JP6924244B2 - 真空ポンプにおける合成オイルの使用、および真空ポンプ - Google Patents

真空ポンプにおける合成オイルの使用、および真空ポンプ Download PDF

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Description

本発明は、真空ポンプにおける回転軸受を供給するための、真空ポンプにおける合成オイルの使用と、真空ポンプ、特にターボ分子ポンプに関する。その際、真空ポンプは、ローター軸、ローター軸を回転可能に支持するための回転軸受、および合成オイルを収容するための作動媒体貯蔵部を有し、合成オイルは回転軸受に供給される。
公知の真空ポンプは、ターボ分子ポンプであるが、これは、ローター軸、又は回転軸受の回転軸を中心として回転対称に形成された作動媒体貯蔵部を有している。流動性の作動媒体を収容するためのものである。典型的には、作動媒体貯蔵部は、シリンダー側面形状の外輪郭および内輪郭を有するシリンダー側面の形状を有し、その内部に、例えばフリース、又は他の吸収性の材料からなる円形状のディスクの積層が配置されている。吸収性の材料は、流体の作動媒体を付与される。これは、回転軸受の潤滑に使用される。作動媒体による十分な潤滑が行われるように、十分な量の作動媒体が、吸収性の材料からローター軸、及び/又は回転軸受へと搬送されることが必要である。この構造は、特に、小さなターボ分子ポンプにおいて使用される。ここで追加的なオイルポンプの使用が必要無いからである。
そのような小さなターボ分子ポンプにおいて通常使用される作動媒体は、相応する真空性能、つまり低い蒸気圧と、90℃までの温度耐性を有するオイルである。上述したターボ分子ポンプの性能は、しかし、公知のオイルが、90℃を超える温度で使用するのに適していないことによって制限される。高い温度においては適切な動粘度を有さず、90℃を超えては十分な潤滑が行われないからである。結果として、ローター温度は、通常の作動媒体の使用の際には、90℃に制限される。ローター温度は、ガス負荷、予圧力、および冷却の組み合わせから生じ、そして例えば様々な適用分野で90℃に達する。例えばガス負荷の上昇に冷却を適合させる可能性が存在しないからである。結果として、そのようなターボ分子ポンプの性能は、ローター温度が90を超えてはならないということによって制限される。
より高い性能を有するより大きなターボ分子ポンプは、濃いオイルも使用される。それらは、電気的なオイルポンプを備えているからである。オイルポンプは、作動媒体、つまり潤滑剤を供給する。しかしこの構造は、より小さなターボ分子ポンプにおいては、オイルポンプのコストは高いので、経済的ではない。
米国特許出願公開公報US4806075A号
よって本発明の課題は、真空ポンプ、特にターボ分子ポンプの性能を高めること、その際、著しいコスト上昇が無いようすることである。
この課題は請求項1に記載の合成オイルの使用によって解決される。同様にこの課題は、請求項10に記載の真空ポンプによって解決される。
請求項1に記載の合成オイルの使用により、真空ポンプ、特にターボ分子ポンプは、90℃を超える温度においても、長期にわたって作動させられることが可能である、つまり、数か月または数か月より長い期間にわたって作動させられることが可能であり、その際、合成オイルが100℃において4.5から6.5mmの領域の動粘度を有するとき、真空ポンプは、回転軸受の潤滑のための合成オイルを十分な量搬送するために、追加的なオイルポンプを設けられている必要がない。
ここで述べられる動粘度は、ASTM D445−17aにより測定される。
他に記載がない限り、ここで触れられる各ノルムは、2018年10月1日に有効な版に関する。
本発明の有利な実施形および観点は、従属請求項、以下の明細書、および図面および例の中に記載されている。上述した有利な実施形と観点は、技術的理由に反しない限り、互いに任意に組み合わせ可能である。
特に有利な粘度プロフィルは、合成オイルが、120℃で3.0から4.0mm /sの領域の動粘度を更に有するとき生じる。これによって120℃の温度においても、より高い温度においても、回転軸受の十分な潤滑が保証され、その際、同時に、低い温度における粘度は、オイルの搬送性に影響を与えるほど高すぎない。
更に、合成オイルの蒸気圧が100℃において0005hPa以下であると好ましい。低い蒸気圧によって、合成オイルの使用の際に、相応する真空ポンプによって長い期間にわたって安定的な真空を発生させることが特に良好に可能となる。この観点で、合成オイルの蒸気圧が120℃において0.01hPa以下であると特に好ましい。これによってより高いローター温度においても、安定的な真空の発生が可能となる。
合成オイルが、高い温度における劣化を遅くし、オイル交換なく長期間にわたって使用可能であるように、添加剤を有していると有利である。しかし、より高い温度において十分な潤滑を保証するため、合成オイルは、必ずしもそのような添加剤を含まないと解される。添加剤は、例えば当業者に公知の酸化防止剤である。
長期にわたって安定的な真空を発生させるため、合成オイルが、0.005hPaの真空のもと60℃で1年後に1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下の蒸発損失であることは有利である。更に、合成オイルが、通常圧力のもと204℃で6.5時間後に5重量%以下、更に好ましくは2.5重量%以下の蒸発損失を有すると好ましい。蒸発損失は、例示したように、測定される。
原理的には、本発明は、粘度要求が満たされている限り、オイルの形式に制限されない。しかし、合成オイルが、エステルベースのオイルであるか、又はパーフルオロポリエーテルベースのオイルであることは、特に有利であると判明した。最も好ましくは、合成オイルは、エステルベースのオイルである。これらオイルは、低い密度(濃度)を有し、よって、作動媒体貯蔵部の吸収性の材料からローター軸、及び/又は回転軸受へ搬送によって合成オイルによる十分な潤滑が、公知の作動媒体貯蔵部においても行われることが可能だからである。しかし、より高い密度のオイルによる十分な潤滑を図ることも考え得る。その際、場合によっては、作動媒体貯蔵部の適合が必要である。
更に、合成オイルによって、真空ポンプの回転軸受が潤滑されることは有利である。合成オイルの使用は、基本的に特別な真空ポンプに制限されないが、真空ポンプがターボ分子ポンプであり、ローター軸、ローター軸の回転可能な支持を行うための回転軸受、および合成オイルの収容のための作動媒体貯蔵部を有し、当該合成オイルが回転軸受に供給され、そして合成オイルを回転軸受に供給するための少なくとも一つの手段を有することが特に好ましいと判明した。
発明に係る真空ポンプは、作動媒体貯蔵部を有する。これは、上述したように合成オイルを含んでいる。真空ポンプがターボ分子ポンプであり、ローター軸、ローター軸の回転可能な支持を行うための回転軸受、および合成オイルの収容のための作動媒体貯蔵部を有し、当該合成オイルが回転軸受に供給され、または作動中に供給され、そして合成オイルを回転軸受に供給するための少なくとも一つの手段を有することは好ましい。
上述した合成オイルの使用によって、真空ポンプの性能は高められることが可能である。十分な潤滑を維持しつつ、120℃までのローター温度が達成可能だからである。高い性能と同時にコストを削減するために、真空ポンプは合成オイルをポンピングするためのオイルポンプを有さないということが可能である。
以下に本発明を、有利な実施形に基づき添付の図面を参照しつつ説明する。図は以下を簡略的に示している。
ターボ分子ポンプの斜視図 図1のターボ分子ポンプの下側の図 図2に示された線A−Aに沿うターボ分子ポンプの断面図 図2に示された線B−Bに沿うターボ分子ポンプの断面図 図2に示された線C−Cに沿うターボ分子ポンプの断面図
図1に示されたターボ分子ポンプ111は、インレットフランジ113に取り囲まれたポンプインレット115を有する。このポンプインレットには、公知の方法で、図示されていない真空容器が接続されることが可能である。真空容器からのガスは、ポンプインレット115を介して真空容器から吸引され、そしてポンプを通してポンプアウトレット117へと搬送されることが可能である。ポンプアウトレットには、予真空ポンプ(例えばロータリーベーンポンプ)が接続されていることが可能である。
インレットフランジ113は、図1の真空ポンプの向きにおいては、真空ポンプ111のハウジング119の上端部を形成する。ハウジング119は、下部分121を有する。これには、側方にエレクトロニクスハウジング123が設けられている。エレクトロニクスハウジング123内には、真空ポンプ111の電気的、及び/又は電子的コンポーネントが収容されている。これらは例えば、真空ポンプ内に配置される電動モーター125を作動させるためのものである。エレクトロニクスハウジング123には、アクセサリーのための複数の接続部127が設けられている。更に、データインターフェース129(例えばRS485スタンダードに従うもの)と、電源供給接続部131がエレクトロニクスハウジング123には設けられている。
ターボ分子ポンプ111のハウジング119には、フローインレット133が、特にフローバルブの形式で設けられている。これを介して真空ポンプ111は溢出を受けることが可能である。下部分121の領域には、更にシールガス接続部135(洗浄ガス接続部とも称される)が設けられている。これを介して、洗浄ガスが、電動モーター125(図3参照)をポンプによって搬送されるガスに対して保護するため、モーター室137内に取り込まれることが可能である。モーター室内には、真空ポンプ111の電動モーター125が収容されることが可能である。下部分121内には、更に二つの冷却媒体接続部139が設けられている。その際、一方の冷却媒体接続部は冷却媒体のインレットとして、そして他方の冷却媒体接続部はアウトレットとして設けられている。冷却媒体は、冷却目的で真空ポンプ内に導かれることが可能である。
真空ポンプの下側面141は、起立面として使用されることが可能であるので、真空ポンプ111は下側面141上に起立して作動させられることが可能である。しかしまた、真空ポンプ111は、インレットフランジ113を介して真空容器に固定されることも可能であり、これによっていわば懸架して作動させられることが可能である。更に真空ポンプ111は、図1に示されたものと異なった向きとされているときにも作動させられることが可能であるよう構成されていることが可能である。下側面141が下に向かってではなく、当該面に向けられて、又は上に向けられて配置されている真空ポンプの実施形も実現されることが可能である。
図2に表わされている下側面141には、更に、種々のスクリュー143が設けられている。これらによって、ここでは詳細に特定されない真空ポンプの部材が互いに固定されている。例えば、軸受カバー145が下側面141に固定されている。
下側面141には、更に、固定穴147が設けられている。これを介してポンプ111は例えば載置面に固定されることが可能である。
図2から5には、冷却媒体配管148が表わされている。この中に、冷却媒体接続部139を介して導入、又は導出される冷却媒体が循環していることが可能である。
図3から5の断面図に示されているように、真空ポンプは、複数のプロセスガスポンプ段を有している。これは、ポンプインレット115に及ぶプロセスガスをポンプアウトレット117に搬送するためのものである。
ハウジング119内には、ローター149が配置されている。このローターは、回転軸151を中心として回転可能なローター軸153を有している。
ターボ分子ポンプ111は、ポンプ効果を奏するよう互いにシリアルに接続された複数のポンプ段を有している。これらポンプ段は、ローター軸153に固定された複数の半径方向のローターディスク155と、ローターディスク155の間に配置され、そしてハウジング119内に固定されているステーターディスク157を有している。その際、一つのローターディスク155とこれに隣接する一つのステーターディスク157がそれぞれ一つのターボ分子ポンプ段を形成している。ステーターディスク157は、スペーサーリング159によって互いに所望の軸方向間隔に保持されている。
真空ポンプは、更に、半径方向において互いに入れ子式に配置され、そしてポンプ作用を奏するよう互いにシリアルに接続されたホルベックポンプ段を有する。ホルベックポンプ段のローターは、ローター軸153に設けられるローターハブ161と、ローターハブ161に固定され、そしてこれによって担持されるシリンダー側面形状の二つのホルベックロータースリーブ163,165を有している。これらは、回転軸151と同軸に向けられており、そして半径方向において互いに入れ子式に接続されている。更に、シリンダー側面形状の二つのホルベックステータースリーブ167,169が設けられている。これらは同様に、回転軸151に対して同軸に向けられており、そして半径方向で見て互いに入れ子式に接続されている。
ポンプ効果を発揮するホルベックポンプ段の表面は、側面によって、つまり、ホルベックロータースリーブ163,165とホルベックステータースリーブ167,169の内側面、及び/又は外側面によって形成されている。外側のホルベックステータースリーブ167の半径方向内側面は、半径方向のホルベック間隙171を形成しつつ、外側のホルベックロータースリーブ163の半径方向外側面と向かい合っており、そしてこれと、ターボ分子ポンプに後続する第一のホルベックポンプ段を形成する。外側のホルベックロータースリーブ163の半径方向内側面は、半径方向のホルベック間隙173を形成しつつ、内側のホルベックステータースリーブ169の半径方向外側面と向かい合っており、そしてこれと、第二のホルベックポンプ段を形成する。内側のホルベックステータースリーブ169の半径方向内側面は、半径方向のホルベック間隙175を形成しつつ、内側のホルベックロータースリーブ165の半径方向外側面と向かい合っており、そしてこれと、第三のホルベックポンプ段を形成する。
ホルベックロータースリーブ163の下側端部には、半径方向に延びるチャネルが設けられれていることが可能である。これを介して、半径方向外側に位置するホルベック間隙171が、中央のホルベック間隙173と接続されている。更に、ホルベックステータースリーブ169の上側端部には、半径方向に延びるチャネルが設けられれていることが可能である。これを介して、中央のホルベック間隙173が、半径方向内側に位置するホルベック間隙175と接続されている。これによって、入れ子式に接続される複数のホルベックポンプ段が互いにシリアルに接続される。半径方向内側に位置するホルベックロータースリーブ165の下側の端部には、更に、アウトレット117への接続チャネル179が設けられていることが可能である。
ホルベックステータースリーブ163、165の上述したポンプ効果を発揮する表面は、それぞれ、螺旋形状に回転軸151の周りを周回しつつ軸方向に延びる複数のホルベック溝を有する。他方で、ホルベックロータースリーブ163、165のこれに向かい合った側面は、滑らかに形成されており、そして真空ポンプ111の作動のためのガスをホルベック溝内へと駆り立てる。
ローター軸153の回転可能な支承のため、ポンプインレット117の領域に転がり軸受181、およびポンプアウトレット115の領域に永久磁石軸受183が設けられている。
転がり軸受181の領域には、ローター軸153に円錐形のスプラッシュナット185が設けられている。これは、転がり軸受181の方に向かって増加する外直径を有している。スプラッシュナット185は、作動媒体貯蔵部の少なくとも一つのスキマー(独語:Abstreifer)と滑り接触状態にある。作動媒体貯蔵部は、互いに積層された吸収性の複数のディスク187を有する。これらディスクは、転がり軸受181のための作動媒体、例えば潤滑剤を染み込ませてある。
真空ポンプ111の作動中、作動媒体は、毛細管効果によって作動媒体貯蔵部からスキマーを介して回転するスプラッシュナット185へと伝達され、そして、遠心力によってスプラッシュナット185に沿って、スプラッシュナット185の大きくなる外直径の方向へと、転がり軸受181に向かって搬送される。そこでは例えば、潤滑機能が発揮される。転がり軸受181と作動媒体貯蔵部は、真空ポンプ内において槽形状のインサート189と、軸受カバー145に囲まれている。
永久磁石軸受183は、ローター側の支承半部191と、ステーター側の支承半部193を有している。これらは、各一つのリング積層部を有している。リング積層部は、軸方向に互いに積層された永久磁石の複数のリング195、197から成っている。リングマグネット195,197は、半径方向の軸受間隙199を形成しつつ互いに向き合っており、その際、ローター側のリングマグネット195は、半径方向外側に、そしてステーター側のリングマグネット197は半径方向内側に設けられている。軸受間隙199内に存在する磁場は、リングマグネット195,197の間の磁気的反発力を引き起こす。これは、ローター軸153の半径方向の支承を実現する。ローター側のリングマグネット195は、ローター軸153のキャリア部分201によって担持されている。これは、リングマグネット195を半径方向外側で取り囲んでいる。ステーター側のリングマグネット197は、ステーター側のキャリア部分203によって担持されている。これは、リングマグネット197を通って延びており、そしてハウジング119の支材205に吊架されている。回転軸151に平行に、ローター側のリングマグネット195が、キャリア部分203と連結されるカバー要素207によって固定されている。ステーター側のリングマグネット197は、回転軸151に平行に一つの方向で、キャリア部分203と接続される固定リング209によって、およびキャリア部分203と接続される固定リング211によって固定されている。その上、固定リング211とリングマグネット197の間には、さらばね213が設けられていることが可能である。
磁石軸受の内部には、緊急用または安全用軸受215が設けられている。これは、真空ポンプの通常の作動時には、非接触で空転し、そしてローター149がステーターに対して半径方向において過剰に偏移した際に初めて作用するに至る。ローター149のための半径方向のストッパーを形成するためである。ローター側の構造がステーター側の構造と衝突するのが防止されるからである。安全用軸受215は、潤滑されない転がり軸受として形成されており、そして、ローター149及び/又はステーターと半径方向の間隙を形成する。この間隙は、安全用軸受215が通常のポンプ作動中は作用しないことに供する。安全用軸受が作用するに至る半径方向の間隙は、十分大きく寸法取られているので、安全用軸受215は、真空ポンプの通常の作動中は作用せず、そして同時に十分小さいので、ローター側の構造がステーター側の構造と衝突するのがあらゆる状況で防止される。
真空ポンプ111は、ローター149を回転駆動するための電動モーター125を有している。電動モーター125のアンカーは、ローター149によって形成されている。そのローター軸153はモーターステーター217を通って延びている。ローター軸153の、モーターステーター217を通って延びる部分には、半径方向外側に、または埋め込まれて、永久磁石装置が設けられていることが可能である。ローター149の、モーターステーター217を通って延びる部分と、モーターステーター217との間には、中間空間219が設けられている。これは、半径方向のモーター間隙を有する。これを介して、モーターステーター217と永久磁石装置は、駆動トルク伝達のため、互いに磁気的に影響することが可能である。
モーターステーター217は、ハウジング内において、電動モーター125のために設けられるモーター室137の内部に固定されている。シールガス接続部135を介して、シールガス(洗浄ガスとも称され、これは例えば空気や窒素であることが可能である)が、モーター室137内へと至る。シールガスを介して電動モーター125は、プロセスガス、例えばプロセスガスの腐食性の部分に対して保護されることが可能である。モーター室137は、ポンプアウトレット117を介しても真空引きされることが可能である、つまりモーター室137は、少なくとも近似的に、ポンプアウトレット117に接続される真空ポンプによって実現される予真空状態となっている。
モーター室137を画成する壁部221とローターハブ161の間には、更に、いわゆる公知のラビリンスシール223が設けられていることが可能である。特に、半径方向外側に位置するホルベックポンプ段に対してモーター室217をより良好にシールすることを達成するためである。
真空ポンプは、その内部で合成のオイルが使用されるが、原理的に制限されない。しかし、上述した真空ポンプの全ての特徴は、本発明に従い合成のオイルが使用される真空ポンプにおいても意図されていることが可能である。つまり、発明に係る使用は、上述した真空ポンプの特徴の任意の各組合せを基本的に有していることが可能である真空ポンプにおいても意図されることが可能である。
引き続き、本発明を例に基づいて説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
例:
プファイファーバキュームGmbHにおいて製造されるターボ分子ポンプHiPace 30およびHi Pace 80においては、通常使用されるオイルが、AeroShellタービンオイル560に対して交換される。これは、飛行においてタービンオイルとして使用され、そしてNATOコード O−154と称される。オイル・AeroShellタービンオイル560は、エステルベースの合成オイルである。これは、請求項に記載される特性を満たす。ターボ分子ポンプHiPace30、およびHiPace80において通常使用されるオイルは、100度において4.0mm/sより低い動粘度を有し、そして120度におて2.5mm/sより低い動粘度を有する。
AeroShellタービンオイル560が使用されるこのポンプによって実施されたテストの結果がテーブル1にまとめられている。
Figure 0006924244
テーブル1にまとめられたテスト結果は、100℃において4.5から6.5mm/sの領域の動粘度を有するオイルは、90℃を超えるローター温度においても(110℃においてすら)、転がり軸受を、いかんなく摩耗から保護するということを示す。例1においては、ガス負荷は最小に減少され、つまり最終真空が達成されたので、ローター温度は25℃となった。図7においては、ガス負荷が変更され、25℃から110℃の間の温度を多段に変更する。例えば図1、および2によって例証されるように、100℃において4.5から6.5mm/sの動粘度を有するオイルにより使用されるポンプは、100℃より下のローター温度においても、酷い摩耗を示さない。使用されるオイルが、100℃において、通常使用されるオイルよりも高い動粘度を有していてもである。また、25℃から110℃の間の温度の複数の変動も、11500時間を超える長いテスト期間にわたってでさえ、転がり軸受の摩耗の増加を生じなかった。
比較目的の為、ポンプ HiPace80は、通常使用されるオイルで110℃において作動させられた(比較例1)。比較的短時間の後、転がり軸受の著しい摩耗が発生している。ポンプHiPace80のために通常意図されている温度90℃においては、これと反対に、それほどの摩耗は見られなかった(比較例2)。これによって、100℃において4.5mm/sから6.5mm/sの領域の動粘度のオイルの使用は、十分満足のいく潤滑を、低い温度においても高い温度においても行うということが明かとなった。このことはターボ分子ポンプにおいて使用される従来のオイルでは不可能であった。
6.5時間にわたる期間での204℃における蒸発損失の測定の為に、オイルプローブが試験管内に充填され、そして6.5時間にわたって204℃で炉内に貯蔵された。プローブの重量は、貯蔵の前後で測定された。蒸発損失は、204℃および6.5時間後のオイルプローブの重量%での重量損失に相当し、つまり、最初に試験管内に満たされたオイルの重量に対するオイルの重量の損失に相当する。オイル・AeroShellタービンオイル560の蒸発損失は、0.2重量%を超えなかった。
長期間の真空性能をテストするために、AeroShellタービンオイル560のサンプルが、0.005hPaの真空にさらされ、そして60℃または70℃の温度に保持された。60℃において120日の期間の後、重量変化は、0.07重量%であり、そして70℃で112日の期間の後、重量変化は0.11重量%であった。よって、AeroShellタービンオイル560は十分な長期真空性能であることが示されている。これと比較して、ターボ分子ポンプHiPace30およびHiPace80において通常使用されるオイルの重量変化は、60℃で120日の期間の後に4.25重量%、70℃で112日の期間の後に8.7重量%である。
この例は、動粘度が100℃において4.5から6.5mm/sの領域の合成オイルの使用によって、小さなターボ分子ポンプの性能が高められることが可能であることを示す。その際、合成オイルを搬送するためのオイルポンプは必要ない。

Claims (11)

  1. 作動媒体としての合成オイルの真空ポンプ内における使用であって、合成オイルが、100℃において4.5から6.5mm/s及び120℃において3.0から4.0mm /sの領域の動粘度であることを特徴とする使用。
  2. 合成オイルの蒸気圧が、100℃において0.005hPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 合成オイルの蒸気圧が、120℃において0.01hPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
  4. 合成オイルが、0.005hPaの真空のもと60℃で1年後に1重量%以下、又は0.5重量%以下、又は0.2重量%以下、又は0.1重量%以下の蒸発損失であることを特徴とする請求項1からいずれか一項に記載の使用。
  5. 合成オイルが、通常圧力のもと、204℃で6.5時間の後に重量%以下の蒸発損失であることを特徴とする請求項1からいずれか一項に記載の使用。
  6. 合成オイルが、エステルベースのオイルであるか、又はパーフルオロポリエーテルベースのオイルであることを特徴とする請求項1からいずれか一項に記載の使用。
  7. 真空ポンプの回転軸受が合成オイルによって潤滑されることを特徴とする請求項1からいずれか一項に記載の使用。
  8. 真空ポンプがターボ分子ポンプであり、ローター軸、ローター軸の回転可能な支持を行うための回転軸受、および合成オイルの収容のための作動媒体貯蔵部を有し、当該合成オイルが回転軸受に供給されることを特徴とする請求項1からいずれか一項に記載の使用。
  9. 請求項1からいずれか一項に記載の合成オイルを含む作動媒体貯蔵部を有する真空ポンプ。
  10. 真空ポンプがターボ分子ポンプであり、ローター軸、ローター軸の回転可能な支持を行うための回転軸受、および回転軸受に供給されるべき合成オイルの収容のための作動媒体貯蔵部を有し、そして合成オイルを回転軸受に供給するための少なくとも一つの手段を有することを特徴とする請求項に記載の真空ポンプ。
  11. 真空ポンプが、合成オイルをポンピングするためのオイルポンプを有さないことを特徴とする請求項または10に記載の真空ポンプ。
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