JP5530842B2 - オイルミスト処理装置 - Google Patents

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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、オイルミスト処理装置に関し、特に、内燃機関のクランク室内等において発生するブローバイガス中からオイルミストを分離するためのオイルミスト処理装置に関する。
一般に、自動車等に搭載された内燃機関においては、機関運転に伴いピストンとシリンダ内壁との間から混合気がクランクケース内に漏出し、いわゆるブローバイガスが発生する。このブローバイガスには、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれており、これをそのまま大気中に放出すると環境汚染の原因となり得る。このため、自動車等に搭載された内燃機関には、ブローバイガスを吸気系に還流して再度燃焼室に送り込むことによりブローバイガスの大気中への放出を防止するブローバイガス還流装置(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)が設けられている。
また、PCV装置により吸気系に還流させられるブローバイガスには、エンジンオイルなどのオイルミストが含まれており、これをそのまま吸気系に導入させるとオイル消費が促進する等の弊害が生じる。このため、PCV装置には、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離、回収する、いわゆるオイルミスト処理装置が設けられている。
従来、このようなオイルミスト処理装置として、ブローバイガスが導入されるガス導入口とブローバイガスが排出されるガス排出口とが円筒状の装置本体に設けられたオイルミスト処理装置であって、装置本体内に設けられ、ガス導入口と連通する一次分離部と、装置本体内で一次分離部の下方に配置され、濾網を有する二次分離部と、装置本体内で一次分離部の上方に配置され、フィルタエレメントを有するとともにガス排出口に連通する三次分離部と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のオイルミスト処理装置において、排気系に還流させられるブローバイガスは、ガス導入口から一次分離部に導入される。一次分離部に導入されたブローバイガスは、旋回流に変換され、このブローバイガス中に含まれる比較的大きな液滴が遠心分離された後、二次分離部に送られる。二次分離部に導入されたブローバイガスは、濾網を通過する際に、さらにブローバイガス中の液滴が濾網により捕集される。その後、ブローバイガスは、一次分離部を貫通して二次分離部下方と三次分離部とを連通するホーン部を介して三次分離部に送られる。三次分離部に導入されたブローバイガスは、フィルタエレメントによりブローバイガス中に含まれるオイルミストが捕集された後、ガス排出口から排出される。
特開2001−336413号公報
ところで、このような特許文献1に記載の従来のオイルミスト処理装置にあっては、内燃機関のアイドル運転時、内燃機関の回転速度や負荷が低下することにより、装置本体内を旋回するブローバイガスの流速が遅くなる。このため、一次分離部に導入されたブローバイガスは、その流量も少なく、かつ旋回力も小さいため、遠心分離による液滴の分離が不十分なまま、その大半が二次分離部に導入される。このとき、濾網の密度によっては一次分離部下方の第1の穴(二次分離部への導入口)と二次分離部下方の第2の穴との間の吸引バランスが崩れる場合がある。この状態において、車両の運転状況に応じて内燃機関の回転速度や負荷が高まると、それまで二次分離部の抵抗により留まっていたブローバイガスの流量が増加し、三次分離部に流入する。また、三次分離部に流入するブローバイガスの流量の増加とともに、該ブローバイガスに含まれるオイルの粒径も大きくなる。このため、三次分離部には、粒径の大きなオイルを含むブローバイガスが多量に流入することとなる。その結果、三次分離部では、フィルタエレメントの目詰まりの進行が早まり、該フィルタエレメントの交換ピッチが早くなってしまうという問題があった。
さらに、オイルの劣化が進行すると、スラッジ(汚泥)が生成され、フィルタエレメントが閉塞されてしまうという問題もあった。
また、このようなオイルミスト処理装置では、フィルタエレメントの目詰まりや閉塞がブローバイガスの流動の妨げとなり、装置全体の圧力損失が増加してしまう。このため、目詰まりや閉塞を抑制させるべく、濾網の密度を疎にすることも考えられるが、この場合には、オイルの分離効率が低下してしまう。これに対し、オイルの分離効率を高めるため濾網の密度を密にすると、上述の通り、フィルタエレメントの目詰まりや閉塞が生じ易くなり、装置全体の圧力損失を増加させてしまう。
このように、従来のオイルミスト処理装置では、一般に、オイルの分離効率の向上と、圧力損失の低減という相反する課題を解決することが困難であるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、フィルタの目詰まりや閉塞を防止するとともに、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができるオイルミスト処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係るオイルミスト処理装置は、上記目的達成のため、(1)内燃機関のクランク室から吸気通路に還流されるブローバイガスからオイルミストを分離するオイルミスト処理装置であって、セパレータケーシングと、前記セパレータケーシング内に設けられ、前記ブローバイガスの流動方向に段違いに配列された複数の慣性衝突壁からなるセパレータ部と、前記セパレータ部の上流に設けられ、前記セパレータケーシング内に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集するフィルタ部と、を備え、前記フィルタ部は、前記セパレータケーシングに固定された親油性素材からなる平面状の固定メッシュ部材と、前記固定メッシュ部材の上流に配置され、前記固定メッシュ部材に対して前記ブローバイガスの流動方向に移動可能に前記セパレータケーシングに支持された親油性素材からなる平面状の可動メッシュ部材と、を有し、前記固定メッシュ部材および前記可動メッシュ部材には、それぞれ多数のメッシュ孔が形成され、前記固定メッシュ部材および前記可動メッシュ部材は、前記ブローバイガスの流動方向に重なり合う前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されている構成を有する。
この構成により、本発明に係るオイルミスト処理装置は、セパレータ部の上流に設けられたフィルタ部が、固定メッシュ部材と、固定メッシュ部材の上流に配置されブローバイガスの流動方向に移動可能な可動メッシュ部材とを有しているので、可動メッシュ部材が可動することにより、例えばオイル劣化に伴うスラッジが各メッシュ部材に生成され難く、各メッシュ部材の目詰まりや閉塞を防止することができる。
また、固定メッシュ部材および可動メッシュ部材は、ブローバイガスの流動方向に重なり合うメッシュ孔同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されている。このため、本発明に係るオイルミスト処理装置は、固定メッシュ部材に対して可動メッシュ部材が移動することによって、固定メッシュ部材と可動メッシュ部材との重なり合いにより形成される立体的なフィルタ孔径を変化させることができる。したがって、固定メッシュ部材および可動メッシュ部材が互いに離間しているときには、上記フィルタ孔径が大きくなり、装置全体の圧力損失の低減を図ることができる。一方で、可動メッシュ部材が移動することにより固定メッシュ部材および可動メッシュ部材が互いに密着したときには、上記フィルタ孔径が小さくなり、親油性素材からなる固定メッシュ部材および可動メッシュ部材により構成されたフィルタ部におけるオイルミストの捕集効率を高めることができる。これにより、フィルタ部において、オイルミストの凝集によるオイルの大径化を促進することができる。その結果、大径化して質量が増したオイルがセパレータ部の慣性衝突壁に付着し易くなり、セパレータ部におけるオイルの分離効率を高めることができる。前記可動メッシュは、前記固定メッシュ部材の上流に複数配置されており、複数の前記可動メッシュ部材の前記ブローバイガスの流動方向に重なり合う前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されているとよい。
このように、本発明に係るオイルミスト処理装置は、例えばブローバイガスの流動量や内燃機関の負荷状態等に応じて固定メッシュ部材と可動メッシュ部材とを離間または密着させるようにすれば、最適なフィルタ孔径を形成することができ、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができる。
本発明に係るオイルミスト処理装置は、上記目的達成のため、(2)内燃機関のクランク室から吸気通路に還流されるブローバイガスからオイルミストを分離するオイルミスト処理装置であって、セパレータケーシングと、前記セパレータケーシング内に設けられ、前記ブローバイガスの流動方向に段違いに配列された複数の慣性衝突壁からなるセパレータ部と、前記セパレータ部の上流に設けられ、前記セパレータケーシング内に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集するフィルタ部と、を備え、前記フィルタ部は、親油性素材からなり、多数のメッシュ孔が形成された平面状の複数のメッシュ部材と、前記複数のメッシュ部材が前記ブローバイガスの流動方向に沿って積層されるよう前記複数のメッシュ部材を支持するとともに、前記セパレータケーシングに回動可能に取り付けられた支持部材と、前記支持部材を回動させる回動部材とを有し、前記複数のメッシュ部材は、前記回動部材により前記支持部材が回動させられると、前記ブローバイガスの流動方向に一致している前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれる構成を有する。
この構成により、本発明に係るオイルミスト処理装置は、回動部材による支持部材の回動に応じて、ブローバイガスの流動方向に一致しているメッシュ部材のメッシュ孔同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれるよう構成されているので、各メッシュ部材同士の相対的な移動により、例えばオイル劣化に伴うスラッジが各メッシュ部材に生成され難く、各メッシュ部材の目詰まりや閉塞を防止することができる。
また、メッシュ部材の重なり合いにより形成される立体的なフィルタ孔径を変化させることができる。したがって、支持部材が回動されていないときは、各メッシュ部材のメッシュ孔同士がブローバイガスの流動方向に一致するため、上記フィルタ孔径が大きくなり、装置全体の圧力損失の低減を図ることができる。一方で、支持部材が回動されたときは、各メッシュ部材のメッシュ孔同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれるため、上記フィルタ孔径が小さくなり、親油性素材からなる各メッシュ部材により構成されたフィルタ部におけるオイルミストの捕集効率を高めることができる。これにより、フィルタ部において、オイルミストの凝集によるオイルの大径化を促進することができる。その結果、大径化して質量が増したオイルがセパレータ部の慣性衝突壁に付着し易くなり、セパレータ部におけるオイルの分離効率を高めることができる。
このように、本発明に係るオイルミスト処理装置は、例えばブローバイガスの流動量や内燃機関の負荷状態等に応じて固定メッシュ部材と可動メッシュ部材とを離間または密着させるようにすれば、最適なフィルタ孔径を形成することができ、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができる。
本発明によれば、フィルタの目詰まりや閉塞を防止するとともに、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができるオイルミスト処理装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るオイルミストセパレータが適用されたエンジンの概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルミストセパレータの構成を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るメッシュフィルタ部材の取付構造の概略を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタ部の一部拡大断面図であって、(a)は、各メッシュフィルタ部材が離間した状態を示す図であり、(b)は、メッシュフィルタ部材が密着した状態を示す図である。 オイルミストの捕集効率を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルミストセパレータに適用されるフィルタ部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るオイルミストセパレータの構成を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタ部の一部拡大断面図であって、(a)は、支持板が回動していない状態を示す図であり、(b)は、支持板が回動した状態を示す図である。 本発明の各実施の形態に係るオイルミストセパレータの変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係るオイルミスト処理装置を示す図であり、本発明を車両用の内燃機関、例えば4サイクルのガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に適用した場合を例示するものである。
図1に示すように、エンジン10は、車両のエンジンルーム内に横置きに配置されており、図1ではエンジン10を車両の側方から見た状態を示している。エンジン10は、シリンダブロック1と、シリンダヘッド2と、ヘッドカバー3とを含んで構成されている。
シリンダブロック1には、複数(図2中には1つのみ図示しているが、例えば4つ)のシリンダ5が配設されており、これら各シリンダ5の内部には、ピストン6が往復動可能に収容されている。各ピストン6は、コネクティングロッド7を介して、クランクシャフト8に動力伝達可能に連結されている。
また、シリンダブロック1の下方には、クランクケース9が取り付けられている。さらに、シリンダブロック1内の下部とクランクケース9の内部とにより、クランク室11が画成されている。
また、クランクケース9の下部には、オイルパン12が取り付けられており、このオイルパン12には、図示しない潤滑・冷却用のエンジンオイル(以下、単にオイルともいう)が収容されている。
シリンダヘッド2は、シリンダブロック1の上端部に設置され、内部に、吸気バルブ13および排気バルブ14を有している。吸気バルブ13は、吸気ポート15を開閉し、排気バルブ14は、排気ポート16を開閉するようになっている。また、シリンダヘッド2とヘッドカバー3との間には、カム室17が形成されている。上記吸気バルブ13および排気バルブ14は、カム室17内に配置されたカムシャフト18、19が回転することにより、それぞれ開閉動作されるようになっている。
また、シリンダヘッド2と吸気管31との間には、吸気マニホールド30が接続されており、吸気管31内に形成された吸気通路31aと吸気ポート15とは、この吸気マニホールド30を介して連通している。吸気管31には、サージタンク32およびスロットルバルブ33が設けられている。さらに、吸気管31の上流側には、エアクリーナ34が設けられている。そして、エアクリーナ34で粉塵等が除去された空気は、吸気管31に導入され、サージタンク32を通じて吸気マニホールド30に導入されるようになっている。
また、シリンダヘッド2内には、燃料噴射弁としてのインジェクタ20および図示しない点火装置が設けられている。吸気ポート15に導入された空気は、インジェクタ20から噴射された燃料と混合されて混合気となり、吸気バルブ13の開弁に応じて燃焼室22に導入されるようになっている。燃焼室22に導入された混合気は、点火装置の点火に伴い燃焼されるようになっている。
燃焼室22において、混合気の燃焼により生じた燃焼ガスは、排気バルブ14の開弁に応じて排気ガスとして、排気ポート16を介して図示しない排気マニホールドに排出されるようになっている。そして、排気マニホールドに排出された排気ガスは、図示しない排気管を介して外部に排出されるようになっている。ここで、外部に排出される排気ガスは、排気管に設けられた触媒コンバータにより排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)が浄化されるようになっている。
ところで、エンジン10の内部では、機関運転に伴いピストン6とシリンダ5の内壁との間の隙間を介して、燃焼室22から混合気がクランク室11内に漏出し、いわゆるブローバイガスが発生する。本実施の形態においては、ブローバイガスを吸気系に還流して再度燃焼室22に送り込むことによりブローバイガスの大気中への放出を防止するブローバイガス還流装置、いわゆるPCV装置40が設けられている。
具体的には、エンジン10には、クランク室11とカム室17とを連通させる少なくとも1つのブローバイガス通路41が、シリンダブロック1からシリンダヘッド2に亘って鉛直方向に延在する通路として形成されている。このため、ブローバイガスの還流時には、クランク室11内のブローバイガスがブローバイガス通路41を介してカム室17に導入されるようになっている。
PCV装置40は、オイルミスト処理装置としてのオイルミストセパレータ42と、ブローバイガス還流管43とを含んで構成されている。
オイルミストセパレータ42は、シリンダヘッド2の上端に取り付けられたヘッドカバー3の上部内壁面に取り付けられており、クランク室11からブローバイガス通路41を通じてカム室17に導入され、吸気通路31aに還流されるブローバイガスからオイルミストを分離するものである。オイルミストセパレータ42の詳細については、後述する。
ブローバイガス還流管43は、その上流端がオイルミストセパレータ42に接続されるとともに、下流端が吸気管31におけるスロットルバルブ33の下流側近傍に接続されている。ブローバイガス還流管43は、オイルミストセパレータ42によりオイルミストが分離された後のブローバイガスを吸気系すなわち吸気管31に導入するための配管である。
一方、吸気管31におけるスロットルバルブ33の上流側近傍には、クランク室11と連通する新気導入通路45aを有する新気導入管45が接続されている。新気導入管45は、クランク室11内に新気を導入するための配管である。これにより、クランク室11内の換気が可能とされる。
また、エンジン10内には、シリンダブロック1からシリンダヘッド2に亘って鉛直方向に延在する通路として、図示しないオイル戻し通路が形成されている。オイルミストセパレータ42で分離除去されたオイルは、上記オイル戻し通路を介してオイルパン12に戻されるようになっている。
次いで、図2を参照して、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ42の詳細について、説明する。
図2に示すように、オイルミストセパレータ42は、ヘッドカバー3の上部内壁面に取り付けられた箱型の金属製のセパレータケーシング50を備えており、このセパレータケーシング50内に、フィルタ部51と、セパレータ部52とを有している。
セパレータケーシング50は、その上部開口を閉塞するようヘッドカバー3に取り付けられることにより、ヘッドカバー3の内壁面とともに略密閉されたセパレータ室53を画成している。なお、本実施の形態においては、ヘッドカバー3とセパレータケーシング50とにより、セパレータ室53を画成するよう構成したが、これに限らず、例えばセパレータケーシング50のみによって、セパレータ室53を形成してもよい。
また、セパレータケーシング50は、その底面部に、カム室17(図1参照)とセパレータ室53とを連通させるガス導入口50aが形成されている。カム室17内のブローバイガスは、ガス導入口50aを介してセパレータ室53内に導入されるようになっている。さらに、セパレータケーシング50の底面部を構成する底板50bは、ガス導入口50aから下流側(図中、右側)に向かうに従い、その流路断面積が小さくなるよう上方に向けて傾斜している。これにより、ガス導入口50aから導入されたブローバイガスは、セパレータ室53内において下流に向かうに従い、徐々にその流速が速くなるようになっている。
フィルタ部51は、複数(例えば、4つ)の平面状のメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64からなり、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64によりセパレータケーシング50内に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集するようになっている。
これら各メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、ブローバイガスの流動方向、本実施の形態では鉛直方向に所定の間隔を隔てて、セパレータケーシング50の側板50cおよび底板50bに立設された支持板50dにそれぞれ支持されている。なお、メッシュフィルタ部材の数は、4つに限定されるものではなく、少なくとも2つ以上であればよく、任意の数で構成される。
フィルタ部51の下方には、上述したガス導入口50aが配置されている。図2においては、図中左側の側板50cのみ図示しているが、側板50cには、図示を省略している図中手前側および図中奥側のセパレータケーシング50の側板が含まれる。
図3に示すように、メッシュフィルタ部材61は、略方形状の支持枠61aと、支持枠61aに支持されたメッシュ61bとから構成されている。支持枠61aには、各辺に対応して4つの係合突起61cが設けられている。なお、その他のメッシュフィルタ部材62、63、64については、上記メッシュフィルタ部材61と略同様の構成であるため、その説明を省略する。
一方、側板50cには、それぞれ異なる長さに設定された凹状の嵌合溝71〜嵌合溝74が鉛直方向に延在するよう形成されている。各嵌合溝71〜嵌合溝74は、それぞれ支持枠61a〜支持枠64aに対応して設けられ、嵌合溝71〜嵌合溝74の順にその下端が上方に位置するようになっている。図3においては、図中手前側の側板50cおよび支持板50d(図1参照)が省略されているが、これら側板50cおよび支持板50dにも、各嵌合溝71〜嵌合溝74がそれぞれ形成されている。
メッシュフィルタ部材61の4つの係合突起61cは、対応する嵌合溝71に上下方向に摺動可能に支持されるようになっている。また、その他のメッシュフィルタ部材62、63についても、同様に対応する嵌合溝72、73に上下方向に摺動可能に支持されるようになっている。ここで、メッシュフィルタ部材64の4つの係合突起64cは、その他のメッシュフィルタ部材の係合突起と異なり、対応する嵌合溝74に嵌合し、その位置において固定されるようになっている。すなわち、メッシュフィルタ部材61、62、63は、メッシュフィルタ部材64の上流側に位置し、固定されたメッシュフィルタ部材64に対してブローバイガスの流動方向に移動可能とされる。
したがって、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、ガス導入口50aから導入されるブローバイガスの流量が少ないときは、メッシュフィルタ部材61、62、63が自重により下方に位置し、互いに鉛直方向に離間した離間状態とされ、個々に1枚のメッシュフィルタ部材として機能するようになっている。一方で、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、ガス導入口50aから導入されるブローバイガスの流量が所定量を超えて増加すると、そのブローバイガスの圧力により上方に移動し、互いに密着した密着状態とされる。これにより、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、4層からなる1枚のメッシュフィルタ部材として機能するようになっている。本実施の形態におけるメッシュフィルタ部材61、62、63は、本発明に係る可動メッシュ部材を構成し、メッシュフィルタ部材64は、本発明に係る固定メッシュ部材を構成している。なお、可動可能なメッシュフィルタ部材は、少なくとも1以上あればよく、特に本実施の形態のように3つに限定されるものではない。
メッシュ61bは、いわゆる親油性素材からなり、支持枠61aに支持されている。
図4(a)に示すように、メッシュ61bには、所定のメッシュ孔径φを有する多数のメッシュ孔81が形成されている。その他のメッシュ62b、63b、64bについても、メッシュ61bと同様に構成されており、それぞれ多数のメッシュ孔82、83、84が形成されている。ここで、図4(a)、(b)に示すように、メッシュ61b〜メッシュ64bは、ブローバイガスの流動方向(図中、上下方向)に重なり合うメッシュ孔81〜メッシュ孔84同士が、ブローバイガスの流動方向と直交する方向(図中、左右方向)に相対的にずらして配置されている。これにより、図4(b)に示すように、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が積層された状態となったときは、各メッシュ孔81〜メッシュ孔84が互いに重なり合う(オーバラップ)ようになっている。
したがって、図4(a)に示すように、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が個々に1枚のメッシュフィルタ部材として機能する離間状態にあっては、各メッシュ61b〜メッシュ64bにより形成される立体的なフィルタ孔径は、比較的大きい所定のフィルタ孔径φF1(例えばφ1)となる。
一方、図4(b)に示すように、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が4層からなる1枚のメッシュフィルタ部材として機能する密着状態にあっては、密着した各メッシュ61b〜メッシュ64bにより形成される立体的なフィルタ孔径は、フィルタ孔径φF1より小さい所定のフィルタ孔径φF2(例えばφ0.5)となる。
このように、本実施の形態では、還流させられるブローバイガスの流量に応じて、フィルタ部51のフィルタ孔径を変化させることが可能となっている。具体的には、エンジン回転数やエンジン10の負荷が増加し、ブローバイガスの流量が増加すると、フィルタ部51のフィルタ孔径が大径なフィルタ孔径φF1から小径なフィルタ孔径φF2に変化する。すなわち、フィルタ部51におけるオイル持ち去り量が多い場合にのみ、フィルタ孔径が小さくなり、オイルミストの捕集効率が高められる。
ここで、図5を参照して、本実施の形態に係るフィルタ部51におけるオイルミストの捕集効率について説明する。図5に示すグラフにおいて、横軸はメッシュ枚数、縦軸は捕集効率(%)をそれぞれ示している。
図5に示すように、例えば、各メッシュ61b〜メッシュ64bの繊維径をφ0.5としたとき、フィルタ孔径を大径なフィルタ孔径φF1から小径なフィルタ孔径φF2に変化させると、フィルタ部51におけるオイルミストの捕集効率が高くなることが確認できる。また、フィルタ部51を構成するメッシュの枚数を増加させるに従い、上記捕集効率が向上することも確認できる。
なお、上記捕集効率は、次式(1)により算出された捕集効率Eをパーセントで表した値である。繊維の充填率(体積基準)をα、繊維層の厚さをT、繊維の直径をD、繊維の単一線の捕集効率をηとしたとき、捕集効率Eは、次式(1)により算出される。
Figure 0005530842
図2に示すように、ガス導入口50aからフィルタ部51に導入されたブローバイガスは、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64を通過する際に、親油性素材からなる各メッシュ61b〜メッシュ64bにブローバイガス中に含まれるオイルミストMSが付着するようになっている。そして、各メッシュ61b〜メッシュ64bに付着したオイルミストMS同士が凝集し、比較的大きなオイルミスト(以下、凝集オイルOL)に成長する。大きく成長した凝集オイルOLは、重力によりブローバイガスの流れに逆らい、下方に落下し、分離されるようになっている。これに対し、大きく成長する前にブローバイガスにより下流側に飛ばされた凝集オイルOL、すなわちフィルタ部51で分離除去されなかった凝集オイルOLは、ブローバイガスとともにフィルタ部51の下流に配置されたセパレータ部52に導入される。ここで、上記凝集オイルOLは、フィルタ部51での凝集により、少なくともオイルミストMSよりも大径となっている。
セパレータ部52は、ヘッドカバー3およびセパレータケーシング50の底板50bに、ブローバイガスの流動方向に段違いに配列された複数(例えば、3つ)のバッフルプレート55を有している。セパレータ部52は、これら複数のバッフルプレート55によりセパレータ室53内にいわゆるラビリンス構造が形成される。このため、フィルタ部51から導入されたブローバイガスに含まれるオイルは、セパレータ部52を通過する際に、慣性力により各バッフルプレート55に衝突し、捕捉されるようになっている。なお、バッフルプレート55の数は、3つに限定されるものではない。本実施の形態におけるバッフルプレート55は、本発明に係る慣性衝突壁を構成している。
本実施の形態では、ブローバイガスとともにフィルタ部51から流入するオイルは、フィルタ部51でのオイルミストMSの凝集により、比較的大径な凝集オイルOLであるため、その質量が大きいので、慣性力も大きく、各バッフルプレート55により捕捉され易い。したがって、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ42にあっては、従来のラビリンス構造のみで構成されたものより、オイルの分離効率が向上している。
また、各バッフルプレート55で分離除去されたオイルは、傾斜した底板50b上を下流に向けて流れ、底板50bに形成された複数の排出孔56からオイルミストセパレータ42の外部に排出されるようになっている。
さらに、セパレータ部52の下流側には、ブローバイガス還流管43(図1参照)に接続されたPCVバルブ57が配置されている。このPCVバルブ57は、セパレータ室53とブローバイガス還流管43内に形成されたブローバイガス還流通路43aとの間に設けられ、ヘッドカバー3に取り付けられている。
PCVバルブ57は、吸気負圧の大きさに応じて開閉し、還流させられるブローバイガスの流量を変えるものである。例えば、吸気通路31a(図1参照)が大気圧よりも低い負圧になると、クランク室11と吸気通路31aとの間に差圧が生じ、この差圧によりPCVバルブ57が開弁し、クランク室11内のブローバイガスが吸気通路31aに還流される。なお、PCVバルブ57は、エンジン10の運転状態、例えばエンジン負荷やエンジン回転数等に応じて開閉する電磁弁であってもよい。
以上のように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ42は、セパレータ部52の上流に設けられたフィルタ部51が、固定されたメッシュフィルタ部材64と、ブローバイガスの流動方向に移動可能なメッシュフィルタ部材61、62、63とを有しているので、メッシュフィルタ部材61、62、63が可動することにより、例えばオイル劣化に伴うスラッジが各メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64に生成され難く、各メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64の目詰まりや閉塞を防止することができる。
また、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、ブローバイガスの流動方向に重なり合うメッシュ孔81〜メッシュ孔84同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されている。このため、メッシュフィルタ部材64に対してメッシュフィルタ部材61、62、63が移動することによって、立体的なフィルタ孔径を変化させることができる。したがって、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が互いに離間しているときには、上記フィルタ孔径が大きくなり、装置全体の圧力損失の低減を図ることができる。
一方で、メッシュフィルタ部材61、62、63の移動により、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が互いに密着したときには、上記フィルタ孔径が小さくなり、フィルタ部51におけるオイルミストの捕集効率を高めることができる。これにより、フィルタ部51において、オイルミストの凝集によるオイルの大径化を促進することができる。その結果、大径化して質量が増したオイルがセパレータ部52のバッフルプレート55に付着し易くなり、セパレータ部52におけるオイルの分離効率を高めることができる。
このように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ42は、例えばブローバイガスの流動量やエンジン10の負荷状態等に応じて最適なフィルタ孔径を形成することができ、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができる。
また、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ42において、セパレータケーシング50は、ブローバイガスの流速が下流に向かうに従い速くなるよう、その流路断面積が徐々に小さくなっているので、慣性衝突作用が増し、オイルがバッフルプレート55により捕捉され易いという効果を有する。
なお、本実施の形態においては、フィルタ部51をメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が鉛直方向に沿って配置される構成としたが、これに限らず、例えばフィルタ部51をメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が水平方向に沿って配置される構成としてもよい。この場合、各メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64の間にブローバイガスの流量に応じて収縮可能な圧縮バネ等の弾性部材を設けることにより、本実施の形態に係るフィルタ部51と同様の機能を実現可能である。
(第2の実施の形態)
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るオイルミストセパレータについて説明する。
本実施の形態に係るオイルミストセパレータにおいては、本発明の第1の実施の形態に係るオイルミストセパレータとは任意のタイミングでフィルタ孔径を可変可能な構成とした点で異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、図1から図5に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
図6に示すように、本実施の形態に係るオイルミスト処理装置としてのオイルミストセパレータ102は、フィルタ部51におけるメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64間に、弾性部材として圧縮バネ104が介在させられている。詳しくは、メッシュフィルタ部材61とメッシュフィルタ部材62との間、メッシュフィルタ部材62とメッシュフィルタ部材63との間、およびメッシュフィルタ部材63とメッシュフィルタ部材64との間にそれぞれ圧縮バネ104が設けられている。この圧縮バネ104は、ガス導入口50aから導入されるブローバイガスの流動によってメッシュフィルタ部材61、62、63(可動可能なメッシュフィルタ部材)が可動しないようなバネ定数を有している。
また、可動可能なメッシュフィルタ部材61、62、63には、電気式もしくは電磁式あるいは油圧式のアクチュエータ106が接続されている。アクチュエータ106は、図示しない電子制御ユニット(以下、単にECUという)あるいはECUにより制御される図示しない油圧制御装置に接続され、ECUによる制御に基づき、任意のタイミングで駆動するようになっている。アクチュエータ106が駆動すると、メッシュフィルタ部材61、62、63が圧縮バネ104の付勢力に抗して図中、上方に移動し、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が互いに密着した密着状態となる。これにより、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、4層からなる1枚のメッシュフィルタ部材として機能するようになっている。
一方で、アクチュエータ106の駆動が解除されると、メッシュフィルタ部材61、62、63が圧縮バネ104の付勢力により図中、下方に移動し、メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が互いに離間した離間状態となる。これにより、各メッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64は、個々に1枚のメッシュフィルタ部材として機能するようになっている。
このように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ102では、アクチュエータ106の駆動、あるいはその駆動の解除によりメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64の密着状態と離間状態とを切り換えることで、任意のタイミングにおいてフィルタ部51のフィルタ孔径を変化させるようになっている。
ここで、アクチュエータ106の任意の駆動タイミングは、エンジン10(図1参照)の負荷状態やエンジン回転数により、圧力損失よりもオイル分離効率を優先する必要があると判断できる最適なタイミングに設定される。例えば吸気圧、あるいはエンジン回転数およびスロットル開度に基づき、最適なタイミングが決定される。
以上のように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ102は、上述した第1の実施の形態の効果に加えて、エンジン10の負荷状態やエンジン回転数に応じて、最適なタイミングでフィルタ部51のフィルタ孔径を変化させることができる。
なお、本実施の形態においては、アクチュエータ106を用いて任意のタイミングでメッシュフィルタ部材61、62、63を可動させる構成としたが、メッシュフィルタ部材61、62、63を可動可能な構成であれば、いずれの構成であってもよく、例えば固定されたメッシュフィルタ部材64の支持枠64a下部に電磁石を設け、かつ可動可能なメッシュフィルタ部材61、62、63の支持枠61a、62a、63aをそれぞれ磁性体で構成したものであってもよい。この場合、電磁石の励磁、非励磁をECUにより制御することにより、任意のタイミングでメッシュフィルタ部材61、62、63を可動させ、フィルタ孔径を変化させることができる。なお、電磁石は、メッシュフィルタ部材61、62、63ごとに設けられていてもよい。
また、本実施の形態においては、フィルタ部51をメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が鉛直方向に沿って配置される構成としたが、これに限らず、例えばフィルタ部51をメッシュフィルタ部材61〜メッシュフィルタ部材64が水平方向に沿って配置される構成としてもよい。
(第3の実施の形態)
次に、図7、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るオイルミストセパレータについて説明する。
本実施の形態に係るオイルミストセパレータにおいては、本発明の第1の実施の形態に係るオイルミストセパレータとはフィルタ部の構成が異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、図1から図5に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。なお、図8においては、フィルタ部251の支持板272の図示を省略している。
図7に示すように、本実施の形態に係るオイルミスト処理装置としてのオイルミストセパレータ202は、水平設置のフィルタ部251を有している。また、本実施の形態においては、ガス導入口250aが横向きに開口している。
フィルタ部251は、ヘッドカバー3およびセパレータケーシング50にそれぞれ回動可能に取り付けられた支持板271、272と、これら支持板271、272間に保持されたメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264と、ヘッドカバー3に取り付けられ、支持板271、272を回動させるアクチュエータ275とを含んで構成されている。本実施の形態におけるメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264は、本発明に係るメッシュ部材を構成する。また、本実施の形態における支持板271、272は、本発明に係る支持部材を構成し、アクチュエータ275は、本発明に係る回動部材を構成している。なお、メッシュフィルタ部材の数は、4つに限定されるものではなく、少なくとも2つ以上であればよく、任意の数で構成される。
メッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264は、ブローバイガスの流動方向(図中、左右方向)に沿って積層された状態で、支持板271、272に支持されている。
図8(a)に示すように、メッシュフィルタ部材261は、支持枠261aと、この支持枠261aに支持されたいわゆる親油性素材からなるメッシュ261bとから構成されている。
メッシュ261bには、それぞれ所定のメッシュ孔径φを有する多数のメッシュ孔281が形成されている。その他のメッシュフィルタ部材262〜メッシュフィルタ部材264については、メッシュフィルタ部材261と同様に構成されており、メッシュ262b〜メッシュ264bについても、メッシュ261bと同様、多数のメッシュ孔282、283、284がそれぞれ形成されている。
アクチュエータ275は、電気式あるいは電磁式の公知のアクチュエータで構成され、回路276を介して図示しないバッテリに接続されている。アクチュエータ275は、回路276が図示しないECUに接続され、ECUによる制御に基づき、任意のタイミングで駆動するようになっている。なお、アクチュエータ275は、ECUにより制御される図示しない油圧制御装置に接続された油圧式のアクチュエータであってもよい。
アクチュエータ275の駆動が解除されているときは、図8(a)に示すように、支持板271、272が回動せず、メッシュ孔281〜メッシュ孔284は、ブローバイガスの流動方向に一致している。このため、フィルタ部251のフィルタ孔径は、例えば比較的大きい所定のフィルタ孔径φF1となる。これにより、フィルタ部251を通過するブローバイガスに対するメッシュ261b〜メッシュ264bの有効面積が小さくなり、圧力損失が低減する。
一方、アクチュエータ275が駆動すると、図8(b)に示すように、支持板271、272が図中、下方に回動する。このときの支持板271の回動量dは、例えば、メッシュ孔径φ×0.5×メッシュ枚数(本実施の形態では、4枚)である。これにより、メッシュ孔281〜メッシュ孔284は、ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれることとなる。このため、フィルタ部251のフィルタ孔径は、例えばフィルタ孔径φF1より小さい所定のフィルタ孔径φF2となる。これにより、メッシュ261b〜メッシュ264bの有効面積が大きくなり、フィルタ部251におけるオイルミストの捕集効率が高まる。
このように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ202では、アクチュエータ275の駆動、あるいはその駆動の解除によりフィルタ孔径を変化させるようになっている。
ここで、アクチュエータ275の任意の駆動タイミングは、エンジン10(図1参照)の負荷状態により、圧力損失よりもオイル分離効率を優先する必要があると判断できる最適なタイミングに設定される。例えば吸気圧、あるいはエンジン回転数およびスロットル開度に基づき、最適なタイミングが決定される。
以上のように、本実施の形態に係るオイルミストセパレータ202は、アクチュエータ275の駆動による支持板271、272の回動に応じて、ブローバイガスの流動方向に一致しているメッシュ孔281〜メッシュ孔284同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれるよう構成されているので、各メッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264同士の相対的な移動により、例えばオイル劣化に伴うスラッジが各メッシュ261b〜メッシュ264bに生成され難く、各メッシュ261b〜メッシュ264bの目詰まりや閉塞を防止することができる。
また、各メッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264同士の相対的な移動により、立体的なフィルタ孔径を変化させることができる。したがって、支持板271、272が回動されていないときは、メッシュ孔281〜メッシュ孔284同士がブローバイガスの流動方向に一致するため、上記フィルタ孔径が大きくなり、装置全体の圧力損失の低減を図ることができる。
一方で、支持板271、272が回動されたときは、メッシュ孔281〜メッシュ孔284同士がブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれるため、上記フィルタ孔径が小さくなり、フィルタ部251におけるオイルミストの捕集効率を高めることができる。これにより、フィルタ部251において、オイルミストの凝集によるオイルの大径化を促進することができる。その結果、大径化して質量が増したオイルがセパレータ部52のバッフルプレート55に付着し易くなり、セパレータ部52におけるオイルの分離効率を高めることができる。
このように、本発明に係るオイルミストセパレータ202は、例えばブローバイガスの流動量やエンジン10の負荷状態等に応じて最適なフィルタ孔径を形成することができ、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができる。
なお、本実施の形態においては、アクチュエータ275を用いて任意のタイミングで支持板271、272を回動させる構成としたが、支持板271、272を回動可能な構成であれば、いずれの構成であってもよく、例えばアクチュエータ275に代えて電磁石をヘッドカバー3に設け、かつ支持板271を磁性体で構成したものであってもよい。この場合、電磁石の励磁、非励磁をECUにより制御することにより、任意のタイミングで支持板271、272を可動させ、フィルタ孔径を変化させることができる。
また、本実施の形態においては、フィルタ部251をメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264が水平方向に沿って配置される構成としたが、これに限らず、例えばフィルタ部251をメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264が鉛直方向に沿って配置される構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、支持板271、272をヘッドカバー3およびセパレータケーシング50に取り付け、ガス導入口250aの上下間でメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264を支持するようにしたが、これに限らず、例えば支持板271、272をセパレータケーシング50の図示しない両側板に取り付け、ガス導入口250aの左右間でメッシュフィルタ部材261〜メッシュフィルタ部材264を支持するようにしてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、各フィルタ部におけるフィルタ孔径を可変とする構成としたが、これに限らず、例えば図9に示すように、フィルタ部351が、1枚のメッシュフィルタ部材361と、メッシュフィルタ部材361に取り付けられた振動子375とを含んで構成されたオイルミストセパレータ302としてもよい。
メッシュフィルタ部材361は、上述の各実施の形態と同様、メッシュ361bを含んで構成されており、振動子375により振動させられるようになっている。振動子375としては、超音波振動子として用いられる各種圧電振動子あるいは磁歪振動子などを用いることができる。また、振動子375は、回路376を介して図示しないバッテリに接続されている。振動子375は、回路376が図示しないECUに接続され、ECUによる制御に基づき、任意のタイミングで駆動するようになっている。これにより、メッシュ361bが振動する際には、メッシュ361bにオイルミストが付着し易く、結果として上述の各実施形態と同様、オイルミストの捕集効率を向上させることができる。なお、振動子375の振動周波数(Hz)は、例えばオイルミストが所定の大きさに成長するまでメッシュ361bに付着可能な振動周波数(Hz)に設定される。
また、上述の各実施形態においては、セパレータ部52を複数のバッフルプレート55からなるラビリンス構造としたが、これに限らず、例えば円筒状に形成されたサイクロン室内でブローバイガスを旋回させることによりオイルを遠心分離するいわゆるサイクロン構造としてもよい。
以上説明したように、本発明に係るオイルミスト処理装置は、フィルタの目詰まりや閉塞を防止するとともに、オイルの分離効率の向上と圧力損失の低減という相反する課題を解決することができるという効果を有し、内燃機関のクランク室内等において発生するブローバイガス中からオイルミストを分離するためのオイルミスト処理装置全般に有用である。
10 エンジン(内燃機関)
11 クランク室
31a 吸気通路
40 PCV装置
42、102、202、302 オイルミストセパレータ(オイルミスト処理装置)
50 セパレータケーシング
51、251、351 フィルタ部
52 セパレータ部
55 バッフルプレート(慣性衝突壁)
61、62、63 メッシュフィルタ部材(可動メッシュ部材)
61b、62b、63b、64b メッシュ
64 メッシュフィルタ部材(固定メッシュ部材)
81、82、83、84 メッシュ孔
261、262、263、264 メッシュフィルタ部材(メッシュ部材)
261b、262b、263b、264b メッシュ
271、272 支持板(支持部材)
275 アクチュエータ(回動部材)
281、282、283、284 メッシュ孔

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランク室から吸気通路に還流されるブローバイガスからオイルミストを分離するオイルミスト処理装置であって、
    セパレータケーシングと、
    前記セパレータケーシング内に設けられ、前記ブローバイガスの流動方向に段違いに配列された複数の慣性衝突壁からなるセパレータ部と、
    前記セパレータ部の上流に設けられ、前記セパレータケーシング内に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集するフィルタ部と、を備え、
    前記フィルタ部は、前記セパレータケーシングに固定された親油性素材からなる平面状の固定メッシュ部材と、前記固定メッシュ部材の上流に配置され、前記固定メッシュ部材に対して前記ブローバイガスの流動方向に移動可能に前記セパレータケーシングに支持された親油性素材からなる平面状の可動メッシュ部材と、を有し、
    前記固定メッシュ部材および前記可動メッシュ部材には、それぞれ多数のメッシュ孔が形成され、
    前記固定メッシュ部材および前記可動メッシュ部材は、前記ブローバイガスの流動方向に重なり合う前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されていることを特徴とするオイルミスト処理装置。
  2. 前記可動メッシュは、前記固定メッシュ部材の上流に複数配置されており、
    複数の前記可動メッシュ部材の前記ブローバイガスの流動方向に重なり合う前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずらして配置されていることを特徴とする請求項1に記載のオイルミスト処理装置。
  3. 内燃機関のクランク室から吸気通路に還流されるブローバイガスからオイルミストを分離するオイルミスト処理装置であって、
    セパレータケーシングと、
    前記セパレータケーシング内に設けられ、前記ブローバイガスの流動方向に段違いに配列された複数の慣性衝突壁からなるセパレータ部と、
    前記セパレータ部の上流に設けられ、前記セパレータケーシング内に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集するフィルタ部と、を備え、
    前記フィルタ部は、親油性素材からなり、多数のメッシュ孔が形成された平面状の複数のメッシュ部材と、前記複数のメッシュ部材が前記ブローバイガスの流動方向に沿って積層されるよう前記複数のメッシュ部材を支持するとともに、前記セパレータケーシングに回動可能に取り付けられた支持部材と、前記支持部材を回動させる回動部材とを有し、
    前記複数のメッシュ部材は、前記回動部材により前記支持部材が回動させられると、前記ブローバイガスの流動方向に一致している前記メッシュ孔同士が、前記ブローバイガスの流動方向と直交する方向に相対的にずれることを特徴とするオイルミスト処理装置。
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