以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の無線通信装置は、ユーザーが所持可能な携帯機との相互通信を行なって、携帯機の位置を探索するものである。以下の実施の形態においては、この無線通信装置を車両100に搭載した例を採用する。つまり、本発明の無線通信装置を車載無線通信装置10に適用した例を採用する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図4に基づいて、第1の実施の形態における車載無線通信装置10に関して説明する。
車載無線通信装置10は、携帯機200との相互通信(双方向通信)を行い、この相互通信によるIDコードの照合結果を基に、携帯機200の位置を特定すると共に、各種の制御を実行するための制御信号(照合結果を示す信号)を出力するものである。例えば、本実施の形態においては、一例として、車載無線通信装置10は、エンジン始動制御部20、ライト点灯制御部30などが電気的に接続された例を採用する。従って、車載無線通信装置10は、エンジン始動制御部20にエンジン始動の許可・禁止状態などを制御するための制御信号(後ほど説明する判定結果及び照合結果を示す信号)を出力したり、ライト点灯制御部30にヘッドライトやルームライトなどの車両に搭載された灯具を制御するための制御信号(後ほど説明する判定結果及び照合結果を示す信号)を出力したりするものである。なお、図1では図示を省略しているが、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御するドアロック制御部やステアリングロック・アンロック状態を制御するステアリングロック制御部などを車載無線通信装置10に電気的に接続する構成を採用することもできる。この場合、車載無線通信装置10は、このドアロック制御部やステアリングロック制御部にも同様に制御信号(後ほど説明する判定結果及び照合結果を示す信号)を出力するようにしてもよい。
図1に示すように、車載無線通信装置10は、アンテナ出力制御部11、アンテナドライバ12、アンテナ13、キー照合制御部14、電波受信制御部15などを含むものである。この車載無線通信装置10は、例えば、演算処理を行うCPU、各種プログラムやデータを保存するための読み取り専用メモリーであるROMや書き込み可能なメモリーであるRAM等の記憶装置、入力回路、出力回路、及び電源回路等を含むマイクロコンピュータを中心に構成することができる。つまり、アンテナ出力制御部11、キー照合制御部14の機能を含むマイクロコンピュータに対して、アンテナドライバ12、電波受信制御部15などが電気的に接続されている。
アンテナ出力制御部11は、アンテナドライバ12を制御して、アンテナ13(例えば、車両の中央に一つ設けられる)から電波を放射させることで、携帯機200に対して応答信号の返信を要求する要求信号を送信する(送信手段)。つまり、アンテナドライバ12は、アンテナ出力制御部11からの制御信号に基づいて、例えば、LF帯(lowfrequency)の電波(例えば134KHz近傍の電波)を搬送波とする電波を、FM変調またはAM変調することにより所定のデータ(要求信号)をアンテナ13から送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、要求信号を送信するためにアンテナドライバ12を制御する際には、アンテナ13に対する電力供給状態を複数段階(ここでは、三段階(Vi、Vi+1、Vi+2)の例を採用する)に切り替えることができる。従って、アンテナ13は、この電力供給状態に応じて、アンテナ13を基点として、車両100の外方向に向かって広がる予め設定された複数段階の広さに電波を放射する。具体的には、アンテナ13は、車両100の進行方向及び車両100の鉛直方向に垂直な方向に、自身を基点として複数段階の広さに電波を放射する。つまり、アンテナ出力制御部11は、図2に示すように、車両100の室内及び周囲において、アンテナ13を基点として車両100の外方向に向かって広がる予め設定された複数段階の広さに送信エリアを設定する(送信手段)。
このように、車載無線通信装置10は、アンテナ13に供給する電力供給状態を切り替えることによって、アンテナ13から放射される電波の到達範囲を複数段階(ここでは、三段階の例を採用する)に切り替えることができる。つまり、要求信号の送信範囲(送信エリア)を複数段階に切り替えることができる。なお、送信エリアの切り替えに関しては、後ほど詳しく説明する。
図2に、この複数段階の送信エリアの一例を示す。図2に示すように、送信エリアの一例としては、車室内のみをカバーする一番狭い送信エリア3(アンテナ出力Vi)、車両100の全体を囲いつつ、車両100から所定距離の範囲までをカバーする一番広い送信エリア1(アンテナ出力Vi+2)、車両100のドア(運転席側ドア、助手席側ドア、トランクルームドアなど)から所定距離の範囲をカバーするものであり、送信エリア1より狭く送信エリア3より広い送信エリア2(アンテナ出力Vi+1)を採用することができる。また、送信エリア1は、送信エリア2及び送信エリア3を含むものであり、送信エリア2は、送信エリア3を含むものである。また、車室内のみとは、乗員室のみを含むものであってもよいし、乗員室及びトランク室(荷物室)のみを含むものであってもよい。また、本実施の形態においては、車室内のみをカバーする送信エリアを設定する例を採用しているが、車室内のみをカバーする送信エリアを設けなくても本発明の目的は達成できるものである。
また、アンテナ出力制御部11が送信する要求信号は、携帯機200をウェイクアップするためのウェイクコード、車両100固有のコードであり、この車両100の携帯機かどうかを判断するための車両コード、車両100に登録されている何番目の携帯機かを確定するための携帯機コード、及び、ランダムに生成した暗号キーとしての可変コード信号(チャレンジコード)などを含むものである。なお、チャレンジコードは正規の携帯機200であるか否かの照合を行うための照合用信号として用いられるものであり、ウェイクコード、車両コード、携帯機コードは照合用信号を送信する送信エリアを切り替えるためのエリア切替用信号として用いられるものである。つまり、アンテナ出力制御部11は、要求信号として、照合用信号とエリア切替用信号とを別々に送信するものである。
なお、本実施の形態においては、エリア切替用信号としてウェイクコードを採用して説明する。また、以下の説明においては、エリア切替用信号を送信しているときの送信エリアをエリア切替用エリア、照合用信号を送信しているときの送信エリアを照合用エリアとも称する。
キー照合制御部14は、電波受信制御部15を介して、携帯機200からの応答信号を取得する。そして、キー照合制御部14は、要求信号に対する携帯機200からの応答の有無を確認する(確認手段)。この携帯機200から送信される応答信号は、ウェイクコード、車両コード、携帯機コードに応答して送信されるものであり携帯機200が通信可能状態であること(つまり、ウェイクコード、車両コード、携帯機コードに対応する信号が自身の記憶装置に予め記憶されていたこと)を示すACK信号(Nビットの固有値)、及び、携帯機200がチャレンジコードに基づいて生成(暗号化)した演算結果である応答データなどを含むものである。
つまり、キー照合制御部14は、ウェイクコード(要求信号)に対する携帯機200からの応答の有無を判定(確認)すると共に、チャレンジコード(要求信号)に対する携帯機200からの応答の有無(確認)として、携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合(確認)するものである。なお、正規の携帯機200とは、車載無線通信装置10に登録された携帯機200を示すものである。
また、キー照合制御部14は、このウェイクコード(要求信号)に対する携帯機200からの応答の有無の判定結果を示す信号、及び正規の携帯機200であるか否かの照合結果を示す信号を、アンテナ出力制御部11、エンジン始動制御部20、及びライト点灯制御部30に出力する。
これによって、アンテナ出力制御部11は、この判定結果及び照合結果を示す信号に基づいて、どの範囲の送信エリア(エリア切替用エリア)で携帯機200からの応答があったか否か、どの範囲の送信エリア(照合用エリア)で正規の携帯機200があったか否かを把握することができる。よって、携帯機200の位置を特定できる。また、エンジン始動制御部20は、この判定結果及び照合結果を示す信号に基づいて、エンジンの始動制御などを行う。ライト点灯制御部30は、この判定結果及び照合結果を示す信号に基づいて、ヘッドライトやルームライトなどの車両に搭載された灯具の点消灯制御などを行う。
また、チャレンジコードを用いて正規の携帯機200であるか否かを照合する場合、携帯機200は、このチャレンジコードを受信すると、このチャレンジコードを用いて所定の演算処理を行い、この演算結果である応答データを車載無線通信装置10に送信する。一方、車載無線通信装置10(キー照合制御部14)では、携帯機200が行う演算処理と同様の演算処理を行い、この演算結果と、携帯機200から受信した演算結果とを比較する。そして、自身が演算処理した演算結果と、携帯機から受信した演算結果とが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たしているか否かによって、正規の携帯機200であるか否かを照合する。つまり、所定の対応関係を満たした場合に正規の携帯機200であると判定し、所定の対応関係を満たさない場合に正規の携帯機200でないと判定する。車載無線通信装置10は、このように正規の携帯機200であると判定したときに、はじめて携帯機200が車両100の内部又は/及び周辺の所定範囲内(送信エリア1〜3のいずれか)にあるとみなす。このようにすることによってセキュリティー性を向上させることができる。
これに対して、ウェイクコードを用いて携帯機200からの応答の有無を確認する場合、携帯機200は、ウェイクコードを受信すると、自身の記憶装置にウェイクコードに対応する信号が予め記憶されていた場合は、ACK信号を車載無線通信装置10に送信する。一方、車載無線通信装置10(キー照合制御部14)では、携帯機200からACK信号を受信したか否かによって、携帯機200からの応答の有無を確認する。つまり、ACK信号を受信した場合に携帯機200からの応答の有りとみなし、ACK信号を受信してない場合に携帯機200からの応答の無しとみなす。
このように、ACK信号を受信したか否かを判定する場合は、上述のような演算処理を行う必要がないので、正規の携帯機200であるか否かを照合する場合に比べて、判定に要する時間が短くなる。つまり、携帯機200に対する要求信号の送信から、携帯機200からの応答信号に基づく判定が終了するまでの時間は、要求信号としてチャレンジコードを送信する場合よりも、要求信号としてウェイクコード、車両コード、携帯機コードを送信する場合のほうが短い。換言すると、要求信号としてチャレンジコードを送信する場合よりも、要求信号としてウェイクコード、車両コード、携帯機コードを送信する場合のほうが応答性を向上させることができる。
なお、以下の説明及び図面においては、ACK信号を受信したと判定した場合は(携帯機200からの)応答有り、ACK信号を受信してないと判定した場合は(携帯機200からの)応答無しとも称する。また、正規の携帯機200と判定した場合は、携帯機200からの応答有りであり、特に、照合OKとも称する。また、以下の説明及び図面においては、正規の携帯機200でないと判定した場合は、携帯機200からの応答無しであり、特に、照合NGとも称する。
なお、電波受信制御部15は、受信用アンテナ(図示省略)を介して、予め設定された範囲の(例えばUHF帯(ultrahigh frequency))の電波を受信可能に構成されている。
一方、携帯機200は、例えば、演算処理を行うCPU、各種プログラムやデータを保存するための読み取り専用メモリーであるROMや書き込み可能なメモリーであるRAM等の記憶装置、入力回路、出力回路、及び電源回路等を含むマイクロコンピュータを中心に構成することができる。また、携帯機200は、図1に示すように、このマイクロコンピュータに接続される電波受信制御部210、電波送信制御部220などを備える。なお、記憶装置には、確認用のウェイクコード、車両コード、携帯機コードなどが記憶されている。
この携帯機200は、電波受信制御部210が受信アンテナ(図示省略)を介して車載無線通信装置10から送信された要求信号を受信すると、電波送信制御部220がこの要求信号に応じた応答信号を送信アンテナ(図示省略)から車載無線通信装置10に送信する。具体的には、携帯機200は、ウェイクコード、車両コード、携帯機コード(エリア切替用信号)を受信すると、自身の記憶装置にウェイクコードに対応する信号が予め記憶されていた場合は、ACK信号を車載無線通信装置10に送信する。また、携帯機200は、チャレンジコード(照合用信号)を受信すると、このチャレンジコードを用いて所定の演算処理を行い、この演算結果である応答データを車載無線通信装置10に送信する。
ここで、車載無線通信装置10における、送信エリア1〜3の設定(切り替え制御)、携帯機200の位置の特定方法に関して説明する。アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら、送信エリアを広くできる場合は広い送信エリアとなるように要求信号を送信し、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら、送信エリアを狭くできる場合は狭い送信エリアとなるように要求信号を送信するものである。
特に、本実施の形態に示すように、要求信号として、ウェイクコード(エリア切替用信号)と、チャレンジコード(照合用信号)とを採用した場合は、図3のフローチャートに示すようにして送信エリア1〜3の設定(切り替え制御)を行う。なお、この図3においては、一点鎖線で囲った部分は、携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合(確認)するものであり、二点鎖線で囲った分は、ウェイクコード(要求信号)に対する携帯機200からの応答の有無を判定(確認)するものである。
まず、ステップS11では、アンテナ出力制御部11は、キー照合用信号(チャレンジコード)を送信する。つまり、照合用エリアを形成する。そして、ステップS12では、キー照合制御部14が携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合し、照合OKと判定した場合はステップS13へ進み、照合NGと判定した場合はステップS15へ進む。
ステップS15では、アンテナ出力制御部11は、今回の送信エリア(ステップS11のときの送信エリア(照合用エリア))よりも広い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階広い送信エリアに切替えてステップS11に戻る。なお、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できない場合は、今回の送信エリアから広さを替えずにステップS11に戻る。つまり、アンテナ出力制御部11は、照合NGとなった送信エリア(照合用エリア)を基準として、このときの送信エリアよりも広い送信エリアが設定できる場合は、このときの送信エリアよりも一段階広い送信エリアに切替えてステップS11に戻る。
一方、ステップS13では、アンテナ出力制御部11は、今回の送信エリア(ステップS11のときの送信エリア(照合用エリア))よりも狭い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアでウェイクコードを送信する。つまり、アンテナ出力制御部11は、照合OKとなった送信エリア(照合用エリア)を基準として、このときの送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できる場合は、このときの送信エリアよりも一段階狭い送信エリアに切替える。換言すると、今回の照合用エリアよりも一段階狭いエリア切替用エリアを設定する。なお、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できない場合は、今回の送信エリアから広さを替えずに照合用エリアを形成する。
そして、ステップS14では、キー照合制御部14がACK信号を受信したと判定したか否かによって携帯機200からの応答の有無を判定し、応答有りと判定した場合はステップS16へ進み、応答無しと判定した場合はステップS11へ戻る。
ステップS16では、アンテナ出力制御部11は、前回の送信エリア(ステップS11のときの送信エリア(照合用エリア))よりも一段階狭い送信エリアに切替えてステップS11に戻る。
つまり、本実施に形態の車載無線通信装置10においては、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であることが確認されなかったら(照合NG)、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるようにチャレンジコードを送信し、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できない場合は、送信エリアを切り替えずにチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であることが確認されたら(照合OK)、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるようにウェイクコードを送信し、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できない場合は、送信エリアを切り替えずにチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にてウェイクコードに対する携帯機200からの応答が確認されなかったら、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるようにチャレンジコードを送信し、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できない場合は、送信エリアを切り替えずにチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にてウェイクコードに対する携帯機200からの応答が確認されたら、前回の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるようにチャレンジコードを送信する。
このように、要求信号としウェイクコードを送信する際の送信エリアは、直前の要求信号としてチャレンジコードを送信する際の送信エリアよりも一段階狭い広さの送信エリアとなる。換言すると、エリア切替用エリアは、照合用エリアよりも一段階狭い送信エリアとなる。つまり、車載無線通信装置10は、基本的には(上述のような一部の例外を除いては)、照合用信号(チャレンジコード)の送信と、直前の照合用信号の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアでエリア切替用信号を送信することを交互に行うものである。
ここで、図2、図4を用いて、より具体的に説明する。なお、図4(a)は、各タイミングt1〜t9におけるキー照合用信号(電波)及びエリア切替用信号(電波)を示すものであり、図4(b)は、各タイミングt1〜t9における判定結果及び照合結果を示すものである。また、図4(b)では、便宜上、照合OKの場合はOK、照合NGの場合はNG、ウェイクコードに対する携帯機200からの応答有りの場合はOK、無しの場合はNGと記載している。
まず、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt1、3、8のように、アンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1でチャレンジコードを送信している場合(一番広い照合用エリアを形成している場合)、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると、図4のタイミングt2、4のように、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア1)より一段狭い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2を形成)でウェイクコードを送信する(二番目に広いエリア切替用エリアを形成する)。
このように、一番広い送信エリア1で照合OKだったことで、正規の携帯機200が送信エリア1内(送信エリア2、3内)にあると特定できる。よって、さらに携帯機200の位置を絞るために、送信エリア1よりも一段階狭い送信エリア2でウェイクコードを送信する。
なお、このように、アンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1でチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると(図4のタイミングt1、3)、ライト点灯制御部30は、例えば、ヘッドライトや室内灯を点灯させる。
一方、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt1、3、8のように、アンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1でチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無し(照合NG)と判定されると、図4のタイミングt9のように、アンテナ出力制御部11は、このときの送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+2として送信エリア1を形成)と同じ広さの送信エリアでチャレンジコードを送信する(一番広い照合用エリアを形成する)。
このように、一番広い送信エリア1で照合NGだったことで、正規の携帯機200が送信エリア1内(送信エリア2、3内)にないと特定できる。よって、正規の携帯機200の位置を特定するために、送信エリア1を切り替えずにチャレンジコードを送信して、携帯機200の探索を継続する(繰り返す)。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt2のように、二番目に広い送信エリアでウェイクコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無しと判定されると、図4のタイミングt3のように、アンテナ出力制御部11は、前回の送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+2として送信エリア1を形成)に戻してチャレンジコードを送信する(ここでは、一番広い照合用エリアを形成する)。換言すると、今回の送信エリア2より一段広い送信エリア1でチャレンジコードを送信する。
このように、二番目に広い送信エリアで携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)からの応答がなかったことで、携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)が送信エリア2内(送信エリア3内)にないと特定できる。よって、正規の携帯機200の位置を特定するために、送信エリア1に戻してチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt4のように、二番目に広い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2を形成)でウェイクコードを送信している場合(二番目に広いエリア切替用エリアを形成している場合)、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有りと判定されると、図4のタイミングt5のように、前回照合OKだった送信エリア(ここでは、タイミングt3の送信エリア1)より一段階狭い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2)でチャレンジコードを送信する(ここでは、二番目に広い照合用エリアを形成する)。
このように、二番目に広い送信エリア1で携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)からの応答があったことで、携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)が送信エリア2内(送信エリア3内)にあると特定できる。よって、正規の携帯機200が送信エリア2内(送信エリア3内)にあることを特定するために、前回照合OKであった送信エリア1よりも一段階狭い送信エリア2でチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt5のように、二番目に広い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2を形成)でチャレンジコードを送信している場合(二番目に広い照合用エリアを形成している場合)、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると、図4のタイミングt6のように、この送信エリア(ここでは、送信エリア2)より一段階狭い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Viとして送信エリア3を形成)でウェイクコードを送信する(ここでは、一番狭いエリア切替用エリアを形成する)。
このように、二番目に広い送信エリア2で照合OKだったことで、正規の携帯機200が送信エリア2内(送信エリア3内)にあると特定できる。よって、さらに正規の携帯機200の位置を絞るために、送信エリア2よりも一段階狭い送信エリア3でウェイクコードを送信する。
なお、このように、アンテナ出力Vi+1として二番目に広い送信エリア2でチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると(図4のタイミングt5)、ライト点灯制御部30は、例えば、ドアハンドル又はドアハンドル付近に設けられたライトを点灯する。また、ドアロック制御部は、例えば、ドアロック機構をアンロックスタンバイとする。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt6のように、一番狭い送信エリア3(ここでは、アンテナ出力Viとして送信エリア3を形成)でウェイクコードを送信している場合(一番狭いエリア切替用エリアを形成している場合)、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有りと判定されると、前回照合OKだった送信エリア(ここでは、送信エリア2)より一段階狭い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Viとして送信エリア3を形成)でチャレンジコードを送信する(一番狭い照合用エリアを形成する)。
このように、一番狭い送信エリア3で携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)からの応答があったことで、携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)が送信エリア3内にあると特定できる。よって、正規の携帯機200が送信エリア3内にあることを特定するために、前回照合OKであった送信エリア2よりも一段階狭い送信エリア3でチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt6のように、一番狭い送信エリア3でウェイクコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無しと判定されると、前回の送信エリア(ここでは、送信エリア2)に戻してチャレンジコードを送信する。換言すると、今回の送信エリア3より一段広い送信エリア2でチャレンジコードを送信する。
このように、一番狭い送信エリア3で携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)からの応答がなかったことで、携帯機200(正規の携帯機200以外も含む)が送信エリア3内にないと特定できる。よって、正規の携帯機200の位置を特定するために、送信エリア2に戻してチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図4のタイミングt7のように、二番目に広い送信エリアでチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無し(照合NG)と判定されると、図4のタイミングt8のように、アンテナ出力制御部11は、この送信エリア(ここでは、送信エリア2)より一段階広い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+2として送信エリア1を形成)でチャレンジコードを送信する(ここでは、一番広い照合用エリアを形成する)。
このように、二番目に広い送信エリア2で照合NGだったことで、正規の携帯機200が送信エリア2内(送信エリア3内)にないと特定できる。よって、正規の携帯機200が送信エリア1内にあるかを特定するために、今回の送信エリア2よりも一段階広い送信エリア1に切り替えてチャレンジコードを送信する。
なお、アンテナ出力制御部11は、図4での図示は省略するが、一番狭い送信エリア3(ここでは、アンテナ出力Viとして送信エリア3を形成)でチャレンジコードを送信している場合(一番狭い照合用エリアを形成している場合)、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると、アンテナ出力制御部11が、この送信エリア(ここでは、アンテナ出力Viとして送信エリア3を形成)と同じ広さの送信エリアでチャレンジコードを送信する(一番狭い照合用エリアを形成する)。
このように、一番狭い送信エリア3で照合OKだったことで、正規の携帯機200が送信エリア3内にあると特定できる。よって、同じ範囲の送信エリア3で携帯機200の探索を継続する(繰り返す)。
なお、このように、アンテナ出力Viとして一番狭い送信エリア3でチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されると、エンジン始動制御部20は、エンジン始動スタンバイとする。
一方、アンテナ出力制御部11は、図4での図示は省略するが、一番狭い送信エリア3でチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無し(照合NG)と判定されると、この送信エリア(ここでは、送信エリア3)より一段階広い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2を形成)でチャレンジコードを送信する(二番目に広い照合用エリアを形成する)。
このように、一番狭い送信エリア3で照合NGだったことで、正規の携帯機200が送信エリア3内にないと特定できる。よって、正規の携帯機200が送信エリア2内にあるかを特定するために、今回の送信エリア3よりも一段階広い送信エリア2に切り替えてチャレンジコードを送信する。
なお、二番目に広い送信エリアとは、ここでは、送信エリア2に相当するものであるが、4つ以上の送信エリアを設ける場合は、一番狭い送信エリア及び一番広い送信エリア以外の送信エリアに相当するものである。
このように、携帯機200からの応答が確認された送信エリアを基準として、要求信号を送信する送信エリアを設定することによって、全ての送信エリアに対して要求信号を送信することを繰り返し行って、携帯機200の位置を特定する場合に比べて、携帯機200の位置を特定する際の応答性を向上させることができる。
また、このように、要求信号として、照合用信号とエリア切替用信号とを採用することによって、照合用信号のみを用いる場合よりも応答性の低下を抑制でき、エリア切替用信号のみを用いる場合よりもセキュリティー性を向上させることができる。
また、上述のように、エリア切替用信号に対する携帯機200からの応答が確認された場合は、このエリア切替用信号を送信した送信エリアに正規の携帯機200があるかどうかはわからない。よって、エリア切替用信号に対する携帯機200からの応答が確認されたら、前回の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるように照合用信号を送信することによって、このエリア切替用信号を送信した送信エリアに正規の携帯機200があるかどうかを判定することができる。
また、上述のように、車両100の周囲をカバーする予め設定された複数段階の広さに送信エリアを設定することによって、車両100の周囲において、どこに携帯機200があるかを特定することができる。また、車両100の周囲をカバーする予め設定された複数段階の広さに送信エリアに加えて、車両100の室内のみをカバーする広さの送信エリアを設定することによって、車両100の周囲及び室内において、どこに携帯機200があるかを特定することができる。
また、上述のように、応答性よく携帯機200の位置を特定することができるので、携帯機200の位置に応じた機能(ドアのロック・アンロック、ライトの点灯(ウェルカム機能)、エンジン始動スタンバイなど)の実行を応答性よく行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5〜図11に基づいて、第2の実施の形態における車載無線通信装置10に関して説明する。
本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態と同一な部分に関する説明は省略して、異なる部分を中心に説明する。なお、上述の本実施の形態における車載無線通信装置10は、一つのアンテナ13のみを備える例を採用した。これに対して、本実施の形態における、車載無線通信装置10は、車両の複数個所に配置された、複数のアンテナ、及び複数のアンテナドライバを備える例を採用する。一例として、ここでは、4本のアンテナ13A〜13Dと、各アンテナ13A〜13Dに対応する4つのアンテナドライバ(図示所略)を備える例を採用する。
図5に、車両100におけるアンテナ13A〜13Dの搭載位置と、各アンテナ13A〜13Dによる送信エリアの一例を示す。このように、アンテナ13Aは、車両100の前方側であり、フロントガラスの近傍に設けられる。アンテナ13Bは、運転席側のドア又は、運転席側のドアの近傍に設けられる。アンテナ13Cは、トランク室側のドア又は、トランク室側のドアの近傍に設けられる。アンテナ13Dは、助手席側のドア又は、助手席側のドアの近傍に設けられる。
アンテナ出力制御部11は、送信エリアをアンテナ毎に設定して要求信号を送信する。つまり、アンテナ出力制御部11は、4つのアンテナドライバを個別に制御して、複数のアンテナ13A〜13Dから個別に電波を放射させることで、携帯機200に対して応答信号の返信を要求する要求信号を送信する(送信手段)。なお、アンテナ出力制御部11は、4つのアンテナドライバを同時に制御して、複数のアンテナ13A〜13Dから同時に電波を放射させることで、携帯機200に対して応答信号の返信を要求する要求信号を送信することもできる。つまり、アンテナ出力制御部11は、図5に示すように、車両100の周囲において、各アンテナ13A〜13Dを基点として車両100の外方向に向かって広がる予め設定された複数段階の広さに送信エリアを設定する(送信手段)。
このように、車載無線通信装置10は、各アンテナ13A〜13Dに供給する電力供給状態を個別(アンテナ13A〜13D毎)に切り替えることによって、各アンテナ13A〜13Dから放射される電波の到達範囲を複数段階(ここでは、三段階の例を採用する)に切り替えることができる。さらに、電波の放射方向を複数方向に切り替えることができる。つまり、要求信号の送信範囲(送信エリア)を複数段階に切り替えると共に、要求信号の送信方向(送信エリア)を複数方向に切り替えることができる。換言すると、上述の実施の形態における送信エリアを、複数方向に分割することができる。
図5に示すように、アンテナ13Aによる送信エリアは、車両100の前方における所定距離の範囲をカバーするものであり前方の一番狭い送信エリア3A(アンテナ13Aのアンテナ出力Vi)、車両100の前方における送信エリア3Aよりも広い範囲をカバーするものであり前方の二番目に広い送信エリア2A(アンテナ13Aのアンテナ出力Vi+1)、車両100の前方における送信エリア2Aよりも広い範囲をカバーするものであり前方の一番広い送信エリア1A(アンテナ13Aのアンテナ出力Vi+2)とすることができる。また、送信エリア1Aは、送信エリア2A及び送信エリア3Aを含むものであり、送信エリア2Aは、送信エリア3Aを含むものである。
また、図5に示すように、アンテナ13Bよる送信エリアは、車両100の運転席側における所定距離の範囲をカバーするものであり運転席側の一番狭い送信エリア3B(アンテナ13Bのアンテナ出力Vi)、車両100の運転席側における送信エリア3Bよりも広い範囲をカバーするものであり運転席側の二番目に広い送信エリア2B(アンテナ13Bのアンテナ出力Vi+1)、車両100の運転席側における送信エリア2Bよりも広い範囲をカバーするものであり運転席側の一番広い送信エリア1B(アンテナ13Bのアンテナ出力Vi+2)とすることができる。また、送信エリア1Bは、送信エリア2B及び送信エリア3Bを含むものであり、送信エリア2Bは、送信エリア3Bを含むものである。
そして、図5に示すように、アンテナ13Cよる送信エリアは、車両100のトランク室側における所定距離の範囲をカバーするものでありトランク室側の一番狭い送信エリア3C(アンテナ13Cのアンテナ出力Vi)、車両100のトランク室側における送信エリア3Cよりも広い範囲をカバーするものでありトランク室側の二番目に広い送信エリア2C(アンテナ13Cのアンテナ出力Vi+1)、車両100のトランク室側における送信エリア2Cよりも広い範囲をカバーするものでありトランク室の一番広い送信エリア1C(アンテナ13Cのアンテナ出力Vi+2)とすることができる。また、送信エリア1Cは、送信エリア2C及び送信エリア3Cを含むものであり、送信エリア2Cは、送信エリア3Cを含むものである。
そして、図5に示すように、アンテナ13Dよる送信エリアは、車両100の助手席側における所定距離の範囲をカバーするものであり助手席側の一番狭い送信エリア3D(アンテナ13Dのアンテナ出力Vi)、車両100の助手席側における送信エリア3Dよりも広い範囲をカバーするものであり助手席側の二番目に広い送信エリア2D(アンテナ13Dのアンテナ出力Vi+1)、車両100の助手席側における送信エリア2Dよりも広い範囲をカバーするものであり助手席側の一番広い送信エリア1D(アンテナ13Dのアンテナ出力Vi+2)とすることができる。また、送信エリア1Dは、送信エリア2D及び送信エリア3Dを含むものであり、送信エリア2Dは、送信エリア3Dを含むものである。
また、各アンテナ13A〜13Dに対して、同じアンテナ出力とすることで、車両100の全体をカバーする送信エリアを形成することができる。具体的には、全てのアンテナ13A〜13Dに対してアンテナ出力Viとした場合は、送信エリア3A、3B、3C、3Dが形成される。また、全てのアンテナ13A〜13Dに対してアンテナ出力Vi+1とした場合は、送信エリア2A、2B、2C、2Dが形成される。また、全てのアンテナ13A〜13Dに対してアンテナ出力Vi+2とした場合は、送信エリア1A、1B、1C、1Dが形成される。
このようにすることによって、複数段階の広さに設定できる送信エリアを、複数個所で個別に設定することができる。従って、アンテナを一箇所のみに配置する場合に比べて、携帯機200の位置を詳細に特定することができる。つまり、車両100に対する携帯機200の距離(車両100の室内か室外、及び室外の複数段階の距離)を特定できるだけではなく、車両100に対する方向(この例では、車両100の前方、運転席側、トランク室側、助手席側)も特定できる。換言すると、携帯機200が車両100に対してどの程度の距離にあるかを特定できるだけではなく、車両100に対してどの方向にあるかも特定できる。
なお、アンテナの位置、個数は、上述の例に限定されるものではない。例えば、車両100の運転席ドア又は運転席ドアの近傍、助手席ドア又は助手席ドアの近傍、運転席側後方ドア又は運転席側後方ドアの近傍、助手席側後方ドア又は助手席側後方ドアの近傍の4箇所に一つずつ、合計4本のアンテナを設けるようにしてもよい。その他にも、車両100の運転席ドア又は運転席ドアの近傍、助手席ドア又は助手席ドアの近傍、トランク室ドア又はトランク室ドアの近傍の3箇所に一つずつ、合計3本のアンテナを設けるようにしてもよい。
ここで、本実施の形態の車載無線通信装置10における、送信エリア1〜3の設定(切り替え制御)、携帯機200の特定方法に関して説明する。
本実施の形態の車載無線通信装置10、アンテナ出力制御部11は、車両100の複数個所に配置されたアンテナ13A〜13Dのうち、複数のアンテナを一組として要求信号を送信し、キー照合制御部14にて、複数のアンテナから送信された要求信号に対する携帯機からの応答が確認された場合は、この複数のアンテナにおける各アンテナから個別に狭い送信エリアとなるように要求信号を送信し、キー照合制御部14にて、この複数のアンテナから送信された要求信号に対する携帯機からの応答が確認されなかった場合は、複数のアンテナとは別の複数のアンテナを一組として要求信号を送信する。なお、本実施の形態においては、一例として、アンテナ13A,13Bをグループ1、アンテナ13C,13Dをグループ2として採用して説明する。
特に、本実施の形態に示すように、要求信号として、ウェイクコード(エリア切替用信号)と、チャレンジコード(照合用信号)とを採用した場合は、図6のフローチャートに示すようにして送信エリア1A〜1D、2A〜2D、3A〜3Dの設定(切り替え制御)を行う。なお、この図6においては、一点鎖線で囲った部分は、携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合(確認)するものであり、二点鎖線で囲った分は、ウェイクコード(要求信号)に対する携帯機200からの応答の有無を判定(確認)するものである。
まず、ステップS21では、アンテナ出力制御部11は、グループ1(アンテナ13A、アンテナ13B)からキー照合用信号(チャレンジコード)を送信する。つまり、送信エリア1A〜3A、1B〜3Bを形成して、チャレンジコードを送信する。そして、ステップS12では、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合し、照合OKと判定した場合はステップS25へ進み、照合NGと判定した場合はステップS23へ進む。
ステップS23では、アンテナ出力制御部11は、アンテナ出力制御部11は、グループ2(アンテナ13C、アンテナ13D)からキー照合用信号(チャレンジコード)を送信する。つまり、送信エリア1C〜3C、1D〜3Dを形成して、チャレンジコードを送信する。そして、ステップS24では、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答に基づいて携帯機200が正規の携帯機200であるか否かを照合し、照合OKと判定した場合はステップS26へ進み、照合NGと判定した場合はステップS27へ進む。
各グループで照合OKと判定された場合は、ステップS25、ステップS26に示すように、照合OKと判定されたグループ内のどこに正規の携帯機200を特定するために、そのグループを分割する。つまり、ステップS25においてはグループ1を分割し、ステップS26においてはグループ2を分割する。ただし、本実施の形態の場合、グループ1は、2本のアンテナ13Aとアンテナ13Bのみを含むものであり、グループ2は、2本のアンテナ13Cとアンテナ13Dのみを含むものである。従って、分割後は、グループ1の場合は、アンテナ13A、アンテナ13B、グループ1の場合は、アンテナ13C、アンテナ13Dのアンテナ毎に送信エリアを形成することとなる。
そして、ステップS28では、アンテナ出力制御部11は、周囲のアンテナ(全てのアンテナ13A〜13D)において、今回の送信エリア(ここでは、ステップS21やステップS23のときの送信エリア)よりも狭い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階狭い送信エリアでウェイクコードを送信する。つまり、アンテナ出力制御部11は、ステップS21又はステップS23において照合OKとなった送信エリア(照合用エリア)を基準として、このときの送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できる場合は、このときの送信エリアよりも一段階狭い送信エリアに切替えてウェイクコードを送信するる。
ステップS29では、キー照合制御部14にてACK信号を受信したと判定したか否かによって携帯機200からの応答の有無を判定し、応答有りと判定した場合はステップS30へ進み、応答無しと判定した場合はステップS21へ戻る。
ステップS30では、アンテナ出力制御部11は、分割したアンテナにおいて、送信エリアを狭くできる場合は、前回の送信エリア(ここでは、ステップS21やステップS23のときの送信エリア)よりも一段階狭い送信エリアに切替えてステップS21に戻る。
なお、送信エリアを狭くできない場合は、送信エリアの広さを切り替えずにステップS21に戻る。
一方、ステップS24の判定にておいて照合NGと判定された場合、ステップS27では、アンテナ出力制御部11は、送信エリアを広くできる場合は、前回の送信エリア(ここでは、ステップS21やステップS23のときの送信エリア)よりも一段階広い送信エリアに切替えてステップS21に戻る。なお、送信エリアを広くできない場合は、送信エリアの広さを切り替えずにステップS21に戻る。
このように、複数のアンテナをグループ分けして要求信号を送信することによって、個別に複数のアンテナから要求信号を送信する場合に比べて、携帯機200の探索時間を短くすることができる。また、携帯機200からの応答が確認された場合は、複数のアンテナにおける各アンテナから個別に狭い送信エリアとなるように要求信号を送信することによって、携帯機200の位置を絞りこむことができる。
また、このような場合、複数のアンテナにおける各アンテナから個別に狭い送信エリアとなるように要求信号を送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら、送信エリアを狭くできる場合は狭い送信エリアとなるように要求信号を送信するようにしてもよい(例えば、図7のタイミングt5)。
なお、複数のアンテナのうち一つのアンテナからのみ要求信号を送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら、このアンテナ、及び、このアンテナと隣り合うアンテナからのみ要求信号を送信するようにしてもよい(例えば、図7のタイミングt7)。
つまり、ある送信エリアにて携帯機200が確認された場合、この携帯機200が移動する先は、この送信エリアを形成しているアンテナに隣り合うアンテナによって形成される送信エリアである可能性が大きい。したがって、携帯機200が確認された送信エリアを形成しているアンテナ、及び、このアンテナと隣り合うアンテナからのみ要求信号を送信することによって、要求信号を送信するアンテナの数を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、各グループ1、グループ2に2本のアンテナを含む例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各グループ1、グループ2に3本以上のアンテナを含む例を採用することもできる。また、3つ以上のグループにグループ分けすることも可能である。
ここで、図7〜図11のタイムチャートを用いて、より具体的に説明する。なお、図7(a)〜(d)は、各アンテナ13A〜13Dにおける各タイミングt1〜t13におけるキー照合用信号(電波)及びエリア切替用信号(電波)を示すものであり、図7(e)は、各タイミングt1〜t13における判定結果及び照合結果を示すものである。また、図8〜図11に関しても同様に、(a)〜(d)は、各アンテナ13A〜13Dにおける各タイミングにおけるキー照合用信号(電波)及びエリア切替用信号(電波)を示すものであり、(e)は、各タイミングにおける判定結果及び照合結果を示すものである。なお、図7〜図11の(e)では、便宜上、照合OKの場合はOK、照合NGの場合はNG、ウェイクコードに対する携帯機200からの応答有りの場合はOK、無しの場合はNGと記載している。
まず、図7のタイムチャートを用いて説明する。アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt1、t2のように、グループ毎にアンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリアでチャレンジコードを送信する。ここでは、まず、タイミングt1のように、グループ1のアンテナ13A,13Bに対してアンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1A,1Bでチャレンジコードを送信する。そして、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無し(照合NG)と判定されると、図7のタイミング2のように、グループ2のアンテナ13C,13Dに対してアンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1C,1Dでチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt2のように、グループ2のアンテナ13C,13Dに対してアンテナ出力Vi+2として一番広い送信エリア1C,1Dでチャレンジコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定されるとグループ2を分割する(タイミングt4、t6参照)。なお、各グループの一番広い送信エリアにおいて、照合NGと判定された場合は、タイミングt1、タイミングt2と同様の処理を繰り返し実行する。
グループ2で照合OKと判定された場合は、グループ2を分割する前に、図7のタイミングt3のように、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア1C,1D)より一段狭い送信エリア(ここでは、周囲のアンテナ13A〜13Dに対してアンテナ出力Vi+1として送信エリア2A〜2Dを形成)でウェイクコードを送信する。
そして、アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt3のように、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア1C,1D)より一段狭い送信エリア(ここでは、アンテナ出力Vi+1として送信エリア2A〜2Dを形成)でウェイクコードを送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無しと判定されると、図7のタイミングt4のように、グループ2に含まれるアンテナ13Cに対してアンテナ出力Vi+2として、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア2A〜2D)よりも一段広い送信エリア(ここでは、送信エリア1C)でチャレンジコードを送信する。
なお、このように、照合OKとなったグループを分割して、携帯機200を特定している場合(つまり、各アンテナから個別にチャレンジコードを送信している場合)、携帯機200からの応答無し(照合NG)と判定されても、タイミングt5のように、全てのアンテナ13A〜13Dを用いて、送信エリアを狭くできる場合は狭い送信エリアとなるようにウェイクコードを送信するようにしてもよい。
つまり、複数のアンテナにおける各アンテナから個別に送信エリアとなるように要求信号を送信している場合、このときの送信エリアよりも狭い送信エリアに携帯機200がある可能性があるので、このようにすると好ましい。
そして、図7のタイミングt5のように、狭い送信エリアとなるようにウェイクコードを送信したにも関わらず、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無しと判定されると、アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt6のように、グループ2に含まれる他のアンテナ13Dに対してアンテナ出力Vi+2として、タイミングt5の送信エリア(ここでは、送信エリア2A〜2D)よりも一段広い送信エリア(ここでは、送信エリア1D)でチャレンジコードを送信する。
また、照合OKとなったグループを分割して探索を行っている際に、例えば、図7のタイミングt9のように、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有りと判定されると、前回照合OKだった送信エリア(ここでは、タイミングt8の送信エリア1D)より一段階狭い送信エリアで携帯機200の位置を探索する。
例えば、まず、図7のタイミングt10のように、前回照合OKだった送信エリア(ここでは、タイミングt8の送信エリア1D)より一段階狭い送信エリアの一部(ここでは、アンテナ13Dに対してアンテナ出力Vi+1として送信エリア2Dを形成)でチャレンジコードを送信する。
そして、照合OKの場合は、図7のタイミングt11のように、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア2D)より一段狭い送信エリア(ここでは、周囲のアンテナ13A〜13Dに対してアンテナ出力Viとして送信エリア3A〜3Dを形成)でウェイクコードを送信する。ただし、アンテナ13Bからのウェイクコードの送信は休止してもよい。
そして、図7のタイミングt11のように、狭い送信エリアとなるようにウェイクコードを送信したにも関わらず、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答無しと判定されると、アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt12のように、このときの送信エリア(ここでは、送信エリア3A、3C、3D)よりも一段階広い送信エリアの一部(ここでは、アンテナ13A、アンテナ13Cに対してアンテナ出力Vi+1として送信エリア2A、2Cを形成)でチャレンジコードを送信する。なお、アンテナ13Bは、候補アンテナ(こここでは、アンテナ13D)から遠いので、チャレンジコードの送信は休止してもよい。つまり、アンテナ13Dと隣り合うアンテナからのみチャレンジコードを送信するようにしてもよい。これによって、チャレンジコードを送信するアンテナの数を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
このようにすることで、携帯機200を所持したユーザーが車両100に近づいた場合でも応答性を低下させることなく携帯機200を特定することができる。
なお、アンテナ出力制御部11は、図7のタイミングt6、t8、t10のように、複数のアンテナのうち一つのアンテナからのみ要求信号(チャレンジコード)を送信している場合、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、このアンテナ、及び、このアンテナと隣り合うアンテナからのみウェイクコードを送信するようにしてもよい。ある送信エリアにて携帯機200が確認された場合、この携帯機200が移動する先は、この送信エリアを形成しているアンテナに隣り合うアンテナによって形成される送信エリアである可能性が大きい。したがって、携帯機200が確認された送信エリアを形成しているアンテナ、及び、このアンテナと隣り合うアンテナからのみウェイクコードを送信することによって、ウェイクコードを送信するアンテナの数を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
また、同様に処理を行うことによって、図8に示すように、正規の携帯機200を所持したユーザーが車両100外部の助手席側(送信エリア2D(送信エリア3Dを除く))から前方(送信エリア2A(送信エリア3Aを除く))に回り込む場合でも、正規の携帯機200の位置を特定することができる。なお、図8のタイムチャートは、タイミングt1のように、送信エリア2D(送信エリア3Dを除く)において、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定された以降を示すものである。
また、同様に処理を行うことによって、図9に示すように、正規の携帯機200を所持したユーザーが助手席側(送信エリア1D(送信エリア2D、3Dを除く))から車両100に近づきながら、車両100の前方(送信エリア2A)に回り込む場合でも、正規の携帯機200の位置を特定することができる。なお、図9のタイムチャートは、タイミングt1のように、送信エリア1D(送信エリア2D、3Dを除く)において、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定された以降を示すものである。
また、同様に処理を行うことによって、図10に示すように、正規の携帯機200を所持したユーザーが車両100外部の助手席側から遠ざかる(送信エリア2D(送信エリア3Dを除く)から送信エリア1D(送信エリア2D、3Dを除く))場合でも、正規の携帯機200の位置を特定することができる。なお、図10のタイムチャートは、タイミングt1のように、送信エリア2D(送信エリア3Dを除く)において、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定された以降を示すものである。
同様に処理を行うことによって、図11に示すように、正規の携帯機200を所持したユーザーが車両100外部の助手席側(送信エリア2D(送信エリア3Dを除く))から前方(送信エリア1A(送信エリア2A、3Aを除く))に回り込みながら、車両100から遠ざかる場合でも、正規の携帯機200の位置を特定することができる。なお、図11のタイムチャートは、タイミングt1のように、送信エリア2D(送信エリア3Dを除く)において、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答有り(照合OK)と判定された以降を示すものである。
なお、本実施のようにすることによって、例えば、送信エリア1A、送信エリア1B、送信エリア2Bの順で、正規の携帯機200を所持したユーザーが車両100に近づいてくる場合、ライト点灯制御部30は、送信エリア1Aでヘッドライトを点灯し、送信エリア1Bで室内灯を点灯し、送信エリア2BでD席ドアハンドル又はD席ドアハンドル付近に設けられたライトを点灯し、ドアロック制御部は、送信エリア2BでD席側のドアロック機構をアンロックスタンバイとする。
また、例えば、送信エリア1D、送信エリア2Dの順で、正規の携帯機200を所持したユーザーが車両100に近づいてくる場合、ライト点灯制御部30は、送信エリア1Dで室内灯を点灯し、ドアロック制御部は、送信エリア2DでP席側のドアロック機構をアンロックスタンバイとする。
なお、上述の実施の形態においては、車両全体をカバーする送信エリアを形成する例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両ドアの周辺のみをカバーする複数の送信エリアを形成する場合でも適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、複数のアンテナを一組とした複数に組(グループ)にわけて、送信エリアを形成する例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。複数のアンテナを個別に使用するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、要求信号として、ウェイクコード(エリア切替用信号)と、チャレンジコード(照合用信号)とを採用して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第3の実施の形態として、例えば、図12に示すように、チャレンジコード(照合用信号)のみのように、一つのコードを用いるようにしてもよい。このようにすることによっても、全ての送信エリアに対して要求信号を送信することを繰り返し行って携帯機200の位置を特定する場合に比べて、セキュリティー性を向上させつつ、携帯機200の位置を特定する際の応答性を向上させることができる。
なお、図12(a)は、各タイミングt1〜t9におけるキー照合用信号(電波)及びエリア切替用信号(電波)を示すものであり、図12(b)は、各タイミングt1〜t8における照合結果を示すものである。
この場合、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら(照合NG)、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるようにチャレンジコードを送信し、今回の送信エリアよりも広い送信エリアが設定できない場合は、送信エリアの切り替えを行わずにチャレンジコードを送信する。また、アンテナ出力制御部11は、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できる場合は、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアになるようにチャレンジコードを送信し、今回の送信エリアよりも狭い送信エリアが設定できない場合は送信エリアを切り替えずにチャレンジコードを送信する。
例えば、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt1のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、図12のタイミングt2のように、このときの送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt2のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら(照合NG)、図12のタイミングt3のように、このときの送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt3のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、図12のタイミングt4のように、このときの送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt4のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、図12のタイミングt5のように、このときの送信エリアよりも一段階狭い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Viとしてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt5のように、アンテナに対してアンテナ出力Viとしてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されたら(照合OK)、図12のタイミングt6のように、このときの送信エリアを切り替えずに(送信エリアを狭くできないので)、アンテナに対してアンテナ出力Viとしてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt6のように、アンテナに対してアンテナ出力Viとしてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら(照合NG)、図12のタイミングt7のように、このときの送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt7のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+1としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら(照合NG)、図12のタイミングt8のように、このときの送信エリアよりも一段階広い送信エリアとなるように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信する。
また、アンテナ出力制御部11は、図12のタイミングt8のように、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信して、キー照合制御部14にて携帯機200からの応答が確認されなかったら(照合NG)、図12のタイミングt9のように、このときの送信エリアを切り替えずに(送信エリアを広くできないので)、アンテナに対してアンテナ出力Vi+2としてチャレンジコードを送信する。
なお、この第3の実施の形態においては、アンテナを一つだけ設ける場合(第1の実施の形態に相当)を採用して説明したが、アンテナを複数個設ける場合(第2の実施の形態相当)にも適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。