JP2016108951A - ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能なポンプ装置を提供すること。【解決手段】ポンプ装置1に用いられる軸受装置12は、円筒状の軸受ケーシング31と、軸受ケーシング31内に設けられ、回転力を伝達する継手32と、継手ケーシング31の内部に設けられ、内輪33a、外輪33b並びに内輪33a及び外輪33bの間に設けられた転動体33cを有し、継手32のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、継手32を回転自在に軸支する軸受33と、軸受33の外輪33bと当接するとともに、内輪33a及び外輪33bの間と対向する軸受押さえ35と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、軸受けの移動を規制するポンプ装置に関する。
現在、建造物内の供給先へ給水するために、ポンプ装置を用いる技術が知られている。このようなポンプ装置は、例えば、主軸に固定された複数のインペラがポンプケーシング内に配置され、モータの回転軸に主軸が接続され、モータにより主軸が駆動されることで、水が揚水される。また、このようなポンプ装置として、主軸を鉛直方向に設け、インペラが複数設けられた所謂縦型(立型)と呼ばれるポンプ装置や、インペラが複数設けられた多段ポンプ装置が知られている。
インペラを複数有するポンプ装置は、インペラの数を複数設けることで、水を高揚程まで揚水することが可能となる。しかし、高揚程のポンプとするためにインペラの数を増やすと、主軸は複数のインペラを固定させる必要があることから、インペラの数に応じて主軸の長さが長くなる。しかし、主軸の長さが長くなると、偏心回転等を起こす虞が高くなる。このような主軸の偏心回転は、揚水機能等のポンプ機能の低下、振動、騒音、及び、故障等の原因となる。
このため、モータの回転軸とポンプの主軸を接続する継手を単数又は複数の軸受により保持することで、偏心回転を防止する軸受装置を有するポンプ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、軸受は、回転する際に軸径方向(ラジアル方向)に支える必要があるため、玉軸受が主として用いられる。このような軸受は、軸受内部の摩擦及び摩耗を低減させ、焼き付きを防止するために、潤滑が必要となる。
潤滑は、グリース等の潤滑剤を軸受のハウジング内に充填することで行なわれるが、運転時間による潤滑剤の劣化、潤滑剤の揮発及び飛散等が発生する。特に、軸受を軸受装置により固定する方式のため、軸受装置内に潤滑剤を保持することができないと、軸受装置と軸部との間の隙間から潤滑剤が飛散等する。このため、軸受の潤滑剤が枯渇する虞や、飛散した潤滑剤により周囲を汚染する虞もある。また、軸受の潤滑剤が枯渇すると、焼き付け等を起こす虞があることから、潤滑剤の補充を頻繁に行なう必要がある。
そこで、潤滑剤の飛散防止用のリング状の遮蔽板が用いられる技術や、気体軸受けを用いてシールするスピンドルシール装置を用いる技術(例えば、特許文献1参照)も知られている。
上述したようなポンプ装置では、次のような問題があった。即ち、軸受の潤滑剤の飛散を防止する遮蔽板やスピンドルシール装置は高価であり、ポンプ装置の製造コストが増加する、という問題がある。
また、高揚程まで揚水が可能にインペラを複数設けると、インペラの一次側と二次側において圧力差が発生し、軸受には、主軸の軸方向であるスラスト方向にスラスト荷重が印加される。このため、軸受が軸受装置から抜けないように、軸受を固定する必要がある。しかし、遮蔽板は軸受のスラスト荷重を支持可能な強度を有していないことから、軸受を押さえる別部品が必要となる。また、軸受の潤滑剤の飛散等を防止するために、遮蔽板を軸受の両主面側に設ける構成や、遮蔽板と軸受を押さえる部品を別の構成とすると、部品点数が増加することから、製造コストが増加する。
そこで、本発明は、軸受のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能なポンプ装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のポンプ装置は次のように構成されている。
本発明の一態様として、ポンプ装置は、回転軸を備えるモータと、主軸、前記主軸に接続されるインペラ及び前記インペラを収納するポンプケーシングを備えるポンプと、円筒状の軸受ケーシング、前記軸受ケーシング内に設けられ、前記回転軸及び前記主軸を接続する継手、前記継手ケーシングの内部に設けられ、内輪、外輪及び前記内輪及び前記外輪の間に設けられた転動体を有し、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を回転自在に軸支する軸受、並びに、前記軸受の前記モータ側に配置される前記外輪の主面と当接するとともに、前記内輪及び前記外輪の間と対向する軸受押さえを備える軸受装置と、を備える。
本発明によれば、軸受のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能なポンプ装置を提供することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置1の構成を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置1の構成を示す断面図、図2はポンプ装置1に用いられる軸受装置12の構成を示す断面図、図3は軸受装置12に用いられる軸受押さえ35の構成を示す平面図、図4は軸受押さえ35の構成を示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置1の構成を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置1の構成を示す断面図、図2はポンプ装置1に用いられる軸受装置12の構成を示す断面図、図3は軸受装置12に用いられる軸受押さえ35の構成を示す平面図、図4は軸受押さえ35の構成を示す断面図である。
図1に示すように、ポンプ装置1は、モータ11と、このモータ11に接続された軸受装置12と、軸受装置12に接続された継手部材13と、この継手部材13に接続されたポンプ14と、を備えている。
ポンプ装置1は、モータ11に設けられた回転軸22と、回転軸22に接続され、軸受装置12に設けられた第1継手(継手)32と、この第1継手32に接続され、継手部材13に設けられた第2継手41と、第2継手41に接続され、ポンプ14に設けられた主軸51と、を備えている。即ち、ポンプ装置1は、回転軸22、第1継手32、第2継手41及び主軸51が一体に接続された軸部2を有しており、モータ11の駆動により軸部2が回転可能に形成されている。
このようなポンプ装置1は、例えば、軸部2が重力方向に沿うように設置して用いられる、所謂縦型多段ポンプである。
モータ11は、例えば、直流電流により駆動されるDCモータが用いられる。モータ11は、モータケーシング21と、モータケーシング21内に設けられた固定子と、固定子により回転させられる回転子と、回転子に接続され、キー22aを有する回転軸22と、を備えている。
また、モータ11は、モータケーシング21の2箇所に設けられ、ロープ等を介してクレーン等で吊上げ下げが可能に形成されたアイボルト23を備えている。モータケーシング21は、熱交換用のフィン24が複数設けられている。
軸受装置12は、円筒状の軸受ケーシング31と、この軸受ケーシング31内に設けられた第1継手32と、この第1継手32を軸支する複数の軸受33と、軸受33のポンプ14側の端面に設けられた遮蔽板34と、軸受33を軸受ケーシング31に固定する軸受押さえ35と、軸受ケーシング31及び第1継手32の間を密封するシール部材36と、を備えている。
軸受ケーシング31は、異なる内径を有する円筒状に形成される。軸受ケーシング31の内周面には、モータ11側から、軸受押さえ35を取りつける第1取付部31aと、軸受33を取りつける第2取付部31bと、シール部材36を取りつける第3取付部31cが順次形成されている。
第1取付部31aは、軸受ケーシング31に設けられた円柱状の開口である。第1取付部31aの内径は、第2取付部31bの内径よりも大径に形成されている。第1取付部31aは、第2取付部31bに隣接する端面31dに雌ねじ部31eが形成されている。第1取付部31aは、端面31dに軸受押さえ35を配置し、ボルト等の締結部材31fを雌ねじ部31eに締結することで、軸受押さえ35を固定可能に形成されている。
第2取付部31bは、複数の軸受33を嵌合可能に形成された円柱状の開口である。第2取付部31bの内径は、第3取付部31cの内径よりも大径に形成されている。第2取付部31bの内径は、軸受33が嵌合可能に、軸受33の外径と同一に形成されている。
第2取付部31bの第3取付部31cに隣接する端面31gは、軸受の外径よりも小径の開口を有する環状に形成されている。第2取付部31bは、当該端面31gから第1取付部31aの端面31dまでの軸方向の長さが、複数の軸受33の軸方向の長さ及び遮蔽板34の軸方向の長さの和と同一長さに形成されている。第2取付部31bは、複数の軸受33を嵌合後、第1取付部31aに軸受押さえ35を固定することで、軸受33を取り付け可能に形成されている。
第3取付部31cは、第1継手32を挿入可能な内径で開口する。第3取付部31cは、第1継手32と当接するシール部材36を嵌合可能に、当該開口の一方の端面にシール部材36の外径と同一径又は若干小径のシール溝を有している。第3取付部31cは、シール溝から第2取付部31bまでの間に、空間を形成する。
第1継手32は、一方が閉塞する有底円筒状に形成されている。具体的には、第1継手32は、回転軸22と接続される継手部32aと、継手部32aの端面に一体に設けられた軸体32bと、を備えている。第1継手32は、継手部32aがモータ11側に配置される。
継手部32aは、3つの異なる外径で順次縮径するように形成された大径部32c、中径部32d及び小径部32eを有する。継手部32aは、大径部32c側の端面の中心に、回転軸22を挿入可能、且つ、回転軸22のキー22aと係合可能な挿入孔32fを有する。継手部32aは、モータ11の回転を軸体32bに伝達する。
大径部32cの外径は、軸受33の内径よりも大径に形成されている。より具体的には、大径部32cの外径は、軸受33の後述する内輪33aの内径よりも大径であって、内輪33aの外径よりも小径に形成されている。
中径部32dの外径は、軸受33を嵌合可能に、軸受33の内径と同一径に形成されている。換言すると、中径部32dの外径は、軸受33の内輪33aの内径と同一径に形成されている。また、中径部32dは、その外周面にイモネジやホーローセット等の締結部材32gにより固定される支持リング32hを備えている。
支持リング32hは、内径が中径部32dと同一径であって、且つ、外径が軸受33の内輪33aの外径よりも小径に形成されている。支持リング32hは、第3取付部31cに形成される空間に配置される。
小径部32eは、その外周面を第3取付部31cに設けられたシール部材36が摺動可能な外径に形成されている。
軸体32bは、継手部32aの小径部32eよりも小径に形成され、第2継手41に接続される。
軸体32bは、継手部32aの小径部32eよりも小径に形成され、第2継手41に接続される。
軸受33は、第1継手32のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、第1継手32を回転自在に軸支可能に形成されている。軸受33は、所謂ボールベアリングである。軸受33は、内輪33aと、内輪33aと対向して配置される外輪33bと、内輪33a及び外輪33bの間に設けられた複数の転動体33cと、を備えている。軸受33は、軸受33の内輪33a及び外輪33bの間に、潤滑剤として例えば、グリースが充填される。
内輪33aは、継手部32aの中径部32dに嵌合される。外輪33bは、第2取付部31bに嵌合される。転動体33cは、金属製のボールである。複数の転動体33cは、例えば、内輪33a及び外輪33bの間に設けられる保持器により支持される。
遮蔽板34は、略円環板状に形成されている。遮蔽板34は、その外径が第2取付部31bの内径と略同一径に形成されるとともに、その内径が軸受33の内輪33aの外径と略同一径に形成される。遮蔽板34は、第2取付部31bの端面31gと軸受33の外輪33bの端面との間に配置される。遮蔽板34は、軸受33内の潤滑剤の移動を遮蔽可能に形成されている。
図3及び図4に示すように、軸受押さえ35は、異なる二つの内径を有する円環板状に形成されている。具体的には、軸受押さえ35は、中心に形成された開口部35aと、一方の主面であって、開口部35aの周囲に設けられた凹部35bと、開口部35aの周囲に等間隔で配置された締結部材31fを挿入可能な複数の挿入孔35cと、開口部35aの周囲に例えば2つ設けられた雌ねじ部35dと、その外周面の一部に設けられた切欠部35eと、を備えている。
軸受押さえ35の外径は、軸受押さえ35を第1取付部31aに挿入可能に、第1取付部31aの内径と同一径又は若干小径に形成されている。軸受押さえ35は、凹部35bよりも径方向で外方側の主面が、第1取付部31aの端面31d及び軸受33の外輪33bの端面と当接する。軸受押さえ35は、例えば、金属材料により形成され、凹部35bよりも径方向側の厚みが軸受33により加わるスラスト荷重を支持することが可能な強度を有する厚みに形成される。
開口部35aの内径は、第1継手32の大径部32cの外径と略同一径、より具体的には、大径部32cと若干の隙間を形成可能に、大径部32cの外径よりも若干大径に形成されている。
凹部35bは、軸受33と対向する軸受押さえ35の主面に設けられる。凹部35bの内径は、対向する軸受33の外輪33bの内径と同一径又は若干小径に形成されている。凹部35bは、内輪33aと外輪33bとの間の空間と対向することで、潤滑剤、例えばグリースを封入する空間を形成する、所謂グリースポケット等のポケットである。
挿入孔35cは、第1取付部31aの端面31dの雌ねじ部31eと対向して配置され、軸受押さえ35を第1取付部31aに取りつける締結部材31fを挿入可能に形成されている。
雌ねじ部35dは、締結部材を螺合可能に形成されている。雌ねじ部35dに螺合した締結部材を作業者が把持し、第1取付部31aから離間する方向に操作することで、第1取付部31aから軸受押さえ35を取り外すことが可能となる。
切欠部35eは、軸受押さえ35の外周面の対称位置に設けられた、例えば半円状の凹部である。切欠部35eは、第1取付部31aの内周面から離間することで空間を形成する。切欠部35eは、ドライバーや棒状部材等の治具を挿入することで、当該治具により第1取付部31aに配置された軸受押さえ35を取り外すことが可能となる。
シール部材36は、例えば、軸受ケーシング31の第3取付部31c及び継手部32aの小径部32e間を密封可能なオイルシールである。
継手部材13は、第2継手41と、この第2継手41をその内部に収納する継手ケーシング42と、を備えている。継手部材13は、第1継手32及び主軸51を接続可能に形成されている。
第2継手41は、例えば、ボルト等により一対の半円筒部材を一体に結合することで円筒状に組立可能に形成されている。また、第2継手41は、円筒状に組立てることで、軸体32b及び主軸51を固定可能に形成されている。
第2継手41による軸体32b及び主軸51の固定方法は、例えば、軸体32bにキーを設け第2継手41の一方にキー溝を設けるとともに、第2継手41の他方及び主軸51にそれぞれ孔部を設けてピン41aにより固定する方法が用いられる。なお、第2継手41と軸体32b及び主軸51との固定方法は適宜設定可能である。
継手ケーシング42は、モータ11に軸受ケーシング31を介して接続されるとともに、ポンプ14の後述するポンプケーシング52bに接続される。また、継手ケーシング42には、主軸51が貫通して配置される。継手ケーシング42は、継手ケーシング42と主軸51との間に、主軸51が回転摺動可能、且つ、継手ケーシング42及び主軸51の間の隙間を密封するメカニカルシール43を備えている。
ポンプ14は、主軸51と、積層された複数のポンプ部52と、最下段のポンプ部52に接続され、吸込口53a及び吐出口53bを形成する流路カバー53と、ポンプ部52の外周を覆うように形成され、最上段のポンプ部52から吐出口53bまで流路を形成する吐出流路部54と、を備えている。なお、流路カバー53の吸込口53aは、ポンプ部52への流路を形成する。流路カバー53の吐出口53bは、最下段のポンプ部52と流路が遮断されている。
主軸51は、第1継手32及び第2継手41を介してモータ11の回転軸22に接続される。
ポンプ部52は、主軸51に固定されたインペラ52aと、インペラ52aをそれぞれ覆うポンプケーシング52bと、を備えている。ポンプ部52は、インペラ52a及びポンプケーシング52bの間に設けられたライナリングと、主軸51及びポンプケーシング52bの間に設けられた主軸受と、を備えている。
インペラ52aは、例えばステンレスや樹脂等で形成される。インペラ52aは、インペラ52aの外周側に設けられた吐出部と、インペラ52aの一方の主面側に設けられた吸込部と、を備えている。
ポンプケーシング52bは、椀状に形成され、内部にインペラ52aを収納する収納部と、収納部の中心側からポンプケーシング52bの外周方向へ形成された流水路と、を備えている。なお、この流水路は、ポンプケーシング52bを接続させた際に、他のポンプケーシング52bの収納部と連続する水の流れを形成する。
また、ポンプケーシング52bは、上下に隣り合うポンプケーシング52b、継手ケーシング42及び流路カバー53と接続可能に形成されている。これらポンプケーシング52b、継手ケーシング42及び流路カバー53は、ボルト等の締結部材55により一体に固定される。ポンプケーシング52b、継手ケーシング42及び流路カバー53間は、Oリング等のシール部材により内部の水が漏水しないよう密閉(密封)されている。
また、ポンプケーシング52bは、インペラ52aと所定の隙間により離間する開口と、主軸51及び主軸受が配置される開口とを備えており、インペラ52aと対向する開口の内周縁部には、ライナリングが設けられる。
このように構成されたポンプ装置1では、モータ11の駆動により回転軸22が回転すると、回転軸22から、第1継手32及び第2継手41を介して主軸51が回転する。主軸51が回転することで、主軸51に固定されているインペラ52aが追従して回転する。インペラ52aが回転することで、インペラ52aの吸込部から水が吸込まれ、インペラ52a内で吸い込まれた水が増圧してインペラ52aの吐出部から水が吐出される。このように、インペラ52aの吸込部から吸い込まれた水は、インペラ52a内部及びポンプケーシング52bを介して、順次インペラ52a内を通過し、吸込口53aから吐出口53bへと水が揚水される。
このとき、各インペラ52aにより順次水が増圧されるため、各ポンプ部52間に圧力差が生じ、主軸51から、第2継手41及び第1継手32を介して、軸受33にスラスト荷重が加わる。
しかし、軸受押さえ35を第1取付部31aに固定し、軸受押さえ35が軸受33の外輪33bと当接することで、軸受33の外輪33bは軸受押さえ35によって第2取付部31bに固定される。結果、軸受33の外輪33bは、第2取付部31bの端面31g及び軸受押さえ35に保持される。また、軸受33の内輪33aは、第1継手32の中径部32dに嵌合され、それら内輪33aは、大径部32c及び支持リング32hに保持される。
これらのことから、第1継手32から内輪33a及び転動体33cを介して外輪33bに伝達されたスラスト荷重は、軸受押さえ35で保持される。結果、軸部2を介して軸受33に印加されたスラスト荷重による外輪33bの脱落を防止できる。このように、ポンプ装置1は、ポンプ14の駆動により軸部2に発生するスラスト荷重を軸受装置12で受けた状態で、軸部2を軸受装置12で軸支し、水を揚水する。
このように構成されたポンプ装置1によれば、軸受装置12は、ポンプ装置1駆動時に、軸受33の外輪33bに加わるスラスト荷重を支持可能な強度の軸受押さえ35を軸受ケーシング31に設けることにより、軸受33を軸受ケーシング31に固定することが可能となる。
また、軸受押さえ35は、軸受33の外輪33bよりも小径となる部位に凹部35bを有するとともに、中心の開口部35aの内径を第1継手32の大径部32cと微小な隙間を形成する径に形成する構成である。
このため、軸受押さえ35は、軸受33の内輪33aの回転並びに転動体33cの回転及び移動による潤滑剤であるグリースの飛散を防止する。また、軸受押さえ35は、当該グリースを保持する空間である、所謂グリースポケットを構成する。結果、軸受押さえ35は、凹部35bにより軸受装置12内に設けられるグリースを保持する空間の容積を増加させることが可能となり、また、グリースの飛散を防止することで、グリース(潤滑剤)の補充回数を極力低減することが可能となる。
さらに、軸受押さえ35の開口部35aと大径部32cとの間が微小な隙間であることから、軸受ケーシング31、第1継手32及び軸受押さえ35により形成される軸受33及び潤滑剤の空間が実質的に密封されることから、内輪33a及び転動体33cの回転及び移動により潤滑剤が蒸発して減少することを極力防止できる。
また、軸受押さえ35は、雌ねじ部35d及び切欠部35eを設けることで、ポンプ装置1のメンテナンス時に、雌ねじ部35dに螺合させた締結部材や切欠部35eに挿入する棒状部材等の治具によって、軸受ケーシング31に対する軸受押さえ35の着脱が可能となる。
さらに言えば、例えば、軸受ケーシング31及び軸受押さえ35の間の隙間に、グリース等の潤滑剤が介在すると、当該潤滑剤の粘性や表面張力によって、軸受ケーシング31に軸受押さえ35が強固に接着されることもある。しかし、このような場合には、雌ねじ部35dに締結部材を螺合させることで、当該締結部材を作業者が把持して軸受押さえ35を移動させることができる。また、締結部材が軸受ケーシング31の端面31dに当接した後に、さらに締結部材を螺合させることで、軸受押さえ35が軸受ケーシング31から離間させることが可能となり、容易に軸受押さえ35を取り外すことができる。
また、雄螺子部35dに螺合させる締結部材がない場合には、切欠部35eにドライバーや棒状の治工具を挿入して傾斜させることで、軸受押さえ35を第1取付部31aの端面31gから浮かせることも可能となる。
また、軸受押さえ35は、外面に露出する面から軸受ケーシング31に締結部材31fにより固定する構成であることから、同様に、軸受ケーシング31に対する軸受押さえ35の着脱が容易に可能となる。
しかも、軸受押さえ35は、開口部35a及び凹部35bを有する円環板状であればよく、製造コストを増大させることもない。このため、ポンプ装置1の製造コストの増大を防止することが可能となる。
上述したように、本発明の第1の実施形態に係る軸受押さえ35を用いたポンプ装置1によれば、軸受33のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能となる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1Aの構成を、図5を用いて説明する。
図5は本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1Aに用いられる軸受装置12Aの構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態に係るポンプ装置1Aのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1Aの構成を、図5を用いて説明する。
図5は本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1Aに用いられる軸受装置12Aの構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態に係るポンプ装置1Aのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、ポンプ装置1Aは、モータ11と、このモータ11に接続された軸受装置12Aと、軸受装置12Aに接続された継手部材13と、ポンプ14と、を備えている。
軸受装置12Aは、軸受ケーシング31と、第1継手32と、複数の軸受33と、遮蔽板34と、軸受33を軸受ケーシング31に固定する軸受押さえ35Aと、シール部材36と、を備えている。
図5に示すように、軸受押さえ35Aは、異なる二つの外径を有する二段の円板状に形成されている。具体的には、軸受押さえ35Aは、中心に形成された開口部35aを有する円筒部61と、円筒部61の外周面の端部に設けられた平面部62と、を備えている。
円筒部61は、内周面が第1継手32の大径部32cと対向するとともに、その内周面及び大径部32cの外周面の間にシール部材であるオイルシール61aを備えている。換言すると、円筒部61は、オイルシール61aを配置するシール溝を構成する。
平面部62は、軸受33と対向する主面に設けられ、円筒部61の周囲に設けられた凹部35bと、凹部35bの周囲に等間隔で配置された挿入孔35cと、凹部62aの周囲に例えば2つ設けられた雌ねじ部35dと、外周面の一部に設けられた切欠部35eと、を備えている。即ち、軸受押さえ35Aは、上述した軸受押さえ35の凹部35bにオイルシール61aが設けられた円筒部61が形成された構成である。
平面部62の外径は、軸受押さえ35Aを第1取付部31aに挿入可能に、第1取付部31aの内径と同一径又は若干小径に形成されるとともに、円筒部61の外径よりも大径に形成されている。平面部62は、軸受33により加わるスラスト荷重を支持することが可能な強度を有する厚みに形成される。
このような軸受装置12Aは、軸受押さえ35Aの円筒部61にオイルシール61aを設けることで、軸受ケーシング31の軸受33を収納する空間がシール部材36及びオイルシール61aにより液密に密封された、潤滑剤を封入し保持する空間を形成する。また、軸受装置12Aは、円筒部61の空間及び凹部35bにより、潤滑剤の収容部である、所謂ポケットを構成する。
このように構成されたポンプ装置1Aによれば、上述したポンプ装置1と同様に、軸受押さえ35Aにより、軸受33のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能となる。また、ポンプ装置1Aは、軸受押さえ35Aにオイルシールを設ける構成とすることで、軸受押さえ35内の軸受33に設ける潤滑剤にグリースを用いる場合だけではなく、潤滑油等の液体を用いた場合であっても、確実に潤滑剤が軸受押さえ35A外に飛散及び漏洩することを防止可能となる。また、軸受押さえ35Aは、シール部材36及びオイルシール61aによって、密封される構成であることから、回転により潤滑剤が蒸発し、潤滑剤が枯渇することを極力防止することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るポンプ装置1Bの構成を、図6を用いて説明する。
図6は本発明の第3の実施形態に係るポンプ装置1Bに用いられる軸受装置12Bの構成を示す断面図である。なお、第3の実施形態に係るポンプ装置1Bのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第3の実施形態に係るポンプ装置1Bの構成を、図6を用いて説明する。
図6は本発明の第3の実施形態に係るポンプ装置1Bに用いられる軸受装置12Bの構成を示す断面図である。なお、第3の実施形態に係るポンプ装置1Bのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、ポンプ装置1Bは、モータ11と、このモータ11に接続された軸受装置12Bと、軸受装置12Bに接続された継手部材13と、ポンプ14と、を備えている。
軸受装置12Bは、軸受ケーシング31と、第1継手32と、複数の軸受33と、遮蔽板34と、軸受33を軸受ケーシング31に固定する軸受押さえ35Bと、シール部材36と、を備えている。
図6に示すように、軸受押さえ35Bは、異なる二つの内径を有する円環板状に形成されている。具体的には、軸受押さえ35Bは、円環板状の第1円環部材71と、円環板状に形成され、第1円環部材71よりも内径が小径に形成された第2円環部材72と、を備えている。
第1円環部材71の内径は、主面に対向する軸受33の外輪33bの内径と同一径又は若干小径に形成されている。第1円環部材71の外径は、第1円環部材71を第1取付部31aに挿入可能に、第1取付部31aの内径と同一径又は若干小径に形成されている。第1円環部材71は、第1取付部31aの主面31d及び外輪33bの主面と当接する。
第1円環部材71は、その中心の開口の周囲に等間隔で配置された締結部材31fを挿入可能な複数の挿入孔35cと、当該中心の開口の周囲に例えば2つ設けられた雌ねじ部35dと、外周面の一部に設けられた切欠部35eと、を備えている。第1円環部材71は、軸受33により加わるスラスト荷重を支持することが可能な強度を有する厚みに形成される。
第2円環部材72の内径は、第1継手32の大径部32cの外径と略同一径、より具体的には、大径部32cと若干の隙間を形成可能に、大径部32cの外径よりも若干大径に形成されている。第2円環部材72は、中心の開口が開口部35aを構成する。第2円環部材72の外径は、第2円環部材72を第1取付部31aに挿入可能に、第1取付部31aの内径と同一径又は若干小径に形成されている。第2円環部材72の厚さは、第1円環部材71の厚さよりも薄く形成されている。
第2円環部材72は、開口部35aの周囲に設けられ、第1円環部材71の挿入孔35cと対向して設けられた複数の挿入孔35cと、第1円環部材71の雌ねじ部35dと対向して設けられた、締結部材を挿入可能な挿入孔と、第1円環部材71の切欠部35eと対向して設けられた切欠部35eと、を備えている。
このような第1円環部材71及び第2円環部材72は、第1取付部31aに締結部材31fにより固定されることで、一体の軸受押さえ35Bを構成する。また、軸受押さえ35Bは、第1円環部材71の内径と第2円環部材72の内径との差によって、軸受33と対向する潤滑液のポケットを形成する凹部35bが構成される。
このように構成されたポンプ装置1Bによれば、上述したポンプ装置1と同様に、軸受押さえ35Bにより、軸受33のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能となる。また、軸受押さえ35Bは、第1円環部材71及び第2円環部材72を締結部材31fにより軸受ケーシング31一体に固定する構成であることから、第1円環部材71及び第2円環部材72は、円環状の簡素な形状でよく、製造コストを低減することが可能となる。また、第1継手32の形状が異なる場合等においては、第2円環部材72の形状を変えることで、第1円環部材71は共用することが可能となり、また、逆も同様であることから、軸受押さえ35Bは、高い汎用性を有する。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係るポンプ装置1Cの構成を、図7及び図8を用いて説明する。
図7は本発明の第4の実施形態に係るポンプ装置1Cに用いられる軸受装置12Cの構成を示す断面図、図8は軸受装置12Cに用いられる軸受押さえ35Cの第2円環部材72Cの構成を示す平面図である。なお、第4の実施形態に係るポンプ装置1Cのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1及び第3の実施形態に係るポンプ装置1Bと同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第4の実施形態に係るポンプ装置1Cの構成を、図7及び図8を用いて説明する。
図7は本発明の第4の実施形態に係るポンプ装置1Cに用いられる軸受装置12Cの構成を示す断面図、図8は軸受装置12Cに用いられる軸受押さえ35Cの第2円環部材72Cの構成を示す平面図である。なお、第4の実施形態に係るポンプ装置1Cのうち、上述した第1の実施形態に係るポンプ装置1及び第3の実施形態に係るポンプ装置1Bと同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、ポンプ装置1Cは、モータ11と、このモータ11に接続された軸受装置12Cと、軸受装置12Cに接続された継手部材13と、ポンプ14と、を備えている。
軸受装置12Cは、軸受ケーシング31と、第1継手32Cと、複数の軸受33と、遮蔽板34と、軸受33を軸受ケーシング31に固定する軸受押さえ35Cと、シール部材36と、を備えている。
図7に示すように、第1継手32Cは、一方が閉塞する有底円筒状に形成されている。具体的には、第1継手32Cは、3つの異なる外径で順次縮径するように形成された大径部32c、中径部32d及び小径部32eを有し、大径部32cに溝部32iが形成された、回転軸22と接続される継手部32aと、継手部32aの端面に一体に設けられた軸体32bと、を備えている。即ち、第1継手32Cは、上述した第1継手32の大径部32cに溝部32iが形成された構成であり、他の構成は、上述した第1継手32と同等の構成である。
溝部32iは、大径部32cの外周面に、具体的には、外周面の軸方向の中央側に、周方向に沿って形成された環状の溝である。溝部32iの軸方向の幅は、後述する軸受押さえ35Cの第2円環部材72Cの内周縁が挿入可能な幅に形成される。
図7に示すように、軸受押さえ35Cは、異なる二つの内径を有する円環板状に形成されている。具体的には、軸受押さえ35Cは、円環板状の第1円環部材71Cと、円環板状に形成され、第1円環部材71Cよりも内径が小径に形成された第2円環部材72Cと、を備えている。
第1円環部材71Cの内径は、主面に対向する軸受33の外輪33bの内径と同一径又は若干小径に形成されている。第1円環部材71Cの外径は、第1円環部材71Cを第1取付部31aに挿入可能に、第1取付部31aの内径と同一径又は若干小径に形成されている。
第1円環部材71Cは、その中心の開口の周囲に等間隔で配置された締結部材31fを挿入可能な複数の挿入孔35cと、当該中心の開口の周囲に例えば2つ設けられた雌ねじ部35dと、外周面の一部に設けられた切欠部35eと、を備えている。第1円環部材71Cは、軸受33により加わるスラスト荷重を支持することが可能な強度を有する厚みに形成される。
また、第1円環部材71Cは、第2円環部材72Cと対向する主面の外周縁に、円環状の突起部71aが形成されている。突起部71aの内径は、第2円環部材72Cの外径と同一径に形成されており、第2円環部材72Cを嵌合可能に形成されている。第1円環部材71Cは、第2円環部材72Cの内周縁が、第1継手32Cの溝部32iに挿入される。
第2円環部材72Cは、一対の分割部材75が第1円環部材71Cを介して第1取付部31aに固定されることで、円環板状に構成される。分割部材75は、半円環状に形成される。
第2円環部材72Cの内径は、第1継手32Cの大径部32cに形成された溝部32iの外径と略同一径、より具体的には、大径部32cの溝部32iと若干の隙間を形成可能に、大径部32cの溝部32iの外径よりも若干大径に形成されている。
第2円環部材72Cは、中心の開口が、溝部32iに配置される開口部35aを構成する。第2円環部材72Cの外径は、第2円環部材72Cを第1円環部材71Cの突起部71aに嵌合可能に、突起部71aの内径と同一径に形成されている。第2円環部材72Cの厚さは、第1円環部材71Cの厚さ及び大径部32cの溝部32iの軸心方向の幅よりも薄く形成されている。
第2円環部材72Cは、開口部35aの周囲に設けられ、第1円環部材71Cの挿入孔35cと対向して設けられた複数の挿入孔35cと、第1円環部材71Cの雌ねじ部35dと対向して設けられた、締結部材を挿入可能な挿入孔35fと、第1円環部材71Cの切欠部35eと対向して設けられた切欠部35eと、を備えている。これら挿入孔35c、35f及び切欠部35eは、第2円環部材72Cを構成する一対の分割部材75の対称位置にそれぞれ設けられる。
このような第1円環部材71C及び第2円環部材72Cを構成する一対の分割部材75は、第1取付部31aに締結部材31fにより固定されることで、一体の軸受押さえ35Cを構成する。また、軸受押さえ35Cは、第1円環部材71Cの内径と第2円環部材72Cの内径との差によって、軸受33と対向する潤滑液のポケットを形成する凹部35bが構成される。
このように構成されたポンプ装置1Cによれば、上述したポンプ装置1、1Bと同様に、軸受押さえ35Cにより、軸受33のスラスト荷重を支持可能であって、且つ、潤滑剤の飛散を防止可能となる。
また、軸受押さえ35Cは、第1円環部材71C、及び、第2円環部材72Cの一対の分割部材75を締結部材31fにより軸受ケーシング31の第1取付部31aに固定することで一体に形成される構成である。このため、第1円環部材71C及び第2円環部材72Cは、簡素な形状でよく、製造コストを低減することが可能となる。また、第1継手32Cの溝部32iの外径及び幅等の形状が異なる場合等においては、第2円環部材72Cの形状が異なるものであっても、第1円環部材71Cを共用することが可能となり、高い汎用性を有する。
また、第2円環部材72Cの内縁が第1継手32Cの大径部32cに形成された溝部32i内に配置される。この構成により、第1継手32Cの大径部32cの中径部32d側の外周面、大径部32cの溝部32iの外面及び第2円環部材72Cの外面間の隙間、並びに、大径部32cのモータ11側の外周面が、軸受33からモータ11側への流体の流路となる。
即ち、軸受33からモータ11側へは、軸方向及び軸方向に対して交差する方向に交互に曲折する流体の流路が形成される。換言すると、第1継手32の溝部32iを有する大径部32c及び第2円環部材72Cがラビリンスシールであるラビリンス構造を構成する。
これにより、軸受33から飛散した潤滑剤は、当該ラビリンス構造によって移動が規制されることから、潤滑剤の漏洩や飛散を防止する高い効果を有する。このため、潤滑剤に粘性の高いグリースだけでなく、液状の潤滑油等を用いた場合であっても、高いシール性を有する。また、このようなラビリンスシールは、大径部32cに溝部32iを設けるとともに、分割された一対の分割部材75を第1取付部31aに固定するときに溝部32iに挿入して第1円環部材71Cに一体に組み立てる簡単な方法で構成される。このため、ポンプ装置1Cの製造コストを増大させることもない。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述したポンプ14は、多段ポンプを用いる構成を説明したがこれに限定されず、単段ポンプであっても、軸受33に加わるスラスト荷重を受けることが可能であって、且つ、潤滑剤の飛散等を防止できる。
また、上述した例では、軸部2は、回転軸22、第1継手32、第2継手41及び主軸51を備える構成を説明したがこれに限定されず、第2継手41を有さず、第1継手32に主軸51が接続される構成であってもよい。
また、上述した例では、ポンプ装置1Bの軸受押さえ35Bは、第1円環部材71及び第2円環部材72を備える構成を説明したが、これに限定されない。例えば、第2円環部材72の中心側に軸受押さえ35Aに用いられたシール溝及びオイルシール61aを設ける構成であってもよい。
また、上述した例では、ポンプ装置1Cの分割部材75(第2円環部材72C)に、第1円環部材71Cの雌ねじ部35dと対向して設けられた締結部材を挿入する挿入孔35fを設ける構成を説明したがこれに限定されず、挿入孔35fを有さない構成であってもよい。即ち、第2円環部材72Cは、第1円環部材71Cに嵌合されるが、締結部材31fを取り外した後は、第1円環部材71Cから分割部材75をそれぞれ取り外すことが容易である。このため、第1円環部材71Cから分割部材75を取り外した後に、第1円環部材71Cの雄螺子部35dに締結部材を螺合させて、第1円環部材71Cを第1取付部31aから取り外す構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
1、1A、1B、1C…ポンプ装置、2…軸部、11…モータ、12、12A、12B、12C…軸受装置、13…継手部材、14…ポンプ、21…モータケーシング、22…回転軸、22a…キー、31…軸受ケーシング、31a…第1取付部、31b…第2取付部、31c…第3取付部、31d…端面、31e…雌ねじ部、31f…締結部材、31g…端面、32、32C…第1継手(継手)、32a…継手部、32b…軸体、32c…大径部、32d…中径部、32e…小径部、32g…締結部材、32h…支持リング、32i…溝部、33…軸受、33a…内輪、33b…外輪、33c…転動体、34…遮蔽板、35、35A、35B、35C…軸受押さえ、35a…開口部、35b…凹部、35c…挿入孔、35d…雌ねじ部、35e…切欠部、35f…挿入孔、36…シール部材、41…第2継手、41a…ピン、42…継手ケーシング、43…メカニカルシール、51…主軸、52…ポンプ部、52a…インペラ、52b…ポンプケーシング、53…流路カバー、53a…吸込口、53b…吐出口、54…吐出流路部、55…締結部材、61…円筒部、61a…オイルシール(シール部材)、62…平面部、62a…凹部、71、71C…第1円環部材、71a…突起部、72、72C…第2円環部材、75…分割部材。
Claims (9)
- 回転軸を備えるモータと、
主軸、前記主軸に接続されるインペラ及び前記インペラを収納するポンプケーシングを備えるポンプと、
円筒状の軸受ケーシング、前記軸受ケーシング内に設けられ、前記回転軸及び前記主軸を接続する継手、前記軸受ケーシングの内部に設けられ、内輪、外輪及び前記内輪及び前記外輪の間に設けられた転動体を有し、前記継手のスラスト方向及びラジアル方向の荷重を保持可能、且つ、前記継手を回転自在に軸支する軸受、並びに、前記軸受の前記モータ側に配置される前記外輪の主面と当接するとともに、前記内輪及び前記外輪の間と対向する軸受押さえを備える軸受装置と、
を備えることを特徴とするポンプ装置。 - 前記軸受押さえは、前記継手の外周面と所定の隙間を形成する内径を有することを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
- 前記軸受押さえは、前記軸受の前記内輪並びに前記内輪及び前記外輪の間と対向する円環状の凹部を備えることを特徴とする請求項2に記載のポンプ装置。
- 前記継手は、大径部、前記大径部より外径が小径に形成された中径部と、前記中径部よりも外径が小径に形成された小径部と、を順次備え、
前記軸受は、前記内輪が前記中径部に嵌合され、
前記軸受押さえの開口部は、前記大径部と対向することを特徴とする請求項3に記載のポンプ装置。 - 前記軸受には潤滑剤が設けられ、
前記軸受の一方の主面側に前記軸受押さえが設けられ、
前記軸受ケーシングに設けられ、前記軸受の他方の主面側に前記潤滑剤の移動を規制する遮蔽板を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のポンプ装置。 - 前記軸受押さえは、
円環状に形成され、前記軸受の前記外輪と当接する第1円環部材と、
前記大径部と対向する前記開口部を有し、前記第1円環部材の内径よりも内径が大径に形成された第2円環部材と、を備え、
前記第1円環部材及び前記第2円環部材は、前記軸受ケーシングに一体に固定されることを特徴とする請求項5に記載のポンプ装置。 - 前記大径部は、その外周面に沿って形成された溝部を備え、
前記第2円環部材の前記開口部は、前記溝部に挿入されることを特徴とする請求項6に記載のポンプ装置。 - 前記軸受ケーシングは、
前記軸受押さえを固定する円柱状に開口して形成され、端面が前記軸受押さえと対向し、且つ、雌ねじ部が形成された第1取付部と、
内径が前記第1取付部の内径よりも小径の円柱状に開口して第1取付部に隣接して設けられ、端面が前記外輪の外径よりも小径に形成された、前記軸受の前記外輪が挿入される第2取付部と、
前記第1取付部の前記雌ねじ部に螺合する締結部材と、を備え、
前記軸受押さえは、前記第1取付部の前記雌ねじ部と対向する位置に前記締結部材が挿入される挿入孔を備えることを特徴とする請求項5に記載のポンプ装置。 - 前記軸受押さえは、その外周面に形成された切欠部、及び、前記第1取付部の前記端面と対向する位置に設けられた締結部材が螺合可能な雌ねじ部の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項8に記載のポンプ装置。
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CN110360229A (zh) * | 2018-04-11 | 2019-10-22 | 南京恒昌包装机械有限公司 | 一种封盖机主轴结构 |
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2014
- 2014-12-02 JP JP2014244050A patent/JP2016108951A/ja active Pending
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