本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態(演出種別の設定処理の一例):
F.第6実施形態(演出種別の設定処理の他の例):
G.第7実施形態(RTCを備える構成):
H.第8実施形態:
I.第9実施形態:
J.第10実施形態:
K.第11実施形態:
L.第12実施形態:
M.第13実施形態:
N.第14実施形態:
O.第15実施形態:
P.変形例:
Q.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1結果表示部37aと、第2結果表示部37bとを備えている。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1結果表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1結果表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
第2結果表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2結果表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1結果表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2結果表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61の主側MPU62は、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1結果表示部37a及び第2結果表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には保留情報記憶エリア64bが設けられている。保留情報記憶エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。
図7は、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図7(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図7(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図7(a)に示すように、大当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図7(b)に示すように、大当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに記憶される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図7を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、当否抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに記憶される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、大当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図4(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに記憶される。そして、所定のタイミングで、その記憶された電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
A3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図9は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の一例を説明するタイムチャートである。本説明においては、ケースa1およびケースa2の2つの場合を例にして、パチンコ機10が実行する処理の特徴を説明する。
図9(a)は、ケースa1として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選し(以下、単に「大当たり」とも呼ぶ)、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において大当たり抽選に外れた場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。本実施形態においては、第1の遊技回の直前の遊技回の大当たり抽選は外れであるとともに、第1の遊技回と第2の遊技回との間には他の遊技回は存在しない場合について説明をする。なお、第1の遊技回と第2の遊技回との間に、他の遊技回が存在するとしてもよい。第1の遊技回と第2の遊技回との間に、他の遊技回が存在する場合にパチンコ機10が実行する処理については後述する。
図9(a)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合、パチンコ機10は、予告演出とリーチ演出とを実行する。予告演出は、図柄の変動の開始直前または開始後に実行される演出であって、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆するための演出である。リーチ演出は、リーチ後に実行される演出であって、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆する演出である。リーチ演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
その後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。特別遊技状態は、遊技者に特典を付与する状態である。図示するように、パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。パチンコ機10は、オープニング演出として、開閉実行モードを開始することを示唆する演出を実行する。その後、パチンコ機10は、開閉扉36bの開放と閉鎖とを繰り返す開閉実行モードを実行する。開閉実行モードの実行期間中は、開閉実行モード用の所定の演出を実行する。開閉実行モードの終了後、パチンコ機10は、エンディング演出を実行する。図9(a)に示すように、本説明においては、エンディング演出を実行するための期間をエンディング期間と言う。
ここで、パチンコ機10は、エンディング期間において、示唆演出、特別遊技状態再現演出、特定終了演出を実行する。示唆演出は、既に実行された演出を再現することを示唆する演出である。本実施形態においては、示唆演出は、第1の遊技回において複数種類の中から選択および実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する内容の演出である。また、特別遊技状態再現演出は、特別遊技状態において、既に実行された演出の少なくとも一部を再現する演出である。
図10は、示唆演出、特定終了演出、および、後述する特定開始演出の一例を示す説明図である。図10(a)は示唆演出を示し、図10(b)は特定終了演出を示し、図10(c)は特定開始演出を示している。図10(a)に示した示唆演出は、女性キャラクターが、第1の遊技回において実行された演出、すなわち、予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する演出である。
図9(a)に示すように、パチンコ機10は、エンディング期間において示唆演出を実行した後、特別遊技状態再現演出として、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現実行する。本実施形態においては、特別遊技状態再現演出として、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現するが、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出又は結果告知演出の一部のみを再現してもよい。例えば、特別遊技状態再現演出として予告演出、リーチ演出および結果告知演出を実行する際に、リーチ演出および結果告知演出を優先的に再現し、予告演出の一部または全部を省略して実行してもよい。通常時に高い頻度で実行される予告演出については一部または全部を省略し、リーチ時または大当たり時にしか実行されないリーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を優先的に再現することによって、遊技者が再現を強く望む演出に絞って特別遊技状態再現演出を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特別遊技状態再現演出として図柄の変動表示および停止表示を再現実行する場合、特別遊技状態再現演出の実行時に表示面41aに表示する図柄の内容については、第1の遊技回において実際に表示した図柄の内容とは一部異なっている。
特別遊技状態再現演出を実行した後、パチンコ機10は、特定終了演出を実行する。図10(b)は、特定終了演出の一例を示している。図示するように、本実施形態における特定終了演出は、女性キャラクターが、特別遊技状態再現演出が終了したことを示唆する内容の演出である。
説明を図9(a)に戻す。パチンコ機10は、特定終了演出の終了とともに、エンディング期間および特別遊技状態を終了する。その後、第2の遊技回を実行する。第2の遊技回に係る大当たり抽選は外れである。パチンコ機10は、第2の遊技回においては、大当たり抽選の結果を予告する通常の予告演出(通常予告演出とも呼ぶ)と、結果告知演出(外れ告知)とを実行する。以上、ケースa1について説明した。
次に、ケースa2について説明する。図9(b)は、ケースa2として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選する場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。
図9(b)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合、パチンコ機10は、予告演出およびリーチ演出を実行する。そして、リーチ演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
その後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。図示するように、パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。パチンコ機10は、オープニング演出として、開閉実行モードを開始することを示唆する演出を実行する。その後、パチンコ機10は、開閉扉36bの開放と閉鎖とを繰り返す開閉実行モードを実行する。開閉実行モードの終了後、パチンコ機10は、エンディング期間においてエンディング演出を実行する。
ケースa2の場合、ケースa1と異なり、パチンコ機10は、エンディング期間において示唆演出のみ実行する。示唆演出の内容は、ケースa1において実行する示唆演出の内容と同じである。パチンコ機10は、示唆演出の終了とともに、特別遊技状態を終了する。すなわち、ケースa2の場合のエンディング期間は、ケースa1の場合のエンディング期間より短い。
パチンコ機10は、示唆演出の終了とともに、特別遊技状態を終了する。その後、第2の遊技回を実行する。ケースa2においては、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選する。パチンコ機10は、第2の遊技回における演出として、遊技回再現演出を実行する。遊技回再現演出は、遊技回において、既に実行された演出の少なくとも一部を再現する演出である。本実施形態においては、遊技回再現演出として、第1の遊技回において実行した演出の再現をする。すなわち、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を実行する。この場合、この結果告知演出(大当たり告知)が、遊技回再現演出の一部としての機能を有すると共に、第2の遊技回の大当たり抽選についての結果告知としての機能を有する。そして、遊技回再現演出の終了とともに、第2の遊技回を終了する。
なお、後にフローチャートを用いて説明するが、本実施形態においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。すなわち、ケースa2の場合、第1の遊技回と第2の遊技回とは、いずれも大当たり抽選に当選した遊技回であるので、第1の遊技回の変動時間と第2の遊技回の変動時間は同じである。従って、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出を、第2の遊技回において遊技回再現演出として実行することができる。
なお、本実施形態においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間はいずれも一定になるように制御するが、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間を、乱数を用いて設定することにより、大当たり時の遊技回の変動時間が毎回異なっているとしてもよい。この場合、第1の遊技回より第2の遊技回の方が長い場合には、第2の遊技回の開始時に、第2の遊技回と第1の遊技回の各変動時間の差分の時間(余剰時間)を用いて、予め用意した示唆演出を行うとしてもよい。余剰時間の長さ毎に、複数種類の示唆演出を用意することによって、余剰時間が毎回異なる場合であっても、第2の遊技回の開始時に示唆演出を実行することができる。余剰時間を用いて実行する示唆演出は、第1の遊技回後の特別遊技状態において実行する示唆演出後に実行されることになる。従って、特別遊技状態において実行する示唆演出と、余剰時間を用いて実行する示唆演出とが、連続性を持った内容になるように、余剰時間を用いて実行する示唆演出の内容を設定するとしてもよい。このようにすることで、第1の遊技回より第2の遊技回の方が長い場合でも、第2の遊技回において遊技回再現演出を遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
また、第1の遊技回より第2の遊技回の方が短い場合には、第1の遊技回で実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出の一部のみを遊技回再現演出として実行するとしてもよい。例えば、遊技回再現演出として予告演出、リーチ演出および結果告知演出を実行する際に、リーチ演出および結果告知演出を優先的に再現し、予告演出の一部または全部を省略して遊技回再現演出を実行してもよい。通常時に高い頻度で実行される予告演出については一部または全部を省略し、リーチ時または大当たり時にしか実行されないリーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を優先的に再現することによって、遊技者が再現を強く望む演出を優先的に再現することができる。
図9(b)に示すように、第2の遊技回の終了後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態のオープニング演出において、特定開始演出を実行する。特定開始演出は、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選であり、かつ、第2の遊技回において遊技回再現演出を実行した場合に、その後の特別遊技状態のオープニング演出として実行される。
図10(c)は、特定開始演出の一例を示している。図に示した特定開始演出は、女性キャラクターが、第2の遊技回における大当たり抽選に当選していること示唆する演出であるとともに、第2の遊技回の大当たりに起因して特別遊技状態(開閉実行モード)が開始されることを示唆する演出である。パチンコ機10は、特定開始演出を実行した後、開閉実行モード、および、エンディング演出を実行する。この場合の、開閉実行モード時に実行される演出およびエンディング演出(通常エンディング演出)は、通常の大当たり時に実行される演出である。エンディング演出として実行される通常エンディング演出は、特別遊技状態が終了することを示唆する演出である。
以上、パチンコ機10が実行する処理について、ケースa1、ケースa2の2つのケースを用いて説明した。ケースa1で説明したように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が外れの場合には、示唆演出の後に実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、第1の遊技回で実行した演出を再現する特別遊技状態再現演出として実行され、遊技者も既に実行された演出を再現する演出であると認識する。一方、ケースa2のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合には、示唆演出の後に実行される予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、演出上は既に実行された演出を再現する演出として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行された遊技回再現演出である。先にケースa1における特別遊技状態再現演出を鑑賞していた場合、遊技者は、ケースa2の第2の遊技回における遊技回再現演出を、ケースa1と同様に、第1の遊技回において実行された演出の再現にすぎないと認識するとともに、第2の遊技回に係る大当たり抽選において当選していることを予期しにくい。このような状態において、第2の遊技回において予告演出およびリーチ演出が実行された後に、結果告知演出によって第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることが告知されると、遊技者は、その時点ではじめて、第2の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出が、単なる第1の遊技回で実行された演出が再現されたものではなく、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行されたものであることを認識する。このようにケースa1における特別遊技状態再現演出およびケースa2における遊技回再現演出を実行することによって、遊技に意外性を付与するとともに、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する演出について、遊技者に期待感を付与することができる。また、ケースa2における第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、ケースa2の場合、第2の遊技回における大当たり抽選が当選しているにも関わらず、第1の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する示唆演出を実行するので、より一層、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。従って、さらに遊技に意外性を付与することができる。
また、ケースa2のように、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出をそのまま再現して第2の遊技回において実行すると、第2の遊技回における結果告知演出が実行されても、第2の遊技回における大当たり抽選に当選していることに遊技者が気付かない可能性があるが、第2の遊技回の終了後に、特別遊技状態において特定開始演出を実行するので、当該特定開始演出を実行した時点で、遊技者に、第2の遊技回における大当たり抽選に当選したことを認識させることができる。
A4.待機状態における処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が待機状態において実行する処理の概要について説明する。待機状態とは、遊技回が終了した後の状態であって特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されていない状態をいう。
図11は、本実施形態のパチンコ機10が待機状態において実行する処理の一例を示すタイミングチャートである。この図11には、メイン表示部45に表示される図柄が変動中であるか否かを示す状態図と、図柄表示装置41の表示態様と、音声発光制御装置90から出力される音声の出力内容と、音声の出力レベル(音量)とが示されている。また、図11には、主制御装置60における待機状態フラグのON、OFFの状態と、主制御装置60における移行条件成立フラグのON、OFFの状態と、音声発光制御装置90における頭出し判定フラグのON、OFFの状態とが示されている。これらのフラグについては後述する。
図柄表示装置41の表示態様に記載されている「01」等の数字は、動画データの時間的位置を示しており、「01」は、動画データの先頭位置を示している。動画データの時間的位置とは、時間的長さをもって表示される動画の各時間に対応した動画データの位置であり、動画データを時間的な長さでとらえた場合における動画の時間的位置に対応した動画データの位置である。動画データの時間的位置として、例えば、動画データに記録されたタイムコードを用いることができる。本実施形態では、背景動画の動画データは、「30」の時間的位置まで表示されると、再び「01」の時間的位置に戻って先頭から表示される。
音声の出力内容に記載されている「01」等の数字は、音楽データの時間的位置を示しており、「01」は、音楽データの先頭位置を示している。音楽データの時間的位置とは、時間的長さをもって出力される音楽の各時間に対応した音楽データの位置であり、音楽データを時間的な長さでとらえた場合における音楽の時間的位置に対応した音楽データの位置である。音楽データの時間的位置として、例えば、音楽データに記録されたタイムコードを用いることができる。本実施形態では、背景音楽の音楽データは、「30」の時間的位置まで出力されると、再び「01」の時間的位置に戻って先頭から出力される。
表示制御装置100は、大当たり抽選の結果に対応した表示を行なう遊技回において背景動画を図柄表示装置41に表示させるとともに、遊技回が終了した後の待機状態においても、図柄表示装置41に背景動画を継続して表示させる。背景動画は、図柄表示装置41において図柄の背景側に表示される動画であり、上述した予告演出やリーチ演出等の画像や動画が表示された場合には、これらの画像や動画の背景側に表示される。本実施形態の背景動画は、後述する背景音楽のリズムに合わせてキャラクターが踊っている動画である。
音声発光制御装置90は、遊技回において上述した背景動画に対応した背景音楽(BGM:Background Music)をスピーカー46から出力させるとともに、遊技回が終了した後の待機状態においても、スピーカー46から背景音楽を継続して出力させる。本実施形態では、背景音楽は、背景動画に対応して継続して出力される音楽であり、背景動画と同じ時間的長さを有している。したがって、本実施形態では、例えば、時間的位置「10」の背景動画が表示されているタイミングにおいて時間的位置「10」の背景音楽が出力されることによって、背景動画の表示と背景音楽のリズムとが一対一に対応した演出が実現される。
図11に示すように、主制御装置60は、遊技回が終了すると、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動が停止すると、待機状態フラグをONにする(時刻t1)。そして、主制御装置60は、メイン表示部45における図柄の変動が停止して待機状態となった後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合、すなわち、待機状態フラグがONになってから15秒が経過した場合に、移行条件が成立したと判定し、移行条件成立フラグをONにするとともに、待機状態フラグをOFFにする(時刻t2)。
移行条件は、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様から、背景音楽の音量がゼロである態様(消音状態)に移行させるとともに、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様から、デモ動画を表示する態様に移行させる条件である。すなわち、移行条件が成立すると、音声の出力態様は、背景音楽の連続性が断たれた態様に移行し、図柄表示装置41の表示態様は、背景動画の連続性が断たれた態様に移行する。なお、デモ動画(デモンストレーション動画)は、背景動画とは異なる動画であって、当該パチンコ機10の魅力を遊技者に伝えるための動画である。例えば、デモ動画では、パチンコ機10の機種名が表示されたり、パチンコ機10の遊技方法が説明されたり、パチンコ機10に登場するキャラクターやストーリー等が説明される。なお、デモ動画は、アトラクト動画と呼ばれる場合もある。
図11に示すように、時刻t2において移行条件が成立した場合には、音声発光制御装置90は、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様(時刻t2までの態様)から、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減(フェードアウト)する態様(時刻t2から時刻t3までの態様)を経て、背景音楽の音量がゼロである態様(時刻t3以降の態様)に移行させる。なお、本実施形態では、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過するまでは背景音楽の出力自体は継続し、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過したタイミング(時刻t4)で、背景音楽の出力を停止する。また、図11に示した例では、遊技球によって予め設定された音量は、最大の音量となっている。
表示制御装置100は、移行条件が成立した場合には、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになってから5秒経過後に、デモ動画を表示する態様に移行させる(時刻t4)。音声発光制御装置90は、デモ動画の表示が開始されるタイミングにおいて、頭出し判定フラグをONにする(時刻t4)。頭出し判定フラグは、後述する復帰条件が成立した場合に、背景動画および背景音楽を、これらの時間的な先頭位置「01」から表示および出力を開始させるか否かを判定するためのフラグである。本実施形態では、頭出し判定フラグは、音声の出力態様が背景音楽の連続性が断たれた態様に移行し、かつ、図柄表示装置41の表示態様が背景動画の連続性が断たれた態様に移行した場合にONにされる。
主制御装置60は、移行条件が成立した後において、遊技球が第1始動口33または第2始動口34に入球して遊技回(図柄の変動表示)が開始されると、復帰条件が成立したと判定するとともに、移行条件成立フラグをOFFにする。復帰条件は、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させるとともに、音声の出力態様を、遊技者によって予め設定された音量で背景音楽が出力されている態様に復帰させる条件である。
図11に示すように、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後(時刻t5)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがONであるため、表示制御装置100および音声発光制御装置90は、背景動画および背景音楽の頭出し処理を実行する。具体的には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画および背景音楽は、共に時間的な先頭位置から表示および出力が開始される。
なお、音声発光制御装置90は、複数種類の背景音楽を出力可能であり、背景音楽および背景動画について頭出し処理(時間的な先頭位置「01」から音楽の出力または動画の表示を開始する処理)を実行する際には、頭出し処理を実行する対象の背景音楽の種類を抽選によってランダムに選択する構成とし、表示制御装置100は、複数種類の背景音楽に対応した複数種類の背景動画を表示可能であり、選択された背景音楽に対応した背景動画を選択して頭出し処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、複数種類の背景音楽および背景動画を遊技者に鑑賞させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
図12は、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図12に示すように、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前(時刻t4)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがOFFであるため、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行する。このようにして、図柄表示装置41の表示態様および音声の出力態様は、移行条件が成立する前の態様に復帰する。
図13は、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図13に示すように、背景音楽の音量を低減中(時刻t3)に復帰条件が成立した場合には、頭出し判定フラグがOFFであるため、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行する。このようにして、図柄表示装置41の表示態様および音声の出力態様は、移行条件が成立する前の態様に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図11)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合に、デモ動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた背景動画の時間的位置から当該背景動画の表示を開始する構成や、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる際に、表示を開始する背景動画の時間的位置をデモ動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行した後においても背景動画の再生を内部処理として継続するとともに、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰する際には内部処理として継続して再生している背景動画を表示する構成等が挙げられる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図11)に、表示制御装置100は、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、背景動画および背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画および背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合(図12)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合(図13)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合に移行条件が成立したと判定するので、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において背景音楽の音量を時間の経過と共に低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、待機状態において遊技回が開始される場合に復帰条件が成立したと判定し、図柄表示装置41の表示態様が背景動画を表示する態様に復帰するとともに、音声の出力態様が遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様に復帰するので、遊技回が開始されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
A5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、ケースa1およびケースa2に示した処理をパチンコ機10において実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図14は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS101では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS102に進む。
ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS103に進む。
ステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS104に進む。
ステップS104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS104を実行した後、ステップS105に進む。
ステップS105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図14:S104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図15は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S201:YES)、ステップS202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS209に進む。
ステップS201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S201:NO)、ステップS205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S205:YES)、ステップS206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS207に進む。一方、ステップS205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS208に進む。
ステップS208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS209に進む。
ステップS209では、上述したステップS204又はステップS208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S209:YES)、ステップS210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS212に進む。
ステップS212では、ステップS103(図14)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS103(図14)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS103(図14)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS212を実行した後、ステップS213に進む。
ステップS213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS213を実行した後、ステップS214に進む。
ステップS214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図18:ステップS503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図15:S213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図16は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS301では、始動口用の入賞処理(図15)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS302に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS302において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S302:YES)、ステップS303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS302において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S302:NO)、ステップS304に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S305:YES)、ステップS306に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS307を実行した後、ステップS308に進む。
ステップS308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S308:YES)、ステップS309に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S308:NO)、ステップS310に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S305:NO)、ステップS311に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S313:YES)、ステップS314に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図14:S105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図17は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS401において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S401:YES)、ステップS402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS401において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S401:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S402:YES)、ステップS403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、ステップS103(図14)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図18は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS502に進む。
ステップS502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS503に進む。
ステップS503では、ステップS502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS503を実行した後、ステップS504に進む。
ステップS504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS505に進む。
ステップS505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS506に進む。ステップS506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS506を実行した後、ステップS507に進む。
ステップS507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS508に進む。
ステップS508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS509に進む。
ステップS509では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。待機用処理の詳細は後述する。その後、ステップS510に進む。
ステップS510では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S510:NO)、ステップS511及びステップS512において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS511において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS512において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS510において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S510:YES)、ステップS503に戻り、ステップS503からステップS508までの各処理を実行する。
なお、ステップS503からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図18:S506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図19は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS601では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS601においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S601:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS601において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S601:NO)、ステップS602に進む。
ステップS602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S602:NO)、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。ステップS603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S603:NO)、ステップS604に進む。
ステップS604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS606に進む。
ステップS606では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS606を実行した後、ステップS607に進む。
ステップS607では、待機状態フラグをOFFにする。待機状態フラグは、待機状態が開始されたタイミングでONにされ、メイン表示部45の変動表示が開始されたタイミング又は待機状態が開始されてから15秒が経過したタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS607を実行した後、ステップS608に進む。
ステップS608では、移行条件成立フラグがONであるか否かを判定する。移行条件成立フラグは、待機状態が開始されてから15秒が経過したタイミングでONにされ、メイン表示部45の変動表示が開始されたタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS608において、移行条件成立フラグがONであると判定した場合には(S608:YES)、ステップS609に進む。一方、ステップS608において、移行条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S608:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップS609では、復帰条件成立コマンドを設定する。復帰条件成立コマンドは、メイン表示部45の変動表示が開始されたこと、すなわち復帰条件が成立したことをサブ側の各制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップS609を実行した後、ステップS610に進む。
ステップS610では、移行条件成立フラグをOFFにする。その後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S602:YES)、ステップS611〜ステップS615の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS611では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS611では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図22)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS611において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S611:NO)、ステップS612に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS612を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS611において、変動時間が経過していると判定した場合には(S611:YES)、ステップS613に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図21)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS613を実行した後、ステップS614に進む。
ステップS614では、待機状態フラグをOFFにする。その後、ステップS615に進み、待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア64dに記憶されている待機状態タイマカウンタTwに「7500」(すなわち、15.0sec)をセットする。待機状態タイマカウンタTwは、待機状態が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS615を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図19:S604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図20は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS701:YES)、ステップS702〜ステップS707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS701:NO)、ステップS708〜ステップS713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS704に進む。ステップS704では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS705に進む。
ステップS705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS705を実行した後、ステップS706に進む。
ステップS706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS707へ進む。
ステップS707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS701:NO)、ステップS708に進む。
ステップS708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS709に進む。ステップS709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS711に進む。
ステップS711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS711を実行した後、ステップS712に進む。
ステップS712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS713に進む。
ステップS713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図19:S605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS801において、高確率モードであると判定した場合には(S801:YES)、ステップS802に進む。
ステップS802では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS804に進む。一方、ステップS801において高確率モードではないと判定した場合には(S801:NO)、ステップS803に進む。
ステップS803では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS804に進む。
ステップS804では、ステップS802又はステップS803における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS804において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S804:YES)、ステップS805〜ステップS812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS805では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS805において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S805:NO)、ステップS806に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS805において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S805:YES)、ステップS807に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS806又はステップS807の処理を実行した後。ステップS808に進む。
ステップS808では、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS808において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S808:YES)、ステップS809に進む。
ステップS809では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS809を実行した後、ステップS810に進む。
ステップS810では、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS814に進む。
ステップS808において、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S808:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS811に進む。
ステップS811では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS811を実行した後、ステップS812に進む。
ステップS812では、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS814に進む。
ステップS804において、ステップS802又はステップS803における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S804:NO)、ステップS813に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS813を実行した後、ステップS814に進む。
ステップS814では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS814を実行した後、ステップS815に進む。
ステップS815では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS815において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S815:NO)、ステップS816に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS814で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS815において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S815:YES)、ステップS817に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS814で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS816又はステップS817を実行した後、ステップS818に進む。
ステップS818では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS816〜ステップS818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS818を実行後、ステップS819に進む。
ステップS819では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS819を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図21:S814)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図22は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS902に進む。
ステップS902では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S902:YES)、ステップS903に進む。
ステップS903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS902において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S902:NO)、ステップS905に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS902において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S905)を実行することから、ステップS905においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S905:YES)、ステップS906に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS906では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS905において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S905:NO)、ステップS907に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS904に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図18:S507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図23は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS1001では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、図9で説明したように、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS1001において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S1001:NO)、ステップS1002に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS1002において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S1002:NO)、ステップS1003に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS1003において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S1003:NO)、ステップS1004に進み、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1004において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S1004:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1004において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S1004:YES)、ステップS1005に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S1005:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1005において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S1005:YES)、ステップS1006に進み、待機状態フラグをOFFにするとともに、ステップS1007に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS1008を実行した後、ステップS1009に進む。
ステップS1009では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS503にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1009を実行した後、ステップS1010に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1003において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S1003:YES)、ステップS1011に進む。
ステップS1011では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1011において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S1011:YES)、ステップS1012に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS1013に進む。
ステップS1013では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS1013を実行した後、ステップS1014に進む。
ステップS1014では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R確変フラグ)を確認する。ステップS1014において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S1014:YES)、ステップS1015に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、ステップS1014において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S1014:NO)、ステップS1016に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS1015又はステップS1016を実行した後、ステップS1017に進む。
ステップS1017では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1002において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S1002:YES)、ステップS1018に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS1018を実行した後、ステップS1019に進む。
ステップS1019では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1019:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1019:YES)、ステップS1020に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS1020を実行した後、ステップS1021に進む。
ステップS1021では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS1021を実行した後、ステップS1022に進む。
ステップS1022では、条件判定処理を実行する。条件判定処理は、図9に示したケースa2の場合に該当するか否かを判定する処理である。具体的には、次回の遊技回において大当たり抽選に当選することにより、エンディング期間において示唆演出を実行し、次回の遊技回の変動時間において今回の遊技回において実行した演出(予告演出、リーチ演出および結果告知演出(大当たり告知))の再現を実行する処理を行うか否かを判定する。条件判定処理については、後述する。ステップS1022を実行した後、ステップS1023に進む。
ステップS1023では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。エンディング時間設定処理については後述する。ステップS1023を実行した後、ステップS1024に進む。
ステップS1024では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS1024を実行した後、ステップS1025に進む。
ステップS1025では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1001において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S1001:YES)、ステップS1026に進む。
ステップS1026では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S1023)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。なお、第4タイマカウンタエリアT4の値は、後述するエンディング時間設定処理(図25)において設定される。ステップS1026において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S1026:YES)、ステップS1027に進む。
ステップS1027では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS1028に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS1028を実行した後、ステップS1029に進む。
ステップS1029では、待機状態フラグをONにする。その後、ステップS1030に進み、待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア64dに記憶されている待機状態タイマカウンタTwに「7500」(すなわち、15.0sec)をセットする。ステップS1030を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS1026において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S1026:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図23:1017)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS1101において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S1101:NO)、ステップS1102に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1102:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1102において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1102:NO)、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1103:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1103において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S1103:YES)、ステップS1104に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS1105を実行した後、ステップS1106に進む。
ステップS1106では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS1101において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS1101:YES)、ステップS1107に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1107において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1107:NO)、ステップS1108に進む。
ステップS1108では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS1108において、入賞が発生していないと判定した場合には(S1108:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1108において、入賞が発生していると判定した場合には(S1108:YES)、ステップS1109に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS1110に進む。
ステップS1110では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1110において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S1110:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1107において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S1107:YES)、又は、ステップS1110において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S1110:YES)、ステップS1111に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS1112に進む。
ステップS1112では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS1113に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1113:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1113において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1113:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1114を実行した後、ステップS1115に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<条件判定処理>
次に、条件判定処理について説明する。条件判定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図23:S1022)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上記のように、条件判定処理は、図9に示したケースa2の場合に該当するか否かを判定する処理である。ケースa2の処理を実行可能とする条件は、第1の遊技回における大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回における大当たり抽選にも当選することである。本条件判定処理は、遊技回で大当たり抽選に当選した後の開閉実行モードの終了直前に実行され、次回の遊技回において大当たり抽選に当選するか否かを判定する処理である。
図25は、条件判定処理を示すフローチャートである。ステップS1201では、保留個数CRN>0であるか否かを判定する。本処理を実行することによって、第1の遊技回後の特別遊技状態を実行時において、当該特別遊技状態の直後に遊技回が存在するか否かを確認する。遊技回が存在しない場合には、示唆演出の直後に遊技回再現演出を実行可能な第2の遊技回に相当する遊技回が存在しないことになり、ケースa2の処理の実行は不可能となる。
ステップS1201において、保留個数CRN>0であると判定した場合には(S1201:YES)、ステップS1202に進む。一方、ステップS1201において、保留個数CRN>0ではないと判定した場合には(S1201:NO)、そのまま本条件判定処理を終了する。
ステップS1202では、次の遊技回に係る大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。具体的には、始動口用の入賞処理(図15)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS1203に進む。
ステップS1203では、通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。当該処理を実行することによって、次の遊技回に係る大当たり抽選が高確率モードにおいて実行されるのか、低確率モードにおいて実行されるのかを判定する。
ステップS1203において、通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(S1203:YES)、ステップS1204に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS1206に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS1203において、通常大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1203:NO)、ステップS1205に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS1206に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS1206において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S1206:YES)、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、演出重複回避フラグがONであるか否かを判定する。演出重複回避フラグは、ケースa2(図9)の場合に、第2の遊技回の後の特別遊技状態のエンディング期間において、第2の遊技回で実行した遊技回再現演出を、さらに再現して実行しないようにするために用いられるフラグである。ステップS1207において、演出重複回避フラグがONではないと判定した場合には(S1207:NO)、ステップS1208に進み、条件成立フラグをONにする。その後、ステップS1209に進む。
ステップS1209では、条件成立コマンドを設定する。条件成立コマンドは、条件成立フラグがONであることをサブ側である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。条件成立コマンドは、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)によって、音声発光制御装置90に送信される。その後、条件判定処理を終了する。
一方、ステップS1206において今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していないと判定した場合には(S1206:NO)、または、ステップS1207において演出重複回避フラグがONであると判定した場合には(S1207:YES)、そのまま本条件判定処理を終了する。
<エンディング時間設定処理>
次に、エンディング時間設定処理について説明する。エンディング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図23:S1023)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図26は、エンディング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS1301では、演出重複回避フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS1301において、演出重複回避フラグがONではないと判定した場合には(S1301:NO)、ステップS1302に進み、条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1302において、条件成立フラグがONであると判定した場合には(S1302:YES)、ステップS1303に進む。
ステップS1303では、エンディング時間のタイマである第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(6sec)をセットする。ステップS1303の処理は、図9のケースa2の場合の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa2の場合は、エンディング期間で示唆演出のみを実行し、第1の遊技回で実行した演出の再現は実行しない。よって本実施形態では、示唆演出の実行に必要なエンディング時間として6秒を確保する。ステップS1303を実行した後、ステップS1304に進み、条件成立フラグをOFFにする。その後、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、演出重複回避フラグをONにする。その後、本エンディング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS1302において、条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S1302:NO)、ステップS1306に進む。
ステップS1306では、第4タイマカウンタエリアT4に「15000」(30sec)をセットする。ステップS1306の処理は、図9のケースa1の場合の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa1の場合は、エンディング期間で示唆演出および特別遊技状態再現演出を実行する。よって本実施形態では、示唆演出および特別遊技状態再現演出の実行に必要なエンディング時間として30秒を確保する。なお、本実施形態においては、示唆演出に必要な時間は6秒で一定であり、特別遊技状態再現演出に必要な時間は24秒で一定である。ステップS1303を実行した後、本エンディング時間設定処理を終了する。
ステップS1301において、演出重複回避フラグがONであると判定した場合には(S1301:YES)、ステップS1307に進み、演出重複回避コマンドを設定する。演出重複回避コマンドは、演出重複回避フラグがONであることをサブ側である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。演出重複回避コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図18:ステップS503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS1307を実行した後、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、第4タイマカウンタエリアT4に「4000」(8sec)をセットする。ステップS1308の処理は、図9のケースa2の場合の、第2の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング時間を設定する処理である。ケースa2の場合は、エンディング期間で、通常のエンディング演出を実行する。よって本実施形態では、通常エンディング演出の実行に必要なエンディング時間として8秒を確保する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図23:S1028)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図27は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS1401では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS1401において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S1401:YES)、ステップS1402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS1402を実行した後、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS1404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS1410に進む。
一方、ステップS1401において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S1401:NO)、ステップS1407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS1408に進む。
ステップS1408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS1409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図18:S508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS1501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS1501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S1501:NO)、ステップS1502に進む。
ステップS1502では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS1502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S1502:NO)、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS1503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1503:YES)、ステップS1504に進む。
ステップS1504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S1504:YES)、ステップS1505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS1504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S1504:NO)、ステップS1506に進む。
ステップS1506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS1506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S1506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S1506:YES)、ステップS1507に進む。
ステップS1507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS1508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1507において開閉実行モードではなく(S1507:NO)、且つ、ステップS1508において高頻度サポートモードである場合には(S1508:YES)、ステップS1509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS1510に進む。
ステップS1510では、ステップS1509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S1510:YES)、ステップS1511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS1512に進む。一方、ステップS1510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S1510:NO)、ステップS1511の処理を実行することなく、ステップS1512に進む。
ステップS1512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS1512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S1512:YES)、ステップS1513に進む。一方、ステップS1512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S1512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS1513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S1513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS1514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS1515に進む。
ステップS1515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS1515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS1507において開閉実行モードであると判定した場合(S1507:YES)、又は、ステップS1518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S1508:NO)、ステップS1516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS1517に進む。
ステップS1517では、ステップS1516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1517において、サポート当選でないと判定した場合には(S1517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1517において、サポート当選であると判定した場合には(S1517:YES)、ステップS1518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S1502:YES)、ステップS1519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1519:YES)、ステップS1520に進む。
ステップS1520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS1521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S1501:YES)、ステップS1522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図28:S1522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS1601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S1601:YES)、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS1602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1602:YES)、ステップS1603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS1603を実行した後、ステップS1604に進む。
ステップS1604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS1605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S1605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S1605:YES)、ステップS1606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS1601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S1601:NO)、ステップS1607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S1607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S1607:YES)、ステップS1608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS1609に進む。
ステップS1609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S1609:NO)、ステップS1610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS1610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S1610:YES)、ステップS1611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS1609において開閉実行モードであると判定した場合(S1609:YES)、又は、ステップS1610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S1610:NO)、ステップS1612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
<待機用処理>
次に、待機用処理について説明する。待機用処理は、通常処理のサブルーチン(図18:S509)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、待機用処理を示すフローチャートである。ステップS1701では、待機状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1701において、待機状態フラグがONであると判定した場合には(S1701:YES)、ステップS1702に進む。一方、ステップS1701において、待機状態フラグがONではないと判定した場合には(S1701:NO)、本待機用処理を終了する。
ステップS1702では、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したか否かを判定する。具体的には、待機状態タイマカウンタTwの値が0であるか否かを判定し、待機状態タイマカウンタTwの値が0であれば、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したと判定する。ステップS1702において、待機状態フラグがONになってから15秒が経過したと判定した場合には、ステップS1703に進む。一方、ステップS1702において、待機状態フラグがONになってから15秒が経過していないと判定した場合には、本待機用処理を終了する。
ステップS1703では、待機状態フラグをOFFにするとともに、ステップS1704に進み、移行条件成立フラグをONにする。その後、ステップS1705に進み、移行条件成立コマンドを設定する。移行条件成立コマンドは、待機状態が開始されてから15秒が経過したこと、すなわち移行条件が成立したことをサブ側の各制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップS1705を実行した後、本待機用処理を終了する。
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図31は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
A7.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図32は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1801では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS1801を実行した後、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1802を実行した後、ステップS1803に進む。
ステップS1803では、待機状態において音声の出力レベル(音量)を低減したり、デモ動画を開始させるための待機状態移行処理を実行する。待機状態移行処理の詳細については後述する。ステップS1803を実行した後、ステップS1804に進む。
ステップS1804では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS1802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS1804を実行した後、ステップS1805に進む。
ステップS1805では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS1802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS1805を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図32:S1802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図33は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1901では、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1901において、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信していると判定した場合には(S1901:YES)、ステップS1902に進み、立ち上げコマンド対応処理を実行する。立ち上げコマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1902を実行した後、ステップS1903に進む。一方、ステップS1901において、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信していないと判定した場合には(S1901:NO)、ステップS1902を実行せずにステップS1903に進む。
ステップS1903では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1903において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S1903:YES)、ステップS1904に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1904を実行した後、ステップS1905に進む。一方、ステップS1903において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S1903:NO)、ステップS1904を実行せずにステップS1905に進む。
ステップS1905では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1905において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S1905:YES)、ステップS1906に進む。一方、ステップS1905において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1905:NO)、ステップS1907に進む。
ステップS1906では、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行される予告演出や、リーチ演出、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS1906を実行した後、ステップS1907に進む。
ステップS1907では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1907において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1907:YES)、ステップS1908に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS1909に進む。
ステップS1909では、開閉実行モード演出設定処理を実行する。開閉実行モード演出設定処理では、オープニングコマンドに含まれているラウンド数の情報や大当たり種別の情報に基づいて、開閉実行モードにおいて実行する演出の内容を設定する。ステップS1909を実行した後、ステップS1910に進む。
ステップS1907において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1907:NO)、ステップS1908およびステップS1909を実行せずにステップS1910に進む。
ステップS1910では、主側MPU62から条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1910において、主側MPU62から条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S1910:YES)、ステップS1911に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音光側条件成立フラグをONにする。ステップS1911を実行した後、ステップS1912に進む。一方、ステップS1910において、条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S1910:NO)、ステップS1911を実行せずにステップS1912に進む。
ステップS1912では、主側MPU62から演出重複回避コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1912において、主側MPU62から演出重複回避コマンドを受信していると判定した場合には(S1912:YES)、ステップS1913に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音光側演出重複フラグをONにする。ステップS1913を実行した後、ステップS1914に進む。一方、ステップS1912において、演出重複回避コマンドを受信していないと判定した場合には(S1912:NO)、ステップS1913を実行せずにステップS1914に進む。
ステップS1914では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1914おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1914:YES)、ステップS1915に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれているエンディング時間に関する情報や、音光側条件成立フラグのON/OFFの情報に基づいて、エンディング期間におけるエンディング演出の内容を設定する処理である。エンディング演出設定処理については後述する。ステップS1915を実行した後、ステップS1920に進む。
ステップS1914において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1914:NO)、ステップS1915を実行せずにステップS1916に進む。
ステップS1916では、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1916において、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S1916:YES)、ステップS1917に進み、音量低減フラグをONにする。音量低減フラグは、各種フラグ記憶エリア94aに記憶されており、音声の出力レベル(音量)を低減する処理を開始させるタイミングでONにされ、音声の出力レベル(音量)がゼロになったタイミングでOFFにされるフラグである。ステップS1917を実行した後、ステップS1918に進む。一方、ステップS1916において、主側MPU62から移行条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S1916:NO)、ステップS1917を実行せずにステップS1918に進む。
ステップS1918では、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1918において、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S1918:YES)、ステップS1919に進み、復帰条件成立フラグをONにする。復帰条件成立フラグは、各種フラグ記憶エリア94aに記憶されており、音声の出力レベル(音量)を復帰させる処理や、デモ動画を終了させる処理を開始させる場合にONにされ、音声の出力レベル(音量)が復帰し、デモ動画が終了した場合にOFFにされるフラグである。ステップS1919を実行した後、ステップS1920に進む。一方、ステップS1918において、主側MPU62から復帰条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S1918:NO)、ステップS1919を実行せずにステップS1920に進む。
ステップS1920では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、高頻度サポートモードコマンド、低頻度サポートモードコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS1920を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<立ち上げコマンド対応処理>
次に、立ち上げコマンド対応処理について説明する。立ち上げコマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図34は、立ち上げコマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、立ち上げコマンド対応処理は、主側MPU62から立ち上げコマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、立ち上げコマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2001では、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドは、表示側MPU102にデモ動画の表示を開始させるためのコマンドである。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS2001を実行した後、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、デモ動画表示中フラグをONにする。デモ動画表示中フラグは、デモ動画が図柄表示装置41に表示されていることを示すフラグであり、デモ動画の表示が開始された場合にONにされ、デモ動画の表示が終了した場合にOFFにされるフラグである。ステップS2002を実行した後、ステップS2003に進む。
ステップS2003では、頭出し判定フラグをONにする。頭出し判定フラグは、上述したように、復帰条件が成立して背景音楽の出力および背景動画の表示を開始する際に、背景音楽および背景動画の時間的な先頭位置から出力および表示を開始するか否かを判定するためのフラグである。復帰条件が成立したタイミングにおいて頭出し判定フラグがONの場合には、背景音楽の出力および背景動画の表示を開始する際に、背景音楽および背景動画の時間的な先頭位置から出力および表示を開始する。ステップS2003を実行した後、本立ち上げコマンド対応処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1904)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図35は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2101では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS2101の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS2101を実行した後、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS2101において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップS2102を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図35:S2101)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図36は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS2201では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS2201において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S2201:YES)、ステップS2202に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS2202を実行した後、ステップS2204に進む。
ステップS2201において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S2201:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS2203に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS2203を実行した後、ステップS2204に進む。
ステップS2202及びステップS2203の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS2204では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS2204を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1906)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図37は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS2301では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS2302に進む。
ステップS2302では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2302において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S2302:NO)、ステップS2303に進む。
ステップS2303では、演出種別の設定処理を実行する。ステップS2303において実行する演出種別の設定処理は、遊技回における予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。演出種別の設定処理については後述する。ステップS2303を実行した後、ステップS2304に進む。
ステップS2304では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS2304を実行した後、ステップS2305に進む。
ステップS2305では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS2304において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS2306に進む。
ステップS2306では、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選している否かを判定する。具体的には、受信した変動用コマンドに基づいて大当たりの有無を判定する。ステップS2306において、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選していると判定した場合には(S2306:YES)、ステップS2307に進む。
ステップS2307では、今回の遊技回において設定された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を記憶する。具体的には、ステップS2303の演出設定処理における設定内容を記憶する。本処理は、大当たり抽選に当選した遊技回における演出を再現するために行われる。ステップS2307を実行した後、ステップS2312に進む。一方、ステップS2306において、今回の遊技回に係る大当たり抽選に当選していないと判定した場合には(S2306:NO)、ステップS2307を実行せずにステップS2312に進む。
ステップS2302において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S2302:YES)、ステップS2308に進む。すなわち、図9で説明したケースa2に相当する処理を実行すると判定した場合に、ステップS2308に進む。
ステップS2308では、前回の遊技回に係る演出設定処理のステップS2307で記憶された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を読み出す。その後、ステップS2309に進む。
ステップS2309では、ステップS2308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、演出種別の設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において実行された演出と同じ内容の演出を設定する。その後、ステップS2310に進む。
ステップS2310では、ステップS2308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、停止図柄の設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において表示した停止図柄と同じ内容の停止図柄を設定する。その後、ステップS2311に進む。
ステップS2311では、ステップS2308で読み出した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報に基づいて、変動表示パターンの設定処理を実行する。すなわち、前回の遊技回において表示した変動表示パターンと同じ内容の変動表示パターンを設定する。その後、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、今回の遊技回において設定された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップS2313に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS2313を実行した後、ステップS2314に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図37:S2314)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図38は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS2401では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(S2401:YES)、ステップS2402に進み、音光側RAM94に記憶されている第1保留個数カウンタを1減算する。その後、ステップS2404に進む。
一方、ステップS2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(S2401:NO)、ステップS2403に進み、音光側RAM94に記憶されている第2保留個数カウンタを1減算する。その後、ステップS2404に進む。
ステップS2404では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<オープニング演出設定処理>
次に、オープニング演出設定処理について説明する。オープニング演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1908)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図39は、オープニング演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS2501では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2501において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S2501:NO)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、通常の開始演出をオープニング演出として設定する。本実施形態においては、図9のケースa2において説明したように、特別遊技状態におけるオープニング演出として、特定開始演出(図10(c)参照)のように特別な場合にのみ実行するオープニング演出を用意している。ステップS2502においては、このようなケースa2のような特別な場合以外に実行する開始演出(通常の開始演出)をオープニング演出として設定する。ステップS2502を実行した後、ステップS2505に進む。
ステップS2501において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S2501:YES)、ステップS2503に進む。ステップS2503では、特定開始演出をオープニング演出として設定する。ステップS2503を実行した後、ステップS2504に進み、音光側条件成立フラグをOFFにする。その後、ステップS2505に進む。
ステップS2505では、オープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。オープニング演出コマンドには、ステップS2502またはステップS2503において設定したオープニング演出の情報が含まれる。表示側MPU102は、受信したオープニング演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS2505を実行した後、本オープニング演出設定処理を終了する。
<エンディング演出設定処理>
次に、エンディング演出設定処理について説明する。エンディング演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1915)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図40は、エンディング演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS2601では、音光側演出重複フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2601において、音光側演出重複フラグがONではないと判定した場合には(S2601:NO)、ステップS2602に進む。
ステップS2602では、音光側条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2602において、音光側条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S2602:NO)、ステップS2603に進む。すなわち、図9のケースa1の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(示唆演出、特別遊技状態再現演出および特定終了演出)を実行すると判定した場合に、ステップS2603に進む。
ステップS2603では、演出設定処理(図37)のステップS2307において記憶された演出種別、停止図柄、変動表示パターンの情報を読み出す。その後、ステップS2604に進む。
ステップS2604では、ステップS2603において読み出した情報から、特別遊技状態再現演出を構築する。その後、ステップS2605に進み、示唆演出、特別遊技状態再現演出、特定終了演出をエンディング演出として設定する。すなわち、図9のケースa1における第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間で実行する演出を設定する。その後、ステップS2609に進む。
一方、ステップS2602において、音光側条件成立フラグがONであると判定した場合には(S2602:YES)、ステップS2606に進む。すなわち、図9のケースa2の第1の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(示唆演出)を実行すると判定した場合に、ステップS2606に進む。
ステップS2606では、示唆演出をエンディング演出として設定する。その後、ステップS2609に進む。
ステップS2601において、音光側演出重複フラグがONであると判定した場合には(S2601:YES)、ステップS2607に進む。すなわち、図9のケースa2の第2の遊技回後の特別遊技状態におけるエンディング期間に相当する演出(通常エンディング演出)を実行すると判定した場合に、ステップS2607に進む。
ステップS2607では、通常エンディング演出をエンディング演出として設定する。上述のように、通常エンディング演出は、特別遊技状態が終了することを示唆する演出である。その後、ステップS2608に進む。
ステップS2608では、音光側演出重複フラグをOFFにして、その後、ステップS2609に進む。
ステップS2609では、ステップS2605、ステップS2606またはステップS2607で設定した演出内容に対応した情報を含むエンディング演出コマンドを、表示制御装置100の表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信したエンディング演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS2609を実行した後、本エンディング演出設定処理を終了する。
なお、本実施形態においては、特別遊技状態再現演出を実行する場合には、ステップS2603〜S2605、S2609に示すように、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示す情報を音声発光制御装置90が記憶し、特別遊技状態再現演出を実行する際に、再度、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示すコマンドをエンディングコマンドの一部として音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信することによって、図柄表示装置41に、特別遊技状態再現演出に対応した画像を表示させる。具体的には、表示制御装置100のMPU102は、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示すコマンドをエンディングコマンドの一部として音声発光制御装置90から受信すると、受信したコマンドが示す演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルをプログラムROM103から読み出し、ワークRAM104に書き込む。パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置41の表示面41aに表示させる場合において、画像の更新のタイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレームに対応した情報群が定められている。
表示制御装置100のMPU102は、各フレームに対応した情報群を読み出し、1フレーム分の画像を表示させるためにVDP105に描画指示を行う。VDP105は、MPU102からの描画指示に従い、キャラクタROM106から画像を読み出して、表示面41aに表示させる画像データをビデオRAM107に生成し、当該生成した画像データを図柄表示装置41に出力することによって、表示面41aに1フレームの画像を表示させる。表示制御装置100のMPU102は、パターン用データテーブルに記憶されている各フレームの情報群に対して、順次、VDP105に描画指示を行うことによって、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを特別遊技状態再現演出として実行することができる。
本実施形態においては、上記処理を実行することによって、特別遊技状態再現演出を実行するが、その他、特別遊技状態再現演出を実行する処理として、音声発光制御装置90および表示制御装置100において、他の処理を採用してもよい。例えば、本実施形態のように、第1の遊技回で実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンを示す情報を音声発光制御装置90において記憶する処理に代えて、音声発光制御装置90から表示制御装置100に対して、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルを一時的に記憶しておくことを指示するコマンドを送信する。表示制御装置100は、当該コマンドに従って、第1の遊技回において実行した演出種別、停止図柄、変動表示パターンの組み合わせに対応したパターン用データテーブルを一時的に記憶する。
その後、特別遊技状態再現演出を実行する場合に、音声発光制御装置90から表示制御装置100に対して、一時的に記憶したパターン用データテーブルに従ってVDP105に描画指示を行うことを示すコマンドを出力する。表示制御装置100は、当該コマンドに従って、一時的に記憶したパターン用データテーブルに従ってVDP105に描画指示を行うことで、特別遊技状態再現演出を実行することができる。このように、特別遊技状態再現演出を実行する処理として、音声発光制御装置90および表示制御装置100において、種々の処理を採用することができる。
<待機状態移行処理>
次に、待機状態移行処理について説明する。待機状態移行処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図32:S1803)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図41は、待機状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS2701では、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2701において、復帰条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S2701:NO)、ステップS2702に進む。
ステップS2702では、デモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2702において、デモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S2702:NO)、ステップS2703に進む。一方、ステップS2702において、デモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S2702:YES)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2703では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。デモ動画開始待ちフラグは、デモ動画の開始を待機している期間であることを音声発光制御装置90において特定するためのフラグであり、音声の出力レベル(音量)がゼロになったタイミングでONにされ、音声の出力レベル(音量)がゼロになってから復帰条件が成立しないまま5秒が経過したタイミングにおいてOFFにされるフラグである。ステップS2703において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S2703:NO)、ステップS2704に進む。
ステップS2704では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2704において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S2704:YES)、ステップS2705に進む。一方、ステップS2704において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S2704:NO)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2705では、音声の出力レベル(音量)を低減する処理を実行する。具体的には、本実施形態では、音声の出力レベル(音量)は3000段階に設定されており、音声の出力レベルを1段階下げる処理を実行する。本実施形態では、2msec周期で待機状態移行処理が実行されるので、音声の出力レベル(音量)は、6秒程度で最大値からゼロになる。ステップS2705を実行した後、ステップS2706に進む。
ステップS2706では、音声の出力レベル(音量)がゼロになったか否かを判定する。ステップS2706において、音声の出力レベル(音量)がゼロになったと判定した場合には(S2706:YES)、ステップS2707に進み、音量低減フラグをOFFにするとともに、ステップS2708に進み、デモ動画開始待ちフラグをONにする。その後、ステップS2709に進む。一方、ステップS2706において、音声の出力レベル(音量)がゼロになっていないと判定した場合には(S2706:NO)、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2709では、デモ動画開始待ち時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているデモ動画開始待ちタイマカウンタTxに「2500」(すなわち、5.0sec)をセットする。デモ動画開始待ちタイマカウンタTxは、音声の出力レベル(音量)がゼロになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS2709を実行した後、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2703において、デモ動画開始待ちフラグがONであると判定した場合には(S2703:YES)、ステップS2710に進む。
ステップS2710では、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したか否かを判定する。具体的には、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であるか否かを判定し、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であれば、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したと判定する。ステップS2710において、デモ動画開始待ち期間が終了したと判定した場合には、ステップS2711に進む。一方、ステップS2710において、デモ動画開始待ち期間が終了していないと判定した場合には、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2711では、背景音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS2712に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS2712を実行した後、ステップS2713に進む。
ステップS2713では、デモ動画開始待ちフラグをOFFにするとともに、ステップS2714に進み、デモ動画表示中フラグをONにする。その後、ステップS2715に進み、頭出し判定フラグをONにして、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2701において、復帰条件成立フラグがONであると判定した場合には(S2701:YES)、ステップS2716に進み、頭出し判定フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2716において、頭出し判定フラグがONではないと判定した場合には(S2716:NO)、ステップS2717に進み、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS2717を実行した後、ステップS2718に進む。
ステップS2718では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS2718において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S2718:YES)、ステップS2719に進み、音量低減フラグをOFFにする。その後、ステップS2720に進む。一方、ステップS2718において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S2718:NO)、ステップS2719を実行せずにステップS2720に進む。
ステップS2720では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。ステップS2720において、デモ動画開始待ちがONであると判定した場合には(S2720:YES)、ステップS2721に進み、デモ動画開始待ちフラグをOFFにする。その後、ステップS2722に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。一方、ステップS2720において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S2720:NO)、ステップS2721を実行せずにステップS2722に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。ステップS2722を実行した後、本待機状態移行処理を終了する。
ステップS2716において、頭出し判定フラグがONであると判定した場合には(S2716:YES)、ステップS2723に進み、デモ動画終了コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画終了コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画の表示を終了させるための処理を実行する。ステップS2723を実行した後、ステップS2724に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS2725に進む。
ステップS2725では、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS2726に進む。
ステップS2726では、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS2726を実行した後、ステップS2727に進む。
ステップS2727では、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、頭出し判定フラグがONであるため、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS2728に進み、頭出し判定フラグをOFFにする。その後、ステップS2729に進み、復帰条件成立フラグをOFFにして、本待機状態移行処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図42は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS2802に進む。
ステップS2802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図43は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS2901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図44は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS3001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図43)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S3001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS3002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S3001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS3003に進む。
ステップS3003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S3002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS3004に進む。
ステップS3004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S3003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS3005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチン(図44:S3001)として表示制御装置100のMPU102によって実行される。
図45は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS3101では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3101において、演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3102に進み、当該演出コマンドに対応した演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS3102を実行した後、ステップS3103に進む。一方、ステップS3101において、演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3102を実行せずにステップS3103に進む。
ステップS3103では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにオープニング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3103において、オープニング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3104に進み、当該オープニング演出コマンドに対応したオープニング演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該オープニング演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、オープニング演出が終了した後には、開閉実行モード演出が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS3104を実行した後、ステップS3105に進む。一方、ステップS3103において、オープニング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3104を実行せずにステップS3105に進む。
ステップS3105では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにエンディング演出コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3105において、エンディング演出コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3106に進み、当該エンディング演出コマンドに対応したエンディング演出の表示開始処理を実行する。具体的には、当該エンディング演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS3106を実行した後、ステップS3107に進む。一方、ステップS3105において、エンディング演出コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3106を実行せずにステップS3107に進む。
ステップS3107では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにデモ動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3107において、デモ動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3108に進み、デモ動画の表示開始処理を実行する。具体的には、当該デモ動画開始コマンドによって指定されたデモ動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。なお、本実施形態では、後述するデモ動画終了コマンドを受信するまでは、デモ動画の表示を繰り返す。ステップS3108を実行した後、ステップS3109に進む。一方、ステップS3107において、デモ動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3108を実行せずにステップS3109に進む。
ステップS3109では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにデモ動画終了コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3109において、デモ動画終了コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3110に進み、デモ動画の表示を終了させる処理を実行する。その後、ステップS3111に進む。一方、ステップS3109において、デモ動画終了コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3110を実行せずにステップS3111に進む。
ステップS3111では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに背景動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3111において、背景動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3112に進み、背景動画の表示を開始させる処理を実行する。具体的には、背景動画が時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS3112を実行した後、ステップS3113に進む。一方、ステップS3111において、背景動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3112を実行せずにステップS3113に進む。
ステップS3113では、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに他のコマンドが記憶されているか否かを判定し、記憶されているコマンドに対応した処理を実行する。例えば、上述した演出操作コマンドが記憶されていた場合には、上述した演出操作コマンドが記憶されていた場合における処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10においては、ケースa1のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が外れの場合には、示唆演出の後に実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、第1の遊技回で実行した演出を再現する特別遊技状態再現演出として実行され、遊技者も既に実行された演出を再現する演出であると認識する。一方、ケースa2のように、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合には、示唆演出の後に実行される予告演出、リーチ演出および結果告知演出は、演出上は既に実行された演出を再現する演出として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行された遊技回再現演出である。先にケースa1における特別遊技状態再現演出を鑑賞していた場合、遊技者は、ケースa2の第2の遊技回における遊技回再現演出を、ケースa1と同様に、第1の遊技回において実行された演出の再現にすぎないと認識するとともに、第2の遊技回に係る大当たり抽選において当選していることを予期しにくい。このような状態において、第2の遊技回において予告演出およびリーチ演出が実行された後に、結果告知演出によって第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることが告知されると、遊技者は、その時点ではじめて、第2の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出が、単なる第1の遊技回で実行された演出が再現されたものではなく、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行されたものであることを認識する。このようにケースa1における特別遊技状態再現演出およびケースa2における遊技回再現演出を実行することによって、遊技に意外性を付与するとともに、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する演出について、遊技者に期待感を付与することができる。また、ケースa2における第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、ケースa2の場合、第2の遊技回における大当たり抽選が当選しているにも関わらず、第1の遊技回において実行された予告演出、リーチ演出および結果告知演出を再現することを示唆する示唆演出を実行するので、より一層、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。従って、さらに遊技に意外性を付与することができる。
また、ケースa2において第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選した場合には、示唆演出の後に実行されたリーチ演出は、演出上は既に実行された演出の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行される。従って、リーチ演出が実行される場合として、大当たり抽選の当否に関する期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、既に実行された演出の再現として実行される場合と、演出上は既に実行された演出の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図11)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に復帰させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を図柄表示装置41に表示させる際に、当該背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するとともに、背景音楽を出力する際に、当該背景音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図11)に、表示制御装置100は、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。したがって、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、背景動画および背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画および背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始される前に復帰条件が成立した場合(図12)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、背景音楽の音量を低減中に復帰条件が成立した場合(図13)には、表示制御装置100は、図柄表示装置41に背景動画を表示する態様を継続させ、音声発光制御装置90は、背景音楽の音量を遊技者によって予め設定された音量に戻す処理を実行するので、背景動画の表示と背景音楽の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに15秒が経過した場合に移行条件が成立したと判定するので、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において背景音楽の音量を時間の経過と共に低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、待機状態において遊技回が開始される場合に復帰条件が成立したと判定し、図柄表示装置41の表示態様が背景動画を表示する態様に復帰するとともに背景音楽を出力する態様が遊技者によって予め設定された音量で背景音楽を出力する態様に復帰するので、遊技回が開始されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
B.第2実施形態:
図46は、第2実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理を示すタイムチャートである。第1実施形態の図9(b)に示したケースa2では、第1の遊技回において大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選し、かつ、第1の遊技回と第2の遊技回とが連続している場合にパチンコ機10が実行する処理について説明した。
一方、第2実施形態においては、図46(a)に示したケースb1として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選するとともに、第2の遊技回においても大当たり抽選に当選し、かつ、第1の遊技回と第2の遊技回との間に他の遊技回(以下、先行遊技回とも呼ぶ)が存在する場合にパチンコ機10が実行する処理について説明する。なお、先行遊技回における大当たり抽選は外れである。
図46(a)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合、パチンコ機10は、予告演出およびリーチ演出を実行する。リーチ演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
その後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。特別遊技状態では、オープニング演出、開閉実行モードおよびエンディング演出を実行する。本実施形態においては、第1の遊技回後の特別遊技状態においては、オープニング演出は特別遊技状態の始まりを示唆するオープニング演出(通常のオープニング演出)、エンディング演出は特別遊技状態の終了を示唆するエンディング演出(通常のエンディング演出)を実行する。すなわち、図9(b)のケースa2のように特別遊技状態のエンディング演出として示唆演出は実行しない。
特別遊技状態を終了すると、先行遊技回を実行する。本実施形態では、先行遊技回において、示唆演出を実行する。
図47は、先行遊技回において示唆演出を実行する際の、図柄表示装置41の表示の態様を説明する説明図である。図に示すように、示唆演出が実行されるときには、表示面41aは、表示領域41aSと表示領域41aLとに区分される。そして、表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。一方、表示領域41aLでは、示唆演出が実行される。このように、図柄の変動表示及び停止表示を表示面41aのうちの小さい領域に表示することによって、先行遊技回において遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。また、図柄の変動表示及び停止表示を表示面41aに表示しないとしてもよいし、図柄の変動表示および停止表示と同期して表示される所定のマークやキャラクターを点滅表示および点灯表示させるとしてもよい。このようにしても、先行遊技回において遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。
図46(a)に示すように、パチンコ機10は、先行遊技回を実行した後、第2の遊技回を実行する。上述のように、この図46(a)のケースb1に示した例では、第2の遊技回においても、大当たり抽選に当選する。パチンコ機10は、第2の遊技回における演出として、第1の遊技回において実行した演出を再現する遊技回再現演出を実行する。すなわち、第1の遊技回において実行した予告演出、リーチ演出および結果告知演出(大当たり告知)を実行する。この場合、この結果告知演出(大当たり告知)が、遊技回再現演出の一部としての機能を有すると共に、第2の遊技回の大当たり抽選についての結果告知としての機能を有する。そして、遊技回再現演出の終了とともに、第2の遊技回を終了する。
第2の遊技回においては大当たり抽選に当選しているので、第2の遊技回の終了後に、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態のオープニング演出において、特定開始演出を実行する。特定開始演出は、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選であり、かつ、第2の遊技回において遊技回再現演出を実行した場合に、その後の特別遊技状態のオープニング演出として実行される。
第2実施形態は、例えば、以下に示す処理によって実現することができる。
第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合に、上記第1実施形態で実行した処理と同様に(図37:S2307)、第1の遊技回で実行した演出(本実施形態においては、予告演出、リーチ演出および結果告知演出)を記憶する。なお、記憶する内容は、第1の遊技回で実行した演出そのものに限らず、第1の遊技回で実行した演出を特定可能な情報であれば、他の情報であってもよい。すなわち、第1の遊技回において実行した演出の種類(パターン)を示す情報や、第1の遊技回において実行した演出が記憶されているメモリのアドレス情報など、第1の遊技回において実行した演出を再度呼び出し可能な情報であればよい。
第1の遊技回で実行した演出を記憶した後、先判定処理によって、第1の遊技回の後に実行される遊技回であって大当たり抽選に当選する遊技回(第2の遊技回)を特定し、記憶した第1の遊技回における予告演出、リーチ演出および結果告知演出を、第2の遊技回において遊技回再現演出として実行する。その際、例えば、大当たり抽選に当選したいずれの遊技回も、変動時間が同じになるように設定しておくことによって、第1の遊技回において実行したリーチ演出および結果告知演出を、第2の遊技回における変動時間内において実行することができる。
なお、第1の遊技回と第2の遊技回との間に先行遊技回が存在する場合には、各先行遊技回の変動時間に応じた示唆演出を実行することによって、本実施形態を実現することができる。また、先行遊技回が複数存在する場合には、各先行遊技回において各変動時間に応じた示唆演出を実行してもよいし、例えば、第2の遊技回の直前に実行される先行遊技回でのみ示唆演出を実行し、その他の先行遊技回では、通常の演出を実行してもよい。
また、先行遊技回の数は1つに限らず、第1の遊技回と第2の遊技回との間に、複数回の先行遊技回が連続して存在する場合、第1の遊技回と第2の遊技回との間の先行遊技回として許容される遊技回の個数の上限値を設定してもよい。
図46(b)は、第1の遊技回と第2の遊技回との間に、複数回の先行遊技回が連続して存在する場合の処理の一例について説明するタイムチャートである。図示するように、例えば、第1の遊技回において大当たり抽選に当選してから、大当たり抽選の抽選結果が外れである先行遊技回が5回以下の数で存在する場合には(図46(b))、その後に大当たり抽選に当選する第2の遊技回において、第1の遊技回で実行した演出を再現する遊技回再現演出を実行し、先行遊技回が6回以上の数で存在する場合には(図示省略)、その後に大当たり抽選に当選する第2の遊技回において遊技回再現演出を実行しないとしてもよい。処理としては、第1の遊技回において大当たり抽選に当選した場合に、上記第1実施形態で実行した処理と同様に(図46:S2307)、第1の遊技回で実行した演出(本実施形態においては、予告演出、リーチ演出および結果告知演出)を音光側RAM94に記憶する。
また、第1の遊技回と第2の遊技回との間の先行遊技回の数をカウントする先行遊技回カウンタを設け、大当たり抽選に当選する第2の遊技回の演出を決定する際に、先行遊技回カウンタのカウンタ値が5以下であるか6以上であるかを判定する。カウンタ値が5以下である場合には、第1の遊技回で実行した演出を音光側RAM94から読み出して、第2の遊技回において、第1の遊技回で実行した演出を再現する遊技回再現演出を実行し、カウンタ値が6以上である場合には、第2の遊技回において通常の大当たり時の演出を実行する。このようにすることによって、先行遊技回が複数存在する場合であっても、本実施形態を実現することができる。また、示唆演出については、先行遊技回において実行する。具体的には、先判定処理によって、第2の遊技回の直前の先行遊技回を特定し、当該先行遊技回において示唆演出を実行することを決定する。そして、当該先行遊技回の変動時間が決定されたタイミングで、当該先行遊技回の変動時間に応じた示唆演出を選択し実行する。このようにすることで、第1の遊技回と第2の遊技回との間に、複数回の先行遊技回が連続して存在する場合であっても、遊技回再現演出を実行することができる。なお、本説明においては、大当たり抽選に当選した第1の遊技回の後の先行遊技回のうち、大当たり抽選の抽選結果が外れである先行遊技回が6回以上の数で存在する場合には、その後に大当たり抽選に当選する第2の遊技回において遊技回再現演出を実行しないとしたが、遊技回再現演出を実行しないと判定する先行遊技回の数(閾値)は6に限定されることなく、任意の数に設定することができる。
以上、説明したように、第2実施形態におけるパチンコ機10によれば、第1の遊技回と第2の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合であっても、他の遊技回において示唆演出を実行することによって、示唆演出および遊技回再現演出を、遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。また、第1の遊技回と第2の遊技回との間に複数の他の遊技回(先行遊技回)が存在する場合であっても、各先行遊技回の変動時間に応じた示唆演出を実行することによって、遊技者に違和感を与えることなく第2の遊技回において遊技回再現演出を実行することができる。
C.第3実施形態:
図48は、第3実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理を説明するタイムチャートである。第3実施形態においては、特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出として、第1の遊技回より前の遊技回(図48:第1先行遊技回)において実行された演出の少なくとも一部を再現するとともに、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する場合について説明する。本説明においては、ケースc1およびケースc2の2つのケースを例にして、パチンコ機10が実行する処理の特徴を説明する。
図48(a)は、ケースc1として、第1の遊技回において大当たり抽選に当選し、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において大当たり抽選に外れた場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。なお、図示するように、大当たり抽選に当選する第1の遊技回の前には、大当たり抽選の抽選結果が外れである第1先行遊技回が存在する。
図48(a)に示すように、ケースc1においては、パチンコ機10は、第1先行遊技回と第1の遊技回とに亘って一連の連続演出を実行する。本実施形態においては、当該連続演出は、第1の遊技回において大当たり抽選に当選することを予告する演出である。連続演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
なお、連続演出を実行する場合の第1先行遊技回における結果告知演出は、上述の図47を用いて説明すると、表示面41aの表示領域41aSで、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。一方、表示領域41aLでは、連続演出が実行される。このようにすることによって、遊技者に違和感を与えることなく第1先行遊技回から第1の遊技回に亘って一連の連続演出を実行することができる。
図48(a)に示すように、第1の遊技回において結果告知演出(大当たり告知)を実行した後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。
パチンコ機10は、エンディング期間において、示唆演出、特別遊技状態再現演出、特定終了演出を実行する。本実施形態においては、特別遊技状態再現演出として、第1先行遊技回から第1の遊技回に亘って実行した連続演出と、第1の遊技回における結果告知演出(大当たり告知)とを再現実行する。なお、特別遊技状態再現演出として図柄の変動表示および停止表示を再現実行する場合、特別遊技状態再現演出の実行時に表示面41aに表示する図柄の内容については、第1の遊技回において実際に表示した図柄の内容とは一部異なっている。
パチンコ機10は、特別遊技状態再現演出を実行した後、特定終了演出を実行する。その後、パチンコ機10は、第2の遊技回を実行する。第2の遊技回に係る大当たり抽選は外れである。パチンコ機10は、第2の遊技回においては、通常の予告演出および結果告知演出(外れ告知)を実行する。
次に、図48(b)に示すケースc2について説明する。ケースc2においては、ケースc1と同様に、大当たり抽選に当選する第1の遊技回の前には、大当たり抽選の抽選結果が外れである第1先行遊技回が存在する。さらに、ケースc2においては、大当たり抽選に当選する第2の遊技回の前には、大当たり抽選の抽選結果が外れである第2先行遊技回が存在する。
ケースc1と同様に、パチンコ機10は、第1先行遊技回と第1の遊技回とに亘って一連の連続演出を実行する。連続演出を実行後、パチンコ機10は、第1の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を遊技者に報知する結果告知演出を実行する。第1の遊技回では、結果告知演出として、大当たりの告知を行う。
第1の遊技回において結果告知演出(大当たり告知)を実行した後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。
ケースc2の場合、パチンコ機10は、エンディング期間において、示唆演出のみを実行する。そして、第2先行遊技回と第2の遊技回とに亘って遊技回再現演出を実行する。ケースc2では、遊技回再現演出として、第1先行遊技回から第1の遊技回に亘って実行した連続演出と、第1の遊技回における結果告知演出(大当たり告知)とを実行する。
第2の遊技回の終了後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。パチンコ機10は、特別遊技状態のオープニング演出において、特定開始演出を実行する。特定開始演出を実行した後、パチンコ機10は、開閉実行モードおよびエンディング演出を実行する。第2の遊技回後の特別遊技状態においては、エンディング演出として通常エンディング演出を実行する。
第3実施形態は、例えば、以下に示す具体的な処理によって実現することができる。
本実施形態においては、常に、既に実行した4回分の遊技回において実行した演出をRAM96に記憶する。そして、第1始動口33への入賞が発生する度に、当該入賞によって実行される遊技回における大当たり抽選の結果を、先判定処理によって把握する。
先判定処理の結果、第1の遊技回の大当たり抽選の結果が大当たりであることを把握した場合には、第1の遊技回より1つ前に保留されている第1先行遊技回の大当たり抽選結果が外れである場合に、第1先行遊技回および第1の遊技回に亘って連続演出を実行する。
そして、第1の遊技回が終了するまでに第1の遊技回より後に2回以上の保留遊技回が存在する場合に、当該2つの遊技回の大当り抽選の結果を先判定処理によって把握し、当該2つの遊技回の大当たり抽選の結果が、2つとも連続で外れの場合にはケースc1を実行する。すなわち、示唆演出および特別遊技状態再現演出を、第1の遊技回の後に実行される特別遊技状態のエンディング期間に実行する。
また、当該2つの遊技回のうち、先に実行される遊技回の大当たり抽選の結果が外れであり、後に実行される遊技回の大当たり抽選の結果が大当たりである場合にはケースc2を実行する。すなわち、示唆演出を第1の遊技回の後に実行される特別遊技状態のエンディング期間に実行し、遊技回再現演出を、第2先行遊技回および第2の遊技回において実行する。
なお、ケースc2において、第2先行遊技回が存在しない場合、すなわち、第1の遊技回後の特別遊技状態の後に実行される遊技回における大当たり抽選が大当たりである場合に、第2の遊技回において、第1先行遊技回から第1の遊技回に亘って実行した連続演出を、遊技回再現演出として実行するとしてもよい。この場合、連続演出の全てを再現するために必要となる時間より、第2の遊技回の変動時間の方が短い場合には、連続演出の一部のみ再現するとしてもよい。
以上、説明したように、第3実施形態におけるパチンコ機10によれば、第1の遊技回より前の遊技回から第1の遊技回に亘って連続的な演出が実行された場合であっても、特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出として、その連続的な演出を再現することができる。また、ケースc1とケースc2の処理を併用することによって、連続演出に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
D.第4実施形態:
図49は、第4実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理を説明するタイムチャートである。第4実施形態は、大当たり抽選の抽選結果が外れである第1の遊技回において実行した演出を、第1の遊技回より後に実行する第2の遊技回において遊技回再現演出として実行する。本説明においては、ケースd1およびケースd2の2つのケースを例にして、パチンコ機10が実行する処理の特徴を説明する。
図49(a)は、ケースd1として、第1の遊技回において大当たり抽選に外れ、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において大当たり抽選に当選した場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。図示するように、パチンコ機10は、第1の遊技回において、予告演出及びリーチ演出を実行する。この場合に行うリーチ演出は、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆する演出である。リーチ演出を実行した後、パチンコ機10は、結果告知演出において外れ告知を行う。
第1の遊技回を実行した後、パチンコ機10は、第2の遊技回を実行する。第2の遊技回においては、パチンコ機10は、示唆演出、遊技回再現演出、及び、結果告知演出を実行する。パチンコ機10は、示唆演出として、第1の遊技回において実行された演出を再現することを示唆する演出を実行するとともに、遊技回再現演出として、第1の遊技回において実行した予告演出およびリーチ演出を実行する。また、結果告知演出として、大当たり告知を行う。
第2の遊技回を実行した後、パチンコ機10は、遊技状態を特別遊技状態に移行する。図示するように、パチンコ機10は、特別遊技状態において、オープニング演出、開閉実行モード、エンディング演出を実行する。パチンコ機10は、オープニング演出として、特定開始演出を実行する。また、エンディング演出として、通常エンディング演出を実行する。
次に、ケースd2について説明する。ケースd2は、図49(b)に示すように、第1の遊技回において大当たり抽選に外れ、さらに、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において大当たり抽選に外れた場合に、パチンコ機10が実行する処理を示している。図示するように、第1の遊技回においては、予告演出およびリーチ演出を実行する。この場合に行うリーチ演出は、大当たり抽選に当選する期待度を遊技者に示唆する演出である。リーチ演出を実行した後、パチンコ機10は、結果告知演出において外れ告知を行う。
第1の遊技回を実行した後、パチンコ機10は、第2の遊技回を実行する。第2の遊技回においては、パチンコ機10は、示唆演出、遊技回再現演出、及び、結果告知演出を実行する。パチンコ機10は、示唆演出として、第1の遊技回において実行された演出を再現することを示唆する演出を実行するとともに、遊技回再現演出として、第1の遊技回において実行した予告演出およびリーチ演出を実行する。また、結果告知演出として、外れ告知を行う。
第4実施形態は、例えば、以下に示す具体的な処理によって実現することができる。
第1始動口33への入賞が発生する度に先判定処理を実行することによって、保留されている遊技回に係る大当たり抽選の当否を判定する。そして、2つ以上先に保留されている遊技回における大当たり抽選が当選していることを特定した場合に、当該大当たり抽選に当選している遊技回(ケースd1の第2の遊技回に相当)の1つ前に保留されている遊技回(第1の遊技回に相当)において予告演出およびリーチ演出を実行すると共に、実行した当該予告演出およびリーチ演出を記憶する。上述のように、記憶する情報としては、実行した予告演出およびリーチ演出そのもののデータに限ることなく、実行した予告演出およびリーチ演出を再度読み出し可能な情報であれば、他の情報であってもよい。
パチンコ機10は、第1の遊技回においてリーチ演出を実行した後、結果告知演出として外れ告知を行う。その後、第2の遊技回において、示唆演出を実行するとともに、記憶した予告演出およびリーチ演出を遊技回再現演出として実行する。また、第2の遊技回の後の特別遊技状態において実行される特定開始演出は、上記第1実施形態における音声発光制御装置90が行うオープニング演出設定処理と同様の処理を実行することによって実現することができる。このような処理を実行することによって第4実施形態におけるケースd1を実現することができる。
また、ケースd2は、先判定処理を実行することによって、大当たり抽選の抽選結果が外れである遊技回が2つ連続して存在する場合に、その2つの保留遊技回のうちの先に実行される遊技回においてリーチ演出を実行し、後に実行される遊技回において、示唆演出、および、遊技回再現演出として前の遊技回で実行した予告演出およびリーチ演出を再現することによって実現することができる。この場合、第2の遊技回において、遊技回再現演出として第1の遊技回における予告演出およびリーチ演出の全てを実行するために必要な時間よりも第2の遊技回の変動時間の方が短い場合には、例えば、第2の遊技回の変動時間に応じて、遊技回再現演出として実行する予告演出の一部または全部を省略するとしてもよい。
一方、第2の遊技回において、遊技回再現演出として第1の遊技回における予告演出およびリーチ演出の全てを実行するために必要な時間よりも第2の遊技回の変動時間の方が長い場合には、例えば、第2の遊技回の変動時間に応じて、示唆演出の実行時間を長い演出にするとしてもよい。演出に必要な時間に対応した複数種類の示唆演出を用意しておき、第2の遊技回の変動時間に応じて、最適な示唆演出を選択することによって、示唆演出および遊技回再現演出に必要な時間と、第2の遊技回の変動時間とを同じにすることができる。
以上説明したように、第4実施形態におけるパチンコ機10によれば、ケースd1の処理を実行することによって、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合であるにも関わらず、大当たり抽選の抽選結果が外れである第1の遊技回において実行された演出を、遊技回再現演出として第2の遊技回において実行するので、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。また、遊技回再現演出の実行前に、大当たり抽選に外れた第1の遊技回における演出を再現することを示唆する示唆演出を実行することで、第2の遊技回においては、第1の遊技回において実行された演出が再現されるにすぎないといった認識を遊技者により一層与えることができる。そして、第2の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果を報知手段によって報知してはじめて、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことを遊技者に認識させることができるので、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、ケースd2の処理を実行することによって、第2の遊技回に係る大当たり抽選が当選している場合に加えて、第2の遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果が外れの場合にも、遊技回再現演出を実行するので、遊技回再現演出が実行された遊技回に係る大当たり抽選の抽選結果が必ずしも大当たりとは限らないという認識を遊技者に付与することができる。その結果、遊技回再現演出が実行された場合に、遊技者に対して心境の抑揚や期待感を付与するとともに、既に実行された演出が再現される遊技回に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
E.第5実施形態(演出種別の設定処理の一例):
次に、第5実施形態として、第1実施形態において説明した演出種別の設定処理(図37:S2303)において実行される処理の一例について説明する。演出種別の設定処理は、遊技回で実行する演出の内容を、音声発光制御装置90(音光側MPU92)において設定する処理である。本説明においては、先に、本実施形態において音光側MPU92が実行する演出種別の設定処理の概要について説明する。その後、処理の詳細をフローチャートを用いて説明する。
図50は、演出種別の設定処理の概要を示す説明図である。音光側MPU92は、演出種別の設定処理を開始すると、予告演出の内容を決定するために、オブジェクトA用表示パターン乱数カウンタC11、オブジェクトB用表示パターン乱数カウンタC12、オブジェクトC用表示パターン乱数カウンタC13の各乱数カウンタから、所定のタイミングでカウンタ値を取得する。
各表示パターン乱数カウンタC11〜C13は、各遊技回における予告演出を構成する複数のオブジェクト画像の組み合わせ方を決定するために用いられる乱数カウンタである。各表示パターン乱数カウンタC11〜C13は、更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタ値は短時間の間隔で更新される。各表示パターン乱数カウンタC11〜C13は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
本実施形態においては、各遊技回における予告演出は、3種類のオブジェクト画像を組み合わせることによって構成される。オブジェクトA用表示パターン乱数カウンタC11、オブジェクトB用表示パターン乱数カウンタC12、オブジェクトC用表示パターン乱数カウンタC13は、この3種類のオブジェクト画像の表示態様を決定するための乱数である。演出種別の設定処理では、この3種類のオブジェクト画像の組み合わせ方、表示面41a上の配置位置、表示のタイミングが決定され、予告演出として設定される。ここで、本実施形態における予告演出を構成する3種類のオブジェクト画像について説明する。
図51は、予告演出を構成するオブジェクト画像であるオブジェクトAを示す説明図である。図示するように、オブジェクトAは、人物を表現したキャラクターの動作の様子を示しており、画像A1、画像A2、画像A3の3つの画像から構成される。図51(a)は画像A1を示し、図51(b)は画像A2を示し、図51(c)は画像A3を示している。オブジェクトAは、この3つの画像A1、画像A2、画像A3の少なくとも2つの画像が所定の順番で表示されることによって経時変化する画像、すなわち、動画のオブジェクト画像として表示される場合と、この3つの画像A1、画像A2、画像A3のいずれかが所定期間、継続的に表示されることによって静止画として表示される場合とがある。
図52は、予告演出を構成するオブジェクト画像であるオブジェクトBを示す説明図である。図示するように、オブジェクトBは、天候が変化する様子を示しており、画像B1、画像B2、画像B3の3つの画像から構成される。図52(a)は画像B1を示し、図52(b)は画像B2を示し、図52(c)は画像B3を示している。オブジェクトBは、この3つの画像B1、画像B2、画像B3の少なくとも2つの画像が所定の順番で表示されることによって経時変化する画像、すなわち、動画のオブジェクト画像として表示される場合と、この3つの画像B1、画像B2、画像B3のいずれかが所定期間、継続的に表示されることによって静止画として表示される場合とがある。
図53は、予告演出を構成するオブジェクト画像であるオブジェクトCを示す説明図である。図示するように、オブジェクトCは、箱の中に入っている犬の動作の様子を示しており、画像C1、画像C2、画像C3の3つの画像から構成される。図53(a)は画像C1を示し、図53(b)は画像C2を示し、図53(c)は画像C3を示している。オブジェクトCは、この3つの画像C1、画像C2、画像C3の少なくとも2つの画像が所定の順番で表示されることによって経時変化する画像、すなわち、動画のオブジェクト画像として表示される場合と、この3つの画像C1、画像C2、画像C3のいずれかが所定期間、継続的に表示されることによって静止画として表示される場合とがある。
上述のように、本実施形態における演出種別の設定処理では、図51〜図53で説明した3種類のオブジェクト画像(オブジェクトA〜C)を組み合わせて予告演出を設定する。
説明を図50に戻す。音光側MPU92は、各表示パターン乱数カウンタC11〜C13からカウンタ値を取得すると、オブジェクトA用表示パターンテーブル、オブジェクトB用表示パターンテーブル、オブジェクトC用表示パターンテーブルを参照し、各表示パターン乱数カウンタC11〜C13から取得した各カウンタ値との照合を実行し、各オブジェクト毎に表示パターンを決定する。
図54は、表示パターンテーブルの一例として、オブジェクトA用表示パターンテーブルを示す説明図である。図示するように、オブジェクトA用表示パターンテーブルは、大当たり抽選の結果が大当たりである場合と、大当たり抽選の結果が外れでありリーチ演出を実行する場合(「外れ(リーチ有)」)と、大当たり抽選の結果が外れでありリーチ演出を実行しない場合(「外れ(リーチ無」)の3つの場合に区分されている。そして、各場合に対して、0〜99の表示パターン乱数カウンタの値と、表示パターンとが対応付けられている。本実施形態においては、図54に示すように、オブジェクトAの表示パターンとして、オブジェクトAを表示しないパターン(非表示)、画像A1のみを表示するパターン(A1)、画像A1と画像A2とを順に表示するパターン(A1−A2)、画像A1と画像A2と画像A3とを順に表示するパターン(A1−A2ーA3)とが予め設定されている。
所定の遊技回における予告演出を設定する場合、音光側MPU92は、当該遊技回が、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)のいずれの場合に該当するかを確認する。そして、表示パターンテーブルのうち、当該遊技回の該当する部分を参照する。例えば、当該遊技回が大当たりである場合には、表示パターンテーブルの「大当たり」の欄を参照する。そして、取得した表示パターン乱数カウンタC11の値と照合し、表示パターンを決定する。
図54に示すように、本実施形態においては、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の各場合において、各表示パターンに対する乱数の値の割り振り方が異なる。例えば、表示パターン(A1−A2−A3)は、大当たりである場合に表示される頻度と、外れ(リーチ有)の場合に表示される頻度と、外れ(リーチ無)の場合に表示される頻度とは異なる。すなわち、表示パターン(A1−A2−A3)の表示される確率は、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の順に高い。逆に、表示パターン(A1)の表示される確率は、外れ(リーチ無)、外れ(リーチ有)、大当たりの順に高い。よって、遊技回における予告演出において、表示パターン(A1)のみが表示される場合より表示パターン(A1−A2)が表示される場合の方が大当たりである確率が高く、表示パターン(A1−A2)が表示される場合より表示パターン(A1−A2−A3)が表示される場合の方が大当たりである確率が高くなるように設定されている。すなわち、オブジェクトAによる演出は、遊技回の大当たりの確率を示唆することによって遊技者に対して遊技の有利・不利の度合を示すとともに、遊技者に対して大当たりの期待の度合い(以下、期待度とも呼ぶ)を示すステップアップ演出として機能する。
本実施形態においては、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの各々の表示パターンテーブルは、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の各場合における乱数の値の振り分け方が異なっており、オブジェクトAのステップアップ演出によって示す大当たりの期待度と、オブジェクトBのステップアップ演出によって示す大当たりの期待度と、オブジェクトCのステップアップ演出によって示す大当たりの期待度は各々異なる。例えば、オブジェクトBにおいては、外れ(リーチ無)の場合の遊技回では表示されず、外れ(リーチ有)および大当たりの場合に表示されるように、オブジェクトB用表示パターンにおける表示パターン乱数の値が振り分けられていてもよい。具体的には、オブジェクトB用表示パターンにおいて、外れ(リーチ無)の場合には表示パターン乱数0〜99の全ての場合において「非表示」に設定することによって実現することができる。このようにすることで、オブジェクトBが表示されない場合のオブジェクトAが示す大当たりの期待度と、オブジェクトAとオブジェクトBとが表示される場合の大当たりの期待度とを異なるものにすることができる。すなわち、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの各々の表示パターンテーブルにおいて、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の各場合における乱数の値の振り分け方を異なった設定にすることによって、各オブジェクト画像のステップアップの態様に加え、各オブジェクトの表示の有無によっても大当たりの期待度を表現することができる。このようにすることで、オブジェクト画像に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの各々の表示パターンテーブルは、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合に区分して、各表示パターン乱数を振り分けたが、例えば、オブジェクトBの表示パターンテーブルにおける大当たりの区分を、さらに、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりに区分し、オブジェクトBによる演出を、確変大当たりの期待度を示すステップアップ演出として機能させてもよい。その他、例えば、潜伏確変状態(抽選モードが高確率モードであることを遊技者に認識させない遊技状態)が存在する遊技機においては、オブジェクトCによる演出を、現在の遊技回の確変状態の期待度を示すステップアップ演出として機能させてもよい。このように、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCは、表示パターンによって、遊技の有利・不利の度合いを示唆する機能を有していれば、各々のオブジェクトが、異なる種類(例えば、大当たり期待度や確変大当たりの期待度など)の遊技の有利・不利の度合いを示してもよい。
図50に示すように、音光側MPU92は、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCに対して、表示パターンを決定した後、各オブジェクトを組み合わせて表示面41aに表示するために、各オブジェクトの配置位置と、各オブジェクトの表示のタイミングとを設定する。具体的には、音光側MPU92は、予め設定された配置・タイミング設定テーブルを参照して各オブジェクトの配置位置と表示のタイミングとを決定する。
図55は、配置・タイミング設定テーブルを示す説明図である。図示するように、配置・タイミング設定テーブルは、表示されることが決定した表示オブジェクトと、表示される各オブジェクトの表示面41aにおける配置位置の座標と、各オブジェクトの表示面41aに表示を開始するタイミングとが、各々対応付けて設定されている。乱数カウンタを用いた処理におい決定された表示パターンが、例えば、オブジェクトAについては表示パターン(A1−A2)、オブジェクトBについては表示パターン(非表示)、オブジェクトCについては表示パターン(C1−C2−C3)であった場合には、表示されるオブジェクトはオブジェクトAとオブジェクトCであるので、配置・タイミング設定テーブルの左欄の「A・C」を参照する。そして、この場合、配置・タイミング設定テーブルの中欄に示すように、オブジェクトAおよびオブジェクトCの配置座標は、オブジェクトAについては表示面41aの(Xa2,Ya2)にオブジェクトAの中心座標が位置するように表示し、オブジェクトCについては表示面41aの(Xc1,Yc1)にオブジェクトCの中心座標が位置するように表示するように、各々設定されている。さらに、この場合、配置・タイミング設定テーブルの右欄に示すように、オブジェクトAについては、遊技回が開始されてからta2秒後に表示を開始し、オブジェクトCについては、遊技回が開始されてからtc1秒後に表示を開始するように設定されている。
なお、図55の配置・タイミング設定テーブルにおける各オブジェクトの配置を示す座標は固定座標として設定されているが、各オブジェクトの配置位置(座標)が経時変化するように設定されていてもよい。すなわち、オブジェクトの中心位置の動的な軌跡が設定されてもよい。この場合であっても、各オブジェクトが関連性を有する態様で表示面41aに表示されるように配置位置(座標)が経時変化し、かつ、表示面41aに同じ期間に表示される各オブジェクトが互いに重畳しないように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。
本実施形態においては、1つの予告演出に2つ以上のオブジェクトが表示される場合には、各オブジェクト間における相対的な位置が考慮され、かつ、各オブジェクトが関連性を有する態様で表示面41aに表示されるように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置(オブジェクト間の相対的な配置位置)および表示開始のタイミング(オブジェクト間の相対的なタイミング)が設定されている。さらに、表示面41aに同じ期間に表示される各オブジェクトが互いに重畳しないように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。
図56は、複数のオブジェクト画像が組み合わされた予告演出の一例を説明する説明図である。図56の例では、図55の配置・タイミング設定テーブルにおける各オブジェクトの配置を示す座標が、経時変化する場合について示している。当該予告演出は、図56(a)、図56(b)、図56(c)の順に、表示面41aに表示される。図56において、オブジェクトAとオブジェクトBとオブジェクトCとが組み合わされた予告演出を示しており、オブジェクトAについては表示パターン(A1−A2−A3)が表示され、オブジェクトBについて表示パターン(B1−B2−B3)が表示され、オブジェクトCについては表示パターン(C1−C2−C3)が表示されるように設定された予告演出を示している。
図56に示す予告演出では、晴れた日に歩いていた人物が、箱を見つけ、徐々に天気が悪くなる中、箱の中に犬がいることに気付き、犬に傘をさしてあげるといった物語が表現されている。このように、本実施形態においては、1つの予告演出に2つ以上のオブジェクトが表示される場合には、各オブジェクト間における相対的な位置が考慮され、かつ、各オブジェクトが関連性を有するとともに、さらに、物語性を有する態様で表示面41aに表示されるように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。このようにすることで、複数種類のオブジェクト画像が同じ期間に表示されることによって実行される予告演出を、遊技者にとって違和感のない演出にすることができるとともに、物語性を有することによって遊技の興趣向上を図ることができる。
また、図56(c)に示した例では、オブジェクトAは、オブジェクト画像の領域を示す画像枠が無い態様で表示面41aに表示される。具体的には、オブジェクトAは、画像枠のレイヤー画像と、人物を表現したキャラクターが示されたレイヤー画像とから構成されており、人物を表現したキャラクターが示されたレイヤー画像のみを表示する処理が実行されている。このようにすることで、複数のオブジェクト画像が表示される演出を、遊技者に対して違和感のない演出にすることができる。
図56では、オブジェクトAを用いた表示パターン(A1−A2−A3)の画像A3のみ、画像枠を表示しない処理を実行したが、表示パターン(A1−A2−A3)として表示される画像A1、画像A2、画像A3の一部または全部の画像枠を表示しない構成としてもよい。また、他のオブジェクト画像に対しても同様の処理を実行するとしてもよい。
音光側MPU92は、このようにして各オブジェクトの配置位置と、各オブジェクトの表示のタイミングとを設定し、予告演出を設定する。
次に、上記説明した演出種別の設定処理を、フローチャートによって説明する。
図57は、演出種別の設定処理を示すフローチャートである。演出種別の設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図37:S2303)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
ステップS3201では、各表示パターン乱数カウンタC11〜C13から、各々、カウンタ値を取得する。その後、ステップS3202に進み、予告演出を設定する対象である遊技回が、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)のいずれであるかを確認する。ステップS3202を実行した後、ステップS3203に進む。
ステップS3203では、オブジェクトA〜C用の各表示パターンテーブルを参照し、各オブジェクトの表示パターンを決定する。その後、ステップS3204に進む。
ステップS3204では、各オブジェクトにおいて表示パターンを設定した際に、当該遊技回の予告演出においてオブジェクト表示が無しか否かを判定する。すなわち、オブジェクトA〜Cの全てのオブジェクトの表示パターンが「非表示」であるか否かを判定する。
ステップS3204において、当該遊技回における予告演出においてオブジェクト表示が無し(非表示)ではないと判定した場合には(S3204:NO)、ステップS3205に進み、配置・タイミング設定テーブルを参照し、表示される各オブジェクトの表示面41aにおける配置位置の座標と、表示面41aに表示を開始するタイミングとを決定する。その後、ステップS3206に進む。
一方、ステップS3204において、当該遊技回の予告演出においてオブジェクト表示が無し(非表示)であると判定した場合には(S3204:YES)、ステップS3205を実行せずにステップS3206に進む。
ステップS3206では、予告演出を設定する。具体的には、決定した表示オブジェクト、各オブジェクトの表示面41aにおける配置位置の座標、各オブジェクトの表示を開始するタイミングを、当該遊技回における予告演出に設定する。その後、ステップS3207に進む。
ステップS3207では、当該遊技回が大当たり又は外れ(リーチ有)であるか否かを判定する。すなわち、当該遊技回において予告演出を実行した後にリーチ演出を実行するか否かを判定する。
ステップS3207において、当該遊技回が大当たり又は外れ(リーチ有)であると判定した場合には(S3207:YES)、ステップS3208に進み、リーチ演出設定処理を実行する。その後、ステップS3209に進む。
一方、ステップS3207において、当該遊技回が大当たり又は外れ(リーチ有)ではないと判定した場合には(S3207:NO)、ステップS3208を実行せずにステップS3209に進む。
ステップS3209では、ステップS3206およびステップS3208で設定した予告演出およびリーチ演出を演出コマンドに設定する。その後、当該演出種別の設定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、各オブジェクトは、予告演出として同じ期間に表示される場合には、互いに関連性を有した態様で表示面41aに表示されるので、各オブジェクトが同じ期間に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。また、各オブジェクトは、他のオブジェクトと同じ期間に表示される場合と、同じ期間に表示されない場合(すなわち各オブジェクトが単体で表示される場合)とがあるので、各オブジェクトを用いて複数種類の演出を実行することができ、オブジェクトを有効活用することができる。
さらに、図56で示したように、複数のオブジェクト画像が同じ期間に表示される場合には、各オブジェクト画像が関連して物語性を有する態様で表示されるので、複数のオブジェクト画像が同じ期間に表示されることによって実行される演出を、遊技者にとって違和感のない演出にすることができる。また、複数のオブジェクト画像が同じ期間に表示されることによって実行される演出が物語性を有することによって遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの各々の表示パターンテーブルは、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の各場合における乱数の振り分け方が異なっており、オブジェクトA、オブジェクトB、およびオブジェクトCの各オブジェクト画像によるステップアップ演出によって示される遊技の有利・不利の度合いや大当たりの期待度は、各々異なる。すなわち、各オブジェクトが表示される場合であっても、他のオブジェクトも同じ期間に表示されているか否かによって遊技の有利・不利の度合いが異なるので、演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
さらに、上述のように、本実施形態においては、表示パターンテーブルの設定の態様によって、例えば、オブジェクトBの表示パターンテーブルにおける大当たりの区分を、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりに区分することによって、オブジェクトBによる演出を、確変大当たりの期待度を示すステップアップ演出として機能させることができる。すなわち、各オブジェクトによる演出を、異なる種類の遊技の有利・不利の度合いを示す演出として機能させることができる。従って、各オブジェクトを用いて、多様な種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、各オブジェクト画像が同じ期間に表示される場合には、オブジェクト間で互いに相対的な位置が予め定められた配置位置で表示面41aに表示されるので、同じ期間に表示面41aに表示された複数のオブジェクトがなんら関連性なく重畳されて表示されることがない。具体的には、一つの予告演出に2つ以上のオブジェクトが表示される場合には、各オブジェクト間における相対的な位置が考慮され、かつ、各オブジェクトが関連性があるように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。また、表示面41aに同じ期間に表示される各オブジェクトが互いに重畳しないように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。従って、複数のオブジェクトが同じ期間に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。また、各オブジェクト画像が同じ期間に表示される場合と、同じ期間に表示されない場合(すなわち各オブジェクトが単体で表示される場合)とがあるので、各オブジェクト画像を用いて複数の演出を実行することができ、オブジェクト画像を有効活用することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、図54、図55を用いて説明したように、例えば、オブジェクトAは、表示パターン(A1)、表示パターン(A1−A2)、表示パターン(A1−A2−A3)の3つの異なる表示態様で表示される場合がある。各表示態様に対応して、他のオブジェクト画像(オブジェクトB、オブジェクトC)との間での相対的な位置が予め定められた配置で表示面41aに表示される。従って、各オブジェクト画像を用いた種々の演出を実行することができる。また、異なる複数の表示態様(表示パターン)の各々に応じて、各オブジェクト画像の間で相対的な位置が予め定められた配置位置で表示面41aに表示するので、各表示態様において、各オブジェクト画像がなんら関連性なく重畳されて表示されることがない。従って、各オブジェクト画像が同じ期間に表示されることによって実行される種々の演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10では、図55で説明したように、各オブジェクトは、配置・タイミング設定テーブルによって表示面41aに表示が開始されるタイミングが予め設定されている。従って、各オブジェクト画像が同じ期間に表示される場合には、各オブジェクト画像の間で相対的に予め定められたタイミングで表示されるので、各オブジェクト画像がなんら関連性のないタイミングで表示されることがない。よって、各オブジェクト画像が同じ期間に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、さらに、演出の質を向上させることができる。
さらに、本実施形態においては、各オブジェクト画像は経時変化する画像(本実施形態においては動画)であるので、多様な演出を実行することができる。
また、本実施形態においては、オブジェクトAが予告演出として表示された場合の大当たり抽選において大当たりとなる確率と、オブジェクトBが予告演出として表示された場合の大当たり抽選において大当たりとなる確率と、オブジェクトCが予告演出として表示された場合の大当たり抽選において大当たりとなる確率とは、各々異なる。さらに、各オブジェクト画像を組み合わせて予告演出として表示された場合の大当たり抽選において大当たりとなる確率も、各々異なる。このようにすることで、オブジェクト画像に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
F.第6実施形態(演出種別の設定処理の他の例):
次に、第6実施形態として、演出種別の設定処理(図37:S2303)の他の例について説明する。上述のように、演出種別の設定処理は、遊技回で実行する演出の内容を音声発光制御装置90(音光側MPU92)において設定する処理である。本説明においては、先に、本実施形態において音光側MPU92が実行する演出種別の設定処理の概要について説明する。その後、処理の詳細をフローチャートを用いて説明する。
図58は、第6実施形態における演出種別の設定処理の概要を説明する説明図である。本実施形態と上記説明した第5実施形態との異なる点は、予告演出として表示させるオブジェクトの種類の決定方法である。上記第5実施形態においては、予告演出において表示させるオブジェクトの組み合わせは、各オブジェクト毎に用意された表示パターン乱数および表示パターンテーブルによって決定した。
一方、本実施形態においては、表示オブジェクトテーブルによって、予告演出において表示させるオブジェクトの複数種類の組み合わせが予め設定されており、音光側MPU92が、表示オブジェクト乱数カウンタC21からカウンタ値を取得し、表示オブジェクトテーブルと照合することによって、予告演出において表示させるオブジェクトの組み合わせを決定する。
また、上記第5実施形態においては予告演出において表示されるオブジェクトの配置位置、表示開始のタイミングは、配置・タイミング設定テーブルによって決定したが、本実施形態においては、表示されるオブジェクトの組み合わせに対する各々の表示パターンに対応して、各オブジェクトの配置位置や表示開始のタイミングが予め設定されている。以下、具体的に説明する。
音光側MPU92は、演出種別の設定処理を開始すると、表示オブジェクト乱数カウンタC21から所定のタイミングでカウンタ値を取得する。表示オブジェクト乱数カウンタC21は、更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。カウンタ値は短時間の間隔で更新される。表示オブジェクト乱数カウンタC21は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
表示オブジェクト乱数カウンタC21からカウンタ値を取得した後、音光側MPU92は、表示オブジェクトテーブルを参照し、取得した表示オブジェクト乱数カウンタC21のカウンタ値との照合を実行し、予告演出において表示させるオブジェクトの組み合わせを決定する。
図59は、表示オブジェクトテーブルの一例を示す説明図である。図示するように、表示オブジェクトテーブルには、表示オブジェクト乱数カウンタC21のカウンタ値と、予告演出として表示する各オブジェクトの組み合わせが対応付けて設定されている。例えば、取得した表示オブジェクト乱数カウンタC21の値が75であった場合には、予告演出で表示されるオブジェクト画像としてオブジェクトAとオブジェクトCとが設定される。本実施形態における表示オブジェクトテーブルは、予告演出として表示する各オブジェクトの組み合わせに対する表示オブジェクト乱数の値の割り振り方(割り振る値の数)が異なる。例えば、表示オブジェクトとしてオブジェクトAのみが表示される場合の表示オブジェクト乱数の値は0〜19であり、20個の値が割り振られている。オブジェクトAとオブジェクトBとが表示される場合の表示オブジェクト乱数の値は60〜71であり、12個の値が割り振られている。オブジェクトAとオブジェクトBとオブジェクトCとが表示される場合の表示オブジェクト乱数の値は96〜99であり、4個の値が割り振られている。このように、各オブジェクトの組み合わせに対する表示オブジェクト乱数の値の割り振る数が異なることによって、予告演出として各オブジェクトの組み合わせが表示される頻度が異なる。
説明を図58に戻す。音光側MPU92は、予告演出において表示するオブジェクトの組み合わせを決定すると、次に、表示パターン乱数カウンタC22から所定のタイミングでカウンタ値を取得する。表示パターン乱数カウンタC22は、更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。カウンタ値は短時間の間隔で更新される。表示パターン乱数カウンタC22は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
表示パターン乱数カウンタC22のカウンタ値を取得した後、音光側MPU92は、先に決定した表示オブジェクトの組み合わせに対応した表示パターンテーブルを参照し、取得した表示パターン乱数カウンタC22のカウンタ値との照合を実行し、当該表示オブジェクトの組み合わせに対応した表示パターンを決定する。図58においては、表示オブジェクト乱数カウンタC21と表示オブジェクトテーブルによって、予告演出において表示するオブジェクトの組み合わせとして、オブジェクトAとオブジェクトCとが表示されることが決定した場合を示している。この場合、音光側MPU92は、表示パターンテーブルとして、AC用表示パターンテーブルを参照する。
図60は、表示パターンテーブルの一例として、AC用表示パターンテーブルを示す説明図である。図示するように、AC用表示パターンテーブルは、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合に区分されている。そして、各場合に対して、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値と、オブジェクトAとオブジェクトCとを用いた演出の表示パターンとが対応付けて設定されている。
本実施形態においては、オブジェクトAとオブジェクトCとを用いた表示パターンとして、オブジェクトAとオブジェクトCのいずれも表示しないパターン(非表示)、オブジェクトAの画像A1とオブジェクトCの画像C1とを組み合わせて表示するパターン(A1/C1)、オブジェクトAの画像A1と画像A2とを順に表示するとともにオブジェクトCの画像C1と画像C2とを表示するパターン(A1−A2/C1−C2)、オブジェクトAの画像A1と画像A2とを順に表示するとともにオブジェクトCの画像C1と画像C2と画像C3とを順に表示する表示パターン(A1−A2/C1−C2−C3)が設定されている。さらに、本実施形態においては、各表示パターン毎に、各オブジェクトの表示面41aにおける配置位置と、表示開始のタイミングが予め設定されており、表示パターンが決定されることによって予告演出における各オブジェクトの配置位置、表示開始のタイミングが決定する。
例えば、当該遊技回が大当たりであり、かつ、表示オブジェクト乱数カウンタC21と表示オブジェクトテーブルによって、予告演出で表示するオブジェクトの組み合わせとして、オブジェクトAとオブジェクトCとが表示されることが決定している場合において、表示パターン乱数カウンタC22によって取得したカウンタ値が「62」であった場合には、予告演出の表示パターンは(A1−A2/C1−C2−C3)に決定される。
図61は、表示パターンの一例として表示パターン(A1−A2/C1−C2−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図61(a)、図61(b)、54(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出においては、表示面41aに、オブジェクトAの画像A1と画像A2とが順に表示されるとともに、オブジェクトCの画像C1と画像C2とが順に表示される。上述のように、表示パターン(A1−A2/C1−C2−C3)には、オブジェクトAの画像A1および画像A2の配置位置および表示開始のタイミング、オブジェクトCの画像C1、画像C2および画像C3の配置位置および表示開始のタイミングが予め設定されているので、表示パターン(A1−A2/C1−C2−C3)が決定されることによって予告演出の態様は決定する。
図60においては、AC用表示パターンテーブルについて説明したが、各オブジェクトの組み合わせ毎に、表示パターンテーブルが用意されている。また、各表示パターンテーブル毎に、各オブジェクトの画像の組み合わせによる複数種類の表示パターンが設定されている。
図62は、A用表示パターンテーブルを示す説明図である。A用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(A1)、表示パターン(A1−A2)、表示パターン(A1−A2−A3)(図51参照)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、A用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2−A3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。このように表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られることによって、遊技者は、表示面41aに画像A1が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像A2が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が高まり、表示面41aに画像A1の後に画像A2が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像A3が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が高まる。
次に、B用表示パターンテーブルについて説明する。
図63は、B用表示パターンテーブルを示す説明図である。B用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(B1−B2−B3)、表示パターン(B1−B2)、表示パターン(B1)(図52参照)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、B用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B1−B2−B3)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B1−B2)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B1)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。すなわち、このように表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られることによって、上述したオブジェクトAによる予告演出とは異なり、遊技者は、表示面41aに画像B1が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像B2が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が低下し、表示面41aに画像B1の後に画像B2が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像B3が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が低下する。
次に、C用表示パターンテーブルについて説明する。
図64は、C用表示パターンテーブルを示す説明図である。C用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(C1)、表示パターン(C1−C2)、表示パターン(C1−C2−C3)(図53参照)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(C1)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(C1−C2)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(C1−C2−C3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。このように表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られることによって、遊技者は、表示面41aに画像C1が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像C2が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が高まり、表示面41aに画像C1の後に画像C2が表示されたときよりも、その後に、表示面41aに画像C3が表示されたときの方が、大当たり抽選の当選に対する期待が高まる。
次に、AB用表示パターンテーブルについて説明する。
図65は、AB用表示パターンテーブルを示す説明図である。AB用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3)、表示パターン(A1−A2−A3/B1)、表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、AB用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2−A3/B1)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。
図66は、AB用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図66(a)、図66(b)、図66(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が晴れ、曇り、雨と変化する中、歩いていた人物が雨に濡れてしまう様子が表現されている。
図66(a)に示す画像A1と画像B1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた日に歩いている人物が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図66(b)に示す画像A2と画像B2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れから曇りに天候が変化したことに人物が気付いた様子が表現されており、一般的に図66(a)に示す画像と比較して良いとは言えない印象を与え、遊技者に対して、図66(a)の画像と比較して遊技の状況に関して有利とは言えない認識を与える。そして、図66(c)に示す画像A2と画像B3からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、雨に濡れる人物が表現されており、一般的に悪い印象を与え、遊技者に対して、遊技の状況に関して不利な認識を与える。すなわち、表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3)による予告演出は、当該予告演出の表示が進むにつれて、遊技者に対し、遊技の状況に関する認識を不利な認識に変化させる。
図67は、AB用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2−A3/B1)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図67(a)、図67(b)、図67(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、歩いている人物が晴れていることに気付き、傘をさして日焼け予防をしている様子が表現されている。
図67(a)に示す画像A1と画像B1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた日に歩いている人物が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図67(b)に示す画像A2と画像B1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れていることに気付いた人物が表現されており、当該画像も、図67(a)の画像と同様に、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図67(c)に示す画像A3と画像B1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、傘をさして日焼け対策をする人物が表現されており、一般的に悪い印象は与えず、遊技の状況に関して不利とは言えない認識を与える。すなわち、表示パターン(A1−A2−A3/B1)による予告演出は、当該予告演出の表示が進んでも、遊技者に対し、遊技の状況に関して有利とも不利とも判断しにくい認識を与える。
図68は、AB用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図68(a)、図68(b)、図68(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が晴れ、曇り、雨と変化する中、歩いていた人物が天候の変化に気付き、傘をさして、天候の悪化に適切に対応することができた様子が表現されている。
図68(a)に示す画像A1と画像B1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた日に歩いている人物が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図68(b)に示す画像A2と画像B2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れから曇りに天候が変化したことに人物が気付いた様子が表現されており、一般的に図68(a)に示す画像と比較して良いとは言えない印象を与えるため、遊技者に対して、図68(a)の画像と比較して遊技の状況に関して有利とは言えない認識を与える。その後、図68(c)に示す画像A3と画像B3からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、傘をさして天候の悪化に適切に対応することができた人物が表現されており、一般的に良い印象は与え、遊技の状況に関して有利な認識を与える。すなわち、表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3)による予告演出は、図68(a)の画像において遊技者に対し、遊技の状況に関して不利とは言えない認識を与え、その後、図68(b)の画像において遊技者に対し、遊技の状況に関して有利とは言えない認識を与え、その後、図68(c)の画像において遊技者に対し、遊技の状況に関して有利な認識を与える。このような予告演出を表示することで、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を与えることができる。
図66、図67、図68に示したように、AB用表示パターンテーブルによって設定されている演出は、当該予告演出が進むにつれて、遊技者に対して、遊技の状況が有利または不利な認識を与えるように構成されている。特に、図66において説明した表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3)による予告演出と、図68において説明した(A1−A2−A3/B1−B2−B3)による予告演出を比較した場合、図66(a)と図68(a)が同じ画像であり、図66(b)と図68(b)とが同じ画像であり、いずれの予告演出も、途中までは同じ画像であるため、遊技者に対して、図66の予告演出と図68の予告演出のいずれに変化するのかといった緊迫感を付与することができる。より具体的には、天候の変化に気付いた人物が、最後に傘をさすか否かといった変化に対して、遊技者に緊迫感を付与することができ、予告演出に対する遊技者の注目度を向上させ、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、BC用表示パターンテーブルについて説明する。
図69は、BC用表示パターンテーブルを示す説明図である。BC用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(B2−B3/C1−C3)、表示パターン(B2−B3/C1−C3)、表示パターン(B1/C1−C2−C3)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、BC用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B2−B3/C1−C3)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B2−B3/C1−C3)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(B1/C1−C2−C3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。
図70は、BC用表示パターンテーブルによって表示パターン(B2−B3/C1−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図70(a)、図70(b)、図70(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が曇りから雨に変化する一方で、箱の中からは、犬が顔を出し、犬が雨に濡れてしまう様子が表現されている。
図70(a)に示す画像B2と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、曇りの中、箱が置かれている様子が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図70(b)に示す画像B3と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、雨の中、箱が置かれている様子が表現されており、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。しかしながら、その後に、図70(c)に示す画像B3と画像C3からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、箱の中から大きく顔を出した犬が雨に濡れる様子が表現されており、一般的に悪い印象を与え、遊技者に対して、遊技の状況に関して不利な認識を与える。すなわち、表示パターン(B2−B3/C1−C3)による予告演出は、図70(c)の画像を表示したときに、遊技者に対し、遊技の状況に関して不利な認識を与える。
図71は、BC用表示パターンテーブルによって表示パターン(B2−B3/C1)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図71(a)、図71(b)、図71(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が曇りから雨に変化するとともに、そのような天候の中、箱が置かれている様子が表現されている。
図71(a)に示す画像B1と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、曇りの中、箱が置かれている様子が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図71(b)に示す画像B3と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、雨の中、箱が置かれている様子が表現されており、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。そして、図71(c)に示す画像B3と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像は、図71(b)の画像から変化しておらず、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。このように、表示パターン(B1−B2−B3/C1)は、遊技者に対して、遊技の状況に関して不利な認識は与えない。
図72は、BC用表示パターンテーブルによって表示パターン(B1/C1−C2−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図72(a)、図72(b)、図72(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、晴れた日に、箱の中から犬が顔を出す様子が表現されている。
図72(a)に示す画像B1と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、箱が置かれている様子が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図72(b)に示す画像B1と画像C2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、箱の中から犬が顔を出す様子が表現されており、図72(a)と比較して、遊技者に対して遊技の状況に関して有利な認識を与える。図64のC用表示パターンテーブルによる予告演出が設定されている場合には、当該予告演出が画像C1から画像C2、画像C3と変化する方が大当たり抽選に当選する確率が高いため、図72に示したオブジェクトBとオブジェクトCによる予告演出においても、図72(a)から図72(b)に画像が進む際に、オブジェクトCによる画像が画像C1から画像C2に変化することによって、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。その後、図72(c)に示す画像B1と画像C3からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、箱の中から犬が大きく顔を出す様子が表現されており、一般的に良い印象は与えるため、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。このように、表示パターン(B1/C1−C2−C3)による演出は、図64のC用表示パターンテーブルによる予告演出と同様、オブジェクトCが画像C1から画像C2、画像C3と変化するとともに、その他に悪い印象を与えるような画像が表示されないため、当該予告演出が進むにつれて、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与えることができる。
ここで、BC用表示パターンテーブルによって設定される演出のうち、図70に示した表示パターン(B2−B3/C1−C3)による予告演出と、図71に示した表示パターン(B2−B3/C1−C3)による予告演出との比較について述べる。
この2つの予告演出は、途中の画像までは同じ画像となっている。具体的には、図70(a)と図71(a)とは同じ画像であり、図70(b)と図71(b)とは同じ画像である。従って、この2つ予告演出のいずれが表示された場合であっても、途中までは、遊技者に与える遊技の状況に対する認識は同じである。しかしながら、その後に表示される画像によって、遊技者に与える遊技の状況に対する認識は、この2つの予告演出の間で大きく異なる。図70(c)の画像は、画像C3が画像B3と組み合わされた画像であり、雨に濡れる犬の画像は一般的に悪い印象を与える画像であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与える。一方で、図71(c)の画像は、画像C1が画像B3と組み合わされた画像であり、雨の中に箱が置かれている画像は悪い印象は与えない画像であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与えない。換言すれば、画像B2と画像C1が組み合わされた画像が表示された状態において、その後に、画像C1が画像C3に変化した場合には、当該画像は図70(c)であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与え、その一方で、画像B2と画像C1が組み合わされた画像が表示された状態において、その後に、画像C1が変化しなかった場合には、当該画像は図71(c)であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与えない。従って、図70に示す予告演出または図71に示す予告演出を実行し、画像B2と画像C1が組み合わされた画像を表示することで、画像C1が画像C3に変化するか否かという点に遊技者の注目を集めることができるとともに、遊技者に緊迫感を付与することができる。
上記の図64のC用表示パターンテーブルによる予告演出においては、画像B3と組み合わされずにオブジェクトCの画像が表示される場合には、画像C1が表示面41aに表示された場合よりも、画像C3が表示面41aに表示された場合の方が遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える。具体的には、箱が置かれている様子が表現された画像よりも、箱の中から犬が顔を出している様子が表現された画像の方が、一般的に良い印象を与えるため、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。また、図64のC用表示パターンテーブルによる予告演出が設定されている場合には、当該予告演出が画像C1から画像C2、画像C3と変化する方が大当たり抽選に当選する確率が高いため、画像C1が画像B3と組み合わされずに表示面41aに表示された場合よりも、画像C3が画像B3と組み合わされずに表示面41aに表示された場合の方が、さらに遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える。
しかしながら、画像C1および画像C3に対して画像B3を組み合わせた場合には、画像C1が画像B3と組み合わされて表示面41aに表示された場合(図71(c))の方が、画像C3が画像B1と組み合わされて表示面41aに表示された場合(図70(c))よりも、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える。
すなわち、画像C1および画像C3の各々に画像B3(雨の画像)を組み合わせない場合には、画像C1(箱の画像)が表示面41aに表示された場合よりも、画像C3(箱の中の犬の画像)が表示面41aに表示された場合の方が、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与えるにも関わらず、画像C1および画像C3の各々に画像B3(雨の画像)を組み合わせる場合には、画像C1(箱の画像)が表示面41aに表示された場合の方が、画像C3(箱の中の犬の画像)が表示面41aに表示された場合よりも、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える。
従って、画像の組み合わせ方によって、遊技者に対して遊技の状況についての種々の認識を与えることができる。本実施形態の場合、大当たり抽選に当選している確率や期待度が高いほどステップアップする演出画像に対して、所定の画像を組み合わせた場合には、遊技の状況について、全く異なる認識を遊技者に与えることができる。遊技者は、表示面41aに表示された画像C1(箱の画像)や画像C3(箱の中の犬の画像)を認識した場合であっても、画像B3(雨の画像)の表示の有無によって遊技の状況が異なると認識する。従って、表示面41aに表示される画像に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、図64のC用表示パターンテーブルにおいて説明したように、本実施形態の場合、画像C1(箱の画像)を画像B3(雨の画像)と組み合わせずに表示した場合よりも、画像C3(箱の中の犬の画像)を画像B3(雨の画像)と組み合わせずに表示した場合の方が、大当たり抽選に当選している確率が高いにも関わらず、画像C1(箱の画像)を画像B3(雨の画像)と組み合わせて表示した場合の方が、画像C3(箱の中の犬の画像)を画像B3(雨の画像)と組み合わせて表示した場合よりも、大当たり抽選に当選している確率が高い。従って、画像C1(箱の画像)や画像C3(箱の中の犬の画像)などオブジェクトC又はその一部の画像が表示された場合に、画像B3(雨の画像)の表示の有無についての遊技者の注目度を向上させることができる。
通常、ステップアップするほど(例えば、演出画像が画像P1→画像P2→画像P3と進行するほど)大当たり抽選に当選している確率が高くなる演出画像は、画像P1より画像P2、画像P2より画像P3の方が、遊技者に良い印象を与える画像となるように構成されている。つまり、画像P1、画像P2、画像P3において、大当たり抽選に当選する確率の高低の順番と、遊技者に与える印象の良し悪しの順番とがそろうように構成されている。このような構成とすることで、演出画像がステップアップ(進行)するにつれて、遊技者の期待感を向上させることができる。そのような通常の演出画像に対して、他の画像(例えば画像Q)を組み合わせて、[画像P1+画像Q]、[画像P2+画像Q]、[画像P3+画像Q]を表示させることにしても、[画像P1+画像Q]より[画像P2+画像Q]、[画像P2+画像Q]より[画像P3+画像Q]の方が、遊技者に良い印象を与える画像となるように構成される。すなわち、画像P2より画像P3の方が遊技者に良い印象を与える場合に、単に、画像Qを組み合わせても、[画像P3+画像Q]より[画像P2+画像Q]の方が遊技者に良い印象を与える画像にすることは困難である。本実施形態においては、ステップアップする演出画像として表示する画像の内容、および、組み合わせる画像の内容を工夫することによって、このような課題を解決している。本実施形態においては、画像P1、画像P2、画像P3および画像Qの内容を工夫することによって、画像P2より画像P3の方が遊技者に良い印象を与えるにも関わらず、画像Qを組み合わせた場合には、[画像P3+画像Q]より[画像P2+画像Q]の方が遊技者に良い印象を与えることを可能にしている。
このようにすることで、遊技者に対して次のような認識を与える演出を実行することが可能となる。すなわち、画像Qと組み合わせない演出画像においては、画像P1→画像P2→画像P3と進行するほど遊技の状況が有利であるという認識を与え、画像Qと組み合わせた演出画像においては、[画像P1+画像Q]→[画像P2+画像Q]→[画像P3+画像Q]と進行するほど遊技の状況が不利であるという認識を与えることが可能となる。
図73は、ABC用表示パターンテーブルを示す説明図である。ABC用表示パターンテーブルの場合、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3/C1−C2−C3)、表示パターン(A1−A2/B1−B2/C1−C2−C3)、表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)の4つの表示パターンが割り振られている。図示するように、ABC用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3/C1−C2−C3)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2/B1−B2/C1−C2−C3)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。
次に、AC用表示パターンテーブルについて説明する。
図74は、ABC用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3/C1−C2−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図74(a)、図74(b)、図74(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が晴れ、曇り、雨と変化する中、歩いていた人物、および、箱の中から顔を出した犬が、雨に濡れてしまう様子が表現されている。
図74(a)に示す画像A1と画像B1と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、人物と箱とが表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図74(b)に示す画像A2と画像B2と画像C2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れから曇りに天候が変化するとともに、人物が天候の変化に気付くとともに、箱の中から犬が少しだけ顔を出す様子が表現されており、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。しかしながら、その後に、図74(c)に示す画像A2と画像B3と画像C3からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、天候の変化に気付いた人物と、箱の中から大きく顔を出した犬とが雨に濡れる様子が表現されており、一般的に悪い印象を与え、遊技者に対して、遊技の状況に関して不利な認識を与える。すなわち、表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3/C1−C2−C3)による予告演出は、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を与えるとともに、当該予告演出の最後に、遊技者に対し、遊技の状況に関して不利な認識を与える。
図75は、ABC用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2/B1−B2/C1−C2−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図75(a)、図75(b)、図75(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が晴れから曇りに変化する中、天候の変化に気付く人物と、箱の中から犬が顔を出す様子が表現されている。
図75(a)に示す画像A1と画像B1と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、歩いている人物と、箱が置かれている様子が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図75(b)に示す画像A2と画像B2と画像C2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れから曇りに変化した天候の中、天候の変化に気付く人物と、箱の中から犬が少しだけ顔を出す様子が表現されており、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。そして、図75(c)に示す画像A2と画像B2と画像C3からなる画像が表示面41aに表示された場合、曇りの中、人物と、箱から大きく顔を出す犬とが表現されており、当該画像は、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。このように、表示パターン(A1−A2/B1−B2/C1−C2−C3)は、遊技者に対して、遊技の状況に関して不利な認識は与えない。
図76は、ABC用表示パターンテーブルによって表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)が設定された場合の予告演出を示す説明図である。当該予告演出は、図76(a)、図76(b)、図76(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、当該予告演出は、天候が晴れ、曇り、雨と変化する中、歩いていた人物が天候の変化に気付き、箱の中から顔を出した犬に傘をさしてあげる様子が表現されている。
図76(a)に示す画像A1と画像B1と画像C1からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れた中、歩いている人物と、箱が置かれている様子が表現されており、一般的に悪い印象は与えないため、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。その後、図76(b)に示す画像A2と画像B2と画像C2からなる画像が表示面41aに表示された場合、当該画像には、晴れから曇りに変化した天候の中、天候の変化に気付く人物と、箱の中から犬が少しだけ顔を出す様子が表現されており、当該画像も、遊技者に対して、遊技の状況に関する不利な認識は与えない。そして、図76(c)に示す画像A3と画像B3と画像C3からなる画像が表示面41aに表示された場合、雨の中、箱の中から大きく顔を出した犬と、犬に傘をさしてあげる人物とが表現されており、当該画像は、一般的に感動的な印象を与えるので、遊技者に対して、遊技の状況に関する有利な認識を与える。このように、表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)は、遊技者に対して、遊技の状況に関して有利な認識を与える。
ここで、ABC用表示パターンテーブルによって設定される演出のうち、図74に示した表示パターン(A1−A2/B1−B2−B3/C1−C2−C3)による予告演出と、図76に示した表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)による予告演出との比較について述べる。
この2つの予告演出は、途中の画像までは同じ画像となっている。具体的には、図74(a)と図76(a)とは同じ画像であり、図74(b)と図76(b)とは同じ画像である。従って、この2つ予告演出のいずれが表示された場合であっても、途中までは、遊技者に与える遊技の状況に対する認識は同じである。しかしながら、その後に表示される画像によって、遊技者に与える遊技の状況に対する認識は、この2つの予告演出の間で大きく異なる。図74(c)の画像は、画像A2と画像B3と画像B3とが組み合わされた画像であり、人物と犬が雨に濡れる画像は一般的に悪い印象を与える画像であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与える。一方で、図76(c)の画像は、画像A3と画像B3と画像C3とが組み合わされた画像であり、雨の中、犬が雨に濡れないように人物が傘をさしてあげている画像は良い印象を与える画像であるため、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。換言すれば、画像A2と画像B2と画像C2とが組み合わされた画像が表示された状態において、その後に、画像A2が変化しなかった場合には、当該画像は図74(c)であるため、遊技者に対して、遊技の状況について不利な認識を与え、その一方で、画像A2と画像B2と画像C2とが組み合わされた画像が表示された状態において、その後に、画像A2が画像A3に変化した場合には、当該画像は図76(c)であるため、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。従って、図74に示す予告演出または図76に示す予告演出を実行し、画像A2と画像B2と画像C2とが組み合わされた画像を表示することで、画像A2が画像A3に変化するか否かという点に遊技者の注目を集めることができるとともに、遊技者に緊迫感を付与することができる。
また、図76に示した表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)による予告演出は、以下の特性を備える。
上記の図63のB用表示パターンテーブルによる予告演出においては、画像B1、画像B2、画像B3と演出画像が進行するにつれて、天候が悪化している様子が表現されているため、演出画像が進行するにつれて、遊技者に対して遊技の状況について不利な認識を与える。また、図63のB用表示パターンテーブルによる予告演出が設定されている場合には、当該予告演出が画像B1から画像B2、画像B3と変化する方が大当たり抽選に当選する確率が低く設定されているため、画像B1、画像B2、画像B3と演出画像が進行するにつれて、さらに、遊技者に対して遊技の状況について不利な認識を与える。すなわち、オブジェクトBは、画像B1、画像B2、画像B3の順に画像を進行させることによって遊技者に不利な認識を与える。
しかしながら、オブジェクトBを、画像A1、画像A2、画像A3の順に画像が進行するオブジェクトAと、画像C1、画像C2、画像C3の順に画像が進行するオブジェクトCと組み合わせ、表示パターン(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)として表示させることによって、遊技者に感動を与える内容の演出画像に変化させることができるとともに、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える画像に変化させることができる。このように、本実施形態におけるオブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCとして構成される各画像は、画像の内容を工夫することによって、1つのオブジェクトとして表示した場合と、他のオブジェクトと組み合わせて表示した場合とで、画像が与える印象を大きく変化させることが可能であるとともに、遊技者に対して与える遊技の状況についての認識を大きく変化させることができる。
なお、本実施形態においては、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCによる予告演出、または、これらの組み合わせからなる予告演出を、大当たり抽選に当選しているか否かを示唆する演出として用いた。すなわち、これらの予告演出を、大当たりの期待度を示す演出として用いたが、確変大当たりの期待度や、確変状態であることの期待度を遊技者に示す演出として用いてもよい。この場合においても、本実施形態と同様に、各オブジェクトの画像の組み合わせ方によって、遊技の状況が有利であるという認識または不利であるという認識を遊技者に与えることができる。
次に、上記説明した第6実施形態における演出種別の設定処理を、フローチャートによって説明する。
図77は、第6実施形態における演出種別の設定処理を示すフローチャートである。演出種別の設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図37:S2303)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
ステップS3301では、表示オブジェクト乱数カウンタC21からカウンタ値を取得する。その後、ステップS3302に進み、表示オブジェクトテーブルを参照し、取得した表示オブジェクト乱数カウンタC21のカウンタ値との照合を実行し、予告演出として表示するオブジェクトの組み合わせを決定する。ステップS3302を実行した後、ステップS3303に進む。
ステップS3303では、表示パターン乱数カウンタC22からカウンタ値を取得する。その後、ステップS3304に進み、予告演出を設定する対象である遊技回が、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)のいずれであるかを確認する。ステップS3304を実行した後、ステップS3305に進む。
ステップS3305では、予告演出として表示するオブジェクトの組み合わせに対応した表示パターンテーブルを参照し、取得した表示パターン乱数カウンタC22のカウンタ値との照合を実行し、表示パターンを決定する。その後、ステップS3306に進み、決定した表示パターンを予告演出に設定する。ステップS3306を実行した後、ステップS3307に進む。
ステップS3307では、当該遊技回が大当たりであるか否かを判定する。ステップS3307において、当該遊技回が大当たりであると判定した場合には(S3307:YES)、ステップS3308に進む。
ステップS3308では、ステップS3306で設定した予告演出の表示パターンがフル表示パターンであるか否かを判定する。ここで、フル表示パターンとは、予告演出として表示されるオブジェクトの組み合わせが、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの3つであり、かつ、表示パターンが(A1−A2−A3/B1−B2−B3/C1−C2−C3)である表示パターンをいう。すなわち、図56において示した表示パターンをいう。ステップS3308において、設定した予告演出の表示パターンがフル表示パターンであると判定した場合には(S3308:YES)、ステップS3309に進む。
ステップS3309では、リーチ演出の設定処理として、フル表示パターンの予告演出の後に実行するリーチ演出を、フル表示パターンにおいて表現された演出の続編を表現した続編演出に設定する。
図78は、リーチ演出として実行する続編演出の一例を示す説明図である。当該続編演出は、図78(a)、図78(b)、図78(c)の順に、表示面41aに表示される。図示するように、続編演出は、雨の中を、人物が犬を傘下に入れて歩く様子を示す演出である。このような続編演出を実行することにより、遊技者に、大当たりである確率が高いことを示し、遊技者の期待感を向上させることができる。
説明を図77に戻す。ステップS3309において、リーチ演出として続編演出を設定した後、ステップS3310に進む。
ステップS3307において、当該遊技回が大当たりではないと判定した場合には(S3307:NO)、ステップS3311に進む。
ステップS3311では、当該遊技回がリーチであるか、すなわち、外れ(リーチ有)であるか否かを判定する。ステップS3311において当該遊技回がリーチであると判定した場合(S3311:YES)、または、ステップS3308において設定した予告演出の表示パターンがフル表示パターンではないと判定した場合には(S3308:NO)、ステップS3312に進む。
ステップS3312では、リーチ演出の設定処理として、通常のリーチ演出を設定する。その後、ステップS3310に進む。
一方、ステップS3311において、当該遊技回がリーチではないと判定した場合には(S3311:NO)、ステップS3312を実行せずにステップS3310に進む。
ステップS3310では、ステップS3306で設定した予告演出およびステップS3309で設定したリーチ演出を、演出コマンドに設定する。その後、演出種別の設定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、各オブジェクトの組み合わせ方によって、遊技者に与える遊技の状況についての有利・不利に関する認識を変えることができるので、各オブジェクトを用いた多様な演出を実行することが可能であり、各オブジェクト画像を有効利用することができる。例えば、オブジェクトAが表示される場合であっても、他のオブジェクトとの組み合わせ方、または、他のオブジェクトと同じ期間に表示されているか否かによって、遊技者に与える遊技の状況についての有利・不利に関する認識が異なるので、各オブジェクト画像を用いた多様な演出を実行することが可能であり、各オブジェクト画像を有効利用することができる。また、各オブジェクト画像の組み合わせから成る種々の表示パターンごとに、当該表示パターンが表示された場合の大当たり抽選に当選する確率が異なるので、各表示パターンによって構成される演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
さらに、各オブジェクト画像を組み合わせて表示する場合に、遊技の状況(例えば、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無))に応じて、各オブジェクトの相対的な配置位置を変更した表示パターンを設定するので、配置位置を調整することによって、遊技の有利・不利について種々の認識を遊技者に与えることができる。さらに、各オブジェクト画像を組み合わせて表示する場合に、遊技の状況に応じて、各オブジェクトの表示を開始するタイミングを変更した表示パターンを設定するので、各オブジェクトの表示開始のタイミングを調整することによって、遊技の有利・不利について種々の認識を遊技者に与えることができる。
G.第7実施形態:
図79は、第7実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態と上述した第1〜第6実施形態との違いは、年月日情報及び時刻情報を出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が音声発光制御装置90に設けられている点である。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
音声発光制御装置90のMPU92は、RTC96から出力された年月日情報及び時刻情報を取得するとともに、取得した年月日情報及び時刻情報に基づいた演出であるRTC演出を実行する。本実施形態では、音声発光制御装置90は、取得した時刻情報がRTC演出開始条件として設定されている所定の時刻と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合には、RTC演出を実行するための処理を開始する。本実施形態のRTC演出は、300秒間のRTC演出動画と、当該RTC演出動画に対応したRTC演出音楽とによって構成されており、毎時00分に実行される。
図80は、図柄表示装置41が背景動画を表示中にRTC演出開始条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。図中に示したRTC演出中フラグは、RTC演出開始条件が成立してRTC演出が開始される際にONにされ、RTC演出が終了する際にOFFにされるフラグである。
表示制御装置100は、図柄表示装置41が背景動画を表示中に時刻が毎時00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、背景音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
表示制御装置100は、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本実施形態では300秒)が終了した場合には(時刻t2)、図柄表示装置41の表示態様を、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行させる。そして、表示制御装置100は、背景動画を表示する態様に移行させる際に、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様に移行する際には(時刻t2)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
なお、音声発光制御装置90は、複数種類の背景音楽を出力可能であり、背景音楽の頭出し処理(時間的な先頭位置「01」から出力または表示を開始する処理)を実行する際には、頭出し処理を実行する対象の背景音楽の種類を抽選によってランダムに選択する構成とし、表示制御装置100は、複数種類の背景音楽に対応した複数種類の背景動画を表示可能であり、選択された背景音楽に対応した背景動画を選択して頭出し処理を実行する構成としてもよい。このような構成とすれば、複数種類の背景音楽および背景動画を遊技者に鑑賞させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。後述する図83において、音声発光制御装置90および表示制御装置100が背景音楽および背景動画の頭出し処理を実行する場合においても同様に、複数種類の中から背景音楽および背景動画を選択する構成を採用することができる。
図81は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中にRTC演出開始条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始するとともに、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された出力レベルに復帰させる。
表示制御装置100は、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本実施形態では300秒)が終了した場合には(時刻t2)、図柄表示装置41の表示態様を、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる。そして、表示制御装置100は、デモ動画を表示する態様に移行させる際に、デモ動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様に移行する際には(時刻t2)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。
図82は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中に移行条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。なお、移行条件は、上述したように、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様に移行させるとともに、音声の出力態様を、音量がゼロである態様(消音状態)に移行させる条件である。
表示制御装置100は、図柄表示装置41が背景動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、背景音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中にメイン表示部45における図柄の変動が停止し(時刻t2)、図柄の変動が停止してから15秒が経過して移行条件が成立した場合には(時刻t3)、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本実施形態では300秒)が終了した後に、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様に移行させる(時刻t4)。そして、表示制御装置100は、デモ動画を表示する態様に移行させる際に、デモ動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様に移行する際には(時刻t4)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。
図83は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中に復帰条件が成立した場合における処理の一例を示すタイミングチャートである。なお、復帰条件は、上述したように、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させるとともに、音声の出力態様を、予め設定された音量で背景音楽が出力されている態様に復帰させる条件である。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がデモ動画を表示中に時刻が00分になってRTC演出開始条件が成立した場合には(時刻t1)、図柄表示装置41の表示態様を、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行させる。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行する際には(時刻t1)、RTC演出音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始するとともに、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された出力レベルに復帰させる。
表示制御装置100は、図柄表示装置41がRTC演出動画を表示中にメイン表示部45における図柄の変動が開始して復帰条件が成立した場合には(時刻t2)、RTC演出動画の予め定められた表示期間(本実施形態では300秒)が終了した後に、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様に復帰させる(時刻t3)。また、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示態様が、背景動画を表示する態様に復帰する際には(時刻t3)、RTC演出音楽の出力を停止するとともに、遊技者によって予め設定された音声の出力レベル(音量)を維持したまま、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始する。
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の一例を説明する。以下では、上記の第1実施形態と異なる処理について説明し、上記の第1実施形態と同一の処理については説明を省略する。
図84は、第7実施形態の音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。第1実施形態の音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理(図32)との違いは、コマンド対応処理(ステップS1802)を実行した後であって、待機状態移行処理(ステップS1803)を実行する前に、RTC演出用処理(ステップS1802a)を実行する点であり、他の処理は第1実施形態と同じである。RTC演出用処理では、RTC演出を実行するための処理を実行する。RTC演出用処理の詳細について以下に説明する。
図85は、第7実施形態の音光側MPU92において実行されるRTC演出用処理を示すフローチャートである。ステップS3401では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する。RTC演出中フラグは、RTC演出が実行されているか否かを音光側MPU92が認識するためのフラグである。ステップS3401において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S3401:NO)、ステップS3402に進み、RTC96から出力された時刻情報を読み込む。その後、ステップS3403に進む。
ステップS3403では、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致するか否かを判定する。本実施形態では、読み込んだ時刻情報が毎時00分と一致するか否かを判定する。ステップS3403において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致しないと判定した場合には(S3403:NO)、そのまま本RTC演出用処理を終了する。一方、ステップS3403において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致すると判定した場合には(S3403:YES)、ステップS3404に進む。
ステップS3404では、RTC演出時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているRTC演出時間タイマカウンタTrに「150000」(すなわち、5.0min)をセットする。RTC演出時間タイマカウンタTrは、RTC演出が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS3404を実行した後、ステップS3405に進む。
ステップS3405では、RTC演出動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。RTC演出動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、RTC演出動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS3405を実行した後、ステップS3406に進む。
ステップS3406では、RTC演出音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。なお、背景音楽を出力している場合には、当該背景音楽の出力を停止するとともに、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS3407に進み、RTC演出中フラグをONにする。その後、ステップS3408に進む。
ステップS3408では、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONである状況とは、上述した移行条件が成立しているとともに音声の出力レベル(音量)が低減されている状況を意味している。ステップS3408において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S3408:YES)、ステップS3409に進む。
ステップS3409では、低減されていた音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。その後、ステップS3410に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをONにする。RTC演出後デモ動画開始フラグは、RTC演出が終了した後にデモ動画を開始させるためのフラグであり、RTC演出の開始前に移行条件が成立している場合や、RTC演出の実行中に移行条件が成立した場合にONにされるフラグである。ステップS3410を実行した後、ステップS3411に進み、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのうち、ONになっていたフラグをOFFにする。その後、ステップS3412に進む。一方、ステップS3408において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S3408:NO)、ステップS3409からステップS3411の処理を実行することなく、ステップS3412に進む。
ステップS3412では、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップS3412において、復帰条件成立フラグがONであると判定した場合には(S3412:YES)、ステップS3413に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにするとともに、ステップS3414に進み、復帰条件成立フラグをOFFにする。一方、ステップS3412において、復帰条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S3412:NO)、ステップS3413及びステップS3414の処理を実行することなく、そのまま本RTC演出用処理を終了する。
ステップS3401において、RTC演出中フラグがONであると判定した場合(S3401:YES)、すなわち、RTC演出が実行されている場合には、ステップS3415に進む。
ステップS3415では、RTC演出が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS3403においてセットされたRTC演出時間タイマカウンタTrが0であるか否かを判定する。ステップS3415において、RTC演出が終了するタイミングであると判定した場合には(S3415:YES)、ステップS3416に進み、RTC演出が終了する場合における処理に進む。一方、ステップS3415において、RTC演出が終了するタイミングではないと判定した場合には(S3415:NO)、上述したステップS3408からステップS3414の処理に進む。この理由は、RTC演出が実行されている期間中においても、移行条件や復帰条件が成立する可能性があり、ステップS3408からステップS3414の処理を実行する必要があるためである。
ステップS3416では、RTC演出中フラグをOFFにする。その後、ステップS3417に進み、RTC演出音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS3418に進む。
ステップS3418では、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS3418において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONではないと判定した場合には(S3418:NO)、ステップS3419に進み、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS3420に進み、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、本RTC演出用処理を終了する。
ステップS3418において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであると判定した場合には(S3418:YES)、ステップS3421に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS3422に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS3423に進む。
ステップS3423では、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。本実施形態では、デモ動画と共に出力する音楽は設定されていないからである。ステップS3423を実行した後、ステップS3424に進み、頭出し判定フラグをONにする。この処理によって、デモ動画の表示中において頭出し判定フラグをONにすることができる。ステップS3424を実行した後、ステップS3425に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにする。その後、本RTC演出用処理を終了する。
図86は、第7実施形態の音光側MPU92において実行される待機状態移行処理を示すフローチャートである。第1実施形態の音光側MPU92において実行される待機状態移行処理(図41)との違いは、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する処理(ステップS2701)を実行する前に、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する処理(ステップS2700)を実行する点であり、他の処理は第1実施形態と同じである。
ステップS2700では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定し、RTC演出中フラグがONであると判定した場合には(S2700:YES)、そのまま本待機状態移行処理を終了する。すなわち、RTC演出が実行されている期間中は待機状態に移行しないように構成されている。一方、ステップS2700において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S2700:NO)、ステップS2701に進み、復帰条件成立フラグがONであるか否かを判定する。以下の処理は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
図87は、第7実施形態の表示側MPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。第1実施形態の表示側MPU102において実行されるコマンド対応処理(図45)との違いは、背景動画の表示を開始させる処理(ステップS3112)を実行した後であって、その他の処理(ステップS3113)を実行する前に、後述するステップS3112a及びステップS3112bの処理を実行する点であり、他の処理は第1実施形態と同じである。
ステップS3112aでは、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアにRTC演出動画開始コマンドが記憶されているか否かを判定する。ステップS3112aにおいて、RTC演出動画開始コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS3112bに進み、RTC演出動画の表示を開始させる処理を実行する。具体的には、RTC演出動画が時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。ステップS3112bを実行した後、ステップS3113に進む。一方、ステップS3112aにおいて、RTC演出動画開始コマンドが記憶されていないと判定した場合には、ステップS3112bを実行せずにステップS3113に進む。以下の処理は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、図80に示したように、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行し、その後、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合には、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行するとともに、背景動画を表示する態様に移行する際に、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた背景動画の時間的位置から当該背景動画の表示を開始する構成や、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行させる際に、表示を開始する背景動画の時間的位置をRTC演出動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行した後においても背景動画の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出動画を表示する態様から背景動画を表示する態様に移行する際には内部処理として継続して再生している背景動画を図柄表示装置41に表示させる構成等が挙げられる。
さらに、本実施形態によれば、図81に示したように、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行し、その後、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合には、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行するとともに、デモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、デモ動画を表示する態様に移行する際にデモ動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、デモ動画を表示する態様に移行する際にデモ動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出動画を表示する態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていたデモ動画の時間的位置から当該デモ動画の表示を開始する構成や、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる際に、表示を開始するデモ動画の時間的位置をRTC演出動画を表示する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、デモ動画を表示する態様からRTC演出動画を表示する態様に移行した後においてもデモ動画の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行する際には内部処理として継続して再生しているデモ動画を図柄表示装置41に表示させる構成等が挙げられる。
さらに、本実施形態によれば、図82に示したように、RTC演出動画を表示中に移行条件が成立した場合であっても、RTC演出動画は予め定められた表示期間の途中で中断せず、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した後にデモ動画を表示する態様に移行するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、図83に示したように、RTC演出動画を表示中に復帰条件が成立した場合であっても、RTC演出動画は予め定められた表示期間の途中で中断せず、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した後に背景動画を表示する態様に復帰するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10が複数台設置されている場合には、図80および図83に示したように、各パチンコ機10において実質的に同時にRTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行するとともに、各パチンコ機10は、背景動画を表示する際に、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各パチンコ機10において表示される背景動画を同期させることができる。すなわち、各パチンコ機10において表示される背景動画が同期した壮観な状況を創出することができる。このため、本実施形態のパチンコ機10が複数台設置されている遊技ホールに訪れた遊技者は、各パチンコ機10において表示される背景動画が同期した壮観な状況を目の当たりにすることになる。この結果、当該パチンコ機10に対する興味を遊技者に抱かせることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、図80および図83に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、背景動画の時間的な先頭位置から表示を開始するので、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景動画を表示する態様に移行する際に背景動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は、背景動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、図80および図83に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、予め定められた時間的位置から背景音楽の出力を開始するので、背景音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、背景音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、図80において、RTC演出動画の予め定められた表示期間が終了した場合に、RTC演出音楽を出力する態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた背景音楽の時間的位置から当該背景音楽の出力を開始する構成や、RTC演出音楽を出力する態様から背景音楽を出力する態様に移行する際に、出力を開始する背景音楽の時間的位置をRTC演出音楽を出力する態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、背景音楽を出力する態様からRTC演出音楽を出力する態様に移行した後においても背景音楽の再生を内部処理として継続するとともに、RTC演出音楽を出力する態様から背景音楽を出力する態様に移行する際には内部処理として継続して再生している背景音楽を出力する構成等が挙げられる。
さらに、本実施形態によれば、図80および図83に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了して背景動画を表示する態様に移行する際に、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始するので、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、背景音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、背景音楽を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、背景音楽のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対して背景音楽を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、背景音楽を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10が複数台設置されている場合には、図81および図82に示したように、各パチンコ機10において実質的に同時にRTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行するとともに、各パチンコ機10は、デモ動画を表示する際に、デモ動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各パチンコ機10において表示されるデモ動画を同期させることができる。すなわち、各パチンコ機10において表示されるデモ動画が同期した壮観な状況を創出することができる。このため、本実施形態のパチンコ機10が複数台設置されている遊技ホールに訪れた遊技者は、各パチンコ機10において表示されるデモ動画が同期した壮観な状況を目の当たりにすることになる。この結果、当該パチンコ機10に対する興味を遊技者に抱かせることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、図81および図82に示したように、RTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ動画の時間的な先頭位置から表示を開始するので、デモ動画を表示する態様に移行してデモ動画を表示する際にデモ動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、デモ動画を表示する態様に移行してデモ動画を表示する際にデモ動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は、デモ動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、デモ動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、当該遊技者に対してデモ動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、デモ動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
H.第8実施形態:
次に、第8実施形態について説明する。先に、第8実施形態としてパチンコ機10が実行する処理の概要を説明し、その後、処理の詳細を説明する。なお、本実施形態におけるパチンコ機10が備えるハードウェアの構造は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
H1.遊技機による処理の概要:
図88は、第8実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の概要を説明する説明図である。図88(a)には、パチンコ機10が備える表示面41aを示した。
図示するように、パチンコ機10が備える表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と第2保留表示領域Ds2とが表示されている。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す保留表示Dm11、Dm12、Dm13、Dm14が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す保留表示Dm21、Dm22、Dm23、Dm24が表示される。各保留表示は、第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得され記憶されている大当たり乱数カウンタC1に対応している。保留表示の個数の最大値は、第1保留表示領域Ds1においてDm11〜Dm14の4つ、第2保留表示領域Ds2においてDm21〜Dm24の4つである。
第1保留表示領域Ds1に表示されている各保留表示は、保留表示Dm11、Dm12、Dm13、Dm14の順に、当該保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選の対象となる。同じく、第2保留表示領域Ds2に表示されている各保留表示は、保留表示Dm21、Dm22、Dm23、Dm24の順に、当該保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選の対象となる。
各保留表示の表示態様は、各保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選に当選する可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されている。保留表示の表示態様が複数の段階の中で上位になる(ランクアップする)につれて、保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選に当選する可能性が高いことを示唆する。
図88(b)は、本実施形態のパチンコ機10において設定されている保留表示の表示態様を説明する説明図である。図示するように、本実施形態においては、保留表示の表示態様は、大当たり抽選に当選する可能性の高低に対応して、上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されている。保留表示の表示態様は、上位から順に、実表示レベルLvr5、実表示レベルLvr4、実表示レベルLvr3、実表示レベルLvr2、実表示レベルLvr1の5段階のレベルに分けて設定される。大当たり抽選に当選する可能性が高いほど上位の実表示レベルLvrに対応する表示態様が設定され、大当たり抽選に当選する可能性が低いほど下位の実表示レベルLvrに対応する表示態様が設定される。
本実施形態においては、各実表示レベルLvrに対応する表示態様は、色で表現される。具体的には、実表示レベルLvr5が黄、実表示レベルLvr4が赤、実表示レベルLvr3が緑、実表示レベルLvr2が青、実表示レベルLvr1が白の表示態様で表現される。なお、各実表示レベルLvrに対応する表示態様は、色で表現された態様に限らず、例えば、模様で表現された態様や、キャラクターで表現された態様など、遊技者が認識可能な態様で各実表示レベルLvrの差異が表現されていれば種々の表示態様を採用することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる演出を実行する。例えば、白色の保留表示を青色に変化させる演出や、青色の保留表示を赤色に変化させる演出などを実行する。
本実施形態においては、保留表示の表示態様を変化させる演出を実行する場合に、変化する保留表示が大当たり抽選の対象となる順が後のものであるほど、表示態様が変化する対象である当該保留表示における表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの上昇した段数が大きくなるように演出を実行する。より正確には、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、表示態様の複数の段階(実表示レベルLvr1〜実表示レベルLvr5)における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。
具体的には、保留表示Dm11の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)より、保留表示Dm12の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)の方が大きく、保留表示Dm12の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)より、保留表示Dm13の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)の方が大きく、保留表示Dm13の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)より、保留表示Dm14の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)の方が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。
本実施形態においては、保留表示Dm11の表示態様を変化させる場合には1つ上位の段階の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm11の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)は1つである。保留表示Dm12の表示態様を変化させる場合には2つ上位の段階の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm12の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)は2つである。保留表示Dm13の表示態様を変化させる場合には3つ上位の段階の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm13の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)は3つである。保留表示Dm14の表示態様を変化させる場合には4つ上位の段階の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm14の表示態様を上位の表示態様に変化させる場合の変化前と変化後の段階の差(実表示レベルLvrの差)は4つである。
保留表示Dm11の場合、例えば、保留表示Dm11が白色(実表示レベルLvr1)である場合には1つ上位の段階の表示態様である青色(実表示レベルLvr2)に変化させ、また、保留表示Dm11が緑色(実表示レベルLvr3)である場合には1つ上位の段階の表示態様である赤色(実表示レベルLvr4)に変化させる。保留表示Dm12の場合、例えば、保留表示Dm12が白色(実表示レベルLvr1)である場合には2つ上位の段階の表示態様である緑色(実表示レベルLvr3)に変化させ、また、保留表示Dm12が緑色(実表示レベルLvr3)である場合には2つ上位の段階の表示態様である黄色(実表示レベルLvr5)に変化させる。保留表示Dm13の場合、例えば、保留表示Dm13が白色(実表示レベルLvr1)である場合には3つ上位の段階の表示態様である赤色(実表示レベルLvr4)に変化させ、また、保留表示Dm13が青色(実表示レベルLvr2)である場合には3つ上位の段階の表示態様である黄色(実表示レベルLvr5)に変化させる。保留表示Dm14の場合、例えば、保留表示Dm14が白色(実表示レベルLvr1)である場合には4つ上位の段階の表示態様である黄色(実表示レベルLvr5)に変化させる。
第2保留表示領域Ds2に表示されている保留表示Dm21〜Dm24の表示態様を変化させる場合も、第1保留表示領域Ds1に表示されている保留表示Dm11〜Dm14の表示態様を変化させる場合と同様に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10においては、表示されている保留表示のうち、表示態様を変化させる対象に応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する。以下、保留表示の表示態様を変化させる演出および示唆演出からなる演出を保留演出とも呼ぶ。
図89、図90は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する示唆演出を説明する説明図である。
図89(a)は、保留表示Dm11の表示態様を変化させることに先立って実行される示唆演出(パターン1)を示している。示唆演出(パターン1)においては、射程距離が短い銃W1が表示面41aに表示される。そして、銃W1から銃弾が発射され、保留表示Dm11に当たる。その後、保留表示Dm11の表示態様が変化する。換言すれば、示唆演出として銃W1が表示された場合、表示態様を変化させる対象となる保留表示は、保留表示Dm11である。
図89(b)は、保留表示Dm11または保留表示Dm12の表示態様を変化させることに先立って実行される示唆演出(パターン2)を示している。示唆演出(パターン2)においては、射程距離が銃W1より長い銃W2が表示面41aに表示される。そして、銃W2から銃弾が発射され、保留表示Dm11または保留表示Dm12に当たる。その後、銃弾が当たった保留表示(保留表示Dm11または保留表示Dm12)の表示態様が変化する。換言すれば、示唆演出として銃W2が表示された場合、表示態様を変化させる対象となる保留表示は、保留表示Dm11または保留表示Dm12である。
図90(a)は、保留表示Dm12または保留表示Dm13の表示態様を変化させることに先立って実行される示唆演出(パターン3)を示している。示唆演出(パターン3)においては、射程距離が銃W2より長い大砲を備えた戦車W3が表示面41aに表示される。そして、戦車W3の大砲から砲弾が発射され、保留表示Dm12または保留表示Dm13に当たる。その後、砲弾が当たった保留表示(保留表示Dm12または保留表示Dm13)の表示態様が変化する。換言すれば、示唆演出として戦車W3が表示された場合、表示態様を変化させる対象となる保留表示は、保留表示Dm12または保留表示Dm13である。
図90(b)は、保留表示Dm12、保留表示Dm13または保留表示Dm14のいずれかの保留表示の表示態様を変化させることに先立って実行される示唆演出(パターン4)を示している。示唆演出(パターン4)においては、射程距離が戦車W3が備える大砲より長いミサイルW4が表示面41aに表示される。そして、ミサイルW4が発射され、保留表示Dm12、保留表示Dm13または保留表示Dm14のいずれかの保留表示に当たる。その後、ミサイルW4が当たった保留表示(保留表示Dm12、保留表示Dm13または保留表示Dm14)の表示態様が変化する。換言すれば、示唆演出としてミサイルW4が表示された場合、表示態様を変化させる対象となる保留表示は、保留表示Dm12、保留表示Dm13または保留表示Dm14のいずれかの保留表示である。
すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するとともに、表示されている保留表示のうち、表示態様を変化させる対象に応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する。
例えば、示唆演出としてミサイルW4が表示された場合(図90(b)参照)、表示態様が変化する可能性のある保留表示は保留表示Dm12、保留表示Dm13、または、保留表示Dm14である。発射されたミサイルW4が当たる保留表示が保留表示Dm12よりも保留表示Dm13、保留表示Dm13よりも保留表示Dm14である方が、表示態様の変化前と変化後における実表示レベルLvrの上昇する段数が大きくなる。従って、示唆演出が表示面41aに表示された時点で、遊技者に対して、どの範囲の保留表示の表示態様が変化するかを認識(例えば、示唆演出パターン4が表示されたらDm12〜Dm14の範囲のいずれかの保留表示の表示態様が変化すると認識)させるとともに、当該範囲の保留表示のうち、どの保留表示の表示態様が変化するのかを推測させ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
以下、本実施形態を実現するための処理の一例について詳細に説明する。
H2.処理の詳細:
本実施形態と上記第1実施形態との異なる点は、入賞時の更新処理(第1実施形態:図36)および演出設定処理(第1実施形態:図37)の処理内容である。従って、本説明においては、本実施形態における入賞時の更新処理および演出設定処理について説明をし、その他の処理についての説明は省略する。
<入賞時の更新処理>
図91は、第8実施形態における入賞時の更新処理を示すフローチャートである。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図35:S2101)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
入賞時の更新処理において、本実施形態と第1実施形態(図36)との異なる点は、本実施形態には、ステップS3505として、保留演出用パラメータ設定処理が追加されている点である。本実施形態の入賞時の更新処理におけるステップS3501〜ステップS3504と、上記第1実施形態の入賞時の更新処理におけるステップS2201〜ステップS2204(図36)とは、同じ処理である。従って、ステップS3501〜ステップS3504の処理については説明を省略する。
ステップS3505における保留演出用パラメータ設定処理は、示唆演出の実行および保留表示の表示態様を変化させるために必要な各種パラメータを設定するために実行されるサブルーチンである。保留演出用パラメータ設定処理の詳細は後述する。
ここで、保留演出用パラメータ設定処理に用いられる保留演出用記憶エリアについて説明する。保留演出用パラメータ設定処理によって設定されたパラメータは、本実施形態におけるパチンコ機10が備える保留演出用記憶エリアに記憶される。保留演出用記憶エリアは、音声発光制御装置90が備える音光側RAM94に設けられた記憶エリアである。
図92は、保留演出用記憶エリアを説明する説明図である。保留演出用記憶エリアは、第1保留演出用記憶エリアと第2保留演出用記憶エリアとを備える。図92(a)には第1保留演出用記憶エリアを示し、図92(b)には第2保留演出用記憶エリアを示した。
第1保留演出用記憶エリアは、第1保留表示領域Ds1の保留表示である保留表示Dm11〜Dm14の表示態様を変化させるために必要な各種パラメータを記憶する記憶エリアである。第2保留演出用記憶エリアは、第2保留表示領域Ds2の保留表示である保留表示Dm21〜Dm24の表示態様を変化させるために必要な各種パラメータを記憶する記憶エリアである。第1保留演出用記憶エリアと第2保留演出用記憶エリアとは構成が同じであるので、図92(a)に示した第1保留演出用記憶エリアについて説明し、図92(b)に示した第2保留演出用記憶エリアについての説明は省略する。
図92(a)に示すように、第1保留演出用記憶エリアは、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、各種パラメータ及びフラグを記憶する。図示した第1始動口用の保留遊技回(n=1〜4)は、保留表示Dm11〜保留表示Dm14に対応している。すなわち、第1始動口の保留遊技回(n=1)から第1始動口の保留遊技回(n=4)の順に保留遊技回が実行される。
図示するように、第1保留演出用記憶エリアは、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、付加レベルLva、表示レベル上限値Lvm、実表示レベルLvr、及び、保留変化可能フラグを記憶する。
付加レベルLvaは、各保留遊技回(n=1〜4)に対応した記憶エリアごとに値が固定されているパラメータである。すなわち、第1始動口の保留遊技回(n=1)の付加レベルLvaは1で固定されており、第1始動口の保留遊技回(n=2)の付加レベルLvaは2で固定されており、第1始動口の保留遊技回(n=3)の付加レベルLvaは3で固定されており、第1始動口の保留遊技回(n=4)の付加レベルLvaは4で固定されている。付加レベルは、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅(実表示レベルLvrの差)が大きくなるようにすることを可能にするために用いられるパラメータであり、保留表示の表示態様が変化する際の、上昇する実表示レベルLvrの段数に対応する値である。従って、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示ほど、付加レベルLvaの値は大きい。換言すれば、各保留遊技回に潜在的に付与されたレベル値である。
一方、表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrは、各保留遊技回における大当たり乱数カウンタC1などの各種パラメータと紐付けされており、遊技回が実行される毎に、記憶されるエリアが隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。例えば、図92(a)および図92(b)に示したように、第1始動口の保留遊技回(n=4)の記憶エリアに記憶されていた表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrの各パラメータは、遊技回が1回実行されると、第1保留演出用記憶エリアにおける第1始動口の保留遊技回(n=3)の記憶エリアにシフトし、さらに遊技回が1回実行されると、第1保留演出用記憶エリアにおける第1始動口の保留遊技回(n=2)の記憶エリアにシフトする。
表示レベル上限値Lvmは、保留表示の表示態様を変化させる場合に、実表示レベルLvrをどれぐらい上位のレベルまで変化させることを可能とするかの上限値を規定するパラメータである。例えば、表示レベル上限値Lvmが5である保留表示は、実表示レベルLvrを5まで変化させることが可能である。表示レベル上限値Lvmが3である保留表示は、実表示レベルLvrを3まで変化させることはできるが、実表示レベルLvrを4や5など、3より上位の実表示レベルLvrまで変化させることはできない。
実表示レベルLvrは、図88において説明したように、現在の保留表示の表示態様のレベルを示すパラメータである。
なお、表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrの値は、始動口に遊技球が入球し、保留遊技回が存在する場合に、当該保留遊技回に対応して記憶される値である。従って、図92(b)に一例を示すように、例えば、ある時点において第2始動口用の保留遊技回(n=3)および第2始動口用の保留遊技回(n=4)が存在しない場合には、当該保留遊技回に対応する表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrの値は記憶されない。
保留変化可能フラグは、保留表示の表示態様を変化させる処理を実行する際に用いられる。具体的には、保留変化可能フラグは、保留表示の表示態様を変化させることが可能となる条件を満たした保留遊技回においてONにされ、表示態様を変化させる保留表示が決定した後にOFFにされる。以下、保留演出用記憶エリアを用いて実行される保留演出用パラメータ設定処理のフローチャートについて説明する。
<保留演出用パラメータ設定処理>
図93は、保留演出用パラメータ設定処理を示すフローチャートである。保留演出用パラメータ設定処理は、入賞時の更新処理のサブルーチン(図91:S3505)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS3601では、表示レベル上限値設定処理を実行する。当該処理は、表示レベル上限値Lvmを設定するために実行される処理である。表示レベル上限値設定処理の詳細は後述する。ステップS3601において表示レベル上限値設定処理を実行した後、ステップS3602に進む。
ステップS3602では、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回の実表示レベルLvrに1を設定する。本保留演出用パラメータ設定処理は、始動口に遊技球が入球する毎に実行される処理であり、ステップS3602では、始動口へ遊技球が入球する度に、保留演出用記憶エリアの第1保留演出用記憶エリアまたは第2保留演出用記憶エリアにおける、当該入球に対応する保留遊技回の記憶エリアの実表示レベルLvrに1を設定する。本処理では、入球に対応する保留遊技回の実表示レベルLvrに1を設定するので、表示態様は、実表示レベルLvrの1に対応する白色に設定される。なお、本実施形態においては、遊技球が始動口に入球した際に、当該入球に対応する保留遊技回の記憶エリアの実表示レベルLvrに1を設定するが、例えば、当該入球によって取得されたリーチ乱数カウンタC3がリーチ判定用テーブルによってリーチ演出を実行することが予定されている場合には、実表示レベルLvrを2に設定したり、当該入球によって取得された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選に該当する値である場合には、実表示レベルLvrを2以上の値に設定するなど、始動口への入球によって取得された各種カウンターの値に基づいて実表示レベルLvrを決定してもよい。ステップS3602を実行した後、ステップS3603に進む。
ステップS3603では、付加レベルLvaを設定する。上述のように、付加レベルLvaは、各保留遊技回に対応して値が固定されている。従って、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回が、保留遊技回(n=1)である場合には、付加レベルLvaとして1が設定され、保留遊技回(n=2)である場合には、付加レベルLvaとして2が設定され、保留遊技回(n=3)である場合には、付加レベルLvaとして3が設定され、保留遊技回(n=4)である場合には、付加レベルLvaとして4が設定される。
ステップS3603を実行した後、本保留演出用パラメータ設定処理を終了する。
<表示レベル上限値設定処理>
図94は、表示レベル上限値設定処理を示すフローチャートである。表示レベル上限値設定処理は、保留演出用パラメータ設定処理のサブルーチン(図93:S3601)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS3701では、上限値設定用カウンタCmの値を取得する。上限値設定用カウンタCmは音光側MPU92が表示レベル上限値Lvmを決定する際に用いられる。上限値設定用カウンタCmは、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。ステップS3701を実行した後、ステップS3702に進む。
ステップS3702では、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回における大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、今回の始動口への入球を契機として実行された先判定処理によって、音光側MPU92が主側MPU62から取得した保留コマンドに含まれる先判定処理の判定結果に関する情報に基づいて判定する。
ステップS3702において、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回が大当たり抽選に当選していると判定した場合には(S3702:YES)、ステップS3703に進む。
ステップS3703では、大当たり用上限値テーブルを参照する。具体的には、大当たり用上限値テーブルを参照して、取得した上限値設定用カウンタCmに対応する表示レベル上限値Lvmの値を抽出する。
図95は、上限値テーブルを示す説明図である。図95(a)には、大当たり用上限値テーブルを示した。
大当たり用上限値テーブルは、上限値設定用カウンタCmの各値(0〜99)と、表示レベル上限値Lvmの値とが対応付けられて記録されたテーブルデータである。音光側MPU92は、取得した上限値設定用カウンタCmに対応する表示レベル上限値Lvmの値を、大当たり用上限テーブルを参照して抽出する。
図示するように、大当たり用上限値テーブルは、上限値設定用カウンタCmの値として20〜99の80個の値が表示レベル上限値Lvm=5に対応し、上限値設定用カウンタCmの値として10〜19の10個の値が表示レベル上限値Lvm=4に対応し、上限値設定用カウンタCmの値として5〜9の5個の値が表示レベル上限値Lvm=3に対応し、上限値設定用カウンタCmの値として0〜4の5個の値が表示レベル上限値Lvm=2に対応し、0個の上限値設定用カウンタCmの値が表示レベル上限値Lvm=1に対応して設定されている。すなわち、大当たり抽選に当選している保留遊技回においては、表示レベル上限値Lvmが5となる確率が最も高くなるように構成されている。
図95(b)には、リーチ用上限値テーブルを示した。リーチ用上限値テーブルは、後述するステップS3705において用いる上限値テーブルである。リーチ用上限値テーブルも、大当たり用上限値テーブルと同様に、上限値設定用カウンタCmの各値(0〜99)と、表示レベル上限値Lvmの値とが対応付けられて記録されたテーブルデータである。リーチが発生する保留遊技回においては、表示レベル上限値Lvmが4となる確率が最も高く、次いで、5または3となる確率が高くなるように構成されている。
図95(c)には、リーチ非発生用上限値テーブルを示した。リーチ非発生用上限値テーブルは、後述するステップS3706において用いる上限値テーブルである。リーチ非発生用上限値テーブルも、大当たり用上限値テーブルと同様に、上限値設定用カウンタCmの各値(0〜99)と、表示レベル上限値Lvmの値とが対応付けられて記録されたテーブルデータである。リーチ非発生の保留遊技回においては、表示レベル上限値Lvmが1となる確率が最も高く、次いで、2となる確率が高くなるように構成されている。
説明を図94に戻す。ステップS3703において、大当たり用上限値テーブルを参照した後、ステップS3707に進む。
一方、ステップS3702において、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回が大当たり抽選に当選していないと判定した場合には(S3702:NO)、ステップS3704に進む。
ステップS3704では、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回がリーチを発生させる遊技回に該当するか否かを判定する。すなわち、今回の保留遊技回に対応するリーチ乱数カウンタC3がリーチ発生に該当しているか否かを判定する。具体的には、今回の始動口への入球を契機として実行された先判定処理によって音光側MPU92が主側MPU62から取得した保留コマンドに含まれる先判定処理の判定結果に関する情報に基づいて判定する。
ステップS3704において、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回がリーチを発生させる遊技回に該当していると判定した場合には(S3704:YES)、ステップS3705に進む。
ステップS3705では、リーチ用上限値テーブルを参照する。より具体的には、リーチ用上限値テーブルを参照して、取得した上限値設定用カウンタCmに対応する表示レベル上限値Lvmの値を抽出する。その後、ステップS3707に進む。
一方、ステップS3704において、今回の遊技球の入球に対応する保留遊技回がリーチを発生させる遊技回に該当していないと判定した場合には(S3704:NO)、ステップS3706に進む。
ステップS3706では、リーチ非発生用上限値テーブルを参照する。より具体的には、リーチ非発生用上限値テーブルを参照して、取得した上限値設定用カウンタCmに対応する表示レベル上限値Lvmの値を抽出する。その後、ステップS3707に進む。
ステップS3707では、ステップS3703、ステップS3705、または、ステップS3706のいずれかにおいて抽出した表示レベル上限値Lvmの値を、第1保留演出用記憶エリアまたは第2保留演出用記憶エリアにおける、今回の保留遊技回に該当する表示レベル上限値Lvmの記憶エリアに設定する。その後、本表示レベル上限値設定処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。
図96は、第8実施形態における演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1906)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
演出設定処理において、本実施形態と第1実施形態(図37)との異なる点は、本実施形態においては、ステップS3801として、保留演出設定処理が追加されている点である。本実施形態の演出設定処理におけるステップS3802〜ステップS3815と、上記第1実施形態の演出設定処理(図37)におけるステップS2301〜ステップS2314とは、同じ処理である。従って、ステップS3802〜ステップS3815の処理については説明を省略する。
ステップS3801における保留演出設定処理は、保留演出(示唆演出および保留表示の表示態様を変化させる演出)を実行する対象となる保留遊技回の決定、および、保留演出の内容の設定をするために実行されるサブルーチンである。以下、保留演出設定処理の詳細について説明する。
<保留演出設定処理>
図97は、第8実施形態における保留演出設定処理を示すフローチャートである。保留演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図96:S3801)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS3901では、保留演出実行抽選処理を実行する。保留演出実行抽選処理は、保留演出を実行するか否かを抽選によって決定する処理である。具体的には、抽選用の乱数カウンタから値を取得し、予め設定された抽選用のテーブルデータに記憶された複数の数字の中に、取得した乱数カウンタの値に該当する数字があるか否かを判定する。テーブルデータに記憶された複数の数字の中に、取得した乱数の値に該当する数字がある場合には保留演出を実行すると決定し、取得した乱数の値に該当する数字がない場合には保留演出を実行しないと決定する。ステップS3901を実行した後、ステップS3902に進む。
ステップS3902では、上記保留演出実行抽選処理の結果に基づいて、保留演出を実行するか否かを判定する。ステップS3902において、保留演出を実行すると判定した場合には(S3902:YES)、ステップS3903に進む。一方、ステップS3902において、保留演出を実行しないと判定した場合には(S3902:NO)、本保留演出設定処理を終了する。
ステップS3903では、各保留遊技回の表示レベル上限値Lvmを読み込む。具体的には、第1保留演出用記憶エリア(図92(a)参照)および第2保留演出用記憶エリア(図92(b)参照)に記憶されている各保留遊技回の表示レベル上限値Lvmを読み込む。ステップS3903を実行後、ステップS3904に進む。
ステップS3904では、各保留遊技回の実表示レベルLvrを読み込む。具体的には、第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアに記憶されている各保留遊技回の実表示レベルLvrを読み込む。ステップS3904を実行後、ステップS3905に進む。
ステップS3905では、各保留遊技回の実表示レベルLvrに付加レベルLvaを加算し、各保留遊技回における加算値を記憶する。その後、ステップS3906に進む。
ステップS3906では、表示レベル上限値Lvm≧実表示レベルLvr+付加レベルLvaである保留遊技回を抽出する。具体的には、ステップS3905で算出した実表示レベルLvrと付加レベルLvaの加算値と、表示レベル上限値Lvmの値との大小の比較を各保留遊技回において実行し、当該加算値が表示レベル上限値Lvm以下の保留遊技回を抽出する。すなわち、実表示レベルLvrが、予め定めた上限値(表示レベル上限値Lvm)まで達しておらず、実表示レベルLvrを各保留遊技回毎で定められたレベル値(付加レベルLva)だけ上位に変化させる余地がある保留遊技回を抽出する。なお、上記の抽出方法に限らず、実表示レベルLvrが、予め定めた上限値(表示レベル上限値Lvm)まで達しておらず、実表示レベルLvrを各保留遊技回毎で定められたレベル値(付加レベルLva)だけ上位に変化させる余地がある保留遊技回を抽出することができれば、他の抽出方法を用いてもよい。ステップS3906を実行した後、ステップS3907に進む。
ステップS3907では、表示レベル上限値Lvm≧実表示レベルLvr+付加レベルLvaである保留遊技回の保留変化可能フラグをONにする。すなわち、保留表示の表示態様を変化させることが可能である保留遊技回の保留変化可能フラグをONにする。ステップS3907を実行した後、ステップS3908に進む。
ステップS3908では、保留演出内容決定処理を実行する。保留演出内容決定処理は、保留演出の内容を決定する処理である。保留演出内容決定処理の詳細は後述する。ステップS3908を実行した後、ステップS3909に進む。
ステップS3909では、保留演出コマンドを送信する。具体的には、ステップS3908で決定した保留演出の内容に関する情報をコマンドとして設定し、表示側MPU102に送信する。その後、本保留演出設定処理を終了する。
<保留演出内容決定処理>
図98は、保留演出内容決定処理を示すフローチャートである。保留演出内容決定処理は、保留演出設定処理のサブルーチン(図97:S3908)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS4001では、保留変化可能フラグがONである保留遊技回が有るか否かを判定する。具体的には、第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアの各保留遊技回のうちのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONになっているか否かを判定する。
ステップS4001において、保留変化可能フラグがONではないと判定した場合には(S4001:NO)、本保留演出内容決定処理を終了する。一方、ステップS4001において、保留変化可能フラグがONであると判定した場合には(S4001:YES)、ステップS4002に進む。
ステップS4002では、第1保留演出用記憶エリアのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONであるか否かを判定する。ステップS4002において、第1保留演出用記憶エリアのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONであると判定した場合には(S4002:YES)ステップS4003に進む。
ステップS4003では、第1保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最先に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定する。すなわち、本実施形態においては、保留表示の表示態様を変化させる場合には、できるだけ先に実行される保留遊技回に対応した保留表示の表示態様を変化させる。ステップS4003を実行した後、ステップS4005に進む。
一方、ステップS4002において、第1保留演出用記憶エリアのいずれの保留遊技回においても、保留変化可能フラグがONではないと判定した場合には(S4002:NO)、ステップS4004に進む。
ステップS4004では、第2保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最先に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定する。その後、ステップS4005に進む。
ステップS4005では、保留演出用カウンタCeの値を取得する。保留演出用カウンタCeは音光側MPU92が保留演出の演出内容を決定する際に用いられる。保留演出用カウンタCeは、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。その後、ステップS4005を実行した後、ステップS4006に進む。
ステップS4006では、保留表示の表示態様を変化させる対象である保留遊技回に対応する保留演出決定用テーブルを参照する。
図99は、保留演出決定用テーブルを説明する説明図である。保留演出決定用テーブルは、保留遊技回毎に分けて設定されている。
図99(a)は、保留表示を変化させる対象として決定された遊技回が、第1始動口用の保留遊技回(n=1)(図92(a)参照)または第2始動口用の保留遊技回(n=1)(図92(b)参照)である場合、すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm11または保留表示Dm21の表示態様を変化させる場合に用いられる保留演出決定用テーブルである。n=1の場合、示唆演出のパターン1(図89(a)参照)が選択される保留演出用カウンタCeの値として、22〜99の80個の値が設定されている。また、示唆演出のパターン2(図89(b)参照)が選択される保留演出用カウンタCeの値として、0〜19の20個の値が設定されている。すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm11または保留表示Dm21の表示態様を変化させる場合には、示唆演出パターン1が実行される確率が高い。
図99(b)は、保留表示を変化させる対象として決定された遊技回が、第1始動口用の保留遊技回(n=2)または第2始動口用の保留遊技回(n=2)である場合、すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm12または保留表示Dm22の表示態様を変化させる場合に用いられる保留演出決定用テーブルである。n=2の場合、示唆演出のパターン2(図89(b)参照)が選択され保留演出用カウンタCeの値として、30〜99の70個の値が設定されている。示唆演出のパターン3(図90(a)参照)が選択され保留演出用カウンタCeの値として、10〜29の20個の値が設定されている。また、示唆演出のパターン4(図90(b)参照)が選択され保留演出用カウンタCeの値として、0〜9の10個の値が設定されている。すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm12または保留表示Dm22の表示態様を変化させる場合には、示唆演出パターン2が実行される確率が最も高く、次いで、示唆演出パターン3が実行される確率が高い。
図99(c)は、保留表示を変化させる対象として決定された遊技回が、第1始動口用の保留遊技回(n=3)(図92(a)参照)または第2始動口用の保留遊技回(n=3)(図92(b)参照)である場合、すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm13または保留表示Dm23の表示態様を変化させる場合に用いられる保留演出決定用テーブルである。n=3の場合、示唆演出のパターン3(図90(a)参照)が選択される保留演出用カウンタCeの値として、20〜99の80個の値が設定されている。また、示唆演出のパターン4(図90(b)参照)が選択される保留演出用カウンタCeの値として、0〜19の20個の値が設定されている。すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm13または保留表示Dm23の表示態様を変化させる場合には、示唆演出パターン3が実行される確率が高い。
図99(d)は、保留表示を変化させる対象として決定された遊技回が、第1始動口用の保留遊技回(n=4)または第2始動口用の保留遊技回(n=4)である場合、すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm14または保留表示Dm24の表示態様を変化させる場合に用いられる保留演出決定用テーブルである。n=4の場合、全ての保留演出用カウンタCeの値である0〜99(100個)が示唆演出のパターン4(図90(b)参照)に設定されている。すなわち、図88(a)に示した保留表示Dm14または保留表示Dm24の表示態様を変化させる場合には、全ての場合において、示唆演出パターン4が実行される。
上記のように保留演出決定用テーブルを設定することによって、例えば、銃W2が表示された場合、すなわち示唆演出のパターン2が表示された場合には、保留表示Dm11(Dm21)またはDm12(Dm22)の表示態様が変化する。保留表示Dm11の表示態様が変化する場合には、付加レベルLvaの値に応じて、実表示レベルLvrは1つしか上位のレベルに上がらないが、保留表示Dm12の表示態様が変化する場合には、付加レベルLvaの値に応じて、実表示レベルLvrは2つ上位のレベルに上がる。
また、例えば、ミサイルW4が表示された場合、すなわち示唆演出のパターン4が表示された場合には、保留表示Dm12(Dm22)、Dm13(Dm23)、又は、保留表示Dm14(Dm24)の表示態様が変化する。保留表示Dm12の表示態様が変化する場合には、付加レベルLvaの値に応じて、実表示レベルLvrは2つ上位のレベルに上がり、保留表示Dm13の表示態様が変化する場合には、付加レベルLvaの値に応じて、実表示レベルLvrは3つ上位のレベルに上がり、保留表示Dm14の表示態様が変化する場合には、付加レベルLvaの値に応じて、実表示レベルLvrは4つ上位のレベルに上がる。
従って、示唆演出を実行することによって、遊技者に対して、どの保留表示の表示態様が変化するのかを大凡に推測させる。また、表示態様を変化させる対象となる保留表示に応じて、実表示レベルLvrの上がるレベル数が異なるので、遊技者に期待感を付与することができる。
ステップS4006を実行した後、ステップS4007に進む。
ステップS4007では、決定した保留演出の内容を保留演出コマンドに設定する。例えば、保留表示Dm13の表示態様を変化させることが決定している場合には、実行する示唆演出が示唆演出(パターン3)であり、保留表示Dm13の表示態様を白から青に変更するという内容を特定可能な情報をコマンドとして設定する。その後、ステップS4008へ進む。
ステップS4008では、第1保留演出記憶エリアおよび第2保留演出記憶エリアにおいてONにした保留変化可能フラグを全てOFFにする。その後、ステップS4009に進む。
ステップS4009では、表示態様を変化させる対象の保留遊技回の実表示レベルLvrの値をLvr←Lvr+Lvaに更新する。すなわち、保留表示の表示態様を変化させることによって、実表示レベルLvrが変化(上昇)したため、保留演出用記憶エリアに記録されている実表示レベルLvrの値を、表示態様が変化した後の実表示レベルLvrの値に更新する。その後、本保留演出内容決定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。本実施形態におけるパチンコ機10がこのような処理を実行することによって、以下のような効果を奏する。
通常、保留表示が表示されている場合、保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり抽選の対象となるまでの残時間が短くなるにつれて、表示態様が変化する機会が少なくなる。換言すれば、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が先の大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示は、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示よりも、相対的に、表示される残時間が短く、表示態様が変化する可能性が低い。従って、保留表示の表示態様が変化する場合、遊技者は、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が先の大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示から優先的に表示態様が変化することを希望する。しかしながら、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
そこで、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。従って、仮に、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で大当たり抽選の対象となる順が相対的に後の保留表示の表示態様が変化する場合であっても、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1に基づいて、保留表示の表示態様を決定する。よって、表示態様が決定された対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する保留遊技回についての情報を遊技者に対して示唆することができる。
より具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定する。よって、表示態様を変化させる対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する保留遊技回ついての情報を遊技者に対して示唆することができる。
なお、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1に基づいて、保留表示の表示態様を決定する処理の他の例として、以下のような処理を実行することも可能である。
例えば、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が、当該大当たり乱数カウンタC1より先に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1の値よりも遊技者に有利である場合に、表示態様を決定する対象である保留表示の表示態様を、特定の表示態様に決定するなど、表示態様が決定された保留表示自身の情報に加え、他の保留表示についての情報を遊技者に示唆することができる。その結果、遊技者は、一つの保留表示の表示態様を認識することによって、当該保留表示に対応する1回の保留遊技回についての帰趨を推測するに留まらず、その前後等に実行される他の保留遊技回の帰趨についても種々の推測をする。従って、保留表示の表示態様を用いて新たな遊技性を創出することができ、従来に比べてより一層、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定する処理の他の例として、以下のような処理を実行することも可能である。
例えば、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応した保留遊技回よりも先に実行される保留遊技回の保留表示に対応した大当たり乱数カウンタC1に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定することができる。その結果、以下のような遊技性を実現することができる。例えば、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1より先に判定手段による判定の対象となる大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様(遊技者に有利である表示態様)に変化させることができる。このように、種々の新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するので、保留表示の表示態様の変化に対して、遊技者を注目させることができるとともに期待感を付与することができる。換言すれば、示唆演出と、保留表示の表示態様の変化との間に相関があることを遊技者に認識させることができ、示唆演出の実行を利用して、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者を注目させることができる。すなわち、期待感や緊迫感の付与といった示唆演出を実行することによる効果と、後続の遊技回に対する期待感や緊迫感の付与といった保留表示の表示態様を変化させることによる効果とに加え、示唆演出の後に保留表示の表示態様を変化させることで、保留表示の表示態様の変化に対して相乗的に遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、相乗的な遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、表示されている保留表示のうち、表示態様を変化させる対象に応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択するので、遊技者に示唆演出の内容について注目させることができるとともに、表示態様が変化する対象となる保留表示がいずれであるのかといった期待感を遊技者に付与することができる。
なお、本実施形態において、示唆演出を実行する場合に、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する処理を採用してもよい。このようにすることで、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者に期待感を付与することができることに加え、保留表示の表示態様が変化する前に、示唆演出として実行される演出の種類に対しても遊技者に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、保留表示Dm11の表示態様を変化させる場合には1つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm12の表示態様を変化させる場合には2つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm13の表示態様を変化させる場合には3つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm14の表示態様を変化させる場合には4つ上位の段階の表示態様に変化させたが、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)の大きさとして他の態様を採用してもよい。
例えば、保留表示Dm11の表示態様を変化させる場合には1つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm12の表示態様を変化させる場合には4つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm13の表示態様を変化させる場合には6つ上位の段階の表示態様に変化させ、保留表示Dm14の表示態様を変化させる場合には10上位の段階の表示態様に変化させるなど、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、相対的に、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、表示態様の複数の段階(実表示レベルLvr1〜実表示レベルLvr5)における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる態様であれば、他の態様を採用してもよい。図92(a)で示した第1保留演出用記憶エリア、および、図92(b)で示した第2保留演出用記憶エリアにおける付加レベルの値を、大当たり抽選の対象となる順が後の保留遊技回ほど、大当たり抽選の対象となる順が先の保留遊技回と比較して相対的に大きな値になるように設定することによって実現することができる。この場合、取り得る実表示レベルLvrおよび表示レベル上限値Lvmの値の上限を、15や20など、取り得る付加表示レベルLvaの最大値より大きい値に設定すればよい。また、取り得る実表示レベルLvrの各値に対応して、保留表示の表示態様のパターンを設定すればよい。
さらに、大当たり抽選の対象となる順が後の保留遊技回ほど、大当たり抽選の対象となる順が先の保留遊技回と比較して相対的に大きな値になるような付加レベルのパターンを複数有するとしてもよい。すなわち、本実施形態のように、保留表示Dm11、保留表示Dm12、保留表示Dm13、保留表示Dm14に対応する付加レベルLvaの値が(1,2,3,4)のパターンや、(2,4,6,10)のパターンや、(1,5,8,10)のパターンなど、付加レベルLvaのパターンを複数有し、いずれのパターンを適用するかを抽選によって決定してもよい。
また、特定の条件を満たした場合のみ、上記実施形態において説明した処理を適用して保留表示の表示態様を変化させてもよい。また、上記実施形態において説明した処理を適用して保留表示の表示態様を変化させる場合と、上記実施形態において説明した処理を適用しないで保留表示の表示態様を変化させる場合とを、抽選によって決定してもよい。
また、本実施形態においては、表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrは、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて決定したが、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの値など、各保留遊技回に紐付けされている各種パラメータに基づいて決定してもよい。また、これらの各種パラメータのうち、複数のパラメータに基づいて表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrを決定してもよい。例えば、表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrの値を、大当たり乱数カウンタC1に基づいて、大当たりの場合の方が外れの場合よりも高い値に設定する確率が高くなるようにし、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、確変大当たりの場合は通常大当たりの場合より高く設定してもよい。また、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ発生の場合には、リーチ非発生の場合よりも、表示レベル上限値Lvmおよび実表示レベルLvrの値を高く設定してもよい。
I.第9実施形態:
次に、第9実施形態について説明する。先に、第9実施形態としてパチンコ機10が実行する処理の概要を説明し、その後、処理の詳細を説明する。なお、パチンコ機10が備えるハードウェアの構造は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
I1.遊技機による処理の概要:
本実施形態の特徴は、上記第8実施形態と同様に、保留演出(保留表示の表示態様を変化させる演出および示唆演出)を実行する点である。上記第8実施形態との異なる点は、保留表示の表示態様の変化のさせ方である。
上記第8実施形態においては、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示している保留表示の中で、大当たり抽選の対象となる順が後の大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、表示態様の複数の段階における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。
一方、本実施形態においては、保留表示の表示態様を変化させる場合に、当該表示態様を変化させる対象の保留表示より先に実行される保留遊技回の保留表示の表示態様よりも、上位の保留表示に変化させる。より正確には、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象である保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1より先に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。
図88(a)を用いて具体例を示すと、例えば、保留表示Dm11の表示態様が緑、保留表示Dm12の表示態様が白であった場合、保留表示Dm12の表示態様を変化させる場合には、保留表示Dm12より先に実行される保留遊技回の保留表示である保留表示Dm11の表示態様である緑よりも上位の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm12の表示態様を変化させる場合には、緑より上位の表示態様である赤または黄の表示態様に変化させる。
他の例としては、保留表示Dm11の表示態様が青、保留表示Dm12の表示態様が緑、保留表示Dm13の表示態様が白であった場合、保留表示Dm13の表示態様を変化させる場合には、保留表示Dm13より先に実行される保留遊技回の保留表示である保留表示Dm11の表示態様である青、および、保留表示Dm12の表示態様である緑よりも上位の表示態様に変化させる。すなわち、保留表示Dm13の表示態様を変化させる場合には、青および緑より上位の表示態様である赤または黄の表示態様に変化させる。
なお、第2保留表示領域Ds2に表示されている保留表示Dm21〜Dm24の表示態様を変化させる場合も、第1保留表示領域Ds1に表示されている保留表示Dm11〜Dm14の表示態様を変化させる場合と同様に、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示より先に実行される保留遊技回の保留表示の表示態様よりも、上位の保留表示に変化させる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、上記第8実施形態と同様に、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10においては、表示されている保留表示のうち、表示態様を変化させる対象に応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する。
図100は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する示唆演出を説明する説明図である。
図100には、保留表示Dm11、保留表示Dm12、保留表示Dm13、保留表示Dm14の各表示態様を変化させることに先立って実行される示唆演出(パターン1)、示唆演出(パターン2)、示唆演出(パターン3)、示唆演出(パターン4)を示している。
本示唆演出は、走り幅跳びを模した演出である。例えば、保留表示Dm11の表示態様を変化させる場合には、示唆演出(パターン1)が実行される。示唆演出(パターン1)は、キャラクターChが助走をした後にジャンプをし、保留表示Dm11の上に降り立つ演出である。示唆演出(パターン1)が実行された後、保留表示Dm11の表示態様が変化する。他の例としては、保留表示Dm14の表示態様を変化させる場合には、示唆演出(パターン4)が実行される。示唆演出(パターン4)は、キャラクターChが助走をした後にジャンプをし、保留表示Dm14の上に降り立つ演出である。示唆演出(パターン4)が実行された後、保留表示Dm14の表示態様が変化する。
なお、第2保留表示領域Ds2に表示されている保留表示Dm21〜Dm24の表示態様を変化させる場合も、上記説明した示唆演出と同様の演出が実行され、その後、保留表示Dm21、保留表示Dm22、保留表示Dm23、又は、保留表示Dm24の表示態様が変化する。
上記示唆演出は、キャラクターChが助走した後のジャンプの飛距離によって、表示態様を変化させる保留表示が決定される演出である。従って、例えば、キャラクターChがジャンプした後の滞空時間を長くすることによって、遊技者に対して、どの保留表示に着地するのかといった推測をさせるとともに、期待感や緊張感を付与することができる。
以下、本実施形態を実現するための処理の一例について詳細に説明する。
I2.処理の詳細:
本説明においては、上記第8実施形態における処理との相違点について説明する。
図101は、第9実施形態における保留演出用記憶エリアを説明する説明図である。第9実施形態における保留演出用記憶エリアは、第8実施形態と同様に、第1保留演出用記憶エリアと第2保留演出用記憶エリアとを備える。図101(a)には第1保留演出用記憶エリアを示し、図101(b)には第2保留演出用記憶エリアを示した。
本実施形態と第8実施形態との異なる点は、本実施形態の第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアは、付加レベルLvaを記憶する記憶エリアを備えない。本実施形態では、付加レベルLvaは、各保留遊技回に固定された値ではなく、保留表示の表示態様を変化させる一連の処理の過程において、当該表示態様を変化させる保留表示の保留遊技回に対して決定される(図104:ステップS4305参照)。第9実施形態の保留演出用記憶エリアについて、その他の点は第8実施形態と同様であるので説明は省略する。
<保留演出用パラメータ設定処理>
図102は、第9実施形態における保留演出用パラメータ設定処理を示すフローチャートである。保留演出用パラメータ設定処理は、入賞時の更新処理のサブルーチン(図91:S3505)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本実施形態における保留演出用パラメータ設定処理と、第8実施形態における保留演出用パラメータ設定処理との異なる点は、本実施形態における保留演出用パラメータ設定処理には、第8実施形態において実行した付加レベルLvaを保留情報記憶エリア64bに設定する処理(図93:S3603)が無いことである。上記説明したように、本実施形態においては、付加レベルLvaは、保留情報記憶エリア64bにおける各保留遊技回に固定された値ではなく、保留表示の表示態様を変化させる一連の処理の過程において決定される。従って、本実施形態における保留演出用パラメータ設定処理においては、付加レベルLvaを設定する処理は実行しない。
その他の処理については、第8実施形態における保留演出用パラメータ設定処理と同じであるので説明は省略する。なお、ステップS4101で実行するサブルーチンである表示レベル上限値設定処理の処理内容も同じであるので、説明は省略する。
<保留演出設定処理>
図103は、第9実施形態における保留演出設定処理を示すフローチャートである。保留演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図96:S3801)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本実施形態における保留演出設定処理のステップS4201〜ステップS4204と、第8実施形態における保留演出設定処理(図97)のステップS3901〜ステップS3904の処理とは同じ処理である。従って、ステップS4205以降の処理について説明する。
ステップS4205〜ステップS4209の処理は、表示態様を変化させることが可能な保留表示を抽出するために実行される処理である。すなわち、表示態様を変化させる対象の保留表示より先に実行される保留遊技回の保留表示の表示態様よりも、上位の保留表示に変化させることが可能な保留表示を抽出する処理である。
ステップS4205では、第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアに記録されている各保留遊技回の実表示レベルLvrおよび表示レベル上限値Lvmを読み込み、先に実行されるいずれの保留遊技回の実表示レベルLvrの値より大きい値の表示レベル上限値Lvmが記録されている保留遊技回を抽出する。
図101(a)に示した第1保留演出記録エリアを例にして説明すると、保留遊技回(n=3)(保留表示Dm13)の表示レベル上限値Lvm(=4)は、保留遊技回(n=3)より先に実行されるいずれの保留遊技回の実表示レベルLvrの値より大きいので、ステップS4205における条件を満たす。従って、保留遊技回(n=3)はステップS4205によって抽出される遊技回である。
一方、保留遊技回(n=2)(保留表示Dm12)の表示レベル上限値Lvm(=1)は、保留遊技回(n=2)より先に実行される保留遊技回(n=1)の実表示レベルLvr(=2)より小さいので、ステップS4205における条件を満たさない。従って、保留遊技回(n=2)はステップS4205では抽出されない遊技回である。
なお、保留遊技回の中で、保留表示Dm11および保留表示Dm21に対応する保留遊技回より先に実行される遊技回は存在しない。すなわち、第1保留演出記憶エリアの中で、保留遊技回(n=1)より先に実行される遊技回は存在しない。また、第2保留演出記憶エリアの中で、保留遊技回(n=1)より先に実行される遊技回は存在しない。従って、保留表示Dm11および保留表示Dm21に対応する保留遊技回については、ステップS4205の条件を満たすか否かの判定ができない。そこで本実施形態においては、保留表示Dm11および保留表示Dm21に対応する保留遊技回においては、当該保留遊技回が存在する場合には、自動的にステップS4205における条件を満たしているものとみなして、当該処理において抽出する。ステップS4205を実行した後、ステップS4206に進む。
ステップS4206では、ステップS4205で抽出された保留遊技回の中から、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrである保留遊技回を抽出する。すなわち、表示態様を変化させる余地がある保留遊技回を抽出する。
図101(a)に示した第1保留演出記録エリアを例にして説明すると、保留遊技回(n=3)(保留表示Dm13)の実表示レベルLvr(=1)は表示レベル上限値Lvm(=4)より小さい。従って、この場合、保留遊技回(n=3)は、ステップS4206における条件を満たし、当該処理によって抽出される。
ステップS4206を実行した後、ステップS4207に進む。
ステップS4207では、ステップS4206の処理において抽出された保留遊技回の保留変化可能フラグをONにする。ステップS4207を実行した後、ステップS4208に進む。
ステップS4208では、保留演出内容決定処理を実行する。保留演出内容決定処理は、保留演出の内容を決定する処理である。保留演出内容決定処理の詳細は後述する。ステップS4208を実行した後、ステップS4209に進む。
ステップS4209では、保留演出コマンドを送信する。具体的には、ステップS4208で決定した保留演出の内容に関する情報をコマンドとして設定し、表示側MPU102に送信する。その後、本保留演出設定処理を終了する。
<保留演出内容決定処理>
図104は、第9実施形態における保留演出内容決定処理を示すフローチャートである。保留演出内容決定処理は、保留演出用パラメータ設定処理のサブルーチン(図103:S4208)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS4301では、保留変化可能フラグがONである保留遊技回が有るか否かを判定する。具体的には、第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアの各保留遊技回のうちのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONになっているか否かを判定する。
ステップS4301において、保留変化可能フラグがONではないと判定した場合には(S4301:NO)、本保留演出内容決定処理を終了する。一方、ステップS4301において、保留変化可能フラグがONであると判定した場合には(S4301:YES)、ステップS4302に進む。
ステップS4302では、第1保留演出用記憶エリアのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONであるか否かを判定する。ステップS4302において、第1保留演出用記憶エリアのいずれかの保留遊技回において、保留変化可能フラグがONであると判定した場合には(S4302:YES)ステップS4303に進む。
ステップS4303では、第1保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最も後に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定する。上記第8実施形態においては、ステップS4003(図98)で、第1保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最先に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定したが、本実施形態においては、最も後に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる。本実施形態においては、保留演出設定処理(図103)のステップS4205において説明したように、保留表示Dm11および保留表示Dm21に対応する保留遊技回においては、当該保留遊技回が存在する場合には、自動的にステップS4205における条件を満たしているものとみなして、当該処理において抽出する。従って、保留表示Dm11および保留表示Dm21に対応する保留遊技回においては、保留変化可能フラグがONとなる可能性が高く、ステップS4303において、仮に、上記第8実施形態における処理と同様に、第1保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最先に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定した場合、高い確率で保留表示Dm11および保留表示Dm21が、表示態様を変化させる対象となってしまい、保留表示の表示態様を変化させても遊技者に期待感や緊迫感を付与しにくくなってしまう。そこで、本実施形態においては、第1保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最も後に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定する。ステップS4303を実行した後、ステップS4305に進む。
一方、ステップS4302において、第1保留演出用記憶エリアのいずれの保留遊技回においても、保留変化可能フラグがONではないと判定した場合には(S4302:NO)、ステップS4304に進む。
ステップS4304では、第2保留演出用記憶エリアにおいて保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、最も後に実行される保留遊技回を保留表示の表示態様を変化させる対象に決定する。ステップS4304を実行した後、ステップS4305に進む。
ステップS4305では、付加表示レベルLvaを決定する。すなわち、保留表示の表示態様を変化させる場合に、どれだけ上位の表示態様に変化させるかを決定する。より詳細には、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、表示態様の複数の段階における段階的な幅を決定する。
具体的には、表示態様を変化させる対象である保留表示に対応する保留遊技回における表示レベル上限値Lvmと実表示レベルLvrとの差分値を算出し、差分値の中から一の値を決定する。例えば、図101(a)の第1保留演出用記録エリアに示した保留表示Dm13に対応する保留遊技回を表示態様を変化させる対象に決定した場合、保留表示Dm13の表示レベル上限値Lvm(=4)と実表示レベルLvr(=1)との差分値(=3)を算出する。そして、1から差分値である3までの値の中から一の値を決定し、当該決定した値を付加表示レベルLvaに決定する。一の値を決定する方法としては、乱数を用いて決定してもよいし、常に、取り得る値の最大値(本具体例においては3)を採用してもよい。このようにして付加表示レベルLvaを決定する。ステップS4305を実行した後、ステップS4306に進む。
ステップS4306では、保留演出の内容を決定する。具体的には、表示態様を変化させる対象の保留表示に応じた示唆演出の内容、および、変化後の保留表示の表示態様を決定する。例えば、表示態様を変化させる対象が保留表示Dm11である場合には、示唆演出を図100に示した示唆演出(パターン1)に決定する。同様に、表示態様を変化させる対象が保留表示Dm12、保留表示Dm13、または、保留表示Dm14である場合には、それぞれ、示唆演出(パターン2)、示唆演出(パターン3)、または、示唆演出(パターン4)に決定する。
また、変化後の保留表示の表示態様を決定する際には、表示態様を変化させる対象の保留表示の実表示レベルLvrと付加表示レベルLvaとの加算値を算出し、当該加算値に対応した表示態様を、図88(b)に示した実表示レベルLvrと保留表示の表示態様との対応関係に基づいて決定する。例えば、図101(a)の第1保留演出用記録エリアに示した保留表示Dm13に対応する保留遊技回を表示態様を変化させる対象に決定した場合であって、付加表示レベルLvaを2に決定した場合には、実表示レベルLvr(=1)と付加表示レベルLva(=2)との加算値は3であるため、図88(b)に示した実表示レベルLvrと保留表示の表示態様との対応関係に基づき、変化後の保留表示の表示態様を緑に決定する。ステップS4306を実行した後、ステップS4307に進む。
ステップS4307では、決定した保留演出の内容を保留演出コマンドに設定する。その後、ステップS4308へ進む。
ステップS4308では、第1保留演出記憶エリアおよび第2保留演出記憶エリアにおいてONにした保留変化可能フラグを全てOFFにする。その後、ステップS4309に進む。
ステップS4309では、表示態様を変化させる対象の保留遊技回の実表示レベルLvrの値をLvr←Lvr+Lvaに更新する。すなわち、保留表示の表示態様を変化させたことによって、実表示レベルが変化したため、保留演出用記憶エリアに記録されている実表示レベルLvrの値を、表示態様が変化した後の実表示レベルLvrの値に更新する。その後、本保留演出内容決定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象である保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1より先に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。本実施形態におけるパチンコ機10がこのような処理を実行することによって、以下のような効果を奏する。
例えば、既に表示態様が変化した保留表示があり、遊技者が、さらにその保留表示に対して上位の表示態様への変化を希望している場合など、遊技者が特定の保留表示の表示態様の変化を希望する場合がある。しかしながら、遊技者の希望と反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値より後に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1の値に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
本実施形態のパチンコ機10によれば、所定の保留表示の表示態様を変化させる場合には、所定の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1より先に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。従って、仮に、遊技者の希望に反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1より後に大当たり抽選の対象となる大当たり乱数カウンタC1に対応する保留表示の表示態様が変化した場合であっても、表示態様が変化した保留表示は、遊技者が表示態様の変化を希望した保留表示の表示態様よりも上位の表示態様に変化するので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、上記第8実施形態と同様に、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1に基づいて、保留表示の表示態様を決定する。よって、表示態様が決定された対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する保留遊技回についての情報を遊技者に対して示唆することができる。
より具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定する。よって、表示態様を変化させる対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する保留遊技回についての情報を遊技者に対して示唆することができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、上記第8実施形態と同様に、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するので、保留表示の表示態様の変化に対して、遊技者に注目させることができるとともに期待感を付与することができる。換言すれば、示唆演出と、保留表示の表示態様の変化との間に相関があることを遊技者に認識させることができ、示唆演出の実行を利用して、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者を注目させることができる。すなわち、期待感や緊迫感の付与といった示唆演出を実行することによる効果と、後続の遊技回に対する期待感や緊迫感の付与といった保留表示の表示態様を変化させることによる効果とに加え、示唆演出の後に保留表示の表示態様を変化させることで、保留表示の表示態様の変化に対して相乗的に遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、相乗的な遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本実施形態において、示唆演出を実行する場合に、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する処理を採用してもよい。このようにすることで、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者に期待感を付与することができることに加え、保留表示の表示態様が変化する前に、示唆演出として実行される演出の種類に対しても遊技者に期待感を付与することができる。
J.第10実施形態:
上記第8実施形態および第9実施形態と異なる示唆演出を採用することも可能である。以下、採用し得るその他の示唆演出について説明する。
<示唆演出の別例1>
図105は、示唆演出の別例1としてパチンコ機10が実行する示唆演出を示す説明図である。図105(a)に示すように、本別例の示唆演出においては、表示態様を変化させる対象となる保留表示を遊技者が選択する。具体的には、遊技回が開始されると同時に、制限時間内に表示態様を変化させたい保留表示を演出操作ボタン24の操作によって選択することを遊技者に促す表示を、表示面41aに表示する。制限時間は、例えば、実行される遊技回の変動時間より1秒短い時間に設定するなど、実行中の遊技回の変動時間内に遊技者に保留表示を選択させることを可能にする時間に設定する。
遊技者が演出操作ボタン24を操作する毎に、保留表示の上に表示された矢印YJが一つ左に移動し、存在する保留表示の最後まで矢印YJが移動した後に演出操作ボタン24が操作された場合には、再び、保留表示Dm11の上に矢印YJを移動させる。
図105(b)に示すように、制限時間が終了したタイミングで、矢印YJの下に位置する保留表示を一時的に他のオブジェクト(図105(b)では「煙」のオブジェクトX1)を表示することによって遊技者から当該保留表示を視認できないようにする。
その後、表示態様を変化させることが可能な場合には、図105(c)に示すように、変化後の表示態様で保留表示を表示する。
一方、表示態様を変化させることができない場合には、表示態様を変化させることなく、変化前と同じ表示態様で保留表示を表示する。
以下、別例1における示唆演出を実現させるための処理について具体的に説明する。
図106は、別例1における保留演出用記憶エリアである。図106(a)には、別例1における第1保留演出用記憶エリアを示し、図106(b)には、別例1における第2保留演出用記憶エリアを示した。別例1における保留演出用記憶エリアは、各保留遊技回に対応して、表示レベル上限値Lvmと実表示レベルLvrとを記憶する記憶エリアを備える。各保留遊技回の表示レベル上限値Lvmの値および実表示レベルLvrの値の決定方法は、上記第8実施形態および第9実施形態と同様であり、保留演出用パラメータ設定処理において決定する。
示唆演出において、制限時間が経過し遊技者が選択した保留遊技回が決定したときには、選択された保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるか判定し、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrである場合には、当該保留表示の表示態様を、表示レベル上限値Lvmに対応する表示態様に変化させる。例えば、図106において、遊技者が選択した保留遊技回が保留表示Dm13であった場合、保留表示Dm13は、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるので、保留表示Dm13の表示態様を、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様に変化させる。すなわち、表示態様を変化させる前の保留表示Dm13の実表示レベルLvr(=1)に対応する表示態様「白」から、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様「赤」に表示態様を変化させる。そして、表示態様を変化させた後、保留表示Dm13の実表示レベルLvrを1から4に更新する。
仮に、遊技者が選択した保留遊技回が表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrではなかった場合には(例えば、図106(a)における保留表示Dm11)、選択された保留表示の表示態様は変化させない。
なお、別例1における示唆演出を上記の第8実施形態および第9実施形態に適用することができる。
先に、別例1における示唆演出を上記の第8実施形態に適用した場合について説明する。上述した第8実施形態においては、表示態様を変化させる保留表示を決定する際にステップS4003またはステップS4004(図98)において、保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、第1保留演出用記憶エリアまたは第2保留演出用記憶エリアの最先に実行される保留遊技回に対応した保留表示を、表示態様を変化させる対象に決定したが、当該処理に代えて、遊技者が演出操作ボタン24の操作によって選択した保留表示の保留変化可能フラグがONである場合に当該保留表示を変化させ、遊技者が演出操作ボタン24の操作によって選択した保留表示の保留変化可能フラグがONではない場合には当該保留表示を変化させないと言う処理を適用してもよい。
そして、別例1の示唆演出を適用し、制限時間が終了したタイミングで、矢印の下に位置する保留表示を一時的に他のオブジェクト(図105(b)では「煙」のオブジェクトX1)を表示することによって遊技者から当該保留表示を視認できないようにする。
その後、表示態様を変化させることが可能な場合には、図105(c)に示すように、変化後の表示態様で保留表示を表示する。
一方、表示態様を変化させることができない場合には、表示態様を変化させることなく、変化前と同じ表示態様で保留表示を表示する。
このようにすることで、遊技者に表示態様を変化させたい保留表示を選択させるという新たな遊技性が創出されるとともに、遊技者が選択した保留表示の表示態様が変化可能であるか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができる。さらに、遊技者が選択した保留表示の表示態様が変化可能である場合には、存在する保留表示の中で遊技者が選択した当該保留表示が大当たり抽選の対象となる順が後である場合ほど、表示態様が変化する対象である当該保留表示における表示態様の変化前と変化後との間における表示態様のランクアップする段数が大きくなり、上記第8実施形態と同様の効果を奏するとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
次に、別例1における示唆演出を上記の第9実施形態に適用した場合について説明する。上述した第9実施形態においては、表示態様を変化させる保留表示を決定する際にステップS4303またはステップS4304(図104)において、保留変化可能フラグがONである保留遊技回のうち、第1保留演出用記憶エリアまたは第2保留演出用記憶エリアの最も後に実行される保留遊技回に対応した保留表示を、表示態様を変化させる対象に決定したが、当該処理に代えて、遊技者が演出操作ボタン24の操作によって選択した保留表示の保留変化可能フラグがONである場合に当該保留表示を変化させ、遊技者が演出操作ボタン24の操作によって選択した保留表示の保留変化可能フラグがONではない場合には当該保留表示を変化させないと言う処理を適用してもよい。
そして、別例1の示唆演出を適用し、制限時間が終了したタイミングで、矢印の下に位置する保留表示を一時的に他のオブジェクト(図105(b)では「煙」のオブジェクトX1)を表示することによって遊技者から当該保留表示を視認できないようにする。
その後、表示態様を変化させることが可能な場合には、図105(c)に示すように、変化後の表示態様で保留表示を表示する。
一方、表示態様を変化させることができない場合には、表示態様を変化させることなく、変化前と同じ表示態様で保留表示を表示する。
このようにすることで、遊技者に表示態様を変化させたい保留表示を選択させるという新たな遊技性が創出されるとともに、遊技者が選択した保留表示の表示態様が変化可能であるか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができる。さらに、遊技者が選択した保留表示の表示態様が変化可能である場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示より先に実行される保留遊技回の保留表示の表示態様よりも、上位の保留表示に変化させるので、上記第9実施形態と同様の効果を奏するとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
以上説明したように、別例1のパチンコ機10は、示唆演出において、遊技者に保留表示を選択させるといった新たな遊技性を創出することができる。また、上記説明したように、別例1における遊技者に保留表示を選択させる示唆演出を、上記の第8実施形態および第9実施形態に適用することができる。具体的には、遊技者が選択した保留表示に対応する保留変化可能フラグがONであるか否かによって、当該保留表示の表示態様を変化させるか否かを決定する。従って、遊技者自身が選択した保留表示の表示態様が変化するか否かといった新たな遊技性を創出することができる。
この場合、遊技者が選択した保留表示に対応する保留変化可能フラグがONではない場合には、示唆演出を実行したにも関わらず、保留表示の表示態様を変化させない。従って、示唆演出が実行された後には保留表示の表示態様が変化するといった遊技者の認識を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。さらに、示唆演出が実行された場合に、その後に保留表示の表示態様が変化するか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記第8実施形態において説明したように、別例1においても、示唆演出を実行する場合に、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅(表示態様の変化前と変化後との間における実表示レベルLvrの差)の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する処理を採用してもよい。このようにすることで、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者に期待感を付与することができることに加え、保留表示の表示態様が変化する前に、示唆演出として実行される演出の種類に対しても遊技者に期待感を付与することができる。
<示唆演出の別例2>
図107は、示唆演出の別例2としてパチンコ機10が実行する示唆演出を示す説明図である。図107(a)は、本別例における示唆演出の様子を示している。図107(b)は、本別例における示唆演出が終了した後に表示面41aに表示される保留表示を示している。
図107(a)に示すように、本別例の示唆演出は、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射される示唆演出である。しかし、本別例における示唆演出では、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射されるにも関わらず、いずれの保留表示にも当たらずに爆発する。そして、図107(b)に示すように、本別例における示唆演出が実行されたにも関わらず、当該示唆演出が終了した後に表示面41aに表示される保留表示の表示態様は変化をしない。以下、具体的な処理について説明する。
本別例2も、図106に示した第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアを用いる。そして、表示態様を変化させる対象となる保留表示を抽選によって決定する。決定した保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるか否かを判定し、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrである場合には、第8実施形態の図90(b)に示した示唆演出(パターン4)のように、当該保留表示の表示態様を変化させる示唆演出を実行し、その後、当該保留表示の表示態様を、表示レベル上限値Lvmに対応する表示態様に変化させる。
例えば、図106において、表示態様を変化させる対象となる保留表示が保留表示Dm13であった場合、保留表示Dm13は、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるので、第8実施形態の図90(b)に示した示唆演出(パターン4)と同様の示唆演出を実行し、その後、保留表示Dm13の表示態様を、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様に変化させる。すなわち、表示態様を変化させる前の保留表示Dm13の実表示レベルLvr(=1)に対応する表示態様「白」から、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様「赤」に表示態様を変化させる。そして、表示態様を変化させた後、保留表示Dm13の実表示レベルLvrを1から4に更新する。
一方、表示態様を変化させる対象となる保留表示に対応する保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrではなかった場合には、本別例2の図107(a)に示した示唆演出を実行する。
このような別例2における示唆演出を、上記第8実施形態において実行される示唆演出と組み合わせて実行することによって、示唆演出が実行された後には保留表示の表示態様が変化するといった遊技者の認識を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。さらに、示唆演出が実行された場合に、その後に保留表示の表示態様が変化するか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<示唆演出の別例3>
図108は、示唆演出の別例2としてパチンコ機10が実行する示唆演出を示す説明図である。図108(a)は、本別例における示唆演出の様子を示している。図108(b)は、本別例における示唆演出が終了した後に表示面41aに表示される保留表示を示している。
図108(a)に示すように、本別例の示唆演出は、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射される示唆演出である。しかし、本別例における示唆演出では、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射され、保留表示に当たったにも関わらず、図108(b)に示すように、当該示唆演出が終了した後に表示面41aに表示される保留表示の表示態様は変化をしない。
当該示唆演出は、上記別例2と同様の処理を実行することによって実現することができる。具体的には、図106に示した第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアを用いる。そして、表示態様を変化させる対象となる保留表示を抽選によって決定する。決定した保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるか判定し、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrである場合には、第8実施形態の図90(b)に示した示唆演出(パターン4)のように、当該保留表示の表示態様を変化させる示唆演出を実行し、その後、当該保留表示の表示態様を、表示レベル上限値Lvmに対応する表示態様に変化させる。
例えば、図106において、表示態様を変化させる対象となる保留表示が保留表示Dm13であった場合、保留表示Dm13は、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrであるので、第8実施形態の図90(b)に示した示唆演出(パターン4)と同様の示唆演出を実行し、その後、保留表示Dm13の表示態様を、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様に変化させる。すなわち、表示態様を変化させる前の保留表示Dm13の実表示レベルLvr(=1)に対応する表示態様「白」から、表示レベル上限値Lvm(=4)に対応する表示態様「赤」に表示態様を変化させる。そして、表示態様を変化させた後、保留表示Dm13の実表示レベルLvrを1から4に更新する。
一方、表示態様を変化させる対象となる保留表示に対応する保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrではなかった場合には、本別例3に図108(a)おける示唆演出を実行する。
このような別例3における示唆演出を、上記第8実施形態において実行される示唆演出と組み合わせて実行することによって、示唆演出が実行された後には保留表示の表示態様が変化するといった遊技者の認識を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。さらに、示唆演出が実行された場合に、その後に保留表示の表示態様が変化するか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<示唆演出の別例4>
示唆演出を実行した後に、隣接する2つ以上の保留表示の表示態様を変化させるとしてもよい。例えば、図106に示した第1保留演出用記憶エリアおよび第2保留演出用記憶エリアにおいて、隣接する2つ以上の保留遊技回において、表示レベル上限値Lvm>実表示レベルLvrである場合に、当該隣接する2つ以上の保留表示の表示態様を略同時に変化させる。
また、隣接する2つ以上の保留表示の表示態様を変化させることに先立って、例えば、以下のような示唆演出を実行することができる。
図109は、示唆演出の別例4としてパチンコ機10が実行する示唆演出を示す説明図である。図109(a)は、本別例における示唆演出の様子を示している。図109(b)は、本別例における示唆演出が終了した後に表示面41aに表示される保留表示を示している。
図109(a)に示すように、本別例の示唆演出は、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射される示唆演出である。本別例の示唆演出においては、ミサイルW5が表示態様を変化させる対象である保留表示に向けて発射され、隣接する2つの保留表示に当たる。その後、図109(b)に示すように、隣接する2つの保留表示の表示態様が変化する、
このような示唆演出を実行することによって、示唆演出が実行された後に、いくつの保留表示の表示態様が変化するのかといった期待感を、遊技者に付与することができる。
K.第11実施形態:
K1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図110は、第11実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図111は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36、および、V入賞口48が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
V入賞口48は、遊技球が入球可能な入球口であり、高確率モードを作動させる条件となる入球口である。V入賞口48には、開閉扉48aが設けられている。開閉扉48aは、大当たり抽選によって大当たりに当選後、当該大当たり抽選を契機として実行される開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技における所定のタイミングで閉鎖状態から開放状態となり、一定時間の経過後に閉鎖状態に戻る。開閉扉48aが開放状態である期間に遊技球がV入賞口48に入球すると、ラウンド遊技の終了後に抽選モードが高確率モードに移行する。本実施形態におけるパチンコ機10は、高確率モードの遊技状態で120回の遊技回を実行すると、その後、抽選モードを高確率モードから低確率モードに移行する。なお、図示は省略したが、開閉扉48aからV入賞口48までの遊技球が流通する経路上には振分片が設けられている。開閉扉48aから入球した遊技球は、振分片によって、V入賞口48に入球する経路と、V入賞口48に入球しない経路とに振分けられる。内部制御として開閉扉48aを開放制御し、かつ、V入賞口48に入球する方向に振分片を制御した場合以外の場合にV入賞口48に遊技球が入球したことを検知した場合には、不正入賞と判定し、不正入賞が発生した旨を報知する。本実施形態においては、報知音を出力するとともに、LEDランプを点滅させる。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図112は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図112(a)は、図柄表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄または第2液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。
図112(a)に示すように、図柄表示装置41には、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図112(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAと、第1サブ表示領域SA1とが表示される。メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。同様に、第1サブ表示領域SA1には、メイン表示領域MAと同様に、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。具体的には、メイン表示領域MAに第1液晶用図柄が表示されている場合には、第1サブ表示領域SA1に第2液晶用図柄が表示され、メイン表示領域MAに第2液晶用図柄が表示されている場合には、第1サブ表示領域SA1に第1液晶用図柄が表示される。すなわち、メイン表示領域MAに表示される液晶用図柄と、第1サブ表示領域SA1に表示される液晶用図柄は、所定の場合に切り替わって表示される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図112(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図112(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
第1サブ表示領域SA1には、左、中、右の3つの図柄列Z4、Z5、Z6が表示される。各図柄列Z4〜Z6には、図112(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図112(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL2上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、各図柄列Z4〜Z6の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z4、図柄列Z6、図柄列Z5の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z4〜Z6に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。なお、第1サブ表示領域SA1における第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、第1サブ表示領域SA1における図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄として、同じ種類の図柄を採用した。具体的には、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄として数字の1〜8を示す図柄を採用した。このように、第1液晶用図柄として表示される図柄と第2液晶用図柄として表示される図柄の種類を同じにすることで、例えば、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示される表示領域を、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1との間で入れ替えた場合に、液晶用図柄の表示切替に対して遊技者に違和感を与えないようにすることができる。また、遊技者に対して、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1で変動表示している液晶用図柄が、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄のいずれであるのかの見分けをつきにくくすることができる。このようにすることで、例えば、メイン表示領域MAに第1液晶用図柄が表示されており第1サブ表示領域SA1に第2液晶用図柄が表示されている状態から、メイン表示領域MAに第2液晶用図柄が表示され第1サブ表示領域SA1に第1液晶用図柄が表示される状態に切り替える場合に、遊技者に違和感を与えずに自然な表示切替を実行することができる。また、遊技者に対して、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1で変動表示している液晶用図柄の見分けをつきにくくすることで、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1に表示されている図柄の種類(第1液晶用図柄または第2液晶用図柄)に関わらず、メイン表示領域MAに表示されている液晶用図柄に遊技者を集中させることや、メイン表示領域MAまたは第1サブ表示領域SA1に表示されている液晶用図柄が、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄のいずれであるのかを遊技者に推測させる遊技性を付加することができる。
また、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄との間で、異なる種類の図柄を採用することもできる。例えば、第1液晶用図柄として数字の1〜8を示す8個の図柄を採用し、第2液晶用図柄としてアルファベットのA〜Hを示す8個の図柄を採用してもよい。このようにすることで、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1の各々には、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄のいずれの液晶用図柄が表示されているのかを遊技者に識別しやすくすることができる。その結果、遊技者に対して遊技の状況を把握しやすくすることができる。
また、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1との間で、異なる種類の図柄を採用することもできる。例えば、メイン表示領域MAに表示する液晶用図柄として数字の1〜8を示す8個の図柄を採用し、第1サブ表示領域SA1に表示する液晶用図柄としてアルファベットのA〜Hを示す8個の図柄を採用してもよい。さらに、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄との間で異なる種類の図柄(数字1〜8の図柄と、アルファベットのA〜Hの図柄)を表示する表示態様と、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1との間で異なる種類の図柄を表示する表示態様とを組み合わせてもよい。このように、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1に表示する液晶用図柄の表示態様として、種々の表示態様を採用することができる。
図112(b)に示すように、表示面41aには、液晶用普図表示領域NAが表示される。液晶用普図表示領域NAには、普図ユニット38に対応する図柄が表示される。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として行われた電動役物開放抽選の抽選結果に対応する図柄の表示を行う。本実施形態においては、液晶用普図表示領域NAには、1〜8の数字が、縦に3つ表示される。縦に並んだ3つの数字は、周期性をもって変動する。変動表示の後、縦に3つ1組の数字の図柄が停止した状態で表示される。
図112(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
また、図112(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1サブ表示領域SA1、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
K2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図113は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36、V入賞口48などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。また、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づく抽選において所定の抽選結果となった場合には、ラウンド遊技中における所定のタイミングで、V入賞口48を開放・閉鎖する開閉扉48aが開閉されるように開閉扉駆動部48bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図114は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33または第1始動口44に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33に遊技球が入球した場合に、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理と、第2始動口34に遊技球が入球した場合に、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理とを、並列的に実行する。以下では、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理とを並列的に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に実行することが可能なパチンコ機を同時変動機とも呼ぶ。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図112(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
その他の具体例としては、図112(b)の表示面41aの第1サブ表示領域SA1において、最初に図柄列Z4において図柄が停止表示され、次に図柄列Z6においてZ4と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z5において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z5に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜463であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=464,465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値及び電動役物開放カウンタC4の値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値およびリーチ乱数カウンタC3の値を保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図115は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図115(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図115(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図115(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図115(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
図116は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図116(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図116(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図116(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜4の5個の値が設定されている。また、第1小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として5〜504の500個の値が設定され、第2小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として505〜554の50個の値が設定され、第3小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として555〜604の50個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜604の605個の値以外の値が外れである。
ここで、「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、後述する抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
上述のように、本実施形態においては、小当たりとして、第1小当たり、第2小当たり、及び、第3小当たりが設定されている。第1小当たりは、開閉実行モードとして、開放期間が1.6secの可変入賞装置36の開放が1回発生する。第2小当たりは、開閉実行モードとして、開放期間が60msecの可変入賞装置36の開放が6回発生する。第3小当たりは、開閉実行モードとして、開放期間が60msecの可変入賞装置36の開放が8回発生する。
図116(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜15の16個の値が設定されている。また、第1小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として16〜515の500個の値が設定され、第2小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として516〜565の50個の値が設定され、第3小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として566〜615の50個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜615の616個の値以外の値が外れである。
このように、第2始動口用の当否テーブルにおいても、第1始動口用の当否テーブルと同様に、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。さらに、第2始動口用の当否テーブルにおいては、低確率モード用の当否テーブルおよび高確率モード用の当否テーブルのいずれにおいても、小当たり(第1小当たり、第2小当たり、第3小当たり)となる大当たり乱数カウンタC1の値が500個設定されており、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が実行された場合には、500/1200の確率で小当たりとなるように設定されている。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。本実施形態では、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。一方、低頻度入賞モードは、2種類設定されている。1つ目は、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定されている低頻度入賞モードである。2つ目は、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が0.06秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定されている低頻度入賞モードである。
なお、開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図117は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図117(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図117(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図117(a)に示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、8R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。
8R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第1種大当たりは、ラウンド遊技の5ラウンド目にV入賞口48が10秒間開放する大当たりである。開放したV入賞口48に遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。但し、高確率モード時において実行される遊技回の回数は120回に制限されており、高確率モードにおいて実行される第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回の実行回数の合計回数が120回に達すると、大当たり抽選の抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。なお、高確率モード時に実行された遊技回において、さらに大当たりに当選し、当該大当たりを契機として開放したV入賞口48に遊技球が入賞した場合には、それまでに実行された高確率モードにおける遊技回の回数はリセットされ、当該大当たりを契機として実行されるラウンド遊技を経て、その後に実行される高確率モードにおける遊技回から改めて120回の遊技回のカウントが実行される。よって、高確率モード時に大当たりに当選した場合には、高確率モードにおける遊技回が120回以上継続して実行される場合がある。
8R第2種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第2種大当たりは、ラウンド遊技の5ラウンド目にV入賞口48が0.006秒間開放する大当たりである。V入賞口48に遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなるが、V入賞口48の開放時間が0.006秒であるため、遊技球がV入賞口48に入賞する確率は極めて低い。従って、8R第2種大当たりは、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが、実質的に低確率モードとなる大当たりである。
このように、第1種大当たりは、第2種大当たりと比較して、ラウンド遊技中におけるV入賞口48の開放時間が長く、V入賞口48に遊技球が入球しやすいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が高い。一方、第2種大当たりは、第1種大当たりと比較して、ラウンド遊技中におけるV入賞口48の開放時間が短く、V入賞口48に遊技球が入球しにくいため、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる確率が非常に低い。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜19」が8R第1種大当たりに対応し、「20〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
図117(b)に示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R第1種大当たり、及び、8R第1種大当たりが設定されている。
16R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R第1種大当たりは、ラウンド遊技の13ラウンド目にV入賞口48が10秒間開放する大当たりである。開放したV入賞口48に遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。但し、高確率モード時において実行される遊技回の回数は120回に制限されており、高確率モードにおいて実行される第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回の実行回数の合計回数が120回に達すると、大当たり抽選の抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。なお、高確率モード時に実行された遊技回において、さらに大当たりに当選し、当該大当たりを契機として開放したV入賞口48に遊技球が入賞した場合には、それまでに実行された高確率モードにおける遊技回の回数はリセットされ、当該大当たりを契機として実行されるラウンド遊技を経て、その後に実行される高確率モードにおける遊技回から改めて120回の遊技回のカウントが実行される。よって、高確率モード時に大当たりに当選した場合には、高確率モードにおける遊技回が120回以上継続して実行される場合がある。
8R第1種大当たりは、上述のように、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R第1種大当たりは、ラウンド遊技の5ラウンド目にV入賞口48が10秒間開放し、V入賞口48に遊技球が入球したことを条件として、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる大当たりである。但し、高確率モード時において実行される遊技回の回数は120回に制限されており、高確率モードにおいて実行される第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回の実行回数の合計回数が120回に達すると、大当たり抽選の抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。
第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜19」が16R第1種大当たりに対応し、「20〜39」が8R第1種大当たりに対応するように設定されている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図118は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図118(a)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図118(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜463の464個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として464,465の2個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、232/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
図118(b)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図118(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
K3.遊技機の遊技性:
次に、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技性について説明する。図114において説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理とを、並列的に実行する同時変動機である。よって、遊技者が操作ハンドル25を操作することによって発射された遊技球が第1始動口33に入球したことを契機とする遊技回(第1始動口用遊技回)と、遊技球が第2始動口34に入球したことを契機とする遊技回(第2始動用遊技回)とが並列的に実行される。
また、上述のように、遊技球がスルーゲート35を通過した場合には電動役物開放抽選が実行され、高頻度サポートモード時は232/233の確率で電役開放当選し、低頻度サポートモード時は231/233の確率で電役開放当選する。よって、遊技盤30の右側に遊技球を流通させ、遊技球がスルーゲート35を通過した場合には、高い確率で電動役物34aが開放する。すなわち、遊技球を遊技盤30の右側に流通させた場合には、高い確率で第2始動口34に遊技球を入球させることが可能である。従って、遊技者は、操作ハンドル25を用いて遊技球の発射強度を調整し、遊技盤30(図111参照)の左側に遊技球を流通させて第1始動口33に遊技球を入球させるとともに、遊技盤30(図111参照)の右側に遊技球を流通させて第2始動口34に遊技球を入球させ、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回とを並列的に実行させることが可能である。
しかし、本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時は、第2始動口用遊技回の変動時間は第1始動口用遊技回の変動時間と比較して非常に長くなるように設定されている。具体的には、低頻度サポートモード時は、第1始動口用遊技回の1遊技回の変動時間は5秒〜2分の範囲であり、第2始動口用遊技回の1遊技回の変動時間は10分に設定されている。
一方、高頻度サポートモード時は、第2始動口用遊技回の変動時間は第1始動口用遊技回の変動時間と比較して短くなるように設定されている。具体的には、高頻度サポートモード時は、第1始動口用遊技回の1遊技回の変動時間は1分であり、第2始動口用遊技回の1遊技回の変動時間は0.5秒である。
従って、本実施形態のパチンコ機10は、低頻度サポートモード時は、遊技盤30の左側に遊技球を流通させ第1始動口33に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回を実行させ、一方、高頻度サポートモード時は、遊技盤30の右側に遊技球を流通させ第2始動口34に遊技球を入球させて第2始動口用遊技回を実行させる遊技の流れが、遊技者にとって有利になる遊技性を備えている。
また、図116(b)の第2始動口用の当否テーブルに示したように、第2始動口への遊技球の入球を契機として実行される大当たり抽選においては、1/2の確率で小当たり(第1小当たり、第2小当たり、第3小当たり)に当選する。小当たりに当選した場合には、開閉実行モードが実行され開閉扉36bが開放し、遊技球が大入賞口36aに入球し遊技者に賞球が払い出される。従って、高頻度サポートモード時には、遊技者は、遊技盤30の右側に遊技球を流通させることによって、第2始動口34への入球に基づく賞球に加え、小当たり(第1小当たり、第2小当たり、第3小当たり)によって開放された大入賞口36aへの入球に基づく賞球を得ることができる場合がある。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10での標準的な遊技の流れは以下のようになる。
低確率モード時かつ低頻度サポートモード時には遊技盤30の左側に遊技球を流通させて第1始動口33に遊技球を入球させる。
第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選に当選し、当該大当たりが第2種大当たりの場合には、ラウンド遊技を経た後に、高頻度サポートモードで100回の遊技回を実行可能である。この場合には、遊技盤30の右側に遊技球を流通させ、スルーゲート35の遊技球の通過に基づく電役開放当選を発生させ、電動役物34aが開放した状態の第2始動口34に遊技球を入球させ、第2始動口への遊技球の入球に基づく大当たり抽選を実行させる。第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選において大当たりとならない場合でも、当該抽選結果が小当たりであれば開閉扉36bが開放するため、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得ることができる場合がある。
高頻度サポートにおける100回の遊技回中に大当たり抽選において大当たりに当選しなかった場合には、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。なお、抽選モードは低確率モードである。低頻度サポートモードに移行した場合には、再び、遊技盤30の左側に遊技球を流通させて第1始動口33に遊技球を入球させる。
低確率モード時かつ低頻度サポートモード時に遊技盤30の左側に遊技球を流通させて第1始動口33に遊技球を入球させ、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選に当選し、当該大当たりが第1種大当たりの場合であって、ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口48に入球した場合には、当該ラウンド遊技を経た後に、高確率モードかつ高頻度サポートモードで120回の遊技回を実行可能である。この場合には、遊技盤30の右側に遊技球を流通させ、スルーゲート35の遊技球の通過に基づく電役開放当選を発生させ、電動役物34aが開放した状態の第2始動口34に遊技球を入球させ、第2始動口への遊技球の入球に基づく大当たり抽選を実行させる。第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選において大当たりとならない場合でも、当該抽選結果が小当たりであれば開閉扉36bが開放するため、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得ることができる場合がある。
高確率モードかつ高頻度サポートモードにおける120回の遊技回中に大当たり抽選において大当たりに当選しなかった場合には、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する。低確率モードかつ低頻度サポートモードに移行した場合には、再び、遊技盤30の左側に遊技球を流通させて第1始動口33に遊技球を入球させる。
高確率モードかつ高頻度サポートモードにおける120回の遊技回中に大当たり抽選において大当たりに当選し、当該大当たりが第1種大当たりである場合であって、ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口48に入球した場合には、当該ラウンド遊技を経た後に、改めて高確率モードかつ高頻度サポートモードで120回の遊技回を実行可能である。
高確率モードかつ高頻度サポートモードにおける120回の遊技回中に大当たり抽選において大当たりに当選し、当該大当たりが第2種大当たりである場合には、ラウンド遊技を経た後に、低確率モードかつ高頻度サポートモードで100回の遊技回を実行可能である。
以上、本遊技機の遊技性について説明した。
K4.処理の概要:
<リザルト画像>
図119は、パチンコ機10が実行する処理の一例を説明するタイムチャートである。本タイムチャートには、第1始動口用遊技回、第2始動口用遊技回、特2メイン表示フラグ、高確率モードフラグ、及び、図柄表示装置41における表示態様が示されている。
第1始動口用遊技回の実行を示す波形の凸部、および、第2始動口用遊技回の実行を示す波形の凸部に示した数字(115〜125)は、直近の第1種大当たりを契機として高確率モードが開始されてから実行された遊技回の回数(以下、確変後遊技回実行回数とも呼ぶ)を示している。すなわち、図119のタイムチャートは、高確率モードかつ高頻度サポートモードにおける120回の遊技回が終了し(時刻Tm4)、低確率モードかつ低頻度サポートモードに移行する様子を示している。
図119のタイムチャートに示した例においては、高確率モードかつ高頻度サポートモード時には遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を実行させ(図119の確変後遊技回実行回数が115〜120の遊技回)、低確率モードかつ低頻度サポートモードへの移行とともに第1始動口33に遊技球を入球させることによって第1始動口用遊技回を実行させている(図119の確変後遊技回実行回数が121〜125の遊技回)。上記の遊技機の遊技性において説明したように、確変後遊技回実行回数が115〜120までの第2始動口用遊技回の変動時間は0.5秒である(例:時刻Tm1〜Tm2=0.5秒)。
特2メイン表示フラグは、メイン表示領域MAに表示する液晶用図柄と第1サブ表示領域SA1に表示する液晶用図柄の切り替えを実行するために用いられるフラグである。特2メイン表示フラグは、高頻度サポートモードの開始とともにONになり、低頻度サポートモードの開始とともにOFFになる。但し、本実施形態においては、低頻度サポートモード時に第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を実行させ大当たり抽選に当選したこと(以下、「特殊大当たり」とも呼ぶ)を契機として高頻度サポートモードが開始された場合は、特2メイン表示フラグはONにしない。
図119に示した特2メイン表示フラグと図柄表示装置41の表示態様との対応関係から分かるように、特2メイン表示フラグがONの場合には、メイン表示領域MAに第2始動口用遊技回に対応した図柄である第2液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第1始動口用遊技回に対応した図柄である第1液晶用図柄が表示される。一方、特2メイン表示フラグがOFFの場合には、メイン表示領域MAに第1始動口用遊技回に対応した図柄である第1液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第2始動口用遊技回に対応した図柄である第2液晶用図柄が表示される。
上記の遊技機の遊技性において説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、低確率モードかつ低頻度サポートモード時は、遊技盤30の左側に遊技球を流通させて遊技球を第1始動口33に入球させて第1始動口用遊技回を実行させ、高確率モード時および高頻度サポートモード時(低確率モード時を含む)は、遊技盤30の右側に遊技球を流通させて遊技球を第2始動口34に入球させて第2始動口用遊技回を実行させる遊技の流れが、遊技者にとって有利になる遊技性を備えている。そこで、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技者が本遊技機の遊技性に従って第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回を実行させる場合には、当該遊技性に沿って実行される遊技回に対応した液晶用図柄(第1液晶用図柄又は第2液晶用図柄)がメイン表示領域MAに表示される。なお、図119に示した図柄表示装置の表示態様を示すチャートには、第2サブ表示領域SA2が示されているが、第2サブ表示領域SA2については後述する。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回(以下、最終特定遊技回とも呼ぶ)を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を、予め定めた時間である12秒に設定する。図119を用いて具体的に説明すると、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回(確変後遊技回実行回数が120回目の第2始動口用遊技回)を開始した後の直近に実行する遊技回である確変後遊技回実行回数が121回の遊技回の変動時間(時刻Tm5〜Tm7)と、確変後遊技回実行回数が122回の遊技回の変動時間(時刻Tm8〜Tm9)とを、12秒に設定する。
そして、パチンコ機10は、変動時間が12秒に設定された2回の遊技回の実行中に、高確率モード時に遊技者に付与した特典に関する情報を示す画像であるリザルト画像を、メイン表示領域MAに10秒間表示する。
図120は、図柄表示装置41におけるリザルト画像の表示態様を示す説明図である。図120(a)は、確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回が終了するまでの図柄表示装置41の表示態様を示している。図120(b)は、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回(以下、最終特定遊技回)を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回が実行される期間であってリザルト画像が表示されている期間における図柄表示装置41の表示態様を示している。図120(c)は、リザルト画像の表示が終了した後の図柄表示装置41の表示態様を示している。図120と図119のタイムチャートとの対応関係としては、図120(a)は時刻Tm4(図119)までの図柄表示装置41の表示態様に対応し、図120(b)は時刻Tm4から時刻Tm6までの図柄表示装置41の表示態様に対応し、図120(c)は時刻Tm6以後の図柄表示装置41の表示態様に対応している。
図120(a)に示すように、確変後遊技回実行回数が120回までは、図柄表示装置41(表示面41a)のメイン表示領域MAには、第2始動口用遊技回に対応する図柄である第2液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1には、第1始動口用遊技回に対応する図柄である第1液晶用図柄が表示される。
また、図柄表示装置41には、案内表示GD1が表示されている。案内表示GD1は、遊技球を遊技盤30の右側に流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す案内表示である。上述したように、確変後遊技回実行回数が120回までは高頻度サポートモード状態であり、遊技球を遊技盤30の右側に流通させた方が遊技者にとって有利であることから、図柄表示装置41に案内表示GD1を表示する。案内表示GD1を表示することで、遊技者にとって有利となる遊技方法を遊技者に案内することができる。
図120(b)に示すように、最終特定遊技回(本実施形態においては確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回が実行される期間であってリザルト画像が表示されている期間においては、図柄表示装置41のメイン表示領域MAにはリザルト画像が表示され、第1サブ表示領域SA1には、第2始動口用遊技回に対応する図柄である第2液晶用図柄が表示される。図119で説明したように、最終特定遊技回(確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)の終了とともに特2メイン表示フラグがOFFになっているので、メイン表示領域MAには、第1始動口用遊技回に対応する図柄である第1液晶用図柄が表示されるのが原則的な処理である。しかし、メイン表示領域MAにはリザルト画像が表示されるため、本実施形態のパチンコ機10においては、表示面41aの左端の上部に第2サブ表示領域SA2が設けられ、当該第2サブ表示領域SA2に第1液晶用図柄が表示される。このようにすることで、リザルト画像が表示される際の、第1液晶用図柄の視認性の低下を抑制することができる。
また、図柄表示装置41には、案内表示GD2が表示されている。案内表示GD2は、遊技球を遊技盤30の左側に流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す案内表示である。上述したように、確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回が終了した以降は、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。よって、遊技球を遊技盤30の左側に流通させた方が遊技者にとって有利であることから、図柄表示装置41に案内表示GD2を表示する。案内表示GD2を表示することで、遊技者にとって有利となる遊技方法を遊技者に案内することができる。
図120(c)に示すように、リザルト画像の表示が終了した後は、図柄表示装置41のメイン表示領域MAに第1液晶用図柄が表示され、図柄表示装置41の第1サブ表示領域SA1に第2液晶用図柄が表示される。
ここで、リザルト画像について説明する。上述のように、リザルト画像は、高確率モード時に遊技者に付与した特典に関する情報を示す画像である。例えば、第1種大当たりによって高確率モードに移行した場合に、当該高確率モード中に再び第1種大当たりに当選し、高確率モードが継続する場合がある。このような高確率モード中に再び第1種大当たりに当選し高確率モードとなった回数や、大当たりに当選したことによって払い出された賞球に関する情報など、高確率モード時に遊技者に付与した特典に関する情報がリザルト画像として図柄表示装置41に表示される。
次に、パチンコ機10が実行する処理の他の例について説明する。
図121は、パチンコ機10が実行する処理の他の例を説明するタイムチャートである。図121に示したタイムチャートは、確変後遊技回実行回数が120回目の第2始動口用遊技回が終了し高確率モードが終了したにも関わらず、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回として第2始動口用遊技回が実行された場合を示している。このようなタイムチャートとなるのは、確変後遊技回実行回数が120回目の第2始動口用遊技回が終了した時点において第2始動口用の保留遊技回が残っている場合や、確変後遊技回実行回数が120回目の第2始動口用遊技回が終了の前後において遊技球が第2始動口34に入球した場合である。
上述のようにパチンコ機10は第1始動口用遊技回と第2始動用用遊技回とが並列的に実行される同時変動機であるので、図121のタイムチャートのように、確変後遊技回実行回数が121回目の第2始動口用遊技回の実行中に、並列的に、確変後遊技回実行回数が122回目の第1始動口用遊技回が実行される場合がある。
このような場合であっても、図119において説明した例と同様に、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回(最終特定遊技回)を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定する。すなわち、確変後遊技回実行回数が121回目の第2始動口用遊技回と、確変後遊技回実行回数が122回目の第1始動口用遊技回の変動時間を12秒に設定する。そして、最終特定遊技回の終了後に、図柄表示装置41にリザルト画像を10秒間表示する。
すなわち、図121のタイムチャートにおける図柄表示装置41の表示態様に示すように、確変後遊技回実行回数が120回(最終特定遊技回)までは、図柄表示装置41のメイン表示領域MAには、第2始動口用遊技回に対応する図柄である第2液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1には、第1始動口用遊技回に対応する図柄である第1液晶用図柄が表示される。
そして、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回が実行される期間であってリザルト画像が表示されている期間においては、図柄表示装置41のメイン表示領域MAにはリザルト画像が表示され、第1サブ表示領域SA1には、第2始動口用遊技回に対応する図柄である第2液晶用図柄が表示される。
リザルト画像の表示が終了した後は、図柄表示装置41のメイン表示領域MAに第1液晶用図柄が表示され、図柄表示装置41の第1サブ表示領域SA1に第2液晶用図柄が表示される。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、高確率モードが終了した場合に、高確率モード時に遊技者に付与した特典に関する情報を示すリザルト画像を図柄表示装置41に表示する。遊技者が、リザルト画像として表示されている情報を視認して表示内容を理解するためには数秒の時間が必要であるため、本実施形態のパチンコ機10は、リザルト画像を10秒間の一定時間表示する。
そのために、本実施形態におけるパチンコ機10は、リザルト画像を図柄表示装置41に表示するために、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定する。
同時変動機の場合、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか他方を実行する場合がある。従って、リザルト画像が図柄表示装置41に表示されている期間中に、例えば、第1始動口用遊技回が終了し新たな第1始動口用遊技回が開始されたり、第2始動口用遊技回が終了し新たな第2始動口用遊技回が開始されたりする場合がある。以下、遊技回の開始のタイミングや、遊技回の終了のタイミングを、「遊技回の区切れ」とも呼ぶ。
リザルト画像が図柄表示装置41に表示されている期間中に「遊技回の区切れ」が発生すると、遊技者に煩雑な印象を与えてしまう虞がある。また、各遊技回における大当たり抽選の結果に対して、遊技者が集中できない虞がある。
本実施形態のパチンコ機10は、図柄表示装置41にリザルト画像を表示する場合には、連続または並行して実行される複数の遊技回の変動時間を、リザルト画像を表示する時間(本実施形態では10秒)以上の時間(12秒)に設定するので、図柄表示装置41にリザルト画像が表示されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制することができる。
また、変動時間を予め定めた時間である12秒に設定する遊技回を最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回としているので、図柄表示装置41にリザルト画像が表示されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制しつつ、リザルト画像が表示されている時間以上の変動時間に設定する遊技回の回数を最小限に抑えることができる。
<デモ画像>
図122は、本実施形態におけるパチンコ機10が表示するデモ画像の表示態様について説明する説明図である。デモ画像は、予め設定された所定の期間遊技回が開始されない場合に、図柄表示装置41に表示される画像である。本実施形態においては、デモ画像として動画(以下、デモ動画とも呼ぶ)を図柄表示装置41に表示する。本実施形態におけるパチンコ機10は、第1始動口遊技回または第2始動口用遊技回が所定期間以上開始されない場合に、図柄表示装置41にデモ動画を表示する。
具体的には、第1始動口遊技回が所定期間以上開始されない場合には、その時点において第1始動口用遊技回に対応する図柄(第1液晶用図柄)を表示している表示領域(メイン表示領域MAまたは第1サブ表示領域SA1)に、当該領域用のデモ動画を表示する。また、第2始動口遊技回が所定期間以上開始されない場合には、その時点において第2始動口用遊技回に対応する図柄(第2液晶用図柄)を表示している表示領域(メイン表示領域MAまたは第1サブ表示領域SA1)に、当該領域用のデモ動画を表示する。
通常、パチンコ機においては、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回のいずれの遊技回も所定期間以上開始されない場合に、図柄表示装置41の表示面41a全体にデモ動画が表示されたが、本実施形態におけるパチンコ機10においては、第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回は、別々にデモ動画が表示されるまでの時間が設定されると共に、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1には、各々にデモ動画が表示される。
図122(a)は、メイン表示領域MAにデモ動画が表示され、第1サブ表示領域SA1に当該第1サブ表示領域SA1に対応する遊技回(第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回)の図柄(第1液晶用図柄または第2液晶用図柄)が表示されている様子を示している。
特2メイン表示フラグがOFFの場合に図122(a)のような状態になるのは、以下のような場合である。メイン表示領域MAに第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示されている場合において、第1始動口33に遊技球が入球せず第1始動口用遊技回が所定期間開始されない場合に、メイン表示領域MAに、当該メイン表示領域MA用に設定されたデモ動画が図122(a)のように表示される。このとき、第2始動口用遊技回が実行されている場合には、第1サブ表示領域SA1に第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示される。
特2メイン表示フラグがONの場合に図122(a)のような状態になるのは、以下のような場合である。メイン表示領域MAに第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示されている場合において、第2始動口34に遊技球が入球せず第2始動口用遊技回が所定期間開始されない場合に、メイン表示領域MAに、当該メイン表示領域MA用に設定されたデモ動画が図122(a)のように表示される。このとき、第1始動口用遊技回が実行されている場合には、第1サブ表示領域SA1に第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示される。
図122(b)は、メイン表示領域MAに当該メイン表示領域MAに対応する遊技回(第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回)の図柄(第1液晶用図柄または第2液晶用図柄)が表示され、第1サブ表示領域SA1にデモ動画が表示されている様子を示している。
特2メイン表示フラグがOFFの場合に図122(b)のような状態になるのは、以下のような場合である。メイン表示領域MAに第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示される場合において、第2始動口34に遊技球が入球せず第2始動口用遊技回が間開始されない場合に、第1サブ表示領域SA1に、当該第1サブ表示領域SA1用に設定されたデモ動画が図122(b)のように表示される。このとき、第1始動口用遊技回が実行されている場合には、メイン表示領域MAに第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示される。
特2メイン表示フラグがONの場合に図122(b)のような状態になるのは、以下のような場合である。メイン表示領域MAに第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示され、第1サブ表示領域SA1に第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄が表示される場合において、第1始動口33に遊技球が入球せず第1始動口用遊技回が開始されない場合に、第1サブ表示領域SA1に、当該第1サブ表示領域SA1用に設定されたデモ動画が図122(b)のように表示される。このとき、第2始動口用遊技回が実行されている場合には、メイン表示領域MAに第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄が表示される。
なお、図122(a)および図122(b)においては、メイン表示領域MAまたは第1サブ表示領域SA1のいずれか一方にデモ動画が表示され、いずれか他方に当該表示領域に対応する図柄が表示されている例を示したが、両方の表示領域に対応する遊技回の各々が所定期間以上開始されない場合には、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1の両方に、当該表示領域に対応したデモ動画が表示される。すなわち、メイン表示領域MAには図122(a)に示したメイン表示領域MA用のデモ動画が表示され、第1サブ表示領域SA1には図122(b)に示した第1サブ表示領域SA1用のデモ動画が表示される。
また、デモ動画の表示中に、当該デモ動画が表示されている表示領域に対応する遊技回が開始された場合には、当該表示領域は、デモ動画の表示から遊技回に対応した図柄の表示に復帰する。
図123は、RTC(RTC:Real‐Time Clock)演出動画とデモ動画との関係について説明する説明図である。
図123(a)は、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1のいずれにも、当該表示領域に対応する図柄が表示されている場合に、RTC演出動画が表示される場合を示している。この場合、図柄表示装置41には、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1に対応する図柄が、RTC演出動画に対応するレイヤー画像よりも上位のレイヤー画像として表示される。
図123(b)は、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1にデモ動画が表示され得る状態において、RTC動画演出が開始された場合を示している。本実施形態のパチンコ機10においては、メイン表示領域MAは、デモ動画が表示され得る状態であっても、RTC演出動画が表示される場合には、当該RTC演出動画が優先して表示され、RTC演出動画の終了後にデモ動画の表示が開始される。一方、第1サブ表示領域SA1は、RTC演出動画が表示される場合であっても、デモ動画が優先して表示される。
図123(b)に示した状態において、仮に、メイン表示領域MAに対応する遊技回が開始された場合には、図123(a)に示すメイン表示領域MAのように、メイン表示領域MAに対応する遊技回の図柄が、RTC演出動画のレイヤー画像よりも上位のレイヤー画像として表示される。この場合において、第1サブ表示領域SA1に対応する遊技回が開始されない場合には、第1サブ表示領域SA1は、デモ動画が表示された状態が維持される。
図123(b)に示した状態において、仮に、第1サブ表示領域SA1に対応する遊技回が開始された場合には、図123(a)に示す第1サブ表示領域SA1のように、第1サブ表示領域SA1に対応する遊技回の図柄が、RTC演出動画のレイヤー画像よりも上位のレイヤー画像として表示される。この場合において、メイン表示領域MAに対応する遊技回が開始されない場合には、メイン表示領域MAは、RTC演出動画が、デモ動画よりも優先して表示される状態を維持し、RTC演出動画の終了後にデモ動画の表示が開始される。
K5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図124は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に起動される。
ステップS5101では、各種検出センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検出センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検出情報)を保存する。その後、ステップS5102に進む。
ステップS5102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS5103に進む。
ステップS5103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS5104に進む。
ステップS5104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS5104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS5104を実行した後、ステップS5105に進む。
ステップS5105では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。ステップS5105におけるスルーゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップS5105を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図124:S5104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図125は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS5201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS5201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S5201:YES)、ステップS5202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドを設定する。その後、ステップS5203に進む。
ステップS5203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを示す信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS5204に進む。
ステップS5204では、第1始動保留個数RaNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS5204において、第1始動保留個数RaNが上限値未満でない場合には(S5204:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS5204において、第1始動保留個数RaNが上限値未満である場合には(S5204:YES)、ステップS5205に進み、第1保留エリアの第1始動保留個数RaNに1を加算する。その後、ステップS5206に進む。
ステップS5206では、ステップS5103(図125)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS5205において1を加算した第1始動保留個数RaNの値に対応する記憶エリアに記憶する。ステップS5206を実行した後、ステップS5207に進む。
ステップS5207では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選(判定処理)の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップS5207を実行した後、ステップS5208に進む。
ステップS5208では、第1保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を第1保留コマンドとして設定する。
第1保留コマンドは、第1始動口33への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。
なお、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された第1保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
ステップS5201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S5201:NO)、ステップS5209に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検出センサーの検出状態により判定する。
ステップS5209において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S5209:YES)、ステップS5210に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS5211に進む。一方、ステップS5209において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S5209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS5211では、第2始動口34に遊技球が入球したことを示す信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS5212に進む。
ステップS5212では、第2始動保留個数RbNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS5212において、第2始動保留個数RbNが上限値未満でない場合には(S5212:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS5212において、第2始動保留個数RbNが上限値未満である場合には(S5212:YES)、ステップS5213に進み、第2保留エリアの第2始動保留個数RbNに1を加算する。その後、ステップS5214に進む。
ステップS5214では、ステップS5103(図125)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS5213において1を加算した第2始動保留個数RbNの値に対応する記憶エリアに記憶する。ステップS5214を実行した後、ステップS5215に進む。
ステップS5215では、先判定処理を実行する。先判定処理は、上述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選(判定処理)の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップS5215を実行した後、ステップS5216に進む。
ステップS5216では、第2保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を第2保留コマンドとして設定する。
第2保留コマンドは、第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。
なお、音声発光制御装置90は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて送信された第2保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
ステップS5216を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<スルーゲート用の入球処理>
次に、スルーゲート用の入球処理について説明する。スルーゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図124:S5105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図126は、スルーゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS5301では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS5301において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S5301:YES)、ステップS5302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。
ステップS5302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S5302:YES)、ステップS5303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS5304に進む。
ステップS5304では、ステップS5103(図124)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルーゲート用の入球処理を終了する。
一方、ステップS5301において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合(S5301:NO)、および、ステップS5302において、役物保留個数SNの値が上限値未満ではないと判定した場合には(S5302:NO)、電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dに記憶することなく、本スルーゲート用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図127は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS5401では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS5402に進む。
ステップS5402では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、後述する変動コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS5402を実行した後、ステップS5403に進む。
ステップS5403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS5404に進む。
ステップS5404では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS5405に進む。ステップS5405では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS5405を実行した後、ステップS5406に進む。
ステップS5406では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS5407に進む。
ステップS5407では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS5408に進む。
ステップS5408では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理は、遊技者によって操作ハンドル25または遊技球発射ボタン26が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するために実行する処理である。遊技球発射制御処理の詳細は後述する。ステップS5408を実行した後、ステップS5409に進む。
ステップS5409では、今回の通常処理の開始(2巡目以降では、ステップS5402のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。
ステップS5409において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S5409:NO)、ステップS5410及びステップS5411において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS5410において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS5411おいて、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。
一方、ステップS5409において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S5409:YES)、ステップS5402に戻り、ステップS5402からステップS5408までの各処理を実行する。
なお、ステップS5402からステップS5408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図127:S5405)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図128は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS5501では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされるフラグである。
ステップS5501において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S5501:YES)、ステップS5502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS5501において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S5501:NO)、ステップS5502に進む。
ステップS5502では、特1用変動中フラグがONであるか否かを判定する。特1用変動中フラグは、第1図柄表示部37aにおいて図柄が変動中であるか否かを判定するためのフラグであり、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37aの図柄が変動を開始する際にONにされ、当該図柄が変動を停止する際にOFFにされる。ステップS5502において、特1用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S5502:NO)、ステップS5503に進む。
ステップS5503では、第1図柄表示部用の変動開始処理を実行する。第1図柄表示部用の変動開始処理は、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動を開始させるための処理である。第1図柄表示部用の変動開始処理の詳細については後述する。ステップS5503を実行した後、ステップS5504に進む。
一方、ステップS5502において、特1用変動中フラグがONであると判定した場合には(S5502:YES)、ステップS5503における第1図柄表示部用の変動開始処理を実行することなく、ステップS5504に進む。
ステップS5504では、特2用変動中フラグがONであるか否かを判定する。特2用変動中フラグは、第2図柄表示部37bにおいて図柄が変動中であるか否かを判定するためのフラグであり、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの図柄が変動を開始する際にONにされ、当該図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS5504において、特2用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S5504:NO)、ステップS5505に進む。
ステップS5505では、第2図柄表示部用の変動開始処理を実行する。第2図柄表示部用の変動開始処理は、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を開始させるための処理である。第2図柄表示部用の変動開始処理の詳細については後述する。ステップS5505を実行した後、ステップS5506に進む。
一方、ステップS5504において、特2用変動中フラグがONであると判定した場合には(S5504:YES)、ステップS5505における第2図柄表示部用の変動開始処理を実行することなく、ステップS5506に進む。
ステップS5506では、変動停止処理を実行する。変動停止処理は、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を停止させるための処理である。変動停止処理の詳細については後述する。ステップS5506を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<第1図柄表示部用の変動開始処理>
次に、第1図柄表示部用の変動開始処理について説明する。第1図柄表示部用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図128:S5503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図129は、第1図柄表示部用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS5601では、第1始動保留個数RaNの値が0であるか否かを判定する。ステップS5601において、第1始動保留個数RaNの値が0ではないと判定した場合には(S5601:NO)、ステップS5602に進む。一方、ステップS5601において、第1始動保留個数RaNの値が0であると判定した場合には(S5601:YES)、本第1図柄表示部用の変動開始処理を終了する。
ステップS5602では、遊技回数カウント処理を実行する。遊技回数カウント処理は、高確率モードまたは高頻度サポートモードが開始された後に実行された遊技回(図柄の変動)の回数をカウントするための処理である。遊技回数カウント処理の詳細については後述する。ステップS5602を実行した後、ステップS5603に進む。
ステップS5603では、第1図柄表示部用の保留情報シフト処理を実行する。第1図柄表示部用の保留情報シフト処理は、第1保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる処理である。第1図柄表示部用の保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップS5603を実行した後、ステップS5604に進む。
ステップS5604では、第1図柄表示部用の判定処理を実行する。第1図柄表示部用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて大当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第1図柄表示部用の判定処理の詳細については後述する。ステップS5604を実行した後、ステップS5605に進む。
ステップS5605では、第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を実行する。第1図柄表示部用の変動時間の設定処理では、第1図柄表示部の図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第1図柄表示部用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS5605を実行した後、ステップS5606に進む。
ステップS5606では、高確率モード終了処理を実行する。高確率モード終了処理では、高確率モードに移行してから所定回数(本実施形態では120回)の判定処理(大当たり抽選)が実行された場合に、高確率モードを終了させる処理である。高確率モード終了処理の詳細については後述する。ステップS5606を実行した後、ステップS5607に進む。
ステップS5607では、特1用変動コマンドを設定する。特1用変動コマンドには、今回開始される遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、大当たりの有無の情報、大当たりの種別の情報、リーチ発生の有無の情報及びステップS5604において設定された変動時間の情報が含まれている。なお、設定された特1用変動コマンドは、通常処理(図127)におけるコマンド出力処理(ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特1用変動コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS5607を実行した後、ステップS5608に進む。
ステップS5608では、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS5609に進み、特1用変動中フラグをONにする。ステップS5609を実行した後、本第1図柄表示部用の変動開始処理を終了する。
<遊技回数カウント処理>
次に、遊技回数カウント処理について説明する。遊技回数カウント処理は、第1図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図129:S5602)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図130は、遊技回数カウント処理を示すフローチャートである。ステップS5701では、ST用遊技回数カウントフラグがONであるか否かを判定する。ST用遊技回数カウントフラグは、高確率モードが開始された後の遊技回の回数をカウントする必要があるか否かを判定するために参照されるフラグである。ステップS5701において、ST用遊技回数カウントフラグがONであると判定した場合には(S5701:YES)、ステップS5702に進み、ST用遊技回数カウンタPNC1の値に1を加算する。その後、ステップS5703に進む。一方、ステップS5701において、ST用遊技回数カウントフラグがONではないと判定した場合には(S5701:NO)、ステップS5702〜S5704の処理を実行することなく、ステップS5705に進む。
ステップS5703では、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が123であるか否かを判定する。ステップS5703において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が123であると判定した場合には(S5703:YES)、ステップS5704に進み、ST用遊技回数カウントフラグをOFFにする。この理由は、本実施形態では、高確率モードが開始された後の遊技回の回数は、123回以降はカウントする必要がないからである。ステップS5704を実行した後、ステップS5705に進む。一方、ステップS5703において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が123ではないと判定した場合には(S5703:NO)、ステップS5704を実行することなく、ステップS5705に進む。
ステップS5705では、電サポ用遊技回数カウントフラグがONであるか否かを判定する。電サポ用遊技回数カウントフラグは、高確率モードへの移行を伴わずに高頻度サポートモードが開始された場合において、高頻度サポートモードが開始された後の遊技回の回数をカウントする必要があるか否かを判定するために参照されるフラグである。ステップS5705において、電サポ用遊技回数カウントフラグがONであると判定した場合には(S5705:YES)、ステップS5706に進み、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値に1を加算する。その後、ステップS5707に進む。一方、ステップS5705において、電サポ用遊技回数カウントフラグがONではないと判定した場合には(S5705:NO)、ステップS5706〜S5708の処理を実行することなく、本遊技回数カウント処理を終了する。
ステップS5707では、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が100であるか否かを判定する。ステップS5707において、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が100であると判定した場合には(S5707:YES)、ステップS5708に進み、電サポ用遊技回数カウントフラグをOFFにする。この理由は、本実施形態では、高確率モードへの移行を伴わずに高頻度サポートモードが開始された場合において、高頻度サポートモードが開始された後の遊技回の回数は、100回以降はカウントする必要がないからである。ステップS5708を実行した後、本遊技回数カウント処理を終了する。一方、ステップS5707において、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が100ではないと判定した場合には(S5707:NO)、ステップS5708を実行することなく、本遊技回数カウント処理を終了する。
<第1図柄表示部用の保留情報シフト処理>
次に、第1図柄表示部用の保留情報シフト処理について説明する。第1図柄表示部用の保留情報シフト処理は、第1図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図129:S5603)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図131は、第1図柄表示部用の保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS5801では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNの値から1を減算する。その後、ステップS5802に進む。
ステップS5802では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動させる。その後、ステップS5803に進む。
ステップS5803では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS5803を実行した後、本第1図柄表示部用の保留情報シフト処理を終了する。
<第1図柄表示部用の判定処理>
次に、第1図柄表示部用の判定処理について説明する。第1図柄表示部用の判定処理は、第1図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図129:S5604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図132は、第1図柄表示部用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS5901では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、大当たりの当選に係る開閉実行モードにおいてV入賞口48に遊技球が入球した場合に、当該開閉実行モードが終了する際にONにされ、大当たりの当選に係る開閉実行モードにおいてV入賞口48に遊技球が入球しなかった場合、または、高確率モード中における大当たり抽選において大当たりに当選せずに120回の大当たり抽選の実行が終了した場合にOFFにされる。ステップS5901において、高確率モードであると判定した場合には(S5901:YES)、ステップS5902に進む。
ステップS5902では、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS5904に進む。一方、ステップS5901において、高確率モードではないと判定した場合には(S5901:NO)、ステップS5903に進む。
ステップS5903では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS5904に進む。
ステップS5904では、ステップS5902又はステップS5903における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS5904において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S5904:YES)、ステップS5905に進む。
ステップS5905では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの特1用当たりフラグをONにする。特1用当たりフラグは、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONにされるフラグである。ステップS5905を実行した後、ステップS5906に進む。
ステップS5906では、第1始動口用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS5906を実行した後、ステップS5907に進む。
ステップS5907では、ステップS5906における振分判定の結果(大当たり種別)が第1種大当たりであるか否かを判定する。ステップS5907において、振り分けた大当たり種別が第1種大当たりであると判定した場合には(S5907:YES)、ステップS5908に進む。
ステップS5908では、ステップS5907において振り分けた大当たり種別に対応した特1用第1種大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態では、設定されている第1種大当たりの種別は8R第1種大当たりのみであるので、特1用8R第1種大当たりフラグをONにする。ステップS5908を実行した後、ステップS5909に進む。
ステップS5909では、第1種大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。第1種大当たり用の停止図柄設定処理では、第1種大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第1種大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS5907において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS5909を実行した後、ステップS5910に進む。
ステップS5910では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの特殊大当たりフラグがONである場合には特殊大当たりフラグをOFFにする。その後、本第1図柄表示部用の判定処理を終了する。なお、後述するように、特殊大当たりフラグは、サポートモードが低頻度サポートモードである期間中に、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。
ステップS5907において、振り分けた大当たり種別が第1種大当たりではないと判定した場合には(S5907:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が第2種大当たりである場合には、ステップS5911に進む。
ステップS5911では、ステップS5907において振り分けた大当たり種別に対応した特1用第2種大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態では、設定されている第2種大当たりの種別は8R第2種大当たりのみであるので、特1用8R第2種大当たりフラグをONにする。ステップS5911を実行した後、ステップS5912に進む。
ステップS5912では、第2種大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。第2種大当たり用の停止図柄設定処理では、第2種大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第2種大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS5907において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS5912を実行した後、上述したステップS5910に進み、ONの状態である特殊大当たりフラグは当該処理においてOFFにする。その後、本第1図柄表示部用の判定処理を終了する。
ステップS5904において、ステップS5902又はステップS5903における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S5904:NO)、ステップS5913に進み、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップS5913の処理は、上記ステップS5904における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップS5913においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップS5913を実行した後、ステップS5914に進む。
ステップS5914では、ステップS5913におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS5914において、リーチ発生であると判定した場合には(S5914:YES)、ステップS5915に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの特1用リーチ発生フラグをONにする。ステップS5915を実行した後、ステップS5916に進む。一方、ステップS5914において、リーチ発生ではないと判定した場合には(S5914:NO)、ステップS5915を実行せずに、ステップS5916に進む。
ステップS5916では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS5916を実行した後、本第1図柄表示部用の判定処理を終了する。
<第1図柄表示部用の変動時間の設定処理>
次に、第1図柄表示部用の変動時間の設定処理について説明する。第1図柄表示部用の変動時間の設定処理は、第1図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図129:S5605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図133は、第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS6001では、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」であるか否かを判定する。ステップS6001において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」ではないと判定した場合には、ステップS6002に進み、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」であるか否かを判定する。ステップS6002において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」ではないと判定した場合には、ステップS6003に進む。
ステップS6003では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6003において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S6003:NO)、ステップS6004に進む。
ステップS6004では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS6005に進む。
ステップS6005では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、特1用8R第1種大当たりフラグ又は特1用8R第2種大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S6005:YES)、ステップS6006に進む。
ステップS6006では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS6006を実行した後、ステップS6010に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6005において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S6005:NO)、ステップS6007に進み、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。具体的には、リーチ発生フラグがONであるか否かを判定し、リーチ発生フラグがONであると判定した場合には(S6007:YES)、ステップS6008に進む。
ステップS6008では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS6008を実行した後、ステップS6010に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6007において、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(S6007:NO)、ステップS6009に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。ステップS6009を実行した後、ステップS6010に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6003において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S6003:YES)、ステップS6011に進み、特殊大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6011において、特殊大当たりフラグがONであると判定した場合には(S6011:YES)、上述したステップS6004に進む。一方、ステップS6011において、特殊大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6011:NO)、ステップS6012に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアに1minに対応する値をセットする。その後、本第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6001において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」であると判定した場合(S6001:YES)、及びステップS6002において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」であると判定した場合(S6002:YES)には、ステップS6013に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアに12secに対応する値をセットする。その後、本第1図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、第1始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、第1始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<高確率モード終了用処理>
次に、高確率モード終了用処理について説明する。高確率モード終了用処理は、第1図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図129:S5606)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図134は、高確率モード終了用処理を示すフローチャートである。ステップS6101では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6101において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(S6101:NO)、本高確率モード終了用処理を終了する。一方、ステップS6101において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(S6101:YES)、ステップS6102に進む。
ステップS6102では、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が120であるか否かを判定する。ステップS6102において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が120ではないと判定した場合には(S6102:NO)、本高確率モード終了用処理を終了する。一方、ステップS6102において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が120であると判定した場合には(S6102:YES)、ステップS6103に進み、高確率モードフラグをOFFにするとともに、ステップS6104に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS6105に進む。
ステップS6105では、特殊大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6105において、特殊大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6105:NO)、ステップS6106に進み、最終特定遊技回フラグをONにする。最終特定遊技回フラグは、高確率モード中の最後の大当たり抽選に係る遊技回(120回目の遊技回)であることを特定するためのフラグである。ステップS6106を実行した後、本高確率モード終了用処理を終了する。一方、ステップS6105において、特殊大当たりフラグがONであると判定した場合には(S6105:YES)、ステップS6107に進み、特殊大当たりフラグをOFFにする。その後、本高確率モード終了用処理を終了する。
<第2図柄表示部用の変動開始処理>
次に、第2図柄表示部用の変動開始処理について説明する。第2図柄表示部用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図128:S5505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図135は、第2図柄表示部用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS6201では、第2始動保留個数RbNの値が0であるか否かを判定する。ステップS6201において、第2始動保留個数RaNの値が0ではないと判定した場合には(S6201:NO)、ステップS6202に進む。一方、ステップS6201において、第2始動保留個数RaNの値が0であると判定した場合には(S6201:YES)、本第2図柄表示部用の変動開始処理を終了する。
ステップS6202では、遊技回数カウント処理を実行する。遊技回数カウント処理は、上述したように、高確率モードまたは高頻度サポートモードが開始された後に実行された遊技回(図柄の変動)の回数をカウントするための処理である。ステップS6202を実行した後、ステップS6203に進む。
ステップS6203では、第2図柄表示部用の保留情報シフト処理を実行する。第2図柄表示部用の保留情報シフト処理は、第2保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる処理である。第2図柄表示部用の保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップS6203を実行した後、ステップS6204に進む。
ステップS6204では、第2図柄表示部用の判定処理を実行する。第2図柄表示部用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて大当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第2図柄表示部用の判定処理の詳細については後述する。ステップS6204を実行した後、ステップS6205に進む。
ステップS6205では、第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を実行する。第2図柄表示部用の変動時間の設定処理では、第2図柄表示部の図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第2図柄表示部用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS6205を実行した後、ステップS6206に進む。
ステップS6206では、高確率モード終了処理を実行する。高確率モード終了処理では、上述したように、高確率モードに移行してから所定回数(本実施形態では120回)の判定処理(大当たり抽選)が実行された場合に、高確率モードを終了させる処理である。高確率モード終了処理の詳細については後述する。ステップS6206を実行した後、ステップS6207に進む。
ステップS6207では、特2用変動コマンドを設定する。特2用変動コマンドには、今回開始される遊技回が第2始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、大当たりの有無の情報、大当たりの種別の情報、リーチ発生の有無の情報及びステップS6204において設定された変動時間の情報が含まれている。なお、設定された特2用変動コマンドは、通常処理(図127)におけるコマンド出力処理(ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特2用変動コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS6207を実行した後、ステップS6208に進む。
ステップS6208では、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS6209に進み、特2用変動中フラグをONにする。ステップS6209を実行した後、本第2図柄表示部用の変動開始処理を終了する。
<第2図柄表示部用の保留情報シフト処理>
次に、第2図柄表示部用の保留情報シフト処理について説明する。第2図柄表示部用の保留情報シフト処理は、第2図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図135:S6203)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図136は、第2図柄表示部用の保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS6301では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNの値から1を減算する。その後、ステップS6302に進む。
ステップS6302では、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動させる。その後、ステップS6303に進む。
ステップS6303では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS6303を実行した後、本第2図柄表示部用の保留情報シフト処理を終了する。
<第2図柄表示部用の判定処理>
次に、第2図柄表示部用の判定処理について説明する。第2図柄表示部用の判定処理は、第2図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図135:S6204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図137は、第2図柄表示部用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS6401では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6401において、高確率モードであると判定した場合には(S6401:YES)、ステップS6402に進む。
ステップS6402では、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS6404に進む。一方、ステップS6401において、高確率モードではないと判定した場合には(S6401:NO)、ステップS6403に進む。
ステップS6403では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS6404に進む。
ステップS6404では、ステップS6402又はステップS6403における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS6404において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S6404:YES)、ステップS6405に進む。
ステップS6405では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの特2用当たりフラグをONにする。特2用当たりフラグは、第2始動口33への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」又は「小当たり」である場合にONにされるフラグである。ステップS6405を実行した後、ステップS6406に進む。
ステップS6406では、第2始動口用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS6406を実行した後、ステップS6407に進む。
ステップS6407では、ステップS6406における振分判定の結果(大当たり種別)が第1種大当たりであるか否かを判定する。ステップS6407において、振り分けた大当たり種別が第1種大当たりであると判定した場合には(S6407:YES)、ステップS6408に進む。
ステップS6408では、ステップS6407において振り分けた大当たり種別に対応した特2用第1種大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態では、振分けた大当たり種別が8R第1種大当たりである場合には特2用8R第1種大当たりフラグをONにし、振分けた大当たり種別が16R第1種大当たりである場合には特2用16R第1種大当たりフラグをONにする。ステップS6408を実行した後、ステップS6409に進む。
ステップS6409では、第1種大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。第1種大当たり用の停止図柄設定処理では、第1種大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第1種大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS6407において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS6409を実行した後、ステップS6410に進む。
ステップS6410では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6410において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S6410:NO)、ステップS6411に進み、特殊大当たりフラグをONにする。すなわち、上述したように、特殊大当たりフラグは、サポートモードが低頻度サポートモードである期間中に、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選において大当たりに当選した場合にONにされるフラグである。ステップS6411を実行した後、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。一方、ステップS6410において、サポートモードが高頻度サポートモードであると判定した場合には(S6410:YES)、ステップS6411を実行することなく、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。
ステップS6407において、振り分けた大当たり種別が第1種大当たりではないと判定した場合には(S6407:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が第2種大当たりである場合には、ステップS6412に進む。なお、本実施形態では、第2始動口用の当否テーブルには第2種大当たりが設定されていないので、以下に説明するステップS6412及びステップS6413の処理は実行されない。
ステップS6412では、ステップS6407において振り分けた大当たり種別に対応した特2用第2種大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS6412を実行した後、ステップS6413に進む。
ステップS6413では、第2種大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。第2種大当たり用の停止図柄設定処理では、第2種大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第2種大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS6407において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS6413を実行した後、上述したステップS6410に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS6410において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S6410:NO)、ステップS6411に進み、特殊大当たりフラグをONにする。ステップS6411を実行した後、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。一方、ステップS6410において、サポートモードが高頻度サポートモードであると判定した場合には(S6410:YES)、ステップS6411を実行することなく、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。
ステップS6404において、ステップS6402又はステップS6403における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S6404:NO)、ステップS6414に進み、ステップS6402又はステップS6403における当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。ステップS6414において、当否判定の結果が小当たりであると判定した場合には(S6414:YES)、ステップS6415に進み、特2用当たりフラグをONにする。その後、ステップS6416に進み、当否判定の結果に対応する小当たりフラグをONにする。具体的には、本実施形態では、当否判定の結果が第1小当たりである場合には第1小当たりフラグをONにし、当否判定の結果が第2小当たりである場合には第2小当たりフラグをONにし、当否判定の結果が第3小当たりである場合には第3小当たりフラグをONにする。ステップS6416を実行した後、ステップS6417に進む。
ステップS6417では、小当たり用の停止図柄設定処理を実行する。小当たり用の停止図柄設定処理では、小当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS6402又はステップS6403における当否判定の結果に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS6417を実行した後、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。
ステップS6414において、当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(S6414:NO)、ステップS6418に進む。
ステップS6418では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS6418を実行した後、本第2図柄表示部用の判定処理を終了する。
<第2図柄表示部用の変動時間の設定処理>
次に、第2図柄表示部用の変動時間の設定処理について説明する。第2図柄表示部用の変動時間の設定処理は、第2図柄表示部用の変動開始処理のサブルーチン(図135:S6205)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図138は、第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS6501では、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」であるか否かを判定する。ステップS6501において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」ではないと判定した場合には(S6501:NO)、ステップS6502に進み、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」であるか否かを判定する。ステップS6502において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」ではないと判定した場合には(S6502:NO)、ステップS6503に進む。
ステップS6503では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6503において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S6503:NO)、ステップS6504に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアに10minに対応する値をセットする。その後、本第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6503において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S6503:YES)、ステップS6505に進み、特殊大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6505において、特殊大当たりフラグがONであると判定した場合には(S6505:YES)、上述したステップS6504に進む。一方、ステップS6505において、特殊大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6505:NO)、ステップS6506に進む。
ここで、ステップS6505において、特殊大当たりフラグがONであると判定した場合に(S6505:YES)、ステップS6504に進む理由は、以下の通りである。低頻度サポートモード時に遊技盤30の右側に遊技球を流通させ、第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を実行させ大当たり抽選に当選した場合に特殊大当たりとなる。本遊技機の遊技性上、低頻度サポートモード時は、遊技盤30の左側に遊技球を流通させる方が遊技者にとって有利となるため、低頻度サポートモード時は、遊技盤30の左側に遊技球を流通させるように遊技者を誘導することが望ましい。よって、低頻度サポートモード時に遊技盤30の右側に遊技球を流通させ第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を実行させ大当たり抽選に当選した場合よりも、低頻度サポートモード時に遊技盤30の左側に遊技球を流通させ第1始動口33に遊技球を入球させることによって第1始動口用遊技回を実行させ大当たり抽選に当選した場合の方が有利となるような設定にすることが望ましい。従って、低頻度サポートモード時に遊技盤30の右側に遊技球を流通させ第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を実行させ大当たり抽選に当選(特殊大当たり)した場合に、内部制御としては高頻度サポートモードに移行しているが、遊技盤30の右側に遊技球を流通させ第2始動口34に遊技球を入球させることによって実行される第2始動口用遊技回の変動時間を10分とすることで、低頻度サポートモード中に遊技盤30の右側に遊技球を流通させ第2始動口34に遊技球を入球させる遊技行為が有利とならないようにしている。また、特殊大当たりを契機として高頻度サポートモードに移行した場合における図柄表示装置41における演出や音声は、低頻度サポートモード時と変化がないものに設定することによって、遊技者に誤って遊技球を遊技盤30の右側に流通させないようにしてもよい。
ステップS6506では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS6507に進む。
ステップS6507では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、特2用8R第1種大当たりフラグ又は特2用16R第1種大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S6507:YES)、ステップS6508に進む。
ステップS6508では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS6508を実行した後、ステップS6509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6507において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S6507:NO)、ステップS6510に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアに0.5secに対応する値をセットする。その後、本第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS6501において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「121」であると判定した場合(S6501:YES)、及びステップS6502において、ST用遊技回数カウンタPNC1の値が「122」であると判定した場合(S6502:YES)には、ステップS6511に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアに12secに対応する値をセットする。その後、本第2図柄表示部用の変動時間の設定処理を終了する。
<変動停止処理>
次に、変動停止処理について説明する。変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図128:S5506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図139は、変動停止処理を示すフローチャートである。ステップS6601では、特1用変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1図柄表示部37aにおいて図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS6601において、特1用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6601:YES)、ステップS6602に進む。一方、ステップS6601において、特1用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S6601:NO)、後述するステップS6619に進む。
ステップS6602では、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。ステップS6602において、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動時間が終了したと判定した場合には(S6602:YES)、ステップS6603に進み、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動を停止する。その後、ステップS6604に進む。一方、ステップS6602において、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動時間が終了していないと判定した場合には(S6602:NO)、後述するステップS6620に進む。
ステップS6604では、特1用変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS6605に進み、特1用当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS6605において、特1用当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6605:NO)、ステップS6606に進む。
ステップS6606では、最終特定遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS6606において、最終特定遊技回フラグがONであると判定した場合には(S6606:YES)、ステップS6607に進み、最終特定遊技回終了コマンドを設定する。最終特定遊技回終了コマンドは、高確率モードにおける最後の遊技回(本実施形態では高確率モードに移行してから120回目の遊技回)が終了することをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。設定された最終特定遊技回終了コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS6607を実行した後、ステップS6608に進み、最終特定遊技回フラグをOFFにする。その後、ステップS6609に進む。一方、ステップS6606において、最終特定遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S6606:NO)、ステップS6607およびステップS6608を実行することなく、ステップS6609に進む。
ステップS6609では、第1始動保留個数RaNの値が0であるか否かを判定する。ステップS6609において、第1始動保留個数RaNの値が0であると判定した場合には(S6609:YES)、ステップS6610に進み、特1用客待ちコマンドを設定する。特1用客待ちコマンドは、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動が停止し、第1始動保留個数RaNの値が0になったことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。設定された特1用客待ちコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS6610を実行した後、後述するステップS6619に進む。一方、ステップS6609において、第1始動保留個数RaNの値が0ではないと判定した場合には(S6609:NO)、ステップS6610を実行することなく、後述するステップS6619に進む。
ステップS6605において、特1用当たりフラグがONであると判定した場合には(S6606:YES)、ステップS6611に進み、特1用当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS6612に進む。
ステップS6612では、最終特定遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS6612において、最終特定遊技回フラグがONであると判定した場合には(S6612:YES)、ステップS6613に進み、最終特定遊技回フラグをOFFにする。その後、ステップS6614に進む。一方、ステップS6612において、最終特定遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S6612:NO)、ステップS6613を実行することなく、ステップS6614に進む。
ステップS6614では、特2用変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2図柄表示部37bにおいて図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS6614において、特2用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6614:YES)、ステップS6615に進む。一方、ステップS6614において、特2用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S6614:NO)、ステップS6637に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、本変動停止処理を終了する。
ステップS6615では、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止する。その後、ステップS6616に進み、特2用変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS6617に進む。
ステップS6617では、特2用当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たり又は小当たりであるか否かを判定する。ステップS6617において、特2用当たりフラグがONであると判定した場合には(S6617:YES)、ステップS6618に進み、特2用当たりフラグをOFFにするとともに、特2用第1種大当たりフラグ又は小当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする。その後、ステップS6637に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、本変動停止処理を終了する。一方、ステップS6617において、特2用当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6617:NO)、ステップS6618を実行することなく、ステップS6637に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、本変動停止処理を終了する。
上述したように、ステップS6601において、特1用変動中フラグがONではないと判定した場合(S6601:NO)、ステップS6602において、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S6602:NO)、ステップS6609において、第1始動保留個数RaNの値が0ではないと判定した場合(S6609:NO)、及び、ステップS6610において、特1用客待ちコマンドを設定した後には、次に説明するステップS6619に進む。
ステップS6619では、特2用変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2図柄表示部37bにおいて図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS6619において、特2用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6619:YES)、ステップS6620に進む。一方、ステップS6619において、特2用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S6619:NO)、本変動停止処理を終了する。
ステップS6620では、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。ステップS6620において、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動時間が終了したと判定した場合には(S6620:YES)、ステップS6621に進み、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を停止する。その後、ステップS6622に進む。一方、ステップS6620において、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動時間が終了していないと判定した場合には(S6620:NO)、本変動停止処理を終了する。
ステップS6622では、特2用変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS6623に進み、特2用当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS6623において、特2用当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6623:NO)、ステップS6624に進む。
ステップS6624では、最終特定遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS6624において、最終特定遊技回フラグがONであると判定した場合には(S6624:YES)、ステップS6625に進み、最終特定遊技回終了コマンドを設定する。最終特定遊技回終了コマンドは、高確率モードにおける最後の遊技回(本実施形態では高確率モードに移行してから120回目の遊技回)が終了することをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。設定された最終特定遊技回終了コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS6625を実行した後、ステップS6626に進み、最終特定遊技回フラグをOFFにする。その後、ステップS6627に進む。一方、ステップS6624において、最終特定遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S6624:NO)、ステップS6625およびステップS6626を実行することなく、ステップS6627に進む。
ステップS6627では、第2始動保留個数RbNの値が0であるか否かを判定する。ステップS6627において、第2始動保留個数RbNの値が0であると判定した場合には(S6627:YES)、ステップS6628に進み、特2用客待ちコマンドを設定する。特2用客待ちコマンドは、第2図柄表示部37bにおける図柄の変動が停止し、第2始動保留個数RbNの値が0になったことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。設定された特2用客待ちコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS6628を実行した後、本変動停止処理を終了する。一方、ステップS6627において、第2始動保留個数RbNの値が0ではないと判定した場合には(S6627:NO)、ステップS6628を実行することなく、本変動停止処理を終了する。
ステップS6623において、特2用当たりフラグがONであると判定した場合には(S6623:YES)、ステップS6629に進み、特2用当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS6630に進む。
ステップS6630では、最終特定遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS6630において、最終特定遊技回フラグがONであると判定した場合には(S6630:YES)、ステップS6631に進み、最終特定遊技回フラグをOFFにする。その後、ステップS6632に進む。一方、ステップS6630において、最終特定遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S6630:NO)、ステップS6631を実行することなく、ステップS6632に進む。
ステップS6632では、特1用変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1図柄表示部37aにおいて図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS6632において、特1用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6632:YES)、ステップS6633に進む。一方、ステップS6632において、特1用変動中フラグがONではないと判定した場合には(S6632:NO)、ステップS6637に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、本変動停止処理を終了する。
ステップS6633では、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止する。その後、ステップS6634に進み、特1用変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS6635に進む。
ステップS6635では、特1用当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1図柄表示部37aにおける図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS6635において、特1用当たりフラグがONであると判定した場合には(S6635:YES)、ステップS6636に進み、特1用当たりフラグをOFFにするとともに、特1用第1種大当たりフラグ又は特1用第2種大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする。その後、本変動停止処理を終了する。一方、ステップS6635において、特1用当たりフラグがONではないと判定した場合には(S6635:NO)、ステップS6636を実行することなく、ステップS6637に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、本変動停止処理を終了する。
本処理において説明したように、本実施形態の変動停止処理では、ステップS6614において特2用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6614:YES)、ステップS6615において第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止する。また、ステップS6632において特1用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6632:YES)、ステップS6633において第1図柄表示部37aにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止する。すなわち、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれもが変動表示中である場合において、この2つの図柄表示部のうち一方の図柄表示部の方が他方よりも先に停止表示する場合であって、当該一方の図柄表示部に対応する遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合には、他方の図柄表示部の変動を外れ図柄で停止させる。よって、先に図柄の変動が停止する図柄表示部に対応する抽選結果が優先される場合がある。このようにすることで、以下のような課題を解決することができる。
通常、同時変動機においては、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれもが変動が開始された場合において、いずれか一方の図柄表示部に対応する大当たり抽選の結果が大当たりまたは小当たりであると判定した場合には、他方の図柄表示部に対応する大当たり抽選は実行せずに、自動的に外れ用の図柄で他方の図柄表示部を停止表示させる。しかしながら、当該処理を実行した場合、以下の問題が生じる。
高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、遊技者が、遊技球を遊技盤30の右側に流通させていた遊技から遊技球を遊技盤30の左側に流通させる遊技に切り替えた場合、高頻度サポートモードの終了間際に第2始動口34に遊技球を入球させて残存している第2始動口用遊技回に対応する保留遊技回は、低頻度サポートモードに移行後であっても実行される。遊技者は、遊技球を遊技盤30の右側に流通させていた遊技から遊技球を遊技盤30の左側に流通させる遊技に切り替え、第1始動口33に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させるが、仮に、先に、保留遊技回の第2始動口用遊技回が実行され大当たり抽選において大当たりまたは小当たりに当選していた場合、上記した通常の同時変動機の処理を実行した場合、第1始動口用遊技回の大当たり抽選は実行されない。このとき、すでにサポートモードは低頻度サポートモードに移行しているため、第2始動口用遊技回の変動時間は10分である。その結果、第2図柄表示部37bが大当たり用または小当たり用の図柄で停止するまでの10分間、遊技者が第1始動口33に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回を実行させても、大当たり抽選自体が実行されない状態となってしまう。すなわち、遊技者は、第2図柄表示部37bが大当たり用または小当たり用の図柄で停止するまでの10分間、実質的に、遊技の中断を余儀なくされてしまうこととなり、遊技者に大きな不利益を与えてしまう。
その点、本実施形態のように、先に図柄の変動が停止する図柄表示部に対応する抽選結果が優先される処理を採用した場合、保留遊技回の第2始動口用遊技回が実行され大当たり抽選において大当たりまたは小当たりに当選しており、かつ、第2図柄表示部37bの変動時間が10分に設定されている場合であっても、その後に第1始動口33に遊技球が入球すると、第1始動口用遊技回としての大当たり抽選は実行される。そして、当該大当たり抽選の結果が大当たりであって、かつ、第1図柄表示部37aの図柄の変動が、第2図柄表示部37bの図柄の変動よりも先に停止する場合には、第1始動口用遊技回の抽選結果が優先され、第1図柄表示部37aの図柄が大当たり用の図柄で停止し、同時に、第2図柄表示部37bの図柄が外れ用の図柄で停止する。すなわち、第2図柄表示部37bは当初設定された変動時間である10分よりも早く図柄を停止させる。よって、通常の同時変動機の処理を採用した場合のように、遊技者が、第2図柄表示部37bが大当たり用または小当たり用の図柄で停止するまでの間(10分間)、遊技の中断を余儀なくされてしまうといった問題を回避することができる。
このような理由から、本実施形態における変動停止処理では、ステップS6614において特2用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6614:YES)、ステップS6615において第2図柄表示部37bにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止し、ステップS6632において特1用変動中フラグがONであると判定した場合には(S6632:YES)、ステップS6633において第1図柄表示部37aにおける図柄の変動を外れ用図柄で停止する処理を採用している。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図127:S5406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図140は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS6701では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、エンディング期間であるか否かを判定するために参照されるフラグであり、開閉実行モードにおけるエンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS6701において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S6701:NO)、ステップS6702に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間であるか否かを判定するために参照されるフラグであり、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。開閉処理期間は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するための期間である。
ステップS6702において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S6702:NO)、ステップS6703に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間であるか否かを判定するために参照されるフラグであり、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。オープニング期間は、開閉実行モードにおいてオープニング演出を実行するための期間である。
ステップS6703において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S6703:NO)、ステップS6704に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6704において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S6704:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS6704において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S6704:YES)、ステップS6705に進む。
ステップS6705では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング期間の残り時間を示すタイマカウンタエリアToに「3000」(すなわち、6.0sec)又は「0」(すなわち、0.0sec)をセットする。なお、タイマカウンタエリアToは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられており、タイマカウンタエリアToにセットされた値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。オープニング時間設定処理の詳細については後述する。ステップS6705を実行した後、ステップS6706に進む。
ステップS6706では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図127)におけるステップS5402において、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定されたオープニング時間の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容の演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS6706を実行した後、ステップS6707に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS6703において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S6703:YES)、ステップS6708に進む。
ステップS6708では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、タイマカウンタエリアToの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS6708において、オープニング期間が終了していないと判定した場合には(S6708:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS6708において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S6708:YES)、ステップS6709に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS6710に進む。
ステップS6710では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS6710を実行した後、ステップS6711に進む。
ステップS6711では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ)や小当たりフラグ(第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第3小当たりフラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ラウンド数設定処理の詳細については後述する。S6711を実行した後、ステップS6712に進む。
ステップS6712では、開閉処理コマンドを設定する。設定された開閉処理コマンドは、通常処理(図127)におけるステップS5402において、音声発光制御装置90に送信される。この開閉処理コマンドには、今回の開閉処理期間において実行されるラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開閉処理コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS6712を実行した後、ステップS6713に進む。
ステップS6713では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS6702において、開閉処理期間フラグがONである判定した場合には(S6702:YES)、ステップS6714に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで開閉扉36bを開放させる。また、開閉扉36bが開放中である場合には、当該開閉扉36bの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、開閉扉36bを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細については後述する。ステップS6714を実行した後、ステップS6715に進む。
ステップS6715では、V入賞口開閉処理を実行する。具体的には、所定のラウンドにおいてV入賞口48に設けられた開閉扉48aを1回開放させる処理を実行する。V入賞口開閉処理の詳細については後述する。ステップS6715を実行した後、ステップS6716に進む。
ステップS6716では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S6716:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S6716:YES)、ステップS6717に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS6717を実行した後、ステップS6718に進む。
ステップS6718では、ラウンド表示の終了処理を実行する。ラウンド表示の終了処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯するように当該ラウンド表示部39を制御する。ステップS6718を実行した後、ステップS6719に進む。
ステップS6719では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング期間の残り時間を示すタイマカウンタエリアTeに「3000」(すなわち、6.0sec)又は「0」(すなわち、0sec)をセットする。なお、タイマカウンタエリアTeは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられており、タイマカウンタエリアTeにセットされた値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。エンディング時間設定処理については後述する。ステップS6719を実行した後、ステップS6720に進む。
ステップS6720では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図127)におけるステップS5402において、音声発光制御装置90に送信される。このエンディングコマンドには、設定されたエンディング時間の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉処理期間に対応した演出を終了させるとともに、エンディング時間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容の演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS6720を実行した後、ステップS6721に進む。
ステップS6721では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS6701において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S6701:YES)、ステップS6722に進む。
ステップS6722では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S6719)においてエンディング時間として設定されたタイマカウンタエリアTeの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS6722において、エンディング時間として設定されたタイマカウンタエリアTeの値が「0」ではないと判定した場合には(S6722:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS6722において、エンディング時間として設定されたタイマカウンタエリアTeの値が「0」であると判定した場合には(S6722:YES)、ステップS6723に進む。
ステップS6723では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS6724に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS6725に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、エンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細については後述する。ステップS6725を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6705)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図141は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS6801では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS6801において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S6801:YES)、ステップS6802に進み、タイマカウンタエリアToに「3000」(すなわち、6.0sec)をセットする。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS6801において今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S6801:YES)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップS6803に進む。
ステップS6803では、タイマカウンタエリアToに「0」(すなわち、0.0sec)をセットする。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機として今回の開閉実行モードへの移行が行われた場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、実質、オープニング演出は行わない。ステップS6803を実行した後、本オープニング時間設定処理を終了する。
<ラウンド数設定処理>
次に、ラウンド数設定処理について説明する。ラウンド数設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6711)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図142は、ラウンド数設定処理を示すフローチャートである。ステップS6901では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS6901において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S6901:YES)、ステップS6902に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R第1種大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている特2用16R第1種大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS6902において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R第1種大当たりであると判定した場合には(S6902:YES)、ステップS6903に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
一方、ステップS6902において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R第1種大当たりではないと判定した場合(S6902:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が8R第1種大当り又は8R第2種大当たりである場合には、ステップS6904に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
ステップS6901において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S6901:YES)、すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機として今回の開閉実行モードへの移行が行われた場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、ステップS6905に進む。
ステップS6905では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている第1小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6905において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりであると判定した場合には(S6905:YES)、ステップS6906に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「1」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。一方、ステップS6905において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりではないと判定した場合には(S6905:NO)、ステップS6907に進む。
ステップS6907では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2小当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている第2小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS6907において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2小当たりであると判定した場合には(S6907:YES)、ステップS6908に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「6」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。一方、ステップS6907において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2小当たりではないと判定した場合(S6907:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第3小当たりである場合には、ステップS6909に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6714)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図143は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS7001では、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS7001において、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bが開放中ではないと判定した場合には(S7001:NO)、ステップS7002に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS7002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S7002:YES)、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S7002:NO)、ステップS7003に進む。
ステップS7003では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの閉鎖時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。なお、この第1タイマカウンタエリアT1にセットされた値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS7003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」ではないと判定した場合には(S7003:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S7003:YES)、ステップS7004に進み、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS7005に進む。
ステップS7005では、入球カウンタ設定処理を実行する。入球カウンタ設定処理では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた入球カウンタエリアPCに、大入賞口36aの1回の開放中(1ラウンド中)に遊技球の入球を許可する値をセットする。入球カウンタ設定処理の詳細については後述する。ステップS7005を実行した後、ステップS7006に進む。
ステップS7006では、大入賞口用開放限度時間設定処理を実行する。大入賞口用開放限度時間設定処理では、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの1回の開放時間の限度である開放限度時間を設定する。具体的には、第1タイマカウンタエリアT1に開放限度時間に対応する値をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの開放限度時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。上述したように、第1タイマカウンタエリアT1にセットされた値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。大入賞口用開放限度時間設定処理の詳細については後述する。ステップS7006を実行した後、ステップS7007に進む。
ステップS7007では、大入賞口開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、大入賞口開放コマンドは、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した大入賞口開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉36bの開放が開始されたことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、開閉扉36bの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記大入賞口開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した大入賞口開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉36bの開放が開始されたことを認識するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、開閉扉36bの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS7001において、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bが開放中であると判定した場合には(ステップS7001:YES)、ステップS7008に進み、大入賞口用開放限度時間が経過したか否かを判定する。具体的には、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの開放限度時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。ステップS7008において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」ではないと判定した場合には(S7008:NO)、ステップS7009に進む。
ステップS7009では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS7009において、遊技球の入球が発生していないと判定した場合には(S7009:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7009において、遊技球の入球が発生していると判定した場合には(S7009:YES)、ステップS7010に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS7011に進む。
ステップS7011では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS7011において、入球カウンタエリアPCの値が「0」ではないと判定した場合には(S7011:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS7008において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S7008:YES)、又は、ステップS7011において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S7011:YES)、ステップS7012に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS7013に進む。
ステップS7013では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS7014に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS7014において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S7014:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7014において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S7014:NO)、ステップS7015に進む。
ステップS7015では、大入賞口用閉鎖時間設定処理を実行する。大入賞口用閉鎖時間設定処理は、大入賞口36aの閉鎖時間を設定するための処理であり、具体的には、第1タイマカウンタエリアT1に閉鎖時間に対応する値をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの閉鎖時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。本実施形態では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(2sec)をセットする。また、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりであると判定した場合には、第1タイマカウンタエリアT1に「30」(すなわち、0.06sec)をセットする。ステップS7015を実行した後、ステップS7016に進む。
ステップS7016では、大入賞口閉鎖コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、大入賞口閉鎖コマンドは、大入賞口36aに設けられた開閉扉36bの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した大入賞口閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉36bの開放が終了したことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、開閉扉36bの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記大入賞口閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した大入賞口閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉36bの開放が終了したことを認識するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、開閉扉36bの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<入球カウンタ設定処理>
次に、入球カウンタ設定処理について説明する。入球カウンタ設定処理は、大入賞口開閉処理のサブルーチン(図143:S7005)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図144は、入球カウンタ設定処理を示すフローチャートである。ステップS7101では、入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。その後、本入球カウンタ設定処理を終了する。
<大入賞口用開放限度時間設定処理>
次に、大入賞口用開放限度時間設定処理について説明する。大入賞口用開放限度時間設定処理は、大入賞口開閉処理のサブルーチン(図143:S7006)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図145は、大入賞口用開放限度時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS7201では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS7201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S7201:YES)、ステップS7202に進み、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち、30.0sec)をセットする。その後、本大入賞口用開放限度時間設定処理を終了する。
一方、ステップS7201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合には(S7201:NO)、ステップS7203に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりであるか否かを判定する。具体的には、第1小当たりフラグがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりであると判定する。
ステップS7203において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりであると判定した場合には(S7203:YES)、ステップS7204に進み、第1タイマカウンタエリアT1に「800」(すなわち、1.6sec)をセットする。その後、本大入賞口用開放限度時間設定処理を終了する。一方、ステップS7203において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1小当たりではないと判定した場合(S7203:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2小当たり又は第3小当たりである場合には、ステップS7205に進み、第1タイマカウンタエリアT1に「30」(すなわち、0.06sec)をセットする。その後、本大入賞口用開放限度時間設定処理を終了する。
<V入賞口開閉処理>
次に、V入賞口開閉処理について説明する。V入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6715)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図146は、V入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS7301では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS7301において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S7301:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、V入賞口48に設けられた開閉扉48aを開放しないので、本V入賞口開閉処理を終了する。一方、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S7301:YES)、ステップS7302に進む。
ステップS7302では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「3」であるか否かを判定する。ステップS7302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「3」ではないと判定した場合には(S7302:YES)、ステップS7303に進む。
ステップS7303では、V入賞口48に設けられた開閉扉48aが開放中であるか否かを判定する。具体的には、開閉扉駆動部48bの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS7303において、V入賞口48に設けられた開閉扉48aが開放中ではないと判定した場合には(S7301:NO)、ステップS7304に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「4」であるか否かを判定する。ステップS7304において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「4」ではないと判定した場合には(S7304:NO)、本V入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7304において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「4」であると判定した場合には(S7304:YES)、ステップS7305に進む。
ステップS7305では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されたV入賞口開放済みフラグがONであるか否かを判定する。V入賞口開放済みフラグは、今回の開閉実行モードにおいて、V入賞口48に設けられた開閉扉48aが既に開放済みであるか否かを認識するためのフラグである。本実施形態では、開閉扉48aは、1回の開閉実行モードにおいて1回のみ開放するように構成されている。ステップS7305において、V入賞口開放済みフラグがONではないと判定した場合には(S7305:NO)、ステップS7306に進み、V入賞口48に設けられた開閉扉48aを開放するために開閉扉駆動部48bを駆動状態とする。その後、ステップS7307に進む。一方、ステップS7305において、V入賞口開放済みフラグがONであると判定した場合には(S7305:YES)、本V入賞口開閉処理を終了する。
ステップS7307では、V入賞口用開放限度時間設定処理を実行する。V入賞口用開放限度時間設定処理では、V入賞口48に設けられた開閉扉48aの1回の開放時間の限度である開放限度時間を設定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3に開放限度時間に対応する値をセットする。この場合、第3タイマカウンタエリアT3は、V入賞口48に設けられた開閉扉48aの開放限度時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。第3タイマカウンタエリアT3にセットされた値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。V入賞口用開放限度時間設定処理の詳細については後述する。ステップS7307を実行した後、ステップS7308に進む。
ステップS7308では、V入賞口開放コマンドを設定する。その後、本V入賞口開閉処理を終了する。なお、V入賞口開放コマンドは、V入賞口48に設けられた開閉扉48aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したV入賞口開放コマンドに基づいて、開閉扉48aの開放が開始されたことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、開閉扉48aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記V入賞口開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信したV入賞口開放コマンドに基づいて、開閉扉48aの開放が開始されたことを認識するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、開閉扉48aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS7303において、V入賞口48に設けられた開閉扉48aが開放中であると判定した場合には(ステップS7303:YES)、ステップS7309に進み、V入賞口48に遊技球が入球したか否かをV入賞口48に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS7309において、遊技球の入球が発生していると判定した場合には(S7309:YES)、ステップS7310に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに記憶されたV入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS7310において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(S7310:NO)、ステップS7311に進み、V入賞フラグをONにするとともに、ステップS7312に進み、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞口48に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したV入賞コマンドに基づいて、V入賞口48に遊技球が入球したことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、V入賞口48に遊技球が入球したことに対応する内容に更新する。ステップS7312を実行した後、ステップS7313に進む。一方、ステップS7309において、遊技球の入球が発生していないと判定した場合(S7309:NO)、及び、ステップS7310において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(S7310:YES)、ステップS7311及びステップS7312を実行することなく、ステップS7313に進む。
ステップS7313では、V入賞口用開放限度時間が経過したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS7313において、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」ではないと判定した場合には(S7313:NO)、本V入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS7313において、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であると判定した場合には(S7313:YES)、ステップS7314に進む。
ステップS7314では、V入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、V入賞口48を閉鎖するために開閉扉駆動部48bを非駆動状態とする。その後、ステップS7315に進み、V入賞口開放済みフラグをONにする。その後、ステップS7316に進む。
ステップS7316では、V入賞口閉鎖コマンドを設定する。その後、本V入賞口開閉処理を終了する。なお、V入賞口閉鎖コマンドは、V入賞口48に設けられた開閉扉48aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したV入賞口閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉48aの開放が終了したことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、開閉扉48aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記V入賞口閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信したV入賞口閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉48aの開放が終了したことを認識するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、開閉扉48aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
ステップS7302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「3」であると判定した場合には(S7302:YES)、ステップS7317に進み、V入賞口開放済みフラグがONであるか否かを判定する。ステップS7317において、V入賞口開放済みフラグがONであると判定した場合には(S7317:YES)、ステップS7318に進み、V入賞口開放済みフラグをOFFにする。一方、ステップS7317において、V入賞口開放済みフラグがONではないと判定した場合には(S7317:NO)、ステップS7318を実行することなく、本V入賞口開閉処理を終了する。
<V入賞口用開放限度時間設定処理>
次に、V入賞口用開放限度時間設定処理について説明する。V入賞口用開放限度時間設定処理は、V入賞口開閉処理のサブルーチン(図146:S7307)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図147は、V入賞口用開放限度時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS7401では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1種大当たりであるか否かを判定する。具体的には、特1用8R第1種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグのいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1種大当たりであると判定する。
ステップS7401において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1種大当たりであると判定した場合には(S7401:YES)、ステップS7402に進み、第3タイマカウンタエリアT3に「5000」(すなわち、10.0sec)をセットする。その後、本V入賞口用開放限度時間設定処理を終了する。
一方、ステップS7401において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第1種大当たりではないと判定した場合(S7401:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2種大当たりである場合には、ステップS7403に進み、第3タイマカウンタエリアT3に「3」(すなわち、0.006sec)をセットする。このため、本実施形態では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が第2種大当たりである場合には、V入賞口48に遊技球が入球することは実質的に不可能となっている。ステップS7403を実行した後、本V入賞口用開放限度時間設定処理を終了する。
<エンディング時間設定処理>
次に、エンディング時間設定処理について説明する。エンディング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6719)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図148は、エンディング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS7501では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS7501において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S7501:YES)、ステップS7502に進み、タイマカウンタエリアTeに「3000」(すなわち、6.0sec)をセットする。その後、本エンディング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS7501において今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S7501:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップS7503に進む。
ステップS7503では、タイマカウンタエリアTeに「0」(すなわち、0.0sec)をセットする。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機として今回の開閉実行モードへの移行が行われた場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、実質、エンディング演出は行わない。ステップS7503を実行した後、本エンディング時間設定処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図140:S6725)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図149は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS7601では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当り種別フラグ(特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS7601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S7601:YES)、ステップS7602に進み、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。ステップS7602において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(S7602:YES)、ステップS7603に進む。
ステップS7603では、特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする。ステップS7603を実行した後、ステップS7604に進む。
ステップS7604では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップS7604を実行した後、ステップS7605に進む。
ステップS7605では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS7605を実行した後、ステップS7606に進む。
ステップS7606では、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、高頻度サポートモードに移行する。その後、ステップS7607に進む。
ステップS7607では、ST用遊技回数カウントフラグをONにする。その後、ステップS7608に進み、ST用遊技回数カウンタPNC1に「0」をセットする。その後、ステップS7609に進み、V入賞フラグをOFFにする。その後、ステップS7610に進む。
ステップS7610では、特殊大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS7610において、特殊大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S7610:NO)、ステップS7611に進み、特2メイン表示コマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。特2メイン表示コマンドを受信した音声発光制御装置90は、第2始動口34への遊技球の入球に基づく図柄の変動表示を図柄表示装置41のメイン表示領域MAに表示させ、第1始動口33への遊技球の入球に基づく図柄の変動表示を図柄表示装置41の第1サブ表示領域SA1に表示させるように、表示制御装置100にコマンドを送信する。ステップS7611を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。一方、ステップS7610において、特殊大当たりフラグがONであると判定した場合には(S7610:YES)、ステップS7611を実行することなく、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS7602において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(S7602:NO)、ステップS7612に進み、特1用8R第1種大当たりフラグ、特1用8R第2種大当たりフラグ、特2用8R第1種大当たりフラグ、特2用16R第1種大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする。ステップS7612を実行した後、ステップS7613に進む。
ステップS7613では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグがONである場合には、当該高確率モードフラグをOFFにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが低確率モードに移行する。ステップS7613を実行した後、ステップS7614に進む。
ステップS7614では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS7614を実行した後、ステップS7615に進む。
ステップS7615では、高頻度サポートモードフラグがONである場合には、当該高頻度サポートモードフラグをOFFにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、低頻度サポートモードに移行する。その後、ステップS7616に進む。
ステップS7616では、電サポ用遊技回数カウントフラグをONにする。その後、ステップS7617に進み、電サポ用遊技回数カウンタPNC2に「0」をセットする。その後、ステップS7610に進む。
ステップS7601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S7601:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップS7618に進み、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第3小当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする。ステップS7618を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図127:S5407)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図150は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS7701では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aの開閉処理を開始する場合にONにされ、開閉処理を終了する場合にOFFにされるフラグである。ステップS7701において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S7701:NO)、ステップS7702に進む。
ステップS7702では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされるフラグである。ステップS7702において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S7702:NO)、ステップS7703に進む。
ステップS7703では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS7703において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S7703:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S7703:YES)、ステップS7704に進む。
ステップS7704では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS7704において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S7704:YES)、ステップS7705に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS7704において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S7704:NO)、ステップS7706に進む。
ステップS7706では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS7706において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S7706:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS7706において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S7706:YES)、ステップS7707に進む。
ステップS7707では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS7708に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS7707において開閉実行モードではなく(S7707:NO)、且つ、ステップS7708において高頻度サポートモードである場合には(S7708:YES)、ステップS7709に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜463であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。すなわち、本実施形態では、高頻度サポートモードでは、233分の232の確率で電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS7710に進む。
ステップS7710では、ステップS7709の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS7710において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S7710:YES)、ステップS7711に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS7712に進む。一方、ステップS7710において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S7710:NO)、ステップS7711の処理を実行することなく、ステップS7712に進む。
ステップS7712では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS7712において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S7712:YES)、ステップS7713に進む。一方、ステップS7712において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S7712:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS7713では、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が「100」であるか否かを判定する。ステップS7713において、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が「100」ではないと判定した場合には(S7713:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS7713において、電サポ用遊技回数カウンタPNC2の値が「0」であると判定した場合には、ステップS7714に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにするとともに、特殊大当たりフラグがONである場合には特殊大当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS7715に進む。
ステップS7715では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS7715にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図127:ステップS5402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS7707において開閉実行モードであると判定した場合(S7707:YES)、又は、ステップS7708において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S7708:NO)、ステップS7716に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。すなわち、本実施形態では、低頻度サポートモードでは、233分の231の確率で電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。その後、ステップS7717に進む。
ステップS7717では、ステップS7716の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS7717において、サポート当選でないと判定した場合には(S7717:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS7717において、サポート当選であると判定した場合には(S7717:YES)、ステップS7718に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS7702において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S7702:YES)、ステップS7719に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS7719において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S7719:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS7719において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S7719:YES)、ステップS7720に進む。
ステップS7720では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。その後、ステップS7721に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS7701において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S7701:YES)、ステップS7722に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図150:S7722)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図151は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップS7801では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部44bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S7801:YES)、ステップS7802に進む。
ステップS7802では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS7802において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S7802:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS7802において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S7802:YES)、ステップS7803に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS7803を実行した後、ステップS7804に進む。
ステップS7804では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS7805に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS7805において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S7805:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS7805において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S7805:YES)、ステップS7806に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS7801において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S7801:NO)、ステップS7807に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS7807において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S7807:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS7807において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S7807:YES)、ステップS7808に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS7809に進む。
ステップS7809では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S7809:NO)、ステップS7810に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS7810において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S7810:YES)、ステップS7811に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS7809において開閉実行モードであると判定した場合(S7809:YES)、又は、ステップS7810において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S7810:NO)、ステップS7812に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「700」(すなわち1.4sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
<遊技球発射制御処理>
次に、遊技球発射制御処理について説明する。遊技球発射制御処理は、通常処理のサブルーチン(図127:S5408)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図152は、遊技球発射制御処理を示すフローチャートである。ステップS7901では、タッチセンサー25aがONになっているか否かを判定する。すなわち、遊技者が操作ハンドル25に触っているか否かの判定をする。ステップS7901において、タッチセンサー25aがONであると判定した場合には(S7901:YES)、ステップS7902に進む。一方、ステップS7901において、タッチセンサー25aがONではないと判定した場合には(S7901:NO)、本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS7902では、遊技球発射ボタン26がONであるか否かを判定する。ステップS7902において、遊技球発射ボタン26がONではないと判定した場合には(S7902:NO)、ステップS7903に進む。
ステップS7903では、操作ハンドル25が原点位置であるか否かの判定を行う。すなわち、操作ハンドル25の回動操作量が0であるか否かの判定を行う。ステップS7903において、操作ハンドル25が原点位置であると判定した場合には(S7903:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。ステップS7903において、操作ハンドル25が原点位置ではないと判定した場合には(S7903:NO)、ステップS7904に進む。
ステップS7904では、ウェイトボタン25bがONであるか否かの判定を行う。ステップS7904において、ウェイトボタンがONであると判定した場合には(S7904:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。一方、ステップS7904において、ウェイトボタンがONではないと判定した場合には(S7904:NO)、ステップS7905に進む。
ステップS7905では、操作ハンドル25の変位量(回動操作量)に応じた発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。ステップS7905を実行した後、本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS7902において、遊技球発射ボタン26がONであると判定した場合には(S7902:YES)、ステップS7906に進む。ステップS7906では、右打ち用の発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。本実施形態においては、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。その後、本遊技球発射制御処理を終了する。
K6.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図153は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92とRTC96とが搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
RTC96(RTC:Real‐Time Clock)は、年月日情報及び時刻情報を出力する。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。MPU92は、RTC96から出力された年月日情報及び時刻情報を取得するとともに、取得した年月日情報及び時刻情報に基づいた演出であるRTC演出を実行する。本実施形態では、音声発光制御装置90は、取得した時刻情報がRTC演出開始条件として設定されている所定の時刻と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合には、RTC演出を実行するための処理を開始する。本実施形態のRTC演出は、300秒間のRTC演出動画と、当該RTC演出動画に対応したRTC演出音楽とによって構成されており、毎時00分に実行される。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60及び演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46及び各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
K7.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマー割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図154は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(本実施形態では4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS8001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS8001を実行した後、ステップS8002に進む。
ステップS8002では、表示態様切替処理を実行する。表示態様切替処理では、第1始動口33への遊技球の入球に基づく図柄の変動をメイン表示領域MAに表示するとともに第2始動口34への遊技球の入球に基づく図柄の変動を第1サブ表示領域SA1に表示する表示態様(以下では、特1メイン表示態様とも呼ぶ)と、第2始動口34への遊技球の入球に基づく図柄の変動をメイン表示領域MAに表示するとともに第1始動口33への遊技球の入球に基づく図柄の変動を第1サブ表示領域SA1に表示する表示態様(以下では、特2メイン表示態様とも呼ぶ)とを切り替えるための処理を実行する。表示態様切替処理の詳細については後述する。ステップS8002を実行した後、ステップS8003に進む。
ステップS8003では、特1用遊技回演出用処理を実行する。特1用遊技回演出用処理では、第1始動口33への遊技球の入球に基づく遊技回において実行する演出の内容を設定する処理である。特1用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS8003を実行した後、ステップS8004に進む。
ステップS8004では、特2用遊技回演出用処理を実行する。特2用遊技回演出用処理では、第2始動口34への遊技球の入球に基づく遊技回において実行する演出の内容を設定する処理である。特2用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS8004を実行した後、ステップS8005に進む。
ステップS8005では、デモ動画(メインデモ動画)やサブデモ動画の表示を表示制御装置100に開始させるための待機用処理を実行する。待機用処理の詳細については後述する。ステップS8005を実行した後、ステップS8006に進む。
ステップS8006では、RTC演出用処理を実行する。RTC演出用処理では、RTC演出に関する処理を実行する。RTC演出用処理の詳細について以下に説明する。ステップS8006を実行した後、ステップS8007に進む。
ステップS8007では、リザルト表示用処理を実行する。リザルト表示用処理では、高確率モードにおける大当たり抽選において大当たりに当選せずに120回の遊技回が終了した場合にリザルト画面を表示するための処理を実行する。リザルト表示用処理の詳細については後述する。ステップS8007を実行した後、ステップS8008に進む。
ステップS8008では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS8002〜S8007の各種処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS8008を実行した後、ステップS8009に進む。
ステップS8009では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS8002〜S8007の各種処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS8009を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<表示態様切替処理>
次に、表示態様切替処理について説明する。表示態様切替処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8002)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図155は、表示態様切替処理を示すフローチャートである。ステップS8101では、主側MPU62から特2メイン表示コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8101において、特2メイン表示コマンドを受信していると判定した場合には(S8101:YES)、ステップS8102に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている特2メイン表示フラグをONにする。特2メイン表示フラグは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく図柄の変動をメイン表示領域MAに表示するとともに第1始動口33への遊技球の入球に基づく図柄の変動を第1サブ表示領域SA1に表示する表示態様(特2メイン表示態様)であることを音光側MPU92において特定するためのフラグである。ステップS8102を実行した後、ステップS8103に進む。
ステップS8103では、特2メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特2メイン表示コマンドは、特1メイン表示態様から特2メイン表示態様に切り替えることを表示制御装置100に指示するためのコマンドである。特2メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、特1メイン表示態様から特2メイン表示態様に切り替えるための処理を実行する。ステップS8103を実行した後、ステップS8104に進む。一方、ステップS8101において、特2メイン表示コマンドを受信していないと判定した場合には(S8101:NO)、ステップS8102及びステップS8103を実行することなく、ステップS8104に進む。
ステップS8104では、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8104において、最終特定遊技回終了コマンドを受信していると判定した場合には(S8104:YES)、ステップS8105に進み、特2メイン表示フラグをOFFにする。ステップS8105を実行した後、ステップS8106に進む。
ステップS8106では、特1メイン表示コマンドAを表示制御装置100に送信する。特1メイン表示コマンドAは、特2メイン表示態様からリザルト画像の表示を経由して特1メイン表示態様に切り替えることを表示制御装置100に指示するためのコマンドである。特1メイン表示コマンドAを受信した表示制御装置100は、特2メイン表示態様からリザルト画像の表示を経由して特1メイン表示態様に切り替えるための処理を実行する。ステップS8106を実行した後、ステップS8107に進む。一方、ステップS8104において、最終特定遊技回終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S8104:NO)、ステップS8105及びステップS8106を実行することなく、ステップS8107に進む。
ステップS8107では、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8107において、低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S8107:YES)、ステップS8108に進み、特2メイン表示フラグをOFFにする。ステップS8108を実行した後、ステップS8109に進む。
ステップS8109では、特1メイン表示コマンドBを表示制御装置100に送信する。特1メイン表示コマンドBは、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回における図柄の変動が終了した後に特2メイン表示態様から特1メイン表示態様に切り替えることを表示制御装置100に指示するためのコマンドである。特1メイン表示コマンドBを受信した表示制御装置100は、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回における図柄の変動が終了した後に特2メイン表示態様から特1メイン表示態様に切り替えるための処理を実行する。ステップS8109を実行した後、本表示態様切替処理を終了する。一方、ステップS8107において、低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S8107:NO)、ステップS8108及びステップS8109を実行することなく、本表示態様切替処理を終了する。
<特1用遊技回演出用処理>
次に、特1用遊技回演出用処理について説明する。特1用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8003)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図156は、特1用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。特1用遊技回演出用処理は、特1用変動コマンドを受信した場合に、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される遊技回における演出の内容を設定するための処理である。以下、特1用遊技回演出用処理の具体的な処理について説明する。
ステップS8201では、主側MPU62から特1用変動コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8201において、特1用変動コマンドを受信していないと判定した場合には(S8201:NO)、以下に説明するステップS8202〜S8210の処理を実行することなく、本特1用遊技回演出用処理を終了する。一方、ステップS8201において、特1用変動コマンドを受信していると判定した場合には(S8201:YES)、ステップS8202に進む。
ステップS8202では、今回受信した特1用変動コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS8203に進む。
ステップS8203では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8203において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8203:NO)、ステップS8204に進み、メイン表示領域用の演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の演出パターンの設定処理では、ステップS8202において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。その後、ステップS8206に進む。一方、ステップS8203において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8203:YES)、ステップS8205に進み、サブ表示領域用の演出パターンの設定処理を実行する。サブ表示領域用の演出パターンの設定処理では、ステップS8202において読み出した情報に基づいて、第1サブ表示領域SA1に表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。その後、ステップS8206に進む。
ステップS8206では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり、8R第1種大当たり、8R第2種大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり又は8R第1種大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R第1種大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、8R第2種大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れである場合には、特1用変動コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS8206を実行した後、ステップS8207に進む。
ステップS8207では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特1用変動コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS8206において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS8207を実行した後、ステップS8208に進む。
ステップS8208では、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を特1用遊技回演出コマンドに設定する。その後、ステップS8209に進み、当該特1用遊技回演出コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100の表示側MPU102は、受信した特1用遊技回演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS8209を実行した後、ステップS8210に進む。
ステップS8210では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている第1保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS8210を実行した後、本特1用遊技回演出用処理を終了する。
<特2用遊技回演出用処理>
次に、特2用遊技回演出用処理について説明する。特2用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8004)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図157は、特2用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。特2用遊技回演出用処理は、特2用変動コマンドを受信した場合に、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される遊技回における演出の内容を設定するための処理である。以下、特2用遊技回演出用処理の具体的な処理について説明する。
ステップS8301では、主側MPU62から特2用変動コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8301において、特2用変動コマンドを受信していないと判定した場合には(S8301:NO)、以下に説明するステップS8302〜S8310の処理を実行することなく、本特2用遊技回演出用処理を終了する。一方、ステップS8301において、特2用変動コマンドを受信していると判定した場合には(S8301:YES)、ステップS8302に進む。
ステップS8302では、今回受信した特2用変動コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、小当たりの有無、小当たりの種別、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS8303に進む。
ステップS8303では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8303において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8303:YES)、ステップS8304に進み、メイン表示領域用の演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の演出パターンの設定処理では、ステップS8302において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出の内容を設定する。その後、ステップS8306に進む。一方、ステップS8303において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8303:NO)、ステップS8305に進み、サブ表示領域用の演出パターンの設定処理を実行する。サブ表示領域用の演出パターンの設定処理では、ステップS8302において読み出した情報に基づいて、第1サブ表示領域SA1に表示する予告演出の内容を設定する。その後、ステップS8306に進む。
ステップS8306では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり、8R第1種大当たり、8R第2種大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R第1種大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、8R第2種大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れである場合には、特2用変動コマンドの内容から小当たりの有無を判定する。小当たりに対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上に所定の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、小当たりに対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS8306を実行した後、ステップS8307に進む。
ステップS8307では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特2用変動コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS8306において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS8307を実行した後、ステップS8308に進む。
ステップS8308では、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を特2用遊技回演出コマンドに設定する。その後、ステップS8309に進み、当該特2用遊技回演出コマンドを表示制御装置100に送信する。表示制御装置100の表示側MPU102は、受信した特2用遊技回演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS8309を実行した後、ステップS8310に進む。
ステップS8310では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている第2保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS8310を実行した後、本特2用遊技回演出用処理を終了する。
<待機用処理>
次に、待機用処理について説明する。待機用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8005)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図158は、待機用処理を示すフローチャートである。待機用処理は、特1用客待ちコマンドまたは特2用客待ちコマンドを受信した場合に、デモ動画(メインデモ動画)やサブデモ動画の表示を表示制御装置100に開始させるための処理である。以下、待機用処理の具体的な処理について説明する。
ステップS8401では、特1用移行準備処理を実行する。特1用移行準備処理は、特1用客待ちコマンドを受信した場合に、デモ動画(メインデモ動画)またはサブデモ動画を開始するための準備を実行する処理である。特1用移行準備処理の詳細については後述する。ステップS8401を実行した後、ステップS8402に進む。
ステップS8402では、特2用移行準備処理を実行する。特2用移行準備処理は、特2用客待ちコマンドを受信した場合に、デモ動画(メインデモ動画)またはサブデモ動画を開始するための準備を実行する処理である。特2用移行準備処理の詳細については後述する。ステップS8402を実行した後、ステップS8403に進む。
ステップS8403では、メイン用デモ移行処理を実行する。メイン用デモ移行処理は、メイン表示領域MAにデモ動画(メインデモ動画)を表示させるための処理である。メイン用デモ移行処理の詳細については後述する。ステップS8403を実行した後、ステップS8404に進む。
ステップS8404では、サブ用デモ移行処理を実行する。サブ用デモ移行処理は、第1サブ表示領域SA1にサブデモ動画を表示させるための処理である。サブ用デモ移行処理の詳細については後述する。ステップS8404を実行した後、ステップS8405に進む。
ステップS8405では、復帰処理を実行する。復帰処理は、特1用変動コマンドまたは特2用変動コマンドを受信した場合に、デモ動画(メインデモ動画)またはサブデモ動画を終了させて通常の状態に復帰させるための処理である。復帰処理の詳細については後述する。ステップS8405を実行した後、本待機用処理を終了する。
<特1用移行準備処理>
次に、特1用移行準備処理について説明する。特1用移行準備処理は、待機用処理のサブルーチン(図158:S8401)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図159は、特1用移行準備処理を示すフローチャートである。特1用移行準備処理では、特1用客待ちコマンドを受信した場合には、特1用客待ちフラグをONにする。特1用客待ちフラグがONになった際に、特1メイン表示態様中である場合には、15秒間の特1用待機状態に移行する。そして、15秒間の特1用待機状態が終了した場合には、音量低減フラグをONにし、スピーカー46から出力される音量の低減処理を開始する。その後、音量がゼロになると、後述するメイン用デモ移行処理において、メイン表示領域MAにおいてデモ動画(メインデモ動画)の表示が開始される。一方、特1用客待ちフラグがONになった際に、特2メイン表示態様中である場合には、サブデモ開始フラグをONにする。その後、後述するサブ用デモ移行処理において、第1サブ表示領域SA1においてサブデモ動画の表示が開始される。以下、特1用移行準備処理の具体的な処理について説明する。
ステップS8501では、主側MPU62から特1用客待ちコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8501において、特1用客待ちコマンドを受信していると判定した場合には(S8501:YES)、ステップS8502に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている特1用客待ちフラグをONにする。その後、ステップS8503に進む。一方、ステップS8501において、特1用客待ちコマンドを受信していないと判定した場合には(S8501:NO)、ステップS8502を実行することなく、ステップS8503に進む。
ステップS8503では、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている特1用待機状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8503において、特1用待機状態フラグがONではないと判定した場合には(S8503:NO)、ステップS8504に進み、特1用客待ちフラグがONであるか否かを判定する。ステップS8504において、特1用客待ちフラグがONではないと判定した場合には(S8504:NO)、本特1用移行準備処理を終了する。一方、ステップS8504において、特1用客待ちフラグがONであると判定した場合には(S8504:YES)、ステップS8505に進む。
ステップS8505では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8505において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8505:NO)、ステップS8506に進み、特1用待機状態フラグをONにする。その後、ステップS8507に進み、特1用待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに記憶されている特1用待機状態タイマカウンタTw1に「7500」(すなわち、15.0se)をセットする。特1用待機状態タイマカウンタTw1は、特1用待機状態フラグがONになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS8507を実行した後、ステップS8508に進み、特1用客待ちフラグをOFFにする。その後、本特1用移行準備処理を終了する。
ステップS8505において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8505:YES)、ステップS8509に進み、サブデモ開始フラグをONにする。これにより、後述するサブ用デモ移行処理が実行されることによって、第1サブ表示領域SA1においてサブデモ動画の表示が開始される。ステップS8509を実行した後、ステップS8510に進み、特1用客待ちフラグをOFFにする。その後、本特1用移行準備処理を終了する。
ステップS8503において、特1用待機状態フラグがONであると判定した場合には(S8503:YES)、ステップS8511に進み、特1用待機状態期間が終了したか否かを判定する。具体的には、特1用待機状態タイマカウンタTw1の値が0であるか否かを判定し、特1用待機状態タイマカウンタTw1の値が0であれば、15秒間の特1用待機状態期間が終了したと判定する。ステップS8511において、特1用待機状態期間が終了していないと判定した場合には(S8511:NO)、本特1用移行準備処理を終了する。一方、ステップS8511において、特1用待機状態期間が終了したと判定した場合には(S8511:YES)、ステップS8512に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音量低減フラグをONにする。これにより、後述するメイン用デモ移行処理が実行されることによって、スピーカー46から出力される音量の低減処理が開始される。ステップS8512を実行した後、ステップS8513に進み、特1用待機状態フラグをOFFにする。その後、本特1用移行準備処理を終了する。
<特2用移行準備処理>
次に、特2用移行準備処理について説明する。特2用移行準備処理は、待機用処理のサブルーチン(図158:S8402)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図160は、特2用移行準備処理を示すフローチャートである。特2用移行準備処理では、特2用客待ちコマンドを受信した場合には、特2用客待ちフラグをONにする。特2用客待ちフラグがONになった際に、特2メイン表示態様中である場合には、15秒間の特2用待機状態に移行する。そして、15秒間の特2用待機状態が終了した場合には、音量低減フラグをONにし、スピーカー46から出力される音量の低減処理を開始する。その後、音量がゼロになると、後述するメイン用デモ移行処理において、メイン表示領域MAにおいてデモ動画(メインデモ動画)の表示が開始される。一方、特2用客待ちフラグがONになった際に、特1メイン表示態様中である場合には、サブデモ開始フラグをONにする。その後、後述するサブ用デモ移行処理において、第1サブ表示領域SA1においてサブデモ動画の表示が開始される。以下、特2用移行準備処理の具体的な処理について説明する。
ステップS8601では、主側MPU62から特2用客待ちコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8601において、特2用客待ちコマンドを受信していると判定した場合には(S8601:YES)、ステップS8602に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている特2用客待ちフラグをONにする。その後、ステップS8603に進む。一方、ステップS8601において、特2用客待ちコマンドを受信していないと判定した場合には(S8601:NO)、ステップS8602を実行することなく、ステップS8603に進む。
ステップS8603では、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている特2用待機状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8603において、特2用待機状態フラグがONではないと判定した場合には(S8603:NO)、ステップS8604に進み、特2用客待ちフラグがONであるか否かを判定する。ステップS8604において、特2用客待ちフラグがONではないと判定した場合には(S8604:NO)、本特2用移行準備処理を終了する。一方、ステップS8604において、特2用客待ちフラグがONであると判定した場合には(S8604:YES)、ステップS8605に進む。
ステップS8605では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8605において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8605:YES)、ステップS8606に進み、特2用待機状態フラグをONにする。その後、ステップS8607に進み、特2用待機状態時間設定処理を実行する。具体的には、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに記憶されている特2用待機状態タイマカウンタTw2に「7500」(すなわち、15.0se)をセットする。特2用待機状態タイマカウンタTw2は、特2用待機状態フラグがONになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS8607を実行した後、ステップS8608に進み、特2用客待ちフラグをOFFにする。その後、本特2用移行準備処理を終了する。
ステップS8605において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8605:NO)、ステップS8609に進み、サブデモ開始フラグをONにする。これにより、後述するサブ用デモ移行処理が実行されることによって、第1サブ表示領域SA1においてサブデモ動画の表示が開始される。ステップS8609を実行した後、ステップS8610に進み、特2用客待ちフラグをOFFにする。その後、本特2用移行準備処理を終了する。
ステップS8603において、特2用待機状態フラグがONであると判定した場合には(S8603:YES)、ステップS8611に進み、特2用待機状態期間が終了したか否かを判定する。具体的には、特2用待機状態タイマカウンタTw2の値が0であるか否かを判定し、特2用待機状態タイマカウンタTw2の値が0であれば、15秒間の特2用待機状態期間が終了したと判定する。ステップS8611において、特2用待機状態期間が終了していないと判定した場合には(S8611:NO)、本特2用移行準備処理を終了する。一方、ステップS8611において、特2用待機状態期間が終了したと判定した場合には(S8611:YES)、ステップS8612に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている音量低減フラグをONにする。これにより、後述するメイン用デモ移行処理が実行されることによって、スピーカー46から出力される音量の低減処理が開始される。ステップS8612を実行した後、ステップS8613に進み、特2用待機状態フラグをOFFにする。その後、本特2用移行準備処理を終了する。
<メイン用デモ移行処理>
次に、メイン用デモ移行処理について説明する。メイン用デモ移行処理は、待機用処理のサブルーチン(図158:S8403)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。なお、以下では、メイン表示領域MAに表示されるメインデモ動画を単にデモ動画とも呼ぶ。
図161は、メイン用デモ移行処理を示すフローチャートである。ステップS8701では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8701において、RTC演出中フラグがONであると判定した場合には(S8701:YES)、本メイン用デモ移行処理を終了する。すなわち、RTC演出が実行されている期間中は、メイン表示領域MAにデモ動画を表示する態様に移行しないように構成されている。一方、ステップS8701において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S8701:NO)、ステップS8702に進み、メイン復帰フラグがONであるか否かを判定する。メイン復帰フラグは、後述する復帰処理において、特1用変動コマンドまたは特2用変動コマンドを受信した場合にONになるフラグである。ステップS8702において、メイン復帰フラグがONではないと判定した場合には(S8702:NO)、ステップS8703に進む。
ステップS8703では、デモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8703において、デモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S8703:NO)、ステップS8704に進む。一方、ステップS8703において、デモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S8703:YES)、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8704では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。デモ動画開始待ちフラグは、デモ動画の開始を待機している期間であることを音声発光制御装置90において特定するためのフラグであり、音声の出力レベル(音量)がゼロになったタイミングでONにされ、音声の出力レベル(音量)がゼロになってから5秒が経過したタイミングにおいてOFFにされるフラグである。ステップS8704において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S8704:NO)、ステップS8705に進む。
ステップS8705では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8705において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S8705:YES)、ステップS8706に進む。一方、ステップS8705において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S8705:NO)、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8706では、音声の出力レベル(音量)を低減する処理を実行する。具体的には、本実施形態では、音声の出力レベル(音量)は3000段階に設定されており、音声の出力レベルを1段階下げる処理を実行する。本実施形態では、2msec周期でメイン用デモ移行処理が実行されるので、音声の出力レベル(音量)は、6秒程度で最大値からゼロになる。ステップS8706を実行した後、ステップS8707に進む。
ステップS8707では、音声の出力レベル(音量)がゼロになったか否かを判定する。ステップS8707において、音声の出力レベル(音量)がゼロになったと判定した場合には(S8707:YES)、ステップS8708に進み、音量低減フラグをOFFにするとともに、ステップS8709に進み、デモ動画開始待ちフラグをONにする。その後、ステップS8710に進む。一方、ステップS8707において、音声の出力レベル(音量)がゼロになっていないと判定した場合には(S8707:NO)、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8710では、デモ動画開始待ち時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているデモ動画開始待ちタイマカウンタTxに「2500」(すなわち、5.0sec)をセットする。デモ動画開始待ちタイマカウンタTxは、音声の出力レベル(音量)がゼロになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS8710を実行した後、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8704において、デモ動画開始待ちフラグがONであると判定した場合には(S8704:YES)、ステップS8711に進む。
ステップS8711では、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したか否かを判定する。具体的には、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であるか否かを判定し、デモ動画開始待ちタイマカウンタTxの値が0であれば、5秒間のデモ動画開始待ち期間が終了したと判定する。ステップS8711において、デモ動画開始待ち期間が終了したと判定した場合には、ステップS8712に進む。一方、ステップS8711において、デモ動画開始待ち期間が終了していないと判定した場合には、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8712では、背景音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS8713に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS8713を実行した後、ステップS8714に進む。
ステップS8714では、デモ動画開始待ちフラグをOFFにするとともに、ステップS8715に進み、デモ動画表示中フラグをONにする。その後、ステップS8716に進み、頭出し判定フラグをONにして、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8702において、メイン復帰フラグがONであると判定した場合には(S8702:YES)、ステップS8717に進み、頭出し判定フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8717において、頭出し判定フラグがONではないと判定した場合には(S8717:NO)、ステップS8718に進み、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS8718を実行した後、ステップS8719に進む。
ステップS8719では、音量低減フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8719において、音量低減フラグがONであると判定した場合には(S8719:YES)、ステップS8720に進み、音量低減フラグをOFFにする。その後、ステップS8721に進む。一方、ステップS8719において、音量低減フラグがONではないと判定した場合には(S8719:NO)、ステップS8720を実行せずにステップS8721に進む。
ステップS8721では、デモ動画開始待ちフラグがONであるか否かを判定する。ステップS8721において、デモ動画開始待ちがONであると判定した場合には(S8721:YES)、ステップS8722に進み、デモ動画開始待ちフラグをOFFにする。その後、ステップS8723に進み、メイン復帰フラグをOFFにする。一方、ステップS8721において、デモ動画開始待ちフラグがONではないと判定した場合には(S8721:NO)、ステップS8722を実行せずにステップS8723に進み、メイン復帰フラグをOFFにする。ステップS8723を実行した後、本メイン用デモ移行処理を終了する。
ステップS8717において、頭出し判定フラグがONであると判定した場合には(S8717:YES)、ステップS8724に進み、デモ動画終了コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画終了コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画の表示を終了させるための処理を実行する。ステップS8724を実行した後、ステップS8725に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS8726に進む。
ステップS8726では、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS8727に進む。
ステップS8727では、音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。本実施形態では、遊技者によって予め設定された値は最大値であるので、音声の出力レベル(音量)を最大値に復帰させる。ステップS8727を実行した後、ステップS8728に進む。
ステップS8728では、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、頭出し判定フラグがONであるため、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS8729に進み、頭出し判定フラグをOFFにする。その後、ステップS8730に進み、メイン復帰フラグをOFFにして、本メイン用デモ移行処理を終了する。
<サブ用デモ移行処理>
次に、サブ用デモ移行処理について説明する。サブ用デモ移行処理は、待機用処理のサブルーチン(図158:S8404)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図162は、サブ用デモ移行処理を示すフローチャートである。ステップS8801では、サブ復帰フラグがONであるか否かを判定する。サブ復帰フラグは、後述する復帰処理において、特1用変動コマンドまたは特2用変動コマンドを受信した場合にONになるフラグである。ステップS8801において、サブ復帰フラグがONではないと判定した場合には(S8801:NO)、ステップS8802に進む。
ステップS8802では、サブデモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8802において、サブデモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S8802:NO)、ステップS8803に進む。一方、ステップS8802において、サブデモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S8802:YES)、本サブ用デモ移行処理を終了する。
ステップS8803では、サブデモ開始フラグがONであるか否かを判定する。サブデモ開始フラグは、上述した特1用移行準備処理(図159)または特2用移行準備処理(図160)においてONにされるフラグである。ステップS8803において、サブデモ開始フラグがONであると判定した場合には(S8803:YES)、ステップS8804に進む。一方、ステップS8803において、サブデモ開始フラグがONではないと判定した場合には(S8803:NO)、本サブ用デモ移行処理を終了する。
ステップS8804では、サブデモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。サブデモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、サブデモ動画を図柄表示装置41の第1サブ表示領域SA1に表示させるための処理を開始する。ステップS8804を実行した後、ステップS8805に進む。
ステップS8805では、サブデモ開始フラグをOFFにするとともに、ステップS8806に進み、サブデモ動画表示中フラグをONにする。その後、本サブ用デモ移行処理を終了する。
ステップS8801において、サブ復帰フラグがONであると判定した場合には(S8801:YES)、ステップS8807に進み、サブデモ動画終了コマンドを表示側MPU102に送信する。サブデモ動画終了コマンドを受信した表示側MPU102は、サブデモ動画の表示を終了させるための処理を実行する。ステップS8807を実行した後、ステップS8808に進み、サブデモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS8809に進み、サブ復帰フラグをONにして、本サブ用デモ移行処理を終了する。
<復帰処理>
次に、復帰処理について説明する。復帰処理は、待機用処理のサブルーチン(図158:S8405)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図163は、復帰処理を示すフローチャートである。ステップS8901では、主側MPU62から特1用変動コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8901において、主側MPU62から特1用変動コマンドを受信していないと判定した場合には(S8901:NO)、後述するステップS8911に進む。一方、ステップS8901において、主側MPU62から特1用変動コマンドを受信していると判定した場合には(S8901:YES)、ステップS8902に進む。
ステップS8902では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8902において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8902:NO)、ステップS8903に進み、特1用客待ちフラグまたは特1用待機状態フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8903において、特1用客待ちフラグまたは特1用待機状態フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8903:YES)、ステップS8904に進み、特1用客待ちフラグまたは特1用待機状態フラグのうち、ONであるフラグをOFFにする。その後、ステップS8905に進む。一方、ステップS8903において、特1用客待ちフラグまたは特1用待機状態フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8903:NO)、ステップS8904を実行することなく、ステップS8905に進む。
ステップS8905では、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8905において、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8905:YES)、ステップS8906に進み、メイン復帰フラグをOFFにする。その後、ステップS8911に進む。一方、ステップS8905において、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8905:NO)、ステップS8906を実行することなく、ステップS8911に進む。
ステップS8902において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8902:YES)、ステップS8907に進み、特1用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8907において、特1用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8907:YES)、ステップS8908に進み、特1用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのうち、ONであるフラグをOFFにする。その後、ステップS8909に進む。一方、ステップS8907において、特1用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8907:NO)、ステップS8908を実行することなく、ステップS8909に進む。
ステップS8909では、サブデモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8909において、サブデモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S8909:YES)、ステップS8910に進み、サブ復帰フラグをONにする。その後、ステップS8911に進む。一方、ステップS8909において、サブデモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S8909:NO)、ステップS8910を実行することなく、ステップS8911に進む。
ステップS8911では、主側MPU62から特2用変動コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS8911において、主側MPU62から特2用変動コマンドを受信していないと判定した場合には(S8911:NO)、本復帰処理を終了する。一方、ステップS8911において、主側MPU62から特2用変動コマンドを受信していると判定した場合には(S8911:YES)、ステップS8912に進む。
ステップS8912では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8912において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S8912:YES)、ステップS8913に進み、特2用客待ちフラグまたは特2用待機状態フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8913において、特2用客待ちフラグまたは特2用待機状態フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8913:YES)、ステップS8914に進み、特2用客待ちフラグまたは特2用待機状態フラグのうち、ONであるフラグをOFFにする。その後、ステップS8915に進む。一方、ステップS8913において、特2用客待ちフラグまたは特2用待機状態フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8913:NO)、ステップS8914を実行することなく、ステップS8915に進む。
ステップS8915では、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8915において、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8915:YES)、ステップS8916に進み、メイン復帰フラグをOFFにする。その後、本復帰処理を終了する。一方、ステップS8915において、音量低減フラグ、デモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8915:NO)、ステップS8916を実行することなく、本復帰処理を終了する。
ステップS8912において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S8912:NO)、ステップS8917に進み、特2用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップS8917において、特2用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S8917:YES)、ステップS8918に進み、特2用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのうち、ONであるフラグをOFFにする。その後、ステップS8919に進む。一方、ステップS8917において、特2用客待ちフラグまたはサブデモ開始フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S8917:NO)、ステップS8918を実行することなく、ステップS8919に進む。
ステップS8919では、サブデモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS8919において、サブデモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S8919:YES)、ステップS8910に進み、サブ復帰フラグをONにする。その後、本復帰処理を終了する。一方、ステップS8919において、サブデモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S8919:NO)、ステップS8910を実行することなく、本復帰処理を終了する。
<RTC演出用処理>
次に、RTC演出用処理について説明する。RTC演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8006)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図164は、RTC演出用処理を示すフローチャートである。ステップS9001では、RTC演出中フラグがONであるか否かを判定する。RTC演出中フラグは、RTC演出が実行されているか否かを音光側MPU92が認識するためのフラグである。ステップS9001において、RTC演出中フラグがONではないと判定した場合には(S9001:NO)、ステップS9002に進み、RTC96から出力された時刻情報を読み込む。その後、ステップS9003に進む。
ステップS9003では、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致するか否かを判定する。本実施形態では、読み込んだ時刻情報が毎時00分と一致するか否かを判定する。ステップS9003において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致しないと判定した場合には(S9003:NO)、そのまま本RTC演出用処理を終了する。一方、ステップS9003において、読み込んだ時刻情報がRTC演出の実行を開始する時刻として予め設定されている時刻と一致すると判定した場合には(S9003:YES)、ステップS9004に進む。
ステップS9004では、RTC演出時間設定処理を実行する。具体的には、各種カウンタエリア94bに記憶されているRTC演出時間タイマカウンタTrに「150000」(すなわち、5.0min)をセットする。RTC演出時間タイマカウンタTrは、RTC演出が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。ステップS9004を実行した後、ステップS9005に進む。
ステップS9005では、RTC演出動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。RTC演出動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、RTC演出動画を図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。ステップS9005を実行した後、ステップS9006に進む。
ステップS9006では、RTC演出音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。なお、背景音楽を出力している場合には、当該背景音楽の出力を停止するとともに、RTC演出音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、ステップS9007に進み、RTC演出中フラグをONにする。その後、ステップS9008に進む。
ステップS9008では、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONである状況とは、音声の出力レベル(音量)が低減されている状況を意味している。ステップS9008において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S9008:YES)、ステップS9009に進む。
ステップS9009では、低減されていた音声の出力レベル(音量)を遊技者によって予め設定された値に復帰させる。その後、ステップS9010に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをONにする。RTC演出後デモ動画開始フラグは、RTC演出が終了した後にデモ動画を開始させるためのフラグである。ステップS9010を実行した後、ステップS9011に進み、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグのうち、ONになっていたフラグをOFFにする。その後、ステップS9012に進む。一方、ステップS9008において、音量低減フラグ、テモ動画開始待ちフラグ、デモ動画表示中フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S9008:NO)、ステップS9009からステップS9011の処理を実行することなく、ステップS9012に進む。
ステップS9012では、メイン復帰フラグがONであるか否かを判定する。ステップS9012において、メイン復帰フラグがONであると判定した場合には(S9012:YES)、ステップS9013に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにするとともに、ステップS9014に進み、メイン復帰フラグをOFFにする。一方、ステップS9012において、メイン復帰フラグがONではないと判定した場合には(S9012:NO)、ステップS9013及びステップS9014の処理を実行することなく、そのまま本RTC演出用処理を終了する。
ステップS9001において、RTC演出中フラグがONであると判定した場合(S9001:YES)、すなわち、RTC演出が実行されている場合には、ステップS9015に進む。
ステップS9015では、RTC演出が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS9003においてセットされたRTC演出時間タイマカウンタTrが0であるか否かを判定する。ステップS9015において、RTC演出が終了するタイミングであると判定した場合には(S9015:YES)、ステップS9016に進み、RTC演出が終了する場合における処理に進む。一方、ステップS9015において、RTC演出が終了するタイミングではないと判定した場合には(S9015:NO)、上述したステップS9008からステップS9014の処理に進む。この理由は、RTC演出が実行されている期間中においても、音量低減フラグやメイン復帰フラグがONになる可能性があり、ステップS9008からステップS9014の処理を実行する必要があるためである。
ステップS9016では、RTC演出中フラグをOFFにする。その後、ステップS9017に進み、RTC演出音楽の出力停止処理を実行する。その後、ステップS9018に進む。
ステップS9018では、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS9018において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONではないと判定した場合には(S9018:NO)、ステップS9019に進み、背景動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。背景動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、背景動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS9020に進み、背景音楽の出力開始処理を実行する。具体的には、背景音楽の時間的な先頭位置から出力を開始する。その後、本RTC演出用処理を終了する。
ステップS9018において、RTC演出後デモ動画開始フラグがONであると判定した場合には(S9018:YES)、ステップS9021に進み、デモ動画開始コマンドを表示側MPU102に送信する。デモ動画開始コマンドを受信した表示側MPU102は、デモ動画を時間的な先頭位置から図柄表示装置41に表示させるための処理を開始する。その後、ステップS9022に進み、デモ動画表示中フラグをOFFにする。その後、ステップS9023に進む。
ステップS9023では、音声の出力レベル(音量)を0に低減する。本実施形態では、デモ動画と共に出力する音楽は設定されていないからである。ステップS9023を実行した後、ステップS9024に進み、頭出し判定フラグをONにする。この処理によって、デモ動画の表示中において頭出し判定フラグをONにすることができる。ステップS9024を実行した後、ステップS9025に進み、RTC演出後デモ動画開始フラグをOFFにする。その後、本RTC演出用処理を終了する。
<リザルト表示用処理>
次に、リザルト表示用処理について説明する。リザルト表示用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8007)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図165は、リザルト表示用処理を示すフローチャートである。ステップS9101では、リザルト表示用集計処理を実行する。リザルト表示用集計処理は、主制御装置60から送信された賞球コマンドや高確率モード中に大当たりに当選した回数を示すコマンド等に基づいて、リザルト画像を表示する場合に必要となる情報を算出する。ステップS9101を実行した後、ステップS9102に進む。
ステップS9102では、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS9102において、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信していると判定した場合には(S9102:YES)、ステップS9103に進み、表示制御装置100にリザルト表示開始コマンドを送信する。リザルト表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、リザルト画像を図柄表示装置41に表示するための処理を実行する。その後、本リザルト表示用処理を終了する。一方、ステップS9102において、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S9102:NO)、ステップS9103を実行することなく、本リザルト表示用処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図166は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS9201では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS9202に進む。
ステップS9202では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図167は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS9301では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図168は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS9401では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図167)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S9401)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS9402では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S9401)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS9403に進む。
ステップS9403では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S9402)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS9404に進む。
ステップS9404では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S9403)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS9405に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
K8.効果:
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10においては、特1用客待ちコマンドは、第1始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第1始動保留個数RaNが0か否か)に基づいて送信され、特2用客待ちコマンドは、第2始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第2始動保留個数RbNが0か否か)に基づいて送信される。そして、図柄表示装置41は、特1用客待ちコマンドに基づいて第1液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様とを切り替えるとともに、送信された特2用客待ちコマンドに基づいて第2液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様とを切り替える。
よって、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄とを、各々、図柄表示装置41の異なる表示領域に表示する場合において、第1液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えを、第2始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第2始動保留個数RbNが0か否か)とは独立した態様で、第1始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第1始動保留個数RaNが0か否か)に基づいて行うことができるとともに、第2液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えを、第1始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第1始動保留個数RaNが0か否か)とは独立した態様で、第2始動口用遊技回の保留遊技回の有無(第2始動保留個数RbNが0か否か)に基づいて行うことができる。
従って、図柄表示装置41は、第1液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えを、第2液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えとは独立した態様で行うことができるとともに、第2液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えを、第1液晶用図柄を表示する態様とデモ動画を表示する態様との切り替えとは独立した態様で行うことができる。
その結果、メイン表示領域MAの表示状態の移行について第1サブ表示領域SA1(第2サブ表示領域SA2)に表示している液晶用図柄に対応する遊技回と相関がある構成や、第1サブ表示領域SA1(第2サブ表示領域SA2)の表示状態の移行についてメイン表示領域MAに表示している液晶用図柄に対応する遊技回と相関がある構成と比較して、各々の表示領域に表示している液晶用図柄に対応した遊技回(第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回)の有無(保留遊技回の有無)に関する情報を遊技者に対して明確に示すことができる。すなわち、遊技者は、遊技回が実行されている場合に、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれの遊技回が実行されており、いずれの遊技回が実行されていないのかを容易に把握することができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1とを、各々独立に、異なる表示状態に移行させることができる。よって、メイン表示領域MAおよび第1サブ表示領域SA1に対して、各々が独立した表示制御を容易に実行することができる。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技状態が移行した場合、すなわち、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行した場合、または、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した場合には、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄を表示する表示領域を遊技状態が移行する前と異なる表示領域に表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が移行したことを容易に認識させることができる。
さらに、遊技状態が移行した場合に、第1始動口用遊技回に対応する第1液晶用図柄および第2始動口用遊技回に対応する第2液晶用図柄の2つの液晶用図柄を表示する表示領域を、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1(第2サブ表示領域SA2)との間で入れ替えるので、例えば、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄について、遊技における役割に変更があったことを遊技者に推測させるなど、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態においては、パチンコ機10は同時変動機であるので、遊技者に対して、第1始動口用遊技回および第2始動口用遊技回の2つの大当たり抽選の結果について、同時に期待感を付与することができる。
本実施形態のパチンコ機10においては、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を予め定めた12秒に設定するので、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の変動時間を考慮した制御を予め設定することができる。具体的には、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回において、予め実行時間が10秒に設定された演出であるリザルト画像を図柄表示装置41に表示する演出を実行することができる。
また、パチンコ機10のような同時変動機の場合、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか他方を実行する場合があるので、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を予め定めた12秒に設定したとしても、当該2回の遊技回のうち先に開始された遊技回の開始から後に開始された遊技回の終了までの時間は、変動時間が所定の時間である遊技回2回分の合計時間より短い場合がある。しかしながら、当該2回の遊技回のうち先に開始された遊技回の開始から後に開始された遊技回の終了までの時間として、少なくとも変動時間が12秒である遊技回1回分の時間を確保することが可能である。すなわち、当該2回の遊技回の開始から終了までの時間として、少なくとも変動時間が12秒である遊技回1回分の時間を確保することができ、当該確保した時間を考慮した制御を予め設定することができる。本実施形態においては、当該確保した時間を用いてリザルト画像を表示する演出を実行することができる。
さらに、同時変動機の場合、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか他方を実行する場合がある。従って、所定の演出が実行されている期間中に、例えば、第1始動口用遊技回が終了し新たな第1始動口用遊技回が開始されたり、第2始動口用遊技回が終了し新たな第2始動口用遊技回が開始されたりする場合がある。上述のように、遊技回の開始のタイミングや、遊技回の終了のタイミングを、「遊技回の区切れ」とも呼ぶ。
ここで、所定の演出の実行中に「遊技回の区切れ」が発生すると、実行している演出に対して、遊技者に煩雑な印象を与えてしまう虞がある。また、各遊技回における大当たり抽選の抽選結果に対して、遊技者が集中できない虞がある。
そこで、本実施形態のパチンコ機10は、リザルト画像を表示する演出を実行する場合には、連続または並行して実行される複数の遊技回の変動時間を、リザルト画像を表示する演出の実行に要する時間(10秒)以上の時間(12秒)に設定するので、リザルト画像を表示する演出が実行されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制することができる。
また、変動時間を12秒に設定する遊技回の数を2回にすることで、リザルト画像を表示する演出が実行されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制しつつ、リザルト画像を表示する演出の実行に要する時間(10秒)以上の変動時間(12秒)に設定する遊技回の回数を最小限に抑えることができる。
遊技者に付与した特典に関する情報を報知する演出としてリザルト画像を表示する演出を実行するので、遊技者は、付与された特典の把握をしやすくなる。
また、遊技者にとって、付与された特典に関する情報は、関心の高い情報である。本実施形態のパチンコ機10は、遊技者にとって関心の高い情報を報知する演出の実行中に、遊技回の区切れが発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、リザルト画像を、高確率モードにおける最後の遊技回(確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)の終了後に表示する。すなわち、案内表示GD1の表示が終了した後に、リザルト画像を表示する。ここで、仮に、リザルト画像を高確率モードにおける最後の遊技回の終了前に表示する構成とした場合、リザルト画像は高確率モードが終了することを遊技者に認識させる画像であることから、遊技者は、遊技球を流通させる方向を遊技盤30の右側から左側に変更して方がいいのではないか、といった認識を抱く。しかしながら、この構成では、リザルト画像が表示された時点で、遊技球を遊技盤30の右側に流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す案内表示GD1が表示されている。よって、リザルト画像と案内表示GD1とを同時に表示する構成とした場合、遊技者に懐疑的な感情を付与してしまう可能性がある。その点、本実施形態のパチンコ機10は、リザルト画像が高確率モード中に表示されることがなく、遊技者が懐疑的な感情を抱くことを回避することができる。
K9.第11実施形態の他の態様:
<態様1>
第11実施形態のパチンコ機10において、リザルト画像表示中の大当たり用演出を、専用の演出動画(以下、リザルト専用大当たり演出とも呼ぶ)として備えてもよい。具体的には、図120(b)に示すように、リザルト画像が表示された状態において、第2サブ表示領域SA2に表示している液晶用図柄に対応する第1始動口用遊技回、または、第1サブ表示領域SA1に表示している液晶用図柄に対応する第2始動口用遊技回のいずれか一方の大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、メイン表示領域MAに表示するリザルト画像を、予め設定されたリザルト画像の表示時間(10秒)よりも短い時間で非表示にして、リザルト専用大当たり演出を実行する。遊技者は、リザルト画像の表示によって高確率モードが終了してしまったと認識した後に、リザルト専用大当たり演出によって大当たり抽選に当選したことを認識する。従って、遊技者に対して意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第11実施形態においては、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定したが、当該2回の遊技回のいずれかの大当たり抽選において大当たりであった場合には、変動時間を12秒ではなく、特定の変動時間に設定する構成としてもよい。例えば、リザルト画像の表示、および、リザルト専用大当たり演出を実行するために必要な変動時間に設定する構成としてもよい。
<態様2>
第11実施形態のパチンコ機10においては、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定したが、図119に示した例のように、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回の1回目(最初)の遊技回において10秒間のリザルト画像の表示が終了する場合には、2回目の遊技回の変動時間を12秒に設定しない構成としてもよい。例えば、10秒間のリザルト画像の表示が完了したことを意味するフラグを用意し、当該フラグを指標として、12秒の変動時間の設定の適用、不適用を決定することによって実現することができる。このようにすることで、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の実行時間として不要な時間を省略することができる。
<態様3>
最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定する処理として他の態様を採用してもよい。具体的には、高確率モードが開始されてから122回目までの遊技回と各遊技回における変動時間とが対応付けされたテーブルデータである変動パターンテーブルを用いて、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を設定してもよい。変動パターンテーブルには、121回目および122回目の遊技回(最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回)に対応する変動時間として12秒が記録されており、121回目と122回目以外の遊技回に対応する変動時間は変動種別カウンタCSと変動時間テーブルとによって設定される旨のコマンドが記録されている。このような変動パターンテーブルを、高確率モードの開始時に読出し、変動パターンテーブルに記録されている変動時間の値またはコマンドを、遊技回が1つ進む毎に、1つずつシフトさせながら読み込むことによって変動時間の設定を実現することができる。よって、変動時間を設定するために高確率モードが開始されてから122回目までの遊技回の実行回数をカウントする処理を省略することができる。よって、変動パターンテーブルを用いることによって、特定の遊技回の変動時間を特定の値に設定する処理を簡易化することができる。
<態様4>
第11実施形態においては、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する2回の遊技回における変動時間を予め定めた時間である12秒に設定したが、12秒に設定する遊技回の数は2回に制限されることなく、他の任意の回数を適用することができる。第11実施形態のように遊技機が同時変動機である場合には、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1始動口用遊技回または第2始動口用遊技回のいずれか他方を実行する場合があるので、最終特定遊技回を開始した以降の直近に実行する遊技回であって変動時間を予め定めた時間である12秒に設定する遊技回の数は2回以上であることが好ましい。このようにすることで、リザルト画像を表示する演出のように予め実行時間が設定された演出を、予め変動時間を設定した遊技回が実行される期間内で実行することができ、変動時間および演出を設定する制御を簡易化することができる。
<態様5>
第11実施形態においては、1回の第1種大当たりにおいて高確率モードに移行した場合に、高確率モードにおいて実行可能な遊技回の回数を120回としたが、120回に制限されることなく、他の任意の回数を設定してもよい。
<態様6>
大当たり(第1種大当たり、および、第2種大当たり)に当選した場合に実行される開閉実行モードにおける、大入賞口36aおよびV入賞口48の開閉制御を、予め設定された大入賞口36aおよびV入賞口48の開放パターンのプログラムに基づいて実行してもよい。例えば、8R第1種大当たり、および、8R第2種大当たりにおける大入賞口36aおよびV入賞口48を、以下のような開放パターンとして設定したプログラムに基づいて開閉制御することができる。下記開放パターンの例示においては、1ラウンド遊技で1つの( )内の処理を実行する。
・[8R第1種大当たり]:(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(V入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)
・[8R第2種大当たり]:(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(V入賞口:0.006秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)→(大入賞口:30秒開放)
このように、各ラウンド遊技において開放させる対象となる入賞口と、当該入賞口の開放時間とを、各ラウンド遊技毎に設定した開放パターンプログラムを、開閉実行モード時に読み出して実行することによって、大入賞口36aおよびV入賞口48の開閉制御を実現することができる。
<態様7>
リザルト画像の表示は、遊技者に対して、高確率モードが終了する、または、終了した、と言う認識を与えることから、リザルト画像を用いて、種々の演出を実行することができる。例えば、高確率モード中に第1種大当たりに当選した場合に、大当たり時の演出の一つとして、最初にダミーのリザルト画像を表示し、その後、大当たり抽選に当選したことを報知する演出を実行する。リザルト画像の表示によって遊技者に高確率モードが終了してしまったことを認識させた直後に、大当たりに当選したことを認識させるので、遊技者に対して意外性を付与することができるとともに、興趣の向上を図ることができる。
<態様8>
リザルト画像の表示中は、大当たり抽選に当選したことを報知するために用いる報知音以外の音声を小さくする、または、消音状態にしてもよい。遊技者は、リザルト画像の表示中に出力された報知音や演出用の音声を認識すると、とっさに大当たり抽選に当選したと期待感を抱く。しかし当該報知音や演出用の音声が大当たり抽選に当選したことを報知する報知音ではなかった場合には、期待感を抱いた後に大きく意気消沈してしまい、遊技に対する意欲が低下してしまう。例えば、リザルト画像の表示中にRTC(RTC:Real‐Time Clock)演出動画が開始され急に大きな音声が出力された場合、遊技者は、音声を認識すると同時に、とっさに大当たり抽選に当選したと期待感を抱いてしまう。その後、当該音声がRTC演出動画の音声であることを認識すると、遊技者は大きく意気消沈してしまう。
そこで、リザルト画像の表示中は、大当たり抽選に当選したことを報知するために用いる報知音以外の音声を小さくする、または、消音状態にすることで、遊技者に対して不要な期待感を付与することを抑制することができる。
<態様9>
上述したように、遊技盤30の右側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利である場合には、遊技盤30の右側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す案内表示である案内表示GD1を図柄表示装置41に表示し、遊技盤30の左側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利である場合には、遊技盤30の左側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す案内表示である案内表示GD2を図柄表示装置41に表示した。すなわち、案内表示GD1および案内表示GD2は、遊技者に有利となる操作ハンドル25の操作方法を案内していると言うことができる。具体的には、案内表示GD1における案内の内容は、遊技盤30の右側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す内容であり、案内表示GD2における案内の内容は、遊技盤30の左側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利であることを示す内容である。
このような案内の内容が異なる案内表示GD1および案内表示GD2を用いて、種々の演出を実行することができる。例えば、高頻度サポートモードが終了した後であっても、高頻度サポートモードが終了する直前に遊技盤30の右側に遊技球を流通させていた遊技球が第2始動口34に入球し、当該入球によって実行された大当たり抽選によって大当たり、または、小当たりに当選していた場合には、遊技盤30の右側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利であることから、案内表示GD2の表示を継続する。すなわち、案内表示GD1および案内表示GD2の表示の制御を、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果に基づいて制御する。
遊技者は、高頻度サポートモードが終了したと認識したにも関わらず案内表示GD2が継続的に表示されていることを認識することで、期待感を抱く。当該大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、遊技者にとって期待通りの結果であるので遊技者の気持ちをさらに高揚させることができる。一方、当該大当たり抽選の結果が小当たり(第1小当たり、第2小当たり、第3小当たり)である場合には、遊技者の期待とは反する結果であるので、遊技者の高揚感は低下する。このように、高頻度サポートモードが終了した後であっても遊技盤30の右側に遊技球を流通させた方が遊技者にとって有利である場合に、案内表示GD2の表示を継続することによって、大当たり抽選の結果が大当たりか、それとも、小当たりかを推測させ、遊技者に緊迫感を付与することができる。結果として、案内表示GD1および案内表示GD2を、大当たり抽選の結果を示唆する示唆演出として用いることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、案内表示GD1や案内表示GD2の表示態様として、大当たり抽選の結果を示唆する表示態様を採用してもよい。例えば、案内表示GD2の表示態様として、青色の案内表示GD2と赤色の案内表示GD2とを用いる。そして、高頻度サポートモードが終了する直前に遊技盤30の右側に流通させていた遊技球が第2始動口34に入球し、当該入球によって実行された大当たり抽選の結果が小当たりである場合には、高頻度サポートモードが終了した後に継続的に表示させる案内表示GD2の表示態様として、青色の案内表示GD2を表示させる頻度(確率)を高くする。一方、高頻度サポートモードが終了する直前に遊技盤30の右側に流通させていた遊技球が第2始動口34に入球し、当該入球によって実行された大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、高頻度サポートモードが終了した後に継続的に表示させる案内表示GD2の表示態様として、赤色の案内表示GD2を表示させる頻度(確率)を高くする。このように、案内表示GD1や案内表示GD2の表示態様として、大当たり抽選の結果を示唆する表示態様を採用することによって、案内表示GD1や案内表示GD2を、大当たり抽選の結果を示唆する示唆演出として用いることができる。
遊技者は、案内表示GD1や案内表示GD2を操作ハンドル25の操作方法や遊技方法を案内する表示と捉えるだけでなく、案内表示GD1や案内表示GD2の表示継続される期間や表示態様に注目するようになる。その結果、案内表示GD1や案内表示GD2を用いて遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。結果として、案内表示GD1を表示するか、案内表示GD2を表示するかといった案内表示の内容の制御や、案内表示GD1や案内表示GD2の表示形態の制御によって、案内表示GD1および案内表示GD2を示唆演出として用いることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、案内表示GD1や案内表示GD2の表示態様の制御としては、案内表示GD1や案内表示GD2の色や形状など、種々の形状を制御することができる。
<態様10>
上記実施形態においては、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1とが独立して、液晶用図柄の表示とデモ動画の表示との切り替えを実行する態様であったが、他の態様を採用してもよい。例えば、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1とは、液晶用図柄からデモ動画への移行は、各々独立して実行し、メイン表示領域MAと第1サブ表示領域SA1の両方がデモ動画を表示している状態において、一方の表示領域がデモ動画の表示から液晶用図柄の表示に復帰することを契機として、他方の表示領域もデモ動画の表示から液晶用図柄の表示に復帰する態様を採用してもよい。
<態様11>
大当たり抽選の抽選結果が大当たりとなったことを契機として実行される開閉実行モード時の挙動と、大当たり抽選の抽選結果が小当たり(第1小当たり、第2小当たり、第3小当たり)となったことを契機として実行される開閉実行モード時の挙動とを、遊技者に見分けがつきにくくしてもよい。
具体的には、大当たり抽選において大当たりに当選した場合に実行する大当たり用の演出と、小当たりに当選した場合に実行する小当たり用の演出とが遊技者に区別がつきにくい態様にする。さらに、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであった場合に実行する開閉実行モードと、大当たり抽選の抽選結果が小当たりであった場合に実行する開閉実行モードとの、可変入賞装置36の開放パターンの差異を遊技者が見分けが付きにくい態様にする。例えば、高確率モードかつ高頻度サポートモード時に第1種大当たりに当選した場合に実行される開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開放の態様を1.6秒開放を2回実行させる態様にすることで、可変入賞装置36の1.6秒開放が1回である第1小当たりと見分けを付きにくくすることができる。さらに、第1種大当たりを契機として実行される開閉実行モードにおけるオープニング演出の期間(オープニング期間)と、エンディング演出の期間(エンディング期間)とを短くする(例えば、0秒にする)ことによって、より一層、大当たり抽選の抽選結果が大当たりとなったことを契機として実行される開閉実行モード時の挙動と、大当たり抽選の抽選結果が小当たりとなったことを契機として実行される開閉実行モード時の挙動とを、遊技者に見分けがつきにくくすることができる。
このようにすることで、例えば、高確率モードかつ高頻度サポートモード時に、遊技者が遊技盤30の右側に遊技球を流通させて第2始動口34に遊技球を入球させることによって第2始動口用遊技回を連続的に実行させている状態においては、大当たり抽選の抽選結果が高い割合で小当たりとなるため、大当たり抽選の抽選結果が第1種大当たりであっても大当たりに当選したことを遊技者に認識しにくくすることができる。第1種大当たりに当選した場合、高確率モードかつ高頻度サポートモードで実行可能な遊技回の実行回数は、改めて120回となるため、高確率モードかつ高頻度サポートモードで実行可能な遊技回の回数は実質的に増加する。しかし、高確率モードかつ高頻度サポートモードにおける実行可能回数が増加したことは、最初に高確率モードかつ高頻度サポートモードが開始された時点から120回目の遊技回が終了する間際に遊技者に報知する。この場合、高確率モードかつ高頻度サポートモードで実行可能な遊技回の回数が上乗せされたように遊技者に対して認識させることができ、遊技者に意外性を付与することができる。
<態様12>
第11実施形態においては、リザルト画像は、表示が開始されてから10秒経過後に表示が終了する構成としたが、音声発光制御装置90が主制御装置60からリザルト画像の表示を終了するためのコマンド(以下、リザルト表示終了コマンドとも呼ぶ)を受信した場合に、当該リザルト画像の表示を終了する構成としてもよい。
例えば、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回である最終特定遊技回(確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)の終了後にリザルト画像の表示を開始し、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回の終了時に、主制御装置60が音声発光制御装置90にリザルト表示終了コマンドを送信し、音声発光制御装置90が受信したリザルト表示終了コマンドに基づいてリザルト画像の表示を終了する構成としてもよい。
しかしながら、このような構成とした場合、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回である最終特定遊技回の終了と同時に遊技者が遊技を終了してしまうと、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回が開始および終了されないため、リザルト画像が継続的に表示されたまま維持されてしまう。すなわち、新たな遊技者が当該遊技機で遊技を開始し、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回が開始され当該遊技回が終了するときにはじめて主制御装置60が音声発光制御装置90にリザルト表示終了コマンドを送信し、音声発光制御装置90が受信したリザルト表示終了コマンドに基づいてリザルト画像の表示を終了する。従って、新たな遊技者が当該遊技機で遊技を開始するときには、図柄表示装置41には、前の遊技者の遊技結果を示すリザルト画像が表示された状態であり、遊技を開始する図柄表示装置41の状態としては好ましくはない。
そこで、音声発光制御装置90は、リザルト表示終了コマンドを受信しない場合であっても、例えば、デモ動画が開始される状態に移行した場合には、リザルト画像の表示を終了する構成とする。具体的には、第11実施形態におけるデモ動画開始中フラグがONになったと判定した場合には、リザルト表示終了コマンドを受信しない場合であっても、リザルト画像の表示を終了する。以下、具体的な処理について説明する。
図169は、第11実施形態の態様12における音光側MPUが実行するリザルト表示用処理を示すフローチャートである。リザルト表示用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図154:S8007)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS9501では、リザルト表示用集計処理を実行する。リザルト表示用集計処理は、主制御装置60から送信された賞球コマンドや高確率モード中に大当たりに当選した回数を示すコマンド等に基づいて、リザルト画像を表示する場合に必要となる情報を算出する。ステップS9501を実行した後、ステップS9502に進む。
ステップS9502では、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS9502において、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信していると判定した場合には(S9502:YES)、ステップS9503に進み、表示制御装置100にリザルト表示開始コマンドを送信する。リザルト表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、リザルト画像を図柄表示装置41に表示するための処理を実行する。ステップS9503を実行した後、ステップS9504に進む。ステップS9504では、リザルト表示中フラグをONにし、その後、ステップS9505に進む。
一方、ステップS9502において、主側MPU62から最終特定遊技回終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S9502:NO)、ステップS9503およびステップS9504を実行することなく、ステップS9505に進む。
ステップS9505では、リザルト表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS9505において、リザルト表示中フラグがONであると判定した場合には(S9505:YES)、ステップS9506に進む。一方、ステップS9505において、リザルト表示中フラグがONではないと判定した場合には(S9505:NO)、本リザルト表示用処理を終了する。
ステップS9506では、リザルト表示終了コマンドを主制御装置60から受信したか否かを判定する。本態様においては、上述したように、リザルト表示終了コマンドは、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回の終了時に、主制御装置60が音声発光制御装置90に送信するコマンドである。
ステップS9506において、リザルト表示終了コマンドを受信したと判定した場合には(S9506:YES)、ステップS9507に進み、リザルト表示終了コマンドを表示制御装置100に送信する。すなわち、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回の終了時にリザルト表示終了コマンドが表示制御装置100に送信される。リザルト表示終了コマンドを受信した表示制御装置100は、リザルト画像の表示を終了する。その後、ステップS9508に進む。
一方、ステップS9506において、リザルト表示終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S9506:NO)、ステップS9509に進み、デモ動画表示中フラグがONであるか否かを判定する。デモ動画表示中フラグは、デモ動画が開始されるときにONになり、デモ動画が終了するときにOFFになるフラグである。デモ動画表示中フラグがONになる場合には、パチンコ機10の遊技者が遊技を停止し退席した可能性が高い。
ステップS9509において、デモ動画表示中フラグがONであると判定した場合には(S9509:YES)、ステップS9507に進み、リザルト表示終了コマンドを表示制御装置100に送信する。すなわち、リザルト表示終了コマンドを受信しない場合であっても、リザルト表示終了コマンドを表示制御装置100に送信し、リザルト画像の表示を終了する。より具体的には、高確率モードの終了前に実行する最後の遊技回である最終特定遊技回(確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)の終了後にリザルト画像の表示を開始し、その後、リザルト表示終了コマンドを受信しない場合であっても、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回が開始および終了されない場合には、リザルト画像の表示を終了する。その後、ステップS9508に進む。
ステップS9508では、リザルト表示中フラグをOFFにし、その後、本リザルト表示用処理を終了する。
ステップS9509において、デモ動画表示中フラグがONではないと判定した場合には(S9509:NO)、ステップS9507およびステップS9508を実行しないで、本リザルト表示用処理を終了する。
このような処理を実行することによって、例えば、高確率モードの終了と同時に遊技者が退席した場合など、音声発光制御装置90が主制御装置60からリザルト表示終了コマンドを受信していない場合であっても、リザルト画像の表示を終了することができる。よって、遊技の実行が中断された場合であっても、リザルト画像の表示が維持されてしまう事象を回避することができる。本態様においては、遊技回が実行されている遊技状態から遊技回が実行されていない遊技状態に移行した場合であっても、遊技回が実行されていない遊技状態への移行を契機として、リザルト画像の表示を終了する処理を実行することができる。
その結果、新たな遊技者が当該遊技機で遊技を開始し、確変後遊技回実行回数が121回目の遊技回が開始される場合であっても、図柄表示装置41のリザルト画像の表示は終了されており、通常の遊技開始時と同様の遊技状態で遊技を実行することができる。
L.第12実施形態:
L1.第12実施形態の概要:
次に第12実施形態について説明する。以下では、本実施形態と上記第11実施形態との相違点について説明する。本実施形態において上記第11実施形態と異なる点は、遊技盤30の遊技領域PAの右側領域に、後述する右打ち用ユニット200が設けられている点である。
以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が備える右打ち用ユニット200の構成、右打ち用ユニット200に到達した遊技球の挙動、及び図柄表示装置41の表示態様について説明する。なお、上記第11実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
図170は、第12実施形態のパチンコ機10が備える右打ち用ユニット200の構成を模式的に示す説明図である。本実施形態では、右打ち用ユニット200は、遊技球発射機構81から所定以上の発射強度で発射された遊技球の全てが、当該右打ち用ユニット200の上端部に設けられたスルーゲート35を通過するように構成されている。右打ち用ユニット200は、遊技球が通過可能なスルーゲート35と、スルーゲート35の下流に設けられた振分機構204と、振分機構204の下流の左側に設けられた経路R1と、振分機構204の下流の中央に設けられた経路R2と、振分機構204の下流の右側に設けられた経路R3とを備えている。そして、経路R1には、可変入球装置36が設けられており、経路R2には、第2始動口34を内部に含む開閉入球装置34xが設けられており、経路R3には、一般入賞口32が設けられている。
振分機構204は、スルーゲート35を通過して到達した遊技球を3つの経路R1〜R3に順番に振り分ける機能を有しており、本実施形態では、経路R1→経路R2→経路R3→経路R1→経路R2→経路R3→経路R1...といった順序で、到達した遊技球を振り分ける。
可変入球装置36は、下部の回転軸を基点として前後に開閉動作する特別電動役物としての開閉扉36bを備えるとともに、遊技球が入球可能な大入賞口36a及びV入賞口48を開閉扉36bの内側に備えている。
開閉入球装置34xは、下部の回転軸を基点として前後に開閉動作する普通電動役物としての開閉扉34aを備えるとともに、遊技球が入球可能な第2始動口34を開閉扉34aの内側に備えている。
経路R1は、スルーゲート35を通過して当該経路R1に振り分けられた遊技球が、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に可変入球装置36に到達するように構成されているとともに、遊技球が到達したタイミングにおいて可変入球装置36の開閉扉36bが開放状態である場合には、当該遊技球が必ず、開閉扉36bの内側に設けられた大入賞口36aに入球するように構成されている。
経路R2は、スルーゲート35を通過して当該経路R2に振り分けられた遊技球が、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に開閉入球装置34xに到達するように構成されているとともに、遊技球が到達したタイミングにおいて開閉入球装置34xの開閉扉34aが開放状態である場合には、当該遊技球が必ず、開閉扉34aの内側に設けられた第2始動口34に入球するように構成されている。
経路R3は、スルーゲート35を通過して当該経路R3に振り分けられた遊技球が、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に一般入賞口32に到達するように構成されているとともに、当該遊技球が必ず、一般入賞口32に入球するように構成されている。
次に、本実施形態における電動役物開放抽選及び普図ユニット38における図柄(以下では、普通図柄とも呼ぶ)の変動について説明する。上記第11実施形態において説明したように、電動役物開放抽選は、遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として実行される。
本実施形態では、高頻度サポートモード中における普通図柄の変動時間と停止時間との合計は、0.5秒に設定されている。また、高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選において電役開放に当選する確率は、233分の232に設定されている。すなわち、本実施形態では、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選が実行されれば、実質的に電役開放に当選することになる。
また、電動役物開放抽選において電役開放に当選した場合における開閉入球装置34xの開閉扉34aの開放回数は1回、開放時間は1.8秒に設定されている。
また、電役開放に当選した場合において、普通図柄の停止時間が経過してから開閉入球装置34xの開閉扉34aが開放を開始するまでの時間(いわゆるオープニング時間)は、0秒に設定されている。すなわち、電役開放に当選した場合には、開閉入球装置34xの開閉扉34aは、普通図柄の停止時間が経過した直後に、開放を開始する。また、開閉入球装置34xの開閉扉34aの1回の開放中に遊技球が第2始動口34に入球可能な最大数(開放限度個数)は、1個に設定されている。すなわち、開閉入球装置34xの開閉扉34aは、第2始動口34に1個の遊技球が入球した直後に閉鎖状態となる。また、開閉入球装置34xの開閉扉34aが閉鎖してから普通図柄の次の変動の開始が可能となるまでの時間(いわゆるエンディング時間)は、0秒に設定されている。すなわち、電動役物開放抽選が保留されている場合には、開閉入球装置34xの開閉扉34aが閉鎖した直後に、普通図柄の次の変動が開始する。
次に、本実施形態における大当たり抽選及び特図ユニット37における図柄(以下では、特別図柄とも呼ぶ)の変動について説明する。上記第11実施形態において説明したように、大当たり抽選は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入球したことを契機として実行される。本実施形態では、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、全て2R第1種大当たりとなる。2R第1種大当たりとは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が2回(2ラウンド)であり、遊技球がV入賞口48に入球することが可能となる大当たりである。V入賞口48に遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる。
本実施形態では、高確率モード中における特別図柄の変動時間と停止時間との合計は、0.6秒に設定されている。また、高確率モード中に第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選が実行された場合において小当たりに当選する確率は、75分の74に設定されている。また、高確率モード中に第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選が実行された場合において大当たり(2R第1種大当たり)に当選する確率は、75分の1に設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中に第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選が実行されれば、実質的に小当たり又は大当たり(2R第1種大当たり)のいずれかに当選することになる。
また、大当たり抽選において小当たりに当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放回数は1回、開放時間は1.0秒に設定されている。また、大当たり抽選において大当たり(2R第1種大当たり)に当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放回数は2回、1回目の開放時間は0.2秒、2回目の開放時間は0.6秒、1回目の開放と2回目の開放との間隔は0.2秒に設定されている。なお、第1種大当たりを契機として可変入球装置36の開閉扉36bが開放した場合のみ、可変入球装置36の内部に設けられた振分片が動作し、可変入球装置36に入球した遊技球は、V入賞口48に入球することになる。一方、小当たりを契機として可変入球装置36の開閉扉36bが開放した場合には、可変入球装置36の内部に設けられた振分片は動作せず、可変入球装置36に入球した遊技球は、大入賞口36aに入球することになる。
また、小当たり又は大当たりに当選した場合において、特別図柄の停止時間が経過してから可変入球装置36の開閉扉36bが開放を開始するまでの時間(いわゆるオープニング時間)は、0秒に設定されている。すなわち、小当たり又は大当たりに当選した場合には、可変入球装置36の開閉扉36bは、特別図柄の停止時間が経過した直後に、開放を開始する。また、可変入球装置36の開閉扉36bの1回の開放中に遊技球が大入賞口36aまたはV入賞口48に入球可能な最大数(開放限度個数)は、1個に設定されている。すなわち、可変入球装置36の開閉扉36bは、大入賞口36aまたはV入賞口48に1個の遊技球が入球した直後に閉鎖状態となる。また、可変入球装置36の開閉扉36bが閉鎖してから特別図柄の次の変動の開始が可能となるまでの時間(いわゆるエンディング時間)は、0秒に設定されている。すなわち、大当たり抽選が保留されている場合には、可変入球装置36の開閉扉36bが閉鎖した直後に、特別図柄の次の変動が開始する。
図171は、右打ち用ユニット200に到達した遊技球の挙動を示すタイムチャートである。図171において、遊技球を示す下向きの矢印とスルーゲート等を示す横軸とが交わるポイントは、当該横軸が示すスルーゲート等に当該矢印が示す遊技球が到達したことを意味している。また、図171に示されている縦の破線の間隔は、0.1秒である。
図171に示した例では、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードは高頻度サポートモードである。また、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた右打ち用ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で右打ち用ユニット200のスルーゲート35を通過する。
1個目の遊技球PB1がスルーゲート35を通過すると、当該遊技球PB1は、振分機構204によって経路R1に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に可変入球装置36に到達する。この図171に示した例では、可変入球装置36の開閉扉36bは閉鎖状態であるため、当該遊技球PB1は、大入賞口36aに入球せずにそのまま通過する。
遊技球PB1に続いて発射された2個目の遊技球PB2は、遊技球PB1の0.6秒後にスルーゲート35を通過するとともに、振分機構204によって経路R2に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に開閉入球装置34xに到達する。ここで、図171に示した例では、1個目の遊技球PB1がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選において電役開放に当選しているため、開閉入球装置34xの開閉扉34aは、1個目の遊技球PB1がスルーゲート35を通過してから0.5秒後に普通図柄の変動時間及び停止時間が終了し、開放を開始する。したがって、2個目の遊技球PB2が開閉入球装置34xに到達したタイミングにおいては、開閉入球装置34xの開閉扉34aは開放状態となっており、当該遊技球PB2は、第2始動口34に入球する。本実施形態では、開閉入球装置34xの開閉扉34aの1回の開放における開放限度個数は1個に設定されているため、第2始動口34に遊技球PB2が入球すると、開閉入球装置34xの開閉扉34aは閉鎖状態となる。そして、第2始動口34への遊技球の入球を契機として、1個の遊技球が賞球として払い出される。なお、2個目の遊技球PB2がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選は保留される。
遊技球PB2に続いて発射された3個目の遊技球PB3は、遊技球PB2の0.6秒後にスルーゲート35を通過するとともに、振分機構204によって経路R3に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に一般入賞口32に入球する。そして、一般入賞口32への遊技球の入球を契機として、3個の遊技球が賞球として払い出される。なお、3個目の遊技球PB3がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選は保留される。
遊技球PB3に続いて発射された4個目の遊技球PB4は、遊技球PB3の0.6秒後にスルーゲート35を通過するとともに、振分機構204によって経路R1に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に可変入球装置36に到達する。ここで、図171に示した例では、2個目の遊技球PB2が第2始動口34に入球したことを契機とした大当たり抽選において小当たりに当選しているため、可変入球装置36の開閉扉36bは、2個目の遊技球PB2が第2始動口34に入球してから0.6秒後に特別図柄の変動時間及び停止時間が終了し、開放を開始する。したがって、4個目の遊技球PB4が可変入球装置36に到達したタイミングにおいては、可変入球装置36の開閉扉36bは開放状態となっており、当該遊技球PB4は、大入賞口36aに入球する。本実施形態では、可変入球装置36の開閉扉36bの1回の開放における開放限度個数は1個に設定されているため、大入賞口36aに遊技球PB4が入球すると、可変入球装置36の開閉扉36bは閉鎖状態となる。そして、大入賞口36aへの遊技球の入球を契機として、6個の遊技球が賞球として払い出される。なお、4個目の遊技球PB4がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選は保留される。
遊技球PB4に続いて発射された5個目の遊技球PB5は、遊技球PB4の0.6秒後にスルーゲート35を通過するとともに、振分機構204によって経路R2に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に開閉入球装置34xに到達する。ここで、保留されていた電役開放抽選(2個目の遊技球PB2がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選)は、2個目の遊技球PB2が第2始動口34に入球して開閉入球装置34xの開閉扉34aが閉鎖状態となった直後に開始され、図171に示した例では、当該電役開放抽選において電役開放に当選しているため、開閉入球装置34xの開閉扉34aは、開閉入球装置34xの開閉扉34aが閉鎖状態となってから0.5秒後に開放を開始する。そして、開閉入球装置34xの開閉扉34aの1回の開放時間は1.8秒に設定されているので、5個目の遊技球PB5が開閉入球装置34xに到達したタイミングにおいては、開閉入球装置34xの開閉扉34aは開放状態となっており、当該遊技球PB5は、第2始動口34に入球する。第2始動口34に遊技球PB5が入球すると、開閉入球装置34xの開閉扉34aは閉鎖状態となる。そして、第2始動口34への遊技球の入球を契機として、1個の遊技球が賞球として払い出される。なお、5個目の遊技球PB5がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選は保留される。
遊技球PB5に続いて発射された6個目の遊技球PB6は、遊技球PB5の0.6秒後にスルーゲート35を通過するとともに、振分機構204によって経路R3に振り分けられ、スルーゲート35を通過してから0.3秒後に一般入賞口32に入球する。そして、一般入賞口32への遊技球の入球を契機として、3個の遊技球が賞球として払い出される。なお、6個目の遊技球PB6がスルーゲート35を通過したことを契機とした電役開放抽選は保留される。
遊技球PB6に続いて発射された7個目の遊技球PB7の挙動は、上述した遊技球PB4と同様の挙動となり、大入賞口36aに入球する。8個目の以降の遊技球は、上述した遊技球PB5から遊技球PB7までの入球パターンの繰り返しとなる。
なお、この図171に示した例において、大当たり(2R第1種大当たり)に当選した場合には、遊技球は、可変入球装置36の開閉扉36bの2回目の開放中に入球するとともに、内部に設けられた振分片が動作してV入賞口48に入球することになる。
以上のように構成された右打ち用ユニット200によれば、高確率モードであり、かつ、高頻度サポートモードである期間中においては、右打ち用ユニット200に向けて発射された遊技球の全てが、順番に、第2始動口34、一般入賞口32、大入賞口36aに入球することになる。そして、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて1個の遊技球が賞球として払い出され、一般入賞口32への遊技球の入球に基づいて3個の遊技球が賞球として払い出され、大入賞口36a又はV入賞口48への遊技球の入球に基づいて6個の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、高確率モードであり、かつ、高頻度サポートモードである期間中において、遊技球が右打ち用ユニット200に向けて一定の発射強度で連続して発射されている場合には、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選(遊技回)が1回実行される毎に合計で10個の遊技球が賞球として払い出されることになる。
また、上記第11実施形態において説明したように、本実施形態においても、高確率モード中に実行された大当たり抽選(遊技回)の回数が、大当たりに当選することなく規定回数(本実施形態では120回)に達すると、高確率モードが終了する。そして、高確率モードの終了に伴って、高頻度サポートモードも終了する。そこで、本実施形態では、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数に基づいて、高確率モードが終了するまでに遊技者に賞球として払い出される遊技球の残りの個数を算出する。そして、高確率モード中においては、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数を表示することに代えて、高確率モードが終了するまでに遊技者に賞球として払い出される予定の残りの遊技球の個数を表示する。以下では、高確率モードが終了するまでに遊技者に賞球として払い出される予定の残りの遊技球の個数を、「残り獲得球数」とも呼ぶ。
図172は、高確率モード中かつ高頻度サポートモード中において図柄表示装置41に表示される画像を示す説明図である。図172(a)に示すように、本実施形態では、高確率モードが開始された直後に、表示面41aの左上部に、残り獲得球数を遊技者に示唆する残り獲得球数示唆画像CPを表示する。本実施形態では、上述したように、右打ち用ユニット200の第2始動口34に遊技球が入球して1回の大当たり抽選(遊技回)が実行される間に、10個の遊技球が賞球として払い出される。したがって、高確率モードが開始された直後は、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数が120回であるため、当該120回の大当たり抽選(遊技回)において1回も大当たりに当選しなかった場合には、当該高確率モードが終了するまでに遊技者に賞球として払い出される予定の残りの遊技球の個数(残り獲得球数)は、1200個となる。したがって、高確率モードが開始された直後における残り獲得球数示唆画像CPには「1200」が表示されている。そして、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残りの回数が減少するにしたがって、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数を減少させる。本実施形態では、大当たり抽選(遊技回)を1回実行する毎に、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数を「10」ずつ減少させる。
図173は、高確率モード中の大当り抽選において大当りに当選した場合における残り獲得球数の変遷を示す説明図である。この図173には、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数と、実際の残り獲得球数と、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数と、後述する加算可能な残り獲得球数とが示されている。
図173に示した例では、高確率モードが開始された後、残り獲得球数示唆画像CPに「950」が表示されているタイミングにおいて大当たり(2R第1種大当たり)に当選し、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数が再び120回となっている。このため、実際の残り獲得球数は再び1200個となるが、本実施形態では、残り獲得球数示唆画像CPにはそのまま「950」を継続して表示する。このため、実際の残り獲得球数(1200個)は、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数(950個)よりも250個多いことになる。すなわち、この250個分だけ、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数に加算することが可能となる。以下では、実際の残り獲得球数から残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数を引いた個数を、「加算可能な残り獲得球数」とも呼ぶ。なお、本実施形態では、残り獲得球数示唆画像CPを表示中に大当たりに当選しても、遊技者に対して大当たりに当選したことを示唆する演出は実行しない。したがって、遊技者は、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数が再び120回となっていることに気付くのが困難となっている。
さらに、図173に示した例では、残り獲得球数示唆画像CPに「170」が表示されているタイミングにおいて大当たり(2R第1種大当たり)に当選し、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残り回数が再び120回となっている。このため、実際の残り獲得球数は再び1200個となるが、本実施形態では、残り獲得球数示唆画像CPにはそのまま「170」を継続して表示する。このため、実際の残り獲得球数(1200個)は、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数(170個)よりも1030個多いことになる。したがって、加算可能な残り獲得球数は、1030個となる。
本実施形態では、残り獲得球数示唆画像CPに「90」が表示されているタイミングにおいて、加算可能な残り獲得球数が500個以上である場合には、残り獲得球数が500個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示面41aの中央部に表示するとともに(図172(b))、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数(90個)に500個を加算する。したがって、残り獲得球数示唆画像CPに「590」が表示される(図172(c))。
この図173に示した例では、残り獲得球数示唆画像CPに「90」が最初に表示されたタイミングにおいて、加算可能な残り獲得球数が1030個になっているので、残り獲得球数が500個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示面41aの中央部に表示するとともに(図172(b))、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数(90個)に500個を加算する。したがって、残り獲得球数示唆画像CPに「590」が表示される(図172(c))。そして、加算可能な残り獲得球数は530個となる。
その後、残り獲得球数示唆画像CPに再び「90」が表示されたタイミングにおいて、加算可能な残り獲得球数が530個になっているので、残り獲得球数が500個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示面41aの中央部に表示するとともに(図172(b))、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数(90個)に500個を加算する。したがって、残り獲得球数示唆画像CPに「590」が表示される(図172(c))。そして、加算可能な残り獲得球数は30個となる。
また、本実施形態では、残り獲得球数示唆画像CPに「0」が表示されているタイミングにおいて、加算可能な残り獲得球数が1個以上のX個である場合には、残り獲得球数がX個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示面41aの中央部に表示するとともに、残り獲得球数示唆画像CPに「X」を表示する。この図173に示した例では、残り獲得球数示唆画像CPに「0」が表示されているタイミングにおいて、加算可能な残り獲得球数が30個であるので、残り獲得球数が30個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示面41aの中央部に表示するとともに、残り獲得球数示唆画像CPに「30」を表示する。この時点において、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている個数が、実際の残り獲得球数と一致することになる。
L2.音声発光制御装置において実行される処理:
<残り獲得球数表示用処理>
次に、残り獲得球数を表示するために音光側MPU92が実行する処理の一例について説明する。
図174は、音光側MPU92が実行する残り獲得球数表示用処理を示すフローチャートである。この残り獲得球数表示用処理は、図154に示したタイマ割込み処理において実行される。したがって、本実施形態では、残り獲得球数表示用処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
ステップS9601では、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aにおける残り獲得球数表示中フラグがONであるか否かを判定する。残り獲得球数表示中フラグは、残り獲得球数示唆画像CPが図柄表示装置41に表示中であるか否かを判定するためのフラグである。ステップS9601において、残り獲得球数表示中フラグがONではないと判定した場合には(S9601:NO)、ステップS9602に進み、高確率モードコマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS9602において、高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(S9602:NO)、本残り獲得球数表示用処理を終了する。一方、ステップS9602において、高確率モードコマンドを受信していると判定した場合には(S9602:YES)、ステップS9603に進み、実際の残り獲得球数を示すカウンタに1200をセットする。その後、ステップS9604に進み、残り獲得球数として「1200」が示された残り獲得球数示唆画像CPを表示させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、残り獲得球数示唆画像CPを図柄表示装置41に表示させるための処理を実行する。ステップS9604を実行した後、ステップS9605に進み、残り獲得球数表示中フラグをONにする。その後、本残り獲得球数表示用処理を終了する。
ステップS9601において、残り獲得球数表示中フラグがONであると判定した場合には(S9601:YES)、ステップS9606に進み、変動コマンド(特1用変動コマンドまたは特2用変動コマンド)を受信しているか否かを判定する。ステップS9606において、変動コマンドを受信していると判定した場合には(S9606:YES)、ステップS9607に進み、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数から10を減算させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数から10を減算させるための処理を実行する。ステップS9607を実行した後、ステップS9608に進み、実際の残り獲得球数を示すカウンタから10を減算する。その後、ステップS9609に進む。一方、ステップS9606において、変動コマンドを受信していないと判定した場合には(S9606:NO)、ステップS9607及びステップS9608の処理を実行することなく、ステップS9609に進む。
ステップS9609では、V入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS9609において、V入賞コマンドを受信していると判定した場合には(S9609:YES)、ステップS9610に進み、「1200」から、残り獲得球数示唆画像CPに表示されている残り獲得球数を減算した値を、加算可能な残り獲得球数を示すカウンタにセットする。その後、ステップS9611に進み、実際の残り獲得球数を示すカウンタに1200をセットする。その後、ステップS9612に進む。一方、ステップS9609において、V入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(S9609:NO)、ステップS9610及びステップS9611の処理を実行することなく、ステップS9612に進む。
ステップS9612では、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が90であるか否かを判定する。ステップS9612において、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が90であると判定した場合には(S9612:YES)、ステップS9613に進み、加算可能な残り獲得球数が500以上であるか否かを判定する。ステップS9613において、加算可能な残り獲得球数が500以上であると判定した場合には(S9613:YES)、ステップS9614に進み、獲得球数増加示唆画像CPBを表示させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、獲得球数増加示唆画像CPBを図柄表示装置41に表示させるための処理を実行する。ステップS9614を実行した後、ステップS9615に進み、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数に500を加算させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数に500を加算させるための処理を実行する。ステップS9615を実行した後、ステップS9616に進み、加算可能な残り獲得球数を示すカウンタから500を減算する。その後、ステップS9617に進む。一方、ステップS9612において、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が90ではないと判定した場合(S9612:NO)、及び、ステップS9613において、加算可能な残り獲得球数が500以上ではないと判定した場合には(S9613:NO)、ステップS9614からステップS9616の処理を実行することなく、ステップS9617に進む。
ステップS9617では、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が0であるか否かを判定する。ステップS9617において、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が0であると判定した場合には(S9617:YES)、ステップS9618に進み、加算可能な残り獲得球数があるか否かを判定する。ステップS9618において、加算可能な残り獲得球数があると判定した場合には(S9618:YES)、ステップS9619に進み、獲得球数増加示唆画像CPBを表示させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、獲得球数増加示唆画像CPBを図柄表示装置41に表示させるための処理を実行する。ステップS9619を実行した後、ステップS9620に進み、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数に、加算可能な残り獲得球数を示すカウンタの値を加算させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数に、当該カウンタの値を加算させるための処理を実行する。ステップS9620を実行した後、ステップS9621に進み、加算可能な残り獲得球数を示すカウンタに0をセットする。その後、本残り獲得球数表示用処理を終了する。
一方、ステップS9617において、残り獲得球数示唆画像CPに表示中の残り獲得球数が0ではないと判定した場合には(S9617:NO)、ステップS9618からステップS9621の処理を実行することなく、本残り獲得球数表示用処理を終了する。また、ステップS9618において、加算可能な残り獲得球数がないと判定した場合(S9618:NO)、すなわち、加算可能な残り獲得球数を示すカウンタの値が0である場合には、ステップS9622に進み、残り獲得球数示唆画像CPの表示を終了させるためのコマンドを表示側MPU102に送信する。このコマンドを受信した表示側MPU102は、残り獲得球数示唆画像CPの表示を終了させるための処理を実行する。ステップS9622を実行した後、ステップS9623に進み、残り獲得球数表示中フラグをOFFにする。その後、本残り獲得球数表示用処理を終了する。
L3.第12実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態によれば、残り獲得球数に対応した情報を示す残り獲得球数示唆画像CPを表示するので、高確率モードが終了するまでに獲得することのできる遊技球の個数を遊技者に把握させることができる。また、例えば、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当り抽選の残りの回数を表示する構成と比較して、高確率モードに対してどの程度の期待感を持つことができるのかを遊技者に明確に認識させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選において第1種大当たりに当選し、遊技球がV入賞口48に入球して残り獲得球数が増加した場合には、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数を、加算可能な残り獲得球数を上限として更新するので、高確率モードが終了するまでに獲得することのできる遊技球が増加したことを遊技者に認識させることができ、高確率モードに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、残り獲得球数が増加した場合には、残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示するので、高確率モードが終了するまでに獲得することのできる遊技球の増加した個数を遊技者に明確に認識させることができ、高確率モードに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、残り獲得球数が増加したことが決定したタイミング(本実施形態では、遊技球がV入賞口48に入球したタイミング)とは異なるタイミングで、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数を増加させるので、遊技に意外性を付与することができるとともに、どのようなタイミングで残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数が増加するのかといった新たな期待感を遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、500個の増加を1単位として、残り獲得球数増加示唆画像CPBが示す残り獲得球数を増加させるので、1回の増加に対する期待感を向上させることができる。なお、増加の1単位は500個に限らず、300個や1000個等、任意の個数に設定してもよい。
さらに、本実施形態によれば、加算可能な残り獲得球数が、増加の1単位である500個未満である場合には、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数が0個となったタイミングで、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数に、当該500個未満の個数を加算するので、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数が0個となって期待感が減少していた遊技者に対して、500個未満の残り獲得球数の増加であっても大きな期待感を与えることができる。
さらに、本実施形態によれば、残り獲得球数が増加した場合であっても、所定期間は、残り獲得球数示唆画像CPが示す残り獲得球数を増加させずに継続して表示するので、遊技者に対して、実際の残り獲得球数が、残り獲得球数増加示唆画像CPBが示す残り獲得球数よりも多い場合があるといった期待感を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、高確率モードにおいて、遊技球が右打ち用ユニット200に達することのできる一定の発射強度で0.6秒間隔で連続して発射されている場合には、発射された遊技球の個数(3個)に占める大入賞口36a(V入賞口48)、第2始動口34、一般入賞口32に入球する遊技球の個数(3個)が一定となるように構成されているので、高確率モードが終了するまでに実際に払い出される遊技球の個数と、残り獲得球数とを一致させることが可能となる。
L4.第12実施形態の他の態様:
<態様1>
第12実施形態では、小当たりに当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放パターンは、2R第1種大当たりに当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放パターンと異なる構成としたが、小当たりに当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放パターンが2R第1種大当たりに当選した場合における可変入球装置36の開閉扉36bの開放パターンと同じである構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者は、2R第1種大当たりに当選したことに気付くことがさらに困難となる。したがって、残り獲得球数増加示唆画像CPBが表示された場合における遊技者の幸福感をより一層向上させることができる。
<態様2>
加算可能な残り獲得球数が500個以上となった場合において、残り獲得球数が500個増加したことを示唆する残り獲得球数増加示唆画像CPBを表示するタイミングを、抽選によって決定する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者は、残り獲得球数増加示唆画像CPBが表示されるタイミングを予測することが困難となるので、残り獲得球数増加示唆画像CPBが表示された場合における遊技者の幸福感をより一層向上させることができる。
<態様3>
残り獲得球数示唆画像CPが表示されている場合において、例えば、遊技者が操作ハンドル25を操作することによって遊技球の発射間隔や発射強度を変更し、遊技球が入球する予定であった大入賞口36aや一般入賞口32等に入球しなかった場合には、遊技球が予定通りに入球しなかったことを示唆する演出を実行する構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41の表示面41aに「ミス!!」といった画像を表示する構成としてもよい。
<態様4>
第2始動口34への入球に基づく大当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられる大当たり種別として、2R第1種大当たり以外の大当たり種別が設定された構成としてもよい。例えば、16R第1種大当たりが設定された構成としてもよい。この構成を採用した場合には、16R第1種大当りを契機として実行された開閉実行モード中に払い出される遊技球の個数を、上述した加算可能な残り獲得球数にさらに追加する構成とすればよい。
<態様5>
残り獲得球数示唆画像CPに加えて、実際に払い出された遊技球の個数を表示する構成としてもよい。また、残り獲得球数示唆画像CPに加えて又は獲得球数示唆画像CPに代えて、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残りの回数を表示する構成としてもよい。このような構成において、高確率モードが終了するまでに実行可能な大当たり抽選(遊技回)の残りの回数が増加した場合であっても、所定期間は、表示中の大当たり抽選(遊技回)の残りの回数を増加させずに継続して表示する構成とすれば、遊技者に対して、高確率モードが終了するまでに実行可能な実際の大当たり抽選(遊技回)の残りの回数が、表示されている残りの回数よりも多い場合があるといった期待感を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
M.第13実施形態:
M1.遊技機の構造:
次に第13実施形態について説明する。以下では、本実施形態と上記実施形態との相違点について説明する。本実施形態において上記各実施形態と異なる点は、主側MPU62に、後述する遊技履歴管理チップ300が設けられている点である。上記実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
図175は、第13施形態におけるパチンコ機の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図176は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図177は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32として、3つの一般入賞口32a、32b、32cが設けられている。以下では、一般入賞口32aを第1入賞口32a、一般入賞口32bを第2入賞口32b、一般入賞口32cを第3入賞口32cとも呼ぶ。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、普通電動役物としての電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、本実施形態では、第1始動口33、第2始動口34、第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、大入賞口36a及びアウト口43に入球した遊技球は、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に合流するように構成されており、当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。後述するように、本実施形態では、排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図178は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図178(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図178(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図178(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図178(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図178(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図178(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
M2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図179は、第13実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。
遊技履歴管理チップ300は、始動口や入賞口、ゲート(以下ではこれらをまとめて「入球口」とも呼ぶ)への遊技球の入球情報に基づいて、後述する各種の遊技履歴情報を算出する。検査用端子65は、遊技履歴管理チップ300に記憶された遊技履歴情報を後述する検査機に送信するための端子である。遊技履歴管理チップ300及び検査用端子65の詳細については後述する。
MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。
MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、本実施形態では、電源装置85は、コンデンサ87を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチがOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。具体的には、大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gと、上述した排出通路を通過した遊技球を検知する排出通路検知センサー44hとが接続されている。MPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートや排出通路を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図180は、第13実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、演算実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。本実施形態では、賞球数データ記憶エリアには、以下の賞球数データが記憶されている。
・第1始動口33に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1始動口賞球数P1):3
・第2始動口34に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2始動口賞球数P2):3
・第1入賞口32aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1入賞口賞球数PN1):10
・第2入賞口32bに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2入賞口賞球数PN2):10
・第3入賞口32cに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第3入賞口賞球数PN3):10
・大入賞口36aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(大入賞口賞球数PS):15
主側MPU62は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを参照することによって、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定する。
さらに、本実施形態では、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
演算実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である演算実行条件が記憶されている。本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが演算実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された演算実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている演算実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて各種の遊技履歴情報を算出するとともに、算出した遊技履歴情報を記憶する半導体チップである。遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るとともに、演算実行条件の成立を契機として各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309とを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。本実施形態では、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報が検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、遊技履歴管理チップ300から受信した遊技履歴情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
図181は、遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302は、主側MPU62のCPU62xとレジスタ304との間に設けられており、各入球口における入球情報をCPU62xから取得する。具体的には、バッファ302には、各入球口に対応した複数のビットが設けられており、CPU62xは、遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にする。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したと判定すると、バッファ302の第1始動口33に対応したビットをON(「1」)にする。
また、バッファ302には、遊技球が各入球口に入球した際の遊技モードやパチンコ機10の状態(以下では、遊技状態とも呼ぶ)を把握するためのビットも設けられている。本実施形態では、通常モード中(高確率モード中でもなく、高頻度サポートモード中でもなく、開閉実行モード中でもないモード)であるか否かを判定するためのビットと、高確率モード中であるか否かを判定するためのビットと、高頻度サポートモード中であるか否かを判定するためのビットと、開閉実行モード中であるか否かを判定するためのビットと、第1保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、第2保留個数が上限値である期間中であるか否かを判定するためのビットと、前扉枠14が開放中であるか否かを判定するためのビットと、パチンコ機10に故障等のトラブルが発生しているエラー中であるか否かを判定するためのビットとが設けられている。例えば、CPU62xは、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングにおいて通常モード中であると判定すると、バッファ302の通常モード中であるか否かを判定するためのビットをON(「1」)にする。
レジスタ304は、各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。具体的には、レジスタ304は、各入球口に対応した複数のカウンタによって構成されており、バッファ302のビットに入球情報があると判定した場合(すなわち、ビットがONになっている場合)には、入球情報があると判定されたビットに対応したカウンタの値に1が加算される。なお、本実施形態では、レジスタ304は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成されている。
本実施形態では、レジスタ304は、各入球口に対応した各カウンタによって、下記の値を記憶している。
・大入賞口36aに入球した遊技球の個数=大入賞口入球個数NS
・第1始動口33に入球した遊技球の個数=第1始動口入球個数N1
・第2始動口34に入球した遊技球の個数=第2始動口入球個数N2
・第1入賞口32aに入球した遊技球の個数=第1入賞口入球個数NN1
・第2入賞口32bに入球した遊技球の個数=第2入賞口入球個数NN2
・第3入賞口32cに入球した遊技球の個数=第3入賞口入球個数NN3
・スルーゲート35を通過した遊技球の個数=スルーゲート通過個数NG
・排出通路を通過した遊技球の個数=排出通路通過個数NOUT
なお、上述したように、排出通路通過個数NOUTは、遊技盤30に発射された遊技球の個数と一致する。
さらに、本実施形態では、レジスタ304は、遊技状態毎に各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。
・通常モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高確率モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・高頻度サポートモード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・開閉実行モード中に各入球口に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33に入球した遊技球の個数
・通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34に入球した遊技球の個数
・前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数
・エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数
例えば、バッファ302の第1始動口33に対応したビットに入球情報がある(ビットがONになっている)と判定し、かつ、通常モード中であるか否かを判定するビットに情報がある(ビットがONになっている)と判定した場合には、第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算されるとともに、通常モード中に第1始動口33に入球した遊技球の入球個数を記憶するカウンタである通常モード中の第1始動口入球個数カウンタの値に1が加算される。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。本実施形態では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリである。演算実行条件は、上述したように、遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である。本実施形態のパチンコ機10においては、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に遊技履歴情報を算出するための演算を開始するように設定されている。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている演算実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される。したがって、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される演算実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている演算実行条件の内容と同一となる。なお、演算実行条件として、排出通路以外を通過または入球した遊技球の個数が基準として記憶されていてもよく、また500個以外の個数が基準として記憶されていてもよい。
CPU308は、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出する。本実施形態では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、遊技履歴情報として下記の値を算出する。
・役物比率
=役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数
=(N2×P2+NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・連続役物比率
=連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数
=(NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)
・出玉率(トータル)
=賞球として払い出された遊技球の合計個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
=(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)/NOUT
なお、上記の値の算出根拠は以下の通りである。
・役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数
=普通電動役物としての電動役物34a及び特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=N2×P2+NS×PS
・連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数
=特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数
=大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NS×PS
・第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3
・賞球として払い出された遊技球の合計個数
=第1〜第3入賞口32a〜32c、第1始動口33、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS
さらに、本実施形態では、遊技状態毎にカウントされた各入球部への遊技球の入球個数に基づいて、下記の遊技履歴情報を算出する。
・払出比率(通常モード中)
=通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数
・出玉率(通常モード中)
=通常モード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・出玉率(高頻度サポートモード中)
=高頻度サポートモード中に賞球として払い出された遊技球の合計個数/高頻度サポートモード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BY(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第1保留個数が上限値である期間中に第1始動口33への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数+通常モード中かつ第2保留個数が上限値である期間中に第2始動口34への遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・BYMIN(通常モード中)
=通常モード中に第1〜第3入賞口32a〜32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/通常モード中に遊技盤30に発射された遊技球の個数
・前扉枠開放中入球率
=前扉枠14が開放中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
・エラー中入球率
=エラー中に各入球口に入球した遊技球の個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数
なお、上記の遊技履歴情報は一例であり、これら以外の遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
CPU308は、上記の各種の遊技履歴情報を算出すると、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された各種の遊技履歴情報をまとめて「短期遊技履歴情報群」とも呼ぶ。
演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。演算結果記憶用メモリ309には、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、算出した短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、算出した短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、演算結果記憶用メモリ309は、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。
本実施形態では、演算結果記憶用メモリ309は、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に算出された短期遊技履歴情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期遊技履歴情報群が演算結果記憶用メモリ309に記憶されることになる。したがって、演算結果記憶用メモリ309は、直近の10日間分の短期遊技履歴情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、遊技履歴情報の送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して演算結果記憶用メモリ309に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。これにより、検査機320は、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を取得するとともに、取得した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
このように、本実施形態では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に、すなわち、500個の遊技球が遊技盤30に発射される毎に、役物比率等の遊技履歴情報が算出されて演算結果記憶用メモリ309に記憶される。そして、算出された遊技履歴情報が検査機320の表示部328に表示されることになる。
M3.遊技機において実行される各種処理の詳細:
次に、MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
先ず、図182のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
図182は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS9701では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。さらに、本実施形態では、初期設定処理において、演算用データを遊技履歴管理チップ300に送信する処理を実行する。具体的には、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を遊技履歴管理チップ300に送信する。後述するように、当該演算用データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データ及び演算実行条件を賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307にそれぞれ記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信する。ステップS9701を実行した後、ステップS9702に進む。
ステップS9702では、設定完了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS9702において、設定完了コマンドを受信していると判定した場合には(S9702:YES)、ステップS9703に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。一方、ステップS9702において、設定完了コマンドを受信していないと判定した場合には(S9702:NO)、再びステップS9702の処理を実行する。すなわち、設定完了コマンドを受信するまでは、ステップS9703に進まず、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわない。
ステップS9703を実行した後、ステップS9704〜ステップS9707の残余処理に進む。つまり、主側MPU62は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS9704〜ステップS9707の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS9704〜ステップS9707の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS9704では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS9705では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS9706では、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS9707にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS9707の処理を実行した後は、ステップS9704に戻り、ステップS9704〜ステップS9707の処理を繰り返す。
次に、主側MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図183は、主側MPU62において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、特定の周期(本実施形態では4msec周期)で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS9801にて抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS9802に進む。
ステップS9802では、乱数初期値更新処理において乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS9803に進み、変動種別カウンタ更新処理において変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS9804に進む。
ステップS9804では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部36c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口36aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部36cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2始動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。その後、ステップS9805に進む。
ステップS9805では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入球信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。その後、ステップS9806に進む。
ステップS9806では、各入球検知センサー44a〜44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。当該入球検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。その後、ステップS9807に進む。
ステップS9807では、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300のバッファ302のビットに出力する。具体的には、ステップS9806の入球検知処理において遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にするとともに、パチンコ機10の遊技状態に対応したビットをON(「1」)にする。その後、ステップS9808に進む。
ステップS9808では、主側RAM64に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。その後、ステップS9809に進み、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。その後、ステップS9810に進む。
ステップS9810では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。始動口用の入球処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9810を実行した後、ステップS9811に進む。
ステップS9811では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルーゲート用の入球処理を実行する。スルーゲート用の入球処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9811を実行した後、ステップS9812に進む。
ステップS9812では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選や、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9812を実行した後、ステップS9813に進む。
ステップS9813では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9813を実行した後、ステップS9814に進む。
ステップS9814では、電動役物34aを制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行うとともに、開放状態とすると判定した場合には電動役物34aを駆動制御する。電役サポート用処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9814を実行した後、ステップS9815に進む。
ステップS9815では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理は、遊技者によって操作ハンドル25が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するために実行する処理である。遊技球発射制御処理の内容は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS9815を実行した後、ステップS9816に進む。
ステップS9816では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS9816を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図183)のステップS9806にて実行される入球検知処理について説明する。
入球検知処理では、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU62の入出力ポート62aのうちの入力ポート62bが確認される。ここで、入球検知処理の説明に先立ち、図184を参照しながら、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する。
図184は、主側MPU62に設けられた入力ポート62bの構成について説明する説明図である。入力ポート62bは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート62bには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート62bへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入球検知処理では、入力ポート62bへの入力対象となる信号群が各入球検知センサー44a〜44hに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサー44aからの入球信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第1始動口検知センサー44bからの入球信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第2始動口検知センサー44cからの入球信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサー44dからの入球信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサー44eからの入球信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサー44fからの入球信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はスルーゲート検知センサー44gからの入球信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は排出通路検知センサー44hからの入球信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない場合には入球信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入球信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート62bに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート62bでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入球検知センサー44a〜44hにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入球検知センサー44a〜44hは、遊技球の通過を検知していない間は入球信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入球信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
図185は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を説明する説明図である。図185(a)は、主側MPU62にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。図185(b)は、入球検知処理において利用される入球判定エリアを模式的に示す説明図である。入球検知処理では、図185(a)のフローチャートに示すように、まずステップS9901にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第1入球判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入球判定エリアWA1は、図185(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入球判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入球判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS9902では、入球検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU62において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS9902の処理が設定されていなくても、ステップS9901とステップS9903との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS9902では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS9901の処理とステップS9903の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS9903では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU62のレジスタにおける第2入球判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート62bにおける情報の更新はステップS9901が完了してからステップS9903が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS9903にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS9901の場合と異なるものとなり得る。
第2入球判定エリアWA2は、第1入球判定エリアWA1と同様に、図185(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入球判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入球判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS9904にて、入球判定処理を実行した後に、本入球検知処理を終了する。当該入球判定処理について、図186のフローチャートを参照しながら説明する。
図186は、主側MPU62にて実行される入球判定処理を示すフローチャートである。入球判定処理では、先ずステップS10001にて、主側RAM64に設けられた入球判定カウンタに8をセットする。続くステップS10002では、第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2における現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート62bにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS10003では、ステップS10002にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS10004にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図185(b−3)及び図185(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入球判定エリアWA1の各ビットと第2入球判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS10005にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入球判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入球判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS10006にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS10007にて、ステップS10003におけるAND処理結果の情報と、ステップS10006における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS10008にて、そのAND処理の結果が入球検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS10008にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS10009以降の処理に進む。
ステップS10009では、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1始動口43及び第2始動口44のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1始動口43及び第2始動口44のいずれかに対応している場合には、ステップS10010にて、主側RAM64に設けられた始動口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10011にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
始動口入球フラグは、第1始動口43又は第2始動口44への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、第1始動口43又は第2始動口44への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1始動口43と第2始動口44とのそれぞれに入球検知センサー44b,44cが設けられているため、第1始動口43への入球と第2始動口44への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、始動入球フラグは、始動口43,44の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10009にて否定判定をした場合には、ステップS10012にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が可変入賞装置36に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置36に対応している場合には、ステップS10013にて、主側RAM64に設けられた大入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10014にて、主側RAM64に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞口入球フラグは、可変入賞装置36への遊技球の入球を主側MPU62にて特定するとともに、可変入賞装置36への遊技球の入球に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS10012にて否定判定をした場合には、ステップS10015にて、現状の入球判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS10016にて、主側RAM64に設けられたスルー通過フラグに「1」をセットする。
スルー通過フラグは、遊技球がスルーゲート35を通過したことを主側MPU62にて特定するとともに、スルーゲート35への遊技球の入球に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10015にて否定判定をした場合には、ステップS10017にて、現状の入球判定カウンタの数値情報が第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのいずれかに対応している場合には、ステップS10018にて、主側RAM64に設けられた一般入賞口入球フラグに「1」をセットし、ステップS10019にて、主側RAM64に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
一般入賞口入球フラグは、第1入賞口32a、第2入賞口32b又は第3入賞口32cへの遊技球の入球を主側MPU62にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1入賞口32a、第2入賞口32b及び第3入賞口32cのそれぞれに入球検知センサー44d,44e,44fが設けられているため、第1入賞口32aへの入球と第2入賞口32bへの入球と第3入賞口への入球とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、一般入賞口入球フラグは、一般入賞口32a,32b,32cの数に対応させて設けられており、具体的には3個設けられている。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU62において特定するためのカウンタである。
ステップS10017にて否定判定をした場合には、今回の入球が排出通路に対応していることを意味するため、ステップSAD20にて、主側RAM64に設けられた排出通路通過フラグに「1」をセットする。排出通路通過フラグは、遊技球が排出通路を通過したことを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS10008にて否定判定をした場合、又はステップS10011、ステップS10014、ステップS10016、ステップS10019、ステップS10020のいずれかの処理を実行した後は、ステップS10021に進む。ステップS10021では、入球判定カウンタを1減算し、その後、ステップS10022にて入球判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
入球判定カウンタが「0」でない場合には、ステップS10021にて更新した入球判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS10002〜ステップS10020の処理を実行する。かかるステップS10002〜ステップS10020の処理を、ステップS10001にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS10022にて肯定判定をすることとなり、本入球判定処理を終了する。
次に、上記入球検知処理(図185)が実行されることにより、一般入賞口32、可変入賞装置36、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び排出通路への入球の有無が検知される様子について図187を参照しながら説明する。
図187は、入球の有無が検知される様子を説明する説明図である。まず、図187(A)を参照しながら、入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果(以下、入球情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図187(A)は各入球情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図187(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図183)が起動される構成において、入球情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS9901,ステップS9903)行われる。各1組の入球情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入球情報を監視する処理(ステップS9901)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入球検知処理が実行されるタイミングは遊技回制御処理及び電役サポート用処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入球検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入球情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入球情報を監視する処理のうち、先側の入球情報を監視する処理(ステップS9901)と後側の入球情報を監視する処理(ステップS9903)との間では、入球検知用のウェイト処理(ステップS9902)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入球情報を監視する処理のうち、後側の入球情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図187(B)を参照しながら、入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図187(B)は入球判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図187(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図187(B1)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち第3入賞口検知センサー44fの入球情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入球有り情報ともいう)となっており、他のセンサーの入球情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入球無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では、図187(B2)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h及び第3入賞口検知センサー44fのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図187(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n−1回目のタイマ割込み処理にて入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n−1回目における入球情報の監視結果とn回目における入球情報の監視結果とを利用して入球判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて、図187(B4)に示すように、第1入球判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f、第2始動口検知センサー44c及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており他のセンサーは入球無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理にて、図187(B5)に示すように、第2入球判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入球検知センサー44a〜44hのうち排出通路検知センサー44h、第3入賞口検知センサー44f及び第1始動口検知センサー44bのそれぞれが入球有り情報となっており、他のセンサーは入球無し情報となっている。
上記のように第1入球判定エリアWA1及び第2入球判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図187(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入球判定処理(図186)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図187(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果をAND処理する。これにより、図187(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入球判定処理では、排出通路検知センサー44hにて遊技球の入球が検知されたと判定するとともに、第1始動口検知センサー44bにて遊技球の入球が検知されたと判定する。
また、図187(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入球情報を監視する処理にて第2始動口検知センサー44cが入球有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入球無し情報から入球有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入球発生と特定するのではなく、入球有り情報が複数回に亘って確認された場合に入球発生と特定する構成である。したがって、図187(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入球情報を監視する処理では第2始動口検知センサー44cが入球無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入球と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサー44fではn回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入球情報を監視する処理のそれぞれにて入球有り情報となっているが、これは既に入球の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入球情報の監視結果が「0」であることを条件に入球の発生を特定しているため、1個の遊技球の入球を複数個の入球として扱ってしまわない。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、各入球検知センサー44a〜44hにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図183)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS9809)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出制御装置70に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行する処理について説明する。本実施形態では、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、パチンコ機10の電源投入に伴い下記のメイン処理を実行する。
図188は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
ステップS10101では、賞球数データ及び演算実行条件を含む演算用データを受信しているか否かを判定する。ステップS10101において、演算用データを受信していると判定した場合には(S10101:YES)、ステップS10102に進む。一方、ステップS10101において、演算用データを受信していないと判定した場合には(S10101:NO)、再びこのステップS10101の処理を実行する。すなわち、演算用データを受信するまでは、次のステップS10102の処理に進まずに無限ループを継続する。
ステップS10102では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。その後、ステップS10103に進み、受信した演算実行条件を演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる。その後、ステップS10104に進む。
ステップS10104では、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了し、かつ、演算実行条件の演算実行条件記憶用メモリ307への記憶が完了したことを意味する設定完了コマンドを主側CPU62xに送信する。その後、ステップS10105に進む。
ステップS10105では、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がある(ビットに「1」が格納されている)か否かを判定する。ステップS10105において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報があると判定した場合には(S10105:YES)、ステップS10106に進み、バッファ302のビットに対応したレジスタのカウンタに1を加算する。具体的には、例えば、バッファ302の第1始動口入球情報に対応したビットが「1」であり、通常モード中に対応したビットが「1」である場合には、レジスタ304の大入賞口入球個数NSに対応したカウンタに1を加算するとともに、通常モード中の大入賞口入球個数に対応したカウンタに1を加算する。その後、ステップS10107に進む。一方、ステップS10105において、バッファ302のビットに主側CPU62xから受信した入球情報がないと判定した場合には(S10105:NO)、ステップS10106を実行することなく、ステップS10107に進む。
ステップS10107では、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500であるか否か、すなわち、遊技盤30に発射された遊技球の個数が500個に達したか否かを判定する。ステップS10107において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立したと判定した場合には(S10107:YES)、ステップS10108に進む。
ステップS10108では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。その後、ステップS10109に進み、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させる。その後、ステップS10110に進み、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を0にクリアする。その後、ステップS10111に進む。
一方、ステップS10107において、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶された演算実行条件が成立していないと判定した場合には(S10107:NO)、ステップS10108からステップS10110を実行することなく、ステップS10111に進む。
ステップS10111では、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信しているか否かを判定し、送信要求コマンドを受信していると判定した場合には(S10111:YES)、ステップS10112に進み、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を検査機320に対して送信する。検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。ステップS10112を実行した後、ステップS10105に戻り、ステップS10105以下の処理を繰り返す。一方、ステップS10111において、検査機320から遊技履歴情報の送信要求コマンドを受信していないと判定した場合には(S10111:NO)、ステップS10112の処理を実行することなく、ステップS10105に戻り、ステップS10105以下の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報である遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、算出した遊技履歴情報を不揮発的に記憶する演算結果記憶用メモリ309を備える。遊技履歴情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報はパチンコ機10毎に異なるとともに、パチンコ機10の固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、パチンコ機10の特性が反映された情報である。本実施形態によれば、当該パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶する。よって、例えば、当該パチンコ機10の特性を検査する場合には、当該パチンコ機10本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該パチンコ機10の特性を検査することができる。パチンコ機10は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによってパチンコ機10の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、パチンコ機10は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来のパチンコ機10では、当該パチンコ機10の特性に関する情報を保持することができない。本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の特性が反映された情報である遊技履歴情報をパチンコ機10本体の筐体内部に格納された遊技履歴管理チップ300の演算結果記憶用メモリ309に記憶するので、パチンコ機10がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該パチンコ機10本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、当該パチンコ機10がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、遊技履歴管理チップ300及び主側CPU62xは、共に主側MPU62に搭載されており、これらは同一の電源によって動作するように構成されている。したがって、例えば、当該パチンコ機10が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによってパチンコ機10の遊技履歴情報を算出していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、パチンコ機10に電源が供給されている状況であれば、遊技履歴情報を算出することができる。仮に、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが異なる電源によって動作している場合、遊技履歴管理チップ300の電源供給に不具合があった場合に、パチンコ機10によって遊技が実行されているにも関わらず遊技履歴情報を算出できないといった不具合が生じる。これに対して、本実施形態によれば、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず遊技履歴情報を算出することができる。よって、遊技履歴情報の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に、演算結果記憶用メモリ309を格納している。したがって、演算結果記憶用メモリ309に対して物理的な接触をした場合には、基板ボックスを開いた痕跡が残る。よって、仮に、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が演算結果記憶用メモリ309への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを基板ボックスの痕跡から把握することが可能となる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。パチンコ機10は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る基板ボックスの内部に演算結果記憶用メモリ309を格納するので、パチンコ機10が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いてパチンコ機10の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正にパチンコ機10を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得するので、払い出した賞球に関するパチンコ機10の特性を算出することができる。さらに、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる賞球数データが設定されていても、遊技履歴管理チップ300は、パチンコ機10の種類毎に設定された賞球数データを用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。仮に、遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、パチンコ機10の検査者は、正しい遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xは、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を遊技履歴管理チップ300に送信するので、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主側CPU62xのメイン処理において、設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の割り込みが許可されず、タイマ割込み処理に含まれる遊技球発射制御処理が実行されない構成となっている。すなわち、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、遊技履歴管理チップ300による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、排出通路検知センサー44hによって500個の遊技球が検知されるまでの期間毎の遊技履歴情報を算出して記憶するので、各パチンコ機10によって500個の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出、記憶することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出、記憶することができる。また、各入球口への入球情報をそのまま記憶する構成と比較して、必要な記憶容量を低減することができる。
パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に遊技履歴情報を算出するための演算を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技履歴管理チップ300のCPU308が遊技履歴情報を算出するための演算を実行した後に、レジスタ304に記憶されている各入球口への遊技球の入球個数(カウンタ値)を消去するので、再びレジスタ304に遊技球の入球個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、レジスタ304に必要な記憶容量を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、パチンコ機10の遊技履歴情報が検査機320に送信されるので、検査機320は、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、パチンコ機10の検査者は、検査機320に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
M4.第13実施形態の他の態様:
<態様1>
上記第13実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、演算を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、演算を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。パチンコ機10の検査者は、1時間毎に算出された詳細な遊技履歴情報を確認することができ、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
なお、パチンコ機10の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件(時間的間隔)も異なることになる。このため、演算実行条件は、パチンコ機10の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。したがって、この態様1においても、遊技履歴管理チップ300は、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件を取得するので、パチンコ機10の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
また、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、演算が実行されてからの経過時間を計測するとともに、遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定し、遊技が行なわれていないと判定している期間は、経過時間の計測を中断する構成としてもよい。具体的には、例えば、バッファ302のビットに入球情報がない状態が所定時間(例えば3分)経過した場合に、遊技が行なわれていないと判定して経過時間の計測を中断し、バッファ302のビットに入球情報が確認された場合に、遊技が再開されたと判定して経過時間の計測を再開する構成としてもよい。この構成によれば、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
なお、経過時間の計測は、タイマカウンタを用いる構成としてもよく、RTC(Real‐Time Clock)を設けてRTCの日時情報を用いる構成としてもよい。また、所定の時刻毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。
<態様2>
上記第13実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する。当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、遊技履歴情報を算出する。そして、この構成ではレジスタ304は揮発性のメモリによって構成されており、入球個数情報が消去されることになる。このような構成によれば、パチンコ機10への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、パチンコ機10の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、電源の遮断が発生した後においても遊技履歴管理チップ300に対して電源を供給するコンデンサ87を備える構成とすれば、CPU308による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の演算結果記憶用メモリ309への記憶を確実に完了させることができる。
<態様3>
上記第13実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技履歴情報がパチンコ機10の図柄表示装置41に表示されるので、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置(検査機320等)を用いることなく、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様4>
上記第13実施形態において、主側CPU62xが演算結果記憶用メモリ309にアクセス可能な構成とし、演算結果記憶用メモリ309に記憶されている遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを報知するためのLEDランプをパチンコ機10の前面(例えば、メイン表示部45の所定の箇所)に備える構成としてもよい。例えば、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))が所定の範囲に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなったパチンコ機10を容易に発見することができる。そして、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を確認することによって、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。特に、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていると、上述した払出比率(通常モード中)がパチンコ機の設計時に想定された所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)から外れることになる。したがって、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(例えば、0.60〜0.70)に含まれなくなった場合にLEDランプを発光させる構成とすることによって、第1始動口33や一般入賞口(第1〜第3入賞口32a〜32c)の近傍の釘に不正が施されていないかを適切に判断することができる。
さらに、遊技履歴情報に含まれる特定の値(例えば、役物比率、連続役物比率、払出比率(通常モード中))の所定の範囲からの乖離度に応じてLEDランプの発光態様(色)を決定する構成としてもよい。例えば、役物比率が所定の範囲(0.70以下)に含まれている場合には第1LEDランプは青色に発光し、役物比率が0.71〜0.80の場合には第1LEDランプは紫色に発光し、役物比率が0.81〜1.00の場合には第1LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。連続役物比率が所定の範囲(0.60以下)に含まれている場合には第2LEDランプは青色に発光し、連続役物比率が0.61〜0.70の場合には第2LEDランプは紫色に発光し、連続役物比率が0.71〜1.00の場合には第2LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。また、払出比率(通常モード中)が所定の範囲(0.60〜0.70)に含まれている場合には第3LEDランプは青色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.71〜0.80の場合には第3LEDランプは紫色に発光し、払出比率(通常モード中)が0.81〜1.00の場合には第3LEDランプは赤色に発光する構成としてもよい。この構成によれば、パチンコ機10の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。なお、主側CPU62xは、演算結果記憶用メモリ309にアクセスは可能であるが、データの変更等は不可能な構成とすることが好ましい。このような構成によれば、遊技履歴情報が、ノイズやプログラムのバグ等によって破壊されたり、内容が書き換えられてしまうことを抑制することができる。
<態様5>
上記第13実施形態では、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)は主側MPU62(CPU62x)が実行する初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される構成としたが、遊技履歴管理チップ300が主側ROM63の賞球数データ記憶エリア及び演算実行条件記憶エリアにアクセス可能な構成とし、パチンコ機10の電源投入直後に遊技履歴管理チップ300が当該主側ROM63にアクセスして演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を取得し、取得した演算用データを賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる構成としてもよい。このような構成によれば、主側MPU62の処理負荷を低減することができる。
<態様6>
上記第13実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、レジスタに記憶された500個毎の入球個数をそのまま記憶し、検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様6の詳細について、上記第13実施形態との相違点を中心に説明する。
図189は、第13実施形態の態様6のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、記憶実行条件記憶エリアとが設けられている。
賞球数データ記憶エリアには、上記第13実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第13実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
記憶実行条件記憶エリアには、遊技履歴管理チップ300が後述する記憶処理を実行する条件である記憶実行条件が記憶されている。この態様6では、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達することが記憶実行条件として記憶されている。この主側ROM63に記憶された記憶実行条件は、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した記憶実行条件を記憶する記憶実行条件記憶用メモリ307aと、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を順次記憶する入球個数記憶用メモリ309aとを備えている。上述した記憶処理は、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる処理である。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様6では、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様6では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球個数情報及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球個数記憶用メモリ309aに記憶された入球個数情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球個数情報と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図190は、第13実施形態の態様6の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の内容を模式的に示す説明図である。
バッファ302及びレジスタ304における処理の内容は、上述した第13実施形態と同じであるため、説明を省略する。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様6では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。
記憶実行条件記憶用メモリ307aは、パチンコ機10に設定されている記憶実行条件を記憶するためのメモリである。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される。したがって、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶される記憶実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている記憶実行条件の内容と同一となる。
CPU308は、記憶実行条件記憶用メモリ307aに記憶されている記憶実行条件が成立したか否かを判定するとともに、記憶実行条件が成立したと判定した場合には、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させるとともに、レジスタ304の各カウンタの値を「0」にリセットする。この態様6では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、当該レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、入球個数記憶用メモリ309aに記憶させる。なお、以下では、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
入球個数記憶用メモリ309aは、レジスタ304に記憶された入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。入球個数記憶用メモリ309aには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球個数記憶用メモリ309aは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様6では、入球個数記憶用メモリ309aは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が入球個数記憶用メモリ309aに記憶されることになる。したがって、入球個数記憶用メモリ309aは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して短期入球個数情報群及び賞球数データを検査機320に送信する。そして、検査機320は、短期入球個数情報群及び賞球数データに基づいて、役物比率等の遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様6では、検査機320は、上記の第13実施形態のCPU308と同様に、1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を算出することが可能であるとともに、複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、この態様6の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。
なお、この態様6において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した短期入球個数情報群を表示部328に表示可能な構成としてもよい。また、検査機320は、レジスタ304に記憶されている各カウンタ値を受信するとともに、受信した各カウンタ値を表示部328に表示可能な構成としてもよい。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、記憶処理を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、記憶処理を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、主側ROM63の記憶実行条件記憶エリアに記憶された記憶実行条件として、電源の遮断の発生が検知されたことが設定されている構成としてもよい。具体的には、停電監視回路86は、電源の遮断の発生を検知すると、電源遮断が発生したことを示す信号を遊技履歴管理チップ300に出力する構成とし、当該信号を受信した遊技履歴管理チップ300のCPU308は、電源の遮断が発生したと判定し、記憶処理を実行する構成としてもよい。
また、態様6では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様7>
上記第13実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、バッファにおける入球情報をそのまま記憶し、当該入球情報に基づいて検査機320が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷を低減することができる。以下、態様7の詳細について、上記第13実施形態との相違点を中心に説明する。
図191は、第13実施形態の態様7のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。
この態様7では、主側MPU62には、年月日情報及び時刻情報を遊技履歴管理チップ300に対して出力するRTC96(RTC:Real‐Time Clock)が設けられている。RTC96は、バックアップ電源を備えており、パチンコ機10の電源遮断時においても年月日情報及び時刻情報を更新することができる。
主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアが設けられている。なお、この態様7では、演算開始条件記憶エリアは設けられていない。
賞球数データ記憶エリアには、上記第13実施形態と同様に、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。また、上記第13実施形態と同様に、この主側ROM63に記憶された賞球数データは、パチンコ機10の電源がONにされた後に実行される初期設定処理において遊技履歴管理チップ300に送信される。これにより、遊技履歴管理チップ300は、本パチンコ機10に設定されている賞球数データを把握することが可能となる。
遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るCPU308と、バッファ302に記憶された各入球口への遊技球の入球情報等を順次記憶する入球情報記憶用メモリ309bとを備えている。
検査用端子65は、検査機320とパチンコ機10とを接続するための端子である。この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等及び賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データが検査機320に送信される。
検査機320は、各種制御プログラムを実行するCPU321と、各種制御プログラムや固定値データ等を記録したROM324と、各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM326と、各種情報を表示する表示部328と、パチンコ機10の検査用端子65に接続するための接続ケーブル329とを備えている。
この態様7では、検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報等と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した入球情報等と賞球数データとに基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
図192は、第13実施形態の態様7の遊技履歴管理チップ300及び検査機320における処理の概要を模式的に示す説明図である。
バッファ302における処理の内容は、上述した第13実施形態と同じであるため、説明を省略する。
入球情報記憶用メモリ309bは、バッファ302に記憶された入球情報及び遊技球が入球した際の遊技状態に関する情報を順次記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。さらに、本実施形態では、入球情報及び遊技状態に関する情報が記憶される際に、遊技球が各入球口に入球した日時情報が付加されて記憶される。また、入球情報記憶用メモリ309bには、入球情報等が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、入球情報等を書き込むための空きエリアがない場合には、入球情報等を、書き込まれた順番が最も古い入球情報等が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、入球情報記憶用メモリ309bは、最も古い入球情報等から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の入球情報等が記憶されている状態となる。
賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。この態様7では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。さらに、この態様7では、検査用端子65に検査機320が接続されると、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データが当該検査機320に送信される。
検査機320は、上述したように、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、入球情報等及び賞球数データの送信を要求する送信要求コマンドを遊技履歴管理チップ300に送信する。遊技履歴管理チップ300のCPU308は、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、検査用端子65を介して入球情報記憶用メモリ309bに記憶された入球情報、遊技状態に関する情報及び日時情報と、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データとを検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信したこれらの情報に基づいて遊技履歴情報を算出し、算出した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
具体的には、この態様7の検査機320は、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(短期遊技履歴情報群)を算出することだけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出することが可能である。すなわち、任意の期間における遊技履歴情報を算出することが可能である。
さらに、この態様7では、入球情報等に日時情報(年月日情報及び時刻情報)が付加されているので、検査機320は、受信した入球情報等に付加されている日時情報の範囲内において、遊技履歴情報の算出対象となる日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することも可能である。したがって、パチンコ機10の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。
なお、この態様7において、以下の構成を採用してもよい。
検査機320は、受信した入球情報等を表示部328に表示可能な構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10の検査者は、各入球検知センサーによって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
また、遊技履歴管理チップ300が賞球数データ記憶用メモリ306に記憶されている賞球数データを検査機320に送信する構成に代えて、主側CPU62xが主側ROM63に記憶されている賞球数データを検査機320に対して送信する構成としてもよい。このような構成によれば、賞球数データ記憶用メモリ306を省略することができ、遊技履歴管理チップ300の製造コストを低減することができる。
また、態様7では、遊技履歴情報を算出するための演算を検査機320のCPU321が実行する構成としたが、当該演算の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行し、当該演算の結果である遊技履歴情報を検査機320に送信する構成としてもよい。
<態様8>
上記第13実施形態及び上記の他の態様では、主側ROM63に演算実行条件又は記憶実行条件が記憶されており、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を主側ROM63から取得する構成としたが、遊技履歴管理チップ300がこれらの条件を不揮発性のメモリに当初から記憶している構成としてもよい。この構成によれば、不適切な演算実行条件又は記憶実行条件が主側ROM63に記憶されてしまっており、遊技履歴情報又は入球個数情報を適切に記憶できないといった事態の発生を抑制することができる。例えば、演算実行条件又は記憶実行条件として極端に短い期間(例えば、排出通路通過個数NOUT=5)が記憶されてしまっており、演算結果記憶用メモリ309又は入球個数記憶用メモリ309aには極端に短い期間分(例えば、1時間分程度)の遊技履歴情報又は入球個数情報しか記憶されないといった事態の発生を抑制することができる。
<態様9>
上記第13実施形態及び上記の他の態様では、各入球口への遊技球の入球個数を記憶する機能や、役物比率等の遊技履歴情報を算出する機能、算出した遊技履歴情報を記憶する機能を遊技履歴管理チップ300が備える構成としたが、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の一部を備える構成としてもよい。また、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62x(遊技履歴管理チップ300を除いた主側MPU62)がこれらの機能の全部を備える構成としてもよい。このような構成によれば、別途に遊技履歴管理チップ300を設ける必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。ただし、遊技履歴管理チップ300を設ける構成によれば、主側CPU62xの処理負荷を低減することができる。
<態様10>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴管理チップ300以外の機能部(例えば、検査機320や主側CPU62x)が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300が備える構成としてもよく、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部又は全部を遊技履歴管理チップ300以外の機能部が備える構成としてもよい。例えば、検査機320が備える機能の一部を遊技履歴管理チップ300が備える構成とすれば、検査機320の処理負荷や製造コストをさらに低減することができ、遊技履歴管理チップ300が備える機能の一部を検査機320が備える構成とすれば、遊技履歴管理チップ300の処理負荷や製造コストをさらに低減することができる。
<態様11>
上記第13実施形態では、遊技履歴管理チップ300が役物比率等の遊技履歴情報を算出する構成としたが、遊技履歴管理チップ300を設けず、主側CPU62xが遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。以下、態様11の詳細について、上記第13実施形態との相違点を中心に説明する。
図193は、第13実施形態の態様11におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この態様11では、遊技履歴管理チップ300が設けられていない点と、主側RAM64に入球個数記憶エリアと演算結果記憶エリアが設けられている点が、上記第13実施形態(図179)と異なっている。
主側CPU62xは、入出力ポート62aから受信した遊技球の入球情報に基づいて、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球口への遊技球の入球個数を更新する。そして、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立した場合には、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データと、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されている各入球部における遊技球の入球個数とに基づいて演算を実行して遊技履歴情報を算出し、当該遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。以下、具体的に説明する。
図194は、第13実施形態の態様11の主側MPU62における処理の概要を模式的に示す説明図である。主側CPU62xは、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、主側CPU62xのキャッシュに記憶された各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。この態様11では、主側CPU62xは、主側CPU62xのキャッシュに記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を、主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶させる。なお、上述したように、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報を「短期入球個数情報群」とも呼ぶ。
主側RAM64の入球個数記憶エリアは、入球個数に関する情報(短期入球個数情報群)を順次記憶するエリアである。主側RAM64の入球個数記憶エリアには、短期入球個数情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期入球個数情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに書き込み対象となった短期入球個数情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期入球個数情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、最も古い短期入球個数情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期入球個数情報群が記憶されている状態となる。
この態様11では、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を、1200個分記憶することが可能な容量を有している。例えば、1日に遊技球が連続して10時間発射される場合には、1日に60000個の遊技球が発射されることになるので、1日に120個の短期入球個数情報群が主側RAM64の入球個数記憶エリアに記憶されることになる。したがって、主側RAM64の入球個数記憶エリアは、直近の10日間分の短期入球個数情報群を記憶することが可能となる。
そして、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された1つの短期入球個数情報群に対して1つの短期遊技履歴情報群を新たに算出する。さらに、主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、新たに記憶された短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群のそれぞれに記憶された各入球口への遊技球の入球個数を加算し、当該加算した入球個数を用いて長期間における遊技履歴情報(長期遊技履歴情報群)を算出する。すなわち、この態様11の主側CPU62xは、500個の遊技球が発射された短期間における各入球口への入球個数に基づいた短期遊技履歴情報群だけでなく、例えば、600000個(約10日分)の遊技球が発射された長期間における各入球口への入球個数に基づいた長期遊技履歴情報群を算出することが可能である。そして、算出したこれらの遊技履歴情報を主側RAM64の演算結果記憶エリアに記憶させる。
主側RAM64の演算結果記憶エリアは、短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアと、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアとによって構成されている。短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアには、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、主側CPU62xは、短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、新たに算出された短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、主側RAM64の短期遊技履歴情報群を順次記憶するエリアは、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、演算実行条件が成立する毎に新たに算出された長期遊技履歴情報群が上書きされる。すなわち、長期遊技履歴情報群を記憶するエリアには、最新の短期入球個数情報群を含む複数の短期入球個数情報群に基づいて算出された最新の長期遊技履歴情報群が記憶されることになる。
検査機320は、接続ケーブル329が検査用端子65に接続されたことを検出すると、送信要求コマンドを主側CPU62xに送信する。主側CPU62xは、検査機320から送信要求コマンドを受信すると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報を検査機320に送信する。そして、検査機320は、受信した遊技履歴情報を表示部328に表示させる。
また、この態様11では、遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させるための所定の操作が実行されると、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報が入出力ポート62xを介して音声発光制御装置90に出力され、図柄表示装置41に表示される。
また、この態様11では、パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されている。
このような構成によれば、単一の処理部である主側CPU62xが、大当たり抽選処理等の遊技を進行するための処理と、遊技履歴情報を算出、記憶する処理とを実行するので、遊技履歴情報を算出、記憶するための専用の遊技履歴管理チップ300を設ける必要がなく、パチンコ機10の製造コストを低減させることができる。
さらに、500個の遊技球が遊技盤30に発射される間にカウントされた各入球口への遊技球の入球個数に関する情報である短期入球個数情報群を主側RAM64に記憶するように構成されているので、遊技球の入球情報をそのままの形式で記憶する構成(例えば、図192の入球情報記憶用メモリ309bに記憶されている入球情報の形式で記憶する構成)と比較して、主側RAM64に必要なメモリ容量を大幅に低減しつつ、直近の短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を算出することが可能となる。
なお、主側CPU62xは、遊技履歴情報として短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群の両方を算出する構成に限らず、これらの一方のみを算出する構成としてもよい。
<態様12>
図195は、第13実施形態の態様12におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した態様11(図193)との違いは、主側MPU62に、書き換え可能であるとともに電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ64xが設けられている点である。このフラッシュメモリ64xには、上述した態様11における短期入球個数情報群を記憶するための入球個数記憶エリアと、上述した態様11における短期遊技履歴情報群及び長期遊技履歴情報群を記憶するための演算結果記憶エリアとが設けられている。
この態様12の主側CPU62xは、演算実行条件が成立する毎に、短期入球個数情報群及び算出した遊技履歴情報をフラッシュメモリ64xに記憶するように構成されている。
このような構成によれば、遊技履歴管理チップ300を備える構成と比較して、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。さらに、パチンコ機10への電源の供給が長期間にわたって絶たれても、短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が保持されるので、当該パチンコ機10がいかなる状態(例えば、長期間にわたってパチンコ機10に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、パチンコ機10と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該パチンコ機10の特性を管理、検査することができる。
また、主側RAM64に短期入球個数情報群及び遊技履歴情報を記憶させるためのエリアを設けなくてもよいため、主側RAM64の記憶容量を抑えることができ、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
<態様13>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、主制御装置60は、遊技を進行するための処理である遊技進行処理を実行可能なモードである遊技モードと、遊技履歴情報を検査機320に出力するモードである検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。遊技進行処理は、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づいて実行される処理であり、大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等が含まれる。
そして、検査モードでは、遊技球が入球検知センサー44a〜44hによって検出される領域を通過した場合であっても、遊技進行処理を実行しない構成としてもよい。
具体的には、例えば、検査モードに移行すると、主制御装置60において検査モードであるか否かを判定するための検査モードフラグがONになる。そして、主制御装置60は、検査モードフラグがONであるか否かを判定し、検査モードフラグがONであると判定した場合には、通常の遊技進行処理を実行する処理フローには進まず、検査モード用の処理フローに進む。この結果、主制御装置60は、入球検知センサー44a〜44hから遊技球が検知されたことを示す信号を受信した場合であっても、当該信号を受信したことに基づく処理(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値を取得する処理や、賞球の払出処理、音声発光制御装置90にコマンドを送信する処理等)を実行しないように構成されている。
このような構成によれば、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を検査モードにおいて実行することができる。また、このような構成によれば、検査モードにおいては遊技進行処理を実行しないので、検査モードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、検査モードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
また、遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、パチンコ機10の検査者が遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、この態様13の構成によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない検査モードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、パチンコ機10の検査者は円滑に検査を実施することができる。
なお、検査モードにおいて遊技履歴情報を出力する態様は、遊技履歴情報を検査機320に出力して表示させる態様に限らず、他の様態であってもよい。例えば、遊技履歴情報を図柄表示装置41に出力して表示させる構成としてもよい。
また、検査モードにおいて出力する情報は、遊技履歴情報に限らず、他の情報であってもよい。例えば、遊技球の入球情報や入球個数情報等のように、入球検知センサー44a〜44hによって遊技球が検知されたことに基づく他の情報であってもよい。
<態様14>
上記第13実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、遊技モードから検査モードに移行させるための所定の操作(以下では「モード切替操作」とも呼ぶ)が検査者によって実行された場合には、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、遊技モードの遊技進行処理の実行中に、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するというモード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理(大当たり抽選処理や、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)毎に予め定められた処理段階まで処理を完了させる。そして、予め定められた処理段階まで遊技進行処理が完了すると、当該処理段階の後の処理は実行されずに待機状態となる。そして、実行中の各遊技進行処理の全てが予め定められた処理段階まで処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する。
このような構成によれば、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成と比較して、検査モードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、実行中の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで処理が完了したか否かに関わらずにモード切替操作が実行された直後のタイミングで遊技モードから検査モードに移行する構成を採用した場合において、遊技モードにおいて遊技進行処理としてのメイン表示部45における図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、メイン表示部45における図柄の変動表示の途中で検査モードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、この態様14の構成によれば、例えば、遊技モードにおいて図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、モード切替操作が実行された場合には、図柄の変動表示処理が終了して図柄が停止したという処理段階まで処理が完了したタイミングで検査モードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
なお、検査モードから遊技モードに移行(復帰)した際には、検査モードに移行する前において実行予定であった残りの処理段階の遊技進行処理を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、期待していた遊技進行処理が不完全な状態で終了するといった不快感を遊技者に与えてしまうことを抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技進行処理を再開させる場合における処理上の不具合の発生を抑制することができる。
また、遊技モードにおける遊技進行処理の実行中に、モード切替操作が実行された場合には、遊技実行処理を中断させるとともに、中断させた遊技進行処理の再開を可能とする情報を主側RAM64に記憶し、当該記憶が完了したタイミングで、遊技モードから検査モードに移行する構成としてもよい。このような構成によれば、パチンコ機10は、遊技モードから検査モードに速やかに移行するので、短期間で多くのパチンコ機10を検査することが可能となる。
また、遊技モードから検査モードに移行させるためのモード切替操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。また、検査用端子65に検査機320が接続された場合に、モード切替操作が実行された場合と同様の処理を実行する構成としてもよい。
<態様15>
上記第13実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、検査モード中に、当該検査モードに移行した時点から10分が経過したという自動復帰条件が成立した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作(例えば、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行する構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行した時点から10分が経過した場合には、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、検査モードから遊技モードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに遊技モードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、パチンコ機10の検査者が検査モードにおいて出力される遊技履歴情報によって当該パチンコ機10の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、検査モードに移行した時点から10分が経過すれば遊技モードに復帰するので、パチンコ機10が遊技進行処理を実行可能な遊技モードに復帰せずに遊技者が当該パチンコ機10で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
なお、自動復帰条件は、検査モードに移行した時点から10分が経過したという条件に限らず、他の態様であってもよい。例えば、検査モードに移行した時点から5分が経過したという条件であってもよく、検査用端子65から検査機320が取り外された時点から10分が経過したという条件であってもよい。
また、検査モードから遊技モードに移行させるための所定の操作は、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、モード切替ボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様16>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンを主制御装置60に設け、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作(以下では「消去用操作」とも呼ぶ)が実行された場合に、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(初期化する)構成としてもよい。
さらに、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成としてもよい。そして、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態、例えば、検査モード中の状態や、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態では、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しない構成としてもよい。
このような構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が実行された場合であっても、主側RAM64に記憶された情報を消去しないので、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤って消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、主側RAM64に記憶されている情報を消去するための消去用操作が、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、遊技モードと検査モードとの間でモードを移行させるための操作が、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、検査モードから遊技モードに移行させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態では、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという消去用操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、遊技モードから検査モードに移行する際に、遊技モードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を検査モードへの復帰後に再開させるための情報を主側RAM64に記憶させる構成を採用した場合において、検査モードから遊技モードに復帰させようとしてモード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、検査モードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、この態様16の構成によれば、検査モードに移行後であって遊技モードに移行する前の状態において、遊技モードに移行させようとして誤ってRAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、主側RAM64に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、主側RAM64に遊技履歴情報を記憶する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を記憶するための専用のメモリを別途設けなくてもよいため、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、消去用操作が実行された場合には、パチンコ機10の状態(電源のオン、オフの状態や、遊技モードか検査モードかといった状態)に関わらず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報は消去されず、主側RAM64に記憶された遊技履歴情報以外の情報(遊技進行処理を再開するために記憶されている情報等)のみが消去される(初期化される)構成としてもよい。このような構成によれば、所定の規定範囲から逸脱した遊技履歴情報が意図的に消去されてしまうことを抑制することができる。
なお、消去用操作は、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作に限らず、他の態様であってもよい。例えば、RAMクリアボタンを押下するという単独の操作であってもよい。
<態様17>
上記第13実施形態及び上記の他の態様のうち、主制御装置60が遊技モードと検査モードとを切り替えて実行可能な構成において、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行する際には、検査モードに移行して遊技進行処理が一時的に停止することを示すコマンドである遊技停止コマンドを音声発光制御装置90に対して送信するとともに、実行中であった遊技進行処理を検査モードにおいて一時的に停止させる構成としてもよい。具体的には、例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示を実行中に検査モードに移行した場合には、メイン表示部45における表示を消灯させ、メイン表示部45における図柄の変動時間のカウントを停止する。また、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行する際には、遊技モードに移行して遊技進行処理が再開することを示すコマンドである遊技再開コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する構成としてもよい。
そして、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合には、実行中の演出を一時的に停止させ、その後、遊技再開コマンドを受信した場合には、一時的に停止させていた演出を再開させる構成とする。このような構成によれば、主制御装置60が遊技モードと検査モードとの間で移行する場合であっても、主制御装置60が実行する遊技進行処理(例えば、メイン表示部45における図柄の変動表示処理)と、音声発光制御装置90が制御する演出(例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示処理)とを同期させることが可能となり、遊技モードへの移行後に遊技者が違和感を感じてしまうことを抑制することができる。
なお、音声発光制御装置90は、遊技停止コマンドを受信した場合であっても、実行中の演出を停止させない構成としてもよい。具体的には、例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示中に遊技停止コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御を継続したまま、図柄の変動表示のレイヤーの上に別の画像(例えば、黒色の画像)のレイヤーを表示させる構成とする。ただし、図柄表示装置41における図柄の変動表示の制御は継続しているため、黒色の画像のレイヤーの下では、図柄の変動表示が継続している。そして、図柄表示装置41における図柄の変動時間が経過した場合には、黒色の画像のレイヤーの下で図柄の変動表示は終了するが、図柄は停止せずに小さく揺れている態様となる。
そして、遊技再開コマンドを主制御装置60から受信した場合には、図柄の変動表示のレイヤーよりも上に表示されていた黒色の画像のレイヤーを取り除き、再び、図柄のレイヤーを表示させる。このとき、主制御装置60は、検査モードから遊技モードに移行(復帰)し、停止していた遊技進行処理(メイン表示部45における図柄の変動表示)を再開する。
そして、主制御装置60は、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示を再開し、残りの変動時間が経過した場合、すなわち、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合には、音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信する。当該図柄停止コマンドを受信した音声発光制御装置90は、表示制御装置100に対して図柄停止コマンドを送信し、表示制御装置100は、図柄表示装置41において小さく揺れた態様で表示されていた図柄を完全に停止させる。
このような構成によれば、主制御装置60が検査モード中には、メイン表示部45における表示は消灯し、図柄表示装置41における表示は黒色の画像となる。そして、主制御装置60が検査モードから遊技モードに移行すると、変動時間のカウントを停止していたメイン表示部45における図柄の変動表示が再開され、図柄表示装置41における図柄は変動表示している態様又は小さく揺れている表示態様となる。そして、メイン表示部45における図柄が停止するタイミングで図柄表示装置41における図柄も停止することになる。すなわち、メイン表示部45における図柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とを同期させることが可能となる。また、遊技停止コマンドを受信した場合であっても実行中の演出の制御を停止させないので、実行中の演出の制御を一時的に停止させることによる不具合の発生を抑制することができる。不具合としては、例えば、一時的に演出の制御を停止させた状態から演出の制御を再開すると、複数の演出を実行していた場合において当該複数の演出のタイミングにずれが生じたり、図柄表示装置41に表示される動画とスピーカー46から出力される音声とにずれが生じたりすること等が挙げられる。
なお、メイン表示部45における図柄の変動を停止させるタイミングになった場合であっても主制御装置60が音声発光制御装置90に対して図柄停止コマンドを送信しない構成を採用した場合には、図柄表示装置41における図柄の変動表示は、小さく揺れている態様が継続することになり、その後に主制御装置60から送信される変動コマンドや、保留情報が記憶されていない場合に送信される待機コマンドを受信することによって図柄表示装置41における図柄が停止することになる。
<態様18>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、所定時刻になったことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。具体的には、例えば、午後11時10分になったことを契機として遊技モードから検査モードに移行するとともに、当該パチンコ機10の遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技ホールの閉店後である午後11時10分頃に、各パチンコ機10の遊技履歴情報が図柄表示装置41に表示された状態となるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、遊技ホールの閉店後に、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
また、ホールコンピュータから所定の信号を受信したことを契機として当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、例えば、遊技ホールに設置された全てのパチンコ機10を一斉に検査モードに移行させるとともに、各パチンコ機10の遊技履歴情報をそれぞれの図柄表示装置41に表示させることができるので、パチンコ機10の検査者は、各パチンコ機10を遊技モードから検査モードに移行させる手間をかけることなく、速やかに多くのパチンコ機10の遊技履歴情報を検査、確認することが可能となる。
<態様19>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、遊技履歴情報を常に図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者や検査者は常に遊技履歴情報を確認することができるので、遊技履歴情報が所定の範囲から逸脱している等の異変が生じた場合に、早急に当該異変に気付くことが可能となる。この結果、遊技の健全性を早急に確保することが可能となる。
<態様20>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器をパチンコ機10の背面に設け、当該7セグメント表示器に当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を表示する構成としてもよい。例えば、主制御装置60が上述した遊技モードから検査モードに移行した際に、当該パチンコ機10に記憶されている役物比率や払出比率(通常モード時)等が所定の範囲内であるか否かを7セグメント表示器に表示させる構成としてもよい。
より具体的には、例えば、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行すると、役物比率に関する表示を行なうことを示す「1」が7セグメント表示器に表示された後、当該役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、役物比率が0.700以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。役物比率に関する表示を行なった後、連続役物比率に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該連続役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、連続役物比率が0.600以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該連続役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。連続役物比率に関する表示を行なった後、払出比率(通常モード時)に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内である場合(具体的には、払出比率(通常モード時)が0.60から0.70の範囲内である場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。
このような構成によれば、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、7セグメント表示器は消費電力が少ないため、パチンコ機10の電源がオフの状態であっても、パチンコ機10の内部に設けられたコンデンサやバッテリー等による少ない電力のみで遊技履歴情報を検査することが可能となる。
また、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を7セグメント表示器に常に表示させる構成としてもよい。このような構成によれば、遊技モードから検査モードに切り替えることなく、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、検査モードを有さないパチンコ機10においても、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。さらに、当該7セグメント表示器がパチンコ機10の背面に設けられている構成とすれば、当該7セグメント表示器が遊技者の視界に入らないので、遊技者が当該7セグメント表示器の表示が気になってしまい、遊技に集中できなくなってしまうことを抑制することができる。一方、パチンコ機10の検査者が当該パチンコ機10の遊技履歴情報を検査する場合には、ヒンジ15によって支持されているパチンコ機本体12を手前に回動させ、パチンコ機本体12の背面に設けられた7セグメント表示器の表示を確認すればよいため、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。なお、7セグメント表示器の代わりに、7つ以外の個数の発光ダイオードによって構成されたセグメント表示器など、遊技履歴情報を認識可能な態様で表示可能な他の表示器を採用してもよい。
<態様21>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。
このような構成によれば、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアにアクセスすることができない構成や、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データの記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、音声発光制御装置90が主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを取得することが可能となり、遊技履歴情報を算出することが可能となる。また、主制御装置60の代わりに音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出するので、主制御装置60の処理負荷を大幅に低減させることができる。
<態様22>
上記第13実施形態及び上記の他の態様は、遊技モードから検査モードに移行可能なパチンコ機10に限らず、遊技モードから他のモードに移行可能な遊技機に対しても適用することができる。例えば、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグの状態、記憶されている保留情報の内容等、遊技に関する処理の状態を表示可能な遊技状態表示モードを備える遊技機に対しても適用することができる。
<態様23>
上記第13実施形態及び上記の他の態様は、パチンコ機10に限らず、他の種別の遊技機に対しても適用することができる。例えば、パチンコ型スロットマシン等の回胴式遊技機に対しても適用することができる。具体的には、例えば、ボーナス時に当選して得た遊技メダルの枚数と、通常区間中に引いた子役で得られる遊技メダルの枚数と、ボーナスとは別の有利区間(AT、ART)中に得られる遊技メダルの枚数との比率を算出し、当該比率を液晶表示装置に表示する構成や、当該比率を検査機に出力し、当該検査機の表示部に当該比率を表示させる構成に対して適用することができる。
<態様24>
上記第13実施形態及び上記の他の態様において、ソフトウェアによって実現(CPUがプログラムを実行することによって実現)されている機能の一部又は全部をハードウェアによって実現する構成としてもよい。例えば、遊技履歴管理チップ300は、遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行するために設計された専用のハードウェアを備える構成としてもよい。このような構成によれば、遊技履歴情報を算出するための演算処理を高速化することができるとともに、演算用のプログラムが不正に改竄されて正しい遊技履歴情報が算出されない等といった不正の発生を抑制することができる。なお、当該ハードウェアは、デジタル回路で構成されていてもよく、アナログ回路で構成されていてもよい。アナログ回路で構成されていれば、デジタル回路よりもさらに演算処理を高速化することができる。
<態様25>
上記第13実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。例えば、上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記第13実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様2から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様1に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様3から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様2に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様4から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様3に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様5から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様4に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様6から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様5に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様7から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様6に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様8から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様7に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様9から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様8に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様10から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様9に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様11から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様10に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様12から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様11に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様13から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様12に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様14から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様13に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様15から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様14に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様16から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様15に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様17から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様16に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様18から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様17に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様19から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様18に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様20から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様19に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様21から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様20に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様22から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様21に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様23から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様22に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様23に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。これにより、その差し替えたり組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。また、上記第13実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成と第13実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。また、上記第13実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる構成のうち、必須でない構成は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜省略することが可能である。
N.第14実施形態:
N1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図196は、第14実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図197は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図198は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図198(a)は、図柄表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄または第2液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。以下、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄をまとめて液晶用図柄と呼ぶ場合がある。
図198(a)に示すように、図柄表示装置41には、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図198(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図198(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図198(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
また、図198(b)に示すように、表示面41aには、液晶用普図表示領域NAが表示される。液晶用普図表示領域NAには、普図ユニット38に対応する図柄が表示される。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として行われた電動役物開放抽選の抽選結果に対応する図柄の表示を行う。本実施形態においては、液晶用普図表示領域NAには、1〜8の数字が、縦に3つ表示される。縦に並んだ3つの数字は、周期性をもって変動する。変動表示の後、縦に3つ1組の数字の図柄が停止した状態で表示される。
さらに、図198(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には、保留遊技回に対応した保留表示Dm11、保留表示Dm12、保留表示Dm13、保留表示Dm14の4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。保留遊技回が、遊技回として実行される場合には、保留表示Dm11に対応した保留遊技回から順に遊技回として実行される。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には、保留遊技回に対応した保留表示Dm21、保留表示Dm22、保留表示Dm23、保留表示Dm24の4つの保留遊技回に対応した保留表示が表示可能である。保留遊技回が、遊技回として実行される場合には、保留表示Dm21に対応した保留遊技回から順に遊技回として実行される。図示するように、本実施形態においては、保留遊技回を示す保留表示は、忍者を模したキャラクター画像として表示される。
図示するように、表示面41aには、ステージSGが表示されている。保留表示Dm11に対応する保留遊技回、または、保留表示Dm21に対応する保留遊技回が、遊技回として実行される場合には、保留表示Dm11または保留表示Dm21として表示されていたキャラクター画像がステージSGの上に移動し、実行される遊技回または実行中の遊技回(実行遊技回)を示す実行遊技回表示Dpとして表示面41aに表示される。保留表示Dm11または保留表示Dm21に対応する保留遊技回が実行遊技回になった場合には、保留表示Dm12〜保留表示Dm14として表示されていた保留遊技回、または、保留表示Dm22〜保留表示Dm24として表示されていた保留遊技回は、各々、保留表示Dm11〜保留表示Dm13、保留表示Dm21〜保留表示Dm23として表示される。以下、保留表示Dmおよび実行遊技回表示Dpをまとめて遊技回表示とも呼ぶ。
また、図198(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、液晶用普図表示領域NA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
N2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図199は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図200は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図198(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=464,465であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=0〜463であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図201は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図201(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図201(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図201(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図201(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図202は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図202(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図202(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図202(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図202(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図203は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図203(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図203(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図203(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図203(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図204は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図204(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図204(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図204(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図204(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
N3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
本実施形態のパチンコ機10は、所定の場合に、実行される演出の時間に相関のある量(以下、演出時間相関量とも呼ぶ)を示唆する示唆演出を実行する。具体的には、保留表示Dmや実行遊技回表示Dp等の遊技回表示の表示態様によって演出時間相関量を示唆する。本実施形態においては、遊技回表示のうち保留表示Dmの表示態様によって演出時間相関量を示唆する構成を採用する。また、本実施形態においては、示唆演出が示唆する演出時間相関量は、一の遊技回において実行される演出の時間に相関のある量を示す。
詳細は後述するが、通常の状態において1回の保留遊技回を示す保留表示Dmとして第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2に表示されている1つの忍者のキャラクターを、所定の場合に、複数の忍者のキャラクターの表示に変化させる。そして、変化後の忍者のキャラクターの数が、演出時間相関量として所定の数値情報を示す。本実施形態においては、通常の状態において1回の保留遊技回として表示されている1つの忍者のキャラクターが分身する演出(分身演出)を実行し、当該分身演出の実行を契機として、1つの忍者のキャラクターを複数の忍者のキャラクターの表示に変化させる。すなわち、本実施形態においては、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量である演出時間相関量を示唆する示唆演出として、1つの忍者のキャラクターを複数の忍者のキャラクターの表示に変化させる分身演出を採用する。分身演出を、保留表示Dmを示す忍者のキャラクターによって行う場合、当該演出を保留遊技回分身演出とも呼ぶ。なお、後述する「その他の態様」で説明するが、分身演出を、実行遊技回表示Dpを示す忍者のキャラクターによって行う場合、当該演出を実行遊技回分身演出とも呼ぶ。以下、保留遊技回分身演出について具体的に説明する。
図205は、保留遊技回分身演出について説明する説明図である。本説明では、第1保留表示領域Ds1に表示される保留表示を例にして説明をする。
図205(a)に示すように、第1保留表示領域Ds1には、保留表示Dm11、保留表示Dm12及び保留表示Dm13が表示されている。すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機とする遊技回が、保留遊技回として3つ保留されている。
図205(b)に示すように、所定の場合に、保留表示Dm11を示す忍者のキャラクターが分身を開始する。その後、図205(c)に示すように、保留表示Dm11を示す1つの忍者のキャラクターは、分身することによって、3つの忍者のキャラクターの表示に変化する。表示が変化した後の3つの忍者のキャラクターから成る保留表示Dm11を、数的保留表示Dm11a、数的保留表示Dm11b、数的保留表示Dm11cとも呼ぶ。なお、本実施形態においては、数的保留表示Dm11a、数的保留表示Dm11bおよび数的保留表示Dm11cを、遊技者が差異を認識可能な程度に異なる形態で表示するが、各数的表示を同一の形態で表示してもよい。
本実施形態においては、保留されている保留遊技回が、その後に遊技回として実行された際に、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりである場合、または、外れではあるがリーチが発生する場合のいずれかの場合であって、パチンコ機10における内部処理において、保留遊技回分身演出を実行すると判断した場合に、当該保留遊技回を示す保留表示を用いて保留遊技回分身演出を実行する。
パチンコ機10は、保留遊技回分身演出を実行した保留遊技回が、遊技回として実行される場合に、当該遊技回において所定の演出(以下、結果報知示唆演出演出とも呼ぶ)を実行する。
図206から図210は、結果報知示唆演出を説明する説明図である。本説明では、保留遊技回分身演出が実行された保留遊技回が、その後に遊技回として実行された際に、当該遊技回における大当たり抽選の結果がリーチ発生(外れ)となる場合に実行される結果報知示唆演出について説明する。
図206(a)は、保留遊技回分身演出が実行された保留表示Dm11が数的保留表示Dm11a〜Dm11cとして表示されると共に、実行中の遊技回の遊技回用動作が終了した時点における表示面41aの様子を示している。メイン表示領域MAには、ステージSG上の実行遊技回表示Dpに対応する遊技回の大当たり抽選の結果が表示されている。図示するように、メイン表示領域MAに表示された図柄は「3・4・1」であり、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果は外れである。
図206(b)は、新たな遊技回が開始された直後の表示面41aの様子を示している。すなわち、図206(a)において数的保留表示Dm11a〜Dm11cとして表示されていた保留表示Dm11に対応する保留遊技回が、遊技回として実行され、メイン表示領域MAに表示される第1液晶用図柄の変動表示が実行されている様子を示している。図示するように、図206(a)において数的保留表示Dm11a〜Dm11cとして表示されていた保留表示Dm11は、ステージSGに移動し、各々、実行遊技回表示Dp1、実行遊技回表示Dp2、実行遊技回表示Dp3として表示される。このとき、1回の遊技回を示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cは、一体となってステージSGに移動し、実行遊技回表示Dp1〜Dp3として表示される。
図207(a)は、実行中の遊技回において、メイン表示領域MAに表示されている第1液晶用図柄が、リーチの状態であるとともに、擬似的に停止表示となった状態(以下、擬似停止状態とも呼ぶ)を示している。擬似停止状態においては、液晶用図柄は完全には停止しておらず、わずかに変動しており、パチンコ機10の内部処理においては液晶用図柄が変動表示している状態である。液晶用図柄の擬似停止状態は、演出上、液晶用図柄があたかも停止表示に移行したかのように遊技者に認識させるための表示状態である。また、擬似停止状態においては、第1図柄表示部37a(または第2図柄表示部37b)に表示されている図柄は変動を継続している。
図207(a)に示すように、メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄が「7・6・7」のリーチの状態で擬似的に停止して表示されている。液晶用図柄を、大当たり抽選の抽選結果の「外れ」(リーチを含む)を示す図柄で擬似的に停止させることによって、遊技者に対して、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が外れであると認識させることができる。
メイン表示領域MAの第1液晶用図柄が「7・6・7」のリーチの状態で擬似停止状態に移行した後、結果報知示唆演出を実行する。具体的には、図207(b)に示すように、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp1に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。すなわち、第1液晶用図柄が大当たり抽選の抽選結果として「リーチ」から「大当たり」に変化する可能性があることを遊技者に示唆する演出を実行する。このような演出を実行することによって、遊技者に期待感を付与することができる。
図208(a)は、図207(b)に示した実行遊技回表示Dp1を用いた演出によっても第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化しなかった様子を示している。すなわち、メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄が「7・6・7」のリーチの状態で擬似的に停止して表示されている。このような演出を実行することによって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
その後、図208(b)に示すように、結果報知示唆演出として、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp2に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。すなわち、第1液晶用図柄が大当たり抽選の抽選結果として「リーチ」から「大当たり」に変化する可能性があることを遊技者に示唆する演出を実行する。
図209(a)は、図208(b)に示した実行遊技回表示Dp2を用いた演出によっても第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化しなかった様子を示している。すなわち、メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄が「7・6・7」のリーチの状態で擬似的に停止して表示されている。
その後、図209(b)に示すように、結果報知示唆演出として、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp3に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。すなわち、第1液晶用図柄が大当たり抽選の抽選結果として「リーチ」から「大当たり」に変化する可能性があることを遊技者に示唆する演出を実行する。
図210(a)は、図209(b)に示した実行遊技回表示Dp3を用いた演出によっても第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化しなかった様子を示している。このとき、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄は、「7・6・7」の図柄のまま、擬似停止状態から停止表示状態に移行する。すなわち、メイン表示領域MAに表示されている第1液晶用図柄は完全に停止した状態である。
遊技者は、第1液晶用図柄が、大当たり抽選の結果として「外れ」に対応する図柄で完全に停止したことを認識することで、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が外れであることを認識する。もしくは、大当たり抽選の結果として「外れ」に対応する図柄で停止した後、当該遊技回が終了し、図210(b)に示すように、次の遊技回が開始されたことを認識することで、前回の遊技回における大当たり抽選の抽選結果が「外れ」であることを認識する。
このように、分身演出を契機として表示された数的保留表示(上記例ではDm11a、Dm11b、Dm11c)の数が、遊技回において実行される結果報知示唆演出の数を示唆している。遊技者は、数的保留表示の数を認識することで、遊技回において実行される結果報知示唆演出の実行回数を認識するとともに、当該遊技回において演出が実行される時間を推測する。例えば、数的保留表示の数が2つ表示される場合よりも、3つ表示される場合の方が演出が実行される時間が長いと推測し、3つ表示される場合よりも、4つ表示される場合の方が演出が実行される時間が長いと推測する。換言すれば、本実施形態における数的保留表示の数は、遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を示唆している。上述のように、実行される演出の時間に相関のある量を演出時間相関量とも呼ぶ。本実施形態における演出時間相関量は一の遊技回で実行される結果報知示唆演出の回数であり、当該結果報知示唆演出の回数を分身演出を契機として表示する数的保留表示によって示唆している。
次に、保留遊技回分身演出が実行された保留遊技回が、その後に遊技回として実行された際に、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりとなる場合に実行される結果報知示唆演出について説明する。
保留遊技回分身演出が実行された保留遊技回が、その後に遊技回として実行された際に、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりとなる場合には、演出時間相関量として示唆された数的保留表示の数と同じ数の結果報知示唆演出が遊技回において実行される場合と、演出時間相関量として示唆された数的保留表示の数とは異なる数の結果報知示唆演出が遊技回において実行される場合とがある。
図211、図212は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合であって、演出時間相関量として示唆された数的保留表示の数と同じ数の結果報知示唆演出が遊技回において実行される場合の結果報知示唆演出について説明する説明図である。
図211(a)は、実行遊技回表示Dp1および実行遊技回表示Dp2を用いた結果報知示唆演出が実行された後の表示面41aの状態を示している。すなわち、実行遊技回表示Dp1を用いた結果報知示唆演出によってもメイン表示領域MAの第1液晶用図柄が「7・6・7」で維持され、実行遊技回表示Dp2を用いた結果報知示唆演出によってもメイン表示領域MAの第1液晶用図柄が「7・6・7」で維持されている状態である。ステージSGには、実行遊技回表示Dp3に対応する忍者のキャラクターが表示されている。
その後、図211(b)に示すように、結果報知示唆演出として、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp3に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。すなわち、第1液晶用図柄が大当たり抽選の抽選結果として「リーチ」から「大当たり」に変化する可能性があることを遊技者に示唆する演出を実行する。
図212(a)は、図211(b)に示した実行遊技回表示Dp2を用いた演出によって第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化した様子を示している。このとき、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄は、「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行する。
その後、図210(b)に示すように、表示面41aに「大当たり」の文字を表示し、遊技者に、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりであることを報知する。
このように、保留遊技回分身演出および結果報知示唆演出を実行することによって、保留遊技回分身演出および結果報知示唆演出を実行せずに大当たり抽選の結果が大当たりであったことを報知する場合と比較して、遊技者の期待感や緊張感に抑揚を付与することができるとともに、遊技者に、満足感や達成感を付与することができる。
図213から図215は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合であって、演出時間相関量として示唆された数的保留表示の数とは異なる数の結果報知示唆演出が遊技回において実行される場合の結果報知示唆演出について説明する説明図である。
図213(a)に示すように、保留遊技回分身演出において、保留表示Dm11を3つの数的保留表示Dm11a〜Dm11cとして表示し、保留表示Dm11に対応する保留遊技回が遊技回として実行される際に、数的保留表示Dm11a〜Dm11cは、ステージSGに移動して、3つの実行遊技回表示Dp1〜Dp3として表示される。
その後、図213(b)に示すように、結果報知示唆演出として、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp1に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。
しかし、図214(a)に示すように、実行遊技回表示Dp1を用いた演出によっても第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化しない。
その後、図214(b)に示すように、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dp2に対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。
図215(a)は、図214(b)に示した実行遊技回表示Dp2を用いた演出によって第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」が数字「7」に変化した様子を示している。このとき、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄は、「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行する。
その後、図215(b)に示すように、表示面41aに「大当たり」の文字を表示し、遊技者に、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりであることを報知する。なお、当該パターンの結果報知示唆演出の場合、実行遊技回表示Dp3に対応する忍者のキャラクターはステージSGの残った状態で当該遊技回は終了する。
このように、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、演出時間相関量として示唆した数的保留表示の数とは異なる数の結果報知示唆演出を遊技回において実行し、大当たり抽選の結果を報知する場合がある。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技回として実行された際に大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」またはリーチ(外れ)が発生する遊技回が保留遊技回として保留されている場合において、分身演出を実行すると判断した場合には、当該保留遊技回に対応する保留表示に対して保留遊技回分身演出を実行して数的保留表示を表示するとともに、当該保留遊技回が遊技回として実行された際には、結果報知示唆演出を実行する。従って、保留遊技回分身演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、大当たり抽選の結果に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、大当たり抽選の抽選結果がリーチ発生(外れ)の場合には、数的保留表示として示した忍者のキャラクターの数と同じ回数の結果報知示唆演出を遊技回において実行するので、遊技者は、保留遊技回分身演出が実行され、数的保留表示としての分身した忍者のキャラクターを認識すると、当該数的保留表示の数として示唆された回数と同じ回数の結果報知示唆演出が実行されると認識する。
しかしながら、大当たり抽選の結果が大当たりの場合には、数的保留表示として示した忍者のキャラクターの数と異なる回数の結果報知示唆演出を遊技回において実行する場合がある。従って、数的保留表示の数によって示唆された回数の結果報知示唆演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数とは異なる回数の結果報知示唆演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。また、保留遊技回分身演出を契機として表示された数的保留表示の数を認識した遊技者は、数的保留表示の数に対応した回数の結果報知示唆演出の実行に要する時間を推測しながら演出を鑑賞するとともに、遊技回が終了するまでの時間を大凡想定しながら大当たり抽選の結果に期待する。そのような遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の結果報知示唆演出を実行して遊技回を終了することによって、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができ、意外性を付与することができる。
また、保留遊技回分身演出が実行された保留遊技回が遊技回として実行され、結果報知示唆演出が実行された際に、遊技者に対して、いずれの実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出で大当たりが報知されるのかといった緊迫感を付与することができる。
さらに、実行遊技回表示Dpが残り1つの表示(例えば、図209(a)の状態)となった場合には、当該実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出が実行された後に大当たり抽選による結果が大当たりであるか外れであるかが明確になるので、遊技者は、最後の実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出に大きな期待感や緊迫感を抱く。具体的には、最後の実行遊技回表示Dpによる演出が実行された後のメイン表示領域MAの表示が、大当たりに対応する表示(例えば図212(a)の状態)となるのか、外れに対応する表示(例えば図210(a)の状態)となるのかといった表示面41aの表示の変化に対して非常に注目すると共に、大当たり抽選の結果が報知された際に、当該抽選結果が大当たりの場合には、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、より大きな喜びを感じ、外れの場合には、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、より落胆する。従って、保留遊技回分身演出を実行することによって、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、遊技者に対して、大当たり抽選の結果についてより大きな期待感や緊迫感を付与することができるとともに、より大きな気分の抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
N4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図216は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS10201では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS10202に進む。
ステップS10202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10203に進む。
ステップS10203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10204に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図222)において、その値を更新する。
ステップS10204では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS10204の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS10204を実行した後、ステップS10205に進む。
ステップS10205では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS10205におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS10205を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図216:S10204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図217は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS10301では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS10301において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S10301:YES)、ステップS10302に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS10303に進む。
ステップS10303では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS10304に進む。
ステップS10304では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS10309に進む。
ステップS10301において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S10301:NO)、ステップS10305に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS10305において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S10305:YES)、ステップS10306に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS10307に進む。一方、ステップS10305において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S10305:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS10307では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS10308に進む。
ステップS10308では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS10309に進む。
ステップS10309では、上述したステップS10304又はステップS10308において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS10309において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S10309:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS10309において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S10309:YES)、ステップS10310に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS10311に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS10312に進む。
ステップS10312では、ステップS10203(図216)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図222)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS10310において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS10203(図216)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS10310において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS10203(図216)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS10310において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS10312を実行した後、ステップS10313に進む。
ステップS10313では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS10313を実行した後、ステップS10314に進む。
ステップS10314では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図222:ステップS10803)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS10314を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図217:S10313)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図218は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS10401では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS10401を実行した後、ステップS10402に進む。
ステップS10402では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS10402を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図218:S10401)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図219は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS10501では、始動口用の入賞処理(図217)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS10502に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS10502において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S10502:YES)、ステップS10503に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS10505に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS10502において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S10502:NO)、ステップS10504に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS10505に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS10505において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S10505:YES)、ステップS10506に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS10507に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS10507を実行した後、ステップS10508に進む。
ステップS10508では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS10508において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S10508:YES)、ステップS10509に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS10508において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S10508:NO)、ステップS10510に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS10505において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S10505:NO)、ステップS10511に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS10512に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS10513に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS10513において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S10513:YES)、ステップS10514に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS10513において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S10513:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図218:S10402)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図220は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS10601では、始動口用の入賞処理(図217)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS10602に進む。
ステップS10602では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した大当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S10602:YES)、ステップS10603に進む。
ステップS10603では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS10603を実行した後、ステップS10604に進む。
ステップS10604では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS10602において、大当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS10602:NO)、ステップS10605に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS10605において、リーチが発生すると判定した場合には(S10605:YES)、ステップS10606に進む。
ステップS10606では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS10604に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS10605において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS10605:NO)、ステップS10607に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS10604に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図216:ステップS10205)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図221は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS10701では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS10701において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S10701:YES)、ステップS10702に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS10701において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S10701:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS10702において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S10702:YES)、ステップS10703に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS10704に進む。
ステップS10704では、ステップS10203(図216)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS10702において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S10702:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図222は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS10801では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS10802に進む。
ステップS10802では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS10803に進む。
ステップS10803では、ステップS10802において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS10803を実行した後、ステップS10804に進む。
ステップS10804では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10805に進む。
ステップS10805では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS10806に進む。ステップS10806では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS10806を実行した後、ステップS10807に進む。
ステップS10807では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS10808に進む。
ステップS10808では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS10809に進む。
ステップS10809では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS10803のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS10809において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S10809:NO)、ステップS10810及びステップS10811において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS10810において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS10811において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS10809において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S10809:YES)、ステップS10803に戻り、ステップS10803からステップS10808までの各処理を実行する。
なお、ステップS10803からステップS10808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図222:S10806)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図223は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS10901では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS10901においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S10901:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS10902以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS10901において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S10901:NO)、ステップS10902に進む。
ステップS10902では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS10902において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S10902:NO)、ステップS10903〜ステップS10905の遊技回開始用の処理に進む。ステップS10903では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS10903において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S10903:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS10903において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S10903:NO)、ステップS10904に進む。
ステップS10904では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS10905に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS10905では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS10906に進む。
ステップS10906では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS10906を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS10902において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S10902:YES)、ステップS10907〜ステップS10909の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS10907では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS10907では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図226)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS10907において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S10907:NO)、ステップS10908に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS10908を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS10907において、変動時間が経過していると判定した場合には(S10907:YES)、ステップS10909に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図225)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS10909を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図223:S10904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図224は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS11001では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図200)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図200)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS11001の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS11001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS11001:YES)、ステップS11002〜ステップS11007の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS11001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS11001:NO)、ステップS11008〜ステップS11013の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS11002では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS11003に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS11004に進む。ステップS11004では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS11005に進む。
ステップS11005では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS11005を実行した後、ステップS11006に進む。
ステップS11006では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS11007へ進む。
ステップS11007では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS11007において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図222)におけるステップS10803において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS11001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS11001:NO)、ステップS11008に進む。
ステップS11008では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS11009に進む。ステップS11009では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS11010に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS11011に進む。
ステップS11011では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS11011を実行した後、ステップS11012に進む。
ステップS11012では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS11013に進む。
ステップS11013では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS11013において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図222)におけるステップS10803において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図223:S10905)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図225は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS11101では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS11101において、高確率モードであると判定した場合には(S11101:YES)、ステップS11102に進む。
ステップS11102では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図201(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS11104に進む。一方、ステップS11101において高確率モードではないと判定した場合には(S11101:NO)、ステップS11103に進む。
ステップS11103では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図201(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS11104に進む。
ステップS11104では、ステップS11102又はステップS11103における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS11104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S11104:YES)、ステップS11105〜ステップS11112において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS11105では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11105において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S11105:NO)、ステップS11106に進み、第1始動口用の振分テーブル(図203(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS11105において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S11105:YES)、ステップS11107に進み、第2始動口用の振分テーブル(図203(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS11106又はステップS11107の処理を実行した後。ステップS11108に進む。
ステップS11108では、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS11108において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S11108:YES)、ステップS11109に進む。
ステップS11109では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11109を実行した後、ステップS11110に進む。
ステップS11110では、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS11116に進む。
一方、ステップS11108において、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S11108:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS11111に進む。
ステップS11111では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11111を実行した後、ステップS11112に進む。
ステップS11112では、ステップS11106又はステップS11107において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS11116に進む。
ステップS11104において、ステップS11102又はステップS11103における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S11104:NO)、ステップS11113に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS11113において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S11113:YES)、ステップS11114に進む。
ステップS11114では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11114を実行した後、ステップS11116に進む。
ステップS11113において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S11113:NO)、ステップS11115に進む。
ステップS11115では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11115を実行した後、ステップS11116に進む。
ステップS11116では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS11116を実行した後、ステップS11117に進む。
ステップS11117では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11117において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S11117:NO)、ステップS11118に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS11116で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップS11117において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S11117:YES)、ステップS11119に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS11116で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS11118又はステップS11119を実行した後、ステップS11120に進む。
ステップS11120では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS11118〜ステップS11120にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図222)におけるステップS10803によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS11120を実行後、ステップS11121に進む。
ステップS11121では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS11121を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図225:S11116)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図226は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS11201では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS11202に進む。
ステップS11202では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S11202:YES)、ステップS11203に進む。
ステップS11203では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS11204に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS11202において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S11202:NO)、ステップS11205に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS11202において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S11205)を実行することから、ステップS11205においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S11205:YES)、ステップS11206に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS11206では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS11204に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS11205において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S11205:NO)、ステップS11207に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS11204に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図222:S10807)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図227は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS11301では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS11301において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S11301:NO)、ステップS11302に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS11302において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S11302:NO)、ステップS11303に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS11303において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S11303:NO)、ステップS11304に進み、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS11304において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S11304:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11304において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S11304:YES)、ステップS11305に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S11305:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11305において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S11305:YES)、ステップS11306に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS11307に進む。
ステップS11307では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS11307を実行した後、ステップS11308に進む。
ステップS11308では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図222)におけるステップS10803にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS11308を実行した後、ステップS11309に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11303において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S11303:YES)、ステップS11310に進む。
ステップS11310では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11310において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S11310:YES)、ステップS11311に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS11312に進む。
ステップS11312では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS11312を実行した後、ステップS11313に進む。
ステップS11313では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認する。ステップS11313において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S11313:YES)、ステップS11314に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、ステップS11313において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S11313:NO)、ステップS11315に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS11314又はステップS11315を実行した後、ステップS11316に進む。
ステップS11316では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11302において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S11302:YES)、ステップS11317に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS11317を実行した後、ステップS11318に進む。
ステップS11318では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11319:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11318:YES)、ステップS11319に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS11319を実行した後、ステップS11320に進む。
ステップS11320では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS11320を実行した後、ステップS11321に進む。
ステップS11321では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS11321を実行した後、ステップS11322に進む。
ステップS11322では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図222)におけるステップS10703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS11322を実行した後、ステップS11323に進む。
ステップS11323では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11301において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S11301:YES)、ステップS11324に進む。
ステップS11324では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S11323)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11324において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S11324:YES)、ステップS11325に進む。
ステップS11325では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS11326に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS11326を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS11324において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S11324:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図227:11217)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図228は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS11401では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS11401において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S11401:NO)、ステップS11402に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11402:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11402:NO)、ステップS11403に進む。
ステップS11403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S11403:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S11403:YES)、ステップS11404に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS11405に進む。
ステップS11405では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS11405を実行した後、ステップS11406に進む。
ステップS11406では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図222:ステップS10803)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS11401において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS11401:YES)、ステップS11407に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS11407において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S11407:NO)、ステップS11408に進む。
ステップS11408では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS11408において、入賞が発生していないと判定した場合には(S11408:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11408において、入賞が発生していると判定した場合には(S11408:YES)、ステップS11409に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS11410に進む。
ステップS11410では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11410において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S11410:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS11407において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S11407:YES)、又は、ステップS11410において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S11410:YES)、ステップS11411に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS11412に進む。
ステップS11412では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS11413に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11413:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11413:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS11414を実行した後、ステップS11415に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図222:ステップS10803)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図227:S11326)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図229は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS11501では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11501において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S11501:YES)、ステップS11502に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS11502を実行した後、ステップS11503に進む。
ステップS11503では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS11504に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS11505に進む。
ステップS11505では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS11506に進む。
ステップS11506では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS11510に進む。
一方、ステップS11501において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S11501:NO)、ステップS11507に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS11508に進む。
ステップS11508では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS11509に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS11510に進む。
ステップS11510では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図222:S10808)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図230は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS11601では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS11601において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S11601:NO)、ステップS11602に進む。
ステップS11602では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS11602において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S11602:NO)、ステップS11603に進む。
ステップS11603では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS11603において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11603:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11603:YES)、ステップS11604に進む。
ステップS11604では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS11604において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S11604:YES)、ステップS11605に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS11604において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S11604:NO)、ステップS11606に進む。
ステップS11606では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS11606において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S11606:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11606において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S11606:YES)、ステップS11607に進む。
ステップS11607では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS11608に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS11607において開閉実行モードではなく(S11607:NO)、且つ、ステップS11608において高頻度サポートモードである場合には(S11608:YES)、ステップS11609に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図204(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS11610に進む。
ステップS11610では、ステップS11609の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS11610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S11610:YES)、ステップS11611に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS11612に進む。一方、ステップS11610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S11610:NO)、ステップS11611の処理を実行することなく、ステップS11612に進む。
ステップS11612では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS11612において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S11612:YES)、ステップS11613に進む。一方、ステップS11612において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S11612:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11613では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS11613において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S11613:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11613において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS11614に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS11615に進む。
ステップS11615では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS11615にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図222:ステップS10803)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS11607において開閉実行モードであると判定した場合(S11607:YES)、又は、ステップS11618において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S11608:NO)、ステップS11616に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS11617に進む。
ステップS11617では、ステップS11616の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS11617において、サポート当選でないと判定した場合には(S11617:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11617において、サポート当選であると判定した場合には(S11617:YES)、ステップS11618に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11602において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S11602:YES)、ステップS11619に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11619において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11619:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11619において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11619:YES)、ステップS11620に進む。
ステップS11620では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS11621に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11601において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S11601:YES)、ステップS11622に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図230:S11622)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図231は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS11701では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S11701:YES)、ステップS11702に進む。
ステップS11702では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11702:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS11702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11702:YES)、ステップS11703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS11703を実行した後、ステップS11704に進む。
ステップS11704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS11705に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S11705:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS11705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S11705:YES)、ステップS11706に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS11701において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S11701:NO)、ステップS11707に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S11707:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS11607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S11707:YES)、ステップS11708に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS11709に進む。
ステップS11709では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S11709:NO)、ステップS11710に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS11710において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S11710:YES)、ステップS11711に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS11709において開閉実行モードであると判定した場合(S11709:YES)、又は、ステップS11710において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S11710:NO)、ステップS11712に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
N5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図232は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
N6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図233は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS11801では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS11801を実行した後、ステップS11802に進む。
ステップS11802では、保留表示設定処理を実行する。保留表示設定処理は、遊技球が第1始動口33および第2始動口34に入球したことを契機とした保留遊技回が生成された場合に、第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2に表示する保留表示の表示態様を設定するための処理である。具体的には、保留表示を用いた保留遊技回分身演出を実行するか否かの制御や、分身保留演出を実行する場合に表示する数的保留表示の数等を制御する処理である。保留表示設定処理の詳細については後述する。ステップS11802を実行した後、ステップS11803を実行する。
ステップS11803では、演出設定処理を実行する。演出設定処理は、遊技回において実行する演出を制御するための処理である。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS11803を実行した後、ステップS11804に進む。
ステップS11804では、上記保留表示設定処理および演出設定処理以外の他の設定処理を実行する。具体的には、遊技回が所定時間以上実行されていない場合に表示面41aに表示させるデモ動画を設定するデモ動画設定処理や、RTC(RTC:Real‐Time Clock)によって予め設定された時刻に実行する演出であるRTC演出を設定するRTC演出設定処理などを実行する。ステップS11804を実行した後、ステップS11805に進む。
ステップS11805では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS11802〜S11804の各種処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS11805を実行した後、ステップS11806に進む。
ステップS11806では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS11802〜S11804の各種処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS11806を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留表示設定処理>
次に、保留表示設定処理について説明する。保留表示設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図233:S11801)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図234は、保留表示設定処理を示すフローチャートである。ステップS11901では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS11901において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(S11901:YES)、ステップS11902に進む。一方、ステップS11901において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S11901:NO)、本保留表示設定処理を終了する。
ステップS11902では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS11902の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS11902を実行した後、ステップS11903に進む。
ステップS11903では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS11902において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2の表示態様を制御する。ステップS11903を実行した後、ステップS11904に進む。
ステップS11904では、保留演出設定処理を実行する。保留演出設定処理の詳細については後述する。ステップS11904を実行した後、本保留表示設定処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、保留表示設定処理のサブルーチン(図234:S11802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図235は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS12001では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS12001において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S12001:YES)、ステップS12002に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS12002を実行した後、ステップS12004に進む。
ステップS12001において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S12001:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS12003に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS12003を実行した後、ステップS12004に進む。
ステップS12002及びステップS12003の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS12004では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS12004を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<保留演出設定処理>
次に、保留演出設定処理について説明する。保留演出設定処理は、保留表示設定処理のサブルーチン(図234:S11904)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図236は、保留演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS12101では、受信した保留コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無および変動時間に関する情報を読み出す。すなわち、当該保留コマンドに対応する保留遊技回が遊技回として実行された際の、当該遊技回における大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無および変動時間に関する情報を読み出す。ステップS12101を実行した後、ステップS12102に進む。
ステップS12102では、ステップS12101において保留コマンドから読み出した情報に基づいて、当該保留遊技回が遊技回として実行された際に、当該遊技回において大当たり又はリーチが発生するか否かを判定する。ステップS12102において、大当たり又はリーチが発生すると判定した場合には(S12102:YES)、ステップS12103に進む。
ステップS12103では、分身演出実行判定処理を実行する。分身演出実行判定処理は、保留遊技回分身演出を実行するか否かを判定する処理である。上述のように、本実施形態では、遊技回において大当たり又はリーチが発生する場合に、当該遊技回が保留遊技回として保留されている時に保留遊技回分身演出を実行し、遊技回として実行された時に結果報知示唆演出を実行するが、遊技回において大当たり又はリーチが発生する全ての場合に保留遊技回分身演出および結果報知示唆演出を実行するのではなく、保留遊技回分身演出および結果報知示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とを設定する。このようにすることで、保留遊技回分身演出が実行されない保留遊技回(保留表示が数的保留表示に変化しない保留遊技回)であっても、当該保留遊技回が遊技回として実行された際に、大当たり又はリーチが発生する可能性があるので、当該遊技回に対して遊技者を注目させることができる。当該分身演出実行判定処理の詳細については後述する。ステップS12103を実行した後、ステップS12104に進む。
ステップS12104では、ステップS12103の処理の結果、保留遊技回分身演出を実行するか否かを判定する。具体的には、分身演出実行フラグがONであるか否かの判定をする。分身演出実行フラグは、ステップS12103の分身演出実行判定処理によって、保留遊技回分身演出を実行すると判定した場合にONにされる。ステップS12104において、保留遊技回分身演出を実行すると判定した場合には(S12104:YES)、ステップS12105に進む。
ステップS12105では、第1数値情報(X)取得処理を実行する。第1数値情報とは、遊技回において実行する結果報知示唆演出において、何個目の実行遊技回表示Dpに対応する忍者のキャラクターによる結果報知示唆演出で、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果を報知するかを決定する数値情報である。なお、本実施形態においては、第1数値情報(X)は、0≦X≦4である。例えば、上記図207〜図210において説明した結果報知示唆演出の例においては、3つ目の実行遊技回表示である実行遊技回表示Dp3に対応する忍者の演出において大当たり抽選の結果を遊技者に報知しているので、当該遊技回における第1数値情報(x)はX=3となる。また、図213〜図215において説明した結果報知示唆演出の例では、2つ目の実行遊技回表示である実行遊技回表示Dp2に対応する忍者の演出において大当たり抽選の結果を遊技者に報知しているので、当該遊技回における第1数値情報(X)はX=2となる。X=0の場合とは、例えば、保留表示Dm11に対して保留遊技回分身演出が実行され、3つの数的保留表示Dm11a〜Dm11cが表示されているにも関わらず、当該保留遊技回が遊技回として実行された場合に、液晶用図柄がリーチ状態の図柄列となった後に、そのまま大当たりの図柄列になる場合である。すなわち、遊技回の実行時に、ステージSGに複数の実行遊技回表示Dpが表示されているにも関わらず、結果報知示唆演出が実行されることなく大当たりの報知がされる場合である。このように、第1数値情報(X)の値としてX=0が取得された場合には、遊技回の実行時に、結果報知示唆演出が実行される前に大当たり抽選の抽選結果が報知される。ステップS12105において第1数値情報(X)を取得した後、ステップS12106に進む。
ステップS12106では、当該保留遊技回が遊技回として実行された際に、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、ステップS12101において読み出した保留コマンドに基づいて判定する。ステップS12106において、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(S12106:YES)、ステップS12107に進む。
ステップS12107〜S12109においては、数的保留表示数(Y)を決定するための処理を実行する。
数的保留表示数(Y)とは、1つの保留表示(1回の保留遊技回)に対応して表示される数的保留表示の数である。例えば、図205に示した例においては、保留遊技回分身演出を実行した後に、1つの保留表示Dm11に対応して3つの数的保留表示(Dm11a、Dm11b、Dm11c)が表示される。この場合、保留表示Dm11に対応する保留遊技回における数的保留表示数(Y)は、Y=3である。すなわち、保留遊技回分身演出においては、数的保留表示数(Y)は、保留遊技回分身演出後に表示される忍者のキャラクターの数に対応する。
第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)との関係は、X≦Yとなる。例えば、図206〜図210の結果報知示唆演出において説明した例では、実行遊技回表示Dpの数(または、数的保留表示の数)は3(Dp1、Dp2、Dp3)であり、この場合、数的保留表示数(Y)はY=3であり、大当たり抽選の結果の報知も3つ目の実行遊技回表示(Dp3)における演出で行うので第1数値情報(X)はX=3である。よって、X=Yである。また、図213〜図215の結果報知示唆演出において説明した例では、実行遊技回表示Dpの数(または、数的保留表示の数)は3(Dp1、Dp2、Dp3)であり、この場合、数的保留表示数(Y)はY=3であるが、大当たり抽選の結果の報知は2つ目の実行遊技回表示(Dp2)における演出で行うので第1数値情報(X)はX=2である。よって、X<Yである。このように、本実施形態においては、第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)とは、X≦Yとなる。
ステップS12107では、数的保留表示数(Y)を決定するために用意された保留表示用乱数カウンタCdの値を取得する。本実形態においては、保留表示用乱数カウンタCdは、0〜99の値である。ステップS12107を実行した後、ステップS12108に進む。
ステップS12108では、ステップS12105において取得した第1数値情報(X)の値に対応した数的保留表示数決定用テーブルを読み出す。数的保留表示数決定用テーブルについては後述する。ステップS12108を実行した後、ステップS12109に進む。
ステップS12109では、ステップS12107で取得した保留表示用乱数カウンタCdの値に対応した数的保留表示数(Y)を数的保留表示数決定用テーブルに基づいて決定する。
図237は、数的保留表示数決定用テーブルを説明する説明図である。図237(a)〜(e)の順に、第1数値情報(X)の値がX=0の場合に用いるテーブル、X=1の場合に用いるテーブル、X=2の場合に用いるテーブル、X=3の場合に用いるテーブル、X=4の場合に用いるテーブルが示されている。数的保留表示数決定用テーブルは音光側ROM93に記憶されている。
数的保留表示数決定用テーブルは、保留表示用乱数カウンタCdの値と数的保留表示数(Y)の値とが対応して記録されている。音光側MPU92は、数的保留表示数決定用テーブルに基づいて、保留表示用乱数カウンタCdの値に対応した数的保留表示数(Y)の値を決定する。
図237(a)に示したX=0の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルには、Y=1に対応する欄を設けていない。X=0で、Y=1の場合とは、表示面41aの保留表示において、数的保留表示の数が1(Y=1)であり、遊技回において結果報知示唆演出を実行しない(X=0)場合に対応する。すなわち、実質的には、保留遊技回分身演出および結果報知示唆演出を実行しないこととなる。つまり、分身演出を行わない。本保留演出設定処理においては、保留遊技回分身演出を実行しない場合には、ステップS12104においてステップS12112に進むような処理になっているため、X=0の数的保留表示数決定用テーブルにおいてY=1の欄を設けることは不要である。従って、X=0の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルには、Y=1に対応する欄を設けていない。
また、例えば、図237(a)のX=0の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルにおいて数的保留表示数の値がY=2の場合とは、保留遊技回分身演出が実行されることによって、1つの保留表示が2つの数的保留表示に表示態様が変更される。すなわち、1つの忍者のキャラクターが分身して2つの忍者のキャラクターに表示態様が変更される。しかしながらX=0であるため、液晶用図柄の変動表示後に結果報知示唆演出が実行されずに大当たりの報知がされる。
また、X=2の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルはYの値が2以上の欄が設けられており、X=3の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルはYの値が3以上の欄が設けられており、X=4の場合に用いる数的保留表示数決定用テーブルはYの値が4以上の欄(実質的にはY=4の欄のみ)が設けられている。これは、上述したように、第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)との関係がX≦Yとなるからである。
説明を図236に戻す。このように、ステップS12109において、第1数値情報(X)に対応して読み出した数的保留表示数決定用テーブルと、保留表示用乱数カウンタCdの値に基づいて数的保留数(Y)の値を決定する。ステップS12109を実行した後、ステップS12110に進む。
ステップS12110では、数的保留表示数(Y)の値に対応した保留演出パターン及び保留演出の開始時間を保留演出用コマンドに設定するとともに、当該保留演出用コマンドを表示側MPU102に送信する。数定期保留表示数(Y)の値に対応した保留演出パターンは、決定された数定期保留表示数(Y)に対応した保留遊技回分身演出のパターンである。例えば、数定期保留表示数(Y)の値がY=2に対応した保留演出パターンは、1つの保留表示を2つの数的保留表示に表示態様を変更する保留演出であり、保留表示としての1つの忍者のキャラクターを2つの忍者のキャラクターに分身させる保留遊技回分身演出に対応している。他の例としては、数定期保留表示数(Y)の値がY=4に対応した保留演出パターンは、1つの保留表示を4つの数的保留表示に表示態様を変更する保留演出であり、保留表示としての1つの忍者のキャラクターを4つの忍者のキャラクターに分身させる保留遊技回分身演出に対応している。
保留演出の開始時間は、遊技球が第1始動口33(または第2始動口34)に入球して当該入球を契機とした保留表示が表示面41aに表示されてから、当該保留表示に対する分身保留演出が開始されるまでの時間をいう。保留演出の開始時間は、処理対象となっている保留表示がDm11(Dm21)であるのか、保留表示がDm12(Dm22)であるのか、保留表示がDm13(Dm23)であるのか、保留表示がDm14(Dm24)であるのかによって異なる。すなわち、当該保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行されるまでの時間によって、当該保留演出の開始時間が異なる。当該保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行されるまでの時間は、保留表示Dm11(Dm21)が最も短く、Dm14(Dm24)が最も長い。従って、保留演出の開始時間も、処理対象となっている保留表示が保留表示Dm11(Dm21)の場合が最も短く、Dm14(Dm24)場合が最も長い。各保留遊技回が遊技回として実行された際の変動時間が先判定処理によって抽出されているため、当該抽出された各変動時間に基づいて、各保留遊技回が遊技回として実行されるまでの時間を算出することができる。保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行されるまでの時間(遊技回開始時間とも呼ぶ)の算出結果に基づいて、保留演出の開始時間を遊技回開始時間より短い時間に設定する。このようにステップS12110を実行した後、本保留演出設定処理を終了する。なお、本実施形態においては、分身演出は、遊技回表示(保留表示および実行遊技回表示)に対応する遊技回が保留遊技回として保留されている間に開始するため、保留演出の開始時間を遊技回開始時間より短い時間に設定するが、後述するように、遊技回表示(保留表示)に対応する保留遊技回が遊技回として実行された後に開始する場合には、分身演出の開始時間は、分身演出の開始時間を遊技回開始時間より長い時間に設定する。
ステップS12110で設定された保留演出用コマンドを受信した表示側MPU102は、保留演出コマンドに設定されていた保留演出のパターンの保留遊技回分身演出を、保留演出コマンドに設定されていた保留演出開始時間に実行する。
一方、ステップS12106において、当該遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(S12106:NO)、ステップS12111に進む。
ステップ12111では、数的保留表示数(Y)の値として、ステップS12105において取得した第1数値情報(X)と同じ値を設定する。すなわち、Y=Xを設定する。ステップS12111に処理が進む場合とは、当該処理対象である保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行された場合に、当該大当たり抽選による抽選結果が外れではあるがリーチが発生する場合である。本実施形態においては、大当たり抽選による抽選結果が外れではあるがリーチが発生する場合であって、保留遊技回分身演出を実行する場合には、遊技回として実行される際にステージSGに表示される複数の実行遊技回表示Dp(分身した複数の忍者)による最後の結果報知示唆演出において外れであることを報知する。仮に、大当たり抽選において外れであるにも関わらず、複数の実行遊技回表示Dp(分身した複数の忍者)のうちの最後の実行遊技回表示Dpより前の実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出おいて外れが報知された場合には、大当たり抽選の結果を報知する可能性のある実行遊技回表示Dpが残っているにも関わらず大当たり抽選の結果として外れを報知して遊技回を終了してしまうこととなり、複数の実行遊技回表示Dp(分身した複数の忍者)による最後の結果報知示唆演出において外れであることを報知する場合と比較して、遊技者に心理的な不快感を一層与えてしまう場合がある。よって、本実施形態においては大当たり抽選に外れた場合の遊技者の不快感を軽減するため、複数の実行遊技回表示Dp(分身した複数の忍者)による最後の結果報知示唆演出において外れであることを報知する。よって、ステップS12111において、数的保留表示数(Y)の値として第1数値情報(X)と同じ値(Y=X)を設定する。ステップS12111を実行した後、ステップS12110を実行し、その後、本保留演出設定処理を終了する。
ステップS12102において、処理対象である保留遊技回が遊技回として実行された際に、当該遊技回の大当たり抽選の結果が大当たりが発生せず、かつ、リーチが発生しないと判定した場合には(S12102:NO)、ステップS12112に進む。
ステップS12112では、通常の保留表示を保留演出用コマンドに設定する。すなわち、今回の処理対象である保留表示に対して保留遊技回分身演出を行わない設定を保留演出コマンドとして設定する。ステップS12112で設定された保留演出用コマンドを受信した表示側MPU102は、保留演出コマンドの対象となっている保留表示に対しては、通常の保留表示として第1保留表示領域Ds1(Ds2)に表示する。その後、本保留演出設定処理を終了する。
<分身演出実行判定処理>
次に、分身演出実行判定処理について説明する。分身演出実行判定処理は、保留演出設定処理のサブルーチン(図236:S12103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図238は、分身演出実行判定処理を示すフローチャートである。ステップS12201では、保留遊技回分身演出を実行するか否かの判定を行うために用意された演出種別決定用乱数カウンタCkの値を取得する。本実実施形態においては、演出種別決定用乱数カウンタCkは、0〜99の値である。ステップS12201を実行した後、ステップS12202に進む。
ステップS12202では、演出種別決定処理を実行する。具体的には、演出種別決定用乱数カウンタCkの値と、大当たり抽選の抽選結果に対応した演出種別決定用テーブルとを照合し、演出種別を決定する。より具体的には、演出種別決定用乱数カウンタCkの値と、処理対象である保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行された際の大当たり抽選における抽選結果に対応した演出種別決定用テーブルとを照合し、演出種別を決定する。
図239は、演出種別決定用テーブルを説明する説明図である。図239(a)は大当たり用演出種別決定用テーブルを示し、図239(b)はリーチ用演出種別決定用テーブルを示している。図示するように、演出種別決定用テーブルは、演出種別決定用乱数カウンタCkの値と、演出の種別とが対応して記録されたテーブルである。図に示す通常演出(非分身演出)は、処理対象である保留表示に対して保留遊技回分身演出を実行せず、かつ、当該保留表示に対応する保留遊技回が遊技回として実行された際に結果報知示唆演出を実行せず、通常の大当たり演出またはリーチ演出を実行することを意味する。
図239(a)の大当たり用演出種別決定用テーブルから分かるように、遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合には、80%の確率で分身演出が実行される。また、図239(b)のリーチ用演出種別決定用テーブルから分かるように、遊技回における大当たり抽選の抽選結果がリーチ(外れ)である場合には、60%の確率で分身演出が実行される。本実施形態においては、大当たりの場合の方が、リーチの場合よりも、分身演出が実行される確率が高い。このようにすることで、例えば、保留分身演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、当該保留遊技回が遊技回として実行された際の大当たり抽選の抽選結果が大当たりである確率が高いと認識させ、大きな期待感を付与することができる。
説明を図238に戻す。ステップS12202において、演出種別決定処理を実行した後、ステップS12203に進む。
ステップS12203では、演出種別決定処理において決定された演出が分身演出であるか否かを判定する。ステップS12203において、演出種別決定処理において決定された演出が分身演出であると判定した場合には(S12203:YES)、ステップS12204に進む。
ステップS12204では、分身演出実行フラグをONにする。分身演出実行フラグは、音光側RAM94の演出用記憶エリアに格納されている。
図240は、演出用記憶エリアの構成を説明する説明図である。演出用記憶エリアは、第1演出用記憶エリアと第2演出用記憶エリアとを備える。図240(a)には第1演出用記憶エリアを示し、図240(b)には第2演出用記憶エリアを示した。
図240(a)に示すように、第1演出用記憶エリアは、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、各種パラメータ及びフラグを記憶する。図示した第1始動口用の保留遊技回(n=1〜4)は、保留表示Dm11〜保留表示Dm14に対応している。すなわち、第1始動口の保留遊技回(n=1)から第1始動口の保留遊技回(n=4)の順に保留遊技回が実行される。第1演出用記憶エリアと第2演出用記憶エリアとは構成が同じであるので、図240(a)に示した第1演出用記憶エリアについて説明し、図240(b)に示した第2演出用記憶エリアについての説明は省略する。
図示するように、第1演出用記憶エリアは、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)を記憶する。第1始動口用の保留遊技回(n)毎に記憶された分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)は、各保留遊技回自体に紐付けされており、遊技回が実行される毎に、記憶されるエリアが隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。例えば、図240(a)に示したように、第1始動口の保留遊技回(n=3)の記憶エリアに記憶されていた分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)は、遊技回が1回実行されると、第1演出用記憶エリアにおける第1始動口の保留遊技回(n=2)の記憶エリアにシフトし、さらに遊技回が1回実行されると、第1演出用記憶エリアにおける第1始動口の保留遊技回(n=1)の記憶エリアにシフトする。
説明を図238に戻す。ステップS12204では、第1演出用記憶エリア(または第2演出用記憶エリア)の、処理対象である保留表示に対応する記憶エリアの分身演出実行フラグをONにする。ステップS12204を実行した後、本分身演出実行判定処理を終了する。
一方、ステップS12203において、演出種別決定処理において決定された演出が保留分身演出ではないと判定した場合には(S12203:NO)、ステップS12204を実行せずに本分身演出実行判定処理を終了する。
<第1数値情報取得処理>
次に、第1数値情報取得処理について説明する。第1数値情報取得処理は、保留演出設定処理のサブルーチン(図236:S12105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図241は、第1数値情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS12301では、第1数値情報(X)を取得するために用意された第1数値情報取得用乱数カウンタCxの値を取得する。本実施形態では、第1数値情報取得用乱数カウンタCxは、0〜99の値である。ステップS12301を実行した後、ステップS12302に進む。
ステップS12302では、第1数値情報用テーブルの読み出しを行う。第1数値情報用テーブルは、第1数値情報を取得するために用意されたテーブルデータである。
図242は、第1数値情報用テーブルの構成を説明する説明図である。図示するように、第1数値情報用テーブルは、第1数値情報取得用乱数カウンタCxの値と、第1数値情報(X)とが対応して記録されたテーブルである。図示するように、本実施形態における第1数値情報用テーブルにおいては、第1数値情報取得用乱数カウンタCxが0〜9の場合には第1数値情報(X)はX=1となり、第1数値情報取得用乱数カウンタCxが10〜29の場合には第1数値情報(X)はX=2となり、第1数値情報取得用乱数カウンタCxが30〜69の場合には第1数値情報(X)はX=3となり、第1数値情報取得用乱数カウンタCxが70〜99の場合には第1数値情報(X)はX=4となるように設定されており、第1数値情報取得用乱数カウンタCxの値に対して、第1数値情報(X)がX=3となる確率が最も高くなるように設定されている。
説明を図241に戻す。ステップS12302において第1数値情報用テーブルを読み出した後、ステップS12303に進む。
ステップS12303では、第1数値情報取得用乱数カウンタCxに対応した第1数値情報(X)を、第1数値情報用テーブルから取得する。その後、ステップS12104に進む。
ステップS12104では、取得した第1数値情報(X)を、図240で説明した第1演出用記憶エリア(または第2演出用記憶エリア)の、処理対象である保留表示に対応する記憶エリアに記憶する。ステップS12304を実行した後、本第1数値情報取得処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図233:S11803)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図243は、演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS12401では、主側MPU62から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS12401において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したと判定した場合には(S12401:YES)、ステップS12402に進む。一方、ステップS12401において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S12401:NO)、本演出設定処理を終了する。
ステップS12402では、受信した変動用コマンドおよび種別コマンドに基づいて、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。その後、ステップS12402を実行した後、ステップS12403へ進む。
ステップS12403では、処理対象である遊技回において実行する演出が結果報知示唆演出であるか否かを判定する。具体的には、保留演出用記憶エリア(図240)を読み出し、処理対象である遊技回に対応する保留遊技回の保留表示Dm11(またはDm21)における記憶エリアの分身演出実行フラグがONであるか否かを判定する。分身演出実行フラグがONである場合には、処理対象である遊技回において実行する演出は結果報知示唆演出であり、分身演出実行フラグがOFFである場合には、処理対象である遊技回において実行する演出は通常演出である。ステップS12403において、処理対象である遊技回において実行する演出が結果報知示唆演出であると判定した場合には(S12403:YES)、ステップS12404に進む。
ステップS12404では、結果報知示唆演出設定処理を実行する。結果報知示唆演出設定処理とは、結果報知示唆演出として記憶された複数の演出パターンの中から、第1数値情報(X)と変動時間とに基づいて処理対象である遊技回において実行する結果報知示唆演出の演出パターンを選択し設定する処理である。結果報知示唆演出設定処理の詳細については後述する。ステップS12404を実行した後、ステップS12406に進む。
一方、ステップS12403において、処理対象である遊技回において実行する演出が結果報知示唆演出ではないと判定した場合には(S12403:NO)、ステップS12405に進む。
ステップS12405では、通常演出設定処理を実行する。通常演出設定処理とは、遊技回において実行する演出のうち通常の演出(非結果報知示唆演出)として記憶された複数の演出パターンの中から、変動時間に基づいて処理対象である遊技回において実行する通常演出の演出パターンを選択し設定する処理である。通常演出設定処理の詳細については後述する。ステップS12405を実行した後、ステップS12406に進む。
ステップS12406では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS12406を実行した後、ステップS12407に進む。
ステップS12407では、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS12406において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS12407を実行した後、ステップS12408に進む。
ステップS12408では、ステップS12404〜S12407の処理において設定した演出パターン、停止する液晶用図柄、変動表示パターンを演出コマンドに設定し、ステップS12409に進む。
ステップS12409では、設定した演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。その後、ステップS12410に進む。
ステップS12410では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS12410を実行した後、ステップS12411に進む。
ステップS12411では、演出記憶エリア(図240)の更新処理を行う。処理対象である遊技回が第1始動口33への入球を契機とした遊技回の場合には、第1演出用記憶エリアの保留表示Dm11に対応する記憶エリアの分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)をリセットする。処理対象である遊技回が第2始動口34への入球を契機とした遊技回の場合には、第2演出用記憶エリアの保留表示Dm21に対応する記憶エリアの分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)をリセットする。そして、記憶エリアをリセットした演出用記憶エリアに対して、保留遊技回(n)毎に記憶された分身演出実行フラグおよび第1数値情報(X)を、隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする(図239参照)。ステップS12411を実行した後、演出設定処理を終了する。
<結果報知示唆演出設定処理>
次に、結果報知示唆演出設定処理について説明する。結果報知示唆演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図243:S12404)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図244は、結果報知示唆演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS12501では、処理対象である遊技回に対応する第1数値情報(X)を演出用記憶エリアから読み出す。具体的には、処理対象である遊技回が第1始動口33への入球を契機とした遊技回の場合には、第1演出用記憶エリアの保留表示Dm11に対応する第1数値情報(X)を読み出し、処理対象である遊技回が第2始動口34への入球を契機とした遊技回の場合には、第2演出用記憶エリアの保留表示Dm21に対応する第1数値情報(X)を読み出す。ステップS12501を実行した後、ステップS12502に進む。
ステップS12502では、ステップS12402(図243)において受信した変動用コマンドから読み出した大当たりの有無の情報に基づいて、処理対象である遊技回の大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かの判定をする。ステップS12502において、大当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(S12502:YES)、ステップS12503に進む。
ステップS12503では、演出パターンの設定処理を行う。具体的には、処理対象である遊技回の変動時間と第1数値情報(X)とに基づいて、演出パターンテーブル記憶エリア93aに記憶されている大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルから、当該遊技回において実行する結果報知示唆演出の演出パターンを選択し設定する。
図245は、大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルを説明する説明図である。図示するように、大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルには、変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値とに対応して、結果報知示唆演出を用いた1回の遊技回の演出パターンが記録されている。
図に示した各演出パターンは、遊技回における一連の演出の流れを示している。例えば、変動時間T=t4で、第1数値情報(X)がX=2である場合に選択される演出パターンは、擬似連続予告演出1(図の「擬似連1」)、擬似連続予告演出2(図の「擬似連2」)、図柄変動表示(図の「図柄変動」)、ノーマルリーチ演出、スペシャルリーチ演出が実行された後、結果報知示唆演出1(図の「R1」)、結果報知示唆演出2(図の「R2」)が実行され、最後に、大当たりを報知する大当たり報知演出(図の「Wp」)が実行される。擬似連続予告演出は、1遊技回の中で図柄の擬似的な停止と、再度の変動開始を行うことにより、あたかも遊技回を跨いで連続的に予告演出を実行しているかのように遊技者に認識させるための演出である。図柄変動表示は、擬似連続予告演出を伴わない通常の図柄の変動表示である。ノーマルリーチ演出は、図柄がリーチ状態になった際に実行される演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出後に実行され、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する確率が高いことを遊技者に示唆する演出である。スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出後に実行され、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合、および、ノーマルリーチに加えスーパーリーチ演出が実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する確率が高いことを遊技者に示唆する演出である。
図示するように、本実施形態においては、変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値との一組の組み合わせに対して1つの演出パターンが対応している。換言すれば、同じ変動時間に対して、結果報知示唆演出の実行回数が0回の演出パターン、結果報知示唆演出の実行回数が1回の演出パターン、結果報知示唆演出の実行回数が2回の演出パターン、結果報知示唆演出の実行回数が3回の演出パターン、結果報知示唆演出の実行回数が4回の演出パターンが用意されている。結果報知示唆演出の実行回数が0回〜4回の5種類の演出パターンが存在することで結果報知示唆演出に要する時間に幅が生じるにも関わらず、同じ変動時間でこれら5種類の演出パターンの実行を可能にしているのは、変動時間と結果報知示唆演出の実行回数に応じて、適宜、擬似連続予告演出1〜3を実行するからである。すなわち、擬似連続予告演出は、結果報知示唆演出の実行回数の違いによって生じる時間の幅を調整する調整用の演出として機能している。その他、結果報知示唆演出の実行回数の違いによって生じる時間の幅を、図柄の変動時間によって調整してもよい。このような調整用の演出を適宜実行することで、変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値との一組の組み合わせに対して1つの演出パターンを対応させることを可能にしている。音光側MPU92は、大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルから、読み込んだ変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値とに対応した1つの演出パターンを選択し、演出パターンとして設定する。
説明を図244に戻す。ステップS12503において、大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルに基づいて演出パターンを設定した後、当該結果報知示唆演出設定処理を終了する。
一方、ステップS12502において、大当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(S12502:NO)、ステップS12504に進む。
ステップS12504では、演出パターンの設定処理を行う。具体的には、処理対象である遊技回の変動時間と第1数値情報(X)とに基づいて、演出パターンテーブル記憶エリア93aに記憶されているリーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルから、当該遊技回において実行する結果報知示唆演出パターンを選択し設定する処理である。
図246は、リーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルを説明する説明図である。図示するように、リーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルも、図245に示した大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルと同様に、変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値とに対応して、結果報知示唆演出の演出パターンが記録されている。リーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルの場合、各テーブルに記録されている演出の最後が、外れを報知する外れ報知演出(図の「Lp」)である。音光側MPU92は、リーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルから、読み込んだ変動時間Tの値と、第1数値情報(X)の値とに対応した1つの演出パターンを選択し、演出パターンとして設定する。
説明を図244に戻す。ステップS12504において、リーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルに基づいて演出パターンを設定した後、当該結果報知示唆演出設定処理を終了する。
<通常演出設定処理>
次に、通常演出設定処理について説明する。通常演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図243:S12405)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図247は、通常演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS12601では、ステップS12402(図243)において受信した変動用コマンドから読み出した大当たりの有無の情報に基づいて、処理対象である遊技回の大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かの判定をする。ステップS12601において、大当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(S12601:YES)、ステップS12602に進む。
ステップS12602では、演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、処理対象である遊技回の変動時間に基づいて、演出パターンテーブル記録エリア93aに記録されている大当たり用通常演出パターンテーブルから、当該遊技回において実行する演出パターンを選択し設定する。通常演出とは、上述のように、遊技回における演出として結果報知示唆演出を行わない場合に実行する大当たり演出またはリーチ演出である。大当たり用通常演出パターンテーブルには、各変動時間の値に対応して、1つの通常演出が記録されている。音光側MPU92は、処理対象の遊技回の変動時間に対応した演出パターンを選択し設定する。ステップS12602を実行した後、本通常演出設定処理を終了する。
ステップS12601において、大当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(S12601:NO)、ステップS12603に進む。
ステップS12603では、ステップS12402(図243)において受信した変動用コマンドから読み出したリーチ発生の有無の情報に基づいて、処理対象である遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。ステップS12603において、処理対象である遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S12603:YES)、ステップS12604に進む。
ステップS12604では、演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、処理対象である遊技回の変動時間に基づいて、演出パターンテーブル記録エリア93aに記録されているリーチ用通常演出パターンテーブルから、当該遊技回において実行する演出パターンを選択し設定する。リーチ用通常演出パターンテーブルには、各変動時間の値に対応して、1つの通常演出が記録されている。音光側MPU92は、処理対象の遊技回の変動時間に対応した演出パターンを選択し設定する。ステップS12604を実行した後、本通常演出設定処理を終了する。
ステップS12603において、処理対象である遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S12603:NO)、ステップS12605に進む。
ステップS12605では、演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、処理対象である遊技回の変動時間に基づいて、演出パターンテーブル記録エリア93aに記録されている外れ用通常演出パターンテーブルから、当該遊技回において実行する演出パターンを選択し設定する。外れ用通常演出パターンテーブルには、各変動時間の値に対応して、1つの通常演出が記録されている。音光側MPU92は、処理対象の遊技回の変動時間に対応した演出パターンを選択し設定する。ステップS12605を実行した後、本通常演出設定処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図248は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS12701では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS12702に進む。
ステップS12702では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図249は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS12801では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図250は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS12901では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図249)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S12901)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS12902では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S12901)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS12903に進む。
ステップS12903では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S12902)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS12904に進む。
ステップS12904では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S12903)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS12905に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技回として実行された際に大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」またはリーチ(外れ)が発生する遊技回が保留遊技回として保留されている場合において、分身演出を実行すると判断した場合には、当該保留遊技回に対応する保留表示に対して保留遊技回分身演出を実行して数的保留表示を表示するとともに、当該保留遊技回が遊技回として実行された際には、結果報知示唆演出を実行する。従って、保留遊技回分身演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、大当たり抽選の結果に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、大当たり抽選の抽選結果がリーチ発生(外れ)の場合には、数的保留表示として示した忍者のキャラクターの数と同じ回数の結果報知示唆演出を遊技回において実行するので、遊技者は、保留遊技回分身演出が実行され、数的保留表示としての分身した忍者のキャラクターを認識すると、当該数的保留表示の数として示唆された回数と同じ回数の結果報知示唆演出が実行されると認識する。
しかしながら、大当たり抽選の結果が大当たりの場合には、数的保留表示として示した忍者のキャラクターの数と異なる回数の結果報知示唆演出を遊技回において実行後に大当たり抽選の結果を報知する場合がある。従って、数的保留表示の数によって示唆された回数の結果報知示唆演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数とは異なる回数の結果報知示唆演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。また、保留遊技回分身演出を契機として表示された数的保留表示の数を認識した遊技者は、数的保留表示の数に対応した回数の結果報知示唆演出の実行に要する時間を推測しながら演出を鑑賞するとともに、遊技回が終了するまでの時間を大凡想定しながら大当たり抽選の結果に期待する。そのような遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の結果報知示唆演出を実行して遊技回を終了することによって、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができ、意外性を付与することができる。
換言すれば、予め設定されていた遊技回の時間(変動時間)が短縮されたかのような感覚を遊技者に与える演出を、変動時間と演出の実行時間との間の破綻を生じさせることなく、円滑に実行することができる。本実施形態の処理においては、遊技回において実行する結果報知示唆演出の数は第1数値情報(X)に基づいて決定し、数的保留表示の数は数的保留表示数(Y)に基づいて決定する。すなわち、結果報知示唆演出の数と数的保留表示の数とは異なった数値情報に基づいて決定する。よって、保留遊技回を示す保留表示として示された数的保留表示の数と、実際に遊技回において実行された結果報知示唆演出の回数とが異なる場合であっても、遊技回における演出パターンを第1数値情報(X)と当該遊技回の変動時間とに基づいて決定しているため、演出に要する時間と遊技回の変動時間との間に破綻を生じさせることなく円滑に処理を実行することができる。
さらに、第1数値情報(X)と遊技回の変動時間とによって対応付けされた演出パターンを、大当たり用の結果報知示唆演出パターンテーブルおよびリーチ用の結果報知示唆演出パターンテーブルとして備えるため、保留表示としての数的保留表示の数を考慮することなく、遊技回における演出パターンの設定に必要な処理を簡易化することができる。
また、保留遊技回分身演出が実行された保留遊技回が遊技回として実行され、結果報知示唆演出が実行された際に、遊技者に対して、いずれの実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出で大当たりが報知されるのかといった緊迫感を付与することができる。
さらに、実行遊技回表示Dpが残り1つの表示(例えば、図209(a)の状態)となった場合には、当該実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出が実行された後に大当たり抽選による結果が大当たりであるか外れであるかが明確になるので、遊技者は、最後の実行遊技回表示Dpによる結果報知示唆演出に大きな期待感や緊迫感を抱く。具体的には、最後の実行遊技回表示Dpによる演出が実行された後のメイン表示領域MAの表示が、大当たりに対応する表示(例えば図212(a)の状態)となるのか、外れに対応する表示(例えば図210(a)の状態)となるのかといった表示面41aの表示の変化に対して非常に注目すると共に、大当たり抽選の結果が報知された際に、当該抽選結果が大当たりの場合には、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、より大きな喜びを感じ、外れの場合には、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、より落胆する。従って、保留遊技回分身演出を実行することによって、保留遊技回分身演出が実行されなかった場合と比較して、遊技者に対して、大当たり抽選の結果についてより大きな期待感や緊迫感を付与することができるとともに、より大きな気分の抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
N7.第14実施形態の他の態様:
<態様1>
上記実施形態においては、遊技回における結果報知示唆演出の実行回数を示唆する分身演出を、当該遊技回が保留遊技回として保留されているタイミングで保留遊技回分身演出として実行したが、種々のタイミングで実行してもよい。例えば、分身演出を、当該遊技回の実行中に行ってもよい。
図251は、結果報知示唆演出の実行回数を示唆する演出を遊技回において実行する様子を示す説明図である。図251(a)に示すように、遊技回が開始された時点では、実行遊技回表示Dpとして表示されている忍者のキャラターの数は1つである。
そして、図251(b)に示すように、液晶用図柄がリーチ用の図柄となり、図柄列Z2の図柄だけが変動しているときに、結果報知示唆演出の実行回数を示唆する演出として、忍者を分身させる演出(実行遊技回分身演出)を実行する。
その後は、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が外れである場合には、3つの実行遊技回表示Dp1〜Dp3を用いて3回の結果報知示唆演出を実行後に大当たり抽選の抽選結果(外れ)を報知して、当該遊技回を終了する。
一方、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合には、3つの実行遊技回表示Dp1〜Dp3を表示して3回の結果報知示唆演出を実行する可能性を示唆した上で、1回、2回、または3回の結果報知示唆演出を実行した後に、大当たり抽選の抽選結果(大当たり)を報知して、当該遊技回を終了する。
このように、遊技回における結果報知示唆演出の実行回数を示唆する分身演出を、当該遊技回の実行中に行っても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上記実施形態のように、遊技回における結果報知示唆演出の実行回数を示唆する分身演出を当該遊技回が保留遊技回として保留されている期間(以下、保留期間とも呼ぶ)に実行する場合と、本態様のように、遊技回における結果報知示唆演出の実行回数を示唆する分身演出を当該遊技回の実行中に行う場合とを組み合わてもよい。分身演出が保留期間に実行されなかった場合でも、当該遊技回の実行中に、分身演出が実行される可能性があるので、保留期間において分身演出が実行されなかった場合でも、当該遊技回の実行中においてリーチまたは大当たりとなる可能性あるので、遊技者の期待感を維持することができる。
<態様2>
分身演出によって表示された数的保留表示(分身した忍者)の数より、実行される結果報知示唆演出の数の方が少ない場合に、結果報知示唆演出に用いられなかった残りの実行遊技回表示Dpに対応した忍者のキャラクターを用いて他の演出を実行してもよい。
例えば、遊技回の実行中に表示されている実行遊技回表示Dp(忍者のキャラクター)の数が3つである場合に、2回目の結果報知示唆演出によって、大当たり抽選の抽選結果(抽選結果:大当たり)を報知した場合、残りの実行遊技回表示Dp3によって、当該大当たり抽選の抽選結果の詳細を報知するための演出を実行する。具体的には、実行遊技回表示Dp2による結果報知示唆演出によって大当たり抽選の抽選結果が通常大当たりであるように遊技者に認識させるように報知し、その後に、実行遊技回表示Dp3に対応する忍者による演出によって、抽選結果が通常大当たりから確変大当たりに昇格したように遊技者に認識させる昇格演出を実行してもよい。
また、その他の昇格演出として、実行遊技回表示Dp2による結果報知示唆演出によって大当たり抽選の抽選結果が8R確変大当たりであるように遊技者に認識させるように報知し、その後に、実行遊技回表示Dp3に対応する忍者による演出によって、抽選結果が8R確変大当たりから16R確変大当たりに昇格したように遊技者に認識させる昇格演出を実行してもよい。
本態様によれば、数的保留表示として示した忍者のキャラクターの数と、実行遊技回表示Dpとしての忍者のキャラクターを用いて実行する演出の回数とを同じにすることができる。処理の面から説明すると、上記実施形態では、遊技回において実行遊技回表示Dp(分身した忍者のキャラクター)を用いて実行する演出(上記実施形態においては結果報知示唆演出)の実行回数を決定するための第1数値情報(X)と、数的保留表示の数を決定するための数的保留数(Y)とを異なる値に設定する場合があったが、本態様によれば、第1数値情報(X)と数的保留数(Y)の数を同じにすることができる。
この場合、例えば、第1数値情報(X)の値がX=3の場合であっても、実行遊技回表示Dp3において大当たり抽選の抽選結果を報知する演出パターンと、実行遊技回表示Dp1または実行遊技回表示Dp2において大当たり抽選の抽選結果を報知し、残りの実行遊技回表示Dp(Dp2およびDp3)を用いて昇格演出を実行するなど、第1数値情報(X)の値および変動時間が同じ場合であっても、複数種類の演出パターンを設定することができる。第1数値情報(X)の値および変動時間が同じ場合に対応して複数種類の演出パターンを演出パターンテーブルに設定している場合には、乱数等を用いて、演出パターンテーブルに設定されている複数種類の演出パターンの中から1つの演出パターンに決定することができる。
また、上記実施形態のように、分身演出によって表示された数的保留表示(分身した忍者)の数より、実行される結果報知示唆演出の数の方が少ない場合に、最後の結果報知示唆演出の実行後にそのまま遊技回を終了する処理と、結果報知示唆演出に用いられなかった残りの実行遊技回表示Dpに対応した忍者のキャラクターを用いて他の演出を実行する処理とを組み合わせてもよい。大当たり抽選の結果が大当たりであることが報知された後に、昇格演出が実行され、大当たりの種別の中でも、より遊技者にとって有利な種別に昇格する場合と、昇格演出が実行されず昇格がない場合とがあることによって、大当たり抽選の結果が大当たりであることが報知された後に、さらなる期待感や緊迫感を遊技者に付与することができる。
<態様3>
上記実施形態においては、遊技者に示唆する演出時間相関量(実行される演出の時間に相関のある量)として、遊技回において実行される結果報知示唆演出の回数を採用したが、それに限ることなく、演出時間相関量として他の要素を採用してもよい。例えば、演出時間相関量として、遊技回において実行される演出の時間を採用してもよい。
図252〜図254は、演出時間相関量が遊技回において実行される演出の時間を示す場合の表示面41aの様子を示す説明図である。図252(a)に示すように、第1保留表示領域Ds1には、保留表示Dm11を示す忍者のキャラクターに対応付けられて、秒数を示す画像が表示されている。当該画像は、当該保留表示Dm11に対応する保留遊技回が遊技回として実行された際の演出に要する時間を示す表示(以下、演出時間表示TDとも呼ぶ)である。図252(a)に示す例では、「60秒」と記載された演出時間表示が表示されている。
図252(b)は、図252(a)において保留表示Dm11に対応する保留遊技回が遊技回として実行されている様子を示している。このとき、ステージSG上の実行遊技回表示Dpを示す忍者のキャラクターに対応して演出時間表示が表示されている。演出時間表示TDとして示された秒数は、遊技回の開始とともにカウントダウンが開始される。すなわち、演出時間表示TDとして示された秒数は、当該遊技回において演出が実行される残時間を示している。図252(b)に示した例では、液晶用図柄がリーチ図柄となった時点における演出時間表示TDが30秒である場合を示している。
そして、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果がリーチ(外れ)の場合には、図253(a)に示すように、演出時間表示TDに対応した時間である30秒を用いて、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dpに対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。すなわち、第1液晶用図柄が大当たり抽選の抽選結果として「リーチ」から「大当たり」に変化する可能性があることを遊技者に示唆する演出を実行する。30秒が経過後、図253(b)に示すように、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄は、「7・6・7」の図柄のまま、擬似停止状態から停止表示状態に移行し、当該遊技回を終了する。また、演出時間表示TDには0秒が表示される。
一方、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合には、第1液晶用図柄がリーチ図柄となった時点における演出時間表示TDに対応した時間である30秒または30秒より短い時間を用いて、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dpに対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試み、最終的に、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄を「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行し、大当たり抽選の結果が大当たりであったことを報知して遊技回を終了する。
第1液晶用図柄がリーチ図柄となった時点における演出時間表示TDとして「30秒」が表示されていたにも関わらず、第1液晶用図柄がリーチ図柄となった時点から30秒より短い時間でメイン表示領域MAの第1液晶用図柄を「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行させた場合には(図254(a))、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであったことを報知することによって(図254(b))、遊技者に対して、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができ、意外性を付与することができる。なお、図254に示した例では、演出時間表示TDとして10秒を残して、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであったことを報知する。
また、遊技者に示唆する演出時間相関量として、遊技回において実行される演出の時間を採用することによって、遊技者に、時間の経過を直接的に認識させる。その結果、演出時間相関量として示した演出時間よりも短い時間で遊技回を終了した場合に、遊技者に対して、より一層、遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができる。
本態様は以下の処理によって実現することができる。当該遊技回の変動時間をTとした場合に、第1数値情報(X)をX=Tとする。なお、本態様においては、第1数値情報(X)は、遊技回が開始されてから大当たり抽選の抽選結果を報知するまでの時間に対応する。そして、上記実施形態と同様に、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果がリーチ(外れ)である場合には、第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)との関係をX=Yとし、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合には、第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)との関係をX≦Yとして、数的保留表示数(Y)を決定する。その後、数的保留表示数(Y)の値を、演出時間相関量として保留表示Dm11に対応させて表示する演出時間表示TDの値に設定する。このようにすることで、本態様を実現することができる。なお、本態様に示した例においては、Y=60として設定された場合を示している。すなわち、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果がリーチ(外れ)の場合には、X=Y=60であり、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合には、X≦Y=60である。
<態様4>
上記態様3では、演出時間相関量の表示方法として、演出時間を示す数字を直接的に表示したが、連続的に変化するゲージ表示を採用してもよい。
図255は、演出時間相関量をゲージ表示で表示した場合の表示面41aの様子を示す説明図である。本態様では、図255(a)に示すように、演出時間相関量を、保留表示に対応した忍者のキャラクターのパワーゲージPGとして表示する。さらに、本態様においては、パワーゲージPGを、保留表示Dmの近傍に表示せず、表示面41aの上部中央に表示する。すなわち、本態様においては、表示したパワーゲージPGと、当該パワーゲージPGに対応した保留表示との関係を示さない。このようにすることで、表示されたパワーゲージPGが、どの保留表示に対応したパワーゲージPGであるのかを推測する楽しみを遊技者に付与することができる。なお、図に示した例では、表示されたパワーゲージPGは保留表示Dm12に対応しているとする。したがって、図255(a)に示した状態における保留表示Dm11に対応した保留遊技回が遊技回として実行された場合には、パワーゲージPGの状態は変化しない。
図255(b)は、図255(a)における保留表示Dm12に対応する保留遊技回が遊技回として実行されている様子を示している。図示するように、第1液晶用図柄はリーチ図柄となっている。この時点においては、パワーゲージPGとして示された量は、まだ変化しない。
そして、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果がリーチ(外れ)の場合には、図256(a)に示すように、ステージSG上に表示されていた実行遊技回表示Dpに対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を実行する。当該演出を開始した時点から、パワーゲージとして示された量が時間の経過とともに減少する。その後、パワーゲージに示した量が「0」になった時点で、図256(b)に示すように、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄は、「7・6・7」の図柄のまま、擬似停止状態から停止表示状態に移行し、当該遊技回を終了する。
一方、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合には、実行遊技回表示Dpに対応する忍者のキャラクターが、第1液晶用図柄の図柄列Z2に表示されている数字「6」の画像上を移動し、数字「6」を数字「7」に変化させようと試みる演出を、パワーゲージとして示した量が「0」になった時点、または、パワーゲージとして示した量が「0」になるよりも前の時点で終了し、メイン表示領域MAの第1液晶用図柄を「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行し、大当たり抽選の結果が大当たりであったことを報知して遊技回を終了する。
パワーゲージとして示した量が「0」になるよりも前の時点でメイン表示領域MAの第1液晶用図柄を「7・6・7」の擬似停止状態から「7・7・7」の停止表示状態に移行し(図257(a))、大当たり抽選の結果が大当たりであったことを報知した場合には(図257(b))、パワーゲージとして示された量が「0」となる時点で大当たり抽選の結果が報知されると推測していた遊技者に対して、意外性を付与することができる。また、この場合、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるため、遊技者の喜びを、意外性をともなって相乗的に増加させることができる。
<態様5>
また、上記実施形態においては、分身演出を契機とした数的保留表示(分身した忍者)の表示によって演出時間相関量を示唆したが、他の形態を採用してもよい。
図258、図259は、演出時間相関量を示唆する他の形態を説明する説明図である。例えば、遊技回表示(保留表示または実行遊技回表示)を示すカメのキャラクターの上に、子カメのキャラクターが出現する演出を実行することによって、演出時間相関量を示唆してもよい。この場合、演出時間相関量として、遊技回における結果報知示唆演出の実行回数を示唆する。
その他、図259に示すように、遊技回表示(保留表示または実行遊技回表示)をメーターを示す画像で表示し、演出時間相関量を示唆する場合には、演出時間相関量を示唆する遊技回表示に対応したメーターが示す量を増加させる演出を実行する。上記説明したパワーゲージや、本例で示したメーターなどは、演出時間相関量として、遊技回において実行する所定の演出の実行に要する時間や、遊技回において実行する全ての演出の合計時間など、連続的に増減する物理量を示唆する場合に好適である。
<態様6>
上記実施形態における遊技回表示(保留表示および実行遊技回表示)は、実行される演出の時間に相関のある量(演出時間相関量)を示唆したが、演出時間相関量に加えて、他の情報を示唆してもよい。例えば、演出時間相関量に加えて、遊技回表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性を示す情報を示唆してもよい。
図260は、演出時間相関量を示す情報と保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性を示す情報(以下、期待度情報とも呼ぶ)とを示唆する保留表示を説明する説明図である。
図260(a)〜図260(d)の各図には、数的保留表示Dm11a〜Dm11c、保留表示Dm12および保留表示Dm13を示した。図260(a)〜図260(d)の各図の数的保留表示Dm11a〜Dm11cは、演出時間相関量を数的保留表示の数によって示唆している。具体的には、数的保留表示Dm11a〜Dm11cは、演出時間相関量を数的保留表示の数によって、遊技回において実行する結果報知示唆演出の回数を示している。
さらに、図260(a)〜図260(d)の各図の数的保留表示Dm11a〜Dm11cは、各々、表示態様が異なり、図260(a)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cよりも、図260(b)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cの方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高く、図260(b)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cよりも、図260(c)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cの方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高く、図260(c)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cよりも、図260(d)に示す数的保留表示Dm11a〜Dm11cの方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高い。
本態様によれば、遊技回表示(本例では保留遊技回表示)は、複数の種類の情報として、少なくとも、演出時間相関量を示す情報と保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性を示す情報とを示唆するので、遊技回表示を認識した遊技者に対して、示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されることを推測させることに加え、当該遊技回表示に対応する遊技回における大当たり抽選の抽選結果に対する期待感を付与することができる。
<態様7>
図260(a)〜図260(d)の各図に示したように、上記の態様6においては、期待度情報を数的保留表示を用いて示唆する場合に、表示した全ての数的保留表示(図260においては数的保留表示Dm11a〜Dm11c)の表示態様を、当該大当たりの可能性に対応した表示態様に変化させたが、期待度情報を演出時間相関量を用いて示唆する態様として、他の態様を採用してもよい。例えば、以下の態様を採用することができる。
図261は、期待度情報を演出時間相関量を用いて示唆する一例を説明する説明図である。図示するように、本例では、演出時間相関量である数的保留表示Dm11a〜Dm11cの中の一部の数的保留表示を用いて期待度情報を示唆する。すなわち、遊技回表示(保留表示および実行遊技回表示)によって示唆した演出時間相関量が示す時間的な一部分を示す表示を用いて、期待度情報を示唆する。
図261に示した例においては、図261(a)の数的保留表示Dm11cの表示態様よりも、図261(b)の数的保留表示Dm11aの表示態様の方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高く、図261(b)の数的保留表示Dm11aの表示態様よりも、図261(c)の数的保留表示Dm11bの表示態様の方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高く、図261(c)の数的保留表示Dm11bの表示態様よりも、図261(d)の数的保留表示Dm11aの表示態様の方が保留表示に対応した遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している可能性が高い。
さらに、本例においては、演出時間相関量として表示する数的保留表示Dm11a〜Dm11cのうち、期待度情報を示唆するために用いる数的保留表示を、大当たり抽選の結果を報知するタイミングを決定するために用いた上記第1数値情報(X)の値とは無関係に、数的保留表示Dm11a〜Dm11cの中からランダムに決定する。よって、例えば、数的保留表示のうち期待度情報を示唆している数的保留表示が図261(a)に示すように数的保留表示Dm11cである場合、遊技回として実行された場合には、実行遊技回表示Dp1、実行遊技回表示Dp2、実行遊技回表示Dp3のうちの、実行遊技回表示Dp3が期待度情報を示唆する表示態様となるが、実行遊技回表示Dp2に対応する結果報知示唆演出において大当たり抽選の抽選結果として大当たりが報知される場合がある。すなわち、この場合、第1数値情報(X)はX=2である。この場合、期待度情報を示唆するために用いられた実行遊技回表示Dp3に対応する結果報知示唆演出は実行されずに遊技回は終了する。
本態様は以下の処理により実現することができる。第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球したことを契機として大当たり乱数カウンタC1の値を取得後に、先判定処理によって、当該取得した大当たり乱数カウンタC1の値に対応する遊技回における大当たり抽選の抽選結果を判定する。
そして、保留演出設定処理(図236)において、分身演出実行判定処理(図236:S12103)を実行して保留遊技回分身演出を実行することが決定した場合、第1数値情報(X)および数的保留表示数(Y)を決定する。
その後、期待度情報を示唆するための数的保留表示の表示態様を決定する。すなわち、図261(a)のDm11cに示した表示態様、図261(b)のDm11aに示した表示態様、図261(c)のDm11bに示した表示態様、図261(d)のDm11aに示した表示態様のいずれの表示態様を用いるかを決定する。具体的には、表示態様決定用の乱数の値を取得し、大当たり抽選の抽選結果毎に用意された表示態様決定テーブルと照合して表示態様を決定する。表示態様決定テーブルは、各表示態様に対応して表示態様決定用の乱数が割り振られたテーブルデータである。例えば、大当たり用の表示態様決定テーブルは、図261(c)の数的保留表示Dm11bに示した表示態様や図261(d)の数的保留表示Dm11aに示した表示態様に割り振られている表示態様決定用の乱数の数が、図261(a)の数的保留表示Dm11cに示した表示態様や図261(b)の数的保留表示Dm11aに示した表示態様に割り振られている表示態様決定用の乱数より多い。その結果、大当たり抽選において大当たりに当選している場合には、図261(c)の数的保留表示Dm11bに示した表示態様や図261(d)の数的保留表示Dm11aに示した表示態様に決定される確率が高くなる。このようにして、期待度情報を示唆するための数的保留表示の表示態様を決定する。
その後、先に決定した数的保留表示数(Y)に基づいて、表示される数的保留表示のうち、どの数的保留表示の表示態様を、期待度情報を示唆する表示態様にするかを決定する。上述のように、期待度情報を示唆する表示態様にする数的保留表示は、第1数値情報に関わらずランダムに選択されるようにする。例えば、数的保留表示数(Y)の個数だけ表示される数的保留表示のうち、乱数を用いた処理によって、いずれの数的保留表示の表示態様を、大当たりに当選している可能性を示す情報を示唆する表示態様にするかを決定する。このように、期待度情報を示唆するために数的保留表示の一部をどのような表示態様に変更するか、そして、どの数的保留表示の表示態様を変更するかを決定する処理を実行することによって、本態様を実現することができる。
本態様によれば、表示した演出時間相関量としての数的保留表示が示す結果報知用演出の実行回数に対応した個数の忍者のキャラクター画像の中の1個または複数個(本例では1個の画像)の特定の忍者のキャラクター画像を用いて、期待度を示唆するので、結果報知示唆演出の実行回数が当該特定の忍者のキャラクター画像に対応する実行回数に達する際、または、達した際に、大当たり抽選に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、本態様においては、演出時間相関量として表示する数的保留表示(本態様における例では数的保留表示Dm11a〜Dm11c)のうち、期待度情報を示唆するために用いる数的保留表示を、大当たり抽選の結果を報知するタイミングを決定するために用いる第1数値情報(X)の値とは無関係にランダムに決定する。従って、結果報知示唆演出の実行回数が期待度情報を示唆する特定の忍者のキャラクター画像に対応する実行回数に達する際、または、達した際に、大当たり抽選に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を遊技者に付与するにも関わらず、表示された演出時間相関量としての数的保留表示が示す結果報知示唆演出の実行回数とは異なる実行回数の結果報知示唆演出が実行される場合がある。
その結果、表示された演出時間相関量としての数的保留表示を視認した遊技者に対して、遊技回において、期待度情報を示唆する特定の忍者のキャラクター画像に対応する実行回数に達するまで結果報知示唆演出が実行されるのかといった緊迫感を付与するとともに、仮に期待度情報を示唆する特定の忍者のキャラクター画像に対応する実行回数に達するまで結果報知示唆演出が実行された場合には、大当たり抽選に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を付与する。すなわち、遊技者に対して、遊技における多段的な変化に対する推測をさせることができ、さらに、当該推測した内容通りに遊技が実行されるかということについて、遊技者に緊迫感および期待感を付与することができる。
<態様8>
第14実施形態においては、保留表示Dm11として表示されている保留遊技回に対して分身演出(保留遊技回分身演演出)を実行したが、それに限らず、保留表示Dm11〜Dm14、保留表示Dm21〜Dm24のいずれの保留遊技回に対して、保留遊技回分身演出を実行してもよい。また、上述のように、遊技回の実行中に、実行遊技回表示Dpに対して分身演出(実行遊技回分身演出)を実行してもよい。
実行遊技回分身演出を実行する場合には、上記第14実施形態のように始動口に遊技球が入球したことを契機として実行する保留演出設定処理(図236)において第1数値情報(X)および数的保留表示数(Y)を決定する態様の限らず、当該始動口に遊技球が入球したことを契機として実行する遊技回の開始直前に実行される演出設定処理(図243)において第1数値情報(X)および数的保留表示数(Y)を決定する態様を採用してもよい。具体的には、演出設定処理(図243)のステップS12402において大当たりの有無およびリーチ発生の有無を判定した後、大当たりまたはリーチ発生の場合に分身演出(本例においては実行遊技回分身演出)を実行するか否かの判定をする分身演出実行判定処理を実行し、分身演出を実行すると判定した場合に、第1数値情報(X)および数的保留表示数(Y)を決定する。その後、結果報知演出設定処理(図243:S12403)を実行する。実行遊技回分身演出の実行は、このような処理を実行しても実現することができる。
また、遊技回の開始後に、実行遊技回分身演出を実行するか否かを判定し、結果報知示唆演出の演出パターンを決定することもできる。例えば、遊技回の実行中に遊技者に対して演出操作ボタン24を操作するように促す演出を実行し、当該演出に従って遊技者が演出操作ボタン24を操作したことを契機として実行遊技回分身演出を実行する。この場合、遊技者によって演出操作ボタン24が操作された時点から、当該遊技回の終了までの残時間を算出し、当該残時間に応じて実行可能な結果報知示唆演出の回数を決定する。具体的には、残時間の値ごとに結果報知示唆演出の実行可能回数および結果報知示唆演出の演出パターンが対応付けされたテーブルデータを用意し、当該テーブルデータに基づいて、実際に実行されている遊技回における残時間に対応した結果報知示唆演出の実行可能回数および結果報知示唆演出の演出パターンを決定する。そして、決定された結果報知示唆演出の実行可能回数(すなわち第1数値情報(X)に対応する値)に基づいて、実行遊技回分身演出によって表示する実行遊技回表示Dpの数(上記第14実施形態における数的保留表示数(Y)に対応する値/以下、数的遊技回表示数(Y)とも呼ぶ)を決定する。そして、決定した数的遊技回表示数(Y)に応じて、実行遊技回分身演出を実行する。一方、遊技回の実行中に遊技者に対して演出操作ボタン24を操作するように促す演出を実行したにも関わらず、当該演出に従って遊技者が演出操作ボタン24を操作しなかった場合には、遊技者が演出操作ボタン24を操作しなかった場合を想定して予め用意された通常演出の演出パターンに従って演出を実行する。このような処理を実行することによって、遊技回の開始後に、遊技者による演出操作ボタン24の操作に対応して、動的に、実行遊技回分身演出を実行するか否かの判定、および、結果報知示唆演出の演出パターンの決定を実現することができる。このように、遊技回の実行中に、動的に実行遊技回分身演出を実行するか否かの判定、および、結果報知示唆演出の演出パターンの決定をすることによって、遊技回における演出の流れが動的に変化するため、遊技者に対して、常に緊張感を付与することができ、遊技に対する注目度を高めることができる。
さらに、上記第14実施形態における処理と、本態様における処理とを組み合わせてもよい。すなわち、保留遊技回分身演演出と実行遊技回分身演出とを組み合わせることによって、始動口に遊技球が入球して保留遊技回が発生してから、当該遊技回が実行されて終了するまでの期間、当該遊技回に対して常に分身演出が実行される可能性があるので、遊技者に対して、常に期待感や緊迫感を付与することができる。
<態様9>
上記第14実施形態においては、図245および図246に示したように、結果報知示唆演出パターンテーブルにおける各々の結果報知示唆演出1(図の「R1」)、結果報知示唆演出2(図の「R2」)、結果報知示唆演出3(図の「R3」)、結果報知示唆演出4(図の「R4」)は、演出の時間的な長さが同じであったが、各々の演出の時間的な長さが異なる態様を採用してもよい。例えば、結果報知示唆演出1より結果報知示唆演出2の方が時間的な長さが長く、結果報知示唆演出2より結果報知示唆演出3の方が時間的な長さが長く、結果報知示唆演出3より結果報知示唆演出4の方が時間的な長さが長い態様を採用してもよい。このようにすることによって、結果報知示唆演出の実行回数が増すに連れて、1回の結果報知示唆演出の時間的長さが長くなるため、結果報知示唆演出の実行回数が増す毎に遊技者に時間的に長い緊張感を付与することができ、より一層、結果報知示唆演出の実行後に報知される大当たり抽選の抽選結果に対して期待感や緊迫感を付与することができる。
さらに、結果報知示唆演出1、結果報知示唆演出2、結果報知示唆演出3、結果報知示唆演出4の各々の時間的長さと同じ長さの通常演出用の擬似連続予告演出1、擬似連続予告演出2、擬似連続予告演出3、擬似連続予告演出4を備える態様を採用してもよい。上記態様8で説明したように、遊技回の実行中に動的に実行遊技回分身演出を実行するか否かを判定する態様の場合において、仮に、実行遊技回分身演出を実行しないと判定した場合に、各結果報知示唆演出パターンテーブルにおける各結果報知示唆演出1〜4に替えて、通常演出用の擬似連続予告演出1〜4を実行することによって、実行遊技回分身演出を実行しない場合の演出パターンを生成することができるため、処理を簡易化することができる。
<態様10>
上記第14実施形態においては、第1数値情報(X)と数的保留表示数(Y)との関係はX≦Yであったが、Yの値がXの値より小さい態様であってもよい。すなわち、数的保留表示の数より多い回数の結果報知示唆演出が遊技回において実行される。例えば、保留遊技回分身演出の実行を契機として数的保留表示Dm11a、数的保留表示Dm11b、数的保留表示Dm11cの3つの忍者のキャラクターが表示された場合、すなわち、遊技回において、ステージSGに実行遊技回表示Dp1、実行遊技回表示Dp2、実行遊技回表示Dp3に対応する3つの忍者のキャラクターが表示されている場合において、各実行遊技回表示Dp1〜3に対応する結果報知示唆演出が実行された後に、さらに、追加で結果報知示唆演出が実行される。この場合、各実行遊技回表示Dp1〜3に対応する結果報知示唆演出が実行された後に、表示面41aの側面から追加で忍者のキャラクターが現れ、追加の結果報知示唆演出を実行する。
上記第14実施形態においては、第1数値情報(X)に基づいて数的保留表示数(Y)を決定する際に、X≦Yという条件でYの値を決定していたが、本態様においては、第1数値情報(X)に基づいて数的保留表示数(Y)を決定する際に、1≦Yという条件でYの値を決定する。このようにすることで、Yの値がXの値以上の値に決定されるだけでなく、Yの値がXの値より小さい値に決定される。このようにすることで、本態様による演出を実現することができる。
また、本態様による処理と、上記実施形態における処理とを組み合わせてもよい。この場合、表示された数的保留表示の数と同じ回数の結果報知示唆演出が実行された場合でも、さらに追加で結果報知示唆演出が実行されるのではないかといった期待感や緊迫感を遊技者に付与することができる。
<態様11>
リーチ演出として、2つの陣営による勝ち抜き戦による戦闘の演出(以下、戦闘演出とも呼ぶ)を実行してもよい。この場合、各陣営に属するキャラクターの数によって演出時間相関量を示唆する。例えば、陣営Aに属するキャラクターが3体、陣営Bに属するキャラクターが3体である場合、決着がつくまでに実行される戦闘演出の回数は3回〜5回である。当該演出はリーチ演出として実行されるため、遊技者は、当該戦闘演出が長時間に亘ると推測し、最少の戦闘回数で決着がつく可能性は低いと認識しているにも関わらず、最少の戦闘回数である3回で決着がつき、大当たり抽選の抽選結果を報知する構成としてもよい。このようにすることで、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<態様12>
上記説明した演出時間相関量は、遊技回において実行する所定の演出の回数、遊技回において実行する所定の演出の実行に要する時間、1回の遊技回において実行する全ての演出の合計時間など、実行される演出の時間に相関のある量を直接的または間接的に表すものであれば、種々の量(物理量:数値、時間、個数、回数、長さ、重さ、速さ、力の強さ、容量、体積、エネルギー量など)を採用することができる。
<態様13>
演出時間相関量を形状や模様や色彩等の態様で表現してもよい。例えば、遊技回が開始されると同時に演出時間相関量を示す画像を図柄表示装置41に表示する。このとき、演出時間相関量を示す画像の色彩が白、青、緑、赤の順に、当該遊技回における演出の実行時間が長くなるように設定する。すなわち、演出時間相関量を示す画像の色彩が白の場合より、演出時間相関量を示す画像の色彩が青の場合の方が当該遊技回における演出の実行時間が長く、演出時間相関量を示す画像の色彩が青の場合より、演出時間相関量を示す画像の色彩が緑の場合の方が当該遊技回における演出の実行時間が長く、演出時間相関量を示す画像の色彩が緑の場合より、演出時間相関量を示す画像の色彩が赤の場合の方が当該遊技回における演出の実行時間が長くなるように設定する。このような設定をした場合において、大当たり抽選において特定の種別の大当たりに当選した場合のみ、図柄表示装置41に画像として示した演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行する。
例えば、大当たり抽選において特定の種別の大当たりに当選した場合のみ、当該遊技回において演出時間相関量を示す画像の色彩が赤であるにも関わらず、演出時間相関量を示す画像の色彩が白である場合に相当する時間の演出が実行されて大当たり抽選の抽選結果が報知される態様を採用する。
演出時間相関量を示す画像の色彩が赤であることを認識し当該遊技回における演出の実行時間は比較的長く当該演出の最後に大当たり抽選の抽選結果が報知されるものと推測をしながら演出を鑑賞している遊技者に対して、演出時間相関量として示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、遊技者が当該演出時間相関量として表現された態様の違いが視認可能であれば、当該態様は形状や模様や色彩に限らず他の態様で表現してもよい。例えば、演出時間相関量を音で表現してもよい。具体的には、演出時間相関量として、遊技回で実行する演出の実行時間を採用した場合には、当該演出の実行時間を音声で遊技者に報知する態様を採用してもよい。その他、演出時間相関量として、遊技回で実行する所定の演出(例えば、結果報知示唆演出)の実行回数を採用した場合には、当該演出の実行回数を音声で遊技者に報知する態様を採用してもよい。
また、演出時間相関量を示唆するための専用の報知手段を設けてもよい。例えば、演出時間相関量を示唆するための専用の発光体(例えばLEDランプ)を設けてもよい。そして、当該発光体の発光態様によって演出時間相関量を示してもよい。例えば、発光体の発する光の色彩によって演出時間相関量を示唆してもよい。この場合、例えば、演出時間相関量を示す発光体の発する光の色彩が白、青、緑、赤の順に、当該遊技回における演出の実行時間が長くなるように設定する等の態様を採用することができる。このような設定をした場合において、大当たり抽選において特定の種別の大当たりに当選した場合のみ、上記の設定とは異なる処理を実行する。例えば、大当たり抽選において特定の種別の大当たりに当選した場合のみ、当該遊技回において演出時間相関量を示す発光体の発する光の色彩が赤であるにも関わらず、演出時間相関量を示す発光体の発する光の色彩が白である場合に相当する時間の演出が実行されて大当たり抽選の抽選結果が報知される態様を採用する。この場合も、上記と同様に、演出時間相関量を示す発光体の発する光の色彩が赤であることを認識し当該遊技回における演出の実行時間は比較的長く当該演出の最後に大当たり抽選の抽選結果が報知されるものと推測をしながら演出を鑑賞している遊技者に対して、演出時間相関量として示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
その他、発光体の点滅する周期によって演出時間相関量を示唆してもよい。この場合、例えば、演出時間相関量を示す発光体の点滅する周期が長いほど、当該遊技回における演出の実行時間が長くなるように設定する等の態様を採用することができる。
<態様14>
上記第14実施形態においては、演出時間相関量を、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示(保留表示、実行遊技回表示)の表示態様を用いて示唆したが、演出時間相関量を示唆する態様として他の態様を採用してもよい。例えば、複数の保留遊技回が存在する状態において、当該複数の保留遊技回の中のいずれかに大当たり抽選において「大当たり」又は「特定の外れ(小当たり)」に当選している保留遊技回が存在している場合に、当該複数の保留遊技回が遊技回として実行される際に、当該複数の遊技回に亘って連続的な一連の特定の演出を実行する。そして、当該特定の演出において、演出上、当該複数存在する保留遊技回の内の最後に実行される保留遊技回において大当たり抽選に当選していることを示唆する。すなわち、当該特定の演出が、演出時間相関量である。
そして、特定の演出における演出表現において演出時間相関量を示唆しているにも関わらず、所定の場合に、当該示唆した演出時間相関量とは異なる量の演出を実行する。例えば、当該特定の演出において、演出上、当該複数存在する保留遊技回の内の最後に実行される保留遊技回において大当たり抽選に当選していることを示唆しているにも関わらず、最後の遊技回よりも前の遊技回における大当たり抽選において大当たりに当選する。すなわち、パチンコ機10の処理として、大当たり抽選に当選する保留遊技回よりも後に保留遊技回が存在する場合に、このような特定の演出を実行する。このようにすることで、特定の演出によって示唆された内容を認識するとともに複数存在する保留遊技回の内の最後の保留遊技回が遊技回として実行されたときに大当たり抽選において大当たりに当選すると推測している遊技者の当該推測を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。
<態様15>
演出時間相関量を表示するタイミングとして、遊技回の開始前の表示や、遊技回の開始と同時の表示に限定されることなく、遊技回の開始後において所定の契機に基づいて表示を開始してもよい。例えば、遊技回においてリーチが発生したことを報知するとともに演出時間相関量を示す画像を表示してもよい。この場合、例えば、リーチ発生後から当該遊技回が終了するまでの間に実行される演出の実行時間を示唆する態様や、リーチ発生後から当該遊技回が終了するまでの間に実行される所定の演出の実行回数を示唆する態様を採用することができる。
<態様16>
パチンコ機10が示唆する対象は演出時間相関量に限定されず、パチンコ機10が実行する処理に関する量(以下、実行量とも呼ぶ)であれば他の量を示唆する態様を採用してもよい。すなわち、上記の演出時間相関量は、実行量の一態様である。
この場合、例えば、実行量を示唆し、所定の場合に、当該示唆した実行量と異なる量の処理を実行する態様を採用してもよい。一例として、一定の時間内に実行する処理に関する量を遊技者に示唆し、所定の場合に、一定の時間内に当該示唆した実行量と異なる量の処理を実行する構成を採用してもよい。以下、具体例を説明する。
例えば、遊技者に対して大当たり抽選に当選する期待の度合い(以下、期待度とも呼ぶ)を示し、当該期待度が昇格する演出(以下、ステップアップ演出とも呼ぶ)を実行する。また、実行量として、ステップアップ演出の実行回数も示唆する。例えば、実行量として「2」と表示された場合には、ステップアップ演出が2回実行されることを示唆しており、遊技者に対して示した期待度が2回昇格することを示している。すなわち、示唆した実行量が大きいほど、期待度が昇格する回数が増加するため、大当たり抽選に当選する確率が上昇したと遊技者に認識させることができる。このような処理を実行するパチンコ機10において、所定の場合(例えば所定の抽選を実行し当該抽選結果が特定の結果であった場合)に、示唆した実行量と異なる量(回数)のステップアップ演出を実行してもよい。より具体的な例としては、実行量(ステップアップ演出の実行回数)として「3」を表示しているにも関わらず、実際には、ステップアップ演出を4回実行したり、2回実行するなど、示唆した実行量と異なる回数のステップアップ演出を実行する。このようにすることで、示唆された実行量を認識した遊技者の推測を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。
また、例えば、高確率モードで連続して実行可能な遊技回の回数に制限がある遊技機において、実行量として、高確率モードで実行可能な遊技回の残りの実行回数(残り実行回数とも呼ぶ)を示唆する態様を採用してもよい。この場合、実行量として、残り実行回数に対応する数字を図柄表示装置41に表示する態様を採用してもよい。そして、大当たり抽選において大当たりに当選した場合に、実行量を示唆していた残り実行回数より少ない実行回数で高確率モードを終了させてもよい。なお、この場合における高確率モードの終了は、高確率モードフラグのOFFを意味するとしてもよい。従って、高確率モードで遊技回を実行中に、大当たり抽選において確変大当たりに当選した場合には、高確率モードフラグが、一旦、OFFになり高確率モードが終了する。その後、開閉実行モード(ラウンド遊技)の終了後、再び、高確率モードフラグがONとなり、新たな高確率モードにおける遊技回が開始される。
また、実行量が、高確率モードで実行可能な遊技回の残りの実行回数に亘って実行される一連の連続的な演出の総実行時間を示唆する態様を採用してもよい。例えば、残り実行回数が20回であり、1回の遊技回の実行時間が5秒である場合に、20回の遊技回に亘って実行される連続的な演出の総実行時間として「100」(20回×5秒)と表示してもよい。そして、時間が経過するに従って、実行量(演出時間相関量)として示した数字が小さい値へと変化する。一方、大当たり抽選において特定の種別の大当たりに当選した場合のみ、実行量(演出時間相関量)を示唆していた数字に対応した時間が経過する前に高確率モードを終了させてもよい。
その他、例えば、実行量として、所定の遊技状態における電動役物34aや開閉扉36bの開放回数を示唆する態様を採用してもよい。そして、特定の種別の大当たり当選を契機として電動役物34aや開閉扉36bが開放する場合に、実行量として示唆した電動役物34aや開閉扉36bの開放回数と異なる開放回数で電動役物34aや開閉扉36bを開放してもよい。このようにすることで、示唆された実行量を認識した遊技者の推測を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。
<態様17>
高確率モードで連続して実行可能な遊技回の回数に制限がある遊技機において、高確率モードで連続して実行する遊技回の回数を示唆する示唆手段を備える構成としてもよい。そして、高確率モードにおける遊技回において大当たりに当選しない場合には、示唆手段が示唆した回数に対応する回数の高確率モードの遊技回を実行するにも関わらず、高確率モードにおける遊技回において大当たりに当選した場合には、示唆手段が示唆した回数とは異なる回数の高確率モードの遊技回を実行し、高確率モードを終了する構成を採用してもよい。
なお、この場合における高確率モードの終了は、高確率モードフラグのOFFを意味するとしてもよい。従って、高確率モードで遊技回を実行中に、大当たり抽選において確変大当たりに当選した場合には、高確率モードフラグが、一旦、OFFになり高確率モードが終了する。その後、開閉実行モード(ラウンド遊技)の終了後、再び、高確率モードフラグがONとなり、新たな高確率モードにおける遊技回が開始される。
<態様18>
高確率モードフラグをOFFにするまでの時間的な長さに相関のある量(例えば、高確率モードで連続して実行可能な遊技回の残り実行回数)を示唆する示唆手段を備える構成を採用してもよい。さらに、示唆手段が示唆する高確率モードフラグをOFFにするまでの時間的な長さが経過するよりも前に、高確率モードフラグをOFFにする処理を実行する構成を採用してもよい。
O.第15実施形態:
O1.遊技機の構造:
図262は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図263は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図264は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図265は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図265(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図265(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図265(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図265(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図265(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図265(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
O2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図266は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61の主側MPU62は、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図267は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には保留情報記憶エリア64bが設けられている。保留情報記憶エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。
図268は、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図268(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図268(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図268(a)に示すように、大当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図268(b)に示すように、大当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報記憶エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに記憶される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図268を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図269は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図269(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図269(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図269(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図269(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、当否抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに記憶される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、大当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図265(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに記憶される。そして、所定のタイミングで、その記憶された電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
O3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図270は、本実施形態のパチンコ機10が実行可能な連続変身演出を説明するタイムチャートである。連続変身演出は、変身演出が連続して順次実行される演出である。変身演出は、所定のキャラクターが登場するとともに、登場したキャラクターが異なる衣装に着替えて変身をする演出である。連続変身演出が実行されると、まず最初に変身演出(1回目)が実行され、変身演出(1回目)が終了すると、次に変身演出(2回目)が実行される。このようにして、変身演出が時間的に重複することなく連続して順次実行される。
本実施形態の連続変身演出は、当該連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数が多いほど、大当たりに当選している可能性(期待度、信頼度)が高くなるように設定されている。ただし、後述するように、遊技者による演出操作ボタン24の操作の態様によっては、連続変身演出において、変身演出が上限回数に達するまで実行されるとは限らない。具体的には、本実施形態では、遊技者が各変身演出において演出操作ボタン24を積極的に押下した場合にのみ、当該連続変身演出において変身演出が上限回数まで実行されることになる。したがって、遊技者が当該連続変身演出の期待度を知るためには、演出操作ボタン24を積極的に押下し、当該連続変身演出に設定されている上限回数まで変身演出を実行させる必要がある。したがって、遊技者に対して、演出操作ボタン24を積極的に押下したいといった意欲を与えることが可能となる。
本実施形態では、連続して実行される変身演出のそれぞれにおいて異なるキャラクターが登場するように設定されている。各変身演出は、3秒間実行される変身準備演出と、演出操作ボタン24の操作を受け入れ可能であることを示唆する変身待機演出と、2秒間実行される変身完了演出とによって構成されている。
図271は、変身演出の態様の一例を示す説明図である。図271(A)は、変身準備演出の態様の一例を示しており、図271(B)は、変身待機演出の態様の一例を示しており、図271(C)は、変身完了演出の態様の一例を示している。
図271(A)に示すように、変身準備演出は、所定のキャラクターが登場するとともに、自らが異なる衣装に着替えて変身をすることを示唆する演出である。本実施形態では、変身準備演出の長さは3秒間に固定されている。3秒間の変身準備演出が終了すると、変身待機演出が実行される。
図271(B)に示すように、変身待機演出は、登場したキャラクターがカーテンで隠れ、カーテンの裏側でキャラクターが変身中(着替え中)であることを示唆する演出である。
さらに、本実施形態では、変身待機演出において、遊技者に対して演出操作ボタン24の操作を促す画像が表示される。具体的には、演出操作ボタン24が押下されるとキャラクターの変身が完了することを示唆する画像が表示される。本実施形態では、演出操作ボタン24が押下されると、又は、演出操作ボタン24が押下されずに変身待機演出が実行されてから10秒が経過すると、変身完了演出が実行される。
図271(C)に示すように、変身完了演出は、キャラクターを隠していたカーテンが開き、衣装を着替えて変身が完了したキャラクターが登場する演出である。本実施形態では、変身完了演出の長さは2秒間に固定されている。2秒間の変身完了演出が終了すると、次の変身演出が実行される。次の変身演出では、既に終了した変身演出において登場したキャラクターとは異なるキャラクターが登場する。
図270の説明に戻る。上述したように、変身準備演出は3秒間実行され、変身待機演出は最大で10秒間実行され、変身完了演出は2秒間実行される。したがって、1回の変身演出の時間的な長さは、変身待機演出が開始された直後に演出操作ボタン24が押下された場合には5秒となり、変身待機演出の実行中に演出操作ボタン24が押下されなかった場合には15秒となる。すなわち、演出操作ボタン24が押下されるタイミングによって変身待機演出の時間的な長さが0秒から10秒の間で変化するので、1回の変身演出の時間的な長さは、最短で5秒、最長で15秒となる。
図272から図276は、本実施形態のパチンコ機10が実行する演出パターンの一例を示すタイムチャートである。この図272から図276に示した例では、遊技回における図柄の変動時間として140秒が設定されるとともに、当該140秒間の遊技回において実行する演出パターンとして、演出パターンPT1が選択されている。演出パターンには、遊技回において実行する演出の種別や実行時間、実行の順番等が設定されており、音声発光制御装置90が複数の演出パターンの中から一の演出パターンを選択することによって、当該遊技回において実行する演出の種別や実行時間、実行の順番等が決定される。本実施形態では、複数の演出パターンの中から一の演出パターンを選択するための演出パターンテーブルに、演出パターンPT1〜PT500の500種類の演出パターンが設定されている。
本実施形態では、音声発光制御装置90によって演出パターンPT1が選択されると、実行期間として75秒が設定されている連続変身演出Aが実行され、次に60秒間のリーチ演出Aが実行され、次に5秒間の結果演出Aが実行される。そして、実行期間として75秒が設定されている連続変身演出Aでは、実行可能な変身演出の上限回数が10回に設定されている。なお、本実施形態では、実行期間として75秒が設定されている連続変身演出Aは、演出パターンPT1の他に、演出パターンPT2〜PT10に含まれている。したがって、演出パターンPT2〜PT10のいずれかの演出パターンが選択された場合にも、連続変身演出Aが実行されることになる。ただし、演出パターンPT1〜PT10は、連続変身演出A以外に実行する演出の種別や時間等が互いに異なっている。
本実施形態では、実行する演出パターンの種別を、大当たり抽選の抽選結果、遊技回の変動時間、及び後述する演出パターン用乱数に基づいて選択するように構成されている。そして、変身演出の上限回数が10回である連続変身演出Aが実行された場合には大当たりに当選している期待度が高くなるように構成されている。具体的には、本実施形態では、連続変身演出Aが実行された場合において大当たりに当選している確率(期待度、信頼度)が70%程度になるように構成されている。
後述するように、同じ演出パターンPT1が実行された場合であっても、各変身演出の変身待機演出における演出操作ボタン24の操作態様によって、連続変身演出Aにおいて実行される変身演出の回数が異なることになる。以下では、演出パターンPT1が実行された場合における演出操作ボタン24の操作態様の異なる各ケースについて説明する。
図272に示すケースA1について説明する。ケースA1では、遊技者は、各変身演出の変身待機演出において、演出操作ボタン24を1回も押下していない。変身演出の変身待機演出において演出操作ボタン24が押下されなかった場合には、当該変身演出の時間的長さは、3秒の変身準備演出と10秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した15秒となる。
この結果、ケースA1では、変身演出(5回目)が終了した時点で連続変身演出Aの実行期間として設定されていた75秒が経過し、次のリーチ演出Aが実行されることになる。
図273に示すケースA2について説明する。ケースA2では、遊技者は、変身演出(1回目)の変身待機演出において、当該変身待機演出が開始されてから8秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。このため、変身演出(1回目)の時間的長さは、3秒の変身準備演出と8秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した13秒となる。
また、ケースA2では、遊技者は、変身演出(2回目)から変身演出(5回目)においても、変身演出(1回目)と同様に、変身待機演出が開始されてから8秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。
変身演出(6回目)においては、遊技者は、変身待機演出が開始されてから5秒が経過した時点において演出操作ボタン24を押下していない。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10は、変身待機演出を実行中に連続変身演出Aの残り時間が2秒となったことを契機として、2秒間の変身完了演出を実行する。
この結果、ケースA2では、変身演出(6回目)が終了した時点で連続変身演出Aの実行期間として設定されていた75秒が経過し、次のリーチ演出Aが実行されることになる。
図274に示すケースA3について説明する。ケースA3では、遊技者は、変身演出(1回目)の変身待機演出において、当該変身待機演出が開始されてから4秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。このため、変身演出(1回目)の時間的長さは、3秒の変身準備演出と4秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した9秒となる。
また、ケースA3では、遊技者は、変身演出(2回目)から変身演出(8回目)においても、変身演出(1回目)と同様に、変身待機演出が開始されてから4秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。したがって、ケースA3では、変身演出(8回目)が終了した時点において、連続変身演出Aの残り時間は3秒となっている。
上述したように、変身演出の最短時間は5秒であるため、変身演出(8回目)の後に変身演出(9回目)を実行すると、変身演出(9回目)の途中で連続変身演出Aの実行期間が終了し、変身演出(9回目)が途中で終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態のパチンコ機10は、1回の変身演出が終了する毎に連続変身演出Aの残り時間を判定し、連続変身演出Aの残り時間が5秒以上である場合には次の変身演出を実行し、連続変身演出Aの残り時間が5秒未満である場合には連続変身演出が終了することを示唆する演出(以下では、終了演出とも呼ぶ)を実行する。本実施形態では、終了演出は、連続変身演出が終了することを示唆する静止画像が表示される演出であるため、任意のタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えないように構成されている。
以上より、ケースA3では、変身演出(8回目)が終了した後、終了演出が3秒間実行された時点で連続変身演出Aの実行期間として設定されていた75秒が経過し、次のリーチ演出Aが実行されることになる。
図275に示すケースA4について説明する。ケースA4では、遊技者は、変身演出(1回目)の変身待機演出において、当該変身待機演出が開始されてから2秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。このため、変身演出(1回目)の時間的長さは、3秒の変身準備演出と2秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した7秒となる。
また、ケースA4では、遊技者は、変身演出(2回目)から変身演出(10回目)においても、変身演出(1回目)と同様に、変身待機演出が開始されてから2秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。したがって、ケースA4では、変身演出(10回目)が終了した時点において、連続変身演出Aの残り時間は5秒となっている。
本実施形態のパチンコ機10は、変身演出(10回目)が終了した時点において連続変身演出Aの残り時間を判定し、連続変身演出Aの残り時間が0秒を超え、10秒未満である場合には、変身演出が10回実行されたことを示唆する演出(以下では、コンプリート演出とも呼ぶ/図では「コンプ演出」と表記)を実行する。本実施形態では、コンプリート演出は、変身演出が10回実行されたことを示唆する静止画像が表示される演出であるため、任意のタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えないように構成されている。なお、コンプリート演出としては、例えば、各変身演出に登場した10体のキャラクターが一堂に会して遊技者を称える内容の演出を採用することができる。
以上より、ケースA4では、変身演出(10回目)が終了した後、コンプリート演出が5秒間実行された時点で連続変身演出Aの実行期間として設定されていた75秒が経過し、次のリーチ演出Aが実行されることになる。
図276に示すケースA5について説明する。ケースA5では、遊技者は、変身演出(1回目)の変身待機演出において、当該変身待機演出が開始されてから1秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。このため、変身演出(1回目)の時間的長さは、3秒の変身準備演出と1秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した6秒となる。
また、ケースA5では、遊技者は、変身演出(2回目)から変身演出(10回目)においても、変身演出(1回目)と同様に、変身待機演出が開始されてから1秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。したがって、ケースA4では、変身演出(10回目)が終了した時点において、連続変身演出Aの残り時間は15秒となっている。
本実施形態のパチンコ機10は、変身演出(10回目)が終了した時点において連続変身演出Aの残り時間を判定し、連続変身演出Aの残り時間が10秒以上である場合には、変身演出が10回実行されたことを示唆する特別な演出(以下では、スペシャルコンプリート演出とも呼ぶ)を実行する。本実施形態では、スペシャルコンプリート演出は、変身演出が10回実行されたことを示唆する動画によって構成されており、10秒の動画が再生された後は、動画の最後の画像に対応する静止画像が継続して表示される。このため、スペシャルコンプリート演出が実行されてから10秒経過した後は、任意のタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えないように構成されている。このケースA4に示した例では、スペシャルコンプリート演出では、10秒間の動画が表示された後、静止画像が5秒間表示される。なお、スペシャルコンプリート演出としては、例えば、各変身演出に登場した10体のキャラクターが一堂に会して遊技者を盛大に称える内容の演出を採用することができる。
以上より、ケースA5では、変身演出(10回目)が終了した後、スペシャルコンプリート演出が15秒間実行された時点で連続変身演出Aの実行期間として設定されていた75秒が経過し、次のリーチ演出Aが実行されることになる。
図277及び図278は、本実施形態のパチンコ機10が実行する演出パターンの他の例を示すタイムチャートである。この図277及び図278に示した例では、遊技回における図柄の変動時間として140秒が設定されるとともに、当該140秒間の遊技回において実行する演出パターンとして、演出パターンPT11が選択されている。本実施形態では、音声発光制御装置90によって演出パターンPT11が選択されると、実行期間として45秒が設定されている連続変身演出Bが実行され、次に90秒間のリーチ演出Bが実行され、次に5秒間の結果演出Bが実行される。なお、本実施形態では、実行期間として45秒が設定されている連続変身演出Bは、演出パターンPT11の他に、演出パターンPT12〜PT20に含まれている。したがって、演出パターンPT12〜PT20のいずれかの演出パターンが選択された場合にも、連続変身演出Bが実行されることになる。ただし、演出パターンPT11〜PT20は、連続変身演出B以外に実行する演出の種別や時間等が互いに異なっている。
実行期間として45秒が設定された連続変身演出Bでは、遊技者が、全ての変身演出の変身待機演出の開始直後に演出操作ボタン24を押下し、全ての変身演出の時間的長さが最短の5秒になった場合には、当該連続変身演出Bにおいて実行される変身演出の回数は9回となる。すなわち、連続変身演出Bにおいて実行可能な変身演出の上限回数は9回に設定されているといえる。
本実施形態では、実行する演出パターンの種別を、大当たり抽選の抽選結果、遊技回の変動時間、及び後述する演出パターン用乱数に基づいて選択するように構成されている。そして、変身演出の上限回数が9回である連続変身演出Bが実行された場合において大当たりに当選している確率(期待度、信頼度)は、変身演出の上限回数が10回である連続変身演出Aが実行された場合よりも低くなるように構成されている。具体的には、本実施形態では、連続変身演出Bが実行された場合において大当たりに当選している確率(期待度、信頼度)が50%程度になるように構成されている。
上述した演出パターンPT1の場合と同様に、同じ演出パターンPT11が実行された場合であっても、各変身演出の変身待機演出における演出操作ボタン24の操作態様によって、連続変身演出Bにおいて実行される変身演出の回数が異なることになる。以下では、演出パターンPT11が実行された場合における演出操作ボタン24の操作態様の異なる各ケースについて説明する。
図277に示すケースB1について説明する。ケースB1では、遊技者は、各変身演出の変身待機演出において、演出操作ボタン24を1回も押下していない。変身演出の変身待機演出において演出操作ボタン24が押下されなかった場合には、当該変身演出の時間的長さは、3秒の変身準備演出と10秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した15秒となる。
この結果、ケースB1では、変身演出(3回目)が終了した時点で連続変身演出Bの実行期間として設定されていた45秒が経過し、次のリーチ演出Bが実行されることになる。
図278に示すケースB2について説明する。ケースB2では、遊技者は、変身演出(1回目)の変身待機演出において、当該変身待機演出が開始されてから1秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。このため、変身演出(1回目)の時間的長さは、3秒の変身準備演出と1秒の変身待機演出と2秒の変身完了演出とを合計した6秒となる。
また、ケースB2では、遊技者は、変身演出(2回目)から変身演出(8回目)においても、変身演出(1回目)と同様に、変身待機演出が開始されてから1秒経過後に演出操作ボタン24を押下している。したがって、ケースB2では、変身演出(7回目)が終了した時点において、連続変身演出Bの残り時間は3秒となっている。
上述したように、変身演出の最短時間は5秒であるため、変身演出(7回目)の後に変身演出(8回目)を実行すると、変身演出(8回目)の途中で連続変身演出Bの実行期間が終了し、変身演出(8回目)が途中で終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態のパチンコ機10は、変身演出が終了する毎に連続変身演出Bの残り時間を判定し、連続変身演出Bの残り時間が5秒以上である場合には次の変身演出を実行し、連続変身演出Bの残り時間が5秒未満である場合には連続変身演出が終了することを示唆する演出である終了演出を実行する。
この結果、ケースB2では、変身演出(7回目)が終了した後、終了演出が3秒間実行された時点で連続変身演出Bの実行期間として設定されていた45秒が経過し、次のリーチ演出Bが実行されることになる。
なお、上述したように、この演出パターンPT11では、遊技者が、全ての変身演出の変身待機演出の開始直後に演出操作ボタン24を押下し、全ての変身演出の時間的長さが最短の5秒となったとしても、連続変身演出Bの実行期間は45秒であるため、変身演出(10回目)が実行されることはない。すなわち、演出パターンPT11では、コンプリート演出及びスペシャルコンプリート演出が実行されることはない。
また、この演出パターンPT11においても、パチンコ機10は、変身待機演出を実行中に連続変身演出Bの残り時間が2秒となった場合には、演出操作ボタン24が押下されていなくても、2秒間の変身完了演出を実行する。
また、本実施形態では、上述した連続変身演出A及び連続変身演出B以外にも、様々な時間的長さに設定された連続変身演出を実行可能である。具体的には、本実施形態では、実行期間として30秒が設定された連続変身演出C、実行期間として20秒が設定された連続変身演出D、実行期間として15秒が設定された連続変身演出Eを実行可能である。本実施形態では、連続変身演出Cは演出パターンPT21〜PT30に含まれており、連続変身演出Dは演出パターンPT31〜PT40に含まれており、連続変身演出Eは演出パターンPT41〜PT50に含まれている。したがって、演出パターンPT21〜PT30のいずれかの演出パターンが選択された場合には連続変身演出Cが実行されることになり、演出パターンPT31〜PT40のいずれかの演出パターンが選択された場合には連続変身演出Dが実行されることになり、演出パターンPT41〜PT50のいずれかの演出パターンが選択された場合には連続変身演出Eが実行されることになる。
実行期間として30秒が設定された連続変身演出Cでは、遊技者が、全ての変身演出の変身待機演出の開始直後に演出操作ボタン24を押下し、全ての変身演出の時間的長さが最短の5秒となった場合には、当該連続変身演出Cにおいて実行される変身演出の回数は6回となる。すなわち、連続変身演出Cにおいて実行可能な変身演出の上限回数は6回に設定されているといえる。
実行期間として20秒が設定された連続変身演出Dでは、遊技者が、全ての変身演出の変身待機演出の開始直後に演出操作ボタン24を押下し、全ての変身演出の時間的長さが最短の5秒となった場合には、当該連続変身演出Dにおいて実行される変身演出の回数は4回となる。すなわち、連続変身演出Dにおいて実行可能な変身演出の上限回数は4回に設定されているといえる。
実行期間として15秒が設定された連続変身演出Eでは、遊技者が、全ての変身演出の変身待機演出の開始直後に演出操作ボタン24を押下し、全ての変身演出の時間的長さが最短の5秒となった場合には、当該連続変身演出Eにおいて実行される変身演出の回数は3回となる。すなわち、連続変身演出Eにおいて実行可能な変身演出の上限回数は3回に設定されているといえる。
そして、本実施形態では、変身演出の上限回数が6回である連続変身演出Cが実行された場合において大当たりに当選している期待度は、変身演出の上限回数が9回である連続変身演出Bが実行された場合よりも低くなるように構成されており、変身演出の上限回数が4回である連続変身演出Dが実行された場合において大当たりに当選している期待度は、変身演出の上限回数が6回である連続変身演出Cが実行された場合よりも低くなるように構成されており、変身演出の上限回数が3回である連続変身演出Eが実行された場合において大当たりに当選している期待度は、変身演出の上限回数が4回である連続変身演出Dが実行された場合よりも低くなるように構成されている。
以上、本実施形態のパチンコ機10による処理の概要について説明した。なお、本説明においては、各ケース(ケースA1〜A5、B1、B2)における変身待機演出の時間は、説明の便宜上、同じとしたが、実際は、遊技者による演出操作ボタン24の操作態様に応じて変身待機演出の時間はそれぞれ異なることになる。
O4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図279は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS13001では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS13002に進む。
ステップS13002では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS13003に進む。
ステップS13003では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS13004に進む。
ステップS13004では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS13004の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS13004を実行した後、ステップS13005に進む。
ステップS13005では、スルーゲート35への遊技球の入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップS13005におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップS13005を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図279:S13004)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図280は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS13101では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS13101において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S13101:YES)、ステップS13102に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS13103に進む。
ステップS13103では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS13104に進む。
ステップS13104では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS13109に進む。
ステップS13101において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S13101:NO)、ステップS13105に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS13105において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S13105:YES)、ステップS13106に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS13107に進む。一方、ステップS13105において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S13105:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS13107では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS13108に進む。
ステップS13108では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS13109に進む。
ステップS13109では、上述したステップS13104又はステップS13108において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS13109において、始動保留個数Nが上限値未満ではない場合(S13109:NO)、すなわち、始動保留個数Nが上限値以上である場合には、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS13109において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S13109:YES)、ステップS13110に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS13111に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS13112に進む。
ステップS13112では、ステップS13003(図279)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS13110において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS13003(図279)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS13110において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS13003(図279)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS13110において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS13112を実行した後、ステップS13113に進む。
ステップS13113では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS13113を実行した後、ステップS13114に進む。
ステップS13114では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図283:ステップS13403)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS13114を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図280:S13113)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図281は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS13201では、始動口用の入球処理(図280)における始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS13202に進み、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS13202において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S13202:YES)、ステップS13203に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS13205に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS13202において、今回の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S13202:NO)、ステップS13204に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS13205に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS13205において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S13205:YES)、ステップS13206に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS13207に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS13207を実行した後、ステップS13208に進む。
ステップS13208では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS13208において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S13208:YES)、ステップS13209に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS13208において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S13208:NO)、ステップS13210に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS13205において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S13205:NO)、ステップS13211に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS13212に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS13213に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS13213において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S13213:YES)、ステップS13214に進み、先判定処理結果記憶エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS13213において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S13213:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図279:S13005)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図282は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS13301では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS13301において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S13301:YES)、ステップS13302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS13301において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S13301:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS13302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S13302:YES)、ステップS13303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS13304に進む。
ステップS13304では、ステップS13003(図279)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS13302において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S13302:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図283は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS13401では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS13402に進む。
ステップS13402では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS13403に進む。
ステップS13403では、ステップS13402において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS13403を実行した後、ステップS13404に進む。
ステップS13404では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS13405に進む。
ステップS13405では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS13406に進む。ステップS13406では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS13406を実行した後、ステップS13407に進む。
ステップS13407では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS13408に進む。
ステップS13408では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS13409に進む。
ステップS13409では、待機状態が所定時間経過した場合にサブ側の各制御装置にデモ動画を開始させるための待機用処理を実行する。その後、ステップS13410に進む。
ステップS13410では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS13403のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS13410において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S13410:NO)、ステップS13411及びステップS13412において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS13411において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS13412において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS13410において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S13410:YES)、ステップS13403に戻り、ステップS13403からステップS13408までの各処理を実行する。
なお、ステップS13403からステップ507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図283:S13406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図284は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS13501では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS13501においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S13501:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS13502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS13501において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S13501:NO)、ステップS13502に進む。
ステップS13502では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS13502において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S13502:NO)、ステップS13503〜ステップS13505の遊技回開始用処理に進む。ステップS13503では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS13503において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S13503:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS13503において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S13503:NO)、ステップS13504に進む。
ステップS13504では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS13505に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS13505では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS13506に進む。
ステップS13506では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS13506を実行した後、ステップS13507に進む。
一方、ステップS13502において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S13502:YES)、ステップS13507に進む。
ステップS13507では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS13507では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図287)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS13507において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S13507:NO)、ステップS13508に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS13508を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS13507において、変動時間が経過していると判定した場合には(S13507:YES)、ステップS13509に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述する変動開始処理(図286)において決定された停止図柄を、今回の遊技回の結果としてメイン表示部45に停止表示させる。ステップS13509を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図284:S13504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図285は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS13601では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図267)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図267)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRa(図267)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRb(図267)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS13601の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS13601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS13601:YES)、ステップS13602〜ステップS13607の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS13601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS13601:NO)、ステップS13608〜ステップS13613の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS13602では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS13603に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS13604に進む。ステップS13604では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS13605に進む。
ステップS13605では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS13605を実行した後、ステップS13606に進む。
ステップS13606では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS13607へ進む。
ステップS13607では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS13607において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図283)におけるステップS13403において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS13601において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS13601:NO)、ステップS13608に進む。
ステップS13608では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS13609に進む。ステップS13609では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS13610に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS13611に進む。
ステップS13611では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS13611を実行した後、ステップS13612に進む。
ステップS13612では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS13613に進む。
ステップS13613では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS13613において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図283)におけるステップS13403において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図284:S13505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図286は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS13701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS13701において、高確率モードであると判定した場合には(S13701:YES)、ステップS13702に進む。
ステップS13702では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図268(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS13704に進む。一方、ステップS13701において高確率モードではないと判定した場合には(S13701:NO)、ステップS13703に進む。
ステップS13703では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図268(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS13704に進む。
ステップS13704では、ステップS13702又はステップS13703における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS13704において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S13704:YES)、ステップS13705〜ステップS13712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS13705では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS13705において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S13705:NO)、ステップS13706に進み、第1始動口用の振分テーブル(図269(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS13705において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S13705:YES)、ステップS13707に進み、第2始動口用の振分テーブル(図269(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS13706又はステップS13707の処理を実行した後。ステップS13708に進む。
ステップS13708では、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS13708において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S13708:YES)、ステップS13709に進む。
ステップS13709では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS13709を実行した後、ステップS13710に進む。
ステップS13710では、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS13714に進む。
ステップS13708において、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S13708:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS13711に進む。
ステップS13711では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS13711を実行した後、ステップS13712に進む。
ステップS13712では、ステップS13706又はステップS13707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS13714に進む。
ステップS13704において、ステップS13702又はステップS13703における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S13704:NO)、ステップS13713に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS13713を実行した後、ステップS13714に進む。
ステップS13714では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS13714を実行した後、ステップS13715に進む。
ステップS13715では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS13715において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S13715:NO)、ステップS13716に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS13714で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS13715において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S13715:YES)、ステップS13717に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS13714で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS13716又はステップS13717を実行した後、ステップS13718に進む。
ステップS13718では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS13716〜ステップS13718にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図283)におけるステップS13403によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS13718を実行後、ステップS13719に進む。
ステップS13719では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS13719を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図286:S13714)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図287は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS13801では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS13802に進む。
ステップS13802では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S13802:YES)、ステップS13803に進む。
ステップS13803では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たり抽選に当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS13804に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS13802において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S13802:NO)、ステップS13805に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS13802において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S13805)を実行することから、ステップS13805においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S13805:YES)、ステップS13806に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS13806では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS13804に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS13805において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S13805:NO)、ステップS13807に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS13804に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図283:S13407)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図288は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS13901では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS13901において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S13901:NO)、ステップS13902に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS13902において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S13902:NO)、ステップS13903に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS13903において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S13903:NO)、ステップS13904に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS13904において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S13904:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS13904において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S13904:YES)、ステップS13905に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S13905:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS13905において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S13905:YES)、ステップS13906に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS13907に進む。
ステップS13907では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS13907を実行した後、ステップS13908に進む。
ステップS13908では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図283)におけるステップS13403にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS13908を実行した後、ステップS13909に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS13903において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S13903:YES)、ステップS13910に進む。
ステップS13910では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS13910において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S13910:YES)、ステップS13911に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS13912に進む。
ステップS13912では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS13912を実行した後、ステップS13913に進む。
ステップS13913では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ステップ13913を実行した後、ステップS13914に進む。
ステップS13914では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS13902において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S13902:YES)、ステップS13915に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS13915を実行した後、ステップS13916に進む。
ステップS13916では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S13916:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S13916:YES)、ステップS13917に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS13917を実行した後、ステップS13918に進む。
ステップS13918では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS13918を実行した後、ステップS13919に進む。
ステップS13919では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種タイマカウンタエリア64dに設けられている。ステップS13919を実行した後、ステップS13920に進む。
ステップS13920では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図283)におけるステップS13403において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS13920を実行した後、ステップS13921に進む。
ステップS13921では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS13901において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S13901:YES)、ステップS13922に進む。
ステップS13922では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S13919)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS13922において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S13922:YES)、ステップS13923に進む。
ステップS13923では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS13924に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS13924を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS13922において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S13922:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図288:13915)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図289は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS14001では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS14001において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S14001:NO)、ステップS14002に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS14002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S14002:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS14002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S14002:NO)、ステップS14003に進む。
ステップS14003では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS14003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S14003:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS14003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S14003:YES)、ステップS14004に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS14005に進む。
ステップS14005では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS14005を実行した後、ステップS14006に進む。
ステップS14006では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS14001において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS14001:YES)、ステップS14007に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS14007において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S14007:NO)、ステップS14008に進む。
ステップS14008では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS14008において、入球が発生していないと判定した場合には(S14008:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS14008において、入球が発生していると判定した場合には(S14008:YES)、ステップS14009に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS14010に進む。
ステップS14010では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS14010において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S14010:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS14007において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S14007:YES)、又は、ステップS14010において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S14010:YES)、ステップS14011に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS14012に進む。
ステップS14012では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS14013に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS14013において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S14013:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS14013において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S14013:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS14014を実行した後、ステップS14015に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図283:ステップS13403)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図288:S13924)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図290は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS14101では、大当たり種別フラグとしての確変大当たりに対応するフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS14101において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S14101:YES)、ステップS14102に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS14102を実行した後、ステップS14103に進む。
ステップS14103では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS14104に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS14105に進む。
ステップS14105では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS14109に進む。
一方、ステップS14101において、RAM64の16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S14101:NO)、ステップS14106に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS14107に進む。
ステップS14107では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS14108に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS14109に進む。
ステップS14109では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図283:S13408)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図291は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS14201では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS14201において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S14201:NO)、ステップS14202に進む。
ステップS14202では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS14202において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S14202:NO)、ステップS14203に進む。
ステップS14203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS14203において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S14203:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S14203:YES)、ステップS14204に進む。
ステップS14204では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS14204において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S14204:YES)、ステップS14205に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS14204において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S14204:NO)、ステップS14206に進む。
ステップS14206では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS14206において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S14206:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS14206において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S14206:YES)、ステップS14207に進む。
ステップS14207では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS14208に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS14207において開閉実行モードではなく(S14207:NO)、且つ、ステップS14208において高頻度サポートモードである場合には(S14208:YES)、ステップS14209に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS14210に進む。
ステップS14210では、ステップS14209の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS14210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S14210:YES)、ステップS14211に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS14212に進む。一方、ステップS14210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S14210:NO)、ステップS14211の処理を実行することなく、ステップS14212に進む。
ステップS14212では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS14212において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S14212:YES)、ステップS14213に進む。一方、ステップS14212において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S14212:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS14213では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS14213において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S14213:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS14213において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS14214に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS14215に進む。
ステップS14215では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS14215にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図18:ステップS503)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS14207において開閉実行モードであると判定した場合(S14207:YES)、又は、ステップS14218において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S14208:NO)、ステップS14216に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS14217に進む。
ステップS14217では、ステップS14216の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS14217において、サポート当選でないと判定した場合には(S14217:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS14217において、サポート当選であると判定した場合には(S14217:YES)、ステップS14218に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS14202において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S14202:YES)、ステップS14219に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS14219において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S14219:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS14219において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S14219:YES)、ステップS14220に進む。
ステップS14220では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS14221に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS14201において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S14201:YES)、ステップS14222に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図291:S14222)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図292は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS14301では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S14301:YES)、ステップS14302に進む。
ステップS14302では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS14302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S14302:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS14302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S14302:YES)、ステップS14303に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS14303を実行した後、ステップS14304に進む。
ステップS14304では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS14305に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS14305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S14305:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS14305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S14305:YES)、ステップS14306に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS14301において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S14301:NO)、ステップS14307に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS14307において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S14307:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S14307:YES)、ステップS14308に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS14309に進む。
ステップS14309では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S14309:NO)、ステップS14310に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS14310において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S14310:YES)、ステップS14311に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS14309において開閉実行モードであると判定した場合(S14309:YES)、又は、ステップS14310において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S14310:NO)、ステップS14312に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
O5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図293は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
O6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図294は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS14401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS14401を実行した後、ステップS14402に進む。
ステップS14402では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS14402を実行した後、ステップS14403に進む。
ステップS14403では、RTC演出用処理を実行する。RTC演出用処理では、所定の時刻になったことを契機として実行する演出であるRTC演出に関する処理を行なう。ステップS14403を実行した後、ステップS14404に進む。
ステップS14404では、その他の演出用処理として、オープニング期間における演出や、開閉実行モードにおける演出、エンディング期間における演出等に関する処理を実行する。ステップS14404を実行した後、ステップS14405に進む。
ステップS14405では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS14405を実行した後、ステップS14406に進む。
ステップS14406では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS14406を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図294:S14402)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図295は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップS14501では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理は、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合に実行される処理であり、遊技回が開始される際に、当該遊技回において実行する演出を設定する処理である。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップS14501を実行した後、ステップS14502に進む。
ステップS14502では、予告演出実行用処理を実行する。予告演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理において連続変身演出以外の予告演出を実行するように設定され、当該予告演出を実行するタイミングとなった以降に実行される処理である。ステップS14502を実行した後、ステップS14503に進む。
ステップS14503では、連続変身演出実行用処理を実行する。連続変身演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理において、予告演出として連続変身演出演出を実行するように設定され、当該連続変身演出を実行するタイミングとなった以降に実行される処理である。連続変身演出実行用処理の詳細については後述する。ステップS14503を実行した後、ステップS14504に進む。
ステップS14504では、リーチ演出実行用処理を実行する。リーチ演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理においてリーチ演出を実行するように設定され、当該リーチ演出を実行するタイミングとなった以降に実行される処理である。ステップS14504を実行した後、ステップS14505に進む。
ステップS14505では、結果演出実行用処理を実行する。結果演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理において結果演出を実行するように設定され、当該結果演出を実行するタイミングとなった以降に実行される処理である。ステップS14505を実行した後、本遊技回演出用処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図295:S14501)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図296は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS14601では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS14601において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S14601:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップS14601において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S14601:YES)、ステップS14602に進む。
ステップS14602では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS14603に進む。
ステップS14603では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出、結果演出の内容)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップS14603を実行した後、ステップS14604に進む。
ステップS14604では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、図柄表示装置41の有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS14604を実行した後、ステップS14605に進む。
ステップS14605では、今回の遊技回の変動表示パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS14604において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。なお、変動表示パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS14606に進む。
ステップS14606では、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止図柄、変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップS14607に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS14607を実行した後、ステップS14608に進み、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。ステップS14608を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図296:S14603)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図297は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップS14701では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップS14702に進む。
ステップS14702では、今回の遊技回における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS14702において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(S14702:YES)、ステップS14703に進み、大当たり用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS14707に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。
ステップS14702において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(S14702:NO)、ステップS14704に進み、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS14704において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(S14704:YES)、ステップS14705に進み、リーチ用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS14707に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。
ステップS14704において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(S14704:NO)、ステップS14706に進み、外れ用演出パターンテーブルを参照し、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンを選択する。その後、ステップS14707に進み、選択した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。
なお、本実施形態では、上述した連続変身演出を含む演出パターン(連続変身演出Aを含む演出パターンPT1〜PT10、連続変身演出Bを含む演出パターンPT11〜PT20、連続変身演出Cを含む演出パターンPT21〜PT30、連続変身演出Dを含む演出パターンPT31〜PT40、連続変身演出Eを含む演出パターンPT41〜PT50)は、大当たり用演出パターンテーブル及びリーチ用演出パターンテーブルに設定されており、外れ用演出パターンテーブルには設定されていない。このため、連続変身演出を含む演出パターンは、リーチが発生しない外れ時には実行されないように構成されている。
そして、大当たり用演出パターンテーブル及びリーチ用演出パターンテーブルには、今回の遊技回における変動時間と演出パターン用乱数とに対応した演出パターンが設定されており、各連続変身演出が実行された場合において大当たりに当選している確率(期待度、信頼度)が所望の値となるように、演出パターン用乱数が各演出パターンに割り振られている。本実施形態では、大当たり用演出パターンテーブル及びリーチ用演出パターンテーブルにおいて、各演出パターンへの演出パターン用乱数の割り振りが調整されることによって、結果として、連続変身演出A(上限回数10回)が実行された場合において大当たりに当選している確率が70%程度になるように構成されており、連続変身演出B(上限回数9回)が実行された場合において大当たりに当選している確率が50%程度になるように構成されており、連続変身演出C(上限回数6回)が実行された場合において大当たりに当選している確率が40%程度になるように構成されており、連続変身演出D(上限回数4回)が実行された場合において大当たりに当選している確率が15%程度になるように構成されており、連続変身演出E(上限回数3回)が実行された場合において大当たりに当選している確率が10%程度になるように構成されている。
ステップS14707を実行した後、ステップS14708に進み、設定した演出パターンにおいて最初に実行するように設定されている演出種別に対応する演出開始フラグをONにする。具体的には、例えば、上述した演出パターンテーブルA又は演出パターンテーブルBを設定した場合には、最初に実行する演出種別として連続変身演出A又は連続変身演出Bが設定されているので、連続変身演出開始フラグをONにする。連続変身演出開始フラグがONにされると、図295のステップS14503における連続変身演出実行用処理において連続変身演出が開始されることになる。
<連続変身演出実行用処理>
次に、連続変身演出実行用処理について説明する。連続変身演出実行用処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図295:S14503)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図298および図299は、連続変身演出実行用処理を示すフローチャートである。ステップS14801では、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶されている連続変身演出実行中フラグがONであるか否かを判定する。連続変身演出実行中フラグは、連続変身演出が実行中である場合にONにされるフラグである。ステップS14801において、連続変身演出実行中フラグがONではないと判定した場合には(S14801:NO)、ステップS14802に進む。
ステップS14802では、連続変身演出開始フラグがONであるか否かを判定する。連続変身演出開始フラグは、連続変身演出を含む演出パターンが設定され、連続変身演出を開始するタイミングになった際にONにされるフラグである。ステップS14802において、連続変身演出開始フラグがONではないと判定した場合には(S14802:NO)、本連続変身演出実行用処理を終了する。一方、ステップS14802において、連続変身演出開始フラグがONであると判定した場合には(S14802:YES)、ステップS14803に進む。
ステップS14803では、連続変身演出残時間設定処理を実行する。具体的には、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた連続変身演出残時間カウンタThに、設定された演出パターンに含まれる連続変身演出の時間的長さに対応する値を設定する。例えば、演出パターンPT1が設定され、75秒の連続変身演出Aを実行する場合には、連続変身演出残時間カウンタThに75秒に対応する値を設定する。また、例えば、演出パターンPT11が設定され、45秒の連続変身演出Bを実行する場合には、連続変身演出残時間カウンタThに45秒に対応する値を設定する。ステップS14803を実行した後、ステップS14804に進む。
ステップS14804では、連続変身演出開始フラグをOFFにするとともに、ステップS14805に進み、連続変身演出実行中フラグをONにする。その後、ステップS14806に進む。
ステップS14806では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた変身演出回数カウンタHCに「1」を設定する。変身演出回数カウンタは、当該連続変身演出において実行された変身演出の回数を音光側MPU92が把握するためのカウンタである。ステップS14806を実行した後、ステップS14807に進む。
ステップS14807では、変身準備演出用動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。この変身準備演出用動画表示開始コマンドには、変身演出回数カウンタHCの値に関する情報も含まれている。変身準備演出用動画表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身準備演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。すなわち、変身演出(1回目)のキャラクターに対応した変身準備演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS14807を実行した後、ステップS14808に進む。
ステップS14808では、変身演出(1回目)の変身準備演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(1回目)の変身準備演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14808を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。なお、この時点において、連続変身演出実行中フラグはONになっている。
ステップS14801において、連続変身演出実行中フラグがONであると判定した場合には(S14801:YES)、ステップS14809に進み、連続変身演出の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、連続変身演出残時間カウンタThの値が「0」になっているか否かを判定する。ステップS14809において、連続変身演出の終了タイミングではないと判定した場合には、ステップS14810に進む。
ステップS14810では、変身完了演出の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、変身完了演出の実行が開始されてから2秒が経過したか否かを判定する。ステップS14810において、変身完了演出の終了タイミングではないと判定した場合には(S14810:NO)、ステップS14811に進む。
ステップS14811では、操作受入期間(変身待機演出の実行中)であるか否かを判定する。ステップS14811において、操作受入期間(変身待機演出の実行中)ではないと判定した場合には(S14811:NO)、ステップS14812に進む。
ステップS14812では、変身準備演出の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、変身準備演出の実行が開始されてから3秒が経過したか否かを判定する。ステップS14812において、変身準備演出の終了タイミングではないと判定した場合には(S14812:NO)、本連続変身演出実行用処理を終了する。一方、ステップS14812において、変身準備演出の終了タイミングであると判定した場合には(S14812:YES)、ステップS14813に進む。
ステップS14813では、変身待機演出用動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。この変身待機演出用動画表示開始コマンドには、変身演出回数カウンタHCの値に関する情報も含まれている。変身待機演出用動画表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身待機演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「1」である場合には、変身演出(1回目)のキャラクターに対応した変身待機演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)のキャラクターに対応した変身待機演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS14813を実行した後、ステップS14814に進む。
ステップS14814では、変身演出(連続変身演出残時間カウンタThに対応した回数の変身演出)の変身待機演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該変身待機演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「1」である場合には、変身演出(1回目)の変身待機演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(1回目)の変身待機演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)の変身待機演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(2回目)の変身待機演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14814を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14811において、操作受入期間(変身待機演出の実行中)であると判定した場合には(S14811:YES)、ステップS14815に進む。
ステップS14815では、演出操作ボタン24が押下されたか否かを判定する。ステップS14815において、演出操作ボタン24が押下されていないと判定した場合には(S14815:NO)、ステップS14816に進み、操作受入期間(変身待機演出)の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、操作受入期間(変身待機演出)の実行が開始されてから10秒が経過したか否かを判定する。ステップS14816において、操作受入期間(変身待機演出)の終了タイミングではないと判定した場合には(S14816:NO)、ステップS14817に進む。
ステップS14817では、連続変身演出の残時間が2秒になったか否かを判定する。具体的には、連続変身演出残時間カウンタThの値が2秒に対応した値になったか否かを判定する。ステップS14817において、連続変身演出の残時間が2秒になっていないと判定した場合には(S14817:NO)、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14815において、演出操作ボタン24が押下されたと判定した場合(S14815:YES)、ステップS14816において、操作受入期間(変身待機演出)の終了タイミングであると判定した場合(S14816:YES)、及び、ステップS14817において、連続変身演出の残時間が2秒になったと判定した場合には(S14817:YES)、ステップS14818に進む。
ステップS14818では、変身完了演出用動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。この変身完了演出用動画表示開始コマンドには、変身演出回数カウンタHCの値に関する情報も含まれている。変身完了演出用動画表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身完了演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「1」である場合には、変身演出(1回目)のキャラクターに対応した変身完了演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)のキャラクターに対応した変身完了演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS14818を実行した後、ステップS14819に進む。
ステップS14819では、変身演出(連続変身演出残時間カウンタThに対応した回数の変身演出)の変身完了演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該変身完了演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「1」である場合には、変身演出(1回目)の変身完了演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(1回目)の変身完了演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)の変身完了演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(2回目)の変身完了演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14819を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14810において、変身完了演出の終了タイミングであると判定した場合には(S14810:YES)、図299のステップS14820に進み、変身演出回数カウンタHCの値が「10」であるか否かを判定する。すなわち、今回終了する変身完了演出が変身演出(10回目)であるか否かを判定する。ステップS14820において、変身演出回数カウンタHCの値が「10」ではないと判定した場合には(S14820:NO)、ステップS14821に進む。
ステップS14821では、連続変身演出残時間カウンタThの値を参照することによって、連続変身演出の残時間が5秒以上であるか否かを判定する。ステップS14821において、連続変身演出の残時間が5秒以上であると判定した場合には(S14821:YES)、ステップS14822に進み、変身演出回数カウンタHCの値に1を加算する。その後、ステップS14823に進む。
ステップS14823では、変身準備演出用動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。この変身準備演出用動画表示開始コマンドには、変身演出回数カウンタHCの値に関する情報も含まれている。変身準備演出用動画表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身準備演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)のキャラクターに対応した変身準備演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「3」である場合には、変身演出(3回目)のキャラクターに対応した変身準備演出用動画の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS14823を実行した後、ステップS14824に進む。
ステップS14824では、変身演出(連続変身演出残時間カウンタThに対応した回数の変身演出)の変身準備演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該変身準備演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「2」である場合には、変身演出(2回目)の変身準備演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(2回目)の変身準備演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。また、例えば、変身演出回数カウンタHCの値が「3」である場合には、変身演出(3回目)の変身準備演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、変身演出(3回目)の変身準備演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14824を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14821において、連続変身演出の残時間が5秒以上ではないと判定した場合(S14821:NO)、すなわち、連続変身演出の残時間が5秒未満である場合には、ステップS14825に進み、終了演出用画像表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。終了演出用画像表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41に終了演出用画像の表示を開始させる。ステップS14825を実行した後、ステップS14826に進む。
ステップS14826では、終了演出用画像に対応した音声の出力を開始するとともに、当該終了演出用画像に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14826を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14820において、変身演出回数カウンタHCの値が「10」であると判定した場合には(S14820:YES)、ステップS14827に進み、連続変身演出残時間カウンタThの値を参照することによって、連続変身演出の残時間が10秒以上であるか否かを判定する。ステップS14827において、連続変身演出の残時間が10秒以上であると判定した場合には(S14827:YES)、ステップS14828に進む。
ステップS14828では、スペシャルコンプリート演出用動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。スペシャルコンプリート演出用表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、スペシャルコンプリート演出用の表示を図柄表示装置41に開始させる。ステップS14828を実行した後、ステップS14829に進む。
ステップS14829では、スペシャルコンプリート演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該スペシャルコンプリート演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14829を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14827において、連続変身演出の残時間が10秒以上ではないと判定した場合には(S14827:NO)、ステップS14830に進み、コンプリート演出用画像表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。コンプリート演出用画像表示開始コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41にコンプリート演出用画像の表示を開始させる。ステップS14830を実行した後、ステップS14831に進む。
ステップS14831では、コンプリート演出用画像に対応した音声の出力を開始するとともに、当該コンプリート演出用画像に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS14831を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
ステップS14809において、連続変身演出の終了タイミングであると判定した場合には(S14809:YES)、図299のステップS14832に進み、連続変身演出実行中フラグをOFFにするとともに、ステップS14833に進み、設定された演出パターンに基づいて、今回の連続変身演出の次に実行するように設定されている演出種別に対応する演出開始フラグをONにする。例えば、上述した演出パターンPT1が設定されている場合には、当該演出パターンPT1では連続変身演出Aの次にリーチ演出Aを実行するように設定されているので、リーチ演出Aの実行を開始させるための演出開始フラグをONにする。リーチ演出Aの実行を開始させるための演出開始フラグがONになると、上述したリーチ演出実行用処理(図295:S14504)によって、リーチ演出Aの実行が開始されることになる。ステップS14833を実行した後、本連続変身演出実行用処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図300は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS14901では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS14902に進む。
ステップS14902では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図301は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS15001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図302は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS15101では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図301)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、変身準備演出用動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該コマンドに設定されている変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身準備演出用動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、変身待機演出用動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該コマンドに設定されている変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身待機演出用動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、変身完了演出用動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該コマンドに設定されている変身演出回数カウンタHCの値に対応した変身完了演出用動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、終了演出用画像表示開始コマンドが記憶されていた場合には、終了演出用画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、コンプリート演出用画像表示開始コマンドが記憶されていた場合には、コンプリート演出用画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、スペシャルコンプリート演出用動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、スペシャルコンプリート演出用動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(S15101)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS15102では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S15101)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS15103に進む。
ステップS15103では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S15102)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS15104に進む。
ステップS15104では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S15103)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS15105に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数が多いほど、すなわち、連続変身演出の実行期間として設定されている時間的長さが長いほど、大当たりに当選している可能性(期待度、信頼度)が高くなるように構成されているので、遊技者は、連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数を知りたいといった欲求を抱くことになる。本実施形態では、遊技者が変身演出の変身待機演出(操作受入期間)において演出操作ボタン24を積極的に押下しない限り、変身演出の実行回数が上限回数に達しないように構成されている。このため、変身演出の上限回数を知りたいといった欲求を抱いた遊技者は、変身演出の実行回数が上限回数に達するように、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)において演出操作ボタン24を積極的に押下するようになる。したがって、本実施形態によれば、遊技者に対して、演出操作ボタン24を積極的に押下したいといった意欲を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)において演出操作ボタン24が押下されたか否かといった入力操作の態様に応じて、当該連続変身演出において順次実行される変身演出の回数が変化するので、遊技者に対して、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)において積極的に演出操作ボタン24を押下したいといった意欲を与えることが可能となるとともに、今回の連続変身演出においては変身演出が最大で何回実行されるのかといった期待感を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、変身待機演出(操作受入期間)において演出操作ボタン24が押下された変身演出の数が多いほど、連続変身演出において実行される変身演出の回数が多くなるので、遊技者に対して、多くの変身演出の変身待機演出(操作受入期間)において演出操作ボタン24を押下したいといった意欲を与えることができる。
さらに、本実施形態によれば、各変身演出の変身待機演出(操作受入期間)が開始されてから演出操作ボタン24が押下されるまでの時間的間隔が短いほど、連続変身演出において実行される変身演出の回数が多くなるので、遊技者に対して、変身待機演出(操作受入期間)が開始されてから早いタイミングで演出操作ボタン24を押下したいといった意欲を与えることができる。
さらに、本実施形態によれば、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)における入力操作の態様に応じて、当該変身演出の時間的長さを変化させるので、連続変身演出が所定の長さに設定されているにも関わらず、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)における入力操作の態様が異なることによって、当該連続変身演出において順次実行される変身演出の回数を変化させることができる。この結果、連続変身演出において実行される変身演出の回数や上限回数を予想することが困難となるので、変身演出が終了した後に次の変身演出が実行されるのか否かに対する遊技者の注目度を好適に高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、変身演出は、演出操作ボタン24の押下を受け入れ不可能であって時間的長さが一定の3秒である変身準備演出と、演出操作ボタン24の押下を受け入れ可能であって時間的長さが0秒から10秒の間で可変である変身待機演出(操作受入期間)と、演出操作ボタン24の押下を受け入れ不可能であって時間的長さが一定の2秒である変身完了演出とによって構成されているので、変身待機演出(操作受入期間)の時間的長さを変化させることによって、変身演出の変身準備演出及び変身完了演出の時間的長さを一定にしたまま当該変身演出の時間的長さを変化させることができる。すなわち、変身準備演出及び変身完了演出において実行すべき演出の内容を省略したり中断することなく、当該変身演出の時間的長さを変化させることができる。この結果、遊技者に違和感を与えることなく、変身演出の時間的長さを変化させることができる。
さらに、本実施形態によれば、連続変身演出の時間的長さを複数の種類の長さ(75秒や45秒等)に設定可能であるので、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)における演出操作ボタン24の入力操作の態様が同じであっても、連続変身演出に設定された時間的長さが異なることによって、連続変身演出において実行される変身演出の回数が異なることになる。この結果、連続変身演出において実行される変身演出の回数や上限回数を予想することが困難となるので、変身演出が終了した後に次の変身演出が実行されるのか否かに対する遊技者の注目度を好適に高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、連続変身演出における変身演出の実行回数が10回に達した場合に、変身演出の実行回数が10回に達したことを示唆するコンプリート演出またはスペシャルコンプリート演出を実行するので、遊技者に対して、変身演出の実行回数が10回に達したという達成感を与えることができる。また、コンプリート演出またはスペシャルコンプリート演出を一度でも経験した遊技者に対して、今回の連続変身演出では変身演出の実行回数が10回に達してコンプリート演出またはスペシャルコンプリート演出が実行されるのか否かといった期待感を与えることができる。
さらに、本実施形態によれば、連続変身演出の実行が開始されてから早いタイミングで変身演出の実行回数が10回に達した場合には、スペシャルコンプリート演出が実行されるので、遊技者に対して、変身演出の変身待機演出(操作受入期間)の実行が開始された直後に演出操作ボタン24を押下したいといった意欲を与えることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、変身演出が10回実行されてコンプリート演出またはスペシャルコンプリート演出が実行される可能性のある連続変身演出Aは、大当たりに当選している場合に実行されやすく、大当たりではない場合には実行されにくいように設定されているので、コンプリート演出またはスペシャルコンプリート演出に対する注目度を好適に高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、実行された連続変身演出の実行期間が長いほど、すなわち、実行可能な変身演出の最大の回数が多いほど、大当たりに当選している期待度が高くなるように構成されているので、演出操作ボタン24を積極的に押下した場合の変身演出の実行回数に対する注目度を好適に高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、演出操作ボタン24の押下がなかった場合における変身待機演出の時間的長さを、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて決定するので、遊技者に違和感を与えることなく連続変身演出を終了させることが可能となる。具体的には、変身演出の変身待機演出において、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が、変身完了演出が完了するまでに要する時間である2秒になった場合には、演出操作ボタン24の押下がなかった場合であっても、当該変身待機演出を終了させるので、連続変身演出が終了するタイミングに合わせて変身完了演出を完了させることができる。例えば、仮に、変身演出の変身待機演出において、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が、変身完了演出が完了するまでに要する時間である2秒になった場合であっても当該変身待機演出を終了させない構成を採用した場合には、連続変身演出が終了するタイミングとなっても変身完了演出が実行されていなかったり、変身完了演出の実行中に連続変身演出が終了してしまい、当該変身完了演出が完了せずに途中で終了してしまうことになる。この結果、遊技者に対して、違和感や不信感を与えてしまう虞がある。これに対して、本実施形態によれば、変身演出の変身待機演出において、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が、変身完了演出が完了するまでに要する時間である2秒になった場合には、演出操作ボタン24が押下されていなくても、当該変身待機演出を終了させるので、遊技者に違和感や不信感を与えることなく、連続変身演出が終了するタイミングに合わせて変身完了演出を完了させることができる。
さらに、本実施形態によれば、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて、当該連続変身演出において実行する演出の内容を決定する(次の変身演出を実行するのか、終了演出を実行するのかを決定する)ので、遊技者に違和感を与えることなく連続変身演出を終了させることができる。具体的には、例えば、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が3秒であった場合には、遊技者に違和感を与えることなく完了させるには最低でも5秒を要する変身演出ではなく、当該3秒でも遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできる終了演出を、実行する演出の内容として決定するので、遊技者に違和感を与えることなく連続変身演出を終了させることができる。例えば、仮に、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が、変身演出を完了させるのに要する最低限の時間である5秒よりも短い場合であっても変身演出を実行する構成を採用した場合には、変身演出の実行中に連続変身演出が終了してしまい、当該変身演出が完了せずに途中で終了してしまう。この結果、遊技者に対して、違和感や不信感を与えてしまう虞がある。これに対して、本実施形態によれば、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が5秒よりも短い場合には、変身演出ではなく、完了させるのに所定の時間を要さない終了演出を実行するので、遊技者に違和感や不信感を与えることなく、連続変身演出が終了するタイミングに合わせて当該終了演出を完了させることができる。
さらに、本実施形態によれば、変身演出(10回目)が終了した場合には、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて、コンプリート演出を実行するのか、スペシャルコンプリート演出を実行するのかを決定するので、遊技者に違和感を与えることなく連続変身演出を終了させることができる。具体的には、例えば、連続変身演出が終了するタイミングまでの残り時間が10秒未満であった場合には、遊技者に違和感を与えることなく完了させるには最低でも10秒を要するスペシャルコンプリート演出ではなく、10秒未満でも遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできるコンプリート演出を、実行する演出の内容として決定するので、遊技者に違和感を与えることなく連続変身演出を終了させることができる。
O7.第15実施形態の他の態様:
<態様1>
上記第15実施形態において、連続変身演出において実行された変身演出の回数に基づいて、その後に実行するリーチ演出の内容を決定する構成としてもよい。このような構成によれば、変身演出の実行回数に対する注目度をさらに高めることができる。
<態様2>
上記第15実施形態では、変身待機演出の実行中に演出操作ボタン24が押下されたことを契機として変身完了演出が実行される構成としたが、変身完了演出の実行の契機となる演出操作ボタン24の操作態様は、他の態様であってもよい。例えば、変身待機演出の実行中に演出操作ボタン24が所定の回数押下されたことを契機として変身完了演出が実行される構成としてもよい。
<態様3>
上記第15実施形態において、変身待機演出の実行中に、演出操作ボタン24が押下されずに当該変身待機演出が強制的に終了するまでの残時間を示唆するメーターを図柄表示装置41に表示する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技者に対して、変身待機演出の残時間を認識させることができるとともに、演出操作ボタン24の押下を促すことができる。
<態様4>
上記第15実施形態において、連続変身演出の時間的長さとして、75秒、45秒、30秒、20秒、15秒に相当する値以外の値も設定される構成としてもよい。連続変身演出に設定される時間的長さの種類が多いほど、連続変身演出が開始された際に、変身演出の実行回数を予想することがさらに困難となるので、変身演出が終了した後において、次もまた変身演出が実行されるのか否かといった注目度をさらに向上させることができる。
<態様5>
上記第15実施形態では、連続して順次実行する演出として、キャラクターが変身する変身演出を採用しているが、他の態様の演出を採用してもよい。例えば、所定のキャラクターが登場するとともに演出操作ボタン24の押下を契機として当該キャラクターがポーズをとる演出や、所定のオブジェクトが登場するとともに演出操作ボタン24の押下を契機として当該オブジェクトの形状や色が変化する演出等を採用することができる。なお、連続して順次実行する演出としては、演出の開始から終了までを演出の1単位とした場合において、開始と終了が明確であり、開始から終了まで所定時間以上(例えば、2秒以上や3秒以上や5秒以上等)を要する1単位の演出(単位演出とも呼ぶ)を採用することが好ましい。
<態様6>
上記第15実施形態では、終了演出及びコンプリート演出は、任意のタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えない静止画像によって構成されているが、任意のタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えない動画によって構成されていてもよい。当該動画としては、例えば、動きの少ない動画や、同じ動きが繰り返し再生される動画(キャラクターが小さく手を振っている動画等)等を採用することができる。
<態様7>
上記第15実施形態において、1回の変身演出の時間的長さを演出操作ボタン24の押下の有無に関わらず一定にする構成としてもよい。このような構成によっても、連続変身演出に設定された時間的長さが異なれば、当該連続変身演出において実行される変身演出の回数が異なることになるので、遊技者に対して、今回の連続変身演出では何回の変身演出が実行されることになるのかといった期待感を与えることができる。
<態様8>
上記第15実施形態では、遊技回の実行中に、連続変身演出の残時間に基づいて、次に実行する演出の内容を決定する構成(具体的には、変身演出を実行するのか終了演出を実行するのかを決定する構成)としたが、遊技回の実行中に、変動時間の残時間に基づいて、次に実行する演出の内容を決定する構成としてもよい。また、遊技回の開始前または開始時に、設定された変動時間または変動時間の残時間に基づいて、当該遊技回において実行する演出の内容を決定する構成としてもよい。
<態様9>
上記第15実施形態では、連続変身演出Aにおいて、変身演出(10回目)が終了した後にコンプリート演出(またはスペシャルコンプリート演出)を実行する構成としたが、変身演出(10回目)が終了した後にコンプリート演出(またはスペシャルコンプリート演出)を実行せずにリーチ演出を実行する構成とし、変身演出(10回目)の終了時点における当該遊技回の変動時間の残時間に基づいて、当該変身演出(10回目)の後に実行するリーチ演出の内容を決定する構成としてもよい。例えば、連続変身演出Aにおいて遊技者が演出操作ボタン24を積極的に押下し、変身演出(10回目)の終了時点における当該遊技回の変動時間の残時間が長い場合には、実行期間の長いリーチ演出を実行し、当該残時間が短い場合には、実行期間の短いリーチ演出を実行する構成としてもよい。このような構成によれば、変動時間を有効に活用して演出を実行することができる。
<態様10>
上記第15実施形態では、演出操作ボタン24が押下されなかった場合における変身待機演出の最大実行期間は10秒に固定されている構成としたが、変身待機演出の最大実行期間が変化する構成としてもよい。例えば、変身待機演出の最大実行期間は、変身演出の回数毎に異なる時間的長さが設定されている構成としてもよい。また、例えば、1つ前に実行された変身演出の時間的長さに基づいて、次に実行する変身演出の変身待機演出の最大実行期間の時間的長さを設定する構成としてもよい。このような構成によれば、演出操作ボタン24が押下されなかった場合であっても、変身演出の時間的長さが変化するので、各変身演出にメリハリがつき、遊技の興趣向上を図ることができる。
<態様11>
上記第15実施形態では、連続変身演出の実行期間に対して複数の種類の時間的長さが割り当てられることによって、当該連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数が実質的に決定される構成としたが、例えば、連続変身演出の実行期間の時間的長さを常に一定の長さ(例えば60秒)に設定するとともに、連続変身演出を実行する毎に、当該連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数を設定し(例えば、10回、9回、6回、4回、3回のいずれかに設定し)、変身演出の実行回数が設定された上限回数に達した場合には、当該連続変身演出の実行期間に次の変身演出を実行可能な残余時間がある場合であっても、次の変身演出を実行しない構成としてもよい。さらに、残余時間において実行する演出を、当該残余時間の時間的長さに応じて、変身演出以外の演出から選択する構成としてもよい。このような構成によれば、連続変身演出の実行期間の時間的長さを一定の長さに設定する構成においても、上述した第15実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、例えば、連続変身演出を実行する毎に、当該連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数を設定する(例えば、10回、9回、6回、4回、3回のいずれかに設定する)とともに、設定された上限回数の変身演出を実行可能なように、当該連続変身演出の実行期間の長さを設定し(例えば、70秒、60秒、40秒、30秒、20秒のいずれかに設定し)、変身演出の実行回数が設定された上限回数に達した場合には、当該連続変身演出の実行期間に次の変身演出を実行可能な残余時間がある場合であっても、次の変身演出を実行しない構成としてもよい。さらに、残余時間において実行する演出を、当該残余時間の時間的長さに応じて、変身演出以外の演出から選択する構成としてもよい。このような構成としても、上述した第15実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、例えば、変身演出における演出操作ボタン24の操作態様によって当該変身演出の時間的長さが変化する構成とし、連続変身演出を実行する毎に、当該連続変身演出において実行可能な変身演出の上限回数を設定する(例えば、10回、9回、6回、4回、3回のいずれかに設定する)とともに、変身演出における演出操作ボタン24の操作態様が所定の条件を満たさない場合(例えば、遊技者が演出操作ボタン24を押下しない場合)には、変身演出の実行回数が、設定した上限回数に達しないように、当該連続変身演出の実行期間の長さを設定する(例えば、75秒、45秒、30秒、20秒、15秒に設定する)構成としてもよい。このような構成としても、上述した第15実施形態と同様の効果を奏することができる。
P.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
P1.変形例1:
上記第1実施形態から第4実施形態においては、特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出を実行するよりも前に示唆演出を実行したが、そのような構成に限定されることなく、示唆演出を省略する構成としてもよい。示唆演出を省略する構成であっても、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選しているにも関わらず、第2の遊技回において、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する演出が実行されるので、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選していることを遊技者に予期させにくい。また、示唆演出を省略する構成であっても、第2の遊技回に係る大当たり抽選に当選したことに起因して遊技回再現演出を実行することによって、遊技者に驚きを与えるとともに、遊技に意外性を付与することができる。
P2.変形例2:
上記説明した第1実施形態のケースa2および第3実施形態のケースc2においては、示唆演出をエンディング期間において実行したが、そのような構成に限定されない。例えば、第2の遊技回において、遊技回再現演出の前に示唆演出を実行する構成としてもよい。すなわち、既に実行された演出を再現するより前のタイミングであれば、任意のタイミングで示唆演出を実行することができる。このような構成を採用しても、特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出を実行するよりも前に示唆演出が実行されるので、例えば、第2の遊技回において実行された演出が、既に実行された演出の再現であると遊技者に強く認識させることができる。
P3.変形例3:
上記第1実施形態から第4実施形態において、特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出における再現の対象は、大当たりとなった遊技回において実行した演出に限定されない。大当たりではない遊技回で実行した演出、例えば、外れ(リーチ有)の遊技回におけるリーチ演出を特別遊技状態再現演出および遊技回再現演出における再現の対象としてもよいし、外れ(リーチ無)の遊技回における予告演出を再現の対象としてもよい。
P4.変形例4:
上記第1実施形態から第4実施形態において定義された第1の遊技回および第2の遊技回は、連続して実行される2つの遊技回に限定されない。例えば、第1の遊技回と第2の遊技回との間に他の遊技回が存在していてもよい。
P5.変形例5:
上記第1実施形態から第3実施形態においては、特別遊技状態のエンディング期間において実行する演出を、当該特別遊技状態より後に実行される所定の遊技回に係る特別情報に基づいて決定する構成を採用した。例えば、第1実施形態においては、第1の遊技回の後に実行する特別遊技状態のエンディング期間において実行する演出が、ケースa1(図9)に示すように示唆演出と特別遊技状態再現演出となるか、ケースa2に示すように示唆演出となるかを、特別遊技状態より後に実行される第2の遊技回に係る特別情報に基づいて決定する構成としたが、そのような構成に限定されない。当該特別遊技状態より後に実行される所定の遊技回に係る特別情報に基づいて決定する対象である演出は、示唆演出や特別遊技状態再現演出に制限されず、他の任意の演出を採用してもよい。例えば、通常のリーチ演出(特別遊技状態再現演出の対象とはなっていないリーチ演出)や、所定の条件が満たされた場合にのみ実行される演出など、他の演出を採用してもよい。このような構成を採用しても、特別遊技状態より後に実行される所定の遊技回に係る特別情報を考慮した演出を、当該特別遊技状態において実行することができる。従って、例えば、当該特別遊技状態において、当該所定の遊技回に実行する演出と関連性のある演出を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
P6.変形例6:
上記第1実施形態から第4実施形態において実行する処理を、併用する構成としてもよい。すなわち、第1実施形態において実行する処理であるケースa1(図9(a))およびケースa2(図9(b))、第2実施形態において実行する処理(図46(a)、(b))、第3実施形態おいて実行する処理であるケースc1(図48(a))およびケースc2(図48(b))、第4実施形態において実行する処理であるケースd1(図49(a))およびケースd2(図49(b))の中から、適宜、複数の処理を選択して併用する構成としてもよい。これにより、その併用した処理による相乗的な効果を奏することが可能となる。例えば、特別遊技状態再現演出や遊技回再現演出など、既に実行された演出を再現する演出について、遊技者の注目度、期待度を向上させることができる。
P7.変形例7:
上記第1実施形態から第6実施形態においては、特別情報が所定の条件を満たす場合として、大当たり抽選に当選する場合を例に説明をしたが、所定の条件は、大当たり抽選に当選することに限定されない。例えば、特別情報が所定の条件を満たす場合として、取得したリーチ乱数カウンタC3のカウンタ値に基づいてリーチ演出を実行する条件が満たされた場合を採用してもよい。このように、所定の条件として他の条件を設定しても、上記第1実施形態から第6実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
P8.変形例8:
上記第5実施形態および第6実施形態においては、予告演出に用いるオブジェクト画像としてオブジェクトA〜Cの3種類の画像を採用したが、そのような構成に限定されない。例えば、予告演出に用いるオブジェクト画像として、2種類のオブジェト画像を採用してもよいし、4種類のオブジェト画像を採用してもよい。このように、任意の数のオブジェクト画像を採用しても、上記実施形態と同様に効果を得ることができる。また、各オブジェクトの内容についても、種々の内容を採用することができる。
P9.変形例9:
上記第5実施形態および第6実施形態においては、予告演出として表示する各オブジェクトの画像の組み合わせ方によって、遊技の状況として、大当たりの期待度を遊技者に示したが、例えば、確変大当たりの期待度や、現在の遊技状態が確変状態であることの期待度など、遊技の状況として、種々の遊技の状況を遊技者に示す構成を採用してもよい。
P10.変形例10:
上記第5実施形態においては、図54に一例を示したように、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCの各々の表示パターンテーブルは、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合に区分して、各表示パターン乱数を振り分けたが、例えば、オブジェクトBの表示パターンテーブルにおける大当たりの区分を、さらに、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりに区分し、オブジェクトBによる演出を、確変大当たりの期待度を示すステップアップ演出として機能させてもよい。その他、例えば、潜伏確変状態が存在する遊技機においては、オブジェクトCによる演出を、現在の遊技回の確変状態の期待度を示すステップアップ演出として機能させてもよい。このように、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCは、表示パターンによって、遊技の有利・不利の度合いを示唆する機能を有していれば、各々のオブジェクトが、異なる種類(例えば、大当たり期待度や確変大当たりの期待度など)の遊技の有利・不利の度合いを示してもよい。
P11.変形例11:
上記第5実施形態においては、図55の配置・タイミング設定テーブルにおける各オブジェクトの配置を示す座標は固定座標として設定されているが、各オブジェクトの配置位置(座標)が経時変化するように設定されていてもよい。すなわち、オブジェクトの中心位置の動的な軌跡が設定されてもよい。この場合であっても、各オブジェクトが関連性を有する態様で表示面41aに表示されるように配置位置(座標)が経時変化し、かつ、表示面41aに同じ期間に表示される各オブジェクトが互いに重畳しないように、配置・タイミング設定テーブルにおける表示オブジェクトの配置および表示開始のタイミングが設定されている。
P12.変形例12:
上記第5実施形態においては、図56に示したように、オブジェクトAを用いた表示パターン(A1−A2−A3)の画像A3のみ、画像枠を表示しない処理を実行したが、表示パターン(A1−A2−A3)として表示される画像A1、画像A2、画像A3の一部または全部の画像枠を表示しない構成としてもよい。また、他のオブジェクト画像に対しても同様の処理を実行する構成としてもよい。
P13.変形例13:
上記第5実施形態において、パチンコ機10は、図55に示したように、配置・タイミング設定テーブルによって、予告演出として表示されるオブジェクト画像の組み合わせごとに配置と表示開始タイミングとを設定する構成であったが、他の構成を採用してもよい。例えば、オブジェクトAとオブジェクトBとが表示される予告演出においても、(A1−A2)と(B1−B2−B3)を組み合わせた予告演出や、(A1−A2−A3)と(B1)を組み合わせた予告演出など、複数種類の予告演出が存在する。これら複数種類の予告演出の各々に対して、各オブジェクト画像の配置と表示開始タイミングとを設定する構成であってもよい。このようにすることで、複数のオブジェクトが同じ期間に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
P14.変形例14:
上記第5実施形態および第6実施形態においては、1つの予告演出に2つ以上のオブジェクトが表示される場合には、各オブジェクト間における相対的な位置が考慮され、かつ、各オブジェクトが関連性を有する態様で表示面41aに表示されるように、各オブジェクト間の相対的な配置位置および表示のタイミングを設定する構成とした。具体的には、関連性を有する態様として物語性を有する態様で表示されるように設定したが、関連性を有する態様として、複数のオブジェクトが一つの観念を有する態様で表示されるように設定する構成や、複数のオブジェクトが所定の規則を有する態様で表示されるように設定する構成など、複数のオブジェクトが関連性を有する態様として種々の態様を採用することができる。
P15.変形例15:
上記第5実施形態および第6実施形態において説明した表示パターンテーブルに設定されている各表示パターンは、上記実施形態において示した態様に限定されることなく、他の態様の表示パターンを採用することができる。例えば、BC用表示パターンテーブルに設定されている表示パターンとして表示パターン(B1−B2−B3/C1−C2−C3)を採用してもよい。この場合、オブジェクトCの表示パターン(C1−C2−C3)は、箱の中から犬が顔を出した様子を示す表示パターンであり、遊技の状況が有利であるという認識を遊技者に与える。一方、オブジェクトCにオブジェクトBを組み合わせた表示パターン(B1−B2−B3/C1−C2−C3)は、天候が悪化することによって箱の中の犬が濡れる様子を示す表示パターンであり、遊技の状況が不利であるという認識を遊技者に与えることができ、各オブジェクトを組み合わせることによって多様な演出を実行することが可能であり、オブジェクトを有効利用することができる。
P16.変形例16:
上記第6実施形態においては、予告演出に用いる画像として、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトC、またはこれらを組み合わせた画像を採用したが、他の画像を採用してもよい。
図303は、予告演出に用いることが可能なオブジェクトDを示す説明図である。オブジェクトDは、画像D1、画像D2、画像D3の3つの画像から構成され、画像D1、画像D2、画像D3の順に経時変化する画像である。図303(a)は画像D1を示し、図303(b)は画像D2を示し、図303(c)は画像D3を示している。図示するように、オブジェクトDは、男性キャラクターと女性キャラクターの恋愛模様を表現している。具体的には、画像D1には、男性キャラクターと女性キャラクターとが、ある程度の距離を隔てて見つめ合っている様子が表現されている。画像D2には、男性キャラクターと女性キャラクターとが、近距離で見つめあっている様子が表現されている。画像D3には、男性キャラクターと女性キャラクターとが手をつなぎ、仲良くしている様子が表現されている。また、画像D3では、女性キャラクターが、男性キャラクターに対して、仲良くしていることを女性キャラクターの父親には内緒にするように話をしている様子が表現されている。
このような内容の画像で構成されるオブジェクトDには、画像D1、画像D2、画像D3の順に画像が進行するにつれて男女の恋愛が成就する様子が描かれており、画像D1より画像D2が、画像D2より画像D3が、一般的に良い印象を与える。すなわち、画像D1より画像D2、画像D2より画像D3が、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。また、オブジェクトDは、画像D1、画像D2、画像D3と進行するにつれて大当たり抽選に当選する確率が高くなるように設定されるステップアップする演出画像として表示面41aに表示される。すなわち、変形例16におけるパチンコ機は、表示パターンテーブルとしてD用表示パターンテーブルを備えており、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(D1)、表示パターン(D1−D2)、表示パターン(D1−D2−D3)の4つの表示パターンが割り振られている。D用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン表示パターン(D1)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(D1−D2)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(D1−D2−D3)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。
本変形例におけるパチンコ機は、さらに、オブジェクトDに他の画像として画像Eを組み合わせた予告演出を実行する。
図304は、オブジェクトDに画像Eを組み合わせた画像(オブジェクトD+画像E)を示している。図示するように、オブジェクトDに組み合わせる画像である画像Eは、女性キャラクターの父親を表現している。オブジェクトD+画像Eは、[画像D1+画像E]、[画像D2+画像E]、[画像D3+画像E]の3つの画像から構成され、[画像D1+画像E]、[画像D2+画像E]、[画像D3+画像E]の順に経時変化する画像である。図304(a)は[画像D1+画像E]を示し、図304(b)は[画像D2+画像E]を示し、図304(c)は[画像D3+画像E]を示している。図示するように、オブジェクトD+画像Eは、男性キャラクターと女性キャラクターの恋愛模様を、柱の陰から女性キャラクターの父親が見ている様子を示している。具体的には、[画像D1+画像E]には、男性キャラクターと女性キャラクターとが、ある程度の距離を隔てて見つめ合っている様子を、柱の陰から女性キャラクターの父親が見ている様子が表現されている。[画像D2+画像E]には、男性キャラクターと女性キャラクターとが、近距離で見つめあっている様子を、柱の陰から女性キャラクターの父親が見ている様子が表現されている。[画像D3+画像E]には、男性キャラクターと女性キャラクターとが手をつなぎ、女性キャラクターが、男性キャラクターに対して、仲良くしていることを女性キャラクターの父親には内緒にするように話をしている様子を、柱の陰から女性キャラクターの父親が見ている様子が表現されている。
このような内容の画像で構成されるオブジェクトD+画像Eは、[画像D1+画像E]、[画像D2+画像E]、[画像D3+画像E]の順に画像が進行するにつれて、女性キャラクターと父親との親子関係が悪化することが推測される。従って、[画像D1+画像E]、[画像D2+画像E]、[画像D3+画像E]の順に画像が進行するにつれて、一般的に悪い印象を与える。換言すれば、[画像D3+画像E]より[画像D2+画像E]が、[画像D2+画像E]より[画像D1+画像E]が、一般的に良い印象を与える。すなわち、[画像D3+画像E]より[画像D2+画像E]、[画像D2+画像E]より[画像D1+画像E]が、遊技者に対して、遊技の状況について有利な認識を与える。
また、オブジェクトD+画像Eは、[画像D1+画像E]、[画像D2+画像E]、[画像D3+画像E]と進行するにつれて大当たり抽選に当選する確率が低くなるように設定される演出画像として表示面41aに表示される。すなわち、変形例16におけるパチンコ機は、表示パターンテーブルとしてDE用表示パターンテーブルを備えており、大当たり、外れ(リーチ有)、外れ(リーチ無)の3つの場合において、各々、非表示、表示パターン(D1/E)、表示パターン(D1−D2/E)、表示パターン(D1−D2−D3/E)の4つの表示パターンが割り振られている。DE用表示パターンテーブルは、外れ(リーチ無)の場合には、上記4つの表示パターンのうち表示パターン(D1−D2−D3/E)が最も表示される頻度が高く、外れ(リーチ有)の場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(D1−D2/E)が最も表示される頻度が高く、大当たりの場合には上記4つの表示パターンのうち表示パターン(D1/E)が最も表示される頻度が高くなるように、0〜99の表示パターン乱数カウンタC22の値が割り振られている。
このようにすることで、上記第6実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、当該変形例によるパチンコ機は、画像D1が画像Eと組み合わされずに表示面41a表示された場合よりも、画像D3が画像Eと組み合わされずに表示面41aに表示された場合の方が、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与えるにも関わらず、画像D1が画像Eと組み合わされて表示面41aに表示された場合の方が、画像D3が画像Eと組み合わされて表示面41aに表示された場合よりも、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与えることができる。従って、画像の組み合わせ方や、画像の内容を工夫することによって、遊技者に対して遊技の状況についての種々の認識を与えることができる。
また、画像D1が画像Eと組み合わされずに表示面41a表示された場合よりも、画像D3が画像Eと組み合わされずに表示面41aに表示された場合の方が、大当たり抽選に当選している確率が高いにも関わらず、画像D1が画像Eと組み合わされて表示面41aに表示された場合の方が、画像D3が画像Eと組み合わされて表示面41aに表示された場合よりも、大当たり抽選に当選している確率が高い。従って、大当たり抽選に当選している確率や期待度が高いほどステップアップする演出画像に対して、所定の画像を組み合わせた場合には、遊技の状況について、全く異なる認識を遊技者に与えることができる。遊技者は、表示面41aに表示された画像D1や画像D3を認識した場合であっても、画像Eの表示の有無によって遊技の状況が異なると認識する。従って、表示面41aに表示される画像に対する遊技者の注目度を向上させることができる。なお、上記効果は、画像D1と画像D3との間の関係を例に説明したが、画像D1と画像D2、画像D2と画像D3との間においても、上記効果を奏する。
P17.変形例17:
上記実施形態では、移行条件が成立した場合に、音声の出力態様を、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減する態様を経て、背景音楽の音量がゼロである態様に移行させる構成としたが、この代わりに、移行条件が成立した場合に、音声の出力態様を、背景音楽の出力を継続しつつ当該背景音楽の音量を時間の経過と共に低減する態様を経ずに、背景音楽の音量がゼロである態様に移行させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、移行条件が成立した場合に、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになってから5秒経過後に、デモ動画を表示する態様に移行させる構成としたが、この代わりに、図柄表示装置41の表示態様を、背景音楽の音量がゼロになったタイミングでデモ動画を表示する態様に移行させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、背景音楽の音量がゼロになってから5秒が経過するまでは背景音楽の出力自体は継続し、5秒が経過した後に背景音楽の出力を停止する構成としたが、この代わりに、背景音楽の音量がゼロになったタイミングで背景音楽の出力を停止する構成としてもよい。
P18.変形例18:
上記実施形態では、背景音楽の音量がゼロになった後であって、かつ、デモ動画の表示が開始された後に復帰条件が成立した場合(図11)には、背景動画の時間的な先頭位置「01」から表示を開始させるとともに、背景音楽の時間的な先頭位置「01」から出力を開始させる構成としたが、背景動画および背景音楽を時間的な先頭位置から表示および出力を開始させる構成に限定されない。例えば、背景動画および背景音楽を、予め定められた最も盛り上がる時間的位置(いわゆるサビの開始位置)から表示および出力を開始させる構成としてもよい。すなわち、背景動画の予め定められた時間的位置から表示を開始させ、背景音楽の予め定められた時間的位置であって背景動画の予め定められた時間的位置に対応した時間的位置から出力を開始させる構成とすればよい。このような構成としても、復帰条件が成立するタイミングに応じて背景動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、背景動画の表示と背景音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
P19.変形例19:
上記実施形態では、移行条件が成立した場合に、背景音楽の音量をゼロにする構成としたが、背景音楽の音量を完全にゼロにする構成でなくてもよい。例えば、移行条件が成立した場合に、背景音楽の音量を遊技者が認識することのできない大きさの音量以下にする構成としてもよい。このような構成としても、移行条件が成立したことを遊技者に認識させることができる。
また、移行条件が成立する前における音声の出力態様を、背景音楽を第1の大きさの音量で出力する態様とし、移行条件が成立した後に移行する音声の出力態様を、背景音楽を第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する態様としてもよい。このような構成としても、移行条件が成立したことを遊技者に認識させることができる。
P20.変形例20:
上記実施形態では、移行条件が成立した場合に、図柄表示装置41の表示態様を、背景動画を表示する態様からデモ動画を表示する態様に移行させる構成としたが、移行条件が成立する前における図柄表示装置41の表示態様および移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、背景動画を表示する態様およびデモ動画を表示する態様に限定されない。例えば、移行条件が成立する前における図柄表示装置41の表示態様が、所定の動画を表示する態様であった場合には、移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、当該所定の動画とは異なる画像を表示する態様または画像の表示を停止している態様であってもよい。例えば、移行条件が成立した後に移行する図柄表示装置41の表示態様は、当該所定の動画とは異なる動画を表示する態様、当該所定の動画の少なくとも一部を停止して表示する態様、当該所定の動画を非表示とする態様、当該所定の動画とは異なる静止画像を表示する態様、または動画及び静止画像を非表示とする態様であってもよい。
P21.変形例21:
上記実施形態において、遊技球が遊技盤30に射出されたことを検出する検出センサーを設け、当該検出センサーによって遊技球が所定時間(例えば30秒)検出されない場合に、移行条件が成立したと判定する構成としてもよい。このようにすれば、遊技球が遊技盤30に射出されていれば移行条件が成立しないので、遊技者が遊技中であるにも関わらず移行条件が成立してしまうといった遊技者にとって不快な状況の発生を低減することができる。
さらに、移行条件が成立した後であって当該検出センサーによって遊技球が検出された場合に、復帰条件が成立したと判定する構成としてもよい。このようにすれば、移行条件が成立した後であっても、遊技球が遊技盤30に射出されれば復帰条件が成立するので、遊技者が遊技を開始しているにも関わらず復帰条件が長時間(例えば、1分)に亘って成立しないといった遊技者にとって不快な状況を低減することができる。
P22.変形例22:
上記実施形態において、複数種類の中から背景動画および当該背景動画に対応した背景音楽が選択される構成としてもよい。この場合には、抽選モードが高確率モードであるか否かや、遊技者の選択等によって背景動画および当該背景動画に対応した背景音楽が選択される構成としてもよい。
P23.変形例23:
上記実施形態において具体的に設定された時間や数値等は、あくまで一例であり、適宜他の時間や数値等に設定することができる。例えば、図柄の変動が停止してから移行条件が成立するまでの時間は15秒以外に設定されていてもよく、背景音楽の音量がゼロになってからデモ動画が開始されるまでの時間は5秒以外に設定されていてもよい。
P24.変形例24:
上記実施形態では、図柄表示装置41の表示態様がデモ動画を表示する態様である場合には、音声の出力態様は音楽が出力されず音量がゼロである態様となるように構成されているが、この代わりに、図柄表示装置41の表示態様がデモ動画を表示する態様である場合には、音声の出力態様はデモ動画に対応した音楽であるデモ音楽を遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)で出力する態様となるように構成されていてもよい。
このような構成において、RTC演出動画の表示期間が終了してデモ動画を表示する態様に移行する際に、デモ音楽の予め定められた時間的位置から出力を開始する構成としてもよい。このような構成とすれば、デモ音楽の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、デモ動画の表示とデモ音楽の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、デモ音楽の予め定められた時間的位置を、デモ音楽の時間的な先頭位置としてもよい。このような構成によれば、デモ音楽の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。
P25.変形例25:
上記第7実施形態では、音声発光制御装置90のMPU92は、時刻に関する情報である時刻情報をRTC96から取得するとともに、取得した時刻情報がRTC演出開始条件として設定されている所定の時刻と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に、RTC演出を実行するための処理を開始する構成としたが、この代わりに、音声発光制御装置90は、RTC演出を一度実行した後は、前回のRTC演出が開始されてからの経過時間を計測し、前回のRTC演出が開始されてから所定時間(例えば、1時間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合に、RTC演出を実行するための処理を開始する構成としてもよい。
P26.変形例26:
上記第7実施形態では、音声発光制御装置90は、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)でRTC演出音楽を出力する構成としたが、この代わりに、音声発光制御装置90は、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)に関わらず、最大の出力レベル(音量)でRTC演出音楽を出力する構成としてもよい。このような構成によれば、RTC演出の迫力や注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
P27.変形例27:
上記変形例26の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、最大の出力レベル(音量)を維持する構成としてもよい。このような構成による効果について説明する。最大の出力レベル(音量)で出力されたRTC演出音楽を鑑賞した遊技者は、最大の出力レベル(音量)によって実行された演出の迫力に魅了されるため、RTC演出が終了した後においても最大の出力レベル(音量)で遊技を継続したいといった要望を持つことがある。したがって、このような構成によれば、RTC演出が終了した後においても最大の出力レベル(音量)で遊技を継続したいといった遊技者の要望を満たすことが可能となる。
また、上記変形例26の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、遊技者によって予め設定された出力レベル(音量)に復帰する構成としてもよい。このような構成によれば、実行されていたRTC演出の特別感をさらに際立たせることができるので、次回のRTC演出に対する期待感をさらに向上させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、上記変形例26の構成を採用した上で、最大の出力レベル(音量)によるRTC演出音楽の出力が終了して背景音楽を出力する際に、音声の出力レベル(音量)を遊技者が設定するための音量設定画面を図柄表示装置41に表示し、遊技者によって指定された音声の出力レベル(音量)で背景音楽を出力する構成としてもよい。このような構成による効果について説明する。最大の出力レベル(音量)で出力されたRTC演出音楽を鑑賞した遊技者は、大きい音量に慣れるため、RTC演出音楽を鑑賞する前とは好みの出力レベル(音量)が変わることがある。このため、RTC演出が終了した後に、音声の出力レベル(音量)を好みの出力レベルに設定し直したいといった要望を持つことがある。したがって、このような構成によれば、RTC演出が終了した後のタイミングにおいて、音声の出力レベル(音量)を好みの出力レベルに設定し直したいといった遊技者の要望を満たすことが可能となる。
P28.変形例28:
保留表示の表示態様の決定方法、および、保留表示の表示態様を、上記第8実施形態および第9実施形態と異なる態様としてもよい。具体的には、複数表示されている保留表示の中の一つの保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が、先判定処理によって大当たり抽選に当選すると判定された場合に、表示されている複数の保留表示の表示態様を特定のパターンの表示態様にすることによって、表示されている保留表示の中の一つの保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1が大当たり抽選に当選する可能性が高いことを、遊技者に対して示唆してもよい。例えば、第1保留表示領域Ds1に、保留表示Dm11〜保留表示Dm14の4つの保留表示が表示されている場合であって、先判定処理によって保留表示Dm14に対応する大当たり乱数カウンタC1が大当たり抽選に当選すると判定された場合に、保留表示Dm11の表示態様を白、保留表示Dm12の表示態様を赤、保留表示Dm13の表示態様を白、保留表示Dm14の表示態様を赤に、各々変化させる。すなわち、表示されている複数の保留表示の表示態様を「白・赤・白・赤」といった特定のパターンに変化させることによって、表示されている保留表示の中の一つの保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1が大当たり抽選に当選する可能性が高いことを、遊技者に対して示唆することができる。
その他、所定の保留遊技回における大当たり乱数カウンタC1が大当たり抽選に当選すると先判定処理によって判定された場合に、当該所定の保留遊技回の保留表示、および、当該所定の保留遊技回が生成された以降に生成される保留遊技回の保留表示の表示パターンを、特定の表示パターンに決定することによって、表示されている保留表示の中の一つの保留表示に対応する大当たり乱数カウンタC1が大当たり抽選に当選する可能性が高いことを、遊技者に対して示唆してもよい。この場合、当該所定の保留遊技回が生成された後に、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球し、当該入球に対応する保留遊技回の保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示(大当たり抽選に当選すると先判定処理によって判定された所定の保留遊技回の保留表示)に対応する大当たり乱数カウンタC1に基づいて、保留表示の表示態様を決定することによって実現することができる。
P29.変形例29:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
Q.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴A1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に順次報知する報知手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段(第1実施形態から第4実施形態におけるMPU62、MPU92およびMPU102)は、
第1の遊技回よりも後に実行される第2の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たす場合には、
前記第2の遊技回において、前記第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する(第1実施形態におけるケースa2の処理、第2実施形態における処理、第3実施形態におけるケースc2の処理、第4実施形態におけるケースd1の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合であるにも関わらず、第2の遊技回において、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するので、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくい。その後、第2の遊技回に係る特別情報の判定の結果を報知手段によって報知してはじめて、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、さらに、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たす特別情報に係る遊技回の後に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たすとともに、前記第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たさない第1の場合には、
前記第1の遊技回の後に実行される前記特別遊技状態の開始後であって前記第2の遊技回の開始前において、前記第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現し(第1実施形態におけるケースa1の処理、第3実施形態におけるケースc1の処理を実行し)、
前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たすとともに、前記第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たす第2の場合には、
前記第2の遊技回において、前記第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する(第1実施形態におけるケースa2の処理、第2実施形態における処理、第3実施形態におけるケースc2の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たさない場合には、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現は、既に実行された演出を再現する役割として機能し、遊技者もそのように認識する。一方で、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合には、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現は、演出上は既に実行された演出の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される。よって、第2の遊技回において再現が実行された後に、報知手段によって第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることが報知されると、その時点ではじめて、第2の遊技回において実行された再現が、単に第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するものではなく、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行されものであることを遊技者が認識する。従って、遊技に意外性を付与するとともに、既に実行された演出の再現に対して、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する場合には、前記再現をするよりも前に、既に実行された演出を再現することを示唆する示唆演出(第1実施形態から第4実施形態において実行される示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するよりも前に示唆演出が実行されるので、第2の遊技回において実行された演出が第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現であると遊技者に強く認識させることができる。その後、第2の遊技回に係る特別情報の判定の結果を報知手段によって報知してはじめて、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、より一層、遊技に意外性を付与することができる。
[特徴A4]
特徴A3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回と前記第2の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合には、
前記他の遊技回において、前記示唆演出を実行する(第2実施形態において、先行遊技回で示唆演出を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、第1の遊技回と第2の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合であっても、当該他の遊技回において示唆演出を実行することによって、示唆演出および再現を、遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
[特徴A5]
特徴A1から特徴A4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記第1の遊技回より前の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を含むとともに、前記第1の遊技回において実行された前記演出の少なくとも一部を含む(第3実施形態におけるケースc1の処理、および、ケースc2の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、第1の遊技回より前の遊技回から第1の遊技回に亘って連続的な演出が実行された場合であっても、その連続的な演出を再現することができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機であって、
前記所定の条件は、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始するための条件であり、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特別情報が前記所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆する演出であるリーチ演出を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合には、示唆演出の後に実行されたリーチ演出は、演出上は第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される。従って、リーチ演出が実行される場合として、所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現として実行される場合と、演出上は第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴B1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に順次報知する報知手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別情報が所定の条件を満たす遊技回である特定遊技回(第1実施形態から第3実施形態における第1の遊技回)より後に実行される遊技回(第1実施形態から第3実施形態における第2の遊技回)に係る前記特別情報に基づいて、前記特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するタイミングを決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するタイミングが特定遊技回より後に実行される遊技回に係る特別情報に基づいて決定されるので、当該再現に対して特別な意味を付与することができるとともに、当該再現に対する遊技者の注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別情報が所定の条件を満たす遊技回である特定遊技回より後に実行される遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの判定(ステップS1022)を前記判定手段より前に実行するとともに、
前記判定手段より前に実行した前記判定の結果に基づいて、前記特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するタイミングを決定する(ステップS2302〜S2312の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、特定遊技回より後に実行される遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすか否かの判定を判定手段より前に実行することで、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現することが決定した遊技回よりも前に実行する遊技回における演出を、再現を実行する遊技回を考慮して決定することができる。従って、例えば、再現を実行することが決定した遊技回よりも前に実行する遊技回における演出として、再現と関連性のある演出を実行することができる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技回より後に実行される遊技回のうち、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回(第1実施形態のケースa2、第2実施形態および第3実施形態のケースc2における第2の遊技回)において前記特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現することを決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、特別情報が所定の条件を満たす遊技回において、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部が再現されるので、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現が実行される当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくい。当該遊技回に係る特別情報の判定の結果を報知手段によって報知してはじめて、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、当該遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B4]
特徴B1から特徴B3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するより前に、既に実行された演出を再現することを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、既に実行された演出を再現することを示唆する示唆演出を実行するので、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現に対して遊技者の注目度、関心度を向上させることができる。また、特別情報が所定の条件を満たす遊技回において特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現が実行される場合、示唆演出を実行することによって、さらに、再現が実行される当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくくすることができる。
[特徴B5]
特徴B4に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技回と、当該特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現する遊技回との間に他の遊技回が存在する場合には、
前記他の遊技回において、前記示唆演出を実行する(第2実施形態において、先行遊技回で示唆演出を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、特定遊技回と当該特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現する遊技回との間に他の遊技回が存在する場合であっても、他の遊技回において示唆演出を実行することによって、示唆演出および特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現を、遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
[特徴B6]
特徴B1から特徴B5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現する場合において、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特定遊技回で実行した演出であって、前記特別情報が前記所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆する演出であるリーチ演出を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、演出上は特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されていたリーチ演出が、実際には、当該遊技回に係る特別情報に基づいて実行されていたことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。また、リーチ演出が実行される場合として、所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行される場合と、演出上は特定遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴C1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に順次報知する報知手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技状態が実行される場合には、当該特別遊技状態において実行する演出を、当該特別遊技状態より後に実行される所定の遊技回に係る前記特別情報に基づいて決定する(第1実施形態におけるケースa1とケースa2、第2実施形態、および、第3実施形態におけるケースc1とケースc2において、第1の遊技回後の特別遊技状態における演出を第2の遊技回における大当たり抽選の当否によって決定する/S1201〜S1209、S2601〜S2609)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、特別遊技状態より後に実行される所定の遊技回に係る特別情報を考慮した演出を、当該特別遊技状態において実行することができる。従って、例えば、当該特別遊技状態において、当該所定の遊技回に実行する演出と関連性のある演出を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技状態が実行される場合であって、前記所定の遊技回に係る前記特別情報が、前記所定の条件を満たさない第1の場合には、所定の演出を、前記特別遊技状態において実行し(第1の施形態におけるケースa1および第3実施形態におけるケースc1において、再現演出を第1の遊技回後の特別遊技状態において実行し)、
前記特別遊技状態が実行される場合であって、前記所定の遊技回に係る前記特別情報が、前記所定の条件を満たす第2の場合には、前記所定の演出を、前記所定の遊技回において実行する(第1実施形態におけるケースa2、第2実施形態、および、第3実施形態におけるケースc2において、再現演出を第2の遊技回において実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、所定の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たさない場合に特別遊技状態において実行している所定の演出を、所定の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合には、当該所定の遊技回において実行することによって、所定の演出が実行されるタイミングに特別な意味があったことを遊技者に認識させることができる。よって、遊技に意外性を付与し、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、前記特別遊技状態よりも前に実行された遊技回において実行した演出の少なくとも一部を再現する演出であることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、所定の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすにも関わらず、当該所定の遊技回において、特別遊技状態よりも前に実行された遊技回において実行した演出の少なくとも一部が再現されるので、所定の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくい。所定の遊技回に係る特別情報の判定の結果が報知手段によって報知されてはじめて、所定の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、所定の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C4]
特徴C3に記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態よりも前に実行される遊技回を第1の遊技回と定義し、前記特別遊技状態より後に実行される前記所定の遊技回を第2の遊技回と定義した場合に、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たすことによって前記第1の遊技回において前記演出実行手段が実行した演出を含む(再現対象演出は、第1実施形態のケースa1とケースa2、第2実施形態、および、第3実施形態のケースc1とケースc2において、第1の遊技回に係る大当たり抽選に当選することによって第1の遊技回において実行された演出を含む)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合に、第1の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことによって第1の遊技回において実行された演出を、第2の遊技回において再現する。従って、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを報知手段によって報知されてはじめて、演出上は第1の遊技回において実行された演出の再現として実行されている演出が、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行されていたことを遊技者に認識させ、遊技に意外性を付与することができる。また、再現に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
[特徴C5]
特徴C3または特徴C4に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特別情報が前記所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆する演出であるリーチ演出を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、所定の遊技回(第2の遊技回)に係る特別情報が所定の条件を満たす場合に、特別遊技状態よりも前に実行される遊技回(第1の遊技回)において実行されたリーチ演出を、第2の遊技回において再現する。従って、第2の遊技回において、演出上は特別遊技状態よりも前に実行された遊技回において実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されていたリーチ演出が、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行されていたことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。また、リーチ演出が実行される場合として、所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、特別遊技状態よりも前に実行された遊技回において実行した演出の少なくとも一部の再現として実行される場合と、演出上は特別遊技状態よりも前に実行された遊技回において実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
[特徴C6]
特徴C2から特徴C5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記所定の演出を実行する前に、当該所定の演出を実行することを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、所定の演出を実行する前に、当該所定の演出を実行することを示唆する示唆演出を実行することで、実行される所定の演出に対して、遊技者の注目度、関心度を向上させることができる。
[特徴C7]
特徴C6に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技状態が実行される場合であって、前記所定の遊技回に係る前記特別情報が、前記所定の条件を満たすとともに、
前記特別遊技状態と前記所定の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合には、
前記示唆演出を、前記他の遊技回において実行するとともに(第2実施形態において、示唆演出を先行遊技回で実行するとともに)、
前記所定の演出を、前記所定の遊技回において実行する(第2実施形態において、遊技回再現演出を第2の遊技回で実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C7によれば、特別遊技状態と所定の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合であっても、当該他の遊技回において示唆演出を実行することによって、示唆演出および所定の演出を、遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
[特徴C8]
特徴C3から特徴C7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特別遊技状態よりも前に実行された連続した少なくとも2つの遊技回において実行した演出の少なくとも一部である
ことを特徴とする遊技機。
特徴C8によれば、特別遊技状態よりも前に実行された連続した少なくとも2つの遊技回に亘って連続的な演出が実行された場合であっても、その連続的な演出を再現することができる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴D1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に順次報知する報知手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記特別遊技状態開始手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たすことを契機として第2特別遊技状態を開始させ、
前記演出実行手段は、
前記第2特別遊技状態において実行する演出を、前記第1の遊技回に係る前記特別情報に基づいて決定する(第1実施形態において、特別遊技状態において実行される演出を、ケースa1の第1の遊技回の前に実行される遊技回[当該特徴群における第1の遊技回に対応]とケースa1の第1の遊技回[当該特徴群における第2の遊技回に対応]との関係によって、第1の遊技回[当該特徴群における第2の遊技回に対応]後の特別遊技状態において実行される演出に決定する[S2601、S2602、S2603〜S2605]/ケースa2の第1の遊技回[当該特徴群における第1の遊技回に対応]とケースa2の第2の遊技回[当該特徴群における第2の遊技回に対応]との関係によって第2の遊技回[当該特徴群における第2の遊技回に対応]後の特別遊技状態において実行される演出に決定する[S2601、S2607])
ことを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特別情報が所定の条件を満たす第2の遊技回より前に実行される第1の遊技回の特別情報を考慮して、第2の遊技回の後に実行する第2特別遊技状態における演出を実行することができる。従って、第1の遊技回に係る特別情報と、第2特別遊技状態における演出との間に関連性を持たせることが可能となり、第1の遊技回から第2特別遊技状態にかけて、種々の演出を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第2の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たすことによって前記第2特別遊技状態が実行される場合において、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たす場合には(第1実施形態のケースa2における第1の遊技回と第2の遊技回との関係となる場合には)、
前記第2の遊技回(第1実施形態のケースa2の第2の遊技回)において、前記第1の遊技回(第1実施形態のケースa2の第1の遊技回)において実行された演出の少なくとも一部を再現し(S2308、S2309の処理を実行し)、
前記第1の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たさない場合には(第1実施形態のケースa1における第1の遊技回の前に実行される遊技回と第1の遊技回との関係となる場合には)、
前記第2特別遊技状態(第1実施形態のケースa1の第1の遊技回後の特別遊技状態)において、前記第2の遊技回(第1実施形態のケースa1の第1の遊技回)において実行された演出の少なくとも一部を再現する(S2605の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすにも関わらず、第2の遊技回において、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現する。従って、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくい。第2の遊技回に係る特別情報の判定の結果が報知手段によって報知してはじめて、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、第1の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たさない場合には、第2特別遊技状態において、第2の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するので、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たした場合に実行された演出を、再度鑑賞したいという遊技者の要望を満たすことができる。
[特徴D3]
特徴D2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の遊技回において前記第1の遊技回で実行された演出の少なくとも一部を再現する場合には(第1実施形態のケースa2における第1の遊技回と第2の遊技回との関係となる場合には)、当該再現をするより前に、既に実行された演出を再現することを示唆する第1示唆演出を実行し(S2606の処理を実行し)、
前記第2特別遊技状態において前記第2の遊技回で実行された演出の少なくとも一部を再現する場合には(第1実施形態のケースa1における第1の遊技回の前に実行される遊技回と第1の遊技回との関係となる場合には)、当該再現をするより前に、既に実行された演出を再現することを示唆する第2示唆演出を実行する(S2605の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、第1の遊技回で実行された演出の少なくとも一部を再現するより前に第1示唆演出を実行し、第2の遊技回で実行された演出の少なくとも一部を再現するより前に第2示唆演出を実行するので、第1の遊技回で実行された演出の少なくとも一部の再現又は第2の遊技回で実行された演出の少なくとも一部の再現に対して、遊技者の注目度、関心度を向上させることができる。
[特徴D4]
特徴D2またはD3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の遊技回において前記第1の遊技回で実行された演出の少なくとも一部を再現する場合には(第1実施形態のケースa2における第1の遊技回と第2の遊技回との関係となる場合には)、
第1の遊技回に係る特別情報が前記所定の条件を満たすことによって開始される第1特別遊技状態において、既に実行された演出を再現することを示唆する第1示唆演出を実行する(S2606の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、第1特別遊技状態において当該第1特別遊技状態より後の遊技回における演出の内容を示唆する演出を実行することによって、第1特別遊技状態が終了した後の遊技回に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
[特徴D5]
特徴D2から特徴D4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特別情報が前記所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆する演出であるリーチ演出を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、演出上は第1の遊技回で実行された演出の少なくとも一部の再現として実行されていたリーチ演出が、実際には、第2の遊技回に係る特別情報に起因して実行されていたことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。また、第2の遊技回で実行された演出の少なくとも一部が再現される場合には、第2の遊技回におけるリーチ演出が第2特別遊技状態において実行されることになるので、第2の遊技回におけるリーチ演出を再度鑑賞したいという遊技者の要望を満たすことができる。さらに、リーチ演出が実行される場合として、所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、既に実行された演出の少なくとも一部の再現として実行される場合と、演出上は既に実行された演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴E1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に順次報知する報知手段と、
前記各遊技回において演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たさないとともに、前記第1の遊技回よりも後に実行される第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合(第4実施形態におけるケースd1の場合)には、
前記第2の遊技回において、前記第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現し、
前記第1の遊技回における前記演出の実行後であって、かつ、前記第2の遊技回において前記第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するより前に、既に実行された演出を再現することを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合であるにも関わらず、第2の遊技回において、特別情報が所定の条件を満たさない第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するので、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者に予期させにくい。また、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を再現するより前に示唆演出を実行することで、第2の遊技回においては、第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部が再現されているにすぎないといった認識を遊技者により一層与えることができる。そして、第2の遊技回に係る特別情報の判定の結果が報知手段によって報知してはじめて、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。すなわち、第2の遊技回を、遊技者の予想しない展開にすることで、遊技者に対して驚きを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たさないとともに前記第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に加えて、
前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たさないとともに前記第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合(第4実施形態におけるケースd2の場合)にも、
前記第2の遊技回において、前記第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現し、
前記第1の遊技回における前記演出の実行後であって前記第2の遊技回における前記再現の前に、既に実行された演出を再現することを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E2によれば、第1の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たさないとともに第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たさない場合にも、第2の遊技回において第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現するので、再現が実行された遊技回に係る特別情報が必ずしも所定の条件を満たすとは限らないという認識を遊技者に付与することができる。その結果、第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部が再現された場合に、遊技者に対して心境の抑揚や期待感を付与するとともに、再現が実行される遊技回に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
[特徴E3]
特徴E1または特徴E2に記載の遊技機であって、さらに、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たすとともに、前記第2の遊技回に係る前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合(第1実施形態におけるケースa2の場合)には、
前記第2の遊技回において、前記第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部を再現し、
前記第1の遊技回の後に実行される特別遊技状態の開始後であって前記第2の遊技回における前記再現の前に、前記示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合に、第1の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たすことによって第1の遊技回において実行された演出を、第2の遊技回において再現する。従って、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしていることを報知手段によって報知してはじめて、演出上は第1の遊技回において実行された演出の再現として実行されている演出が、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行されていたことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。また、演出の再現に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。さらに、第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現が第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行された場合には、遊技者に特典を付与する特別遊技状態が開始されるので、演出の再現に対する遊技者の期待感をより一層向上させることができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の条件は、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始するための条件であり、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記特別情報が前記所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆する演出であるリーチ演出を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たす場合に、第1の遊技回において実行されたリーチ演出を、第2の遊技回において再現する。従って、演出上は第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されていたリーチ演出が、実際には、第2の遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行されていたことを遊技者に認識させることで、遊技に意外性を付与することができる。また、リーチ演出が実行される場合として、所定の条件を満たすことの期待度を遊技者に示唆するという本来的な機能として実行される場合と、第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行される場合と、演出上は第1の遊技回で実行した演出の少なくとも一部の再現として実行されるが、実際には、当該遊技回に係る特別情報が所定の条件を満たしたことに起因して実行される場合との、少なくとも3つの場合を設定することができる。従って、リーチ演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の遊技回と前記第2の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合には、
前記他の遊技回において、前記示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、第1の遊技回と第2の遊技回との間に他の遊技回が存在する場合であっても、他の遊技回において示唆演出を実行することによって、示唆演出および再現を、遊技者に違和感を与えることなく実行することができる。
[特徴E6]
特徴E1から特徴E5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段が前記再現する対象は、前記第1の遊技回より前の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を含むとともに、前記第1の遊技回において実行された演出の少なくとも一部を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴E6によれば、第1の遊技回より前の遊技回から第1の遊技回に亘って連続的な演出が実行された場合であっても、その連続的な演出を再現することができる。
なお、上記特徴A群、特徴B群、特徴C群、特徴D群、特徴E群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣の向上を目的として、各種遊技状態に応じて様々な演出が行われる。これら演出の中には、例えば、低確率で実行されるリーチ演出や、大当たり抽選に当選した場合にのみ実行される演出のように、低い頻度で実行される演出が含まれる。このような低い頻度で実行される演出は、一度実行された後に、鑑賞を目的として遊技者が再現を望む場合がある。従来から、遊技者のこのような要望に応えるために、一度実行された演出を再現する演出を実行する遊技機が知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴F1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
演出としての画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆する第1の画像と、遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆するとともに前記第1の画像とは異なる第2の画像と、を前記画像表示手段に表示し(第5実施形態、第6実施形態におけるオブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCを表示面41aに表示し)、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合と、前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合とがあり、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第2の画像と関連性を有した態様で前記画像表示手段に表示する(第5実施形態のS3205において、配置・タイミングテーブルを参照することによって、各オブジェクトが関連性を有した態様で表示されるように設定し表示する/第6実施形態のS3305において、各オブジェクトが関連性を有した態様で表示されるように設定された各表示パターンテーブルに基づいて各オブジェクトを表示する)
ことを特徴とする遊技機。
画像を画像表示手段に表示し、遊技者に対して、遊技の有利・不利の度合いを示唆する演出を実行する遊技機がある。通常、このような画像は複数種類用意されており、各画像が、各々、遊技の有利・不利の度合いを示唆する。また、これら画像は、各々、表示される条件が異なる。このような遊技機の場合、遊技の状態によっては、複数の画像の表示される条件が重なる場合があり、このような場合、重なる期間(同じ期間)に表示される他の画像との関連性を考慮することなく、複数の画像が各々の設定に従って表示される。結果として、画像表示手段に複数の画像がなんら関連性無く表示されたり、いくつもの画像が重畳して表示されたりする場合があり、煩雑な演出であるという印象を遊技者に与えてしまう。
特徴F1によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合には、第2の画像と関連性を有した態様で表示されるので、第1の画像と第2の画像とが重なる期間(同じ期間)に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。また、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とがあるので、第1の画像を用いて複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記関連性を有した態様は、前記第1の画像と前記第2の画像とが関連して物語性を有する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合には、第1の画像と第2の画像とが関連して物語性を有する態様で表示されるので、第1の画像と第2の画像とが重なる期間(同じ期間)に表示されることによって実行される演出を、遊技者にとって違和感のない演出にすることができる。また、第1の画像と第2の画像とが重なる期間に表示されることによって実行される演出が物語性を有することによって遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記第2の画像と重ならない期間に表示される場合の前記第1の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いは、
前記第1の画像と前記第2の画像とが重なる期間に表示される場合の前記第1の画像および前記第2の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いと異なる(第5実施形態におけるS3203/第6実施形態におけるS3305)
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とで異なる遊技の有利・不利の度合いを示唆するので、第1の画像を用いて複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。また、第1の画像が表示される場合であっても、他の画像と重なる期間(同じ期間)に表示されているか否かによって有利・不利の度合いが異なるので、演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像とは、異なる種類の前記遊技の有利・不利の度合いを示唆する(第5実施形態のS3203の処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、画像を用いて、多様な種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の画像を前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合には、前記第1の画像を、当該第1の画像の領域を示す画像枠を付した態様で前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第1の画像を、前記画像枠が無い態様で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、第1の画像および第2の画像からなる演出を、遊技者に対して違和感のない演出にすることができる。
[特徴F6]
特徴F1から特徴F5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像の少なくとも一つは経時変化する画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴F6によれば、経時変化する画像を用いることで、多様な演出を実行することができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴G1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
経時変化する画像である期待度画像を記憶する期待度画像記憶手段と、
演出としての前記期待度画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記期待度画像記憶手段は、
第1の期待度画像と、
第2の期待度画像と、
を記憶し、
前記制御手段は、
前記第1の期待度画像を前記画像表示手段に表示する場合と、
前記第2の期待度画像を前記画像表示手段に表示する場合と、
前記第1の期待度画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する画像を抽出した第1の部分画像と、前記第2の期待度画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する画像を抽出した第2の部分画像と、を関連性を有する態様で組み合わせた前記期待度画像である第3の期待度画を前記画像表示手段に表示する場合と、
があり、
前記制御手段によって前記第1の期待度画像が表示された場合の前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率を第1の確率と定義し、
前記制御手段によって前記第2の期待度画像が表示された場合の前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率を第2の確率と定義し、
前記制御手段によって前記第3の期待度画像が表示された場合の前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率を第3の確率と定義した場合において、
前記制御手段は、前記第3の確率が、前記第1の確率と異なり、かつ、前記第2の確率と異なるように、
前記第1の期待度画像、前記第2の期待度画像または前記第3の期待度画像を前記画像表示手段に表示する(第5実施形態における表示パターンテーブルを用いて表示する/第6実施形態における表示パターンテーブルを用いて表示する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、画像表示手段に表示する期待度画像として、第1の期待度画像、第2の期待度画像に加え、第1の部分画像と第2の部分画像とを関連性を有する態様で組み合わせた第3の期待度画像を画像表示手段に表示するので、第1の期待度画像および第2の期待度画像を有効に活用した演出を実行することができる。第3の期待度画像は、第1の部分画像と第2の部分画像とが関連性を有する態様で組み合わせた期待度画像であるので、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。また、第3の確率が、第1の確率と異なり、かつ、第2の確率と異なるように、第1の期待度画像、第2の期待度画像または第3の期待度画像を画像表示手段に表示するので、期待度画像に対する遊技者の注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の部分画像を前記第1の期待度画像から抽出するに際し、前記第1の期待度画像の時間軸方向に対して異なる期間の画像を抽出することによって、複数の異なる表示態様で前記第3の期待度画像を前記画像表示手段に表示し、
前記第3の確率は、前記第3の期待度画像の前記複数の異なる表示態様毎に異なる(第6実施形態における表示パターンテーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、第1の部分画像を第1の期待度画像から抽出するに際し、第1の期待度画像の時間軸方向に対して異なる期間の画像を抽出することによって、複数の異なる表示態様で第3の期待度画像を画像表示手段に表示することが可能であるので、第3の期待度画像を用いて種々の演出を実行することができる。また、第3の確率は、第3の期待度画像の複数の異なる表示態様毎に異なるので、第3の期待度画像に対する遊技者の注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の部分画像を前記第1の期待度画像から抽出するに際し、前記第1の期待度画像の時間軸方向に対して異なる期間の画像を抽出することによって、複数の異なる表示態様で前記第3の期待度画像を前記画像表示手段に表示し、
前記第3の期待度画像として前記画像表示手段に表示する前記第1の部分画像と前記第2の部分画像との相対的な表示の位置は、
前記第3の期待度画像の前記複数の異なる表示態様毎に予め設定されている(第6実施形態における表示パターンテーブルによって、各オブジェクトの配置位置は各表示パターン毎に予め設定されている)
ことを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、第3の期待度画像として画像表示手段に表示する第1の部分画像と第2の部分画像との相対的な表示の位置は、第3の期待度画像の複数の異なる表示態様毎に予め設定されているので、第3の期待度画像として第1の部分画像と第2の部分画像とがなんら関連性なく重畳されて画像表示手段に表示されることがない。従って、複数の異なる表示態様で第3の期待度画像が用いられた各々の演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の部分画像を前記第1の期待度画像から抽出するに際し、前記第1の期待度画像の時間軸方向に対して異なる期間の画像を抽出することによって、複数の異なる表示態様で前記第3の期待度画像を前記画像表示手段に表示し、
前記第3の期待度画像として前記画像表示手段に表示する前記第1の部分画像と前記第2の部分画像との相対的な表示のタイミングは、前記第3の期待度画像の前記複数の異なる表示態様毎に予め設定されている(第6実施形態における表示パターンテーブルによって、各オブジェクトの表示のタイミングは各表示パターン毎に予め設定されている)
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、第3の期待度画像として画像表示手段に表示する第1の部分画像と第2の部分画像との相対的な表示のタイミングは、第3の期待度画像の複数の異なる表示態様毎に予め設定されているので、第3の期待度画像として第1の部分画像と第2の部分画像とがなんら関連性のないタイミングで画像表示手段に表示されることがない。従って、複数の異なる表示態様で第3の期待度画像が用いられた各々の演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴H1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
演出としての画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆する第1の画像と、遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆するとともに前記第1の画像とは異なる第2の画像と、を前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合と、前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合とがあり、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された配置位置/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された配置位置)で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
画像を画像表示手段に表示し、遊技者に対して、遊技の有利・不利の度合いを示唆する演出を実行する遊技機がある。通常、このような画像は複数種類用意されており、各画像が、各々、遊技の有利・不利の度合いを示唆する。また、これら画像は、各々、表示される条件が異なる。このような遊技機の場合、遊技の状態によっては、複数の画像の表示される条件が重なる場合があり、このような場合、重なる期間(同じ期間)に表示される他の画像との関連性を考慮することなく、複数の画像が各々の設定に従って表示される。結果として、画像表示手段に複数の画像がなんら関連性無く表示されたり、いくつもの画像が重畳して表示されたりする場合があり、煩雑な演出であるという印象を遊技者に与えてしまう。
特徴H1によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間(同じ期間)に表示される場合には、第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置で画像表示手段に表示されるので、第1の画像と第2の画像とがなんら関連性なく重畳されて表示されることがない。従って、第1の画像と第2の画像とが重なる期間(同じ期間)に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。また、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とがあるので、第1の画像を用いて複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
異なる複数の表示態様で、前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に前記画像表示手段に表示するとともに、
前記異なる複数の表示態様の各々に応じて、前記第1の画像を、前記第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置(第6実施形態における表示・パターンテーブルで設定された配置位置)で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、異なる複数の表示態様で、第1の画像を、第2の画像と重なる期間(同じ期間)に表示するので、第1の画像と第2の画像とを用いた種々の演出を実行することができる。また、異なる複数の表示態様の各々に応じて、第1の画像を、第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置で画像表示手段に表示するので、各表示態様において、第1の画像と第2の画像とがなんら関連性なく重畳されて表示されることがない。従って、第1の画像と第2の画像とが重なる期間(同じ期間)に表示されることによって実行される種々の演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
[特徴H3]
特徴H1または特徴H2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第2の画像との間で相対的に予め定められたタイミング(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された表示のタイミング/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された表示のタイミング)で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間(同じ期間)に表示される場合には、第2の画像との間で相対的に予め定められたタイミングで表示されるので、第1の画像と第2の画像とがなんら関連性のないタイミングで表示されることがない。従って、第1の画像と第2の画像とを重なる期間(同じ期間)に表示することによって実行する演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、さらに、演出の質を向上させることができる。
[特徴H4]
特徴H1から特徴H3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の画像と重ならない期間に表示されない場合の前記第1の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いは、
前記第1の画像と前記第2の画像とが重なる期間に表示される場合の前記第1の画像および前記第2の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いと異なる(第5実施形態における表示パターンテーブル/第6実施形態における表示パターンテーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とで異なる遊技の有利・不利の度合いを示唆するので、第1の画像を用いて、遊技の有利・不利の度合いの異なる複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。また、第1の画像が表示される場合であっても、他の画像と重なる期間(同じ期間)に表示されているか否かによって有利・不利の度合いが異なるので、演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。そして、第2の画像と組み合わせた画像を表示する場合であっても、第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置で画像表示手段に表示されるので、質の高い演出を遊技者に提供することができる。
[特徴H5]
特徴H1から特徴H4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像とは、異なる種類の前記遊技の有利・不利の度合いを示唆する(第5実施形態における表示パターンテーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、第1の画像からなる演出、第2の画像からなる演出、第1の画像および第2の画像からなる演出の各々において、異なる種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。従って、複数の画像の組み合わせ方によって、多様な種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。
[特徴H6]
特徴H1から特徴H5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の画像を前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合には、前記第1の画像を、当該第1の画像の領域を示す画像枠を付した態様で前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第1の画像を、前記画像枠が無い態様で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H6によれば、第1の画像および第2の画像からなる演出を、遊技者に対して違和感のない演出にすることができる。
[特徴H7]
特徴H1から特徴H6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像の少なくとも一つは経時変化する画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴H7によれば、経時変化する画像を用いることで、多様な演出を実行することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴I1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
演出としての画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆する第1の画像と、遊技者に対して遊技の有利・不利の度合いを示唆するとともに前記第1の画像とは異なる第2の画像と、を前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合と、前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合とがあり、
前記第1の画像を、前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第2の画像との間で相対的に予め定められたタイミング(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された表示のタイミング/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された表示のタイミング)で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
画像を画像表示手段に表示し、遊技者に対して、遊技の有利・不利の度合いを示唆する演出を実行する遊技機がある。通常、このような画像は複数種類用意されており、各画像が、各々、遊技の有利・不利の度合いを示唆する。また、これら画像は、各々、表示される条件が異なる。このような遊技機の場合、遊技の状態によっては、複数の画像の表示される条件が重なる場合があり、このような場合、重なる期間(同じ期間)に表示される他の画像との関連性を考慮することなく、複数の画像が各々の設定に従って表示される。結果として、画像表示手段に複数の画像がなんら関連性無く表示されたり、いくつもの画像が重畳して表示されたりする場合があり、煩雑な演出であるという印象を遊技者に与えてしまう。なお、遊技の有利・不利の度合いは、特別情報に基づいて決定された遊技回の状態が、遊技者にとって有利であるか不利であるかの度合いを示すものである。例えば、パチンコ遊技機においては、大当たり抽選に当選することの期待度、確変大当たりであることの期待度、遊技回が確変状態であることの期待度など、遊技回の状態が遊技者にとって有利であるか不利であるかの度合いを示す。
特徴I1によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合には、第2の画像との間で相対的に予め定められたタイミングで表示されるので、第1の画像と第2の画像とがなんら関連性のないタイミングで表示されることがない。従って、第1の画像と第2の画像とを重なる期間(同じ期間)に表示することによって実行する演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、さらに、演出の質を向上させることができる。また、第1の画像は、第2の画像と重なる期間(同じ期間)に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とがあるので、第1の画像を用いて複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記第1の画像を、前記第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された配置位置/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された配置位置)で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間(同じ期間)に表示される場合には、第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置で画像表示手段に表示されるので、第1の画像と第2の画像とがなんら関連性なく重畳されて表示されることがない。従って、第1の画像と第2の画像とが重なる期間(同じ期間)に表示されることによって実行される演出が、遊技者に煩雑な印象を与えることがなく、演出の質を向上させることができる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記第2の画像と重ならない期間に表示される場合の前記第1の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いは、
前記第1の画像と前記第2の画像とが重なる期間に表示される場合の前記第1の画像および前記第2の画像が示唆する前記遊技の有利・不利の度合いと異なる(第5実施形態における表示パターンテーブル/第6実施形態における表示パターンテーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、第1の画像は、第2の画像と重なる期間に表示される場合と、第2の画像と重ならない期間に表示される場合とで遊技の有利・不利の異なる度合いを示唆するので、第1の画像を用いて、遊技の有利・不利の度合いの異なる複数の異なる態様の演出を実行することができ、第1の画像を有効活用することができる。また、第1の画像が表示される場合であっても、他の画像と重なる期間(同じ期間)に表示されているか否かによって有利・不利の度合いが異なるので、演出に対する遊技者の注目度、関心度、期待感を向上させることができる。そして、第2の画像と組み合わせた画像を表示する場合であっても、第2の画像との間で相対的な位置が予め定められた配置位置で画像表示手段に表示されるので、質の高い演出を遊技者に提供することができる。
[特徴I4]
特徴I1から特徴I3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像とは、異なる種類の前記遊技の有利・不利の度合いを示唆する(第5実施形態における表示パターンテーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴I4によれば、第1の画像からなる演出、第2の画像からなる演出、第1の画像および第2の画像からなる演出の各々において、異なる種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。従って、複数の画像の組み合わせ方によって、多様な種類の遊技の有利・不利の度合いを示唆することができる。
[特徴I5]
特徴I1から特徴I4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の画像を前記第2の画像と重ならない期間に表示する場合には、前記第1の画像を、当該第1の画像の領域を示す画像枠を付した態様で前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を前記第2の画像と重なる期間に表示する場合には、前記第1の画像を、前記画像枠が無い態様で前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I5によれば、第1の画像および第2の画像からなる演出を、遊技者に対して違和感のない演出にすることができる。
[特徴I6]
特徴I1から特徴I5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像と前記第2の画像の少なくとも一つは経時変化する画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴I6によれば、経時変化する画像を用いることで、多様な演出を実行することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴J1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
遊技の状況について有利・不利に関する認識を遊技者に与えることを可能とする画像を記憶する画像記憶手段と、
演出としての前記画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記画像記憶手段に記憶されている第1の画像であって、遊技の状況について有利・不利に関する認識を遊技者に与えることを可能とする第1の画像を前記画像表示手段に表示し、
前記第1の画像を当該第1の画像とは異なる第2の画像と組み合わせた組み合わせ画像であって、遊技の状況についての有利・不利に関する認識であって前記第2の画像と組み合わせずに前記第1の画像を表示する場合に遊技者に与える前記認識とは異なる認識を遊技者に与えることを可能とする組み合わせ画像を前記画像表示手段に表示する(第5実施形態および第6実施形態において、オブジェクトCの表示パターン(C1−C2−C3)は、箱の中から犬が顔を出した様子を示す表示パターンであり、遊技の状況が有利であるという認識を遊技者に与える。一方、オブジェクトCにオブジェクトBを組み合わせた表示パターン(B1−B2−B3/C1−C2−C3)は、天候が悪化することによって箱の中の犬が濡れる様子を示す表示パターンであり、遊技の状況が不利であるという認識を遊技者に与える/変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、第1の画像を第2の画像と組み合わせずに画像表示手段に表示した場合に遊技の有利・不利について遊技者に与える認識と、第1の画像を第2の画像と組み合わせて画像表示手段に表示した場合に遊技の有利・不利について遊技者に与える認識とを変えることができるので、第1の画像を用いた多様な演出を実行することが可能であり、第1の画像を有効利用することができる。なお、遊技の状況とは、例えば、特別情報が所定の条件を満たすか否かや、特別情報が所定の条件を満たす確率が相対的に高い状況であるか否かといった遊技の状態に基づいた状況をいう。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記第1の画像を前記第2の画像と組み合わせて表示する場合に、前記第1の画像と前記第2の画像との間の相対的な位置を前記遊技の状況に応じて設定(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された配置位置に設定/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された配置位置に設定)して、前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、第1の画像と第2の画像との間の相対的な位置を遊技の状況に応じて設定して画像表示手段に表示するので、第1の画像および第2の画像を用いて遊技の有利・不利について種々の認識を遊技者に与えることができる。
[特徴J3]
特徴J1または特徴J2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記第1の画像を前記第2の画像と組み合わせて表示する場合に、前記第1の画像と前記第2の画像との間で前記画像表示手段に表示する相対的なタイミングを前記遊技の状況に応じて設定(第5実施形態における配置・タイミングテーブルで決定された表示のタイミングに設定/第6実施形態における表示パターンテーブルで設定された表示のタイミングに設定)して、前記画像表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J3によれば、第1の画像と第2の画像との間で画像表示手段に表示する相対的なタイミングを遊技の状況に応じて設定して画像表示手段に表示するので、第1の画像および第2の画像を用いて遊技の有利・不利について種々の認識を遊技者に与えることができる。
[特徴J4]
特徴J1から特徴J3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の画像または前記第2の画像の少なくとも一つは経時変化する画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、経時変化する画像である画像を用いることで、多様な演出を実行することができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴K1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
少なくとも、第1の画像と、第2の画像と、第3の画像とを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段によって、前記第1の画像(第6実施形態における画像C1の箱の画像)が前記第3の画像と組み合わされずに前記画像表示手段に表示された場合よりも、前記第2の画像(第6実施形態における画像C3の箱から犬が顔を出す画像)が前記第3の画像と組み合わされずに前記画像表示手段に表示された場合の方が、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与えるにも関わらず、
前記制御手段によって、前記第1の画像(第6実施形態における画像C1の箱の画像)が前記第3の画像(第6実施形態における画像B3の雨の画像)と組み合わされて前記画像表示手段に表示された場合の方が、前記第2の画像(第6実施形態における画像C3の箱から犬が顔を出す画像)が前記第3の画像(第6実施形態における画像B3の雨の画像)と組み合わされて前記画像表示手段に表示された場合よりも、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示した場合よりも、第2の画像を第3の画像と組み合わせずに表示した場合の方が、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与えるにも関わらず、第1の画像を第3の画像と組み合わせて表示した場合の方が、第2の画像を第3の画像と組み合わせて表示した場合よりも、遊技者に対して遊技の状況について有利な認識を与える。従って、画像の組み合わせ方によって、多様な演出を実行することが可能である。また、遊技者は、画像表示手段に表示された第1の画像や第2の画像を認識した場合であっても、第3の画像の表示の有無によって遊技の状況が異なると認識する。従って、画像表示手段に表示される画像に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
前記画像記憶手段は、経時変化する画像である第1の経時変化画像(画像C1、画像C2、画像C3の順に経時変化するオブジェクトC)を記憶し、
前記第1の画像(画像C1)および前記第2の画像(画像C3)は、前記第1の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、第1の画像および第2の画像は、第1の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像であるので、第1の経時変化画像から部分画像を抽出し、第3の画像と組み合わせることで、さらに、多様な演出を実行することができる。
[特徴K3]
特徴K1または特徴K2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示する第1の場合と、
前記第1の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示した後に、前記第2の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示する第2の場合とがある
ことを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示する場合において、その後に、第2の画像を第3の画像と組み合わせない画像を表示する場合と、表示しない場合とがあるので、第1の画像および第2の画像を用いた多用な演出を実行することができる。
[特徴K4]
特徴K3に記載の遊技機であって、
前記第1の場合よりも、前記第2の場合の方が、前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率が高い(第6実施形態におけるC用表示パターンテーブルにおいて、表示パターン(C1)による予告演出が表示される場合より、表示パターン(C1−C2)または表示パターン(C1−C2−C3)による予告演出が表示される場合の方が、大当たり抽選に当選している確率が高い)
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示する場合において、その後に、第2の画像を第3の画像と組み合わせない画像を表示しない場合(第1の場合)より、表示する場合(第2の場合)の方が、特別情報が所定の条件を満たしている確率が高い。従って、第1の画像が第3の画像と組み合わされずに表示された第1の場合に、その後に、第2の画像が第3の画像と組み合わされずに表示される第2の場合に状態が遷移することに対する期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、このような特性を備える第1の画像および第2の画像に対して、第3の画像を組み合わせて表示することで、さらに多様な演出を実行することができる。
[特徴K5]
特徴K1から特徴K4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像記憶手段は、経時変化する画像である第2の経時変化画像(画像B1、画像B2、画像B3の順に経時変化するオブジェクトB)を記憶し、
前記第3の画像(画像B3)は、前記第2の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、第3の画像は、第2の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像であるので、第2の経時変化画像を用いて、多様な演出を実行することができる。例えば、第1の画像および第2の画像と、当該第2の経時変化画像を組み合わせて表示する場合に、第2の経時変化画像の一部である第3の画像が第1の画像や第2の画像と同じ期間に表示された場合には、遊技者に対して遊技の状況についての認識を変えることができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴L1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすか否かの前記判定手段による判定の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
少なくとも、第1の画像と、第2の画像と、第3の画像とを記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段によって、前記第1の画像(第6実施形態における画像C1の箱の画像)が前記第3の画像と組み合わされずに前記画像表示手段に表示された場合よりも、前記第2の画像(第6実施形態における画像C3の箱から犬が顔を出す画像)が前記第3の画像と組み合わされずに前記画像表示手段に表示された場合の方が、前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率が高いにも関わらず、
前記制御手段によって、前記第1の画像(第6実施形態における画像C1の箱の画像)が前記第3の画像(第6実施形態における画像B3の雨の画像)と組み合わされて前記画像表示手段に表示された場合の方が、前記第2の画像(第6実施形態における画像C3の箱から犬が顔を出す画像)が前記第3の画像(第6実施形態における画像B3の雨の画像)と組み合わされて前記画像表示手段に表示された場合よりも、前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示した場合よりも、第2の画像を第3の画像と組み合わせずに表示した場合の方が、特別情報が所定の条件を満たしている確率が高いにも関わらず、第1の画像を第3の画像と組み合わせて表示した場合の方が、第2の画像を第3の画像と組み合わせて表示した場合よりも、特別情報が所定の条件を満たしている確率が高い。従って、第1の画像または第2の画像が表示された場合に、第3の画像の表示の有無についての遊技者の注目度を向上させることができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
前記画像記憶手段は、経時変化する画像である第1の経時変化画像(画像C1、画像C2、画像C3の順に経時変化するオブジェクトC)を記憶し、
前記第1の画像(画像C1)および前記第2の画像(画像C3)は、前記第1の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、第1の画像および第2の画像は、第1の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像であるので、第1の経時変化画像が表示された場合に、第3の画像の表示の有無についての遊技者の注目度を向上させることができる。
[特徴L3]
特徴L1または特徴L2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示する第1の場合と、
前記第1の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示した後に、前記第2の画像を前記第3の画像と組み合わせずに前記画像表示手段に表示する第2の場合とがある
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示する場合において、その後に、第2の画像を第3の画像と組み合わせない画像を表示する場合と、表示しない場合とがあるので、第1の画像および第2の画像を用いた多用な演出を実行することができる。
[特徴L4]
特徴L3に記載の遊技機であって、
前記第1の場合よりも、前記第2の場合の方が、前記特別情報が前記所定の条件を満たしている確率が高い(第6実施形態におけるC用表示パターンテーブルにおいて、表示パターン(C1)による予告演出が表示される場合より、表示パターン(C1−C2)または表示パターン(C1−C2−C3)による予告演出が表示される場合の方が、大当たり抽選に当選している確率が高い)
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、第1の画像を第3の画像と組み合わせずに表示する場合において、その後に、第2の画像を第3の画像と組み合わせない画像を表示しない場合(第1の場合)より、表示する場合(第2の場合)の方が、特別情報が所定の条件を満たしている確率が高い。従って、第1の画像が第3の画像と組み合わされずに表示された第1の場合に、その後に、第2の画像が第3の画像と組み合わされずに表示される第2の場合に状態が遷移することに対する期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、このような特性を備える第1の画像および第2の画像に対して、第3の画像を組み合わせて表示することで、さらに多様な演出を実行することができる。
[特徴L5]
特徴L1から特徴L4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像記憶手段は、経時変化する画像である第2の経時変化画像(画像B1、画像B2、画像B3の順に経時変化するオブジェクトB)を記憶し、
前記第3の画像(画像B3)は、前記第2の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像である
ことを特徴とする遊技機。
特徴L5によれば、第3の画像は、第2の経時変化画像の時間軸方向の少なくとも一部の期間を構成する部分画像であるので、第2の経時変化画像を用いて、多様な演出を実行することができる。例えば、第1の画像および第2の画像と、当該第2の経時変化画像を組み合わせて表示する場合に、第2の経時変化画像の一部である第3の画像が第1の画像や第2の画像と同じ期間に表示された場合には、遊技者に対して遊技の状況についての認識を変えることができる。
なお、上記特徴F群、特徴G群、特徴H群、特徴I群、特徴J群、特徴K群、特徴L群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣の向上を目的として、各種遊技状態に応じて様々な演出が行われる。例えば、オブジェクト画像を画像表示手段に表示し、遊技者に対して、遊技の有利・不利の度合いを示唆する演出を実行する遊技機がある。通常、このようなオブジェクト画像は複数種類用意されており、各オブジェクト画像が、各々、遊技の有利・不利の度合いを示唆する。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴M1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
第1の表示態様として第1の動画(背景動画)を表示する画像表示手段と、
前記第1の動画に対応した音である動画対応音(背景音楽)を第1の出力態様(所定の音量で背景音楽を出力する態様)で出力する音出力手段と、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様から第2の表示態様(デモ動画を表示する態様)に移行させるとともに前記音出力手段を前記第1の出力態様から第2の出力態様(背景音楽の出力を停止した態様)に移行させる条件である移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段と、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様に復帰させるとともに前記音出力手段を前記第1の出力態様に復帰させる条件である復帰条件が成立したか否かを判定する復帰条件判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様から前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様から前記第2の出力態様に移行し、
前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後であって、かつ、前記画像表示手段が前記第2の表示態様に移行した後に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記第1の表示態様として前記第1の動画を表示する際に、当該第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、前記第1の出力態様で前記動画対応音を出力する際に、前記動画対応音の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は、第1の表示態様に復帰して第1の動画を表示する際に、当該第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し、音出力手段は、第1の出力態様に復帰して動画対応音を出力する際に、動画対応音の予め定められた時間的位置から出力を開始する。したがって、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後において、復帰条件が成立するタイミングに応じて画像表示手段が第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第1の動画の表示と動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、復帰条件が成立するタイミングに応じて画像表示手段が第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立した場合に、第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた第1の動画の時間的位置から当該第1の動画の表示を開始する構成や、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に復帰する際に、表示を開始する第1の動画の時間的位置を第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画の再生を内部処理として継続するとともに、第2の表示態様から第1の表示態様に復帰する際には内部処理として継続して再生している第1の動画を表示する構成等が挙げられる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様から、前記動画対応音の出力を継続しつつ当該動画対応音の音量を時間の経過と共に低減する低減態様を経て、前記第2の出力態様に移行し、
前記画像表示手段は、前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行したタイミング以降に、前記第1の表示態様から前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段が前記低減態様である期間中に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の動画を表示する前記第1の表示態様を継続し、
前記音出力手段は、前記動画対応音の音量を前記第1の出力態様における音量に戻すことによって、前記第1の出力態様に復帰する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、低減態様の期間中に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は第1の表示態様を継続するとともに、音出力手段は動画対応音の音量を戻して第1の出力態様に復帰するので、第1の動画の表示と動画対応音の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
前記移行条件が成立した場合には、
前記音出力手段は、前記動画対応音を第1の大きさの音量で出力する前記第1の出力態様から、前記動画対応音を前記第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する前記第2の出力態様に移行し、
前記画像表示手段は、前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後、所定時間経過後に前記第2の表示態様に移行し、
前記音出力手段が前記第2の出力態様に移行した後であって、かつ、前記画像表示手段が前記第2の表示態様に移行する前に前記復帰条件が成立した場合には、
前記画像表示手段は、前記第1の動画を表示する前記第1の表示態様を継続し、
前記音出力手段は、前記動画対応音の音量を前記第1の大きさの音量に戻すことによって、前記第1の出力態様に復帰する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M3によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行する前に復帰条件が成立した場合には、画像表示手段は、第1の動画を表示する第1の表示態様を継続し、音出力手段は、動画対応音の音量を第1の大きさの音量に戻すことによって、第1の出力態様に復帰するので、第1の動画の表示と動画対応音の出力との同期を維持したまま、移行条件が成立する前の態様に違和感なく自然な流れで復帰することができる。
[特徴M4]
特徴M1から特徴M3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画の時間的な先頭位置であり、
前記動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M4によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行した後であって、かつ、画像表示手段が第2の表示態様に移行した後に復帰条件が成立し、第1の表示態様および第1の出力態様にそれぞれ復帰する場合には、第1の動画の時間的な先頭位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な先頭位置から出力が開始される。したがって、第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始され、動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、復帰条件が成立した後、第1の動画および動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画および動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴M4によれば、当該遊技者に対して第1の動画および動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画および動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴M5]
特徴M1から特徴M4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の表示態様は、前記第1の動画とは異なる第2の動画を表示する態様、前記第1の動画の少なくとも一部を停止して表示する態様、前記第1の動画を非表示とする態様、前記第1の動画とは異なる静止画像を表示する態様、または、動画および静止画像を非表示とする態様であり、
前記第1の出力態様は、前記動画対応音を第1の大きさの音量で出力する態様であり、
前記第2の出力態様は、前記動画対応音を前記第1の大きさの音量よりも小さい第2の大きさの音量で出力する態様、または、前記動画対応音の出力を停止した態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M5によれば、移行条件が成立して画像表示手段および音出力手段がそれぞれ第2の表示態様および第2の出力態様に移行済みであることを遊技者に認識させることができる。
[特徴M6]
特徴M5に記載の遊技機であって、
前記第2の大きさの音量は、遊技者が認識することのできない大きさの音量以下である
ことを特徴とする遊技機。
特徴M6によれば、音出力手段が第2の出力態様に移行すると、動画対応音の音量が遊技者が認識することのできない大きさの音量以下となるので、移行条件が成立して音出力手段が第2の出力態様に移行済みであることを遊技者に明確に認識させることができる。
[特徴M7]
特徴M1から特徴M6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記所定の条件を満たした場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を開始する特別遊技状態開始手段を備え、
前記移行条件判定手段は、前記判定手段による前記判定の結果に対応した表示を行なう遊技回が終了した後、前記特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに所定時間が経過した場合に、前記移行条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
遊技回が終了した後、特別遊技状態および次の遊技回のいずれもが開始されずに所定時間が経過した場合には、遊技者が当該遊技機において遊技を行なっていない可能性が高い。したがって、特徴M7によれば、遊技者が遊技を行なっていない可能性の高い状態において移行条件を成立させることができる。
[特徴M8]
特徴M1から特徴M7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が遊技盤に射出されたことを検出する検出手段を備え、
前記移行条件判定手段は、前記検出手段によって遊技球が所定時間検出されない場合に、前記移行条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M8によれば、遊技球が遊技盤に射出されていれば移行条件が成立しないので、遊技者が遊技中であるにも関わらず移行条件が成立してしまうといった遊技者にとって不快な状況の発生を低減することができる。
[特徴M9]
特徴M1から特徴M8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記復帰条件判定手段は、前記移行条件が成立した後であって前記取得手段によって前記特別情報が取得された場合に、前記復帰条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M9によれば、特別情報が取得された場合に画像表示手段が第1の表示態様に復帰するとともに音出力手段が第1の出力態様に復帰するので、特別情報が取得されたという期待感を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴M10]
特徴M1から特徴M9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が遊技盤に射出されたことを検出する検出手段を備え、
前記復帰条件判定手段は、前記移行条件が成立した後であって前記検出手段によって遊技球が検出された場合に、前記復帰条件が成立したと判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴M10によれば、移行条件が成立した後であっても、遊技球が遊技盤に射出されれば復帰条件が成立するので、遊技者が遊技を開始しているにも関わらず復帰条件が長時間(例えば、1分)に亘って成立しないといった遊技者にとって不快な状況を低減することができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴N1]
第1の表示態様として、所定の動画(背景動画)を表示する画像表示手段と、
第1の出力態様として、前記所定の動画に対応した動画対応音(背景音楽)を所定の出力レベルで出力する音出力手段と、
コマンドを受信するコマンド受信手段と、
を備える遊技機であって、
前記画像表示手段が前記所定の動画との連続性が断たれた他の表示態様(デモ動画を表示する態様)であり、かつ、前記音出力手段が前記動画対応音との連続性が断たれた他の出力態様(背景音楽の出力を停止した態様)である、特定態様であることを識別可能な識別情報(頭出し判定フラグ)を記憶する識別情報記憶手段と、
前記コマンド受信手段が特定のコマンド(復帰条件成立コマンド)を受信した場合に、前記識別情報記憶手段に記憶されている前記識別情報に基づいて、前記特定態様であるか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記コマンド受信手段が前記特定のコマンドを受信し、前記判定手段が前記識別情報に基づいて、前記特定態様であると判定した場合(図11における時刻t4から時刻t5までの態様である場合)には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記所定の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始し(図11)、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、予め定められた時間的位置から前記動画対応音の出力を開始する(図11)
ことを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、特定態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が表示を開始する所定の動画の時間位置および音出力手段が動画対応音の出力を開始する時間的位置が、各々、予め定められているので、所定の動画と動画対応音との同期を容易に行うことができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
前記コマンド受信手段が前記特定のコマンドを受信し、前記判定手段が前記識別情報に基づいて前記特定態様ではないと判定した場合であって、前記画像表示手段が前記所定の動画との連続性が保たれた表示態様である場合(図11における時刻t2から時刻t4までの態様である場合)には、
前記画像表示手段は、前記第1の表示態様に復帰するとともに、前記連続性を保った態様で前記所定の動画を継続して表示し(図12、図13)、
前記音出力手段は、前記第1の出力態様に復帰するとともに、前記連続性が保たれた前記所定の動画に対応した前記動画対応音を出力する(図12、図13)
ことを特徴とする遊技機。
特徴N2によれば、所定の動画との連続性が保たれた表示態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が連続性を保った態様で所定の動画を継続して表示し、音出力手段が連続性が保たれた所定の動画に対応した動画対応音を出力するので、遊技者に違和感を与えることなく、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させることができる。
[特徴N3]
特徴N1または特徴N2に記載の遊技機であって、
前記所定の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記所定の動画の時間的な先頭位置であり、
前記動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴N3によれば、特定態様から、画像表示手段を第1の表示態様、音出力手段を第1の出力態様に各々復帰させる場合に、画像表示手段が表示を開始する所定の動画の時間位置および音出力手段が動画対応音の出力を開始する時間的位置が、各々、時間的な先頭位置であるので、所定の動画の途中から表示が開始されるとともに動画対応音の途中から出力が開始される場合と比較して、画像表示手段および音出力手段が実行する処理が容易であるとともに、遊技者に与える違和感を低減することができる。
[特徴N4]
特徴N1から特徴N3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記他の表示態様は、前記画像表示手段が前記所定の動画とは異なる画像を表示している態様、または、画像の表示を停止している態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴N4によれば、特定態様から画像表示手段を第1の表示態様に復帰させる場合に、第1の表示態様への復帰前の特定態様としての他の表示態様が、所定の動画とは異なる画像を表示している態様、または、画像の表示を停止している態様であるので、第1の表示態様へ復帰して所定の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始しても、遊技者に与える違和感を小さくすることができる。なお、画像には、動画及び静止画像が含まれる。
[特徴N5]
特徴N1から特徴N4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記他の出力態様は、前記音出力手段が前記動画対応音とは異なる他の音を出力している態様、前記音出力手段が遊技者が認識できない出力レベルで前記動画対応または前記他の音を出力している態様、または、前記音出力手段が出力を停止している態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴N5によれば、特定態様から音出力手段を第1の出力態様に復帰させる場合に、第1の出力態様への復帰前の特定態様としての他の出力態様が、動画対応音とは異なる他の音を出力している態様、遊技者に認識できない出力レベルで動画対応または他の音を出力している態様、または、出力を停止している態様であるので、第1の出力態様へ復帰して、予め定められた時間的位置から表示が開始される所定の動画に対応した動画対応音の出力を開始しても、遊技者に与える違和感を小さくすることができる。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴O1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、
第1の表示態様として第1の動画(図80に示す例では背景動画、図81に示す例ではデモ動画)を表示する画像表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記画像表示手段は、
前記経過時間判定手段によって前記所定時間が経過したと判定された場合には、前記第1の表示態様から第2の表示態様(RTC演出動画を表示する態様)に移行し(図80、図81)、
前記第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合には、前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に移行するとともに、前記第1の表示態様に移行して前記第1の動画を表示する際に、前記第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する(図80、図81)
ことを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合には、第2の表示態様から第1の表示態様に移行するとともに、第1の表示態様に復帰して第1の動画を表示する際に、第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する。したがって、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、制御を簡易化することができる。なお、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に第1の動画の表示を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了した場合に、第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて表示されていた第1の動画の時間的位置から当該第1の動画の表示を開始する構成や、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に移行する際に、表示を開始する第1の動画の時間的位置を第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画の再生を内部処理として継続するとともに、第2の表示態様から第1の表示態様に移行する際には内部処理として継続して再生している第1の動画を表示する構成等が挙げられる。
また、特徴O1の遊技機が複数台設置されている場合には、各遊技機において実質的に同時に第2の表示態様の表示期間が終了して第1の表示態様に移行するとともに、各遊技機は、第1の表示態様に移行して第1の動画を表示する際に、第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各遊技機において表示される第1の動画を同期させることができる。すなわち、各遊技機において表示される第1の動画が同期した壮観な状況を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段を第3の表示態様(デモ動画を表示する態様)に移行させる条件である移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段を備え、
前記画像表示手段は、
前記第1の表示態様中(背景動画を表示する態様中)に前記移行条件が成立した場合には、当該移行条件の成立を契機として前記第3の表示態様に移行し(図11)、
前記第2の表示態様中(RTC演出動画を表示する態様中)に前記移行条件が成立した場合には、前記第2の表示態様の前記予め定められた表示期間が終了したことを契機として前記第3の表示態様に移行し(図82)、
前記第3の表示態様に移行して第3の動画(デモ動画)を表示する際に、前記第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、第2の表示態様中に移行条件が成立した場合であっても、第2の表示態様が予め定められた表示期間の途中で中断せず、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了したことを契機として第3の表示態様に移行するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴O2の遊技機が複数台設置されている場合には、各遊技機において実質的に同時に第2の表示態様の表示期間が終了して第3の表示態様に移行するとともに、各遊技機は、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に、第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始するので、各遊技機において表示される第3の動画を同期させることができる。すなわち、各遊技機において表示される第3の動画が同期した壮観な状況を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O3]
特徴O2に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段を前記第1の表示態様(背景動画を表示する態様)に復帰させる条件である復帰条件が成立したか否かを判定する復帰条件判定手段を備え、
前記画像表示手段は、
前記第3の表示態様中(デモ動画を表示する態様中)に前記復帰条件が成立した場合には、当該復帰条件の成立を契機として前記第1の表示態様に復帰し(図11)、
前記第2の表示態様中(RTC演出動画を表示する態様中)に前記復帰条件が成立した場合には、前記第2の表示態様の前記予め定められた表示期間が終了したことを契機として前記第1の表示態様に復帰し(図83)、
前記第1の表示態様に復帰して前記第1の動画を表示する際に、前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O3によれば、第2の表示態様中に復帰条件が成立した場合であっても、第2の表示態様が予め定められた表示期間の途中で中断せず、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了したことを契機として第1の表示態様に復帰するので、遊技者に与える違和感を低減することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O4]
特徴O1から特徴O3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O4によれば、第1の表示態様に移行または復帰して第1の動画を表示する際に第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の表示態様に移行または復帰して第1の動画を表示する際に第1の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は第1の動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴O4によれば、当該遊技者に対して第1の動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O5]
特徴O1から特徴O4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像表示手段によって表示される動画に対応した音である動画対応音を出力する音出力手段を備え、
前記音出力手段は、前記画像表示手段が前記第1の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する場合には、前記第1の動画に対応した第1の動画対応音(背景音楽)の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O5によれば、第1の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第1の動画の表示と第1の動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、第1の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了し、画像表示手段が第1の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する場合に、画像表示手段が第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた第1の動画対応音の時間的位置から当該第1の動画対応音の出力を開始する構成や、第1の動画対応音を出力する態様に移行する際に、出力を開始する第1の動画対応音の時間的位置を画像表示手段が第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第1の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第1の動画対応音の再生を内部処理として継続するとともに、画像表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様に移行または復帰する際には内部処理として継続して再生している第1の動画対応音を出力する構成等が挙げられる。
[特徴O6]
特徴O5に記載の遊技機であって、
前記第1の動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記第1の動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O6によれば、第1の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第1の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、第1の動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第1の動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴O6によれば、当該遊技者に対して第1の動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第1の動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O7]
特徴O2から特徴O3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第3の動画の前記予め定められた時間的位置は、前記第3の動画の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O7によれば、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に第3の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第3の表示態様に移行して第3の動画を表示する際に第3の動画の時間的な途中の位置から表示が開始される構成を採用すると、遊技者は第3の動画を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第3の動画のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴O7によれば、当該遊技者に対して第3の動画を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第3の動画を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O8]
特徴O2から特徴O4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記画像表示手段によって表示される動画に対応した音である動画対応音を出力する音出力手段を備え、
前記音出力手段は、前記画像表示手段が前記第3の動画の前記予め定められた時間的位置から表示を開始する場合には、前記第3の動画に対応した第3の動画対応音(デモ音楽)の予め定められた時間的位置から出力を開始する
ことを特徴とする遊技機。
特徴O8によれば、第3の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成と比較して、第3の動画の表示と第3の動画対応音の出力とを容易に同期させることができる。この結果、遊技の演出の質を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、第3の動画対応音の出力を開始する時間的位置が変動する構成としては、例えば、第2の表示態様の予め定められた表示期間が終了し、画像表示手段が第3の動画の予め定められた時間的位置から表示を開始する場合に、画像表示手段が第2の表示態様に移行する直前のタイミングにおいて出力されていた第3の動画対応音の時間的位置から当該第3の動画対応音の出力を開始する構成や、第3の動画対応音を出力する態様に移行する際に、出力を開始する第3の動画対応音の時間的位置を画像表示手段が第2の表示態様に移行してからの経過時間に基づいて決定する構成、画像表示手段が第3の表示態様から第2の表示態様に移行した後においても第3の動画対応音の再生を内部処理として継続するとともに、画像表示手段が第2の表示態様から第3の表示態様に移行する際には内部処理として継続して再生している第3の動画対応音を出力する構成等が挙げられる。
[特徴O9]
特徴O8に記載の遊技機であって、
前記第3の動画対応音の前記予め定められた時間的位置は、前記第3の動画対応音の時間的な先頭位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴O9によれば、第3の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成と比較して、遊技者に与える違和感を低減することができる。例えば、仮に、第3の動画対応音の時間的な途中の位置から出力が開始される構成を採用すると、遊技者は、第3の動画対応音を時間的な途中の位置から鑑賞することになるので、違和感を感じたり、第3の動画対応音のうち鑑賞していない部分があるという物足りなさを感じる可能性がある。これに対して、特徴O9によれば、当該遊技者に対して第3の動画対応音を時間的な先頭位置から鑑賞させることができるので、遊技者に与える違和感を低減することができるとともに、第3の動画対応音を時間的な先頭位置から全てを鑑賞することができているという満足感を遊技者に与えることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記特徴M群、特徴N群、特徴O群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣の向上を目的として様々な演出が行われる。例えば、液晶画面等の表示装置に動画を表示するとともに、当該動画に対応した音楽をスピーカーから出力する遊技機が知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴P1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報を、予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報の数と対応する数の保留表示(第8実施形態および第9実施形態における保留表示Dm11〜Dm14と保留表示Dm21〜Dm24)を所定の表示態様で表示するとともに、表示されている前記保留表示の表示態様を変化させる保留表示手段(第8実施形態および第9実施形態における保留演出内容決定処理)と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記保留表示手段が前記保留表示の表示態様を変化させることに先立って、前記保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(図89,図90,図100,図105)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
従来から保留表示を表示することによって、遊技者に対して、実行される遊技回の数を示すことが行われてきた。しかし、保留表示に関し、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
特徴P1によれば、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するので、保留表示の表示態様の変化に対して、遊技者に注目させることができるとともに期待感を付与することができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、表示されている前記保留表示のうち前記保留表示手段が表示態様を変化させる対象に応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する前記示唆演出を選択する(第8実施形態および第9実施形態における保留演出内容決定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、表示態様が変化する対象となる保留表示に応じて実行する示唆演出を選択するので、遊技者に示唆演出の内容について注目させることができるとともに、表示態様が変化する対象となる保留表示がいずれであるのかといった期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴P3]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で前記判定手段によって判定される順が後の前記特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、前記表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、前記保留表示の表示態様を変化させる(図92,図97,図98,図99)
ことを特徴とする遊技機。
保留表示が表示されている場合、保留表示に対応する特別情報が判定手段によって判定されるまでの残時間が短くなるにつれて、表示態様が変化する機会が少なくなる。換言すれば、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示よりも、相対的に、表示される残時間が短く、表示態様が変化する可能性が低い。従って、保留表示の表示態様が変化する場合、遊技者は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示から優先的に表示態様が変化することを希望する。しかしながら、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴P3によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。従って、仮に、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が相対的に後の保留表示の表示態様が変化する場合であっても、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
[特徴P4]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に前記判定手段による前記判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる(図101,図103,図104)
ことを特徴とする遊技機。
既に表示態様が変化した保留表示があり、遊技者が、さらにその保留表示に対して上位の表示態様への変化を希望している場合など、遊技者が特定の保留表示の表示態様の変化を希望する場合がある。しかしながら、遊技者の希望と反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴P4によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。従って、仮に、遊技者の希望に反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化した場合であっても、表示態様が変化した保留表示は、遊技者が表示態様の変化を希望した保留表示の表示態様よりも上位の表示態様に変化するので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
[特徴P5]
特徴P3または特徴P4に記載の遊技機であって、
前記演出実行部は、
前記示唆演出を実行する場合に、前記保留表示手段が変化させる前記保留表示の変化前と変化後との間における、前記設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する(第8実施形態から第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P5によれば、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択するので、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者に期待感を付与することができることに加え、保留表示の表示態様が変化する前に、示唆演出として実行される演出の種類に対しても遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴Q1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報を、予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報の数と対応する数の保留表示を所定の表示態様で表示する保留表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記保留表示手段は、
保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する特別情報に基づいて、前記保留表示の表示態様を決定する(第8実施形態から第10実施形態、および、変形例28)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する特別情報に基づいて、当該保留表示の表示態様を決定するので、表示態様が決定された対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する遊技回(以下、保留遊技回とも呼ぶ)についての情報を遊技者に対して示唆することができる。例えば、保留表示の表示態様を決定する際に、表示態様を決定する対象の保留表示に対応する特別情報が、当該特別情報より先に判定手段による判定の対象となる特別情報よりも遊技者に有利である場合に、表示態様を決定する対象である保留表示の表示態様を、特定の表示態様に決定するなど、表示態様が決定された保留表示自身の情報に加え、他の保留表示についての情報を遊技者に示唆することができる。その結果、遊技者は、一つの保留表示の表示態様を認識することによって、当該保留表示に対応する1回の保留遊技回についての帰趨を推測するに留まらず、その前後等に実行される他の保留遊技回の帰趨についても種々の推測をする。従って、保留表示の表示態様を用いて新たな遊技性を創出することができ、従来に比べてより一層、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記保留表示手段は、
表示されている保留表示の表示態様を変化させることが可能であり、
保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する特別情報に基づいて、前記表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定する(第8実施形態から第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示とは異なる他の保留表示に対応する特別情報に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定するので、表示態様を変化させる対象の保留表示を用いて、他の保留表示に対応する保留遊技回ついての情報を遊技者に対して示唆することができる。例えば、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応した保留遊技回よりも先に実行される保留遊技回の保留表示に対応した特別情報に基づいて、表示態様を変化させる対象の保留表示の変化後の表示態様を決定することによって、以下のような遊技性を実現することができる。一例として、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様(遊技者に有利である表示態様)に変化させることができる。このように、特徴Q2によれば、種々の新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Q3]
特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で前記判定手段によって判定される順が後の前記特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、前記表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、前記保留表示の表示態様を変化させる(図92,図97,図98,図99)
ことを特徴とする遊技機。
保留表示が表示されている場合、保留表示に対応する特別情報が判定手段によって判定されるまでの残時間が短くなるにつれて、表示態様が変化する機会が少なくなる。換言すれば、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示よりも、相対的に、表示される残時間が短く、表示態様が変化する可能性が低い。従って、保留表示の表示態様が変化する場合、遊技者は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示から優先的に表示態様が変化することを希望する。しかしながら、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴Q3によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。従って、仮に、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が相対的に後の保留表示の表示態様が変化する場合であっても、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
[特徴Q4]
特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に前記判定手段による前記判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる(図101,図103,図104)
ことを特徴とする遊技機。
既に表示態様が変化した保留表示があり、遊技者が、さらにその保留表示に対して上位の表示態様への変化を希望している場合など、遊技者が特定の保留表示の表示態様の変化を希望する場合がある。しかしながら、遊技者の希望と反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴Q4によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。従って、仮に、遊技者の希望に反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化した場合であっても、表示態様が変化した保留表示は、遊技者が表示態様の変化を希望した保留表示の表示態様よりも上位の表示態様に変化するので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
[特徴Q5]
特徴Q2から特徴Q4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記保留表示手段が前記保留表示の表示態様を変化させることに先立って、前記保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する(図89,図90,図100,図105)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q5によれば、保留表示の表示態様を変化させることに先立って、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するので、保留表示の表示態様の変化に対して、遊技者に注目させることができるとともに期待感を付与することができる。
[特徴Q6]
特徴Q5に記載の遊技機であって、
前記演出実行部は、
前記示唆演出を実行する場合に、前記保留表示手段が変化させる前記保留表示の変化前と変化後との間における、前記設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択する(第8実施形態から第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q6によれば、変化させる保留表示の変化前と変化後との間における、設定された表示態様の複数の段階における段階的な幅の大きさに応じて、複数種類用意された示唆演出の中から、実行する示唆演出を選択するので、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者に期待感を付与することができることに加え、保留表示の表示態様が変化する前に、示唆演出として実行される演出の種類に対しても遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴R1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報を、予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報の数と対応する数の保留表示を所定の表示態様で表示するとともに、表示されている前記保留表示の表示態様を変化させる保留表示手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
所定の演出を実行する条件である演出実行条件を満たすか否かを判定する演出実行判定処理を実行し、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の表示態様を変化させる条件である表示態様変化条件を満たすか否かを判定するとともに、
前記演出実行条件を満たし、かつ、前記表示態様変化条件を満たす場合には、前記所定の演出が実行された後に、前記保留表示の表示態様を変化させる(第8実施形態から第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
演出実行条件を満たし、かつ、表示態様変化条件を満たすにも関わらず、所定の演出の実行と独立して保留表示の表示態様を変化させる場合には、遊技者に対して、所定の演出の実行と、保留表示の表示態様の変化との間に相関があることを認識させることができず、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者を注目させることができない。換言すれば、所定の演出、および、保留表示の表示態様の変化は、各々、遊技者に対して別々の効果をもたらすものに過ぎず、これら二つが相乗的に機能しない。
特徴R1によれば、演出実行条件を満たし、かつ、表示態様変化条件を満たす場合には、所定の演出が実行された後に、保留表示の表示態様を変化させるので、保留表示の表示態様の変化との間に相関があることを遊技者に認識させることができ、所定の演出の実行を利用して、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者を注目させることができる。すなわち、期待感や緊迫感の付与といった所定の演出を実行することによる効果と、後続の遊技回に対する期待感や緊迫感の付与といった保留表示の表示態様を変化させることによる効果とに加え、所定の演出の後に保留表示の表示態様を変化させることで、保留表示の表示態様の変化に対して相乗的に遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、相乗的な遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
前記保留表示手段は、
前記演出実行条件を満たし、前記表示態様変化条件を満たさない場合には、前記所定の演出が実行されたにも関わらず、前記保留表示の表示態様を変化させない(第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、演出実行条件を満たし、表示態様変化条件を満たさない場合には、所定の演出が実行されたにも関わらず、保留表示の表示態様を変化させないので、所定の演出が実行された後には保留表示の表示態様が変化するといった遊技者の認識を覆すことができ、遊技に意外性を付与することができる。さらに、所定の演出が実行された場合に、その後に保留表示の表示態様が変化するか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴R3]
特徴R1または特徴R2に記載の遊技機であって、
遊技者が所定の保留表示を選択するための選択手段(演出操作ボタン24)を備え、
前記保留表示手段は、
表示されている各保留表示の表示態様を変化させることが可能か否かを判定する変化可能判定処理を実行するとともに、
前記選択手段によって選択された前記所定の保留表示と、前記変化可能判定処理の判定結果とに基づいて、前記表示態様変化条件が満たされるか否かを判定する(第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴R3によれば、遊技者に保留表示を選択させるといった新たな遊技性を創出することができる。また、選択手段によって選択された所定の保留表示と、変化可能判定処理の判定結果とに基づいて、表示態様変化条件が満たされるか否かを判定するので、遊技者自身が選択した保留表示の表示態様が変化するか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴R4]
特徴R1から特徴R3に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で前記判定手段によって判定される順が後の前記特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の、前記表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、前記保留表示の表示態様を変化させる(第8実施形態および第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
保留表示が表示されている場合、保留表示に対応する特別情報が判定手段によって判定されるまでの残時間が短くなるにつれて、表示態様が変化する機会が少なくなる。換言すれば、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示よりも、相対的に、表示される残時間が短く、表示態様が変化する可能性が低い。従って、保留表示の表示態様が変化する場合、遊技者は、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が先の特別情報に対応する保留表示から優先的に表示態様が変化することを希望する。しかしながら、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴R4によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合に、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が後の特別情報に対応する保留表示の表示態様を変化させる場合ほど、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるように、保留表示の表示態様を変化させる。従って、仮に、遊技者の希望と反して、表示されている保留表示の中で判定手段によって判定される順が相対的に後の保留表示の表示態様が変化する場合(または、遊技者が選択した保留表示の表示態様を変化させる場合)であっても、保留表示の表示態様における変化前と変化後との間の表示態様の複数の段階における段階的な幅が大きくなるので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
[特徴R5]
特徴R1から特徴R3に記載の遊技機であって、
前記保留表示の前記表示態様は、
当該保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性を示唆するとともに、当該可能性の高低に対応して上位から下位までの複数の段階の表示態様が設定されており、前記保留表示の前記表示態様が前記複数の段階の上位になるにつれて、前記保留表示に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす可能性が高いことを示唆し(図88(b))、
前記保留表示手段は、
前記保留表示の前記表示態様を、当該保留表示に対応する特別情報に基づいて決定するとともに、
保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に前記判定手段による前記判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる(第9実施形態および第10実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
既に表示態様が変化した保留表示があり、遊技者が、さらにその保留表示に対して上位の表示態様への変化を希望している場合など、遊技者が特定の保留表示の表示態様の変化を希望する場合がある。しかしながら、遊技者の希望と反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化する場合がある。このような場合、遊技者の遊技に対する期待感が低下してしまう。
特徴R5によれば、保留表示の表示態様を変化させる場合には、表示態様を変化させる対象の保留表示に対応する特別情報より先に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様よりも上位の段階の表示態様に変化させる。従って、仮に、遊技者の希望に反して、遊技者が表示態様の変化を希望する保留表示に対応する特別情報より後に判定手段による判定の対象となる特別情報に対応する保留表示の表示態様が変化した場合(または、遊技者が選択した保留表示の表示態様を変化させる場合)であっても、表示態様が変化した保留表示は、遊技者が表示態様の変化を希望した保留表示の表示態様よりも上位の表示態様に変化するので、遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、むしろ、より一層の期待感を付与することができる。
なお、上記特徴P群、特徴Q群、特徴R群の発明は、以下の課題を解決する。
従来から保留表示を表示することによって、遊技者に対して、実行される遊技回の数を示すことが行われてきた。
ここで、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴S1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第1の入球部(第1始動口33)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得するとともに、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を示すための識別情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記取得情報記憶手段における前記第1の特別情報の記憶の有無に基づいて、第1のコマンド(第11実施形態における特1用客待ちコマンド)を送信する第1コマンド送信手段(第11実施形態におけるS6610、S5402)と、
前記取得情報記憶手段における前記第2の特別情報の記憶の有無に基づいて、第2のコマンド(第11実施形態における特2用客待ちコマンド)を送信する第2コマンド送信手段(第11実施形態におけるS6628、S5402)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第1の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第1識別情報(第11実施形態における第1液晶用図柄)と、前記第2の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第2識別情報(第11実施形態における第2液晶用図柄)とを、各々、当該表示手段の異なる表示領域に表示するとともに、
前記送信された前記第1のコマンドに基づいて、前記第1識別情報が変動または停止している表示態様である第1識別情報表示態様と、前記第1識別情報が表示されない表示態様(第11実施形態におけるデモ画像を表示した態様)である第1識別情報非表示態様とを切り替えるとともに、
前記送信された前記第2のコマンドに基づいて、前記第2識別情報が変動または停止している表示態様である第2識別情報表示態様と、前記第2識別情報が表示されない表示態様(第11実施形態におけるデモ画像を表示した態様)である第2識別情報非表示態様とを切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、第1のコマンドは、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無に基づいて送信され、第2のコマンドは、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無に基づいて送信される。そして、表示手段は、送信された第1のコマンドに基づいて第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様とを切り替えるとともに、送信された第2のコマンドに基づいて第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様とを切り替える。従って、第1識別情報と第2識別情報とを、各々、表示手段の異なる表示領域に表示する表示手段において、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えを、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無とは独立した態様で、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無に基づいて行うことができるとともに、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えを、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無とは独立した態様で、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無に基づいて行うことができる。換言すれば、表示手段は、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えを、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えとは独立した態様で行うことができるとともに、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えを、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えとは独立した態様で行うことができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行(低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行、または、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行)した場合には、
前記第1識別情報(第1液晶用図柄)および前記第2識別情報(第2液晶用図柄)の少なくとも一方を、前記遊技状態が移行する前と異なる表示領域に表示する(図120)
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行した場合には、第1識別情報および第2識別情報の少なくとも一方を、遊技状態が移行する前と異なる表示領域に表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行したことを容易に認識させることができる。
[特徴S3]
特徴S2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
遊技の状態が前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に移行した場合には、
前記第1識別情報(第1液晶用図柄)を表示していた表示領域に前記第2識別情報(第2液晶用図柄)を表示するとともに、前記第2識別情報(第2液晶用図柄)を表示していた表示領域に前記第1識別情報(第1液晶用図柄)を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、遊技の状態が第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行した場合には、第1識別情報を表示していた表示領域に第2識別情報を表示するとともに、第2識別情報を表示していた表示領域に第1識別情報を表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行したことを認識させることができる。さらに、第1識別情報を表示していた表示領域に第2識別情報を表示するとともに、第2識別情報を表示していた表示領域に第1識別情報を表示することで、例えば、第1識別情報および第2識別情報について、遊技における役割に変更があったことを遊技者に推測させるなど、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴S4]
特徴S1から特徴S3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、変動している表示態様の前記第1識別情報(第1液晶用図柄)と、変動している表示態様の前記第2識別情報(第2液晶用図柄)とを、同時に表示することが可能である(第11実施形態における同時変動機である)
ことを特徴とする遊技機。
第1識別情報は、第1の特別情報に基づく判定の結果を示すための識別情報である。第2識別情報は、第2の特別情報に基づく判定の結果を示すための識別情報である。特徴S4によれば、表示手段は、変動している表示態様の第1識別情報と、変動している表示態様の第2識別情報とを、同時に表示することが可能であるので、遊技者に対して、第1の特別情報および第2の特別情報の2つの特別情報の判定の結果について、同時に期待感を付与することができる。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴T1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第1の入球部(第1始動口33)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得するとともに、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を示すための識別情報を表示する表示手段(第11実施形態における図柄表示装置41)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第1の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第1識別情報(第11実施形態における第1液晶用図柄)と、前記第2の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第2識別情報(第11実施形態における第2液晶用図柄)とを、各々、当該表示手段の異なる表示領域に表示するとともに、
遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行(低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行、または、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行)した場合には、
前記第1識別情報(第11実施形態における第1液晶用図柄)および前記第2識別情報(第11実施形態における第2液晶用図柄)の少なくとも一方を、前記遊技状態が移行する前と異なる表示領域に表示する(図120)
ことを特徴とする遊技機。
特徴T1によれば、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行した場合には、第1識別情報および第2識別情報の少なくとも一方を、遊技状態が移行する前と異なる表示領域に表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行したことを容易に認識させることができる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
遊技の状態が、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に移行(低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行、または、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行)した場合には、
前記第1識別情報(第1液晶用図柄)を表示していた表示領域に前記第2識別情報(第2液晶用図柄)を表示するとともに、前記第2識別情報(第2液晶用図柄)を表示していた表示領域に前記第1識別情報(第1液晶用図柄)を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、遊技の状態が第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行した場合には、第1識別情報を表示していた表示領域に第2識別情報を表示するとともに、第2識別情報を表示していた表示領域に第1識別情報を表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行したことを認識させることができる。さらに、第1識別情報を表示していた表示領域に第2識別情報を表示するとともに、第2識別情報を表示していた表示領域に第1識別情報を表示することで、例えば、第1識別情報および第2識別情報について、遊技における役割に変更があったことを遊技者に推測させるなど、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴T3]
特徴T1または特徴T2に記載の遊技機であって、
前記取得情報記憶手段への前記第1の特別情報の記憶の有無に基づいて、第1のコマンド(第11実施形態における特1用客待ちコマンド)を送信する第1コマンド送信手段(第11実施形態におけるS6610、S5402)と、
前記取得情報記憶手段への前記第2の特別情報の記憶の有無に基づいて、第2のコマンド(第11実施形態における特2用客待ちコマンド)を送信する第2コマンド送信手段(第11実施形態におけるS6628、S5402)と、
を備え、
前記表示手段は、
前記送信された前記第1のコマンドに基づいて、前記第1識別情報(第11実施形態における第1液晶用図柄)が変動または停止している表示態様である第1識別情報表示態様と、前記第1識別情報が表示されない表示態様(第11実施形態におけるデモ画像を表示した態様)である第1識別情報非表示態様とを切り替えるとともに、
前記送信された前記第2のコマンドに基づいて、前記第2識別情報(第11実施形態における第2液晶用図柄)が変動または停止している表示態様である第2識別情報表示態様と、前記第2識別情報が表示されない表示態様(第11実施形態におけるデモ画像を表示した態様)である第2識別情報非表示態様とを切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、第1のコマンドは、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無に基づいて送信され、第2のコマンドは、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無に基づいて送信される。そして、表示手段は、送信された第1のコマンドに基づいて第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様とを切り替えるとともに、送信された第2のコマンドに基づいて第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様とを切り替える。従って、第1識別情報と第2識別情報とを、各々、表示手段の異なる表示領域に表示する表示手段において、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えを、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無とは独立した態様で、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無に基づいて行うことができるとともに、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えを、取得情報記憶手段における第1の特別情報の記憶の有無とは独立した態様で、取得情報記憶手段における第2の特別情報の記憶の有無に基づいて行うことができる。換言すれば、表示手段は、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えを、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えとは独立した態様で行うことができるとともに、第2識別情報表示態様と第2識別情報非表示態様との切り替えを、第1識別情報表示態様と第1識別情報非表示態様との切り替えとは独立した態様で行うことができる。
[特徴T4]
特徴T1から特徴T3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、変動している表示態様の前記第1識別情報と、変動している表示態様の前記第2識別情報とを、同時に表示することが可能である(第11実施形態における同時変動機である)
ことを特徴とする遊技機。
第1識別情報は、第1の特別情報に基づく判定の結果を示すための識別情報である。第2識別情報は、第2の特別情報に基づく判定の結果を示すための識別情報である。特徴T4によれば、表示手段は、変動している表示態様の第1識別情報と、変動している表示態様の第2識別情報とを、同時に表示することが可能であるので、遊技者に対して、第1の特別情報および第2の特別情報の2つの特別情報の判定の結果について、同時に期待感を付与することができる。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴U1]
第1の特別情報と第2の特別情報とを記憶する特別情報記憶手段と、
遊技の状態に応じて、前記第1の特別情報に基づく第1識別情報(第11実施形態における第1液晶用図柄)と前記第2の特別情報に基づく第2識別情報(第11実施形態における第2液晶用図柄)とのいずれか一方を表示する第1表示領域(メイン表示領域またはサブ表示領域)と、前記第1識別情報と前記第2識別情報のいずれか他方を表示する第2表示領域(メイン表示領域またはサブ表示領域)と、を有する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第1表示領域に表示している前記識別情報に対応する前記特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されているか否かに基づいて、前記第1表示領域の表示状態を異なる表示状態に移行する(第11実施形態において液晶用図柄を表示する表示状態からデモ動画を表示する表示状態に移行する)とともに、
前記第2表示領域に表示している前記識別情報に対応する前記特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されているか否かに基づいて、前記第2表示領域の表示状態を異なる表示状態に移行する(第11実施形態において液晶用図柄を表示する表示状態からデモ動画を表示する表示状態に移行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、表示手段は、第1表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が特別情報記憶手段に記憶されているか否かに基づいて、第1表示領域の表示状態を異なる表示状態に移行するとともに、第2表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が特別情報記憶手段に記憶されているか否かに基づいて、第2表示領域の表示状態を異なる表示状態に移行するので、第1表示領域と第2表示領域を、各々独立に、異なる表示状態に移行させることができる。従って、第1表示領域の表示状態の移行について第2表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報と相関がある構成や、第2表示領域の表示状態の移行について第1表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報と相関がある構成と比較して、各々の表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報の有無に関する情報を遊技者に対して明確に示すことができる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第1表示領域(メイン表示領域)に表示している前記識別情報に対応する前記特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されている状態から前記特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを契機として、前記第1表示領域の表示状態を、前記識別情報が表示される表示状態(液晶用図柄を表示する表示状態)から前記識別情報が表示されない表示状態(デモ動画を表示する表示状態)に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、表示手段は、第1表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が特別情報記憶手段に記憶されている状態から特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを契機として、第1表示領域の表示状態を、識別情報が表示される表示状態から識別情報が表示されない表示状態に移行するので、第1表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されている状態から特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを遊技者に明確に示すことができる。
[特徴U3]
特徴U1または特徴U2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第2表示領域(サブ表示領域)に表示している前記識別情報に対応する前記特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されている状態から前記特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを契機として、前記第2表示領域の表示状態を、前記識別情報が表示される表示状態(液晶用図柄を表示する表示状態)から前記識別情報が表示されない表示状態(デモ動画を表示する表示状態)に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、表示手段は、第2表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が特別情報記憶手段に記憶されている状態から特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを契機として、第2表示領域の表示状態を、識別情報が表示される表示状態から識別情報が表示されない表示状態に移行するので、第2表示領域に表示している識別情報に対応する特別情報が前記特別情報記憶手段に記憶されている状態から特別情報記憶手段に記憶されていない状態になったことを遊技者に明確に示すことができる。
[特徴U4]
特徴U1から特徴U3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
遊技状態が所定の状態に移行した場合に、前記第1表示領域(メイン表示領域)に表示していた前記識別情報(第1液晶用図柄または第2液晶用図柄)を前記第2表示領域(サブ表示領域)に表示するとともに、前記第2表示領域(サブ表示領域)に表示していた前記識別情報(第1液晶用図柄または第2液晶用図柄)を前記第1表示領域(メイン表示領域)に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴U4によれば、表示手段は、遊技状態が所定の状態に移行した場合に、第1表示領域に表示していた識別情報を第2表示領域に表示するとともに、第2表示領域に表示していた識別情報を第1表示領域に表示するので、遊技者に対して、遊技の状態が移行したことを認識させることができる。さらに、第1表示領域に表示していた識別情報を第2表示領域に表示するとともに、第2表示領域に表示していた識別情報を第1表示領域に表示するので、例えば、第1識別情報および第2識別情報について、遊技における役割に変更があったことを遊技者に推測させるなど、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴U5]
特徴U1から特徴U4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、変動している表示態様の前記第1識別情報(第1液晶用図柄)と、変動している表示態様の前記第2識別情報(第2液晶用図柄)とを、同時に表示することが可能である(第11実施形態における同時変動機である)
ことを特徴とする遊技機。
特徴U5によれば、表示手段は、変動している表示態様の第1識別情報と、変動している表示態様の第2識別情報とを、同時に表示することが可能であるので、遊技者に対して、第1識別情報情報および第2識別情報の2つの識別情報について、同時に期待感を付与することができる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴V1]
表示手段を備える遊技機であって、
前記表示手段(第11実施形態における図柄表示装置41)は、
第1の表示領域(メイン表示領域MA)と第2の表示領域(第1サブ領域SA1)とを有し、
前記第1の表示領域(メイン表示領域MA)の表示状態を、第1の遊技状態(低頻度サポートモード)においては第1の情報(第1始動口33への遊技球の入球によって取得された特別情報)に基づいて変化させ、第2の遊技状態(高頻度サポートモード)においては第2の情報(第2始動口34への遊技球の入球によって取得された特別情報)に基づいて変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、表示手段は、第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、第1の表示領域の表示状態を、第1の遊技状態においては第1の情報に基づいて変化させ、第2の遊技状態においては第2の情報に基づいて変化させるので、例えば、第1の表示領域の表示状態の変化する様子が所定の遊技回の前後で変わった場合に、遊技者に対して、所定の遊技回の前後で遊技状態に変化があったことを推測させることができ、遊技者に対して期待感や抑揚を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域において、前記遊技球を検知する検知手段(第1始動口33および第2始動口34)と、
を備え、
前記第1の情報および前記第2の情報は、前記検知手段が前記遊技球を検知したことを契機として取得された情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、第1の情報および第2の情報は、検知手段が遊技球を検知したことを契機として取得された情報であるので、第1の表示領域の表示状態を、遊技状態の変化(第1の遊技状態から第2の遊技状態への変化や、第2の遊技状態から第1の遊技状態への変化)に応じて変化させることに加え、入球部への遊技球の入球の有無や、入球部へ遊技球が入球するタイミングによって変化させることができる。
[特徴V3]
特徴V1または特徴V2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記第2の表示領域(第1サブ領域SA1)の表示状態を、前記第1の遊技状態(低頻度サポートモード)においては前記第2の情報(第2始動口34への遊技球の入球によって取得された特別情報)に基づいて変化させ、前記第2の遊技状態(高頻度サポートモード)においては前記第1の情報(第1始動口33への遊技球の入球によって取得された特別情報)に基づいて変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、表示手段は、第2の表示領域の表示状態を、第1の遊技状態においては第2の情報に基づいて変化させ、第2の遊技状態においては第1の情報に基づいて変化させるので、例えば、第2の表示領域の表示状態の変化する様子が所定の遊技回の前後で変わった場合に、遊技者に対して、所定の遊技回の前後で遊技状態に変化があったことを推測させることができ、遊技者に対して期待感や抑揚を付与することができる。また、このような表示状態の変化を、第1の表示領域と第2の表示領域の2つの表示領域で実行するので、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴W1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了するまでの時間を変動時間とした場合における、前記遊技回の実行を制御するとともに、前記変動時間を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
特定の遊技状態(第11実施形態における高確率モードの遊技状態)において実行する遊技回である特定遊技回を実行するとともに、前記特定の遊技状態の終了前に実行する最後の特定遊技回である最終特定遊技回(第11実施形態における確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を、予め定めた所定の時間(第11実施形態においては12秒)に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W1によれば、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を予め定めた所定の時間に設定するので、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の変動時間を考慮した制御を予め設定することができる。例えば、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回において、予め実行時間が設定された演出を実行することができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
前記入球部として第1の入球部(第1始動口33)と、
前記入球部として第2の入球部(第2始動口34)と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得するとともに、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得し、
前記判定手段は、前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づく遊技回である第1入球部用遊技回(第11実施形態における第1始動口用遊技回)における変動時間を制御し、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づく遊技回である第2入球部用遊技回(第11実施形態における第2始動口用遊技回)における変動時間を制御し、
前記第1入球部用遊技回または前記第2入球部用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、前記第1入球部用遊技回または前記第2入球部用遊技回のいずれか他方を実行する処理である並列実行処理を行うことが可能である(第11実施形態における同時変動機である)
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、並列実行処理を行うことが可能である遊技機において、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を予め定めた所定の時間に設定する。並列実行処理を行う遊技機の場合、第1入球部用遊技回または第2入球部用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1入球部用遊技回または第2入球部用遊技回のいずれか他方を実行する場合があるので、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を予め定めた所定の時間に設定したとしても、当該2回の遊技回のうち先に開始された遊技回の開始から後に開始された遊技回の終了までの時間は、変動時間が所定の時間である遊技回2回分の合計時間より短い場合がある。しかしながら、当該2回の遊技回のうち先に開始された遊技回の開始から後に開始された遊技回の終了までの時間として、少なくとも変動時間が所定の時間である遊技回1回分の時間を確保することが可能である。すなわち、当該2回の遊技回の開始から終了までの時間として、少なくとも変動時間が所定の時間である遊技回1回分の時間を考慮した制御を予め設定することができる。
[特徴W3]
特徴W2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記並列実行処理を実行している場合であって、規定の条件が満たされた場合(第11実施形態においてリザルト画像を予め設定した10秒間表示した場合)には、
前記最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の前記遊技回のうち、少なくとも1回の遊技回については、当該遊技回が開始されてから前記所定の長さの時間が経過する前であっても当該遊技回を終了する(第11実施形態における他の態様(態様2))
ことを特徴とする遊技機。
特徴W3によれば、並列実行処理を実行している場合であって、規定の条件が満たされた場合には、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回のうち、少なくとも1回の遊技回については、当該遊技回が開始されてから所定の長さの時間が経過する前であっても当該遊技回を終了するので、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の実行時間として不要な時間を省略することができる。
[特徴W4]
特徴W1から特徴W3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、判定モードとして、前記所定の条件を満たす確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記特定の遊技状態は、前記判定手段が前記高確率モードの状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴W4によれば、判定手段が高確率モードである遊技状態の終了前に実行する最後の特定遊技回である最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の変動時間を考慮した制御を予め設定することができる。例えば、高確率モードの終了前に実行する最後の特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回において、予め実行時間が設定されている演出を実行することができる。
[特徴W5]
特徴W4に記載の遊技機であって、
前記判定手段が前記高確率モードである前記特定の遊技状態において継続して実行される特定遊技回の回数を規定数に制限するとともに、当該継続して実行される前記特定遊技回が前記規定数に達したことに基づいて前記特定の遊技状態を終了させる高確率モード遊技回数制限手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴W5によれば、継続して実行される回数が規定数に制限された特定遊技回うち最後の特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の変動時間を考慮した制御を予め設定することができる。
[特徴W6]
特徴W1から特徴W5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態(電動役物34aが閉鎖された状態)と、前記非受入状態よりも遊技球が入球し易い受入状態(電動役物34aが開放された状態)とに切り換え可能な切換手段と、
前記切換手段を制御するとともに、当該切換手段を制御する制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有する切換制御手段と、
を備え、
前記特定の遊技状態は、前記切換制御手段が前記第2モード(高頻度サポートモード)の状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴W6によれば、切換制御手段が第2モードである遊技状態の終了前に実行する最後の特定遊技回である最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回の変動時間を考慮した制御を予め設定することができる。例えば、第2モードの終了前に実行する最後の特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回において、予め実行時間が設定されている演出を実行することができる。
[特徴W7]
特徴W1から特徴W6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記最終特定遊技回(第11実施形態における確変後遊技回実行回数が120回目の遊技回)を開始した以降に実行する少なくとも最初の遊技回において、遊技者に付与された特典に関する情報を報知する演出を実行する(リザルト画像を表示する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴W7によれば、最終特定遊技回を開始した以降に実行する少なくとも最初の遊技回において、遊技者に付与された特典に関する情報を報知する演出を実行するので、遊技者は、付与された特典の把握をしやすくなる。さらに、最終特定遊技回を開始した後の直近に実行する少なくとも2回の遊技回における変動時間を、予め定めた所定の時間に設定する本遊技機において、遊技者に付与した特典に関する情報を報知する演出を、最終特定遊技回を開始した以降に実行する少なくとも最初の遊技回において実行するので、遊技者に付与した特典に関する情報を報知する演出を、予め実行時間が設定された演出として実行することができる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴X1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第1の入球部(第1始動口33)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得するとともに、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了するまでの時間を変動時間とした場合における、前記遊技回の実行を制御するとともに、前記変動時間を制御する制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づく遊技回である第1入球部用遊技回(第11実施形態における第1始動口用遊技回)における変動時間を制御し、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づく遊技回である第2入球部用遊技回(第11実施形態における第2始動口用遊技回)における変動時間を制御し、
前記第1入球部用遊技回または前記第2入球部用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、前記第1入球部用遊技回または前記第2入球部用遊技回のいずれか他方を実行する処理である並列実行処理を行うことが可能(第11実施形態における同時変動機)であり、
前記演出実行手段が所定の演出を実行する場合には、連続または並行して実行される複数の遊技回(第11実施形態における確変後遊技回実行回数が121回目および122回目の遊技回)の変動時間を、前記所定の演出(リザルト画像を表示する演出)の実行に要する時間(第11実施形態においては10秒)以上の時間(第11実施形態においては12秒)に設定する第1の変動時間設定処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、並列実行処理を行う遊技機の場合、第1入球部用遊技回または第2入球部用遊技回のいずれか一方を実行する期間に、第1入球部用遊技回または第2入球部用遊技回のいずれか他方を実行する場合がある。従って、演出実行手段によって所定の演出が実行されている期間中に、例えば、第1入球部用遊技回が終了し新たな第1入球部用遊技回が開始されたり、第2入球部用遊技回が終了し新たな第2入球部用遊技回が開始されたりする場合がある。以下、遊技回の開始のタイミングや、遊技回の終了のタイミングを、「遊技回の区切れ」とも呼ぶ。
ここで、所定の演出の実行中に「遊技回の区切れ」が発生すると、実行している演出に対して、遊技者に煩雑な印象を与えてしまう虞がある。また、各遊技回における判定手段における判定結果に対して、遊技者が集中できない虞がある。
特徴X1によれば、演出実行手段が所定の演出を実行する場合には、連続または並行して実行される複数の遊技回の変動時間を、前記所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定するので、所定の演出が実行されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制することができる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
前記制御部は、
前記演出実行手段が所定の演出を実行する場合には、前記第1の変動時間設定処理として、連続または並行して実行される2回の遊技回(第11実施形態における確変後遊技回実行回数が121回目および122回目の遊技回)の変動時間を、前記所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、並列実行処理を実行可能な遊技機において、所定の演出が実行されている期間における遊技回の区切れの発生を抑制しつつ、所定の演出の実行に要する時間以上の変動時間に設定する遊技回の回数を最小限に抑えることができる。
[特徴X3]
特徴X1または特徴X2に記載の遊技機であって、
前記制御部は、
前記所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定された遊技回の実行回数を、所定の実行回数(第11実施形態においては2回)に予め設定するとともに、
前記演出実行手段が所定の演出(リザルト画像を表示する演出)の実行を終了した時点において、前記所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定された遊技回の実行回数が前記所定の実行回数未満(第11実施形態においては2回未満)である場合には、
前記演出実行手段が所定の演出の実行を終了した以降に開始する遊技回に対して、前記第1の変動時間設定処理(変動時間を12秒に設定する処理)とは異なる第2の変動時間設定処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、演出実行手段が所定の演出の実行を終了した時点において、所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定された遊技回の実行回数が所定の実行回数未満である場合には、演出実行手段が所定の演出の実行を終了した以降に開始する遊技回に対して、第1の変動時間設定処理とは異なる第2の変動時間設定処理を実行するので、所定の演出の実行に要する時間以上の時間に設定された遊技回を不必要に実行することを回避することができる。その結果、演出実行手段が所定の演出の実行を終了した以降は、所定の演出の実行に要する時間より短い変動時間に設定することや、長い変動時間や短い変動時間をランダムに設定し変動時間に抑揚を付与することも可能となり、遊技の興趣を向上させるために種々の制御方法を採用することができる。
[特徴X4]
特徴X1から特徴X3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、判定モードとして、前記所定の条件を満たす確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記演出実行手段は、前記高確率モードの終了を契機として、前記所定の演出(リザルト画像を表示する演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X4によれば、高確率モードの終了を契機として実行される所定の演出の実行中に、遊技回の区切れが発生することを抑制することができる。
[特徴X5]
特徴X1から特徴X4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、遊技者に付与した特典に関する情報を報知する演出(リザルト画像を表示する演出)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴X5によれば、所定の演出は、遊技者に付与された特典に関する情報を報知する演出であるので、遊技者は、付与された特典の把握をしやすくなる。また、遊技者にとって、付与された特典に関する情報は、関心の高い情報である。特徴X5によれば、遊技者にとって関心の高い情報を報知する演出の実行中に、遊技回の区切れが発生することを抑制することができる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴Y1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域において、前記遊技球を検知する第1の検知手段(第1始動口33)と、
前記遊技領域において、前記遊技球を検知する第2の検知手段(第2始動口34)と、
前記第1の検知手段が遊技球を検知したことに基づいて第1の特別情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記第2の検知手段が遊技球を検知したことに基づいて第2の特別情報を取得する第2の情報取得手段と、
第1の特別情報が第1の所定の条件を満たすか否かを判定するとともに、第2の特別情報が第2の所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を示すための識別情報を表示する表示手段(第11実施形態における図柄表示装置41)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報を表示可能な表示可能領域を少なくとも3つ有し(第11実施形態におけるメイン表示領域MA、第1サブ表示領域SA1、第2サブ表示領域SA2)、
前記第1の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第1識別情報(第1液晶用図柄)を、前記少なくとも3つの表示可能領域のうちの第1の表示可能領域に表示するとともに、
前記第2の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第2識別情報(第2液晶用図柄)を、前記少なくとも3つの表示可能領域のうちの前記第1の表示可能領域とは異なる第2の表示可能領域に表示し、
所定の変更条件の成立に基づいて(高頻度サポートモードに移行したことに基づいて)、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とのうちの少なくとも一方を、前記所定の変更条件が成立する前に表示されていた前記表示可能領域とは異なる表示可能領域に表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、表示手段は識別情報を表示可能な表示可能領域を少なくとも3つ有するとともに、所定の変更条件に基づいて、第1識別情報と第2識別情報とのうちの少なくとも一方を、所定の変更条件が成立する前に表示されていた表示可能領域とは異なる表示可能領域に表示するので、例えば、遊技の状態が変更された場合に第1識別情報を表示する表示可能領域を変更することによって、遊技者に対して、遊技の状態が変化したことを容易に認識させることができる。また、第1識別情報および第2識別情報を、3つの表示可能領域の中から任意の2つの表示可能領域を選択して表示させることが可能である。一例として、遊技の状態によって、第1識別情報および第2識別情報を表示させる表示可能領域を変更したり、3つの表示可能領域のうちの1つの表示可能領域に識別情報とは異なる表示(例えば、演出画像を表示)をする場合であっても、残りの2つの表示可能領域に第1識別情報と第2識別情報とを表示させることができる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、変動している表示態様の前記第1識別情報(第1液晶用図柄)と、変動している表示態様の前記第2識別情報(第2液晶用図柄)とを、同時に表示することが可能である(第11実施形態における同時変動機である)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、表示手段は、変動している表示態様の第1識別情報と、変動している表示態様の第2識別情報とを、同時に表示することが可能であるので、遊技者に対して、第1の特別情報および第2の特別情報の2つの特別情報の判定の結果について、同時に期待感を付与することができる。
[特徴Y3]
特徴Y1または特徴Y2に記載の遊技機であって、
前記所定の変更条件は、第1の遊技状態から第2の遊技状態への移行(低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行、または、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y3によれば、第1識別情報や第2識別情報を表示する表示可能領域を変更することで、遊技者に対して、遊技の状態に変化があったことを推測させることが可能であり、遊技の興趣向上を図ることができる。例えば、第1識別情報や第2識別情報を表示する表示可能領域を変更することで、遊技者に対して何らかを示唆する演出である示唆演出に適用することができる。このように、遊技状態の移行に基づいて、第1識別情報と第2識別情報とのうちの少なくとも一方を、遊技状態が移行する前に表示されていた表示可能領域とは異なる表示可能領域に表示する処理は、種々の演出に利用することができ、遊技機が実行する演出の表現の幅を、大幅に広げることができる。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者による前記操作手段の操作に応じて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記操作手段の操作に関する案内である案内表示(第11実施形態の<態様9>における案内表示GD1および案内表示GD2)を表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記判定手段による前記判定の結果(大当たり抽選の抽選結果)に基づいて、前記案内表示における案内の内容を制御する(案内表示GD1を表示するか案内表示GD2を表示するかの制御をする)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、表示手段は、判定手段による前記判定の結果に基づいて、案内表示における案内の内容を制御するので、案内表示における案内の内容を、判定手段における判定の結果を反映したものにすることができる。その結果、案内表示における案内の内容を制御することによって、判定手段による判定の結果を示唆する示唆演出を実行することができる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記判定手段による前記判定の結果に基づいて、前記案内表示の表示態様(案内表示GD1または案内表示GD2の表示の色)を制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、表示手段は、判定手段による判定の結果に基づいて、案内表示の表示態様を制御するので、案内表示の表示態様を、判定手段における判定の結果を反映したものにすることができる。その結果、案内表示の表示態様を制御することによって、判定手段による判定の結果を示唆する示唆演出を実行することができる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記判定手段による前記判定の結果に基づいて、前記案内表示の表示態様として前記案内表示(案内表示GD1および案内表示GD2)の色を制御する(青色にするか赤色にするかの制御をする)
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、表示手段は、判定手段による判定の結果に基づいて、案内表示の表示態様として案内表示の色を制御するので、案内表示の色を、判定手段における判定の結果を反映したものにすることができる。その結果、案内表示の色を制御することによって、判定手段による判定の結果を示唆する示唆演出を実行することができる。
[特徴Z4]
特徴Z1から特徴Z3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記案内表示は、遊技者に有利となる前記操作手段の操作方法を案内する表示である
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、遊技者に有利となる操作手段の操作方法を案内する案内表示を用いて、判定手段による判定の結果を示唆する示唆演出を実行することができる。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
第1の遊技状態において、所定のコマンド(第11実施形態<態様12>におけるリザルト表示終了コマンド)を受信した場合に、前記所定のコマンドに基づいた特定の処理を実行する(リザルト画像の表示を終了する)特定処理実行手段を備える遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技状態が前記第1の遊技状態(遊技回が実行されている状態)とは異なる第2の遊技状態(遊技回が実行されていない状態)においては、前記所定のコマンドを受信していないにも関わらず、前記特定の処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA1によれば、特定処理実行手段は、第1の遊技状態において、所定のコマンドを受信した場合に、所定のコマンドに基づいた特定の処理を実行し、遊技状態が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態においては、所定のコマンドを受信していないにも関わらず、特定の処理を実行するので、第2の遊技状態においては所定のコマンドを送信コマンドとして設定する条件が満たされない場合、または、満たされる可能性が低い場合においても、特定の処理を実行することができる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技状態が前記第1の遊技状態(遊技回が実行されている状態)から前記第2の遊技状態(遊技回が実行されていない状態)に移行した場合に、前記所定のコマンドを受信していないにも関わらず、前記特定の処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、遊技状態が第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に移行した場合に、所定のコマンドを受信していないにも関わらず、特定の処理を実行するので、第2の遊技状態においては所定のコマンドを送信コマンドとして設定する条件が満たされない場合、または、満たされる可能性が低い場合で、かつ、例えば、第1の遊技状態において特定の処理が実行されなかった場合であっても、第1の遊技状態から第2の遊技状態への移行にともなって特定の処理を実行することができる。
[特徴αA3]
特徴αA1または特徴αA2に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1の遊技状態は、前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されている状態であり、
前記第2の遊技状態は、前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状態である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA3によれば、取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている状態においては、所定のコマンドを受信した場合に、所定のコマンドに基づいた特定の処理を実行し、取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状態においては、所定のコマンドを受信していないにも関わらず、特定の処理を実行するので、取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状態においては所定のコマンドを送信コマンドとして設定する条件が満たされない場合、または、満たされる可能性が低い場合においても、特定の処理を実行することができる。例えば、遊技球が遊技領域に向けて発射されていない状態においては所定のコマンドを送信コマンドとして設定する条件が満たされない場合、または、満たされる可能性が低い場合においても、特定の処理を実行することができる。
[特徴αA4]
特徴αA1から特徴αA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
特定の画像(リザルト画像)を表示可能な表示手段を備え、
前記特定処理実行手段は、前記所定のコマンドを受信した場合に、前記特定の処理として、前記表示手段が表示している前記特定の画像の表示を終了する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA4によれば、表示手段が特定の画像を表示している場合には、第2の遊技状態においては所定のコマンドを送信コマンドとして設定する条件が満たされない場合、または、満たされる可能性が低い場合においても、表示手段は、特定の画像の表示を終了することができる。従って、特定の画像が、第2の遊技状態において表示することが好ましくない場合に、所定のコマンドを受信しない場合でも、当該特定の画像の表示を終了することができる。
<特徴αB群>
特徴αB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第12実施形態から抽出される。
[特徴αB1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第12実施形態における一般入賞口32、第2始動口34、大入賞口36a、V入賞口48)と、
所定の条件が成立した場合に第1の遊技状態(低確率モード)から第2の遊技状態(高確率モード)に移行させる遊技状態移行手段と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記第2の遊技状態(高確率モード)が終了するまでに払い出される予定の遊技球の個数である払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP)を表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αB1によれば、払出予定個数に対応した情報を表示するので、第2の遊技状態が終了するまでに獲得することのできる遊技球の個数を遊技者に把握させることができる。また、例えば、第2の遊技状態が終了するまでに実行可能な大当り抽選の残りの回数を表示する構成と比較して、第2の遊技状態に対してどの程度の期待感を持つことができるのかを遊技者に明確に認識させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αB2]
特徴αB1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記払出予定個数が増加した場合には、表示中の前記払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP(図172(b)))を、増加個数分を上限として増加させた後の前記払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP(図172(c)))に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB2によれば、表示中の払出予定個数に対応した情報を、増加個数分を上限として増加させた後の払出予定個数に対応した情報に変更するので、第2の遊技状態が終了するまでに獲得することのできる遊技球が増加したことを遊技者に認識させることができ、第2の遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
[特徴αB3]
特徴αB2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記払出予定個数が増加した場合には、当該払出予定個数が増加したことを示唆する増加示唆情報(第12実施形態における残り獲得球数増加示唆画像CPB)を表示するとともに、表示中の前記払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP(図172(b)))を、当該増加示唆情報が示唆する増加個数分を増加させた後の前記払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP(図172(c)))に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB3によれば、増加示唆情報を表示するので、第2の遊技状態が終了するまでに獲得することのできる遊技球の増加した個数を遊技者に明確に認識させることができ、第2の遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
[特徴αB4]
特徴αB2または特徴αB3に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記払出予定個数が増加したことが決定したタイミング(大当たりに当選して遊技球がV入賞口に入球したタイミング)とは異なるタイミングで、前記表示中の前記払出予定個数に対応した情報を、増加させた後の前記払出予定個数に対応した情報に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB4によれば、払出予定個数が増加したことが決定したタイミングとは異なるタイミングで、表示中の払出予定個数に対応した情報を変更するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、どのようなタイミングで表示中の払出予定個数に対応した情報が変更されるのかといった新たな期待感を遊技者に提供することができる。
[特徴αB5]
特徴αB2から特徴αB3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、所定個数(第12実施形態では500個)以上の増加を1単位として、前記表示中の前記払出予定個数に対応した情報を、増加させた後の前記払出予定個数に対応した情報に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB5によれば、所定個数以上の増加を1単位として、表示中の払出予定個数に対応した情報を、増加させた後の払出予定個数に対応した情報に変更するので、1回の変更に対する期待感を向上させることができる。
[特徴αB6]
特徴αB4に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、表示中の前記払出予定個数に対応した情報が第2の所定個数以下(第12実施形態では0個)となった場合に、前記表示中の前記払出予定個数に対応した情報を、前記所定個数(500個)未満の個数を増加させた後の前記払出予定個数に対応した情報に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB6によれば、表示中の払出予定個数に対応した情報が第2の所定個数以下となった場合に、表示中の払出予定個数に対応した情報を、所定個数未満の個数を増加させた後の払出予定個数に対応した情報に変更するので、表示中の払出予定個数に対応した情報が第2の所定個数以下となって期待感が減少していた遊技者に対して、所定個数未満の払出予定個数の増加であっても大きな期待感を与えることができる。
[特徴αB7]
特徴αB1から特徴αB6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の遊技状態において、遊技球が一定の発射強度で一定の間隔(0.6秒間隔)で連続して発射されている場合には、発射された遊技球の個数(第12実施形態では3個)に占める前記入球部に入球する遊技球の個数(第12実施形態では3個)が一定となるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB7によれば、遊技球が一定の発射強度で一定の間隔で連続して発射されている場合には、発射された遊技球の個数に占める入球部に入球する遊技球の個数が一定となるように構成されているので、第2の遊技状態が終了するまでに実際に払い出される遊技球の個数と、払出予定個数とを一致させることが可能となる。
<特徴αC群>
特徴αC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態および第12実施形態から抽出される。
[特徴αC1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する取得手段と、
前記特別情報に基づいて判定処理(大当たり抽選)を実行する判定手段と、
第1の遊技状態(低確率モード)において所定の条件(第12実施形態では、大当たり抽選において2R第1種大当たりに当選してV入賞口48に遊技球が入球すること)が成立した場合に、前記第1の遊技状態から第2の遊技状態(高確率モード)に移行させるとともに、前記第2の遊技状態に移行した後に実行した前記判定処理の回数が規定回数(第12実施形態では120回)に達した場合に、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に移行させる移行手段と、
前記規定回数に達するまでに実行可能な前記判定処理の残りの回数である残り判定回数に基づいた情報(第12実施形態では残り獲得球数示唆画像CP)を表示する表示手段と、
前記第2の遊技状態において前記所定の条件が成立した場合に、前記残り判定回数を増加させる増加手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、前記残り判定回数が増加した場合であっても、表示中の前記残り判定回数に基づいた情報を、増加後の前記残り判定回数に基づいた情報に変更せずに継続して表示する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC1によれば、残り判定回数が増加した場合であっても、表示中の残り判定回数に基づいた情報を、増加後の残り判定回数に基づいた情報に変更せずに継続して表示する場合があるので、遊技者に対して、実際の残り判定回数が表示されている残り判定回数よりも多い場合があるといった期待感を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC2]
特徴αC1に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記残り判定回数が増加した場合には、前記第2の遊技状態において前記所定の条件が成立したタイミングとは異なるタイミングで、表示中の前記残り判定回数に基づいた情報を、増加後の前記残り判定回数に基づいた情報に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC2によれば、第2の遊技状態において所定の条件が成立したタイミングとは異なるタイミングで、表示中の残り判定回数に基づいた情報を、増加後の残り判定回数に基づいた情報に変更するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、どのようなタイミングで残り判定回数が増加するのかといった新たな期待感を遊技者に提供することができる。
[特徴αC3]
特徴αC1または特徴αC2に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、前記残り判定回数に基づいた情報として、前記判定処理の実行回数が前記規定回数に達するまでに払い出される予定の遊技球の個数である払出予定個数に対応した情報(第12実施形態における残り獲得球数示唆画像CP)を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC3によれば、判定処理の実行回数が規定回数に達するまでに払い出される予定の遊技球の個数である払出予定個数に対応した情報を表示するので、判定処理の実行回数が規定回数に達して第2の遊技状態が終了するまでに獲得することのできる遊技球の個数を遊技者に把握させることができる。また、第2の遊技状態に対してどの程度の期待感を持つことができるのかを遊技者に明確に認識させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC4]
特徴αC1から特徴αC3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の遊技状態において、遊技球が一定の発射強度で一定の間隔(0.6秒間隔)で連続して発射されている場合には、発射された遊技球の個数(第12実施形態では3個)に占める前記入球部に入球する遊技球の個数(第12実施形態では3個)が一定となるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC4によれば、遊技球が一定の発射強度で一定の間隔で連続して発射されている場合には、発射された遊技球の個数に占める入球部に入球する遊技球の個数が一定となるように構成されているので、第2の遊技状態が終了するまでに実際に払い出される遊技球の個数と、払出予定個数とを一致させることが可能となる。
なお、上記特徴S群〜特徴Z群および上記特徴αA群〜特徴αC群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αD群>
特徴αD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αD1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
当該遊技機本体の筐体の内部に格納されるともに、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
前記情報記憶手段に記憶された情報を当該遊技機と接続された所定の装置に対して送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD1によれば、処理実行手段は、検知手段による検知に基づいて取得された情報である検知情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段を備える。検知情報は、実行された遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αD1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を保持することができない。特徴αD1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体内部に格納された処理実行手段の情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴αD1の遊技機は、当該遊技機がいかなる状態(遊技ホールに設置されている状態や流通状態)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αD2]
特徴αD1に記載の遊技機であって、
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)を備え、
前記処理実行手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD2によれば、処理実行手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、例えば、当該遊技機が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、遊技機に電源が供給されている状況であれば、検知情報を取得することができる。仮に、制御手段と処理実行手段とが異なる電源によって動作している場合、処理実行手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず検知情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴αD2によれば、制御手段と処理実行手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず検知情報を取得することができる。よって、検知情報の信頼性を向上させることができる。
[特徴αD3]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって規定個数(500個)の遊技球が検知されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD3によれば、所定の検知手段によって規定個数の遊技球が検知されるまでの期間毎の検知情報を記憶するので、各遊技機によって規定個数の遊技球が検知されるまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない検知情報を取得することができる。すなわち、遊技球が発射される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い検知情報を取得することができる。
[特徴αD4]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎(1時間毎)の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD4によれば、情報記憶手段は、予め設定された規定期間毎の検知情報を記憶するので、当該検知情報を用いて時間の概念を用いた統計処理を行うことができる。
[特徴αD5]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから前記電源が遮断されるまでの期間毎の前記検知情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD5によれば、情報記憶手段は、当該遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間毎の検知情報を記憶するので、例えば、遊技機が遊技ホールに設置されている場合には、遊技ホールの営業日ごとの検知情報を取得することができる。
[特徴αD6]
特徴αD1から特徴αD5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を取得する賞球数情報取得手段と、
前記検知情報と前記賞球数情報とに基づいて所定の演算を実行する演算実行手段(CPU308)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記演算実行手段による演算結果(役物比率等)に関する情報である演算結果情報を記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD6によれば、処理実行手段は、演算結果情報を記憶する。演算結果情報は、検知情報と賞球数情報とに基づいて演算された情報であるので、遊技機が払い出した賞球数に関する情報が反映されている。よって、特徴αD6によれば、払い出した賞球に関する遊技機の特性を取得することができる。この結果、払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴αE群>
特徴αE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αE1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報と予め設定されている第2の情報とに基づいて演算処理を実行し第3の情報を取得する演算実行手段(CPU308)と、
前記第3の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記演算実行手段と前記情報記憶手段とは、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE1によれば、第1の情報は実行された遊技に基づいて取得された情報であり、第3の情報は第1の情報に基づいて取得された情報である。よって、第3の情報は、実行された遊技に関する情報を含んでいる。したがって、情報記憶手段は、実行された遊技に関する情報を含んだ第3の情報を記憶しているので、情報記憶手段に記憶された第3の情報を用いて、過去に実行された遊技に関する情報を取得することが可能である。よって、第3の情報を用いることによって、遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。そして、演算実行手段と情報記憶手段とは、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第3の情報を取得することができる。仮に、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、演算実行手段および情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第3の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴αE2によれば、演算実行手段および情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第3の情報を取得することができる。よって、第3の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αE2]
特徴αE1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段に記憶された前記第3の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE2によれば、情報記憶手段に記憶された第3の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第3の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理することが可能となる。
[特徴αE3]
特徴αE1または特徴αE2に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備え、
前記第1の情報は、前記検知手段による検知に基づいて取得された情報であり、
前記第2の情報は、前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として前記払出手段から払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報であり、
前記第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE3によれば、第3の情報は、実行された遊技において遊技機が払い出した賞球数に関する情報である。したがって、情報記憶手段に記憶されている第3の情報を用いて、実際に払い出した賞球に関する遊技機の特性を管理することができる。
<特徴αF群>
特徴αF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αF1]
遊技の実行を制御する制御手段(主側CPU62x)と、
実行された遊技に基づいて取得された第1の情報を不揮発的に記憶する情報記憶手段(レジスタ304、演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える遊技機であって、
前記情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF1によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、情報記憶手段を格納している。したがって、情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、情報記憶手段に記憶されている第1の情報が情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、第1の情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる第1の情報の不正な改変を抑制することができる。また、第1の情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、第1の情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αF1によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した第1の情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αF2]
特徴αF1に記載の遊技機であって、
前記情報記憶手段は、前記制御手段と同一の電源によって動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF2によれば、情報記憶手段は、制御手段と同一の電源によって動作するので、遊技機に電源が供給されている状況であれば、第1の情報を取得することができる。仮に、情報記憶手段と制御手段とが異なる電源によって動作している場合、情報記憶手段の電源供給に不具合があった場合に、遊技機によって遊技が実行されているにも関わらず第1の情報が取得できないといった不具合が生じる。これに対して、特徴αF2によれば、情報記憶手段と制御手段とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず第1の情報を取得することができる。よって、第1の情報の信頼性を向上させることができる。この結果、遊技機の検査の信頼性を向上させることができ、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αF3]
特徴αF1または特徴αF2に記載の遊技機であって、
前記第1の情報を、前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に送信する送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF3によれば、情報記憶手段に記憶された第1の情報を、遊技機に接続された所定の装置に送信する送信手段を備えるので、所定の装置を利用して、第1の情報を用いた遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。
<特徴αG群>
特徴αG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αG1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する第1の賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記第1の賞球数記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を取得する賞球数情報取得手段と、
前記賞球数情報取得手段によって取得された前記賞球数情報を記憶する第2の賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記第2の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
遊技機に設定されている賞球数情報は、遊技機の種類(機種)毎に異なる値が設定されていることが一般的である。
特徴αG1によれば、処理実行手段は、第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に異なる賞球数情報が設定されていても、処理実行手段は、遊技機の種類毎に設定された賞球数情報を用いて正しい遊技履歴情報を算出することができる。
遊技機に不正な改造等が施されていると、算出された遊技履歴情報が、想定された値とは異なる不自然な値になる場合がある。したがって、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αG2]
特徴αG1に記載の遊技機であって、
前記第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報を含む信号を前記処理実行手段に送信する賞球数情報送信手段(CPU62x)を備え、
前記取得手段は、前記賞球数情報送信手段から送信された前記信号を受信することによって前記賞球数情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG2によれば、第1の賞球数情報記憶手段に記憶されている賞球数情報を含む信号を処理実行手段に送信するので、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段にアクセスすることができない構成や、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報の記憶位置(メモリアドレス)を把握することができない構成であっても、処理実行手段が第1の賞球数記憶手段に記憶されている賞球数情報を取得することが可能となる。
[特徴αG3]
特徴αG1または特徴αG2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αG4]
特徴αG1から特徴αG3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αG5]
特徴αG1から特徴αG4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段は、前記処理実行手段において前記賞球数情報の前記第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球の発射を実行することができないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG5によれば、賞球数情報の第2の賞球数情報記憶手段への記憶が完了するまでは遊技球が発射されないので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出対象から遊技球が漏れてしまうことを抑制することができる。
<特徴αH群>
特徴αH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αH1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)によって検知された遊技球の個数(排出通路通過個数NOUT)が規定値(500個)に達する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH1によれば、所定の検知手段によって検知された遊技球の個数が規定値に達する毎に遊技履歴情報を算出するので、各遊技機によって検知された遊技球の個数が規定値に達するまでの時間にバラつきがあったとしても、その時間のバラつきに影響しない遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技球が検知される頻度に高低差がある場合であっても、その影響を受けにくい精度の高い遊技履歴情報を算出することができる。この結果、遊技機の検査者は、精度の高い遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αH2]
特徴αH1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記所定の検知手段(排出通路検知センサー44h)及び前記規定値(500個)に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴αH2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴αH3]
特徴αH1または特徴αH2に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記演算実行手段が前記演算を実行した後に、前記個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去する消去手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH3によれば、演算実行手段が演算を実行した後に、個数情報記憶手段に記憶されている遊技球の個数に関する情報を消去するので、再び個数情報記憶手段に遊技球の個数に関する情報を記憶することが可能となる。したがって、個数情報記憶手段に必要な記憶容量を低減することができる。
[特徴αH4]
特徴αH1から特徴αH3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αH5]
特徴αH1から特徴αH4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴αI群>
特徴αI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αI1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
所定時間(1時間)が経過する毎に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI1によれば、所定時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出するので、遊技機の検査者は、時間の概念を用いた統計処理によって算出された遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αI2]
特徴αI1に記載の遊技機であって、
前記演算を実行する条件である演算実行条件として、前記演算を実行する時間的間隔に関する情報を記憶する第1の演算実行条件記憶手段(主側ROM63)を備え、
前記処理実行手段は、
前記演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件を取得する演算実行条件取得手段と、
前記取得された前記演算実行条件を記憶する第2の演算実行条件記憶手段(演算実行条件記憶用メモリ307)と、
を備え、
前記演算実行手段は、前記第2の演算実行条件記憶手段に記憶されている前記演算実行条件が成立した場合に、前記演算を実行する
ことを特徴とする遊技機。
遊技機の種類(機種)が異なると、遊技の特性も異なるため、遊技履歴情報を算出するための演算を実行する最適な条件も異なることになる。このため、演算実行条件は、遊技機の種類(機種)毎に異なる条件が記憶されている。
特徴αI2によれば、処理実行手段は、第1の演算実行条件記憶手段に記憶されている演算実行条件を取得するので、遊技機の種類(機種)毎に設定された演算実行条件が成立した場合に演算を実行することができる。
[特徴αI3]
特徴αI1または特徴αI2に記載の遊技機であって、
前記演算が実行されてからの経過時間を計測する計測手段と、
遊技者によって遊技が行なわれているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記計測手段は、前記判定手段によって遊技が行なわれていないと判定されている期間は、前記経過時間の計測を中断する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI3によれば、遊技が行なわれていないと判定されている期間は、演算が実行されてからの経過時間の計測を中断するので、実際に遊技が行なわれている期間のみを対象として遊技履歴情報を算出することができる。
[特徴αI4]
特徴αI1から特徴αI3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI4によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αI5]
特徴αI1から特徴αI4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI5によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴αJ群>
特徴αJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αJ1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
電源の遮断の発生を監視する監視手段(停電監視回路86)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記監視手段が電源の遮断の発生を検知した場合に、前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する演算実行手段(CPU308)と、
前記演算実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ1によれば、電源の遮断の発生を検知した場合に遊技履歴情報を算出するので、遊技機への電源の供給が開始されてから電源の遮断が発生するまでの期間中において検知された遊技球の個数に基づいて遊技履歴情報を算出することができる。すなわち、遊技ホールの営業が開始してから終了するまでの期間毎に遊技履歴情報が算出されるので、遊技ホールの営業日毎に遊技履歴情報が算出されることになる。したがって、遊技機の検査者は、遊技ホールの営業日を跨いで遊技履歴情報の特性に変化があったか否かを容易に把握することができるので、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αJ2]
特徴αJ1に記載の遊技機であって、
前記電源の遮断が発生した後においても前記演算実行手段に対して電源を供給する供給手段(コンデンサ)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ2によれば、電源の遮断が発生した後においても演算実行手段に対して電源を供給する供給手段を備えるので、演算実行手段による遊技履歴情報の算出及び遊技履歴情報の遊技履歴情報記憶手段への記憶を確実に完了させることができる。
[特徴αJ3]
特徴αJ1または特徴αJ2に記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ3によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αJ4]
特徴αJ1から特徴αJ3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ4によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴αK群>
特徴αK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αK1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の場合に報知をする報知手段と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって検知された遊技球の個数に関する情報を記憶する個数情報記憶手段(レジスタ304)と、
前記個数情報記憶手段に記憶されている前記遊技球の個数に関する情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて、遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する算出手段(CPU308)と、
前記算出手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(演算結果記憶用メモリ309)と、
を備え、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK1によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αK2]
特徴αK1に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK2によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αK3]
特徴αK2に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK3によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αK4]
特徴αK1から特徴αK3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK4によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
[特徴αK5]
特徴αK1から特徴αK4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を送信する遊技履歴情報送信手段(CPU308)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK5によれば、遊技機の遊技履歴情報が所定の装置に送信されるので、所定の装置は、当該遊技機の遊技履歴情報を表示することが可能となる。そして、遊技機の検査者は、所定の装置に表示された遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αK6]
特徴αK1から特徴αK5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK6によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
<特徴αL群>
特徴αL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αL1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
所定の処理を実行する処理実行手段(遊技履歴管理チップ300)と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(賞球数データ記憶用メモリ306)と、
前記検知手段によって遊技球が検知される毎に、当該検知手段によって遊技球が検知されたことを示す情報である入球情報を順次記憶する入球情報記憶手段(入球情報記憶用メモリ309b)と、
前記遊技機に接続された所定の装置(検査機320)に対して、前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とを送信する送信手段(CPU308)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL1によれば、所定の装置に対して入球情報と賞球数情報とを送信するので、所定の装置は、入球情報と賞球数情報とに基づいて遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報を任意の範囲で算出することができる。したがって、遊技機の検査者は、所定の装置によって、任意の範囲で算出された当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができ、遊技機に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αL2]
特徴αL1に記載の遊技機であって、
日時に関する情報である日時情報を取得する日時情報取得手段(RTC96)を備え、
前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を記憶する際に、前記遊技球が前記検知手段によって検知された日時に対応した前記日時情報を付加して記憶する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL2によれば、日時情報が付加された入球情報を受信した所定の装置は、日時の範囲を指定して遊技履歴情報を算出することが可能となる。したがって、遊技機の検査者は、日時の範囲を指定した遊技履歴情報に基づいて詳細な検査をすることができる。また、日時情報が付加された入球情報を所定の装置が表示する構成とすれば、遊技機の検査者は、各検知手段によって遊技球が検知された日時についても把握することが可能となる。
[特徴αL3]
特徴αL1または特徴αL2に記載の遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶されている前記入球情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL3によれば、入球情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、入球情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の入球情報を確認することができる。
<特徴αM群>
特徴αM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αM1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記複数の検知手段のそれぞれに設定された賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)に関する情報である賞球数情報(賞球数データ)を記憶する賞球数情報記憶手段(主側ROM63)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行するとともに、前記検知手段によって検知された遊技球の検知情報と前記賞球数情報記憶手段に記憶されている前記賞球数情報とに基づいて演算を実行することによって遊技の履歴に関する情報である遊技履歴情報(役物比率等)を算出する処理を実行する処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記処理実行手段によって算出された前記遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(主側RAM64、フラッシュメモリ64x)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αM1によれば、遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段を備える。遊技履歴情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該遊技履歴情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、遊技履歴情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αM1によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から遊技履歴情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴αM1の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である遊技履歴情報を遊技機本体の筐体に格納された遊技履歴情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から遊技履歴情報を取得することができる。すなわち、特徴αM1によれば、遊技機と遊技履歴情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
さらに、特徴αM1によれば、単一の処理実行手段が遊技進行処理と遊技履歴情報を算出する処理とを実行するので、当該算出処理を実行するための別の演算用チップ等を設ける必要がなく、遊技機の製造コストを低減させることができる。
[特徴αM2]
特徴αM1に記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴αM2によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴αM3]
特徴αM2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードは、前記遊技履歴情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
遊技履歴情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して遊技履歴情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が遊技履歴情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該遊技履歴情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴αM3によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて遊技履歴情報を出力するので、遊技履歴情報を出力している間に当該遊技履歴情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴αM4]
特徴αM1から特徴αM3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM4によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴αM4によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴αM5]
特徴αM1から特徴αM4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第3の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための操作である移行操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM5によれば、第2のモード中に第3の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴αM6]
特徴αM5に記載の遊技機であって、
前記第3の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM6によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための移行操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、移行操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が移行操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴αM7]
特徴αM1から特徴αM6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する遊技進行処理情報記憶手段(主側RAM64)と、
前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための操作である消去操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記消去操作が実行された場合であっても、前記遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が実行された場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、遊技進行処理情報記憶手段に記憶されている情報を消去するための消去操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴αM7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を遊技進行処理情報記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴αM7によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、遊技進行処理情報記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴αM8]
特徴αM1から特徴αM7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM8によれば、遊技履歴情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することができる。
[特徴αM9]
特徴αM1から特徴αM8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM9によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても遊技履歴情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と遊技履歴情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴αM10]
特徴αM1から特徴αM9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM10によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、遊技履歴情報記憶手段が格納されている。したがって、遊技履歴情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、遊技履歴情報記憶手段に記憶されている遊技履歴情報が遊技履歴情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、遊技履歴情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に遊技履歴情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる遊技履歴情報の不正な改変を抑制することができる。また、遊技履歴情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、遊技履歴情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αM10によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した遊技履歴情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αM11]
特徴αM1から特徴αM10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM11によれば、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αM12]
特徴αM11に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された前記遊技履歴情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM12によれば、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の遊技履歴情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αM13]
特徴αM12に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM13によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、遊技履歴情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αM14]
特徴αM11から特徴αM13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM14によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の遊技履歴情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴αN群>
特徴αN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αN1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモードでは、遊技球が前記所定の領域を通過した場合であっても、前記遊技進行処理を実行しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN1によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードを実行可能であるので、遊技進行処理と並行して実行することが好ましくない処理や、遊技進行処理と並行して実行した場合に不具合が生じやすい処理等を第2のモードにおいて実行することができる。また、特徴αN1によれば、第2のモードにおいては遊技進行処理を実行しないので、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムを開発する際に、遊技進行処理が並行して実行された場合における対策を考慮しなくてもよいため、第2のモードにおいて実行する処理のプログラムの開発効率を大幅に向上させることができる。
[特徴αN2]
特徴αN1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αN2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴αN2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴αN2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、検知情報は、遊技球が検知されて遊技進行処理が実行されると内容が変化する情報である。したがって、仮に、遊技進行処理と並行して検知情報を出力する処理を実行する構成を採用すると、遊技機の検査者が検知情報によって当該遊技機の特性を検査している間に遊技進行処理が実行されて当該検知情報の内容が随時変化してしまい、円滑に検査を実施することが困難になってしまう場合がある。これに対して、特徴αN2によれば、遊技球が所定の領域を通過した場合であっても遊技進行処理を実行しない第2のモードにおいて検知情報を出力するので、検知情報を出力している間に当該検知情報の内容が変化してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技機の検査者は円滑に検査を実施することができる。
[特徴αN3]
特徴αN2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴αN4]
特徴αN2または特徴αN3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴αN5]
特徴αN2から特徴αN4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αN5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αN6]
特徴αN2から特徴αN5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αN7]
特徴αN6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αN8]
特徴αN7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αN9]
特徴αN6から特徴αN8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴αO群>
特徴αO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αO1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第1のモードにおいて前記遊技進行処理の実行中に、前記第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合)には、第2の条件が成立したタイミング(図柄の変動表示処理が終了したタイミング等の遊技進行処理が予め定められた処理段階まで完了したタイミング、実行中の各遊技進行処理の全ての処理が完了したタイミング)で、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO1によれば、第1のモードにおいて第1の条件が成立した場合には、第2の条件が成立したタイミングで、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されているので、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が満たされた直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成と比較して、第2のモードに移行する際の処理上の不具合の発生を抑制することができる。
例えば、仮に、第2の条件が成立したか否かに関わらずに第1の条件が成立した直後のタイミングで第1のモードから第2のモードに移行する構成を採用した場合において、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示の途中で第2のモードに移行することになり、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となる。これに対して、特徴αO1によれば、例えば、第1のモードにおいて遊技進行処理としての図柄の変動表示処理が実行されている期間中に、所定の操作が実行されたという第1の条件が成立した場合には、図柄の変動表示処理が実行されていないという第2の条件が成立したタイミング、すなわち、変動表示中の図柄が停止した後のタイミングで第2のモードに移行することになる。したがって、図柄の停止のタイミングや、図柄の変動時間の制御等が困難となるといった処理上の不具合の発生を抑制することができる。
[特徴αO2]
特徴αO1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αO2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴αO2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴αO2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αO3]
特徴αO2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴αO4]
特徴αO2または特徴αO3に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO4によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴αO5]
特徴αO2から特徴αO4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO5によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αO5によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αO6]
特徴αO2から特徴αO5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO6によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αO7]
特徴αO6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO7によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αO8]
特徴αO7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO8によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αO9]
特徴αO6から特徴αO8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO9によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴αP群>
特徴αP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αP1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
第1の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記第2のモード中に第2の条件が成立した場合(検査モードに移行してから10分が経過した場合)には、前記第2のモードから前記第1のモードに移行させるための所定の操作(モード切替ボタンを押下するという操作、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されていない場合であっても、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP1によれば、第2のモード中に第2の条件が成立した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴αP2]
特徴αP1に記載の遊技機であって、
前記第2の条件は、所定の時点から所定の時間が経過すること(検査モードに移行した時点から10分が経過すること)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP2によれば、第2のモード中に所定の時点から所定の時間が経過した場合には、第2のモードから第1のモードに移行させるための所定の操作が実行されていない場合であっても、第2のモードから第1のモードに移行するように構成されているので、所定の操作の実行がされずに第1のモードに復帰しないことを確実に抑制することができる。例えば、第2のモードへの移行後に遊技機の管理者や検査者等が所定の操作の実行を失念してしまった場合であっても、所定の時点から所定の時間が経過すれば第1のモードに復帰するので、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴αP3]
特徴αP1または特徴αP2に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する記憶手段(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、主側RAM64、フラッシュメモリ64x)を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP3によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αP3によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴αP3の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴αP3によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
また、特徴αP3によれば、遊技機の検査者が第2のモードにおいて出力される検知情報によって当該遊技機の特性を検査した後、所定の操作の実行を失念してしまい、遊技機が遊技進行処理を実行可能な第1のモードに復帰せず、遊技者が当該遊技機で遊技をできないといった状況の発生を抑制することができる。
[特徴αP4]
特徴αP3に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP4によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴αP5]
特徴αP3または特徴αP4に記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリ(演算結果記憶用メモリ309、入球個数記憶用メモリ309a、入球情報記憶用メモリ309b、フラッシュメモリ64x)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP5によれば、遊技機への電源の供給が絶たれても検知情報が保持されるので、当該遊技機がいかなる状態(例えば、遊技機に電源が供給されない流通状態等)に置かれても、遊技機と検知情報とを常に1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。
[特徴αP6]
特徴αP3から特徴αP5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP6によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、記憶手段が格納されている。したがって、記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、記憶手段に記憶されている検知情報が記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αP6によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αP7]
特徴αP3から特徴αP6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP7によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αP8]
特徴αP7に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP8によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αP9]
特徴αP8に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP9によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αP10]
特徴αP7から特徴αP9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP10によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
<特徴αQ群>
特徴αQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴αQ1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の検知手段(入球検知センサー44a〜44h)と、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技を進行するための処理である遊技進行処理(大当たり抽選処理、電役開放抽選処理、賞球の払出処理、メイン表示部45における図柄の変動表示処理、開閉扉36bや電動役物34aの開閉処理等)を実行する遊技進行処理実行手段(主側CPU62x)と、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記遊技進行処理に関する情報を記憶する記憶手段(主側RAM64)と、
所定の操作(RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作)が実行されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
を備え、
前記遊技進行処理実行手段は、
前記遊技進行処理を実行可能なモードである第1のモード(遊技モード)と、
所定の条件が成立した場合(モード切替ボタンを押下するという操作が実行された場合、モード切替ボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行された場合、検査用端子65に検査機320が接続された場合、所定の時刻になった場合、ホールコンピュータから所定の信号を受信した場合)に実行されるモードである第2のモード(検査モード)と、
を実行可能であり、
前記消去手段は、前記第2のモードに移行後であって前記第1のモードに移行する前の状態(検査モード中の状態、検査モードに移行後にそのまま電源がOFFになった状態)では、前記所定の操作が実行された場合であっても、前記記憶手段に記憶された情報を消去しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が実行された場合であっても、記憶手段に記憶された情報を消去しないので、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って所定の操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
例えば、記憶手段に記憶されている情報を消去するための所定の操作が、消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作であり、第1のモードと第2のモードとの間でモードを移行させるための操作が、移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下する操作である構成においては、第2のモードから第1のモードに移行させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまう虞がある。しかしながら、特徴αQ1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態では、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作が実行されてしまった場合であっても、当該情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができる。
より具体的には、例えば、第1のモードから第2のモードに移行する際に、第1のモードにおいて実行していた遊技進行処理を一時的に停止させるとともに、当該停止させた遊技進行処理を第2のモードへの復帰後に再開させるための情報を記憶手段に記憶させる構成を採用した場合において、第2のモードから第1のモードに復帰させようとして移行用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下するつもりが、誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合には、遊技進行処理を再開するための情報が消去されてしまい、第2のモードへの復帰後に遊技進行処理を再開させることができなくなり、遊技者に不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、特徴αQ1によれば、第2のモードに移行後であって第1のモードに移行する前の状態において、第1のモードに移行させようとして誤って消去用のボタンを押下しながら電源ボタンを押下してしまった場合であっても、記憶手段に記憶された情報が誤って消去されてしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴αQ2]
特徴αQ1に記載の遊技機であって、
当該遊技機本体の筐体に格納されるともに、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づく情報である検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を記憶する検知情報記憶手段を備え、
前記第2のモードは、前記検知情報(入球情報、入球個数情報、役物比率等を含む遊技履歴情報)を出力するモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ2によれば、検知情報を記憶するとともに、第2のモードにおいて検知情報を出力することができる。検知情報は、遊技における遊技球の挙動と相関を有する情報であるため、当該検知情報は遊技機毎に異なるとともに、遊技機固有の情報である。すなわち、検知情報は、遊技機の特性が反映された情報である。特徴αQ2によれば、当該遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報記憶手段に記憶する。よって、例えば、当該遊技機の特性を検査する場合には、当該遊技機本体自身から検知情報を取得することによって、当該遊技機の特性を検査することができる。遊技機は、遊技ホールに設置されている状態においては、遊技ホールに設置されているホールコンピュータによって遊技機の特性に関する情報を取得することができる。しかしながら、遊技機は、転々流通するものであるので、ホールコンピュータに接続されていない状態に置かれる場合があり、この場合、従来の遊技機では、当該遊技機の特性に関する情報を取得することができない。特徴αQ2の遊技機は、遊技機の特性が反映された情報である検知情報を遊技機本体の筐体に格納された検知情報検知情報記憶手段に記憶するので、遊技機がホールコンピュータと接続されていない状態であっても、当該遊技機本体から検知情報を取得することができる。すなわち、特徴αQ2によれば、遊技機と検知情報とを1対1で紐付けした状態にすることが可能であり、当該遊技機の特性を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αQ3]
特徴αQ2に記載の遊技機であって、
前記第2のモードにおいて出力される前記検知情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ3によれば、検知情報が遊技機の表示手段に表示されるので、遊技機の検査者は、検知情報を確認するための専用の装置を用いることなく、当該遊技機の検知情報を確認することができる。
[特徴αQ4]
特徴αQ2または特徴αQ3に記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段は、開閉の痕跡が残る筐体(封印シールが貼付された基板ボックス)の内部に格納されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ4によれば、開閉の痕跡が残る筐体の内部に、検知情報記憶手段が格納されている。したがって、検知情報記憶手段に対して物理的な接触をした場合には、筐体を開いた痕跡が残る。よって、仮に、検知情報記憶手段に記憶されている検知情報が検知情報記憶手段への物理的な接触を介して改変された場合、改変されたことを筐体の痕跡から把握することが可能になる。したがって、検知情報の不正な改変を防止することができる。遊技機は、転々流通するものあるので、流通されている過程においては、様々な外的な接触が行われるが、開閉の痕跡が残る筐体の内部に検知情報記憶手段を格納するので、遊技機が転々流通する状況であっても、何者かによる検知情報の不正な改変を抑制することができる。また、検知情報は、実行された遊技に基づいて取得された情報であるので、検知情報を用いて遊技機の遊技に関する特性を管理、検査することが可能となる。よって、特徴αQ4によれば、遊技機の遊技に関する特性を反映した検知情報の不正な改変を防止することで、適正に遊技機を管理、検査することができる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αQ5]
特徴αQ2から特徴αQ4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知をする報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ5によれば、検知情報が所定の条件を満たしていない場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報が所定の条件を満たしていない遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αQ6]
特徴αQ5に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記検知情報記憶手段に記憶された前記検知情報に含まれる特定の値(払出比率等)が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知をする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ6によれば、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった場合に報知するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲に含まれなくなった遊技機を容易に発見することができる。そして、当該遊技機の検知情報を確認することによって、遊技機に不正な改造等が施されていないかを判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。
[特徴αQ7]
特徴αQ6に記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記特定の値の前記所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様(LEDランプの色)を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ7によれば、特定の値の所定の範囲からの乖離度に応じて報知の態様を決定するので、遊技機の検査者は、検知情報に含まれる特定の値が所定の範囲からどの程度乖離しているのかを容易に把握することができる。
[特徴αQ8]
特徴αQ5から特徴αQ7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記報知として所定の表示をする表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ8によれば、報知として所定の表示をする表示手段を備えるので、遊技機の検査者は、遊技機の検知情報が所定の条件を満たしていないことを容易に知ることができる。
なお、上記特徴αD群〜特徴αQ群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技の興趣向上に加え、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
例えば、遊技者によって不正な行為(いわゆるゴト行為)が行われたり、パチンコ遊技機の遊技盤に設けられた釘が不正に曲げられて改造されたりすると、一般入賞口や始動口等の各入球口への遊技球の入球割合等が当初に想定されたものとは異なるようになってしまい、パチンコ遊技機に想定された性能や遊技性が損なわれてしまう場合があった。しかしながら、このような不正の発見は非常に困難であった。
このような不正は、遊技ホールの営業時間中に遊技者によって行われる場合がある。また、遊技ホールの営業時間後に、何者かによって不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに設置される前の輸送中の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。さらには、遊技ホールに出荷される前の遊技機に対して不正な改造が行われる場合もある。また、それよりも前に不正な改造が行われる可能性もある。
このような状況を踏まえ、遊技機に対する不正な行為や不正な改造を発見し、遊技の健全性を向上させることを目的とする。
<特徴αR群>
特徴αR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αR1]
処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段が実行する処理に関する量を示唆する示唆手段と、
を備える遊技機であって、
前記処理実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、前記示唆手段が示唆した量に対応した量(第14実施形態における数的保留表示の数)の処理(結果報知示唆演出)を実行するにも関わらず、
第2の場合(大当たりの場合)には、前記示唆手段が示唆した量とは異なる量(第14実施形態における数的保留表示の数)に対応した処理(結果報知示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR1によれば、第1の場合には、示唆手段が示唆した量に対応した量の処理を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した処理が実行されると認識する。しかしながら、第2の場合には、示唆手段が示唆した量とは異なる量に対応した処理を実行する。従って、当該示唆された量に対応した処理が実行されると推測しながら遊技をしている遊技者に対して、示唆された量とは異なる量に対応した処理を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αR2]
特徴αR1に記載の遊技機であって、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されるまでの時間である変動時間を決定する変動時間決定手段と、
を備え、
前記処理実行手段は、前記決定された変動時間に基づいて前記遊技回において実行する演出を決定するとともに、前記決定した演出を実行する演出実行手段を含み、
前記示唆手段は、実行される演出の時間に相関のある量を示唆し、
前記演出実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行するにも関わらず、
第2の場合(大当たりの場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)とは異なる量に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR2によれば、第1の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した演出を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した演出が実行されると認識する。しかしながら、第2の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量とは異なる量に対応した演出を実行する。従って、当該示唆された量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された量とは異なる量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、示唆手段によって示唆された量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αR3]
特徴αR2に記載の遊技機であって、
前記示唆手段は、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示するとともに、前記遊技回表示を前記演出の時間に相関のある量を示唆する表示態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR3によれば、遊技回表示を用いて演出の時間に相関のある量を示唆する。遊技回表示は、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留中および実行中に表示されるので、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留遊技回として発生した時点から遊技回として実行されて終了する時点までのあらゆるタイミングで、遊技回表示を用いて演出の時間に相関のある量の示唆を行うことができ、示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。例えば、特定の遊技回について当該遊技回において実行する演出の時間に相関のある量を示唆する場合に、当該遊技回が保留されている場合には、当該遊技回が保留されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができるとともに、当該遊技回が実行されている場合には、当該遊技回が実行されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができる。このように、特徴αR3によれば、演出の時間に相関のある量の示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。
[特徴αR4]
特徴αR2または特徴αR3に記載の遊技機であって、
前記一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量は、一の遊技回で実行される所定の演出(結果報知示唆演出)の回数である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR4によれば、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量は、一の遊技回で実行される所定の演出の回数であるので、例えば、示唆された回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の所定の演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量として「回数」を示唆することによって、連続的な量を示唆する場合と比較して、遊技者が数えることを可能にし、遊技者に認識しやすい方法で一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を表現することができる。
[特徴αR5]
特徴αR4に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した回数の前記所定の演出(結果報知示唆演出)を実行するにも関わらず、
第2の場合(大当たりの場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した回数より少ない回数の前記所定の演出(結果報知用演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR5によれば、第1の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した回数の所定の演出を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した回数の所定の演出が実行されると認識する。しかしながら、特徴αR5の遊技機は、第2の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した回数より少ない回数の所定の演出を実行する。従って、当該示唆された量に対応した回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された量に対応する回数よりも少ない回数の所定の演出を実行することによって、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができ、意外性を付与することができる。
<特徴αS群>
特徴αS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αS1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とし、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を演出時間相関量とした場合に、前記演出時間相関量に対応した値である第1の数値情報(第14実施形態における第1数値情報(X))を決定する第1数値情報決定手段と、
第2の数値情報(第14実施形態における数的保留表示数(Y))を決定する第2数値情報決定手段と、
前記演出時間相関量を示唆する示唆手段(数的保留表示)と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量に相当する演出(結果報知示唆演出)を一の遊技回で実行し、
前記第2数値情報決定手段は、
前記第1の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量とは量が異なる前記演出時間相関量に対応する値を示す前記第2の数値情報に決定し、
前記示唆手段は、
前記第2の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量を示唆する(第14実施形態における数的保留表示を表示する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS1によれば、第2数値情報決定手段は、第1の数値情報が示す値に対応した演出時間相関量とは量が異なる前記演出時間相関量に対応する値を示す第2の数値情報に決定し、示唆手段は、第2の数値情報が示す値に対応した演出時間相関量を示唆する。すなわち、遊技者が示唆手段による示唆によって認識する演出時間相関量と、実際に演出実行手段によって実行される演出の演出時間相関量とが異なる。その結果、示唆された演出時間相関量に相当する演出が遊技回において実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量とは量が異なる演出時間相関量に相当する演出を遊技回において実行することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。例えば、演出時間相関量が一の遊技回で実行される演出の時間的な長さを示す場合、示唆手段によって示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αS2]
特徴αS1に記載の遊技機であって、
前記第2数値情報決定手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、前記第1の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量と量が同じ前記演出時間相関量に対応する値を示す前記第2の数値情報に決定し、
第2の場合(大当たりの場合)には、前記第1の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量と量が異なる前記演出時間相関量に対応する値を示す前記第2の数値情報に決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS2によれば、第2数値情報決定手段は、第1の場合には、第1の数値情報が示す値に対応した演出時間相関量と同じ演出時間相関量に対応する値を示す第2の数値情報に決定する。すなわち、第1の場合には、示唆手段が示唆する演出時間相関量と、実際に演出実行手段によって実行される演出の演出時間相関量とが同じである。よって、示唆手段が示唆する演出時間相関量と、実際に演出実行手段によって実行される演出の演出時間相関量とが同じであると遊技者に認識させることができる。そのような認識を遊技者に付与した状態で、第2の場合において、示唆された演出時間相関量とは異なる演出時間相関量に相当する演出を遊技回において実行することによって、遊技者の推測をより一層大きく覆し、遊技者により一層大きな意外性や驚きを与えることができる。
[特徴αS3]
特徴αS1または特徴αS2に記載の遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されるまでの時間を変動時間とした場合に、
前記演出実行手段は、
前記一の遊技回で実行する演出を、前記第1の数値情報が示す値に対応した前記演出時間相関量と前記一の遊技回の変動時間とに基づいて決定する(第14実施形態におけるステップS12503の処理を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS3によれば、演出実行手段は、一の遊技回で実行する演出を、第1の数値情報が示す値に対応した演出時間相関量と一の遊技回の変動時間とに基づいて決定するので、遊技回において実際に実行される演出の実行時間と、当該遊技回の変動時間との間で、例えば演出の実行時間と変動時間とが異なるといった破綻を生じさせることなく、円滑に処理を実行することができる。
[特徴αS4]
特徴αS1から特徴αS3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の数値情報が示す値に対応する前記演出時間相関量をX、前記第2の数値情報が示す値に対応する前記演出時間相関量をYとした場合に、
XとYとの関係は、X≦Yである
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS4によれば、X≦Yである。すなわち、実際に演出実行手段によって実行される演出の演出時間相関量は、示唆手段が示唆する演出時間相関量以下である。よって、示唆手段によって示唆された演出時間相関量に相当する演出が遊技回において実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量以下の演出時間相関量に相当する演出を遊技回において実行することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。さらに、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができる。
[特徴αS5]
特徴αS1から特徴αS4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出時間相関量は、一の遊技回で実行される所定の演出(結果報知示唆演出)の回数である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS5によれば、演出時間相関量は、一の遊技回で実行される所定の演出の回数であるので、例えば、示唆手段によって示唆された回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、実際の遊技回において、示唆された回数より少ない回数の所定の演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、演出時間相関量として「回数」を示唆することによって、連続的な量を示唆する場合と比較して、遊技者が数えることを可能にし、遊技者に認識しやすい方法で演出時間相関量を表現することができる。
<特徴αT群>
特徴αT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αT1]
遊技における所定の処理(大当たり抽選の抽選結果の報知)を実行するまでの時間的な長さに相関のある量を示唆する示唆手段(第14実施形態における数的保留表示)と、
前記示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さが経過するよりも前に(数的保留表示の数に対応した回数の結果報知示唆演出が実行される時間的長さが経過するよりも前に)、前記所定の処理(大当たり抽選の抽選結果の報知)を実行する処理実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αT1によれば、示唆手段が遊技における所定の処理を実行するまでの時間的な長さに相関のある量を示唆することによって、遊技者は、示唆手段によって示唆された当該時間的な長さに相関のある量に基づいて、遊技における所定の処理が実行されるまでの時間的な長さを推測する。一方、処理実行手段は、示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さが経過するよりも前に、所定の処理を実行する。従って、示唆手段によって示唆された当該時間的な長さに相関のある量に対応する時間の経過後に遊技における所定の処理が実行されると推測をしながら遊技を実行している遊技者に対して、示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さが経過するよりも前に、所定の処理を実行することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。
[特徴αT2]
特徴αT1に記載の遊技機であって、
前記示唆手段が示唆する量に対応する前記時間的な長さと、前記処理実行手段が前記所定の処理を実行するまでの時間的長さとの差分に対応する時間的な長さを残時間とした場合に、
前記処理実行手段は、前記残時間に、前記実行した前記所定の処理に関連する情報を報知する(第14実施形態<態様2>の昇格演出を実行する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT2によれば、残時間に、実行した所定の処理に関連する情報を報知するので、残時間における遊技者の遊技への注目度の低下を抑制することができる。また、示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さと、処理実行手段が所定の処理を実行するまでの時間的長さとが異なるが、その差分である残時間を、所定の処理に関連する情報を報知するための時間として補完するので、遊技機における処理において、示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さを予め設定することができる。すなわち、示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さを予め設定し、実際に処理実行手段が所定の処理を実行するまでの時間的長さと所定の処理に関連する情報を報知するための時間的な長さとの合計時間が、当該予め設定した示唆手段が示唆する量に対応する時間的な長さと同じになるように設定することで、処理上、時間に関する破綻を生じることなく、円滑に処理を実行することができる。
[特徴αT3]
特徴αT2に記載の遊技機であって、
前記報知した前記所定の処理に関連する情報は、遊技者に付与される特典に関する情報である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT3によれば、報知した遊技における所定の処理に関連する情報は、遊技者に付与される特典に関する情報であるので、残時間を用いて、遊技者の期待感を向上させることができる。
<特徴αU群>
特徴αU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αU1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技回表示手段は、
前記1回の遊技回に対応する遊技回表示を、複数の種類の情報を示唆する態様で表示する(第14実施形態<態様6>における数的保留表示Dm11a〜Dm11c:図260)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU1によれば、遊技回表示手段は、1回の遊技回に対応する遊技回表示を、複数の種類の情報を示唆する態様で表示するので、当該遊技回表示を認識した遊技者に対して、当該遊技回表示に対応する遊技回に関する様々な推測をさせることができる。その結果、従来の遊技回表示と比較して、遊技者に対して、より期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αU2]
特徴αU1に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を演出時間相関量とした場合に、
前記遊技回表示手段は、
前記複数の種類の情報として、少なくとも、前記単位特別情報が前記所定の条件を満たしている可能性(大当たり抽選に当選している期待度)に関する情報と、前記演出時間相関量を示す情報とを、示唆する態様で前記遊技回表示を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU2によれば、遊技回表示手段は、複数の種類の情報として、少なくとも、単位特別情報が前記所定の条件を満たしている可能性に関する情報と、演出時間相関量を示す情報とを示唆する態様で遊技回表示を表示するので、当該遊技回表示を認識した遊技者に対して、当該遊技回表示に対応する遊技回における判定結果に対する期待感を付与することができることに加え、示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されることを推測させ、遊技回において実行される演出に対する期待感を付与することができる。
[特徴αU3]
特徴αU2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記一の遊技回において、前記遊技回表示手段が示唆する前記演出時間相関量(数的保留表示の数)とは量が異なる前記演出時間相関量に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU3によれば、演出実行手段は、一の遊技回において、遊技回表示手段が示唆する演出時間相関量とは量が異なる演出時間相関量に対応した演出を実行する。従って、遊技回表示手段によって示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、遊技回表示手段によって示唆される演出時間相関量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αU4]
特徴αU3に記載の遊技機であって
前記演出時間相関量は、前記一の遊技回において実行される所定の演出の回数である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU4によれば、演出時間相関量は、一の遊技回で実行される所定の演出の回数であるので、例えば、示唆された回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の所定の演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、演出時間相関量として「回数」を示唆することによって、連続的な量を示唆する場合と比較して、遊技者が数えることを可能にし、遊技者に認識しやすい方法で演出時間相関量を表現することができる。
<特徴αV群>
特徴αV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αV1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を演出時間相関量とした場合に、
前記遊技回表示手段は、
前記遊技回表示を、前記演出時間相関量を示唆する表示態様(第14実施形態における数的保留表示)で表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV1によれば、遊技回表示手段は、遊技回表示を、演出時間相関量を示唆する表示態様で表示するので、当該遊技回表示を認識した遊技者に対して、示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されることを推測させ、遊技回において実行される演出に対する期待感を付与することができる。
[特徴αV2]
特徴αV1に記載に遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記一の遊技回において、前記遊技回表示手段が示唆した前記演出時間相関量(数的保留表示の数)とは量が異なる前記演出時間相関量に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV2によれば、演出実行手段は、一の遊技回において、遊技回表示手段が示唆した演出時間相関量とは量が異なる演出時間相関量に対応した演出を実行する。従って、遊技回表示手段によって示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、遊技回表示手段によって示唆される演出時間相関量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αV3]
特徴αV1または特徴αV2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、前記一の遊技回において、前記遊技回表示手段が示唆した前記演出時間相関量と量が同じ前記演出時間相関量に対応した演出を実行し、
第2の場合(大当たりの場合)には、前記一の遊技回において、前記遊技回表示手段が示唆した前記演出時間相関量とは量が異なる前記演出時間相関量に対応した演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV3によれば、第1の場合には、一の遊技回において、遊技回表示手段が示唆した演出時間相関量と量が同じ演出時間相関量に対応した演出を実行するので、遊技者は、遊技回表示手段によって示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されると認識する。しかしながら、第2の場合には、遊技回において、遊技回表示手段が示唆した演出時間相関量とは量が異なる演出時間相関量に対応した演出を実行する。従って、当該示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量とは量が異なる演出時間相関量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、遊技回表示手段によって示唆された演出時間相関量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αV4]
特徴αV1から特徴αV3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出時間相関量は、前記一の遊技回で実行される所定の演出(結果報知示唆演出)の回数である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αV4によれば、演出時間相関量は、一の遊技回で実行される所定の演出の回数であるので、例えば、遊技回表示手段によって示唆された回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の所定の演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、演出時間相関量として「回数」を示唆することによって、連続的な量を示唆する場合と比較して、遊技者が数えることを可能にし、遊技者に認識しやすい方法で演出時間相関量を表現することができる。
<特徴αW群>
特徴αW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αW1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量である演出時間相関量を示唆する示唆手段と、
を備える遊技機であって、
前記示唆手段は、
示唆する前記演出時間相関量を所定の表示態様で表示するとともに、当該表示した前記演出時間相関量が示す時間的な一部分を示す表示を用いて、前記単位特別情報が前記所定の条件を満たしている可能性に関する情報を示唆する(図261:第14実施形態<態様7>における数的保留表示Dm11a〜Dm11cの中の一部の数的保留表示を用いて期待度情報を示唆する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW1によれば、示唆手段は、演出時間相関量を示唆するので、遊技者に対して、示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されることを推測させ、遊技回において実行される演出に対する期待感を付与することができる。また示唆手段は、単位特別情報が所定の条件を満たしている可能性に関する情報を、演出時間相関量が示す時間的な一部分を用いて示唆するので、遊技回において演出が実行され、演出時間相関量が示す当該時間的な一部分に対応する時間に達する際、または、達した際に、単位特別情報に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴αW2]
特徴αW1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の場合には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した前記演出時間相関量に対応した演出を実行するにも関わらず、
第2の場合には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した前記演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW2によれば、第1の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した演出時間相関量に対応した演出を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した演出が実行されると認識する。しかしながら、第2の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行する。従って、当該示唆された演出時間相関量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された演出時間相関量とは異なる量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、示唆手段によって示唆された演出時間相関量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αW3]
特徴αW1または特徴αW2のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出時間相関量は、一の遊技回における所定の演出の実行回数であり、
前記示唆手段は、
前記一の遊技回における所定の演出の実行回数に対応した個数の所定の画像を表示することによって前記演出時間相関量を示唆するとともに、当該表示した前記演出時間相関量が示す所定の演出の実行回数に対応した個数の所定の画像の中の1個または複数個の特定の画像を用いて、前記単位特別情報が前記所定の条件を満たしている可能性に関する情報を示唆する(図261:第14実施形態<態様7>における数的保留表示Dm11a〜Dm11cの中の一部の数的保留表示を用いて期待度情報を示唆する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW3によれば、示唆手段は、一の遊技回における所定の演出の実行回数に対応した個数の所定の画像を表示することによって演出時間相関量を示唆するので、当該所定の画像を視認した遊技者に対して、遊技回における所定の演出の実行回数を推測させ、遊技回において実行される演出に対する期待感を付与することができる。また、示唆手段は、表示した演出時間相関量が示す所定の演出の実行回数に対応した個数の所定の画像の中の1個または複数個の特定の画像を用いて、単位特別情報が所定の条件を満たしている可能性に関する情報を示唆するので、所定の演出の実行回数が当該特定の画像に対応する実行回数に達する際、または、達した際に、単位特別情報に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を、遊技者に付与することができる。さらに、当該特徴αW3に記載の遊技機が特徴αW2の構成を備える場合、特徴αW2に記載の第2の場合には、所定の演出の実行回数が当該特定の画像に対応する実行回数に達する際、または、達した際に、単位特別情報に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を遊技者に付与するにも関わらず、示唆手段によって示唆された演出時間相関量が示す所定の演出の実行回数とは異なる実行回数の所定の演出が実行される場合がある。その結果、示唆手段によって表示された演出時間相関量を視認した遊技者に対して、遊技回において、当該特定の画像に対応する実行回数に達するまで所定の演出が実行されるのかといった緊迫感を付与するとともに、仮に当該特定の画像に対応する実行回数に達するまで所定の演出が実行された場合には、単位特別情報に関する何らかの報知や示唆がされるのではないかといった期待感を付与する。すなわち、このような演出時間相関量を表示することによって、遊技者に対して、遊技における多段的な変化に対する推測をさせることができ、さらに、当該推測した内容通りに遊技が実行されるかということについて、遊技者に緊迫感および期待感を付与することができる。
[特徴αW4]
特徴αW1から特徴αW3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記示唆手段は、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示するとともに、前記遊技回表示を前記演出時間相関量を示唆する表示態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW4によれば、遊技回表示を用いて演出時間相関量を示唆する。遊技回表示は、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留中および実行中に表示されるので、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留遊技回として発生した時点から遊技回として実行されて終了する時点までのあらゆるタイミングで、遊技回表示を用いて演出時間相関量の示唆を行うことができ、示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。例えば、特定の遊技回について当該遊技回において演出時間相関量を示唆する場合に、当該遊技回が保留されている場合には、当該遊技回が保留されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができるとともに、当該遊技回が実行されている場合には、当該遊技回が実行されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができる。このように、特徴αW4によれば、示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。
<特徴αX群>
特徴αX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第14実施形態から抽出される。
[特徴αX1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記入球手段への遊技球の1回の入球を契機として取得された前記特別情報を単位特別情報とした場合に、前記単位特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記単位特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されるまでの時間である変動時間を決定する変動時間決定手段と、
前記決定された変動時間に基づいて前記遊技回において実行する演出を決定するとともに、前記決定した演出を実行する演出実行手段と、
一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を示唆する示唆手段(第14実施形態における数的保留表示)と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行するにも関わらず、
第2の場合(大当たりの場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)とは異なる量に対応した演出(結果報知示唆演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX1によれば、第1の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した演出を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した演出が実行されると認識する。しかしながら、第2の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量とは異なる量に対応した演出を実行する。従って、当該示唆された量に対応した演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された量とは異なる量に対応した演出を実行することによって、遊技者に意外性を付与することができる。例えば、示唆手段によって示唆された量が、演出が実行される時間(時間的な長さ)であった場合に、当該示唆された時間的な長さの演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された時間的な長さより短い演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αX2]
特徴αX1に記載の遊技機であって、
前記示唆手段は、保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示するとともに、前記遊技回表示を前記演出の時間に相関のある量を示唆する表示態様で表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX2によれば、遊技回表示を用いて演出の時間に相関のある量を示唆する。遊技回表示は、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留中および実行中に表示されるので、当該遊技回表示に対応した遊技回が保留遊技回として発生した時点から遊技回として実行されて終了する時点までのあらゆるタイミングで、遊技回表示を用いて演出の時間に相関のある量の示唆を行うことができ、示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。例えば、特定の遊技回について当該遊技回において実行する演出の時間に相関のある量を示唆する場合に、当該遊技回が保留されている場合には、当該遊技回が保留されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができるとともに、当該遊技回が実行されている場合には、当該遊技回が実行されていることを示す遊技回表示を用いて示唆をすることができる。このように、特徴αX2によれば、演出の時間に相関のある量の示唆を実行するための時間的な自由度を広げることができる。
[特徴αX3]
特徴αX1または特徴αX2に記載の遊技機であって、
前記一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量は、一の遊技回で実行される所定の演出(結果報知示唆演出)の回数である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX3によれば、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量は、一の遊技回で実行される所定の演出の回数であるので、例えば、示唆された回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された回数より少ない回数の所定の演出を実行して遊技回を終了することによって、遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性や驚きを与えることができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量として「回数」を示唆することによって、連続的な量を示唆する場合と比較して、遊技者が数えることを可能にし、遊技者に認識しやすい方法で一の遊技回で実行される演出の時間に相関のある量を表現することができる。
[特徴αX4]
特徴αX3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の場合(リーチ(外れ)の場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した回数の前記所定の演出(結果報知示唆演出)を実行するにも関わらず、
第2の場合(大当たりの場合)には、遊技回において、前記示唆手段が示唆した量(数的保留表示の数)に対応した回数より少ない回数の前記所定の演出(結果報知用演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX4によれば、第1の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した回数の所定の演出を実行するので、遊技者は、示唆手段によって示唆された量に対応した回数の所定の演出が実行されると認識する。しかしながら、特徴αX4の遊技機は、第2の場合には、遊技回において、示唆手段が示唆した量に対応した回数より少ない回数の所定の演出を実行する。従って、当該示唆された量に対応した回数の所定の演出が実行されると推測しながら演出を鑑賞している遊技者に対して、示唆された量に対応する回数よりも少ない回数の所定の演出を実行することによって、当初設定されていた遊技回の時間が短縮されたかのような感覚を与えることができ、意外性を付与することができる。
なお、上記特徴αR群〜特徴αX群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αY群>
特徴αY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴αY1]
所定の演出(変身演出)を時間的に重複させずに順次実行可能な演出実行手段と、
前記所定の演出を順次実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを所定の長さに設定する設定手段と、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)と、
を備える遊技機であって、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含んで構成されており、
前記演出実行可能期間の時間的長さが前記所定の長さに設定されているにも関わらず、前記所定の演出の前記受入期間における前記入力操作の態様に応じて、当該演出実行可能期間において順次実行される前記所定の演出の回数が変化する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY1によれば、所定の演出の受入期間における入力操作の態様に応じて、当該演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数が変化するので、遊技者に対して、所定の演出の受入期間において積極的に入力操作をしたいといった意欲を与えることが可能となるとともに、所定の演出が何回実行されるのかといった期待感を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αY2]
特徴αY1に記載の遊技機であって、
前記受入期間において前記入力操作の態様が所定の条件を満たした(演出操作ボタン24が押下された)前記所定の演出の数が多いほど、前記演出実行可能期間において実行される前記所定の演出の回数が多くなる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY2によれば、受入期間において入力操作の態様が所定の条件を満たした所定の演出の数が多いほど、演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数が多くなるので、遊技者に対して、多くの所定の演出の受入期間において入力操作の態様が所定の条件を満たすように積極的に入力操作をしたいといった意欲を与えることができる。
[特徴αY3]
特徴αY1または特徴αY2に記載の遊技機であって、
前記各所定の演出の前記受入期間が開始されてから前記入力操作の態様が所定の条件を満たす(演出操作ボタン24が押下される)までの時間的間隔が短いほど、前記演出実行可能期間において実行される前記所定の演出の回数が多くなる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY3によれば、各所定の演出の受入期間が開始されてから入力操作の態様が所定の条件を満たすまでの時間的間隔が短いほど、演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数が多くなるので、遊技者に対して、受入期間が開始されてから早いタイミングで入力操作の態様が所定の条件を満たすように入力操作をしたいといった意欲を与えることができる。
[特徴αY4]
特徴αY1から特徴αY3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の演出の前記受入期間における前記入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY4によれば、所定の演出の受入期間における入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させるので、演出実行可能期間が所定の長さに設定されているにも関わらず、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が異なることによって、当該演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数を変化させることができる。
[特徴αY5]
特徴αY4に記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間(変身準備演出)と、前記入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である前記受入期間(変身待機演出)と、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間(変身完了演出)とによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY5によれば、所定の演出は、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間と、入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である受入期間と、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間とによって構成されているので、受入期間の時間的長さを変化させることによって、所定の演出の第1演出期間及び第2演出期間の時間的長さを一定にしたまま当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。すなわち、第1演出期間及び第2演出期間において実行すべき演出の内容を省略したり中断することなく、当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。この結果、遊技者に違和感を与えることなく、所定の演出の時間的長さを変化させることができる。
[特徴αY6]
特徴αY1から特徴αY5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記設定手段は、前記演出実行可能期間の時間的長さを複数種類の長さに設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY6によれば、演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能であるので、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が同じであっても、演出実行可能期間に設定された時間的長さが異なることによって、演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数が異なることになる。この結果、演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数を予想することが困難となるので、所定の演出が終了した後に次の所定の演出が実行されるのか否かに対する遊技者の注目度を好適に高めることができる。
[特徴αY7]
特徴αY1から特徴αY6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間における前記所定の演出の実行回数が所定回数に達した場合に、前記所定の演出の実行回数が前記所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY7によれば、演出実行可能期間における所定の演出の実行回数が所定回数に達した場合に、所定の演出の実行回数が所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行するので、遊技者に対して、所定の演出の実行回数が所定回数に達したという達成感を与えることができる。また、示唆演出を一度でも経験した遊技者に対して、今回の演出実行可能期間では所定の演出の実行回数が所定回数に達して示唆演出が実行されるのか否かといった期待感を与えることができる。
<特徴αZ群>
特徴αZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴αZ1]
所定の演出(変身演出)を時間的に重複させずに順次実行可能な演出実行手段と、
前記所定の演出を順次実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを所定の長さに設定する設定手段と、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)と、
を備える遊技機であって、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含んで構成されており、
前記演出実行手段は、前記所定の長さに設定された前記演出実行可能期間において前記所定の演出を順次実行するとともに、前記所定の演出の前記受入期間における前記入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ1によれば、所定の長さに設定された演出実行可能期間において所定の演出を順次実行するとともに、所定の演出の受入期間における入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させるので、例えば、当該演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数を変化させたり、所定の演出が所定の回数実行された後の当該演出実行可能期間の残余時間の長さを変化させることが可能となる。演出実行可能期間の残余時間の長さを変化させる構成とした場合には、残余時間において実行する演出の内容を当該残余時間の長さに応じて決定することが可能となる。したがって、入力操作の態様が異なることによって、演出実行可能期間における所定の演出の実行回数がどのようになるのかといった期待感や、演出実行可能期間の残余時間においてどのような演出が実行されるのかといった期待感を遊技者に与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αZ2]
特徴αZ1に記載の遊技機であって、
前記設定手段は、前記演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ2によれば、演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能であるので、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が同じであっても、演出実行可能期間に設定された時間的長さが異なることによって、例えば、演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数や、所定の演出が所定の回数実行された後の当該演出実行可能期間の残余時間の長さが異なることになる。さらに、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が異なれば、演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数や、演出実行可能期間の残余時間の長さを予想することが困難となるので、所定の演出の実行回数や残余時間において実行される演出に対する注目度を好適に高めることができる。
[特徴αZ3]
特徴αZ1または特徴αZ2に記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間(変身準備演出)と、前記入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である前記受入期間(変身待機演出)と、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間(変身完了演出)とによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ3によれば、所定の演出は、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間と、入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である受入期間と、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間とによって構成されているので、受入期間の時間的長さを変化させることによって、所定の演出の第1演出期間及び第2演出期間の時間的長さを一定にしたまま当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。すなわち、第1演出期間及び第2演出期間において実行すべき演出の内容を省略したり中断することなく、当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。この結果、遊技者に違和感を与えることなく、所定の演出の時間的長さを変化させることができる。
[特徴αZ4]
特徴αZ1から特徴αZ3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間における前記所定の演出の実行回数が所定回数に達した場合に、前記所定の演出の実行回数が前記所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ4によれば、演出実行可能期間における所定の演出の実行回数が所定回数に達した場合に、所定の演出の実行回数が所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行するので、遊技者に対して、所定の演出の実行回数が所定回数に達したという達成感を与えることができる。また、示唆演出を一度でも経験した遊技者に対して、今回の演出実行可能期間では所定の演出の実行回数が所定回数に達して示唆演出が実行されるのか否かといった期待感を与えることができる。
<特徴βA群>
特徴βA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴βA1]
所定の演出(変身演出)を時間的に重複させずに順次実行可能な演出実行手段と、
前記所定の演出を順次実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを所定の長さに設定する設定手段と、
を備える遊技機であって、
前記設定手段は、前記演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA1によれば、演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能であるので、演出実行可能期間に設定された時間的長さが異なることによって、例えば、演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数や、所定の演出が所定の回数実行された後の当該演出実行可能期間の残余時間の長さが異なることになる。演出実行可能期間の残余時間の長さが異なる構成とした場合には、残余時間において実行する演出の内容を当該残余時間の長さに応じて決定することが可能となる。したがって、演出実行可能期間における所定の演出の実行回数がどのようになるのかといった期待感や、演出実行可能期間の残余時間においてどのような演出が実行されるのかといった期待感を遊技者に与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βA2]
特徴βA1に記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)を備え、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含んで構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA2によれば、所定の演出は、入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間を含んで構成されているので、所定の演出の受入期間において遊技者に入力操作を促すことができる。そして、遊技者に対して、当該入力操作の態様によって演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数が変化するのではないかといった期待感を与えることができる。
[特徴βA3]
特徴βA2に記載の遊技機であって、
前記設定手段は、前記演出実行可能期間において実行可能な前記所定の演出の上限回数を設定する(連続変身演出Aにおいて実行可能な変身演出の上限回数を10回に設定する、連続変身演出Bにおいて実行可能な変身演出の上限回数を9回に設定する)とともに、前記受入期間における前記入力操作の態様が所定の条件を満たさない場合(遊技者が演出操作ボタン24を押下しない場合)には前記所定の演出の実行回数が前記設定した上限回数に達しないように、前記演出実行可能期間の時間的長さを設定する(連続変身演出Aでは75秒に設定する、連続変身演出Bでは45秒に設定する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA3によれば、演出実行可能期間において実行可能な所定の演出の上限回数を設定するとともに、受入期間における入力操作の態様が所定の条件を満たさない場合には所定の演出の実行回数が上限回数に達しないように、演出実行可能期間の時間的長さを設定するので、遊技者が今回の演出実行可能期間に設定された上限回数を知るためには、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が所定の条件を満たすように、操作受入手段を操作する必要がある。したがって、遊技者に対して、入力操作の態様が所定の条件を満たすように操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。
例えば、演出実行可能期間に設定された所定の演出の上限回数が多いほど、大当たりに当選している可能性(期待度、信頼度)が高くなるように構成されている遊技機においては、遊技者は、演出実行可能期間に設定された所定の演出の上限回数を知りたいといった欲求を抱くことになる。そして、上限回数を知りたいといった欲求を抱いた遊技者は、所定の演出の実行回数が上限回数に達するように、操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者に対して、入力操作の態様が所定の条件を満たすように操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βA4]
特徴βA2または特徴A3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の演出の前記受入期間における前記入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA4によれば、所定の演出の受入期間における入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させるので、演出実行可能期間に設定された時間的長さが同じであっても、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が異なることによって、例えば、演出実行可能期間において実行される所定の演出の回数や、所定の演出が所定の回数実行された後の当該演出実行可能期間の残余時間の長さを変化させることができる。さらに、演出実行可能期間の時間的長さを複数の種類の長さに設定可能であるので、演出実行可能期間において順次実行される所定の演出の回数や、演出実行可能期間の残余時間の長さを予想することが困難となる。この結果、所定の演出の実行回数や残余時間において実行される演出に対する注目度を好適に高めることができる。
[特徴βA5]
特徴βA4に記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間(変身準備演出)と、前記入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である前記受入期間(変身待機演出)と、前記入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間(変身完了演出)とによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA5によれば、所定の演出は、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第1演出期間と、入力操作を受け入れ可能であって時間的長さが可変である受入期間と、入力操作を受け入れ不可能であって時間的長さが一定である第2演出期間とによって構成されているので、受入期間の時間的長さを変化させることによって、所定の演出の第1演出期間及び第2演出期間の時間的長さを一定にしたまま当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。すなわち、第1演出期間及び第2演出期間において実行すべき演出の内容を省略したり中断することなく、当該所定の演出の時間的長さを変化させることができる。この結果、遊技者に違和感を与えることなく、所定の演出の時間的長さを変化させることができる。
[特徴βA6]
特徴βA1から特徴βA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間における前記所定の演出の実行回数が所定回数(10回)に達した場合に、前記所定の演出の実行回数が前記所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA6によれば、演出実行可能期間における所定の演出の実行回数が所定回数に達した場合に、所定の演出の実行回数が所定回数に達したことを示唆する示唆演出を実行するので、遊技者に対して、所定の演出の実行回数が所定回数に達したという達成感を与えることができる。また、示唆演出を一度でも経験した遊技者に対して、今回の演出実行可能期間では所定の演出の実行回数が所定回数に達して示唆演出が実行されるのか否かといった期待感を与えることができる。
<特徴βB群>
特徴βB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴βB1]
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)と、
前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含んで構成される所定の演出(変身演出)を実行可能な演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記受入期間の時間的長さを、所定のタイミング(連続変身演出の期間が終了するタイミング)までの残り時間に基づいて決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB1によれば、所定の演出における受入期間の時間的長さを、所定のタイミングまでの残り時間に基づいて決定するので、所定のタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることが可能となる。具体的には、例えば、受入期間が終了した後に、完了するまでに2秒を要する演出(上記実施形態では、変身完了演出)を実行する構成を採用した場合に、所定のタイミングまでの残り時間が2秒となったことに基づいて当該受入期間を終了させることが可能となるので、受入期間が終了した後に実行する演出を所定のタイミングにおいて完了させることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βB2]
特徴βB1に記載の遊技機であって、
前記所定の演出を実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを所定の長さに設定する設定手段を備え、
前記受入期間は、前記入力操作の態様が所定の条件を満たしたこと(演出操作ボタン24が押下されたこと)を契機として終了するように構成されており、
前記演出実行手段は、前記所定の長さに設定された前記演出実行可能期間において前記所定の演出(変身演出)を実行可能であるとともに、前記入力操作の態様が前記所定の条件を満たさなかった場合における前記受入期間の時間的長さを、前記演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB2によれば、入力操作の態様が所定の条件を満たさなかった場合における受入期間の時間的長さを、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて決定するので、演出実行可能期間が終了するタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることが可能となる。具体的には、例えば、受入期間が終了した後に、完了するまでに2秒を要する演出(上記実施形態では、変身完了演出)を実行する構成を採用した場合に、入力操作の態様が所定の条件を満たさなかった場合であっても、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が2秒となったことに基づいて当該受入期間を終了させることが可能となるので、受入期間が終了した後に実行する演出を演出実行可能期間が終了するタイミングにおいて完了させることができる。
[特徴βB3]
特徴βB2に記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、前記受入期間(変身待機演出)と、完了するまでに所定の時間(2秒)を要する演出である固定時間演出(変身完了演出)を実行する期間である固定時間演出期間とを含んで構成されており、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間(連続変身演出の期間)において、前記所定の演出を時間的に重複させずに順次実行するとともに、前記所定の演出の前記受入期間において、前記演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が、前記固定時間演出が完了するまでに要する前記所定の時間(2秒)になった場合には、前記入力操作の態様が前記所定の条件を満たしていなくても、当該受入期間を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB3によれば、演出実行可能期間において、所定の演出を時間的に重複させずに順次実行するので、所定の演出が何回実行されるのかといった期待感を遊技者に与えることができる。さらに、所定の演出の受入期間において、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が、固定時間演出が完了するまでに要する所定の時間になった場合には、入力操作の態様が所定の条件を満たしていなくても、当該受入期間を終了させるので、演出実行可能期間が終了するタイミングに合わせて固定時間演出を完了させることができる。
例えば、仮に、所定の演出の受入期間において、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が、固定時間演出が完了するまでに要する所定の時間(2秒)になった場合であっても当該受入期間を終了させない構成を採用した場合には、演出実行可能期間が終了するタイミングとなっても固定時間演出が実行されていなかったり、固定時間演出の実行中に演出実行可能期間が終了してしまい、当該固定時間演出が完了せずに途中で終了してしまうことになる。この結果、遊技者に対して、違和感や不信感を与えてしまう虞がある。
これに対して、特徴βB3によれば、所定の演出の受入期間において、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が、固定時間演出が完了するまでに要する所定の時間になった場合には、入力操作の態様が所定の条件を満たしていなくても、当該受入期間を終了させるので、遊技者に違和感や不信感を与えることなく、演出実行可能期間が終了するタイミングに合わせて固定時間演出を完了させることができる。
<特徴βC群>
特徴βC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴βC1]
演出を実行する演出実行手段と、
所定のタイミング(連続変身演出の期間が終了するタイミング)までの残り時間を取得する取得手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定のタイミングまでの残り時間に基づいて、実行する演出の内容を決定する(次の変身演出を実行するのか終了演出を実行するのかを決定する、コンプリート演出を実行するのかスペシャルコンプリート演出を実行するのかを決定する)
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC1によれば、所定のタイミングまでの残り時間を取得するとともに、当該所定のタイミングまでの残り時間に基づいて、実行する演出の内容を決定するので、所定のタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることが可能となる。具体的には、例えば、所定のタイミングまでの残り時間が3秒であった場合に、当該3秒では遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできない演出(上記実施形態では、遊技者に違和感を与えることなく完了させるには最低でも5秒を要する変身演出)ではなく、当該3秒でも遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできる演出(上記実施形態では、どのタイミングで終了させても遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできる終了演出)を、実行する演出の内容として決定することが可能となるので、所定のタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βC2]
特徴βC1に記載の遊技機であって、
演出(変身演出)を実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを所定の長さに設定する設定手段を備え、
前記取得手段は、前記演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間を取得し、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて、当該演出実行可能期間において実行する演出の内容を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC2によれば、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間に基づいて、当該演出実行可能期間において実行する演出の内容を決定するので、当該演出実行可能期間が終了するタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることが可能となる。具体的には、例えば、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が3秒であった場合に、当該3秒では遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできない演出(上記実施形態では、遊技者に違和感を与えることなく完了させるには最低でも5秒を要する変身演出)ではなく、当該3秒でも遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできる演出(上記実施形態では、どのタイミングで終了させても遊技者に違和感を与えることなく完了させることのできる終了演出)を、実行する演出の内容として決定することが可能となるので、演出実行可能期間が終了するタイミングにおいて遊技者に違和感を与えることなく演出を終了させることができる。
[特徴βC3]
特徴βC2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記演出実行可能期間(連続変身演出の期間)において、完了させるのに所定の時間を要する所定の演出(完了させるのに最低でも5秒を要する変身演出)を時間的に重複させずに順次実行するとともに、前記演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が前記所定の演出を完了させるのに要する前記所定の時間(5秒)よりも短い場合には、完了させるのに前記所定の時間を要さない演出(終了演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βC3によれば、演出実行可能期間において、完了させるのに所定の時間を要する所定の演出を時間的に重複させずに順次実行するので、所定の演出が何回実行されるのかといった期待感を遊技者に与えることができる。そして、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が所定の演出を完了させるのに要する所定の時間よりも短い場合には、所定の演出ではなく、完了させるのに所定の時間を要さない演出を実行するので、演出実行可能期間が終了するタイミングに合わせて当該演出を完了させることができる。
例えば、仮に、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が所定の演出を完了させるのに要する所定の時間(5秒)よりも短い場合であっても、所定の演出を実行する構成を採用した場合には、所定の演出の実行中に演出実行可能期間が終了してしまい、当該所定の演出が完了せずに途中で終了してしまう。この結果、遊技者に対して、違和感や不信感を与えてしまう虞がある。
これに対して、特徴βC3によれば、演出実行可能期間が終了するタイミングまでの残り時間が所定の演出を完了させるのに要する所定の時間(5秒)よりも短い場合には、所定の演出ではなく、完了させるのに所定の時間を要さない演出を実行するので、遊技者に違和感や不信感を与えることなく、演出実行可能期間が終了するタイミングに合わせて当該演出を完了させることができる。
<特徴βD群>
特徴βD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴βD1]
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)と、
前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含む所定の演出(変身演出)を時間的に重複させずに順次実行可能な演出実行手段と、
順次実行可能な前記所定の演出の上限回数を設定する(連続変身演出Aにおいて実行可能な変身演出の上限回数を10回に設定する、連続変身演出Bにおいて実行可能な変身演出の上限回数を9回に設定する)とともに、前記受入期間における前記入力操作の態様が所定の条件を満たさない場合(遊技者が演出操作ボタン24を押下しない場合)には前記所定の演出の実行回数が前記設定した上限回数に達しないように制御する演出制御手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βD1によれば、順次実行可能な所定の演出の上限回数を設定するとともに、受入期間における入力操作の態様が所定の条件を満たさない場合には所定の演出の実行回数が上限回数に達しないように制御するので、遊技者が今回実行される所定の演出の上限回数を知るためには、所定の演出の受入期間における入力操作の態様が所定の条件を満たすように、操作受入手段を操作する必要がある。したがって、遊技者に対して、入力操作の態様が所定の条件を満たすように操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。
例えば、順次実行可能な所定の演出の上限回数が多いほど、大当たりに当選している可能性(期待度、信頼度)が高くなるように構成されている遊技機においては、遊技者は、順次実行可能な所定の演出の上限回数を知りたいといった欲求を抱くことになる。そして、上限回数を知りたいといった欲求を抱いた遊技者は、所定の演出の実行回数が上限回数に達するように、操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者に対して、入力操作の態様が所定の条件を満たすように操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴βE群>
特徴βE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第15実施形態から抽出される。
[特徴βE1]
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン24)と、
前記入力操作を受け入れ可能な期間である受入期間(変身待機演出=操作受入期間)を含む所定の演出(変身演出)を時間的に重複させずに順次実行可能な演出実行手段と、
前記所定の演出を順次実行可能な期間である演出実行可能期間(連続変身演出の期間)の時間的長さを設定する設定手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の演出の前記受入期間における前記入力操作の態様に応じて、当該所定の演出の時間的長さを変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴βE1によれば、所定の演出の受入期間における入力操作の態様に応じて当該所定の演出の時間的長さを変化させるので、演出実行可能期間が開始されてから終了するまでに実行される所定の演出の回数が変化することになる。そして、入力操作の態様によって、全ての所定の演出の時間的長さが最も短くなった場合には、当該演出実行可能期間が開始されてから終了するまでに実行される所定の演出の回数が最大となる。すなわち、演出実行可能期間に設定された時間的長さに基づいて、当該演出実行可能期間が開始されてから終了するまでに実行可能な所定の演出の上限回数が決定されることになる。遊技者が今回の演出実行可能期間が開始されてから終了するまでに実行可能な所定の演出の上限回数を知るためには、全ての所定の演出の時間的長さを最短にする必要がある。したがって、遊技者に対して、全ての所定の演出の時間的長さが最短となるように操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。
例えば、演出実行可能期間において実行可能な所定の演出の上限回数が多いほど、大当たりに当選している可能性(期待度、信頼度)が高くなるように構成されている遊技機においては、遊技者は、演出実行可能期間において実行可能な所定の演出の上限回数を知りたいといった欲求を抱くことになる。そして、上限回数を知りたいといった欲求を抱いた遊技者は、所定の演出の実行回数が上限回数に達するように、操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者に対して、積極的に操作受入手段を操作したいといった意欲を与えることができる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記特徴αY群〜特徴βE群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群から特徴Z群、上記特徴αA群〜特徴αZ群および上記特徴βA群〜特徴βE群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。