JP5533020B2 - タイヤの転がり抵抗を予測する方法および解析する方法と、タイヤの転がり抵抗を予測する予測装置および解析する装置 - Google Patents

タイヤの転がり抵抗を予測する方法および解析する方法と、タイヤの転がり抵抗を予測する予測装置および解析する装置 Download PDF

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Description

本発明は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の予測方法及び予測装置と、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の解析方法及び解析装置に関する。
車両の燃費を低減するために、タイヤの転がり抵抗を低減することが、タイヤ製造業者に求められている。このため、タイヤの転がり抵抗の大小を評価するためにシミュレーションにより転動中のタイヤのエネルギーロスを解析する方法が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1には、コンピュータを用いてタイヤのシミュレーションを行うタイヤのシミュレーション方法が記載されている。当該方法では、タイヤを、粘弾性特性が定義された第1の要素を含む有限個の要素で分割したタイヤモデルを設定し、予め定めた境界条件に基づいてタイヤモデルを路面モデルの上で転動させ、このとき得られた物理量に基づいて少なくとも一つの第1の要素のエネルギーロスを計算する。このエネルギーロスに基づいて転がり抵抗の代用を予測する。
具体的には、引用文献1では、転動中のタイヤモデルの各要素が1周する間に受ける歪みの履歴を求めることにより変形履歴を抽出し、このときの変形履歴から粘弾性特性によるエネルギーロスを計算する。
特開2006−175937号公報
しかし、上記方法は、有限要素モデルからなるタイヤモデルを用いてタイヤの転動シミュレーションを行うため、タイヤモデルの作成、および、転動シミュレーションの演算に多大の時間を要する。また、この方法は、タイヤモデルの作成と転動シミュレーションを繰り返し行うことにより、転がり抵抗の低いタイヤモデルを実現するタイヤを再現するだけであるので、タイヤ設計者にとって転がり抵抗の低減のための包括的な設計指針を得ることはできない。
そこで、本発明は、従来の方法と異なる方式を用いて、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の予測あるいは解析を効率よく行うことのできる、タイヤの転がり抵抗の、予測方法、解析方法、予測装置および解析装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する方法であって、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域を、前記タイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを求めるステップと、
求めた撓み角周波数ωcを用いて、タイヤの転がり抵抗を算出するステップと、を有することを特徴とするタイヤの転がり抵抗を予測する方法である。
本発明の別の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する方法であって、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をメモリから読み出すステップと、
角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出するステップと、
前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、転がり抵抗を算出するステップと、有することを特徴とするタイヤの転がり抵抗を予測する方法である。
本発明のさらに別の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の解析方法であって、
タイヤの転がり抵抗の実測データを取得するステップと、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分と前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をパラメータとして備える解析モデルと、取得した前記タイヤの転がり抵抗の実測データとを用いて、前記パラメータの値を抽出するステップと、
前記パラメータの値の抽出結果を記憶するステップと、を有し、
前記角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が、前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcの値を算出し、算出した前記撓み角周波数ωcの値を、前記パラメータの値を抽出する際に用いる、ことを特徴とする解析方法である。
また、本発明の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する転がり抵抗の予測装置であって、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域を、前記タイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを求め、さらに、求めた撓み角周波数ωcを用いて、タイヤの転がり抵抗を算出する処理部と、
前記タイヤの転がり抵抗の算出結果を出力する出力部と、を有する、ことを特徴とする転がり抵抗の予測装置である。
更に本発明の別の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する転がり抵抗の予測装置であって、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する、前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をタイヤの転がり抵抗を予測するための解析モデルのパラメータの値として記憶するデータ記憶部と、
前記撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出し、前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、転がり抵抗を算出する処理部と、
前記転がり抵抗の算出結果を出力する出力部と、を有する、ことを特徴とする転がり抵抗の予測装置である。
また、本発明の一態様は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の解析装置であって、
タイヤの転がり抵抗の実測データを記憶するデータ記憶部と、
タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布において、タイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分と前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する、前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をパラメータとして備える解析モデルと、記憶した前記タイヤの転がり抵抗の実測データとを用いて、前記パラメータの値を抽出する処理部と、を有し、
前記データ記憶部は、前記パラメータの値の抽出結果を記憶し、
前記処理部は、前記角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出し、算出した前記撓み角周波数ωcを、前記パラメータの値を抽出する際に用いる、ことを特徴とする解析装置である。
上述の予測方法、解析方法、予測装置および解析装置は、路面を転動するタイヤの転がり抵抗の予測あるいは解析を効率よく行うことができる。
(a)は、本実施形態の予測・解析装置の構成を示すブロック構成図であり、(b)は、予測・解析装置で用いる解析モデルを説明する図である。 本実施形態で用いるサイド側部分およびトレッド側部分を説明する図である。 タイヤ転動中のタイヤの転がり抵抗と位相ずれφとの関係を説明する図である。 (a)は、図1(b)に示す解析モデルにおいて、タイヤの変形を説明する図であり、(b)は、撓み領域ψを説明する図であり、(c)は、撓み領域ψと位相ずれφを説明する図である。 (a),(b)は、図1(b)に示す解析モデルを用いて、転がり抵抗の実測データ(実線)にカーブフィッティングさせたときの結果を示す図である。 (a),(b)は、プリンタ・ディプレイに出力される画面の例を示す図である。 (a)〜(e)は、図1(a)に示す装置を用いて算出される、パラメータψ、Ea,Eb,ηa,ηbの値を±20%変化させたときの、転がり抵抗の変化を示す図である。
以下、本発明のタイヤの転がり抵抗を予測する方法および解析する方法と、タイヤの転がり抵抗を予測する予測装置および解析する装置について詳細に説明する。
(予測・解析装置について)
図1(a)は、本発明のタイヤの転がり抵抗を予測する方法および解析する方法を行う予測・解析装置10の構成を示すブロック構成図である。
予測・解析装置(以降、単に装置という)10は、タイヤの転がり抵抗の転動速度依存性の実測データから解析モデルを用いて、解析モデルで用いられるパラメータの値を抽出する。さらに、装置10は、解析モデルで用いられるパラメータの値をメモリから読み出し、パラメータの値を用いて、所望の転動条件(転動速度)における転がり抵抗を予測する。さらに、装置10は、予測した転がり抵抗のうち、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性に起因する転がり抵抗と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性に起因する転がり抵抗の寄与の量を別々に算出する。
装置10は、CPU12と、メモリ14と、入・出力インターフェース16と、ディスプレイ・プリンタ18と、キーボード・マウス20と、有するコンピュータである。
装置10は、メモリ14に記憶されているプログラムを起動することにより、ソフトウェア処理モジュールを形成する。このモジュールは、モデル演算部22と、パラメータ値抽出部24と、転がり抵抗予測部26と、制御部28と、条件設定部30と、を有する。
モデル演算部22は、以降で説明する解析モデルと与えられたパラメータの値を用いて、所定の転動速度における転がり抵抗の値を算出し、算出した値を、パラメータ値抽出部24あるいは転がり抵抗予測部26に提供する。
図1(b)は、解析モデルを説明する図である。
解析モデルは、バネとダッシュポットが並列した2つのフォークトモデルを直列に接続したモデルである。解析モデルは、タイヤのサイド側部分とタイヤのトレッド側部分を、モデル化している。ここで、サイド側部分は、タイヤを2つに大きく分けたときのビード側にある部分であり、例えば、サイドゴム、ビード、ビードフィラーゴム、およびこれらの各部材に対応する位置にあるカーカス層等を含む。トレッド側部分は、タイヤを2つに大きく分けたときのトレッド側にある部分であり、例えば、トレッドゴム、ベルト層、および、これらの各部材に対応する位置にあるカーカス層等を含む部分であり、ショルダー部を含む。サイド側部分とトレッド側部分は、図2に示すように、タイヤプロファイル断面において、トレッドゴムの両端部を結んだ直線(図中の点線)で概略区分けされる。サイド側部分は、この直線よりタイヤ径方向内側の部分であり、トレッド側部分は、この直線よりタイヤ径方向外側の部分である。
解析モデルにおけるパラメータは、サイド側部分における、バネ定数Eaに対する粘性係数ηaの比を表す応答時定数τ1と、トレッド側部分の、バネ定数Ebに対する粘性係数ηbの比を表す応答時定数τ2と、バネ定数(Ea+Eb)に対するバネ定数Ebの比αと、を含む。
図1(b)中のバネ定数Ea、粘性係数ηa、応答時定数τ1は、サイド側部分の特性を表し、バネ定数Eb、粘性係数ηb、応答時定数τ2は、トレッド側部分の特性を表す。一般的に、トレッド側部分のバネ定数Ebは、バネ定数Eaに比べて値が極めて大きい。また、応答時定数τ2は、応答時定数τ1に比べて値が極めて大きい。
このような解析モデルに、トレッド側部分の端から、接地変形に当たる変位Xが所定の角周波数で与えられたとき、サイド側部分の一方の端で発生する、当該角周波数における力Fzは、変位Xに対して位相ずれが生ずる。この力Fzは、常時タイヤが路面から受ける垂直反力であって、タイヤにおける負荷荷重にも該当するので、以降においては、タイヤにおける負荷荷重を負荷荷重Fzとも記載する。位相ずれは、図1(b)中に示す解析モデルでは、φc=tan-1c・τ1)+tan-1c・τ2)−tan-1(α・ωc・τ2)と、定式化することができる。ここで、ωcは、変位Xの角周波数であり、具体的には、路面からタイヤが受ける変位Xの角周波数である。ここで、比αは0以上1以下の数であるので、φは正の値を持つ。すなわち、力Fは、変位Xに対して位相が進むように発生する。φcは、角周波数ωcに対する位相ずれである。この力Fが常時路面からタイヤに作用する。
図3は、タイヤ転動中のタイヤの転がり抵抗RRと上記位相ずれφcから求められるφとの関係を説明する図である。上述したように、変位Xに対して力Fzは位相が進む。図3は、このときの力Fzが、タイヤに作用する作用点の位置を模式的に示している。上記位相ずれφcは正であるため、力Fzの作用点は、タイヤの転がり進む前方方向に移動する(x0だけ前方に移動)。タイヤは、一定速度で転がっているので、力Fzに起因する回転軸周りのモーメントFz・x0と転がり抵抗RRに起因する回転軸周りのモーメントRR・h(hは転がり半径)は釣り合う。したがって、RR=Fz・x0/hとなる。ここでx0/hは、tanφであるので、転がり抵抗RR=Fz・tanφと表される。
図4(a)は、タイヤの接地に伴う、タイヤ周上の撓み変形を説明する図である。図4(b)は、撓み領域ψを説明する図である。図4(c)は、撓み領域ψと位相ずれφを説明する図である。
解析モデルにおける変位Xは、タイヤが路面に接地することによりトレッド側部分及びサイド側部分に変形を生じさせる変位であり、タイヤが受ける撓みに相当する。転動するタイヤの場合、タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布δr(図4(b)参照)の中で接地によりタイヤに大きな変形が発生するが、タイヤのたわみ量が所定量を超える大きな変形領域は、タイヤの1周の間の一部でしか発生しない。すなわち、図4(a)中の撓み領域ψの区間(A〜Bの区間)でしか、変位Xは実質的に発生しない。したがって、この撓み領域ψをタイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が通過する時間はψ/ω(ωはタイヤの転動時の角周波数)である。タイヤ周上の各部分は、撓み領域ψの区間を順次通過するので、解析モデルは、ψ/ωを1周期とする角周波数で変位Xを与えるとよい。したがって、解析モデルにおける変位Xの角周波数ωcは2π・(ω/ψ)と表される。なお、撓み領域ψは、タイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の領域である。ここで所定の量とは、タイヤの最大撓み×β(βは0.4〜0.6の範囲の一定値)の量である。
一方、図3に示すタイヤにおける力Fzのφは、タイヤ1周(2π)に対する位相ずれであるが、図1(b)に示す位相ずれφcは、撓み領域ψの範囲を2πとした位相のずれであるため、φcとφの関係は、φ=(ψ/2π)・φcと表すことができる。
したがって、解析モデルにおける転がり抵抗RRは、下記式(1)のように表すことができる。
転がり抵抗RR=Fz・tan[(ψ/2π)・{tan-1c・τ1)+tan-1c・τ2)−tan-1(α・ωc・τ2)}] ・・・ (1)
(ωc=2π・(ω/ψ))
モデル演算部22は、上記式(1)中の(ψ/2π)・{tan-1c・τ1)+tan-1c・τ2)−tan-1(α・ωc・τ2)}の値が小さいため、近似的に、転がり抵抗RRを下記式(1)’に近似して転がり抵抗RRを算出する。勿論、モデル演算部22は、上記式(1)を用いて転がり抵抗RRを算出してもよい。
転がり抵抗RR≒ (ψ/2π)・Fz・tan[{tan-1c・τ1)+tan-1c・τ2)−tan-1(α・ωc・τ2)}] ・・・(1)’
モデル演算部22は、パラメータ値抽出部24から解析モデルに用いる各種パラメータ(τ1、τ2、α、ψ、ω、Fz)の各値が送られてくる。モデル演算部22は、ψとωの値を用いて撓み角周波数ωcを算出し、撓み角周波数ωcの値と、パラメータτ1、τ2、α、ψ、Fzの値を用いて上述の式(1)’にしたがって、転がり抵抗RRを算出する。モデル演算部22は、算出した転がり抵抗RRをパラメータ値抽出部24に返す。
パラメータ値抽出部24は、モデル演算部22で算出される転がり抵抗RRの角周波数依存性の算出結果が、転がり抵抗の角周波数依存性の実測データに、許容範囲内で一致するように、パラメータτa、τb、α、ψの値を抽出する。具体的には、パラメータ値抽出部24は、まず、A・tan{tan-1(B・ωc)+tan-1(C・ωc)−tan-1(D・ωc)}の式を用いて、設定された角周波数ωの範囲における転がり抵抗の実測データに近似するように、カーブフィッティングを行う。カーブフィッティングが実測データに略近似するように、パラメータ値抽出部24は、A,B,C,Dの値を抽出する。パラメータ値抽出部24は、具体的に、A,B,C,Dに初期値を与え、設定された角周波数ωの範囲で転がり抵抗RRの算出結果と実測データとの二乗誤差を求める。パラメータ値抽出部24は、二乗誤差が許容範囲にない場合、A,B,C,Dの値を変更して、転がり抵抗RRの算出結果と実測データとの二乗誤差を算出する。パラメータ値抽出部24は、転がり抵抗RRの算出と二乗誤差の算出を繰り返し行い、二乗誤差が許容範囲内に入るまで、A,B,C,Dの値を繰り返し変更する。A,B,C,Dの値の変更は、公知の方法、例えば、ニュートン・ラフソン法等を用いて行われる。
パラメータ値抽出部24は、抽出されたA,B,C,Dの値から、τ1、τ2、α、ψをの各値を抽出する。具体的には、Aは(ψ/2π)・Fに相当するので、ψは、2π・A/Fとして求められる。Bは、2π/ψ・ωτaに相当するので、τ1は、(ψ/2π)・(B/ω)として求められる。Cは、2π/ψ・ωτbに相当するので、τ2は、(ψ/2π)・(C/ω)として求められる。Dは、α・2π/ψ・ω・τ2に相当するので、αは、(ψ/2π)・(D/ω)として求められる。更に、αは、バネ定数(Ea+Eb)に対するバネ定数Ebの比、すなわち、Eb/(Ea+Eb)であるので、Eb/Eaの比を求めることができる。
パラメータ値抽出部24は、抽出した各値をメモリ14に記憶させる。
装置10は、算出したパラメータの値を用いることにより、後述するように、角周波数ωの別の領域の転がり抵抗RRを精度よく予測することができる。
転がり抵抗予測部26は、メモリ14に記憶された解析モデルのパラメータ(τ1、τ2、α、ψ)の各値を呼び出し、設定された転動速度の範囲と負荷荷重Fzを設定して、τ1、τ2、α、ψ、ω、Fzの各値をモデル演算部22に提供する。モデル演算部22は、τ1、τ2、α、ψ、ω、Fzの各値の提供により、転がり抵抗RRを算出して、転がり抵抗予測部26に転がり抵抗RRの算出結果を返す。この場合においても、モデル演算部22は、ψとωの値を用いて撓み角周波数ωcを算出し、撓み角周波数ωcの値と、τ1、τ2、α、ψ、Fzの値を用いて式(1)’にしたがって、転がり抵抗RRを算出する。
転がり抵抗予測部26は、転動速度(角周波数ω)を変えながら、設定された転動速度の範囲における転がり抵抗RR、すなわち、転がり抵抗の転動速度依存性(角周波数依存性)を算出する。このように、転がり抵抗予測部26は、タイヤの転がり抵抗を予測することができる。勿論、タイヤのスペックによってτ1、τ2、α、ψの値は異なっているので、パラメータ値抽出部24は、種々のタイヤスペック毎に、τ1、τ2、α、ψの値を抽出し、メモリ14に蓄積して記憶しておくことが好ましい。
条件設定部30は、装置10において、転がり抵抗RRの角周波数依存性のデータを算出するのか、パラメータ(τ1、τ2、α、ψ)の各値を算出するのか、パラメータ(τ1、τ2、α、ψ)の各値の算出と、算出結果を用いて別の転動速度(角周波数)における転がり抵抗RRの算出を行うのか、処理の内容を設定し、制御部28を通してパラメータ値抽出部24あるいは転がり抵抗予測部26に処理の内容の指示をする。
制御部28は、モデル演算部22、パラメータ値抽出部24、転がり抵抗予測部26、および条件設定部30の動作を制御する。
なお、メモリ14は、モデル演算部22と、パラメータ値抽出部24と、転がり抵抗予測部26と、制御部28と、条件設定部30と、形成するためのプログラムを記憶保持する他、上記τ1、τ2、α、ψの各値がFz毎に記憶保持されている。また、モデル演算部22でカーブフィッティングを行うために用いる転がり抵抗の実測データもメモリ14に記憶保持されている。
以上説明した装置10は、転がり抵抗の予測、解析に関して、以下の2種類の処理を行う。
・処理1:解析モデルを用いて算出される転がり抵抗の転動速度依存性の算出結果が、転がり抵抗の転動速度依存性の実測データに近似するように、解析モデルに用いるパラメータであるτ1、τ2、α、ψの値を抽出する処理。
・処理2:メモリ14に記憶保持されたパラメータであるτ1、τ2、α、ψの各値を用いて、転がり抵抗の転動速度依存性を算出する処理。
(処理1について)
装置10のパラメータ値抽出部24は、条件設定部30の指示に従って、負荷荷重Fz、および、解析モデルで算出される転がり抵抗の転動速度依存性を、実測データに近似させるための転動速度の範囲を設定する。パラメータ値抽出部24は、設定した負荷荷重Fzに対応する転がり抵抗の転動速度依存性の実測データをメモリ14から読み出す。さらに、パラメータ値抽出部24は、解析モデルのパラメータであるτ1、τ2、α、ψの値として初期値を設定する。初期設定値は、予め定められたデフォルト値でもよいし、ある程度予測される値を用いてもよい。
転動速度を設定された範囲の下限あるいは上限にセットし、パラメータ値抽出部24は、転動速度を、ω=(転動速度)/(負荷荷重Fzにおける転がり半径)にしたがって、角周波数ωに変換する。パラメータ値抽出部24は、このωの値とFzの値と、τ1、τ2、α、ψの各値を、モデル演算部22に提供する。
モデル演算部22は、撓み領域ψをタイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcの値を、ωc=(2π/ψ)・ωにしたがって求める。さらに、モデル演算部22は、撓み角周波数ωcの値とτ1、τ2、αの各値を用いて、上記式(1)’にしたがって、転がり抵抗RRを算出する。モデル演算部22は、算出した転がり抵抗RRをパラメータ値抽出部24に提供する。
パラメータ値抽出部24は、さらに、転動速度を変更して、ωの値とFzの値と、τ1、τ2、α、ψの各値を、モデル演算部22に提供し、モデル演算部22から、算出した転がり抵抗RRの提供を受ける。これを繰り返すことにより、所定の転動速度の範囲で転がり抵抗RRが算出される。このとき、パラメータ値抽出部24は、メモリ14から読み出された転がり抵抗の転動速度依存性の実測データと算出した転がり抵抗RRの結果との間で二乗誤差を算出する。
パラメータ値抽出部24は、算出した二乗誤差が許容範囲内の場合、パラメータの値が抽出されたと判断し、メモリ14にτ1、τ2、α、ψの各値を記憶させる。また、二乗誤差の情報、実測データと転がり抵抗RRの転動速度依存性のデータ等が、ディスプレイ・プリンタ18に出力される。
一方、算出した二乗誤差が許容範囲内に無い場合、パラメータ値抽出部24は、τ1、τ2、α、ψの値を変更する。パラメータの値の変更量は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、ニュートン・ラフソン法等が用いられるとよい。
このように、モデル演算部22において転がり抵抗RRを算出するとき、撓み領域ψの範囲を用いて撓み角周波数ωcを求め、この撓み角周波数ωcを用いて転がり抵抗RRを算出する。
なお、パラメータ値抽出部24において、パラメータτa、τb、α、ψの各値が抽出された場合、装置10の転がり抵抗予測部26を用いて、パラメータτ1、τ2、α、ψの値を用いて、更に別の転動条件(転動速度)における転がり抵抗RRを予測することもできる。この場合、撓み領域ψをタイヤの各部分が通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωc(=(2π/ψ)・ω)の値を用いて、タイヤの転がり抵抗RRを予測する。
また、τ1、τ2、αの各値がわかっているので、装置10は、予測された転がり抵抗RRのうち、サイド側部分の寄与する量と、トレッド側部分の寄与する量とを別々に算出することができる。算出された転がり抵抗RRの転動速度依存性のデータや、サイド側部分の寄与する量、トレッド側部分の寄与する量等の情報が、ディスプレイ・プリンタ18に出力される。
(処理2について)
装置10の転がり抵抗予測部26は、条件設定部30の指示に従って、負荷荷重Fz、および、解析モデルで転がり抵抗を算出するための転動速度の範囲を設定する。
転がり抵抗予測部26は、メモリ14から、負荷荷重Fzに対応する、解析モデルのパラメータであるτ1、τ2、α、ψの各値を呼び出す。転がり抵抗予測部26は、転動速度の範囲のうち、上限または下限に転動速度を設定し、この転動速度に対応する角周波数ωと、Fzの値と、τ1、τ2、α、ψの各値を、モデル演算部22に提供する。
モデル演算部22は、撓み領域ψをタイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcの値を、ωc=(2π/ψ)・ωにしたがって求める。さらに、モデル演算部22は、撓み角周波数ωcの値とτa、τb、αの各値を用いて、上記式(1)’にしたがって、転がり抵抗RRを算出する。モデル演算部22は、算出した転がり抵抗RRをパラメータ値抽出部24に提供する。
転がり抵抗予測部26は、さらに、転動速度を変更して、ωとFzの値と、τ1、τ2、α、ψの各値を、モデル演算部22に提供し、モデル演算部22から、算出した転がり抵抗RRの提供を受ける。これを繰り返すことにより、所定の転動速度の範囲で転がり抵抗RRが算出される。
このとき、τ1、τ2、αの各値がわかっているので、装置10は、算出された転がり抵抗RRのうち、サイド側部分の寄与する量と、トレッド側部分の寄与する量とを分けて別々に算出することができる。算出された転がり抵抗RRの転動速度依存性のデータや、サイド側部分の寄与する量、トレッド側部分の寄与する量等の情報が、ディスプレイ・プリンタ18に出力される。
図5(a),(b)は、処理1により、解析モデルを用いて算出される転がり抵抗RRを、転がり抵抗の実測データ(実線)にカーブフィッティングさせたときの結果を示す図である。図5(a)に示す例は、乗用車用タイヤの例であり、図5(b)に示す例は、トラック・バス用タイヤの例である。
図5(a)では、パラメータの値が、ψ=45.5度、τ1=0.032m秒、τ2=2.96m秒、α=0.91である。図中、○は、解析モデルで算出された転がり抵抗RRの値を示す。解析モデルで算出された転がり抵抗RRは、実測データに極めてよく合致して、解析モデルがタイヤの転がり抵抗の実測データをよく再現することがわかる。図5(b)についても、同様のことが言える。
なお、図5(a),(b)には、さらに、転がり抵抗RRのサイド側部分が寄与する量(破線)と、トレッド側部分が寄与する量(一点鎖線)が示されている。サイド側部分が寄与する量と、トレッド側部分が寄与する量は、転動速度に応じて変化することがわかる。このように、転がり抵抗RRを解析することができるので、転動速度に応じて、タイヤのどの部分を効果的に設計変更すると転がり抵抗を効果的に低減することができるか、知ることができる。
図6(a),(b)は、プリンタ・ディプレイ18に出力される画面の例を示す図である。
図6(a)、(b)では、タイヤスペックが異なる乗用車用タイヤA,B,Cの解析結果の一例を示す。図6(a)では、転がり抵抗の良好な順番は、タイヤA、タイヤB、タイヤCである。撓み領域ψは、タイヤC、タイヤB,タイヤAの順に小さくなっている。タイヤCは、トレッド側部分の転がり抵抗の寄与が、タイヤA、タイヤBに比べて大きく、トレッド側部分の設計変更をすべきことがわかる。
図6(b)は、このようなタイヤA,B,Cについて、一目で分析できるように、撓み領域ψに応じた扇状の角度を定め、サイド側部分およびトレッド側部分の位置に数値を記入した、出力画面の一例である。この画面をタイヤ設計者が見ることにより、タイヤ設計者はタイヤCのどの部位に起因して転がり抵抗が大きくなっているか、直感的に知ることができる。
図7は、タイヤCについて、パラメータψ、Ea,Eb,ηa,ηbの値を±20%変化させたときの、転がり抵抗RRの変化を示す図である。このようなパラメータψ、Ea,Eb,ηa,ηbの感度解析結果を用いることにより、タイヤ設計者は、サイド側部分あるいはトレッド側部分のゴム部材等を硬くする、軟くする、あるいは、粘性を高くする、粘性を低くする等の対策の方向性を容易に知ることができる。この点で、装置10は、タイヤ設計にとって有用である。
以上のように、本実施形態の解析モデルでは、タイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域ψの範囲に基づいて、タイヤのサイド側部分およびトレッド側部分が撓み領域ψを通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcの値を求める。そして、求めた撓み角周波数ωcの値が、タイヤの転がり抵抗を算出する際に用いられる。このため、従来のように、タイヤの有限要素モデルを用いてタイヤのシミュレーション方法を行って転がり抵抗を算出する場合に比べて、効率よく、しかも、実測データに略一致する転がり抵抗を予測することができる。
以上、本発明のタイヤの転がり抵抗を予測する方法および解析する方法と、タイヤの転がり抵抗を予測する予測装置および解析する装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 予測・解析装置
12 CPU
14 メモリ
16 入・出力インターフェース
18 ディスプレイ・プリンタ
20 キーボード・マウス
22 モデル演算部
24 パラメータ値抽出部
26 転がり抵抗予測部
28 制御部
30 条件設定部

Claims (12)

  1. 路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する方法であって、
    タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分と前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をメモリから読み出すステップと、
    角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出するステップと、
    前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、タイヤの転がり抵抗を算出するステップと、有することを特徴とするタイヤの転がり抵抗を予測する方法。
  2. 前記タイヤの回転する角周波数をωとし、前記撓み領域の範囲を表す角度をψ[rad]としたとき、前記撓み角周波数ωcは、(2π/ψ)・ωで表される、請求項に記載の方法。
  3. 前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、転がり抵抗を算出するとき、下記式に従って転がり抵抗が算出される、請求項1または2に記載の方法。
    転がり抵抗RR= (ψ/2π)・Fz・tan{tan-1cτ1)+tan-1cτ2)−tan-1(α・ωcτ2)}
    (Fzはタイヤの負荷荷重である。)
  4. さらに、前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、前記サイド側部分および前記トレッド側部分における転がり抵抗の寄与の量を別々に算出するステップ、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 路面を転動するタイヤの転がり抵抗の解析方法であって、
    タイヤの転がり抵抗の実測データを取得するステップと、
    タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をパラメータとして備える解析モデルと、取得した前記タイヤの転がり抵抗の実測データとを用いて、前記パラメータの値を抽出するステップと、
    前記パラメータの値の抽出結果を記憶するステップと、を有し、
    前記角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が、前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcの値を算出し、算出した前記撓み角周波数ωcの値を、前記パラメータの値を抽出する際に用いる、ことを特徴とする解析方法。
  6. 前記解析モデルにおける前記パラメータと前記転がり抵抗とは、下記式で関係付けられている、請求項に記載の解析方法。
    転がり抵抗RR= (ψ/2π)・Fz・tan{tan-1cτ1)+tan-1cτ2)−tan-1(α・ωcτ2)}
    (Fzはタイヤの負荷荷重である。)
  7. さらに、前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、前記実測データにおける、前記サイド側部分および前記トレッド側部分における前記転がり抵抗の寄与の量を別々に算出するステップ、を有する請求項5または6に記載の解析方法。
  8. 路面を転動するタイヤの転がり抵抗を予測する転がり抵抗の予測装置であって、
    タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布の中でタイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する、前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をタイヤの転がり抵抗を予測するための解析モデルのパラメータの値として記憶するデータ記憶部と、
    前記撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出し、前記撓み角周波数ωcと、前記第1時定数τ1と、前記第2時定数τ2と、前記比αと、を用いて、転がり抵抗を算出する処理部と、
    前記転がり抵抗の算出結果を出力する出力部と、を有する、ことを特徴とする転がり抵抗の予測装置。
  9. 路面を転動するタイヤの転がり抵抗の解析装置であって、
    タイヤの転がり抵抗の実測データを記憶するデータ記憶部と、
    タイヤが路面に接地することにより変形するタイヤ周上のたわみ分布において、タイヤのたわみ量が所定量を超えるタイヤ周上の撓み領域の範囲を表す角度ψ[rad]と、タイヤのサイド側部分の粘弾性特性を表す第1時定数τ1と、タイヤのトレッド側部分の粘弾性特性を表す第2時定数τ2と、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分における弾性定数の和に対する、前記トレッド側部分における弾性定数の比αと、をパラメータとして備える解析モデルと、記憶した前記タイヤの転がり抵抗の実測データとを用いて、前記パラメータの値を抽出する処理部と、を有し、
    前記データ記憶部は、前記パラメータの値の抽出結果を記憶し、
    前記処理部は、前記角度ψ[rad]と前記タイヤの回転する角周波数ωとを用いて、前記タイヤの前記サイド側部分および前記トレッド側部分が前記撓み領域を通過する時間を1周期とする撓み角周波数ωcを算出し、算出した前記撓み角周波数ωcを、前記パラメータの値を抽出する際に用いる、ことを特徴とする解析装置。
  10. 前記処理部は、さらに、前記撓み角周波数ω c と、前記第1時定数τ 1 と、前記第2時定数τ 2 と、前記比αと、を用いて、前記実測データにおける、前記サイド側部分および前記トレッド側部分における前記転がり抵抗の寄与の量を別々に算出する、請求項8に記載の転がり抵抗の予測装置。
  11. 前記出力部は、前記サイド側部分および前記トレッド側部分における前記転がり抵抗の寄与の量の情報を出力する、請求項10に記載の予測装置。
  12. 前記処理部は、さらに、前記撓み角周波数ω c と、前記第1時定数τ 1 と、前記第2時定数τ 2 と、前記比αと、を用いて、前記実測データにおける、前記サイド側部分および前記トレッド側部分における前記転がり抵抗の寄与の量を別々に算出する、請求項9に記載の転がり抵抗の解析装置。
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