以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識できる大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識できるはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、例えば、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される(例えば[222]や[777]など)。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、原則的に、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数列の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
特別図柄表示装置12の上方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
特別図柄表示装置12の上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では左側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では右側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技の内容については後述する。
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。また、本実施形態のパチンコ遊技機には、演出用操作ボタンBTが装備されている(図3に示す)。この演出用操作ボタンBTは、パチンコ遊技機において、例えば、遊技球を貯留するための球皿ユニットの上面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。さらに、本実施形態のパチンコ遊技機には各種音声を出力して音声演出を行うスピーカSPが配置されている(図3に示す)。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に設定されている大当りの種類について図2に従って説明する。また、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「13回」とする一方で、特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「7回」としており、さらに、特別図柄C,Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」としている。また、特別図柄A及び特別図柄Bに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(次回大当りまで)と、予め定めた回数(本実施形態では、10000回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。
その一方で、特別図柄Cに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、確変状態(次回大当りまで)のみが付与される。一方で、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、特別図柄Cに基づく大当り遊技終了後には、確変状態(次回大当りまで)と、予め定めた回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。また、特別図柄Dに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、非確変状態のみが付与される。一方で、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、特別図柄Dに基づく大当り遊技終了後には、非確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。
以下、特別図柄Aに対応する大当りの種類を「13R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「13R確変大当り遊技」と示す。一方で、特別図柄Bに対応する大当りの種類を「7R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「7R確変大当り遊技」と示す。また、特別図柄Cに対応する大当りの種類を「2R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Cに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。一方で、特別図柄Dに対応する大当りの種類を「2R非確変大当り」と示すとともに、特別図柄Dに基づく大当り遊技を「2R非確変大当り遊技」と示す。また、本実施形態では、確変状態が付与されることが、遊技者にとって有利な特典となる。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31が装着されている。サブ統括制御基板31は、主制御基板30からの制御指令を入力し、その制御指令をもとに遊技演出を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出表示制御基板32が装着されている。演出表示制御基板32は、サブ統括制御基板31が出力した制御指令に基づき、演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容(表示動作)を制御する。また、機裏側には、音声制御基板33が装着されている。音声制御基板33は、サブ統括制御基板31が出力した制御指令に基づき、スピーカSPの出力態様を制御する。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31、演出表示制御基板32及び音声制御基板33の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、普図当り判定用乱数及び特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の大当り図柄として全100通りの特別図柄が設定されているとともに、この100種類の特別図柄の大当り図柄に対して100通りの特図振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、本実施形態では、変短状態中、リーチ判定値を設定していないため、変短状態中ははずれとなるリーチ演出が実行されないようになっている。
また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、非変短状態時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値(本実施形態では、13個)と、変短状態時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値(本実施形態では、250個)とがある。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された変動パターンの一部について図4に従って説明する。なお、図4(a)は、非変短状態中に参照される変動パターン振分テーブルを示す一方で、図4(b)は、変短状態中に参照される変動パターン振分テーブルを示している。
図4(a)に示すように、非変短状態中に選択可能な変動パターンとして、はずれ変動用の変動パターンP1,P2、大当り変動用の変動パターンP3、及びはずれリーチ変動用の変動パターンP4が設定されている。また、図4(b)に示すように、変短状態中に選択可能な変動パターンとして、はずれ変動用の変動パターンP1,P2、大当り変動用の変動パターンP5,P6,P7が設定されている。
はずれ変動用の変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が定められている。通常変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過毎に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。また、はずれ変動用の変動パターンP2には、変動内容として「短縮変動」が定められている。短縮変動では、図柄変動ゲームの開始後、通常変動における変動表示に係る時間よりも短い時間の経過後に各列の変動がほぼ同一のタイミングで停止し、はずれ図柄が導出される。
また、大当り変動用の変動パターンP5には、変動内容として「対決リーチ勝利」が定められている一方で、大当り変動用の変動パターンP6には、変動内容として「対決リーチ敗北」が定められている。また、大当り変動用の変動パターンP7には、変動内容として「対決リーチ逆転勝利」が定められている。本実施形態における対決リーチ演出では、遊技者を投影する味方キャラクタMと、対戦相手となる敵キャラクタTが対決する内容となっており、その対決結果によって大当りの種類を遊技者に推測可能としている。本実施形態における対決結果には、「勝利」と「敗北」が設定されており、変動パターンP5に基づく変動では、ゲーム開始によって対決リーチ演出が実行され、対決結果として味方キャラクタMが勝利する。その一方で、変動パターンP6に基づく変動では、ゲーム開始によって対決リーチ演出が実行され、味方キャラクタMが劣勢な状況に追いやられた後、対決結果として味方キャラクタMが敗北する。さらに、変動パターンP7に基づく変動では、ゲーム開始によって対決リーチ演出が実行され、味方キャラクタMが劣勢な状況に追いやられた後、味方キャラクタMの援軍が到着し、対決結果として味方キャラクタMが勝利する。
また、変動パターンP5,P7は、13R確変大当り又は7R確変大当りが決定された際に選択される一方で、変動パターンP6は、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定された際に選択されるようになっている。本実施形態では、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定された場合、同一の変動パターンP6が選択されるようになっているので、図柄組み合わせが確定停止表示されるまでの展開が同一展開となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機において、対決リーチ演出で敵キャラクタTに敗北した場合、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させない。なお、非変短状態中に選択される大当り変動用の変動パターンP3及びはずれリーチ変動用の変動パターンP4には、対決リーチとは異なる演出内容が対応付けられている。
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、演出用操作手段としての演出用操作ボタンBTが接続されており、演出用操作ボタンBTが操作された際に出力する操作信号を入力することで、演出用操作ボタンBTが操作されたことを認識できる。
次に、演出表示制御基板32について説明する。
演出表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。さらに、表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
次に、音声制御基板33について説明する。
音声制御基板33には、制御動作を所定の手順で実行する音制御用CPU33aと、音制御用CPU33aの制御プログラムを格納する音制御用ROM33bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる音制御用RAM33cが設けられている。音制御用CPU33aには、スピーカSPが接続されている。また、音制御用ROM33bには、各種の音声データが記憶されている。さらに、音制御用RAM33cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。始動入賞口15に遊技球が入球したか否かの判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)が上限数の4未満であるか否かを判定する。この判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口15で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。このとき、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態の場合、非確変用判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態の場合、確変用判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。上記大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。
そして、主制御用CPU30aは、該特図振分用乱数の値をもとに特別図柄の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として決定する。本実施形態において特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当りの種類を決定したことになる。また、特別図柄の大当り図柄を決定した主制御用CPU30aは、決定した特別図柄の大当り図柄に基づいて、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。例えば、変短状態中に特別図柄の大当り図柄として特別図柄A又は特別図柄Bを決定した場合、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンP5又は変動パターンP7を選択し、決定する一方で、特別図柄の大当り図柄として特別図柄C又は特別図柄Dを決定した場合、大当り変動用の変動パターンP6を選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての作動フラグの設定値に基づいて、現在の遊技状態が変短状態中であるか否かを判定する。現在の遊技状態が変短状態である場合、本実施形態では、変短状態中のリーチ判定値を設定していないため、主制御用CPU30aは、リーチなしのはずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、現在の遊技状態が非変短状態である場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、非変短状態中のリーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU30aが実行する処理について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームで大当り表示結果が確定停止表示された後に開始される。大当り遊技では、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるとともに、このオープニング演出の終了後、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めたラウンド規定回数を上限に行われる。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、ラウンド遊技のうち最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出が行われて終了される。主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の開始を指示するオープニングコマンドをサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、図示しないアクチュエータを制御して大入賞口扉17を開閉動作させて各ラウンド遊技を実行させる。主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド演出の開始を指示するラウンドコマンドをサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドをサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。
また、本実施形態では、2R確変大当り遊技及び2R非確変大当り遊技におけるオープニング時間、ラウンド遊技時間及びエンディング時間を、それぞれ同一時間に設定している。また、2R確変大当り遊技及び2R非確変大当り遊技における大入賞口扉17の開放態様も、同一としている。このため、大入賞口扉17の開放態様や、オープニング時間、ラウンド遊技時間及びエンディング時間から、2R確変大当り遊技と、2R非確変大当り遊技のうちいずれが付与されたかを判別することはできない。同様に、大当り当選時の遊技状態や、大当り遊技終了後に変短状態が付与されるか否かにより、2R確変大当り遊技と、2R非確変大当り遊技のうちいずれが付与されたかを判別することはできないようになっている。すなわち、2R確変大当り遊技、又は2R非確変大当り遊技終了後に、確変状態が付与されているか否かを判別できない。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り遊技の直前に行われた大当り変動の図柄変動ゲームで決定した大当り図柄(特別図柄)に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。
主制御用CPU30aは、13R確変大当り遊技、7R確変大当り遊技、又は2R確変大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される確変フラグに「1」を設定する。確変フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が確変状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非確変状態であることを示す。一方、主制御用CPU30aは、2R非確変大当り遊技の終了後、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに「1」を設定した場合、サブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に確変状態であることを示す確変コマンドを出力する一方で、確変フラグに「0」を設定した場合、非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、13R確変大当り遊技又は7R確変大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を示す作動回数として所定回数(本実施形態では10000回)を主制御用RAM30cに設定する。作動フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が変短状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非変短状態であることを示す。主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定すると、変短状態であることを示す作動コマンドをサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。また、主制御用CPU30aは、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、作動フラグに「0」を設定する。その一方で、主制御用CPU30aは、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、作動フラグに「1」を設定するとともに、作動回数として所定回数(本実施形態では50回)を主制御用RAM30cに設定する。なお、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定した後、図柄変動ゲームの実行(変動パターン指定コマンドの出力)毎に、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数を−1(1減算)する。主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、サブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に、非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」が設定されている間、パチンコ遊技機の遊技状態を変短状態に制御する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1(秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32及び音声制御基板33に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32及び音声制御基板33に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、確変コマンドや作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM31cに設定する。そして、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM31cに記憶維持させる。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板32及び音声制御基板33に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、主制御基板30からオープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板32及び音声制御基板33にそれぞれ出力する。また、統括制御用CPU31aは、演出用操作ボタンBTから操作信号が出力されると、演出用操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン操作コマンドを演出表示制御基板32及び音声制御基板33に夫々出力する。
以下、統括制御用CPU31aが演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせの決定方法について説明する。
統括制御用CPU31aは、特別図柄A又は特別図柄Bに対応する大当り図柄が指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識できる大当り図柄を決定する。本実施形態における確変大当りを認識できる大当り図柄は、[111][222][333][444][555][666][777]で示す7種類に設定されている。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄C又は特別図柄Dに対応する大当り図柄が指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識し得ない大当り図柄(確変示唆の大当り図柄)を決定する。この確変示唆の大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄とならない図柄組み合わせによって構成されており、[121][232][343][454][565][676][717]で示す7種類に設定されている。本実施形態では、はずれとなるリーチ演出を変短状態中に実行させない設定しているため、このような確変示唆の大当り図柄を設定することで、リーチ状態が形成された時点では、大当りの種類を特定できないようになっている。
また、統括制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定されている場合、リーチ図柄を含むはずれ図柄を決定する。また、統括制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを生成する。
そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、当該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示装置11に確定停止表示させ、図柄変動ゲームを終了させる。また、表示制御用CPU32aは、大当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板31が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。なお、表示制御用CPU32aは、ボタン操作コマンドを入力した場合、当該コマンドに基づく制御を実行しない。
次に、音制御用CPU33aが音声制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
音制御用CPU33aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容をもとに、音声データを選択する。そして、音制御用CPU33aは、選択した音声データで音声演出を行わせるようにスピーカSPを制御する。そして、音制御用CPU33aは、図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出を終了させる。また、音制御用CPU33aは、大当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板31が出力する演出指示コマンドをもとに音声データを選択する。そして、音制御用CPU33aは、選択した音声データでオープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させるようにスピーカSPを制御する。なお、音制御用CPU33aは、ボタン操作コマンドを入力した場合、演出用操作ボタンBTが操作されたことを示す音声を出力させるようにスピーカSPを制御する。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、対決リーチ演出中に、示唆演出としての斬撃演出を実行可能に構成されている。
以下、斬撃演出について図5に従って説明する。
本実施形態の斬撃演出は、対決リーチ演出中(リーチ形成後)に、演出用操作ボタンBTの操作を有効とする操作有効期間を設定し、演出用操作ボタンBTの操作によって演出表示装置11の表示内容を変化させる態様として定められている。斬撃演出では、該演出の開始時に複数の敵キャラクタTを表示させ、演出用操作ボタンBTの操作によって味方キャラクタMと敵キャラクタTを剣で対決させ、敵数を減少させている。そして、本実施形態では、対決リーチ演出の対決結果が導出されるまでの間に、斬撃演出によって敵キャラクタTを全滅(残り人数0人)させることができたか否かによって、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることを遊技者に判別可能としている。
図5(a)〜(e)は、演出表示装置11で行われる斬撃演出の流れを示している。
演出表示装置11では、対決リーチ演出中に、敵キャラクタT(本実施形態では、5人(初期設定))と敵キャラクタTの残り人数が表示され、演出用操作ボタンBTの操作を促す画像と「敵を全滅させろ」からなるメッセージが表示され、斬撃演出が開始される(図5(a))。また、演出用操作ボタンBTの操作を促す画像表示に伴って、演出用操作ボタンBTに内蔵したランプが点灯し、操作有効期間が設定されていることが遊技者に報知される。
そして、本実施形態では、演出用操作ボタンBTの操作(本実施形態では、1回の操作)を契機に敵キャラクタTを減少させるか否かを決定する減少抽選が実行される。この減少抽選に当選した場合には、段階移行条件が成立したことになり、演出表示装置11において敵キャラクタTが減少する。その一方で、減少抽選に当選しなかった場合には、段階移行条件が成立しなかったことになり、演出表示装置11において敵キャラクタTの人数が変化しない。本実施形態では、段階移行条件が成立したか否かを判定することが「移行判定」となる。また、本実施形態では、演出用操作ボタンBTの操作が行われないと、減少抽選自体が行われない。
そして、減少抽選で敵キャラクタTを減少させることに当選したとすると、敵キャラクタTが減少する。なお、本実施形態では、今回の対戦相手として現在の対戦相手と同一人物を決定することが減少抽選に「落選」したことになる一方で、今回の対戦相手として現在の対戦相手の次以降の対戦相手を決定することが減少抽選に「当選」したことになる。言い換えると、減少抽選で現在の残り人数と同一人数が決定されることが、減少抽選に「落選」したことになる一方で、減少抽選で現在の残り人数よりも少ない人数が決定されることが、減少抽選に「当選」したことになる。このとき、演出表示装置11では、味方キャラクタMと敵キャラクタTが競り合っている様子が表示され(図5(b))、減少抽選に当選した際には、敵キャラクタTが倒される(減少する)。その一方で、減少抽選に当選しなかった際には、敵キャラクタTの人数が変化しない。なお、本実施形態では、原則として敵キャラクタTを1人ずつ減少させている。
そして、演出表示装置11では、演出用操作ボタンBTの操作を契機に減少抽選が行われ、減少抽選で現在の敵キャラクタTよりも少ない人数が決定される度に、敵キャラクタTの人数が減少していく(図5(c)では5人→4人)。このとき、演出表示装置11では、減少後の敵キャラクタTと残り人数が表示され、図5(a)と同じく、演出用操作ボタンBTの操作を促す画像と「敵を全滅させろ」からなるメッセージが表示される。そして、当該斬撃演出は、操作有効期間が終了するまでの間、繰り返し実行される。
つまり、本実施形態の斬撃演出では、当該斬撃演出の開始時における初期値(5人)を初期段階として、所定の減少数(原則として1人)毎に「敵数」が減少可能に構成され、初期値から「敵数」が「0人(全滅)」の最終段階に減少するまでの複数段階に変化するようになっている。また、本実施形態の斬撃演出における「段階」は、敵キャラクタTの残り人数に対応しており、各段階に対応する敵キャラクタTの変化量は一定である。つまり、残り人数「5人」が1段階目となり、残り人数「4人」が2段階目となる。
そして、本実施形態では、最終段階の段階移行条件が成立したのであれば、敵キャラクタTを全滅させる(図5(d))。ちなみに、「最終段階の段階移行条件」とは、現在の敵キャラクタTの残り人数にかかわらず、減少抽選において「撃破(=全滅)」が決定されることである。本実施形態では、13R確変大当り又は7R確変大当り当選時に、最終段階の段階移行条件が成立し得るように設定している。一方、最終段階の段階移行条件が成立していない場合には、敵キャラクタTが全滅しない(図5(e))。なお、本実施形態では、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選した場合、又は「逆転勝利」を特定する変動パターンP7が選択された場合、演出用操作ボタンBTが一度も操作されなかった場合、又は演出用操作ボタンBTを操作したが「全滅」を決定する減少抽選に当選しなかったときには、斬撃演出において敵キャラクタTが全滅しない。ただし、13R確変大当りに当選し、変動パターンP7が選択されたときには、敵キャラクタTが全滅することがないが、最終的に変動パターンP7に定められた内容に従って、勝利結果が表示されることになる。つまり、対決リーチ演出の対決結果は変動パターンによって予め決定されているため、斬撃演出による敵キャラクタTの減少態様が対決結果に影響しないものの、敵キャラクタTが全滅したか否かによって大当りの種類を判別可能となる。
以下、斬撃演出に係る制御内容を、図6〜図10に従って説明する。
統括制御用CPU31aは、対決リーチ演出の実行を指示する変動パターンP5〜P7のうちいずれかが指定されると、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定される特別図柄の種類に基づいて、斬撃演出における敵キャラクタTの減少人数を決定する際に参照する減少人数決定テーブルを決定する。
図6に示すように本実施形態における減少人数決定テーブルには、減少人数決定テーブルTA(以下、テーブルTAと示す)と、減少人数決定テーブルTB(以下、テーブルTBと示す)と、減少人数決定テーブルTC(以下、テーブルTCと示す)の3種類が設定されている。そして、図6では、13R確変大当りが決定されるとともに「対決リーチ勝利」となる変動パターンP5が選択された場合、テーブルTBよりもテーブルTAが選択される確率が高くなるように設定される一方で、テーブルTCが選択されないように選択割合が設定されている。また、7R確変大当りが決定されるとともに「対決リーチ勝利」となる変動パターンP5が選択された場合、テーブルTAよりもテーブルTBが選択される確率が高くなるように設定される一方で、テーブルTCが選択されないように選択割合が設定されている。また、2R確変大当り又は2R非確変大当りに対応する大当りが決定された場合、テーブルTCのみが選択されるように選択割合が設定されている。さらに、変動パターンP7が選択されたときも、テーブルTCのみが選択されるように選択割合が設定されている。
以下、テーブルTA〜TCの設定内容について図7〜図9に従って説明する。
本実施形態では、図柄変動ゲームが開始してから33750msの経過後に操作有効期間Sが「7900ms」設定されるとともに、その操作有効期間が4つの区分(区間)に分割され、その区分毎に倒す対象の敵キャラクタTが決定されるように選択割合を設定している。本実施形態における4つの区分は、図柄変動ゲームが開始してから33750ms〜36150msの間に設定される第1区間S1と(2400ms)、図柄変動ゲームが開始してから36150ms〜38150msの間に設定される第2区間S2(2000ms)に設定されている。さらに、図柄変動ゲームが開始してから38150ms〜40150msの間に設定される第3区間S3(2000ms)と、図柄変動ゲームが開始してから40150ms〜41650msの間に設定される終期区分としての第4区間S4(1500ms)に設定されている。このように、本実施形態における操作有効期間Sでは、操作有効期間Sを構成する各区間が操作有効期間の終了に近付くほどその区間時間が短くなるように設定されている。
また、図7〜図9に示す「倒す対象の敵キャラクタ」とは、味方キャラクタMとの対決によって倒すか否かが決定される敵キャラクタTである。例えば、現時点における敵キャラクタの残り人数が「5人」の場合に倒す対象の敵キャラクタTとして「1人目」が決定された場合、味方キャラクタMと1人目の敵キャラクタT1が対決し、結果として1人目の敵キャラクタT1が倒れずに敵キャラクタTの数が減少しないことになる(敵キャラクタTの残り人数=5人)。同様に、現時点における敵キャラクタTの残り人数が「4人」の場合に倒す対象の敵キャラクタTとして「2人目」が決定されたとする。この場合、既に1人目の敵キャラクタT1を倒しているので、味方キャラクタMと2人目の敵キャラクタT2が対決し、結果として2人目の敵キャラクタT2が倒れずに敵キャラクタTの数が減少しないことになる(敵キャラクタTの残り人数=4人)。また、現時点における敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合に倒す対象の敵キャラクタTとして「2人目」が決定された場合、味方キャラクタMと1人目の敵キャラクタT1が対決し、結果として1人目の敵キャラクタT1が倒れて敵キャラクタが1人減少することになる(敵キャラクタTの残り人数=4人)。以下、その他の敵キャラクタTの残り人数に対しても、現在の敵キャラクタTの残り人数を維持する場合と、敵キャラクタTを現在の残り人数から1人減少させる場合とがある。
そして、本実施形態では、減少人数決定テーブルにおいて、夫々乱数の取り得る数値(本実施形態では、全29通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。本実施形態における数値の振分け対象は、「1人目(1人目の敵キャラクタT1)」、「2人目(2人目の敵キャラクタT2)」、「3人目(3人目の敵キャラクタT3)」、「4人目(4人目の敵キャラクタT4)」、「5人目(5人目の敵キャラクタT5)」、及び「撃破(=全滅)」である。
そして、テーブルTA(図7)において、第1区間S1では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、倒す対象の敵キャラクタTとして「1人目(現状維持)」又は「2人目(残り4人)」のいずれかが選択可能となっている。その一方で、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」である場合、倒す対象の敵キャラクタTとして「2人目(現状維持)」又は「3人目(残り3人)」のいずれかが選択可能となっている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「3人」である場合、倒す対象の敵キャラクタTとして「3人目(現状維持)」又は「4人目(残り2人)」のいずれかが選択可能となっている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「2人」である場合、倒す対象の敵キャラクタTとして「4人目(現状維持)」又は「5人目(残り1人)」のいずれかが選択可能となっている。さらに、現在の敵キャラクタTの残り人数が「1人」である場合、倒す対象の敵キャラクタTとして「5人目(現状維持)」又は「撃破(=全滅)」のいずれかが選択可能となっている。
つまり、「5人」→「4人」、「4人」→「3人」、「3人」→「2人」、「2人」→「1人」、「1人」→「0人」といったように、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するように選択割合が設定されている。また、第1区間S1では、現在の敵キャラクタTの残り人数にかかわらず、敵キャラクタTの「減少」よりも現在の敵キャラクタTの人数維持が選択され易くなっている。例えば、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、1人目の敵キャラクタT1を倒すことができない内容に対応する「1人目」が16/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。その一方で、1人目の敵キャラクタT1を倒して2人目の敵キャラクタT2に到達する「2人目」が13/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。しかしながら、このような選択割合が設定されている場合であっても、初期段階である「5人」→次段階である「4人(2人目)」へ減少させる割合が、「4人」→「3人(3人目)」、「3人」→「2人(4人目)」、「2人」→「1人(5人目)」、「1人」→「0人(撃破)」となる場合の選択割合よりも高くなるように設定されている。つまり、第1区間S1では、「5人」→「4人」に減少させ易いものの、それ以降の人数には減少させ難くなるように設定されている。
そして、本実施形態では、各区間における演出用操作ボタンBTの有効回数を1回とするのではなく、複数回としている。具体的には、各区間において一度操作信号を入力すると、操作信号を入力してから予め定めた無視時間(本実施形態では、60ms)の経過後に、再度、操作信号の入力に基づいて減少抽選を実行させている。したがって、本実施形態では、第1区間S1において最大40回の減少抽選を実行することができる(60/2400)。そして、各減少抽選において「減少」が選択された際には、1つの区間において敵キャラクタTが段階的に減少可能となる。
一方、第2区間S2でも、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するように選択割合が設定されている。また、第2区間S2では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも敵キャラクタTの「減少」が選択され易くなっている。ちなみに、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」であるということは、第1区間S1で演出用操作ボタンBTが操作されなかった、又は減少抽選で「減少」が選択されなかったということになる。その一方で、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」、「3人」、「2人」、「1人」の場合、敵キャラクタの「減少」よりも現在の敵キャラクタTの人数維持が選択され易くなっている。しかしながら、このような選択割合が設定されている場合であっても、「4人」→「3人(3人目)」へ減少させる割合が、「3人」→「2人(4人目)」、「2人」→「1人(5人目)」、「1人」→「0人(撃破)」となる場合の選択割合よりも高くなるように設定されている。つまり、第2区間S2では、「5人」→「4人」、又は「4人」→「3人」に減少させ易いものの、それ以降の人数には減少させ難くなるように設定されている。また、第2区間S2においても予め定めた無視時間(60ms)の経過後に、再度、減少抽選を実行するので、第2区間S2において最大33回の減少抽選を実行することができる(60/2000)。
また、第3区間S3でも、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するように選択割合が設定されている。また、第3区間S3では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合、必ず「減少」が選択されるように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」又は「3人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも敵キャラクタTの「減少」が選択され易くなっている。その一方で、現在の敵キャラクタTの残り人数が「2人」又は「1人」の場合、敵キャラクタTの「減少」よりも現在の敵キャラクタTの人数維持が選択され易くなっている。しかしながら、このような選択割合が設定されている場合であっても、「2人」→「1人(5人目)」へ減少させる割合が、「1人」→「0人(撃破)」となる場合の選択割合よりも高くなるように設定されている。つまり、第3区間S3では、「5人」→「4人」、「4人」→「3人」、「3人」→「2人」、及び「2人」→「1人」に減少させ易いものの、それ以降の人数には減少させ難くなるように設定されている。また、第3区間S3においても予め定めた無視時間(60ms)の経過後に、再度、減少抽選を実行するので、第3区間S3において最大33回の減少抽選を実行することができる(60/2000)。
一方、第4区間S4では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少する場合と、現在の演出内容の段階数にかかわらず複数段階を飛ばして残り人数が「0人」になる場合とがあるように選択割合が設定されている。なお、第4区間S4では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合、必ず「撃破(残り0人)」が選択されるように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」の場合、「3人目(残り3人)」又は「撃破」が選択されるよう設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「3人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持より「4人目(残り2人)」が選択され易くなるとともに「撃破」も選択されるように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「2人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも「5人目(残り1人)」が選択され易くなるとともに「撃破」も選択されるように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「1人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも敵キャラクタTの「減少(撃破)」が選択され易くなっている。また、第4区間S4においても予め定めた無視時間(60ms)の経過後に、再度、減少抽選を実行するので、第4区間S4において最大25回の減少抽選を実行することができる(60/1500)。
このように、本実施形態では、敵キャラクタTの全滅を選択し易い区間ほど、その区間時間が短くなるように設定されている。例えば、第1区間S1では、「撃破(=全滅)」の選択割合が低いため、その第1区間S1の区間時間が24000msに設定されている一方で、第4区間S4では、「撃破(=全滅)」の選択割合が高いため、その第4区間S4の区間時間が1500msに設定されている。これにより、第4区間S4における減少抽選の実行回数は、第1区間S1における減少抽選の実行回数よりも少なくなるが、「撃破」の選択割合が高く設定されていることにより、敵キャラクタTを全滅させ易い。
また、テーブルTB(図8)においても、テーブルTAと同じく、第1区間S1〜第3区間S3では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するように選択割合が設定されている。ただし、テーブルTBでは、第1区間S1〜第3区間S3における「減少」と「人数維持」を比較した際の選択比率が、テーブルTAの第1区間S1〜第3区間S3における前記選択比率と同一に設定されているものの、テーブルTAよりも敵キャラクタTの「減少」の選択割合が低くなるように設定されている。なお、「選択比率」とは、敵キャラクタTの残り人数毎に「減少」と「人数維持」を比較した場合、どちらが選択される割合が高いかを示す比率である。例えば、テーブルTB(図8)において、第1区間S1における現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、「1人目」が19/29の確率で選択される一方で、「2人目」が10/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。一方、テーブルTA(図7)では、第1区間S1における現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、「1人目」が16/29の確率で選択される一方で、「2人目」が13/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。
一方、第4区間S4では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少する場合と、複数段階を飛ばして残り人数が「0人」になる場合とがあるように選択割合が設定されている。なお、第4区間S4では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合、テーブルTAと同じく、必ず「撃破(残り0人)」が選択されるように設定されている。その一方で、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」の場合、必ず「3人目(残り3人)」が選択されるが、「撃破」は選択されないように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「3人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも「4人目(残り2人)」が選択され易いが、「撃破」は選択されないように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「2人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも「5人目(残り1人)」が選択され易いが、「撃破」は選択されないように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「1人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも敵キャラクタTの「減少(撃破)」が選択され易くなっているが、その選択割合はテーブルTAにおける選択割合よりも低くなるように設定されている。つまり、テーブルTBでは、どの区間においてもテーブルTAに比して敵キャラクタTの減少が選択され難くなっている。
また、テーブルTC(図9)においても、テーブルTA,TBと同じく、第1区間S1〜第3区間S3では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するように選択割合が設定されている。ただし、テーブルTCでは、第1区間S1〜第3区間S3における「減少」と「人数維持」を比較した際の選択比率が、テーブルTA,TBの第1区間S1〜第3区間S3における前記選択比率と同一に設定されているものの、テーブルTBよりも「減少」の選択割合が低くなるように設定されている。例えば、テーブルTC(図9)において、第1区間S1における現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、「1人目」が21/29の確率で選択される一方で、「2人目」が8/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。一方、テーブルTB(図8)では、第1区間S1における現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合、「1人目」が19/29の確率で選択される一方で、「2人目」が10/29の確率で選択されるように選択割合を設定している。
一方、第4区間S4では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少するが、残り人数が「0人」とならないように選択割合が設定されている。なお、第4区間S4では、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」の場合、必ず「1人目(現状維持)」が選択されるように設定されている。その一方で、現在の敵キャラクタTの残り人数が「4人」の場合、必ず「3人目(残り3人)」が選択されるよう設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「3人」又は「2人」の場合、現在の敵キャラクタTの人数維持よりも敵キャラクタTの「減少」が選択され易くなるように設定されているが、「撃破」は選択されないように設定されている。また、現在の敵キャラクタTの残り人数が「1人」の場合、必ず「5人目(現状維持)」が選択されるように設定されている。つまり、テーブルTCでは、どの段階においても「撃破」が選択されないように設定されている。
このようなテーブル設定により、敵キャラクタTが減少するか否かの割合は、大当りの種類及び選択された変動パターンによって規定されていることになる。また、テーブルTA,TBでは、テーブルTCに比して、操作有効期間Sを構成する全区間において、敵キャラクタTの減少が決定され易くなる。また、13R確変大当りが決定されているとともに変動パターンP5が選択された場合、統括制御用CPU31aは、テーブルTB(図8)よりもテーブルTA(図7)を選択し易いため(図6参照)、「撃破」が決定され易い。また、大当りに当選している場合、大当りの種類によって敵キャラクタTの減少人数の選択割合が異なるものの、敵キャラクタTを減少させるので、敵キャラクタTが全滅するまで、どの大当りに当選しているのかを認識することができない。なお、敵キャラクタTが全滅した際には、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることが確定することになる。また、敵キャラクタTが全滅するまでの経路によっても大当りの種類を特定することができる。すなわち、テーブルTA,TBでは、第4区間S4において敵キャラクタTの残り人数が「5人」であった場合、演出用操作ボタンBTが操作されたのであれば、敵キャラクタTの残り人数が「5人」→「0人」になって全滅する。これにより、敵キャラクタTの残り人数が「5人」→「0人」になった場合には、13R確変大当り又は7R確変大当りのどちらに当選しているのかを認識し得ない。その一方で、テーブルTAにおいてのみ、「4人」→「0人」、「3人」→「0人」、「2人」→「0人」で示す減少形態を設定しているため、敵キャラクタTの残り人数が「4人」、「3人」、又は「2人」である場合に敵キャラクタTが全滅した際には、13R確変大当りに当選していることが確定的に遊技者に報知されることになる。つまり、本実施形態では、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選した場合、「対決リーチ勝利」となる変動パターンP5を選択可能としている。このため、斬撃演出によって敵キャラクタTが全滅しなかったとき、又は5人から0人に減少したときには、対決結果としての勝利結果を視認しただけでは、どちらの大当りに当選しているのかを認識し得ない。
以下、これらのテーブルTA〜TCを用いて統括制御用CPU31aが実行する斬撃演出の制御手順について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターンP5〜P7が指定された場合、図柄変動ゲームが開始してから33750msの経過時に操作有効期間Sを設定するとともに、その旨を示す有効期間設定コマンドを各制御基板32,33に出力する。
そして、統括制御用CPU31aは、無視時間を設定していない期間中に操作信号を入力した場合、ボタン操作コマンドを各制御基板32,33に出力する。それとともに統括制御用CPU31aは、大当りの種類及び変動パターンの種類に基づいて選択した減少人数決定テーブルの中から、操作有効期間Sが設定されてからの経過時間毎に設定された選択割合に従って、倒す敵キャラクタTを減少抽選にて決定する。本実施形態において統括制御用CPU31aは、操作有効期間Sを設定してからの経過時間を管理することによって、現在の経過時間がどの区間に当てはまるかを把握する。これにより、統括制御用CPU31aは、操作信号を入力した場合、当該信号を入力した時間帯がどの区間に該当するかを判定し、該当する区間に定められた選択割合に従って減少抽選を実行する。そして、倒す敵キャラクタTを決定した統括制御用CPU31aは、決定した敵キャラクタTを示す人数指定コマンドを各制御基板32,33に夫々出力する。
さらに、統括制御用CPU31aは、その敵キャラクタTを把握できるように統括制御用RAM31cに記憶しておく。本実施形態では、残り人数が「5人」である場合、統括制御用RAM31cに「00H」を、残り人数が「4人」である場合「01H」を、残り人数が「3人」である場合「02H」をそれぞれセットする。また、統括制御用CPU31aは、残り人数が「2人」である場合、統括制御用RAM31cに「03H」を、残り人数が「1人」である場合「04H」を、残り人数が「0人」である場合「05H」をそれぞれセットする。そして、統括制御用CPU31aは、次回の減少抽選実行時に、統括制御用RAM31cにセットした値を読み出し、その値が「00H」〜「04H」であった場合、次回の減少抽選で決定した倒す敵キャラクタTを示す値を上書きする。その一方で、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cにセットした値が「05H」であった場合、既に敵キャラクタTが全滅していることを把握するので、減少抽選を実行しない。ただし、操作有効期間Sが設定されている期間中に操作信号を入力したのであれば、ボタン操作コマンドを各制御基板32,33に出力する。
また、図10に示すように、統括制御用CPU31aは、演出用操作ボタンBTから操作信号を入力すると、無視時間(60ms)の計測を開始するとともに、現在、無視時間中であることを示す無効フラグに「1」を設定する。なお、統括制御用CPU31aは、操作信号を入力すると、統括制御用RAM31cのタイマに設定した無視時間(本実施形態では、60ms)を示す値から制御周期毎(例えば、4ms毎)に当該制御周期分の時間を減算することによって、無視時間を管理する。また、統括制御用CPU31aは、無視時間が連続する2区間に跨るか否かを問わず、操作信号を入力したのであれば、無視時間を設定する(例えば、第1区間S1が終了する30ms前に操作信号を入力した場合)。したがって、無効フラグに「1」が設定されている期間中に操作信号を入力したとしても、統括制御用CPU31aは、減少抽選を実行しないとともに、ボタン操作コマンドを各制御基板32,33に出力しない。
そして、無視時間が経過すると、統括制御用CPU31aは、無視時間を終了させるとともに無効フラグの値を「0」にリセットし、操作信号を入力したのであれば、再度、減少抽選を実行する。そして、統括制御用CPU31aは、操作有効期間S(7900ms)が経過したのであれば、操作有効期間を終了させ、その旨を指示する有効期間終了コマンドを各制御基板32,33に出力する。
本実施形態では、操作有効期間Sを設定する統括制御用CPU31aが、有効期間設定手段として機能する。また、斬撃演出において段階移行条件が成立したことを契機に敵キャラクタTの人数を変化させる統括制御用CPU31aが、制御手段として機能する。
また、表示制御用CPU32aは、有効期間設定コマンドを入力すると、画像表示部GHにおいて演出用操作ボタンBTの操作を促す画像を表示させる。一方、ボタン操作コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、ボタン操作コマンドに基づく制御を実行しない、すなわち、ボタン操作コマンドを入力したか否かを問わず、操作有効期間が終了するまで、継続して演出用操作ボタンBTの操作を促す画像を表示させる。また、表示制御用CPU32aは、人数指定コマンドを入力すると、そのコマンドで指定される画像を表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。例えば、現在の敵キャラクタTの残り人数が「5人」である場合に、「2人目(残り4人)」を指定する人数指定コマンドを入力した場合、1人目の敵キャラクタT1を倒し、2人目の敵キャラクタT2と対決する画像を表示させる。なお、表示制御用CPU32aは、「撃破」を指定する人数指定コマンドを入力した場合、操作有効期間が経過していない場合であっても、人数指定コマンドの入力受付を終了する。本実施形態では、表示制御用CPU32aも、斬撃演出において敵キャラクタTの人数を変化させる制御手段として機能する。
その一方で、ボタン操作コマンドを入力した音制御用CPU33aは、当該コマンドに基づいて、演出用操作ボタンBTが操作されたことを示す音声を出力させるようにスピーカSPを制御する。なお、前述したように、本実施形態において統括制御用CPU31aは、無視時間が設定されている期間中は、操作信号を入力してもボタン操作コマンドを各制御基板32,33に出力しないので、無視時間中に演出用操作ボタンBTが操作されたことを示す音声が出力されることがない。また、音制御用CPU33aは、人数指定コマンドを入力すると、画像表示部GHの表示画像に合致した音声を出力させる。また、音制御用CPU33aは、「撃破」を指定する人数指定コマンドを入力した場合、操作有効期間が経過していない場合であっても、人数指定コマンドの入力受付を終了する。
次に、斬撃演出の演出態様について図11に従って説明する。なお、以下の説明では、13R確変大当りが決定されるとともに大当り変動用の変動パターンP5が選択され、さらにテーブルTAが選択されたことを前提とする。
前述したように、大当り変動用の変動パターンP5に基づいて図柄変動ゲームが開始すると、リーチ状態が形成された後(図11(a)では[6↓6])、対決リーチ演出において斬撃演出が開始される(図11(b))。図11(b)では、初期値としての5人の敵キャラクタTと敵キャラクタTの残り人数が表示され、演出用操作ボタンBTの操作を促す画像と「敵を全滅させろ」からなるメッセージが表示される。
そして、演出用操作ボタンBTの操作が行われるとともに、操作有効期間Sが設定されてからの経過時間に基づいて設定された割合で実行される減少抽選にて1人目の敵キャラクタT1を倒すことが決定されたとする(図7参照)。この場合、演出表示装置11では、味方キャラクタMと1人目の敵キャラクタT1が競り合っている様子が表示された後(図11(c))、味方キャラクタMが1人目の敵キャラクタT1に競り勝った態様の画像が表示される(図11(d))。そして、減少抽選で敵キャラクタTの減少が決定されたことにより、演出表示装置11では、図11(b)に示す画像から敵キャラクタTの人数が1人減って4人となった画像が表示される(図11(e))。
その後、演出用操作ボタンBTの操作が行われるとともに、減少抽選にて2人目の敵キャラクタT2を倒すことが決定されたとする(図7参照)。この場合、演出表示装置11では、図11(c)と同じく、味方キャラクタMと2人目の敵キャラクタT2が競り合っている様子が表示される(図11(f))。その後、味方キャラクタMが2人目の敵キャラクタT2に勝利し、演出表示装置11では、図11(e)に示す画像から敵キャラクタTの人数が1人減って3人となった画像が表示される(図11(g))。
その後、操作有効期間Sが設定されている期間中に演出用操作ボタンBTが操作されると、減少抽選が行われ、減少抽選にて敵キャラクタTの「減少」が決定された際には、敵キャラクタTが減少する。なお、前述したように、13R確変大当りに当選しているとともに、テーブルTAが選択された際には、操作有効期間Sの終了時期に近い第4区間S4において、1段階ずつ敵キャラクタTを倒していくことで、敵キャラクタTを全滅させる場合と、複数段階を飛ばして敵キャラクタTを全滅させる場合とがある(図11(h))。その後、操作有効期間Sが終了すると、図11(h)で示したように、変動パターンP5に定められた内容に従って、味方キャラクタMが勝利したことを示す画像と確変大当りの図柄組み合わせが導出される(図11(i))。
次に、13R確変大当りが決定されるとともに大当り変動用の変動パターンP7が選択され、さらにテーブルTCが選択された際の演出の流れについて説明する。
このような場合、図11(a)〜図11(g)に示す流れで斬撃演出が実行されるが、「逆転勝利」となる変動パターンP7が選択されたことで「撃破」を選択し得ないテーブルTCを用いて減少抽選が行われるため、敵キャラクタTが全滅しない(図11(j))。したがって、操作有効期間Sが終了すると、味方キャラクタMが劣勢な状況に追いやられるが(図11(k))、変動パターンP7に定められた内容に従って、味方キャラクタMの援軍が到着して、味方キャラクタMが逆転勝利したことを示す画像と確変大当りの図柄組み合わせが導出される。
次に、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定された場合の演出の流れについて説明する。
このような場合、図11(a)〜(g)に示す流れで斬撃演出が実行されるが、「撃破」を選択し得ないテーブルTCを用いて減少抽選が行われるため、敵キャラクタTが全滅しない(図11(j))。したがって、操作有効期間Sが終了すると、味方キャラクタMが劣勢な状況に追いやられた後(図11(k))、変動パターンP6に定められた内容に従って、味方キャラクタMの敗北を示す画像と確変示唆の図柄組み合わせが導出される。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出用操作ボタンBT(演出用操作手段)の操作有効期間の区間単位で設定した演出内容を次段階に移行させるための段階移行条件(実施形態では、演出用操作ボタンBTの操作及び減少抽選での「減少」の決定)が成立したか否かを判定し、この判定結果が肯定の場合に演出内容を次段階に移行させる(実施形態では、敵キャラクタTの減少)ようにした。さらに、斬撃演出(示唆演出)の終了時期に近い操作有効期間の区間(実施形態では、第4区間S4)ほど、段階移行条件の成立確率を高確率に設定した。これにより、演出用操作ボタンBTの操作タイミングを見逃すなどして第1区間S1(初期段階の区分)で演出用操作ボタンBTが操作できなかったとしても、斬撃演出の終了時期に近い区間で演出用操作ボタンBTを操作することができたのであれば、敵キャラクタTが減少するチャンスが付与されることになるので、最後まで演出用操作ボタンBTの操作に参加させることができる。すなわち、演出用操作ボタンBTの操作タイミングや操作回数にかかわらず、演出用操作ボタンBTが操作された際には同一の報知結果を導出させることで、報知機会を同等に与えることができる。
(2)操作有効期間S中に演出用操作ボタンBTが有効操作された場合でも減少抽選を実行しない無視時間を設けることにより、操作有効期間Sが区分設定されていることを遊技者に気付かせ難い。すなわち、遊技者にどのタイミングで演出用操作ボタンBTを操作すれば敵キャラクタTの減少し易いのかを悟らせ難くなるため、操作有効期間Sが設定されている期間中、演出用操作ボタンBTの操作に積極的に参加させることができる。
(3)操作有効期間S中に減少抽選を実行しない無視時間を設けることで、次段階への移行頻度を減少させることができる。つまり、操作有効期間S中に無視時間を設けた場合と設けない場合では、設けない場合の方が減少抽選の実行回数が多くなるため、その回数に比例して敵キャラクタTが減少する可能性も上昇することになる。ところが、操作有効期間Sがまだ大半残っている時点で敵キャラクタTが全滅してしまうと、残りの操作有効期間Sが何ら演出の実行されない時間帯となってしまう。そこで、このように無視時間を設けることで、操作有効期間Sが設定されている間、遊技者を遊技に参加させることができる。
(4)斬撃演出を大当りとなる図柄変動ゲーム中に実行させることにより、斬撃演出が実行されたときには、その時点で大当りとなることを確定的に報知することができる。また、斬撃演出の演出内容に対応する段階(実施形態では、敵キャラクタTの全滅)によって有利な特典(実施形態では、確変状態)が付与されることに期待を持たせることができる。
(5)大当りの種類にかかわらず、斬撃演出の初期段階を同一演出内容としたことにより(実施形態では、敵キャラクタTの初期人数を5人としたこと)、斬撃演出開始時の演出内容からは大当りの種類が推測できないので、遊技者にとって最も有利な大当り(実施形態では、13R確変大当り)が付与されることに期待を持たせることができる。その一方で、段階移行条件の成立確率を大当りの種類によって設定しているので、実行された斬撃演出の演出内容(実施形態では、敵キャラクタTの全滅)によって決定された大当りの種類を推測させることができる。
(6)段階移行条件の成立確率を高確率に設定した操作有効期間Sの区間(実施形態では、第4区間S4)ほど、当該区間に設定された段階移行条件の成立確率に基づく移行判定を実行する時間を短く設定した。これにより、段階移行条件の成立確率が低い場合には、段階移行条件の成立確率が高く設定された場合に比して演出用操作ボタンBTを操作させる機会が多く設定されることになる。つまり、段階移行条件の成立確率が低い場合であっても、減少抽選の実行回数が増加することによって次段階の斬撃演出が実行されるチャンスが与えられることになる。なお、段階移行条件の成立確率が高く設定されているにもかかわらず、操作有効期間Sを長く設定してしまうと、早い段階で最終段階の演出内容に到達して、操作有効期間Sが余ってしまうことになる。そこで、このような制御を実行することにより、斬撃演出の移行度合いを全体的にバランス良く保つことができる。
(7)最終区分における示唆演出の実行態様(示唆演出の飛び越しがあるか又は最終段階の示唆演出が実行されるか否か)に応じて、大当りの種類を推測させることができる。
(8)テーブルTA,TBにおける第4区間S4では、敵キャラクタTが減少する場合、1段階ずつ減少する場合と、現在の演出内容の段階数にかかわらず複数段階を飛ばして残り人数が「0人」になる場合とがあるように選択割合を設定した。また、どの段階から残り人数が「0人」になるかによって大当りの種類を特定可能とした(実施形態では、4人→0人、3人→0人、2人→0人)。これにより、敵キャラクタTが全滅するまでの経路によっても大当りの種類を特定することができる。
(9)13R確変大当り又は7R確変大当りに当選している場合、変動パターンP7が選択された際には、操作有効期間Sの終了時点において敵キャラクタTが全滅していない場合であっても、味方キャラクタMが勝利する。これにより、演出表示装置11において味方キャラクタMが劣勢な状況に追いやられたとしても、味方キャラクタMが勝利する逆転勝利パターンとなって13R確変大当り又は7R確変大当りであることが報知されることに期待を持たせることができる。
(10)13R確変大当り又は7R確変大当りに当選している場合に決定可能な大当りの図柄組み合わせを同一とした(実施形態では、[111]〜[777])。また、2R確変大当り又は2R非確変大当り当選時に決定される確変示唆の図柄組み合わせを、リーチ図柄を含む図柄組み合わせとした(実施形態では、[121]〜[717])。これにより、斬撃演出実行前に導出されるリーチ形成図柄からも大当りの種類を特定することができないので、斬撃演出によって大当りの種類を示唆することができる。
(11)2R確変大当り又は2R非確変大当り当選時には、敵キャラクタTとの対決に敗北する内容を対応付けた同一の変動パターンP6を選択可能に構成したことにより、対決結果が「敗北」となった場合であっても、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることに対して期待を持たせることができる。
(12)変短状態中は、はずれとなるリーチ演出を実行させないようにしているので、変短状態中にリーチ演出が実行されると大当りが確定する。そして、対決リーチ演出中に斬撃演出を実行可能に構成したことにより、斬撃演出の結果(敵キャラクタTが全滅したか、残り人数が何人の状態から全滅したか)によって大当りの種類を示唆することができる。具体的には、敵キャラクタTが全滅した場合には、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることが示唆されるとともに、敵キャラクタTの残り人数が2人以上5人未満の状態から全滅した場合には、13R確変大当りに当選していることが確定的に示唆される。
(13)無視時間が設定されていない場合に演出用操作ボタンBTが操作された際には、スピーカSPにて演出用操作ボタンBTが操作されたことを遊技者に報知する。その一方で、無視時間中に演出用操作ボタンBTが操作された場合、スピーカSPにて演出用操作ボタンBTが操作されたことを報知しないので、操作音が途切れることなく報知されることを抑制できる。
(14)13R確変大当りに当選するとともに、「対決リーチ勝利」となる変動パターンP5が選択された際に最も選択され易いテーブルTAにおいて、敵キャラクタTを全滅させ易くする構成とすることで、演出用操作ボタンBTを積極的に操作させて遊技に参加させることができる。すなわち、本実施形態では、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選した場合、「対決リーチ勝利」となる変動パターンP5を選択可能としているため、斬撃演出によって敵キャラクタTが全滅しなかったときには、対決結果としての勝利結果を視認しただけでは、どちらの大当りに当選しているのかを認識し得ない。したがって、テーブルTAにおいて敵キャラクタTを全滅させ易い設定とすることで、変動パターンP5に定められた対決結果に即した斬撃演出の結果を表示させることができ、13R確変大当りへの期待を抱かせて遊技に参加させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態では、演出用操作ボタンBTが操作されたことを遊技者に報知するために、演出表示装置11において演出用操作ボタンBTを模した画像を表示させ、ボタン操作コマンドを入力した表示制御用CPU32aが、その画像を実際の操作に合わせて上下運動させることで、ボタン操作の有無を遊技者に報知しても良い。
・ 実施形態における斬撃演出は、非変短状態中に実行されても良い。このような場合、大当り変動用の変動パターンP3が選択された場合のみ、斬撃演出を実行させても良いし、大当り変動用の変動パターンP3又ははずれリーチ変動用の変動パターンP4が選択された場合に斬撃演出を実行させるようにしても良い。
・ 実施形態において、13R確変大当りを確定的に認識し得る確定図柄(例えば、[777])を設定するとともに、13R確変大当り又は7R確変大当りを認識し得る非確定図柄(例えば、[111]〜[666])を設定しても良い。そして、上記実施形態のように斬撃演出を大当り確定演出とする場合、大当り図柄の格下げがないのであれば、[7↓7]でリーチが形成された時点で13R確変大当りに当選していることが報知されるため、斬撃演出を実行する必要がない。したがって、大当りの図柄組み合わせとして[111]〜[666]のうちいずれかの図柄組み合わせを決定した場合に限って、斬撃演出を実行させるようにしてもよい。また、この場合、2R確変大当り又は2R非確変大当り当選時に決定される確変示唆の図柄組み合わせは、リーチ形成によって13R確変大当りを認識させるためにも、[717]など左右列に13R確変大当りを認識できる図柄組み合わせを構成するリーチ図柄を含まない図柄組み合わせが好ましい。
・ 実施形態において、斬撃演出の実行タイミングを変更しても良い。例えば、リーチ形成前に実行しても良いし、大当り確定演出であるため、大当り遊技中に実行させるようにしても良い。
・ 特典内容を遊技者に示唆することができれば、示唆演出は、敵キャラクタTを減少させる斬撃演出とは異なる形態としても良い。例えば、ゲージの最終的な増減値によって特典内容を遊技者に示唆する態様であっても良い。
・ 実施形態における段階移行条件は、演出用操作ボタンBTの操作のみとしても良い。この場合、操作有効期間Sを構成する区間毎に必要操作回数を異ならせても良い。なお、このような設定とする場合、第4区間S4ほど必要操作回数が少なくなるように設定することが好ましい。
・ 上記実施形態において、区間毎、又はテーブル毎に初期値を変更しても良い。このような場合、初期値によって大当りの種類を推測させることができる。また、第4区間S4においては、初期値が大きく設定されている場合(例えば、10人)、減少抽選において「減少」が決定される確率を高くすることが好ましい。
・ 実施形態では、操作有効期間Sを構成する全区間の区間時間、及び操作有効期間Sを構成する全区間における減少抽選で各段階への「減少」が決定される確率のうち、少なくとも何れか一方を同程度とした上で、無視時間の長さによって減少抽選の実行頻度を調節するようにしても良い。この場合、第1区間S1ほど無視時間を短く設定する一方で、第4区間S4ほど無視時間を長く設定することが好ましい。また、操作有効期間Sの区間単位で無視時間の長さを変更することにより、より一層、操作有効期間Sが区分設定されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
・ 上記実施形態において、第4区間S4を除く第1区間S1〜第3区間S3では、次段階へ移行するための条件が成立する割合を同程度とし、第4区間S4のみ、敵キャラクタTを全滅させる割合が高くなるように設定しても良い。
・ 実施形態において、斬撃演出の最終結果によって示唆される特典内容を変更しても良い。例えば、大当り遊技を構成するラウンド数としても良い。
・ 上記実施形態において、斬撃演出の最終結果によって大当りか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、大当りとなる場合には敵キャラクタTを全滅させることができるが、はずれとなる場合には敵キャラクタTを全滅させないようにしても良い。
・ 上記実施形態において、斬撃演出の最終結果によって確変大当りか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、確変大当りとなる場合には敵キャラクタTを全滅させることができるが、非確変大当りとなる場合には敵キャラクタTを全滅させないようにしても良い。
・ 実施形態において、斬撃演出の最終結果によって現在の遊技状態が確変状態であるか否かを示唆するようにしても良い。この場合、上記実施形態のように、操作有効期間Sとして設定できる期間に制限が設けられるような状況が好ましい。例えば、大当り遊技終了後、所定回数(例えば、10回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、各図柄変動ゲームにおいて斬撃演出を実行させても良い。
・ 上記実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしても良く、これらを組み合わせた表示装置を用いても良い。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)遊技者が操作可能な演出用操作手段を備え、前記演出用操作手段の有効操作を契機として、演出内容を段階的に変化させるとともに、前記演出内容が最終段階に到達したか否かにより、遊技者にとって有利な特典が付与されるか否かの期待度を示唆する示唆演出を実行させる遊技機において、前記演出用操作手段の操作を有効とする操作有効期間を設定する有効期間設定手段と、前記操作有効期間内での前記演出用操作手段の有効操作を契機に、前記操作有効期間の区分単位で設定した前記演出内容を次段階に移行させるための段階移行条件に従って、前記段階移行条件が成立したか否かの移行判定を行い、前記移行判定の判定結果が肯定の場合に前記演出内容を次段階に移行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記演出用操作手段の有効操作を契機に前記移行判定を行い、前記移行判定後は所定時間内に前記演出用操作手段が有効操作された場合であっても前記移行判定を実行せず、前記所定時間の経過後、最初の前記演出用操作手段の有効操作を契機に前記移行判定を行うようになっており、前記操作有効期間の区分単位で前記所定時間の長さを変更したことを特徴とする遊技機。
(ロ)前記操作有効期間の各区分における前記段階移行条件の成立確率又は各区分の区分時間を同程度とする一方で、前記示唆演出の終了時期に近い前記操作有効期間の区分ほど、前記所定時間が短くなるように設定したことを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。このような場合、操作有効期間Sの各区間における段階移行条件の成立確率及び各区間の区間時間が同程度に設定されている場合であっても、無視時間の長短によって減少抽選の実行頻度を調節できる。これにより、区間毎に異なる段階移行条件を設定したテーブルを記憶する必要がないので、制御手段の制御負担を軽減することができる。