[第1実施形態]
以下、本発明の遊技機10(パチンコ遊技機)に係る第1実施形態を、図1〜図27に基づいて説明する。図1に示すように、遊技機10の遊技盤11には、略円形の遊技領域R1が設けられている。遊技盤11は、前側を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zには、遊技領域R1に対応した略円形のガラス窓10Wが設けられている。そして、そのガラス窓10Wを通して遊技領域R1が前方に臨んでいる。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方には、左右に1対のスピーカ25S,25Sが設けられ、それらスピーカ25S,25Sの間の中央にランプ25Rが設けられている。さらに、前面枠10Zの右下角部には、操作ノブ28が備えられ、この操作ノブ28を例えば右回りに回動操作すると、遊技球が遊技領域R1へと送り込まれる。
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置34が備えられている。表示装置34は、横長長方形の液晶表示画面34G(本発明の「表示部」に相当する)を有し、その液晶表示画面34Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。遊技領域R1のうち液晶表示画面34Gの下方には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、表示装置34の左側には、始動ゲート18が設けられている。これら各種入賞口14A,14B,15や表示装置34等以外に、遊技領域R1には、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われ、図示しない普通図柄表示装置にて普通図柄当否判定結果が表示される。詳細には、普通図柄表示装置は、例えば、「○」と「×」の図柄を交互に変動表示可能となっており、普通図柄当否判定結果が当り(以下、適宜「小当り」という)の場合は、「○」が停止表示され、普通図柄当否判定結果が外れの場合は「×」が停止表示される。
普通図柄表示装置の変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置の変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置の変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置が変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、普通図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、その開口の左右両側に可動翼片14C,14Cを備えている。両可動翼片14C,14Cは、通常は起立状態になっていて、第2の始動入賞口は、通常は第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとに囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した「小当り」となったときに、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒され、遊技球が可動翼片14Cを案内にして第2の始動入賞口14Bに入球可能となる。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、特別図柄当否判定(本発明の「大当り当否判定」に相当する)が行われる。その判定結果は、液晶表示画面34Gにおいて特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせで表示される。
具体的には、液晶表示画面34Gには、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄32A,32B,32Cが停止表示される。そして、当否判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技状態」ではない通常の遊技状態が続く。
以下、液晶表示画面34Gで変動停止表示される各特別図柄32A,32B,32Cのうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄32B)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄32Aと右特別図柄32C)が同一となる状態を「リーチ」という。また、リーチを経てゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ外れ」という。さらに、リーチを経ずに、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ無し外れ」という。
液晶表示画面34Gにおいて変動表示又は大当り遊技の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権利、即ち、変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、停止表示又は大当り遊技が終了すると、その保留記憶に基づいて再び変動表示が行われる。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が行われると、遊技盤11の裏に設けた大入賞ソレノイド(図3参照)によって可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、例えば、16ラウンド、4ラウンド、2ラウンドの中から選択されたラウンド数まで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。
大入賞口15の内部には、特定入賞センサ(図3参照)が設けられており、入賞球数をカウントする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として払い出される。
大当り遊技の終了後には、回数限定の高確率状態に移行する場合がある。高確率状態では、特別図柄の当否判定が当りとなる確率が通常時(3/630)に比較して高く(30/630)、「小当り」の発生確率も高くなる確変遊技状態となる場合がある。また、高確率状態は、大当り遊技が終了後、連続して当否判定が行われたときの連続外れ回数が、規定上限回数に到達するまで継続する。そして、連続外れ回数が規定上限回数に到達した後は、高確率状態が終了して「通常(非確変)遊技状態」へと移行する。
規定上限回数は、特別図柄当否判定が大当りであるときに行われる規定上限回数の判定によって、例えば、100回、60回、30回、0回(確変遊技を行わない)、の中から選択される。なお、例えば、100回、60回、30回が選択された場合が、本発明の「特典当否判定」において「当り」となる場合に相当する。
選択された規定上限回数は、大当り遊技中に液晶表示画面34Gにおいて行われる「大当り演出」の表示内容によって遊技者に報知する。本実施形態の遊技機10では、例えば、カーレース映像が表示され、そのレース結果が1着の場合は100回、2着の場合は60回、3着の場合は30回、4着以下の場合は0回と、規定上限回数が設定されている。以下、スペシャルタイムの規定上限回数のことを、適宜、「ST上限回数」という。
図1に示すように、本実施形態の遊技機10では、前面枠10Zの左下角部に、変動表示中や「大当り遊技」中等に行われる演出に用いられる演出用操作部27(本発明の「任意操作部」に相当する)が備えられている。演出用操作部27は前方に突出した取っ手27Tを備えていて、通常は取っ手27Tが垂直になるように付勢されている。この演出用操作部27を左右方向のどちらかに回動操作すると、演出用操作スイッチ27S(図3参照)がその回動操作を検出する。
以上が遊技領域R1に備えた各種役物及び遊技の主要な流れに関する説明である。次に、遊技機10の電気的構成等について説明する。図2に示すように、遊技機10の後面中央には主制御回路50が設けられ、この主制御回路50の上方には、音声制御回路55、サブ制御回路52等が設けられている。また、主制御回路50の下方には、遊技球の払い出しを制御する払出制御回路58及び電源基板60が備えられている。各制御回路は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
また、図3に示すように主制御回路50は、CPU50AとRAM50B及びROM50C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを主要部として備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当りや小当りの当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号を他の制御回路52,58及び中継回路57等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数の記憶領域、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(図4参照)や制御データ、普通図柄表示装置での変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、「大当り」及び「小当り」の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路52は、CPU52AとRAM52B及びROM52Cを備えたマイクロコンピュータを主要部として備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備えている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cは、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図18参照)や定数等が記憶されている。そして、サブ制御回路52は、主制御回路50からの制御信号(コマンド)に基づいて表示制御回路54、音声制御回路55及びランプ制御回路56に信号を出力する。また、音声制御回路55は、サブ制御回路52からの信号(コマンド)に基づいて、スピーカ25S,25Sを制御する。ランプ制御回路56は、サブ制御回路52からの信号(コマンド)に基づいて、ランプ22R等を制御する。
表示制御回路54は、CPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、液晶表示画面34Gで表示する表示画像(特別図柄32A,32B,32C、ラウンド演出画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置34に出力される。
主制御回路50のCPU50Aは、後に詳説するように乱数カウンタを利用して複数の制御用の乱数を生成している。そして、主制御回路メインプログラムPG1を実行して、乱数に基づいて特図判定を行うと共に、その特図判定の判定結果を報知するための演出態様等を決定する。
具体的には、主制御回路50のCPU50Aは、遊技機10の電源をオンしたときに、ROM50Cから図5に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御回路メインプログラムPG1ではまず、スタックの設定、定数設定、CPU50Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行し、それ以降は実行しない。
図4に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述するメイン割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、下記表1に示した乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値は主制御回路50のRAM50Bの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、メイン割り込み処理(S5)を実行可能とする。
本実施形態においては、乱数カウンタとして、表1に示したラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ,ラベル−TRND−RC,ラベル−TRND−T,ラベル−TRND−B1,ラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−B3,ラベル−TRND−H等のカウンタが設けられている。
これら乱数カウンタは、遊技機10が電源オンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S12)が行われると1加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返す。
そして、始動ゲート18を遊技球が通過したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうち、ラベル−TRND−Hのカウンタ値を取得し、RAM50Bに記憶する。また、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうちラベル−TRND−H以外(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)の各カウンタ値を取得し、RAM50Bに記憶する。以下、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得する複数のカウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を纏めて、適宜、「特別図柄関連カウンタ値」という。
ここで、RAM50Bの乱数記憶領域には、取得された特別図柄関連カウンタ値やラベル−TRND−Hのカウンタ値を、それぞれ保留記憶の上限数である「4つ」まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
メイン割り込み処理(S5)は、CPU50Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行する。そして、メイン割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値(表1参照)の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときにCPU50Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
メイン割り込み処理(S5)について説明する。図5に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)を行う。出力処理(S10)では、RAM50Bの送信バッファにセットされた各種コマンドを、対応する制御回路に出力する。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)を行う。入力処理(S11)では、主に遊技機10に備えられた各種センサやスイッチ(始動ゲート18及び各始動入賞口14A,14B用センサ、その他センサ、スイッチ類等。)による検知信号を受信する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで、入賞検出処理(S13)が実行される。入賞検出処理(S13)は、図6に示されており、まず、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したか否かを判断する(S130)。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していなければ(S130でNo)、遊技球が始動ゲート18を通過したか否かを判断する(S134)。遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S134でYes)、まず、現在の普通図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか否かを判定し(S135)、4以上でなければ(S135でNo)、普通図柄の保留球数に1を加算し(S136)、普通図柄に関する乱数取得処理(S137)を実行する。即ち、RAM50Bの更新値記憶領域から普通図柄当否判定カウンタ値「ラベル−TRND−H」を乱数として取得してRAM50Bの乱数格納領域に記憶する。その後、この処理(S13)を抜ける。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していない場合(S134でNo)、及び、普通図柄保留球数が4以上である場合(S135でYes)はこの処理(S13)を抜ける。
図6に示すように、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していれば(S130でYes)、現在の特別図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S131)。特別図柄保留球数が4以上である場合(S131でYes)には、そのままこの処理(S13)を抜ける一方、特別図柄保留球数が4以上でなければ(S131でNo)、特別図柄保留球数を1加算し(S132)、特図関係乱数取得処理(S133)を実行する。具体的には、RAM50Bの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を取得して、それらをRAM50Bの乱数記憶領域に記憶する。その後、この処理(S13)を抜ける。
図5に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S13)に次いで、普通動作処理(S14)を行う。普通動作処理(S14)では、始動ゲート18を遊技球が通過した時に取得(RAM50Bの乱数記憶領域に記憶)した普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)に基づいて普通図柄当否判定を行うと共に、「小当り」である場合には、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を行う。ここで、通常は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された1個の判定値と一致すれば「小当り」となり、確変遊技中は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された60個の判定値の何れかと一致すれば「小当り」となる。即ち、確変遊技では「小当り」の発生確率が高くなる。
詳細には、図7に示すように普通動作処理(S14)ではまず、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cが開放動作中か否かを判定する(S140)。開放動作中である場合(S140でYes)には、所定の開放動作時間が経過したか否かを判定する(S141)。開放動作時間が経過していない場合(S141でNo)には、この処理(S14)を抜ける一方、開放動作時間が経過した場合(S141でYes)には、可動翼片14C,14Cの開放動作を終了して(S142)からこの処理(S14)を抜ける。
可動翼片14C,14Cの開放動作中ではない場合(S140でNo)には、普通図柄保留球数をチェックする(S143)。普通図柄保留球数が「0」である場合にはこの処理(S14)を抜ける一方、「0」ではない場合には、RAM50Bに記憶されている普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)をロードする(S144)。
次いで、現在の遊技が確変遊技(確変フラグF2=1)か否かを判定し(S145)、確変遊技中である場合(S145でYes)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、確変用の判定値(60個の判定値)の何れかと一致するか否かを判定する(S146)。一致した場合(S146でYes)、即ち、小当りの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S147)。例えば、2秒間の開放を間欠的に3回繰り返す。
また、確変遊技中ではない場合(S145でNo)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、非確変用の判定値(1つの判定値)と一致するか否かを判定し(S148)、一致した場合(S148でYes)、即ち、小当りの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S149)。例えば、1秒間の開放を1回行う。
ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、判定値と一致しなかった場合(S146又はS148でNo)は、可動翼片14C,14Cの開放動作を行わずにこの処理(S14)を抜ける。
普通動作処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)は、図8に示されており、特別動作ステータスが「1」である場合(S151でYes)には、特別図柄待機処理(S152)を行い、特別動作ステータスが「2」である場合(S151でNo,S153でYes)には、変動中処理(S154)を行い、特別動作ステータスが「3」である場合(S151,S153で共にNo、S155でYes)には、特別図柄確定処理(S156)を行い、特別動作ステータスが「4」である場合(S151,S153,S155でNo)には、特別電動役物処理(S157)を行う。
図9に示すように、特別図柄待機処理(S152)ではまず、特別図柄保留球数をチェックする(S200)。特別図柄保留球数が「0」である場合には、液晶表示画面34Gが待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S201)。そして、待機画面である場合(S201でYes)には、直ちにこの処理(S152)を抜ける一方、待機画面でない場合(S201でNo)には、待機画面設定処理(S202。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S152)を抜ける。
ステップS200において特別図柄保留球数が「0」ではない場合には、特別図柄大当り判定処理(S203)を始めとする以下のステップS203〜S209の処理を行う。
図10に示すように、特別図柄大当り判定処理(S203)ではまず、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM50Bの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)をロードする(S300)。次いで、確変遊技中(確変フラグF2=1)か否かをチェックし(S301)、確変遊技中でない場合(S301でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が通常(非確変)用の判定値(予め設定された3個の判定値の何れか)と一致したか否かをチェックする(S302)。また、確変中である場合(S301でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、確変用の判定値(予め設定された30個の判定値)の何れかと一致したか否かをチェックする(S303)。
特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合(S302でNo又はS303でNo)にはこの処理(S203)を抜ける。なお、確変遊技中で特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合(S301でYes,S303でNo)には、連続外れ回数がカウントされ、その連続外れ回数がST上限回数に達したときは、確変フラグF2を0に設定し、確変遊技状態から通常遊技状態に移行する処理(S305)が行われる。
一方、各ステップS302,S303において、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が予め設定された判定値と一致した場合、つまり、大当りである場合には(S302でYes又はS303でYes)、大当りフラグF1をON(F1=1にセット)して(S304)、この処理(S203)を抜ける。なお、特別図柄大当り判定処理(S203)を実行しているときのCPU50Aが、本発明の「大当り当否判定手段」に相当する。
特別図柄大当り判定処理(S203)に次いで行う特別図柄選択処理(S204)では、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄を決定する。この処理(S204)は図11に示されており、まず、大当りフラグF1がON(F1=1)か否か判断する(S310)。大当りフラグF1がONであれば(S310でYes)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM50Bに記憶)した大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)を、送信バッファにセットし(S311)、この処理(S204)を抜ける。即ち、3つの特別図柄32A,32B,32Cが全て大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)と同じ図柄(ゾロ目)になるようにセットする。なお、本実施形態では、大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)に基づいて、大当り遊技のラウンド数及びST上限回数が設定されている。
一方、大当りフラグF1がONでなければ(S310でNo)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得したリーチ有無決定用乱数値(ラベル−TRND−RC、以下、「リーチ乱数値」という)が予め設定されたリーチ判定値と一致しているかどうか判定する(S312)。リーチ判定値と一致していれば(S312でYes)、取得した左特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)、中特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)、右特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)に基づいて、「リーチ外れ」となるような特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄を作成し、送信バッファにセットする(S313)。その後、この処理(S204)を抜ける。
ステップS310において、リーチ判定値と一致していない場合(S312でNo)は、左特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)、中特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)、右特別図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)に基づいて、「リーチ無し外れ」となるような特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄を作成し、送信バッファにセットする(S314)。その後、この処理(S204)を抜ける。
図9に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン作成処理(S205)を実行する。この処理(S205)は、図12に示されており、特別図柄当否判定の結果等に基づいて、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示するまでの変動パターンに関するデータを選択する。
具体的には、まず、図12に示すように、現在の遊技状態が「確変遊技中」か否かを判定する(S330)。確変遊技中ではない場合(S330でNo)には、大当りフラグF1がON(F1=1、大当り)か否かを判別する(S331)。そして、大当りフラグF1がONの場合(S331でYes)には、「第1パターンテーブル」(非確変中の大当りに対応した変動パターンデータ群)の中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T、以下、「変動態様選択数値」という)に基づいて1つの変動パターンデータが選択される(S332)。
大当りフラグF1がONでない場合(S331でNo)には、「第2パターンテーブル」(非確変中の外れに対応した変動パターンデータ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動パターンデータが選択される(S333)。
一方、ステップS330において、「確変遊技中」であった場合(S330でYes)には、大当りフラグF1がON(F1=1)か否かを判定する(S334)。大当りフラグF1がONの場合(S334でYes)には、「第3パターンテーブル」(確変中の大当りに対応した変動パターンデータ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動パターンデータを選択する(S335)。
大当りフラグF1がONでない場合(S334でNo)には、「第4パターンテーブル」(確変中の外れに対応した変動パターンデータ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動パターンデータが選択される(S336)。
その後、選択した変動態様に応じたコマンドを送信バッファにセットする等、その他の処理(S337)を行って、この処理(S205)を抜ける。
図9に示すように、特図変動態様選択処理(S205)に続いて、特図乱数シフト処理(S206)を行う。具体的には、図13に示すように、特別図柄保留球数を1ディクリメントし(S350)、RAM50Bの乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S351)、最上位(4個目)の保留記憶に対応する乱数記憶領域をクリアする(S352)。
図9に示すように、特図乱数シフト処理(S206)に続いて特別図柄変動開始処理(S207)、特別動作ステータスを「2」に設定する処理(S208)等、特別図柄32A,32B,32Cの変動開始に必要な処理が行われ、最後に待機中フラグをOFFにする(S209)。なお、特別図柄変動開始処理(S207)では、変動パターン毎に設定されている特別図柄32A,32B,32の変動表示時間を計時するための特別動作タイマがセットされる。ここで、「変動表示時間」とは、特別図柄32A,32B,32Cをスクロール表示してから、全ての特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるまでの時間のことをいう。以上が特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S152)の説明である。
特別動作処理(S15)における変動中処理(S154)は、図14に示されている。同図に示すように、この処理(S154)では、まず特別動作タイマ判定処理(S210)で、特別動作タイマの値を確認し、特別動作タイマが「0」ではない場合(S211でNo)、即ち、特別図柄変動パターン作成処理(S205)で設定された変動パターンに応じた特別図柄32A,32B,32Cの変動表示時間が経過していない場合には、直ちにこの処理(S154)を抜けて、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示を続行する。
一方、特別動作タイマが「0」の場合(S211でYes)、即ち、変動表示時間が終了した場合、変動停止コマンドをセットし(S212)、特別動作ステータスを「3」にセットして(S213)、その他の処理(S214)を行ってから、この処理(S154)を抜ける。
特別動作処理(S15)における特別図柄確定処理(S156)は、図15に示されている。同図に示すように、この処理ではまず、大当りフラグF1がON(F1=1)か否かをチェックする(S220)。大当りフラグF1がONである場合(S220でYes)には、ラウンドカウンタをセット(S221)してから、特別動作ステータスを4にセットする(S222)。
一方、大当りフラグF1がONではない場合(S220でNo)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S223)、この処理(S156)を抜ける。
特別動作処理(S15)における特別電動役物処理(S157)は図16に示されている。同図に示すように、この処理ではまず、確変フラグF2をOFF(F2=0にセット、S230)し、大当りオープニング(大当り遊技が始まることの報知)が実施済みか否かを判定する(S231)。大当りオープニングを実施していない場合(S231でNo)は、大当りオープニングを実行し(S232)、大当りオープニングが実施済みである場合(S231でYes)には、大当り終了フラグがON(F3=1)か否かをチェックする(S233)。
大当り終了フラグがONでない場合(S233でNo)、即ち、「大当り遊技」の実行中である場合には、大入賞口15が開放中か否かをチェックする(S234)。
大入賞口15が閉鎖中の場合(S234でNo)には、大入賞口15を開放する時間となったか(所定のインターバル時間が経過したか)否かをチェックする(S235)。大入賞口開放時間でない場合(S235でNo)には、この処理(S157)を抜ける一方、大入賞口開放時間である場合(S235でYes)には、大入賞口開放処理(S236、可動扉15Tを前側に倒す)を行い、この処理(S157)を抜ける。
一方、大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S234でYes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かをチェックする。具体的には、大入賞口15に遊技球が規定数(本実施形態では10個)入賞したか否か(S237)、ラウンド終了時間となった(例えば、開放から15秒経ったか)か否か(S238)をチェックする。そして、これら2つのラウンド終了条件が何れも不成立であった場合(S237及びS238の何れもNo)には、直ちにこの処理(S157)を抜ける一方、何れか一方のラウンド終了条件が成立した場合(S237又はS238でYes)には、ラウンド終了時の処理(S239,S240)を行う。
大入賞口閉鎖処理(S239)では、大入賞口閉鎖のコマンドを中継回路57(図3参照)及びサブ制御回路52に送信する。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメントする(S240)。そして、ラウンドカウンタが「0」となったか否かチェックし(S241)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S241でNo)、即ち、「大当り遊技」における最終ラウンドが終了していない場合には、そのままこの処理(S157)を抜ける。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S241でYes)、即ち、大当り遊技における最終ラウンド(本実施形態では、16ラウンド目)が終了した場合には、大当り遊技を終了するための大当り終了処理(S242)を行い、大当り終了フラグF3をON(F3=1にセット、S243)してから、この処理(S157)を抜ける。
上記ステップS233において、大当り終了フラグがオンであった場合(F3=1,S233でYes)には、大当り終了フラグ及び大当りフラグをOFFにして(F3=0,F1=0にセット、S244,S245)、大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)に対応したST上限回数が0回であるか否か、つまり、大当り遊技終了後に確変遊技を行うか否かをチェックする(S246)。確変遊技を行わない場合(S246でNo)には確変フラグはOFFのままにする一方、確変遊技を行う場合(S246でYes)には確変フラグをONにするとともにST上限回数をセットしてから(S247)、特別動作ステータスを「1」にセット(S248)して、この処理(S157)を抜ける。この処理により、大当り遊技が終了した後の遊技が、「確変遊技」と「通常(非確変)遊技」との何れかに振り分けられ、ST上限回数が選択される。以上が特別動作処理(S17)の説明である。なお、ステップS246を実行しているときのCPU50Aが本発明の「特典当否判定手段」に相当し、特別電動役物処理(S157)を実行しているときのCPU50Aが本発明の「大当り遊技実行手段」に相当する。以上が、メイン割り込み処理(S5)における特別動作処理(S15)の説明である。
図5に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S15)に次いで保留球数処理(S16)が行われる。図17に示す保留球数処理(S16)では、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数をロードした後(S160)、送信バッファにセットする(S161)。その後、図5に示すように、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行してから、メイン割り込み処理(S5)を抜ける。そして、図4に示すように、次にメインCPU50Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回のメイン割り込み処理(S5)においてRAM50Bの送信バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行されたメイン割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が主制御回路メインプログラムPG1の説明である。
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について、図18〜図23に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S60)を行う。この処理では、後述する割り込み処理の設定を行う。また、電源基板60に電源を投入すると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONで、2つあるRAMのうちRAM52Bの内容が正常であるか判断する(S61)。正常であれば(S61でyes)次に進み、正常でなければ(S61でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S62)。以上の処理(S60〜62)を終えると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S63)。なお、これらステップS60〜S63は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
S60〜S63によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S64)、乱数シード更新処理(S65)が実行される。次いで、表示制御回路54、ランプ制御回路56、音声制御回路55(図3参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S66)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S67)、割込み許可(S68)を行う。そして、これら処理(S64〜68)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S69)、2msタイマ割り込み処理(S70)、10msタイマ割り込み処理(S71)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S70,S71)に優先して受信割り込み処理(S69)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S70)は、10msタイマ割り込み処理(S71)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S71)は、2msタイマ割り込み処理(S70)間の残余時間に割り込んで実行される。
図19に示すように、受信割込み処理(S69)ではまず、ストローブ信号をチェックし(S430)、ストローブ信号がONでなければ(S430でNo)、そのままこの処理(S69)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S430でYes)、主制御回路50からコマンドや制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ)をサブ制御回路52が受信してRAM52Bに格納する(S431)。また、このとき変動パターン作成処理(S205、図12参照)でセットした変動パターンもRAM52Bに格納する。
2msタイマ割り込み処理(S70)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図20に示すように、この処理(S70)では、ランプデータ出力処理(S440)、SW/駆動出力処理(S441)、入力処理(S442)、ウォッチドッグタイマ処理(S443)を行う。
ランプデータ出力処理(S440)では、10msタイマ割り込み処理(S71)で作成したランプデータの出力を行う。SW/駆動出力処理(S441)では、10msタイマ割込処理(S58)で作成したスイッチ有効期間及び動作の出力を行う。入力処理(S442)では、10msタイマ割込み処理(S71)でスイッチ状態に基づく処理を実行するために、演出用操作部27の演出用操作スイッチ27S(図3参照)等のオンオフ状態に対応したスイッチデータを作成し、そのスイッチデータをRAM52Bに記憶する。ウォッチドッグタイマ処理(S443)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割り込み処理(S71)は、10msec周期で繰り返して割り込み実行される。図21に示すように、10msタイマ割り込み処理(S71)では、スイッチ状態取得処理(S80)、音声制御処理(S81)、報知タイマ判定処理(S82)、メインコマンド解析処理(S83)、Sw処理(S84)及びランプ処理(S85)が順番に実行される。スイッチ状態取得処理(S80)では、2msタイマ割込処理(S70、図20参照)の入力処理(S442)で作成したスイッチデータを、10msタイマ割込処理用のスイッチデータとして取り込む。
音声制御処理(S81)では、音声制御データを作成して音声制御回路55(図3参照)に出力し、これによりスピーカ25S,25Sからの音声が制御される。報知タイマ判定処理(S82)では、RAMクリア、扉開放報知等が行われた場合に、その報知時間をカウントしていて報知開始から一定時間経過後に報知を停止する。また、ランプ処理(S85)では、ランプデータを作成してランプ制御回路56(図3参照)に出力し、これによりランプの点灯が制御される。そして、10msタイマ割り込み処理(S71)は、ランプ処理(S85)の実行後に終了する。
メインコマンド解析処理(S83)は、図22に詳細が示されている。このメインコマンド解析処理(S83)は、サブ制御回路52が主制御基板50から受信したコマンド(以下、適宜「受信コマンド」という)が大当りに関するコマンドであるか否かを判定する(S450)。大当りに関するコマンドでない場合(S450でNo)は、受信コマンドが変動に関するコマンドであるか否かを判定し(S451)、変動に関するコマンドでない場合(S451でNo)は、受信したコマンドに基づいて、その他の設定処理(S452)を行ってからこの処理(S83)を抜ける。受信コマンドが変動に関するコマンドである場合(S451でYes)は、特別図柄選択処理(S204、図11参照)にてセットされた特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄や特別図柄変動パターン作成処理(S205、図12参照)によって選択された変動パターンデータ等に基づいて変動パターンを作成(S453)してからこの処理(S83)を抜ける。
ステップS450にて、受信コマンドが大当りに関するコマンドである場合(S450でYes)は、「大当り演出」に関する設定を行う。具体的には、大当りが、16ラウンドの大当りか否かを判定し(S454)、16ラウンドの大当りでない場合(S454でNo)は、その大当りに対応した大当り演出に関する処理(S455)を行う。一方、16ラウンドの大当りである場合(S454でYes)は、次述する「前倒しレース演出」に関する処理(S456)を行う。ステップS456では、前述した特別電動役物処理(S157、図16参照)にて選択されたST上限回数に基づいた演出内容を作成する等「前倒しレース演出」を開始するための処理が行われる。その後、この処理(S83)を抜ける。以上が、メインコマンド解析処理(S83)の説明である。
ここで、図24〜26を参照しつつ、「前倒しレース演出」について説明する。「前倒しレース演出」は、上述したように16ラウンドの大当り遊技実行中に実行される大当り演出で、カーレースの結果によってST上限回数を報知する。「前倒しレース演出」は、特別図柄32A,32B,32C(図1参照)がゾロ目で停止表示された後、大当り遊技の開始と共に開始され、「レース前半演出」、「ゴール前演出」、「ゴール演出」、「ループ演出」を順に行う。なお、本実施形態の大当りには16ラウンド、4ラウンド、2ラウンドがあり、その中で長く大当り遊技状態を作ることができる16ラウンドに「前倒しレース演出」を設けている。つまり「前倒し演出」を行うための時間が必要なため、短い時間の大当りよりも長い時間の大当りで実行するように構成されている。また、本実施形態の大当り遊技における演出は時間で管理され、「レース前半演出」、「ゴール前演出」、「ゴール演出」、「ループ演出」等毎に最大演出時間が設定されており、大入賞口への遊技球の入賞状況に関係なく進行するように構成されている。
まず、大当り遊技の開始と共に「レース前半演出」が開始される。この「レース前半演出」では、レースの開始からレース中盤までの映像が表示される(図24(A)参照)。そして、大当り遊技開始から予め設定された演出時間経過後(例えば、70秒経過後)に、「ゴール前演出」(本発明の「報知前演出」に相当する)が開始される。なお、この「レース前半演出」の演出時間が本発明の「待機期間」に相当する。
「ゴール前演出」では、車がゴール前で競り合っている映像が、例えば、ゴール前500メートル地点(図24(B)参照)、300メートル地点(図24(D)参照)、100メートル地点(図25(B)参照)と段階的に表示される。ここで、ゴール前500メートル地点の表示開始から、ゴール前300メートル地点の表示に切り替わる前までを「第1区間演出」、ゴール前300メートル地点の表示開始から、ゴール前100メートル地点の表示に切り替わる前までを「第2区間演出」、ゴール前100メートル地点の表示開始から「ゴール前演出」の終了までを「第3区間演出」とする。つまり、「ゴール前演出」は、第1〜3の区間演出に分割されている。これらの第1〜3の区間演出がそれぞれ実行されている期間が本発明の「分割期間」に相当し、それぞれ最大演出時間が設定されている。
そして、「ゴール前演出」のうち第3区間演出が終了すると、「ゴール演出」(本発明の「判定結果報知」に相当する)が開始される。「ゴール演出」では、ゴール直前からゴールするまでの映像と、着順が表示される(図25(D)、図26(A)参照)。図26(A)に示す例では、2着であることを表示することによって、ST上限回数が60回であることが報知されている。
また、本実施形態の「前倒しレース演出」では、ゴール前500メートル地点(図24(B)参照)、300メートル地点(図24(D)参照)、100メートル地点(図25(B)参照)、ゴール直前(図25(D)参照)、と表示が切り替わるときに、それぞれの地点で自分の車が何台の車の中で競い合っているかを示す「競り合い数」が表示される。図24〜26に示す例では、競り合い数が4、3、3、2と変化している。
そして、「ゴール演出」の後には、「ループ演出」(本発明の「報知後演出」に相当する)が行われる。「ループ演出」では、時間固定演出A,B,Cが実行される。各時間固定演出A,B,Cは、例えば、車、ドライバー、レースコースの静止画像等の表示(レースの結果を示す演出とは関係ない演出の表示)であり、大当り遊技の終了まで、1秒ずつ切り替わり、繰り返して表示される。
ここで、本実施形態の「前倒しレース演出」では、演出用操作部27を操作することによって、「ゴール演出」に到達するまでの時間を短縮できるようになっている。
具体的には、「ゴール前演出」の第1〜3の区間演出の期間内には、その期間毎の後半に、操作有効期間が備えられている。操作有効期間には、図24(C)等に示すように、演出用操作部27を模した画像と「回せ」という文字とからなる操作示唆画像34Sが液晶表示画面34Gに表示される。この操作有効期間内に、演出用操作部27が操作されない場合は、操作有効期間経過後に次の演出が実行される一方、演出用操作部27が操作された場合は、その区間演出が途中で打ち切られ、次の演出が実行される。つまり、その区間演出の実行時間が、設定されている最大演出時間よりも短縮されて、次の演出の実行開始時間が早まるように構成されている。
即ち、図27に示すように、第1区間演出期間(例えば、5秒間)内の操作有効期間(例えば、2秒間)中に演出用操作部27が操作された場合は、その時点で第1区間演出が打ち切られ、第2区間演出が前倒しして開始されると共に競り合い数が更新されて表示される。また、第2区間演出期間(例えば、5秒間)内の操作有効期間(例えば、2秒間)中に演出用操作部27が操作された場合は、その時点で第2区間演出が打ち切られ、第3区間演出が開始されると共に競り合い数が更新されて表示される。そして、第3区間演出期間(例えば、10秒間)内の操作有効期間(例えば、3秒間)中に演出用操作部27が操作された場合は、その時点で第3区間演出が打ち切られて、競り合い数が更新されて表示されると共にその競り合い数に合わせた「ゴール演出」が開始される。なお、操作有効期間中に演出用操作部27が操作されると次の演出が前倒しされることを、適宜、「前倒し操作演出」という。
また、「前倒し操作演出」によって「ゴール前演出」が短縮された分、「ゴール演出」及び「ループ演出」が早く開始されるが、「ループ演出」は大当り遊技の途中で終了することはなく、大当り遊技の終了とともに終了する。以上が「前倒しレース演出」の主要な流れである。
なお、演出用操作部27の操作を行わなかった場合の「ゴール前演出」の実行期間が本発明の「報知前演出期間」に相当し、操作有効期間が開始されるタイミングが本発明の「操作有効開始タイミング」に相当し、「ゴール前演出」のうち操作有効期間以外の期間が本発明の「操作無効期間」に相当する。
以上のことを踏まえ、図23に示すSw処理(S84)について詳説する。Sw処理(S84)では、まず、スイッチ操作演出が行なわれるか否かを判定し(S460)、スイッチ操作演出(ボタン押下演出等)が行なわれない場合(S460でNo)はこの処理(S84)を抜け、スイッチ操作演出が行なわれる場合(S460でYes)はその演出が「前倒しレース演出」であるか否かを判定する(S461)。そして、「前倒しレース演出」でない場合(S461でNo)には、その他のスイッチ操作演出(ボタン押下演出等)に関する処理(S462)を行ってこの処理(S84)を抜ける。
一方、「前倒しレース演出」である場合(S461でYes)には、ステップS463に進む。ここでは、「第1区間演出」を実行する場合を例に説明する。まず、「前倒し操作演出」を行う時間になったときに操作有効期間を設定し(S463)、「前倒し操作演出」を開始する(S464)。「前倒し操作演出」では、操作有効期間が経過したか否か(S465)、演出用操作部27からの操作入力信号を受信したか否か(S466)を判定し、操作有効期間が経過するか(S465でYes)、演出用操作部27からの操作入力信号を受信するか(S466でYes)したときに、競り合い数を更新して表示すると共に次の「第2区間演出」を開始する(S467)。そして、「前倒し操作演出」をまだ行うか否かを判定する(S468)。この時点では、「第2区間演出」でも「前倒し操作演出」が行われるので(S468でYes)、ステップS463に戻る。
同様に、「第2区間演出」、「第3区間演出」においてもステップS463〜S468を実行する。「第3区間演出」を実行する場合におけるステップS467では、競り合い数を更新して表示すると共に「ゴール演出」を開始する。そして、「ゴール演出」では「前倒し操作演出」は行われないので(ステップS468)、次のステップS469に進み、「ループ演出」を開始する時間となったら「ループ演出」を実行し、大当り遊技の終了まで「ループ演出」を行い(S469)、この処理(S84)を抜ける。以上が、Sw処理(S84)、10msタイマ割り込み処理(S71)及びサブ制御基板メインプログラムPG2の説明である。なお、ステップS456及びステップS463〜469を実行しているときのCPU52Aが本発明の「表示制御手段」に相当し、ステップS463〜468を実行しているときのCPU52Aが本発明の「表示内容変更手段」に相当する。
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞して、16ラウンドの大当りになると、大当り遊技が始まるとともに、カーレースに関する「前倒しレース演出」が開始され、まず、レース開始からレース中盤までの映像(レース前半演出)が液晶表示画面34Gに表示される(図24(A)参照)。
「前倒しレース演出」の開始から待機期間、例えば、70秒経過後には、レース中盤の映像からレース終盤の映像に切り替わり、ゴール前500メートル地点の映像(第1区間演出)が表示される(図24(B)参照)。このとき、車が競い合っている映像と共に、この地点での競り合い数(例えば、4)が表示される。
そして、表示が切り替わってから、例えば、3秒経過すると、液晶表示画面34Gに演出用操作部27の操作を促す操作示唆情報34Sが表示される(図24(C)参照)。ここで、遊技者によって演出用操作部27が操作されない場合は、操作有効期間(例えば、2秒)経過後に、ゴール前300メートル地点の映像(第2区間演出)に切り替わる(図24(D)参照)。一方、操作有効期間経過前に演出用操作部27が操作された場合には、操作有効期間を打ち切って、液晶表示画面34Gがゴール前300メートル地点の映像(第2区間演出)に切り替わる。その際、ゴール前300メートル地点の映像(第2区間演出)でも、この地点での競り合い数(例えば、3)が表示される。この例では、前回の競り合い数より少なくなっているため期待感を向上させることが可能となる。
そして、例えば、3秒後に、再び操作示唆情報34Sが表示され(図25(A)参照)、操作有効期間(例えば、2秒)が経過するか、演出用操作部27が操作されるかすると、液晶表示画面34Gがゴール前100メートル地点の映像(第3区間演出)に切り替わり、この地点での競り合い数(例えば、3)が表示される(図25(B)参照)。この例では前回の競り合い数と同じ数だが、次に競り合い数が更新されることが表示上認識できれば次に競い合い数が少なくなることを期待させることが可能となる。
そして、例えば、7秒経過後に再び操作示唆情報34Sが表示され(図25(C)参照)、操作有効期間(例えば、3秒)が経過するか、演出用操作部27が操作されるかすると、今度は、ゴール直前の映像(ゴール演出)に切り替わる(図25(D)参照)。ここでも、この地点での競り合い数(例えば、2)が表示される。この競り合い数でゴールに到着するまでの演出を行い、その後、車がゴールし、着順が表示される(例えば、2着。図26(A)参照)。
この着順によって、ST上限回数が遊技者に報知される。例えば、1着の場合は100回、2着の場合は60回、3着の場合は30回、4着以下の場合は0回と設定されている。
着順が表示された後は、車(時間固定演出A)、ドライバー(時間固定演出B)、レースコース(時間固定演出C)等のレースの結果を示す演出とは関係ない演出表示である静止画像が1秒ずつ切り替わり、繰り返し表示される(ループ演出。図26(B),(C),(D)参照)。ここで、「ゴール前演出」が短縮されると「ループ演出」の開始が早まる。また、大当り遊技の終了は遊技球が大入賞口15に入賞する早さ等により変動する。しかしながら、本実施形態の「ループ演出」は、大当り遊技が終了するまで、所定種類(3種類)の静止画像を繰り返し表示させる。その後、液晶表示画面34Gは特別図柄32A,32B,32Cの表示に戻る。
これを遊技者の視点から見ると以下のようになる。
大当り遊技の開始とともにカーレースが始まると、このレースの結果によってST上限回数が分かるので、遊技者は興味を持ってレース内容を見る(図24(A)参照)。そして、レースが終盤に差し掛かると、液晶表示画面34Gがゴール前500メートル地点の映像に切り替わる(図24(B)参照)。その際に競り合い数を報知することで、遊技者は、競り合い数が4であることを確認する。
しばらくすると、演出用操作部27を操作することを示唆する操作示唆情報34Sが液晶表示画面34Gに表示される(図24(C)参照)。ここで、遊技者が演出用操作部27を操作すると、ゴール前500メートル地点からの映像の残りがカットされて、液晶表示画面34Gがゴール前300メートル地点の映像に切り替わる(図24(D)参照)。つまり、演出用操作部27を操作を操作した方が演出用操作部27を操作しない場合よりも次のレース展開を早く知ることができる。また、その際に競り合い数を報知することで、競り合い数が3になったことを確認した遊技者は、3着以内に入れるかもしれないと期待する。
その後、また操作示唆情報34Sが表示され(図25(A)参照)、遊技者が演出用操作部27を操作すると、ゴール前300メートル地点からの映像の残りがカットされて、液晶表示画面34Gがゴール前100メートル地点の映像に切り替わる(図25(B)参照)。その際に競り合い数を報知することで、競り合い数が3のままであることを確認した遊技者は、3着以内に入れるかもしれないという期待をより高める。また、もう一度チャンスがあると認識していれば(例えば、図24や図25に示す液晶表示画面34Gのように、競り合い数を複数回表示可能な構成の場合)、次に期待を持たすことが可能となる。
そして、再び操作示唆情報34Sが表示され(図25(C)参照)、遊技者が演出用操作部27を操作すると、ゴール前100メートル地点からの映像の残りがカットされて、液晶表示画面34Gがゴール直前の映像に切り替わる(図25(D)参照)。このとき、競り合い数が報知され、遊技者は、ゴール直前で競り合い数が2にあがったことから、2着以内になれそうだと確信する。そして、そのまま2着でゴールしたことから(図26(A)参照)、ST上限回数が60回であることを認識する。
着順が表示された後は、大当り遊技が終了するまで、車、ドライバー、レースコースの静止画等のレース結果が反映されない演出が繰り返し表示され(図26(B),(C),(D)参照)、大当り遊技が終了すると、液晶表示画面34Gが、3種類のどれかの静止画から特別図柄32A,32B,32Cの表示に戻る(図1参照)。なお、上述した例では、全ての操作有効期間において演出用操作部27を操作させているが、最後の操作有効期間のみ演出用操作部27を操作する等、各操作有効毎に遊技者が任意に演出用操作部27を操作すればよい。
このように、本実施形態の遊技機10では、「ゴール前演出」内の第1〜3の区間演出に設けられた操作有効期間内に演出用操作部27を操作させることで、ゴール前のレース展開を次々と進め、ST上限回数と対応した着順を早く知ることができるので、遊技を長く行っていても演出用操作部27の操作への興味を持続させることができる。
また、各区間演出毎に競り合い数を表示させたことで、ゴールに近づくにつれて着順の予想が絞られるので、各区間演出を打ち切って次の演出にすすむ度に遊技者の気分を段階的に高揚させることができ、演出用操作部27の操作に夢中にさせることができる。
さらに、演出用操作部27の操作有効期間を第1〜3の区間演出毎の最後に設定したので、各区間演出のうち操作有効期間より前の期間の演出を遊技者に必ず見せることができる。これにより、第1〜3の区間演出を通してレースの流れを遊技者に楽しませることができ、「ゴール前演出」を確実に遊技者に楽しませることができる。
また、本実施形態では、「ゴール演出」により着順を表示した後に「ループ演出」が表示されるので、レース結果の余韻を楽しませることができる。
さらに、「ループ演出」は大当り遊技の終了と共に終了する構成になっている。即ち、「ゴール前演出」が短縮されて「ゴール演出」や「ループ演出」の開始が早まっても、また、大当り遊技の実行期間の長さが変動しても、「ループ演出」の長さを調整して、大当り遊技の終了と共に、「前倒しレース演出」を終了することができる。
しかも、時間固定演出A,B,Cを繰り返して実行することで「ループ演出」の終了を大当り遊技の終了と一致させるので、一つの時間固定演出を繰り返して実行するよりも「ループ演出」が単調にならず、遊技者を楽しませることができる。
また、「ループ演出」では、時間固定演出A,B,Cが一秒ずつ切り替わるので、「ループ演出」の終了がばらついても、時間固定演出A,B,C同士の繋ぎ目で「ループ演出」が終了したかのように見せることができる。これにより、遊技者に、「ループ演出」が不自然に終了したという違和感を感じさせることなく、遊技の続きをスムーズに楽しませることができる。また、「ループ演出」の映像を途中で打ち切っても違和感のない映像で構成することで、その映像の終了タイミングと大当り遊技の終了タイミングとが合わない場合に途中で打ち切っても、遊技者に違和感を感じさせないようにすることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、「前倒しレース演出」は、大当り遊技中に行われ、確変遊技に関する判定の結果を表示する構成であったが、特別図柄32A,32B,32Cの変動中に行われ、特別図柄当否判定の結果を「特典」として表示する構成であってもよい。また、「特典」としてリーチになるか否かを表示してもよいし、大当り遊技後に「小当り」の発生確率が高くなる、所謂、時短状態になるか否かを表示してもよい。また例えば、大当り遊技のラウンド数が複数種類あるときに、ラウンド数の多い大当り遊技となるか否かを表示してもよい。つまり、遊技者が通常よりも得と感じるものを「特典」としている。
(2)上記実施形態では、ST上限回数を報知するための演出の一例として、カーレースを題材にしたものを例示したが、これに限るものではなく、例えば、人や動物等のレースを題材にしたものや、格闘技を題材にしたもの等であってもよい。
(3)上記実施形態では、ST上限回数が100回、60回、30回、0回の中から選択される構成であったが、例えば、100回、60回、30回の中から選択される構成、つまり、大当り遊技終了後に必ず高確率状態に移行する構成であってもよい。この場合、ST上限回数として100回、60回が選択されたときが、本発明の「特典当否判定」において「当り」となる場合に相当する。
(4)上記実施形態では、確変遊技を回数限定とし、その回数を「前倒しレース演出」にて報知する構成であったが、確変遊技を次の大当りまで継続するようにし、確変遊技を行うか否かを「前倒しレース演出」にて報知する構成であってもよい。例えば、レースの着順が1,2着の場合は確変遊技を行い、3着以下の場合は確変遊技を行わない構成であってもよい。この場合であっても、ゴールに近づくにつれて着順の予想、つまり、確変遊技を行うか否かの予想が絞られるので、各区間演出を打ち切って次の演出にすすむ度に遊技者の気分を段階的に高揚させることができ、演出用操作部27の操作に夢中にさせることができる。また、競り合い数を複数回更新する構成において、前半から競り合い数を少なくして(例えば、「独走」として1着を示唆させて)、早い段階で着順の予想を立てられるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、操作有効期間が、「ゴール前演出」を分割した複数の区間演出毎に設定されていたが、「ゴール前演出」内に1回だけ設定されていてもよい。この場合であっても、演出用操作部27の操作によって「ゴール前演出」を短縮し、レースの結果を早く知ることができる。また、操作有効期間以外の期間の「ゴール前演出」を遊技者に必ず見せることができ、「ゴール前演出」自体を確実に遊技者に楽しませることができる。
(6)上記実施形態では、操作有効期間が、「ゴール前演出」を分割した複数の区間演出の最後にそれぞれ設定されていたが、各区間演出の前半や途中に設定されていてもよい。例えば、前半の場合は、前半の演出が打ち切られても後半で一定の演出を行うことが可能となる。つまり競い合い数を出してから、その競い合い数の演出を行うという演出を行うことが可能となる。また、途中の場合、例えば、「ゴール前演出」の後半全体が打ち切られて演出内容が中途半端になるような事態を防ぐことができる。なお、演出用操作部27が操作されたときは、操作有効期間の残りの期間を打ち切る構成であってもよいし、各区間演出の残りの期間を打ち切る構成であってもよい。
また、この構成を上記実施形態(4)に適用してもよい。この場合、演出用操作部27が操作されたときは、操作有効期間の残りの期間を打ち切る構成であってもよいし、「ゴール前演出」自体の残りの期間を打ち切る構成であってもよい。
(7)上記実施形態では、「報知後演出」において、3種類の時間固定演出A,B,Cを繰り返し実行する構成であったが、1種類の時間固定演出を繰り返す構成、例えば、同じ静止画像をずっと表示しておく構成であってもよい。
また、「報知後演出」の最長限度である最長報知後演出期間分の演出を、大当り遊技の終了とともに打ち切って終了する構成であってもよい。この場合であっても、レース結果の余韻を楽しませることができるし、大当り遊技の終了とともに「前倒しレース演出」を終了させることができる。なお、最長報知後演出期間とは、図28に示すように、大当り遊技が最長時間(上記実施形態では、29秒×16ラウンド+ラウンド間の時間)実行された場合で、かつ、全ての操作有効期間において操作有効期間の開始と共に演出用操作部27が操作された場合に短縮された操作有効期間の時間を全て合計した時間と、予め設定してある報知後演出の時間を足した合計時間によって構成された「報知後演出」の実行期間である。
(8)上記実施形態では、「ゴール前演出」内に操作有効期間が設けられている構成であったが、期間を設けない構成で、任意のタイミングで短縮可能に構成してもよい。また、例えば、「ゴール前演出」内の(任意の)のタイミングで演出用操作部27が操作されると、「ゴール前演出」が固定時間(例えば、3秒)短縮される構成であってもよい。
(9)上記実施形態では、区間演出の表示内容が、「ゴール演出」に近い区間演出ほどレース結果の予想が絞られるように設定されていたが、初めてその演出を見た遊技者が予想し難く構成されていてもよい。例えば、判定結果が当りのときは背景が赤色になり、判定結果が外れのときの背景が青色として、背景が赤色に近くなったか否か等で判定結果が当りになる可能性を示すような構成であってもよい。
(10)上記第1実施形態において、レース結果が1着になること、つまりST上限回数が100回であることを、いずれかの区間演出にて確定表示させる構成であってもよい。この場合、その確定表示を見て、早く「ゴール演出」にてレース結果を確認したいと感じた遊技者を演出用操作部27の操作に夢中にさせることができる。
(11)上記実施形態の大当り遊技における演出は全て時間で管理されているが、所定ラウンドになるまでは時間の管理を行わず、操作を伴う演出を行うラウンドになった際に時間を管理するような構成にしてもよい。
(12)上記実施形態では、大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)が、特別図柄の種類と一致した「0〜11」の数値によって構成されていたが、特別図柄と大当り遊技のラウンド数とST上限回数の種類との組み合せ数(例えば、12×3×4=144)分の数値から構成されてもよい。この場合、ゾロ目で停止した特別図柄と、ラウンド数及びST上限回数とが対応していないため、レース結果によって初めてST上限回数を知ることとなるので、レース結果に興味を持たせることができる。なお、上記実施形態の場合でも、ゾロ目で停止した特別図柄と、ラウンド数及びST上限回数との対応関係を知らない遊技者に対し、レース結果に興味を持たせることができる。
また、上記実施形態では、主制御回路50で表示上の図柄を設定しているが、サブ制御回路52側以降で表示上の図柄を設定してもよい。その際、主制御回路50側でラウンド数及びST上限回数を決定する構成とすれば、特別図柄32A,32B,32Cと、ラウンド数及びST上限回数とが対応しないため、レース結果によって初めてST上限回数を知ることとなるので、レース結果に興味を持たせることができる。
(13)上記実施形態では、本発明の「任意操作部」として、演出用操作部27を設けていたが、例えば、前後左右に倒れるレバーを設けてもよいし、押下ボタンを設けてもよい。
なお、上記実施形態を概念化すると以下[1]〜[9]の発明となる。
[1]遊技者に特典を付与するか否かの特典当否判定を行う特典当否判定手段と、
表示部と、
前記表示部に、予め定められた報知前演出期間を最長限度とした報知前演出を表示させ、その報知前演出の表示終了後に前記特典当否判定の判定結果報知を表示させ、さらに、その判定結果報知の終了後に報知後演出を表示させる表示制御手段と、
遊技者が任意に操作可能な任意操作部とを備え、
前記表示制御手段は、前記報知前演出期間中の前記任意操作部の操作に応じて前記報知前演出期間を短縮して終了し、前記判定結果報知の表示のタイミングを早めるように構成されたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成とした場合、遊技者が任意操作部を操作しなければ、報知前演出期間を最長限度として報知前演出が表示部に表示され、その報知前演出の表示終了後に特典当否判定の判定結果報知が表示され、さらに、判定結果報知の終了後に報知後演出が表示される。これに対し、遊技者が報知前演出期間中に任意操作部を操作すると、その操作に応じて報知前演出期間が短縮されて終了し、判定結果報知の表示のタイミングが早まる。即ち、本発明の遊技機によれば、遊技者は、任意操作部を操作すると、特典当否判定の判定結果を早く知ることができ、任意操作部の操作への興味を向上させることが可能となる。また、本発明の遊技機では、判定結果報知の表示後には報知後演出が表示されるので、特典当否判定の判定結果の余韻を楽しませることが可能となる。
[2]前記報知前演出期間は、複数の分割期間に分けられ、
前記表示制御手段は、各前記分割期間中の前記任意操作部の操作に応じてその分割期間を打ち切って後続の前記分割期間を前倒しに開始するように構成されたことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の構成とした場合、報知前演出期間を、複数の分割期間に分け、各分割期間中の任意操作部の操作に応じてその分割期間を打ち切って後続の分割期間を前倒しに開始するので、例えば、報知前演出期間の後半全体が打ち切られて演出内容が中途半端になるような事態を防ぐことが可能となる。
[3]各前記分割期間内に操作有効開始タイミングが設定され、
前記表示制御手段は、各前記分割期間のうち前記操作有効開始タイミング後に前記任意操作部が操作された場合にのみその操作に応じて前記分割期間を短縮するように構成されたことを特徴とする[2]に記載の遊技機。
[3]の構成とした場合、各分割期間内に設定された操作有効開始タイミングより前の期間では、報知前演出を遊技者に見せることが可能となり、且つ、操作有効開始タイミング後の演出は短縮できるため、複数の分割期間を通して一定以上の流れを有する演出を見せつつ判定結果報知の表示のタイミングを早めることが可能となる。
[4]前記特典当否判定の判定結果に応じて、前記分割期間毎の前記報知前演出の表示内容を変更する表示内容変更手段を備えたことを特徴とする[2]又は[3]に記載の遊技機。
[4]の構成とした場合、特典当否判定の判定結果に応じて分割期間毎の報知前演出の表示内容を変更するので、報知前演出が実行される毎に任意操作部の操作に興味を持たせることが可能となる。
[5]前記判定結果報知に近い前記分割期間の前記報知前演出ほど前記特典当否判定の判定結果の予想が絞られるように、各前記報知前演出の表示内容が設定されたことを特徴とする[4]に記載の遊技機。
[5]の構成とした場合、判定結果報知の近い分割期間の報知前演出ほど特典当否判定の判定結果の予想が絞られるので、各分割期間が、順次、終了していく度に遊技者の気分を段階的に高揚させることができ、任意操作部の操作への興味を向上させることが可能となる。
[6]前記報知前演出期間は、操作有効期間と操作無効期間とからなり、
前記操作有効期間中に前記任意操作部が操作された場合にのみその操作に応じて前記操作有効期間を短縮するように構成されたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
[6]の構成とした場合、報知前演出期間は、操作有効期間と操作無効期間とからなり、操作無効期間によって報知前演出を遊技者に見せることが可能となる。
[7]前記特典当否判定とは異なる大当り当否判定を行う大当り当否判定手段と、
前記大当り当否判定の結果が当りであった場合に、実行期間の長さが変動し得る大当り遊技を実行して、その実行期間中に遊技者に利益を付与する大当り遊技実行手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記大当り遊技の実行期間の開始から予め設定された待機期間終了後のタイミングで前記報知前演出を開始すると共に、前記大当り遊技の実行期間の終了と共に前記報知後演出が終了するように構成されたことを特徴とする[1]乃至[6]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[7]の構成とした場合、大当り遊技の実行期間内で報知前演出を開始し、次いで判定結果報知を行い、最後に報知後演出を行って大当り遊技の実行期間の終了と共にその報知後演出を終了する。即ち、本発明によれば、判定結果報知の表示後に報知後演出を行うことで、報知前演出が短縮されても、又は、大当り遊技の実行期間の長さが変動しても、報知後演出を伸縮調整して大当り遊技の実行期間の終了と共に、一連の表示演出(即ち、報知前演出と判定結果報知と報知後演出)を終了することが可能となる。
[8]前記報知後演出は、予め演出時間が固定された複数種類の時間固定演出を繰り返して実行することを特徴とする[7]に記載の遊技機。
[8]の構成とした場合、予め演出時間が固定された複数種類の時間固定演出を繰り返して実行することで報知後演出の終了を大当り遊技の実行期間の終了と一致させるので、報知後演出が単調にならず、遊技者を楽しませることが可能となる。
[9]前記特典当否判定が当りであった場合には、前記大当り遊技の実行期間の終了後に次に前記大当り当否判定が当りとなる確率が通常遊技状態よりも高くなる高確率状態になるように構成されたことを特徴とする[7]又は[8]に記載の遊技機。
[9]の構成とした場合、特典当否判定が当りであった場合には、大当り遊技の実行期間の終了後に次に大当り当否判定が当りとなる確率が通常遊技状態よりも高くなる高確率状態になるので、遊技者の判定結果報知に対する興味が高くなり、任意操作部の操作への興味を向上させることが可能となる。