JP5526692B2 - 含フッ素カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
含フッ素カルボン酸エステルの製造方法 Download PDFInfo
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[発明1]フッ化水素を少なくとも含有する一般式(1)
RfCOOR (1)
(式中、Rfは含フッ素アルキル基を表し、Rは一価の有機基を表す。)で表される含フッ素カルボン酸エステルをアルミノシリケイトと接触させてフッ化水素含有量を減少させた含フッ素カルボン酸エステルの製造方法。
[発明2]アルミノシリケイトが中空球状構造をもつアルミノシリケイトである発明1。
[発明3]アルミノシリケイトがアロフェンである発明2。
[発明4]アルミノシリケイトが管状空孔構造をもつアルミノシリケイトである発明1。
[発明5]アルミノシリケイトがイモゴライトである発明4。
[発明6]アルミノシリケイトが、予め無機塩基水溶液と接触させて得られたアルミノシリケイトである発明1〜5のいずれか。
[発明7]一般式(1)において、Rfが炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である発明1〜6のいずれか。
[発明8]一般式(1)において、Rfがジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基である発明1〜7のいずれか。
[発明9]一般式(1)において、Rが置換基を有することもある炭素数1〜4のアルキル基またはアリール基である発明1〜8のいずれか。
[発明10]一般式(1)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基またはフェニル基である発明1〜9のいずれか。
RfCOOR (1)
(式中、Rfは含フッ素アルキル基を表し、Rは一価の有機基を表す。)で表される含フッ素カルボン酸エステルをアルミノシリケイトと接触させてフッ化水素含有量を減少させる含フッ素カルボン酸エステルの製造方法である。
RfCOOR + H2O → RfCOOH + ROH
上の反応式中、Rfは含フッ素アルキル基を表し、Rは一価の有機基を表す。
容量100ccのPFA製容器に1.07質量%の水、1.34質量%のフッ化水素、0.026面積%のジフルオロ酢酸(CHF2COOH)、0.655面積%のエタノールを含む77gの粗ジフルオロ酢酸エチル(CHF2COOEt、99.115面積%)を仕込み、そこへ予め200℃で乾燥した9.3gのアロフェン(品川化成株式会社製セカードKW)を投入し、室温(約25℃)で20時間振盪した。処理後、アロフェンはペレットの形状を維持しており、処理したジフルオロ酢酸エチルの被処理液は透明であった。被処理液について分析した結果を表1に示す。
容量100ccのPFA製容器に0.2652質量%の水、0.616質量%のフッ化水素、0.171面積%のトリフルオロ酢酸(CF3COOH)、3.885面積%のエタノールを含む36.7gの粗トリフルオロ酢酸エチル(CF3COOEt、95.900面積%)を仕込み、そこへ200℃で乾燥した2.9gのアロフェン(品川化成株式会社製セカードKW)を投入し、室温(約25℃)で20時間振盪した。処理後、アロフェンはペレットの形状を維持しており、処理したトリフルオロ酢酸エチルの被処理液は透明であった。被処理液について分析した結果を表2に示す。
窒素シールしたドライアイスコンデンサ、吹き込み管、温度計を備えたフッ素樹脂製3口フラスコにエタノール(120g、2.61mol)を仕込み、攪拌しながら氷冷した。ジフルオロ酢酸フルオライド(CHF2COF、243g、2.47mol)を吹き込み管経由でゆっくりと吹き込み、362gの粗ジフルオロ酢酸エチルを合成した。これから採取した少量の粗ジフルオロ酢酸エチルを塩化カルシウムでフッ化水素除去して、有機分をガスクロマトグラフ分析したところ、ジフルオロ酢酸エチル(95.5面積%)、エタノール(3.93面積%)、ジフルオロ酢酸(0.09面積%)が含まれていた。また、イオンクロマトグラフでフッ素イオンを分析したところ、フッ化水素含量は13質量%であった。
容量200ccのPFA容器に200℃で乾燥した16.3gのアロフェン(品川化成株式会社製セカードKW)を装入し、実施例1の方法で処理して得られた52.2gのフッ化水素を含まないジフルオロ酢酸エチルを仕込み、−40℃に冷却してからテフロン(登録商標)棒で攪拌しながら、合成例1で製造した119.4gの13%HF含有の粗ジフルオロ酢酸エチルを10分間にわたりゆっくりと添加した。その後、5分毎に攪拌して1時間後に濾過して液相部を回収した。液相部のフッ素イオン濃度を測定したところ0.01質量%未満であり検出できなかった。これは、アロフェン1gあたりのフッ化水素除去量が0.42g以上であることに相当する。吸着後のアロフェンは、攪拌によって一部粉化していたが初期の形状(ペレット状)を保持していた。このアロフェン(14.7g)を5質量%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、吸着されていたフッ化水素が6.1gの氷晶石粉末(Na3AlF3)として回収され、また、8.4gのアロフェンペレットが回収された。
実施例3で水酸化ナトリウム水溶液を用いて再生したアロフェンを200℃で2時間乾燥した。39gの実施例1と同じジフルオロ酢酸エチル試料に、この再生アロフェン4.7gを投入して、実施例1と同様の実験を行った。処理後、アロフェンはペレットの形状を維持しており、処理したジフルオロ酢酸エチルの被処理液は透明であった。被処理液について分析した結果を表1に示す。アロフェンは再利用できた。
長さ500mm、内径10mmのステンレス鋼製チューブに30ccのアロフェン(品川化成株式会社製セカードKW)を充填した。0.3g/分の速度で、実施例1と同じジフルオロ酢酸エチル試料を100g流通させた。流通後の被処理液は透明であった。これを分析した結果を表1に示す。
[実施例6]
長さ500mm、内径10mmのステンレス鋼製チューブに30ccのアロフェン(品川化成株式会社製セカードKW)を充填した。0.3g/分の速度で、実施例2と同じ粗トリフルオロ酢酸エチルを100g流通させた。流通後の被処理液は透明であった。これを分析した結果を表2に示す。
各々予め氷浴で冷却したジフルオロ酢酸メチル(CHF2COOCH3、10g)とイオン交換水(20g)を混合し、氷浴で冷却しながら5分間攪拌した。水相をNaOH水溶液で中和し、CHF2COOCH3の加水分解によって生成するCHF2COO-イオンをイオンクロマトグラフィで定量し、加水分解率を求めた。その結果、5.0%の加水分解率であった。加水分解率は、CHF2COO-イオン量を、ジフルオロ酢酸メチル質量に換算し、試料のジフルオロ酢酸メチル質量10gで除して加水分解率を求めた。
各々予め氷浴で冷却したCHF2COOCH3(20g)と38%HF水溶液(20g)を混合し、氷浴で冷却しながら5分間攪拌した。水相をNaOH水溶液で中和し、CHF2COOCH3の加水分解によって生成するCHF2COO-イオンをイオンクロマトグラフィで定量し、加水分解率を求めた。その結果、43.0%の加水分解率であった。加水分解率は、参考例1と同様の方法で計算して求めた。
各々予め氷浴で冷却したジフルオロ酢酸イソプロピル(CHF2COOCH(CH3)2、5g)と38%HF水溶液(10g)を混合し、氷浴で冷却しながら5分間攪拌した。水相をNaOH水溶液で中和し、CHF2COOCH(CH3)2の加水分解によって生成するCHF2COO-イオンをイオンクロマトグラフィで定量し、加水分解率を求めた。その結果、6.9%の加水分解率であった。加水分解率は、参考例1と同様の方法で計算して求めた。
Claims (2)
- フッ化水素を少なくとも含有する一般式(1)
RfCOOR (1)
(式中、Rfはジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基であり、Rが置換基を有することもある炭素数1〜4のアルキル基である。)で表される含フッ素カルボン酸エステルに中空球状構造をもつアロフェンを接触させてフッ化水素含有量を減少させる含フッ素カルボン酸エステルの製造方法。 - アロフェンが、予め無機塩基水溶液と接触させて得られたアロフェンである請求項1に記載の含フッ素カルボン酸エステルの製造方法。
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