曲面(別の仮想の凸曲面)
Claims (9)
- 内燃機関に吸入される吸入空気が流れる吸気路に配置され、この吸気路を流れる吸入空気の一部を取り込んで前記吸気路における吸入空気の流量に応じた電気信号を発生する空気流量測定装置において、
取り込んだ吸入空気を通すバイパス流路を形成する筐体と、
前記バイパス流路に収容されて取り込んだ吸入空気との伝熱により電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体の外壁面には、前記バイパス流路を通るとともに前記センサを通過して前記バイパス流路の出口から流出するバイパス通過流と、前記バイパス流路を通らずに前記筐体の外壁面に沿って前記吸気路における流れの方向に流れる外側通過流とを合流させて絞りながら前記吸気路における流れの下流側に導く絞りが設けられ、
この絞りは、前記出口を挟むように前記筐体の外壁面から隆起する2つの隆起、および、前記2つの隆起を架橋して前記筐体の外壁面に対向する蓋により形成され、
前記蓋は、前記絞りに露出する内側表面、および前記絞りの外側に露出する外側表面を有し、
前記蓋の周縁の一部は、前記外側表面を前記吸気路における流れの上流側で画する上流縁を有し、
前記外側表面は、少なくとも前記上流縁を含む領域が前記吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に外側に膨らんでいることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1に記載の空気流量測定装置において、
前記内側表面は、前記上流縁により前記吸気路における流れの上流側で画され、少なくとも前記上流縁を含む領域が前記吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に前記絞りの側に膨らんでいることを特徴とする空気流量測定装置。 - 内燃機関に吸入される吸入空気が流れる吸気路に配置され、この吸気路を流れる吸入空気の一部を取り込んで前記吸気路における吸入空気の流量に応じた電気信号を発生する空気流量測定装置において、
取り込んだ吸入空気を通すバイパス流路を形成する筐体と、
前記バイパス流路に収容されて取り込んだ吸入空気との伝熱により電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体の外壁面には、前記バイパス流路を通るとともに前記センサを通過して前記バイパス流路の出口から流出するバイパス通過流と、前記バイパス流路を通らず前記筐体の外壁面に沿って前記吸気路における流れの方向に流れる外側通過流とを合流させて絞りながら前記吸気路における流れの下流側に導く絞りが設けられ、
この絞りは、前記出口を挟むように前記筐体の外壁面から隆起する2つの隆起、および、前記2つの隆起を架橋して前記筐体の外壁面に対向する蓋により形成され、
前記蓋は、前記絞りに露出する内側表面、および前記絞りの外側に露出する外側表面を有し、
前記蓋の周縁の一部は、前記外側表面を前記吸気路における流れの上流側で画する上流縁を有し、
前記外側表面には、前記吸気路における流れに非直角となる複数本の外側リブが設けられ、
この複数本の外側リブの稜線および前記上流縁は、前記絞りの外側に膨らむ1つの仮想の凸曲面に含まれるように設けられ、
前記仮想の凸曲面は、少なくとも前記上流縁を含む領域が前記吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に外側に膨らんでいることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項3に記載の空気流量測定装置において、
前記内側表面には、前記吸気路における流れに非直角となる複数本の内側リブが設けられ、
この複数本の内側リブの稜線および前記上流縁は、前記絞りの側に膨らむ別の仮想の凸曲面に含まれるように設けられ、
前記別の仮想の凸曲面は、少なくとも前記上流縁を含む領域が前記吸気路における流れの下流側ほど凸曲面状に前記絞りの側に膨らんでいることを特徴とする空気流量測定装置。 - 内燃機関に吸入される吸入空気が流れる吸気路に配置され、この吸気路を流れる吸入空気の一部を取り込んで前記吸気路における吸入空気の流量に応じた電気信号を発生する空気流量測定装置において、
取り込んだ吸入空気を通すバイパス流路を形成する筐体と、
前記バイパス流路に収容されて取り込んだ吸入空気との伝熱により電気信号を発生するセンサとを備え、
前記筐体の外壁面には、前記バイパス流路を通るとともに前記センサを通過して前記バイパス流路の出口から流出するバイパス通過流と、前記バイパス流路を通らずに前記筐体の外壁面に沿って前記吸気路における流れの方向に流れる外側通過流とを合流させて絞りながら前記吸気路における流れの下流側に導く絞りが設けられ、
この絞りは、前記出口を挟むように前記筐体の外壁面から隆起する2つの隆起、および、前記2つの隆起を架橋して前記筐体の外壁面に対向する蓋により形成され、
この蓋は、前記筐体の外壁面の内、前記2つの隆起の根元により挟まれる狭隘範囲の全範囲に対向せず、部分的に対向していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項5に記載の空気流量測定装置において、
前記蓋は、前記蓋の上流側を画する上流縁の少なくとも一部が前記2つの隆起の稜線の上流端同士を結ぶ線分から下流側に前進していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項5または請求項6に記載の空気流量測定装置において、
前記蓋は、前記蓋の下流側を画する下流縁の少なくとも一部が前記2つの隆起の稜線の下流端同士を結ぶ線分から上流側に後退していることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項5ないし請求項7の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
前記2つの隆起の内、一方の隆起は他方の隆起よりも鉛直方向下側に設けられ、
前記蓋は、前記一方の隆起の稜線に部分的に架からないことを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項5ないし請求項8の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
前記蓋は、前記蓋を貫通する穴を有することを特徴とする空気流量測定装置。
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