以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図19に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識できる大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識できるはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、例えば、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される(例えば[222]や[777]など)。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、原則的に、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
特別図柄表示装置12の上方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、画像表示部GHの下方領域には、保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Hが形成されている。保留画像表示領域Hは、図1に示すように、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域(報知部)H1,H2,H3,H4を含んで構成されている。そして、保留画像表示領域Hでは、保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、個別表示領域H1,H2が保留有表示の態様で画像表示される一方で、個別表示領域H3,H4が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。なお、図1では、保留有表示の態様として、個数表示領域に左下がり斜線を付している。保留画像表示領域Hは、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されていることから、遊技者は、保留画像表示領域Hにおける保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から保留記憶数を認識することになる。
また、特別図柄表示装置12の上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では左側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では右側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動手段としての始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開放部材としての開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動手段としての始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技の内容については後述する。
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。本実施形態では、変短状態が開放時間増加状態となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に設定されている大当りの種類について図2に従って説明する。また、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「13回」とする一方で、特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「7回」としており、さらに、特別図柄C,Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」としている。また、特別図柄A及び特別図柄Bに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(次回大当りまで)と、予め定めた回数(本実施形態では、10000回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。
その一方で、特別図柄Cに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、確変状態(次回大当りまで)のみが付与される。一方で、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、特別図柄Cに基づく大当り遊技終了後には、確変状態(次回大当りまで)と、予め定めた回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。また、特別図柄Dに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、非確変状態のみが付与される。一方で、大当り抽選の当選時における遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、特別図柄Dに基づく大当り遊技終了後には、非確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。
以下、特別図柄Aに対応する大当りの種類を「13R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「13R確変大当り遊技」と示す。一方で、特別図柄Bに対応する大当りの種類を「7R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「7R確変大当り遊技」と示す。また、特別図柄Cに対応する大当りの種類を「2R確変大当り」と示すとともに、特別図柄Cに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。一方で、特別図柄Dに対応する大当りの種類を「2R非確変大当り」と示すとともに、特別図柄Dに基づく大当り遊技を「2R非確変大当り遊技」と示す。
また、本実施形態では、規定ラウンド数に関係なく、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「9球」に設定するとともに、大入賞口18での1球の遊技球の検知によって払出される賞球数(10球)を統一している。その一方で、13R確変大当り遊技及び7R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技時間(25秒)よりも2R確変大当り遊技及び2R非確変大当り遊技における1回のラウンド遊技時間(0.6秒)を短く設定している。これにより、規定ラウンド数が多いほど、大当り遊技中に大入賞口18へ入球する度に払出される遊技球の総数である総賞球払出数が多くなる。
本実施形態では、確変状態が付与されること及び総賞球払出数の多さが、遊技者にとって有利な特典となる。また、本実施形態では、13R確変大当り及び7R確変大当りが高有利度大当りとなる一方で、2R確変大当り及び2R非確変大当りが低有利度大当りとなる。また、高有利度大当りのうち、13R確変大当りが第1高有利度大当りとなる一方で、7R確変大当りが第2高有利度大当りとなる。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、普図当り判定用乱数及び特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の大当り図柄として全100通りの特別図柄が設定されているとともに、この100種類の特別図柄の大当り図柄に対して100通りの特図振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。
本実施形態の低確率時大当り判定値は、「17、83」の2個に設定されている。一方、本実施形態の高確率時大当り判定値は、上記「17、83」の2個の値に、「37、97、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、低確率時大当り判定値と高確率時大当り判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、83」)が共通値とされている。この共通値(「17、83」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている(共通大当り判定値)。一方、高確率時大当り判定値において、前記共通値(「17、83」)を除く他の値(18個)は、低確率時大当り判定値(共通大当り判定値)とは異なる非共通値(非共通大当り判定値)とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通大当り判定値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、本実施形態では、変短状態中、リーチ判定値を設定していないため、変短状態中ははずれとなるリーチ演出が実行されないようになっている。また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、非変短状態時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値(本実施形態では、13個)と、変短状態時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値(本実施形態では、250個)とがある。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された変動パターンの一部について図4に従って説明する。なお、図4(a)は、非変短状態中に参照される変動パターン振分テーブルを示す一方で、図4(b)は、変短状態中に参照される変動パターン振分テーブルを示している。
図4(a)に示すように、非変短状態中に選択可能な変動パターンとして、はずれ変動用の変動パターンP1、はずれリーチ変動用の変動パターンP2、及び大当り変動用の変動パターンP3が設定されている。また、図4(b)に示すように、変短状態中に選択可能な変動パターンとして、はずれ変動用の変動パターンP4,P5、大当り変動用の変動パターンP6,P7が設定されている。
はずれ変動用の変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が定められている。通常変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過毎に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。はずれ変動用の変動パターンP4には、変動内容として「超短縮変動(図中、超短縮と示す)」が定められている。超短縮変動では、図柄変動ゲームの開始後、通常変動における変動表示に係る時間よりも短い時間の経過後に各列の変動がほぼ同一のタイミングで停止し、はずれ図柄が導出される。また、はずれ変動用の変動パターンP5には、変動内容として「ガセ」が定められている。「ガセ」では、図柄変動ゲームの開始後、リーチ演出が実行されると見せかけて、リーチ図柄を含まないはずれ図柄が導出される。また、本実施形態では、変短状態中の大当り抽選に当選しなかった場合、変動パターンP4の選択率を90%に設定する一方で、変動パターンP5の選択率を10%となるように設定している。
また、大当り変動用の変動パターンP6には、変動内容として「対決リーチ勝利」が定められている一方で、大当り変動用の変動パターンP7には、変動内容として「対決リーチ敗北」が定められている。本実施形態における対決リーチ演出では、遊技者を投影する味方キャラクタと、対戦相手となる敵キャラクタが対決する内容となっており、その対決結果によって大当りの種類を遊技者に認識させるようになっている。本実施形態における対決結果には、「勝利」と「敗北」が設定されており、変動パターンP6に基づく変動では、対決結果として味方キャラクタが敵キャラクタに勝利するようになっている。その一方で、変動パターンP7に基づく変動では、対決結果として味方キャラクタが敵キャラクタに敗北するようになっている。また、変動パターンP6は、13R確変大当り又は7R確変大当りが決定された際に選択される一方で、変動パターンP7は、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定された際に選択されるようになっている。本実施形態では、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定された場合、同一の変動パターンP7が選択されるようになっているので、図柄組み合わせが確定停止表示されるまでの展開が同一展開となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機において、敵キャラクタに敗北した場合、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させない。なお、非変短状態中に選択されるはずれリーチ変動用の変動パターンP2及び大当り変動用の変動パターンP3には、対決リーチとは異なる演出内容が対応付けられている。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について図5及び図6に従って説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
最初に、特別図柄入力処理について図5に従って説明する。
主制御用CPU30aは、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS10の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS11の判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える(ステップS12)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を変更する。また、主制御用CPU30aは、加算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御基板31に出力するために送信バッファにセットする。この保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において演出制御基板31に出力される。画像表示部GHの保留画像表示領域H(個別表示領域H1〜H4)の画像表示は、保留指定コマンドで指示される保留記憶数によって表示の態様が制御される。
本実施形態では、ステップS12の処理により、始動入賞口15に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、主制御用RAM30cは保留記憶手段として機能する。
そして、ステップS12の終了後、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値及び特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS13)。
次に、主制御用CPU30aは、変短状態中であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての作動フラグの設定値が「0(非変短状態)」である場合に否定判定し、作動フラグの設定値が「1(変短状態)」である場合に肯定判定する。ステップS14の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了するので、非変短状態中は後に詳述する事前判定処理を実行しないことになる。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り抽選の抽選確率が低確率状態であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての確変フラグの設定値が「0(非確変状態)」である場合に肯定判定し、確変フラグの設定値が「1(確変状態)」である場合に否定判定する。
ステップS15の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS13で取得した大当り判定用乱数の値と非確変用判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定する事前判定処理を行う(ステップS16)。ステップS16の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとなることを事前に認識することになる。その後、主制御用CPU30aは、ステップS16の判定で用いた大当り判定用乱数とともに取得した特図振分用乱数が記憶された保留記憶数の記憶領域から特図振分用乱数の値を読み出すことで大当り図柄を確認する(ステップS17)。本実施形態における事前判定処理は、特別図柄入力処理において遊技球の入球に伴って取得された大当り判定用乱数の値や特図振分用乱数の値を事前判定し、その事前判定の結果を指示する先読みコマンドを生成及び出力するための処理となる。
ステップS17の説明に戻り、大当り図柄を確認した主制御用CPU30aは、確認した大当り図柄を指示する先読みコマンド[D2HxxH](図7参照)を送信用バッファにセットする(ステップS18)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、13R確変大当りが決定されているときに[D2H01H]を、7R確変大当りが決定されているときに[D2H02H]を、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定されているときに[D2H03H]をセットする。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS16の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と非確変用判定値が一致しない)の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとならないことを事前に認識することになる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。つまり、特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、大当りとなる場合のみ先読みコマンドを生成することになる。
一方、ステップS15の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS13で取得した大当り判定用乱数の値と確変用判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定する事前判定処理を行う(ステップS19)。ステップS19の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとなることを事前に認識することになる。
その後、主制御用CPU30aは、ステップS19の判定で用いた大当り判定用乱数とともに取得した特図振分用乱数が記憶された保留記憶数の記憶領域から特図振分用乱数の値を読み出すことで大当り図柄を確認する(ステップS20)。そして、主制御用CPU30aは、確認した大当り図柄を指示する先読みコマンド[D3HxxH](図7参照)を送信用バッファにセットする(ステップS21)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、13R確変大当りが決定されているときに[D3H01H]を、7R確変大当りが決定されているときに[D3H02H]を、2R確変大当り又は2R非確変大当りが決定されているときに[D3H03H]をセットする。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS19の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と確変用判定値が一致しない)の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとならないことを事前に認識することになる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。本実施形態では、事前判定処理(ステップS16,S17,S19,S20)を行う主制御用CPU30aが、事前判定手段として機能する。
図7は、本実施形態における特別図柄入力処理の処理結果に応じて出力される先読みコマンドを示す一覧表である。先読みコマンドは、[D2H]及び[D3HH]からなる上位バイトと[01H〜03H]からなる下位バイトの組み合わせによって構成されている。そして、各先読みコマンドには、特別図柄入力処理の対象となる始動保留球に関する情報が対応付けられている。具体的に言えば、下位バイトにその始動保留球に基づく図柄変動ゲームの変動内容(大当りの種類)が対応付けられている一方で、上位バイトに入球時点の大当り抽選の抽選確率が対応付けられている。
次に、特別図柄開始処理について図6に従って説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS30の判定結果が否定(大当り中ではなく、かつゲーム中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を読み出す(ステップS31)。続いて、主制御用CPU30aは、ステップS31で読み出した保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄変動ゲームが存在するか否か)を判定する(ステップS31)。
ステップS31の判定結果が否定(保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないため、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS31の判定結果が肯定(保留記憶数>0)の場合、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算する(ステップS32)。また、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を変更する。また、主制御用CPU30aは、減算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御基板31に出力するために送信バッファにセットする。
その後、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特図振分用乱数などの各値を読み出す。なお、主制御用CPU30aは、各乱数の値を読み出した後、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行(保留記憶数の1減算)に伴って、保留記憶数毎の情報(乱数の値)の記憶領域をシフトさせるシフト処理を実行する。
その後、主制御用CPU30aは、確変フラグの設定値を確認することで、遊技状態が低確率状態であるか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、低確率状態での大当り抽選を行う(ステップS34)。ステップS34における大当り抽選は、大当り判定用乱数の値と非確変用判定値を比較し、両値が一致するか否かによって行う。そして、ステップS34の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、低確率状態の大当り抽選で当選したことから、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する(ステップS35)。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定するとともに、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。なお、変動パターンを決定するに際し主制御用CPU30aは、作動フラグの値から変短状態が付与されているか否かを判定し、その判定結果に応じて、大当り変動用の変動パターンを選択、決定する。また、本実施形態において特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当りの種類を決定したことになる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS33の判定結果が否定(高確率状態)の場合、主制御用CPU30aは、高確率状態での大当り抽選を行う(ステップS36)。ステップS36における大当り抽選は、大当り判定用乱数の値と確変用判定値を比較し、両値が一致するか否かによって行う。そして、ステップS36の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、高確率状態の大当り抽選で当選したことから、ステップS35に移行する。
また、ステップS34又はステップS36の判定結果が否定(大当りではない)の場合、主制御用CPU30aは、作動フラグの設定値を確認することで、遊技状態が、変短状態であるか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37の判定結果が肯定の場合、本実施形態では、変短状態中のリーチ判定値を設定していないため、主制御用CPU30aは、リーチなしのはずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する(ステップS38)。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態では、変短状態が付与されているか否かに応じて変動パターン振分テーブルが分かれているため、ステップS38では、変短状態用の変動パターン振分テーブルからはずれ変動用の変動パターンが選択される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS37の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選を行う(ステップS39)。リーチ抽選は、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かによって行う。そして、ステップS39の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれリーチ変動処理を実行する(ステップS40)。はずれリーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。ステップS40では、非変短状態用の変動パターン振分テーブルからはずれリーチ変動用の変動パターンが選択される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、ステップS39の判定結果が否定(リーチではない)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選しなかったことから、はずれ変動処理を実行する(ステップS41)。ステップS41では、非変短状態用の変動パターン振分テーブルからはずれ変動用の変動パターンが選択される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り遊技の直前に行われた大当り変動の図柄変動ゲームで決定した大当り図柄(特別図柄)及び大当り抽選当選時の遊技状態に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。
主制御用CPU30aは、13R確変大当り遊技、7R確変大当り遊技、又は2R確変大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される確変フラグに「1」を設定する。一方、主制御用CPU30aは、2R非確変大当り遊技の終了後、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに「1」を設定した場合、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に確変状態であることを示す確変コマンドを出力する一方で、確変フラグに「0」を設定した場合、非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、13R確変大当り遊技又は7R確変大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を示す作動回数として所定回数(本実施形態では10000回)を主制御用RAM30cに設定する。主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定すると、変短状態であることを示す作動コマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。また、主制御用CPU30aは、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の場合、作動フラグに「0」を設定する。その一方で、主制御用CPU30aは、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の場合、作動フラグに「1」を設定するとともに、作動回数として所定回数(本実施形態では50回)を主制御用RAM30cに設定する。なお、主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定した後、図柄変動ゲームの実行(変動パターン指定コマンドの出力)毎に、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数を−1(1減算)する。主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に、非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1(秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、特別図柄A又は特別図柄Bに対応する大当り図柄が指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識できる大当り図柄を決定する。本実施形態における確変大当りを認識できる大当り図柄は、[111][222][333][444][555][666][777]で示す7種類に設定されている。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄C又は特別図柄Dに対応する大当り図柄が指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識し得ない大当り図柄(確変示唆の大当り図柄)を決定する。この確変示唆の大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄とならない図柄組み合わせによって構成されており、[121][232][343][454][565][676][717]で示す7種類に設定されている。本実施形態では、はずれとなるリーチ演出を変短状態中に実行させないように設定しているため、このような確変示唆の大当り図柄を設定することで、リーチ状態が形成された時点では、大当りの種類を特定できないようになっている。
また、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定されている場合、リーチ図柄を含むはずれ図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを生成する。
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、図柄変動ゲーム中に全停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
また、演出制御用CPU31aは、確変コマンドや作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドを入力するまで現在の設定内容を演出制御用RAM31cに記憶維持させる。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態中の図柄変動ゲームにて、指標変化演出としてのパラメータ変化演出が実行される。
以下、パラメータ変化演出について図1に従って説明する。
本実施形態では、変短状態中の背景画像として、戦場を連想させる画像が、複数回の図柄変動ゲームに亘って表示されるようになっている。さらに、本実施形態では、変短状態中、はずれとなるリーチ演出が行われないようになっているので、リーチ演出が実行されると大当りが確定することになる。そして、本実施形態では、背景画像の表示と併せて、図柄変動ゲーム中に、図1で示すような属性の異なる複数種類(実施形態では、3種類)のパラメータが表示され、各パラメータにおけるゲージ値の増減によって大当りとなる場合に付与される大当りの種類が示唆される。なお、本実施形態における属性とは、互いに違いを識別可能な種類又はテーマを指し、より詳しくは、敵キャラクタを攻撃するために必要な兵力に対応している。
本実施形態では、敵キャラクタを攻撃する際の攻撃力に関する攻撃力パラメータM1と、敵キャラクタからの攻撃を防御する際の防御力に関する防御力パラメータM2と、味方キャラクタの体力に関する体力パラメータM3が設定されている。また、以下の説明では、これらのパラメータM1〜M3を纏めてパラメータMと示す場合がある。各パラメータM1〜M3は、11個の段階によって構成されており、ゲージ値は、「0(最小値)」〜「10(最大値)」の値に設定されている。さらに、本実施形態では、MAX値に到達しているパラメータMの個数と大当りの種類を対応付けている。具体的には、MAX値に到達しているパラメータMの個数が1個又は2個の場合、13R確変大当り又は7R確変大当りが決定されていることが示唆される。一方、MAX値に到達しているパラメータMの個数が3個(全部)の場合、13R確変大当りが決定されていることが確定的に示唆される。したがって、MAX値に到達していないときには、全ての大当りの可能性がある。
なお、パラメータMによる大当りの種類への期待度の示唆は、遊技者が大当りとなる場合の大当りの種類を推測するための指標であるため、パラメータMにおけるゲージ値が指標情報となる。ただし、パラメータ変化演出は、大当りの種類への期待度を遊技者に示唆するための指標であるため、大当りとなるか否か及び大当りの種類は、大当り抽選に当選した際の抽選結果に基づいて決定される。そして、これらのパラメータM1〜M3は、夫々独立して同時にゲージ値が変化可能となっている。本実施形態では、ゲージ値「0」が初期段階の指標情報となる一方で、ゲージ値「10」が最終段階の指標情報となる。
また、本実施形態では、大当りとなる始動保留球(以下、対象始動保留球と示す)が存在している場合、対象始動保留球に基づくゲームを含む当該ゲームに至るまでのゲージ値の変化態様を、対象始動保留球に基づく判定結果(事前判定結果)に従って決定し、その決定結果に従ってパラメータ変化演出を実行させるようになっている。その一方で、大当りとなる始動保留球が存在していない場合には、大当りとなる事前判定結果を参照することなく図柄変動ゲーム毎にそれぞれゲージ値の変化態様を決定し、その決定結果に従ってパラメータ変化演出を実行させるようになっている。以下、大当りとなる事前判定結果を参照することなく図柄変動ゲーム毎にそれぞれゲージ値の変化態様を決定することで実行されるパラメータ変化演出を「独立パラメータ変化演出」と示す。その一方で、対象始動保留球に基づくゲームを含む当該ゲームに至るまでのゲージ値の変化態様を決定することで実行されるパラメータ変化演出を「関連パラメータ変化演出」と示す。なお、独立パラメータ変化演出及び関連パラメータ変化演出では、いずれも1回の図柄変動ゲームにおいてパラメータMの変化(維持を含む)が1回行われるようになっているため、これらの違いを見分け難くなっている。
以下、パラメータ変化演出を実行するために演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
本実施形態において演出制御用CPU31aは、パラメータ変化演出の実行に際し、ゲージ値の変動方向、ゲージ値を変化させる対象となるパラメータMの種類、ゲージ値の変化量の順にパラメータ変化演出の実行に必要な要素を順次決定する。なお、本実施形態では、「ゲージ値の変動方向」、「ゲージ値を変化させる対象となるパラメータMの種類」、及び「ゲージ値の変化量」を合わせたものが「ゲージ値の変化態様」に該当する。ちなみに、パラメータ変化演出開始時の各ゲージ値は、演出制御用CPU31aによってランダムに決定される。
図8(a)〜(c)及び図9(a)〜(c)は、ゲージ値の変動方向を決定する際に参照される変動方向決定テーブルT1〜T6を示す。これらのテーブルT1〜T6は、各図柄変動ゲームの開始時にMAX値に到達しているパラメータMの有無、先読みコマンドの有無、及び先読みコマンドによって指示される大当りの種類によって大別される。
より詳しくは、図8(a)に示すテーブルT1は、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているとともに13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に参照されるテーブルである。図8(b)に示すテーブルT2は、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているとともに2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に参照されるテーブルである。図8(c)に示すテーブルT3は、MAX値に到達しているパラメータMが存在している一方で、先読みコマンドが記憶されていない場合に参照されるテーブルである。
また、図9(a)に示すテーブルT4は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない一方で、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に参照されるテーブルである。図9(b)に示すテーブルT5は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない一方で、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に参照されるテーブルである。なお、テーブルT5は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないとともに先読みコマンドが記憶されておらず、かつ図柄変動ゲーム実行時の抽選確率が低確率状態である場合にも参照される。図9(c)に示すテーブルT6は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないとともに先読みコマンドが記憶されておらず、かつ図柄変動ゲーム実行時の抽選確率が高確率状態である場合に参照されるテーブルである。
これらのテーブルT1〜T6では、変短状態時に選択可能な変動パターンP4〜P7に対して、パラメータMの変動方向として「維持」、「上昇」、「減少」、又は「補正」のうち何れかの変動方向が決定されるように所定個数ずつ乱数値を振り分けて選択割合を設定している。なお、「維持」とは、ゲージ値を変化させない態様を示す一方で、「上昇」とは、ゲージ値を増加させる態様を示す。また、「減少」とは、ゲージ値を維持又は減少させる態様を示す一方で、「補正」とは、ゲージ値を維持又は減少させる態様を示し、特にMAX値に到達した場合には、ゲージ値を減少させる態様を示す。また、テーブルT1〜T6では、パラメータMの変動方向が決定されるのみに留まり、その変化値やゲージ値を変化させる対象となるパラメータM(以下、変化対象パラメータMと示す)の種類は、別の処理で決定される。
図8(a)に示すテーブルT1では、関連パラメータ変化演出においてゲージ値が減少し難く、かつ関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームにおいてMAX値を維持し易い構成となっている。具体的には、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4では、「維持」が最も選択され易い一方で、「減少」及び「補正」が選択され難くなるように設定している。したがって、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4が選択された場合、MAX値を維持し易くなる。また、はずれ変動用の変動パターンP5においても、「維持」が最も選択され易い一方で、「減少」及び「補正」が選択され難くなるように設定しているが、変動パターンP4よりも「上昇」が選択され易くなるように設定している。これにより、はずれ変動用の変動パターンP5が選択された場合、MAX値を維持し易いとともに、変動パターンP4が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易くなるので、ゲージ値が上昇した際には、変動パターンP5に定められた変動内容からリーチとなることに期待を持たせることができる。
また、大当り変動用の変動パターンP6では、「上昇」が選択され易い一方で、「減少」及び「補正」が選択され難くなるように設定している。これにより、関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームまでにゲージ値がMAX値に到達していなくても、最終回の図柄変動ゲームにおいてMAX値に到達する可能性が高くなる。また、大当り変動用の変動パターンP7では、「補正」のみが選ばれるように設定している。したがって、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、MAX値に到達した状態でリーチ演出が行われることがない。つまり、MAX値に到達した状態でリーチ演出が行われることにより、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることが示唆されることになり、リーチ演出が行われる前段階のゲージ値がMAX値に到達しているか否かが重要となる。ちなみに、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている状態で2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選する状況は、以下のような状態によって生じる。すなわち、本実施形態では、2R確変大当り又は2R非確変大当りとなる始動保留球の後(先読みコマンド設定されず)に13R確変大当り又は7R確変大当りとなる始動保留球(先読みコマンド設定あり)が記憶されている場合に、前述した状況が生じる。
一方、図8(b)に示すテーブルT2では、関連パラメータ変化演出において、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に比してゲージ値が減少し易く、かつ関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームにおいてMAX値に到達させない構成となっている。具体的には、はずれ変動用の変動パターンP4では、「維持」が最も選択され易いが、テーブルT1(図8(a))に比して「補正」も選択され易くなるように設定している。したがって、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4が選択された場合、MAX値を維持し易いが、MAX値からゲージ値が減少する割合が、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に比して高くなる。また、はずれ変動用の変動パターンP5においても、「維持」が最も選択され易い一方で、テーブルT1(図8(a))に比して「補正」が選択され易くなるように設定しているが、変動パターンP4よりも「上昇」が選択され易くなるように設定している。これにより、はずれ変動用の変動パターンP5が選択された場合、MAX値を維持し易いが、MAX値からゲージ値が減少する割合も高くなる。ただし、変動パターンP4が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易くなるので、ゲージ値が上昇した際には、変動パターンP5に定められた変動内容からリーチとなることに期待を持たせることができる。
また、大当り変動用の変動パターンP6では、「維持」及び「上昇」も選択され易いものの、「減少」が最も選択され易くなるように設定している。これにより、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選しているが、MAX値に到達していない状態でリーチ演出が実行される場合もあり得る。ちなみに、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている状態で13R確変大当り又は7R確変大当りに当選する状況は、以下のような状態によって生じる。すなわち、本実施形態では、13R確変大当り又は7R確変大当りとなる始動保留球の後(先読みコマンド設定されず)に2R確変大当り又は2R非確変大当りとなる始動保留球(先読みコマンド設定あり)が記憶されている場合に、前述した状況が生じる。また、大当り変動用の変動パターンP7では、「補正」のみが選ばれるように設定している。したがって、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、MAX値に到達していたとしても変動パターンP7が選択された際には、「補正」によってMAX値からゲージ値が減少されるので、MAX値に到達した状態でリーチ演出が行われることがない。
また、図8(c)に示すテーブルT3では、当該テーブルを参照して変動方向が決定されるということは、基本的には大当りとなる始動保留球が存在していないため、MAX値を維持し易い構成となっている。具体的には、はずれ変動用の変動パターンP4,P5では、「維持」が最も選択され易くなるように構成している。したがって、はずれ変動用の変動パターンP4,P5が選択された場合、MAX値を維持し易くなる。ただし、変動パターンP5では、変動パターンP4よりも「上昇」が選択され易くなるように設定しているので、ゲージ値が上昇した際には、変動パターンP5に定められた変動内容からリーチとなることに期待を持たせることができる。また、本実施形態では、ゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行された場合に13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることが示唆されることになるので、MAX値を維持し易い構成とすることで、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることに期待を持たせることができる。
また、大当り変動用の変動パターンP6では、「維持」又は「上昇」が選択されるものの、「減少」が最も選択され易くなるように設定している。これにより、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選している場合、MAX値に到達していない状態でリーチ演出が実行される場合もあり得る。また、大当り変動用の変動パターンP7では、「補正」のみが選ばれるように設定している。したがって、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、MAX値に到達した状態でリーチ演出が行われることがない。
また、図9(a)に示すテーブルT4では、関連パラメータ変化演出においてゲージ値が減少し難くなっている一方で、MAX値に到達していないことにより、テーブルT1(図8(a))よりもゲージ値を上昇させ易い構成となっている。ただし、テーブルT4では、あくまでも「上昇」させ易い構成であって、必ずしもMAX値に到達させるわけではない。具体的には、はずれ変動用の変動パターンP4では、「上昇」が最も選択され易い一方で、「減少」及び「補正」が選択され難くなるように設定している。また、テーブルT1(図8(a))よりも「上昇」が選択され易くなるように設定している。したがって、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4が選択された場合、ゲージ値が上昇し易くなる。つまり、ゲージ値の上昇により、MAX値に到達してリーチ演出が実行されることに期待を持たせることができる。また、はずれ変動用の変動パターンP5においても、テーブルT1(図8)よりも「上昇」が選択され易く、かつ変動パターンP4よりも「上昇」が選択され易くなるように設定している。これにより、はずれ変動用の変動パターンP5が選択された場合、変動パターンP4が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易くなるので、ゲージ値が上昇した際には、変動パターンP5に定められた変動内容からリーチとなることに期待を持たせることができる。
また、大当り変動用の変動パターンP6では、「上昇」が最も選択され易く、かつテーブルT1(図8(a))に比して「上昇」の選択割合が高くなるように設定している。ただし、テーブルT1(図8(a))に比して「補正」の選択割合が高くなるように設定している。これにより、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない場合、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されていたとしても、最終的にMAX値に到達しない状態でリーチ演出が実行される場合もある。また、大当り変動用の変動パターンP7が選択された場合、「上昇」又は「減少」が選択され易くなるように設定しているが、「補正」を考慮すると、上昇側よりも減少側が選択され易い。したがって、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない状態で2R確変大当り又は2R非確変大当りとなる始動保留球が存在しているに場合には、最終回よりも前の図柄変動ゲームでゲージ値が上昇する場合もあるが、最終的にはMAX値に到達しない状態でリーチ演出が実行される。
一方、図9(b)に示すテーブルT5では、テーブルT2(図8(b))よりもゲージ値を上昇させ難い構成となっている。具体的には、はずれ変動用の変動パターンP4では、「上昇」を選択させることなく、「維持」及び「補正」が選択され易くなるように設定している。したがって、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4が選択された場合、MAX値を「維持」又は「減少」させ易いが、ゲージ値が上昇することがない。また、はずれ変動用の変動パターンP5では、「上昇」又は「補正」が選択され易くなるように設定しているが、「減少」を考慮すると、上昇側よりも減少側が選択され易い。したがって、はずれ変動用の変動パターンP5が選択された場合、変動パターンP4が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易くなるが、ゲージ値が「維持」又は「減少」することもある。また、本実施形態では、変短状態中のはずれ変動用の変動パターンの選択割合として、変動パターンP5よりも変動パターンP4を高く設定しているので、変短状態中にゲージ値が上昇する確率は極めて低い。
また、大当り変動用の変動パターンP6では、「上昇」が選択され易くなるように設定しているが、「減少」及び「補正」を考慮すると、減少側にも変動し易い。ただし、テーブルT4(図9(a))に比して「上昇」が選択され難くなるように設定している。したがって、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない場合、テーブルT4(図9(a))が選択された場合に比して、ゲージ値が上昇し難い。また、大当り変動用の変動パターンP7では、減少側に変動し易くなるように設定しているが、「上昇」も選択されるように設定している。したがって、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないとともに2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合、最終的にゲージ値を減少させ易くなっているが、ゲージ値が上昇することもある。ただし、MAX値に到達した状態でリーチ演出が行われることがない。
なお、テーブルT5は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないとともに先読みコマンドが記憶されておらず、かつ低確率状態である場合にも選択されるようになっている。これにより、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合には、ゲージ値が上昇し難いことになる。したがって、MAX値に到達していない状態でゲージ値が上昇し難くなっているときには、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である可能性が高いことが示唆されることになる。
また、図9(c)に示すテーブルT6では、テーブルT5(図9(b))よりもゲージ値を上昇させ易く、かつゲージ値を上昇させた状態を維持させ易い構成となっている。具体的には、はずれ変動用の変動パターンP4では、「維持」が最も選択され易くなるように設定している一方で、テーブルT5(図9(b))に比して「上昇」が選択され易くなるように設定している。したがって、変短状態時に最も選択され易いはずれ変動用の変動パターンP4が選択された場合、MAX値を「維持」させ易く、かつテーブルT5(図9(b))が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易い。また、はずれ変動用の変動パターンP5では、「上昇」又は「補正」が選択され易くなるように設定しているが、「減少」を考慮すると、上昇側よりも減少側が選択され易い。ただし、テーブルT5(図9(b))に比して「上昇」が選択され易くなるように設定している。したがって、はずれ変動用の変動パターンP5が選択された場合、変動パターンP4が選択された場合に比してゲージ値が上昇し易くなるが、ゲージ値が減少することもある。また、大当り変動用の変動パターンP6,P7では、テーブルT5(図9(b))と同一の選択割合となるように設定されている。
なお、テーブルT6は、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないとともに先読みコマンドが記憶されておらず、かつ高確率状態である場合に選択されるようになっている。これにより、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合には、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合に比して、ゲージ値が上昇し易く、かつゲージ値を上昇させた状態を維持し易いことになる。したがって、MAX値に到達していない状態でゲージ値が上昇し易くなっているときには、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である可能性が高いことが示唆されることになる。
そして、本実施形態では、先読みコマンドが記憶されている場合、先読みコマンドが対応付けられている始動保留球に基づく図柄変動ゲームが消化される迄、その先読みコマンドで指定される大当りの種類に応じて大別された変動方向決定テーブルの中から変動方向を決定させている(図8(a),(b),図9(a),(b))。これにより、先読みコマンドが記憶されているときには、対象始動保留球よりも前の始動保留球に基づく図柄変動ゲームから、対象始動保留球に基づく図柄変動ゲームに至るまでのゲージ値の変化態様に関連性を持たせることができる。また、記憶されている先読みコマンドで指示される大当りの種類が遊技者にとって有利度が高いほど、最終回よりも前の図柄変動ゲームから「上昇」が決定され易くなっているか、又はMAX値を維持し易くなっている(図8(a)及び図9(a))。
一方、記憶されている先読みコマンドで指示される大当りの種類が遊技者にとって有利度が低い場合、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているときには、最終回よりも前の図柄変動ゲームでMAX値を維持し易いが、最終回の図柄変動ゲームにおいてMAX値を維持することがない(図8(b))。つまり、本実施形態では、同一の大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合であっても、MAX値に到達しているパラメータMが存在する場合は、存在しない場合に比べてゲージ値が上昇し易い。また、記憶されている先読みコマンドで指定される大当りの種類が遊技者にとって有利度が低い場合、ゲージ値が上昇し難い(図9(b))。
図10は、テーブルT1〜T6にてゲージ値の変動方向を決定した後に、決定した変動方向でゲージ値を変化させる対象パラメータを決定する際に参照される変化対象決定テーブルT7である。テーブルT7では、テーブルT1〜T6のうちいずれかを用いて決定したパラメータMの変動方向に対して、図柄変動ゲームの開始時にMAX値に到達しているパラメータMの有無に応じて、変化対象パラメータを選択可能となるように乱数値を振分けて選択割合を設定している。より詳しくは、MAX値に到達しているパラメータが存在する場合には、そのパラメータMの種類に応じて変化対象パラメータが選択される一方で、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない場合には、各パラメータM1〜M3におけるゲージ値の大小に応じて変化対象パラメータが選択されるように設定している。
具体的には、変動方向として「維持」を決定した場合、MAX値に到達しているパラメータMの有無にかかわらず、変化対象パラメータを決定することなく、「変化無し」のみが選択されるように選択割合を設定している。また、変動方向として「補正」を決定した場合、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているときには、そのパラメータMを補正態様として必ず決定するが、併せてMAX値に到達していないパラメータMも補正対象として決定する場合もある。
例えば、パラメータM1〜M3全てにおいてMAX値に到達している場合、「補正」の対象となる変化対象パラメータとして、パラメータM1〜M3が決定される。また、防御力パラメータM2及び体力パラメータM3においてMAX値に到達している場合、「補正」の対象となる変化対象パラメータとして、防御力パラメータM2及び体力パラメータM3が決定される場合と、パラメータM1〜M3が決定される場合とがある。
一方、変動方向として「減少」を決定した場合、本実施形態では、最もゲージ値の大きいパラメータMを減少対象として決定し易い一方で、最もゲージ値の小さいパラメータMを減少対象として決定し難くなるように選択割合を設定している。ただし、変動方向として「減少」を決定した場合、MAX値に到達しているパラメータMの有無を問わず、同一の選択割合を設定している。例えば、攻撃力パラメータM1≦防御力パラメータM2≦体力パラメータM3の順にゲージ値が大きい場合、「減少」の対象となる変化対象パラメータとして、最もゲージ値の大きい体力パラメータM3のみが決定され易くなるように設定している。ただし、その次に、次にゲージ値が大きい防御力パラメータM2と体力パラメータM3の2つを変化対象パラメータとして決定する割合と、防御力パラメータM2のみを変化対象パラメータとして決定する割合が高くなるように設定している。その一方で、最もゲージ値が小さい攻撃力パラメータM1を変化対象パラメータとして決定する割合が低くなるように設定している。また、変動方向として「補正」を決定した場合、MAX値に到達しているパラメータMが存在していないときには、変動方向として「減少」を決定した場合と同様に変化対象パラメータが決定される。
一方、変動方向として「上昇」を決定した場合、本実施形態では、最もゲージ値の小さいパラメータMを上昇対象として決定し易い一方で、最もゲージ値の大きいパラメータMを上昇対象として決定し難くなるように選択割合を設定している。ただし、変動方向として「上昇」を決定した場合、MAX値に到達しているパラメータMの有無を問わず、同一の選択割合を設定している。例えば、攻撃力パラメータM1≦防御力パラメータM2≦体力パラメータM3の順にゲージ値が大きい場合、「上昇」の対象となる変化対象パラメータとして、最もゲージ値の小さい攻撃力パラメータM1のみが決定され易くなるように設定している。ただし、その次に、次にゲージ値が大きい防御力パラメータM2とパラメータM1の2つを変化対象パラメータとして決定する割合と、防御力パラメータM2のみを変化対象パラメータとして決定する割合が高くなるように設定している。その一方で、最もゲージ値が大きい体力パラメータM3を変化対象パラメータとして決定する割合が低くなるように設定している。
図11〜図13は、ゲージ値の変動方向及び変化対象パラメータを決定した後に、変化後のゲージ値を決定する際に参照される、攻撃力パラメータM1用の変化量決定テーブルT8(図11)、防御力パラメータM2用の変化量決定テーブルT9(図12)、及び体力パラメータM3用の変化量決定テーブルT10(図13)である。
これらのテーブルT8〜T10では、決定したパラメータMの変動方向毎に、現在のゲージ値(変化前ゲージ値)に応じて変化後のゲージ値として「0」〜「10」のうちいずれかが選択されるように所定個数ずつ乱数値を振分けて選択割合を設定している。なお、テーブルT8〜T10では、各乱数値の個数を異ならせている。具体的には、テーブルT8では、0〜130で示す131種類の整数を用いる一方で、テーブルT9では、0〜138で示す139種類の整数を用いている。また、テーブルT10では、0〜156で示す157種類の整数を用いている。
例えば、「維持」の対象として攻撃力パラメータM1が決定された場合、テーブルT8では、変化前ゲージ値と変化後ゲージ値が同一となるように選択割合を設定している。また、「上昇」の対象として攻撃力パラメータM1が決定された場合、変化後ゲージ値として、変化前ゲージ値以上の値(MAX値を含む)が選択されるように設定している。ただし、変化前ゲージ値が「0」〜「4」のうちいずれかである場合、変化後ゲージ値として必ず変化前ゲージ値よりも大きい値が洗濯されるように設定している。一方、「減少」の対象として攻撃力パラメータM1が決定された場合、変化後ゲージ値として、変化前ゲージ値以下の値が選択されるように設定している。ただし、変化前ゲージ値が「10」〜「3」のうちいずれかである場合、変化後ゲージ値として「0」が選択されることがないように設定している。また、「補正」の対象として攻撃力パラメータM1が決定された場合、変化後ゲージ値として変化前ゲージ値と同一の値、又は変化前ゲージ値よりも1〜2小さい値が選択されるように設定している。ただし、変化前ゲージ値がMAX値(10)であった場合、変化後ゲージ値として「10」が選ばれることがないように設定している。したがって、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの実行時にパラメータMがMAX値に到達しているときに「補正」が選択されたのであれば、必ずMAX値に達した状態でリーチ演出が実行されることがない。以下、テーブルT9及びテーブルT10においても、テーブルT8と同一のルールにて変化後ゲージ値が設定されている。
次に、演出制御用CPU31aがこれらのテーブルT1〜T10を用いてパラメータ変化演出を実行するための制御内容について説明する。
最初に、先読みコマンドの入力時に演出制御用CPU31aが実行する先読みコマンド設定処理について図14に従って説明する。
先読みコマンド設定処理において演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力したか否かを判定する(ステップS200)。ステップS200の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは先読みコマンド設定処理を終了する。一方、ステップS200の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、今回入力した先読みコマンドよりも前に先読みコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定結果が肯定の場合、今回入力した先読みコマンドよりも前の始動保留球に先読みコマンドが対応付けて記憶されていることになるため、演出制御用CPU31aは、今回入力した先読みコマンドを始動保留球に対応付けて記憶させることなく、先読みコマンド設定処理を終了する。
その一方、ステップS201の判定結果が否定の場合、今回入力した先読みコマンドよりも前の始動保留球に先読みコマンドが対応付けて記憶されていないため、演出制御用CPU31aは、今回入力した先読みコマンドを始動保留球に対応付けて記憶させる。加えて、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの種類を認識可能な値を実行中フラグにセットする(ステップS202)。実行中フラグとは、先読みコマンドに基づく関連パラメータ変化演出の実行中であるか否かを示すフラグである。具体的には、演出制御用CPU31aは、13R確変大当りを指示する先読みコマンドを入力すると、実行中フラグに「1」をセットする一方で、7R確変大当りを指示する先読みコマンドを入力すると、実行中フラグに「2」をセットする。また、演出制御用CPU31aは、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドを入力すると、実行中フラグに「3」をセットする。その後、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
このように、今回入力した先読みコマンドよりも前の始動保留球に対応付けて先読みコマンドが記憶されていない場合に限って、今回入力した先読みコマンドを設定することで、次回の図柄変動ゲームの開始時に、適切な変動方向決定テーブルを決定することができる。つまり、本実施形態では、先読みコマンドの上書きが行われない。そして、本実施形態では、このような制御内容により、保留中の始動保留球に基づく図柄変動ゲームで実行される関連パラメータ変化演出を、先読みコマンドで指定される大当りの変動内容に関連付けて実行させることができる。なお、実行中フラグに設定された値及び先読みコマンドは、大当り遊技の開始時にリセットされる。
また、始動保留球に対応付けて記憶した事前判定コマンドは、その始動保留球に基づく図柄変動ゲームの開始に伴って、記憶領域内において入力順が最先のコマンドから順に1つ消去される(シフト処理)。これにより、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球に関する情報の記憶数と演出制御用RAM31cに記憶されている先読みコマンドの記憶数は一致する。
次に、テーブルT1〜T6のうち何れかのテーブルを用いて変動方向を決定する変動方向決定処理について図15に従って説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは変動方向決定処理を終了する。一方、ステップS300の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、変動方向決定処理の実行時において、パラメータM1〜M3のうち何れかのパラメータがMAX値に到達しているか否かを判定する(ステップS302)。ちなみに、本実施形態では、MAX値の有無及びMAX値に到達しているパラメータMの種類をフラグ値によって認識し得るように設定している。
ステップS302の判定結果が肯定(MAX値に到達しているパラメータMあり)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS301及びステップS302を肯定判定したことに基づいて、テーブルT1(図8(a))を選択する(ステップS303)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。一方、ステップS302の判定結果が否定(MAX値に到達しているパラメータMなし)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS301を肯定判定した一方で、ステップS302を否定判定したことに基づいて、テーブルT4(図9(a))を選択する(ステップS305)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。
一方、ステップS301の判定結果が否定(13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されていない)の場合、演出制御用CPU31aは、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS302と同じく、変動方向決定処理の実行時において、パラメータM1〜M3のうち何れかのパラメータがMAX値に到達しているか否かを判定する(ステップS307)。
ステップS307の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS306及びステップS307を肯定判定したことに基づいて、テーブルT2(図8(b))を選択する(ステップS308)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。一方、ステップS307の判定結果が否定(MAX値に到達しているパラメータMなし)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS306を肯定判定した一方で、ステップS307を否定判定したことに基づいて、テーブルT5(図9(b))を選択する(ステップS309)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。
また、ステップS306の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS302,S307と同じく、変動方向決定処理の実行時において、パラメータM1〜M3のうち何れかのパラメータがMAX値に到達しているか否かを判定する(ステップS310)。ステップS310の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS306を否定判定した一方で、ステップS310を肯定判定したことに基づいて、テーブルT3(図8(c))を選択する(ステップS311)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。一方、ステップS310の判定結果が否定(MAX値に到達しているパラメータMなし)の場合、演出制御用CPU31aは、変動方向決定処理の実行時における大当り抽選の抽選確率が低確率状態であるか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに設定した情報(フラグなど)から現在の抽選確率を把握する。
ステップS312の判定結果が肯定(低確率状態)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS310を否定判定した一方で、ステップS312を肯定判定したことに基づいて、テーブルT5(図9(b))を選択する(ステップS313)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。一方、ステップS312の判定結果が否定の場合(高確率状態)、演出制御用CPU31aは、ステップS310及びステップS312を否定判定したことに基づいて、テーブルT6(図9(c))を選択する(ステップS314)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS304に移行する。
ステップS304に移行した演出制御用CPU31aは、選択したテーブルの中から、指示された変動パターンの種類に基づいて、パラメータMの変動方向(維持、上昇、減少、補正)を決定する。そして、変動方向を決定した演出制御用CPU31aは、その変動方向の種類を判別可能となるように演出制御用RAM31cに記憶し、変動方向決定処理を終了する。
このような制御を実行することにより、独立パラメータ変化演出では、大当りとなる先読みコマンドが存在していないことにより、最も遅く記憶された始動保留球の事前判定結果に従ってそれより前の始動保留球に基づく図柄変動ゲームにおけるゲージ値の変動方向を決定する必要がない。したがって、大当りとなる先読みコマンドが記憶されていない場合に参照されるテーブルを用いて各図柄変動ゲームのゲージ値の変動方向が決定される。その一方で、関連パラメータ変化演出では、対象始動保留球に基づくゲームを含む当該ゲームに至るまでのゲージ値の変化態様を、対象始動保留球に基づく事前判定結果に従って決定している。これにより、最終回よりも前の図柄変動ゲームから、最終回の図柄変動ゲームで決定された大当りの種類を示唆させるような方向でゲージ値が変化し易くなる。
そして、本実施形態では、ゲージ値がMAX値に到達しているか否かに応じてテーブルを設定している。したがって、例えば、事前判定によって「13R確変大当り」が判定され、かつ先読みコマンドが記憶されているときのゲージ値がMAX値に到達していない場合、関連パラメータ変化演出の対象となる最初の図柄変動ゲームでは、テーブルT4(図9(a))からゲージ値の変動方向が決定されることになる。そして、関連パラメータ変化演出の対象となる最初の図柄変動ゲームでゲージ値がMAX値に到達したとすると、次の図柄変動ゲームからは、テーブルT1(図8(a))からゲージ値の変動方向が決定される。そして、関連パラメータ変化演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームが終了した場合、MAX値の有無及び大当り抽選の抽選確率に応じて、先読みコマンドが記憶されていない場合に参照されるテーブルT3,T5,T6のうちいずれかのテーブルからゲージ値の変動方向が決定されることになる。
次に、テーブルT7を用いて変化対象パラメータを決定する変化対象決定処理について図16に従って説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、図14に示す変動方向決定処理のステップS304で決定した変動方向を演出制御用RAM31cから読み出し、その値が「維持」を示す値であるか否かを判定する(ステップS400)。ステップS400の判定結果が肯定(パラメータMの変動方向=「維持」)の場合、変化対象とするパラメータMを決定することなく(テーブルT7において「変化無し」を選択する)、変化対象決定処理を終了する。一方、ステップS400の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS400と同じ手順にて、ステップS304で決定した変動方向が「補正」であったか否かを判定する(ステップS401)。ステップS401の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているか否かを判定する(ステップS401a)。ステップS401aの判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値に到達しているパラメータMの種類に応じて、変化対象パラメータを決定する(ステップS402)。このとき、演出制御用CPU31aは、MAX値に到達しているパラメータMが存在しているときには、そのパラメータMを補正態様として必ず決定するが、MAX値に到達していないパラメータMも補正対象として決定する場合もある(図10参照)。
一方、ステップS401aの判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、変動方向として「減少」が決定された場合と同じく、各パラメータM1〜M3におけるゲージ値の大小に応じて、変化対象パラメータを決定する(ステップS402a)。その後、演出制御用CPU31aは、決定した変化対象パラメータの種類を判別可能となるように演出制御用RAM31cに記憶し、変化対象決定処理を終了する。
一方、ステップS401の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS400,S401と同じ手順にて、ステップS304で決定した変動方向が「減少」であったか否かを判定する(ステップS403)。ステップS403の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値に到達しているパラメータMの有無を問わず、各パラメータM1〜M3におけるゲージ値の大小に応じて、変化対象パラメータを決定する(ステップS404)。このとき、演出制御用CPU31aは、最もゲージ値の大きいパラメータMを減少対象として決定し易い一方で、最もゲージ値の小さいパラメータMを減少対象として決定し難い(図10参照)。その後、演出制御用CPU31aは、決定した変化対象パラメータの種類を判別可能となるように演出制御用RAM31cに記憶し、変化対象決定処理を終了する。
一方、ステップS403の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS400,S401,S403と同じ手順にて、ステップS304(図15)で決定した変動方向が「上昇」であったか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値に到達しているパラメータMの有無を問わず、各パラメータM1〜M3におけるゲージ値の大小に応じて、変化対象パラメータを決定する(ステップS406)。このとき、演出制御用CPU31aは、最もゲージ値の小さいパラメータMを上昇対象として決定し易い一方で、最もゲージ値の大きいパラメータMを上昇対象として決定し難い(図10参照)。その後、演出制御用CPU31aは、決定した変化対象パラメータの種類を判別可能となるように演出制御用RAM31cに記憶し、変化対象決定処理を終了する。
次に、テーブルT8〜T10を用いて変化後のゲージ値を決定する変化量決定処理について図17に従って説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、図16に示す変化対象決定処理のステップS402,S402a,S404,S406で決定した変化対象を演出制御用RAM31cから読み出し、その値が「攻撃力パラメータM1」を示す値であるか否かを判定する(ステップS500)。なお、ステップS500は、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1のみを決定した場合に限られず、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1を含む複数のパラメータMを決定した際にも肯定判定される。ステップS500の判定結果が肯定(変化対象パラメータ=パラメータM1)の場合、演出制御用CPU31aは、テーブルT8(図11)を選択する(ステップS501)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS502に移行する。一方、ステップS500の判定結果が否定(変化対象パラメータ≠パラメータM1)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS502に移行する。
ステップS502に移行した演出制御用CPU31aは、ステップS500と同じ手順にて、ステップS402,S402a,S404,S406(図16)で決定した変化対象パラメータが「防御力パラメータM2」であったか否かを判定する。なお、ステップS502は、変化対象パラメータとして防御力パラメータM2のみを決定した場合に限られず、変化対象パラメータとして防御力パラメータM2を含む複数のパラメータMを決定した際にも肯定判定される。ステップS502の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、テーブルT9(図12)を選択する(ステップS503)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS504に移行する。一方、ステップS502の判定結果が否定(変化対象パラメータ≠パラメータM2)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS504に移行する。
ステップS504に移行した演出制御用CPU31aは、ステップS500,S502と同じ手順にて、ステップS402,S402a,S404,S406(図16)で決定した変化対象パラメータが「体力パラメータM3」であったか否かを判定する。なお、ステップS504は、変化対象パラメータとして体力パラメータM3のみを決定した場合に限られず、変化対象パラメータとして体力パラメータM3を含む複数のパラメータMを決定した際にも肯定判定される。ステップS504の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、テーブルT10(図13)を選択する(ステップS505)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS506に移行する。一方、ステップS504の判定結果が否定(変化対象パラメータ≠パラメータM3)の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS506に移行する。
ステップS506に移行した演出制御用CPU31aは、選択したテーブルの中から、決定した変動方向と現在のゲージ値に基づいて、変化後のゲージ値を決定する。ちなみに、変化対象決定処理(図16)において変化対象パラメータとして複数種類のパラメータMを決定した場合、演出制御用CPU31aは、その対象パラメータにおけるゲージ値の変化量をそれぞれ決定することになる。
ステップS506において変化後のゲージ値を決定した演出制御用CPU31aは、実行中フラグの設定値にかかわらず、今回の図柄変動ゲームが13R確変大当り又ははずれとなるゲームか否かを判定する(ステップS507)。つまり、本実施形態では、対象始動保留球よりも前に大当りとなる始動保留球が存在する場合、対象始動保留球よりも前の始動保留球に基づく大当り遊技の開始とともに先読みコマンドがリセットされるため、実質的に、その大当りとなるゲームが関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームとなる。ただし、本実施形態では、このような状況となる確率は極めて低い。そして、ステップS507の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS506で決定した変化後のゲージ値を現在のゲージ値に上書きした後、変化量決定処理を終了する。つまり、今回の図柄変動ゲームが13R確変大当り又ははずれとなるゲームである場合、ステップS506で決定した値が変化後のゲージ値として反映されることになる。
したがって、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームでMAX値に到達しているパラメータMが存在しているとともに(例えば2つ)、最終回の図柄変動ゲーム(13R確変大当り)で残りのパラメータMのゲージ値をMAX値とすることが決定されたとする。この場合、全てのパラメータMのゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることになる。同様に、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームでMAX値に到達しているパラメータMが存在せず、最終回の図柄変動ゲーム(13R確変大当り)で全てのパラメータMのゲージ値をMAX値とすることが決定されたとする。この場合も、全てのパラメータMのゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることになる。また、はずれとなる図柄変動ゲームにおいても、ステップS506で決定した値が変化後のゲージ値として反映されることになる。したがって、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回よりも前の図柄変動ゲームでMAX値に到達する場合もあり得る。
一方、ステップS507の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、実行中フラグの設定値にかかわらず、今回の図柄変動ゲームが7R確変大当りとなるゲームか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変化対象として決定したパラメータMの決定結果によって、全てのパラメータMのゲージ値が「MAX値」となったか否かを判定する(ステップS509)。ステップS509の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS506で決定した変化後のゲージ値を現在のゲージ値に上書きした後、変化量決定処理を終了する。つまり、今回の図柄変動ゲームで全てのパラメータMのゲージ値を「MAX値」とすることを決定していないのであれば、ステップS506で決定した値が変化後のゲージ値として反映されることになる。したがって、MAX値に到達しているパラメータMが1個又は2個存在する場合もあり得る。一方、ステップS509の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値調節処理を実行する(ステップS510)。
ステップS510において演出制御用CPU31aは、7R確変大当りに当選している場合、全てのパラメータMにおいてゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることがないように調節する。すなわち、演出制御用CPU31aは、ステップS506において変化後ゲージ値として「10」を決定した場合であっても、「10」とすることを決定したパラメータMのうち少なくとも1つのパラメータMのゲージ値を強制的に「9」とする。
例えば、今回の図柄変動ゲームにおける変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1及び防御力パラメータM2を決定するとともに(体力パラメータM3のゲージ値は問わない)、パラメータM1,M2の変化後ゲージ値として「10」を決定したとする。この場合、演出制御用CPU31aは、防御力パラメータM2における変化後ゲージ値を「9」に書き換えた後、変化量決定処理を終了する。したがって、少なくとも防御力パラメータM2がMAX値に到達していない状態でリーチ演出が実行されることになる。また、ステップS510において演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームにおける変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1及び防御力パラメータM2のうち少なくともいずれか一方と体力パラメータM3を決定するとともに、各パラメータM1〜M3の変化後ゲージ値として「10」を決定したとする。この場合、演出制御用CPU31aは、体力パラメータM3における変化後ゲージ値を「9」に書き換えた後、変化量決定処理を終了する。したがって、少なくとも体力パラメータM3がMAX値に到達していない状態でリーチ演出が実行されることになる。
なお、ステップS510では、既にMAX値に到達しているパラメータMが存在している状況下において今回の図柄変動ゲームで残りのパラメータMのゲージ値を「10」とすることを決定した場合、今回決定したパラメータMのゲージ値を強制的に「9」とした後、変化量決定処理を終了することになる。
その一方で、ステップS508の判定結果が否定の場合、今回の図柄変動ゲームが2R確変大当り又は2R非確変大当りとなるゲームとなる。したがって、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変化対象として決定したパラメータMの決定結果によって、パラメータMのゲージ値が1つでも「MAX値」となったか否かを判定する(ステップS511)。ステップS511の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS506で決定した変化後のゲージ値を現在のゲージ値に上書きした後、変化量決定処理を終了する。つまり、今回の図柄変動ゲームでパラメータMのゲージ値を1つでも「MAX値」とすることを決定していないのであれば、ステップS506で決定した値が変化後のゲージ値として反映されることになる。したがって、パラメータMのゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることがない。ちなみに、対象始動保留球が存在している状況下において2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、ゲージ値の変動方向として必ず「補正」が選択されるように設定しているので、MAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることがない。一方、ステップS511の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、MAX値調節処理を実行する(ステップS512)。
ステップS512において演出制御用CPU31aは、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、ゲージ値がMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることがないように調節する。すなわち、演出制御用CPU31aは、ステップS506において変化後ゲージ値として「10」を決定した場合であっても、「10」とすることを決定したパラメータMのゲージ値を強制的に「9」とする。
したがって、パラメータM1〜M3の値がMAX値となってリーチ演出が実行された際には、13R確変大当りに当選していることが確定的に示唆されることになる。言い換えると、7R確変大当り当選時に「上昇」が選択されたことによって、パラメータM1〜M3の値をMAX値とすることが決定されたとしても、必ずいずれか1つのパラメータM1〜M3のうちいずれかがMAX値未満となるように調節される。つまり、本実施形態の関連パラメータ変化演出では、MAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されるか否かによって、付与される大当りの種類への期待度が変わることになる。
そして、演出制御用CPU31aは、変短状態中、図柄変動ゲームを実行させる度に図14〜図17に示す処理を実行するとともに、決定した事項を新たに上書きすることで、パラメータ変化演出を図柄変動ゲーム毎に異なる態様で実行させることになる。本実施形態では、パラメータ変化演出を実行させる演出制御用CPU31aが、制御手段として機能する。
以下、演出表示装置11にて実行されるパラメータ変化演出の流れについて図18及び図19に従って説明する。
なお、図18では、図柄変動ゲームの実行中に入球した遊技球が保留記憶数「3」として記憶されるとともに、13R確変大当りとなることを前提としている。一方、図19では、図柄変動ゲームの実行中に入球した遊技球が保留記憶数「3」として記憶されるとともに、2R確変大当りとなることを前提としている。また、図18及び図19では、実行中の図柄変動ゲームにおける各パラメータM1〜M3のゲージ値は、それぞれパラメータM1が「5」、パラメータM2が「4」、パラメータM3が「5」であるとする。また、図18において、保留記憶数「1」「2」に基づく図柄変動ゲームがはずれとなり、かつはずれ変動用の変動パターンP4が選択されたことを前提とする。一方、図19において、保留記憶数「1」に基づく図柄変動ゲームでは、はずれ変動用の変動パターンP4が選択される一方で、保留記憶数「2」に基づく図柄変動ゲームでは、はずれ変動用の変動パターンP5が選択されることを前提とする。
実行中の図柄変動ゲームの終了後(図18(a))、最先に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始される(図18(b))。このとき、13R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているとともにMAX値に到達したパラメータMが存在していないため、演出制御用CPU31aは、テーブルT4(図9(a))の中から変動方向を決定する。前述したように、テーブルT4(a)では、変短状態中に最も選択され易い変動パターンP4が選択された際には、「上昇」が選択され易くなるように設定されていることにより、変動方向として「上昇」が決定されたとする。また、演出制御用CPU31aは、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1を決定するとともに(図10)、変化後のゲージ値として「8」を決定したとする(図11)。この場合、演出表示装置11では、図柄の変動中に攻撃力パラメータM1のゲージ値が「5」から「8」に上昇する(図18(c))。これにより、遊技者は、パラメータM1におけるゲージ値の上昇によって13R確変大当りとなることに期待を持つが、MAX値に到達していないので、次変動の開始によってゲージ値がMAX値に到達することに期待を持つ。その後、変化後のゲージ値を維持したまま、図柄変動ゲームの終了に伴って図柄組み合わせが確定停止表示される(図18(d))。
その後、シフト処理後の最先に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始される(図18(e))。この場合も、変化後のゲージ値がMAX値に到達していないため、演出制御用CPU31aは、テーブルT4(図9(a))の中から変動方向を決定する(「上昇」を決定したとする)。また、演出制御用CPU31aは、変化対象パラメータとして防御力パラメータM2を決定するとともに(図10)、変化後のゲージ値として「6」を決定したとする(図12)。この場合、演出表示装置11では、図柄の変動中に防御力パラメータM2のゲージ値が「4」から「6」に上昇する(図18(f))。これにより、遊技者は、パラメータM2におけるゲージ値の上昇によって13R確変大当りとなることに期待を持つが、MAX値に到達していないので、次変動の開始によってゲージ値がMAX値に到達することに期待を持つことになる。さらに、1回目の変動でパラメータM1のゲージ値が上昇し、2回目の変動でパラメータM2のゲージ値が上昇したことにより、次変動の開始によって2つ以上のパラメータMでゲージ値がMAX値に到達することに期待を持つ。その後、変化後のゲージ値を維持したまま、図柄変動ゲームの終了に伴って図柄組み合わせが確定停止表示される(図18(g))。
その後、シフト処理後の最先に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始される(図18(h))。この場合も、変化後のゲージ値がMAX値に到達していないため、演出制御用CPU31aは、テーブルT4(図9(a))の中から変動方向を決定する。前述したように、テーブルT4(図9(a))では、変動パターンP6が選択された際には、「上昇」が選択され易くなるように設定されていることにより、変動方向として「上昇」が決定されたとする。これにより、関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームの開始時にMAX値に到達していなかったとしても、最終回の図柄変動ゲームでMAX値に到達し易くなる。
また、演出制御用CPU31aは、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1及び防御力パラメータM2を決定するとともに(図10)、変化後のゲージ値としてそれぞれ「10(MAX値)」を決定したとする(図11及び図12)。この場合、演出表示装置11では、図柄の変動中に攻撃力パラメータM1及び防御力パラメータM2のゲージ値がそれぞれ「10」に上昇する(図18(i))。これにより、遊技者は、パラメータM1,M2のゲージ値がMAX値に到達したことにより、MAX値からゲージ値が変化することなく、リーチ演出が開始されることを期待する。その後、変化後のゲージ値を維持したまま、リーチ演出が開始される。つまり、遊技者が期待したとおり、MAX値を維持したままリーチ演出が実行されたことにより、この時点で大当りとなること及び当選した大当りの種類が13R確変大当り又は7R確変大当りであることが示唆されることになる。その後、図柄変動ゲームの終了に伴って大当りの図柄組み合わせが確定停止表示され(図18(j))、13R確変大当り遊技が付与される。
したがって、図18(a)〜(j)に示すように、関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームが13R確変大当りとなる場合、最終回よりも前の図柄変動ゲームからゲージ値が上昇し易くなる。なお、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選している場合、最終回よりも前の図柄変動ゲームでゲージ値がMAX値に到達したとしても、最終回の図柄変動ゲームでゲージ値がMAX値から減少する。
また、図19では、図18(a),(b)と同じ流れで図柄変動ゲームが開始される(図19(a),(b))。このとき、2R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているとともにMAX値に到達したパラメータMが存在していないため、演出制御用CPU31aは、テーブルT5(図9(b))の中から変動方向を決定する。前述したように、テーブルT5(図9(b))では、変短状態中に最も選択され易い変動パターンP4が選択された際には、「維持」が選択され易くなるように設定されていることにより、変動方向として「維持」が決定されたとする。この場合、演出表示装置11では、各パラメータM1〜M3の値が変わらない(図19(c))。これにより、遊技者は、MAX値に到達していないので、次変動の開始によってゲージ値がMAX値に到達することに期待を持つ。その後、図柄変動ゲームの終了に伴って図柄組み合わせが確定停止表示される(図19(d))。
その後、シフト処理後の最先に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始される(図19(e))。この場合も、変化後のゲージ値がMAX値に到達していないため、演出制御用CPU31aは、テーブルT5(図9(b))の中から変動方向を決定する。前述したように、テーブルT5(図9(b))では、変動パターンP5が選択された際には、「上昇」にも乱数値を振分けているので、変動方向として「上昇」が決定されたとする。また、演出制御用CPU31aは、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1及び防御力パラメータM2を決定し(図10)、攻撃力パラメータM1における変化後のゲージ値として「10」を決定するとともに(図11)、防御力パラメータM2における変化後のゲージ値として「5」を決定したとする(図12)。この場合、演出表示装置11では、図柄の変動中に攻撃力パラメータM1のゲージ値が「5」から「10」に上昇するとともに、防御力パラメータM2のゲージ値が「4」から「5」に上昇する(図19(f))。これにより、遊技者は、パラメータM1のゲージ値がMAX値に到達したことにより、当該図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されることを期待する。または、遊技者は、パラメータM1のゲージ値がMAX値を維持したまま、次変動でパラメータM2,M3のゲージ値がMAX値に到達することを期待する。その後、変化後のゲージ値を維持したまま、図柄変動ゲームの終了に伴って図柄組み合わせが確定停止表示される(図19(g))。
その後、シフト処理後の最先に記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始される(図19(h))。この場合、攻撃力パラメータM1における変化後のゲージ値がMAX値に到達したため、演出制御用CPU31aは、テーブルT2(図8(b))の中から変動方向を決定する。前述したように、テーブルT2(図8(b))では、変動パターンP7が選択された際には、「補正」のみが選択されるように設定されているので、変動方向として「補正」が決定される。これにより、関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームの開始時にMAX値に到達していたとしても、最終回の図柄変動ゲームでMAX値からゲージ値が減少されることになる。また、演出制御用CPU31aは、変化対象パラメータとして攻撃力パラメータM1を決定するとともに(図10)、変化後のゲージ値として「9」を決定したとする(図11)。
この場合、演出表示装置11では、図柄の変動中に攻撃力パラメータM1のゲージ値が「10」から「9」に補正される(図19(i))。これにより、遊技者は、パラメータM1のゲージ値がMAX値から減少したことにより、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選していることを確定的に認識することができなくなったが、全ての大当りに期待を持つことができる。その後、変化後のゲージ値を維持したまま、リーチ演出が実行され、図柄変動ゲームの終了に伴って大当りの図柄組み合わせが確定停止表示され(図19(j))、2R確変大当り遊技が付与される。つまり、図19(a)〜(j)に示すように、関連パラメータ変化演出が終了する最終回の図柄変動ゲームが2R確変大当りとなる場合、最終回よりも前の図柄変動ゲームからゲージ値が上昇し難くなる。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出制御用CPU31a(制御手段)は、関連パラメータ変化演出(指標変化演出)を実行させるに際し、事前判定結果が13R確変大当り又は7R確変大当り(高有利度大当り)であった場合、その事前判定の対象となる対象始動保留球を関連パラメータ変化演出の変化対象として判定する。そして、演出制御用CPU31aは、対象始動保留球に基づく図柄変動ゲームを含む当該ゲームに至るまでのゲージ値の変化として、事前判定結果が2R確変大当り又は2R非確変大当り(低有利度大当り)であった場合に比して、有利(パラメータMをMAX値とすること)に推移させるようにした。これにより、関連パラメータ変化演出では、保留中の図柄変動ゲームで行われるゲージ値の変化が関連することになり、遊技者にとって有利な展開となることへの関心を、保留中の図柄変動ゲームを対象として段階的に変化させることで、指標情報の変化を最初から最後まで楽しませることができ、興趣の向上を図ることができる。
(2)大当りとなる始動保留球が記憶されていない場合であっても、演出制御用CPU31aが、大当りとなる事前判定結果を参照することなく各図柄変動ゲームにおいて独立した独立パラメータ変化演出を実行させることで、大当りとなる場合に実行される関連パラメータ変化演出と同じ態様で実行させることができる。これにより、ゲージ値(指標)が変化しただけでは大当りなのか否かを遊技者に気付かせ難くなり、保留中の図柄変動ゲームを対象として有利な特典が付与されることへの期待を段階的に高めることができる。
(3)変短状態中は、はずれとなるリーチ演出を実行させないようにしているので、変短状態中にリーチ演出が実行されると大当りが確定する。そして、対決リーチ演出中にパラメータ変化演出を実行可能に構成したことにより、ゲージ値の増減やMAX値に到達したパラメータ数によって大当りの種類を示唆することができる。
(4)13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでMAX値に到達可能となるように変動方向決定テーブルを設定した(図8(a)及び図9(a))。その一方で、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでMAX値よりも少ないゲージ値を表示させるように変動方向決定テーブルを設定した(図8(b)及び図9(b))。これにより、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでパラメータMがMAX値に到達しているか否かに応じて、遊技者にとって有利度の高い特典が付与されるか否かを推測させることができる。
(5)13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合に比して、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームにおいてMAX値に到達しているパラメータMの個数が多くなるように設定した。これにより、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームにおいていずれか1つでもMAX値に到達していたときには、その個数によってどの大当りとなるかに対して興味を持たせることができる。
(6)13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているとともに、MAX値に到達しているパラメータMが存在している場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでMAX値を維持させ易くなるように設定した。具体的には、テーブルT1(図8(a))において、変短状態中に最も選択され易い変動パターンP4に対して、ゲージ値の変動方向として「維持」が選択される割合が高くなるように設定した。一方、13R確変大当り又は7R確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているが、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームに至るまでの間に、ゲージ値が上昇し易くなるように設定した。具体的には、テーブルT4(図9(a))において、変動パターンP4に対して、ゲージ値の変動方向として「上昇」が選択される割合が高くなるように設定した。また、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているとともに、MAX値に到達しているパラメータMが存在している場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでMAX値からゲージ値を減少させるように設定した。具体的には、テーブルT2(図8(b))において、2R確変大当り又は2R非確変大当り当選時に選択される変動パターンP7に対して、ゲージ値の変動方向として「補正」のみが選択されるように設定した。一方、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されているが、MAX値に到達しているパラメータMが存在していない場合、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームに至るまでの間に、ゲージ値が上昇し難くなるように設定した。具体的には、テーブルT5(図9(b))において、変動パターンP4に対して、ゲージ値の変動方向として「上昇」が選択される割合が低くなるように設定した。これにより、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームで表示されるゲージ値の大小やMAX値に到達しているパラメータMの個数などから、どの大当りとなるかに対して興味を持たせることができる。
(7)また、2R確変大当り又は2R非確変大当り当選時には、パラメータMのゲージ値をMAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されることがないようにMAX値からゲージ値を減少させているので、MAX値に到達した状態でリーチ演出が実行されたにもかかわらず、有利な大当りに当選しなかったと落胆させることがない。
(8)パラメータ変化演出の実行時期を変短状態(開放時間増加状態)中としたことにより、変短状態中は始動保留球が累積され易いので、保留中の図柄変動ゲームを対象としてパラメータ変化演出を実行させることができ、パラメータ変化演出を最初から最後まで楽しませることができる。
(9)対象始動保留球よりも前に記憶されている始動保留球が大当りとなる場合には、対象始動保留球よりも前の始動保留球の事前判定結果に基づいて関連パラメータ変化演出を実行させる。それとともに、対象始動保留球の事前判定結果を反映させることなく(先読みコマンドを設定することなく)、パラメータ変化演出を実行させるようにした。前に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームが遊技者にとって有利度の高い大当りであるにもかかわらず、後で記憶された始動保留球に基づく図柄変動ゲームが遊技者にとって有利度の低い大当りである場合に、先読みコマンドを上書きして関連パラメータ変化演出を実行させたとする。このような場合、一度ゲージ値が上昇したにもかかわらず、最終的にはゲージ値が減少して、有利度の低い大当りに当選していることが報知されることになる。このような場合、遊技者に混乱を与えてしまうことになるが、対象始動保留球よりも前の始動保留球の事前判定結果に基づいてゲージ値を変化させることで、遊技者の混乱を招くことがない。
(10)変化量決定テーブルT8〜T10(図11〜図13)において、変化後のゲージ値を選択させるための乱数値の個数を異ならせた。具体的には、テーブルT8では131種類の乱数を用いる一方で、テーブルT9では139種類の乱数を用いており、さらにテーブルT10では157種類の乱数を用いるようにした。これにより、各テーブルにおける乱数の更新タイミングがずれることになり、同一タイミングで各種乱数を選択したとしても、取得される値に差が生じることになるので、3つのパラメータ値の変化値を同期させにくく、遊技者に飽きさせない演出とすることができる。
(11)2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選しているとともに、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームで、変動方向として「上昇」が決定された際の変化後のゲージ値として「10」が決定された場合、MAX値調節処理を実行するようにした。これにより、2R確変大当り又は2R非確変大当りの当選時に「上昇」が決定されたとしても、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームで、MAX値を維持したままリーチ演出を実行させることがない。また、MAX値調節処理で決定した値をMAX値に上書きするので、関連パラメータ変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームで、MAX値に到達した後すぐにゲージ値が減少するという不自然な態様でゲージ値が変化することがないので、違和感を与えることがない。
(12)13R確変大当りに当選している場合であっても、必ずしもMAX値に到達するわけではないので、MAX値に到達していなくても、全ての大当りに期待を持たせることができる。
(13)13R確変大当りに当選している場合、全てのパラメータMにおいてMAX値に到達した状態でリーチ演出を実行可能としたことにより、MAX値への到達に対して優越感を与えることができる。
(14)独立パラメータ変化演出でも関連パラメータ変化演出でも、各図柄変動ゲームにおいてゲージ値の変動が完結するため、保留中の全図柄変動ゲームを対象始動保留球に基づく図柄変動ゲームに関連付けて関連パラメータ変化演出を実行させたとしても、その違いを見分けさせ難い。
(15)パラメータ変化演出と対決リーチ演出の演出内容を関連付けることにより、演出に統一感を持たせることができる。すなわち、パラメータMがMAX値に近づくほど対決リーチ演出において敵キャラクタを倒し易い、すなわち、有利な大当りに当選していることに対して期待を持たせることができる。
(16)関連パラメータ変化演出は、パラメータ変化演出の開始時における始動保留球の数に関係なく実行されるので、始動保留球が記憶されておらず、かつ今回実行させようとしている図柄変動ゲームが大当りとなる場合、MAX値の有無に応じてパラメータMの変化態様を異ならせることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 実施形態において、後から決定された先読みコマンドで指示される大当りの種類が前に設定された先読みコマンドで指示される大当りの種類よりも有利である場合には、先読みコマンドの上書きを許可しても良い。この場合、大当り遊技の開始を契機に先読みコマンド及び実行フラグの値をリセットしないことになる。ただし、前に設定された先読みコマンドが高確率状態時に2R非確変大当りと判定された場合に出力されたコマンドであって、後に設定された先読みコマンドが高確率状態時に確変用判定値(特に非共通大当り判定値)によって13R確変大当りと判定されたとする。この場合、2R非確変大当り遊技終了後に非確変状態が付与されるため、事前判定では、13R確変大当りと判定されたが、実際の図柄変動ゲーム開始時には大当りと判定されないことになる。したがって、先読みコマンドの上書きは、大当り遊技の終了前後で遊技状態が変化しない場合に実行することが望ましい。
・ 本実施形態では、ゲージ値の変動方向として、「増加」及び「補正」があればよく、「減少」及び「維持」を省略しても良い。
・ 実施形態において、変化量決定処理で変動方向決定処理を行っても良い。つまり、変化量を決定することによってパラメータMの変動方向も決定されるため、変動方向決定処理を実行する必要がない。
・ 変化量決定テーブルT8〜T10(図11〜図13)において、変化後のゲージ値を選択させるための乱数値の個数は、実施形態の値に限られない。
・ 先読みコマンドの内容によって大当りの種類を把握できるため、実施形態における実行中フラグは、関連パラメータ変化演出の実行中か否かを示すだけの機能を持つフラグとしても良い。
・ テーブルT5(図9(b))は、2R確変大当り又は2R非確変大当りを指示する先読みコマンドが記憶されている場合、又は先読みコマンドが記憶されておらず、かつ図柄変動ゲーム実行時の抽選確率が低確率状態である場合のどちらかで参照される専用のテーブルとしても良い。
・ 実施形態におけるパラメータMの数は、1つだけとしても良い。
・ 実施形態において、関連パラメータ変化演出を実行させるか否かを演出制御基板31において抽選で決定するようにしても良い。
・ 実施形態におけるパラメータ変化演出は、非変短状態中に実行されても良い。このような場合、大当り変動用の変動パターンP3が選択された場合のみ、実行させても良いし、はずれリーチ変動用の変動パターンP2又は大当り変動用の変動パターンP3が選択された場合に実行させるようにしても良い。
・ 上記実施形態において、パラメータ変化演出の最終結果によって大当りか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、大当りとなる場合にはMAX値に到達させることができるが、はずれとなる場合にはMAX値に到達させないようにしても良い。このような場合、変短状態中に選択されるはずれリーチ変動用の変動パターンを設定することが望ましい。
・ 上記実施形態において、パラメータ変化演出の最終結果によって確変大当りか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、確変大当りとなる場合にはMAX値に到達させることができるが、非確変大当りとなる場合にはMAX値に到達させないようにしても良い。
・ 実施形態では、パラメータ変化演出によってラウンド数の多少や付与される変短状態の多少などを示唆するようにしても良い。
・ 実施形態において、確定演出を設定しなくても良い。つまり、2R確変大当りや2R非確変大当り当選時にもゲージ値がMAX値に到達するように設定しても良い。
・ 実施形態における変短状態の付与回数を変更しても良い。例えば、13R確変大当り又は7R確変大当りに当選した場合、確変状態の付与回数と同じく、次回大当り抽選に当選するまでの間、付与するようにしても良い。また、2R確変大当り又は2R非確変大当りに当選した際に付与される変短状態の付与回数も「50回」に限られない。
・ 実施形態における大当りの種類を変更しても良い。
・ 実施形態における指標変化演出を、パラメータ変化演出としたが、その変化態様によって期待度を変化させる内容であれば、どのような演出内容としても良い。例えば、パラメータの色を変化させる態様としても良いし、敵キャラクタを倒すためのアイテム数の増減などとしても良い。
・ 実施形態において、指標変化演出を、ランプの発光や音声によって行うようにしても良い。
・ 上記実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしても良く、これらを組み合わせた表示装置を用いても良い。
・ 本実施形態において、演出制御基板31を、演出表示装置11を制御する演出表示制御基板と、演出表示制御基板を制御するサブ統括制御基板とに分けても良い。
・ 実施形態では、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)初期段階の指標情報から最終段階の指標情報を含む複数の指標情報を段階的に変化させることにより、遊技者にとって有利な特典が付与されることへの期待度の高低を示す指標変化演出を実行可能な遊技機において、図柄変動ゲームが大当りとなるか否か及び大当りとなる場合の大当りの種類に基づいて前記指標変化演出を実行させる制御手段と、を備え、前記特典には、大当り遊技終了後の大当り抽選の抽選確率を高確率状態とする確変状態が含まれ、前記制御手段は、前記図柄変動ゲームの変動内容がはずれとなる場合には、前記指標変化演出によって現在の遊技状態が前記確変状態であることへの期待度を示唆する一方で、前記図柄変動ゲームの変動内容が大当りとなる場合には、前記指標変化演出によって大当りの種類を示唆し、前記現在の遊技状態を示唆する指標変化演出と前記大当りの種類を示唆する指標変化演出は同一の演出内容であることを特徴とする遊技機。このように設定することで、大当り抽選の抽選確率と大当りの種類を同一の指標変化演出で遊技者に示唆することができる。これにより、指標変化演出が実行される図柄変動ゲームが大当りとならない場合であっても、指標変化演出の演出内容によって確変状態が付与されていることに対して期待を持たせることができる。