JP5524429B1 - パイプレイヤのためのウインチ及びそれを備えたパイプレイヤ - Google Patents

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Abstract

フックウインチ(8)の押圧ローラ(100)は、ローラ中央部(101)と、第1ローラ端部(102)、及び第2ローラ端部(103)を有している。ローラ中央部(101)は円柱形状であり、第1ローラ端部(102)及び第2ローラ端部(103)は、略円錐台形状を持つ。第1ローラ端部(102)及び第2ローラ端部(103)の幅は、ワイヤロープ(83)の直径より大きい。第1ローラ端部(102)及び第2ローラ端部(103)の内側端と外側端の径の差は、ワイヤロープ(83)の直径より小さい。押圧ローラ(100)の中心軸に対して垂直な方向から視た平面視において、ローラ中央部(101)の表面と平行な線と第1ローラ端部(101)、第2ローラ端部(103)の表面と平行な線によって形成される角度をテーパ角度とすると、第1ローラ端部(101)のテーパ角度θ3と第2ローラ端部(102)のテーパ角度θ4が異なっている。

Description

本発明は、パイプレイヤのためのウインチ及びそれを備えたパイプレイヤに関する。
パイプレイヤは、石油・天然ガス輸送用パイプラインの建設現場などでパイプを設置するために用いられる作業車両である。多くのパイプレイヤはトラクタをベースとした車両であり、その幅方向(短手方向)一端側にウインチとカウンターウェイトを、他端側にウインチから張り出されるワイヤロープにより懸架されるブームを備える。パイプラインの建設現場では、複数のパイプレイヤが並べられ、それぞれのパイプレイヤがウインチによってワイヤロープを巻き上げることによってパイプが持ち上げられる。このウインチは、油圧モータに連結されており、油圧によって駆動される。
このようなウインチにおいてワイヤロープをドラムに巻き取る際の乱巻きの発生を防止するために、一般的に、ウインチドラムとそのドラムより張り出されるワイヤロープの成す角であるフリート角度を小さくする手段が採られる。これは、ワイヤロープを巻き取る際には、スラスト方向の力が発生し端から中央方向に向けてワイヤロープが移動しようとするが、フリート角度が大きくなるとその力が大きくなってワイヤロープが不適切に移動して乱巻きが発生しやすいためである。更に、乱巻きの発生を防止する手段として、ワイヤロープをドラム表面側に押圧する円柱状のローラをドラムに備える(例えば、特許文献1参照。)等の手段が採られる。
特開昭64−34896号公報
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、上記従来の手段では、以下に示すような問題点を有している。
パイプレイヤでは、トラクタの狭い幅方向にブームとウインチが配設されているので、フリート角度が大きくなる場合がある。フリート角度がある角度より大きくなると、上述したように乱巻きが発生しやすい。
また、従来のウインチでは、上述のローラによるワイヤロープの押圧が強すぎると、端から中央側に向けてワイヤロープが移動できないため、端部分にワイヤロープが集中的に巻かれる場合がある。一方、ローラによるワイヤロープの押圧が弱すぎると、端から中央側に向かってワイヤロープが隣り合って配列されず、ワイヤロープ間に隙間が発生する場合がある。ウインチをパイプレイヤに用いる場合、上述のようにフリート角度が大きい場合があることから、この傾向が顕著となる。
一方、パイプレイヤは気温がマイナス40℃を下回る極寒冷地で使用されることがあるため、精緻な電子制御に基づくフリート角度制御を採ることは難しい。
本発明の目的は、従来のウインチの課題を考慮し、乱巻きの発生を抑制することが可能なウインチ及びそれを用いたパイプレイヤを提供することである。
(課題を解決するための手段)
第1の発明に係るウインチは、ドラムと、押圧ローラとを備えている。ドラムは、ワイヤロープが巻回される。押圧ローラは、ドラムの幅方向に沿って配置され、ドラムに巻回されるワイヤロープをドラム表面に押圧する。押圧ローラは、円柱形状のローラ部と、ローラ部の幅方向の第1端側及び第2端側に配置され、第1端あるいは第2端側から離れるに従って半径が小さくなる略円錐台形状を持つローラ端部を有する。ローラ端部の幅は、ワイヤロープの直径より大きく、ローラ端部の内側端と外側端の半径の差は、ワイヤロープの直径より小さい。押圧ローラの中心軸に対して垂直な方向から視た平面視において、ローラ部の表面と平行な線とローラ端部の表面と平行な線によって形成される角度をテーパ角度とし、第1端側のローラ端部のテーパ角度と第2端側のローラ端部のテーパ角度が異なっている。
このように、ローラ端部の幅をワイヤロープの直径より大きくすることにより、少なくともワイヤロープの幅1つ分はテーパ形状部分に配置することが出来る。又、ローラ端部の内側端と外側端の半径の差をワイヤロープの直径より小さくすることによって、テーパ形状のどの位置においてもワイヤロープを押圧することが出来る。
これにより、テーパ形状によって、押圧されているワイヤロープに外側に向かう力(スラスト反力)が発生する。そのため、ワイヤロープを巻き取る際に内側方向にワイヤロープを移動させる力(スラスト力)が大きい場合でも、その力に対抗し、スラスト力とスラスト反力の合力として適切なスラスト力を生みだし、ワイヤロープを内側に適切に移動することが出来る。
すなわち、テーパ形状によって適切なスラスト反力を発生させることによって、乱巻きの発生を抑制することが出来る。
また、ローラ端部が設けられている側のドラムの端とシーブを結ぶ線と、シーブからドラムの回転軸への垂線が形成する角度(フリート角度ともいう)が大きくなると、端においてワイヤロープが内側に向かって引っ張られる力が大きくなりスラスト力が大きくなる。このスラスト力に対抗するためにスラスト反力を大きくする必要がある。このスラスト反力は、テーパ角度を大きくすることにより大きくすることが出来る。
すなわち、フリート角度が大きいほど、テーパ角度を大きくすることにより、ワイヤロープの適切な内側への移動を実現できる。
第2の発明に係るウインチは、第1の発明に係るウインチであって、ドラムは、ワイヤロープが層状に巻回される円柱形状のドラム本体と、ドラム本体の両端である第1端及び第2端に配置されたフランジ部とを有している。ワイヤロープが層状に巻回されるとは、ドラム本体の第1端から第2端に向かって隣り合ってワイヤロープが順に配置され、隣り合って配置されたワイヤロープの上側に第2端から第1端に向かってワイヤロープが隣り合って順に配置されることであり、ワイヤロープが下側の層から上側の層へと移動するドラム本体の第2端には、上側の層の第2端側の端に位置するワイヤロープの部分が嵌る第1溝が形成されている。
このように、端のワイヤロープの部分が第1溝に嵌ることによって、端におけるワイヤロープの位置を固定することが出来る。端におけるワイヤロープ部分の位置を固定することによって、ワイヤロープを巻き取って内側に移動させる際に、端のワイヤロープ部分に隣接するようにワイヤロープを巻き取られることが出来る。
すなわち、巻き取る際の基準となるワイヤロープ部分の位置決めを行うことができるため、整然とワイヤロープを巻き取ることが出来る。
第3の発明に係るウインチは、第2の発明に係るウインチであって、第2端の側に配置されたフランジ部は、突起部を有する。突起部は、第1溝に配置されたワイヤロープ部分を、下側の層の第2端側の端に位置するワイヤロープの部分とその隣に配置されたワイヤロープの部分によって形成される第2溝に移動させる。
このように、突起部を備えることによって、端に固定したワイヤロープ部分を、その内側の隣に形成されている第2溝に、下側の層の第2端側の端に位置するワイヤロープ部分を乗り越えて配置させることが出来る。
これにより、整然とワイヤロープを巻き取ることが出来る。
第4の発明に係るウインチは、第1の発明に係るウインチであって、ローラ端部のローラ部と相対する側の端に対向するドラムの表面位置から繰り出るワイヤロープのフリート角度は、2°以下である。
すなわち、ドラムの表面にワイヤロープを配置する溝が形成されていない場合には、上記角度が2度を超えるとスラスト力が大きくなり過ぎ、乱巻きが発生する場合がある。しかしながら、角度が2°を超える部分にテーパ形状を形成することにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
第5の発明に係るウインチでは、ドラム本体は、その表面にワイヤロープが載置される複数の載置溝を有する。ローラ端部のローラ部と相対する側の端に対向するドラムの表面位置から繰り出るワイヤロープのフリート角度は4°以下である。
すなわち、ドラムの表面に溝が形成されている場合、上記角度が4°を超えるとスラスト力が大きくなり過ぎ、乱巻きが発生する場合がある。しかしながら、角度が4°を超える部分にテーパ形状を形成することにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
第6の発明に係るパイプレイヤは、フックと、第1から5のいずれかの発明に係るウインチとを備えている。ドラムは、フックを上下させるワイヤロープが巻き回されるフック用ドラムである。
これにより、ドラムに巻き回されたワイヤロープを押圧する押圧ローラの端部分にテーパ形状を設けるという簡易な構成によって、乱巻きの発生を抑制することが出来るパイプレイヤを提供することが出来る。
第7の発明に係るパイプレイヤは、第6の発明に係るパイプレイヤであって、シーブと、ブームと、ブーム用ドラムとを備えている。シーブは、フックを上下させるワイヤロープが巻き掛けられる。ブームは、フックが吊るされる。ブーム用ドラムは、フック用ドラムと同軸上に並んで配置され、ブームを起伏させるワイヤロープが巻回される。シーブは、その回転軸がフック用ドラムの回転軸と平行であって、回転軸に対して垂直な方向から視た平面視においてフック用ドラムの幅方向の中心よりもブーム用ドラム側寄りに配置されている。第1端側のローラ端部はブーム用ドラムが設けられている側に配置されている。第1端側のローラ端部のテーパ角度は、第2端側のローラ端部のテーパ角度よりも小さい。
このように、フック用ドラムとブーム用ドラムを同軸上に配置することにより、シーブをフック用ドラムの幅方向の中央に配置することが出来ない。このため、フック用ドラムの端におけるフリート角度が大きくなる場合があるが、押圧ローラの端部にテーパ形状を形成することにより、乱巻きの発生を抑制することが出来る。
言い換えると、押圧ローラの端部にテーパ形状を形成するだけで、シーブを配置する位置を変更することが出来る。そのため、他の構成の配置も考慮して、シーブの位置を決定できるため設計を行い易い。
また、このように、ブーム用ドラム側に配置されているローラ端部のほうが、反対側のローラ端部よりもテーパ角度が小さく形成されている。また、シーブからの距離が遠い方のローラ端部が配置されている側のフック用ドラムの端の方が、シーブからの距離が近い方のローラ端部が配置されている側のフック用ドラムの端よりもフリート角度が大きくなる。すなわち、フック用ドラムのブーム用ドラム側の端の方が、反対側の端よりもフリート角度が小さくなる。
これにより、フリート角度が大きくなるほうのテーパ角度を大きくすることにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
(発明の効果)
本発明によれば、乱巻きの発生を抑制することが可能なウインチ及びそれを用いたパイプレイヤを提供することが出来る。
本発明の実施の形態に係るパイプレイヤの外観を示す図。 図1に示すパイプレイヤがパイプの設置作業を行っている状態を表わす正面図。 図1に示すパイプレイヤの平面図。 図1に示すパイプレイヤの正面図。 図4に示す矢印A方向から視たフックドラム、ブームドラム、及びブーム用第2滑車の側面図。 図1の押圧部周辺の正面図。 図6に示す矢印B方向から視た押圧部84の底面図。 (a)〜(d)図1に示すパイプレイヤのフックドラムを示す外観斜視図。 図8に示すフックドラムのドラム本体の表面を二次元的に示した図。 図1に示すパイプレイヤのフックウインチを示す斜視図。 (a)、(b)図1に示すパイプレイヤにおけるフックドラムとフック用第2滑車の位置関係を示す平面図。 図1に示すパイプレイヤの押圧ローラのテーパ角度を説明するための図。 図1に示すパイプレイヤのフックドラムにワイヤロープが巻き取られている状態を示す図。 図1に示すパイプレイヤのフックドラムの第1フランジ部側の内側面を示す平面図。 図1に示すパイプレイヤのフックドラムの第2フランジ部側の内側面を示す平面図。 (a)〜(e)図1に示すパイプレイヤのフックドラムにワイヤロープが巻き取られている状態を説明するための図。 (a)〜(e)図1に示すパイプレイヤのフックドラムにワイヤロープが巻き取られている状態を説明するための図。 図1に示すパイプレイヤのフックドラムにワイヤロープが巻き取られた状態を示す図。 図1に示すパイプレイヤのテーパ形状とワイヤロープとの関係を説明するための図。
本発明の実施の形態に係るパイプレイヤについて以下に図面を参照しながら説明する。
(パイプレイヤ1の概要構成)
図1は、本実施の形態のパイプレイヤ1の外観を示す図である。
パイプレイヤ1は、車両本体2と、カウンターウェイト3と、ブーム4と、フック5と、ウインチ装置6を有する。なお、図1では、図面の理解の容易のために、後述するフック5用のワイヤロープ83及びブーム4用のワイヤロープ73が省略されている。また、以下の説明において、前後方向とは、運転室10に着座した操作者から見た車体の前後方向を意味する。また、左右方向、或いは、側方とは、パイプレイヤ1の車幅方向を意味し、運転室10に着座した操作者から見た左右の方向である。また、図1において前方向を矢印Fで示し、後ろ方向を矢印Bで示し、右方向を矢印Rで示し、左方向を矢印Lで示している。
車両本体2は、エンジンルーム11、運転室10、一対の走行装置13,14などを有している。エンジンルーム11には、後述するエンジンが配置される。運転室10、及び、油圧ポンプなどの機器(図示せず)は、エンジンルーム11の後方に配置されている。走行装置13,14は、それぞれ履帯13a,14aを有している。エンジンからの駆動力により履帯13a,14aが駆動されることにより、パイプレイヤ1が走行する。
車両本体2は、前後方向の長さに比べ、車幅方向の長さが短い。
カウンターウェイト3は、車両本体2の右側面側に取り付けられている。図2は、パイプレイヤ1がパイプ99の設置作業を行っている状態を表わす正面図である。カウンターウェイト3は、アーム部材15を介して車両本体2に取り付けられている。カウンターウェイト3は、油圧シリンダ16によって車幅方向に移動可能に設けられている。パイプレイヤ1は、カウンターウェイト3の車両本体2に対する距離を調整することによって、パイプ99の吊り作業時に、車体のバランスをとることができる。
ブーム4は、車両本体2の左側面側に取り付けられている。すなわち、ブーム4は、カウンターウェイト3と反対側の車両本体2の側部に取り付けられている。ブーム4は、後述のウインチ装置6から張り出されるワイヤロープにより懸架されている。ブーム4の下部は、車両本体2に対して車両本体2の前後方向に沿う軸により揺動可能に取り付けられている。また、ブーム4の先端には、荷であるパイプを吊るためのフック5が吊るされている。
(ウインチ装置6)
図3は、本実施の形態のパイプレイヤ1の平面図である。図4は、パイプレイヤ1の正面図である。
図1〜図3に示すように、ウインチ装置6は同軸2連のウインチ装置であり、ブームウインチ7と、フックウインチ8を有している。ウインチ装置6は、回転軸が車両本体の前後方向に沿う方向あり、ブーム4に相対して車両本体2の右側上面に配置されている。ブームウインチ7は前側に、フックウインチ8は後側に配置されている。フックウインチ8の幅は、ブームウインチ7の幅より数倍大きい。2基のウインチ装置は縦に並列に設置することも可能であるが、パイプレイヤ1の重心が低くなる点で、同軸2連の配置が有利である。
(ブームウインチ7)
図4に示すように、ブームウインチ7は、ブームドラム70、ブーム用第1滑車71、ブーム用第2滑車72及びワイヤロープ73を有している。
ブームドラム70には、ブーム4を起伏させるためのワイヤロープ73が巻き回される。図3に示すようにブームドラム70は、カウンターウェイト3の内側(左側)に設けられており、その回転軸が車体前後方向と平行になるように配置されている。ブーム用第1滑車71はブーム4の先端に配置されている。ブーム用第2滑車72は、ブームドラム70の上方に配置されている。ワイヤロープ73は、ブームドラム70からブーム用第1滑車71、ブーム用第2滑車72へと巻き掛けられている。そして、図示しない駆動装置にてブームドラム70を回転駆動することによってワイヤロープ73の巻出し又は巻戻しが行われ、ブーム4が起伏する。
(フックウインチ8)
フックウインチ8は、フックドラム80、フック用第1滑車81、フック用第2滑車82、ワイヤロープ83及び押圧部84を有している。
フックドラム80には、フック5を上下させるためのワイヤロープ83が巻き回される。フックドラム80は、ブームドラム70の後ろ側に並んで配置されており、その回転軸はブームドラム70の回転軸と同軸上(図3中、軸S1参照)に配置されている。この軸S1は車体前後方向と平行である。図4に示すように、フック用第1滑車81は、ブーム4の上部に取り付けられており、フック5に連結されたワイヤロープ83が巻き掛けられている。また、フック用第2滑車82が、車両本体2のブーム4側の側部上面に配置されている。フック5に連結されたワイヤロープ83は、フック用第1滑車81と、フック用第2滑車82を通り、フックドラム80まで延びている。そして、図示しない駆動装置にてフックドラム80を回転駆動することによってワイヤロープ83の巻出し又は巻戻しが行われ、フック5が上下に移動する。
(押圧部84)
押圧部84は、図3に示すようにフックドラム80の上方に配置されており、フックドラム80に巻き回されたワイヤロープ83を押圧ローラ100の表面によりフックドラム80の表面に押圧する。
図5は、図4に示す矢印A方向から視たフックドラム80、ブームドラム70、及びブーム用第2滑車72の側面図である。尚、図5では、説明のためにブーム用第2滑車72は二点鎖線で示されている。図6は、押圧部84周辺の正面図である。尚、図6では、説明のためにフックドラム80及びブーム用第2滑車72は二点鎖線で示されている。図7は、押圧部84を下側(図6の矢印B方向)から見た底面図である。
図5、図6及び図7に示すように、押圧部84は、押圧ローラ100と、押圧ローラ100を支持する支持部150と、回動軸160と、回動軸160に設けられた捻りバネ170(図5及び図7参照)とを有している。
(押圧ローラ100)
押圧ローラ100は、支持部150によって回転可能に設けられており、その中心軸S2がフックドラム80の回転軸(軸S1参照)と平行になるように配置されている。すなわち、押圧ローラ100は、その回転軸(軸S1参照)がパイプレイヤ1の前後方向と並行になるように配置されている(図3参照)。
押圧ローラ100は、ローラ中央部101と、第1ローラ端部102と、第2ローラ端部103とを有している。
ローラ中央部101は円柱形状である。第1ローラ端部102は、ローラ中央部101の前端1010側に設けられており、外側(前側)に向かって半径が小さくなるようなテーパ形状を有する略円錐台形状である。第2ローラ端部103は、ローラ中央部101の後端1011側に設けられており、外側(後側)に向かって半径が小さくなるようなテーパ形状を有する略円錐台形状である。
図7に押圧部84の一部拡大平面図を示す。図7の右方がパイプレイヤ1の前側、左方が後側に相当する。ローラ中央部101は、その内部の前端に連結部101aが形成されており、内部の後端に連結部101bが形成されている。この連結部101a、連結部101bには、回転軸に沿ってネジ孔が形成されている。一方、第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103のそれぞれの内部の内側端に連結部102a、103aが形成されている。これら連結部102a及び連結部103aには、ネジ孔が形成されている。また、連結部102a及び連結部103aのそれぞれの周囲には、ベアリング104、105が配置されている。
詳しくは後述するが、ローラ中央部101と第1ローラ端部102の間には、支持部150の第1支持部材151が配置されており、ローラ中央部101と第2ローラ端部103の間には、支持部150の第2支持部材152が配置されている。ベアリング104は、第1支持部材151と連結部102aに固定されており、ベアリング105は第2支持部材152と連結部103aに固定されている。そして、連結部101aと連結部102aを連結するためのネジ106が第1ローラ端部102の前側から回転軸に沿って挿入されている。また、連結部101bと連結部103aを連結するためのネジ107が第2ローラ端部103の後側から回転軸に沿って挿入されている。このネジ106及びネジ107によって、ローラ中央部101と第1ローラ端部102と第2ローラ端部103は連結され、ベアリング104、105によって第1支持部材151及び第2支持部材152に対して回転可能となる。また、ネジ106、107の頭部が埋め込まれるように、第1ローラ端部102の前端側と第2ローラ端部103の後端側には凹部102b、103bが形成されている。
(支持部150及び回動軸160)
次に、支持部150について説明する。
図6及び図7に示すように、支持部150は、第1支持部材151と第2支持部材152と補強部材153を有する。回動軸160は、その中心軸S3が押圧ローラ100の中心軸S2と平行になるように配置されている。回動軸160は、その両側に配置されている回動軸支持部180、181においてベアリング等によって回動可能に支持されている。第1支持部材151は回動軸160に固定されており、上述したようにその先端側でベアリング104を介して連結部102aと連結されている。又、第2支持部材152は、回動軸160に固定されており、上述したようにその先端側でベアリング105を介して連結部103aに連結されている。第1支持部材151と第2支持部材152の間隔は、回動軸160側よりも押圧ローラ100側の方が広くなっている。補強部材153は、第1支持部材151と第2支持部材152の間を補強するために第1支持部材151と第2支持部材152の間に設けられている。
(捻りバネ170)
図5及び図7に示すように、捻りバネ170は、回動軸160に取り付けられている。捻りバネ170の一端171は、第1支持部材151に上方から当接している。また、捻りバネ170の他端172は、回動軸支持部181に形成された突起部182に当接している。捻りバネ170を圧縮状態で他端172を固定し、一端171を第1支持部材151に上方から当接させることにより、支持部150が回動軸160を中心にして下方に向かって回動する。この回動により押圧ローラ100がフックドラム80の表面方向(図6に示す矢印C方向)に付勢される。
(フックドラム80)
図8(a)は、フックドラム80を車体の左側の前方から視た斜視図である。図8(b)は、図8(a)と同じ状態のフックドラム80を車体の左側後方から視た斜視図である。図8(c)は、図8(a)の状態から約120°回転させたフックドラム80を図8(a)と同じ方向から視た斜視図である。図8(d)は、図8(c)と同じ状態のフックドラム80を車体の左側後方から視た斜視図である。
図8(a)〜図8(d)に示すように、フックドラム80は、円柱形状のドラム本体200と、ドラム本体200の両端に配置されている第1フランジ部201、202とを備えている。
ドラム本体200には、ワイヤロープ83が巻き回される。図8(a)に示すように、ドラム本体200には、ワイヤロープ83をフックドラム80の内側で固定するためのワイヤロープ孔203が、後側の端200b側に形成されている。ワイヤロープ83はワイヤロープ孔203に挿入されてフックドラム80の内側でフックドラム80に固定されている。尚、ドラム本体200の端200bと反対側の前側の端を200aとする。
ドラム本体200の表面にはワイヤロープ73を巻き取る際にワイヤロープ73が隣り合って巻き取られるように載置溝204が形成されている。
図9は、ドラム本体200の表面を二次元的に示した図である。すなわち、図9では、上下に示されている線Sが同じ位置を示している。図9に示すように、ドラム本体200の周方向に沿って斜めに複数の載置溝204が形成されている。ワイヤロープ83が巻き取られる際には、ワイヤロープ孔203から矢印T1に沿って載置溝204に嵌って巻き取られ、図9における下端まで達すると、次に、図9における上端から矢印T2に沿って載置溝204に嵌って巻き取られる。このように複数の載置溝204が周方向に対して斜めに形成されていることによって、巻き取るに従ってワイヤロープ73は、端200aから端200bに向かって移動する。
又、図8(b)、(d)及び図9に示すように、第1フランジ部201にはドラム本体200の表面に沿った第1凸部205が形成されている。また、第1フランジ部201の内側側面には、径方向に沿って帯状に、内側に突出するように第1キッカ部206が形成されている。第1キッカ部206は、その幅方向の中央が最も内側に突出するように略三角柱形状に形成されている。図8(a)、(c)及び図9に示すように、第2フランジ部202にはドラム本体200の表面に沿った第2凸部207が形成されている。また、第2フランジ部202の内側側面には、径方向に沿って帯状に、内側に突出するように形成されて第2キッカ部208が形成されている。第2キッカ部208は、その幅方向の中央が最も内側に突出するように略三角柱形状に形成されている。この第1凸部205、第1キッカ部206、第2凸部207及び第2キッカ部208については、ワイヤロープの巻き取り動作を説明する際に詳しく述べる。
尚、ドラム本体200の幅は、押圧ローラ100の幅と略同じ長さになるように形成されている。実際には、押圧ローラ100が第1フランジ部201、202の間に挿入される必要があるため、ドラム本体200の幅は、押圧ローラ100の幅よりも若干大きく形成されている。
(フリート角度及びテーパ角度)
次に、本実施の形態のフックドラム80のフリート角度について説明する。図10は、フックウインチ8の構成を示す斜視図である。図11(a)、(b)は、図10を模式的に示した平面図である。図11(a)に示すように、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸Sに対して垂直に伸ばした線L1と、フック用第2滑車82からフックドラム80のフランジ部201、202の内側を結んだ線L2、L3が成す角度をフリート角度という。線L1と線L2で形成される前側のフリート角度はθ1となり、線L1と線L3で形成される後側のフリート角度はθ2となる。
ここで、本実施の形態では、フック用第2滑車82は、そのフックドラム80の幅方向に対する位置が、ブームドラム70寄りに配置されている。詳しく述べると、図11(b)に示すように、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸Sに対して垂直に伸ばした線L1が、フックドラム80の幅方向の中央線C1よりもブームドラム70側(前側)に配置されている。このため、前側のフリート角度θ1は、後側のフリート角度θ2よりも小さくなっている。
図12は、押圧ローラ100のテーパ角度を説明するための図である。図12では、押圧ローラ100と、フックドラム80が示されている。図12に示すように、押圧ローラ100の中心軸S2(回転軸ともいえる)の垂直方向から視た平面視においてローラ中央部101の表面と平行な線をL6とし、第1ローラ端部102の表面と平行な線をL7とし、第2ローラ端部103の表面と平行な線をL8とすると、L6とL7の形成する角度θ3が第1ローラ端部102のテーパ角度となり、L6とL8の形成する角度θ4が第2ローラ端部103のテーパ角度となる。
このテーパ角度θ3は、テーパ角度θ4よりも小さく形成されている。これは、第1ローラ端部102側のフックドラム80の端200aにおけるフリート角度θ1が、第2ローラ端部103側のフックドラム80の端200bにおけるフリート角度θ2よりも小さくなっているためである。すなわち、フリート角度が大きい側のテーパ角度が大きくなるように形成されている。
これは、ワイヤロープ巻取り動作においても説明するが、フリート角度が大きくなると、その端においてワイヤロープが折り返す際にワイヤロープに生じるスラスト力が大きくなって乱巻きが発生し、ワイヤロープが整然と巻き取られない場合がある。このワイヤロープの滑り等の乱巻きを抑制するために、押圧ローラ100の端部に上記テーパ形状が形成されている。このフリート角度θ1は、例えば3度であり、フリート角度θ2は例えば4.5度に設定され、テーパ角度θ3は、例えば約6度、テーパ角度θ4は例えば約12度に設定することが出来る。
又、図12に示すように、第1ローラ端部102の内側の端1020に対向するフックドラム80の表面の位置とフック用第2滑車82とを結ぶ線L4と、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸S1におろした垂線L1が形成する角度θ5は、4°以下である。又、図12に示すように、第2ローラ端部103の内側の端1030に対向するフックドラム80の表面の位置とフック用第2滑車82とを結ぶ線L5と、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸S1におろした垂線L1が形成する角度θ6は、4°以下である。
すなわち、ドラム本体200の表面に載置溝204が形成されている場合、本実施の形態のように、フックドラム80上の表面の位置とフック用第2滑車82とを結ぶ線と、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸S1におろした垂線L1が形成する角度が4°を超える表面部分に対向する押圧ローラ100の部分にテーパ形状を形成することにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
また、ブームドラム70のフリート角度について説明する。
上述したように、フックドラム80におけるフリート角度は、フック用第2滑車82とフックドラム80の距離d1(図4参照)とフック用第2滑車82のフックドラム80の回転軸に沿った位置で決定する。一方、ブームドラム70におけるフリート角度は、ブーム用第1滑車71とブームドラム70の距離d2(図4参照)と、ブーム用第1滑車71のフックドラム80の回転軸に沿った位置で決定する。しかしながら、d2はd1に比べて非常に長いため、前側および後側のフリート角度は小さくなる。そのため、ドラムの端においてワイヤロープが折り返す際に乱巻きが発生しないため、フックドラム80側のように、テーパ形状を有する押圧ローラ100を設ける必要がない。
(ワイヤロープ巻取り動作)
次に、ワイヤロープの巻き取り動作について説明する。
正面(例えば、図2)から視て、反時計回りにフックドラム80を回転させることによって、ワイヤロープ83が巻き取られていく。
図13は、フックドラム80の表面図である。図13に示すように、ドラム本体200の後側の端200bから前側の端200aに向かって載置溝204に沿って巻き回される。図14は、第1フランジ部201の内側を後方向から視た平面図である。図15は、第2フランジ部202の内側を前方向から視た平面図である。尚、図14と図15は、同じ状態の図である。すなわち、図14において第1キッカ部206が上側に配置されているが、このとき図15に示すように第2キッカ部208も上側に配置されており、第1キッカ部206と第2キッカ部208は対向するように配置されている。
ワイヤロープ83が後側の端200bから前側の端200aに向かって載置溝204に沿って巻きまわされ、端200aに到達すると、巻き取られたワイヤロープ83によって形成される層の上にワイヤロープ83が巻き取られていく。尚、図14及び図15において、ワイヤロープ83を巻き取る際のフックドラム80の回転方向がW1で示され、ワイヤロープ83が表面に配置される方向がW2で示されている。
図16(a)〜(d)は、端200a近傍を示す図である。図16(a)は、図14のKK部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が回転した状態を示す図である。図16(b)は、図14のLL部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図16(a)の状態から約90度回転した状態を示す図である。図16(c)は、図14のMM部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図16(b)の状態から約90度回転した状態を示す図である。図16(d)は、図14のNN部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図16(c)の状態から約90度回転した状態を示す図である。
端200aにおいて第1層目から第2層目にかけてワイヤロープ83が折り返す際の挙動について説明する。
図13に示すように、ドラム本体200の端200bから端200aにワイヤロープが移動することによってドラム本体200の表面にワイヤロープ83による第1層が形成される。
そして、図16(a)に示すように、端200aに形成されている第1凸部205の上側には溝205aが形成されており、ワイヤロープ83が端200aに達すると、溝205aにワイヤロープ83が配置する。溝205aに配置しているワイヤロープ83の部分を83bで示し、その後側に位置するワイヤロープ83の部分を83aで示す。
更に、ワイヤロープ83を巻き取ると、フックドラム80の周方向に沿って第1凸部205の高さが高くなるように形成されているため、図16(b)に示すように、ワイヤロープ部分83bの位置が高くなる。
続いて、ワイヤロープ83を巻き取ると、図16(c)に示すように、ワイヤロープ部分83bは図14に示す第1キッカ部206を通過する。この第1キッカ部206は内側に向かって突出しているため、ワイヤロープ83に第1キッカ部206が当たり、ワイヤロープ部分83bに内側(スラスト方向であって矢印X1方向)に向かって力が加えられる。この第1キッカ部206によるスラスト力とともに、ワイヤロープ部分83bには、フリート角度によってワイヤロープ83に生じる内側方向(スラスト方向)の力が生じる。
一方、ワイヤロープ部分83bは、第1ローラ端部102によって上方から押圧されており、その押圧力をFとすると、図16(e)に示すように、押圧力Fはスラスト反力F1と、下方向への力F2へと分解される。上記2つのスラスト方向の力が、スラスト反力F1よりも大きいため、端のワイヤロープ部分83bは、ワイヤロープ部分83aとその内側のワイヤロープ部分83cによって上側に形成されるワイヤロープ溝83dに移動する。尚、ワイヤロープ溝83dとは、隣り合うワイヤロープ83の表面によって、その隣り合うワイヤロープの上側に形成される溝のことである。
この移動の際に、テーパ形状によって生じるスラスト反力F1によって、スラスト方向(X1)への力によってワイヤロープが内側に移動しすぎ、ワイヤロープ間に隙間が生じることを抑制することが出来る。
また、テーパ角度を適切な角度に設定することにより、スラスト反力F1が大きくなり過ぎて端200aにワイヤロープ83が保持され、端200aで繰り返しワイヤロープ83が巻きまわされることを抑制することが出来る。
このように、スラスト反力F1が適切な値になるようにテーパ角度を調整することによって、下側の層の最も端に位置するワイヤロープ83のワイヤロープ部分83aを乗り越えてワイヤロープ部分83bがワイヤロープ溝83dに位置することが出来る。
尚、図16(c)に示すワイヤロープ部分83bの矢印X1側(内側)にワイヤロープ部分83bが移動可能な空間が形成されている場合であっても、ワイヤロープ83がスラスト方向に移動しやすくなるが、本実施の形態ではテーパ形状によってスラスト方向(X1方向)への移動を制限しているため、ワイヤロープ溝83dを越えて更に内側のワイヤロープ溝に移動することを抑制できる。
続いてワイヤロープ83を巻き取ると、ワイヤロープ83はワイヤロープ溝83dに沿って配置されていき、ワイヤロープ83は端200aから端200bへと移動し、第2層目が形成されていく。
尚、フックドラム80の中央部、すなわち押圧ローラ100のローラ中央部101に対応するフックドラム80の部分では、ワイヤロープ83とフック用第2滑車82を結ぶ線と、フック用第2滑車82からフックドラム80の回転軸S1に下ろした垂線の成す角度が小さくなるため、ワイヤロープ83に加わるスラスト方向の力が小さくなる。そのため、ローラ中央部101のようにテーパ形状を設けなくても、ワイヤロープ83は整然と巻き回される。
端200(b)において第2層目から第3層目にかけてワイヤロープ83が折り返す際の挙動について説明する。
図17(a)〜(e)は、端200b近傍を示す図である。図17(a)は、図15のEE部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が回転した状態を示す図である。図17(b)は、図15のFF部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図17(a)の状態から約30度回転した状態を示す図である。図17(c)は、図15のGG部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図17(a)の状態から90度回転した状態を示す図である。図17(d)は、図15のHH部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図17(c)の状態から更に90度回転した状態を示す図である。図17(e)は、図16のJJ部分が押圧ローラ100の配置されている位置に来るようにフックドラム80が図17(d)の状態から更に90度回転した状態を示す図である。
図17(a)に示すように、端200bに形成されている第2凸部207の上側には溝207aが形成されており、端200bにワイヤロープ83が達すると、この溝207aにワイヤロープ83が配置される。溝207aに配置しているワイヤロープ83の部分を83eで示し、その前側に位置する2層目のワイヤロープ83の部分を83fで示す。
更に、ワイヤロープ83を巻き取ると、フックドラム80の周方向に沿って第2凸部207の高さが高くなるように形成されているため、図17(b)に示すように、ワイヤロープ部分83eの位置が高くなる。ワイヤロープ部分83eは、実質的に2層目から3層目に移行して端200bの近傍に位置する。この位置でフリート角度がほぼ最大となるため、ワイヤロープ部分83eをドラム80の軸方向で中央に寄せようとするスラスト力はほぼ最大となる。そのスラスト力は押圧ローラ100の第2ローラ端部103によって受けられて、ワイヤロープ部分83eはフックドラム80の中央方向に移動することはない。
更に、ワイヤロープ83を巻き取ると、図17(c)に示すように溝207aが無くなって、ワイヤロープ部分83eは端200bに最も近づき、フリート角度は最大となる。ワイヤロープ部分83eと第2ローラ端部103が接しているため、スラスト力によるワイヤロープ部分83eの移動は起こらない。この位置において、ワイヤロープ部分83eと第2ローラ端部103とが接する必要条件は、第2ローラ端部103の最小径を有する外側端と最大径を有する内側端の半径の差が、ワイヤロープ83の直径より小さいことである。この点についての詳細は、後述する。
続いて、ワイヤロープ83を巻き取ると、図17(d)に示すように、ワイヤロープ部分83eは図15に示す第2キッカ部208の近傍を通過する。第2キッカ部208は内側に突出しているため、ワイヤロープ83の巻き取りに従い、ワイヤロープ83に第2キッカ部208が当たり、3層目に位置するに至ったワイヤロープ部分83eには内側(スラスト方向であって矢印X2方向)に向かって力が加えられる。ここで、フリート角度によってもワイヤロープ83に生じるドラム内側方向(スラスト方向)の力が生じる。
これら2つのスラスト方向の力の和が、第2ローラ端部103のテーパ形状によるスラスト反力(図16F1参照)を超えるとワイヤロープ部分83eは、押圧ローラ100を押し上げ、ワイヤロープ部分83fとその内側のワイヤロープ部分83gによって上側に形成されるワイヤロープ溝83hに移動する。
図17(e)は、第2キッカ部208を通過し、ワイヤロープ部分83eがワイヤロープ溝83hに移動した状態を示す図である。ワイヤロープ部分83eはフックドラム80の軸方向で中央に寄せようとするスラスト力を受けるが、第2ローラ端部103に当接するため、ワイヤロープ溝83hより中央に移動することはない。
ワイヤロープ83のフックドラム80への巻きの先端部であるワイヤロープ部分83eは、巻きの2層目から3層目へと移動する際に、常にフックドラム80中央方向へ寄せようとするスラスト力を受ける。その間、ワイヤロープ部分83eは押圧ローラ100に当接し、そのテーパ形状によって生じるスラスト反力によって、ワイヤロープ部分83eが内側に移動しすぎて乱巻きが発生することを抑制することが出来る。また、テーパ角度を適切な角度に設定することにより、スラスト反力F1が大きくなり過ぎて端200aにワイヤロープ83が保持され、端200aで繰り返しワイヤロープ83が巻きまわされることを抑制することが出来る。
この端200bの方が端200aよりもフリート角度が大きくなるため、スラスト方向の力が大きくなる。そのため、第2ローラ端部103におけるテーパ角度を第1ローラ端部102におけるテーパ角度よりも大きくすることにより、端200bでの折り返しの際におけるワイヤロープ83が内側へ移動しすぎることを抑制することが出来る。
以上のようにして、フックドラム80に巻き取られるワイヤロープ83をフックドラム80の表面に押圧する押圧ローラ100の両端に適切な角度のテーパ形状を形成することにより、両端において内側へ折り返す際のワイヤロープの移動が適切に行われるため、端におけるワイヤロープの乱巻きの発生を抑制することが出来る。
図17(e)の状態から、端200bから端200aに向かって3層目が形成され、端200aにおいてワイヤロープ83が更に折り返される。そして、端200aから端200bに向かって4層目が形成され、端200bにおいて端200a側(内側ともいう)に向かって折り返され、5層目が形成され、図18に示すようにワイヤロープの巻き取りが完了される。
尚、この端200aにおける3層目から4層目への折り返し、及び端200bにおける4層目から5層目への折り返しの際にも、3層目あるいは4層目のワイヤロープ83の巻きの上面をガイドとして図16及び図17で示したものと同様のワイヤロープ83の移動の経路をたどる。
又、テーパ形状について、ワイヤロープの直径との関係ついて以下に説明する。
第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103の幅は、ワイヤロープ83の直径より大きい。又、第1ローラ端部102の内側端1020と外側端1021の径の差は、ワイヤロープ83の直径より小さく、第2ローラ端部103の内側端1030と外側端1031の径の差は、ワイヤロープ83の直径より小さい。
図19は、テーパ形状とワイヤロープとの関係を説明するための図である。図19に示すように、第1ローラ端部102の幅をd3とし、第2ローラ端部103の幅をd4とし、ワイヤロープの直径をR1すると、d3とd4は、R1より大きい。このように形成することで、ワイヤロープの幅1つ分はテーパ形状部分に配置することが出来る。このため、少なくとも端200a、200bに配置されるワイヤロープ83の部分は、隣に形成されたワイヤロープ溝に適切に移動することが出来る。
又、図19に示すように、第1ローラ端部102の内側端1020(小径側端)の半径をr1、外側端1021(大径側端)の半径をr2とし、第2ローラ端部103の内側端1030の半径をr3、外側端1031の半径をr4とすると、r2−r1≦R1であり、r4−r3≦R1である。
すなわち、図16及び図17に示すように、下側の層から上側の層に上がる折り返しの際に、上側の層のワイヤロープ部分を押さえる必要があるため、上記式を満たさない場合には、端に位置するワイヤロープ部分を押さえることが出来ない場合が生じる。しかしながら、上記式を満たすことによって、端200a、200bに配置されたワイヤロープ83の部分をテーパ形状によって押圧することが出来る。尚、ワイヤロープ83の直径R1は、例えば、20mmであり、d3及びd4は75mmに設定でき、r2−r1を7.9mmに設定でき、r4−r3を15.3mmに設定することが出来る。
<特徴>
(1)
本実施の形態のフックウインチ8(ウインチの一例)は、フックドラム80(ドラムの一例)と、押圧ローラ100(押圧ローラの一例)を備えている。フックドラム80は、ワイヤロープ83が巻き回される。押圧ローラ100は、フックドラム80の幅方向に沿って配置され、フックドラム80に巻き回されるワイヤロープ83をフックドラム80表面に押圧する。
押圧ローラ100は、ローラ中央部101(ローラ部の一例)と、第1ローラ端部102(第1端側のローラ端部の一例)、及び第2ローラ端部103(第2端側のローラ端部の一例)を有している。ローラ中央部101は、円柱形状である。第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103は、ローラ中央部101の幅方向の前端1010側(第1端側の一例)および後端1011側(第2端側の一例)に配置され、前端1010あるいは後端1011から離れるに従って半径が小さくなる略円錐台形状を持つ。第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103の幅は、ワイヤロープ83の直径より大きい。第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103の内側端1020、1030と外側端1021、1031の径の差は、ワイヤロープ83の直径よりも小さい。押圧ローラ100の中心軸S2に対して垂直な方向から視た平面視において、ローラ中央部101の表面と平行な線L6と第1ローラ端部102の表面と平行な線L7によって形成される角度をテーパ角度θ3とし、ローラ中央部101の表面と平行な線L6と第2ローラ端部103の表面と平行な線L8によって形成される角度をテーパ角度θ4とすると、第1ローラ端部102と第2ローラ端部103のテーパ角度が異なっている。
このように、図19に示すように、第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103の幅をワイヤロープ83の直径R1より大きくすることにより、少なくともワイヤロープ83の幅(R1)1つ分はテーパ形状部分に配置することが出来る。又、第1ローラ端部102及び第2ローラ端部103の内側端と外側端の半径の差をワイヤロープの直径以下とすることによって、ワイヤロープをテーパ形状によって押圧することが出来る。
これにより、テーパ形状によって、押圧されているワイヤロープ83に外側に向かう力(スラスト反力)が発生する。そのため、ワイヤロープを巻き取る際に内側方向にワイヤロープを移動させる力(スラスト力)が大きい場合でも、その力に対抗することが出来る。
すなわち、テーパ形状によって適切なスラスト反力を発生させることによって、スラスト力に対抗し、乱巻きの発生を抑制することが出来る。
本実施の形態では、フリート角度θ2の方がフリート角度θ1よりも大きいため、テーパ角度θ4がテーパ角度θ3よりも大きく形成されている。
すなわち、フリート角度θが大きくなると、端(例えば、200a、200b)においてワイヤロープ83が中央に向かって引っ張られる力が大きくなりスラスト力が大きくなる。このスラスト力に対抗するためにスラスト反力を大きくする必要がある。このスラスト反力は、テーパ角度を大きくすることにより大きくすることが出来る。
すなわち、フリート角度が大きいほど、テーパ角度を大きくすることにより、ワイヤロープの適切な内側への移動を実現できる。
(2)
上記実施の形態のフックウインチ8では、フックドラム80には、ドラム本体200と、第1フランジ部201と、第2フランジ部202を有している。ドラム本体200は、ワイヤロープ83が層状に巻き回され、円柱形状である。第1フランジ部201及び第2フランジ部202は、ドラム本体200の両端である端200a、200bに配置されている。
ワイヤロープ83が層状に巻き回されるとは、ドラム本体200の端200b(第1端の一例)から端200a(第2端の一例)に向かって隣り合ってワイヤロープ83が順に配置され、隣り合って配置されたワイヤロープ83の上側に端200aから端200bに向かってワイヤロープ83が隣り合って順に配置されることである。ワイヤロープ83が第1層(下側の層の一例)から第2層(上側の層の一例)へと移動するドラム本体200の端200a(第2端の一例)には、第1層の端200aに位置するワイヤロープ83の部分が嵌る溝205a(第1溝の一例)が形成されている。
又、ワイヤロープ83が層状に巻き回されるとは、ドラム本体200の端200a(第1端の一例)から端200b(第2端の一例)に向かって隣り合ってワイヤロープ83が順に配置され、隣り合って配置されたワイヤロープ83の上側に端200bから端200aに向かってワイヤロープ83が隣り合って順に配置されることである。ワイヤロープ83が第2層(下側の層の一例)から第3層(上側の層の一例)へと移動するドラム本体200の端200b(第2端の一例)には、第3層の端200bに位置するワイヤロープ83の部分が嵌る溝207a(第1溝の一例)が形成されている。
このように、端のワイヤロープの部分が溝に嵌ることによって、端におけるワイヤロープの位置を固定することが出来る。端におけるワイヤロープ部分の位置を固定することによって、ワイヤロープを巻き取って内側に移動させる際に、端のワイヤロープ部分に隣接するようにワイヤロープを巻き取られることが出来る。
すなわち、巻き取る際の基準となるワイヤロープ部分の位置決めを行うことができるため、整然とワイヤロープを巻き取ることが出来る。
(3)
上記実施の形態のフックウインチ8では、図16に示すように、端200a(第2端の一例)側に配置された第1フランジ部201は、第1キッカ部206(突起部の一例)を有している。第1キッカ部206は、溝205a(第1溝の一例)に配置されたワイヤロープ部分83bを、第1層の端200aの側の端に位置するワイヤロープ部分83aと、その隣に配置されたワイヤロープ部分83cによって形成されるワイヤロープ溝83d(第2溝の一例)に移動させる。
又、実施の形態のフックウインチ8では、図17に示すように、端200b(第2端の一例)側に配置された第2フランジ部202は、第2キッカ部208(突起部の一例)を有している。第2キッカ部208は、溝207a(第1溝の一例)に配置されたワイヤロープ部分83eを、第2層の端200bの側の端に位置するワイヤロープ部分83fと、その隣に配置されたワイヤロープ部分83gによって形成されるワイヤロープ溝83h(第2溝の一例)に移動させる。
このように、第1キッカ部206及び第2キッカ部208を備えることによって、端に固定したワイヤロープ部分を、その内側の隣に形成されているワイヤロープ溝83d、83hに、下側の層のワイヤロープ部分83a、83fを乗り越えて配置させることが出来る。
これにより、整然とワイヤロープを巻き取ることが出来る。
(4)
上記実施の形態のフックウインチ8において、ドラム本体200は、その表面にワイヤロープ83が載置される複数の載置溝204を有している。図12に示すように、第1ローラ端部102のローラ中央部101と相対する側の端1020に対向するドラムの表面位置から繰り出るワイヤロープ83のフリート角度θ5は4°以下である。また、図12に示すように、第2ローラ端部103のローラ中央部101と相対する側の端1030に対向するドラムの表面位置から繰り出るワイヤロープ83のフリート角度θ6は4°以下である。
すなわち、ドラム本体200の表面に載置溝204が形成されている場合、フリート角度が4度を超えるとスラスト力による乱巻きが発生する場合がある。しかしながら、本実施の形態のように、角度が4°を超える部分にテーパ形状を形成することにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
(5)
上記実施の形態のパイプレイヤ1は、フック5と、フック5を上下させるためのフックウインチ8とを備えている。
これにより、フックドラム80に巻き回されたワイヤロープ83を押圧する押圧ローラ100の端部分にテーパ形状を設けるという簡易な構成によって、乱巻きの発生を抑制することが出来るパイプレイヤ1を提供することが出来る。
(6)
上記実施の形態のパイプレイヤ1は、フック用第2滑車82(シーブの一例)と、ブーム4と、ブームドラム70(ブーム用ドラムの一例)を備えている。フック用第2滑車82は、フック5を上下させるためのワイヤロープ83が巻き掛けられる。ブーム4は、フック5が吊るされる。ブームドラム70は、フックドラム80(フック用ドラムの一例)と同軸S1上に並んで配置され、ブーム4を起伏させるためにワイヤロープ73が巻回される。
フック用第2滑車82は、その回転軸S4がフックドラム80の回転軸S1と平行であって、回転軸S1に対して垂直な方向から視た平面視においてフックドラム80の幅方向の中心(図11(b)C1参照)よりもブームドラム70側寄りに配置されている。第1ローラ端部102(第1端側のローラ端部の一例)は、ブームドラム70が設けられている側に配置されている。第1ローラ端部102(第1端側のローラ端部の一例)のテーパ角度θ3は、第2ローラ端部103(第2端側のローラ端部の一例)のテーパ角度θ4よりも小さい。
このように、フックドラム80とブームドラム70を同軸上に配置することにより、フック用第2滑車82をフックドラム80の幅方向の中央に配置することが出来ない。このため、フックドラム80の端におけるフリート角度が大きくなる場合があるが、本実施の形態のように押圧ローラ100の端部にテーパ形状を形成することにより、乱巻きの発生を抑制することが出来る。
言い換えると、押圧ローラ100の端部にテーパ形状を形成するだけで、フック用第2滑車82を配置する位置を変更することが出来る。そのため、他の構成の配置も考慮して、フック用第2滑車82の位置を決定できるため設計を行い易い。
図12に示すように、フック用第2滑車82からの距離が遠い方の端部のフリート角度が大きくなるため、フリート角度が大きくなるほうのテーパ角を大きくすることにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
(他の実施の形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
本実施の形態では、第2ローラ端部103の方が第1ローラ端部102よりもフック用第2滑車82よりも遠くに配置されているため、第2ローラ端部103側のテーパ角を第1ローラ端部102よりも大きく形成した。しかしながら、第2ローラ端部103の方が第1ローラ端部102よりもフック用第2滑車82から近くに配置されている場合は、第2ローラ端部103側のテーパ角を第1ローラ端部102よりも小さく形成してもよい。
(B)
また、上記実施の形態では、押圧ローラ100の両端部にテーパ形状が形成されているが、フックドラム80の一方の端におけるフリート角度が、乱巻きが発生しない程度に小さい場合には、その一方の端にはテーパ形状を形成しなくてもよい。すなわち、乱巻きが発生する可能性がある程度にフリート角度が大きい側の端部にのみテーパ形状を設ければよい。
(C)
上記実施の形態のフックウインチ8のドラム本体200の表面には巻き取り載置溝204が形成されているが、巻き取り載置溝204が形成されていなくてもよい。この場合、例えば、図12に示す角度θ5は、2°以下である。又、図12に示す角度θ6は、2°以下である。
すなわち、ドラム本体200の表面に載置溝204が形成されていない場合には、フリート角度が2°を超えるとスラスト力による乱巻きが発生する場合がある。しかしながら、本実施の形態のように、角度が2°を超える部分にテーパ形状を形成することにより、スラスト力による乱巻きの発生を抑制することが出来る。
(D)
上記実施の形態では、パイプレイヤのフックウインチを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、フック用ウインチに限定されるものではなく、ブーム用のウインチに用いても良い。
更に、パイプレイヤのウインチに限られなくてもよく、クレーンなどに用いても良い。
本発明のウインチは、乱巻きの発生を抑制することが可能な効果を有し、パイプレイヤのフック用ウインチ等に適用可能である。
1 パイプレイヤ
2 車両本体
3 カウンターウェイト
4 ブーム
5 フック
6 ウインチ装置
7 ブームウインチ
8 フックウインチ(ウインチの一例)
10 運転室
13、14 走行装置
70 ブームドラム(ブーム用ドラムの一例)
71 ブーム用第1滑車
72 ブーム用第2滑車
73 ワイヤロープ
80 フックドラム(ドラムの一例、フック用ドラムの一例)
81 フック用第1滑車
82 フック用第2滑車(シーブの一例)
83 ワイヤロープ
83d、83h ワイヤロープ溝(第2溝の一例)
84 押圧部
99 パイプ
100 押圧ローラ
101 ローラ中央部(ローラ部の一例)
102 第1ローラ端部(ローラ端部の一例)
103 第2ローラ端部(ローラ端部の一例)
150 支持部
151 第1支持部材
152 第2支持部材
153 補強部材
160 回動軸
170 捻りバネ
200 ドラム本体
201 第1フランジ部(フランジ部の一例)
202 第2フランジ部(フランジ部の一例)
203 ワイヤロープ孔
204 載置溝
205 第1凸部
206 第1キッカ部(突起部の一例)
207 第2凸部
205a、207a 溝(第1溝の一例)
208 第2キッカ部(突起部の一例)

Claims (7)

  1. ワイヤロープが巻回されるドラムと、
    前記ドラムの幅方向に沿って配置され、前記ドラムに巻回される前記ワイヤロープを前記ドラム表面に押圧する押圧ローラと、
    を備え、
    前記押圧ローラは、
    円柱形状のローラ部と、
    前記ローラ部の前記幅方向の第1端側及び第2端側に配置され、前記第1端あるいは第2端側から離れるに従って半径が小さくなる略円錐台形状を持つローラ端部を有し、
    前記ローラ端部の幅は、前記ワイヤロープの直径より大きく、
    前記ローラ端部の内側端と外側端の半径の差は、前記ワイヤロープの直径より小さく、
    前記押圧ローラの中心軸に対して垂直な方向から視た平面視において、前記ローラ部の表面と平行な線と前記ローラ端部の表面と平行な線によって形成される角度をテーパ角度とすると、
    前記第1端側の前記ローラ端部のテーパ角度と前記第2端側の前記ローラ端部のテーパ角度が異なっている、
    パイプレイヤのためのウインチ。
  2. 前記ドラムは、
    前記ワイヤロープが層状に巻回される円柱形状のドラム本体と、
    前記ドラム本体の両端である第1端及び第2端に配置されたフランジ部と、を有し、
    前記ワイヤロープが層状に巻回されるとは、前記ドラム本体の前記第1端から前記第2端に向かって隣り合って前記ワイヤロープが順に配置され、前記隣り合って配置された前記ワイヤロープの上側に前記第2端から前記第1端に向かって前記ワイヤロープが隣り合って順に配置されることであり、
    前記ワイヤロープが下側の層から上側の層へと移動する前記ドラム本体の前記第2端には、前記上側の層の前記第2端側の端に位置する前記ワイヤロープの部分が嵌る第1溝が形成されている、
    請求項1記載のパイプレイヤのためのウインチ。
  3. 前記第2端の側に配置された前記フランジ部は、
    前記第1溝に配置された前記ワイヤロープ部分を、前記下側の層の前記第2端側の端に位置する前記ワイヤロープの部分とその隣に配置された前記ワイヤロープの部分によって形成される第2溝に移動させる突起部を有する、請求項2記載のパイプレイヤのためのウインチ。
  4. 前記ローラ端部の前記ローラ部と相対する側の端に対向する前記ドラムの表面位置から繰り出る前記ワイヤロープのフリート角度は、2°以下である、請求項1記載のパイプレイヤのためのウインチ。
  5. 前記ドラム本体は、その表面に前記ワイヤロープが載置される複数の載置溝を有し、
    前記ローラ端部の前記ローラ部と相対する側の端に対向する前記ドラムの表面位置から繰り出る前記ワイヤロープのフリート角度は4°以下である、請求項2記載のパイプレイヤのためのウインチ。
  6. フックと、
    前記フックを上下させるための請求項1から5のいずれかに記載のウインチと、
    を備え、
    前記ドラムは、前記フックを上下させる前記ワイヤロープが巻き回されるフック用ドラムである、
    パイプレイヤ。
  7. 前記フックを上下させる前記ワイヤロープが巻き掛けられるシーブと、
    前記フックが吊るされたブームと、
    前記フック用ドラムと同軸上に並んで配置され、前記ブームを起伏させるワイヤロープが巻回されるブーム用ドラムとを備え、
    前記シーブは、その回転軸が前記フック用ドラムの回転軸と平行であって、前記回転軸に対して垂直な方向から視た平面視において、前記フック用ドラムの幅方向の中心よりも前記ブーム用ドラム側寄りに配置され、
    前記第1端側のローラ端部は前記ブーム用ドラムが設けられている側に配置されており、
    前記第1端側のローラ端部のテーパ角度は、前記第2端側のローラ端部のテーパ角度よりも小さい、
    請求項6記載のパイプレイヤ。
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