JP2013199897A - オイルセパレータ - Google Patents

オイルセパレータ Download PDF

Info

Publication number
JP2013199897A
JP2013199897A JP2012069417A JP2012069417A JP2013199897A JP 2013199897 A JP2013199897 A JP 2013199897A JP 2012069417 A JP2012069417 A JP 2012069417A JP 2012069417 A JP2012069417 A JP 2012069417A JP 2013199897 A JP2013199897 A JP 2013199897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
blow
separator
gas
introduction hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012069417A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Owaki
一之 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012069417A priority Critical patent/JP2013199897A/ja
Publication of JP2013199897A publication Critical patent/JP2013199897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮するオイルセパレータを提供すること。
【解決手段】オイルセパレータ45が、大粒径のオイルを捕集するとともに、第1導入孔53aから導入されたブローバイガスの方向を転換するリブ51iを有するプリセパレータ46と、小粒径のオイルを遠心分離により捕集するとともに、第1導入孔53aと第2導入孔53bの間に向って延在する傾斜リブ47aを有するサイクロンセパレータ47と、を備え、プリセパレータ46が、第1導入孔53aからのブローバイガスにリブ51iにより第1の過流71を形成するとともに、第2導入孔53bからのブローバイガスに傾斜リブ47aにより第2の過流72を形成し、第1の過流71と第2の過流72を傾斜リブ47aの先端の近傍で衝突させるものから構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイルセパレータに関し、特に、内燃機関のブローバイガス還元装置においてブローバイガスが含むオイルを捕集するオイルセパレータに関する。
車両用の内燃機関(以下、単にエンジンという)においては、燃焼室からシリンダとピストンの間の隙間を通ってクランクケース内に未燃焼の混合気や燃焼済みの燃焼ガス等を含んだブローバイガスが漏れ出ることから、エンジンオイルの劣化防止等のために、クランクケース内を換気するブローバイガス還元装置が装備されている。
このブローバイガス還元装置においては、吸気系に還流させる高温のブローバイガスにミスト状のオイルが含まれていると、吸気系の重要部品にオイルが付着してデポジットの形成による動作不良を招く懸念があることから、オイルを捕集して回収するオイルセパレータをブローバイガス還流通路上に設けるものが多用されている。
従来、この種のオイルセパレータとしては、オイルセパレータの周壁に、ブローバイガスの入口およびエンジンオイルの出口として機能する第1開口部および第2開口部をそれぞれ配置し、第1開口部および第2開口部からのブローバイガスの流速がオイルセパレータの本体底壁の付近において小さく、本体底壁から離れた位置において大きくなるように、第1開口部からのブローバイガスの第1の流れおよび第2開口部からのブローバイガスの第2の流れのそれぞれに対する複数の分離室を設けた慣性衝突式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のものは、ブローバイガスの入口とエンジンオイルの出口の共通化を図ることができ、また、エンジンオイルの排出効率の向上を図ることができる。
また、オイルセパレータの方式としては、慣性衝突式、ラビリンス(迷路型)式、およびサイクロン式が知られている。このうち、慣性衝突式はオイルセパレータの内部にブローバイガスの流れを遮る衝突板を設け、衝突板にブローバイガスを衝突させてブローバイガスに含まれるオイルミストを衝突板に付着させて捕集する方式である。
また、ラビリンス式は箱型の装置の中に仕切り板を設けて、オイルミストの浮遊距離を長くしてオイルミストが自重で落下することを促す方式であり、仕切り板によりブローバイガスの流速が増して、仕切り板にオイルミストが衝突し易くなるので仕切り板にオイルミストを付着させて捕集する効果も有する。また、サイクロン式は、ブローバイガスを円筒状のサイクロン室内で旋回させ、遠心分離作用によってブローバイガスに含まれるオイルミストを分離する方式である。
特開2008−57501号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものは、分離室の壁にブローバイガスを衝突させてオイルを分離する慣性衝突式の構造であるため、小粒化されたオイルの捕集能力が劣っているという問題や、サイクロン式のオイルセパレータと比較して大きな設置スペースが必要となってしまうという問題があった。
一方、サイクロン式のオイルセパレータは、高捕集率でありながら小型であるため、シリンダヘッドカバー内に十分な設置スペースがない等の理由によりエンジンのブロック側面に設置するのに適しているが、シリンダヘッドカバー内より低位置のブロック側面に設置した場合には、クランクシャフトで攪拌されたオイルが集約されてなる大量の大粒径オイルをブローバイガスから捕集することが困難であるという問題があった。
すなわち、サイクロン式のオイルセパレータは、微細化された小粒径のオイルの捕集には優れているが、大量の大粒径オイルに対しては、捕集能力が極端に低下するという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮することができるオイルセパレータを提供することを目的とする。
本発明に係るオイルセパレータは、上記目的達成のため、(1)内燃機関の内部で発生したブローバイガス中に含まれるオイルを分離するためのオイルセパレータにおいて、前記内燃機関の内部で発生したブローバイガスを導入する第1導入孔および第2導入孔が設けられたセパレータケースと、前記セパレータケースを閉塞するカバーと、前記セパレータケースの内部の前記ブローバイガスの流れ方向上流側に配置され、前記第1導入孔および前記第2導入孔から導入されたブローバイガスから大粒径のオイルを捕集するとともに、前記第1導入孔から導入されたブローバイガスの方向を転換する方向転換部材を有するプリセパレータと、前記セパレータケースの内部の前記ブローバイガスの流れ方向下流側に配置され、前記ブローバイガスから小粒径のオイルを遠心分離により捕集するとともに、前記第1導入孔と前記第2導入孔の間に向って延在する傾斜リブを有するサイクロンセパレータと、を備え、前記プリセパレータが、前記第1導入孔から導入されたブローバイガスに前記方向転換部材により第1の過流を形成するとともに、前記第2導入孔から導入されたブローバイガスに前記傾斜リブにより第2の過流を形成し、前記第1の過流と前記第2の過流を前記傾斜リブの先端の近傍で衝突させるものから構成されている。
この構成により、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルがプリセパレータでの第1の過流および第2の過流となったブローバイガスの衝突により捕集され、ブローバイガスに含まれる小粒径のオイルがサイクロンセパレータでの遠心分離により捕集されるため、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルおよび小粒径のオイルの両方を効率良く捕集することができる。したがって、小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮することができる。
上記(1)に記載の構成を有するオイルセパレータにおいては、(2)前記第1の過流と前記第2の過流とで互いに旋回方向が異なることが好ましい。
この構成により、互いに旋回方向が異なる第1の過流と第2の過流に形成したブローバイガスを衝突させることで、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルが衝突し易くなるため、大粒径のオイルを効率良く捕集することができる。
上記(1)、(2)に記載の構成を有するオイルセパレータにおいては、(3)前記第1導入孔および前記第2導入孔が、前記セパレータケースの底部領域に配置され、前記ブローバイガスから捕集したオイルを前記内燃機関の内部に流下させることが好ましい。
この構成により、ブローバイガスから捕集したオイルを第1導入孔および第2導入孔から内燃機関の内部に戻すことができるため、捕集したオイルの排出口を別途設ける必要がない。
上記(1)〜(3)の何れかに記載の構成を有するオイルセパレータにおいては、(4)前記カバーが、前記セパレータケースの外側に向って突出する椀型に形成された樹脂から構成されることが好ましい。
この構成により、カバーを平板形状に形成する場合と比較して、ブローバイガスに屈曲した流れのない円滑な過流を形成できるとともに、オイルセパレータの内部空間に十分な容積を確保することができる。
本発明によれば、小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮することができるオイルセパレータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関のブローバイガス還元装置を装備したエンジンの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関のブローバイガス還元装置のオイルセパレータの正面図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関のブローバイガス還元装置のオイルセパレータの上面図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関のブローバイガス還元装置のオイルセパレータの側面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係るブローバイガス還元装置を示す図であり、図1に、そのブローバイガス還元装置を装備したエンジンの概略構成を示し、図2に、そのオイルセパレータの正面構成を示し、図3、図4に、そのオイルセパレータの模式構成を示している。
まず、構成について説明する。本実施形態のブローバイガス還元装置は、図1にその概略構成を示す直列の多気筒内燃機関、例えば4サイクルのガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)10に装備されている。
図1に示すように、エンジン10は、上方から順にヘッドカバー11、シリンダヘッド12、シリンダブロック13、クランクケース14を有しており、シリンダヘッド12とシリンダブロック13の複数のシリンダ13a(図2中には1つのみ図示している)によって、複数の気筒15が形成されている。
ここで、ヘッドカバー11、シリンダヘッド12、シリンダブロック13およびクランクケース14は、エンジン10の外壁をなすブロック(エンジンブロック)を構成するものであり、シリンダブロック13がその主要部となっている。
複数の気筒15には複数のピストン16がそれぞれ収納されており、詳細は図示しないが、各ピストン16には、クランクケース14内のクランクシャフト17がコネクティングロッド18を介して連結されている。
また、クランクケース14の下部にはオイルパン19が設けられており、そこに図示しない潤滑・冷却用のエンジンオイル(以下、単にオイルという)が収容されている。
ヘッドカバー11およびシリンダヘッド12の内方には、公知の動弁機構20や点火装置23が収納されており、動弁機構20はクランクシャフト17からの動力を基に駆動されるようになっている。
また、エンジン10にはクランクシャフト17の動力を基に駆動される図示しないオイルポンプが設けられており、このオイルポンプによりオイルパン19内からオイルを汲み上げ、動弁機構20のカムシャフト21、22等、あるいはクランクシャフト17の軸受部等の各回転・摺動部を潤滑・冷却するようになっている。
また、各気筒15内でピストン16の図中上方に形成される燃焼室10aには、ピストン16のストロークに応じ、吸気通路31および吸気ポート10bを通して空気が吸入され、燃焼室10a内での燃焼後の排気ガスは、排気ポート10cおよび図示しない排気通路を通してエンジン10の外部に排気されるようになっている。
図1に示すように、吸気通路31は、スロットルバルブ32を開閉動作可能に収納するスロットルボデー33と、そのスロットルボデー33の吸気方向両側に設けられた上流側吸気管34および下流側吸気管35と、によって形成されている。上流側吸気管34の内部が上流側吸気通路31aを構成し、下流側吸気管35の内部が下流側吸気通路31bを構成している。
また、上流側吸気管34の上流側にはフィルタエレメント36fを有するエアクリーナ36が設けられている。そして、このエアクリーナ36で粉塵等を除去した空気が、上流側吸気管34内に取り込まれるようになっている。
下流側吸気管35は、サージタンク37と一体に形成され、エンジン10の吸気ポート10bを形成するシリンダヘッド12に締結・固定されている。また、下流側吸気管35が固定されたシリンダヘッド12の吸気ポート10b付近には、燃料噴射弁24が装着されている。
エンジン10にはブローバイガス還元装置40が装備されている。このブローバイガス還元装置40は、ピストン16とシリンダ13aとの摺動面の隙間を通じて燃焼室10aからクランクケース14内に漏れ出した燃焼ガスであるブローバイガスを処理して還元、すなわち吸気中に還流するためのものである。
ブローバイガス還元装置40は、上流側吸気通路31a、すなわち吸気通路31におけるスロットルバルブ32より吸気流れ方向上流側の部分とエンジン10(詳しくは、そのヘッドカバー11)の内部とを連通する空気導入管41を備えている。また、ヘッドカバー11およびシリンダヘッド12の内方空間とクランクケース14の内部空間は、換気通路10vにより連通している。
エンジン10のシリンダブロック13の側面の外壁には、ブローバイガス中のオイルを分離させるためのオイルセパレータ45が設けられている。このオイルセパレータ45は、シリンダブロック13の外壁に形成されたセパレータケース51と、このセパレータケース51を閉塞するカバー52とを備え、これらセパレータケース51とカバー52とにより形成された空間がオイルセパレータ45の内部空間となる。
オイルセパレータ45の内部には、ブローバイガス中の小粒径のオイルを捕集するサイクロンセパレータ47と、ブローバイガス中の大粒径のオイルを捕集するプリセパレータ46が設けられている。
オイルセパレータ45の内部では、導入されたブローバイガスから、まずプリセパレータ46により大粒径のオイルが捕集され、ついでサイクロンセパレータ47により小粒径のオイルが捕集されるようになっている。オイルセパレータ45の具体的な構成については後述する。
また、エンジン10のシリンダブロック13には、クランクケース14の内部とセパレータケース51の内部とを連通してセパレータケース51にブローバイガスを導入するための第1導入通路55aおよび第2導入通路55bが形成されている。
第1導入通路55aおよび第2導入通路55bは、オイルセパレータ45によるオイル捕集動作によってブローバイガスから分離されたオイルをオイルセパレータ45の内部空間からクランクケース14の内部空間に向けて排出するための通路としても用いられる。
本実施の形態では、第1導入通路55aは、クランクケース14の内部からシリンダブロック13内を真上に立ち上がった後、セパレータケース51の底部近傍の側部においてセパレータケース51側に向って水平方向にその向きを変更し、セパレータケース51の底部に近いシリンダブロック13の側面の壁面で開口している。
また、第2導入通路55bは、クランクケース14の内部からシリンダブロック13内を真上に立ち上がった後、向きを変更することなくシリンダブロック13の底面に開口している。
セパレータケース51には、その内部と下流側吸気通路31b、すなわち吸気通路31におけるスロットルバルブ32より吸気流れ方向下流側の部分とを連通するガス還流管42が取り付けられている。
このように、ブローバイガス還元装置40では、クランクケース14の内部と下流側吸気通路31bとが第1導入通路55aおよび第2導入通路55b、セパレータケース51、およびガス還流管42を介して連通されている。
[ブローバイガス還元装置40の動作説明]
(エンジン10の定常運転時)
エンジン10の運転に伴い、上流側吸気管34の内部の上流側吸気通路31aを流れる空気の一部は、空気導入管41を経てヘッドカバー11やクランクケース14の内部空間に導入され、これらヘッドカバー11やクランクケース14の内部空間を換気する。
一方、エンジン10の圧縮行程や膨張行程においてシリンダ13aとピストン16との隙間からクランクケース14の内部に吹き抜けたブローバイガスは、オイルセパレータ45の内部空間に流入する。
オイルセパレータ45の内部空間に流入したブローバイガスは、後述するオイル捕集動作によってオイルミストが捕集される。これにより、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
そして、オイルミストが分離除去されたブローバイガスは、PCVバルブ43を通過し、ガス還流管42を経て下流側吸気管35の内部の下流側吸気通路31bに導入される。これにより、オイルが分離除去されたブローバイガスが吸気系に導かれることになる。
一方、オイルセパレータ45によるオイル捕集動作によってブローバイガスから分離されたオイルは、第1導入通路55aおよび第2導入通路55bを介して、オイルセパレータ45の内部空間からクランクケース14の内部空間に向けて排出され、オイルパン19に回収される。
(エンジン10の高回転、高負荷運転時)
次に、エンジン10の高回転、高負荷運転時におけるブローバイガスおよびオイルの流通状態について説明する。エンジン10の高回転、高負荷運転時は、ブローバイガスの発生量が増大する状況にある。
この場合、クランクケース14の内部空間に吹き抜けたブローバイガスの一部は、オイルセパレータ45の内部空間に流入する。このブローバイガスは、前述したエンジン10の定常運転時と同様のオイル捕集動作によりオイルが分離除去された状態となって下流側吸気通路31bに戻される。
また、クランクケース14の内部空間に流れ込んだ他のブローバイガスは、換気通路10vおよびヘッドカバー11の内部空間を経て、空気導入管41を通過した後、スロットルバルブ32より上流側吸気通路31aに戻される。
なお、空気導入管41にもオイルセパレータを配設した場合には、そのオイルセパレータによってもオイルが捕集され、オイルが分離除去されたブローバイガスが上流側吸気通路31aに戻されることになる。
図2は、オイルセパレータ45を図1の紙面右側から見たときのオイルセパレータ45の正面図であり、カバー52を外した状態を示す。また、図3は、オイルセパレータの側面図であり、図4は、オイルセパレータの上面図である。
以下の説明では、エンジン10の気筒列方向(図2における左右方向)をX方向と定義し、図2における左側を「エンジン前側」または「X方向前側」と呼び、図2における右側を「エンジン後側」または「X方向後側」と呼ぶ。
またエンジン10の上下方向をY方向と定義し、図2における上側を「Y方向上側」または単に「上側」と呼び、図2における下側を「Y方向下側」または単に「下側」と呼ぶ。
また、エンジン10の幅方向(図2における紙面奥行方向)をZ方向と定義し、図2における紙面奥側(オイルセパレータ45から見てエンジン10側)を「Z方向奥側」または「エンジン側」と呼び、図2における紙面手前側(オイルセパレータ45から見てエンジン10よりも手前側)を「Z方向手前側」または「エンジン手前側」と呼ぶ。
図2〜図4に示すように、オイルセパレータ45のセパレータケース51は、プリセパレータ46およびサイクロンセパレータ47が内部に配置され、部分的に傾斜部を有する略箱側に形成されている。
プリセパレータ46は、セパレータケース51の底部の領域、すなわち、ブローバイガスの流れ方向上流に配置されている。また、サイクロンセパレータ47は、セパレータケース51の上部の領域、すなわち、ブローバイガスの流れ方向下流に配置されている。
このセパレータケース51は、シリンダブロック13の側面にシリンダブロック13と一体的に形成されており、Z方向手前側に開口している。また、セパレータケース51のZ方向手前側には、このセパレータケース51の外側、すなわちZ方向手前側に向って突出する椀形状に形成され、セパレータケース51を遮蔽する樹脂製のカバー52が配置されている。
ここで、カバー52を椀形状としたのは、ブローバイガスに後述する第1の過流71を良好に形成するためと、オイルセパレータ45の内部空間の容量を大きくするためである。
セパレータケース51は、図2におけるオイルセパレータ45の内部空間に対するZ方向手前側を除く周囲の外壁を構成するものであり、底部51a、左側壁部51b、中間上壁部51c、左傾斜部51d、上壁部51e、右側壁部51f、右傾斜部51gおよび壁面部51hの各部位から構成されている。
ここで、底部51aは、セパレータケース51の底面を構成し、X方向に延在する部位であり、左側壁部51bは、底部51aのX方向前側端部からY方向上側に延在する部位であり、中間上壁部51cは、左側壁部51bの端部からX方向後側に延在する部位である。
また、左傾斜部51dは、中間上壁部51cの端部から図2における斜め右上方向、すなわち、Y方向上側、且つ、X方向後側に延在する部位であり、上壁部51eは、セパレータケース51の上面を構成し、左傾斜部51dの端部からX方向後側に延在する部位である。
また、右側壁部51fは、上壁部51eの端部からY方向下側に延在する部位であり、右傾斜部51gは、右側壁部51fの端部から図2における斜め左下方向、すなわち、Y方向下側、且つ、X方向前側に延在する部位である。
壁面部51hは、これら底部51a、左側壁部51b、中間上壁部51c、左傾斜部51d、上壁部51e、右側壁部51f、右傾斜部51gに囲まれた空間におけるZ方向奥側の壁面であり、セパレータケース51の内壁面とシリンダブロック13の外壁面を構成している。
壁面部51hには、オイルセパレータ45の内部空間にブローバイガスを導入するための第1導入通路55aの開口部である第1導入孔53aが形成されている。この第1導入孔53aは、オイルセパレータ45の内部空間のZ方向手前側を向く状態でセパレータケース51の壁面部51hに開口している。第1導入孔53aは、壁面部51hにおけるX方向前側、すなわち図2の紙面左側の端部近傍に配置されている。
また、壁面部51hには、第1導入孔53aのX方向後側(図2の紙面右側)にリブ51iが突設されており、このリブ51iの高さは、オイルセパレータ45の内部空間のZ方向の長さの半分程度となっている。
このため、第1導入通路55aから第1導入孔53aを介してオイルセパレータ45内に導入されたブローバイガスは、第1導入孔53aにおいては、セパレータケース51の内部空間のZ方向手前側に向う流れであるが、その後、カバー52の内面に沿いながらリブ51iを迂回するように旋回する態様の横渦である第1の過流71を形成することとなる。第1の過流71の旋回方向は、図3から判るように、上方から見たときに反時計回りとなる。
なお、前述したようにセパレータケース51を遮蔽しているカバー52は、Z方向手前側に突出する椀形状に形成されているため、カバー52を平板状に形成した場合よりも、オイルセパレータ45のZ方向の幅を大きくすることができるため、横渦である第1の過流71を良好に形成することができる。
一方、底部51aには、オイルセパレータ45のセパレータケース51の内部空間にブローバイガスを導入するための第2導入通路55bの開口部である第2導入孔53bが形成されている。
この第2導入孔53bは、セパレータケース51の内部空間のY方向上側を向く状態でセパレータケース51の底部51aに開口している。第2導入孔53bは、底部51aにおけるX方向後側、すなわち図2の紙面右側の端部近傍に配置されている。
オイルセパレータ45の上部の空間であって、第2導入孔53bが形成されたX方向後側の部位には、略直方体形状のサイクロンセパレータ47が配置されている。サイクロンセパレータ47は、カバー52に装着されており、カバー52をセパレータケース51に装着した状態でオイル捕集機能を発揮するようになっている。
このサイクロンセパレータ47は、左傾斜部51d側からブローバイガスを導入して、導入したブローバイガスに旋回流を発生させて遠心分離により微流径のオイルを捕集して分離し、オイルを分離した後のブローバイガスをPCVバルブ43を介して、ガス還流管42に排出するようになっている。なお、サイクロンセパレータ47も樹脂により構成されている。
また、サイクロンセパレータ47は、そのY方向下側でX方向前側の端部から、セパレータケース51の内部のY方向下側、且つ、X方向前側に向って延在する傾斜リブ47aを備えている。
傾斜リブ47aの先端は、X方向において、第1導入孔53aと第2導入孔53bに配置されている。また、Y方向において、傾斜リブ47aの先端は、底部51aから所定距離だけY方向上側の位置に配置されている。
また、傾斜リブ47aは、Z方向において、オイルセパレータ45のZ方向のほぼ全幅を占有する長さに形成されている。すなわち、Z方向手前側において、傾斜リブ47aとカバー52との間にほとんど隙間がない状態であり、Z方向奥側において、傾斜リブ47aとセパレータケース51の壁面部51hとの間にほとんど隙間がない状態となっている。
この傾斜リブ47aの内部には、サイクロンセパレータ47の内部で捕集されたオイルを排出するドレン通路47bが形成されている。傾斜リブ47aの先端には、ドレン通路47bの端部が開口しており、捕集されたオイルが傾斜リブ47aの先端からセパレータケース51の底部51aに滴下された後、第1導入孔53aおよび第2導入孔53bに入り、第1導入通路55aおよび第2導入通路55bを流下して、クランクケース14の内部空間に向けて排出される。
このように、セパレータケース51の底部51aにおけるX方向後側に第2導入孔53bを形成し、且つ、オイルセパレータ45の上部の空間であって第2導入孔53bが形成されたX方向後側の部位に、傾斜リブ47aを有するサイクロンセパレータ47を配置したことにより、第2導入通路55bから第2導入孔53bを介してオイルセパレータ45内に導入されたブローバイガスは、第2導入孔53bにおいては、セパレータケース51の内部空間のY方向上側に向う流れであるが、その後、サイクロンセパレータ47の下面および傾斜リブ47aに沿って旋回する態様の縦渦である第2の過流72を形成することとなる。第2の過流72の旋回方向は、図2から判るように、側面(Z方向手前側)から見たときに反時計回りとなる。
次に、作用を説明する。第1導入孔53aから導入されて横渦の第1の過流71となったブローバイガスと、第2導入孔53bから導入されて縦渦の第2の過流72となったブローバイガスは、傾斜リブ47aの先端の近傍で衝突する。このとき、第1の過流71と第2の過流72とは互いに方向が異なるため、第1の過流71のブローバイガスに含まれる大粒径のオイルと、第2の過流72のブローバイガスに含まれる大粒径のオイルとが衝突し、より粒径の大きなオイルが発生する。
衝突により発生した粒径の大きなオイルは、もはやブローバイガス中に浮遊することができないため、自重によりセパレータケース51の底部51aに落下した後、第1導入孔53aおよび第2導入孔53bに入り、第1導入通路55aおよび第2導入通路55bを流下して、クランクケース14の内部空間に向けて排出される。
本実施の形態では、セパレータケース51の内部空間における、第1の過流71が発生する部位、第2の過流72が発生する部位、および、第1の過流71と第2の過流72とが衝突する部位がプリセパレータ46を構成している。
また、第1導入孔53aから横渦の第1の過流71となったブローバイガスと、第2導入孔53bからの縦渦の第2の過流72となったブローバイガスは、傾斜リブ47aの先端の近傍で衝突して大粒径のオイルが分離除去された後、セパレータケース51の左傾斜部51dとサイクロンセパレータ47および傾斜リブ47aに挟まれた空間を流れ、サイクロンセパレータ47に流入し、前述した遠心分離によるオイル捕集機能により小粒のオイルが分離される。
以上のように、本実施の形態では、オイルセパレータ45が、セパレータケース51の内部のブローバイガスの流れ方向上流側に配置され、第1導入孔53aおよび第2導入孔53bから導入されたブローバイガスから大粒径のオイルを捕集するとともに、第1導入孔53aから導入されたブローバイガスの方向を転換するリブ51iを有するプリセパレータ46と、セパレータケース51の内部のブローバイガスの流れ方向下流側に配置され、ブローバイガスから小粒径のオイルを遠心分離により捕集するとともに、第1導入孔53aと第2導入孔53bの間に向って延在する傾斜リブ47aを有するサイクロンセパレータ47と、を備え、プリセパレータ46が、第1導入孔53aから導入されたブローバイガスにリブ51iにより第1の過流71を形成するとともに、第2導入孔53bから導入されたブローバイガスに傾斜リブ47aにより第2の過流72を形成し、第1の過流71と第2の過流72を傾斜リブ47aの先端の近傍で衝突させるものから構成されている。
この構成により、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルが、プリセパレータ46での第1の過流71および第2の過流72となったブローバイガスの衝突により捕集され、ブローバイガスに含まれる小粒径のオイルが、サイクロンセパレータ47での遠心分離により捕集されるため、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルおよび小粒径のオイルの両方を効率良く捕集することができる。したがって、小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮することができる。
また、本実施の形態では、第1の過流71と第2の過流72とで互いに旋回方向が異なるものから構成されている。
この構成により、互いに旋回方向が異なる第1の過流71と第2の過流72に形成したブローバイガスを衝突させることで、ブローバイガスに含まれる大粒径のオイルが衝突し易くなるため、大粒径のオイルを効率良く捕集することができる。
また、本実施の形態では、第1導入孔53aおよび第2導入孔53bが、セパレータケース51の底部領域に配置され、ブローバイガスから捕集したオイルをエンジン10の内部に流下させるものから構成されている。
この構成により、ブローバイガスから捕集したオイルを第1導入孔53aおよび第2導入孔53bからエンジン10の内部に戻すことができるため、捕集したオイルの排出口を別途設ける必要がない。
また、本実施の形態では、カバー52が、セパレータケース51の外側に向って突出する椀型に形成された樹脂から構成されている。
この構成により、カバー52を平板形状に形成する場合と比較して、ブローバイガスに屈曲した流れのない円滑な過流を形成できるとともに、オイルセパレータ45の内部空間に十分な容積を確保することができる。
以上説明したように、本発明のオイルセパレータは、小粒のオイルだけでなく大量の大粒径オイルを含むブローバイガスに対しても高いオイル捕集能力を発揮することができるという効果を奏するものであり、内燃機関のブローバイガス還元装置においてブローバイガスが含むオイルを捕集するオイルセパレータ全般に有用である。
10 エンジン(内燃機関)
10v 換気通路
13 シリンダブロック
31 吸気通路
31a 上流側吸気通路
31b 下流側吸気通路
34 上流側吸気管
35 下流側吸気管
40 ブローバイガス還元装置
41 空気導入管
42 ガス還流管
43 PCVバルブ
45 オイルセパレータ
46 プリセパレータ
47 サイクロンセパレータ
47a 傾斜リブ
47b ドレン通路
51 セパレータケース
51a 底部
51i リブ(方向転換部材)
52 カバー
53a 第1導入孔
53b 第2導入孔
55a 第1導入通路
55b 第2導入通路
71 第1の過流
72 第2の過流

Claims (4)

  1. 内燃機関の内部で発生したブローバイガス中に含まれるオイルを分離するためのオイルセパレータにおいて、
    前記内燃機関の内部で発生したブローバイガスを導入する第1導入孔および第2導入孔が設けられたセパレータケースと、
    前記セパレータケースを閉塞するカバーと、
    前記セパレータケースの内部の前記ブローバイガスの流れ方向上流側に配置され、前記第1導入孔および前記第2導入孔から導入されたブローバイガスから大粒径のオイルを捕集するとともに、前記第1導入孔から導入されたブローバイガスの方向を転換する方向転換部材を有するプリセパレータと、
    前記セパレータケースの内部の前記ブローバイガスの流れ方向下流側に配置され、前記ブローバイガスから小粒径のオイルを遠心分離により捕集するとともに、前記第1導入孔と前記第2導入孔の間に向って延在する傾斜リブを有するサイクロンセパレータと、を備え、
    前記プリセパレータが、前記第1導入孔から導入されたブローバイガスに前記方向転換部材により第1の過流を形成するとともに、前記第2導入孔から導入されたブローバイガスに前記傾斜リブにより第2の過流を形成し、前記第1の過流と前記第2の過流を前記傾斜リブの先端の近傍で衝突させることを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 前記第1の過流と前記第2の過流とで互いに旋回方向が異なることを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 前記第1導入孔および前記第2導入孔が、前記セパレータケースの底部領域に配置され、前記ブローバイガスから捕集したオイルを前記内燃機関の内部に流下させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイルセパレータ。
  4. 前記カバーが、前記セパレータケースの外側に向って突出する椀型に形成された樹脂から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のオイルセパレータ。
JP2012069417A 2012-03-26 2012-03-26 オイルセパレータ Pending JP2013199897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069417A JP2013199897A (ja) 2012-03-26 2012-03-26 オイルセパレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069417A JP2013199897A (ja) 2012-03-26 2012-03-26 オイルセパレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013199897A true JP2013199897A (ja) 2013-10-03

Family

ID=49520316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012069417A Pending JP2013199897A (ja) 2012-03-26 2012-03-26 オイルセパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013199897A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105089741A (zh) * 2014-04-18 2015-11-25 比亚迪股份有限公司 发动机及其气缸盖罩组件
JP2016056710A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2016113998A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2016113997A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2018100608A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 小島プレス工業株式会社 オイルセパレータ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105089741A (zh) * 2014-04-18 2015-11-25 比亚迪股份有限公司 发动机及其气缸盖罩组件
JP2016056710A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2016113998A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2016113997A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 アイシン精機株式会社 内燃機関および内燃機関用セパレータ
JP2018100608A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 小島プレス工業株式会社 オイルセパレータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100582449C (zh) 油分离器
JP4639999B2 (ja) 内燃機関のオイル戻し構造
JP5899378B2 (ja) オイルミスト分離を改善するためのヘッドカバーのバッフルシステム
JP2009121281A (ja) 内燃機関のオイルセパレータ
JP5772402B2 (ja) オイルセパレータ
JP2013199897A (ja) オイルセパレータ
JP5676529B2 (ja) オイルセパレータ
CN201635800U (zh) 一种发动机油气分离装置
CN203559960U (zh) 油雾分离器
JP2012149528A (ja) オイルセパレータ
KR100783888B1 (ko) 블로바이 가스의 오일 분리를 위한 자동차 엔진의 배플기구
CN109139189A (zh) 用于国六发动机的闭式曲轴箱强制通风系统油气分离器
JP2009068471A (ja) ブローバイガス用オイルセパレータ
JP5994362B2 (ja) エンジンのオイル分離装置
KR20090065384A (ko) 실린더 헤드커버의 블로바이 가스내 오일 포집 장치
JP4582003B2 (ja) 内燃機関のブローバイガス還流構造
CN209083363U (zh) 用于国六发动机的闭式曲轴箱强制通风系统油气分离器
JP2014101866A (ja) ブローバイガス還流装置
CN110945217B (zh) 发动机的油分离器结构
JP6729333B2 (ja) シリンダヘッドカバーおよびそれを備えたエンジン
US20190178122A1 (en) Oil Separators
JP5605308B2 (ja) ブローバイガス還元装置
JP2008196469A (ja) オイル分離装置
JP2012036738A (ja) ブローバイガス還流装置
JP5846059B2 (ja) エンジンのオイル分離装置