JP5536086B2 - 液体皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、泡立ちのクリーミー性に優れ、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後にはしっとりした感触を与えると共に、低温安定性が良好な液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
液体皮膚洗浄剤組成物は、洗浄時の泡量や泡質に優れ、かつすすぎ後のぬるつきがなく、さっぱり洗えることが望まれている。これらの中でも、脂肪酸塩(RCOOM;ただし、MはNa、Kである)を主基剤とする液体皮膚洗浄剤組成物は、一般の界面活性剤に比べて泡立ちのクリーミー性に優れ、ぬるつきの無さ、さっぱりとしたすすぎ感触から、洗顔剤、ボディソープ、ハンドソープなどに用いられてきた。
しかし、前記脂肪酸塩を含有する液体皮膚洗浄剤組成物は、経時で空気中の二酸化炭素の吸収や香料(特にエステル系)の加水分解によりpHが低下し、脂肪酸塩が水不溶性の脂肪酸となり低温保存で析出しやすいことから、溶剤として、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の比較的疎水的な多価アルコールが用いられてきた(特許文献1参照)。
また、現代の女性の肌に対する意識の変化や子供に対するケア意識の高まりから、自分の肌質を敏感肌と考え、子供に対してはよりマイルドな洗浄剤を使いたいというニーズが高まっており、皮膚への刺激性が少なく、特に冬場においては乾燥後にもしっとりした感触を与える液体皮膚洗浄剤組成物が求められている。しかし、前記プロピレングリコール等の比較的疎水的な多価アルコールは、角質中の細胞間脂質の構造をルーズにし皮膚への浸透性が高いことから、これらを配合した液体皮膚洗浄剤組成物は、皮膚バリア機能が弱い敏感肌の皮膚に刺激性を有することが問題であった。また、前記プロピレングリコール等の比較的疎水的な多価アルコールは水分を保持する能力が少ないために、洗浄後にはカサついたり突っ張ったりして、十分にしっとりした感触が得られないことが課題である。
例えば特許文献2には、(a)下記一般式(1)で表される脂肪酸塩と、
1COOM・・・一般式(1)
(前記一般式(1)中、R1は炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mはアルカリ金属を示す)
(b)両性界面活性剤又は半極性界面活性剤と、
(c)酸解離指数が8.0〜11.0の化合物と、を含有し、前記(a)成分中、(前記一般式(1)のR1が11以下の一価炭化水素基である脂肪酸塩)/(前記一般式(1)のR1が12以上の一価炭化水素基である脂肪酸塩)で表される質量比が1.5〜10.0であるフォーマー容器用液体洗浄剤組成物が提案されている。この提案によれば、低温安定性及び泡吐出性に優れると共に、泡性能に優れた液体洗浄剤組成物が得られる。
しかし、この提案では、多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いているため、肌の弱い敏感肌のユーザーに対して皮膚刺激性を有し、洗浄後にはカサついたり突っ張ったりして、十分にしっとりした感触が得られないという課題がある。
一方、親水性が高く水分を保持する能力の高い多価アルコールとしてグリセリンが知られている。プロピレングリコールをグリセリンに置き換えた場合には、低温で保存すると脂肪酸の析出が生じる課題がある。
また、液体皮膚洗浄剤組成物において、洗っている時の香りがすすぎ後でも残ることは、洗浄力感を想起させたり、楽しく手洗いをするためには好ましい要素である。しかし、プロピレングリコールとグリセリンを併用した系では、プロピレングリコールが疎水的な溶剤であるため、香料成分を加えてもバルク中に溶け込んでしまい、すすぎ時に流されてしまい肌に香りを残すのは困難であるという課題がある。
特開2002−80345号公報 国際公開第2007/145054号パンフレット
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、使用時には泡立ちがよく、泡立ちのクリーミー性に優れ、皮膚刺激性がなく、敏感肌の女性から肌の弱い子供にも安心して使用でき、タオルドライ後にはしっとりした感触を与えると共に、低温で保存したときにも脂肪酸の析出を生じることがなく、低温安定性が良好な液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、(A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩(石けん)(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい)は、空気中の炭酸ガスの吸収や香料成分の分解によりpHが低下し、脂肪酸が析出する。また、疎水性の高いプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコールは脂肪酸を溶解する能力が高いが、肌の弱い敏感肌のユーザーに対して皮膚刺激性があり使用が好ましくない。同じ多価アルコールでもグリセリンは、皮膚刺激性は低く保湿力もあるため、良好な感触のハンドソープが作れるが、親水的であるため脂肪酸の溶解性が低く低温安定性が悪い。この低温安定性が悪い理由は、設定時よりpHが低下し、脂肪酸カリウム塩と脂肪酸の解離平衡が溶解性の悪い脂肪酸側に移行するためと考えられる。
そこで、本発明者らが、pH=10付近で緩衝能を有する物質について鋭意探索した結果、(B)一般式(2):R−NHで表されるアミン類(ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい)が、優れたバッファー効果を発揮し、プロピレングリコールなどの疎水性の高い多価アルコールを用いることなく、グリセリンで低温での保存安定性を向上させることが分かった。その結果、液体皮膚洗浄剤組成物の皮膚刺激性を最小限に抑えることが可能となった。
また、(A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩の脂肪酸鎖長の比について検討したところ、Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)が1.5〜5の範囲で良好であり、また、(A)成分の脂肪酸カリウム塩と(C)成分のグリセリンとの質量比(A/C)が0.3〜3.0の範囲で、良好な泡立ちのクリーミー性、及び乾燥後のしっとり感の点及び低温での保存安定性を示すことを知見した。
また、(C)成分のグリセリンを5質量%以上配合することで、乾燥後のしっとり感が向上した。更に、プロピレングリコールをグリセリンに代えることで、泡立ちのクリーミー性が向上した。これは、プロピレングリコール等の疎水性の高い多価アルコールから親水性のグリセリンに代えることで溶媒の疎水性が弱まる。その結果、石けん分の表面吸着を促進することで泡膜がリジッドになり、泡立ちのクリーミー性が向上したものと考えられる。
更に好ましくは、(D)成分として、親水的な糖アルコールを1質量%〜20質量%配合することにより、ポンプの目詰まりを解消し、肌にシットリし、かつさらさらとした良好な感触を与えることを知見した。
更に好ましくは、(E)成分の両性界面活性剤及び半極性界面活性剤のいずれかを0.05質量%〜3質量%配合することで泡質が向上し、クリーミーかつ豊かな泡となり、すすぎ時にきしみ感を抑えて滑らかな感触を与えることを知見した。
更に好ましくは、(F)成分の特定の香料を(C)成分のグリセリンに対し一定量配合することにより、特定の香料がすすぎ後でも肌に残りやすくなることを知見した。
そして、以上の特性を有する液体皮膚洗浄剤組成物をフォーマー容器内に充填することで、泡立てがいらず、最初からクリーミーな泡を吐出でき、タオルドライ後には乾燥することなく、しっとりした良好な感触を与える液体皮膚洗浄剤組成物を実現でき、また、フォーマー容器の欠点である目詰まりを起こすことなく、敏感肌の女性から肌の弱い子供にも安心して使用できる液体皮膚洗浄剤組成物を提供できることを知見し、本発明を完成したものである。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩を4質量%〜20質量%(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよく、Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)が1.5〜5である)、
(B)一般式(2):R−NHで表されるアミン類(ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい)、及び
(C)グリセリンを5質量%〜30質量%含有してなり、
前記(A)成分と前記(C)成分との質量比(A/C)が0.3〜3.0であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 更に、(D)糖アルコールを1質量%〜20質量%含有する前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3> 更に、(E)両性界面活性剤及び半極性界面活性剤のいずれかを0.05質量%〜3質量%含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<4> (C)成分のグリセリンと(D)成分の糖アルコールとの質量比(C/D)が、0.5〜14である前記<2>から<3>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<5> (F)clogP値が5.1〜6.3である香料から選択される少なくとも1種を含有し、(C)成分のグリセリンの含有量と前記(F)成分の香料の含有量の質量比(F/C)が、0.001〜0.1である前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<6> (F)成分の香料が、ガラクソライド、ヘキシルサリシレート及びムスコンのいずれかである前記<5>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、使用時には泡立ちがよく、泡立ちのクリーミー性に優れ、皮膚刺激性がなく、敏感肌の女性から肌の弱い子供にも安心して使用でき、タオルドライ後にはしっとりした感触を与えると共に、低温で保存したときにも脂肪酸の析出を生じることがなく、低温安定性の良好な液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩、(B)一般式(2):R−NHで表されるアミン類、及び(C)グリセリンを含有してなり、好ましくは(D)糖アルコール、(E)両性界面活性剤及び半極性界面活性剤のいずれか、(F)特定の香料、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<(A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩>
前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩としては、下記一般式(1)で表される化合物が用いられる。
COOK・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。
は、炭素数5〜25であり、好ましくは7〜17、より好ましくは、「泡立ちのクリーミー性」と「低温安定性」及び「皮膚刺激性」の観点から、11〜17の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基であり、飽和であっても不飽和であってもよい。
前記炭素数が、5未満であると、皮膚刺激性、泡立ちのクリーミー性、及び泡立ちの点で劣る場合があり、25を超えると、低温安定性が劣る場合がある。
前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩としては、前記一般式(1)中のRが炭素数11以下の一価炭化水素基である脂肪酸カリウム塩と、前記一般式(1)中のRが炭素数12〜25の一価炭化水素基である脂肪酸カリウム塩とが好適に用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)中のRが炭素数11以下の一価炭化水素基である脂肪酸カリウム塩としては、例えばカプロン酸カリウム、ヘプタン酸カリウム、カプリル酸カリウム、ペラルゴン酸カリウム、カプリン酸カリウム、ウンデカン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、カプロレイン酸カリウム、ウンデシレン酸カリウム、ラウロレイン酸カリウム、2−エチルブタン酸カリウム、イソペンタン酸カリウム、2−エチルペンタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、イソノナン酸カリウム、3,5,5−トリメチルヘキサン酸カリウム、などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRが炭素数12〜25の一価炭化水素基である脂肪酸カリウム塩としては、例えばトリデカン酸カリウム、テトラメチルノナン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ペンタデカン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、アラキン酸カリウム、ベヘン酸カリウム、リグノセリン酸カリウム、セロチン酸カリウム、ミリストレイン酸カリウム、パルミトレイン酸カリウム、オレイン酸カリウム、エライジン酸カリウム、ゴンドイン酸カリウム、エルカ酸カリウム、セラコレイン酸カリウム、リノール酸カリウム、リノエライジン酸カリウム、リノレン酸カリウム、アラキドン酸カリウム、2−ヘキシルデカン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、などが挙げられる。
また、脂肪酸の混合物であるヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等のカリウム塩、などが挙げられる。
これらの中でも、「泡立ちのクリーミー性」と「低温安定性」及び製造時の配合温度と使用時に脂肪酸のニオイが残らない点でラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウムが好ましく、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウムが特に好ましい。
これらの脂肪酸カリウム塩は、原料として脂肪酸カリウムを配合することも可能であるが、脂肪酸と水酸化カリウムを配合槽中に別々に添加して脂肪酸カリウムとしてもよい。
なお、脂肪酸の対となる塩としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属などが挙げられるが、析出抑制の点から脂肪酸カリウム塩が特に好ましく、本発明では用いられる。また、脂肪酸の対となる塩としては、アミノ酸も広く使用されているが、高温保存時の色調や香りの劣化の懸念があるため、本発明においては用いられない。
前記(A)成分中、Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)は、低温安定性、泡立ちのクリーミー性、及び皮膚刺激性の点から、1.5〜5であり、1.7〜4が好ましい。これは、Rの炭素数が12以上の一価炭化水素基である脂肪酸カリウム塩は析出の主原因となりやすく、特に、pHが低下した場合や低温時において顕著であるため、前記質量比(C11以下/C12以上)が、1.5未満であると、低温安定性が顕著に低下することがあり、5を超えると、泡立ちのクリーミー性が低下し、皮膚刺激性が生じる懸念がある。
前記(A)成分の一般式(1)で表される脂肪酸カリウム塩の含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、4質量%〜20質量%であり、低温安定性、及び泡立ちのクリーミー性の点から8質量%〜16質量%が好ましい。前記(A)成分の含有量が、4質量%未満であると、泡立ちのクリーミー性が乏しくなることがあり、20質量%を超えると、低温で析出しやすく、低温安定性が悪くなる恐れがある。
<(B)一般式(2):R−NHで表されるアミン類>
前記(B)成分のアミン類としては、下記一般式(2)で表される化合物が用いられる。
−NH・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。前記炭素数が、6を超えると、系への溶解性が劣り、低温安定性を確保することが困難となることがある。
なお、前記一価炭化水素基は飽和であっても不飽和であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、などが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるアミン類としては、酸解離指数が9.0以上のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばモノエタノールアミン(9.64)、エチルアミン(10.66)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(9.82)、イソプロパノールアミン(9.68)、イソプロピルアミン(10.93)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温安定性、及び長期保存時の着色の無さの点でモノエタノールアミン(9.64)、エチルアミン(10.66)、イソプロパノールアミン(9.68)が特に好ましい。
なお、前記酸解離指数とは、−log〔酸解離定数〕であり、酸解離定数は25℃で測定した値である。
前記(B)成分のアミン類の含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.2質量%〜2質量%が好ましく、低温安定性、及び皮膚刺激性の点から0.3質量%〜1質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.2質量%未満であると、低温安定性の向上が不充分となる場合があり、2質量%を超えると、皮膚刺激性が生じる懸念がある。
<(C)グリセリン>
前記(C)成分のグリセリンとしては、特に制限はなく、脂肪酸グリセリドを加水分解したもの、化学合成したものなどのいずれを用いてもよいが、カーボンニュートラルの立場から植物油由来の脂肪酸トリグリセリドを加水分解したものが好適である。これらの中でも、「泡立ちのクリーミー性」と「皮膚刺激性」及び「乾燥後のしっとり感」の点からパーム油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油を加水分解して得られる粗グリセリンを精製したものが特に好ましい。
前記(C)成分のグリセリンの精製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高度に蒸留した後にイオン交換樹脂処理や活性炭処理を行い、不純物を除去したものが臭いの点で好ましい。
前記(C)成分のグリセリンの含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、5質量%〜30質量%であり、低温安定性、及び泡立ちのクリーミー性の点から7質量%〜20質量%が好ましい。前記(C)成分の含有量が、5質量%未満であると、低温安定性、及び乾燥後のしっとり感が劣ることがあり、30質量%を超えると、泡立ちのクリーミー性が低下することがある。
本発明においては、前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩と前記(C)成分のグリセリンとの質量比(A/C)は、0.3〜3.0であり、泡立ちのクリーミー性、及び乾燥後のしっとり感の点で0.6〜2.0が好ましい。前記質量比(A/C)が、0.3未満であると、低温安定性が悪くなり、3.0を超えると、泡立ちのクリーミー性が低下することがある。
本発明においては、(C)成分のグリセリン以外の多価アルコール(ただし、糖アルコールは除く)を含まないことが好ましい。
前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩の低温安定性に対して、溶解度の低い脂肪酸を溶解しやすいプロピレングリコール(I.O.B値=3.33)、ジプロピレングリコール(I.O.B値=1.83)等の疎水性の高い、即ちI.O.B値が4未満である糖アルコール以外の多価アルコールを用いることは、従来よりよく知られていることである。
本発明の意義は、(A)成分の脂肪酸カリウム塩の低温安定性を阻害する、脂肪酸を溶解しにくいI.O.B値が4以上である(C)成分のグリセリン(I.O.B値=5.00)を用いて低温安定性を図るところにある。
ここで、前記I.O.B値(Inorganic Organic Balanceの略)とは、油分(広義の油分を意味し、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類などの狭義の油分は勿論のこと、一般のアルコールや脂肪酸などもその範疇に含まれる。以下、同様である)の極性の度合いを示す指標であり、無機性の有機性に対する比率を表す値〔その油分の分子中の炭素原子1個について「有機性値」を20とし,同水酸基1個について「無機性値」を100として、これを基準とした他の置換基(無機性基)の無機性値に基づいて算出される値であり、具体的には、I.O.B値=その油分の無機性値/その油分の有機性値で表される〔例えば藤田著「有機分析」(1930年)カニヤ書店発行等参照〕。
前記I.O.B値が4未満である糖アルコール以外の多価アルコールを用いると、低温安定性は維持できるが、泡立ちのクリーミー性が悪く、皮膚刺激性を感じやすく、乾燥後のしっとり感も劣る場合がある。一方、前記(C)成分のグリセリンを用いた場合には、低温安定性を確保しつつ、泡立ちのクリーミー性を実現でき、皮膚刺激性が見られなかった。このことは、本発明者らの新知見である。
この原因としては、前記I.O.B値が4未満である糖アルコール以外の多価アルコールは疎水性が高く、石けん分子の溶解度を高めるため、石けん分子の泡の界面吸着は純水よりも低下する。一方、前記(C)成分のグリセリンは極めて親水的であり、石けん分子の界面吸着を高めているものと考えられる。また、皮膚刺激性は、皮膚のバリア機能を示す細胞間脂質を石けん等の界面活性剤が浸透し、角質層から真皮に対して影響を及ぼすことが知られている。また、前記I.O.B値が4未満である糖アルコール以外の多価アルコールは細胞間脂質と相溶性が高く、細胞間脂質の構造性をルーズにし、界面活性剤の浸透を促進することが知られている。したがって前記I.O.B値が4未満である糖アルコール以外の多価アルコールは、界面活性剤の浸透を促進するのに対して、前記(C)成分のグリセリンは、細胞間脂質の機能を損なうことなく、石けんの浸透を防ぐため皮膚刺激性が少ないものと考えられる。
なお、前記(C)成分のグリセリンは、前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩の溶解性も低いため、これまでは低温安定性に問題があった。しかし、前記(B)成分のアミン類と組み合わせることによって始めて、前記(C)成分のグリセリンを用いても前記(A)成分の脂肪酸カリウム塩の低温安定性を確保でき、泡立ちのクリーミー性を向上できたことが本発明の成果の一つである。
<(D)糖アルコール>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物においては、ポンプの目詰まり防止、及び乾燥後のさらさら感を付与できる点で、更に(D)成分として糖アルコールを配合することが好ましい。
前記(D)成分の糖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエリスリトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、リビトール、ソルビトール、マンニトール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポンプの目詰まり防止、及び乾燥後のさらさら感を付与できる点でソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトールがより好ましく、ソルビトールが特に好ましい。
前記(D)成分の糖アルコールの含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、ポンプ詰まりの抑制効果が少なく、乾燥後のさらさら感が劣ることがあり、20質量%を超えると、ポンプ詰まりの抑制効果が少なく、泡立ちのクリーミー性が低下し、乾燥後はべたつくため、さらさら感が劣ることがある。
本発明においては、前記(C)成分のグリセリンと前記(D)成分の糖アルコールとの質量比(C/D)は、0.5〜14が好ましく、乾燥後のさらさら感、及びポンプ詰まり無さの点で1〜4が特に好ましい。前記質量比(C/D)が、0.5未満であると、ポンプ詰まりの抑制効果が少なく、乾燥後のさらさら感が劣ることがあり、14を超えると、ポンプ詰まりの抑制効果が少なく、乾燥後にはべたつくため、さらさら感が劣ることがある。
<(E)両性界面活性剤又は半極性界面活性剤>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物においては、泡立ちの量、及びすすぎ時にきしみ感を抑えて滑らかな感触を与える点で、更に(E)成分として両性界面活性剤又は半極性界面活性剤を配合することが好ましい。
前記両性界面活性剤としては、例えばイミダゾリン型(アミドアミン型)、カルボベタイン型、スルホベタイン型、ホスホベタイン型、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イミダゾリン型としては、例えばヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
前記カルボベタイン型としては、例えばラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタインなどが挙げられる。
前記スルホベタイン型としては、例えばヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン等のアルキルスルホベタイン;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
前記ホスホベタイン型としては、例えばラウリルヒドロキシホスホベタイン、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤は、製造工程で塩化ナトリウムを含有している場合があり、低温安定性を向上させる観点から脱塩処理したものがより好ましい。
前記半極性界面活性剤とは、アルキルアミンオキシド型のノニオン性界面活性剤を意味する。
前記半極性界面活性剤としては、例えばアシル第3級アミンオキシド、アシル第3級ホスフォンオキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アシル第3級アミンオキシドとしては、例えばラウリルジメチルアミンオキシド、POEヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシドなどが挙げられる。
前記アシル第3級ホスフォンオキシドとしては、例えばラウリルジメチルホスフォンオキシド、などが挙げられる。
これらの中でも、泡立ちの量、及びすすぎ時にきしみ感を抑えて滑らかな感触を与える点から両性界面活性剤のラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、半極性界面活性剤のラウリルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
前記(E)成分の両性界面活性剤又は半極性界面活性剤の含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.05質量%〜3質量%が好ましく、泡立ちの量、泡立ちのクリーミー性、及びすすぎ時にきしみ感を抑えて滑らかな感触を与える点から0.5質量%〜1質量%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が、0.05質量%未満であると、泡立ちの量や、すすぎ時の滑らかさの観点で十分な効果が得られないことがあり、3質量%を超えると、泡立ちのクリーミー性が低下し、すすぎ時の滑らかさが劣ることがある。
<(F)成分の特定の香料>
前記(F)成分の特定の香料は、香りの肌への残香性を高める目的で含有し、香料、特に柑橘系香料を肌へ残すためには、clogP値が5.1〜6.3の化合物を共に含有させることが好ましい。
前記clogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値であり、低いほど親水性が高くなる。前記clogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger,Version 1,March 1994参照)。なお、前記clogP値は、Syracase research corpration提供のデータベースから入手した。
前記clogP値が、5.1未満であると、親水性が高くなり肌残りへの効果は薄れてしまうことがあり、6.3を超えると、疎水性が高くなり肌残りは良くなる傾向にあるが、逆に水溶性の液体組成に溶解しにくく、安定性が悪くなってしまうことがある。
前記(F)成分のclogP値が5.1〜6.3である香料としては、例えば、ガラクソライド(clogP=6.3)、ヘキシルサリシレート(clogP=5.1)、ムスコン(clogP=6.0)などが香りの肌残りの点から好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ガラクソライド(clogP=6.3)が特に好ましい。
前記(F)成分のclogP値が5.1〜6.3である香料の含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.005質量%〜1質量%が好ましく、香りの肌残りの点から、0.01質量%〜0.5質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%を超えると、低温での析出や泡立ちの低下が見られるため好ましくない。
また、前記(C)成分のグリセリンと前記(F)成分のclogP値が5.1〜6.3である香料との質量比(F/C)は、0.001〜0.1が好ましく、0.001〜0.05がより好ましい。前記質量比(F/C)が、0.001未満であると、効果的な香りの肌残りはほとんどなく、0.1を超えても顕著に香りの肌残り効果は向上しなく、不経済となり好ましくない。
−その他の成分−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分〜(F)成分以外にも、従来より液体皮膚洗浄剤組成物に慣用されているその他の成分を必要に応じて配合することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリコーン類、前記(C)及び前記(D)成分を除く保湿剤、前記(A)成分を除くポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、アラントイン等の抗炎症剤;トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤;ビタミン類、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム等のカチオン性ポリマー;アクリル酸/ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等の両性ポリマー;アクリル酸系ポリマー等のアニオン性ポリマー;動物抽出エキス、植物抽出エキス、パール化剤、着色剤、ポリエチレン等のスクラブ剤;オクトピロックス等のフケ止め剤;前記(F)成分を除く各種香料、色素、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、などが挙げられる。
前記(F)成分を除く香料組成物としては、下記表6に記載した香料成分、更に特開2003−300811号公報の段落番号〔0050〕に記載した香料用溶剤等が挙げられる。なお、本発明において、「香料組成物」とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物を意味する。
前記香料用溶剤の含有量は、前記香料組成物全量に対して0.1質量%〜99質量%が好ましく、1質量%〜50質量%がより好ましい。
前記香料安定化剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE又はその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物などが挙げられる。これらの中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。
前記香料安定剤の含有量は、前記香料組成物全量に対して0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.001質量%〜5質量%がより好ましい。
前記香料組成物の含有量は、前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.005質量%〜40質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がより好ましい。
−pH−
使用時の泡立ちやその持続性、及び洗浄力を向上させるため、液体皮膚洗浄剤組成物のpHは9.5〜11.0であることが好ましく、低温安定性の点から9.8〜10.6であることがより好ましい。前記pHが、9.5未満であると、低温安定性が悪くなることがあり、11.0を超えると、皮膚刺激性が生じる場合がある。
製剤のpHは、すべての成分を混合した後に最後にpHを確認しながら水酸化カリウム及び/又はクエン酸等を加えることで、調整できる。より詳しくは、水酸化カリウム以外の成分の合計が約98質量%となるように精製水をバランスさせて混合攪拌する。必要なら加温してもよい。混合攪拌中に水酸化カリウム又はクエン酸等を徐々に添加し、それぞれpHを測定しながら目標とするpHまで添加する。目標pHとなったところで、最後に残りの精製水を加えて、全体で100質量%となるように水をバランスする。
−容器−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、例えばスクイズ容器、ポンプ容器、フォーマー容器などに充填して用いることができる。
前記フォーマー容器としては、ノンガス型の泡吐出容器が挙げられる。前記ノンガス型の泡吐出容器としては、液体皮膚洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器、などが挙げられる。このようなフォーマー容器としては、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製などを使用することができる。
前記ノンガス型の泡吐出容器は、通常、泡を形成するための多孔質膜体(材質はナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ〜400メッシュがより好ましく、200メッシュ〜350メッシュが更に好ましい。
前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から2枚〜4枚が好ましい。より具体的には、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び特開2005−193972号公報に記載されたフォーマー容器を好適に使用することができる。
−性状−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の性状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、常温で液体状が好ましい。また、フォーマー容器を使用する際、例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と200メッシュ2枚使用する際において、使用する温度条件下で液体皮膚洗浄剤組成物の粘度は、15mPa・s以下が好ましく、1mPa・s〜10mPa・sがより好ましい。
ここで、前記粘度は、例えばBL型粘度計(ローターNo.1、60ppm、1分後、東京計器株式会社製)により、25℃で測定することができる。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記(A)成分〜前記(C)成分、好ましくは前記(D)成分、前記(E)成分、又は前記(F)成分、必要に応じて任意成分、及び水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残部配合)を混合して得ることができる。また、液体皮膚洗浄剤組成物を調製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、剪断力があり、全体混合のできる攪拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置などが挙げられる。
−用途−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、ボディシャンプー、クレンジングフォーム、メイク落とし、などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例に記載の成分量は全て純分換算である。
(実施例1〜70及び比較例1〜11)
−液体皮膚洗浄剤組成物の調製−
下記表1〜表4に示す所定量(単位:質量%)の(A)成分〜(C)成分と、必要により(D)成分、(E)成分、又は(F)成分と、所定量の95質量%に相当する質量の精製水とを耐熱容器に秤取した。次に、80℃に加温して、(A)成分〜(C)成分、必要により(D)成分、(E)成分、又は(F)成分を均一に溶解した後室温まで冷却し、共通成分を添加し均一になるまで攪拌した。本実施例においては、(A)成分としてそれぞれの鎖長に対応する脂肪酸と等モルの水酸化ナトリウム(48質量%水溶液)により、中和して脂肪酸カリウムとして用いた。
続いて、pHメーターを用いてpHを測定しながらKOH及び/又はクエン酸を徐々に添加し、pHを10.2付近に調整した。最後に100質量%となるように水をバランスし、よく攪拌した。
各液体皮膚洗浄剤組成物の調製直後のpHを、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、HM−30V)を用い、25℃にしたサンプルを、2分間安定化させて測定した。結果を表1〜表4に併記する。
なお、表1〜表4中、質量比(C11以下/C12以上)は、少数点以下第3位を四捨五入した値である。質量比(A/C)は、少数点以下第3位を四捨五入した値である。質量比(C/D)は、少数点以下第3位を四捨五入した値である。質量比(F/C)は、少数点以下第4位を四捨五入した値である。
<評価>
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、評価を行った。結果を表1〜表4中に併記する。
実施例1〜34、実施例47〜70、及び比較例1〜11は、ポンプディスペンサー付き容器(吐出量1mL、ノズル口径3.5mmφ、キャニオン社製)に充填して、各評価に供した。
また、実施例35〜46は、ノンガス型のノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器(200メッシュ2枚を使用、株式会社吉野工業所製)に充填して各評価に供した。
(1)低温安定性
実施例1〜70及び比較例1〜11の各液体皮膚洗浄剤組成物を容器から取り出して硬質ガラスのバイアルビンに充填し、温度0℃に保持された評価室において保存した後、各液体皮膚洗浄剤組成物の低温安定性を下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好(3ヵ月間、析出物、沈殿物がなく外観の変化がない)
○:良好(1ヵ月間析出物、沈殿物がなく、外観の変化がない)
△:やや不良(1ヵ月後に析出物、沈殿物があり、品質上問題がある)
×:不良(2週間後に析出物、沈殿物があり、品質上問題がある)
(2)泡立ちのクリーミー性、皮膚刺激性、及び乾燥後のしっとり感
専門評価パネル10名が、実施例1〜70及び比較例1〜11の各液体皮膚洗浄剤組成物を用いて皮膚を洗浄し、下記評価基準に基づいて泡立ちのクリーミー性、皮膚刺激性、及び乾燥後のしっとり感を評価した。結果は、パネラー10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
−泡立ちのクリーミー性−
〔評価基準〕
5点:泡のほとんどが細かい泡で、ツノが立ち厚みが感じられる
4点:細かい泡の中に大きな泡が混じり、ツノが立ち厚みが感じられる
3点:細かい泡の中に大きな泡が半分ぐらい混じり、ツノが立たない
2点:大きな粗い泡のほうが多く、泡が水っぽい
1点:大きな粗い泡しか立たない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
−皮膚刺激性−
〔評価基準〕
5点:連用しても刺激性がまったく感じられない
4点:刺激性はほとんど感じないが、連用するとわずかに刺激を感じる場合がある
3点:刺激性がわずかにある
2点:刺激性がややある
1点:刺激性が明らかにある
〔評点平均値の判定基準〕
◎:5.0点
○:4.5点以上5.0点未満
△:3.0点以上4.5点未満
×:3.0点未満
−乾燥後のしっとり感−
〔評価基準〕
5点:非常によい
4点:かなりよい
3点:ややよい
2点:ややよくない
1点:非常によくない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
(3)ポンプ詰まりの無さ
ポンプ詰まりの無さは、使用状態や保管条件によって異なるため、以下のような代用実験で確認をした。
実施例25〜34、及び実施例42〜46の各液体皮膚洗浄剤組成物を硬質ガラスのシャーレ(直径95mm)上に液層が約3mmになるように広げながら注入し、温度25℃、湿度40%RHに保持された評価室に静置した後、液体皮膚洗浄剤組成物の乾燥物の性状を下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好(1ヶ月間静置後結晶の析出がなく流動性がある。このような状態になるものは、ポンプ容器に充填して使用しても長期的にポンプ詰まりはなく、品質上問題ない)
◎〜○:良好(1ヶ月間静置後、全体的に流動は無いペースト状であるが固化していない。このような状態になるものは、ポンプ容器に充填して使用すると、ノズル口をペースト状のものがふさぐ場合があり、排出の方向性が若干変わったりする場合があるが、液体皮膚洗浄剤組成物が飛び散ったりすることはなく、ポンプを押した場合にペーストが同時に排出される場合もあり、品質上問題ない)
○:やや良好(1ヶ月間静置後、全体的に流動は無いペースト状であるがごく僅かに固化している。このような状態になるものは、ポンプ容器に充填して使用すると、ノズル口をペースト状のものがふさぐ場合があり、排出の方向性がやや変わったりする場合があるが、液体皮膚洗浄剤組成物が飛び散ったりすることはなく、ポンプを押した場合にペーストが同時に排出される場合もあり、品質上問題ない)
△:やや不良(1ヶ月間後に析出物、結晶や析出物が析出・固化している。このような状態になるものは、ポンプ容器に充填して使用すれば、長期間使用すると経時的にノズル口が詰まり、液体皮膚洗浄剤組成物が予期せぬ方向に液が排出されたり、ポンプから排出できない場合があり、品質上問題がある)
×:不良(2週間後に析出物、結晶や析出物が析出・固化している。このような状態になるものは、ポンプ容器に充填して使用すれば、短期間でノズル口が詰まり、液体皮膚洗浄剤組成物が予期せぬ方向に液が排出されたり、ポンプから排出できない場合があり、品質上問題がある)
(4)乾燥後のさらさら感
専門評価パネル10名が、実施例25〜34、及び実施例42〜46の各液体皮膚洗浄剤組成物を用いて皮膚を洗浄し、下記評価基準に基づいて乾燥後のさらさら感を評価した。結果は、パネラー10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
〔評価基準〕
5点:非常によい
4点:かなりよい
3点:ややよい
2点:ややよくない
1点:非常によくない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.5点以上
◎〜○:4.0点以上4.5点未満
○:3.5点以上4.0未満
△:3.0点以上3.5点未満
×:3.0点未満
(5)泡立ちの量及びすすぎ時の滑らかさ
専門評価パネル10名が、実施例35〜46の各液体皮膚洗浄剤組成物を用いて皮膚を洗浄し、手を30往復こすった時点での泡の状態を下記評価基準に基づいて泡立ちの量を評価した。更に、25℃の水道水を用いてすすぎを行い、下記評価基準に基づいてすすぎ時の滑らかさについて評価した。結果は、パネラー10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
−泡立ちの量−
〔評価基準〕
5点:手からこぼれ落ちるほど泡立っている
4点:余裕を持って手全体を覆えるほど泡立っている
3点:ちょうど手全体を覆えるほど泡立っている
2点:手のひらがほとんど見える程度泡立っている
1点:ほとんど泡にならない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.5点以上
◎〜○:4.0点以上4.5点未満
○:3.5点以上4.0未満
△:3.0点以上3.5点未満
×:3.0点未満
−すすぎ時の滑らかさ−
〔評価基準〕
5点:非常によい
4点:かなりよい
3点:ややよい
2点:ややよくない
1点:非常によくない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.5点以上
◎〜○:4.0点以上4.5点未満
○:3.5点以上4.0未満
△:3.0点以上3.5点未満
×:3.0点未満
(6)香りの肌残り評価(モデル評価)
ナイロンチューブ(ニッタ・ムアーカンパニー社製、N2−4−16×13)を、横5cm×縦1/2に切ったものを使用した。実施例47〜70の各液体皮膚洗浄剤組成物50mLにナイロンチューブを5分間浸漬し、ピンセットにて取り出し、ビーカーに25℃の水道水500mLを用意し、ピンセットで10秒間、振りすすぎを行った。このすすぎを2回繰り返し、取り出した直後の香りの強さを専門パネル10名にて、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:香りは9名〜10名が認知できる
◎〜○:香りは7名〜8名が認知できる
○:香りは5名〜6名が認知できる
△:香りは3名〜4名が認知できる
×:香りは1名〜2名が認知できる
(7)香りの肌残り評価(実際評価)
スポイトにて実施例47〜70の各液体皮膚洗浄剤組成物3mLを手に取り、5回手をすり合わせ泡立てたあと、水道水にて10秒間すすぎ、タオルドライ後の手の平に残った香りの強さを専門パネル10名にて、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:香りは9名〜10名が認知できる
◎〜○:香りは7名〜8名が認知できる
○:香りは5名〜6名が認知できる
△:香りは3名〜4名が認知できる
×:香りは1名〜2名が認知できる
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次に、下記の実施例71〜77の液体皮膚洗浄剤組成物を常法に基づいて調製し、上記実施例と同様の評価を行った。
(実施例71)
−薬用ハンドソープ−
・ラウリン酸カリウム 6.0質量%
・ミリスチン酸カリウム 3.5質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・ソルビット 3.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン 5.0質量%
(固形分25質量%)
・グリセリン 12.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 1.2質量%
・香料B 0.2質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、ポンプ容器(ポンプ部:キャニオン社製、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=6.0/3.5=1.71
・質量比(A/C)=9.5/12.0=0.79
・質量比(C/D)=12.0/3.5=3.43
・pH=10.6(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・乾燥後のさらさら感:◎
(実施例72)
−薬用ハンドソープ−
・ラウリン酸カリウム 5.5質量%
・ミリスチン酸カリウム 2.0質量%
・パルミチン酸カリウム 1.0質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン 4.0質量%
(固形分25質量%)
・グリセリン 10.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 1.2質量%
・香料A 0.18質量%
・ガラクソライド 0.01質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、ポンプ容器(ポンプ部:キャニオン社製、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=5.5/3.0=1.83
・質量比(A/C)=8.5/10.0=0.85
・質量比(F/C)=0.01/10.0=0.001
・pH=10.2(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・香りの肌残り(モデル評価):◎
・香りの肌残り(実際評価):◎
(実施例73)
−薬用キッチン用ハンドソープ−
・ラウリン酸カリウム 5.5質量%
・ミリスチン酸カリウム 3.0質量%
・ラウリルジメチルアミンオキシド 2.0質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン 6.0質量%
(固形分25質量%)
・グリセリン 12.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 1.2質量%
・香料A 0.18質量%
・ヘキシルサリシレート 0.02質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、フォーマー容器(フォーマー部:株式会社吉野工業所製、200メッシュ2枚、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=5.5/3.0=1.83
・質量比(A/C)=8.5/12.0=0.71
・質量比(F/C)=0.02/12.0=0.002
・pH=10.4(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・泡立ちの量:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・ポンプ詰まりのなさ:◎
・すすぎ時の滑らかさ:◎
・香りの肌残り(モデル評価):◎
・香りの肌残り(実際評価):◎
(実施例74)
−薬用泡ハンドソープ−
・ラウリン酸カリウム 6.5質量%
・ミリスチン酸カリウム 3.5質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・グリセリン 15.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0質量%
(11E.O.)
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 0.2質量%
・香料A 0.18質量%
・ガラクソライド 0.005質量%
・ムスコン 0.01質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、フォーマー容器(フォーマー部:株式会社吉野工業所製、200メッシュ2枚、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=6.5/3.5=1.86
・質量比(A/C)=10.0/15.0=0.67
・質量比(F/C)=(0.005+0.01)/15.0=0.001
・pH=10.2(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・ポンプ詰まりのなさ:◎
・香りの肌残り(モデル評価):◎
・香りの肌残り(実際評価):◎
(実施例75)
−薬用泡ハンドソープ−
・ラウリン酸カリウム 8.0質量%
・ミリスチン酸カリウム 2.0質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・グリセリン 12.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・ソルビット 5.0質量%
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0質量%
(11E.O.)
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 1.0質量%
・香料A 0.18質量%
・ガラクソライド 0.005質量%
・ヘキシルサリシレート 0.01質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、フォーマー容器(フォーマー部:株式会社吉野工業所製、200メッシュ2枚、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=8.0/2.0=4.00
・質量比(A/C)=10.0/12.0=0.83
・質量比(F/C)=(0.005+0.01)/12.0=0.001
・質量比(C/D)=12.0/5.0=2.40
・pH=10.0(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・ポンプ詰まりの無さ:◎
・乾燥後のさらさら感:◎
・香りの肌残り(モデル評価):◎
・香りの肌残り(実際評価):◎
(実施例76)
−薬用クレンジングフォーム−
・ラウリン酸カリウム 8.0質量%
・ミリスチン酸カリウム 2.0質量%
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0質量%
(11E.O.)
・グリセリン 10.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 0.2質量%
・香料C 0.2質量%
・色素C 0.0005質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、フォーマー容器(フォーマー部:株式会社吉野工業所製、200メッシュ2枚、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=8.0/2.0=4.00
・質量比(A/C)=10.0/10.0=1.00
・pH=9.8(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・泡立ちの量:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・ポンプ詰まりのなさ:◎
・すすぎ時の滑らかさ:◎
(実施例77)
−薬用洗顔ウオッシング−
・ラウリン酸カリウム 5.5質量%
・ミリスチン酸カリウム 2.5質量%
・モノエタノールアミン 0.5質量%
・ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0質量%
・クエン酸 適量
・水酸化カリウム(48質量%溶液) 適量
・アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン 5.0質量%
(固形分25質量%)
・グリセリン 10.0質量%
・エデト酸 0.1質量%
・イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
・スチレン重合体エマルジョン(固形分35質量%) 1.2質量%
・香料B 0.2質量%
・色素A 0.002質量%
・色素B 0.0001質量%
・精製水 残部
合計 100.0質量%
上記の組成を常法にて調製し、これを、ポンプ容器(ポンプ部:キャニオン社製、ボトル部:株式会社吉野工業所製)に充填した。
・Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)=5.5/2.5=2.20
・質量比(A/C)=8.0/10.0=0.80
・pH=10.0(調製直後、25℃)
・低温安定性:◎
・泡立ちのクリーミー性:◎
・泡立ちの量:◎
・皮膚刺激性:◎
・乾燥後のしっとり感:◎
・すすぎ時の滑らかさ:◎
なお、実施例1〜77及び比較例1〜11で用いた材料の具体的な内容は、以下に示すとおりである。
Figure 0005536086
*ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA−122、日本油脂(株)製)、ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA−142、日本油脂(株)製)、パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA−160、日本油脂(株)製)を、それぞれ等モルの水酸化カリウム(48質量%溶液)で中和して用いた。
香料A〜Cの組成としては、以下の表6に示す通りである。
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
Figure 0005536086
*1:[Flower oils and Floral Compounds In Perfumery] Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、使用時には泡立ちがよく、泡立ちのクリーミー性に優れ、皮膚刺激性がなく、敏感肌の女性から肌の弱い子供にも安心して使用でき、タオルドライ後にはしっとりした感触を与えると共に、低温で保存したときにも脂肪酸の析出を生じることがなく、低温安定性が良好であるので、例えば洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、ボディシャンプー、クレンジングフォーム、メイク落とし、などに幅広く用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)一般式(1):RCOOKで表される脂肪酸カリウム塩を4質量%〜20質量%(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を示し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよく、Rの炭素数が11以下の脂肪酸カリウム塩(C11以下)とRの炭素数が12以上の脂肪酸カリウム塩(C12以上)の質量比(C11以下/C12以上)が1.5〜5である)、
    (B)一般式(2):R−NHで表されるアミン類(ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、該一価炭化水素基の水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい)、及び
    (C)グリセリンを5質量%〜30質量%含有してなり、
    前記(A)成分と前記(C)成分との質量比(A/C)が0.3〜3.0であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
  2. 更に、(D)糖アルコールを1質量%〜20質量%含有する請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
  3. 更に、(E)両性界面活性剤及び半極性界面活性剤のいずれかを0.05質量%〜3質量%含有する請求項1から2のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
  4. (F)clogP値が5.1〜6.3である香料から選択される少なくとも1種を含有し、(C)成分のグリセリンの含有量と前記(F)成分の香料の含有量の質量比(F/C)が、0.001〜0.1である請求項1から3のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
  5. (F)成分の香料が、ガラクソライド、ヘキシルサリシレート及びムスコンのいずれかである請求項4に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
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