JP2017078351A - 真空ポンプ - Google Patents

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Masatsugu Manabe
雅嗣 眞鍋
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Abstract

【課題】ポンプ真空側への潤滑油蒸気の移動を防止することができる真空ポンプの提供。
【解決手段】ターボ分子ポンプ1は、回転翼30および円筒部31を有する回転体ユニットRと、回転翼30および円筒部31と協働して排気作用を生成する固定翼20およびステータ21と、回転体ユニットRのシャフト10を支持するボールベアリング8と、ボールベアリング8が収納され、シャフト10が貫通する貫通孔114pが形成されたベアリングハウジング114と、シャフト10の外周面に形成され、対向する内周面114dと協働してボールベアリング8の方向への排気作用を生成するネジ溝部100と、ボールベアリング8を挟んで貫通孔114pとは反対側のベアリングハウジング114の内部に設けられ、ボールベアリング8に潤滑油を供給する潤滑油貯蔵部111と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空ポンプに関する。
転がり軸受を用いている真空ポンプでは、高速回転の高負荷、長時間の連続運転に耐えるように、油潤滑やグリース潤滑が採用されている。長時間の連続運転を可能にするためには、長期に亘って転がり軸受の潤滑状態が維持されている必要がある。
ところで、高速回転する転がり軸受の発熱により潤滑油は蒸発し、潤滑油蒸気が、真空ポンプの内部の圧力勾配によりポンプ作用構造部分の方向に移動する(例えば、特許文献1参照)。そのため、特許文献1に記載の真空ポンプでは、回転軸を囲むように冷却体を含む凝縮要素を設けて、回転軸の隙間を流れる潤滑油蒸気を凝縮し、凝縮した潤滑油を潤滑油貯蔵装置に戻すようにしている。
特開2011−247253号公報
しかしながら、潤滑油蒸気は圧力勾配によりポンプ作用構造部分の方向へ移動する傾向にある。そのため、移動する潤滑油蒸気を凝縮要素により効果的に凝縮するためには、隙間寸法を非常に小さくしたり、凝縮要素の温度を低くための冷却器を設けたりする必要があり、実用上、特許文献1に記載の構成では、潤滑油蒸気のポンプ作用構造部分方向への移動は避けられない。
本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、回転側排気機能部を有する回転体と、前記回転側排気機能部と協働して排気作用を生成する固定側排気機能部と、前記回転体の回転軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受が収納され、前記回転軸が貫通する貫通孔が形成された軸受ハウジングと、互い対向する前記貫通孔の内周面および前記回転軸の外周面のいずれか一方の面に形成され、対向する面と協働して前記転がり軸受の方向への排気作用を生成するネジ溝排気部と、前記転がり軸受を挟んで前記貫通孔とは反対側の前記軸受ハウジングの内部に設けられ、前記転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、を備える。
さらに好ましい実施形態では、前記ネジ溝排気部の上流側または前記ネジ溝排気部と前記潤滑油供給部が設けられた空間とを連通する通路を備える。
さらに好ましい実施形態では、前記通路は、回転軸を貫通して前記ネジ溝排気部の上流側または前記ネジ溝排気部に連通する貫通孔を含む。
さらに好ましい実施形態では、前記潤滑油供給部が設けられた空間から前記通路に流入する気体に含まれる潤滑油蒸気を除去する潤滑油蒸気凝縮部を備える。
さらに好ましい実施形態では、真空ポンプのケーシングの一部を構成し、外周面に放熱フィンが形成された放熱器を備え、前記潤滑油蒸気凝縮部は前記放熱器に設けられている。
本発明によれば、転がり軸受からポンプ真空側への潤滑油蒸気の移動を防止することができる。
図1は本発明に係る真空ポンプの第1の実施の形態を示す図である。 図2は、ベアリングホルダの部分の構成を詳細に示す図である。 図3は、第1の実施の形態の変形例を示す図である。 図4は、本発明による真空ポンプの第2の実施の形態を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明に係る真空ポンプの第1の実施の形態を示す図であり、ターボ分子ポンプ1の断面図である。なお、ターボ分子ポンプ1には電力を供給する電源ユニットが接続されるが、図1では図示を省略した。
図1に示すターボ分子ポンプ1は、排気機能部として、タービン翼を備えたターボポンプ部P1と、螺旋型の溝を備えたHolweckポンプ部P2とを備えている。もちろん、本発明は、排気機能部にターボポンプ部P1およびHolweckポンプ部P2を備えた真空ポンプに限らず、タービン翼のみを備えた真空ポンプや、ジーグバーンポンプやHolweckポンプなどのドラッグポンプのみを備えた真空ポンプや、それらを組み合わせた真空ポンプにも適用することができる。
ターボポンプ部P1は、ポンプロータ3に形成された複数段の回転翼30とベース2およびポンプケーシング12側に配置された複数段の固定翼20とで構成される。一方、ターボポンプ部P1の排気下流側に設けられたHolweckポンプ部P2は、ポンプロータ3に形成された円筒部31とベース2側に配置されたステータ21とで構成されている。円筒状のステータ21の内周面には螺旋溝が形成されている。複数段の回転翼30と円筒部31とが回転側排気機能部を構成し、複数段の固定翼20とステータ21とが固定側排気機能部を構成する。
ポンプロータ3は回転軸であるシャフト10に締結されており、そのシャフト10はモータ4により回転駆動される。モータ4には例えばDCブラシレスモータが用いられ、ベース2にモータステータ4aが設けられ、シャフト10側にはモータロータ4bが設けられている。シャフト10とポンプロータ3とから成る回転体ユニットRは、永久磁石6a,6bを用いた永久磁石磁気軸受6と転がり軸受であるボールベアリング8とにより回転自在に支持されている。
永久磁石6a,6bは、軸方向に磁化されたリング状の永久磁石である。ポンプロータ3に設けられた複数の永久磁石6aは、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。一方、固定側の複数の永久磁石6bは、ポンプケーシング12に固定された磁石ホルダ11に装着されている。これらの永久磁石6bも、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。ポンプロータ3に設けられた永久磁石6aの軸方向位置は、その内周側に配置された永久磁石6bの位置よりも若干上側となるように設定されている。すなわち、回転側の永久磁石の磁極は、固定側の永久磁石の磁極に対して軸方向に所定量だけずれている。この所定量の大きさによって、永久磁石磁気軸受6の支持力が異なる。図1に示す例では、永久磁石6aの方が図示上側に配置されているため、永久磁石6aと永久磁石6bとの反発力により、ラジアル方向の支持力と軸方向上向き(ポンプ排気口側方向)の力とが回転体ユニットRに働いている。
磁石ホルダ11の中央には、ボールベアリング9を保持するベアリングホルダ13が固定されている。図1では、ボールベアリング8,9に深溝玉軸受を用いているが、これに限らず、例えばアンギュラコンタクトの軸受を用いても良い。ボールベアリング9は、シャフト上部のラジアル方向の振れを制限するタッチダウンベアリングとして機能するものである。定常回転状態ではシャフト10とボールベアリング9とが接触することはなく、大外乱が加わった場合や、回転の加速時または減速時にシャフト10の振れ回りが大きくなった場合に、シャフト10がボールベアリング9に接触する。
ボールベアリング8は、ベース2にボルト固定されるベアリングハウジング114に収納され、外輪がベアリングハウジング114に保持されている。ボールベアリング8は油潤滑式の転がり軸受である。ベアリングハウジング114は、ボールベアリング8に潤滑油を供給するための潤滑油貯蔵部111を備えている。ベアリングハウジング114の下部には、放熱フィン150が形成されたアキシャルカバー15が固定されている。
図2は、ベアリングハウジング114の部分の構成を詳細に示す図である。ボールベアリング8は、内輪がコーン型ナット102によりシャフト10に固定されている。コーン型ナット102は、雄ネジが形成されたシャフト10の下端に着脱自在に設けられている。ボールベアリング8の外周側にはリング状のラジアルダンパー116が設けられている。ラジアルダンパー116の材料にはゴム等のエラストマーが用いられる。
ボールベアリング8の外輪は、ベアリング押え112によってベアリングハウジング114に固定されている。ベアリング押さえ112は筒状部材であって、外周に雄ネジ112bが形成されている。この雄ネジ112bをベアリングハウジング114の内周に形成された雌ねじ114cと螺合させることにより、ベアリング押さえ112がベアリングハウジング114に取り付けられると共に、ベアリング押さえ112の上端に形成されたフランジ部112aがボールベアリング8の外輪に当接する。
ベアリング押さえ112の内周側には潤滑油貯蔵部111が設けられている。リング状の潤滑油貯蔵部111の内周面には、内側に突出した接触部111aが形成されている。この接触部111aはコーン型ナット102の外周面に接触している。潤滑油貯蔵部111は、潤滑油が保持可能なフェルト状やスポンジ状の部材で構成され、潤滑油を保持している。
コーン型ナット102の外周面は、ボールベアリング8の内輪に当接する側から先端に向けて先細りのテーパ面102aとなっている。すなわち、テーパ面102aは、内輪に向かって上り勾配の傾斜面となっている。そのため、コーン型ナット102がシャフト10と一体に高速回転すると、潤滑油貯蔵部111の接触部111aが接触することによってテーパ面102aに付着した潤滑油は、遠心力が作用してテーパ面102a上をボールベアリング8の内輪方向に移動する。その結果、潤滑油貯蔵部111の潤滑油がボールベアリング8に供給される。
シャフト10は、ベアリングハウジング114の上端部に形成された貫通孔114pを貫通して、ベアリングハウジング114に保持されたボールベアリング8の内輪に固定されている。貫通孔114pの内周面114dに対向するシャフト10の外周面には、ネジ溝部100が形成されている。ネジ溝部100とベアリングハウジング114の内周面114dとの間には、微小なギャップが形成されている。本実施の形態では、シャフト10に形成されたネジ溝部100と貫通孔114pの内周面114dとによって、ネジ溝ポンプSPが構成される。
シャフト10が回転すると、ネジ溝ポンプSPは矢印Pの方向に排気するポンプ作用を生成し、ネジ溝ポンプSPの上流側と下流側との間に圧力差が生じる。このように、本実施の形態では、ネジ溝ポンプSPのポンプ作用により、シャフト10とベアリングハウジング114との隙間を介したモータハウジング2aの方向への潤滑油蒸気の移動を阻止することができる。
図1に示すように、モータハウジング空間はモータロータ4bとモータステータ4aとの隙間を介してHolweckポンプ部P2の排気側に連通している。そのため、潤滑油蒸気がモータハウジング側に漏れ出ると、真空排気側への潤滑油蒸気の影響が問題となる。しかし、本実施の形態では、シャフト10の外周とそれに対向する貫通孔114pの内周面114dとでネジ溝ポンプSPを構成するようにしたので、モータハウジング側への潤滑油蒸気の移動を防止できる。さらに、ネジ溝ポンプSPを通過した潤滑油蒸気が、ボールベアリング8を通って、潤滑油貯蔵部111へ戻る循環経路を構成できるため、潤滑油貯蔵部111の潤滑油の減少も防止できる。
さらに、本実施の形態では、ベアリングハウジング114の内周面に形成された溝114aと、その溝114aに連通する貫通孔114bとを形成して、ネジ溝ポンプSPの上流側であるベアリングハウジング上端部分の外部空間と、ベアリングハウジング114の内部空間とを連通するようにしている。ネジ溝ポンプSPのポンプ作用によってベアリングハウジング114の内外に圧力差が生じると、ベアリングハウジング114内の潤滑油蒸気凝縮部151が配置されている空間の気体が、破線矢印R2に示すように溝114aおよび貫通孔114bを通ってネジ溝ポンプSPの上流側に移動する。そして、ネジ溝ポンプSPの上流側に移動した気体は、ネジ溝ポンプSPによってベアリングハウジング114内へと排気される。
ところで、溝114aおよび貫通孔114bを設けない場合には、ベアリングハウジング空間はネジ溝ポンプSPの隙間を除いて密閉状態となる。そのため、ネジ溝ポンプSPは、ネジ溝ポンプSPの隙間を漏れ出ようとする潤滑油蒸気をベアリングハウジング内に押し戻すという働きをする。
一方、ベアリングハウジング内の気体がネジ溝ポンプSPの上流側に移動できる通路(溝114aおよび貫通孔114b)を形成することで、気体が破線矢印R1,R2で示すように循環することになる。そのため、ネジ溝ポンプSPの隙間を上流側から下流側に流れる気体の量が増加する。このように、上流側から下流側への気体の流れを積極的に形成することで、上流側へ漏れた気体を押し戻す効果が得られるため、上述した密閉状態の場合よりもさらに潤滑油蒸気のモータ4側への漏れを防止することができる。
なお、潤滑油貯蔵部111や潤滑油蒸気凝縮部151が設けられている空間には潤滑油蒸気も存在するので、溝114aおよび貫通孔114bを介してネジ溝ポンプSPの上流側に戻す気体から潤滑油蒸気を除去するのが好ましい。そのため、本実施の形態では、アキシャルカバー15の内周面に潤滑油蒸気凝縮部151を設けるようにした。潤滑油蒸気凝縮部151は、金属メッシュや目の粗い燒結金属などの多孔性部材によって形成される。
外周に放熱フィン150が形成されたアキシャルカバー15は放熱器として機能する部材であり、アキシャルカバー15の内周面に潤滑油蒸気凝縮部151を設けることで潤滑油蒸気凝縮部151が冷却される。なお、潤滑油蒸気凝縮部151と潤滑油貯蔵部111との間には、潤滑油蒸気凝縮部151で凝縮した潤滑油を潤滑油貯蔵部111へ導く誘導部材152が挟持されるように設けられている。誘導部材152には金属メッシュや、燒結金属やフェルト等が使用される。
潤滑油貯蔵部111が設けられている空間の気体が破線矢印R2に示すように溝114aに流れ込む場合、気体は潤滑油蒸気凝縮部151の内部や表面を通過する際に冷却され、気体中の潤滑油蒸気が凝縮される。その結果、潤滑油蒸気の少ない気体がネジ溝ポンプSPの上流側に戻されることになる。本実施の形態では、ネジ溝ポンプSPの上流側に戻された気体はネジ溝ポンプSPによって矢印Pの方向に排気される構成としているが、上述のように気体に含まれる潤滑油蒸気の量は少ない方が好ましい。
(変形例)
図3は、上述した実施の形態の変形例を示す図である。図3(a)に示す第1の変形例では、貫通孔114bの出口をネジ溝ポンプSPに配置した。また、潤滑油蒸気凝縮部151の上面を潤滑油貯蔵部111の下面に接触させるようにした。
図3(a)のようにネジ溝ポンプSPの隙間にベアリングハウジング114内の気体を戻すようにしても、図2の場合と同様にネジ溝ポンプSPの上流側から下流側への気体の流れが形成され、シャフト10と貫通孔114pとの隙間を通ってベアリングハウジング114内の潤滑油蒸気が漏れ出るのを防止することができる。
また、潤滑油蒸気凝縮部151の上面を潤滑油貯蔵部111の下面に接触させると、潤滑油貯蔵部111の内側空間の気体は、破線矢印R2で示すようにアキシャルカバー15で冷却された潤滑油蒸気凝縮部151の内部を通って溝114aに流入することになる。そのため、気体内に含まれる潤滑油蒸気がより効率的に凝縮される。
図3(b)は、第2の変形例を示す図である。第2の変形例では、ベアリングハウジング114の側にネジ溝部114eを形成し、そのネジ溝部114eとシャフト10の外周面10aとでネジ溝ポンプSPを構成するようにした。なお、図3(b)に示す構成では貫通孔114bの出口をネジ溝ポンプSPの上流側に配置したが、図3(a)の場合と同様にネジ溝ポンプSPの部分に貫通孔114bの出口を設けても良い。
−第2の実施の形態−
図4は、本発明による真空ポンプの第2の実施の形態を示す図である。上述した第1の実施の形態ではベアリングハウジング114に溝114aおよび貫通孔114bを形成して、潤滑油蒸気凝縮部151が配置されている空間の気体をネジ溝ポンプSPまたはその上流側に導いた。一方、第2の実施の形態では、シャフト10に貫通孔101を形成して、潤滑油蒸気凝縮部151が配置されている空間の気体をネジ溝ポンプSPの上流側に導く構成とした。
貫通孔101は、シャフト10の下端から軸方向に延在する穴101aと、穴101aの上端に接続されシャフト外周面に開口を有する径方向の穴101bとで構成される。穴101aの下端は、コーン型ナット102の軸芯に形成された貫通孔102bに連通している。ベアリング押さえ112のフランジ部112aとベアリング押さえ112に保持された潤滑油蒸気凝縮部151との間には、隙間空間112cが形成されている。また、潤滑油蒸気凝縮部151には、その上面から下面に貫通する貫通孔111bが複数形成されている。もちろん、貫通孔111bは一つでも良い。
ネジ溝ポンプSPのポンプ作用によりネジ溝ポンプSPの上流側と下流側との間に差圧が形成されると、破線矢印R1のようにシャフト10とベアリングハウジング114との隙間を気体が移動すると共に、貫通孔101を介してベアリングハウジング114内の気体が、ネジ溝ポンプSPの上流側に移動する。その結果、破線矢印で示すような気体の循環が生じる。
コーン型ナット102の下端は、潤滑油蒸気凝縮部151の上面に接触するか、または、僅かな隙間を介して潤滑油蒸気凝縮部151の上面と対向している。コーン型ナット102の貫通孔102bに吸い込まれる空気の殆どは、潤滑油蒸気凝縮部151の内部を通過して流れ込むものや、潤滑油蒸気凝縮部151の表面にそって流れ込むものによって占められる。そのため、貫通孔102bに流れ込む空気は潤滑油蒸気凝縮部151によって冷却され、気体中の潤滑油蒸気が潤滑油蒸気凝縮部151で凝縮することになる。その結果、シャフト10に形成された穴101bから流出する気体に含まれる潤滑油蒸気の量を非常に少なくすることができ、潤滑油の喪失を防止できる。
なお、図4に示す例では、径方向の穴101bの出口をネジ溝ポンプSPの上流に設けたが、ネジ溝ポンプSPの部分に設けても良い。また、本実施の形態の場合も、図3(b)に示した場合と同様に、ベアリングハウジング114側にネジ溝部114eを形成してネジ溝ポンプSPを構成するようにしても良い。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ターボ分子ポンプ1は、回転側排気機能部である回転翼30および円筒部31を有する回転体ユニットRと、回転翼30および円筒部31と協働して排気作用を生成する固定翼20およびステータ21と、回転体ユニットRのシャフト10を支持するボールベアリング8と、ボールベアリング8が収納され、シャフト10が貫通する貫通孔114pが形成されたベアリングハウジング114と、互い対向する貫通孔114pの内周面114dおよびシャフト10の外周面のいずれか一方の面(図2に示す例ではシャフト10の外周面)に形成され、対向する内周面114dと協働してボールベアリング8の方向への排気作用を生成するネジ溝部100と、ボールベアリング8を挟んで貫通孔114pとは反対側のベアリングハウジング114の内部に設けられ、ボールベアリング8に潤滑油を供給する潤滑油供給部である潤滑油貯蔵部111およびコーン型ナット102と、を備える。
このように、ボールベアリング8の方向への排気作用を生成するネジ溝部100を設けてネジ溝ポンプSPを構成することにより、潤滑油貯蔵部111が設けられた空間から、シャフト外周面とベアリングハウジング114の内周面114dとの隙間を通って漏れ出る潤滑油蒸気の量を低減することができる。
(2)さらに、ネジ溝部100の上流側またはネジ溝部100と、潤滑油貯蔵部111が設けられたベアリングハウジング114の内部空間とを連通する通路である、貫通孔114bを備えるのが好ましい。このような連通路を設けることにより、ネジ溝部100によるボールベアリング8の方向への排気作用による気体の流れを効果的に発生させることができる。そのような気体の流れを積極的に発生させることで、潤滑油蒸気は気体の流れによってベアリングハウジング114の内部空間へと戻される。その結果、シャフト10と貫通孔114pとの隙間を通ってベアリングハウジング114の内部空間から漏れ出る潤滑油蒸気を、より低減させることができる。
(3)また、ネジ溝部100の上流側またはネジ溝部100と、潤滑油貯蔵部111が設けられたベアリングハウジング114の内部空間とを連通する通路として、図4に示すようなシャフト10を貫通する貫通孔101(101a,101b)を設けても良い。
(4)さらに、潤滑油貯蔵部111が設けられた空間(すなわち、ベアリングハウジング114の内部空間)から溝114aや貫通孔101へ流入する気体に含まれる潤滑油蒸気を除去する潤滑油蒸気凝縮部として、潤滑油蒸気凝縮部151を備えるようにしても良い。潤滑油蒸気凝縮部151を設けることで、ネジ溝部100の上流側またはネジ溝部100へ移動する気体に含まれる潤滑油蒸気の量を低減することができる。その結果、真空側への潤滑油蒸気の漏洩をより低減することができるとともに、空間中に存在している潤滑油蒸気を効果的に潤滑油貯蔵部111に戻すことができるため,潤滑油量の減少をより抑えることができる。
(5)潤滑油蒸気凝縮部151は冷却することで潤滑油除去効果がより高まるが、その冷却機構としてターボ分子ポンプ1のケーシングの一部を構成し、外周面に放熱フィン150が形成された放熱器としてのアキシャルカバー15を設けると良い。コストアップを抑えつつ潤滑油除去効果を向上させることができる。もちろん、空冷方式のアキシャルカバー15に変えて水冷式のアキシャルカバーとしても良いし、電気的な冷却素子を設けたりしても良い。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態ではターボ分子ポンプを例に説明したが、ターボ分子ポンプに限らず種々の真空ポンプにも適用することができる。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…ターボ分子ポンプ、3…ポンプロータ、8,9…ボールベアリング、10…シャフト、10a…外周面、15…アキシャルカバー、100,114e…ネジ溝部、101,102b,111b,114b,114p…貫通孔、102…コーン型ナット、102a…テーパ面、111…潤滑油貯蔵部、111a…接触部、114…ベアリングハウジング、114a…溝、114d…内周面、151…潤滑油蒸気凝縮部、SP…ネジ溝ポンプ

Claims (5)

  1. 回転側排気機能部を有する回転体と、
    前記回転側排気機能部と協働して排気作用を生成する固定側排気機能部と、
    前記回転体の回転軸を支持する転がり軸受と、
    前記転がり軸受が収納され、前記回転軸が貫通する貫通孔が形成された軸受ハウジングと、
    互い対向する前記貫通孔の内周面および前記回転軸の外周面のいずれか一方の面に形成され、対向する面と協働して前記転がり軸受の方向への排気作用を生成するネジ溝排気部と、
    前記転がり軸受を挟んで前記貫通孔とは反対側の前記軸受ハウジングの内部に設けられ、前記転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、を備える真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記ネジ溝排気部の上流側または前記ネジ溝排気部と、前記潤滑油供給部が設けられた空間と、を連通する通路を備える、真空ポンプ。
  3. 請求項2に記載の真空ポンプにおいて、
    前記通路は、前記回転軸を貫通して前記ネジ溝排気部の上流側または前記ネジ溝排気部に連通する貫通孔を含む、真空ポンプ。
  4. 請求項2または3に記載の真空ポンプにおいて、
    前記潤滑油供給部が設けられた空間から前記通路に流入する気体に含まれる潤滑油蒸気を除去する潤滑油蒸気凝縮部を備える、真空ポンプ。
  5. 請求項4に記載の真空ポンプにおいて、
    真空ポンプのケーシングの一部を構成し、外周面に放熱フィンが形成された放熱器を備え、
    前記潤滑油蒸気凝縮部は前記放熱器に設けられている、真空ポンプ。
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