JP2019137490A - ウインチドラム用アタッチメント - Google Patents

Abstract

【課題】ウインチドラムに対して取り付ける場合に、強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラムに対する回転を規制することのできるウインチドラム用アタッチメントを提供する。【解決手段】アタッチメント５２の内周部には、ウインチドラム５１の巻胴部５１ａに形成されたロープ溝５１ａ１に係合し、巻胴部５１ａに対する回転を規制する回転規制部５２ｃが設けられている。これにより、ウインチドラム５１に対してアタッチメント５２を強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラム５１に対するアタッチメント５２の回転を規制することができるので、ウインチドラム５１及びアタッチメント５２の製造コストの低減を図ることが可能となる。【選択図】図６

Description

本発明は、例えば、クレーン装置に用いられるウインチのウインチドラムに取り付けられるウインチドラム用アタッチメントに関するものである。

従来、この種のウインチドラム用アタッチメントとしては、所定の外径寸法のロープを巻き付けるためのロープ溝が巻胴部に形成されたウインチドラムに対して異なる外径寸法のロープを巻き掛ける際に用いられるものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００６−３１５８１０号公報

前記ウインチドラム用アタッチメントは、ウインチドラムに取り付ける場合に、ウインチドラムに対する空転やずれの発生を防止するため、ウインチドラムの巻胴部の外周部に強固に固定する必要がある。

本発明の目的とするところは、ウインチドラムに対して取り付ける場合に、強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラムに対する回転を規制することのできるウインチドラム用アタッチメントを提供することにある。

本発明は、前記目的を達成するために、所定の外径寸法のロープを巻き掛けるためのロープ溝が形成された巻胴部を有するウインチドラムに取り付けられるアタッチメントであって、外周部には、巻胴部に巻き掛けられるロープの外径寸法と異なる外径寸法のロープを巻き付けるためのロープ溝が形成され、内周部には、ウインチドラムの巻胴部に形成されたロープ溝に係合し、ウインチドラムに対する回転を規制する回転規制部が設けられている。

これにより、巻胴部に形成されたロープ溝に回転規制部が係合することで、ウインチドラムに対するアタッチメントの回転が規制されることから、ウインチドラムに対してアタッチメントを強固に固定する構造が不要となる。

本発明によれば、ウインチドラムに対してアタッチメントを強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラムに対するアタッチメントの回転を規制することができるので、ウインチドラム及びアタッチメントの製造コストの低減を図ることが可能となる。

本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの側面図である。 ウインチドラムの平面図である。 アタッチメントが取り付けられたウインチドラムの平面図である。 ウインチドラム及びアタッチメントの分解断面図である。 アタッチメントが取り付けられたウインチドラムの要部断面図である。 ウインチドラム及びアタッチメントの分解要部断面図である。 本発明の他の実施形態を示すウインチドラム及びアタッチメントの要部断面図である。

図１乃至図６は、本発明の一実施形態を示すものである。

本発明のウインチドラム用アタッチメントが適用されるウインチを備えた移動式クレーン１は、図１に示すように、一般の道路や作業エリア内を走行するための車体１０と、クレーン作業を行うためのクレーン装置２０と、車体１０の走行及びクレーン装置２０によるクレーン作業の操作を行うためのキャブ３０と、を備えている。クレーン装置２０及びキャブ３０は、車体１０に対して水平方向に旋回可能な旋回台４０に支持され、旋回台４０の幅方向一方にクレーン装置２０が配置され、幅方向他方にキャブ３０が配置されている。

車体１０は、前側及び後側の幅方向両側に設けられた車輪１１と、前側の車輪１１の前方及び後側の車輪１１の後方に設けられたアウトリガ１２と、を備えている。車体１０は、エンジンの駆動力によって走行する。

クレーン装置２０は、車体１０に対して起伏自在に設けられると共に伸縮自在な伸縮ブーム２１と、伸縮ブーム２１に沿って延びると共に伸縮ブーム２１の先端部から垂下されるワイヤロープ２２と、ワイヤロープ２２の巻き取り及び繰り出しを行うウインチ５０と、伸縮ブーム２１の先端部から垂下されたワイヤロープ２２に係止されるフックブロック２３と、を有している。

ワイヤロープ２２は、複数の鋼線を撚り合わせることによって形成され、引張強度に応じた外径寸法を有している。

ウインチ５０は、旋回台４０における伸縮ブーム２１の基端部に隣接する位置に設けられている。ウインチ５０は、ワイヤロープ２２が巻き掛けられるウインチドラム５１を有し、油圧式の図示しないウインチモータによってワイヤロープ２２の巻き取り動作及び繰り出し動作を行う。

ウインチドラム５１は、図２に示すように、ワイヤロープ２２が巻き掛けられる円筒状の巻胴部５１ａと、巻胴部５１ａの軸方向両端部において周方向にわたって巻胴部５１ａの外周部よりも径方向外側に張り出すフランジ部５１ｂと、を有している。

巻胴部５１ａには、軸方向一端側から他端側に向かって螺旋状に延びるロープ溝５１ａ１が形成されている。ロープ溝５１ａ１は、巻胴部５１ａに巻き掛けられるワイヤロープ２２の外径寸法に応じた大きさの断面円弧形状の溝である。ロープ溝５１ａ１に沿って巻き掛けられたワイヤロープ２２は、巻胴部５１ａの軸方向に互いに隙間なく隣接している。

ウインチドラム５１には、ワイヤロープ２２と異なる外径寸法のワイヤロープや合成繊維ロープ等のロープ２２´を巻き掛けるために、アタッチメント５２が取り付けられる。

アタッチメント５２は、金属材料または硬質の合成樹脂材料からなり、図３に示すように、ウインチドラム５１の巻胴部５１ａの外周部に取り付けられる。アタッチメント５２は、図４に示すように、一対の巻胴部材５２ａからなり、一対の巻胴部材５２ａをそれぞれ巻胴部５１ａの周方向に配置することで巻胴部５１ａの外周部を覆う円筒状に形成される。

一対の巻胴部材５２ａのそれぞれの周方向両端部には、図４に示すように、ボルトとナット等の締結部材５３を挿入するための挿入孔５２ａ１が設けられている。一対の巻胴部材５２ａは、互いに内周面を対向させた状態で挿入孔５２ａ１に締結部材５３を挿入することによって互いに固定される。

アタッチメント５２の外周部には、図３及び図５に示すように、ロープ２２´の外径寸法に応じた大きさの断面円弧形状のロープ溝５２ｂが形成されている。

アタッチメント５２の内周部には、図５及び図６に示すように、ウインチドラム５１のロープ溝５１ａ１に係合することで、ウインチドラム５１に対するアタッチメント５２の回転を規制するための回転規制部５２ｃが形成されている。回転規制部５２ｃは、アタッチメント５２の内周部から径方向内側に張り出すように設けられ、ウインチドラム５１のロープ溝５１ａ１に嵌合する凸部である。

以上のように構成されたアタッチメント５２をウインチドラム５１に取り付ける場合には、まず、一対の巻胴部材５２ａのそれぞれの回転規制部５２ｃを、ウインチドラム５１のロープ溝５１ａ１に嵌合させる。次に、互いの内周面を対向させた一対の巻胴部材５２ａのそれぞれの挿入孔５２ａ１に締結部材５３を挿入して、一対の巻胴部材５２ａを互いに固定する。

アタッチメント５２は、一対の巻胴部材５２ａそれぞれの回転規制部５２ｃがウインチドラム５１の巻胴部５１ａに形成された螺旋状のロープ溝５１ａ１に係合することで、ウインチドラム５１に対する回転が規制される。

ウインチドラム５１にアタッチメント５２が取り付けられたウインチ５０は、ワイヤロープ２２の外径寸法と異なる外径寸法のロープ２２´の巻き取り及び繰り出しが可能となる。

このように、本実施形態のウインチドラム用アタッチメントによれば、アタッチメント５２の内周部には、ウインチドラム５１の巻胴部５１ａに形成されたロープ溝５１ａ１に係合し、巻胴部５１ａに対する回転を規制する回転規制部５２ｃが設けられている。

これにより、ウインチドラム５１に対してアタッチメント５２を強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラム５１に対するアタッチメント５２の回転を規制することができるので、ウインチドラム５１及びアタッチメント５２の製造コストの低減を図ることが可能となる。

また、回転規制部５２ｃは、巻胴部５１ａに形成されたロープ溝５１ａ１に嵌合する凸部である。

これにより、アタッチメント５２の内周面全体をウインチドラム５１の巻胴部５１ａに係合させることが可能となるので、確実にウインチドラム５１に対してアタッチメント５２の回転を規制することが可能となる。

また、アタッチメント５２は、周方向に複数の巻胴部材５２ａから円筒状に形成されている。

これにより、複数の巻胴部材５２ａを互いに連結することによりウインチドラム５１にアタッチメント５２を取り付けることができるので、アタッチメント５２の取り付け作業が容易となる。

図７は本発明の他の実施形態を示すものである。

本実施形態のアタッチメント５２は、図７に示すように、一対の巻胴部材５２ａの軸方向両端部の外周部から径方向外側に延出するフランジ部５２ｄが設けられている。

フランジ部５２ｄには、一対の巻胴部材５２ａの軸方向端部に巻き取られたロープ２２´を案内して巻き取り位置を調整するための巻取位置調整部５２ｅが形成されている。

以上のように構成されたアタッチメント５２が取り付けられたウインチ５０では、一対の巻胴部材５２ａの軸方向他端側から一端部まで巻き取られたロープ２２´が、巻取位置調整部５２ｅによって軸方向他端部側に向かって案内されて、軸方向一端部に位置するロープ２２´に隣接した位置に巻き付けられる。

このように、本実施形態のウインチドラム用アタッチメントによれば、前記実施形態と同様に、ウインチドラム５１に対してアタッチメント５２を強固に固定する構造を必要とすることなく、ウインチドラム５１に対するアタッチメント５２の回転を規制することができるので、ウインチドラム５１及びアタッチメント５２の製造コストの低減を図ることが可能となる。

また、フランジ部５２ｄには、一対の巻胴部材５２ａの軸方向端部に位置するロープ２２´を案内してロープ２２´の巻き取り位置を調整するための巻取位置調整部５２ｅが形成されている。

これにより、ウインチドラム５１に巻き掛けられるロープ２２´の外径寸法に応じた位置に巻取位置調整部５２ｅを配置することが可能となるので、ウインチドラム５１に対してロープ２２´が均一に巻き取られない、所謂乱巻きの発生を確実に防止することができる。

尚、前記実施形態では、アタッチメント５２が取り付けられるウインチドラム５１として移動式クレーン１のウインチ５０を示したが、これに限られるものではない。本発明が適用可能なウインチとしては、貨物や船舶を移動させる定置型のウインチであってもよいし、構造物に吊り下げられて荷物を楊重するためのウインチであってもよい。

また、前記実施形態では、一対の巻胴部材５２ａによってウインチドラム５１の巻胴部５１ａの外周部を覆うようにしたものを示したが、これに限られるものではない。巻胴部５１ａの外周部を覆うものであれば、例えば、シート状の一部材からなる巻胴部材や、連結された３以上の巻胴部材によってウインチドラム５１の巻胴部５１ａの外周部を覆うようにしてもよい。

５１…ウインチドラム、５１ａ…巻胴部、５１ａ１…ロープ溝、５２…アタッチメント、５２ａ…巻胴部材、５２ｂ…ロープ溝、５２ｃ…回転規制部、５２ｄ…フランジ部、５２ｅ…巻取位置調整部。

Claims (5)

1. 所定の外径寸法のロープを巻き掛けるためのロープ溝が形成された巻胴部を有するウインチドラムに取り付けられるアタッチメントであって、
   外周部には、巻胴部に巻き掛けられるロープの外径寸法と異なる外径寸法のロープを巻き付けるためのロープ溝が形成され、
   内周部には、ウインチドラムの巻胴部に形成されたロープ溝に係合し、ウインチドラムに対する回転を規制する回転規制部が設けられている
   ウインチドラム用アタッチメント。
2. 回転規制部は、巻胴部に形成されたロープ溝に嵌合する凸部である
   請求項１に記載のウインチドラム用アタッチメント。
3. 巻胴部の周方向に配置された複数の巻胴部材を連結することによって円筒状に形成されている
   請求項１または２に記載のウインチドラム用アタッチメント。
4. 軸方向両端部には、周方向にわたって径方向外側に延出するフランジ部が設けられている
   請求項１乃至３のいずれかに記載のウインチドラム用アタッチメント。
5. フランジ部には、軸方向端部に位置するロープを案内してロープの巻き取り位置を調整する巻取位置調整部が形成されている
   請求項４に記載のウインチドラム用アタッチメント。