JP2012036738A - ブローバイガス還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストな構成で吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができるとともに、クランク室内の換気性能に優れたブローバイガス還流装置を提供する。
【解決手段】チェーンケース12が前端に取り付けられたエンジン1に設けられ、クランク室20内に吸気通路26aから新気を導入することによりクランク室20内のブローバイガスの換気を行うとともに、カム室22からブローバイガスを吸気通路26aに還流させるPCV装置30であって、クランク室20とカム室22とがチェーン室21を介してエンジン1の前端側Frで連通し、クランク室20とチェーン室21とカム室22とにより構成されるブローバイガス還流通路33と、ブローバイガス還流通路33の下流に設けられ、ブローバイガスに含まれるオイル成分を分離するオイルセパレータ35とを備え、新気導入口32がエンジン1の後端側Rrに設けられた構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブローバイガス還流装置に関し、特に、内燃機関のクランク室内に発生するブローバイガスを吸気系に還流させるブローバイガス還流装置に関する。
一般に、自動車等に搭載された内燃機関においては、機関運転に伴いピストンとシリンダ内壁との間から混合気がクランクケース内のクランク室に漏出し、いわゆるブローバイガスが発生する。このブローバイガスには、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれており、これをそのまま大気中に放出すると環境汚染の原因となり得る。このため、ブローバイガスを吸気系に還流して再度燃焼室に送り込み、再度燃焼させることにより、ブローバイガスの大気中への放出を防止するようにしている。
近年では、クランク室内に新気(外気)を導入してクランク室内を強制的に換気することにより、ブローバイガスによるエンジンオイルの劣化の発生を抑制したブローバイガス還流装置(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のPCV装置は、吸気ダクト側からカム室およびエンジン本体前方に配置されたチェーンケース内を介してクランク室内に新気を導入し、エンジン本体後方に設けられたブローバイガス排出通路およびカム室を介してブローバイガスを吸気系に排出するようになっている。これにより、クランク室内の換気性を向上させることができる。
また、PCV装置により吸気系に還流させられるブローバイガスには、エンジンオイルなどのオイルミストが含まれており、これをそのまま吸気系に導入させると、これがデポジットとなって吸気通路の内面や各気筒に備えられた吸気バルブに堆積する等の弊害が生じる。このため、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離、回収する、いわゆるオイルセパレータが設けられたPCV装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平08−326520号公報 特開2009−293549号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載のPCV装置にあっては、新気導入口をチェーンケース側に設けるとともにブローバイガス排出口をエンジン本体後方に設けているものの、新気導入口とブローバイガス排出口とがカム室を介して連通している。このため、カム室内に新気とブローバイガスの平衡箇所が生じ、オイルミストを含むブローバイガスがカム室内に滞留する可能性がある。その結果、例えば吸気バルブのバルブシャフトとシリンダヘッドとの間の隙間を介して吸気ポートにブローバイガスが漏出し、このブローバイガスに含まれるオイル成分が吸気バルブや吸気ポートの内壁面に付着することによりデポジット(以下、吸気デポジットという)が発生するという問題があった。
また、エンジンの運転状態によって、吸気通路の負圧とクランク室の内圧との間の圧力バランスが変わった場合には、例えば新気導入口から導入された新気がクランク室内を通らず、カム室内で連通したブローバイガス排出口から短絡的に吸気系に戻されるなど、本来の目的と異なる流れとなってしまいクランク室内の換気が不十分となるという問題があった。
また、上述の特許文献2に記載のPCV装置にあっては、クランク室とオイルセパレータ内のセパレータ室とが直接、連通しており、大量の小径なオイルミストを含んだブローバイガスがクランク室からセパレータ室に直接導入されることとなる。このため、ブローバイガスに含まれる小径なオイルミストの全てをオイルセパレータにおいて分離することは困難である。つまり、オイルセパレータのセパレータ室に導入されるオイルミストの大半が小径であり、その質量も小さいため、慣性衝突作用によりバッフルプレートでオイルミストの全てを捕集することは困難である。したがって、オイルミストの分離が不十分となり、吸気デポジットの発生につながる。このようなデポジットの発生を抑制するためには、例えばオイルセパレータにフィルタを設けたり、あるいはオイルセパレータ自体の構成を複雑化させる必要が生じ、オイルセパレータのコストアップを避けることができない。この結果、PCV装置自体の低コスト化を図ることができないという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、低コストな構成で吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができるとともに、クランク室内の換気性能に優れたブローバイガス還流装置を提供することを目的とする。
本発明に係るブローバイガス還流装置は、上記目的達成のため、(1)カムシャフトを駆動するタイミングチェーンを内蔵するチェーンケースが一端に取り付けられた内燃機関に設けられ、前記内燃機関のクランク室内に吸気系から新気を導入することにより前記クランク室内のブローバイガスの換気を行うとともに、前記カムシャフトを内蔵するカム室から前記ブローバイガスを前記吸気系に還流させるブローバイガス還流装置であって、前記カム室と前記クランク室とが前記チェーンケース内の空間を介して前記内燃機関の一端側で連通し、前記クランク室と前記空間と前記カム室とにより構成されるブローバイガス還流通路と、前記ブローバイガス還流通路の下流に設けられ、前記カム室から前記吸気系に還流するブローバイガスに含まれるオイル成分を分離するオイルセパレータと、を備え、前記クランク室内に前記新気を導入するための新気導入口が前記内燃機関の一端側と反対側の他端側に設けられている構成を有する。
この構成により、本発明に係るブローバイガス還流装置は、カム室とクランク室とがチェーンケース内の空間を介して内燃機関の一端側で連通し、ブローバイガス還流通路がこれらクランク室、チェーンケース内の空間およびカム室により構成されており、かつクランク室内に新気を導入するための新気導入口が内燃機関の一端側と反対側の他端側に設けられている。このため、クランク室に新気を直接導入し、導入された新気とともにブローバイガスをチェーンケース内の空間を介してカム室に流通させることができ、クランク室内の換気性能を向上させることができる。
また、本発明に係るブローバイガス還流装置は、クランク室内のブローバイガスをチェーンケース内の空間を通過させるようにしたので、従来のように内燃機関内に形成された専用のブローバイガス排出通路と比べて、ブローバイガスに含まれるオイルミストとの接触面積を拡大させることができる。このため、クランク室内のブローバイガスをチェーンケース内の空間を通過させることで、凝集によりオイルミストの粒径を大径化させることができ、カム室に導入される小径なオイルミストを減少させることができる。したがって、ブローバイガス還流通路の下流に設けられたオイルセパレータによるオイルミストの捕集効率を向上させることができる。すなわち、オイルの分離性能を向上させることができる。その結果、吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができる。
さらに、本発明に係るブローバイガス還流装置は、クランク室内のブローバイガスをチェーンケース内の空間を通過させるだけの簡単な構成により、上述の通り、オイルの分離性能を向上させることができるので、オイルセパレータの構造を複雑化させる必要がない。したがって、オイルセパレータのコストアップを防止することができ、ひいてはブローバイガス還流装置自体の低コスト化を図ることができる。
本発明によれば、低コストな構成で吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができるとともに、クランク室内の換気性能に優れたブローバイガス還流装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るエンジンの概略側面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシリンダブロックを下方から見た底面図である。 図2に示す新気導入口の他の形状を示すシリンダブロックの底面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルセパレータの概略を示す概略斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るPCVバルブを示す断面図であって、(a)は、開弁状態を示す図であり、(b)は、閉弁状態を示す図である。 クランク室内のブローバイガスに含まれるオイルミスト量を示すグラフである。 チェーン室通過後のブローバイガスに含まれるオイルミスト量を示すグラフである。 オイルセパレータ通過前後のオイルミストの持ち去り量の分布を示す図である。 ラビリンス構造のオイルセパレータの捕集効率を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るエンジンの概略側面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る切換バルブを示す概略図であって、(a)は、吸気通路とクランク室とを連通させた切換状態を示す図であり、(b)は、セパレータ室と吸気通路とを連通させた切換状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るPCV装置を示す図であり、本発明を車両用の内燃機関、例えば4サイクルのガソリンエンジン(以下、単にエンジン1という)に適用した場合を例示するものである。
図1に示すように、エンジン1は、車両のエンジンルーム内に縦置きに配置されており、図1ではエンジン1の側面断面図を示している。エンジン1は、シリンダブロック10と、クランクケース11と、チェーンケース12と、シリンダヘッド13と、ヘッドカバー14と、PCV装置30とを含んで構成されている。
シリンダブロック10には、複数(例えば4つ)のシリンダ10aが配設されており、これら各シリンダ10aの内部には、ピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド16を介して、クランクシャフト17に動力伝達可能に連結されている。
クランクケース11は、シリンダブロック10の下部に取り付けられており、その内部にクランク室20が画成されている。このクランクケース11の下部には、オイルパン18が取り付けられており、このオイルパン18には、潤滑・冷却用のエンジンオイル(以下、単にオイルともいう)が収容されている。
チェーンケース12は、エンジン1の一端側、すなわちエンジン1の前端側(図中、Frで示す)に取り付けられており、チェーンケース12内の空間、すなわちチェーンケース12とシリンダブロック10の前端壁10bとにより画成されるチェーン室21に、タイミングチェーン19が内蔵されている。タイミングチェーン19は、クランクシャフト17の一端に取り付けられたクランクスプロケット17aと、後述する一対のカムシャフト24の一端に取り付けられたカムスプロケット24aとに巻き掛けられており、クランクシャフト17の回転に伴い、後述するカムシャフト24を回転駆動させるようになっている。
シリンダヘッド13は、シリンダブロック10の上端部に設置され、さらにヘッドカバー14は、シリンダヘッド13の上端部に設置されている。また、シリンダヘッド13およびヘッドカバー14の内部には、シリンダヘッド13とヘッドカバー14とにより画成されたカム室22が形成されている。このカム室22には、一端にカムスプロケット24aが取り付けられた一対のカムシャフト24が内蔵されている。また、シリンダヘッド13には、図示しない吸気バルブおよび排気バルブが設けられており、カムシャフト24の回転に応じて、これら吸気バルブおよび排気バルブが図示しない吸気ポートおよび排気ポートのそれぞれを開閉するようになっている。また、前述の吸気ポートには、吸気管26が接続されており、吸気管26内に形成された吸気通路26aが吸気ポートと連通している。さらに、この吸気管26内には、吸気の流量を調節するスロットルバルブ27が設けられている。吸気管26の上流側には、粉塵等を除去するための図示しないエアクリーナが設けられている。本実施の形態においては、吸気通路26a、吸気ポートおよび吸気バルブを総称して吸気系という。
一般に、PCV装置により吸気系に還流されるブローバイガス中にオイル成分が大量に含まれていると、そのオイル成分が吸気バルブや吸気ポートの内壁面に付着し、吸気デポジットの発生原因となる。特に、このような吸気デポジットが吸気系の中でも吸気バルブに堆積すると、その影響が大きく、以下のような弊害を生じさせる。すなわち、吸入空気量の減少を招来し、エンジン出力の低下やレスポンスの悪化などの弊害が生ずる。また、過渡運転時における空燃比のずれや熱効率の低下、さらには吸気バルブの動作不良、閉弁時の気密性の悪化など、様々な弊害が生ずる。
本実施の形態では、上記のような弊害を生じさせる吸気デポジットの発生を抑制するために、PCV装置30を以下のような構成とした。
PCV装置30は、一端が吸気管26に接続され、他端がエンジン1の後端側(図中、Rrで示す)でシリンダブロック10に接続された新気導入管31と、クランク室20およびチェーン室21ならびにカム室22により構成されたブローバイガス還流通路33と、ブローバイガスに含まれるオイルミストなどのオイル成分を分離・除去するオイルセパレータ35と、ヘッドカバー14に取り付けられたPCVバルブ37と、PCVバルブ37および吸気管26に接続されたブローバイガス排出管38とを含んで構成されている。
新気導入管31は、その内部に新気導入通路31aが形成されており、吸気通路26aから新気をクランク室20に導入するための配管である。新気導入通路31aの一端は、スロットルバルブ27よりも上流側の吸気通路26aと連通している。また、新気導入通路31aの他端は、新気導入口32を介してクランク室20と連通している。これにより、クランク室20内の換気が可能とされる。
新気導入口32は、具体的には、図2に示すように、チェーンケース12が取り付けられたエンジン1の前端側Frと反対側のエンジン1の後端側Rr、すなわちシリンダブロック10の後端壁部下方に形成されている。エンジン1の運転時にあっては、クランクシャフト17の回転に伴う遠心力により、図中R、L方向にオイルが飛散する。このため、新気導入口32をシリンダブロック10の後端壁部に形成することで、クランク室20(図1参照)への新気導入時、新気の勢いによる霧吹効果によって新たなオイルミストの発生を抑制することができる。
また、新気導入通路31aは、その一部がシリンダブロック10の後端壁部の内部に形成されている。そして、シリンダブロック10の後端壁部の内部に形成された新気導入通路31aは、エンジン1の後方に配置された図示しないフライホイールなどと干渉しないようシリンダブロック10の側方(本実施の形態では、図中、Rで示す側)で新気導入管31内に形成された新気導入通路31aに接続される。なお、シリンダブロック10内の新気導入通路31aは、図中、Lで示す側で新気導入管31内の新気導入通路31aに接続されるものであってもよい。さらに、本実施の形態では、シリンダブロック10内の新気導入通路31aを直線状の通路としたが、これに限らず、例えば図3に示すように、シリンダブロック10内で略L字状に屈曲した通路であってもよく、任意の形状とされる。
図1に示すように、ブローバイガス還流通路33は、クランク室20に発生したブローバイガス(図中、黒矢印で示す)および新気(図中、白矢印で示す)をクランク室20からチェーン室21を介してカム室22に導入し、オイルセパレータ35に導くための通路である。具体的には、クランク室20とカム室22とがチェーン室21を介して、エンジン1の前端側Frで連通している。これにより、クランク室20を上流部として、チェーン室21、カム室22の順にブローバイガスが流通するブローバイガス還流通路33とされる。
オイルセパレータ35は、ブローバイガス還流通路33の下流に位置するカム室22内に設置され、カム室22に導入されたブローバイガスをエンジン1の後端側Rrに形成された導入口35aから内部に導入し、ブローバイガスに含まれるオイル成分を分離・除去した後、吸気通路26aに向けて還流させるようになっている。
具体的には、図4に示すように、オイルセパレータ35は、ヘッドカバー14の上部内壁面に取り付けられた箱型の金属製のセパレータケーシング40と、セパレータケーシング40とヘッドカバー14の上部内壁面とにより画成されたセパレータ室40aと、セパレータ室40a内に設置されたフィルタ41および複数のバッフルプレート42とを含んで構成されている。なお、本実施の形態においては、オイルセパレータ35がヘッドカバー14と一体型としたが、これに限らず、ヘッドカバー14と別体のオイルセパレータであってもよい。
フィルタ41は、セパレータ室40aの上流側に配置されたパンチメタルで構成されている。フィルタ41は、導入口35aからセパレータ室40a内に導入されるブローバイガスの整流機能を有するとともに、ブローバイガスの衝突により比較的大径なオイルミストを付着分離させたり、小径なオイルミストを凝集させて大径なオイルミストに成長させるなどの機能を有する。フィルタ41は、パンチメタルに限らず、例えば金網などで構成してもよい。
複数のバッフルプレート42は、ブローバイガスの流動方向に左右交互に配列され、いわゆるラビリンス構造を形成している。これにより、フィルタ41を通過したブローバイガスに含まれるオイルミストは、複数のバッフルプレート42間を通過する際に、慣性力により各バッフルプレート42に衝突し、捕捉されるようになっている。ここで、オイルミストの粒径が大径であれば、質量も大きくなるため、慣性衝突作用による複数のバッフルプレート42でのオイルミストの捕集効率が向上する。なお、これら複数のバッフルプレート42は、ブローバイガスの流動方向に対して上下に段違いに配列された構成であってもよい。
オイルセパレータ35により分離されたオイルは、セパレータ室40a内の下流側に設置されたオイル排出部43からオイルセパレータ外部に排出される。オイル排出部43には、逆流防止用のトラップが形成されている。
オイルセパレータ外部に排出されたオイルは、図1に示すように、シリンダヘッド13に形成されたオイル戻し通路13aを介してチェーン室21に流入し、オイルパン18に戻されるようになっている。このため、シリンダヘッドおよびシリンダブロック間を鉛直方向に貫通させた従来のような単純なオイル戻し通路に比べて、導入された新気が鉛直方向に短絡的にカム室に流れてしまうことを防止することができる。
PCVバルブ37は、図5(a)、(b)に示すように、中空状のバルブボディ37a内にスプール型の弁体37bをスライド可能に内挿させたものである。また、弁体37bは、バルブボディ37aとの間に介装された圧縮コイルスプリング37cによりポート37dを閉塞する方向に付勢されている。PCVバルブ37は、ポート37dを介して連通するセパレータ室40a(図1参照)内の圧力と吸気通路26a(図1参照)内の吸気負圧との間に生じる差圧に応じて開弁し、還流させられるブローバイガスの流量を変えるものである。例えば、スロットルバルブ27の下流の吸気通路26a内が大気圧よりも低い負圧になると、セパレータ室40aと吸気通路26aとに差圧が生じ、この差圧により弁体37bがポート37dを閉塞した状態(図5(b)に示す状態)から圧縮コイルスプリング37cの付勢力に抗して図中、上方に押し上げられポート37dが開状態(図5(a)に示す状態)とされるようになっている。これにより、セパレータ室40aと吸気通路26aとが連通し、セパレータ室40a内のブローバイガスが吸気通路26aに還流される。なお、PCVバルブ37は、開閉自在な電磁弁で構成されていてもよい。
ブローバイガス排出管38は、図1に示すように、その内部にブローバイガス排出通路38aが形成され、PCVバルブ37を介してオイルセパレータ35から排出されたブローバイガスがブローバイガス排出通路38aを通って、吸気通路26aに還流するようになっている。
次いで、図1、図6〜図9を参照して、PCV装置30の作用について説明する。
PCV装置30におけるブローバイガスの流れは、以下の通りである。
すなわち、エンジン1の内部では、エンジン1の機関運転に伴い、ピストン15とシリンダ10aの内壁との間の隙間を介して、図示しない燃焼室から混合気がクランク室20内に漏出し、いわゆるブローバイガスが発生する。ここで、図6に示すように、例えば、エンジン1の回転数をNE(rpm)(例えば、1200rpm)、エンジン1の負荷率をKL(%)(例えば、60%)、オイルの温度をt(℃)(例えば、85℃)としたとき、クランク室20内に発生したブローバイガスには、粒径がa(μm)未満のオイルミスト量が多く含まれ、ブローバイガスに含まれるオイルミストの大半を占めている。粒径a(μm)は、例えば4μm程度のものである。
このような粒径の小さなオイルミストを含んだブローバイガスは、エンジン1の後端側Rrに配置された新気導入口32から導入された新気によりクランク室20内が換気されることによって、ブローバイガス還流通路33を介してオイルセパレータ35に導入された後、PCVバルブ37およびブローバイガス排出管38を介して吸気通路26aに還流する。
このとき、図7に示すように、クランク室20内のブローバイガスがチェーン室21を通過することで、クランク室20内で発生時のオイルミストの分布と比べて、粒径a(μm)未満のオイルミストが減少し、かつ粒径a(μm)以上のオイルミストが増加する。すなわち、クランク室20内のブローバイガスは、チェーン室21を通過する際に、チェーンケース12内の内壁や各構成部品(例えば、タイミングチェーン19)などと接触することにより、粒径の小さなオイルミストがチェーン室21内で凝集されて大径化される。これにより、粒径の小さなオイルミストが減少し、粒径の大きなオイルミストが増加することとなる。
一般に、本実施の形態に係るオイルセパレータ35のように、複数のバッフルプレート42からなるラビリンス構造のオイルセパレータにあっては、図8に示すように、図中、丸で囲んだオイルミスト捕集領域において、オイルセパレータ35の通過前後でオイルミストの持ち去り量を大幅に低減することが可能とされている。具体的には、図9に示すように、このようなオイルセパレータでは、粒径がa(μm)以上のオイルミストに対して80%以上の捕集効率を有している。粒径a(μm)は、例えば2.5μm程度のものである。
したがって、本実施の形態においては、上述した通り、オイルセパレータ35に導入されるブローバイガスに含まれるオイルミストの大半が、少なくとも粒径a(μm)以上の大径化したオイルミストであるため、全体としてオイルセパレータ35における捕集効率(%)が従来と比べて向上する。その結果、オイルセパレータ35におけるオイル成分の分離性能が向上する。
以上のように、本実施の形態に係るPCV装置30は、クランク室20とカム室22とがチェーン室21を介してエンジン1の前端側Frで連通し、ブローバイガス還流通路33がこれらクランク室20、チェーン室21およびカム室22により構成されており、かつクランク室20内に新気を導入するための新気導入口32がエンジン1の後端側Rrに設けられている。このため、クランク室20に新気を直接導入し、導入された新気とともにブローバイガスをチェーン室21を介してカム室22に流通させることができ、クランク室20内の換気性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るPCV装置30は、クランク室20内のブローバイガスをチェーン室21を通過させるようにしたので、従来のようにシリンダブロックなどに形成された専用のブローバイガス排出通路と比べて、ブローバイガスに含まれるオイルミストとの接触面積を拡大させることができる。このため、クランク室20内のブローバイガスをチェーン室21を通過させることで、凝集によりオイルミストの粒径を大径化させることができ、カム室22に導入される小径なオイルミストを減少させることができる。したがって、ブローバイガス還流通路33の下流に設けられたオイルセパレータ35によるオイルミストの捕集効率を向上させることができる。すなわち、オイルの分離性能を向上させることができる。その結果、吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態に係るPCV装置30は、クランク室20内のブローバイガスをチェーン室21を通過させるだけの簡単な構成により、上述の通り、オイルの分離性能を向上させることができるので、オイルセパレータ35の構造を複雑化させる必要がない。したがって、オイルセパレータ35のコストアップを防止することができ、ひいてはPCV装置30自体の低コスト化を図ることができる。
さらに、オイルセパレータ35の構造を複雑化させる必要がないので、PCV装置30における圧力損失を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図10、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るPCV装置について説明する。
本実施の形態に係るPCV装置においては、本発明の第1の実施の形態に係るPCV装置とは第2のブローバイガス排出通路を設けた点で異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、図1から図5に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
図10に示すように、本実施の形態に係るPCV装置60は、オイルセパレータ35からブローバイガスを吸気通路26aに還流させるための配管として、ブローバイガス排出通路(本実施の形態では、第1のブローバイガス排出通路という)38aが形成されたブローバイガス排出管38に加えて、バイパス管61を有している。バイパス管61は、その内部に第2のブローバイガス排出通路61aが形成されている。
また、バイパス管61は、その一端がオイルセパレータ35に接続され、第2のブローバイガス排出通路61aの一端とセパレータ室40aとが連通している。ここで、バイパス管61の一端は、セパレータ室40aの下流側、好ましくはPCVバルブ37の近傍において、オイルセパレータ35に接続される。
一方、バイパス管61の他端は、切換バルブ63を介して新気導入管31に接続され、第2のブローバイガス排出通路61aの他端と新気導入通路31aとが連通している。
第2のブローバイガス排出通路61aは、例えばエンジン1が高負荷状態となりブローバイガスの流量が増加したとき、オイルセパレータ35から排出されるブローバイガスの一部をスロットルバルブ27の上流側の吸気通路26aに還流させるための通路である。
切換バルブ63は、クランクケース11の内圧やエンジン1の運転状態により、吸気通路26aとクランク室20とを連通させる切換状態(以下、第1の切換状態という)と、第2のブローバイガス排出通路61aと吸気通路26aとを連通させる切換状態(以下、第2の切換状態という)とを切り換えるようになっている。
具体的には、切換バルブ63は、図11(a)、(b)に示すように、大気圧PAと吸気通路26aの内圧PMとの差圧に応じて駆動する機械式のダイヤフラムアクチュエータ70により切換動作可能とされる。ダイヤフラムアクチュエータ70は、ケーシング71内に設けられたダイヤフラム72が大気圧PAと内圧PMとの差圧に応じてケーシング71内を図中、上下方向に変位することによって、ダイヤフラム72に連結されたリンク機構73を介して、リンク機構73と同軸上に設置された切換バルブ63を切換動作するようになっている。すなわち、ケーシング71内には、ダイヤフラム72を挟んで大気室71aと内圧室71bとが画成されており、また内圧室71bは、バキュームホース74を介してスロットルバルブ27の下流側の吸気通路26a(図10参照)と連通している。さらに、内圧室71b内には、大気室71a側に向けてダイヤフラム72を付勢する圧縮コイルスプリング75が設けられている。これにより、内圧室71b内の内圧PMが大気室71a内の大気圧PAよりも小さい(PM<PA)ときは、図11(a)に示すように、切換バルブ63は、第1の切換状態に切り換えられるようになっている。これに対し、内圧PMと大気圧PAとが平衡(PM≒PA)したときは、図11(b)に示すように、切換バルブ63は、第2の切換状態に切り換えられるようになっている。
なお、切換バルブ63は、機械式のダイヤフラムアクチュエータ70により動作されるものに限らず、クランクケース11の内圧やエンジン1の運転状態により、第1の切換状態と第2の切換状態とを切り換えるよう図示しない電子制御装置によって制御される電磁弁で構成されていてもよい。
次いで、図10を参照して、PCV装置60の作用について、特に第1の実施の形態と異なる作用を中心に説明する。
図10に示すように、スロットルバルブ27の開度が大きくなると、吸気通路26aの負圧が小さくなるため、新気導入通路31aを介してクランク室20に新気が導入され難くなる。これに対して、スロットルバルブ27の開度が大きくなることで燃焼圧力が高くなり、クランク室20内のブローバイガスが増加し、その流量も増大する。したがって、ブローバイガスの流量が増大する一方で、換気能力が低下するため、第1の実施の形態に係るPCV装置30にあっては、場合によっては新気導入通路31aを介して吸気通路26aにブローバイガスが逆流する可能性があった。
本実施の形態では、スロットルバルブ27の開度が大きくなると、吸気通路26aの負圧が小さくなり、その内圧PMは大気圧PAと略同等の圧力となる。これにより、切換バルブ63が第2の切換状態に切り換えられ(図11(b)参照)、吸気通路26aとクランク室20とが非連通状態となる。したがって、上述のようなブローバイガスの逆流が防止される。このとき、第2のブローバイガス排出通路61aが吸気通路26aと連通するため、第1のブローバイガス排出通路38aとともに、流量が増大したブローバイガスを効率的に吸気通路26aに還流させることができる。
一方で、例えばエンジン1の負荷が小さいときなど、クランク室20のブローバイガスがスロットルバルブ27の開度が大きいときに発生する量に比べて少ないときには、切換バルブ63が第1の切換状態に切り換えられ(図11(a)参照)、吸気通路26aとクランク室20とが連通状態となる。したがって、この場合には、第1の実施の形態と同様、吸気通路26aからクランク室20に新気が導入される。これにより、クランク室20内の換気が促進される。
以上のように、本実施の形態に係るPCV装置60は、上述の第1の実施の形態における効果に加えて、スロットルバルブ27の開度が大きくなったときなど、エンジン1が高回転、あるいは高負荷状態となった場合には、新気導入通路31aを介したクランク室20から吸気通路26aへのブローバイガスの逆流を防止することができる。
また、上述の各実施形態においては、オイルセパレータ35を複数のバッフルプレート42からなるラビリンス構造としたが、これに限らず、例えば円筒状に形成されたサイクロン室内でブローバイガスを旋回させることによりオイルを遠心分離するいわゆるサイクロン構造としてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、低コストな構成で吸気系におけるデポジットの発生を抑制することができるとともに、クランク室内の換気性能に優れたブローバイガス還流装置を提供することができるという効果を有し、内燃機関のクランク室内に発生するブローバイガスを吸気系に還流させるブローバイガス還流装置全般に有用である。
1 エンジン(内燃機関)
11 クランクケース
12 チェーンケース
19 タイミングチェーン
20 クランク室
21 チェーン室(チェーンケース内の空間)
22 カム室
24 カムシャフト
26 吸気管
26a 吸気通路(吸気系)
30、60 PCV装置
31 新気導入管
31a 新気導入通路
32 新気導入口
33 ブローバイガス還流通路
35 オイルセパレータ
38 ブローバイガス排出管
38a ブローバイガス排出通路

Claims (1)

  1. カムシャフトを駆動するタイミングチェーンを内蔵するチェーンケースが一端に取り付けられた内燃機関に設けられ、前記内燃機関のクランク室内に吸気系から新気を導入することにより前記クランク室内のブローバイガスの換気を行うとともに、前記カムシャフトを内蔵するカム室から前記ブローバイガスを前記吸気系に還流させるブローバイガス還流装置であって、
    前記カム室と前記クランク室とが前記チェーンケース内の空間を介して前記内燃機関の一端側で連通し、前記クランク室と前記空間と前記カム室とにより構成されるブローバイガス還流通路と、
    前記ブローバイガス還流通路の下流に設けられ、前記カム室から前記吸気系に還流するブローバイガスに含まれるオイル成分を分離するオイルセパレータと、を備え、
    前記クランク室内に前記新気を導入するための新気導入口が前記内燃機関の一端側と反対側の他端側に設けられていることを特徴とするブローバイガス還流装置。
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JP2020067008A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 トヨタ自動車株式会社 内燃機関

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