JP5533318B2 - ターボ機械 - Google Patents
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Description
しかしながら、グリースを軸受に供給するための供給管を設けると、ターボ機械の製造時やメンテナンス時に供給管の配設(引き回し)及び接続の作業が生じ、ターボ機械の組立の手間が増大してしまうという課題があった。
本発明に係るターボ機械は、回転することで気体を流動させるインペラと、インペラを回転駆動させる駆動装置と、駆動装置の回転駆動力をインペラに伝達する回転軸と、回転軸を回転自在に支持する軸受と、少なくとも駆動装置及び回転軸を収容するケーシングと、を備えるターボ機械であって、ケーシングには軸受を潤滑するグリースを軸受に供給するためのグリース流路が形成されている、という構成を採用する。
本発明によれば、ターボ機械の組立作業において、ケーシング内での供給管の配設、引き回し及び接続といった作業が不要となる。そのため、本発明によれば、製造時又はメンテナンス時における組立の手間を削減できるという効果がある。
図1は、本実施形態におけるターボブロアS1の概略構成を示す断面図である。
ターボブロアS1は、外部から導入された気体を圧縮して流動させるターボ機械である。ターボブロアS1は、例えばガスレーザー(炭酸ガスレーザー等)で使用される。ガスレーザーで使用されるターボブロアS1は、ガスレーザーの媒体であるレーザーガスを、レーザー発振器に向けて流動させるために用いられる。
ターボブロアS1は、インペラ1と、モータ2(駆動装置)と、回転軸3と、軸受4と、ケーシング5と、グリース供給装置6と、を備えている。なお、図1から図3において、回転軸3の軸線方向を鉛直方向とし、インペラ1が設けられている側を上側とする。
本実施形態における軸受4としては、上側軸受41(軸受)と下側軸受42(軸受)とが用いられている。上側軸受41は、回転軸3の上側の端部、すなわちインペラ1側の端部を支持している。下側軸受42は、回転軸3の下側の端部、すなわちインペラ1と逆側の端部を支持している。本実施形態の上側軸受41及び下側軸受42には、グリースが供給されている。このグリースは、上側軸受41及び下側軸受42の円滑な回転を維持するためのものである。
吸入口51aは、インペラ1に向けて気体が導入される箇所である。ディフューザ51bは、インペラ1を囲んで環状に形成されており、インペラ1が回転することで送り出された気体が導入される流路である。ディフューザ51bに導入された気体は圧縮され、その圧力は上昇する。スクロール室51cは、インペラ1を囲んで環状に形成されており、ディフューザ51bと連通して設けられる流路である。スクロール室51cには不図示の吐出口が設けられており、インペラ1の回転によって送り出された気体はディフューザ51b及びスクロール室51cを介して、この吐出口からケーシング5の外部に供給される。
水冷ジャケット55bは、モータ2を冷却するためのものであって、モータ2を回転軸線周りで囲んで設けられている。
吸引口55cは、モータケーシング55を貫通して形成される開口部であって、モータ2が設置されている内部空間を吸引するための吸引装置(図示せず)が接続される箇所である。吸引装置の吸引により、上側軸受41を介してスクロールケーシング51からモータケーシング55に向かう気体の流れが作り出され、上側軸受41等に供給された潤滑油が揮発してスクロールケーシング51内に流入することを防止することができる。
上側軸受支持部53は、スクロールケーシング51内のインペラ1が設置されている箇所と、モータケーシング55内のモータ2が設置されている箇所との間に設けられている。上側軸受支持部53は、円板状に成形された部材である。上側軸受支持部53のモータケーシング55に対する着脱の方向は、鉛直方向と同一である。上側軸受支持部53の中央部には回転軸3が隙間をあけて貫通しており、上側軸受41も上側軸受支持部53の中央部に設置されている。
下側軸受支持部54は、有底の円筒状に成形された部材であり、その内部には空間54a(グリース貯留部)が形成されている。下側軸受支持部54の上側開口部からは、空間54a内に回転軸3の下側端部が突入して設けられている。また、下側軸受42は、下側軸受支持部54の上側開口部の近傍に設置されている。なお、空間54aは、下側軸受42から排出された排グリースが貯留される貯留部となっている。下側軸受支持部54のベースプレート56に対する着脱の方向は、鉛直方向と同一である。
第1上側流路71は、ケーシング本体52のモータケーシング55に形成されている。第1上側流路71の一方の端部は、モータケーシング55の外部に向かって開口し、他方の端部は、凹部55d内に開口している。
第2上側流路72は、上側軸受支持部53に形成されている。第2上側流路72の一方の端部は、モータケーシング55の凹部55dに向かって開口し、他方の端部は、上側軸受41に接続されている。さらに、第2上側流路72の一方の端部は、第1上側流路71と連通する位置に設けられている。
すなわち、第1上側流路71及び第2上側流路72が形成されていることで、外部から供給されるグリースを上側軸受41に供給できる構成となっている。
第1下側流路81は、ケーシング本体52のベースプレート56に形成されている。第1下側流路81の一方の端部は、ベースプレート56の外部に向かって開口し、他方の端部は、凹部56a内に開口している。
第2下側流路82は、下側軸受支持部54に形成されている。第2下側流路82の一方の端部は、ベースプレート56の凹部56aに向かって開口し、他方の端部は、下側軸受42に接続されている。さらに、第2下側流路82の一方の端部は、第1下側流路81と連通する位置に設けられている。
すなわち、第1下側流路81及び第2下側流路82が形成されていることで、外部から供給されるグリースを下側軸受42に供給できる構成となっている。
例えばターボブロアS1のメンテナンス時においては、ケーシング本体52からスクロールケーシング51を離脱させ、上側軸受支持部53をケーシング本体52に固定している締結ボルト等を取り外すのみで、モジュール部9をケーシング本体52から離脱させることが可能となっている。
よって、上側軸受外周流路72a内のグリースが、複数の貫通孔41aを介して、上側軸受41の内部(外輪と内輪との間)に供給され、転動体(玉)の円滑な転動を維持することが可能となる。
上側軸受41及び下側軸受42にグリースが供給されることで、回転軸3の円滑な回転を維持することが可能となる。
開口部57aの周囲には、上側軸受41から排出された排グリースが貯留される箇所である、貯留部57bが形成されている。貯留部57bは、開口部57aを囲んで環状に設けられている。
グリース受け皿57の周縁部近傍には、板厚方向で貫通する複数の貫通孔57cが形成されている。貫通孔57cは、締結ボルト等により、グリース受け皿57を上側軸受支持部53に着脱自在に設置するために用いられる孔部である。
インペラ1を回転させて気体を圧送するために、モータ2は回転軸3を高速で回転させる(例えば数万rpm)。そのため、上側軸受41及び下側軸受42は高速で回転し、軸受に供給されたグリースは攪拌される。また、インペラ1における流動の損失やモータ2の動作を原因として、熱が生じる。この熱は上側軸受41及び下側軸受42に伝わり、軸受に供給されたグリースの温度は上昇する。
このような回転による攪拌や熱の影響により、グリースが変質・劣化し、基油である潤滑油が枯渇する虞がある。グリースの潤滑油が枯渇すれば、上側軸受41及び下側軸受42の焼き付きが生じる虞がある。
スクロールケーシング51をケーシング本体52から離脱させた状態では、上側軸受支持部53の設置位置や姿勢は、外部から確認できる。また、上側軸受支持部53とケーシング本体52(モータケーシング55)との間の位置合わせのための位置決め部材が用いられる場合もある。そのため、第1上側流路71と第2上側流路72とを互いに連通させることは容易である。一方、下側軸受支持部54は、ケーシング本体52内に配置されるため、外部からその姿勢を確認することが難しい。
本実施形態では、環状流路82bが形成されることで、下側軸受支持部54が上記回転軸線周りで回転しどのような向きになったとしても、第1下側流路81と第2下側流路82との連通を確保できる。よって、第1下側流路81と第2下側流路82とを互いに連通させるための手間を削減することができる。
グリース受け皿57及び空間54aは、いずれも排グリースが貯留される貯留部として用いられる。そのため、排グリースによってケーシング5の内部が汚濁されることを防止できる。また、グリース受け皿57は上側軸受支持部53に設けられ、空間54aは下側軸受支持部54の内部に形成されていることから、ターボブロアS1のメンテナンス時にモジュール部9をケーシング本体52から離脱させて、グリース受け皿57及び空間54aに貯留された排グリースを除去・清掃することができる。
図7は、本実施形態におけるターボブロアS2の概略構成を示す断面図である。なお、図7において、図1に示す第1の実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態におけるグリース供給装置6Aに設けられるシリンジ61は、1つのみである。
このように温度が異なることで、上側軸受41よりも、下側軸受42に供給されるグリースの消費は抑えられ、ターボブロアS2の運転状況(例えば回転軸3の回転数)によっては、最初にグリースを供給するのみで、使用中の下側軸受42に対するグリース供給が不要となる場合がある。
Claims (3)
- 回転することで気体を流動させるインペラと、前記インペラを回転駆動させる駆動装置と、前記駆動装置の回転駆動力を前記インペラに伝達する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、少なくとも前記駆動装置及び前記回転軸を収容するケーシングと、を備えるターボ機械であって、
前記ケーシングには、前記軸受を潤滑するグリースを前記軸受に供給するためのグリース流路が形成されており、
前記ケーシングは、少なくとも前記駆動装置及び前記回転軸を収容するケーシング本体と、前記ケーシング本体に着脱自在に設置されるとともに前記軸受を支持する軸受支持部と、を具備し、
前記ケーシング本体には、前記グリース流路の一部を成す第1流路が形成され、
前記軸受支持部には、前記グリース流路の一部を成す第2流路が形成されるとともに、前記第2流路の一部を成し、前記第1流路に連通して前記回転軸の回転軸線周りに環状に配される環状流路が形成されていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1に記載のターボ機械において、
前記第1流路と前記第2流路とが連通する向きは、前記軸受支持部の着脱方向と同一であることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1又は2に記載のターボ機械において、
前記軸受支持部に設けられるとともに、前記軸受から排出された前記グリースが貯留されるグリース貯留部を備えることを特徴とするターボ機械。
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