JP5026313B2 - 軸受部材及び立型ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプとモータとの間に設けられる軸受部材及び立型ポンプ装置に関し、特にメンテナンス性の向上が可能なものに関する。
現在、建造物への水の給水(揚水)を行なうために、様々なポンプが用いられている。このようなポンプの一つに、ビル等の高い建造物であっても、高揚程まで水を揚水可能とするポンプとして、駆動軸を鉛直方向に設け、インペラが複数(多段に)設けられた所謂、立型(縦型)ポンプ装置が知られている。
このような立型ポンプ装置は、例えば、複数のインペラが収納され、インペラを駆動する駆動軸をその内部に連通させたポンプ部と、このポンプ部の上部に設けられたモータと、モータの回転軸とポンプ部の駆動軸とを軸継手により連続して接続された軸部とを備えている。
このような、インペラを複数有する立型ポンプ装置は、インペラの数が多くなるにつれて、より水を高揚程まで揚水することが可能となる。しかし、高揚程のポンプとするためにインペラの数を増やすと、駆動軸はインペラを固定させる長さが必要であるため、その長さは長くなる。しかし、駆動軸の長さが長くなると、軸部の長さも長くなり、偏心回転等を起こす虞が高くなる。このような駆動軸の偏心回転は、揚水機能等のポンプ機能の低下、振動、騒音、及び、故障等の原因となる。
このため、軸部の継手を単数又は複数の回転軸受(以下「軸受」)により保持することで、偏心回転を防止する軸受部材を有する立型ポンプ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、軸受は、回転する際に軸径方向(ラジアル方向)に支える必要があるため、玉軸受が主として用いられる。このような軸受は、軸受内部の摩擦及び摩耗を低減させ、焼き付きを防止するために、潤滑が必要となる。
潤滑の方法としては、グリースや油等の潤滑剤を軸受のハウジング内に充填することで行なわれるが、運転時間による潤滑剤の劣化、潤滑剤の揮発、飛散等が発生する。特に、軸受を軸受部材により固定する方式のため、軸受部材により潤滑剤を保有することができないと、軸受部材と軸部との間の隙間から潤滑剤が揮発及び飛散してしまう。この潤滑剤の保有機能が悪いと、潤滑剤が枯渇、飛散した潤滑剤により周囲を汚す等の虞もある。また、枯渇した潤滑剤の補充を行なう必要もある。このような、潤滑剤の補充を極力なくすために、グリースを封入して密閉した密封玉軸受も使われている。また、グリースではなく、使用流体の液化ガスで潤滑するものも知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−201983号公報
上述したような軸受部材及び立型ポンプ装置では、次のような問題があった。即ち、継手の軸受に玉軸受を用いた場合、軸部のラジアル方向の荷重(以下「ラジアル荷重」)を受けることは可能となる。しかし、インペラを複数設けた場合、インペラの上下において発生する圧力差から、軸部には、軸心方向に沿った重力方向であるスラスト方向に荷重(以下「スラスト荷重」)が加わる。即ち、軸受には、ラジアル荷重だけではなく、スラスト荷重が加わるため、玉軸受では、軸受を支えることが困難である。
しかし、玉軸受ではなくスラスト荷重をも支えることが可能なアンギュラ玉軸受等を用いた場合、アンギュラ玉軸受では、潤滑剤を密封することが出来ないため、潤滑剤の飛散や漏れ等により潤滑剤の補充が必要となる。このため、やむなくポンプ部にてスラスト荷重を受け、玉軸受を使用する等により対応している。しかし、ポンプ部にてスラスト荷重を受けた場合、ポンプの性能低下の原因、振動及び騒音の発生、及び、各構成品の摩擦・摩耗等の要因が発生する虞があった。
また、液化ガスにより軸受を潤滑する場合、使用流体(ポンプ装置により供給する液体)が液化ガスである場合のみ用いることが可能であった。しかし、使用流体に水を用いる場合に、水により軸受を潤滑することは困難である。
そこで本発明は、モータの回転軸とポンプの駆動軸とを接続させる軸受部材及び軸受部材を有する立型ポンプ装置に関し、特に軸受の潤滑材の保有機能を有するものを提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の軸受部材及び立型ポンプ装置は次のように構成されている。
回転力を伝達する継手と、この継手、又は、前記継手の一部の外周面側を少なくとも覆う継手ケースと、この継手ケースの内部に設けられ、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を回転自在に軸支する軸受と、前記継手と前記継手ケースとの間、且つ、前記軸受を前記継手の軸心方向に挟んで対向する位置にそれぞれ設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする。
その軸心線方向が重力方向に沿った回転軸を有するモータと、一端が前記回転軸に接続され、前記回転軸の回転力を伝達する継手と、前記継手、又は、前記継手の一部の外周面側を少なくとも覆う継手ケースと、この継手ケースの内部に設けられ、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を軸支する軸受と、前記継手と前記継手ケースとの間、且つ、前記軸受を前記継手の軸心方向に挟んで対向する位置にそれぞれ設けられたシール部材と、前記継手の他端と接続し、前記継手の回転により駆動される駆動軸と、この駆動軸に複数接続され、前記駆動軸の駆動に従って回転する複数のインペラを有するポンプ部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、モータの回転軸とポンプの駆動軸との間に設けられた軸受部材及び立軸ポンプであっても、潤滑剤の保有機能を有し、軸部のスラスト荷重を保持することが可能となる。
図1は本発明の一実施の形態に関わる立型ポンプ装置1の一部切欠を示す側面図、図2は同立型ポンプ装置1に用いられるシール部材25bの構成を示す拡大断面図である。なお、図1中Bはボルトを、Fは水の流れを示している。
図1に示すように立型ポンプ装置1は、モータ10と、このモータ10に接続された軸受部材20と、軸受部材20に接続された継手部材40と、この継手部材40に接続されたポンプ50と、を備えている。
また、立型ポンプ装置1は、モータ10に設けられた回転軸11と、回転軸11に接続され、軸受部材20に設けられた第1継手(継手)22と、この第1継手22に接続され、継手部材40に設けられた第2継手41と、第2継手41に接続され、ポンプ50に設けられた駆動軸51と、を備えている。即ち、立型ポンプ装置1は、回転軸11、第1継手22、第2継手41及び駆動軸51が一体に接続された軸部2を有しており、モータ10の回転により軸部2が回転可能に形成されている。
モータ10は、例えば、直流電流により回転可能、且つ、キーを有する回転軸11が設けられたDCモータが用いられる。また、モータ10には、その外ケース12の2箇所に設けられたアイボルト13が取り付けられており、ロープ等を介してホイストクレーン等で吊上げ下げが可能に形成されている。また、モータ10の外ケース12には、熱交換用のフィン14が複数設けられている。外ケース12には、ボルトBが螺合可能な螺子山が形成されたボルト孔15が形成されている。
軸受部材20は、円筒状の軸受ケース21と、この軸受ケース21内に設けられた第1継手22と、この第1継手22を軸支する複数(図1中3つ)の軸受23と、軸受23を軸受ケース21に固定させる蓋体24と、を備えている。また、軸受部材20は、軸受ケース21と蓋体24とにそれぞれ設けられるシール部材25a、25bと、を備えている。
軸受ケース21は、円筒状であって、その内周下方側に、径方向に突出する、即ち、その内径が軸受ケース21の内径よりも一部小径に形成され、シール部材25aが設けられるシール受け部26を有している。また、軸受ケース21は、シール受け部26より上方であって、軸受23の外周側の一部を保持可能な保持部27を有している。さらに軸受ケース21は、内周と外周との差(肉厚部)に設けられ、モータ10及び継手部材40とを連結させるボルトBが貫通する貫通穴28と、を備えている。
第1継手22は、2つの異なる外径を有する大径部29及び小径部30を有する円筒体に形成されており、モータ10側に大径部29が、ポンプ50側に小径部30が配置されるよう、軸受ケース21内に収納されている。
第1継手22は、大径部29側に設けられ、回転軸11をその内部に挿入可能、且つ、少なくとも回転方向に固定可能に形成されたキー溝を有する回転軸挿入孔31を有している。第1継手22は、小径部30側に設けられ、第1継手22の回転を駆動体(ここでは後述する第2継手41及び駆動軸51)に伝達可能な、小径部30よりも小径に形成された伝達部32と、を有している。
大径部29は、その外径が、蓋体24の内径より若干小径に形成されており、蓋体24に設けられるシール部材25bの内径と略同一に形成されている。また、大径部29は、大径部29の下面により軸受23の内周部の一部と当接可能に形成されている。なお、大径部29の外径と蓋体24の内径との差は、用いるシール部材25bによって適宜変更可能である。
小径部30は、軸受23の内周面、及び、シール部材25aの内周面と略同一径に形成され、且つ、シール受け部26よりも若干小径に形成されている。また、小径部30は、小径部30の軸心方向の長さが、複数の軸受23の厚さとシール受け部26の厚さを合わせた距離よりも長く形成されている。なお、小径部30の外径とシール受け部26の内径との差は、用いるシール部材25aによって適宜変更可能、且つ、小径部30の軸心方向の長さは、各構成によって適宜変更可能である。
軸受23は、例えば、アンギュラ玉軸受が用いられる。尚、アンギュラ玉軸受でなくとも、第1継手22からのスラスト方向及びラジアル方向からの荷重を保持可能であれば、他の軸受でもよい。また、軸受23は、軸受ケース21の保持部27により、重力方向に保持されるとともに、蓋体24により、重力方向とは反対方向であるモータ側への移動が規制されている。
また、軸受23は、アンギュラ玉軸受が用いられる場合、内周部と外周部との2つの円筒部との間に、複数のボールが設けられ、且つ、内周部が第1継手22の小径部33に固定(又は当接)され、外周部が軸受ケース21に固定(又は当接)されて配置される。なお、このような配置方法は、例えばJIS規格、各軸受会社の規格、又は、軸受23に適応した配置方法であれば適宜設定可能である。
このような軸受23は、軸受ケース21に配置される際に、摺動部、特に、内周部と外周部との間のボールに潤滑剤が塗布されることとなる。尚、この潤滑剤は、例えば粘性の高いグリース等が用いられる。
蓋体24は、2つの異なる内径により、その肉厚が異なる円環状に形成されている。蓋体24は、内径が大径側(肉厚が薄い側)の端面により、軸受23のモータ側への移動を規制可能に形成されている。また、蓋体24は、内径が小径側(肉厚が厚い側)にシール受け部33を有している。
図2は、Y部の拡大図であり、図2に示すように、シール部材25a、25bは、内径側シール34と外径側シール35とを有するメタル(金属製の)ラビリンスシールにより形成されている。なお、図2では、Y部の拡大であるため、シール部材25bを示しているが、シール部材25aとシール部材25bとは、同一形状のものを用いており、取り付け部により適宜径が異なるものを使えばよい。また、シール部材25a、25bを形成するメタル材料は、焼き付きや噛みつきが発生しない材料であればよい。
内径側シール34と外径側シール35とは、対向位置に組み合う側面側がそれぞれ鋸刃状に形成されている。即ち、シール部材25a、25bは、内径側シール34と外径側シール35との鋸刃状の側面により密封性を有しており、内径側シール34と外径側シール35とが別々に回転可能に形成されている。また、シール部材25a、25bは、内径側シール34と外径側シール35との隙間から流体(ここでは、潤滑剤)が外部への移動を極力防止可能(密封可能)に形成されている。
即ち、シール部材25a、25bは、軸受23を第1継手22の軸心方向の間に挟んで対向する位置に形成された蓋体24及びシール受け部26にそれぞれ設けられることで、軸受ケース21内側と第1継手22とにより形成される空間を密閉可能に形成されている。
継手部材40は、第2継手41と、この第2継手41をその内部に収納する継手ケース42と、を備えている。
第2継手41は、例えば、ボルト等により一対の半円筒部材を一体に結合することで円筒状に組立可能に形成されている。また、第2継手41は、円筒状に組立てることで、伝達部32及び駆動軸51を固定可能に形成されている。なお、ここで、第2継手41による伝達部32及び駆動軸51の固定方法は、例えば、伝達部32にキーを設け第2継手41の一方にキー溝を、第2継手41の一方及び駆動軸51にそれぞれ孔部を設けてピン45により固定する方法を用いればよい。なお、第2継手41と伝達部32及び駆動軸51の固定方法は適宜設定可能である。
継手ケース42は、モータ10に軸受ケース21を介してボルトBにより固定可能なボルト孔43と、後述するポンプ部52とボルトBにより固定可能なボルト穴44と、を備えている。また、継手ケース42は、駆動軸51が貫通するとともに、継手ケース42と駆動軸51との間には、駆動軸51が回転摺動可能なメカニカルシールが設けられている。
ポンプ50は、駆動軸51と、積層された複数のポンプ部52と、最下段のポンプ部52に接続され、吸込口54及び吐出口55を形成する流路カバー53と、ポンプ部52の外周を覆うように形成され、ポンプ部52の最上段から吐出口55まで流路を形成する吐出流路部56とを備えている。なお、流路カバー53の吸込口54は、ポンプ部52への流路を形成しており、吐出口55は、最下段のポンプ部52とは、流路が遮断されている。
ポンプ部52は、駆動軸51に固定された複数のインペラ57と、インペラ57をそれぞれ覆う複数のポンプカバー58と、インペラ57及びポンプカバー58の間に設けられたライナリング59と、駆動軸51及びポンプカバー58の間に設けられた駆動軸受60とを備えている。
インペラ57は、例えばステンレスや樹脂等で形成され、インペラ57の外周側に吐出部を、インペラ57の一方の主面側(図中、下面側)に吸込部を備えている。
ポンプカバー58は、椀状に形成され、内部がインペラ57を収納する収納部と、収納部の中心側からポンプカバー58の外周方向へ形成された流水路(水の流れF)を備えている。なお、この流水路は、ポンプカバー58を接続させた際に、他のポンプカバー58の収納部と連続する水の流れFを形成する。
また、ポンプカバー58は、上下に隣り合うポンプカバー58、継手ケース42及び流路カバー53をそれぞれ積層し、接続可能に形成され、継手ケース42と流路カバー53とをボルト等により締結することで固定可能に形成されている。ポンプカバー58、継手ケース42及び流路カバー53間は、Oリング等のシール部材により内部の水が漏水しないよう密閉(密封)されている。
また、ポンプカバー58は、インペラ57と所定の隙間により離間する貫通口と、駆動軸51及び駆動軸受60が設けられる貫通孔とを備えており、貫通口の内周縁部には、ライナリング59が設けられる。
このように構成された立型ポンプ装置1では、モータ10により回転軸11が回転すると、回転軸11から、第1継手22及び第2継手41を介して駆動軸51も回転(駆動)することとなる。駆動軸51が駆動することで、駆動軸51に固定されているインペラ57も追従して回転する。このような軸部2の回転により、インペラ57の吸込部から水が吸込まれ、増圧されるとともに、インペラ57の吐出部から水が吐出される。このように、インペラ57の吸込部から吸い込まれた水は、インペラ57内部を介することで、順次インペラ57内を通過し、水の流れFに示すように揚水されることとなる。
このとき、インペラ57により水が増圧されるため、最下段のポンプ部52と最上段のポンプ部52とでは、その圧力に差が発生する。即ち、吸込口54から吸い込まれた水は、最下段のポンプ部52により増圧されて2段目のポンプ部52へと移動する。次に、この増圧された水が、2段目のポンプ部52によりさらに増圧され、次のポンプ部52へと移動する。このように、水は、増圧が繰り返されながら次のポンプ部52への移動を繰返し、最上段のポンプ部52で増圧された水が、吐出流路部56を介して吐出口55へと移動する。
このため、最下段のポンプ部52より最上段のポンプ部52が、その内部の水の圧力は高く、各ポンプ部52で圧力差が発生し、各インペラ57には、重力方向(最上段から最下段のポンプ部52へと向う方向)に荷重(水圧)が加わることとなる。また、インペラ57が駆動軸51にそれぞれ固定されているため、駆動軸51には、インペラ57に加わった荷重が駆動軸51の軸心方向に沿って加わることとなる。
ここで、駆動軸51は、軸部2として、回転軸11、第1継手22及び第2継手41と連続して接続されているため、駆動軸51に加わる重力方向の荷重は、軸部2全体に加わることになる。即ち、インペラ57の重力方向の荷重は、駆動軸51及び第2継手41を介して第1継手22及び回転軸11に加わる(インペラ57により軸心方向に引っ張られる)ことになる。
このため、第1継手22の、重力方向(軸心方向に沿ってポンプ50側)に移動しようとする荷重(スラスト荷重)が、第1継手22の大径部29の下面により、軸受23に印加されることとなる。
軸受23は、ラジカル荷重及びスラスト荷重のいずれも保持可能なアンギュラ玉軸受を用いることで、軸部2の回転を阻害することなく、スラスト荷重を軸受23で保持することとなる。即ち、回転軸11の回転は、ラジアル荷重及びスラスト荷重を軸受23で保持することで、荷重による損失を極力低減させて、インペラ57に伝達することになる。
このように、モータ10により軸部2を介してインペラ57を回転させると、軸部2は、スラスト荷重と軸部2の回転によるラジアル荷重とを軸受23で保持されながら、回転運動することとなる。
軸受23は、軸部2の回転により、回転摺動による摩擦や、回転摺動による発熱が発生し、軸受23に設けられた潤滑剤が飛散及び蒸発することとなる。
このとき、軸受23は、軸受部材20の内部空間に設けられており、さらに、軸受部材20の内部空間は、シール部材25a、25bにより略密閉状態に保持されている。このため、軸受23から飛散及び蒸発した潤滑剤は、軸受部材20の外部にほとんど移動することなく、飛散及び蒸発した潤滑剤は、軸受23や、他箇所への再付着や、軸受部材20の内部空間に気化した状態で浮遊することとなる。また、潤滑材は、外部の気体に直接触れる(暴露する)ことも極力防止することとなる。
このように立型ポンプ装置1によれば、軸受23にアンギュラ玉軸受を用いることで、ラジカル荷重及びスラスト荷重のいずれも保持することが可能となり、スラスト荷重が要因の各部干渉による軸部2の回転効率の低下を防止することが可能となる。
また、軸受23にアンギュラ玉軸受を用いた場合に発生する、アンギュラ玉軸受からの潤滑剤の飛散及び蒸発は、シール部材25a、25bにより、軸受部材20から外部へと潤滑剤の移動を規制することで、潤滑剤の枯渇や劣化を防止することが可能となる。即ち、軸受部材20は、シール部材25a、25bにより、軸受23の潤滑剤の保有機能を有することとなり、潤滑剤の再充填を極力少なくすることが可能となる。また、シール部材25a、25bにより、潤滑剤が外部の気体に直接触れることを極力防止することが可能となり、潤滑剤の酸化等による劣化を防止する。
シール部材25a、25bは、軸受23の上下に設けることで、潤滑剤の外部への漏洩を防止することが可能となるため、軸受部材20から外部へと潤滑剤を飛散や漏洩させることがない。このため、軸受部材20の周囲を汚濁させることもない。特に、このような立型ポンプ装置1は、水に用いることが多いため、シール部材25a、25bにより、潤滑剤の漏洩による水の汚濁を防止することが可能となる。
また、シール部材25a、25bにより、軸受23及び潤滑剤へのゴミや埃等のコンタミの混入を防止することが可能となる。さらに、立型ポンプ装置1を外気に晒して使用する際の、天候(風)やポンプ50やメカニカルシールの破損による漏水等により、軸受部材20へ水等の浸入を防止することが可能となる。
特に、軸受23に水が付着すると、軸受23に腐食や錆が発生し、耐荷重の低下や回転抵抗の増大等が発生し、立型ポンプ装置1の性能の低下となる虞がある。このように、シール部材25a、25bを設けることで、立型ポンプ装置1の信頼性の低下を防止し、立型ポンプ装置1の汎用性も向上することとなる。
さらに、シール部材25a、25bに、金属製のラビリンスシールを用い、さらにシール部材25a、25bを軸受23を挟んで上下に設けることで、第1継手22の回転に対して、軸受23だけではなく、金属製のラビリンスシールも第1継手22の回転摺動を受けることとなる。特に、第1継手22の長さが長い場合には、その上下において、回転のブレが発生することとなる。しかし、シール部材25a、25bに金属製のラビリンスシールを用いることで、ブレを低減させることが可能となり、ブレによる騒音及び回転損失をも低減することが可能となる。即ち、立型ポンプ装置1の運転効率を向上させることとなる。
なお、軸受23及びシール部材25a、25bは、軸受ケース21、モータ10及び継手部材40により周囲を囲まれているため、回転摺動により発生する騒音の低減の効果も有する。
軸受部材20は、ボルトBによりモータ10と継手部材40との間に固定可能とし、さらに、回転軸11及び第2継手41をキーやピン45等により固定するだけでよく、軸受部材20の交換が容易となる。
詳しく述べると、軸受23の寿命は、ある一定期間が定められており、寿命を超えると、騒音・振動の増加、摩耗による精度低下、転がり面の疲労剥離及び潤滑剤の劣化等が発生する。このため、一定期間後、軸受23の交換(メンテナンス)が必要となる。ここで、軸受23だけではなく、シール部材25a、25bや第1継手22等でも摺動により摩耗等が発生するため、これらいずれかの寿命時には、軸受部材20をアセンブリ(部品組立品)として、軸受部材20全体を交換することが主として行なわれる。
この際、軸受部材20全体の交換は、軸受ケース21のボルトB、ピン45、及び、キー等の最低限の着脱だけで交換が可能であり、作業性が良く、軸受部材20の交換作業時間の短縮とすることができる。また、交換作業を最小限で行えばよいため、交換作業時の作業ミス等をも防止することが可能となる。
尚、軸受部材20を一式交換するのではなく、軸受23だけを交換する場合であっても、軸受部材20を立型ポンプ装置1から外し、蓋体24を固定しているボルトBを外し、蓋体24と第1継手22を外すだけで軸受23の交換が可能である。このように、軸受23だけの交換であっても、容易に軸受23の交換が可能であり、作業性、即ち、メンテナンス性のよい軸受部材20に構成されている。
上述したように、本実施の形態に係る立型ポンプ装置1によれば、軸受部材20により、軸受23の潤滑剤の漏洩及び劣化を防止し、潤滑剤の保有機能を有することとなる。これにより、軸受23の寿命を向上させることが可能となる。また、軸受部材20をボルトBによりモータ10及び継手部材40に一体に固定可能とすることで、軸受部材20の着脱を容易となる。また、軸受23を蓋体24と第1継手22で固定させる構成とすることで、メンテナンス性の向上が可能となる。
さらに、軸受部材20に設けられた軸受23及びシール部材25a、25bにより、第1継手23の回転摺動又は各荷重による損失を低減することが可能となり、立型ポンプ装置1の運転効率を向上させ、騒音を低減することが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述したシール部材25a、25bは、断面が鋸刃状のラビリンスシールとしたが、鋸刃状でなくともよく、例えば方形状の歯のラビリンスシールでもよく、この他の形状でもよい。また、上述した軸受23を複数設けるとしたが、これは、軸部2に係る荷重によっては、単数でも良く、その数は適宜設定可能である。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
本発明の一実施の形態に係る立型ポンプ装置の一部切欠を示す側面図。 同立型ポンプ装置のシール部材の構成を示す拡大断面図。
符号の説明
1…立型ポンプ装置、2…軸部、10…モータ、11…回転軸、12…外ケース、13…アイボルト、14…フィン、15…ボルト孔、20…軸受部材、21…軸受ケース、22…第1継手(継手)、23…軸受、24…蓋体、25a,25b…シール部材、27…保持部、28…貫通穴、29…大径部、30…小径部、31…回転軸挿入孔、32…伝達部、33…小径部、34…内径側シール、35…外径側シール、40…継手部材、41…第2継手、42…継手ケース、43…ボルト孔、44…ボルト穴、45…ピン、50…ポンプ、51…駆動軸、52…ポンプ部、53…流路カバー、54…吸込口、55…吐出口、56…吐出流路部、57…インペラ、58…ポンプカバー、59…ライナリング、60…駆動軸受、B…ボルト、F…水の流れ。

Claims (6)

  1. 回転力を伝達する継手と、
    この継手、又は、前記継手の一部の外周面側を少なくとも覆う継手ケースと、
    この継手ケースの内部に設けられ、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を回転自在に軸支する軸受と、
    前記継手と前記継手ケースとの間、且つ、前記軸受を前記継手の軸心方向に挟んで対向する位置にそれぞれ設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする軸受部材。
  2. 前記シール部材は、金属材料により形成されたラビリンスシールであることを特徴とする請求項1に記載の軸受部材。
  3. 前記軸受は、アンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項1に記載の軸受部材。
  4. その軸心線方向が重力方向に沿った回転軸を有するモータと、
    一端が前記回転軸に接続され、前記回転軸の回転力を他端へ伝達する継手と、
    前記継手、又は、前記継手の一部の外周面側を少なくとも覆う継手ケースと、
    この継手ケースの内部に設けられ、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を軸支する軸受と、
    前記継手と前記継手ケースとの間、且つ、前記軸受を前記継手の軸心方向に挟んで対向する位置にそれぞれ設けられたシール部材と、
    前記継手の他端と接続され、前記継手の回転により駆動される駆動軸と、
    この駆動軸に複数接続され、前記駆動軸の駆動に従って回転する複数のインペラを有するポンプ部と、を備えることを特徴とする立型ポンプ装置。
  5. 前記シール部材は、金属材料により形成されたラビリンスシールであることを特徴とする請求項4に記載の立型ポンプ装置。
  6. 前記軸受は、アンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項4に記載の立型ポンプ装置。
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