JP2002179623A - 精製された有機化合物の製造方法 - Google Patents

精製された有機化合物の製造方法

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明宏 和田
Toshihiko Fujima
俊彦 藤間
Hitoshi Iikura
仁 飯倉
Masao Iwatani
真男 岩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機化合物に夾雑するフッ化水素の除去処理を
含む有機化合物の製造方法において、工業的に実施可能
であり、高収率で安全な方法を提供すること。 【解決手段】フッ化水素が夾雑する有機化合物に、フッ
化水素と反応してまたはフッ素イオンと反応して塩を生
成する無機化合物を水性媒体中で作用させることにより
塩を形成させ、該塩を分離することを特徴とする精製さ
れた有機化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精製された有機化合物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物、特に含フッ素有機化合物
は、フッ化水素の存在下で合成されたり、フッ化水素が
副生する反応により合成される場合が多いため、得られ
た生成物中にフッ化水素が夾雑し易い問題がある。この
フッ化水素が最終製品中に残ることは好ましくないた
め、通常は蒸留処理等による精製が行われていたが、蒸
留処理でフッ化水素を完全に分離することは難しく、数
百ppmのフッ化水素が残存する問題があった。また、
有機化合物に混入しているフッ化水素は、フッ素の電気
陰性度が高いため、有機化合物との間で水素結合を生じ
やすい。水素結合により結合したフッ素と遊離状態のフ
ッ化水素は平衡状態になり、蒸留後期まで蒸留釜内にフ
ッ化水素酸として残存する問題がある。このため、蒸留
によるフッ化水素の分離は、困難であった。さらにフッ
化水素を除去したい場合には、水のみで洗浄するのが通
常であるが、水溶性が高い有機化合物や水と反応し分解
する有機化合物の場合は、洗浄後に有機化合物を回収す
ることが難しく、排水の化学的酸素要求量を上昇させる
問題や経済性に劣る問題があった。
【0003】また、化学装置から流出する酸性のフッ素
イオン含有水性流出液に凝固剤を配合し、つぎにアルカ
リ土類金属酸化物または水酸化物の懸濁液と混合するこ
とにより、フッ化水素をフッ化物塩として沈殿させる方
法(例えば特開平5−185073)がある。しかし該
方法を有機化合物に夾雑するフッ化水素の除去方法に用
いた例は記載されていない。また、この方法はpHの増
加により加水分解が促進される有機化合物には使用し難
い問題がある。
【0004】有機化合物に夾雑するフッ化水素を、固体
のフッ化ナトリウム等のフッ化水素捕捉剤を使用して除
く方法もあるが、該方法でフッ化水素を実質的に完全に
除くのは難しい問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題点を解決することにあり、水のみで洗浄すると加水
分解反応がおきやすい有機化合物等に夾雑するフッ化水
素を効率的に除去して高純度の有機化合物を製造する方
法であって、工業的に実施可能であり、高収率で安全な
操作で実施可能な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、無機化合物
を添加することで有機化合物に夾雑するフッ化水素を分
離することにより、高収率かつ容易に精製された有機化
合物が得られることを見出し、本発明を完成した。すな
わち、本発明は、フッ化水素が夾雑する有機化合物に、
フッ化水素と反応してまたはフッ素イオンと反応して塩
を生成する無機化合物を水性媒体中で作用させることに
より塩を形成させ、該塩を分離することを特徴とする精
製された有機化合物の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法において、フッ化水素
が夾雑する有機化合物中のフッ化水素の量は特に限定さ
れないが、処理効率を考慮すると、有機化合物に対する
フッ化水素量は0.001〜50質量%であるのが好ま
しく、特に0.001〜30質量%であるのが好まし
い。フッ化水素が夾雑する有機化合物としては、フッ化
水素を用いた反応により合成された有機化合物、フッ化
水素が副生する反応により得られた有機化合物が挙げら
れ、これらの反応で合成された含フッ素有機化合物が好
ましい。
【0008】本発明の方法における有機化合物として
は、特に下式(1)で表されるエステル化合物が挙げら
れ、特に下式(1A)で表される含フッ素エステル化合
物が好ましい。
【化3】RCOOR・・・(1)
【化4】RAfCOORB1・・・(1A) ただし、R、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、エーテル性酸素原子含有アルキル
基、またはハロゲン化(エーテル性酸素原子含有アルキ
ル)基を示す。また、RAfは、フッ素化アルキル基、
フッ素化(エーテル性酸素原子含有アルキル)基を示
し、RB1はアルキル基、または、ハロゲン化(エーテ
ル性酸素原子含有アルキル)基を示す。R、R、R
Af、RB1の炭素数は、それぞれ1〜12が好まし
く、1〜6が特に好ましい。エステル化合物(1)のう
ち、フッ素原子または水素原子を有する化合物は、フッ
化水素との結合を形成しやすいため、本発明の方法にお
いて好適な有機化合物である。またエステル化合物
(1)は、水のみで洗浄すると分解しやすい性質がある
が、本発明において無機化合物と水性媒体との共存下で
はきわめて分解しにくい点においても本発明の方法にお
いて好適な化合物である。さらに、含フッ素エステル化
合物(1A)は、フッ素原子の存在により疎水性とな
り、水性媒体と相分離しやすい化合物であるため、特に
好ましい。
【0009】ここでアルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、へプチル、およびオクチル基等の
直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。フッ
素化アルキル基としては、アルキル基中の水素原子の1
個以上がフッ素原子に置換された基であり、炭素数1〜
12のアルキル基中の水素原子の全てがフッ素原子に置
換された基(すなわちぺルフルオロアルキル基)であっ
てもよい。また、エーテル性酸素原子含有アルキル基と
しては、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基が好
ましい。フッ素化(エーテル性酸素原子含有アルキル)
基としては、フルオロアルコキシ基、または、フルオロ
アルコキシアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルコ
キシ基またはペルフルオロアルコキシアルキル基であっ
てもよい。また、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン
化(エーテル性酸素原子含有アルキル)基におけるハロ
ゲン原子としては、フッ素原子のみ、またはフッ素原子
と塩素原子からなるのが好ましい。
【0010】すなわち、該ハロゲン化アルキル基として
は、フルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル
基が好ましい。式(1)で表される含フッ素エステル類
の具体例としては、下記化合物が挙げられる。 CH2FCOOCH3 CHF2COOCH3 CF3COOCH3 CH2FCOOCH2CH3 CHF2COOCH2CH3 CF3COOCH2CH3 CH2FCH2CH2COOCH2CH3 CHF2CH2CH2COOCH2CH3 CHF2CF2CH2COOCH2CH3 CF3CF2CH2COOCH2CH3 CHF2CF2CH2COOCH3 CF3CF2CH2COOCH3 CH3CH2CH2OCH(CH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3 CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3
【0011】本発明方法においては、フッ化水素が夾雑
する有機化合物に特定の無機化合物を水性媒体中で作用
させる。無機化合物としては、フッ化水素またはフッ素
イオン(F)と反応して塩を形成する無機化合物から
選択され、特に本発明方法においては水性媒体中で無機
化合物を作用させることから、無機化合物としては、水
性媒体に溶解、乳化、分散、または懸濁しうる化合物で
あるか、または、本発明方法の条件において液体である
無機化合物が好ましく、水性媒体に溶解しうる無機化合
物が取り扱いがしやすいため特に好ましい。
【0012】さらに、無機化合物は水に対する溶解性が
高いものが好ましく、25℃において2〜60質量%の
無機化合物水溶液を形成しうる無機化合物が好ましい。
無機化合物としてはAl、Ca、Mg、Mn、Naの元
素を含む化合物が好ましく、該元素を含む酸化物、水酸
化物、塩が好ましい。無機化合物の具体例としてはAl
、MnO、Al(OH)、Ca(OH)
Mg(OH)、NaBr、NaCl、NaI、CaC
等が挙げられる。これらの無機化合物の形状は特に
限定されず、微粉状であるもの、または水性溶媒に溶
解、分散、もしくは懸濁させたものが挙げられる。
【0013】本発明方法において用いられる無機化合物
の割合としては、有機化合物100質量%に対して0.
1〜100質量%、およびフッ化水素に対して0.1〜
20モル倍のうち多い割合が好ましく、フッ化水素に対
して0.3〜10モル倍の範囲がより好ましい。
【0014】本発明方法は、上記無機化合物を水性媒体
中で有機化合物に作用させる。水性媒体としては、水
(蒸留水、脱イオン水等)、または水と水溶性有機溶媒
の混合物が挙げられる。
【0015】水性媒体が水と水溶性有機溶媒の混合物で
ある場合の水溶性有機溶媒量は該混合物中に50質量%
以下であるのが好ましい。水溶性有機溶媒量が多すぎる
と、有機化合物の分離がうまくいかないおそれがある。
有機溶媒としては、フッ化水素と反応せず、かつ、有機
化合物と容易に分離可能な有機溶媒から選択するのが好
ましい。水性媒体は、有機化合物や無機化合物の種類に
応じて適宜変更でき、通常は後処理の容易さや容積効率
等の点から、水性媒体は水のみであるのが好ましい。
【0016】本発明方法においては、無機化合物が、フ
ッ化水素と反応してまたはフッ素イオンと反応して塩を
形成する。該塩としては、無機化合物のフッ化物塩や無
機化合物のフッ化水素複合体等が挙げられる。フッ化水
素が夾雑する有機化合物に無機化合物を作用させる方法
としては、有機化合物に無機化合物を添加する方法、無
機化合物に有機化合物を添加する方法のいずれであって
もよく、水性媒体は、有機化合物と共に添加しても無機
化合物と共に添加しても、別途添加してもよい。添加の
時期は、当初に一括して仕込んでも、逐次添加してもよ
いが、操作上からは一括添加、特に予め水に溶解して使
用することが好ましい。無機化合物を有機化合物に作用
させる際の温度は、−80〜250℃の範囲が好まし
く、工業的に実施するためには0〜80℃の範囲が好ま
しい。
【0017】つぎに本発明方法においては、形成された
塩を有機化合物から分離する。該分離方法としては特に
限定されないが、本発明方法においては、水性媒体中で
固体の塩を形成させて、該塩を有機化合物から分離する
のが好ましい。すなわち、無機化合物から形成される塩
は、水性媒体に対する溶解性が低いものであるのが好ま
しい。上記で例示する無機化合物から形成される塩は、
通常の場合には、固体として析出しうる塩である。固体
として析出した塩を有機化合物から分離する方法として
は、ろ過、デカンテーション等が挙げられる。
【0018】さらに、塩を除いた残余の有機化合物と水
性媒体は、常法により分離すればよい。ここで、残余の
有機化合物と水性媒体が相分離する場合には、有機化合
物と水性媒体の分離がしやすく特に好ましい。たとえ
ば、上記好ましい水溶性の無機化合物を作用させた場合
には、塩析効果により有機化合物の水性媒体に対する溶
解性が低下し、有機化合物相を形成させることができる
ため、特に好ましい。有機化合物相と水性媒体相とが相
分離する場合には、これらを、分液等の方法で容易に分
離できる。
【0019】本発明方法によれば、フッ化水素が夾雑す
る有機化合物を、精製された有機化合物にすることがで
きる。本発明方法によって得られる精製された有機化合
物においては、フッ化水素が充分に除かれ、通常の場合
には、フッ化水素量が0〜1.5質量%程度になりう
る。また、仮に本発明方法を1回実施してフッ化水素量
が所望の量にならなかった場合には、本発明方法を複数
回繰り返せばよい。
【0020】たとえば、上述の処理によって析出物の除
去された有機化合物について、再度または複数回、無機
化合物を含む水性媒体を加えてフッ化水素の除去処理を
することによって、より完璧な有機化合物の連続精製工
程を含む有機化合物の製造方法を達成できる。該除去処
理に用いる無機化合物としては、水に不溶性または難溶
性の無機化合物や本発明方法における無機化合物以外の
無機化合物であってもよい。該無機化合物の例として
は、シリカゲル、アルミナ、フッ化ナトリウム、フッ化
アルミニウム、フッ化カルシウム等が挙げられる。ま
た、除去処理を繰り返した後の排水は処理回数のより少
ない段階の処理工程、特に最初に処理を行う工程におい
て使用することができる。
【0021】
【作用】本発明方法により精製された有機化合物が得ら
れる理由は必ずしも明確ではないが、特定の無機化合物
の作用により有機化合物が水性媒体中から排除されるこ
とにより、有機化合物からフッ化水素の分離が容易にな
ると考えられる。
【0022】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳述するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0023】[実施例1]フッ素樹脂製の分液漏斗に、
フッ化水素20質量%(1.0mol)を含むCHF2COOC
H2CH3100g(CHF2COOCH2CH3として0.64mol)
を入れた。これに飽和食塩水150g(NaClとして
39g、0.67mol)を加え、常温、常圧において
撹拌した。5分間経過した後、底に沈んだフッ化ナトリ
ウムおよび二フッ化水素ナトリウムのスラリーを分離、
次に下層(有機化合物層)としてCHF2COOCH2CH368g
を回収した。最後に上層(水層)としてフッ化水素を含
む食塩水を回収した。回収したCHF2COOCH2CH3中のフッ
化水素分は1.3質量%であり、水分量は5.1質量%
であった。
【0024】[実施例2]実施例1で回収したCHF2COOC
H2CH368gを再びフッ素樹脂製の分液漏斗に入れた。
これに飽和食塩水68g(NaClとして17.9g、
0.306mol)を加え、常温、常圧において撹拌し
た。5分間経過した後、底に沈んだ僅かなフッ化ナトリ
ウムおよび二フッ化水素ナトリウムのスラリーを分離、
次に下層(有機化合物層)としてCHF2COOCH2CH362g
を回収した。最後に上層(水層)としてフッ化水素を含
有する食塩水を回収した。回収したCHF2COOCH2CH3中の
フッ化水素分は300ppmであり、水分量は3.9質
量%であった。
【0025】[比較例1]フッ素樹脂製の分液漏斗に、
フッ化水素20質量%を含むCHF2COOCH2CH3100gを
入れた。これにイオン交換水100gを加え、常温、常
圧において撹拌した。5分間経過した後、下層(有機化
合物層)としてCHF2COOCH2CH332gを回収した。次に
上層(水層)としてフッ酸水を回収した。回収したCHF2
COOCH2CH3中のフッ化水素分は4%であった。
【0026】[実施例3]フッ素樹脂製の反応器に、飽
和食塩水100g(NaClとして26.3g、0.4
5mol)、フッ化ナトリウム42g(1.0mol)
を加え、撹拌した。このスラリーにフッ化水素20質量
%(1.0mol)を含むCHF2COOCH2CH3混合物100
gを入れた。溶剤としてAK−225(旭硝子株式会社
製、商品名、HCFC−225caとHCFC−225
cbとの混合物)90gを加えて撹拌した後、室温にて
フッ化ナトリウムおよび二フッ化水素ナトリウムを含ん
だ水相を分離した。次に有機層としてCHF2COOCH2CH3
AK−225溶液(152g)を回収した。回収したCH
F2COOCH2CH3混合物中のフッ化水素分は0.47%まで
減少していた。
【0027】[実施例4]フッ素樹脂製の分液漏斗に、
フッ化水素2.0g(0.1mol)とCH3CH2CH 2OCH(C
H3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF343g(0.1mol)と
を含む混合物45gを入れた。これに飽和食塩水22g
(NaClとして5.8g、0.1mol)を加え、常
温、常圧において撹拌した。5分間経過した後、底に沈
んだフッ化ナトリウムおよび二フッ化水素ナトリウムの
スラリーを分離、次に下層(有機層)としてCH3CH2CH2O
CH(CH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF341gを回収した。最
後に上層(水層)としてフッ化水素を含む食塩水を回収
した。回収したCH3CH2CH2OCH(CH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF
2CF3中のフッ化水素分は0.5質量%まで減少してい
た。この回収液41gに飽和食塩水22gを加え、常
温、常圧において撹拌した。5分間経過した後、分液
し、下層(有機層)としてCH3CH2CH2OCH(CH3)CH2OCOCF
(CF3)OCF2CF2CF339.8gを回収した。回収した有機
層中のフッ化水素分は220ppmまで減少していた。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば水溶性が高い有機化
合物または水と反応し分解しうる有機化合物からフッ化
水素が充分に除去された有機化合物を高収率かつ効率的
に得ることができる。本発明方法は、工業的に実施可能
であり、特別な試薬や操作を必要としない点で有利な方
法であり、かつ、環境に対する悪影響の少ない方法であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩谷 真男 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD30 BB14 BB15 BB31 BB47 BE11 BE33 BE61 BE90 BM10 BM71 BP10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化水素が夾雑する有機化合物に、フ
    ッ化水素と反応してまたはフッ素イオンと反応して塩を
    生成する無機化合物を水性媒体中で作用させることによ
    り塩を形成させ、該塩を分離することを特徴とする精製
    された有機化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記無機化合物が水性媒体に溶解しうる
    化合物であり、かつ前記無機化合物を添加して生成する
    塩を析出させて分離する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機化合物が、水性媒体と相分離しうる
    化合物である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機化合物が、下式(1)で表されるエ
    ステル化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製
    造方法。 【化1】RCOOR・・・(1) ただし、R、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハ
    ロゲン化アルキル基、エーテル性酸素原子含有アルキル
    基、またはハロゲン化(エーテル性酸素原子含有アルキ
    ル)基を示す。
  5. 【請求項5】 有機化合物が、下式(1A)で表される
    エステル化合物である請求項4に記載の製造方法。 【化2】RAfCOORB1・・・(1A) ただし、RAfは、フッ素化アルキル基、フッ素化(エ
    ーテル性酸素原子含有アルキル)基を示し、RB1はア
    ルキル基、または、ハロゲン化(エーテル性酸素原子含
    有アルキル)基を示す。
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