以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1始動口)37aおよび第2始動入賞口(第2始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して(開いて)、第2始動入賞口37bの入口を拡大(開放)するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たり(大当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数(4ラウンド)開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部120a、120bと、特別図柄の変動時間に関するコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部130と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて当たり遊技に移行する当たり遊技制御部(当たり遊技制御手段)160と、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態を設定する遊技状態設定部(遊技状態設定手段)140と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第1特別図柄抽選部(第1電子抽選手段)119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第2特別図柄抽選部(第2電子抽選手段)119bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1保留球乱数記憶部115aと、を備えている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
第2特別図柄抽選部119bも第1特別図柄抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2保留球乱数記憶部115bと、を備えている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
なお、本実施形態では、第1保留球乱数記憶部115aと第2保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方が優先して読み出されて特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。つまり、特別図柄抽選処理部110によって、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技が、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先するような処理が行なわれているのである。
本実施形態では、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選で特図当たりに当選する確率と第2特別図柄電子抽選部119bによる電子抽選で特図当たりに当選する確率は、同じであるが、特図当たりの種類が互いに異なっている。この特図当たりの種類を決定するのが第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bである。つまり、第1特別図柄抽選部119aおよび第2特別図柄抽選部119bでは、取得した乱数が特図当たりであるか否かを判定するだけであり、特図当たりの種類が何であるかの決定は、第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bが行っている。
第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を遊技状態に応じて決定している。具体的には、第1特別図柄決定部120aは、図6の「特図1」の欄に示すように、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態、即ち、第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して抽選が行われる遊技状態の場合には、常に4R(ラウンド)出玉無し(時短なし)が決定される。一方、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態、即ち、第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して抽選が行われる遊技状態の場合には、第1特別図柄決定部120aは、4R出玉無し(時短20回)、4R出玉無し(時短40回)、4R出玉無し(時短100回)の中から抽選で特別図柄の種類を決定している。なお、この抽選でそれぞれの特図当たりが選択される確率は、順に、80%、19%、1%である(図6参照)。
一方、第2特別図柄決定部120bは、第2特別図柄抽選部119bによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定している。具体的には、第2特別図柄決定部120bは、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態(第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して抽選が行われる遊技状態)であっても、また、特別図柄高確率遊技状態(第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して抽選が行われる遊技状態)であっても、図6の「特図2」の欄に示すように、4R出玉有り(時短20回)、4R出玉有り(時短40回)、4R出玉有り(時短100回)の中から抽選で特別図柄の種類を決定している。なお、この抽選でそれぞれの特図当たりが選択される確率は、順に、55%、40%、5%である(図6参照)。
ここで、図6に示す特図当たりの内訳について説明を補足する。「4R出玉無し」当たりとは、アカッター装置41が0.2秒だけ1回開放する動作を1ラウンドとし、この動作を4R(ラウンド)行う当たり遊技が当たり遊技制御部160により提供される特図当たりのことである。この「4R出玉無し」当たりに当選すると、アタッカー装置41が開放されても、遊技球を大入賞口42に入賞させることは困難であるため、賞球の獲得が困難である。
これに対して、「4R出玉有り」当たりは、アタッカー装置41が1回開放されると、パチンコ球が大入賞口42に10個入賞するか、あるいは30秒間経過するまでの何れかの条件が成立するまで閉じることはない。そして、この1回の動作を1ラウンドとし、この動作が4R(ラウンド)行われる当たり遊技が「4R出玉有り」当たりである。よって、「4R出玉有り」当たりに当選すると、遊技者は多くの賞球を獲得できるのである。
即ち、本実施形態では、図6に示すように、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合には、その特図当たりは、全て「4R出玉無し」となり、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりに当選した場合には、その特図当たりは、全て「4R出玉有り」となる。よって、第2特別図柄抽選部119bによる電子抽選の方が、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選より多くの出玉を獲得できる点において遊技者に有利であると言える。
また、本実施形態に係るパチンコ機は、特図当たりに当選し、その当選に係る当たり遊技が終了すると、本発明の予め定めたA回に相当する40回の遊技回数を上限に、必ず特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態に設定されるようになっている。即ち、本実施形態に係るパチンコ機は、全ての特図当たりに対して当たり遊技終了後に、40回の確率変動モードが付与されるST機となっている。なお、以下の説明において、便宜上、確率変動モードが付与される回数を単に「ST回数」と言う場合があることを、ここで予め断っておく。「ST回数」を用いて本実施形態に係るパチンコ機を表現すると、本パチンコ機は、ST回数が40回のST機ということになる。
また、図6に示す「時短」は、当たり遊技終了後の所定回数のゲームにおいて、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄高確率遊技状態になる、即ち、普通図柄高確率判定テーブル175(図9参照)を参照して抽選が行われる状態になることを示している。そして、「時短なし」とは、当たり遊技終了後に、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄高確率遊技状態とならないことを示しており、「時短20回」は、当たり遊技終了後の20回のゲームにおいて、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄高確率遊技状態となることを示しており、同様に、「時短40回」は、当たり遊技終了後の40回のゲームが、「時短100回」は、当たり遊技終了後の100回のゲームが、それぞれ普通図柄高確率遊技状態となることを示している。なお、時短20回は、本発明の予め定めたB回に相当し、時短100回は、本発明の予め定めたC回に相当する。
次に、変動パターンコマンド決定部130は、図7に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第2変動パターンコマンド決定部130bとを備えて構成されている。
変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜9まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1変動パターン用乱数取得部132aと、この第1変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1変動パターン用乱数記憶部133aと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第1変動パターンコマンドテーブル134aと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第2変動パターンコマンド決定部130bも第1変動パターンコマンド決定部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2変動パターン用乱数取得部132bと、この第2変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2変動パターン用乱数記憶部133bと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第2変動パターンコマンドテーブル134bと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第1変動パターンコマンドテーブル134aには、図8に示すように、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される特図変動テーブルA(134a−1)、第1特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合に参照される特図変動テーブルB(134a−2)、および特図変動テーブルC(134a−3)の3のテーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、変動パターン用乱数が決まると、その変動パターン用乱数から変動パターンNo.(変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。
なお、第2変動パターンコマンドテーブル134bの構成は、第1変動パターンコマンドテーブル134aと同じであるため、図示およびここでの説明は省略する。また、本実施形態例では、変動パターン用乱数を0〜9までの10個、変動パターンNo.を当たり用としてNo.1〜No.10、ハズレ用としてNo.11〜No.30までとしているが、変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各特図変動テーブルA〜Cに記憶されている変動時間について説明する。まず、特図変動テーブルA(134a−1)には、30秒から120秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)には、10秒〜120秒までの変動時間が記憶されているが、特図変動テーブルA(134a−1)と比べると短い変動時間が多く含まれている。
特図変動テーブルC(134a−3)には、2秒〜45秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルC(134a−3)とを比較すると、特図変動テーブルC(134a−3)は、特図変動テーブルB(134a−2)よりも相対的に変動時間が短いテーブルである。
普通図柄抽選処理部170は、図9に示すように、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部(普通図柄抽選手段)177とを備えて構成されている。この普通図柄抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部172と、この普通図柄用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用の保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、普通図柄用乱数発生部171は、特別図柄用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。
普通図柄変動時間決定部190は、図10に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部191と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部191により発生した普図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部192と、この普図変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部193と、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル194と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普図変動パターン用乱数を取得する。
普図変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普図変動パターンコマンドテーブル194には、図示はしないが、変動時間が長いテーブルと短いテーブルの2つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンNo.(普図変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。
次に、当たり遊技制御部160は、所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部177による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技(後述する連荘ゾーンおよび好機ゾーンでの遊技)では、普通図柄抽選部177による電子抽選に当選する確率が高いため、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されている遊技(後述する通常状態、チャレンジゾーン、および引き戻しゾーンでの遊技)に比べて、電動チューリップ49が頻繁に開くので、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。しかも、電動チューリップ49が頻繁に開いて、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞するので、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技では、第2特別図柄抽選部119の抽選が優先して行われていく。
なお、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄高確率判定テーブル175が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル176が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。
続いて、本実施形態に係るパチンコ機の遊技状態について図19を参照して説明する。
(1)通常状態
「通常状態」は、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態であり、かつ、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄低確率遊技状態に設定されている。よって、「通常状態」のもとで行われる遊技区間では、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する。
「通常状態」のもとで行われる遊技は、普通図柄抽選部177による抽選で普図当たりに当選する確率が低い状態であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くことは稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、「通常状態」では、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。しかも、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選しても、全て「4R出玉無し」当たりであるため、この「通常状態」では、遊技者は賞球の獲得を殆ど期待できない。なお、パチンコ機の初期電源投入時やリセット時は、この通常状態になるように設定されている。
(2)チャレンジゾーン
「チャレンジゾーン」は、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態であり、かつ、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄低確率遊技状態に設定されている。よって、「チャレンジゾーン」の遊技区間では、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する。
「チャレンジゾーン」中の遊技は、普通図柄抽選部177による抽選で普図当たりに当選する確率が低い状態であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くことは稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、「チャレンジゾーン」では、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。しかし、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選する確率が高くなっているため、「通常状態」に比べて特図当たりに当選する可能性が高い。
そして、遊技状態が特別図柄高確率遊技状態である場合に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選すると、その当たりは「4R出玉無し」なので賞球の獲得は困難であるが、当たり遊技後に20回、40回、100回の何れかの「時短」が付く(図6参照)。よって、「チャレンジゾーン」は、次に述べる「連荘ゾーン」に移行するためのチャレンジをする遊技区間として位置づけられるものである。なお、この「チャレンジゾーン」は、40回(本発明のA回に相当)の遊技回数を上限に行われる。つまり、ST回数が40回である。
(3)連荘ゾーン
「連荘ゾーン」は、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態であり、かつ、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄高確率遊技状態に設定されている。よって、「連荘ゾーン」の遊技区間では、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する。
「連荘ゾーン」中の遊技は、普通図柄抽選部177による抽選で普図当たりに当選する確率が高い状態であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が頻繁に開き、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞する。よって、「連荘ゾーン」では、第2特別図柄抽選部119bによる電子抽選が第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選よりも優先して行われる。さらに、この「連荘ゾーン」は、特別図柄に係る電子抽選で特図当たりに当選する確率が高い状態であるため、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりに当選する確率は高い。そして、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりに当選すると、その当たりは全て「4R出玉有り」となっているので(図6参照)、この「連荘ゾーン」では、賞球の獲得が見込める。
しかも、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で当選すると、必ず当り遊技終了後に所定回数の時短が付与されるようになっている(図6参照)ため、「連荘ゾーン」で第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させて、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選し続ける限り、賞球の獲得が可能な「4R出玉有り」当たりが連荘することとなる。なお、「連荘ゾーン」は、時短回数によって最大で行える遊技回数が異なるが、時短回数が40回を超えている場合には、「連荘ゾーン」は40回までで終了となる。つまり、時短回数が20回の場合には、「連荘ゾーン」は20回となり、時短回数が40回の場合には、「連荘ゾーン」も40回となるが、時短回数が100回の場合には、「連荘ゾーン」は40回(ST回数)で強制終了することとなる。
(4)引き戻しゾーン
「引き戻しゾーン」は、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態であり、かつ、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄低確率遊技状態に設定されている。つまり、「引き戻しゾーン」は「チャレンジゾーン」と遊技状態は同じである。よって、「引き戻しゾーン」の遊技区間では、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する。
「引き戻しゾーン」中の遊技は、普通図柄抽選部177による抽選で普図当たりに当選する確率が低い状態であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くことは稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、「チャレンジゾーン」では、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。しかし、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選する確率が高くなっているため、通常状態に比べて特図当たりに当選する可能性が高い。そして、遊技状態が特別図柄高確率遊技状態である場合に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選すると、その当たりは「4R出玉無し」なので賞球の獲得は困難であるが、当たり遊技後に20回、40回、100回の何れかの「時短」が付く(図6参照)。よって、「引き戻しゾーン」は、「連荘ゾーン」から転落した後に、再び、「連荘ゾーン」を引き戻すための遊技区間として位置づけられるものである。
なお、この「引き戻しゾーン」は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態とすることのできる最大の遊技回数である40回(ST回数)から、時短回数を減算した残りの遊技回数だけ行われる。つまり、本実施形態では、時短回数が20回の場合に限って「引き戻しゾーン」があり、時短回数が40回の場合は、時短回数の終了と同時に特別図柄高確率遊技状態も終了となるため、「引き戻しゾーン」はない。また、時短回数が100回の場合にも、特別図柄高確率遊技状態が終了するのが時短回数の終了より先となるため、「引き戻しゾーン」はない。
(5)好機ゾーン
「好機ゾーン」は、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態であり、かつ、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄高確率遊技状態に設定されている。よって、「好機ゾーン」の遊技区間では、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する。
「好機ゾーン」中の遊技は、普通図柄抽選部177による抽選で普図当たりに当選する確率が高い状態であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が頻繁に開き、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞する。よって、「好機ゾーン」では、第2特別図柄抽選部119bによる電子抽選が第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選よりも優先して行われる。ところが、この「好機ゾーン」は、特別図柄に係る電子抽選で特図当たりに当選する確率が低い状態であるため、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりに当選する確率は低い。ただし、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりに当選すると、その当たりは全て「4R出玉有り」となっているので(図6参照)、この「好機ゾーン」は、賞球の獲得が見込める。
しかも、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で当選すると、必ず当り遊技終了後に所定回数の時短が付与されるようになっている(図6参照)ため、「好機ゾーン」で第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選すると、「連荘ゾーン」に移行こととなる。よって、この「好機ゾーン」は、遊技者にとってチャンスである。なお、「好機ゾーン」は、特別図柄高確率遊技状態とすることのできる最大回数である40回(本発明のA回に相当)よりも時短回数の方が多い場合に限って行われる。つまり、本実施形態では、時短回数が100回のときに限り、「好機ゾーン」が提供されることとなる。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1変動パターンコマンド決定部130aで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄決定部120aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2変動パターンコマンド決定部130bで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄決定部120bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
ここで、説明の便宜上、主制御処理部11から演出制御処理部12aに送信する特別図柄の種類に関するコマンドと変動パターンコマンドとを、以下の説明において、単に遊技コマンドと一括りにして言うことがある。
次に、この遊技コマンドの中身について説明する。遊技コマンドは、「No.?」または「No.?+図柄」の何れかで構成されている。遊技コマンドのうち「No.?」は、第1変動パターンコマンド決定部130aまたは第2変動パターンコマンド決定部130bが決定した変動パターンコマンドを示し、遊技コマンドのうち「図柄」は、第1特別図柄決定部120aまたは第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドを示している。
変動パターンNo.1〜No.10は、図8に示すように特図当たりのときに参照される特図変動テーブルA(134a−1)を用いて決定されることから、「No.1」〜「No.10」の各コマンドは当たりコマンドであり、変動パターンNo.11〜No.30は、図8に示すようにハズレのときに参照される特図変動テーブルB(134a−2)および特図変動テーブルC(134a−3)の何れかを用いて決定されることから、「No.11」〜「No.30」の各コマンドはハズレコマンドである。
また、「図柄」のコマンドは、具体的には、「4R出玉無し(時短なし)」、「4R出玉無し(時短20回)」、「4R出玉無し(時短40回)」、「4R出玉無し(時短100回)」、「4R出玉有り(時短20回)」、「4R出玉有り(時短40回)」、および「4R出玉有り(時短100回)」に分けられており、それぞれの図柄コマンドを見れば、特図当たりの種類が判別できるようになっている。
よって、遊技コマンドに「No.1」〜「No.10」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドは当たりコマンドであり、「図柄」のコマンドを確認すれば、その遊技コマンドが何れの特図当たりに当選したかが分かる。また、遊技コマンドが、「No.11」〜「No.30」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドはハズレコマンドであることが分かる。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図11に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220とを備え、記憶部として、複数種類の演出パターンを記憶した演出態様記憶部260を備えている。
演出態様記憶部260に記憶されている通常演出用テーブル261は、図12に示すように、遊技コマンドに演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドNo.1+「図柄」には、変動時間30秒の「ノーマルリーチA1」と「ノーマルリーチA2」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドNo.13には、変動時間10秒の「リーチなしB」が対応する演出パターンとして記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて演出態様記憶部260に記憶されている通常演出用テーブル261を参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。例えば、遊技コマンドとして「No.15」が演出制御処理部12aに送られてきた場合には、演出態様決定部210は、通常演出用テーブル261を参照して、遊技コマンド「No.15」に対応する演出パターン「ノーマルリーチA1」または「ノーマルリーチA2」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出パターンを演出表示装置34に表示するための制御を行っており、例えば、演出パターンとして「スーパーリーチA1」が決定された場合には、複数の演出図柄が変動を開始し、1つの演出図柄を残して他の全ての演出図柄を同一図柄で停止してリーチ演出を行い、さらにスーパーリーチ演出に発展した後に、全ての演出図柄を停止して遊技の結果を表示するといった内容の演出の表示制御を行っている。
さらに、この演出表示制御部220は、現在の遊技状態が、「通常状態」、「チャレンジゾーン」、「連荘ゾーン」、「引き戻しゾーン」、「好機ゾーン」の何れであるかを遊技者に告知するような演出を演出表示装置34に表示する制御も行っている。つまり、演出表示制御部220は、それぞれの遊技状態に応じて異なる演出を、演出表示装置34に表示するよう制御している。よって、演出を見れば、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120a、120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドと、変動パターンコマンド決定部130が決定した変動パターンコマンド、即ち、遊技コマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部177による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部190が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図13を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、ここでは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合、つまり、特図1に関する遊技について説明することとする。
図13に示すように、まず、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄用乱数取得部112aは特別図柄用乱数を取得し、第1変動パターン用乱数取得部132aは変動パターン用乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄用乱数を第1保留球乱数記憶部115aに記憶し、変動パターン用乱数を第1変動パターン用乱数記憶部133aに記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。
特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6で変動パターンコマンド決定処理を行う。この変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数に基づいて、上述したように変動パターンコマンドテーブル134aを参照して変動パターンNo.を決定する。
より詳細に説明すると、変動パターンコマンド決定部130は、ステップS5で特図当たりと判定された場合には、特図変動テーブルA(134a−1)を参照して変動パターンNo.を決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、変動パターンコマンド決定部130は、変動開始前の保留数に応じて特図変動テーブルB(134a−2)または特図変動テーブルC(134a−3)を参照して変動パターンNo.を決定する。例えば、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数が4個の場合には、変動パターンコマンド決定部130は特図変動テーブルC(134a−3)を参照して変動パターンNo.を決定し、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数が3個以下の場合には、変動パターンコマンド決定部130は特図変動テーブルB(134a−2)を参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS7に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップS5での当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄決定部120aが、その特図当たりに対する特別図柄の種類を、遊技状態に基づいて決定する。即ち、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態である場合(通常状態、好機ゾーンの場合)には、第1特別図柄決定部120aは、今回の特図当たりを「4R出玉無し(時短なし)」に決定し、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄高確率遊技状態である場合(チャレンジゾーン、連荘ゾーン、引き戻しゾーンの場合)には、第1特別図柄決定部120aは、今回の特図当たりを、「4R出玉無し(時短20回)」、「4R出玉無し(時短40回)」、「4R出玉無し(時短100回)」の中から抽選で何れかに決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。具体的には、演出態様決定部210が、通常演出用テーブル261を参照して、今回の遊技に用いる演出パターンを決定する。例えば、今回の遊技で、遊技コマンド「No.7+4R出玉無し(時短20回)」が演出態様決定部210に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、通常演出用テーブル261を参照して、今回の演出パターンとして例えば「スーパーリーチB2」を抽選で決定する。
次いで、ステップS9で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンを表示する。所定時間が経過すると、ステップS10に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、停止した特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)には、ステップS12に進んで、当たり遊技制御部160が、4ラウンドだけアタッカー装置41を開放して当たり遊技を提供する。なお、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選しても、提供される当たり遊技は、賞球の獲得が困難な4R出玉無し当たり遊技であって、より詳しく言うと、0.2秒間だけアタッカー措置41が開放するラウンド遊技が4ラウンド行われるだけであるため、当たり遊技は瞬時に終了することとなる。
当たり遊技が終了すると、ステップS13に進んで、遊技状態設定部140が、特別図柄に係る遊技状態と普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する。なお、ステップS13における遊技状態設定処理の詳細は後述する。そして、第1始動入賞口37aに入賞したことに基づく1回の遊技の制御処理が終了する。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップS11でNoの場合は、ステップS12を飛ばしてステップS13に進む。
続いて、ステップS13で行われる遊技状態設定処理の詳細について、図14〜図18を参照しながら説明する。遊技状態設定処理が開始されると、まず、ステップS21にて現在の遊技状態が「通常状態」であるか否か、即ち、特別図柄に係る遊技状態が特別図柄低確率遊技状態であり、普通図柄に係る遊技状態が普通図柄低確率遊技状態であるか否かを遊技状態設定部140が判断する。ステップS21でYesの場合には、図15に示すステップS31に飛んで、特図当たりに当選したか否かを遊技状態設定部140は判断する。
ステップS31でYesの場合には、ステップS32に進み、遊技状態設定部140は、特図当たりが「4R出玉有り」当たりであったか否かを判断する。ステップS32でYesの場合には、ステップS33に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。つまり、遊技状態設定部140は、「通常状態」のもとで行われた遊技で「4R出玉有り」当たりに当選していた場合には、その当選に基づいて行われた当たり遊技終了後の遊技状態を「連荘ゾーン」に設定する。
一方、ステップS32でNoの場合、即ち、「4R出玉無し」当たりであった場合には、ステップS34に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。つまり、遊技状態設定部140は、「通常状態」のもとで行われた遊技で「4R出玉無し」当たりに当選していた場合には、その当選に基づいて行われた当たり遊技終了後の遊技状態を「チャレンジゾーン」に設定する。
ここで、ステップS31以降の処理は、遊技状態が「通常状態」であると判断された場合の処理であるので、普通図柄に係る遊技状態は、普通図柄低確率遊技状態である。よって、電動チューリップ49が開放される頻度は少ない。そのため、「通常状態」では、殆どが第1特別図柄抽選部119aによる抽選が行われ、第2特別図柄抽選部119bによる抽選が行われることは稀である。従って、殆どの特図当たりが「4R出玉無し」当たりとなり、ステップS32の判断は、殆どがNoとなる。
なお、ステップS31でNoの場合、つまり、「通常状態」のもとで行われた遊技がハズレであった場合には、ステップS35に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。つまり、ステップS31でNoの場合、「通常状態」が維持されることとなる。
次に、図14のステップS21でNoの場合には、次のステップS22に進み、遊技状態設定部140は、現在の遊技状態が「引き戻しゾーン」または「チャレンジゾーン」の何れかであるか否かを判断する。ステップS22でYesの場合には、図16に示すステップS41に飛んで、特図当たりに当選したか否かを遊技状態設定部140は判断する。
ステップS41でNoの場合には、ステップS42に進み、遊技状態設定部140は、ST回数である40回の遊技を消化したか否かを判断する。ステップS42でYesの場合には、特別図柄高確率遊技状態での遊技回数が上限である40回に達したので、遊技状態設定部140は、強制的に遊技状態を「通常状態」に移行する(ステップS43)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS43において、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。
一方、ステップS42でNoの場合、つまり、まだST回数に達していない(残っている)場合には、ステップS44に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、遊技状態が「引き戻しゾーン」であればその状態を維持し、遊技状態が「チャレンジゾーン」であればその状態を維持する。
また、ステップS41でYesの場合には、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、遊技状態を「連荘ゾーン」に設定する。
次に、図14のステップS22でNoの場合には、次のステップS23に進み、遊技状態設定部140は、現在の遊技状態が「好機ゾーン」であるか否かを判断する。ステップS23でYesの場合には、図17に示すステップS51に飛んで、特図当たりに当選したか否かを遊技状態設定部140は判断する。
ステップS51でNoの場合には、ステップS52に進み、遊技状態設定部140は、時短回数の遊技を消化したか否かが判断される。なお、本実施形態では時短回数100回の場合に限って、「好機ゾーン」が設定されることになるため、時短回数を消化したかということは、具体的には、100回の時短回数の遊技が終了したかということである。ステップS52でYesの場合には、時短回数100回に達したので、遊技状態設定部140は、強制的に遊技状態を「通常状態」に移行する(ステップS53)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS53において、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。
一方、ステップS52でNoの場合、つまり、まだ時短回数100回に達していない(残っている)場合には、ステップS54に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、遊技状態を「好機ゾーン」に維持する。
また、ステップS51でYesの場合には、ステップS55に進み、遊技状態設定部140は、特図当たりが「4R出玉有り」当たりであったか否かを判断する。ステップS55でYesの場合には、ステップS56に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。つまり、遊技状態設定部140は、「好機ゾーン」のもとで行われた遊技で「4R出玉有り」当たりに当選していた場合には、その当選に基づいて行われた当たり遊技終了後の遊技状態を「連荘ゾーン」に設定する。
一方、ステップS55でNoの場合には、ステップS57に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。つまり、遊技状態設定部140は、「好機ゾーン」のもとで行われた遊技で「4R出玉無し」当たりに当選していた場合には、その当選に基づいて行われた当たり遊技終了後の遊技状態を「チャレンジゾーン」に設定する。
ここで、ステップS51以降の処理は、遊技状態が「好機ゾーン」であると判断された場合の処理であるので、普通図柄に係る遊技状態は、普通図柄高確率遊技状態である。よって、電動チューリップ49が頻繁に開放される。そのため、「好機ゾーン」では、第2特別図柄抽選部119bによる抽選が第1特別図柄抽選部119aによる抽選より優先して行われる。従って、殆どの特図当たりが「4R出玉有り」当たりとなり、ステップS55の判断は、殆どがYesとなる。
次に、図14のステップS23でNoの場合には、次のステップS24に進み、遊技状態設定部140は、現在の遊技状態が「連荘ゾーン」であるか否かを判断する。ステップS24でYesの場合には、図18に示すステップS61に飛び、ステップS24でNoの場合には、遊技状態設定処理は終了する。
ステップS61において、遊技状態設定部140は、特図当たりに当選したか否かを判断する。ステップS61でNoの場合には、ステップS62に進み、遊技状態設定部140は、時短回数(20回、40回、100回)の遊技を消化したか否かが判断される。ステップS62でYesの場合には、ステップS63に進んで、遊技状態設定部140は、ST回数である40回の遊技を消化したか否かを判断する。ステップS63でYesの場合には、特別図柄高確率遊技状態での遊技回数が上限である40回に達したので、遊技状態設定部140は、強制的に遊技状態を「通常状態」に移行する(ステップS64)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS64において、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。
一方、ステップS63でNoの場合、つまり、まだST回数に達していない(残っている)場合には、ステップS65に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄低確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、遊技状態を「引き戻しゾーン」に移行する。
また、ステップS62でNoの場合には、ステップS66に進み、遊技状態設定部140は、ST回数である40回の遊技を消化したか否かを判断する。ステップS66でYesの場合には、特別図柄高確率遊技状態での遊技回数が上限である40回に達したので、遊技状態設定部140は、遊技状態を「好機ゾーン」に移行する(ステップS67)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS67において、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄低確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。
一方、ステップS66でNoの場合には、ステップS68に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、遊技状態を「連荘ゾーン」に維持する。なお、ステップS61でYesの場合には、ステップS69に進み、遊技状態設定部140は、特別図柄に係る遊技状態を特別図柄高確率遊技状態に設定し、普通図柄に係る遊技状態を普通図柄高確率遊技状態に設定する。即ち、遊技状態設定部140は、「連荘ゾーン」中に特図当たりに当選した場合には、「連荘ゾーン」をループさせるように遊技状態を設定する。
続いて、「通常状態」のもとで行われた遊技中に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で「4R出玉無し」当たりに当選し(第1の条件を達成し)、その「4R出玉無し」当たり遊技が終了した後の遊技状態が「チャレンジゾーン」に設定され、この「チャレンジゾーン」のもとで行われた遊技中に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で「4R出玉無し」当たりに当選し(第2の条件を達成し)、その「4R出玉無し」当たり遊技が終了した後の遊技状態がどのように変化していくかについて、図19を参照しながら説明する。ここでは、「チャレンジゾーン」中に当選した特図当たりが、ケース1(時短20回)、ケース2(時短40回)、およびケース3(時短100回)のそれぞれの場合について説明する。なお、図19の「電サポ」は「時短」と同じ意味で用いられている。
図19のケース1(電サポ20回)は、ST回数(40回)より時短回数(20回)が少ないケースである。このケース1では、「チャレンジゾーン」で「4R出玉無し(時短20回)」に当選すると、その当選に基づく当たり遊技が終了すると、20回の「連荘ゾーン」に突入する。この「連荘ゾーン」内では電動チューリップ49が頻繁に開閉するため、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選すれば、「4R出玉有り」当たりとなるので、遊技者は賞球を獲得することができる。一方、残念ながら20回の「連荘ゾーン」内に特図当たりに当選しない場合には、40回のST回数のうち20回の遊技が終了したので、40回(ST回数)−20回(電サポ回数)=20回の遊技回数だけ「引き戻しゾーン」に突入する。この「引き戻しゾーン」中は、特別図柄高確率遊技状態であるので、20回の「引き戻しゾーン」での遊技で特図当たりに当選すると、遊技者は、「連荘ゾーン」を引き戻すことができる。なお、この「引き戻しゾーン」中に特図当たりに当選しなかった場合には、「通常状態」に転落する。
また、図19のケース2(電サポ40回)は、ST回数(40回)と時短回数(40回)とが同じケースである。このケース2では、ST回数と時短回数が同じなので、「引き戻しゾーン」はない。つまり、ST回数と同じだけ「連荘ゾーン」となる。よって、ケース1よりケース2の方が普通図柄高確率遊技状態の区間が長いので、遊技者はケース1より賞球を獲得できる「4R出玉有り」当たりに当選する可能性が高くなる。
また、図19のケース3(電サポ100回)は、ST回数(40回)より時短回数(100回)の方が多いケースである。このケース3は、ケース2と同様に「引き戻しゾーン」はない。つまり、ST回数と同じだけ「連荘ゾーン」となる。さらに、ケース3の場合には、「連荘ゾーン」が終了しても、時短回数が残っているので、100回(電サポ回数)−40回(ST回数)=60回だけ「好機ゾーン」に突入する。この「好機ゾーン」では、普通図柄高確率遊技状態となっているので、「好機ゾーン」からも遊技者は「4R出玉有り」当たりに当選して、賞球を獲得することができる。よって、ケース3は、ケース2よりもさらに賞球の獲得の可能性が高くなるのである。
以上、説明したように、本実施形態に係るパチンコ機では、「4R出玉有り」当たりに当選するためには、まず、「通常状態」において「4R出玉無し」当たりに当選し、次に、「チャレンジゾーン」において「4R出玉無し」当たりに当選することが必要となる。つまり、出玉獲得まで2段階のステップを踏まなければならない。そのため、遊技者が賞球を獲得するまで遊技に対する興味が持続し、遊技性が向上することとなる。
また、40回の特別図柄高確率遊技状態(確率変動モード)のもとで行われる遊技であっても、「連荘ゾーン」と「引き戻しゾーン」が存在するため、特別図柄高確率遊技状態での遊技が変化に富んだものとなり、遊技の趣向性が高まる。より具体的に言うと、「連荘ゾーン」では「4R出玉有り」当たりを引いて賞球を獲得することを狙いながら遊技者は遊技を楽しむことができ、「引き戻しゾーン」では「4R出玉無し」当たりを引いて、遊技状態を「連荘ゾーン」に引き戻すことを狙いながら遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態例に係るパチンコ機は、「好機ゾーン」を備えているので、特別図柄高確率遊技状態(確率変動モード)が終了してからも、「4R出玉有り」当たりに当選する可能性があることから、遊技者は「好機ゾーン」が終了するまで遊技に対する興味が持続し、遊技の趣向性がより一層高まることとなる。
なお、上記した実施の形態例では、第1特別図柄高確率判定テーブル116aと第2特別図柄高確率判定テーブル116bとを別個に設ける構成としたが、この構成に代えて共通のテーブルを設けるようにしても良い。また、同様に、第1特別図柄低確率判定テーブル117aと第2特別図柄低確率判定テーブル117bとを共通のテーブルにしても良く、第1変動パターンコマンドテーブル134aと第2変動パターンコマンドテーブル134bとを共通のテーブルにしても構わない。
また、上記した実施の形態例では、1つの特別図柄用乱数発生部111で第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bの両方に用いる乱数を生成する構成としたが、第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bのそれぞれに特別図柄用乱数発生部を別個に設ける構成を採用することもできる。
また、上記した実施の形態例では、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合に、全て「4R出玉無し」となる構成としたが、この構成に代えて、「4R出玉無し」と「4R出玉有り」を設けておき、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で当選した場合でも賞球の獲得が可能とすることもできる。この場合、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で「4R出玉有り」当たりに当選する確率は、かなり低めに設定しておく方が、プレミア的な要素となるので好ましい。
また、上記した実施の形態例では、「4R出玉有り当たり」と「4R出玉無し当たり」とを設けた構成としたが、特図当たりの種類は適宜決定することができる。
また、上記した実施の形態例は、「好機ゾーン」中に第1特別図柄抽選部119aによる抽選で当選した場合には、全て「4R出玉無し」当たりとなる構成であるが、「好機ゾーン」中に第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合には、時短を付与するようにしても良い。この場合、遊技者にとって有利となるため、遊技者をより一層惹き付けることができる。