JP6729333B2 - シリンダヘッドカバーおよびそれを備えたエンジン - Google Patents

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Description

本開示は、車両に搭載されるシリンダヘッド上面を覆うシリンダヘッドカバーおよびそれを備えたエンジンに関する。
自動車等の車両に搭載されるエンジンにおいては、シリンダヘッド上に配置されるシリンダヘッドカバー内に一体的に形成されたオイルセパレータを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このオイルセパレータは、エンジンからのミスト状オイルを含有するブローバイガスから当該ミスト状オイルを分離するもので、ハウジングとしてのシリンダヘッドカバー内に形成されたブローバイガスの流路と、当該流路に設けられたフィルタとを備えている。また、このフィルタより下流側の流路には、ブローバイガスの流れに直交する方向に分離面が立設され、この分離面の一方の端縁には、流路の上壁との間に隙間が設けられている。
さらに、この流路の底部となる底壁において、フィルタより上流の一側には、エンジンのクランク室に連通するガス流入口が形成されていると共に、この流路の天部となる上壁において、フィルタ(より具体的には、分離面)より下流の他側には、エンジンの吸気通路に連通するガス流出口が形成されている。また、この流路の底壁において、フィルタより下流側であって分離面より上流側には、下方のエンジン側へ突出したオイル排出口が形成されている。
このように構成されたオイルセパレータでは、エンジンからのブローバイガスが、ガス流入口から流路へと流入され、フィルタを介すことでブローバイガスからミスト状オイルが分離されてガス流出口から排出されると共に、分離されたミスト状オイルがオイル排出口からシリンダヘッドカバーの内部へと回収され、カム軸当の可動部の潤滑に供されるようになっている。
このとき、流路に分離面が設けられているため、ミスト状オイルが分離された後のブローバイガスは、分離面と流路の上壁との間の隙間を介してガス流出口へと流れ、分離されたミスト状オイルは、分離面によってガス流出口への進行を遮られるため、オイル排出口へと導かれる。これにより、分離後のミスト状オイルが再びブローバイガスに混入することなく、その分離効率が低下するのを防止し得るようになっている。
特開2010−248935号公報
しかしながら、特許文献1のオイルセパレータでは、ガス流入口からフィルタへの流路が略平坦であり、フィルタに対するブローバイガスの流れ(流速)が一定であると考えられる。そのため、ブローバイガスの流速が速い場合、フィルタにおいてミスト状オイルが十分に捕集されないままエンジンの吸気通路へと流出してしまう虞があった。
また、フィルタに対するブローバイガスの流れが速い場合、フィルタに捕集され、滴下した分離後のミスト状オイルが、フィルタを通過するブローバイガスによって巻き上がり、フィルタ通過後のブローバイガスへと再び混入してしまう虞もあった。そのため、ブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止や、フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の向上を図るためには、未だ改善の余地があった。
すなわち、フィルタに対するブローバイガスの流速を低下させることで、フィルタにおけるオイル捕集効率(オイル分離効率)の向上を図ると共に、ブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止の強化を図ることが可能なオイルセパレータを備えたシリンダヘッドカバーおよびそれを用いたエンジンの開発が期待されている。
そこで、本発明は上述した事情を鑑みてなされたもので、本発明の少なくとも一実施形態は、オイル分離効率の向上を図ると共に、ガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るシリンダヘッドカバーは、エンジンの上部に配置され、ミスト状オイルを含有するガスから前記ミスト状オイルを分離するオイルセパレータを備えたシリンダヘッドカバーであって、
前記オイルセパレータは、前記ガスが流入するガス流入口と、前記ガスが流出するガス流出口と、前記ガス流入口および前記ガス流出口の間を連通し、前記ガスが流通する流路と、前記流路に設けられ、前記ガスに含有された前記ミスト状オイルを捕集するフィルタと、前記流路における前記フィルタより上流側の底部に当該流路の外方に向けて突出して設けられ、オイルを排出する第一排出口と、を備え、
前記流路の底部には、前記第一排出口より下流側に当該流路の内方に向けて突出した段差部が設けられており、前記フィルタは、前記段差部の上段部に配置され、前記流路における前記段差部より上流側の底部には、前記流路の外方に向けてエンジン側に傾斜する傾斜部が更に設けられ、前記第一排出口は、前記傾斜部の傾斜の先端に設けられていることを特徴とする。
前記(1)の構成によれば、オイルセパレータの流路の底部には、第一排出口より下流側に当該流路の内方に向けて突出した段差部が設けられており、当該段差部の上段部にフィルタが配置されているので、ガス流入口から流路に流入したミスト状オイルを含有するガス(例えばブローバイガス)の流れを、フィルタに向けて鉛直方向に対する上向きに指向することができる(シリンダヘッドカバーが水平方向に設置されている場合)。従って、流路の底部に段差部を設けない場合に比べて、ガスの流速を低減することができ、段差部によってガスの流れを減速させた後にフィルタを通過させることで、当該フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の向上を図ることができる。
また、フィルタを通過するガスの流れを減速させることができるので、フィルタに捕集され、滴下した分離後のミスト状オイルが、フィルタを通過するガスによって巻き上げられることなく、フィルタ通過後のガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することができる。
かくして、オイル分離効率の向上を図ると共に、ガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することを可能にするシリンダヘッドカバーを実現できる。
また、段差部より上流側の流路の底部には、流路の外方に向けてエンジン側に傾斜する傾斜部が設けられているので、ガスの流れを鉛直方向に対する下向きに指向することができる(シリンダヘッドカバーが水平方向に設置されている場合)。従って、ガス流入口からフィルタに至るまでの間に流路の底部の高低差によってガスの流れを調整(減速)でき、フィルタに対するガスの流速をより低減させることができる。従って、フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ通過後のガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
また、第一排出口は、傾斜部の傾斜の先端に設けられているので、効率よくオイルをエンジン側に排出できる。
)幾つかの実施形態では、前記(1)の構成において、前記流路における前記フィルタより上流側の天部には、前記ガスの流れる方向に沿って多数の隣接した突起を有するラビリンス部が設けられていることを特徴とする。
前記()の構成によれば、流路におけるフィルタより上流側の天部には、ミスト状オイルを含有するガスの流れる方向に沿って多数の隣接した突起を有するラビリンス部が設けられているので、ガスに含有されたミスト状オイルのうち、粒径の大きいものを予め(つまり、フィルタを通過させる前の段階で)捕集しておくことができる。つまり、ラビリンス部を前処理用のフィルタとして機能させることができる。これにより、粒径の大きなミスト状オイルによるフィルタの目詰まりを抑制することができる。また、フィルタにおいては、粒径の大きなミスト状オイルが取り除かれた後のガスから粒径の小さなミスト状オイルの捕集に特化できるため、オイル分離効率の更なる向上を図ることができる。
)幾つかの実施形態では、前記(1)または(2)の構成において、前記流路は、前記フィルタより下流側の容積が前記フィルタより上流側の容積よりも大きいことを特徴とする。
前記()の構成によれば、フィルタより下流側における流路の容積が、フィルタより上流側における流路の容積よりも大きいため、フィルタを通過するガスの流れを更に低減させることができる。従って、フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ通過後のガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
)幾つかの実施形態では、前記(1)〜()のいずれか一つの構成において、前記流路における前記フィルタより下流側の底部に当該流路の外方に向けて突出して設けられ、
オイルを排出する第二排出口を備え、
前記第二排出口は、前記第一排出口より前記外方への突出量が大きく形成されていることを特徴とする。
前記()の構成によれば、第一排出口と第二排出口のうち、フィルタより下流側に設けられる第二排出口の方が、フィルタより上流側に設けられる第一排出口より、流路の外方への突出量が大きく形成されている(すなわち、シリンダヘッドカバー下方に向けて長く延設されている)。よって、第二排出口では、フィルタによって捕集されたミスト状オイルを、より多く回収することができ、捕集後のミスト状オイルがガスへと再混入するのをより強く防止することができる。
また、第一排出口よりも第二排出口の下方への突出量が大きくなる分、フィルタより下流側の流路における容積が大きくなり、フィルタを通過するガスの流れをより一段と低減させることができる。従って、フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ通過後のガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
また、流路の内方に向けて突出した段差部の上段部にフィルタが配置され、その下流側に第二排出口が設けられるので、段差部によって高くなることで突出量の大きい第二排出口の形成が容易になる。
)本発明の少なくとも一実施形態に係るエンジンは、前記(1)〜(4)のいずれか一つの構成のシリンダヘッドカバーを備えることを特徴とする。
前記()の構成によれば、シリンダヘッドカバーと一体に設けられたオイルセパレータの流路の底部には、当該流路の内方に向けて突出した段差部が設けられており、当該段差部の上段部にフィルタが配置されているので、ガス流入口から流路に流入したガス(例えばブーバイガス)の流れを、フィルタに向けて鉛直方向に対する上向きに指向することができる。従って、流路の底部に段差部を設けない場合に比べて、ガスの流速を低減することができ、段差部によってガスの流れを減速させた後にフィルタを通過させることで、当該フィルタにおけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の向上を図ることができる。また、フィルタを通過するガスの流れを減速させることができるので、フィルタに捕集され、滴下した分離後のミスト状オイルが、フィルタを通過するガスによって巻き上げられることなく、フィルタ通過後のガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することができる。
従って、オイル分離効率の向上を図ると共に、ガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することを可能にするシリンダヘッドカバーを備えたエンジンを実現できる。
また、前記(2)〜()のいずれかの構成による効果を奏することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、オイル分離効率の向上を図ると共に、ガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化できる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの要部を示す斜視図である。 図1のシリンダヘッドカバーを上方から見て示す平面図である。 図1および図2におけるA−A矢視の断面を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成部品の形状や、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の要部であるシリンダヘッドカバー2を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のシリンダヘッドカバーを上方から見て示す平面図であり、図3は、図1および図2におけるA−A矢視の断面を示す断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のエンジン1は、図示省略する自動車等の車両に搭載され、シリンダヘッドカバー2、シリンダヘッド(不図示)、シリンダブロック(不図示)、クランクケース(不図示)を有して構成される。また、シリンダヘッドとシリンダブロックの複数のシリンダ(不図示)によって、複数の気筒(不図示)が形成されている。
さらに、各気筒にはピストン(不図示)がそれぞれ収納されており、各ピストンには、クランクケース内のクランク軸がコネクティングロッド(不図示)を介して連結されている。さらに、クランクケースの下部にはオイルパン(不図示)が設けられており、潤滑・冷却用のエンジンオイルが収容されている。そして、これらシリンダヘッドカバー2、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース、クランク軸、コネクティングロッドおよびオイルパンは、エンジン1の機関本体を構成している。また、シリンダヘッドの内方には公知の動弁機構が収容されており、シリンダヘッドの上部にはシリンダヘッドカバー2が配置されている。このシリンダヘッドカバー2には、燃料噴射装置(インジェクタ3)が開口部4を介して組み付けられる。
なお、本実施形態では、エンジン1が直列4気筒のエンジンである場合について図示・説明するが、本発明はこれに限らず、この他種々のエンジンを広く適用できることは言うまでもない。また、このエンジン1は、シリンダヘッドカバー2と一体に設けられた後述のオイルセパレータ10の構成および、それに伴うシリンダヘッドカバー2における形状変更を除き、一般的なエンジンとほぼ同様に構成されるため、ここでは、詳細な説明を省略するものとする。
具体的に、エンジン1に用いられるシリンダヘッドカバー2は、図3に示すように、シリンダヘッド側に位置する内方に、オイルセパレータ10が一体に設けられている。このオイルセパレータ10は、ミスト状オイルを含有するブローバイガスから当該ミスト状オイルを分離するものであり、ブローバイガスが流入するガス流入口11と、ブローバイガスが流出するガス流出口12と、ガス流入口11およびガス流出口12の間を連通し、ブローバイガスが流通する流路13と、を備えている。また、オイルセパレータ10は、流路13に設けられ、ブローバイガスに含有されたミスト状オイルを捕集するフィルタ14と、流路13に設けられ、ブローバイガスから分離したミスト状オイルを排出するオイル排出口16、17と、を有している。
本実施形態の場合、オイルセパレータ10における流路13の底部13aには、当該流路13の内方に向けて突出した段差部15が設けられており、フィルタ14は、この段差部15の上段部15aに配置されている。これにより、ガス流入口11から流路13に流入したブローバイガスの流れを、シリンダヘッドカバー2が水平状態に配置されている場合、フィルタ14に向けて鉛直方向に対する上向き(矢印Xで示すフィルタ14に向けて上り傾斜する方向)に指向することができるようになっている。
また、流路13の底部13aに形成された段差部15の部位に対応する流路13の天部13bにおいても、天部段差部25が形成されている。そして、その天部段差部25によって上方へ膨出して高さが高くなった天部13bが、シリンダヘッドカバー2の長手方向に延存されて膨出部26が形成されている。
また、流路13における段差部15より上流側の底部13aには、流路13の外方に向けてエンジン側に傾斜する傾斜部18、すなわち、シリンダヘッドカバー2が水平状態に配置されている場合、ブローバイガスの流れを鉛直方向に対する下向き(矢印Y)に指向する傾斜部18が、設けられていることが好ましい。
この傾斜部18は、オイル排出口(具体的には、後述する第一排出口16)近傍に設けられ、ガス流入口11側から第一排出口16に向けて下り傾斜して形成される。これにより、ガス流入口11からフィルタ14に至るまでの間に流路13の底部13aの高低差によってブローバイガスの流れを調整(減速)できるようになっている。なお、傾斜部18は、すり鉢状に形成され、最も低い部位に、第一排出口16が形成されている。
また、流路13におけるフィルタ14より上流側の天部には、ブローバイガスの流れる方向に沿って多数の隣接した突起を有するラビリンス部19が設けられていることが好ましい。これにより、ブローバイガスに含有されたミスト状オイルのうち、粒径の大きいものを予め(つまり、フィルタ14を通過させる前の段階で)捕集しておくことが可能となり、ラビリンス部19を前処理用のフィルタとして機能させることが可能となる。
さらに、流路13は、フィルタ14より下流側の容積がフィルタ14より上流側の容積よりも大きいことが好ましい。これにより、フィルタ14を通過するブローバイガスの流れを更に低減させることが可能となる。
さらに、オイル排出口は、流路13の底部13aに当該流路13の外方に向けて突設されており、フィルタ14より上流側に設けられる第一排出口16と、フィルタより下流側に設けられる第二排出口17とを備え、第二排出口17は、第一排出口16より外方への突出量が大きく形成されている(換言すれば、シリンダヘッドカバー2の下方となるシリンダヘッド側に向けて長く延設されている)ことが好ましい。これにより、第二排出口17では、フィルタ14によって捕集されたミスト状オイルを、より多く回収することが可能となる。また、第一排出口16よりも第二排出口17の下方への突出量が大きくなる分、フィルタ14より下流側の流路13における容積が大きくなり、フィルタ14を通過するブローバイガスの流れをより一段と低減させることができる。
以上、説明したように、本実施形態のシリンダヘッドカバー2を用いたエンジン1によれば、シリンダヘッドカバー2と一体に設けられるオイルセパレータ10の流路13の底部13aには、当該流路13の内方に向けて突出した段差部15が設けられており、当該段差部15の上段部15aにフィルタ14が配置されている。このため、ガス流入口11から流路13に流入したブローバイガスの流れを、フィルタ14に向けて鉛直方向に対する上向き(矢印X)に指向することができる。従って、流路13の底部13aに段差部15を設けない場合に比べて、ブローバイガスの流速を低減することができ、段差部15によってブローバイガスの流れを減速させた後にフィルタ14を通過させることで、当該フィルタ14におけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の向上を図ることができる。
また、フィルタ14を通過するブローバイガスの流れを減速させることができるので、フィルタ14に捕集され、滴下した分離後のミスト状オイルが、フィルタ14を通過するブローバイガスによって巻き上げられることなく、フィルタ14通過後のブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することができる。
従って、オイル分離効率の向上を図ると共に、ブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止を強化することを可能にするシリンダヘッドカバー2およびそれを用いたエンジン1を実現できる。
このとき、段差部15より上流側の流路13の底部13aに、ブローバイガスの流れを鉛直方向に対する下向き(矢印Y)に指向する傾斜部18を更に設けることで、ガス流入口11からフィルタ14に至るまでの間に流路13の底部13aの高低差によってブローバイガスの流れを調整(減速)でき、フィルタ14に対するブローバイガスの流速をより低減させることができる。従って、フィルタ14におけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ14通過後のブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
また、流路13におけるフィルタ14より上流側の天部に、ブローバイガスの流れる方向に沿って多数の隣接した突起を有するラビリンス部19を設けることで、ブローバイガスに含有されたミスト状オイルのうち、粒径の大きいものを予め(つまり、フィルタ14を通過させる前の段階で)捕集しておくことができる。つまり、ラビリンス部19を前処理用のフィルタとして機能させることができる。これにより、粒径の大きなミスト状オイルによるフィルタ14の目詰まりを抑制することができる。また、フィルタ14においては、粒径の大きなミスト状オイルが取り除かれた後のブローバイガスから粒径の小さなミスト状オイルの捕集に特化できるため、オイル分離効率の更なる向上を図ることができる。
さらに、フィルタ14より下流側における流路13の容積を、フィルタ14より上流側における流路13の容積よりも大きくすることで、フィルタ14を通過するブローバイガスの流れを更に低減させることができる。従って、フィルタ14におけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ14通過後のブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
さらに、オイル排出口が、フィルタ14より上流側に設けられる第一排出口16と、フィルタ14より下流側に設けられる第二排出口17とを備え、第二排出口17が、第一排出口16より、流路13の外方への突出量を大きく形成される(すなわち、シリンダヘッドカバー2の下方に向けて長く延設される)ことが好ましい。これにより、第二排出口17では、フィルタ14によって捕集されたミスト状オイルを、より多く回収することができ、捕集後のミスト状オイルがブローバイガスへと再混入するのをより強く防止することができる。また、第一排出口16よりも第二排出口17の下方への突出量が大きくなる分、フィルタ14より下流側の流路13における容積が大きくなり、フィルタ14を通過するブローバイガスの流れをより一段と低減させることができる。従って、フィルタ14におけるオイル捕集効率(すなわち、オイル分離効率)の更なる向上や、フィルタ14通過後のブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止を更に強化することができる。
本発明の一実施形態によれば、流路13の底部13aに段差部15を設けて、該段差部15の上段部15aにフィルタ14を設置して、フィルタ14に対するブローバイガスの流速を低下させることで、フィルタ14におけるオイル捕集効率(オイル分離効率)の向上を図ると共に、ブローバイガスへのミスト状オイルの再混入防止の強化を図ることができるので、自動車などの車両や船舶、列車などの乗物に搭載されるエンジンおよびそれに装備されるシリンダヘッドカバーへの利用に適している。
1 エンジン
2 シリンダヘッドカバー
10 オイルセパレータ
11 ガス流入口
12 ガス排出口
13 流路
13a 流路の底部
13b 流路の天部
14 フィルタ
15 段差部
15a 上段部
16 第一排出口(オイル排出口)
17 第二排出口(オイル排出口)
18 傾斜部
19 ラビリンス部
25 天部段差部
26 膨出部

Claims (5)

  1. エンジンの上部に配置され、ミスト状オイルを含有するガスから前記ミスト状オイルを分離するオイルセパレータを備えたシリンダヘッドカバーであって、
    前記オイルセパレータは、
    前記ガスが流入するガス流入口と、
    前記ガスが流出するガス流出口と、
    前記ガス流入口および前記ガス流出口の間を連通し、前記ガスが流通する流路と、
    前記流路に設けられ、前記ガスに含有された前記ミスト状オイルを捕集するフィルタと、
    前記流路における前記フィルタより上流側の底部に当該流路の外方に向けて突出して設けられ、オイルを排出する第一排出口と、
    を備え、
    前記流路の底部には、前記第一排出口より下流側に当該流路の内方に向けて突出した段差部が設けられており、
    前記フィルタは、前記段差部の上段部に配置され
    前記流路における前記段差部より上流側の底部には、前記流路の外方に向けてエンジン側に傾斜する傾斜部が更に設けられ、
    前記第一排出口は、前記傾斜部の傾斜の先端に設けられている
    ことを特徴とするシリンダヘッドカバー。
  2. 前記流路における前記フィルタより上流側の天部には、前記ガスの流れる方向に沿って多数の隣接した突起を有するラビリンス部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドカバー。
  3. 前記流路は、前記フィルタより下流側の容積が前記フィルタより上流側の容積よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダヘッドカバー。
  4. 前記流路における前記フィルタより下流側の底部に当該流路の外方に向けて突出して設けられ、オイルを排出する第二排出口を備え、
    前記第二排出口は、前記第一排出口より前記外方への突出量が大きく形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシリンダヘッドカバー。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のシリンダヘッドカバーを備えることを特徴とするエンジン。
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