以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の図柄表示装置としての可変表示器Hを備えたセンター役物20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字を模した図柄としている。
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示(確定停止表示)された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせとなる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄組み合わせゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示(一旦停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、始動入賞口22の左方には作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図2に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口22の開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口22は開閉羽根21が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。一方、始動入賞口22は開閉羽根21が閉動作していると、入口が拡大されていないので、遊技球が入賞し難い状態とされる。そして、開閉羽根21は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口22に遊技球が入賞し易い状態と、遊技球が入賞し難い状態とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄組み合わせゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器Hに表示させて行われたり、発光表示器を発光させて行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態(有利遊技状態)を付与する機能である。すなわち、確変状態では、大当りの抽選確率が低確率である低確率状態から、大当りの抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。また、確変状態は、所定回数(100回)の図柄組み合わせゲームが行われる、又は次回の大当り遊技が開始される迄の間、付与される。確変状態は、大当り遊技の終了後から100回の図柄組み合わせゲームを確変状態の最大付与期間として付与されるようになっている。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮された時短状態(有利遊技状態)を遊技者に付与する機能である。時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、時短状態は、単位時間当りの開閉羽根21の作動率が向上する作動率向上状態である。その結果、時短状態は、単位時間当りの図柄組み合わせゲームの始動条件の成立する回数が向上する条件成立向上状態となる。この時短状態は、予め定めた回数(50回)の図柄組み合わせゲームが終了する、又は前記予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。時短状態は、大当り遊技の終了後から50回の図柄組み合わせゲームを時短状態の最大付与期間として付与されるようになっている。
そして、始動入賞口22の開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。
本実施形態では、大当り遊技の終了後、当該大当り遊技に伴う大当りが確変大当りである場合には、遊技状態として確変状態と、時短状態が同時に付与されるようになっている。確変大当りの大当り遊技の終了後において、確変状態は、その付与回数を所定回数である100回を上限とする図柄組み合わせゲームで付与されるようになっている。時短状態は、その付与回数を予め定めた回数である50回を上限とする図柄組み合わせゲームで付与されるようになっている。すなわち、確変状態が所定回数である100回の図柄組み合わせゲームに対して付与される場合、最初の50回までの図柄組み合わせゲームにおいては、時短状態と確変状態が同時に付与されている状態である一方、51回〜100回の図柄組み合わせゲームにおいては、確変状態のみが付与されている状態である。
また、本実施形態では、大当り遊技の終了後、当該大当り遊技に伴う大当りが非確変大当りである場合には、遊技状態として時短状態のみが付与されるようになっている。非確変大当りの終了後において、時短状態は、その付与回数を予め定めた回数である50回を上限とする図柄組み合わせゲームで付与されるようになっている。したがって、確変大当り及び非確変大当りに拘わらず、その大当り遊技の終了後には、必ず時短状態が50回の図柄組み合わせゲームで付与されるようになっている。
次に、パチンコ機10の制御構成について図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板26が装着されている。主制御基板26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示器Hを制御する表示制御基板27、装飾ランプ16を制御するランプ制御基板28、及びスピーカ17を制御する音声制御基板29が装着されている。そして、各制御基板27〜29は、主制御基板26が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を制御する。
以下、主制御基板26、及び表示制御基板27の具体的な構成を説明する。
主制御基板26には、メインCPU26aが備えられている。メインCPU26aには、ROM26b及びRAM26cが接続されている。また、メインCPU26aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU26aには、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU26aは、大当り判定用乱数、大当り図柄判定用乱数、確変判定用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM26cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM26bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムと、複数種類の変動パターンと、大当り判定値などが記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が確定停止表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄組み合わせゲームの開始から終了迄の変動時間が定められている。また、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターンとはずれ演出(はずれリーチ演出も含む)用の変動パターンとに分類されている。
次に、表示制御基板27について説明する。
表示制御基板27には、サブCPU27aと、ROM27bと、RAM27cとが設けられている。サブCPU27aは、実行抽選用乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM27bには、可変表示器Hの表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM27bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、ROM27bには、実行抽選用判定値が定められる抽選テーブル(図4参照)が記憶されている。実行抽選用判定値は、報知演出(示唆演出)の実行可否を決定する際に用いる値であり、乱数の取り得る値の中から定められている。また、RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(乱数、フラグ、カウント値など)が記憶(設定)されるようになっている。
報知演出は、内部的に遊技状態が確変状態であることを示唆する演出である。このため、報知演出が実行される場合、遊技者に確変状態の期待を抱かせることができるようになっている。また、本実施形態では、大当りの当選時、当該大当りとなる図柄(後述する図柄指定コマンドに指定される図柄)からは、該大当りが確変大当りであるか否かが遊技者に認識し得ないようにしている。このため、大当り遊技終了後の遊技中には、報知演出の実行により遊技者に確変状態へ期待を持たせ興趣を持続させ得るようになっている。
また、報知演出には、報知演出HAと報知演出HBの2種類の報知演出が用意されている。報知演出HAと報知演出HBは、演出内容が異なる演出となっているとともに、実行態様(実行契機)も異なるようになっている。
報知演出HAは、大当り遊技の終了後、時短状態での図柄組み合わせゲームが行われている間に、必ず(無条件で)示唆演出実行手段としての可変表示器Hで実行される演出である。そして、報知演出HAが実行されている可変表示器Hでは、「スーパーチャンスタイム」の表示をするようになっている(図6(a)参照)。
報知演出HBは、大当り遊技の終了後、時短状態の最大付与期間の経過後からの図柄組み合わせゲームが行われる間に、示唆演出実行手段としての可変表示器Hで実行され得る演出である。そして、報知演出HBが実行されている可変表示器Hでは、「チャンスタイム」の表示と、報知演出HBが継続される回数の残数を表示するようになっている(図6(c)〜(e)参照)。報知演出HBが開始される図柄組み合わせゲームでは、「あと20回」などの表示がされるようになっている。
本実施形態では、大当り遊技の終了後、確変状態とともに時短状態を付与している期間が演出期間EAとなり、確変状態のみが付与されている期間が演出期間EBとなっている。また、時短状態のみが付与されている期間が演出期間ECとなり、確変状態及び時短状態の何れも付与されていない期間が演出期間EDとなっている(図3参照)。また、演出期間EAと演出期間ECとは同じ期間長であり、演出期間EBと演出期間EDとは同じ期間長となっている。すなわち、本実施形態では、時短状態の最大付与期間が演出期間EA及び演出期間ECに対応し、確変状態の最大付与期間から時短状態の最大付与期間を減算した期間が演出期間EB(第1の抽選期間)及び演出期間ED(第2の抽選期間)に対応している。また、演出期間EAと演出期間EBを合わせた期間長、又は演出期間ECと演出期間EDを合わせた期間長が確変状態の最大付与期間に対応している。
そして、前記報知演出HAは、大当り遊技の終了後、1回目の図柄組み合わせゲーム(図3の時点T1)の開始から50回目の図柄組み合わせゲームの終了(図3の時点T2の直前)までの演出期間EA,演出期間ECで継続的に実行されるようになっている。また、報知演出HBは、大当り遊技の終了後、51回目の図柄組み合わせゲーム(図3の時点T2)の開始から100回目の図柄組み合わせゲームの終了(図3の時点T3の直前)までの演出期間EB,演出期間EDの間に実行され得るようになっている。
また、報知演出HBは、演出期間EB及び演出期間EDにおいて、ROM27bの抽選テーブルに定める当選確率でその実行可否が決定されるようになっている。また、報知演出HBは、実行可が決定された場合、その当選した図柄組み合わせゲームから20回の図柄組み合わせゲームを上限として実行されるようになっている。
次に、図3及び図4に基づきROM27bに記憶される抽選テーブルについて説明する。
図3(a)は、確変大当り終了後の各状態(確変状態及び時短状態)の態様を示し、図3(b)は、非確変大当り終了後の各状態(確変状態及び時短状態)の態様を示している。また、図3において、各状態は、付与されている場合には「あり」とし、付与されていない場合には「なし」としている。なお、図3では、各状態は、付与された場合、100回又は50回の図柄組み合わせゲームまで継続的に付与されているとする。図4には、説明のため模式的に示した抽選テーブルが示されている。
まず、本実施形態において、時短状態及び確変状態が付与される付与態様について説明する。
図3(a)に示すように、確変大当りでは、大当り遊技の終了後、演出期間EAの開始となる1回目の図柄組み合わせゲームの開始(時点T1)から確変状態と時短状態が実質的に付与されるため、時短状態と確変状態がともに「あり」となる。続いて、演出期間EAの終了となる50回目の図柄組み合わせゲームが終了(時短状態の最大付与期間が経過)すると、時短状態のみ終了される。そして、演出期間EBの開始となる51回目の図柄組み合わせゲームの開始(時点T2)から時短状態が「なし」となる。一方、確変状態は、51回目の図柄組み合わせゲームからも継続的に付与されるため、「あり」が維持される。そして、演出期間EBの終了となる100回目の図柄組み合わせゲームが終了(確変状態の最大付与期間が経過)すると、確変状態が終了されるため101回目の図柄組み合わせゲーム(時点T3)から確変状態が「なし」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態が付与されている演出期間EBをさらに複数(本実施形態では3個)の報知演出HBの実行可否を決定する抽選の当選確率が異なる区分抽選期間に区分している。そして、演出期間EBにおいて、演出期間EAが開始されてから(大当り終了後の図柄組み合わせゲームから)、51回目〜75回目(演出期間EBが開始されてから1回目〜25回目の25回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間P1となっている。また、演出期間EAが開始されてから、76回目〜90回目(演出期間EBが開始されてから26回目〜40回目の15回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間P2となっている。さらに、演出期間EAが開始されてから、91回目〜100回目(演出期間EBが開始されてから41回目〜50回目の10回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間P3となっている。
また、図3(b)に示すように、非確変大当りでは、大当り遊技の終了後、演出期間ECの開始となる1回目の図柄組み合わせゲームの開始(時点T1)から時短状態のみが付与されるため、時短状態のみが「あり」となる。なお、確変状態は、遊技状態として付与されないため「なし」となっている。続いて、演出期間ECの終了となる50回目の図柄組み合わせゲームが終了(時短状態の最大付与期間が終了)すると、時短状態が終了される。そして、演出期間EDの開始となる51回目の図柄組み合わせゲーム(時点T2)から時短状態が「なし」となる。なお、確変状態は、継続的に「なし」を維持している。
また、確変状態及び時短状態が付与されていない演出期間EDをさらに複数(本実施形態では3個)の報知演出HBの実行可否を決定する抽選の当選確率の異なる区分抽選期間に区分している。そして、演出期間EDにおいて、演出期間ECが開始されていから(大当り終了後の図柄組み合わせゲームから)、51回目〜75回目(演出期間EDが開始されてから1回目〜25回目の25回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間Q1となっている。また、演出期間ECが開始されてから、76回目〜90回目(演出期間EDが開始されてから26回目〜40回目の15回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間Q2となっている。さらに、演出期間ECが開始されてから、91回目〜100回目(演出期間EDが開始されてから41回目〜50回目の10回)の図柄組み合わせゲームが行われる期間が区分抽選期間Q3となっている。
このように付与される大当り遊技の終了後、51回目の図柄組み合わせゲーム(時点T2)から、75回目の図柄組み合わせゲーム(時点T4の直前)において、確変状態(高確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Aにより40/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。一方、非確変状態(低確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Dにより1/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。
また、大当り遊技の終了後、76回目の図柄組み合わせゲーム(時点T4)から、90回目の図柄組み合わせゲーム(時点T5の直前)において、確変状態(高確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Bにより20/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。一方、非確変状態(低確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Eにより10/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。
さらに、大当り遊技の終了後、91回目の図柄組み合わせゲーム(時点T5)から、100回目の図柄組み合わせゲーム(時点T3の直前)において、確変状態(高確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Cにより2/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。一方、非確変状態(低確率)の場合、図4の抽選テーブルに従い、抽選Fにより20/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。
また、確変状態の場合、演出期間EB全体を通して62/255の確率で報知演出HBの実行可が決定される一方で、非確変状態の場合、演出期間EB全体を通して31/255の確率で報知演出HBの実行可が決定されるようになっている。また、本実施形態のパチンコ機10では、大当り時に確変大当りとなる割合を1/2(50%の割合で非確変大当り)としている。このため、確変状態である場合には、非確変状態である場合に比較して2倍の確率で報知演出HBが実行可とされるようになっている。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り遊技の終了後、時点T2から時点T3に至るまでの演出期間EBにおいて、確変状態である場合には非確変状態である場合に比較して報知演出が実行され易い(実行可となる確率が高い)ようになっている。すなわち、確変状態である場合には、非確変状態に比較して遊技者に対し確変状態が付与されていることが示唆され易いようになっている。また、確変状態時に報知演出HBが実行可とされる確率62/255は、非確変状態時に報知演出HBが実行可とされる確率の2倍に設定されているため、確変状態時に大当りとなる1/30よりも遥かに高い。すなわち、確変状態時に大当りに当選する場合より、報知演出HBが実行される可能性が高い。確変状態時には、大当りに当選することなく終了される確変状態であっても、報知演出HBが実行される現象が起こり易くなっている。
また、本実施形態では、確変状態時には(演出期間EBでは)、演出期間EBの開始に近い区分抽選期間(区分抽選期間P1)ほど報知演出HBが実行される可能性(確率)を高く設定し、演出期間EBの終了に近い区分抽選区間(区分抽選期間P3)ほど報知演出HBが実行される可能性(確率)を低く設定している。すなわち、確変状態である場合には、区分抽選期間P3(抽選C)<区分抽選期間P2(抽選B)<区分抽選期間P1(抽選A)の順に報知演出HBが実行され易くなっている。
一方、非確変状態時には(演出期間EDでは)、演出期間EDの開始に近い区分抽選期間(区分抽選期間Q1)ほど報知演出HBが実行される可能性(確率)を低く設定し、演出期間EDの終了に近い区分抽選期間(区分抽選期間Q3)ほど報知演出HBが実行される可能性(確率)を高く設定している。すなわち、非確変状態である場合には、区分抽選期間Q1(抽選D)<区分抽選期間Q2(抽選E)<区分抽選期間Q3(抽選F)の順に報知演出HBが実行され易くなっている。
なお、図4に示すように、確変状態時において、時点T5の91回目の図柄組み合わせゲーム以降の報知演出HBの実行可を決定する確率を低下させることで、確変状態時に報知演出HBが実行された場合、20回の継続的な報知演出HBが100回目(確変状態の最大付与期間)を跨いで実行され続けることを抑制している。
また、本実施形態では、報知演出HAにより、時短状態と確変状態の両方が付与されていることを示唆し、報知演出HBにより、時短状態は終了しているが確変状態は継続して付与されていることを示唆するようになっている。
以下、主制御基板26(メインCPU26a)、表示制御基板27(サブCPU27a)が実行する制御内容を図3〜図6に基づき説明する。
最初に主制御基板26(メインCPU26a)がメイン制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
メインCPU26aは、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、大当り判定用乱数の値と大当り図柄判定用乱数の値をRAM26cから読み出し、RAM26cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU26aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM26cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM26bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定(大当り判定)する。メインCPU26aは、確変状態が付与されていない低確率状態時は大当りの抽選確率を通常確率である低確率(300分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。
そして、メインCPU26aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU26aは、大当り判定用乱数の値とともにRAM26cに記憶した大当り図柄判定用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた図柄を大当り図柄として決定する。大当り図柄は、最終的に確定停止表示される大当りの図柄組み合わせを形成する図柄である。また、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
また、メインCPU26aは、確変判定用乱数の値を読み出し、該値に基づき大当り遊技の終了後に確変状態を付与する確変大当りとするか、確変状態を付与しない非確変大当りとするかの確変判定を実行する。確変判定によって、肯定判定される場合、メインCPU26aは、確変大当りを決定するとともに、RAM26cに確変大当りを決定したことを示す情報(フラグなど)を設定する。また、確変判定によって否定判定される場合、メインCPU26aは、非確変大当りを決定するとともに、RAM26cに非確変大当りを決定したことを示す情報(フラグなど)を設定する。
一方、メインCPU26aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU26aは、はずれ図柄を決定する。はずれ図柄は、最終的に確定停止表示されるはずれの図柄組み合わせを形成する図柄である。また、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づきはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
図柄及び変動パターンを決定したメインCPU26aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで各制御基板27〜29(表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29)に出力する。具体的に言えば、メインCPU26aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU26aは、各列の図柄を指示する図柄指定コマンドを出力する。その後、メインCPU26aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、各列の図柄の停止(確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU26aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口24の開閉)を実行する。そして、メインCPU26aは、大当り遊技の終了後にRAM26cを参照し、大当りが確変大当りであるか非確変大当りであるかを確認する。
また、メインCPU26aは、RAM26cに確変大当りを示す情報が設定されている場合には、大当り抽選の当選確率を高確率である高確率状態(確変状態)に移行させるとともに、時短状態に移行させる。また、メインCPU26aは、RAM26cに非確変大当りを示す情報が設定されている場合には、大当り抽選の当選確率を低確率である低確率状態に移行させるとともに、時短状態に移行させる。そして、メインCPU26aは、確変状態を開始する場合、所定回数である100回の図柄組み合わせゲームを確変状態の最大付与期間として、確変状態を継続的に付与する。また、メインCPU26aは、時短状態を開始する場合、予め定めた回数である50回の図柄組み合わせゲームを時短状態の最大付与期間として、時短状態を継続的に付与する。
そして、メインCPU26aは、確変状態の開始時(大当り終了後から確変状態による1回目の図柄組み合わせゲームの開始時)、確変状態による図柄組み合わせゲームを開始させることを指示する確変開始コマンドを各制御基板27〜29に出力する。一方、メインCPU26aは、確変状態の終了時(確変状態が開始されてから最終(100回目)の図柄組み合わせゲームの終了時、又は大当り遊技の開始時)、確変状態による図柄組み合わせゲームを終了させることを指示する確変終了コマンドを出力する。また、メインCPU26aは、時短状態の開始時(大当り終了後から時短状態による1回目の図柄組み合わせゲームの開始時)、時短状態による図柄組み合わせゲームを開始させることを指示する時短開始コマンドを各制御基板27〜29に出力する。一方、メインCPU26aは、時短状態の終了時(時短状態が開始されてから最終(50回目)の図柄組み合わせゲームの終了時、又は大当り遊技の開始時)、時短状態による図柄組み合わせゲームを終了させることを指示する時短終了コマンドを出力する。
また、メインCPU26aは、大当り遊技終了後から行われる図柄組み合わせゲームのゲーム回数をカウントしている。そして、メインCPU26aは、そのゲーム回数に基づき、確変状態の終了及び時短状態の終了を把握している。本実施形態では、メインCPU26aが大当り抽選手段として機能するとともに、確変状態及び時短状態の制御を実行する状態制御手段として機能する。
本実施形態のパチンコ機10では、確変大当りの場合、確変状態と時短状態が同じタイミングで開始される。そして、確変状態と時短状態とは、異なるタイミング(100回目の図柄組み合わせゲームの終了時と50回目の図柄組み合わせゲームの終了時)で終了されるようになっている(図3(a)参照)。すなわち、時短状態は、確変状態よりも早く終了され、その終了後から確変状態のみが継続されている状態となる。
また、本実施形態では、メインCPU26aによって、前記確変判定が肯定判定されることを所定条件の成立として、確変大当りが決定される。また、メインCPU26aによって、前記確変判定が否定判定されることを所定条件が成立していないとして、非確変大当りが決定される。すなわち、大当り時、大当り図柄判定用乱数で決定する図柄(可変表示器Hに確定表示される図柄組み合わせ)と対応させることなく、確変判定により確変大当りであるか否かが決定される。したがって、遊技者は、今回の大当りが確変大当りであるか否かを該図柄の種類から認識し得ないようになっている。
次に表示制御基板27(サブCPU27a)が演出制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU27aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンに対応するゲーム内容で図柄組み合わせゲーム(表示演出)を実行させるように可変表示器Hを制御する。そして、サブCPU27aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指示された図柄に対応する図柄組み合わせを可変表示器Hに表示させる。
また、サブCPU27aは、確変開始コマンドを入力すると、RAM27cに確変状態が開始されたことを示す情報(フラグなど)を設定(記憶)する。また、サブCPU27aは、時短開始コマンドを入力すると、RAM27cに時短状態が開始されたことを示す情報(フラグなど)を設定(記憶)する。本実施形態において、サブCPU27aは、RAM27cに設定される情報により遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか認識している。
一方、サブCPU27aは、確変終了コマンドを入力すると、RAM27cに設定されている確変状態が開始されたことを示す情報をクリアする。また、サブCPU27aは、時短終了コマンドを入力すると、RAM27cに設定されている時短状態が開始されたことを示す情報をクリアする。本実施形態において、サブCPU27aは、確変開始コマンドの入力後、確変状態の最大付与期間が経過する(確変終了コマンドの入力時)迄の間、該確変開始コマンドを有効とし確変状態に関する情報(フラグなど)を継続して設定するようになっている。また、サブCPU27aは、時短開始コマンドの入力後、時短状態の最大付与期間が経過する(時短終了コマンドの入力時)迄の間、該時短開始コマンドを有効とし時短状態に関する情報(フラグなど)を継続して設定するようになっている。
次に、大当り遊技の終了後の図柄組み合わせゲームにおいて、報知演出HA及び報知演出HBを実行するためサブCPU27aが実行する報知演出表示処理について説明する。なお、報知演出表示処理は、電源投入後、最初の大当りまでを含む全ての図柄組み合わせゲームにおいて実行される。また、報知演出表示処理の実行に関するプログラムは、演出制御プログラムの一つとしてROM27bに記憶されている。
サブCPU27aは、変動パターン指定コマンドを入力し、当該変動パターン指定コマンドに指定される図柄組み合わせゲームの開始時、報知演出表示処理(図5参照)を実行する。
サブCPU27aは、報知演出表示処理において、これから行われる図柄組み合わせゲームが大当り終了後の1回目であるか否かを判定する(ステップS10)。サブCPU27aは、大当り遊技の終了を示すエンディング指定コマンドの入力直後であるか否かを判定することにより、大当り終了後の1回目の図柄組み合わせゲームであるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(大当り終了後の1回目の図柄組み合わせゲームでない場合)、サブCPU27aは、ステップS13に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定の場合(大当り終了後の1回目の図柄組み合わせゲームである場合)、サブCPU27aは、RAM27cに記憶されていて、大当りの終了後から経過した図柄組み合わせゲームの回数がカウントされる変動回数(実行回数)Kを「0」にリセットする(ステップS11)。変動回数Kは、サブCPU27aによって、大当り終了後から経過した図柄組み合わせゲームとして計数され、大当りとなったことを契機に「0」にリセットされるようになっている。
続いて、サブCPU27aは、大当り終了後の1回目の図柄組み合わせゲームを開始させるため、同時に報知演出HAも実行させる。このため、サブCPU27aは、可変表示器Hに報知演出HAを実行させるように制御する(ステップS12)。続いて、サブCPU27aは、ステップS13に移行する。
ステップS13に移行したサブCPU27aは、RAM27cに記憶される変動回数Kを+1して更新する(ステップS13)。続いて、サブCPU27aは、報知演出HA,HBのいずれかが実行中であるか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果が肯定の場合(報知演出HA,HBのいずれかが実行中である場合)、サブCPU27aは、報知演出表示処理を終了する。
本実施形態において、サブCPU27aは、報知演出HA,HBを実行させる場合、可変表示器Hを制御するとともに、報知演出HA,HBが実行されていることを示す情報(フラグなど)をRAM27cに設定している。そして、サブCPU27aは、その情報に基づき報知演出HA,HBが実行中であるか否かを判定する。
一方、ステップS14の判定結果が否定の場合(報知演出HA,HBのいずれも実行中でない場合)、サブCPU27aは、RAM27cに記憶される変動回数Kが76回以上であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果が否定の場合(変動回数K<76の場合)、サブCPU27aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Aに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS17)。なお、本実施形態では、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドの入力時が、報知演出HBの抽選契機となっている。続いて、サブCPU27aは、ステップS19に移行する。
一方、ステップS16の判定結果が否定の場合(非確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Dに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS18)。続いて、サブCPU27aは、ステップS19に移行する。サブCPU27aは、抽選A及び抽選Dでは、実行抽選用乱数をRAM27cから取得し、ROM27bの実行抽選用判定値と比較してその当選か否かを決定する。
本実施形態のパチンコ機10において、実行抽選用判定値は、実行抽選用乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜254(全255通りの整数)」)の中から定められている。なお、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Aに指定される実行抽選用乱数値を全40通りの整数とした場合、抽選Aによる当選確率は、40/255に設定される。また、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Dに指定される実行抽選用乱数値を全1通りの整数とした場合、抽選Dによる当選確率は、1/255に設定される。
ステップS19に移行したサブCPU27aは、ステップS17の抽選Aを実行した場合には、当該抽選Aに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する。また、サブCPU27aは、ステップS18の抽選Dを実行した場合には、当該抽選Dに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19の判定結果が肯定の場合(実行抽選に当選する場合)、サブCPU27aは、可変表示器Hに報知演出HBを実行させる(ステップS20)。一方、ステップS19の判定結果が否定の場合(実行抽選に当選しない場合)、サブCPU27aは、報知演出表示処理を終了する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定の場合(変動回数K≧76の場合)、サブCPU27aは、RAM27cに記憶される変動回数Kが91回以上であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定の場合(変動回数K<91の場合)、サブCPU27aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Bに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS23)。続いて、サブCPU27aは、ステップS25に移行する。一方、ステップS22の判定結果が否定の場合(非確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Eに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS24)。続いて、サブCPU27aは、ステップS25に移行する。
本実施形態のパチンコ機10において、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Bに指定される実行抽選用乱数値を全20通りの整数とした場合、抽選Bによる当選確率は、20/255に設定される。また、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Eに指定される実行抽選用乱数値を全10通りの整数とした場合、抽選Eによる当選確率は、10/255に設定される。
ステップS25に移行したサブCPU27aは、ステップS23の抽選Bを実行した場合には、当該抽選Bに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する。また、サブCPU27aは、ステップS24の抽選Eを実行した場合には、当該抽選Eに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定結果が肯定の場合(実行抽選に当選する場合)、サブCPU27aは、可変表示器Hに報知演出HBを実行させる(ステップS26)。一方、ステップS25の判定結果が否定の場合(実行抽選に当選しない場合)、サブCPU27aは、報知演出表示処理を終了する。
また、ステップS21の判定結果が肯定の場合(変動回数≧91の場合)、サブCPU27aは、RAM27cに記憶される変動回数Kが101回以上であるか否かを判定する(ステップS27)。この判定結果が肯定の場合(変動回数≧101の場合)、サブCPU27aは、確変状態も時短状態も付与されていないため、表示演出表示処理を終了する。
一方、ステップS27の判定結果が否定の場合(変動回数K<101の場合)、サブCPU27aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS28)。この判定結果が肯定の場合(確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Cに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS29)。続いて、サブCPU27aは、ステップS31に移行する。一方、ステップS28の判定結果が否定の場合(非確変状態である場合)、サブCPU27aは、抽選Fに基づき報知演出HBの実行可否の抽選を実行する(ステップS30)。続いて、サブCPU27aは、ステップS31に移行する。
本実施形態のパチンコ機10において、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Cに指定される実行抽選用乱数値を全2通りの整数とした場合、抽選Cによる当選確率は、2/255に設定される。また、実行抽選用乱数の値を全255通りの整数とし、抽選Fに指定される実行抽選用乱数値を全20通りの整数とした場合、抽選Fによる当選確率は、20/255に設定される。
ステップS31に移行したサブCPU27aは、ステップS29の抽選Cを実行した場合には、当該抽選Cに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する。また、サブCPU27aは、ステップS30の抽選Fを実行した場合には、当該抽選Fに当選しているか否かを判定し、実行抽選に当選しているか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定結果が肯定の場合(実行抽選に当選する場合)、サブCPU27aは、可変表示器Hに報知演出HBを実行させる(ステップS32)。一方、ステップS31の判定結果が否定の場合(実行抽選に当選しない場合)、サブCPU27aは、報知演出表示処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10のサブCPU27aは、報知演出表示処理において、報知演出HAを実行させる場合、時短終了コマンドを入力するまでの間、継続的に実行させるように制御する。そして、サブCPU27aは、時短終了コマンドの入力を契機に、報知演出HAの実行を終了させるように制御するとともに、RAM27cに設定されている報知演出HAの実行に関する情報をクリアする。
また、サブCPU27aは、報知演出表示処理において、報知演出HBを実行させた場合、実行と同時にRAM27cに記憶される残り回数(残数)Mに「20」をセットし、当該残り回数Mの値が「0」になる又は大当りとなるまでの間、継続的に報知演出HBを実行させるように制御する。そして、サブCPU27aは、残り回数Mが「0」となる又は大当りとなることを契機に、報知演出HBの実行を終了させるように制御するとともに、RAM27cに設定されている報知演出HBの実行に関する情報をクリアする。残り回数Mは、サブCPU27aによって、図柄組み合わせゲームの終了時、1ずつ減算されるようになっている。また、サブCPU27aは、報知演出HBを実行させる場合、報知演出HB用の表示演出と同時に残り回数Mの値も表示させるように可変表示器Hを制御する。なお、サブCPU27aは、確変終了コマンドを入力しても当該コマンドを以って報知演出HBを終了させず、残り回数Mが「0」となることで報知演出HBを終了させる。
本実施形態のパチンコ機10において、実行抽選は、時短状態の終了後から確変状態の最大付与期間に相当する期間が終了するまでの51回目〜100回目の図柄組み合わせゲームであって、報知演出HBが実行されていない場合の毎ゲームで行われるようになっている。なお、演出期間EB及び演出期間EDにおいて、一度も実行抽選に当選することなく報知演出HBが実行されない状態も存在する。
また、サブCPU27aは、報知演出HAが実行されていることを示す情報をRAM27cに設定している間(変動回数Kにより当該変動回数Kの値が50以下の間)、遊技状態として時短状態が付与されていることを把握している。すなわち、サブCPU27aは、報知演出表示処理のステップS14で報知演出HAが実行されていると判定する間、時短状態が付与されていると判定する。また、サブCPU27aは、報知演出表示処理のステップS16、ステップS22及びステップS28で確変状態であるか否かを判定し、当該判定において肯定判定する間、確変状態が付与されていると判定する。一方、サブCPU27aは、前記判定において否定判定する間、確変状態が付与されていないと判定する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10において、サブCPU27aは、確変大当り終了後の1回目〜50回目の図柄組み合わせゲームで確変状態及び時短状態が付与されていると判定し、51回目〜100回目の図柄組み合わせゲームで確変状態のみが付与されていると判定する。一方、サブCPU27aは、非確変大当り終了後の1回目〜50回目の図柄組み合わせゲームで時短状態のみが付与されていると判定し、51回目〜100回目の図柄組み合わせゲームで確変状態及び時短状態のいずれも付与されていないと判定する。すなわち、サブCPU27aは、状態判定手段として機能する。
また、本実施形態において、可変表示器Hに報知演出HA,HBの実行を指示するサブCPU27aが演出制御手段として機能する。さらに、変動回数Kを更新するサブCPU27aと、該変動回数Kを記憶するRAM27cがカウント手段として機能する。また、変動回数Kに基づき実行抽選を行うサブCPU27aが示唆演出抽選手段及びカウント判定手段として機能する。
次に、報知演出HA及び報知演出HBが実行される場合、可変表示器Hでの演出態様を図3及び図6に基づき説明する。
図6には、図柄が変動している様子が可変表示器H内の下向き矢印により示されている。図6(a)は、報知演出HAの実行画面を示し、図6(b)及び図6(f)は、通常画面(報知演出HA,HBが実行されていない場面)を示し、図6(c)〜(e)は、報知演出HBの実行画面を示している。また、図6では、大当り終了後、大当りに当選することなく図柄組み合わせゲームが継続していることを前提とし、演出期間EB(51回目〜100回目の区分抽選期間P1〜P3の図柄組み合わせゲーム)において、当該期間中の途中で実行抽選に当選することを前提としている。
大当り終了後の1回目の図柄組み合わせゲーム(時点T1)において、報知演出HAの演出内容で表示演出が実行される。そして、可変表示器Hでは、「スーパーチャンスタイム」の表示演出が実行される(図6(a))。そして、50回の図柄組み合わせゲームが終了すると、演出期間EAが終了し、演出期間EBに突入する。大当り終了後の50回目の図柄組み合わせゲームの終了を以って、報知演出HAの表示演出が終了される。このため、51回目の図柄組み合わせゲーム(時点T2)における可変表示器Hでは、報知演出HAが終了され、「スーパーチャンスタイム」が表示されていない通常時画面となる。
続いて、演出期間EBにおいて、実行抽選に当選した場合、報知演出HBの演出内容で表示演出が実行される。そして、可変表示器Hでは、「チャンスタイム」の表示演出が実行されるとともに、報知演出HBが実行される図柄組み合わせゲームの残り回数Mが表示されるようになっている(図6(c)〜(f))。そして、報知演出HBの残り回数Mが20回の場合、「あと20回」と表示され(図6(c))、残り回数Mが19回の場合、「あと19回」と表示され(図6(d))、図柄組み合わせゲームが経過する毎に回数が減少していくようになっている。そして、報知演出HBの残り回数Mが1回の場合、可変表示器Hでは、「あと1回」の表示がされ(図6(e))、次の図柄組み合わせゲームから報知演出HBの表示演出が終了される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)サブCPU27aは、報知演出表示処理において、確変状態及び時短状態が付与されている(両方の有利遊技状態が付与されている)と判定する場合、報知演出HAを継続的に実行させる。また、サブCPU27aは、確変状態又は時短状態のいずれか一方が付与されている(両方の有利遊技状態が付与されていない)と判定する場合にも、報知演出HBを実行させる可能性がある。このため、時短状態が終了され、確変状態のみが付与されている場合、報知演出HBが実行されることにより、確変状態への期待を遊技者に持たせることができる。すなわち、報知演出HAが継続的に実行されていない場合においても、報知演出HBが実行されることへ遊技者に期待を持たせ遊技に対する継続意欲を向上させることができる。したがって、確変状態が付与されているにも拘わらず、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
(2)確変状態中は、大当りの当選確率が低確率から高確率に変動し大当りに当選する確率自体が向上するため、時短状態に比較して遊技者にとってより有利な遊技状態となり得る。このため、時短状態の終了後、演出期間EB(第1の抽選期間)では、示唆演出が実行されることへより遊技者に期待を持たせることができる。したがって、遊技者の継続意欲をさらに向上させることができる。
(3)さらに、演出期間EBでは、演出期間EBの開始に近い区分抽選期間(区分抽選期間P1)ほど実行抽選に当選し易くしているため、より早い段階で確変状態への期待を遊技者に持たせることができる。また、演出期間EBの終了に近づく区分抽選期間(区分抽選期間P3)ほど実行抽選に当選し難くしているため、確変状態が終了に近づいていることをも示唆することができる。したがって、示唆演出の出現と遊技状態を関連させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
(4)確変判定により否定判定され(所定条件が成立しておらず)、確変状態が付与されていない場合においても、確変判定により肯定判定され(所定条件が成立している)確変状態が付与されている場合同様に、報知演出HBが実行される可能性がある。このため、確変状態が付与されているか否かに拘わらず確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。したがって、確変状態が付与されていない場合にも、遊技者の遊技に対する継続意欲を向上させることができる。
(5)さらに、演出期間EDでは(第2の抽選期間では)、当該演出期間EDの終了に近い区分抽選期間(区分抽選期間Q3)ほど実行抽選に当選し易くしているため、遊技が進行するにつれて遊技者の確変状態への期待を向上させることができる。したがって、演出期間EDにおいて、確変状態でない場合にも、遊技が進むにつれ遊技者の遊技に対する継続意欲を上昇させることができる。
(6)確変状態に比較して、時短状態の方が早く(大当り終了後、少ないゲーム数で)終了されるようにした。また、確変状態中は、大当りの当選確率が低確率から高確率に変動し大当りに当選する確率自体が向上するため、時短状態に比較して遊技者にとってより有利な遊技状態となり得る。このため、演出期間EAの終了後(時短状態の終了後)、演出期間EBでは、報知演出が実行されることに対し、より遊技者に期待を持たせることができる。したがって、遊技者の継続意欲をさらに向上させることができる。
(7)確変状態が付与されていない場合においても、確変状態が付与されている場合同様に、報知演出が実行される可能性がある。このため、確変状態が付与されていない場合においても、確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。したがって、確変状態が付与されていない場合にも、遊技者の遊技に対する継続意欲を向上させることができる。その結果、遊技機の稼働率を上昇させることができる。
(8)確変状態のみが付与されている場合(演出期間EB)には、確変状態及び時短状態の何れも付与されていない場合(演出期間ED)に比較して、実行抽選により報知演出HBを実行可とする確率が高くなるようにした。このため、確変状態のみが付与されている場合には、確変状態及び時短状態が付与されていない場合に比較して早期に報知演出HBが実行される可能性が高くなる。すなわち、確変状態が付与されている場合、一早く遊技者に確変状態へ期待を持たせることで、時短状態の終了に伴う遊技に対する継続意欲の低下を抑制することができる。したがって、確変状態が付与されているにも拘わらず、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
(9)実行抽選により報知演出HBが実行可とされる可能性を変動回数K(カウント値)に基づく区分抽選期間毎に異ならせた。大当り終了後に確変状態が付与されている場合には、演出期間EBの開始に近いほど(時短状態の終了後ほど)報知演出HBが実行され易いという傾向を創り出すことができる。また、演出期間EDの終了に近いほど(確変状態の終了に近いほど)報知演出HBが実行され難いという傾向を創り出すことができる。すなわち、時短状態の終了後、報知演出HBの出現態様の傾向から確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。
(10)確変状態でない場合には、確変状態である場合に比較して、報知演出HBが実行され難い(実行抽選に当選し難い)ため、遊技者の確変状態への期待を低下させてしまう場合もある。しかし、演出期間EDの終了に近づく(区分抽選期間Q3に近づく)につれ、報知演出HBが実行され易くすることにより、再び遊技者の確変状態への期待を向上させることができる。したがって、内部的に確変状態でない場合にも、遊技が進むにつれ遊技者の遊技に対する継続意欲を上昇させることができる。
(11)確変状態が付与されており、演出期間EBの終了に近い区分抽選期間P3において、報知演出HBは、区分抽選期間P1,P2に比較して実行され難いようになっている。例えば、確変状態の最大付与回数である100回を超える図柄組み合わせゲームにおいて、報知演出HBにより確変状態であることを示唆しても、遊技者の演出に対する期待を低下させてしまうだけである。このため、報知演出HBが100回目の図柄組み合わせゲームを跨ぎ難いようにすることで、遊技者の報知演出に対する期待を低下させてしまうことを抑制することができる。
(12)また、報知演出HBの出現態様は、実行抽選によるものであるためランダムである。すなわち、報知演出HBの実行タイミングや実行回数などの出現態様を予め定めた実行パターンを用意する必要がない。また、実行パターンを用意しなくとも、複数の前記出現態様が発生し得る。このため、実行パターンを新たに用意することで、ROM27bに負担を掛けることなく、出現態様にバリエーションを持たせることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態は、時間により付与期間を決定し、決定時間が経過する迄の間、時短状態又は確変状態を付与するようにしても良い。この場合、メインCPU26aは、大当り終了後からの経過時間を計時するとともに、サブCPU27aは、変動回数Kの換わりに変動時間を計時するようにする。また、このような構成の場合、区分抽選期間も変動時間により区分されるようにする。例えば、確変状態の最大付与期間に対応する時間を10分とし、時短状態の最大付与期間に対応する時間を5分とした場合、大当り遊技終了後の5分経過時から7分30秒が最初の区分抽選期間P1となり、7分30秒経過時から9分を次の区分抽選期間P2となる。さらに、大当り遊技終了後の9分経過時から10分が区分抽選期間P3となる。
・本実施形態において、演出期間EB,ED(第1の抽選期間及び第2の抽選期間)は、2種類及び4種類以上の区分抽選期間に区分しても良い。この場合、各区分抽選期間毎に実行抽選の当選確率を異ならせ、確変状態時(所定条件が成立している場合)、演出期間EBの開始に近い区分抽選期間ほど実行抽選の当選確率を高く設定し、非確変状態時(所定条件が成立していない場合)、演出期間EDの終了に近い区分抽選期間ほど実行抽選の当選確率を低く設定するようにする。したがって、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
・本実施形態において、演出期間EB及び演出期間EDは、演出期間EBを複数(2以上)の区分抽選期間に区分し、演出期間EDを1つの区分抽選期間に区分するようにしても良い。また、演出期間EB及び演出期間EDは、演出期間EBを1つの区分抽選期間に区分し、演出期間EDを複数(2以上)の区分抽選期間に区分するようにしても良い。
・本実施形態において、確変状態の最大付与期間を時短状態の最大付与期間より短く設定しても良い。この場合、確変状態の方が時短状態に比べて早く終了される。また、時短状態としては、普通図柄変動ゲームの当選確率のみを向上させ、遊技者側から条件成立向上状態が継続していることを認識し得ないようにする。また、このような構成では、報知演出HBが実行されることは、時短状態が継続的に付与されていることを示唆していることとなる。
・本実施形態において、演出期間EB全体の実行抽選の当選確率は、確変状態時に比較して、非確変状態時の方が高くなるように設定しても良い。確変状態では、大当りの当選確率が向上しているため、低確率状態に比較して早い段階で大当りが発生する状態である。しかし、非確変状態では、100回の図柄組み合わせゲーム内で大当りとなる可能性は低い。すなわち、非確変状態時により報知演出HBの出現率を向上させることにより、遊技を継続する遊技者を増加させ、遊技機の稼働率を上昇させることができる。
・本実施形態において、演出期間EB全体の実行抽選の当選確率は、確変状態時と非確変状態とで同一の当選確率に設定しても良い。こうすることで、時短状態(条件成立向上状態)の終了後には、内部状態(確変状態であるか否か)に拘わらず確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。したがって、時短状態(条件成立向上状態)の終了後であっても、遊技者の遊技に対する継続意欲を上昇させることができる。
・本実施形態において、時短状態及び確変状態が付与されていない場合には、実行抽選を実行しないようにしても良い。確変状態が付与されている場合であっても、実行抽選に当選しない場合もある。このため、本別例の構成であっても、報知演出HBが実行されることに対し遊技者は期待を抱いており、遊技者の継続意欲を低下させることを抑制することができる。
・本実施形態において、実行抽選の抽選方法は、特定の変動パターンが決定された場合、その変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの入力を契機に、サブCPU27aが報知演出HBの実行を決定するようにしても良い。この場合、メインCPU26aによる変動パターンの決定が実行抽選の抽選内容となり、変動パターンの決定時である図柄組み合わせゲームの開始時が実行抽選の抽選契機となる。例えば、特定の変動パターンとして、最終的にはずれとなるリーチ演出が指定される変動パターンとする。こうすることで、図柄組み合わせゲームでは、はずれの結果となるが、報知演出HBが開始されることで遊技者の遊技に対する継続意欲の低下を抑制できる。この場合、メインCPU26aが示唆演出抽選手段となる。
・本実施形態において、特定の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの入力を契機に、サブCPU27aが実施形態と同様の手法を用いて実行抽選を行うようにしても良い。この場合、特定の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの入力が実行抽選の抽選契機となる。
・本実施形態において、主制御基板26と各制御基板27〜29の間において、主制御基板26から出力される制御信号に基づき、各制御基板27〜29を統括的に制御する統括制御基板を実装しても良い。そして、統括制御基板の備える統括CPUにより、報知演出表示処理を実行するようにしても良い。この場合、統括CPUは、報知演出実行処理に関わる処理を行うとともに、報知演出実行処理のステップS12において、報知演出HAの実行を指示する実行コマンドを表示制御基板27に出力する。また、統括CPUは、報知演出実行処理のステップS20、ステップS26及びステップS32において、報知演出HBの実行を指示する実行コマンドを表示制御基板27に出力する。また、統括CPUは、報知演出HA又は報知演出HBの終了時、各演出の終了を指示する終了コマンドを表示制御基板27に出力する。また、統括CPUは、変動回数と確変状態であるか否かの判定に基づき(ステップS14,S15,S16,S21,S22,S27,S28の判定結果に基づき)、報知演出HA及び報知演出HBの実行に拘わる処理を実行する。この場合、統括CPUが状態判定手段、示唆演出抽選手段、カウント判定手段として機能する。また、統括制御基板が備えるRAMと統括CPUがカウント手段として機能する。
・本実施形態において、特別図柄と演出用図柄(飾り図柄)を用いて図柄組み合わせゲームを行わせるようにしても良い。特別図柄は、メインCPU26aが決定する図柄であり、演出用図柄は、サブCPU27aが特別図柄に基づき決定する図柄であり、演出内容を多様化する目的で用いられる図柄である。そして、本別例において、メインCPU26aは、大当り抽選時に大当り抽選用乱数を取得するとともに、大当り図柄用乱数を取得する。メインCPU26aは、大当りの決定時、当該決定時の特別図柄(大当り図柄)により確変大当りとするか否かを判定(確変判定)している。特別図柄には、大当りが決定された場合に確変大当りとなる確変用図柄と、大当りが決定された場合に非確変大当りとなる非確変用図柄が用意されている。そして、サブCPU27aは、メインCPU26aが決定した特別図柄に基づき遊技者が確変大当りか否かを認識し得ないように演出用図柄を決定し、可変表示器Hに表示するようにする。また、特別図柄の種類を例えば0〜99の100種類とし、その中の確変図柄となる特図の個数により確変割合(大当りのうち確変大当りとなる割合)が決定される。そして、特別図柄を可変表示器H上に表示する(例えば、画面上の隅に小さく表示する)場合であっても、特別図柄の種類を増やすことで遊技者には、可変表示器H上の表示から確変大当りであるか否かを認識し得ないようにさせることができる。
・本実施形態において、メインCPU26aが大当り終了後の変動回数Kをカウントし、そのカウント結果に基づき、各種制御コマンドをサブCPU27aに出力するようにしても良い。メインCPU26aは、必ず図柄組み合わせゲームの変動回数Kをカウントしている。このため、サブCPU27aは、該変動回数Kに基づき、報知演出表示処理のステップS15,S21、S27の判定を実行しても良い。また、メインCPU26aは、カウントする変動回数Kに基づき、所定のカウント値に達しているか否かの判定を実行するようにしても良い。この場合、メインCPU26aとRAM26cがカウント判定手段として機能するとともに、メインCPU26aがカウント手段として機能する。また、こうすることで、サブCPU27aは、変動回数Kのカウントに係る制御を実行する必要がなくなるため、サブCPU27aの制御負担を軽減することができる。
・本実施形態において、報知演出HAと報知演出HBの演出内容を同一の演出内容としても良い。こうすることで、実行抽選に当選し、報知演出HBが実行される場合、遊技者には報知演出HAが実行されていた場合と同様に確変状態へ期待を抱かせることができる。すなわち、時短状態(条件成立向上状態)の終了後には、内部状態(確変状態であるか否か)に拘わらず確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。したがって、時短状態(条件成立向上状態)の終了後であっても、遊技者の遊技に対する継続意欲を上昇させることができる。
A,B,C,D,E,F…抽選、EA,EB,EC,ED…演出期間、H…可変表示器、HA,HB…報知演出、K…変動回数、P1,P2,P3,Q1,Q2,Q3…区分抽選期間、10…遊技機、26…主制御基板、26a…メインCPU、26b…ROM、26c…RAM、27…表示制御基板、27a…サブCPU、27b…ROM、27c…RAM。